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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part26
上条さんと美琴のSSをじゃんじゃん投下していくスレです!
別に上条さんと美琴だけが出てくるスレじゃありません。
上条さんと美琴が最終的にいちゃいちゃしていればいいので、
ほかのキャラを出してもいいです。そこを勘違いしないようにお願いします!
◇このスレの心得
・原作の話は有りなのでアニメ組の人はネタバレに注意してください。
・美琴×俺の考えの人は戻るを押してください。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・レスする前に一度スレを更新してみましょう。誰かが投下中だったりすると被ります。
・次スレは>>970 ぐらいの人にお願いします。
◇投稿時の注意
・フラゲネタはもちろんNG。
・キャラを必要以上に貶めるなど、あからさまに不快な表現は自重しましょう。
・自分が知らないキャラは出さないように(原作読んでないのに五和を出す等)。
・明らかにR-18なものは専用スレがあるみたいなのでそちらにどうぞ。
・流れが速い時は宣言してから書き込むと被ったりしないです。投稿終了の目印もあるとさらに◎。
・創作しながらの投稿はスレを独占することになりますので、書き溜めてから投稿することをお勧めします。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・以前に投稿したことがある人は、その旨記述してあるとまとめの人が喜びます。
・ちなみに1レスの制限は約4096byte(全角約2000文字)、行数制限は無い模様。
◇その他の注意・参考
・基本マターリ進行で。特に作品及び職人への過度なツッコミや批判は止めましょう。
・このスレはsage進行です。レスする際には必ずメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。
・クレクレ(こうゆうのを書いてください)等はやりすぎに注意。
・読んだらできれば職人にレスしてあげましょう。職人の投稿するモチベーションを維持できます。
・誰か投下した直後の投下はできれば控えめに。
・倫理的にグレーな動画サイト、共有関係の話題はもちろんNG。
・書きたいけど文才無いから書けないよ!
→スレの趣旨的にそれでも構いません。妄想と勢いでカバー(ネタを提案する程度でも)。
◇初心者(書き手)大歓迎!◇
前スレ
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part25
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まとめページ
とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫 / 上条さんと美琴のいちゃいちゃSS
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/pages/81.html
まとめページの編集方針
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スレ立て用テンプレ
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■過去スレ
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1256470292/
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part2
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part3
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part4
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part5
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part6
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part8
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part9
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part12
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part21
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part24
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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS part25
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■関連ページ
とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫
ttp://www31.atwiki.jp/kinsho_second/
とある魔術の禁書目録 Index
ttp://www12.atwiki.jp/index-index/
御坂美琴まとめ Wiki
ttp://wikiwiki.jp/misakamikoto/
■関連スレ
上条当麻×御坂美琴 専用雑談スレ 追いかけっこ12日目
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上条さんと○○のいちゃいちSS
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上条さんが好きそうな女キャラについて語ろう
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禁書目録シリーズヒロイン全般を語るスレ18
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【お姉様】御坂美琴スレ【ツンデレールガン】
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上琴の愛に溢れたSS・薄い本を教えあうスレ
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美琴が上条さんを責める!S琴
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1335804391/
上琴ならなんでもOK!
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1320933936/
【とある魔術の禁書目録】上条当麻の入院費用はか36一方
ttp://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1378607435/
【とある魔術の禁書目録&超電磁砲】御坂美琴の眠れる力224
ttp://ikura.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1381239508/
■関連スレ(R−18)
上条当麻×御坂美琴 いちゃエロスレ4
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1322814818/
禁書でエロばなし
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/6947/1137215857/
【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 38フラグ目
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1363161190/
>>1 乙なのよな
>>1 乙です
重ね重ね
>>1 乙〜
初SSは誰だろうWktk
>>・・・さんGJです!
後日談とか…後日談とかはないんですか!?
ええい。いい所で終わりおってからに!
>>トワノハテさんGJです!
続きがすげぇ気になります!
お待ちしてますよー!
どうも、くまのこです。
こっちのスレでいいんですよね?
新スレ一発目が自分ですみませんが、投下させてもらいます。
今回のこぼれ話も我道さんとの合作です。
約3分後に11レス使わせてもらいます。
上条「よーす、御坂。お前早いなー」
美琴「アンタが遅いだけでしょ。まったく何時だと思ってんのよ」
上条「本番に間に合ってるから構わないだろ?」
美琴「何か不測の事態があるかもしれないし、十分から十五分は最低でも早く来るのがマナーなの」
上条「へいへい。次回から気を付けますよー。で、なあ、御坂」
美琴「何?」
上条「確か、このこぼれ話って、前回、一回ゲストで呼ばれた奴は最初から入ってるって言ったよな?」
美琴「言ったわよ」
上条「なるほど。それで一方通行が最初からここに居ることは分かった」
一方「まァ、映像がねえと文字が出るまで分かンねェからな」
上条「で、もう一人は? この話なら当然、白井のはずじゃないのか?」
美琴「はあ? 結構重要な邂逅があるのに、こういう二次創作のこぼれ話で出すわけにいかないじゃない。
確か、この世界の創造主も私たちを創り出したもう一人の神様の作品集に寄せた物語にもそう書いていたと思うけど」
一方「なるほど……それでオレとあいつ、ってわけか……」
美琴「てことで、ゲスト紹介よろしく、親御さん?」
一方「何か、オマエに言われるとむかつき具合が倍増するなオイ!? つーわけで、入ってこい」
??「わーい♪、やっと呼ばれたよ、ってミサカはミサカは満面の笑顔であなたの胸にダイブしてみたり!」
一方「鬱陶しい真似してンじゃねェ!!」
美琴「でも振り払わない、と」
一方「テメエにゃ、このメリーゴーランド状態を見てそう思えるのか!? どう見ても、こいつが必死にしがみついているだけだろうが!!」
上条「もう一人が打ち止め!? 何で!? この子、このお話に関わっていたの!?」
美琴「そりゃあ、妹達の上位個体だし、関わってるに決まってるじゃない。
むしろ、『妹達』が関わるってことは、一〇〇三二号以下二〇〇〇〇号+上位個体まで全員が関わってるのと同義なんだから」
上条「そういやミサカネットワークで繋がってるんだったな……」
美琴「そういうこと。てことで始めるわよ」
一方「って、オマエら! 俺の現状は無視かコラ!!」
打止「ミサカの表記がこれはどうなの? ってミサカはミサカは少し思うところがあるけど、それでも、このメリーゴーランド状態を満喫してみたり!」
――通常の測定方法が使えないと常盤台中学の教員達の手を焼かせた、絶大なる能力者。
専用のカリキュラムを学校側に用意させ、プールに溜めた膨大な水を使って威力を削らなければ、測定機ごと校舎を全壊しかねないほどの、常盤台中学でも二人しかいない超能力者【レベル5】の一人。
超電磁砲の御坂美琴。
打止「さすがミサカたちの素体! ってミサカはミサカは改めてお姉さまに羨望の眼差しを送ってみたり!」
上条「何か、この前に一方通行や魔術師と対峙していた所為か、あんまり実感なかったんだが、御坂って能力者として、やっぱスゲエんだな」
一方「そりゃあ、俺と比べるのは酷ってもンだ。俺からすればハナクソみてェなもンだが、視力検査でも二.〇ってのはそうはいねェだろ」
美琴「ふーん。でもまあ、今のアンタなら私は別に全開どころか指一本で勝てるけど」
一方「……言ってくれるじゃねェか、あン?」
美琴「何なら実践してあげてもいいわよ。ほれ」
一方「fくぁwせdrftgyふじこlp!?」
上条「あークラッキング【電波遮断】か……確か、そのチョークを電極で繋いでたんだよな……」
打止「まあ今の一方通行ならミサカでも止められるもんね、ってミサカはミサカはしみじみ思ってみたり。
でも、司令塔以外にこれはできないんで他のミサカたちはあなたに妨害電波を出すことは無いから安心して、ってミサカミサカは先にあなたの憂いを吹き飛ばしてみる」
どこの『派閥』にも属する事なく、誰とでも分け隔てなく接する者。
上条「そういや御坂って、派閥には入ってないんだよな。何でだ?」
美琴「あ〜んま興味ないのよね。わざわざそんなのに入らなくても、『私は私』、みたいな?」
上条「ふ〜ん…そんなもんかねぇ…?」
打止「でもでも常盤台の派閥って一般的な学校の『部活』みたいなものなんでしょ?
みんなでワイワイやるのってとっても楽しいと思うの!ってミサカはミサカは率直な意見を述べてみる!」
美琴「あのねぇ…女子校の人間関係がそんな爽やかな訳ないでしょ?
口を開けば悪口か噂話か自慢話しかないんだから。
その割にはお互い牽制し合って、表面上は仲良しこよしを繕ってはいるけどね。
中身はワイワイどころかむしろドロドロよ」
上条「……聞きたくなかった……そんな現実……」
美琴「男【アンタ】の幻想をぶち殺すってね。その辺はある意味、暗部に近いかも」
一方「………暗部バカにしてンじゃねェよ」
シャワールーム――――『帰様の浴院』と呼ばれるその部屋で、白い湯気とほどよい温水を浴びながら白井黒子は、――――華奢な体を伝う雫が、彼女の胸にへばりついていた石鹸の泡をお腹の方へと押し下げていく。
打止「何やってんの? ってミサカはミサカはギュッと目を閉じているあなたに問いかけてみたり」
上条「決まってんだろ。これを見ると御坂が暴れて、主に俺だけが不幸な目に合うのが目に見えている。だから俺は絶対に見ない」
美琴「だそうだけど、アンタはきっちり見てるわね? やっぱ、つるぺたちゃんが好みなのかなあ?」
一方「ふざけンな! つーか、テメエ、今日はやけに好戦的じゃねェか?」
美琴「でも、中学生になってしまうとアンタの中じゃBBA扱い?」
一方「いや、マジでケンカ売ってンの? まあ、このツインテールをBBA扱いするのはある意味同意できるが」
打止「えええええ!? あなたってお姉さまの言う通りなの!? ってミサカはミサカは少しあなたに対する見方を考えなきゃって思ってみたり!!」
一方「何かスゲエ、むかつくこと言われた気がしたンだが?」
上条「中の人ネタって意味だから安心していいぞ、打ち止め」
打止「うん。でも三人とも、新○里○さんに謝っておこうか、ってミサカはミサカは至極当然の提案をしてみる」
「――――どうせあんなの安心してぶっ放せる相手なんてあの馬鹿しかいないし」
その語尾がやや安堵したのを感じ取り、白井の眉がピクリと動く。
ぬるま湯に流され、お腹から太ももへと流れていく白い泡の感触にややムズムズしながらも、彼女は思う。
(あの馬鹿。また、あの馬鹿の話ですの……)
ピクピクと片眉だけを動かす白井は――――
美琴「何やってんの? 見たいなら見ればいいのに。我慢は体によくないわよ」
上条「アホか。さっきと同じセリフ言わせるんじゃねえ。これを見ちまったらお前が間違いなくキレて俺が不幸な目にあうだろうが」
打止「んで、あなたは何悔しがってるのかな? ってミサカはミサカは素朴な疑問を抱いてみたり」
一方「(肝心な個所がスキップされたからに決まってンだろうがッ!!)ほっとけ。
ところでオリジナル。てめえ、三下のことを普段から日常会話に組み入れてンのか?」
美琴「ん? ま、まあねっ」
打止「へぇ〜〜〜。お姉さまが多大な興味を抱いているミサカも『あの馬鹿』さんには興味あるな〜〜〜、
ってミサカはミサカは少しほくそ笑んであなたを眺めてみたり」
一方「フン。勝手に言ってろ。俺には関係ねェ」
美琴「あらら。この子の期待通りに行動【嫉妬】しちゃって。
でも同時にアンタ、別にこの子が本気で『あの馬鹿』に靡かないでずっと自分の傍に居るって信じてるでしょ」
打止「ホント!? ってミサカはミサカは期待に胸を膨らませてみたり!」
一方「ほほォ。テメエら、まとめてミンチになりたいと言ってンだな?」
上条「ところで、『あの馬鹿』で『三下』ってのは誰のことだ?
御坂と一方通行と打ち止めが知ってて俺が知らないってことは高位能力者とか学園都市機密事項の人物とか何かか?」
美琴&一方&打止
「「「え゛……?」」ってミサカはミサカは目を点にしてみたり」
「ああっ、なんて粗相を! わたくしのリボンが禁断のお姉様エリアへ!」
「ハイわざとらしく空間移動でこっちへ突撃しようとしない!」
空間移動の寸前で美琴の大声と共に仕切りがバンと向こうから強く叩かれた。
打止「この人はどうしてこんな回りくどい方法をとってまでお姉様のシャワーエリアに入ろうとしたの?
そしてお姉様はなぜそれを拒否したの? 一緒にお風呂に入ったほうが楽しいのに、
ってミサカはミサカは素朴な疑問をぶつけてみる」
美琴「ああ、それはこのツインテールが変態で、私はそうじゃないからよ」
打止「変態さんなの!!? ミサカ初めて見たかも、ってミサカはミサカは驚愕してみたり!」
美琴「いやいや、アンタは毎日見てるはずだよ。変態の種類は違うけど。
何を隠そう、そこにいる第一位様も、『ロリコン』という種の立派な変t―――」
一方「……テメェ……マジでぶっ殺すぞ!」
上条(……何か今日の御坂、様子が変だな)
「本当にそうでしたら寝込みを襲い放題ですのに……」
打止「こ、これが本場(?)の変態さんなんだね!ってミサカはミサカは珍しい生き物を見るかのように興奮してみたり!!」
美琴「そうね。めったにお目にかかれないから、よ〜く見ておきなさい。この変態を」
上条「まぁ確かに、ここまで変態なのは中々いないかもな」
一方「だろォな。こいつは変態の中の変態と言っても過言じゃねェ」
??「先程から人の事を変態変態とやかましいですわよ!! 純粋な愛による、ピュアな行為が分かりませんの!?
ていうかお姉様、どうかわたくしに熱いキッスを!!」
打止「恥も外聞も脈絡もなくいきなり!? ってミサカはミサカはどこから驚けばいいのかも分からなくなってみる!!!」
??「ハッ!! ち、小さいお姉様っ!!?」
美琴「はい、ビリビリー」
??「ウボァー」
一方「………オイ、重要な邂逅はどォした」
上条「……不本意だが、食蜂に頼んで記憶改竄してもらってくる……」
(――――そして本人は否定してるけど実は保護欲全開なお姉様の――――)
上条「確かに御坂って、何だかんだで面倒見いいもんな」
打止「将来いいママになれるかも!ってミサカはミサカはさり気なくお姉様の背中を押してみたり!」
美琴「よせやい照れるぜ」
打止「……何だか思ってたリアクションと違う、ってミサカはミサカはちょっぴりしょんぼりしてみる……」
「アンタ、毎日毎日放課後の風紀委員の仕事の後に、スイーツショップなんかに寄ってバクバク食べてるから、どれだけダイエットしてもお腹の下がへっこまないんじゃないの?」
直後、白井黒子は山賊の笑みを浮かべたまま、空間移動で御坂美琴の元へと空間移動した。
より正確な移動先は美琴の頭上斜め上。
女には、負けると分かっていてもドロップキックしなくてはならないときがある。
打止「お姉さまも結構えげつなセリフを言うんだね、ってミサカはミサカはちょっと慄いてみたり」
上条「まあ、言い方は確かにアレだが、けど、物事には、はっきり告げないと分からない場合ってやつはあるから一概に御坂の発言を否定はできないが」
一方「だとよ、オリジナル。テメエもはっきり告げたらどうだ?」
美琴「黒子のヌードと私のお尻に視線が釘付けのアンタに言われると凄い説得力あるわ。真っ直ぐって本当に大事ね」
一方「……オマエ、マジで俺をぶち切らせたいンか?」
「――――能力も重要ですけれど、それで女を捨てるのもどうかと思いますの。わたくし、脂肪だらけの人間ワープ装置になんかなりたくありませんので」
「でもダイエットすると始めになくなるのは胸の脂肪らしいわよ。あとやりすぎると肌の艶を作っている脂分が抜けてカサカサになったりとか、髪に栄養がいかなくなって抜けやすくなったり」
「あーっ! 聞きたくありませんのそういうネガティブ豆知識!」
上条「……」
一方「……」
美琴「どうしたの? 何か二人とも深刻な顔しちゃって。あ、まさかダイエットしてんの二人とも?」
打止「でも、男の人だと真っ先に無くなるのはどこの脂肪なのかな? ってミサカはミサカは素朴な疑問を抱いていみたり」
美琴「んー……男の人だと、脂肪よりも髪の毛の方を心配するんじゃない?
あと、髪の毛の色素とか。そこの黙りこくった二人は何か心当たりがあるのかもね」
一方「俺の髪が白いのは能力の副作用であって、別にダイエットの所為じゃねェぞ」
上条「俺の髪が少し痛んでいるように見えるのは別にダイエットの所為じゃないぞ。
てか! それより俺と一方通行が思ったのは御坂が自分のことを棚上げした発言かましたことだよ!!」
美琴「は? 私、別にダイエットしてないけど。まさかと思うけどデリカシー0な発言するつもりだった、なんて言わないわよね?」(にっこり)
上条「!!!!!!!!!!!!!?!」
打止「あなたもだよ、ってミサカはミサカはちっとも笑っていない瞳の笑顔であなたを見つめてみる」(にっこり)
一方「ぐ…………(な、なンか、ヤバイ雰囲気だな……つか、何で今日の俺はこんなに気圧されてやがンだ?)」
「用のある店ってここの事だったのね」
「あら。生活必需品ですわよ」
白井はごく当然のように答えた。
ランジェリーショップである。
上条「なんつーか、さっきからシャワールームとか下着売り場とか、やけにサービスシーン満載だな。主に男的視点で」
一方「その度に、どうも俺が貶められていくような気がしてならねェンだが? 主にオリジナルの所為で」
美琴「あ〜ら、そんな凄んだ眼で睨まれたところで別に痛くもかゆくもないけど〜? むしろ、負け犬の遠吠えって感じがしてゾクゾクしちゃう」
一方「テメエ、何だ、その厭味ったらしい笑い方は。やっぱ、また俺を逆撫でする気満々だってわけか? え、オイ」
??「って、ちょっと待ったあああああああああああああああああああああああ!!」
上条&一方&打止
「「「えっ?」」、ってミサカはミサカはいきなり聞こえてきた叫び声に目をぱちくりさせてみたり」
??「まったく……ここまで来るのにどれだけ尋問されたことか……私より先に『私』が入ったってことで散々不審者扱いされたわよ! で、どういうつもり!?」
上条「あ、あれ!? 御坂が二人!? 何で!?」
美琴「いっや〜〜〜ん♪ 思った以上にお早いお着きだったね、おねーたま」
一方「なっ! テメエ、番外個体か!?」
番外「おねーたまかと思った? 残念! 番外個体ちゃんでした!」
打止「いつの間に入れ替わってたの!? ってミサカはミサカは思いっきり驚いてみる!!」
番外「最初からだよん☆ このこぼれ話が続けばいずれ、ミサカも呼ばれるだろうけど、それは当分先。
でも前回、おねーたまがミサカの名前を出すから我慢できなくなっちゃった♪ メイクと制服とサラシで変装ばっちり☆
口調を真似するのが結構大変だったんで、もう少しでボロが出るところだったから丁度良かった。ギャハ☆」
上条「確かに御坂にしちゃ、やけに一方通行に絡んでいるとは思っちゃいたが……」
美琴「ふーん。いちおー深い意味は無かったってわけね。あ、それと、」コソコソ
番外「ん?」
美琴「(ハワイのこと、こいつらに喋ってないわよね?///)」
番外「(もちのロン。というか、おねーたまがもう少し来るのが遅れてたら喋れたかも)」
美琴「(こ、この……! ふっ……)」
番外「(ん……?)」
美琴「(この密着状態ならアンタの記憶を消し炭にできるかしら? 耳の穴から直接電撃を流し込んで脳を焼き切れば。
正直言って、実験に無関係の三次計画で性格性悪のアンタだから、他の妹達と違って、どことなく遠慮はいらないかな、って思ってるのよね)」
番外「!!!!!!?!(え? や、やだなぁ〜〜〜。おねーたまの可愛い妹がおねーたまをからかって楽しむわけないじゃないっ。だ、だから黒焦げは勘弁ね?」
美琴「(ふっふっふっふっふ。分かってもらえて嬉しいわ)」
番外「(はーい。でも、おねーたま。真面目な話、あのリング渡した方がいいかもよ? たぶん、もう創造主も忘れてそうだけど)」
美琴「(う、うるさい!!///)」
一方「オイ、テメエ、そういや、その常盤台の制服はどこからパクってきた?」
番外「人聞きの悪こと言うなぁ。まあ、それでも良かったんだけど、借りてきたものだよ。一〇〇三二号から」
ミ妹「というわけで、ミサカもお邪魔します、とミサカはピンクと白のアオザイを纏って挨拶します」
上条「うわぁ。随分、大掛かりなドッキリだなおい。って、ちょっと待て。何で打ち止めは知らないんだ? ミサカネットワークのコンソールなら知ってないとおかしいだろ?」
打止「ううん。まったく気付かなかった、ってミサカはミサカは逆に愕然としてみたり」
ミ妹「方法はミサカ一九〇九〇号に穏便に聞き出しました、とミサカは少し悪い顔をします」
番外「あのミサカはミサカネットワークに黙って行動【ダイエット】できたからねェ。そのノウハウをちょいと拝借したって寸法だよ」
美琴(ああ……他の妹達よりも繊細な心がインストールされてたのが裏目に出ちゃった……)
「お姉さまもこの際、常盤台のエースとして相応しい装いをするべきです!」
言って、白井は美琴の背を押して店内へと連れて行き、
「これとかぁ……」
「これとかぁ……」
「これとかぁ……」
制服の上に、様々なデザインの赤、黄、紫のブラを付けて悩殺ポーズを決める白井。
上条「で? 今回はこの人数でやるの?」
美琴「まあ、せっかく来てるのに追い返すのも悪いしね。ただ、こっちが呼んでないのに乱入してくるってのは今回が最初で最後にするけど」
ミ妹「さすが、お姉様。太っ腹です、とミサカは素直に感謝の意を示します」
美琴「その言い方、なんかちょっとむかつくんだけど」
番外「いやぁ〜〜〜おねーたまってば寛大♪ だから大好き☆」
一方「ぜっンぜン、本心から言ってねェけどな。つか、人を減らしたいなら俺は帰ってもいいンだぜ」
打止「帰っちゃだめ! ってミサカはミサカはあなたの腕にしがみついて引き留めてみたり」
番外「ふっふっふっふ。残念だけど第一位。ミサカと一〇〇三二号と上位個体の誰かならともかく、今回は第一位は絶対に最後まで帰れないから」
美琴「何で?」
番外「それは後々のお楽しみってやつだよ、おねーたま」
ミ妹「そうですね、ミサカたちは全員知っていますが、お姉様と上条さんは知りませんでしたね、とミサカは『そう言えば』という顔をします」
一方「は?」
上条「…………アニメ展開にしたこの行の白井に突っ込もうぜ? これじゃアニメ版の御坂と同じだろうが」
「お、お姉様。流石にそこまで子供っぽいと一同揃って引きますわよ」
上条「……お前、ホントこういうの好きな」
美琴「べ、別にいいでしょ!!? 誰かに迷惑かけてる訳じゃないんだから!」
番外「だからってコレはないわ〜。ミサカどん引き」
ミ妹「自分の歳くらい考えろよ、とミサカは毒舌を吐きながら嘆息します」
一方「趣味悪ィなオイ」
美琴「ああ! 一同揃って引かれてる!?」
打止「元気出してお姉様。ミサカはとってもいいと思うの! ってミサカはミサカは目を輝かせてみたり!」
美琴「うぅ…ありがと……ただ、嬉しいけど精神年齢10歳前後の子しか同意してくれないのも、
それはそれで複雑………」
上条「……いや、前も言ったと思うけど、御坂本人が好きならそれでいいと思うけどな。俺は」
美琴は白井が手に取っている下着の、悪趣味なまでの防御力の低さに思わず吹き出した。
上条「……こっちよりは大分マシだと思うし……」
打止「うわ〜スケスケだぁ〜!ってミサカはミサカはお顔を真っ赤にしてみる!」
一方「…見てンじゃねェ。打ち止め【テメェ】にゃまだ15年早ェ」
番外「これくらい普通でしょ。ミサカだって持ってるよ?」
ミ妹「マジか!? とミサカは製造日が遅い番外固体【いもうとぶん】に差をつけられた事に悔しみ、
今この場で縞パンを脱ぎ始めます」
美琴「脱ぎ始めるなっ!!!」
(り、リップ。おね、お姉様の……。お姉様の、お姉様の、お姉様の唇に毎日接触してる素敵リップ!! あ、ああ。黒子は、ああ黒子は、ああ、黒子は、黒子はァァああああああああああ!!)
「え、なに? ちょ、何でいきなりリップの中身を最大まで伸ばして……って待て待て待ちなさいよ黒子! どうして大きく口を開けてかぶりつこうとしてんのアンタ!!」
「ハッ!! ……あ、あまりに気が動転して思わず残さずいただいてしまおうかと」
美琴「う〜〜〜〜〜む。アニメ版はここをカットしてたけどなるほど。確かにこの黒子は放送に載せらんないわね」
打止「ミサカも時々、一方通行の飲みかけのコーヒー缶を貰うことあるけど、ここまでむしゃぶりつこうとはしないかな? ってミサカはミサカはちょっともの思いに耽ってみたり」
美琴「え? それって大丈夫なの? 変な病気になったりしない?」
一方「……お前、本当にオリジナルか? さっきまでの番外個体と変わンねェぞ」
番外「ミサカとおねーたまは遺伝子レベルで同一だから思考が似てて当然かも」
上条「ところで話を戻すすけど、ここまで行き過ぎる必要はないが、俺にも白井の気持ちは少し分かる気がしないでもないな」
打止「ん? 何々? ってミサカはミサカは興味深々に心を躍らせてみたり!!」
上条「よくある話じゃねえか。好きな異性のリコーダーを咥えたりとか。あと自転車のサドルをパクったりとか。俺も興味ないことも無いぜ」
美琴「そ、そうなの!? じゃ、じゃあさ、たた例えばよ、例えば! アンタが私のことを、その、ス、ス……好きだったりすると、やっぱ、こういうことするわけ!?///」
上条「ん〜〜〜まあ、見つからないようにはするかな? というか、見つかったら引くだろ、これ」
番外「ヒーローさん、じゃあこれ」
上条「何だ――うごっ!?」
番外「おねーたまのフルート拝借して来たの。唇を当てる場所が横になるから完全に咥えてもらうことになるけど」
美琴「ちょ、ちょっと! いつの間にアンタ!?///」
上条「がはげほごほごほ!! 馬鹿野郎! いきなり喉まで押し込むんじゃねえ!! おかげで完全に唾液まみれになったじゃねえか!!」
番外「いいじゃない。おねーたまの唇に触れることが多いフルートなんだから……って、おねーたま?」
美琴「ハッ!! ……あ、あまりに気が動転して思わず残さずいただいてしまおうかと!!」
打止「何を!? ってミサカはミサカは思いっきり驚いてみたり」
一方「このツインテールのこと言えねェじゃねェか……で、お前も何しようとしてるわけ?」
ミ妹「チッ、わざと会話に入らずに秘密裏に事を進めようとしましたのに、とミサカはモヤシを恨みがましく見つめます」
一方「な、何か悪かったな……」
白井は気付く。美琴は目の前にいる自分ではなく、その延長線上にある何か別の物に目を奪われていることに。
? と白井は、怪訝そうな顔で後ろを振り向く。
胸パッド、である。
「――――早く大人なボディになりたいとか子供扱いはやめて欲しいとか、もう少し曖昧な願望かもしれませんわね。ああっ、なんて健気なお姉様! そこまでして振り向かせてみたい幸せな殿方とは一体誰の事でしょう? やはり意中の殿方は年上ですの? そういえば夏休み最後の日には寮の前で誰かと待ち合わせしていたようですけど、中学生って感じではありませんでしたわねぇ?」
番外「おねーたま♪ これは誰を指しているのかミサカも興味あるな〜〜〜☆」
美琴「んな!? いや、その……だから違うってば! べ、別にそういうわけじゃなくて、たた、単純に私も体裁を繕いたいというか!!
他のレベル5の女の子がみんな巨乳だからだし、アイツの周りも巨乳だらけだからというか!!」
一方「オイ。今、盛大な墓穴を掘ったみてェだが?」
上条「え? 御坂、あの日、誰かと待ち合わせしてたの?
てことは、俺を引っ張っていったってことは、そいつを完全に放ったらかしにしちまったんじゃね?」
美琴「このど馬鹿ああああああああああ!! ここに居る面子は、八月三十一日のことを知らないのに何で暴露しとんじゃおのれはあああああああああああ!!」
一方(やっぱりか……)
番外(やっぱりね……)
ミ妹(やっぱり、とミサカは戦々恐々とします)
打止(やっぱり、ってミサカはミサカはニヤニヤしてみたり)
常盤台のエースととすら呼ばれる御坂美琴は、顔を真っ赤にすると俯いて何も言わなくなってしまった。
――――(ぎ、ギャグで済ますつもりがこのマジ反応ときましたの! まさか本当に本気で本心の――――)
美琴「………///」
上条「あれ? こっちの美琴さんも真っ赤になってらっしゃる? ……何で?」
番外「さぁ〜て、何でなんだろうね?」
美琴「い、いい、いいから、次行って次!!///」
(――――本当に本気で本心の……殿方が!? 殿方が!? ―――、ふっ。あの類人猿がァァあああああああああああ!!)
彼女はとある少年の顔を思い浮かべて心の中でハンカチを噛む。
美琴「にゃあああああああああああ!!!!!/// 次もこんなんかああああああああああああああ!!!!!!///」
上条「のわっ!!? な、何だ何だ!? 急にどうしたよ!?」
美琴「ななな、何でもないからっ!! くく、くろ、黒子が言ってるのは全部デタラメだからっ!!!///」
打止「わー、お姉様ってば分かりやす〜い、ってミサカはミサカはほっこりしてみる」
美琴「だだだだから!!! 違うって言ってるじゃない!!!///」
番外「で、この『殿方』で『類人猿』な『とある少年』って一体誰の事なのかにゃーん☆」
美琴「はえっ!!? え、えっと…だだ、だから……それは…その………///」
上条「そんなのはアレだろ。……えーっと…何だ………だ、誰…?」
美琴「……………」
番外&打止
「「うわぁ……」ってミサカはミサカは……」
一方「……いや、ここまで言っても分かンねェって……」
ミ妹「あなたの鈍感さは底が知れませんね、とミサカは胸をなでおろします」
上条「?」
しばらくの間、時が経つのも忘れて一心不乱に胸パッドを観察していた美琴だったが、ふとそれらの置かれた棚から一歩退くと小首を傾げて、
「でも、これって結局服を脱いだ時には絶対ばれちゃうわよね」
番外「お、おねーたま。まさかすでにそこまで視野に入れた未来設計を!?」
ミ妹「お、お姉様、いつの間にそこまで考えるように!? とミサカは愕然とします」
美琴「は? え、あ! いや、違うわよ!! 体育! 体育の着替えの話だってば!! というか! 何でアンタたちまで黒子みたいなこと言ってんのよ!?
しかも、少なくともアンタ(番外個体)はわざとでしょ、その劇画っぽい驚きの顔してんのは!!」
打止「ねえ、一方通行。お姉様と一〇〇三二号と番外個体は何の話をしているの? ってミサカはミサカは素朴な疑問を抱いてみたり」
一方「テメエにゃ、まだ早ェ話だ」
上条「俺も分かんねえんだけど何の話なんだこれ?」
美琴&一方&ミ妹?番外
「「「「うそつけェェぇえええええええええええええええ!!」」」、とミサカは絶叫しながらコークスクリューパンチを決めます!!」
上条「うごばぁっ!? 四方からツッコミかよ!?」
「――――あれは体育の着替えの話にすぎないんだってば。い、いや。き、き、気になる男がいるとか、いないとか、そ、そういうのは、全然関係なく」
美琴「そ、そうなのよ! ぜぜ、全然関係ない訳! はい、この話はもうおしまい!」
番外「なに強引に締めようとしてんのさ。むしろ面白くなりそうなのはこっからじゃん」
美琴「おおお面白くも何ともないわよっ!!!」
ミ妹「それはさすがに無理があるのでは、とミサカは口を挟みます」
美琴「いや、でも、ほら、あの、……ね?」
打止「明らかに動揺してる、ってミサカはミサカは鋭く指摘してみる!」
美琴「だ、だから……それは………」
上条「なぁ御坂。気になる男がいるってのは―――」
美琴「ううううっさいっ!!! もう全部ナシナシ!!! 次行くわよ次っ!!!///」
番外「だっから〜、そうはさせないっての! むしろ面白くなりそうなのはこっからじゃん」
美琴「おおお面白くも何ともないわよっ!!!」
ミ妹「それはさすがに無理があるのでは、とミサカは―――」
一方「……オイ、会話がループしてンぞ」
「――――流石に殿方の前で衣服をはだけさせる場面を考慮した未来設計はまだ早すぎですのと言ってますでしょう?」
打止「ねぇねぇ、だから何の話?ってミサカはミサカはもう一度疑問を蒸し返してみる」
一方「だからテメェにゃまだ早ェって何度も言ってンだろ!!」
番外「仕方ないな〜。無知な最終信号の為に、ミサカが特別に教えてあげちゃう☆」
打止「む…下位個体に教わるのは屈辱だけど背に腹は代えられない、ってミサカはミサカは我慢して聞いてみる」
一方「やめろテメェ!!!」
上条「うおっ!? 何か一方側【あちらさん】が妙にエキサイトしてらっしゃいますが!?」
ミ妹「やれやれ騒がしいですね、とミサカは大人ぶって静観します」
美琴(助かった……打ち止め【あのこ】達が騒いでくれたおかげで、『未来設計』にくだりをツッコまれずに済んだわ……///)
打止「お姉様、『殿方の前で衣服をはだけさせる場面』ってどういう事?
ってミサカはミサカは番外個体のアドバイスに従って直接お姉様に聞いてみる」
美琴「助かってなかったあああああ!!!/// というか、番外個体、アンタってやつはあああああああああああああ!!///」
上条(悪魔っ娘だな)
一方(味方でも恐ろしいが、敵に回すとさらに恐ろしい奴……)
ミ妹(一体どんな学習装置【テスタメント】を使ったらここまでヒネくれることができるのですか? とミサカは嘆きを胸の内にしまっておきます)
番外「ヒーローさんと第一位はともかく、一〇〇三二号だけは何を考えているか分かるんだけど?」
「で、お姉様。事の真相は後できっちり問い質すとして――――」
番外「じゃあこのツインテールですの子に代わって、今ミサカ達がおねーたまに問い質しちゃおっか」
上条「ですの子って……まぁ、いいかげんハッキリさせた方がいいのかもな」
美琴「にゃ、にゃにゃ、にゃにをう!!?///」
上条「いや、さっきから明らかに話題を避けようとしてるっつーか、何か隠してるの見え見えじゃねーか」
ミ妹「え!? あなたがそれに気付くのですか!? とミサカは驚嘆を露わにします!!」
美琴「そそそそそんな事はないんじゃないかしらっ!!!?///」
上条「ほら、目とかめっちゃ泳いでるよ。現在進行形で。御坂妹の声も聞こえていねえみたいだし。……まぁ、無理に話せとは言わないけどさ」
番外「いやいや、ここまで来てそうは行かないっしょ。最終信号もおねーたまが何を隠してるのか聞きたいよね〜?」
打止「聞きたい聞きたい! ってミサカはミサカは純粋な眼差しをあざとくお姉様に向けてみる!」
美琴「えっ!!? えっ!!?///」
ミ妹(な、何かヤバイ雰囲気! これはマズイ!! とミサカはどこぞの二代目波紋使いのように危機感を募らせます!!)
一方「……いっそ言って楽ンなった方がいいンじゃねェか? このガキにも聞かせられる範疇でな」
美琴「ええええぇぇぇぇぇ!!!?///」
上条「……美琴?」
美琴「うぅ……だ、だだ、だか、ら…その……つまり…わ、わた…しが………ア、アアア、アンタの事を―――///」
ミ妹「あー!!! あー!!! あー!!! ホンジャカバンバンホンジャカバンバン!!!
とミサカは急に大声でわざとらしく発声練習をし始めます!!!」
美琴「―――ってだけ…で……」
上条「えっ? 何? 御坂妹の声で全然聞こえなかった」
美琴「……あ、ううん。……何でもないや………」
一方&番外
「「……………」」
彼女はその手で触れたものならスカートでもショーツでも好きな場所へ飛ばせてしまう。
番外「便利な能力だよね〜! ミサカこんな能力が使えたら、道のど真ん中で第一位をマッパにして、社会的に抹殺してやるのに。ギャッハ☆」
一方「そォかそォか。つまりテメェは社会的にじゃなく、この世的に抹殺してほしいっつってる訳だな? 今この場で」
打止「でもお風呂に入る時とか実際に便利かも、ってミサカはミサカは提案してみたり」
ミ妹「他にもっと有意義な使い道があると思いますが、とミサカはアホな上位個体に肩をすくめます」
上条「……誰も『スカートでもショーツでも好きな場所へ飛ばせてしまう』って所自体にはツッコまないのか?
結構問題発言だと思うんだが……」
美琴「何かもう、感覚が麻痺してるんじゃない? 『これくらいの変態行為で何を今更』って感じで」
打止「そうだよ。それくらいみんなやってる事だと思う、ってミサカはミサカは手を上げてみる。
だってミサカは一方通行に毛布をひっぺがされた経験があるもん、ってミサカはミサカは赤裸々に語ってみたり!」
一方「……誤解を招く言い方すンじゃねぇ……いや、確かに事実っちゃ事実だけどよォ……」
美琴「……そういやアンタも、あのちっこいシスターの修道服を破って裸にひん剥いたのよね…?(前回参照)
その後うやむやになっちゃったけど、アレって結局どういう事だった訳……?」
上条「ど、どうと言われましても……!」
番外「羨ましいならおねーたまも脱がしてもらえば? ホテルとかで」
美琴「なっ!! ばっ!! な、何を言うとるのかねチミはっ!!?///」
『わー。こっちは御坂嬢の貞操を守れて一安心です』
番外「だよねー。おねーたまの貞操を奪うのはそこの―――」
美琴&ミ妹
「「あー!!! あー!!! あー!!! ホンジャカバンバンホンジャカバンバン!!!///」とミサカは再び大声でわざとらしく発声練習をし始めます!!!」
番外「―――だもんねー」
上条「えっ? 何? 御坂と御坂妹の声で全然聞こえなかった」
美琴「ななななな何でもないわよっ!!!///」
ミ妹「そうです。聞こえなくても何の問題ありません、とミサカはお姉さまに倣ってコクコク頷きます」
番外「……さすが同一遺伝子。寸分の狂いも無いハモり方だね………」
打止「ていそうって何?ってミサカはミサカは首を傾げつつ聞いてみる」
一方「…低層(てい‐そう)っつーのは、
1 空の低い所。『―ゾンデ』
2 層の重なりが少なく、低いこと。特に、建物が1、2階建ての低いものであること。『―住宅』
……の事だ。他に意味は無ェ」
打止「へー、ってミサカはミサカは納得納得」
――――上条当麻の学生寮がある。
当然ながら男子寮なのだが――――真っ白な修道服を着た、一四、五歳の少女が居候としてゴロゴロしている。
美琴「……やっぱり一緒に住んでるのね…いや、分かってはいたけどさ……」
上条「? 何でそんなに落ち込んでんだ?」
打止「落ち込むって言うより羨ましいんだよね、ってミサカはミサカはお姉様の気持ちを代弁してみる!」
美琴「んなっ!!!?///」
上条「……そ、そうなのか?」
美琴「いや、えっ、そ、違っ!!!///」
打止「ミサカもね、一方通行と一緒に暮らしててとっても幸せだから、お姉様もきっとそうだと思う!
ってミサカはミサカはさり気なくアナタにもアピールしてみたり///」
番外「だとよ、良かったなセロリ。ギャッハハ☆」
一方「……知るか」
上条「いや、でも…それって……」
ミ妹「ちょっと待ってください。何を勝手にいい感じになっているのですか、とミサカは異議を申し立て―――」
上条「一人暮らしが寂しいってんなら、御坂にはルームメイトがいるだろ? 白井っていうパートナーが」
ミ妹「―――ようと手を上げましたがミサカはその手をそっと下ろします」
「―――ー代わりに三毛猫の相手をしよう。唐揚げを味見タイムだぞー」
美琴「いいなぁ……にゃんこに触れて……」
ミ妹「そこは激しく同意します、とミサカは腕を組んで頷きます」
打止「ミサカも羨ましい、ってミサカはミサカはチャームポイントのアホ毛を萎びさせてしょんぼりしてみる……」
番外「ああ! ミサカ別に猫とか全然興味ないのに、『嫉妬』っていう負の感情が流れ込んできてミサカも羨ましくなってくる〜!!」
上条「……大変だなぁ。御坂DNA」
一方「一人だけ同情できねェヤツがいるけどな」
上条「ネコに限らず、動物に触れたら具体的に何したいんだ?」
美琴「そりゃもう、モフモフしたりナデナデしたりワシャワシャしたりコチョコチョしたりペロペロされたり」
一方「……擬音語だけで意味が伝わるってすげェな」
打止「! じゃあもし触れるチャンスがきた時の為に練習しようよ!ってミサカはミサカは名案発見大提案!!」
ミ妹「おいこら上位固体。MNWを通じてその提案が流れてきましたがミサカは断固反対させてもらいます、とミサカもぐぁ!!?」
番外「はいはい一〇〇三二号はミサカが抑えてるから、続けて最終信号」
打止「うん、ありがと!ってミサカはミサカはお礼を言ってみる!」
美琴「…で、何なの? 提案って。……激しく嫌な予感がするけど………」
打止「そんな事ないよ。むしろお姉様にとって嬉しい事だもん!ってミサカはミサカはニヤニヤしてみたり!
あのね、その人の頭を練習に使ったらいいと思うの、ってミサカはミサカは大胆発言!」
上条「…? 俺の頭…って、意味がよく…?」
打止「だからね、あなたの頭を代わりにナデナデしたりワシャワシャしればいいと思う、ってミサカはミサカは補足したり。
だってあなたの髪の毛って何だかワンコみたいだもん、ってミサカはミサカはメルヘンな事を言ってみる!」
美琴「えっ……………えええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!?///」
上条「いや、そりゃ別に構わないけどさ」
美琴「構わないのおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!?///」
上条「でもそうなると…その……ペ…ペロペロとやらもわたくしめがやらないといけないのでせうか…?」
一方「いや、そこまでやれとは言ってねェだろ。大体そンな事言い出したらオリジナルが………」
美琴「ふにゃー///」
一方「……ほォらな?」
上条「って、今日はこれで終わりか? まだ第二章にも入ってないけど?」
一方「何か今回はプロローグまでにネタがありすぎて、とりあえずここまでにしたらしィぞ。
まァ前例が無ェ訳でもねェし、いいンじゃねェのか? そもそもタイトルに『前編』って入ってンだしよォ」
打止「でもでも前編って事は当然後編もあるんだよね?ってミサカはミサカは期待に満ちた目で聞いてみる!」
番外「そりゃ後編がないと『御坂と御坂の周りの世界を守るこぼれ話』ってタイトルの伏線も回収できないしね」
上条「……相変わらず、メタ発言連発だな……」
ミ妹「何を今更。そもそもこの企画自体メタありきの企画ではないですか、とミサカは更にメタります」
一方「ま、とにかくだ。次は二章からって事で、結標の野郎も本格的に出てくる訳だな? ゲストの入れ替えとかはあンのか?」
番外「今ん所、その予定はないみたいだよん。あくまでも予定だけどね」
打止「じゃあまたみんなでワイワイできるね!ってミサカはミサカは大はしゃぎ!!」
ミ妹「ミサカとしてはあなたと二人っきりというのが好ましいのですが、とミサカは願望を垂れ流します」
一方「……最低でもオリジナルはいねェとマズイだろォが。このスレ的によォ。って事でそろそろ締めねェか?」
上条「って、ちょっと待ってくれ。締める前にその御坂【オリジナル】はどうしたんだ? さっきから一言も喋ってないけど……」
美琴「ふにゃー///」
全員「「「「「まだ気絶してたのっ!!!!?」」」とミサカは!!!」ってミサカはミサカは!!!」
以上です。
それにしても、このスレもpart26まで来ましたか……すげーなー……
あっ、言い忘れてましたが、>>1 乙です!
一番乗りGJです!
・・・さん、トワノハテさん、
上条さんヨロシク焦らさないで下さいよぅ(T_T)
我道さん&くまのこさん、ミコっちゃんのふにゃーが絶妙です///
そろそろ上条さんは鈍感さで誰かに刺されてもいい頃です
クリスマスをミコっちゃんと待ち合わせてあるのに、上条さんがミコっちゃんと付き合うのあり得ないって青ピ達ともめて、ミコっちゃんが、泣いちゃったSSもあったよね
アレ、終わっちゃったんでしょうか
ナナ氏の奴ね。
その後いくつか作品書いてるから、いなくなっちゃった訳じゃないんだろうけど。
>>24
Thx
ミコっちゃんが悲しいまんま、途中なのはずっと悲しんでるみたいで切ない(´・ω・`)
すみません…
何か投稿したいんですが、全く投稿の仕方が分かりませんorz
それと、書き溜めるってのが意味が分かりません…
どうやって書き溜めて、どうやって投稿するのか…
何か参考になる…そして分かりやすい所って有りますか?
>>26
レスしてる要領でいいんじゃないですか?
ワードやテキストに書き溜めたものをコピペなされば一度に多く投下出来るのでは
レスの名前欄に固有名入れれば同一作者かどうか判り易いです
投稿した琴はありませんので、判る範囲ですけど
>>27 さん
なるほど…
一応触りの部分だけ投稿してみます。
ただ、自己満足なため面白いかどうかは判断してません。
でも、何となくニヤニヤさせられればいいなぁ…
試しなので途中までしか書いてません。
とりあえず1レス借ります。
どのくらいかかるかは分かりません。
少年が倒れている。
側に少女がいる。
ただし、少女の顔は真っ赤だ。
少女がしないといけない事は分かっている。
それは、少年にマウストゥマウス…ぶっちゃけ心肺蘇生だ。
何故こうなったのか?
事の次第の責任は誰にも無い。
だが、あえて言うなら少年の不幸が原因だろう。
海に誘ったのは少女。
海で泳いでて溺れたのは少年。
そう…またしても少年には不幸が訪れたのだ。
そして、同時に少女にも不幸が訪れたのだ。
少女が好きになった少年とのファーストキスがまさか、心肺蘇生とは…
数時間後になんとか息を吹き返した少年。
果たして、今回はどちらが不幸だったのだろうか?
…めっちゃ勢いだけで書きました。
後悔はしてない…はず
これ一応触りのつもりでしたが、ぶっちゃけ練習なんで、わざと上条さんとミコっちゃんの名前出しませんでした。
ついでに言えば、「とりあえずこれはこれでいいや」と思ったので、切りのいい所で切りました。
後は何が行われたかは、想像におまかせします。
お目汚し申し訳ありませんでした。
おおおお!!!
なんとも面白そうな……
続き、書いてくださいますよね!!!!
あと、こんな感じでまとまりがいいところで行間を開けたらいかがでしょう?
読みやすくなるかも!!
内容はまったくもってだいまんぞくです
こういう短編もいいですね。
GJです!!
ども♪
ちょっとでも好評だと簡単に調子に乗る謎野郎です(笑)
「どちらが不幸?」の続きを投稿します。
ただ、ナレーションもツッコミもあえて入れてません。
それに、まだまだ練習段階なので、いろいろ試す事も視野に入れて書きます。
前書いたのが前編だとすれば今回のは後編です。
1レスで済むとは思います。
前回同様ちょっと時間はどのくらいかかるか分かりません。
では、「どちらが不幸?セリフver.」です。
上条「…」
美琴「え…えーっと…確か心臓マッサージが10031回で良かったのかしら…////」
上条「…」
美琴「そ…それとも/////」
上条「…」
美琴「や…やらなきゃコイツが息を吹き返さないのはわかってるの…ででででもよ?////
私ファーストキスじゃない?////
んでもって多分コイツもファーストキスじゃない?////
こんな不意打ちみたいなのがファーストキスだなんて本当は嫌なのよね…」
上条「…」
美琴「しししし仕方ないわよね?////
溺れたコイツが悪いんだから/////」
上条「…」
美琴「あれ?
でも、確か心臓って5分止まると…」
上条「…」
美琴「あれから何分たったっけ?」
上条「…」
美琴「い…嫌っ!!
死ぬな死んじゃ嫌死んじゃダメー!!」ビリビリッ!!
上条「ぎゃぁぁぁぁ!!
…てめぇ殺す気か!!」
美琴「よかったよぉ…生きてたよぉ…」ボロボロ
上条「いや!!
今正に死にかけたけどな!!」
美琴「…でも、よく考えたらものすごくもったいない事をしたような…」ボソ
上条「?よく分かんねえけど、早く帰ろうぜ?
しかし、まさか足をつって溺れるとか…どんな不幸だよ…」
美琴「結局ファーストキスを逃した私も不幸よね…」
いかがでしたでしょうか?
あえてシチュエーションも書いてません。
何故なら、想像して欲しいからです(笑)
ツッコミは各自におまかせします。
また何か思い付いたら投稿します。
ちなみに、ガラケーのpixivで謎野郎でも投稿してます。
もし良かったら見てみて下さい。
お目汚し申し訳ありませんでした。
>>我道&くまのこさん
二章も期待してます
>>謎野郎さん
良かったです、次回作も期待してお待ちします
おっと書き抜かり
続きです
「どうしたっていうのよ?待ちなさいってば」
ミサカミコトは再度、同じ言葉を繰り返した。
「まさか、なんでだよ。アイツがやったって言うのか、そんなヤツじゃないだろ」
それも耳に入らないのか電話を閉じたあと、上条はどこへ行くともなく、早足で歩いていた。
「だから、一人で悩んでないで話しなさいよ、いつも『私』に言われてるでしょ」
追いすがるミサカミコトが注意を促すが
「ん、ああ御坂か、必ずアイツに謝らせてやるからな」
上条の心はここに無いようだった。
「もう、『私』じゃなくてミサカミコト!正気に戻りなさいっば!」
呼び戻すため、
「うおっ」
美琴がしたように電撃を放つ。
「ナニすんだ、御坂?危ないじゃっ!」
息が合ったコントのように上条が右手で防ぐ。
「ってアレ?」
そして誰が電撃を放ったか、気づく。
「気がついた?」
「あ、ああ」
申し訳無さそうな、どこか気持ちのやり場がないように見える上条。
その上条に
「まず、アイツって誰?」
ミサカミコトは情報を求めた。
「そのアイツって言うのはステイルって名前の魔術師」
「魔術師?」
「ああ、ほらグレムリンとか、それとかレイヴィアにレッサー達の」
「学園都市の超能力とは別の方式で異能を操る連中ね」
「そう、そう」
「で、その魔術師の一人のステイルって人?そいつが怪しいと思うアンタの根拠は?」
「いや、黄泉川先生の話だと能力者の可能性は低いだろ?」
「そうね、別の法則を持つ者なら可能かもね」
「だろ?そのうえでステイルは炎の魔術を得意としてんだ、ルーンとか言って」
「ルーンね……それだけ?他の、その魔術師?でも可能じゃないの?」
「それは……俺も考えたさ、そのうえでステイルの居場所を尋ねたら学園都市にいる可能性が高いんだ」
「なるほどね、証拠とも言えないけど偶々が重なってる訳ね」
「ああ、こんな事をする奴じゃないはずなんだ、確かめねーと」
「アンタの友達になるの?」
「友達?アイツが?」
「それなりに信頼してるんじゃないの?」
「ぐっ」
「くすっ」
「笑うところか?」
友人とかでは無い、と上条は思う。ただ信頼しているかと尋ねられたら、肯定の意味で言葉が詰まる。つまりステイルとはそんな関係と言えたが笑われるのは堪らない。
「あはははは」
「いや、マジで悩んでんですけどミサカミコトさん?」
「あはは、なんで悩んでるか分かってる?」
「え」
「そのステイルって人がそんな事する人じゃないと思ってるからよ」
「あー、でもステイル、必要と思ったらやりかねねーからな」
「アンタがそう思うステイルって人が主犯なら何か事情があったんでしょ」
「だから、それを聞くために」
「そうは見えなかったわよ、心ここに在らず、とりあえず殴りに行くって感じで……落ち着いた?」
ミサカミコトが質問を続けていたのは理由があった。状況を把握したいからではなく、上条に考える時間を与えて落ち着いて貰う為であった。
「え、あー」
上条も取り憑かれたような焦燥感、留まってはいられないジレた感覚が修まっていた。
「その、すまなかった」
そして自分に囚われミサカミコトを置き去りにしようとした事を謝る。
「いいわよ、それぐらい、昔の『私』に対する仕打ちに比べたら」
ダラダラと汗が流れそうになる。
「そんなに、えーと酷かったか?」
最後はか細い声。
「今はだいぶマシよ、頼るって事を覚えたからじゃない?」
「頼るか……」
今の上条を形成したモノ、それは記憶喪失に尽きる。他者から見た記憶喪失前の上条を記憶喪失後の上条と相違ないように見せるためだった。特に他者から見た記憶喪失前の上条とはインデックスから見た上条を差す。記憶喪失の原因となったと思しきインデックスに責任を思わせないためだった。
記憶喪失後の上条はインデックスから見た上条を演じた。
「頼りなさい、『私』を」
それは正義とか悪ではなく、心の赴くまま、人から見たらヒーローと呼ばれるような姿だった。それがカッチリと今の上条と当てはまったところがあった。
「そうだな、心配かけちまったら意味ねえよな」
が、それは同時に独り善がりな自己満足な側面もあった。記憶喪失は自分が背負う荷であり、自らの行為は上条がしたい事をしているだけであり他者に預ける物ではなかった。
「頼られたら『私』は嬉しいんだから」
第三次大戦の時、記憶喪失という重荷を降ろした。それからである、在らねばならぬ指標が失せ、悩みを抱えるようになったのは。
「助かる」
ハワイからバケージシティ、思いのまま行動した結果が重くのしかかった。
それを救ってくれたのは美琴の言葉であり、トールがぶん殴ってくれたお陰もあり、仲間が支えてくれた事が大きい。
一人で背負い切れない物を背負おうとしていた。
「それは『私』に言いなさい」
突っかかって来る少女であり、次に庇護対象となり危険な事に自分の面倒事に関わらせてはならない少女だった。そして上条の横にいつの間にか並んでいた、一昨日までは。
「御坂にか……」
呼び戻す、必ず呼び戻す。
「いや、ミサカミコトにも謝っとかないとな」
「それはいいのよ、どうせ期間限定なんだから……アンタが救わないといけないのはミサカミコトではなく、御坂美琴と妹達」
口を滑らしてしまった。
「礼ぐらいは……期間限定?」
「そりゃ期間限定でしょ。ミサカミコトは妹達に戻るまでの一時的な存在なんだから」
新たな重荷になるわけにはいかなかった。妹達、御坂美琴、ミサカミコト、それぞれの人格は並び立てない。それを悟らせるつもりはなかった。
「そのミサカミコトって妹達の性格が変わっただけだよな?」
とも言えるが、全くの別人格が宿っているとも言えるのだ。
「まあ、そうよね」
しかしミサカミコトは上条にそうとしか言えない。
妹達に戻った時、ミサカミコトというこの人格がどうなるのか単に消えてしまうモノなのかは分からない。
上条には元に戻るだけ、それだけの理解でいて欲しかった。
「そうよ、一時的に変調をきたしてるだけよ、『私』が戻ればあのイヤミったらしい第一位に頼まなくても元に戻るんだから頑張ってよ」
「頑張れ言われてもな、記憶を探って御坂を刺激するんだから、俺じゃなくミサカミコトが……なんか呼びにくいよな」
「何が?」
「フルネームで呼んでるとさ、なんかおかしくないか? それに人前だと御坂を呼んでるみたい、つーか今人がいるところで御坂の名前呼んでいいもんか?」
「それは考えてなかったわね……うーん、とりあえずこのミサカミコトはミクでいいかな?」
「ミク?」
「元の個体番号は10039号、それで呼ぶのもおかしいでしょ、10039号だから下二桁を取ってミク」
「安易と言うか……偶々それで呼べるのが運が良かった言うべきなのか」
「ほー、呼びにくい言ってるアンタのために考えてあげたのにそーゆー風に言いますか」
「いえ、感謝してます、どうかミクさんと呼ばせて下さい」
「いいわよ、それでステイルって人、どこにいるの?会いに行くんでしょ?犯人かどうかは別にしても参考になる話しは聞けるでしょうから」
「…………」
空を仰ぐ上条、その背中をダラダラと汗が今度こそ流れていた。
「まさか、居場所も解らないで急いでたの?」
上条は答えに窮する。闇雲に歩いていたのが答えであるからして。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ごめんなさい」
「知らなかったのね」
ミサカミコトの呆れた声が低く地を這うように聞こえる。
ステイルが学園都市を訪れたのは上条の記憶にある限り6回。
一度目は上条が記憶喪失に陥った際、記憶にはないもののほぼ間違いない。あとは三沢塾、オルソラ、エンディミオンに大覇星祭、レイヴィアに始めて会った時にも来ていた。
「外」の人間としては一年足らずのうちにしょっちゅう学園都市に顔を出している。
その割には上条はステイルが学園都市内で何処に滞在していたか知らない。
勢いこんでみたものの、改めて考えるとステイルを探す手掛かりがほとんど無かった。
「仕方ないわね、まずは入国記録があるか調べてみるわ、あれば滞在先もわかるでしょ、ないと手当たり次第に監視カメラを調べるか、ホントは初春さんに頼めればいいんだけど、今回はそうもいかないわね、人海戦術でやってみましょうか」
「その、お世話になります」
そして上条から犯人ではないかと疑われてしまったステイルがどうしているかと云うと
「もぬけの殻か」
「ここもカムフラージュの施設だったかにゃー」
土御門と二人で、ある研究施設に踏み込んでいた。しかし、既に廃棄された跡だった、手掛かりと言える物は残されていない。
そもそも、この施設の前に幾つか踏み込んだ先も同じ状態、最初から何もない本命を隠すための偽のアジトである可能性があった。
「規模としては小さい組織のはずにゃー」
「小さいのかい?これで」
「カムフラージュの施設を幾つか用意してあるのは用心深いだけにゃー、規模が大きければ拠点を複数構えて生残性を高めるぜい」
「ふう」
ステイルはタバコに火を付ける。
「イライラすんのかにゃー、ステイル」
「そう思うなら、その口調は辞めてくれないかな」
「ステイル?面倒をかけられているのはオレの方だぜい」
「それは」
「どうなるかにゃー、ステイルのミスで魔術が科学側に解明されたってことになれば」
面白くない未来だった。ただでさえ第三次大戦後、科学側優勢の図式ができている。
「全く全部回収ぐらいしとけ」
「確かにそれは僕のミスだよ、だけどルーンのカード一つから解明されるとは思わないさ、だいたいこの街の人間は拒絶反応を起こして魔術は使えないじゃないか」
「甘いんだよ、舞夏が作るデザート並みに甘いぜい、魔術を使って拒絶反応を起こすのは開発を受けた能力者だけだ、学園都市の人口230万のうち180万が開発を受けた学生だ、なら残りの50万はどーだ?」
「それはそうでも、学園都市では超能力の研究が」
「そーだ、学園都市では超能力の研究が中心だ、だがなそれはSystemに至る道に早道だって理由で主流になってるだけぜよ、別に他の研究に情熱を燃やしてる研究者がいないわけじゃない」
学園都市の闇そのものと言える木原一族、学園都市に多大な貢献ももたらすが、その本質は科学的興味を満たすこと、彼らにしてみれば超能力もそのための道具でしかない。木原を名乗らなくてもこの学園都市には同類が多勢存在する。
「上層部は魔術の存在を認識している、だからと言って魔術の実態を理解しているわけじゃないんだ、オレが学園都市に入り込んでいるのと同様に当然、魔術について知りたがる人間がいてもおかしくない」
目的がそれとは限らないが木原でも一族の幼い少女を供して魔術の実験を行った事がある。古くはまだイギリス清教との交流が厳しくなかった頃、能力者による魔術の
実験もあった。その実験により能力者が魔術を使用すると拒絶反応を起こす事が解っているのだ。
「その上で9月30日、あの事件で学園都市の超能力とは別の魔術の存在を公表した。そして第三次大戦にグレムリンがやった事に目を惹かれた輩が出て来ることをオレは警戒してたんだぜい?」
「・・・・・・」
何も言えないステイル。
「ところがだ、お仲間と思っていたステイルに」
この男に仲間意識があるのか疑問であり、ステイルは憮然とする。
「しょっちゅう学園都市にやって来るたびに派手に魔術を使ったうえ、肝心のルーンを置き忘れるとはとんだ裏切りぜよ」
裏切りは土御門のキャッチフレーズだとステイルは言いたいが、反省しなければならなかった。土御門が言うように学園都市の解析力を甘く見ていたのだ。
実のところ土御門も怪しい気配に気がついたのは最近の事である。口にしたように第三次大戦にグレムリンといった魔術絡みの大事が立て続けにあり、改めて調査してみた結果であった。
土御門自身も学園都市に侵入している魔術師を数人知っているがその者達に研究者側からの接触もない事もあり、あまり大事とは捉えてはいなかった。才能がない者が才能ある者に追いつく技術と言ってもすぐに身につく技術でもない。やはり超能力研究が主流であり魔術に興味を惹かれる者、積極的に研究してみようと思う者はいない、とたかをくくっていたと言える。
それが調査を進めるうちに不確かな情報が入る。記号を記したカードで火を起こす実験が行われているとか、そのカードは火災現場で拾われた物を模した物だとか、不審火を映した監視カメラの映像が何処かに引き取られているとか、怪しことこの上なかった。
そして土御門は決定的な証拠としてルーンが描かれたカードを入手する事になる。
おかげでステイルは学園都市に呼び寄せられ、責任を取るはめになっていた。
ただ、まだ全容までは見えていない、誰が魔術を使用しているのか不明であった。
「死んでない?」
「その通り」
「じゃあ、これは夢の中?」
「ではない事は理解しているのではないかな」
「そうだけど」
「もう見当はついているだろ」
「AIM拡散力場」
「正解、君は死んだと思った時、意識を飛ばしAIM拡散力場に入った、今の君はAIM思考体だ」
「臨死体験てこういうモノなのかしら」
「原理的には似たようなモノだね」
「望むようにってことは私が望めば帰れるってことね」
その時、美琴にはエイワスが笑ったように見えた。思考体であるが故にそれは思考体が受ける感覚にすぎない。
それ以前に輝きを放つエイワスは超然として見え、表情があるようにも見えなかった。
何か落とし穴がある、美琴はそう思った。
「急ぐ必要はない」
やはりという気持ちになる。
これまでの会話を思い出す。
「依頼主は早く安心したいんじゃ?」
「それも、面白くない」
「何がしたいかわからないわね」
「努力する姿を見たい、ということになるのかな」
「アンタが、ね」
「ちなみに帰るにしても帰り方が解るかね」
「・・・教えてくれそうもないはね」
「教えてあげても良いが、現状では不可能だな」
「囚われの姫君」
「監視役の『ドラゴン』」
「アンタがいれば私が起こしかねない災厄も起きない」
「情報量の差だね」
「情報圧に格段の違いがあるアンタがいれば私が起こすことは抑制されてしまう、私が帰りたいと望んでもアンタを突破しない限り無理、私は籠の鳥でアンタは私を閉じ込めておく檻ってわけ?」
「諦めるかね?」
「冗談、何としてでも帰ってやるわよ」
「それは楽しみだ、私は突破を志す者を愛する」
「初春、何か判りましたの?」
「白石さん、そう何度も尋ねられても、今判ってるのは発火能力でいて発火能力じゃないってことぐらいですよ」
「早く犯人を捕まえませんとお姉様に申し訳たちませの」
「私も早く何とか犯人を捕まえたいのはやまやまですって」
「でしたら」
「まだ、関係してるか判りませんけど」
「何かありますの?」
「一昨日以外にもボヤ騒ぎが幾つか以前に起こっているようなんです」
「そんな事があったのでしたら」
「当然、注目されます、放火なら注意も呼びかけられたでしょう」
「それが無いと」
「ええ、空き地での焚き火程度でしたから」
「注目されなかった、と」
「はい」
それが関係しているか二人にはわからなかった、しかし漠然とした予感がよぎる。
そしてその夜、炎が燃え上がった。
以上です
一人が二人に分かれ、また一人に戻る
分かれた時期の人格は無くなった事になるのでしょうか?
そんな疑問も裏テーマだったりします
>>謎野郎さんGJです!
面白かったです!
次の投下もお待ちしてます。
>>トワノハテさんGJです!
毎度の事ながら、気になる所で……
続き待ってます!
お題ったーで診断したら、「ゲームセンターでデートする上琴」
みたいな結果が出たので書いてみました。
久しぶりに、二人がゲームするヤツです。
約3分後に、6レスか7レスです。
ラブプラストオーダー
はじめからにすンのか?
⇒つづきからにすンのか?
『とっととロードするファイルを決めやがれェ!』
1:主人公:上条当麻
科学サイド 御坂妹ルート プレイ時間 001:00:32
ミサカ『こ、これはミサカなりの感謝の気持ちです、とミサカは頬を赤らめます……』
2:主人公:上条当麻
一般サイド 美鈴ルート プレイ時間 025:51:08
美鈴『本当に……私みたいなオバサンでいいの…?』
3:主人公:上条当麻
魔術サイド オリアナルート(R-18) プレイ時間 038:42:12
オリアナ『ふふっ。そんな事言っても、「ここ」は正直なのね。お姉さん嬉しいわ』
⇒4:『チッ! タイトル画面に戻ンのかよ。手間ァ取らせやがって!』
⇒1:はじめからにすンのか?
2:つづきからにすンのか?
一方通行
『よォ三下ァ! 気分はどォだァ!?』
1:すごくいい!
⇒2:悪くは無い
3:…いい訳ねーだろ
4:何!? ここどこ!!?
一方通行
『そォか。なら問題ねェわな。じゃァテメェの名前を答えてみな。
このゲームの主人公になる名前だ。慎重に答えンだな』
1:オリジナルキャラクターEDIT
⇒2:上条当麻…はぁ…不幸だ……
3:一方通行…つーか俺じゃねェか
4:浜面仕上…ってマジかよ!?
5:土御門元春…いやー、まいったにゃー
6:ステイル=マグヌス…そもそもゲームとは何だい?
7:右方のフィアンマ…俺様に何させようってんだ
8:雷神トール…こんな経験でも、俺を成長させてくれるのかねぇ
9:冥土帰し…と周りからはそう呼ばれているね?
一方通行
『くくっ! そォ悲観する事もねェぞ三下。テメェにゃこれから面白ェ事が起こンだからよォ』
上条
⇒1:面白い事って?
2:…やっぱり不幸な予感がしてならない……
一方通行
『今からテメェは恋愛シミュレーションゲームの主人公になる。攻略キャラは36人。
主人公によって多少ラインナップは違うがなァ。
まずはそン中から好きなのを選べ。もっとも、落とせるかどォかはテメェしだいだけどよォ!』
1:魔術サイド
⇒2:科学サイド
3:一般サイド
4:BLサイド
一方通行
『上条当麻が主人公の場合、科学サイドのヒロインはこの9人だ』
⇒1:御坂美琴 難易度:スーパーベリーイージー
『わ、わわわ私っ!!? ふにゃー』
2:御坂妹 難易度:ベリーイージー
『ミサカではないのですか、とミサカは地に手をついて落胆します』
3:姫神秋沙 難易度:イージー
『…分かってた。私はいつも。こういう役回りだから』
4:月詠小萌 難易度:ノーマル
『うぅ…上条ちゃんは先生を選んではくれないのですね……』
5:食蜂操祈 難易度:ノーマル
『…つまんなぁい。私にしないなんて、上条さんてばちょっと趣味力が悪いんじゃなぁい?』
6:雲川芹亜 難易度;ハード
『ま、今はそれでもいいけど。今は、な』
7:風斬氷華 難易度:ハード
『……そうですよね…私なんか選びませんよね……何、期待しちゃってたんだろ…私……』
8:吹寄制理 難易度:ベリーハード
『ふん! 貴様など、こっちから願い下げだわ!』
9:上嬢さん 難易度:アルティメットベリーハード
『はぁ…不幸だわ……』
一方通行
『オリジナルか…まァテメェがそれでいいンなら別に構わねェけどな。
最後にデートする場所を選ンでくれ。オリジナルと行ける所はこの9ヶ所だ』
1:セブンスミスト
2:ファミリーレストラン「Joseph's」
3:百貨店
⇒4:ゲームセンター
5:ファンシーショップ
6:壊れた自販機のある公園
7:思い出の鉄橋
8:上条が住んでいる寮
9:バゲージシティ
一方通行
『ゲーセンか……ま、妥当なとこだろォな。無難すぎる気もするけどよォ。
それから最終確認なンだが、
主人公:上条当麻
ヒロイン:科学サイド 御坂美琴
デート場所:ゲームセンター
でいいンだな?』
上条
⇒1:ああ、大丈夫だ
2:いや、ちょっと待ってくれ。考え直す
一方通行
『そォか。準備はできてるよォだな。
じゃァ、精々頑張ってHAPPY ENDでも目指してこい。
ゲームスタートだァ!!!』
【上条の部屋】
上条『う〜ん…今日は補習もないし、インデックスは小萌先生ん家だし。
久しぶりにゆっくりした土曜を過ごせるな。けどこのままゴロゴロしてるのもアレだし……』
⇒1:とりあえず外に出るか
2:美琴に電話でもしてみようか?
3:……やっぱや〜めた。今日は一日ゴロゴロして過ごそう
上条『どこ行こっかな?』
1:ゲームセンター
⇒2:コンビニ
3:本屋
4:映画館に超行きます!
上条『コンビニに行くか?』
⇒1:[移動]上条の部屋 → コンビニ
2:考え直す
3:やっぱりゲーセンに行く
4:「こんびーに」のおにぎりは美味しいんだよ!
【コンビニ】
上条『さて、と。コンビニに来たけど…どうするか』
1:何か新商品はあるかな、っと
⇒2:雑誌の立ち読みでもするか
3:喉渇いたな…シュースジュース………何で缶コーヒーが一本も無いのでせうか…?
4:腹減ったな…弁当でも買うか………何故にシャケ弁が売り切れているのでせうか…?
上条『確か、今週のジャ○プって土曜発売だったよな。ちょうど良かった……って…ん?』
⇒1:あれ? 美琴だ。めっちゃ立ち読みしとる
2:う、売り切れ…? 不幸だ……
上条『どうする…?』
⇒1:[行動]声をかける
2:[行動]黙ったまま自分も立ち読みを始める
3:[移動]そっと店を出る
上条『何て声をかける…?』
1:よう、美琴
2:何してんだビリビリ
3:ミコっちゃ〜ん! おっ久〜!
⇒4:うおっ!!? めっちゃカワエエ娘発見!! なぁなぁ、ちょっとボクとお茶でもせぇへん?
5:気分はどォだァ!? オリジナル様よォォォ!!!
美琴
『(イラァッ!)悪いけど、ナンパとかお断りなのよね―――って、アンタかよっ!!!
な、なな、何してんのよこんな所で!! し、しかも変な関西弁まで使って……』
上条
⇒1:俺も立ち読みしようと思ったら、美琴がいたからさ
2:あ、これウチのクラスの奴のマネな
3:しゃあないやろ? カワエエ娘がおったらナンパする。それが男っちゅうもんやで
4:ご、ごめん…その……て、照れ隠しで……
5:なァンてなァァ!! 本当にそンな事言うと思ったかァ!? 残念だったなァ三下ァァァ!!!
美琴
『だったら普通に話しかけなさいよ! ったく…』
上条
1:悪りぃ悪りぃ
⇒2:だって普通に話しかけたら、お前いつも挙動不審になるだろ
3:何だ? じゃあスカートめくりながら、「パンツはいてるかー!?」とか言えば良かったのか?
美琴
『そっ、そそそ、そんにゃ事はないわよっ!?』
上条
1:ほら、そんな感じで
2:おう、キョドってるキョドってる。
3:はぁ…俺って美琴から嫌われてんなー……不幸だ……
4:そんなあからさまな態度だと流石の上条さんでも分かってしまいますよ。美琴の気持ちが
⇒5:……まぁいいや。それよりこの後どうすんだ?
美琴
『どうするって……何がよ?』
上条
1:良かったら一緒に遊ばないか? 俺今日ヒマなんだよ
⇒2:この後の美琴の予定とか
3:優先する。―――――私の予定を下位に、貴方の予定を上位に
美琴
『ゲーセン行こうと思ってたんだけど、超電磁砲用のコインの調達にね。それが何?』
上条
⇒1:良かったら一緒に遊ばないか? 俺今日ヒマなんだよ
2:…そのコインでわたくしめを蜂の巣にするつもりではありませんよね…?
3:今からお姉様の行動を、ストーキングさせてもらいますの!!!
美琴
『……………へっ? あ、え、ええっ!!? い、いい、今なんて!!?』
上条
⇒1:だから、一緒に遊ぼうって……駄目か?
2:あっ、ご、ごめん……やっぱり何でもない……
3:デートのお誘いのつもりなんだけど
4:か、勘違いしないでよねっ!? べ、別に美琴と一緒にいたい訳じゃないんだからっ!!
あくまでもゲームセンターに用事があるだけなんだからっ!!!
5:なァンてなァァ!! 本当にそンな事言うと思ったかァ!? 残念だったなァ三下ァァァ!!!
美琴
『だっ、だだだ、駄目じゃない!!! 駄目じゃない…けど……それって…やや、やっぱり…その……』
上条
1:まぁ、デートだよな。どう考えても
2:まぁ、デートだにゃー。どう考えても
3:まぁ、デートなのよな。どう考えても
4:まぁ、デートである。どう考えても
⇒5:いやー、友達とゲーセンで遊ぶのって久しぶりだわ
美琴
『友…達と……遊ぶ……そうよね…アンタにとってはそんな感覚よね…』
上条
1:…? 何で美琴センセーは落ち込んでいらっしゃるのでせう?
⇒2:楽しみだなー! 美琴もそうだろ?
3:ギャッハハ☆ 残念だったね、おねーたま!
美琴
『ええ、そうね!! こうなったら楽しみまくってやるわよコンチクショウ!!!』
上条
⇒1:[移動]コンビニ → ゲームセンター
2:[行動]もう少し美琴と話す
3:[行動]告白する
4:[不幸]突然スキルアウトのコンビニ強盗に襲われる
5:[不幸]突然グレムリンに襲われる
【ゲームセンター】
美琴
『あ〜、このガチャガチャした感じ、久しぶりだわ』
上条
1:何だ、しょっちゅう来てる訳でもないんだな
2:うっし! 遊びまくるぞー!!!
⇒3:俺もだよ。あんま金ないから、中々来れなくてな
4:うん、うん、そうだよね。美琴お姉ちゃんならきっとそう言うよね
美琴
『…切ない事言わないでよ……』
上条
⇒1:でも今日は大丈夫。奨学金、下りたばっかだから
2:補足ですが、今日もありません
3:だからスンマセン!! どうか奢ってください!!
4:うるっせぇんだよ、ド素人が!!
美琴
『じゃあ平気ね。まずは何やろっか』
上条
1:超電磁砲用のメダル補充に来たんだろ? だったらメダルゲームだろ
2:クレーンゲームとかどうだ?
⇒3:対戦ゲームで勝負だ!
4:記念にプリクラ撮ろうぜ
5:脱衣麻雀一択!!!
美琴
『ほっほう? 勝負ね……いいわ! 受けて立とうじゃない!!』
上条
1:美琴こそ、いい度胸じゃねーか!
2:悪いやっぱナシごめん
⇒3:負けたら罰ゲームな
4:なァンてなァァ!! 本当にそンな事言うと思ったかァ!? 残念だったなァ三下ァァァ!!!
美琴
『いいわよ。大覇星祭の時のリベンジって訳ね! で、罰ゲームの内容は?』
上条
⇒1:負けた方が勝った方にジュースを奢る
2:負けた方が勝った方の言う事を何でも聞く
3:負けた方が勝った方にキスする
4:勝った方が負けた方にキスする
5:負けた方は脳を三分割されてネバネバした液体の入った容器に収められる
美琴
『なるほどね。それで、ゲーム内容は?』
上条
1:格闘ゲーム
⇒2:パズルゲーム
3:レースゲーム
4:リズムゲーム
5:相性診断ゲーム
美琴
「OK、落ち物パズルね。やったろうじゃない♪』
【ゲーム開始】
美琴
『っしゃあ! やるわよ!』
上条(美琴は中連鎖をいくつも用意するタイプか…なら俺は)
1:小連鎖を連発して圧力をかける
2:美琴同様、中連鎖をいくつも作って相殺に備える
3:大連鎖で一発逆転!
⇒4:とりあえず両端に積んどいて、フィーリング連鎖でも狙うか
5:レバガチャ
美琴
『ほらほら!! 3、4、5連鎖ぁ!!!』
上条『あ…あれ? ヤバイ! 負けそう!! どうする!?』
⇒1:作戦はこのままだ! 自分を信じろ!
2:さ、作戦変更! ちゃんと連鎖を組もう!
3:…どうせこのままだと負けだから、もうボタン押すのや〜めた
4:最終手段! 台をぶん殴ってそげぶしよう!
美琴
『………!!! よっしゃあああぁぁぁ!!! 大勝〜利〜♪』
上条『…負けた……』
1:不幸だ……
⇒2:敗因は何だったのでせうかね…?
3:くっ…! イ、インチキだ! 美琴が能力使って、ゲームデータを書き換えたんだろ!
美琴
『あのねぇ…何か、まぐれんさ狙ってたみたいだけど、アンタ不幸体質なんでしょ?
偶然で連鎖ができる訳ないじゃない』
上条
⇒1:あ…
2:ふっ…お前を試したのさ……
3:いや…もしかしたら「無限の可能性」で、成功する確率も50%かもと……
美琴
『ふっふ〜ん! でも負けは負けだからね! ジュースよろ〜♪』
上条
⇒1:ヘイヘイ
2:だが断る
3:じゃあお姉さんが、「あなたから」ジュースをいっぱい出してあげるわ
上条(ジュース何にするかな?)
1:お茶
2:コーラ
3:スポーツドリンク
⇒4:ガラナ青汁
5:結局サバ缶って訳よ!
美琴
『………確かに「何の」ジュースとは言ってなかったけどさ……てか、そもそもジュースなのこれ!?』
上条
1:自販機に売ってたんだから、ジュースだろ。多分
2:美琴、コレ好きじゃなかったっけか?
⇒3:グイッといけ。グイッと
4:ざまァねェなァァァ!!! ちゃンと最後まで飲めよォォォ!!!
美琴
『ううぅ、まっず……これじゃどっちが罰ゲームだか分かんないじゃない……』
上条
⇒1:そんなにマズイのか? …一口もらっていい?
2:贅沢は敵! 残さず全部飲み干しなさい!
3:御坂ちゃんは、こんな所で音を上げるような子じゃありませんよね?
美琴
『…え? あっ、えっ、い、いいけど、そそ、そ、それって―――』
上条
1:じゃあも〜らい!
2:…ホントは駄目なのか?
3:……やっぱやめとこ
⇒4:[行動]ジュースを飲む
美琴
『は、はわ……はわわわわ………』
上条
⇒1:……まっず…返すわ…
2:マズイ! もう一杯!
3:…あれ? 意外とイケる…?
美琴
『返すって!!? このままの状態で返すってアンタ!!?』
上条
1:あっ、美琴がもう飲めないってんなら、俺が残り全部飲むけど
⇒2:? 何か不都合でも?
3:はっはっは! 間接キッスを、美琴センセーも味わうがよい!
美琴
『にゃにゃにゃ、にゃいわよそんなもん!!!』
上条
⇒1:そうか…? なら別にいいけど
2:いや、明らかにあるだろ
美琴
『(ゴクッ!)〜〜〜!!! ……そ、それで、つつ、次は何すんのよ…?』
上条
1:超電磁砲用のメダル補充に来たんだろ? だったらメダルゲームだろ
⇒2:クレーンゲームとかどうだ?
3:記念にプリクラ撮ろうぜ
4:脱衣麻雀一択!!!
5:そろそろ時間だし、もう帰ろうぜ?
美琴
『クレーンゲームか…中々いいわね♪ 何かお目当ての景品でもあるの?』
上条
⇒1:ん…ぬいぐるみでも取って、美琴にプレゼントしようかと
2:インデックスのお土産にな
3:何が欲しいとかじゃなく、挑戦する事に意味があるんだ!
4:回答ですが、あなたには関係ありません
5:限定の美少女フィギュア!!! それしかないやろ!!!
美琴
『わ、わわ、私に!!?』
上条
1:…余計なお世話でせうかね?
⇒2:美琴って、そういう可愛いの好きだろ?
3:そ、それを俺だと思って、大切にしてほしいんだ……
4:なァンてなァァ!! 本当にそンな事言うと思ったかァ!? 残念だったなァ三下ァァァ!!!
美琴
『し、し、仕方ないわねっ!!! べ、別に欲しくはないけど、も、貰ってあげるわよっ!!!』
【ゲーム開始】
美琴
(どきどき)
上条(さてと…狙うのは……)
1:排出口付近のネコのぬいぐるみ
2:奥にある、ご当地ゆるキャラのぬいぐるみ
⇒3:下の方で埋もれてる、ゲコ太のぬいぐるみ
美琴
(ゲコ太!!?)
上条(ちょっと難しい位置だけど……)
1:正攻法で取る
⇒2:アームをタグにひっかける
3:適当にボタンを押す
4:最終手段! 台をぶん殴ってそげぶしよう!
美琴
(そのままそのまま……)
上条
⇒1:……よし! うまく取れた!
2:…あー……取れなかったぁ……
3:……なぜか知らんが、別のものが取れた…
4:[不幸]取れる寸前でクレーンが故障
5:[不幸]ボタンを押す手が滑り、間違って隣の美琴の手を握る
美琴
『やったああああぁぁぁぁぁ!!!!!』
上条
1:うおぅ!? すげぇ喜びようだな! これがゲコ太効果か……
⇒2:そんなに喜んでくれるなら、こっちも取った甲斐があったってもんですよ
3:添い寝用にでも使ってくれ
4:よーし! 調子に乗って、もう一個取っちゃうぞー!!
5:…? あっ、ごめん!! これパチ商品の「ゲブ太」の方だった!!!
美琴
『うん、すっごく嬉しい!! ありがとう、絶対大切にするね!!』
上条『!!!』
1:あ…う、うん。(やべぇ…何ドキドキしてんだ俺……)
⇒2:笑顔…可愛いな……
3:俺も美琴を大切にするよ……な、なんて…
4:[行動]告白する
美琴
『…え……』
上条
1:あ、い、いや何でもない!
⇒2:だから…美琴の笑顔が……か、可愛かったから…つい……
3:[行動]告白する
美琴
『そ…そっか………えへへ…「可愛い」…だって……えへへへへへ』
上条
⇒1:さ、さすがにそろそろ時間だよな! か、帰りますか!
2:し、仕方ねーだろ!? ほ、本気でそう思ったんだから!!
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
美琴
『うん、そうね。もう完全下校時刻になるもんね。……ちょっと残念だけど』
上条
⇒1:…俺も残念だよ
2:[行動]告白する
3:[行動]告白する
美琴
『…アンタもそう思ってくれてたんだ………じゃあさ! その…ら、来週も一緒に遊ばない!?』
上条
⇒1:おう! 勿論!
2:来週は…無理かな……
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
5:[行動]告白する
美琴
『うん! じゃあ約束ね!』
上条
1:ああ! またな!
⇒2:あっ、ちょっと待ってくれ!!
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
5:[行動]告白する
美琴
『…? 何?』
上条
⇒1:重要な話があるんだ
2:[行動]告白する
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
美琴
『はえっ!!? じゅ、じゅじゅ重要な話……ってままままままさか!!?』
上条
1:来週どこに行くか、決めとこうぜ
2:[行動]告白する
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
⇒5:[行動]告白する
上条(告白…告白か……今俺が美琴に伝えるべき言葉は……)
1:……好きだ!
2:実は…ずっと前から、美琴の事が気になってたと言いますか……
3:急な話で悪い。俺と…俺と付き合ってくれないか?
4:クイズタ〜イム! 上条さんには好きな人がいます。それは誰でしょう? ヒントは…俺の目の前
5:もし俺が美琴の事を「好きだ」って言ったら…美琴はどうする?
6:今日一日美琴と一緒にいて、分かった事があるんだ
7:美琴…俺の幻想を聞いてくれ……
8:(いや、言葉なんていらない! これが俺の気持ちだ!!) [行動]美琴を抱き締める
⇒9:ごめん、調子に乗りすぎてお金使いすぎた。で、電車賃だけでも貸してくれませんかね…?
上条(いや待て俺。電車賃は確かに大切な事だが、今はもっと他に伝えるべき言葉がないか…?)
⇒1:考え直す
2:いや、これが一番重要
上条(告白…告白か……今俺が美琴に伝えるべき言葉は……)
1:……好きだ!
2:実は…ずっと前から、美琴の事が気になってたと言いますか……
3:急な話で悪い。俺と…俺と付き合ってくれないか?
4:クイズタ〜イム! 上条さんには好きな人がいます。それは誰でしょう? ヒントは…俺の目の前
5:もし俺が美琴の事を「好きだ」って言ったら…美琴はどうする?
6:今日一日美琴と一緒にいて、分かった事があるんだ
7:美琴…俺の幻想を聞いてくれ……
8:(いや、言葉なんていらない! これが俺の気持ちだ!!) [行動]美琴を抱き締める
⇒9:よく考えたら、今月の食費まで使っちまった。ヤバイ、マジでどうしよう!!?
美琴
『………それが重要な話…?』
上条
⇒1:残念だったなァ三下ァァァ!!!
B A D E N D
一方通行
『オイオイ、結局BAD ENDかよ……………くくくっ…! ……残念だったなァ三下ァァァ!!!』
以上です。
実況プレイの方は近日中…
早ければ明日には投下できると思います。
ではまた。
なんでスーパーベリーイージーなのにBAD ENDになっちゃうんだよおおw
ていうか普通に面白そうだな〜禁書のギャルゲーやりたいわ
初投稿。男。処女作。
上条「はぁー……早く、禁書三期来てほしいよな〜」
美琴「三期なんか来なくていいっ!」プイッ
上条「なっ、なんでだよ!?」
美琴「……、」
上条「……、御坂?」
美琴「だっ、だって!三期入ったら、アンタってばあの五和とかいうおしぼり女にべったりじゃないっ!!!」グスッ
上条「なっ……!」
美琴「なによ、そんなにおしとやかで控え目なコがいいわけ?それともなに、やっぱり胸か!?隠れ巨乳がそんなに魅力的!?」プンスカ
上条「ちょっ、お前さっきから何言ってん…」
美琴「うっさい!!と、とにかくアンタは私だけを見てればいいのよ!!!」
上条「どァあっ!?」
以上。できのわるい短いSSですまない。
くまのこさん、トワノハテさんGJ
みっことんさん
内容は悪くないですよ♪
ただ、投下宣言とタイトルをお願いします。
次の作品も待ってます♪
>>くまのこさん
まさか恋愛ゲーの「[行動]告白する」が地雷だったとは(違)…GJ!
>>みっことんさん
その三期の最終回のラストシーンが「ただし、今度は1人じゃない」なら
私としては大歓迎なんですが、果たしてどうなるやら…次回作期待してます!
先月左手を怪我して今物凄く暇な謎野郎です。
剥離骨折だってさ…。
さて、とりあえず暇なので思い付くままに投稿します。
今回の作品は3部で構成してます。
ただ、一気に投稿してもすぐネタ切れになるので、なるべく間を空けます。
タイトルは「幸運な勝負」です。
少女と少年が見つめあっている。
周りから見れば『なんだあんにゃろう…リア充爆ぜろ!!』な感じでは有る。
何故なら、少女の顔は真っ赤だから。
少年の顔は真剣で、目の前の少女を逃すまいとしてじっと見つめている…ように見える。
???「〜っ/////」プイッ////
???「顔を反らしたな?
また俺の勝ちだ。
なあ…この勝負お前に勝ち目は「うっさい!!黙ってもう一度!!/////」…分かったよ。」
ちなみに、少女の名前は御坂美琴。
学園都市に7人しかいないLevel5の第三位である。
少年は学園都市に6割近くいる無能力者にして、右手に『幻想殺し』を持つ稀有な存在だ。
何故彼等は白昼堂々といちゃついているのか?
美琴「いいいいちゃちゅいてにゃんかいにゃいわよ!!///////」
当麻「?誰に言ってんだ?」
美琴「アンタも妙にゃとこりょにちゅっこみゅにゃあ!!//////」
当麻「理不尽だ…」
ぶっちゃけ、たまたま二人とも暇だったので、暇潰しに久しぶりの勝負を美琴が挑んだのがきっかけだ。
上条からすれば、出来るだけ平和的で安全な勝負がよかったので、その旨を伝えた。
それを聞いた美琴が選んだ勝負がにらめっこである。
ただし、普通のにらめっこと違い顔を反らしたら負け…と言うものである。
ちなみに、今の戦績(?)は7戦とも上条の勝ちである。
美琴からすれば、にらめっこもとい上条の顔をじっと見つめる行為さえ続けられるなら、負けてもいいと思っている。
しかし、上条は思う。
にらめっこにしちゃ近すぎね?と。
そう…何故か美琴がにらめっこをする際に決めたルールで、結構顔が近いのだ。
美琴曰く、なるべく平等にするための措置らしい。
確かに、上条もそれなりにドキドキしている。
性格さえ除けば美琴は見た目美少女である。
その美少女が目の前で顔を真っ赤にしながら涙目+上目遣いで睨み付けるように自分を見ているのだ。
これで堕ちない上条は有る意味凄い。
鉄壁の理性の勝利ってやつだろう。
そして8戦目。
この時事件が起きる!! …多分!!
とりあえずは以上です。
さて、何が起こるでしょうか?
多分皆様が想像した事が起きます(笑)
チュウ編もとい中編はいつ書くか分かりません。
気が向いたらまた来ます♪
>>みっことんさんGJです!
そうですなー。カミやんには、ミコっちゃんだけ見ててほしいですなー。
また書いてくれたら嬉しいです。
>>謎野郎さんGJです!
何が起こるのか楽しみです!
中編、待ってますよー。
実況プレイ書きました。
前回書いたヤツを読まないと、何が何だか分からないと思いますので、
先に>>45-51 をどうぞ。
約3分後に7レス使います。
「おー! 久しぶりだな、これやるの」
「……そうね」
「? どうかしたのか? 全然元気ないじゃねーか」
「だって…今までの経験から、オチ見えてるもん!!!
どうせアンタ、BAD ENDにしか興味ないんでしょ!?」
「なっ! そ、そんな訳ないだろっ!? 俺だって毎回一生懸命にだな!」
「へー! それで毎回ああなるんだ! それはそれで才能よね!!」
「そこまで言われたら黙ってられませんぞ!? 今回は絶対HAPPY ENDにしてやる!!」
「どうかしらね…?」
ラブプラストオーダー
「だからタイトル……」
「もう完全にアウトだよな。コレ」
はじめからにすンのか?
⇒つづきからにすンのか?
「うわ〜、この口調、激しく嫌な予感がするんだけど」
「奇遇だな。俺もだ」
1:主人公:上条当麻
科学サイド 御坂妹ルート プレイ時間 001:00:32
ミサカ『こ、これはミサカなりの感謝の気持ちです、とミサカは頬を赤らめます……』
「アンタねぇ……なに人の妹に手ぇ出してんのよコラァァァ!!!」
「いやいやいや、落ち着け!! 俺じゃないから! このデータやったの、俺じゃないから!!」
2:主人公:上条当麻
一般サイド 美鈴ルート プレイ時間 025:51:08
美鈴『本当に……私みたいなオバサンでいいの…?』
「アンタねぇ……なに人の親に手ぇ出しとんじゃゴルァァァァァ!!!!!」
「だから落ち着けって!!! てかホントに誰だよこれやった奴!!!」
3:主人公:上条当麻
魔術サイド オリアナルート(R-18) プレイ時間 038:42:12
オリアナ『ふふっ。そんな事言っても、「ここ」は正直なのね。お姉さん嬉しいわ』
「……………」
「…そ、そんな殺気を放たれても困るのですが……身に覚えが全くございませんし……」
「ほう…? 『身に覚え』が『全く』ないときましたか……ほっほ〜う…?」
「何で!!? 何で殺気が増しているのでせう!!?」
一方通行
『よォ三下ァ! 気分はどォだァ!?』
「あー…やっぱり案内人は一方通行【コイツ】かー……一気にやる気がなくなるわね」
「まぁ、実際プレイすんの俺だし」
「ま、それもそうね。それにプレイ画面には出てこな………いや、ちょくちょく出てくるわね」
「ああ、『アレ』か」
「ええ、『アレ』よ」
一方通行
『―――じゃァテメェの名前を答えてみな。―――』
1:オリジナルキャラクターEDIT
⇒2:上条当麻…はぁ…不幸だ……
3:一方通行…つーか俺じゃねェか
4:浜面仕上…ってマジかよ!?
「へぇ〜、今回は主人公も選べるんだな」
「しかもオリキャラも作れるって、結構凝ってるわね」
「まぁでも、やっぱり自分を選ぶけどな」
「そ、そうね……私もその方がいいと思うわ……///」
9:冥土帰し…と周りからはそう呼ばれているね?
「…誰得なのよ……」
「…いや、世の中色んな趣味の人がいるもんさ……」
4:BLサイド
「……………」
「……ベ…ベーコンレタス…?」
「そ、そうよね!! ベーコンレタスよね!! あー、良かったー!
てっきりBLサイドかと思ったけど、ベーコンレタスサンドの間違いかー。焦ったわー」
(あっ、いや…『サンド』とは書いてないけど………でも言うのはやめとこう)
1:御坂美琴 難易度:スーパーベリーイージー
『な、何よっ!? も、ももももしかして私を選ぶ気っ!!?』
「ス、スーパーベリーイージーって何よっ!!?
これじゃあ私が軽い女みたいじゃない!!! いくら相手がアンタだからって―――」
「えっ? 俺が相手だと…何だって?」
「にゃああああ!!! な、なな、何でもない何でもない!!!///」
2:御坂妹 難易度:ベリーイージー
『パートナーはミサカ以外にありえません、とミサカは胸をときめかせつつ指名を待ちます』
3:姫神秋沙 難易度:イージー
『上条君。私は。いつでも準備できているから』
4:月詠小萌 難易度:ノーマル
『か、上条ちゃん! せ、先生は大人なので、色んな事を教えてあげられるのですよ!』
5:食蜂操祈 難易度:ノーマル
『当然私よねぇ? 私の魅了力でメロメロにさせてあげちゃうゾ☆』
6:雲川芹亜 難易度:ハード
『もし私を選んでくれたら、それなりにサービスはしてやるけど』
7:風斬氷華 難易度:ハード
『あ、あの…できればその……よ、よろしくお願いします……』
8:吹寄制理 難易度:ベリーハード
『上条当麻! そうやってまた女性をたらしこむつもりなら、いっそ私を選びなさい!!』
「相っ変わらず、どんだけフラグ建ててんのよアンタは!! しかもよりにもよって食蜂にまで!!」
「いやだからさ、フラグフラグ言ってるけど、実際はそんな事ないからな!?
もしそんなにモテてたら、俺だってとっくに彼女の一人や二人―――」
「ギロッ!!!」
「あれ〜? なぜか睨まれてるよ〜? 俺間違った事言ってないのに〜……」
9:上嬢さん 難易度:アルティメットベリーハード
『どうせ私なんか、選ばないでせうね……』
「「上嬢さんって誰だよっ!!?」」
⇒1:御坂美琴 難易度:スーパーベリーイージー
『わ、わわわ私っ!!? ふにゃー』
「けっけけ、結局私を選ぶのね……毎回毎回……///」
「うん、まぁ何か…妙な圧力を感じるんだよね。毎回毎回」
1:セブンスミスト
2:ファミリーレストラン「Joseph's」
3:百貨店
⇒4:ゲームセンター
5:ファンシーショップ
6:壊れた自販機のある公園
7:思い出の鉄橋
8:上条が住んでいる寮
9:バゲージシティ
「どうしてゲーセン?」
「美琴と一緒なら、思いっきり遊べる所がいいかなって」
「…私ってそんなに色気ないかな…?」
「そういう意味じゃないんだけど……んー…ほら、美琴って気兼ねなく話せるから。
それにゲーセンって、よっぽど親しくないと一緒に入りにくいし」
「そ、そう…? それならいいけど……/// あっ、でも他の所も面白そうよね」
「……『9』もか?」
「『9』は論外」
一方通行
『―――じゃァ、精々頑張ってHAPPY ENDでも目指してこい。―――』
「……ホントよ」
「だから、今回こそは任せとけって! 信用ねぇなぁ…」
「不安しかないわ」
上条
⇒1:とりあえず外に出るか
2:美琴に電話でもしてみようか?
「わ、私に電話しても良かったんじゃない?」
「まぁ、そうだけど…あんまり深く考えてなかったから」
「考えなさいよ!」
上条『どこ行こっかな?』
1:ゲームセンター
⇒2:コンビニ
「ゲーセン行くんじゃなかったの?」
「せっかく他に選択肢があるんだし、ちょっと寄り道」
上条
⇒1:[移動]上条の部屋 → コンビニ
2:考え直す
3:やっぱりゲーセンに行く
「…ゲームの方はゲーセン行ってほしいみたいだけどな」
「話が進まないもんね」
上条『確か、今週のジャ○プって土曜発売だったよな。―――』
「美琴って、毎週月曜と水曜は立ち読みしてんだよな。今オススメのマンガとかあるか?」
「私的には『密室×密室探偵』ね」
「ああ、アレは確かに面白いな」
「でしょっ!?」
「けど推理物ってセリフが多いから、読むのめんどくなって流し読みしちまうんだよな〜。
そのせいで、先週までの話が分かんなくなったりしてさ」
「コミックスは買ってないの?」
「基本的に、上条さん家は金欠なのですよ。コミックスも、買いすぎると馬鹿にならない額になるから」
「あっ、だ、だったら今度、私のを貸してあげようか!?」
「いいのか? サンキュー」
「や、約束ねっ!///」
上条
2:[行動]黙ったまま自分も立ち読みを始める
3:[移動]そっと店を出る
「…こうやって私をいつもスルーしてる訳ね……」
「故意にスルーした記憶はないのですが……」
上条
5:気分はどォだァ!? オリジナル様よォォォ!!!
「あー…やっぱり出たわね。コレ」
「出たな。やっぱり」
上条
⇒4:うおっ!!? めっちゃカワエエ娘発見!! なぁなぁ、ちょっとボクとお茶でもせぇへん?
「かっ! 可愛い娘とか!! な、なな、何言ってんのよ馬鹿っ!!///」
「えっ!? 口調に関してのツッコミは無いのか!?」
美琴
『だったら普通に話しかけなさいよ! ったく…』
上条
3:何だ? じゃあスカートめくりながら、「パンツはいてるかー!?」とか言えば良かったのか?
「…それのどこが普通なんだよ」
「そ、そうよねー。普通じゃないわよねー。そんな光景、日常的に見れる訳ないわよねー。
あ、あははははー」
「何故に乾いた笑いを?」
上条
⇒2:だって普通に話しかけたら、お前いつも挙動不審になるだろ
「ああ、あるある。何か俺が話しかけた時によくなるよな?」
美琴
『そっ、そそそ、そんにゃ事はないわよっ!?』
「そっ、そそそ、そんにゃ事はないわよっ!?///」
「おっ! 今回初ハモリ」
上条
3:はぁ…俺って美琴から嫌われてんなー……不幸だ……
「えっ…? 俺って美琴から嫌われてんの…?」
「ちっ違っ!!! むしろす―――」
「す?」
「す―――少〜しアレな奴だと思ってます……はい……///」
「アレな奴って何!!?」
上条
4:そんなあからさまな態度だと流石の上条さんでも分かってしまいますよ。美琴の気持ちが
「(実際のコイツも、これくらい鋭かったら……)はぁぁ……」
「どうした? やたらと深いため息なんかついて」
美琴
『ゲーセン行こうと思ってたんだけど、超電磁砲用のコインの調達にね。それが何?』
上条
⇒1:良かったら一緒に遊ばないか? 俺今日ヒマなんだよ
「結局ゲーセンには強制的に行かされるのね」
「じゃないと、最初に選んだのは何だったんだって話になるからな」
上条
1:まぁ、デートだよな。どう考えても
2:まぁ、デートだにゃー。どう考えても
3:まぁ、デートなのよな。どう考えても
4:まぁ、デートである。どう考えても
⇒5:いやー、友達とゲーセンで遊ぶのって久しぶりだわ
「何でこの5択でわざわざ『5』を選ぶ訳!!?」
「だって実際久しぶりだし」
「マジメかっ!! …って、このツッコミは非常にマズイ気が……」
美琴
『友…達と……遊ぶ……そうよね…アンタにとってはそんな感覚よね…』
「……アンタ的にはどうなの? 友達とはいえ、お、女の子と一緒に遊びに行く訳でしょ?
その…な、な、何か思う所はないの…?」
「う〜ん…つっても今までだって、インデックスや風斬と地下街行ったり、
五和と銭湯行ったりしてるしな。別段、特別な事じゃ―――」
「きしゃーっ!!!」
「えっ!? 何か威嚇された!! てか、美琴とも一緒にホットドッグ食ったり、
ケータイのペア契約したりしただろ!?」
「うん…まぁ…そうだけど……///」
(あっ。何でか知らないけど大人しくなった)
上条
⇒1:[移動]コンビニ → ゲームセンター
2:[行動]もう少し美琴と話す
3:[行動]告白する
「……何でこのタイミングで『告白』があるんだよ。おかしいだろ、どう考えても」
「わ、私は別に構わないと思うけど……///」
⇒3:俺もだよ。あんま金ないから、中々来れなくてな
「実際そうだよな……おかげで1円安い卵を買う為に隣の学区まで走ってったり、
でもスーパーに付いたら卵が売り切れてて、来た道を逆戻りして結局いつものスーパーで買って、
買ったら買ったで帰りに空き缶踏んづけてすっ転んで卵を落として、
その落とした卵パックの上を自転車が通って更に―――」
「もうやめて! とっくにアンタのライフはゼロよ!」
美琴
『…切ない事言わないでよ……』
「…心の底からそう思う……」
「いやいや、いつもの事だから」
「慣れてるアンタの姿が、更に涙を誘うわよ!」
上条
⇒1:でも今日は大丈夫。奨学金、下りたばっかだから
「ゲームとはいえ、懐事情が大丈夫なのか心配になってくるぜ」
「私もよ…あんな話を聞かされちゃあね……」
上条
5:脱衣麻雀一択!!!
「今どき脱衣麻雀とかないだろ。しかもしかもここは、学生が8割の街『学園都市』だぞ」
「…あったらやる訳…?」
「まぁそりゃ、興味がない訳じゃ…って! 何を言わせるとですか!!」
「……興味がない訳じゃないんだ。へー、ほー」
「あぁ…何だか冷たい視線が突き刺さる……」
美琴
『ほっほう? 勝負ね……いいわ! 受けて立とうじゃない!!』
上条
⇒3:負けたら罰ゲームな
「なつかしいな。罰ゲーム」
「そうは言っても、たかだか数ヶ月前の話だけどね」
「学生の頃の1ヶ月は、大人にとって1年くらいの長さに感じるらしいぞ」
「ああ、歳を取ると段々一年が短く感じるようになるってヤツ? 確かによく聞くわね」
「それに俺達って、割とハードなスケジュールだし……」
「うん…そうね……」
上条
1:負けた方が勝った方にジュースを奢る
―――――
3:負けた方が勝った方にキスする
4:勝った方が負けた方にキスする
「『3』と『4』って意味同じだろ」
「……全然違うわよ…馬鹿……///」
「けどまぁ、ここは『1』だな。現実的に」
「ゲームなんだから、現実的にしなくてもいいでしょ!?」
上条
5:相性診断ゲーム
「相性診断ゲームでどうやって勝ち負け決めるつもりだったんだ?」
「相性が50%以上なら私の勝ち。以下ならアンタの勝ちとかそんな所じゃない?」
「あっ、なるほどね。……あれ? ちょっと待った。50%以上だと、何で美琴が勝った事になるんだ?」
「た、たたた例えばよ例えば!!! ふ、ふふ、深い意味なんてないんだからっ!!!///」
上条(美琴は中連鎖をいくつも用意するタイプか―――)
「実際の程は?」
「んー…とりあえず大連鎖を組んでる…と見せかけて、実はいつでも相殺できるように、
起爆できる場所を多く作りながら積む…かな?」
「あ…駄目だ。上条さんの頭じゃあ、多分どうやっても勝てない」
上条
⇒4:とりあえず両端に積んどいて、フィーリング連鎖でも狙うか
「オチが見えるのに、何で『4』を選ぶのよ……」
「いや…ゲームだし、もしかしたらもしかすると思って……」
上条
⇒2:敗因は何だったのでせうかね…?
3:くっ…! イ、インチキだ! 美琴が能力使って、ゲームデータを書き換えたんだろ!
美琴
『あのねぇ…何か、まぐれんさ狙ってたみたいだけど、アンタ不幸体質なんでしょ?
偶然で連鎖ができる訳ないじゃない』
「ほら〜、言わんこっちゃない」
「くうぅ…上条さんはゲームの中でも所詮上条さんという事なのか……」
「あとさっきの『3』! いくら何でも、対戦ゲームでチート使ったりしないわよ!」
「でもやろうと思えばできるんだろ?」
「まぁ…やろうと思えばね」
「……………」
「だからやんないってばっ!!!」
上条
3:じゃあお姉さんが、「あなたから」ジュースをいっぱい出してあげるわ
「なっ、なななな何言ってんのよ馬鹿っ!!!!!///」
「俺が聞きたいわいっ!!!」
上条
⇒4:ガラナ青汁
「コレといちごおでんが2大巨頭よね。学園都市ブランドまずいジュースランキングの」
「まぁ…確かに、一度飲んだら二度と忘れられない味だよな。悪い意味で」
美琴
『ううぅ、まっず……これじゃどっちが罰ゲームだか分かんないじゃない……』
「あ〜あ。ゲームの中の私可哀相。まずいの分かってるのに、何で選んだのよ」
「美琴のリアクションが見たくて、つい」
「私は芸人かっ!!!」
上条
⇒1:そんなにマズイのか? …一口もらっていい?
「あっ!!!///」
「今度は何だよ」
「い、いやだって……別にい、いいけど、そそ、そ、それって―――///」
美琴
『…え? あっ、えっ、い、いいけど、そそ、そ、それって―――』
「あ、またハモった。本日2回目だな」
上条
⇒4:[行動]ジュースを飲む
「………///」
(…何か美琴がモジモジしてる……ちょっと可愛い……)
上条
⇒1:……まっず…返すわ…
美琴
『返すって!!? このままの状態で返すってアンタ!!?』
(ど、どこまで弄べば気が済むのよ〜〜〜っ!!!///)
「……なぁ、美琴?」
「ひゃっ! ひゃいっ!!?///」
「顔、大分赤いけど、大丈夫か?」
「だ、だだ、大丈夫だ、問題ないっ!!!///」
「…ネタを挟む余裕があるなら平気だな」
上条
3:はっはっは! 間接キッスを、美琴センセーも味わうがよい!
(ささ、さ、『3』!! もう、完全に分かっててやってんじゃないのっ!!!///)
「間接キスって…小学生じゃあるまいし。回し飲みくらい別に何とも………って怖っ!!
美琴センセーがものすごく怖い顔で睨んでいらっしゃるのは何故でせう!?」
美琴
『(ゴクッ!)〜〜〜!!! ……そ、それで、つつ、次は何すんのよ…?』
「あー! ゲームの私は何をテンパってんのかしらねー!!
回し飲みくらい、べ・つ・に・な・ん・と・も・な・い! のにねー!!!」
「だから何で!? 何で怒ってんの!? 理由をプリーズ!」
上条
⇒1:ん…ぬいぐるみでも取って、美琴にプレゼントしようかと
(とりあえず、プレゼントでも渡してご機嫌を取っておこう……)
「プレゼントしてご機嫌取り? アンタって本当に単純ね」
「お前は読心能力者かよっ!?」
上条
⇒2:美琴って、そういう可愛いの好きだろ?
「ま、まぁ敢えてその単純な作戦に乗ってあげようじゃない」
「あれ? 実はめっちゃ喜んでる? チョロすぎるぞミコっちゃん!」
上条(さてと…狙うのは……)
1:排出口付近のネコのぬいぐるみ
2:奥にある、ご当地ゆるキャラのぬいぐるみ
3:下の方で埋もれてる、ゲコ太のぬいぐるみ
「ゲコ太ああああぁぁぁぁぁ!!!!! ゲコ太ゲコ太ゲコ太ゲコ太!!!」
「わ、分かった、分かったからちょっと落ち着け! 今『3』選ぶから!!」
上条
⇒3:下の方で埋もれてる、ゲコ太のぬいぐるみ
「ゲッコ太♪ ゲッコ太♪」
「どんだけ嬉しいんだよ! さっきからそれしか言ってねーぞ!?」
「ゲコ太っ!!!!!」
「分かったってば!!!」
上条(ちょっと難しい位置だけど……)
1:正攻法で取る
2:アームをタグにひっかける
3:適当にボタンを押す
4:最終手段! 台をぶん殴ってそげぶしよう!
「ここは…『1』かなぁ…?」
「ゲコ太ぁ……」
「人間の言葉で喋れ!」
「…『2』じゃない? 何か、正攻法だと取れない気がする」
「『3』か『4』って可能性は―――」
「『2』!!!」
「あ…はい……」
上条
1:……よし! うまく取れた!
2:…あー……取れなかったぁ……
3:……なぜか知らんが、別のものが取れた…
4:[不幸]取れる寸前でクレーンが故障
5:[不幸]ボタンを押す手が滑り、間違って隣の美琴の手を握る
「ここは『1』しかねーよな」
「ご…『5』でもいいんじゃない…?///」
「それじゃぬいぐるみ取れないだろ。あんなに欲しがってたのに、いいのか?」
「それは……そうなんだけど…さ………///」
「…?」
上条
5:…? あっ、ごめん!! これパチ商品の「ゲブ太」の方だった!!!
「やっぱパチモンとかもあるんだな」
「そりゃあるわよ。ゲコ太は人気だもん。
この前も、『どっせいゲコ太郎』とかいうのを見つけて腹が立ったわ!」
「へー…それっていくらぐらいしたの?」
「5000円」
「たっけぇなパチモン!!!」
美琴
『うん、すっごく嬉しい!! ありがとう、絶対大切にするね!!』
「!!!」
「? どうかした?」
「あ、いや…何でもない……」
「そう…? ならいいけど」
(美琴の笑った顔が可愛いくて、ドキッとしちまった…なんて本人の前で言えるかよ)
上条
⇒2:笑顔…可愛いな……
「ば、馬鹿っ! おだてたって何も出ないんだから!///」
「…わりと本心……だったりして(ぼそっ)」
「んなっ!!!?///」
上条
⇒2:だから…美琴の笑顔が……か、可愛かったから…つい……
「ほ…本当に……?///」
「……………」
「な、な、何か言ってよ!///」
上条
⇒1:さ、さすがにそろそろ時間だよな! か、帰りますか!
―――――
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
「……いくら何でも、告白はまだ早いよな…?」
「い、いい、いいんじゃないの!? ここここ告白したって………///
(ってちょっと待って!!? そ、そそそ、それって告白する意思はあるって事っ!!!?///)」
上条
⇒1:おう! 勿論!
―――――
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
5:[行動]告白する
「何回がデート重ねないと、失敗する可能性が高いし」
「そ、そそ、そ、そんな事はないと思うけど………///
(てか今、デデデデデートって言った!!? し、しか、しかも何回もする気なのぉぉぉ!!?///)
上条
1:来週どこに行くか、決めとこうぜ
2:[行動]告白する
3:[行動]告白する
4:[行動]告白する
⇒5:[行動]告白する
「いや、しつけぇよ! じゃあもういいよ! 今すぐするよ! 告白!!!」
(き、ききき、き、来たあああああああ!!!!!///)
上条(告白…告白か……今俺が美琴に伝えるべき言葉は……)
1:……好きだ!
2:実は…ずっと前から、美琴の事が気になってたと言いますか……
3:急な話で悪い。俺と…俺と付き合ってくれないか?
4:クイズタ〜イム! 上条さんには好きな人がいます。それは誰でしょう? ヒントは…俺の目の前
5:もし俺が美琴の事を「好きだ」って言ったら…美琴はどうする?
6:今日一日美琴と一緒にいて、分かった事があるんだ
7:美琴…俺の幻想を聞いてくれ……
8:(いや、言葉なんていらない! これが俺の気持ちだ!!) [行動]美琴を抱き締める
9:ごめん、調子に乗りすぎてお金使いすぎた。で、電車賃だけでも貸してくれませんかね…?
(これで…これでやっとコイツと!! ………って、いやいやいや。
安心するのはまだ早いわよ御坂美琴。コイツはいっつも、ここまで上げておいて、
最後の最後に一気に落とすんだから……
どうせまた、『9』を選んで「はい、おしまい」ってなるだけなのよ…分かってるもん……)
上条
⇒9:ごめん、調子に乗りすぎてお金使いすぎた。で、電車賃だけでも貸してくれませんかね…?
(……ほらね? こういうヤツなのよ……期待なんて…全然してなかったんだから………)
「…んー……」
上条
⇒1:考え直す
「……へっ? か、考え直すって……えええっ!!?
な、何で!? アンタにとって、お金の問題は一番重要な事なんじゃないの!!?」
「いや…それはそうなんだけど……今はもっと…ほら………な…? 分かるだろ?」
「つ、つつつつまりそれって!!? それってええええええぇぇぇぇぇ!!!?///」
「…それに言っただろ? 『絶対HAPPY ENDにしてやる』って」
「……ふ……ふny………///」
「おいおい、今『ふにゃー』すんなよ。こっからが一番いい所なんだから」
「いちびゃん…いい…とこりょ…って……///」
上条(告白…告白か……今俺が美琴に伝えるべき言葉は……)
1:……好きだ!
2:実は…ずっと前から、美琴の事が気になってたと言いますか……
3:急な話で悪い。俺と…俺と付き合ってくれないか?
4:クイズタ〜イム! 上条さんには好きな人がいます。それは誰でしょう? ヒントは…俺の目の前
5:もし俺が美琴の事を「好きだ」って言ったら…美琴はどうする?
6:今日一日美琴と一緒にいて、分かった事があるんだ
7:美琴…俺の幻想を聞いてくれ……
8:(いや、言葉なんていらない! これが俺の気持ちだ!!) [行動]美琴を抱き締める
⇒9:よく考えたら、今月の食費まで使っちまった。ヤバイ、マジでどうしよう!!?
「………………………へ?
うおおおおおおぉぉぉぉぉい!!!!! 結局それじゃないのよおおおおぉぉぉぉ!!!!!!!
何、わざわざ考え直してまた『9』選んでる訳!!!? 何よその二度手間!!!!!
HAPPY ENDにするって自分で言ったんじゃない!!!
『今はもっと…ほら………な…? 分かるだろ?』とかぶっこいてたじゃない!!!
何してんのアンタ!!!? 何なのコレどういう事!!!?」
「いや…いくら何でも食費にまで手を出すのはマズイだろ。今月どうやって生活するんだよ。
前々から思ってたが、ゲームの中の俺は計画性がなさすぎる!
遊ぶなとは言わないけど、あくまでも財布に余裕がある時に―――」
「マジメかああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
以上です。
小ネタも書いてる途中なので、近々投下するかも知れません。
ではまた。
くまのこさん乙
この際、ウルトラハイパースペシャルハードモードの方がハッピーエンドを迎えそうですな
いつもながら、くまのこさんの感性に脱帽です。ギャルゲープレイの最初の3行で吹きました。
あと、その後の実況プレイも楽しみにしてます。今回も面白かった!
息抜きで書いたので、しっちゃかめっちゃかですが
続きではないです
美琴「ここは一体どこ?」
上条「おーい御坂」
美琴「空耳、空耳」
上条「聞こえてるだろ」
美琴「いーえ私はNPC」
上条「恥ずかしい格好してるからって誤魔化そうとするなよ」
美琴「恥ずかしい格好言うな!」
上条「ほら御坂だ」
美琴「知り合いに会いたくなかったのに!」
上条「だったらそんな服装に設定しなきゃいいじゃねぇか」
美琴「ログインしたら強制的に設定されたの!好きで着てるわけじゃ、ない!!」
上条「強制的?そんなことあるのか」
美琴「あるのよ、高レベルの能力者がログインすると強制的にイベントに参加させるシステムが、このバーチャルリアリティ空間、学園都市オンラインには」
上条「へえー、そんなんがあったんだ」
美琴「VR技術を利用した仮想空間を構築するうえで要求された仕様の一つ、能力開発の課題としてらしいわ。これでも昨日、第一位がやらされたイベントより随分マシだから」
上条「一方通行が?……何やらされたんだ?」
美琴「鬼ごっこの鬼」
上条「……一方通行がそれをやったのか?」
美琴「渋々ね、アンタはあのイベントに参加してなかったの?」
上条「いや、全然初耳」
美琴「そっか、あのときアンタを探したけど見つかんなかったのは参加してなかったんだ」
上条「御坂は参加してたのか、その鬼ごっこに?」
美琴「告知もなしに突然よ、突然!サプライズイベント?鬼から逃げる人を守る役というか鬼の妨害役にいきなり振り分けられたわよ、私の他にもリアルで風紀委員やってる人が同じ役をやらされてたわ」
上条「それも強制的に?大変だったんだな」
美琴「そう、なんだかんだ言って、アレには1万人ぐらい参加してたんじゃないかな」
上条「そんな人数が参加してたんか!」
美琴「第一位が鬼とも知らずにね。結局、私が妨害を頑張っても3割いってるかしら生き残った人」
上条「一方通行が鬼じゃ生き残るのも、白い悪魔がやって来る……トラウマになりそうなイベントだな」
美琴「運営はナニ考えてんだか、変なイベントが多すぎるのよ、バトルフィールドでは天使襲来とかやってたらしいし」
上条「それは聞いたことある、確か大量の天使が襲って来るのを撃退するイベントだったとか、幸か不幸か上条さんはそんなサプライズイベントに行合わねーけど」
美琴「アンタもわかったところで、これで失礼するわ」
上条「まあ待てよ、それで御坂の今日のその衣装は、やっぱりイベントの強制なんだな?どんなイベントだよ御坂?」
美琴「うっ、その、仮装でバトル」
上条「わざわざ仮装でバトル?そういや格闘トーナメントがあるとかなんとかスケジュールにあったな。仮装とは書いてなかったから御坂だけその条件?」
美琴「そうみたいね」
上条「仮装つーと、なんの仮装なんだ?」
美琴「『不思議の国のアリス』のアリスらしいけど、はあ」
上条「アリス?それにしてはスカートが短いんでねーの?」
美琴「それは言わないで!」
上条「格闘トーナメントだから、動き易くするため」
美琴「言うなっちゅうの!えっ、あああ遅かったか……」
上条「でもアレ、タッグマッチじゃなかったか?」
美琴「は〜、そうよ、知り合いと組んでのタッグマッチ」
上条「なら相方がいなければ参加しないで済むんだろ?」
美琴「もう遅いわ」
上条「嫌そうにしてんのに、もう申し込み済ませちまってたのかよ?」
美琴「違うわ、強制って言ったでしょ、アンタ自分のを確認してみなさい」
上条「えっ、えーとこれだろ、はあっ!?おいおいおいおいおい、自分から申し込みしたことも承諾したこともねえのに何で参加する事になってるんだよ、俺が!?」
美琴「だから強制参加」
上条「ちょ、ちょっと待て俺が強制参加!?」
美琴「私が知り合いとね、一定時間一緒にいるとその人と強制的にタッグを組むようになってるの、うん、サプライズイベント初参加おめでとう」
上条「計ったな!!」
美琴「人聞きの悪いこと言わないでよ!声かけてきたのはアンタの方じゃない!私は参加したくなくて、知り合いに会うのを避けてたのよ!!」
上条「そ、それはそうでも最初に言ってくれたら良かったじゃねーかよ!解除する方法はないのか、これ?」
美琴「無理、逃げまわっても時間がくれば強制転移のうえにログアウトもさせてくれないわ」
上条「ログアウトもさせてくれない?げっ、ログアウトの欄が消えてやがる、なんてSAO……不幸だ」
美琴「私こそよ、こんな格好で」
上条「可愛い服で戦うのが嫌なのか?」
美琴「か、可愛い???」
上条「服がな」
美琴「…………ふっ、そういうヤツよアンタは。べ、別に服が可愛いのは問題じゃないのよ」
上条「なら、そのスカートが短いのが、でも常盤台の制服と一緒ぐらいだろ」
美琴「一緒じゃない!」
上条「見た目には違いがあるように見えねえけど?」
美琴「違うの!」
上条「どこが違うんだよ?」
美琴「無いの!」
上条「無いって……まさか、短パン?」
美琴「ぐぐぐぐぐっぐぐぐぬぬぬぬ」
上条「そっか、履いてないのか、短パン……」
美琴「ナニ、感慨深く言ってんじゃー!!」
上条「おこんなよ御坂」
美琴「デリカシーが無いのかアンタには!」
上条「心配すんな御坂、任せろ」
美琴「何が任せろよ!衆人環視のもとパンチラ晒せっちゅうのか!うううううううううっうわあーん」
上条「だから大丈夫だ、俺が御坂のパンチラを晒させたりはさせねー!」
美琴「え」
上条「俺が守る」
美琴「え」
上条「ここが仮想空間だからって運営の思惑通りにしていいって法は無いんだ」
美琴「え」
上条「そんなのくそくらえだ!それがパンチラを晒す運命、神のごとき運営の意図だとしても立ち向かわなきゃな!」
美琴「え」
上条「俺は御坂の世界を守るってあの魔術師に約束したんだ、こんな人が作った世界で御坂のパンチラをいいようにされてたまるかってんだ!」
美琴「え」
上条「待ってたんだろ?俺たちが俺たちでいられる世界を、パンチラを晒さないで済む世界を!さあ始めようぜ、運営の意図を挫いて俺と御坂の平和を取り戻すんだ」
美琴「パンチラ、パンチラって、それを平和を取り戻すってそんな大層なもんじゃ」
上条「HAPPY ENDを目指そうぜ御坂」
美琴「HAPPY ENDって格ゲーでどうやればなるのよううううううううううううううう!!!!!?」
以上ってことで
久々にほのぼのをと思ってたらおバカになってしまいました
くまのこさんのギャルゲーに触発された部分もあったんですが変なことに
機会があれば続きも書こうかな?
くまのこさん、トワノハテさんGJ
トワノハテさん続きプリーズ(笑)
わーい 久々に来ました 気づいたらPCの画面がこれになってたんですw
くまのこさん
さすが上条さんブレない
何をやってるのかな君はー?(バットに釘を打ち付けながら)
トワノハテさん
なんてほのぼのした平和なソードアートオンラインw
続き早く読みたいです(`・ω・´)
むかーしむかーしに学園都市という街に理事長であったアレイスターがいました。
彼は最高の科学者で最強の魔術師でもありました。容姿端麗で頭が良く、皆にモテモテな人物だったのです。
そんなある日彼は”物凄いメニュー”という都市伝説を持つ第23学区の喫茶店に入りました。
”アレを頼んだ奴は人格が変わる”
”あの世紀末怪盗さえ改心して、自首したらしい”
など数え切れない程噂が立っていました。
好奇心をくすぐられた彼は真相を確かめるべく問題の場所に向かいました。
喫茶店の名前は ”明るい家族計画”。
上琴「「!?い、いらっしゃいー」」
☆「つかぬ事を聞くがここが都市伝説化してるあの喫茶店か?」
上「都市伝説?なんだそりゃ」
琴「もう!アレよ!ほら・・・”学園都市には世界一のおしどり夫婦がいる”ってやつじゃない?」
上「あー・・・そのことか。それなら俺たちだけどなにか?」
☆「違げーよ!!んなもん知らねーよ!」
上「ああ?俺たちの愛を馬鹿にしたな・・・客だからって容赦しねーぞ。謝んねーとそげぶしちゃうぞ?」
琴「電気で消し炭にするわよコラ」
☆「うっ・・・それより君たちは私が来るとき何してたんだ?ありゃまるで・・・」
琴「セ[ピー]ですが何か?別に恥ずかしいことじゃないじゃない?」
☆「アウトおおぉぉ!よく恥ずかしげもなく言えるな!」
上「恥ずかしげ?ちゃんとあるよ」
☆「下ネタ!?そういうのいいから!」
上「んでご注文は?」
☆「想像以上だなおい・・・カフェラテくれ。エスプレッソは2倍で」
上「ほーい」
☆「ん?」
デーーーーン
メニュー
飲み物
コーヒー \200 カフェオレ \250 カフェラテ・モカ \300
食べ物
サンドウィッチ \200 ケーキ各種 \250
スペシャル
惚気 \0
☆「・・・これなんだ?」
琴「何がよ?」
☆「いや、このスペシャルの惚気って・・・」
琴「よくぞ聞いてくれました!!」
☆「うおっ」
琴「当麻ー例のアレ、オーダー入ったわよー!」
上「任せとけ!今なら新鮮なネタもあるぞ!」
☆(これはまずい・・・!私の第6感がかつてないほどピンピン反応してる!!)
琴「どこ行くのー?逃がさないわよ・・・」
☆「なら魔術で!」
上「はい、ゲンコロゲンコロ」
☆「ノーー!」
数時間後ー
上「てなわけで、美琴はやっぱり可愛いんだなーて再認識したわけだ」
☆「終わったのか・・・」
上「まあな 俺はな。次は美琴の番な。ハイターッチ」
琴「ターッチ。話したくてウズウズしてたのよ。この注文何ヶ月ぶりかしら?」
上「言っておくけど美琴、俺の倍は話すぜ?」
☆「うおおぉぉぉぉ」
閉店間際
琴「・・・なんだけど〜ってありゃもうこんな時間?」
☆「」
琴「本当はもっと話したことあったんだけどなぁ まだ半分しか話せてない・・・」
☆「」
琴「今日は来てくれてありがとねー バイバイ」
バタン
☆「」
☆「・・・」
☆「・・・・・・」
☆「上琴ってすげええええええ!!」
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
こうして私の人生は変わった。その世界にどっぷりと浸かり、今ではほかの作品では委員長にまでなった。これを読んでくれた諸君にも
この素晴らしい世界の片鱗でも知ってほしい。この本がその手助けになることができたら、作者冥利に尽きる。
最後に
上琴ばんざーい
パタン
『上琴のすゝめ』
一方「ふぅ・・・」
一方「あ、もしもしアレイスターか?実は相談があってだなァ。俺と打ち止めの本も書いて欲しいンだよ。」
一方「金?ンなもンいくらでも積んでやる」
一方「おお そうか よろしくなァ」
一方「・・・」
一方「ギャハハハハハハハ!予約の予約の時間だぜェクソったれがあぁ」
一方「観賞用に10冊、保存用に10冊、布教用に70冊、読書用に10冊・・・計100冊っと」
おまけ
海原「アレイスターさんですか?実は僕にも御坂さんとのを・・・」
海原「本当ですか!ありがたいです」
後日
海原「いよいよ今日が発売日ですね・・・」
海原「どれどれ」
『ストーカーのすゝめ』
海原「」
おわり
今回結構下品ですね・・・今更ですけどごめんなさいw
僕の作品の☆、上琴患者になったきっかけを書いてみたくてw
それとくまのこさんの喫茶ネタとかぶっているような・・・すみません!
☆www
コスモスさんワロタ
☆は時系列的にはもう上琴病患者じゃないと、今ちょっかい出してる回線の件は説明着きませんね?
☆が患者だってのは大賛成ですがw
コスモスさんナイスです(笑)
被るのは仕方ないかと。
さて、幸運な勝負チュウ編もとい中編です(笑)
ぶっちゃけオイラ長編向いてないなーとか思ったりしながらも書きました。
つか暇すぎ(笑)
中編投下します。
例によってどのくらい時間かかるやら…
1レス…だと思います。
ごめんなさい…
予想外の事態が起きて、書き直しが必要になりました…
また後で来ます。
投下出来る時間は未定なので、また投下出来る時に投下宣言しますので、それまではどうぞお先に。
よっしゃ書き終わった♪
先ほどはすみませんでした。
今度こそ投下します。
幸運な勝負中編♪
にらめっこ勝負第8戦目がスタートいたしました!!
お互い誰から見ても見つめ合っているようにしか見えず、さらに片方はトマトやリンゴも負けるほど顔を真っ赤にしているのだ。
そして、作者が場所を書いてないせいで読者の皆様もモヤモヤしているだろうが、ここはファミレスだ。
そもそもファミレスでにらめっこしてたら、美琴が周囲の目を気にして出来ないのでは?と言う疑問は瓶に詰めて海に流してください。
決して作者が面倒だからって理由だけで選んだ訳ではない。
…きっと。
それはさておき、目立ちにくい場所に陣取ったとは言え、ここはファミレスだ。
知り合いがいてもおかしくない。
え?おかしいかな?
おかしくないったらおかしくないんだい!!
佐天(あれ?御坂さんだ。
って男の人と見つめ合っている!!
あ…しかも御坂さん顔真っ赤だ!!
かわええのう♪よーし♪)
美琴は基本電磁波センサーでどこに人がいるか分かるようになっている。
だが、こうやってテンパってる時はそのセンサーが働かない事も有るらしい。(多分)
だから、佐天がこっそり近付いている事に気づいていない。
当然上条は気付かない。
だから
佐天「みっさかさーん♪」ドン♪
こんな風に
美琴「ふえっ!!」
背後から押される(むしろ叩かれたんじゃ?)。
そうすると、もともと距離が近かったから
チュッ♪
…こうなる。
ただ、作者も佐天にも分からないのは、普通ならそこまでのハズなのに
ドンガラガッシャーン!!
と大きな音をたてて本当に何故か美琴が上条を押し倒した感じになってしまう。
どうやった?
そして、さすがの学園都市第三位の頭脳を持つ美琴でもこの状況を把握するのに、時間がかかるみたいである。
上条「あの〜御坂さんや?
早く上条さんから降りて貰うと助かるんだが?」アセダラダラ
言われて、急激に現状を把握した美琴。
把握したって事は…つまり…
美琴「ふ…」
上条「おい待てまさか…」
美琴「ふにゃぁぁぁぁぁっ!!////////」ビリビリッ!!
上条「やっぱりぃぃぃぃっ!!」パキィン!!
この後、佐天を交えて何が起きるのか?
後編へ続く。
投下完了♪
いやはや…別なスレに書いた物が残ってるとは…
ともあれ、次がラストです。
タイトル大丈夫かな?
どうも外れて行ってるような…
結末はハッピーエンドしか考えてません♪
それでは、また後編で。
>>トワノハテさんGJです!
上条さん、パンチラの為にいつものお説教をw
おバカなノリもいいですよね。
>>コスモスさんGJです!
いやいや、全然気になりませんよ。
それより世界一のおしどり夫婦が閉店後に何をやっているのかって事の方が気になります!
>>謎野郎さんGJです!
佐天さんが絡むと100%面白い…もとい、ろくな事にならないので、
後編も楽しみに待ってます!
>>70 で言ってたヤツが完成しました。
小ネタのつもりがちょっと長くなってしまいましたが……
約3分後に、3レス使います。
ここは第7学区にあるリサイクルショップ。
店内はワイワイと明るい雰囲気だ。しかしその中に、どんよりとした空気を纏う少年が一人。
「はぁ…不幸だ……」
と呟きながらマグカップを物色しているのは上条当麻。
彼はうっかりインデックスお気に入りのマグカップを割ってしまった罪により、
新しいのを今すぐ買ってくるの刑に処されていた。
「マグカップなんて100均のでいいだろ」と思う方もいるであろうが、
しかし彼には、そうはいかない事情があるのだ。
彼は以前、インデックスを連れて100均に行った経験がある。
そしてインデックスは完全記憶能力者だ。一瞬でも見た物は、永遠に忘れない。
そんな彼女に、100均で買ったマグカップを持って行ったらどうなるだろうか。
「……とうま? これって100円のやつだよね!?
私のお気に入り【マグカップ】はもっとお高かったんだよ!!」
とか言われて、後頭部をガブリとやられるに決まっている。
100均の商品は入れ替えが激しい。だからインデックスが見たことのない商品もあるだろう。
しかし上条には完全記憶能力など勿論ない為、どれがそうなのかは分からない。
かといってイチかバチかで買ったら、不幸体質の彼は100%ハズレを引く。
そんな訳で、元はちょっとお高いけど、
ビックリする程安くなっている中古品【リサイクルひん】店に来ていたのだった。
「これは…ちょっと違うか。これも文句言われそうだな。
…あっ! これはインデックスが使ってたのに似て……高【たっか】!? やめやめ!」
だが中々良いのは見つかっていないようだ。
「あ〜もう…全然ねーよ………ん?」
そこで上条は、ある物が目に入る。
上条が見つけたのは、自分の携帯電話にもぶら下がっている、
ゲコ太とかいうカエルのキャラクターだ。どうやら指人形になっているらしい。
だが違和感がある。上条はストラップのゲコ太と見比べてみた。
「色が違う? 俺のは緑だけど、これはピンクだ」
上条は知る由もないが、それはかつてジュースの景品として付いていた物だった。
色違いで24種類もあるのだが、他はダブらなかったのかピンク色だけ売られていた。
しかし、そんな事を知らない上条は、
「もしかしてレア物なのか…?」
と勝手に勘違いしている。
値段を見ると250円だった。高いのか安いのかはサッパリ分からないが、
買うかどうかを悩む程の価格ではない。
「せっかくだし、美琴に買ってってやるか」
何の気もなしに、彼はそれをレジに持っていく。
それが彼の運命を、決定付ける事になるとは知らずに! …というのは大袈裟だが。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
御坂美琴は第7学区の公園で、ベンチに座りながら、
自販機にハイキックをかまして出したジュースをチビチビ飲んでいた。
「んー…今回はハズレだわ。ホント、中身がランダムなのがアレなのよねー」
どうやらお気に召さないらしい。それもその筈だ。
彼女が飲んでいるのは「粒入り納豆コーラ」という、
何故これを作ったのかと小一時間程開発者を問い詰めたくなるようなシロモノだった。
美琴はそんなゲロマズジュースを飲みながら、ぼんやりと
(あの馬鹿は今頃何してるんだろ…)
などと考えていた。
美琴はいつしか、暇さえあれば『あの馬鹿』の事を考えるように癖がついていた。
本人は認めようとしないが、もう重症である。
そんな彼女だ。無意識だが、常にアンテナを張っている。
彼女は微弱な電磁波の反射波を感知する事で、周囲に何があるのか察知できる。
つまり、『あの馬鹿』とやらが近くを通れば、即座に反応できるのだ。
すると急に、前髪の一部が『妖怪アンテナ』の如くピンと立つ。
彼女はジュースを持ったまま全力で走り出した。
(アイツの事を考えてる時に会えちゃうなんて、これって何かの運命だったりして♪)
そんな事を考えながら。
上条は小さな紙袋を持って歩いていた。
(結局買っちまったけど、美琴がいらないっつったらコレどうしよう?)
そんな事を考えながら、ポケットから携帯電話を取り出す。勿論、件の女性【みこと】にかける為だ。
だが、ケータイをパカっと開きボタンを押そうとした瞬間、何かが風を切って上条の横を通り過ぎた。
「何だ!?」と上条が思い振り返ると、
その通り過ぎた何かがキキキッ!と急ブレーキして、こちらの方へと向かってくる。
そしてそれは目の前に来ると、肩で息をしながらこう言った。
「ゼー…ゼー……あ、あれ〜? こ、こんな所で…ハー…ハー…会うなんて…ヒュー…ヒュー…
ぐ、偶ぜゴッホゴホッ!!!」
「お、おい大丈夫か!? 何で全力疾走してんだよ!」
「は、はぁ!? べべ、別に…フー…フー…アンタに会う為だけに…スー…スー…
全力で走ってなんかないんだからっ!!!」
「いや、思いっきり走ってたじゃんか」
「走ってないっ!!!」
「……あ、そうッスか……ならいいッス………」
どうやら意地でも認める気がないようなので、上条が折れる。
「っとそうだ。丁度良かった。今、美琴に会おうとしてたんだよ」
「! へ、へぇ〜、そうなんだ。私に…へぇ〜……」
何だか美琴がモジモジし始めたが、上条は気にせず続ける。
「コレ美琴が欲しがるんじゃないかなって思ってさ。買ってきたんだけど……」
「!!! そ、そそそ、それってプレゼントって事!!?」
「うん、まぁ」
「へ、へぇ〜、そうなんだ。私に…へぇ〜……」
何だか美琴が小躍りし始めたが、上条は気にせず続ける。
上条が紙袋から取り出したのは、ピンク色をしたゲコ太の指人形だった。
そう、以前フェブリに奪われた【あげた】、あの指人形である。
「どうす―――」
「それ頂戴!!! いや、ください!!! お願いします!!!」
「―――る……おおぅ……」
「どうする? 欲しいんならあげるけど…もしかして要りませんかね?」と上条が言おうとした瞬間、
間髪いれずに美琴が言う。
あの美琴が上条に敬語を使うほどのおかしなテンションになっているが、
目線は真っ直ぐにゲコ太を見つめ、微動だに動かない。
予想していた100倍の食いつきようだ。やはりレア物なのだろうか、と上条は思った。
しかしここで、余りの美琴の食いつきっぷりに、上条の悪戯心が疼きだす。
「んー…勿論、プレゼントする為に買ってきたんだからあげるけど、
その代わりに一つだけ俺のいう事を聞いてくれないか?」
「するする!! 何でもする!!」
「じゃあそうだな…」
上条はニヤリと笑い、とんでもない交換条件を出してきた。
「俺にキスしてもらいましょうか!!!」
「するする!! キスでも何でも!! ……………へ? きす?」
ゲコ太欲しさに、ろくに条件も聞かずOKしてしまった美琴だが、
時間が経ち上条が何を言ったのか理解すると、見る見るうちに顔が真っ赤に染まっていった。
「キッ!!! キキキキキキスウウウウウウゥゥゥゥゥ!!!!?
なななな何馬鹿な事言ってんのよ!!! そ、そそ、そんな事できる訳ないでしょっ!!!?」
「できなきゃあげられませんな〜! こちらもボランティアじゃありませんのでね〜!」
「にゃ、にゃにゃ……」
まさに外道!
と、言いたくなる程の上条の態度だが、彼は別に本当にキスしてもらおうと思っている訳ではない。
ただ美琴の困った顔を見て、ギブアップしたらタダで渡そうと思っているだけだ。
つまりは遊んでいる【じゃれている】だけである。
さっきまでの勢いはどこへやら、美琴の体がどんどん縮こまっていく。
十分楽しんだ上条は、「そろそろかな?」と思い、ネタバラシしようと口を開いた。
だがその時だ。
Chu…♡
という音と共に、左頬にやわらかい感触が伝わり、同時にじんわりと温かくなる。
「……………へ?」
今度は上条が素っ頓狂な声を出す。
あまりの衝撃に、脳が全く働いてくれないのだ。
「み…みこ、と…?」
左頬を押さえ、美琴に何か言葉をかけようとした瞬間、
持っていたピンクゲコ太をバッ!と美琴に奪われ、そのまま美琴は明後日の方向に走り出した。
先程よりも、更に早いダッシュで。
しばらく美琴が走って行った方向を呆然と眺めていると、ケータイのメール着信音が鳴る。
美琴からだ。
上条はそのメールを開いてみた。
――――――――――――――――――――――――――――――
件名:勘違いしないでよさっきのはアンタがそうしないとくれ
ないって言ったから仕方なくやっただけで別に好きでや
――――――――――――――――――――――――――――――
本文:った訳じゃないんだからあくまでも私は嫌々やっただけ
で完全にノーカンなんだからね今日が初キス記念日とか
勘違いするんじゃないわよ大体欧米ではこんなのただの
挨拶なんだから変に期待とかしないでよね私がアンタの
事なんて好きでも何でもないんだから勘違いしないでよ
――――――――――――――――――――――――――――――
…文法がめちゃくちゃだが、とりあえず嫌々やった(?)という事だけは伝わった。
3回も「勘違いするな」と書いてあるのだ。間違いない(?)。
これを見た上条は、
「…そんなに嫌だったのか。悪い事しちまったな…意地悪しないで、素直に渡しとけば良かった……」
と実に上条らしい感想を述べたのだった。
今日も彼は通常運転である。
ちなみに余談だが、すっかりマグカップの事を忘れていた上条は、
寮に帰るなり噛み付きの雨あられを食らう事になるのだが、
完全に自業自得である為同情は不要である。
以上です。
贈り物は「キス」って事で、フェブリが直接何かを渡した訳ではないです。
あ、それと近いうちに「こぼれ話」の続きが投下できそうです。
そちらも良かったらよろしくお願いします。
ではまた。
連投で申し訳ありませんが、投下させてもらいます。
こぼれ話の中編です。
約3分後に15レス使わせていただきます。
ミ妹「はい、休憩終わりですよ、とミサカはパンパン手を叩きながらこの場は仕切らせていただきます」
打止「はー、ってミサカはミサカはちょっとしょんぼりして返事をしてみたり」
番外「でも、一〇〇三二号は上位個体を除けば妹達の中だと一番年長だし、こういう役割は似合うね」
一方「…………サラっと、俺に精神攻撃仕掛けるたア、さすがだな…………」
上条「ちょっと待った! 俺、まだ立てないんですけど!?」
ミ妹「…………だから、休憩を打ち切ったことに気付いてください、とミサカはジト目を向けます」
打止「ふふっ。今、お姉様が目を覚ましたらどうなるか見てみたいなー、
ってミサカはミサカはまだ気絶したままのお姉様の顔を覗き込んでほくそ笑んでみる」
一方「言っとくが、それはずっと休憩が終わらない、ってのと同意語だ」
番外「だよねー、なんたって愛しのヒーローさんのキンタ○ク――――」
上条「いやいや! 膝枕って言おうぜ!? 曲がりなりにもお前も女の子なんだからさ!
しかもお前と打ち止めが強引に進めたんじゃねえか!!」
番外「タマがねえ…!! チ」
上条「言わせねぇよ!? あと、思いっきりあるし!!」
ミ妹「下品な女だ……!、とミサカは番外個体に対してエリートな王子っぽく感想を述べます」
一方「テメェら打ち止めの前で下ネタとかすンじゃねェよ!!!」
美琴「ん……」
打止「あ、お姉様、目が覚めたみたい、ってミサカはミサカは頬杖ついて寝転がってお姉様と視線を合わせてみたり」
美琴「アレ……? 私、どうしたんだっけ……? 記憶が曖昧で…………」
ミ妹「大丈夫ですかお姉様、とミサカは素早くお姉さまに駆け寄り肩をお貸しして立ち上がらせます。
おそらくお姉さまは何か恐ろしい目に合ったので、脳がその記憶が精神に支障を来たすと判断して封じ込めたのだと思います、
とミサカはお姉さまを気遣います。人はとてつもなく怖いことがあると無意識にその記憶を封じ込める機能が脳に備わっています、
とミサカは人体の神秘をお伝えします」
美琴「あ、そう言えば聞いたことあるわね……うん。ありがと……ん? 何か、後ろで盛大な物音がしたような、って、アンタ何やってんの? でんぐり返りを失敗したような格好して。首痛めるわよ」
上条「……………」
一方「なるほど。その手があったか」
番外(ちぇっ、一〇〇三二号って結構えげつない真似するんだ)
打止(ぶー。強制コードで一〇〇三二号の行動を止めておくんだった、ってミサカはミサカは心の中で頬を膨らませてみたり)
ミ妹「二人とも、何か言いました? とミサカは至極冷静で涼やかに問いかけます」
打止&番外
「「!!!!!!?! な、何でもないよ何でも!?」ってミサカはミサカはぶんぶか首を横に振ってみたり!!」
一方「とりあえず、これで続きを始められそうだな」
美琴「ほら、アンタもいつまでもそんなところで愉快な格好してないでさっさと立ちなさいよ」
上条「……………まあいいけど……どうせ不幸な目に合うのはいつものことだし…………」
白井黒子の乗る学バスは――――
一方「略して、『黒子のバス』…かァ……」
全員「「「「「………」」」」」
一方「………」
全員「「「「「……………」」」」」
一方「……ンだよ!! たまにゃァ俺がボケたっていいだろォが!!!」
上条「あ、いや…それは別にいいんだけどさ……」
美琴「始まって一発目のネタがダジャレかよって言うか……」
ミ妹「しかもいきなりアクセル全開だったもので、とミサカは引きながら答えます」
番外「急にキャラにない事すんなよハゲ」
一方「じゃァもォいいよ!!! もう二度とボケねェ!!! つかハゲてねェし!!!!!」
打止「ミ、ミサカはいいと思うの!ってミサカはミサカは精一杯ハゲましてみる!」
彼女の名前は初春飾利。白井と同い年だが、低い背と丸っこい肩のラインのせいか年下にも見える。セーラーの夏服すら似合わない中学生というのもかなり珍しい気がする。黒の髪は短めで、薔薇やハイビスカスなど、花を模した飾りをたくさんつけていた。遠目に見ると派手な花瓶を頭に載っけているみたいだ。
美琴「え!? あの初春さんの頭飾りって単なる造花だったの!?」
上条「いや、ふつー造花だろ。つか、単なるって何だ?」
美琴「あーうん。佐天さんから聞いてたんだけど、初春さんの頭のやつって実は地球外からの侵略者だとかで、しかも、その花は周囲の人間にも次々寄生して仲間を増やしていくって都市伝説があったのよ」
一方「いや、マジで語られてもな。つーか、そんな眉つば信じるンじゃねェ」
ミ妹「そう言えば、お姉様。お姉様の髪留をいつからそれに変えました? とミサカは素朴な疑問を投げかけます」
美琴「ん? そう言えばいつからだったかな? 気付いたらいつの間にか付けてたというか」
上条「…………それ、花の形してるよな?」
打止「…………えっと、なんだか立ち入ってはいけないような気がしてきたんだけど……ってミサカはミサカはちょっと恐れ慄き始めてみたり」
美琴「え? でも私だけじゃないわよ。さっき、名前を出した佐天さんの髪飾りも花の形してるし」
上条「…………お前と佐天さんもこの子の友達だったよな?」
美琴「夏休み最後の日こぼれ話の時にそう言ったじゃない」
上条「…………」
一方「…………」
ミ妹「…………」
打止「…………」
番外「……わっ!!」
上条&一方&ミ妹&打止
「「「「!!□☆#$%&!!¥?!!!!×@@@@!?!」」」」
番外「ギャーッハッハッハッハ☆ 第一位そのリアクション最高だよ!! 腹いてー!! ひーっひっひっひっひ!!」
一方「テ、テメエやけにおとなしいと思ったら……このクソ女……!」
「で、何の用ですの? 風紀委員なんて山ほどいるくせに、わざわざこのわたくしを呼ばねばならないとはどういう事ですの?」
「うーん。冷静に考えると絶対に白井さんでなければならないというほどではないような」
「……、わたくしがお姉様とお買い物をしていたのを知っていたくせに、そう思うのならもう少し違った態度を取ってよろしいんではないですの?」
打止「ばんざーいッ!! ってミサカはミサカは諸手を挙げて喜んでみる――
って、いたたたたたたた、ってミサカは突然襲ってきたこめかみの痛みで眉間にしわを寄せてみたり!!」
ミ妹「何で両手を挙げて大感激なんですか? とミサカは無表情で最終信号のこめかみに両の拳を当ててぐりぐりします」
上条「なあ、御坂。何で打ち止めは万歳大喜びで御坂妹は涼やかに激怒してんだ?」
美琴「な、何で私に聞くのよ!?///」
上条「え? だって、一方通行はどことなく御坂妹をギスギスした瞳で睨んでこっちの声が耳に入らなさそうだし、番外個体からまともな答えを得られるとは思わんからだが」
番外「ひっどー。ヒーローさん。そんな言われた方したらミサカのガラスのハートが木っ端微塵なっちゃう」
美琴「防弾ガラスを木っ端微塵にしようとしたら相当な量の爆薬がいるわよ」
上条「悪かった。じゃあ番外個体でもいいや。打ち止めと御坂妹の今の感情の理由を教えてくれ」
美琴「な、何でその子に聞くのよ!?」
上条「え? だって、お前、教えてくれそうにないじゃん」
美琴「そ、それは……その……///」
番外「いや〜〜〜単純に最終信号は誰かさんの、ある意味恋敵を遠ざけてくれたたことを喜んで、
一〇〇三二号は恋敵の誰かさんをなんとか変態の魔手にかけたかっただけだからだよ」
美琴「ちょ、ちょっと!!?!///」
上条「?????????? さっぱり分からんのだが?」
番外「だったら聞くなよ、ってさすがのミサカもおねーたまに同情したくなっちゃった」
彼女達は、共に同じ中学一年生だ。
上条「………」
美琴「どうしたの? 何か考え込んじゃって」
上条「…なぁ、前にここに来てくれた佐天って子も中一だよな?」
美琴「そうだけど…それが?」
上条「で、美琴と食蜂も同じ中二、と」
美琴「……何が言いたい訳…?」
上条「いや…世の中、不公平だな〜と思って……」
美琴「何と何を見比べて【そうぞうして】そう思ったこの野郎!!!」
打止「でも確かに不公平かも! ミサカは上位個体なのにミサカだけ体が小さいし!ってミサカはミサカは憤慨してみる!」
番外「でもミサカ達の世界って、妙に大人びた人多くない? 中学生、高校生で何でみんなあんなに落ち着いてんの? 普通もっと馬鹿みたいに騒いでるもんじゃないの?」
ミ妹「おそらく環境のせいではないでしょうか、とミサカは推測します。
治安があまり良くはありませんので、のほほんと生きてはいられないのでしょう、とミサカは結論付けます」
上条「そりゃ暗部寄りの意見だろ? ウチのクラスの連中は割とのほほんと暮らしてるぞ」
番外「いやいや、中身だけの話じゃなくてさ、見た目が大人っぽいって言うか、ぶっちゃけ老けてる人多いっしょ」
美琴「言っちゃったよ! ついに老けてるとか言っちゃったよこの子!!!」
上条「老けてるって……まぁ確かに、14で2m超えの神父とか、18には見えない聖人さんとかいるけども……」
??「うるっせぇんだよ、ド素人が!!」
一方「逆のパターンもあるけどな。以前、不老長寿の生体サンプルに使われてる女を見た事あンぞ」
上条「そういや、ウチの担任の先生も見た目12〜3歳くらいだな。やっぱ世の中不公平だな…(チラッ)」
美琴「だから!!! 何と何を比べとんじゃゴルァァァァァァ!!!!!」
「あれ? 白井さん、予知能力系にも目覚めたんですか?」
上条「まぁ実際は、一人の人間がいくつもの能力を使う事はできない訳だけど」
美琴「『基本的には』、ね」
ミ妹「悪魔の実を2つ以上食べたら体が爆散してしまうのと同じですね、とミサカは納得します」
一方「全然違ェよ」
上条「けど実際に、もう一つ能力が使えるとしたら何がいい?」
ミ妹「ミサカは肉体変化です。お姉様譲りの頼りない胸の装甲を強化し、
普段鈍感なアンチクショウを振り向かせてみせます、とミサカはチラリと目線を送ります」
美琴「頼りなくて悪かったわねっ!!!」
上条「てか、普段鈍感なアンチクショウって誰でせう?」
ミ妹「……………」
打止「ミ、ミサカは一方通行の精神を操って色んな事をしてもらう、ってミサカはミサカは大胆告白してみる……///」
番外「おっ! いいね〜。じゃあミサカもそれにする。もっとも、最終信号とは180度使い方が違うけど」
一方「ざけンなテメェら」
上条「御坂は?」
美琴「わ、私!? そうねぇ…正直私は精神操作系能力にあまりいい印象がないから、他の能力がいいわね」
打止「それにお姉様の気になるお相手は精神操作が効かないもんね、ってミサカはミサカはニヤニヤしてみたり!」
美琴「ちょっ!!?///」
上条「精神操作が効かない相手って誰でせう?」
美琴「……………」
「第二三学区……。航空・宇宙開発のために一学区分を飛行場と発射場――――」
番外「二三学区で思い出したんだけどさ、ミサカこの時はまだ生まれてなかったから詳しく知らないけど、
エンデュミオンっていう宇宙エレベーターがあったんでしょ? ミサカも見たかったなー」
上条「あ、あー…うん……エンデュミオン、ね………」
美琴「確かにあったんだけど……う〜ん…無かったとも言い切れないような…?」
番外「どういう意味?」
一方「D4Cってやつに近ェ。並行世界だが別世界の話なンだよ」
美琴「そうなのよ。ほら、私がフェブリとジャーニーと布束さんを助け出した世界もあれば、
同じ日だったはずなのに私の体が学園都市の外に行ってた話もあるし」
番外「…………大人の事情って複雑だね」
『――――なんか寮監が抜き打ち部屋チェックする危険性が出てきたって後輩が言ってたから、できればアンタに私物隠しておいて欲しかったんだけど』
「??? お姉様、今学生寮にいらっしゃいませんの?」
『うん。まあそういう訳だから。他の子に頼んじゃうけどアンタの私物もまとめて片付けてもらっちゃってオッケーよね?』
「なっ、なん!? 何ですって……ッ!! おね、お姉様が、わたくし以外の子を、頼りにして……?
お待ちくださいですのお姉様! 一刻も早く寮へ向かいますゆえいい子いい子ぎゅーってしてあげましょうねの権利はわたくしにお譲りくださいですわ!!」
上条「常盤台くらい厳格な学校の寮となると大変なんだな。
俺の住んでる学生寮なんてほとんど外の世界のアパートと変わんねえから部屋チェックなんて存在しないぜ」
美琴「そこは羨ましいわ。ちょっとアンタは不快に思うかもしんないけど、
ハイレベルな学校になればなるほど規律って学校内だけじゃなくて学校外でも求められちゃうのよね。
ある意味、自由がないというか」
ミ妹「ミサカたちもある意味、自由がありませんよ。だって、そうそう外に出られませんし、
とミサカはもっと外の世界を堪能したいと少し落ち込みます」
番外「何言ってんだか。校則とか規律なんて破るためにあるんだよ。良い子ちゃんぶって守ってるのが正しいとは限らないんだから」
一方「俺はお前が『正しいことをした』のを見たことがねェけどな」
打止「この変態さんに突っ込まなくていいの? ってミサカはミサカは何行か前のヒーローさんの言葉を真似してみたり」
番外「いや、それも前と同じ回答で今さらツッコミを入れる意味無いし。
ところで、おねーたま。ある意味、この場合、この変態ツインテールですの子に片付け頼んだ方が良くない?」
美琴「何で?」
番外「日記とか詩集とか、もし何かの間違いで見られてしまったら、とか思うと。
ですの子なら即抹消処分してくれても他の子が見るとまずいと思うけど?」
美琴「!!!!!!!!!!!!!!!?! な、ななん、なななな何でアンタが知ってんのよ!?///」
番外「…………マジなの? ミサカ超ビビった」
打止「そう言えば、よみかわも一方通行の部屋を一方通行が居ない時にチェックしてたような……、ってミサカはミサカは思い出してみたり」
一方「別に見られて困るようなものは何もねェぞ」
ミ妹「そのようですね。上位個体が見た映像をMNWでPVしてみましたが何も無かったようです、とミサカは報告します。
ちなみに、入念にチェックしていたのはベッドの下のようなのですが何か意味があるのですか?
とミサカはかまととぶりつつ上条さんに問いかけます」
上条「言っておくが俺の部屋にも無いぞ、というものを探しているということだ。それ以上は聞くなよ?」
番外「ぶー。つまんないつまんないつまんないよー、第一位とヒーローさん」
美琴(ふー。打ち止めのおかげで話が逸れて助かったわ)
番外「せっかくおねーたまの日記や詩集の話を逸らしてまで聞いたのにー」
美琴「!!!?」
そこにいるのは一人の少女
白井よりもやや高い背。髪は頭の後ろで二つに束ねて――――
一方「結標の初登場シーンか」
美琴「ってそうだったわ! ずっと気になってて結局聞きそびれてたんだけど、アンタ結標とどんな関係な訳!? アンタがへべれけになってる時、この女も確か一緒にいたわよね!!」
番外「いやいやおねーたま。新約2巻【そんなさき】の事を今追求しても」
美琴「大事な事なの!!!」
上条「俺が救急車と警備員呼んだんだよ。多分この巻のラストで分かると思うけど、この人フェンスの上で気絶してたからさ。
……そういや結局の所、最終的に事件を解決したのって誰だったんだろ…?」
一方「………」
美琴「それだけ…?」
上条「そうだけど…何か怒っていらっしゃる…?」
美琴「おっ、怒ってなんかないわよっ!!!」
打止「そういえば、一方通行はどうして結標って人の名前を知ってるの?ってミサカはミサカは素朴な疑問を口に出してみる」
一方「……色々あンだよ」
ミ妹「もしかしてセロリの(小指を立てて)コレですか、とミサカは幼女以外にも興味を示す事に驚きを隠せません」
打止「ガガーン!! そそ、それってミサカ最大のライバルっ!!? ってミサカはミサカは大ショック!!!」
番外「ギャッハハハ☆!!! マジかよ第一位!! 何、もうこの女とはヤった訳!!?」
一方「テメェら好き勝手言ってんじゃねェ!!! ンな訳ねェだろォが!!! だいいち、コイツはショタコンだ!!! 同世代の男に興味ねェ奴なンだよ!!!」
番外「なるほど。類が友を呼んだのですね、とミサカは納得顔で頷きます」
打止「良かった、ってミサカはミサカは一安心」
番外「はぁ〜〜〜ツマンネ……てっきり、第一位と上位個体の修羅場が見れると思ったのにー」
一方「…………」(プルプル怒りに身を震わせている)
上条「(な、なあ御坂、妹達って何であんなに一方通行に対して強気なんだ? 曲がりなりにも学園都市第一位だぞ)」
美琴「(そりゃ、一方通行が妹達にでっかい負い目があるからでしょ。でも大丈夫よ。あの子たちも『からかう』までしかしないから)」
ミ妹「むむ! どうしてお姉様と上条さんがそんなに顔を近づけているのですか!? とミサカは目ざとく見つけたので注意します!」
美琴「へっ! ち、違うわよ! 誤解しないで!! 単に内緒話してただけだから! ふ、深い意味なんてないから!!!///」
番外「というか、ホント、ヒーローさんを『意識していない』ときのおねーたまってヒーローさんに負けないくらい鈍感なのね」
「――――御坂美琴の奴、切羽詰っているとはいえ、――――まぁ、『実験阻止』にしても一人で片をつけた訳でもないし、――――」
上条(!!! 実験って…まさか『あの事』か? だとしたら………)
美琴「………」
一方「………」
ミ妹「………」
打止「………」
上条(うぅ…やっぱ気まずい空気に……このメンツでこの話はどう考えてもタブーだよな……)
番外「ねぇ、何でみんな黙っちゃってんの? 何々、ここはお葬式? ねぇねぇ誰か何か言ってよニヤニヤ」
上条(…一人だけ空気が読めない…って言うより、あえて空気を読まない人がいるけど……完全に分かってて言ってるな……)
(あー、桔梗の野郎め。また妙な問題を押し付けてきやがったじゃん)
――――黄泉川は一度だけ面談を許された際、女性研究者から、ある子供たちの面倒を見るようにとだけ頼まれた。
預けられたのは特殊な能力者のコンビらしい。
その子供たちの声が、ドアの向こう――――お風呂場の中から聞こえてくる。
一方「!!!!!!!!!?!」
美琴「あ、警備員の黄泉川さんじゃない」
上条「お前、黄泉川先生を知ってんの? 俺たちの学校の先生なんだけど」
美琴「そうなの? うん。夏にたくさんお世話になっちゃったからね。そっか。アンタの学校の先生なんだ」
上条「おっかないだろ?」
美琴「そんなこと無いわよ。とっても頼りになる人だし、すごく優しいし、私もこういう先生に習いたいな、って思うわ」
番外「だったら、習えばいいんじゃね? 今すぐは無理でも二年後なら可能性あるかもよ?」
美琴「どういうこと?」
番外「そっちのヒーローさんと同じ学校に通えば、って意味。黄泉川センセーの有難い授業とヒーローさんと一緒に登下校。文字通り一石二鳥じゃん☆」
美琴「んな!? な、何を言っとんのかねチミは!?!!」
ミ妹「おや、どこに行くのですか? とミサカはなんだか珍しく気配を断ってドアノブを握る一方通行の背中に問いかけます」
一方「ちょっとトイレ……にな……って、あン?」がちゃがちゃがちゃ
番外「あ、そのドアのカギ、さっき電子ロックにしたから、暗証キーを入力しないと開かないよ。
ちなみに無理に破壊しようとすると迎撃システムが作動して大爆発するから下手に壊さないでね。ミサカたちも巻き込まれちゃうし」
一方「番外個体、貴様というやつはァァァァァアアアアアアアアアアアアア!!!」
打止「あ、続きが始まった、ってミサカはミサカはみんなに画面を見るよう促してみる」
「ばしゃーん、ってミサカはミサカはお風呂に飛び込んでみる! さらにばしゃばしゃばしゃって開放感のあまり、バタ足してみたり!!」
「つーかよォ……」
番外「おや、アニメ展開。ところで、この後、『愉快にケツ振りやがって、誘ってんのかァ?』って続けて言ったんだよね? 第一位」
一方「言ってねェ!! 絶対にこの場では言ってねェぞ!!」
番外「あれ? おっかしーなぁ。MNWに第一位のこのセリフが記録として残ってんだけど、
この場以外だと使い道が無いはずなのにどこで使ったの? MWN内に映像が残って無いんだよね」
ミ妹(番外個体は実験のことは知っていて妹達の負の感情を抽出することはできても、作られたのが遅かった分、ミサカネットワークがあえて削除した実験の詳細な内容までは共有されていないのですね、とミサカは分析します)
美琴「いや、その前に突っ込みたいところがあるんだけど、アンタ、この子と一緒にお風呂に入ってんの?」
一方「こン時は仕方なくだ、仕方なく!! 黄泉川の野郎がガキは監督が居ねえと溺れて危ねェ、つって俺を無理矢理放り込んだだけだ!!」
上条「まあ、打ち止めくらいの歳ならまだ別にいいんじゃないか? 気にするほどでもないだろ」
美琴「でも、そこの白いのってロリコンでしょ? 危ないんじゃない?」
一方「おいオリジナル、そのガセネタの出所を教えろ。今すぐぶっ潰しに行ってやるから」
ミ妹「なるほど。合理的にこの場を逃げ出すのに最適の手段ですね、とミサカは一方通行の学園都市ナンバー1である頭の回転の早さに感心します」
一方「ぐ……」
美琴「と言ってもねー。教えてもいいけど、たぶん無駄よ。潰すなんて不可能だと思うけど」
上条「何で?」
美琴「だって、インターネットの掲示板で見つけた情報なのよ。
何て言うか、それなりの状況証拠を揃えての考察だったし結構信憑性が高いかなって」
ミ妹「一部ではロリコン四天王の一角として有名な模様です、とミサカは補足します」
番外「ミサカもネットで見た事ある! 確か残りの三人は、幼女限定で保護教育免許状取得した豪傑と、
『小学生は最高だぜ!』って名言を残した英雄と、『12歳以上は年増』って断言した勇者らしいね」
上条「すげぇラインナップだな……」
一方「……てことは何だ? その情報は世界中に拡散されちまってるってことか……?」
美琴「そうなるわね。だから言ったじゃない。潰すのは不可能だって」
一方「…………」(プルプル怒りに身を震わせている)
『――――シャンプーが目に入って涙ぐむ最強の能力者ってどうなの、ってミサカはミサカは呆れてみる』
ミ妹「どうなのですか、とミサカは涙ぐんだ最強の能力者を見ながら鼻で笑います」
番外「ぷぷぷっ! 今どんな気持ち? ねぇねぇ、今どんな気持ち?」
一方「くっそ…! だから嫌だったンだよ。この辺の事をやるのはよォ!」
打止「今度シャンプーハット買ってきてくれるようにヨミカワに頼んでみるね、ってミサカはミサカはあなたの為に提案してみる!」
一方「いらねェェェ!!! つーかこれ以上余計な事すンじゃねェよ!」
上条「いやでも、アレたまにやっちゃうよな」
一方「テメェも、フォローとかいらねェンだよ! 益々惨めになンだろォが!」
上条「いやいやそうじゃなくてさ、俺ってほら不幸体質だろ?
詰め替え用のシャンプー入れてる時に、中身がビュ!って飛んできて実に直撃する事とかよくあるんだよ」
美琴「……それもう、シャンプーが目に入るとか、そういう次元の話じゃないでしょ」
一方「けど、オリジナルよォ、テメエは逆に三下のシャンプーでそうされたいンじゃね?」
美琴「は?」
一方「所謂、がンし――」
上条「言わせねーよ!! つか、テメエ、こぼれ話だとやけに下ネタに走りやがるな!?
今、完全にヤケになってんだろ!?」
ミ妹「お姉様、一方通行は何を言おうとしたのですか? とミサカはちょっと真面目に問いかけます」
美琴「いや、私にも分かんないんだけど……」
番外「ミサカにも分かんないんだよね。これはマジで」
打止「学習装置に無かった知識ってことは布束さんが知らなかったってことなのかな? ってミサカはミサカは推理してみたり」
美琴「分かることと言えば、とりあえず碌でもないことってだけね」
上条&一方
「「……………」」
「じゃ……ナニか? オマエは俺があの日に何を叫ンだか……」
「『確かに俺は一万人もの妹達をぶっ殺した。だからってな、残り一万人を見殺しにして良いはずがねェんだ。ああ綺麗事だってのは分かってる、今さらどの口が言うンだってのは自分でも分かってる! でも違うンだよ! たとえ俺達がどれほどのクズでも、どンな理由を並べても、それでこのガキが殺されても良い理由になンかならねェだろォよ!』……じーん、ってミサカはミサカは思い出し泣きしてみる」
一方「こ、殺す! このガキ、ぶっ殺す……ッ!!」
打止「きゃー! 怖いよー、ってミサカはミサカはヒーローさんの背中に隠れてみたり」
上条「おいおい?」
ミ妹「どうされましたお姉様? とミサカはなんだか立ち尽くしている感のあるお姉様に問いかけます」
美琴「……ん? あー、まあ、ね……ちょっと複雑って言うか……ごめん。少し一人にしてもらえるかな?」
ミ妹「分かりました、とミサカはお姉様の心情を酌んでそっと見守ることにします」
番外(んまあ、ミサカも第一位のこのセリフは知ってるけど、この言葉があったから、ロシアの時に『殺す』まではできなかったんだよね。
憎い相手だったはずなのに憎み切れなかったっていうか。たぶん、おねーたまも同じ気分なんだろうな)
右肩、左脇腹、右太股、右ふくらはぎ。
数ヶ所に突き刺さる鋭利な金属は、衣服の布地を嚙んで、それを強引に傷口の中にねじ込んでいる。
美琴「黒子……」
打止「痛そうで見てられないよ!ってミサカはミサカは耐え切れずにギュッと目を瞑ってみたり!」
ミ妹「ですがミサカが見ている以上その映像はMNWを通じて上位個体の脳に直接伝わります、とミサカはガン見します」
打止「ぎゃああああ!!! ってミサカはミサカは!!!」
番外「面白そうな事考えるね。今度えげつないくらいのホラー映画とか観てあげよっか?」
打止「ぎゃああああ!!! ってミサカはミサカは!!!」
上条「……すげぇシリアスなシーンなんじゃないのか…? ここ……」
美琴「………黒子…」
一方「さっきとはニュアンスの違う『黒子』だったなァ」
(あの殿方は、いつの間にか寮から消えていて……ああ、そうですの。お姉様のベッドの下から、くまのぬいぐるみが引っ張り出されたままで、――――)
美琴「な、何度も確認するようだけど、ホ、ホントに変な物見てないわよねっ!!?///」
上条「見てないって。つーかそこまで言われると、何を隠してあったのか逆に知りたくなってくるんだけど」
美琴「おおお乙女の秘密を教えられる訳ないでしょっ!!!?///」
番外「って事は、『何か』を隠してた事自体は認める訳だ」
美琴「はうっ!!?///」
打止「ミサカも知りたい!ってミサカはミサカは興味津々!!」
美琴「ぁぅ…ぁぅ……///」
ミ妹「…この流れは非常にまずいです。またお姉様が周りの空気に流されて余計な事を言いそうになるかも知れません、
とミサカはメガホンを用意して大声でホンジャカバンバンを言う準備をし―――」
上条「……いや、やっぱり無理に聞き出すのはやめとこうぜ。誰だって人に知られたくない事の一つや二つあるしな」
ミ妹「―――ようとしましたがミサカはそっとそのメガホンを床に置きます」
白井は傷だらけの体を動かして衣服に手をかけた。サマーセーター、半袖のブラウス、スカートのホックを外して――――
ミ妹「野郎共ー! 目を瞑れー! とミサカは男性二人に指示します」
一方「見た所でどォとも思わねェけどな」
番外「さっすがロリコン四天王。見た目がロリ体型でも、中学生には興奮しないって訳だ」
一方「…テメエ、嵐の前の静けさ、って、言葉知ってっか……?」
美琴「アンタもほら!! 目ぇ瞑んなさいよ!!」
上条「瞑ってるよ」
打止「お姉様、そんなに心配ならお姉様の両手でその人の顔を覆ったら、ってミサカはミサカはいい事を思いついてみる」
美琴「あ、うん。それもそうね」
上条「…俺ってそんなに信用ないのでせうか…?」
番外「でもそれだけじゃ指の間から見ちゃうかも知れないから、おねーたま。ヒーローさんの頭に手を回してそのまま引き寄せて。
そうすりゃおねーたまの体全体でガードできるよ」
美琴「あ、うん。それもそうね」
上条「…俺ってそんなに信用ないのでせうか…?」
美琴「……………」
上条「……………」
美琴「って、これ抱き合ってんじゃないのよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!!///」
上条「胸が!!! 御坂さんのお胸がわたくしの顔面に当たっているのですがああああぁぁぁぁぁ!!!?///」
ミ妹「な、ならばミサカは背後から抱きつきます、とミサカはお姉様に対抗心をメラメラと燃やします」
一方「……何やってンの?」
白井黒子は、ほんのわずかに下着姿の自分の体を観察する。
御坂美琴のは悪趣味と言われて(実はかなり深刻に)ヘコんでいる白井だが、――――
美琴「あ、意外と気にしてたんだ」
番外「そりゃ悪趣味の塊みたいなおねーたまに言われちゃあね」
美琴「わ、私のは悪趣味じゃないってばっ!!!」
ミ妹「ゲコ太柄のパンツを穿いているのに悪趣味じゃないと言い張るのですか、とミサカはそれはないわーと嘆息します」
美琴「えっ!!? な、何で知ってんの!!? 短パン穿いてんのに!!」
ミ妹「適当に言ったのにマジかよ、とミサカはガン引きします」
打止「いいないいな! ミサカもゲコ太のパンツ欲しい! ってミサカはミサカは羨ましがってみたり!」
上条「(……こういう話をしてる時って、男はどうリアクションすればいいんだ…?)」ヒソヒソ
一方「(ひたすら黙っとけ。そンでなるべく目立たず、ただただ空気と化しとけ)」ヒソヒソ
子供っぽいデザインの下着は――――動くといちいち肌を擦って気が散るのだ。
そんなものを選ぶぐらいならスカートの下に何も穿かない方がマシだとさえ思っている白井だが――――
美琴「そっ! そんなものって何よそんなものって!!!」
番外「えっ!? 『何も穿かない方が』って所よりそっちが先!?」
美琴「だって可愛いじゃない!!」
ミ妹「正直ミサカもゲコ太は嫌いではありません。嫌いではありませんがさすがにパンツはねーよ、とミサカは率直な意見を述べます」
美琴「何かアンタに言われたくない! 縞パンが好みってのは特殊な趣味の男に多いって聞いたことあるわよ!」
ミ妹「何ですと!? とミサカは驚愕の真実に度肝を抜かれます!」
打止「ミ、ミサカは両方とも、とってもいいと思うの! ってミサカはミサカは更に羨ましがってみる!」
上条「(……いつまで空気でいればいいんでせうかね…?)」ヒソヒソ
一方「(嵐が去るまでだ。下手に会話に入れば、確実に大怪我すンぞ)」ヒソヒソ
この辺りは美琴とは合わない。ガッカリな白井黒子である。
美琴「絶対私のが普通だと思うけど……」
ミ妹「どっちもどっち。五十歩百歩。どんぐりの背比べ。目くそ鼻くそ、とミサカは結論づけます」
美琴「縞パンもね」
ミ妹「……」
美琴「……」
打止「ああ! なんだかとってもギスギスした雰囲気!? どうすればいいのかな? ってミサカはミサカは途方に暮れてみたり!」
上条「………」
一方「………」
番外「じゃあせっかくなんで男性側の意見も聞いとこうか。せっかくここに二人もいるんだから」
上条&一方
「「最悪なタイミングで話振られたよ!!!」」
「なに、お風呂入ってんの? アンタ帰ってきたなら部屋の灯りぐらい――――」
美琴「この時はもう、黒子が何かを隠してるって分かっちゃってたのよね……」
打止「お姉様…ってミサカはミサカはしょんぼりするお姉様につられてミサカも元気がなくなってみる……」
上条「そっか………それで、俺たちはいつまで目隠ししてなきゃいけないんだ?」
美琴「まだよ」
ミ妹「彼女が着替え終わるまでお待ちください、とミサカは注意します」
番外「じゃあ代わりにおねーたまのどっきどき生着替えでも見せてあげたら?」
美琴「そんな事しても何の解決策にもなんないわよっ!!!///」
打止「あ、お姉様元気が出たみたい、ってミサカはミサカは意外と単純なお姉様にビックリしてみたり」
「お姉様はこれまでどちらに?」
「んー? 買いそびれたアクセサリーを集めにってトコかしら。――――」
――――
「雨、降らないと良いですわね。近頃は天気予報も当てになりませんから」
――――
「そうね心配してくれてありがとう。――――」
上条「何か…分かり合ってるって感じだな。お互い言葉は濁してるのに、さ」
美琴「そうね…なんだかんだであの子の事は大切なパートナーだと思ってるわ」
ミ妹「ではどうでしょう。このままお姉様は百合の花園に足を踏み入れるというのは、とミサカは提案します」
美琴「…何でそうなるのよ……」
ミ妹「そうすれば強力なライバルが一人減るからです、とミサカは正直に答えます」
美琴「ぶっ! ラ、ライバルって誰の事よ!!? てか、何のライバルだってのよ!!?///」
番外「まったまた〜。分かってるくせに〜」
打止「あの人の事だよね、ってミサカはミサカはニヤニヤしてみる!」
美琴「ちちち違っ!!!///」
一方「……この一連の流れを見て、三下はどォ思うよ」
美琴「ちょっ!!!?///」
上条「う〜ん…言葉濁しまくってて、みんなが誰についての事を言ってんのかさっぱりだ」
一方「…だそォだ、オリジナル」
美琴「…ですよねー……」
番外「全然分かり合えてねーじゃん」
血まみれのバスルームを磨いて――――
美琴「もう見てもいいわよ」
上条「やっとか……はぁ〜、長かった」
美琴「…そんなに黒子の着替えが見たかった訳…?」
上条「いや、そういう訳じゃないけど……何かイラついていらっしゃいますかね…?」
一方「なーんか、これ、フラグのような気がするンだが」
超電磁砲の異名は。その常識を軽々と打ち破る。
??「その常識は通用しねえ」
上条「? 何か聞こえたか?」
一方「気のせいだ気のせい。ただの幻聴だろォよ」
打止「ここからお姉様が大活躍するんだね、ってミサカはミサカはすっごく楽しみ!」
美琴「私は大した事してないわよ。この巻の主役は、あくまで黒子だし」
番外「謙遜すんなよおねーたま。この後そこのヒーローさんと組んず解れつ、夜の運動会で大活躍するんでしょ?」
美琴「ししししないわよそんな事!!!!!///」
ミ妹「ちょっと待ってください。ミサカもその運動会に参加させてもらいます、とミサカは挙手します」
打止「夜の運動会って何?ってミサカはミサカは首をかしげて聞いてみる」
一方「……墓場でやる運動会の事だ。妖怪の大覇星際みてェなもンだな」
打止「なるほどなるほど、ってミサカはミサカは納得納得」
上条「…話がどんどんずれてるな……」
「私はムカついてる。私は今、頭の血管がブチ切れそうなくらいムカついてるわ。ええ、『樹形図の設計者』の残骸を掘り起こそうとしたり、私欲のためにそれを強奪しようとする馬鹿が現れたり、やっとこさみんなで収めた『実験』を再び蒸し返そうとされたり、確かにそれはムカつく。この件に関わっている機関の中枢を情報戦でまとめてぶち壊したいぐらいには」
打止「な、何か初めてお姉様が怖かったり、ってミサカはミサカは震えながら一方通行の影に隠れてみる!」
一方「まァ、俺にはオリジナルの気持ちが分からンでもないがな……」
番外「……今回ばかりはミサカもおとなしくしてよう、ってマジで思っちゃった」
上条「こういう御坂を見るのは珍しいな。普段のお前の俺に対する『怒り』ってのとは、まったく違う『怒り』だろ、これ」
美琴「まあね。アンタに対して『怒る』のとは訳が違うから」
ミ妹(どう違うのですか? と聞ける雰囲気ではないですね、とミサカは心の内にこの気持ちを秘めます)
「私が一番ムカついているのは――――この件に私の後輩を巻き込んだ事。
その馬鹿が医者にも行かずにテメエで下手な手当てをやった事、
そこまでボロボロにされてまだ諦めがついてない事!
あまつさえテメエの身を差し置いて! 私の心配するような台詞を吐きやがった事!!
まったくあんな馬鹿な後輩を持った事に腹が立つわ!!」
「ああ私はムカついてるわよ私利私欲で! 完璧すぎて馬鹿馬鹿しい後輩と、
それを傷つけやがった目の前のクズ女と、何よりこの最悪な状況を作り上げた自分自身に!!」
まるで己の胸に刃を突き刺す用に、美琴は叫んだ。
美琴「あはははは。正直言って、アンタたちには見せたくない私ね。実験のときは一方通行に敵わないからって、コソコソ裏で止めようとしたり、結局は何にもできなくてアンタ(上条)に任せたり、一万人以上の妹達を見殺しにしたりしたってのに、相手が一方通行じゃない、ってだけでこんな強気になってんだから…………」
上条「いや、お前は間違っちゃいねえよ。実験のときもこの時も」
美琴「ふふ。ありがと。慰めでも嬉しいかな」
上条「馬鹿野郎。慰めなんかじゃねえ。本気で言ってるに決まってんだろ」
ミ妹(うぅ……お姉様と上条さんが何かとっても良い雰囲気になってるのに割り込めないなんて、とミサカは己の不甲斐なさに落胆します)
――――ある少女はベッドから起き上がった。
番外「いやー、なんとか喋れそうな展開に替わってくれたみたい。正直、息が詰まってたわ」
打止「ホントホント、ってミサカはミサカは同意してみたり」
一方(番外個体は、そのまま死ねば良かったのに)
ミ妹「何か不穏なことを考えませんでしたか? とミサカは一方通行の顔を覗き込みます」
一方「テメエは、いつのまに読心能力を身に付けやがったんだコラ」
美琴「重苦しい雰囲気にして何かゴメン」
上条「ま、いいじゃねえか。こっからは元通りだし」
番外「そうそう。で、ところでこのベッドから起き上がった少女って誰? 字面からじゃさっぱり分からんけど」
ミ妹「ああ、これはミサカですね、とミサカは報告します」
上条「ん? ベッド? どういうことだ?」
御坂妹は寝巻に手をかける。
――――前を留めている紐を外すと、下着も何もない白い肌が露出される。御坂妹は、まるで恋人の前で着ていたバスローブを床へ落とすようにストンと――――
上条「ぶしゅっ!」(鼻血が噴霧した音)
ミ妹「どうされました上条さん? ミサカの麗しき肌に見とれたとでも、とミサカは少しニヤニヤしながら問いかけます」
美琴「アンタ(御坂妹)がそんなツッコミ入れる!? つか、これじゃ元のシーンの面影無いじゃない!?
私と結標の戦闘シーンがほとんどカットされてる所為で完全に本来のストーリーからは逸脱してるわよ!?」
打止「本当はもっとシリアスなシーンで、さらに切羽詰まってるんだけどね、ってミサカはミサカは少し困った笑みを浮かべてみたり」
番外「で、第一位はやっぱり冷静に見てるね」
一方「そりゃあ、一応、俺もこの時、何が起こってたか知ってるからな。そこの三下みてェにゃ気分になれねェよ」
番外「はぁ〜〜〜何その反応? もっと読者を楽しませなきゃいけないよ。ヒーローさんみたいに」
一方「いや、別にアイツは読者を楽しませようとしたリアクション取ったわけじゃなくて素だろ? あと、オマエは絶対に殺ス」
番外「でも一〇〇三二号のヌードってことは、おねーたまのヌードでもあるってわけなんだけど気付いてる? ヒーローさん」
上条「ぶしゅっ!!」(再度、鼻血が噴霧した音)
美琴「なな何考えてんのよアンタは!!/// こ、ここはそういうシーンじゃないって言ったじゃない!!///」
「とうまー 明日のおかずは何かな?」
「どうすっかなー 帰りにスーパー寄って何か特売品…」
「明後日は?」
「…ってお前な……ソレしかないのかよ!」
上条「これは…漫画版のシーンだな。本当にインデックス【アイツ】は、食い物の事しか頭にねーのかよ…」
美琴「いいわねー! 女の子と一緒にお食事ができてー!」
上条「一緒にって…そりゃ一緒に住んでるんだから、飯も一緒に食うだろ」
美琴「そういう意味じゃなくてさ……」
上条「?」
打止「もう! お姉様は、『私も一緒にお食事がしたい』って事が言いたいの!ってミサカはミサカは代弁してみたり!」
上条「えっ? そうなの?」
美琴「あっ…! い、いや…別にそういう訳じゃ……///」
上条「違うってさ」
打止「そんなあっさりと!? ってミサカはミサカはあなたの鈍感さに開いた口が塞がらないよ!」
(させない……!)
御坂美琴は夜の街を駆けていた。
(あの実験だけは……)
胸に去来するのは、かつて妹達を大虐殺した実験。一万人以上の妹達が人としての尊厳すら与えられず、ただただ殺されるためだけの実験。
(絶対に再開させるわけにはいかない!!)
一人の少年によって止めることができたその実験を再開させてはならない。
再開されれば、今度は妹達のみならず、その少年さえもまた巻き込んでしまう事になる。
それだけは絶対に阻止する。
御坂美琴は強く決意し、一人で走る。
上条「こっちはアニメ展開か。つーか、お前、また一人でやるつもりだったんかよ」
美琴「し、仕方ないじゃない! だって、私はこの当時だと、アンタの居住先も連絡先も知らないのよ! どうやって教えろってのよ!!」
上条「あ、そっか。この時はまだペア契約してなかったな」
一方「まァ、この時の俺には、もう実験に加担する気なンざ、まったく無かったわけだが」
打止「でもそうなると、もし残骸が組み直されて、樹形図の設計者が修復されてたら、スペアというか一方通行の代わりって誰になったんだろ?
ってミサカはミサカは素朴な疑問を抱いてみたり」
一方「俺が選ばれたのは、あくまでも、通常カリキュラムで『レベル6』に到達できるって判断されたから、組まれた実験だったンで、『代わり』はいねェンじゃね?」
ミ妹「第二位の方は? とミサカは念のためお聞きします」
一方「垣根か。アイツもやりたがってはいたみてェだが、大前提が『通常カリキュラムで到達可能かどうか』なわけだから、
それが無い以上、申請しても却下されてただろうぜ」
ミ妹「という事はもう、実験は再開されない、と見ていいわけですね? とミサカは希望に胸を膨らませます」
番外「ちなみに『第三位』のおねーたまは? 確か、おねーたまは大覇星祭のときに『レベル6』に近づいたって話があったし、
『適性』はあるってことだよね?」
美琴「ま、まあねっ。つか、アレは思い出したくないの。ただ、仮にやれって言われてもやるわけないでしょ。要請が来ても却下よ却下。
あと、仮に四位以下に可能性が出てきたとしても、フルボッコにして実験に加担させないように忠告しとくから」
一方「その点だけは激しく同意してやンぜ。むしろ、この点に限り協力も惜しまねェ」
上条「レベル5の辞書には『穏便』とか『話し合い』って単語は無いのか……?」
打止「てことは実験再開はまずあり得ない、ってことだね! ってミサカはミサカは万歳してみたり!!」
ミ妹「そのようですね、とミサカは心の底から安堵のため息をもらします」
上条「良かったな、お前ら」
番外「安心したところで、ちょっと気になったんだけど良いかな? おねーたま」
美琴「何?」
番外「サラッと流そうとしたみたいだけど、ヒーローさんが言った『ペア契約』って何かな? ミサカ、とっても興味あるんだけど」
美琴「そっちの『安心したところで』って意味か! 本当にアンタって奴はぁぁぁぁぁあああああああああああ!!///」
一方「フッフッフッフッフ……なァ、オリジナル。三次計画のコイツが二万体なら実験に加担したらどうだ? むしろ俺がしてェ」
「探したぞビリビリ」
「…探したって…」「なんで」「…なんであんたがまた……!」
「あー…細かい事情はまた後な」「場所の見当はついてるんだろ?」「行こう ビリビリ」
上条「ここも漫画の展開だな」
番外「へー、おねーたまとヒーローさん会えたんだ」
ミ妹「ミサカが彼に頼みましたから。『ミサカと、ミサカの妹達の命を助けてください』と、とミサカは説明します」
一方「…オリジナルよォ。三下と会っただけで顔が赤くなンのは、さすがにどォなンだァ?」
美琴「あ、あああ、赤くなってないわよ!!!///」
一方「なってンじゃねェかよ、よく見ろ。つーか今もだけどよォ」
美琴「ななななななってないってばっ!!!!!///」
上条「…御坂が赤くなるのは当然だろ?」
全員「「「「「!!!!!?」」」」」
上条「こん時御坂は、白井を探すためにあちこち走り回ってたんだ。だから息が上がって同時に顔も…ってみなさんどうしたのでせうか?
みんなこっち見て変な顔してるけど、俺の顔に何かついているのでせうか?」
上条「うお!? まだ続くんかよ、このこぼれ話!?」
ミ妹「ネタが豊富ですからね、とミサカはしみじみ頷きます」
一方「つーかよォ、オリジナルと三下が絡んでるシーンがほとんどねェってのに、何でここまでネタが豊富なンだっつーの」
番外「ですの子ちゃんとミサカのおかげかな? いやん☆」
打止「それは否定できないかも、ってミサカはミサカは二人の存在感に度肝を抜かれてみたり」
美琴「打ち止め、それは存在感って言うんじゃなくて『濃い』っていうのよ」
ミ妹「おや?」
美琴「ん? どったの?」
ミ妹「メールのようです、とミサカは簡潔に報告します」
打止「あれ? ミサカにも来てる、ってミサカはミサカは一方通行に買ってもらった携帯を覗き込んでみる」
番外「? ミサカにも……って、あ。」
上条「どうした?」
ミ妹「いえ、思った以上に時間が経っていたようです、とミサカは驚きのあまり目を丸くします」
打止「えへへへ。一〇〇三二号とミサカはカエル顔のお医者さんトコで、
今日はメンテナンスだったの、ってミサカはミサカは舌をてへっと出してみたり」
一方「オマエは?」
番外「あははははははは。『買い物まだ終わらないじゃん?』だって。ちっとも目が笑っていない笑顔の家主さんが浮かぶわ」
美琴「つまり、アンタたちは寄り道してましたってことね?」
ミ妹「平たく言うとそうなります、とミサカは開き直ります」
打止「本当はもっと早く終わるかと思ってたんだけど、想像以上に長くなっちゃった、ってミサカはミサカは苦笑を浮かべてみる」
番外「まあ、とは言え、催促があったからには、ミサカたちは一旦、退却するね☆ でも最初に言った通り、第一位は最後まで帰れないから」
一方「……人数的に少なくなるし、オリジナルと三下二人だけだと話は続く以前に進まなくなるだろうからな。
ツッコミ役はいなきゃならンよな……」
美琴「ど、どういう意味よそれ!?」
…… …… ……
上条「で、とりあえずあの三人は帰っていったわけだが」
美琴「なんか急に静かになったわね」
一方「そりゃ人数が半分になりゃ騒がしさも半分になンだろ」
美琴「んー確かにそうなんだけど、最近(超電磁目録後編以来)、このこぼれ話って、ずっと四人でやってたから何か感覚が違うというか」
上条「まあ、確かにそれは言えるわな。つっても、今さら、新しいゲストってのも――」
??「ハッ! ここはどこでございますか!? 確か小さなお姉様を見かけてから意識が飛んでしまったような……」
美琴「うお!? 居たの黒子!? ていうか、いつから!?」
上条「そういやすっかり忘れてた。白井が居たんだっけ」
白井「むっ! これは腐れ類人猿! って、お姉様! きぃぃぃぃぃぃいいいいい! わたくしに黙って逢引とは!!」
美琴「ば、ばか! 違うわよ!/// ちゃんとよく見なさい! アンタもこのスタジオに来たことあるでしょうが!!」
白井「あら? そう言えばここはこぼれ話スタジオですわね」
一方「てことは何だ? さっきのコイツは場所も確認せずに発情してたってことか?」
美琴「?????」
上条「お、そうだ。丁度いいじゃねえか。さっき、三人だとやり辛い風なことを言ってたから白井に混ざってもらえば」
白井「何の話ですの?」
上条「ほら、お前も何度か来たことあんだろ。原作思い出話を語るこぼれ話。
これから原作8巻のこぼれ話の後編をやるんでお前もどうだ、ってこった」
白井「原作8巻? ああ、残骸事件のときの――――って、アレはわたくしが主人公だったお話ではありませんか!?
しかも『後編』!? どうして、わたくしが呼ばれませんでしたの!?」
上条「だから、一番のクライマックスシーンにお前に居てほしいってことだよ」
美琴「そ、そうよ、そうなのよ! 前回の『前編』と今回の『中編』は確かにもう終わってるけど、
一番盛り上がる『後編』に満を持して黒子に来てもらったんじゃない!!」
白井「? 何か腑に落ちないと言いますか、お姉様がわたくしに何か隠し事をしているような雰囲気を感じるのですが……」
美琴「そ、そう? 気の所為じゃないカナー」
一方「まァ、何でもいいが、とりあえず後編はこのメンバーってことなンだな?」
上条「そういうこった。んじゃ、また次回だな」
美琴(と言っても、ちょっとマズイ気もするし、一応、手を打っておいた方がいいのかな?)
白井「どうされましたお姉様?」
美琴「な、何でも無いわよ何でも! それより黒子。後編はアンタが主役なんだからちゃんとしてよね」
白井「もちろんですわお姉様! この不肖白井黒子!
お姉様の唯一無二のパートーナとして、お姉様に恥をかかせませんよう、立派に主人公を務め上げてみせますの!!」
一方(なーンか、コイツ一人であの三人に匹敵するくらい騒がしくなりそうな気がするンだが……)
以上です。
次は後編です。
やっと上条さんが出てきました。
ではまた。
>>101 の引用部分が化けてますね
一方さんがストレスで番外個体にかなり辛辣になってるwww
コスモスさん
お久しぶり、☆はやっぱりそうか、うん
乙でした
謎野郎さん
ははは佐天さんくると、大変だね
次も期待してます
くまのこさん
Chu…*って悶えるじゃないですか
ロリコン四天王ってだれだっけ?
それぞれ笑わせて頂きました
こちらが先に仕上がりましたので投下しておきます
あちらも近々の予定です
STAR・DECORATION社が学園都市を舞台とした学園都市オンライン、通称ACOの提供を始めて早三ヶ月、すでに学園都市在住の6割が登録していると言われる。
美琴「悲惨だったわ」
上条「うっ、いやいやいやいや優勝したんだから。えーと、それにエフェクトで見えなかっただろ」
美琴「まかせろとか守るとか言いながら、私のこと見てないんだもん。エフェクトなかったらどうなってたことか」
上条「そ、それは……ああっでも、それを気にして負けたらもっと非道い事に」
美琴「確かにね、お約束とはいえアレは」
上条「負けたら服が破けるってエフェクトがあるとはいえ下着姿」
美琴「あの観衆はそれを期待して集まってたのね!まったく誰が最初にそんな事を思いついたのよ!アバターは本人を再現してる、つーのに負けてたら嫁に行けなくなるところよ!」
上条「さ、さあな。その時はその時で」
美琴「ああ、もう初戦で負けて、さっさとサヨナラしようと思ってたのに、必死になって戦うはめになったじゃないの!」
上条「聞いてない!……はあ……御坂、結局優勝したんだからそんなのは」
美琴「問題は、試合の動画がUPされてたの!!それについてたコメントが『太ももが眩しい』『エロすぎて俺の下半身がレールガン』」
上条「」
美琴「悲惨よね」
上条「そ、そうだな、うん」
美琴「考えたんだけど」
上条「次はなんだ?」
美琴「準決勝で戦った浜面・絹旗チーム」
上条「ああ、うん。浜面が絹旗を庇って最後ダウンしたんだよな」
美琴「そう、ルールでは二人のうちどちらかが戦闘不能になれば決着だから、男らしかったわ」
上条「…………上条さんが犠牲になれば早く終わってたと言いたい?」
美琴「そこまでは言わない」
上条「ふっ、浜面ごときが男らしいだと?男なら守ってあげるのが当然、それに勝負です!ワザと負けに行ってどうすんですかー!」
美琴「いや、その何で急に熱くなってるの?」
上条「それに決勝の土御門・青ピチーム、御坂を見るあいつらの目!」
美琴「グラサンの方は分からなかったけど、もう一人は気持ち悪かった」
上条「御坂に触れさせちゃーいけねーと上条さんの獅子奮迅の戦いぶり」
美琴「自分で獅子奮迅って言う?そのカッコ良かったけど」ゴニョゴニョ
上条「その俺が浜面より男らしくない訳がない!」
美琴「あー、はい。分かったからアンタは浜面より男らしい、でいいんでしょ?」
上条「分かればいいんだ御坂」
美琴「でも、当分サプライズイベントはこりごり」
上条「初参加の感想を言えば確かにな……ん?」
美琴「どうしたの?……えっ?」
上条「御坂の足元が光ってる」
美琴「アンタの足元も」
上条「これって」
美琴「強制転移?」
「「まさか!!」」
上条「ぬおおおおおああああああああ」
美琴「きゃああああああああああああ」
上条「って、ここはどこだ?」
美琴「って、あれ?ここは」
上条「ん?御坂、知ってる場所なのか?」
美琴「知ってるというか、ここ常盤台の学内、仮想空間じゃないから本物じゃないけど」
上条「なんと!学園都市オンラインでも男子禁制の『学舎の園』、そのまたお嬢様学校の中に上条さんは!」
美琴「一辺アンタ『学舎の園』に侵入してたでしょ?でもここ学園都市オンラインの『学舎の園』とは違う」
上条「はあ、どう違うんだ?」
美琴「どこと言うか、100年ぐらい経った雰囲気?」
上条「そういや寂れた雰囲気だな」
美琴「うーん、学園都市オンラインとは違うのかな」
「ふふふ、ここはミサカによるミサカのための世界って、ミサカはミサカは説明するの」
上条「え」
美琴「へっ」
打ち止め「ようこそ、お姉様にヒーローさんって、ミサカはミサカはご挨拶」
上条「うわっ、打ち止め?」
美琴「ミサカによるミサカのための世界?」
「そうです、とミサカは肯定します、実のところ学園都市オンラインの世界の位相空間ですがと、ミサカは付け加えます」
上条「そのペンダントは御坂妹?」
美琴「アンタまで?その、学園都市オンラインの位相空間ってどういうこと?」
打ち止め「ミサカが運営さんにお願いしたのって、ミサカはミサカは話し始める。そうしたら『アホ毛ちゃんのお願い聞いて上げます』って言ってくれたのって、ミサカはミサカは感謝してる」
上条「打ち止めのお願い?」
打ち止め「うん、ミサカのみんなで遊べる空間が欲しいって、ミサカはミサカはお願いしたの」
美琴「ミサカのみんなでって妹達のことよね。あー、そっか学園都市オンラインにみんながログインしたら混乱どころの騒ぎじゃないものね」
10032号「そうです、全員が来られる訳もなく、羨ましがられていたところへ、上位個体がお願いするとここが誕生したと、ミサカは経緯を説明します」
上条「お願いって打ち止めは運営と知り合い?」
打ち止め「ううんって、ミサカはミサカは否定するの、お空に向かってお願いしたらさっきの言葉が頭に入ってきたのって、ミサカはミサカは今さらながら不思議がったりする」
美琴「凶悪なサプライズイベントを仕掛けてくる運営にそんな優しさがあったの?」
上条「変な事があったりしないか?どうも信用ならないんだが」
10032号「いえ、まったくノープログレムです、安心して下さいと、ミサカはお二人に伝えます」
美琴「どうもねえ?」
打ち止め「今日もね、この空間ならお姉様とヒーローさんにみんなが会えるかもって、ミサカはミサカはお願いしたの」
上条「はい?」
10032号「ミサカ全員がお会いできる機会を仮想空間ですが設けて頂いたのですと、ミサカは上位個体の話しを分かりやすく補足します」
美琴「妹達全員?」
10032号「そうですと、ミサカは手を回します」
上条「えっ……うわっ」
美琴「へっ……い、いつの間に」
上条「そ、壮観だな、これは」
美琴「う、うん」
10032号「9970人のミサカが集まってます、番外個体だけは『馴れ合えるか』と反抗期で参加しておりません、末妹の狼狽える姿を期待していたのにと、ミサカは残念がります」
美琴「みんな私たちに会いたくて来たの!」
10032号「感極まって涙目のお姉様、可愛いぜこのやろうと、ミサカは本心を吐露しながらお姉様を愛でます」
美琴「涙目になんかなってないわよ!」
上条「御坂、みんなが御坂のこと好きでいてくれて良かったな」
美琴「う、うん」
上条「ところでさ?」
10032号「なんでしょうかと、ミサカは答えます」
上条「それ、ナニ?」
美琴「私も気になってた」
10032号「これですか?これはミサカの相棒、正式名称F2000R、通称トイソルジャーですと、ミサカは紹介します」
上条「じゃあ、アレは?」
10032号「あちらはメタルイーターM5ですねと、ミサカは説明します」
美琴「そっちのは前に見たわね、
超電磁投射砲だっけ」
10032号「はい、ミサカフルブーストですと、ミサカはミサカの最終形態を自慢します」
上条「いや、まだ自慢になってないから」
美琴「なんでこんな物々しい格好をしてるわけ?」
打ち止め「それは今日は週末イベント、領土戦だからだよって、ミサカはミサカはゲストのお姉様とヒーローさんに今こそ呼んだ理由を言ってみる」
上条「領土戦?」
美琴「ゲスト?」
10032号「毎週末に領土拡大のため総力戦を行ってますと、ミサカは解説します」
打ち止め「運営さんが開放してくれた領域は『学舎の園』を中心とした第7学区の一部、未開放地区はミサカが開放しないといけないのって、ミサカはミサカはルールを説明してみる」
美琴「えっと、じゃあ未開放地区には敵がいて毎週末にそいつらと戦って開放しないといけないってわけ?」
10032号「その通りですと、ミサカは理解がはやくて助かります」
上条「んー、大規模なサバゲーをしてるようなもんか」
美琴「それでゲストという事は私たちも参加するの?」
10032号「はい、お願いしますと、ミサカは頼みます」
美琴「アンタ達に頼まれたら仕方ないわね、アンタもいい?」
上条「いいぞ、御坂が喜ぶなら」
美琴「妹達のためにゴメン」
上条「」
10032号「スルーし続けた報い、これが因果応報ですねと、ミサカは納得します」
美琴「えっ、なに?」
10032号「いえいえ何でもありません、とミサカは答えます。それより今日はこれで勝てると、ミサカは小躍りします」
美琴「うん、勝とうね」
10032号「ふふ、と、ミサカは不敵な笑みをこぼします。それではお二人の了承も得られましたのでと、ミサカは話しを進めます。開戦の前に上位個体、ミサカに檄をと、ミサカは促します」
打ち止め「うん、って、ミサカはミサカは頷いてみる」
上条「打ち止めが檄をかけるのか?」
10032号「ちっこくてもミサカの司令塔ですからと、ミサカは答えておきます」
打ち止め「諸君!って、ミサカはミサカはミサカに呼びかける!」
上条「元気がいいな」
打ち止め「先週の敗退はなんであったかって、ミサカはミサカはミサカに問うてみる!」
美琴「あー、先週は負けたの?」
10032号「はい、今回は先週のリベンジマッチですと、ミサカは血が滾ります」
打ち止め「聖ミサカ戦闘団はこれまでの8戦で7勝を納めていたって、ミサカはミサカは強調してみる!」
上条「聖ミサカ戦闘団?」
10032号「名前があった方が戦意が高揚しますのでと、ミサカは理由を披露します、実は名付ける際に喧々囂々してしまいに結局ダサくなってしまったのは秘密と、ミサカは内緒にします」
上条「いや、内緒になってないから」
打ち止め「勝利に溺れ驕りはなかったか、油断はなかったかって、ミサカはミサカは反省に反背を重ねてみたり!」
美琴「8戦して7勝という事は先週が初の敗戦?」
10032号「そうですと、ミサカは肯定します。昨日はスカートの裾もなんのその、上条さんに良いところ見せようとしていたお姉様、今日も見せてくれると、ミサカは期待してます」
美琴「昨日の見てたの!」
打ち止め「これは驕り油断したミサカに与えられた試練であったって、ミサカはミサカは結論づける!」
10032号「ばっちしですと、ミサカはお姉様の事はいつも見てます、ついでに」
美琴「うああああああああああああ」
10032号「こちらに来る前の会話も拝聴してました、もちっと素直になれやと、ミサカは感想を述べます」
美琴「な、何を笑ってんのよアンタは!!!!」
上条「笑ってませんのことよ」ニヤニヤ
10032号「お姉様、気をつけないと今日の機会を狙っているミサカは多いと、ミサカは注意をしておきます」
美琴「なななななななななんのことよーーーーーー!!!!!!」
10032号「ちなみこのミサカもその一人ですと、ミサカは暴露します」
打ち止め「この試練を乗り越えてこそミサカに明るい未来があるのだ、ってミサカはミサカは断言してみる!」
『もう、サプライズイベントをするときはちゃんと相談して下さい!』
『えっ、場を提供したのは私だ、ですか?』
『私が管理を辞めたらどうなりますかね』
『分ってくれたらいいんですよ♪』
『今日は昨日のお詫びも兼ねてアホ毛ちゃんからのお願いを叶えてあげました』
『垣根さんには無限湧きは前回と同じく禁止と言ってあります』
『私に弱味がありますからね』
『ええ、ではまた』
『ふう、御坂さん楽しんでくれてますかね?』
以上っす
ちょこちょこ書いてたらこちらの筆が進んでしまった
114>
>> 美琴「知ってるというか、ここ常盤台の学内、仮想空間じゃないから本物じゃないけど」
仮想空間だから本物じゃないけど
では?
>>118
気づいてpixivは直したけどこちらの訂正を忘れてました
それでOKです
はわはわなミコっちゃん可愛い
ちゅっ、はコミックか原作でもぜひ欲しい一コマ!!
トワノハテさんのVR上条さんはちょっとミコっちゃんにデレてて可愛い////逆スルーが萌える
そろそろミコっちゃんが可哀想な所で焦らされてる作品も読みたいれす!!!
近々いいながら日が経ってしまいましたが続きです
『私は美久』『では美玖で』『じゃあ私は美来』『なら美紅にする』『えっと美繰は』『まだいないから大丈夫』『美空もまだいいよね』『美がいいけど未玖で我慢する』
『ナニやってんのよ』
『せっかくだから漢字でなんて書くか39のみんなで振り割してんの』
『アンタらね』
『いいじゃない、それくらい』
『いずれ固有名は必要になるんだし』
『目くじら立てなくても』
『んんん、じゃ、32でミニ、ミツ……サニー』
『嫉妬ね』
『がぉー』
『はいはい、吠えない10032号』
『それより10039号からの依頼は?』
『入国記録は無いわね』
『でも、空港の監視カメラにそれらしい人物の映像はあったわ』
『日付は?』
『3日前』
『3日前か、その後の足取りは』
『もちろん追ってる』
『どうも2人で行動しているらしいわ』
『2人?』
『そう』
『どういうことかしらね?』
『あー、黒子からの報告では一昨日以前にもボヤ騒ぎがあったって』
『あら、10032号が復活してきたわ』
『そう言うのは早く報告しなさいよ10032号』
『なんかやっぱり当たりがキツくない?』
『ふっ』
『ふってナニよ!ふって』
『そこまで!』
『どうしたの?』
『見つけた!!』
『どこ?すぐに10039号に連絡を』
『もう連絡済みよ』
廃墟になっていた建物が炎をあげていた。
ステイルと土御門は離れている場所からその様子を眺めている。
「あれが本命だったんじゃないのかい」
「そうにゃー、あそこが逆手にみれば一番怪しかったにゃー」
最初に目星を付けていた研究施設は悉く外されていた。それを逆手にとり、可能性が低い施設こそがアジトの確率が高いと見て二人はここへ来た。きてみればこの通り炎をあげている光景。
「どうなってんだかにゃー」
「微かに魔力の残り火があるようだね」
「証拠隠滅にしちゃあ派手だぜい」
建物そのものまで燃やしては人目につく。あらぬ疑惑まで呼び寄せかねない、証拠隠滅の方法としては下策だ。
「追っていた組織の輪郭はわからないのかい?」
「『STUDY』を隠れ蓑にした一派、ということは分かってる」
「『STUDY』?」
「学園都市の闇、暗部の一組織。8月の末に潰滅してるにゃー、
学園都市の暗部としては稚拙、学生のサークルレベル、その割には規模が大きかったにゃー、スタディコーポレーションなんつう企業を立ち上げてたぜい」
「なるほどね、その『STUDY』のスポンサーが」
「今回の黒幕たい」
その判断に狂いがなかった証拠が目の前で燃え上がる炎。
次の手段はスタディコーポレーションに関係していた人物を調べ直接締め上げることになる。
しかし、それは追求する側では当然のルート、される側でも予想し得るルート。この炎は自分達を疑ってくれと言っているようなもの。
「土御門、そいつ等が犯人なのか?」
「恐らくな」
ステイルは身を硬くした。
「しかしだ。この炎を見ているだけで色々な予想がたてれるぜい」
「それは?」
「一つは時間稼ぎに証拠を処分して逃げを打とうとしている」
「ふーん」
「一つ、『STUDY』のバックに責任を押し付けようとしているかもにゃー、トカゲの尻尾切りだ」
「他には?」
「実験に失敗して暴走した可能性もあるぜい」
「ようするに」
「ステイルは犯人じゃないにゃー、カミやん」
ステイルと土御門の背後に上条とミサカミコトがいた。途中から土御門に質問を投げ掛けたのは上条であった。
「それでステイルは何で学園都市に来てるんだ?魔術師絡みってのは分かるぜ、それなら土御門が隠し立てする必要はねーよな?」
「悪かった」
「土御門、どうしてステイルと一緒にいる事を言ってくれなかったんだ」
「ステイルの沽券に関わる問題だったんでな、カミやんの事情も分かってたんだが間に立つオレからは言えなかったんだ」
「ステイルの沽券に関わる?それは」
「僕の責任さ、そこの彼女が傷つく事になった遠因は僕がルーンの回収を怠ったからだよ。まさかね、魔術師でもない人間に僕の魔術の解析はおろか再現までされるとは思わなくてね、油断だよ」
「カミやん、ステイルを殴って気が済むんなら」
「俺は、いいさ。俺より御坂が」
「『私』ならこう言うでしょうね、銃で撃たれたからって銃を作ったメーカーを責めるのかって」
「それはそれで十分責めてるんじゃないのかい!」
「とりあえず、犯人は魔術師じゃなくて学園都市の人間ってことね」
「そうにゃー、どうやって魔術を使ってるか未だに分からないがな」
「拒絶反応をどうやって克服しているかってことか?」
「まあな」
「でもよ、開発を受けてない人間なら可能なんだろ」
「そう簡単なもんなら魔術を秘匿する必要もないぜい、能力者でなくても一般人が魔術を使用したら変調をきたす、悪くすれば精神崩壊だっておこりえる。そして魔術師が魔術師たり得るのは」
「何がどうあったとしても成し遂げたい目的があること」
「そうだカミやん、魔術を使える絶対条件ではないが、それだけの意思の強さが無ければ魔術は身につかない」
「それだけの意思が僕の魔術を真似た人間にあったのかだね」
「ちょっといいかしら?」
「なんだい、えーと」
「とりあえずミクと呼んで、その魔術かしら?の使用条件は?」
この中で魔術に関する知識がないミサカミコトが質問する。
「使用条件か、詳しい事は話せないぜよ?」
「構わないわ」
「なら、まず生命力を魔力に変換する、儀式なり魔法陣で魔術を発動させるってのが基本にゃー」
「その過程で今言っていた拒絶反応が起こるわけね」
拒絶反応が起こる理由はわからずとも、その結果さえ今は理解できれば良いとミサカミコトは納得して置くことにした。
「あとは霊装といった最初から使う魔術を設定した道具もあるぜい」
続けて土御門が話す。
「じゃあステイルのルーンっていうのも霊装?それだったらその魔力?に変換する技術さえ」
それなら魔力に変換する過程をクリアーさえできれば魔術を使用できることになる。
「ところがどっこいそういう訳にもいかないにゃー」
「うん、僕のルーンは同じ魔術を発動させる道具でも霊装ではなく何と言ったら君に分かりやすいかな?」
「霊装が最初からプログラムされてスイッチを押すだけの物で、ステイルのはプログラミングしながら使う物ってところかにゃー」
「ふーん、それだけ聞くと霊装の方が使い勝手が良さそうね」
「それは……そうだけど、応用力は僕の方がうえさ、組み合わせ次第で色々な魔術を使用出来る」
「炎の魔術に偏ってるけどにゃー」
「扱いはルーンの方が難しいという事ね」
「ステイルの名誉を重んじるとそういうことかにゃー?」
「土御門、そこで何で疑問符が混じる?」
「ステイルって凄かったんだな」
「君も今更なんだい?」
上条の合いの手にステイルは呆れた声を出し、
「話しを戻すわよ、とにかく今回の犯人は何らかの方法で魔力を生み出し、扱いの難しいルーンの魔術を使用することに成功したってことね」
「そうなるのかな」
ミサカミコトのまとめに無念そうに答える。
「そこで一つ聞きたいんだけど、魔力は人間以外でも生成できる?」
「どういう意味かにゃー」
「『私』は『STUDY』について多少知ってるわ」
「そういや超電磁砲が『STUDY』の壊滅に関わったんだったな、『STUDY』がやろうとしたことは……まさか!」
土御門も調べ始めてから『STUDY』の目的については分かっていた。しかし土御門が理解していたのは能力者とは別の方法論を追求しようとしていた、ということだった。
「ケミカロイド」
そして、『STUDY』が生み出した異端。
「ケミカロイド? ミク、なんだそれ?」
「化学的組成で造られた人間」
「化学的に?そんなもんができんのか?」
「『STUDY』は造ったわ、造ったのは人工的に能力を生み出す道具としてだったけどね」
「そんなことがあったのか」
能力者とは別の方法論を求めながら行きついたのは結局、能力を生むための人造人間。
「ミクちゃんの予想として次は魔術を生み出すケミカロイドを造ったってことかにゃー」
土御門はそれが関係してくるとは思わなかった。
「ええ、可能ならね。『STUDY』は能力者に頼らない方法を模索してたから、有富達を援助していた人も同じことを考えていたかも」
能力者として製造しなければ良いだけ、という視点が無かったかもしれない。
「可能性は高そうぜよ、その線で当たってみるか」
「しかし、ここが燃えてる理由はまだ分からないな」
ステイルが言う。土御門にはそのパズルの解答が見えかけていた。
「ああ、それはミクちゃんの予想が正しいとしたらだが……仮説を立てたうちの暴走のケースかもにゃー」
「暴走?」
「魔術を吐き出すためだけに造られたとしたら、いずれ制御が効かなくなる、それを支える意志が無いからにゃー」
「じゃあ土御門、あの中で燃えてるって言うのか、そのケミカロイドは?」
「それはまだ分からんぜよ、どうだステイル?」
「自らの身を燃やしているようには見えないね」
暴走し魔力を吐き出し続けているなら、燃え盛る建物なかに痕跡ぐらい見えてもおかしく無い。
「だったら、そのケミカロイドは何処に行ったんだ?」
「カミやん、それはこれからだぜい、持ち去られたならまだいい、最悪なケースは当て所もなく徘徊してるかもってことぜよ」
土御門が視線を動かす、上条もそれにつられ同じ方向を見る。そこには夜に包まれながらも燃え盛る炎に照らされた街並みが不吉に見えた。
「余裕ね」
「力の差は見えてるのではないかな」
「まあね、でもそれぐらいで挫けたりはしない」
「ほう」
「アイツは自分のことを無能力者だと言った。ええ、そうね右手のそれも手首から先にしか、あの異能を消してしまう不思議はないもの。だと、いうのにあの馬鹿は助けたい、それだけの理由でどうしようもない巨大な敵に立ち向かおうとするのよ」
「彼のことだね」
「そうよ、あのバカよ。つい最近まで手伝ってくれの一言も言ってくれなかったあのバカ!一人で行ってしまうようなあのバカ!アイツの傍らにいるためには絶望的な差がなんだって言うの!」
「それが嘆き悲しみ立ち上がれない絶望が待っていても?」
「ならない!そんな事にはならない!!」
「では、教えてあげよう」
「……は?」
「教えてあげても良い、と言ったはずだが」
「檻を開ける鍵の在り処を教えてくれるってわけ?」
「教えてもそれが可能であるかが問題なだけだ」
「手の届かないところに在るとでも」
「今の君は小さい」
「え、小さい?」
「本来の数十分の一の欠片にしか過ぎない」
「どういう」
「死ぬはずだった君をここに繋ぎ止めたのは何かな」
「それは」
「彼への思い」
「うっ」
「伝えたい言葉、それらが君を繋ぎ止めた。しかし、それも良し悪しだ、その思いを守りたいがために小さな殻に封じこもった」
「それが今、私の周りに拡がっている世界」
「そう、君の思いは執着と言い換えることもできる。それが核となった思考体だ、今の君は。その小さな核であっても世界をコップの中の水に例えると、水の中にいれたら僅かに溶け出す、世界を君の色に染める事が出来る。しかしより濃い存在である私がその中に在ることによって君は核のままだ」
「私は自ら閉じこもり、アンタに抑え込まれている」
「どうすれば良いか解るかな」
「閉じこもるのを辞め、世界に認識を拡げる?」
「正解」
「でも」
「耳をすませば良い、目を開けば良い、心を開くと良い。まずは聞こえないかな」
「聞こえ、えっ?……これ、歌?」
「少し悲しい音色が混ざっているようだ、それを隠し君に帰って来て欲しいと願う歌」
「この声は……あのシスターの」
「彼女にとって大事な人、その者が君の不在を嘆く、だから君に届かせようと彼女は歌っている」
以上です
>>126
話は面白いんだが…
ほぼ台本形式なせいで、場所がさっぱりわからんのと、誰が喋ってんのか見失うなぁ
まぁ自分でちょい加工すれば済む話だけども
続けて読むと判りますよ〜場所
トワノハテさんの
投下に間隔があるから判りづらくても
ぐぅ、ゴメン
おもしろい
ドキドキしますー
>>トワノハテさんGJです!
>>117 このシリーズめっちゃ好きです! できればまた続き書いて欲しいな〜、なんて。
>>126 面白いっす! ここからどうなるのか、更に楽しみ!
リクがあったので書いてみました。
今回は、美琴がバストアッパーを使ったら上条さんはどんな反応するのか?
です。
約3分後に、2レス使います。
皆さんは巨乳御手【バストアッパー】というのをご存知だろうか。
学園都市内で真しやかに囁かれている都市伝説である。
「その者厚き乳袋をまといて視線の先に降り立つべし」という言い伝えは残されている(?)が、
それが真実かどうかは分からない。長らくそう思われていた。
しかしここ最近、巨乳御手を使い、成功したと思われる事例が報告されている。
サンプルとなったのは吹寄制理と固法美偉の二名。
両名は通う学校も住む地域も違う。しかし、一つだけ共通点がある。
「ムサシノ牛乳」である。
彼女達のとても豊かなおぱーい様は、愛飲しているその牛乳に原因があるのではないか、
というのが今現在の定説なのだ。
話は唐突に変わるが、ここに胸の事でお悩み中の少女が一人いる。
名を御坂美琴。言わずと知れた、常盤台の超電磁砲だ。
彼女は脱衣所の鏡の前で、裸になった自分の姿を見つめている。
小さくはない。
お世辞にも決して「大きい」とは言えないが、小さいという訳ではないと言い切れなくはない気がする。
と、自分を誤魔化しても何の意味もないので、とりあえず彼女はorzと床に手を着けた。
あの噂を知り、彼女は毎日欠かさずムサシノ牛乳を飲んだ。多い日は一日2ℓぐらい飲んだだろう。
雨の日も風の日も、お腹がピーピーになった日ですら飲んだ。
しかし、それでも胸は育たなかった。
「もしかして、よりにもよって『ここ』だけママから遺伝しなかったんじゃないか」と思うくらい、
全く変わってはくれなかった。
彼女がここまで胸に固執するのには理由がある。
彼女の想い人である上条当麻(本人は真っ赤になって否定するが、周囲の人間にはバレバレである)
の周りには、やたらと巨乳の女子高生が集まってくるのである。(新約2巻参照)
いや、それだけではない。以前銭湯で一緒になった、地味目で二重まぶたの女性も、
中々の代物をお持ちだった。(16巻参照)
しかも彼は、好きな女性のタイプは「寮の管理人のお姉さん」と公言しているらしい。
これはつまり年上の女性が好きと言っている訳で、
年下な上に色気が足りないと自覚している彼女にとっては、
せめて胸の装甲だけでも強化しておきたい所なのである。
要するに、他の女性陣【ライバル】に対抗できるだけのお乳【ぶき】が欲しいのだ。
だが先程も説明したように、それは叶わなかった。
彼女は巨乳御手という幻想を、見事にぶち殺されたのである。
しかしそれでも
(…まだだわ……まだ『アレ』が残ってる……)
彼女の脳には「諦める」という言葉はなかった。
(…こうなったら、邪魔なプライドなんて捨ててやるわ……)
彼女は再び立ち上がる。
(もう手段なんて選んでられない……)
ただしそれは禁断の呪法。
(目的の為なら、どんな手でも使ってやる!)
決して手を出してはいけない、神の領域だった―――
その翌日。
学校の帰り道、「ちょろっと〜? アンタ、待ちなさいよ」といつも通りに声をかけられ、
上条は声のした方に振り向く。
「よう、美琴。最近よく会う…な……?」
いつも通りの風景。いつも通りの会話。
だが今日のこの日は、明らかにいつも通りではない箇所が一つだけあった。
「あっ…な…み、美琴…さん…? その、えと…なな、何と言いますか……
む…胸……ど、どど、どうしたので…せうか…?」
上条が驚愕したのも無理はない。
そこには、昨日までは無かった『あるモノ』が、堂々と目の前で主張しているのだ。
擬音で例えるなら、「バイーン」とか「ボイーン」である。
つまり、『おっぱいぷるんぷるん』なのである。
美琴は憂いを含んだ表情でふっと笑った。
「ああ、気づいた? これね、巨乳御手を使ったのよ」
「バ、巨乳御手…? 噂には聞いてたけど、実際にあったなんて……」
しわかには信じられないが、事実、目の前にあるのだから信じる他にない。
何かしらの能力が関係している可能性もあるが、それを確かめる為に右手で触るのはアウトである。
なので目で確かめるべく、上条は再びチラリと視線を落とす。
……デカイ。
(ぬおわああぁぁぁ!!! 何だ!? 何だこの感情!!?
何かイケナイ事をしてるような背徳感と、それでいてやめられないとまらないような高揚感は!!?)
正直な所、上条は興奮していた。
そんな冷たい目で見ないであげてほしい。彼だって男子高校生なのだから。
急激な美琴の変化で、見事ギャップ萌えにやられる上条。
そんな明らかにドギマギする彼に対し、美琴は心の中でガッツポーズを取る。
「おおぉ…その者厚き乳袋をまといて視線の先に降り立つべし。古き言い伝えはまことであった」、と。
しかし、これほどに強大な力が何の代償もなしに手に入る訳がない。
ある錬金術師の格言にこんなの物がある。
「人は何かの犠牲なしに何も得ることはできない。何かを得るためには同等な代価が必要である」
神の領域に足を踏み入れた美琴は、それ相応のしっぺ返しが待っていた。
ポトリ
と美琴の服から何かが落ちる。
シリコンで出来た凸型の物が二つ。大きさは本日の美琴の胸と同等ぐらい。
中にジェルの入った水風船を内蔵しているらしく、
二つの『それ』は一度ポヨンとバウンドしてから地面に着地する。
そして『それ』が落ちた瞬間、『何故か』美琴の胸はいつものサイズに戻っていた。
二人の間に、何とも言えない気まず〜い空気が流れる。
とはいえ、いつまでもこのまま固まっている訳にはいかない。
とりあえず美琴を慰める為に上条が声をかける。
「え…っと……美琴さん?」
だが次の瞬間、
「うわああああぁぁぁぁぁぁぁん!!! 馬鹿あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
と、美琴は泣きながら走り去っていった。
上条に全く非はないのだが、何故か捨て台詞を言われながら。
一人取り残された上条は、まだ生暖かい『それ』を拾い上げこう呟いた。
「…胸パッド【これ】、どうすりゃいいんだよ……」
以上です。
自分が書くと、なぜか毎回ミコっちゃんがアホの子っぽくなってしまいます……
ではまた。
巨乳御手とはバッドのことだったのか…
乙デース!
原作でも上条さんが絡むと残念かわいくなりますしw
まだ生暖かい胸パッドだと…
上条さん下さい…
ケミカロイドで魔術。 なるほど、未元物質と似てるしな。
極悪安部智貴と福井修一は
共に好き合っている中で…
おち○ぽをしゃぶりあってわ
あぁ…気持ち悪すぎる
くまのこさん…可愛いけど可愛いんだけど(笑)
えっと、もしかして「離れた」はアレで終わり…?
トワノハテさん、くまのこさんGJ
上条さん!!
拾った胸パッド使って女装してミコっちゃんと会うのだ!!(笑)
オレがあんなバッドエンドで終わってたまるかあああああああ!!!!
お久しぶりです!! ・・・です!!
やっとPCに触れた。
今日は遅くなったため、二本!!
長編の最終回と小ネタを!!
の、前に
感想は……無理です、多すぎです
でも、それぞれ一言だけ
順不同!!
>>謎野郎さん
後篇まだー? 待ってますよー
>>みっことん
早くそんくらい素直になれよ第三位!!
>>トワノハテさん
そろそろ佳境ですな。楽しみ!!
>>コスモスさん
……キャラの壊れ具合(爆笑)
>>くまのこさん
笑いすぎて腹いて―、そしてなんちゅーネタの数!!
>>我道&くまのこさん
黒子が死ぬ未来が見える!!
職人の皆さまGJです!!!
さて、さて、投稿の前に、
まとめてくださってる方!!
「くっついてます」という題名が3つあることに今気付きました!!
二番目を「くっついてるのよ」
三番目を「くっついてるんだよ」
に、変更をお願いします!
お手数をおかけしてすみません。
さて、投稿します。
まずは、長編「くっついた」の最終回。
おひまがあれば見返してやってください。
それでは
星の光、そよ風すらない漆黒の闇の中、
御坂美琴は一人とある場所に立っていた。
河川敷。
上条の記憶には無い、自分だけの二人の思い出の場所である。
当時、しょっちゅうしていた追いかけっこも、
今はこの感情の正体を知ったためにできなくなり、
そして、今日でこの感情ともお別れなのかもしれない。
(わたしがアイツの隣にいたら、アイツが、不幸になる……)
そんなことはない。
上条は、今日一日、恥ずかしがりながらも楽しんでいた。
しかし、美琴は気付かない。
頭をめぐるのは彼の先ほどの言葉。
不幸
彼と一緒にいたい。
しかし、それでは彼は不幸になるようだ。
川のせせらぎの音すら、今の美琴には糾弾のように聞こえる。
現実をゆがめる超能力。
それの暴走が今回の原因。
(なら、逆に意識してもその現象は起こせるはず)
彼女は一つの悲しい決断をしようとしていた。
(あれはアイツとわたしを磁石の違う極と設定していた。
なら、同じ極に設定しなおせば……)
アイツを不幸にするぐらいなら。
(同じ極の磁石は絶対にくっつかない。
そうすれば……二度とアイツは、わたしに会わないで、済む……)
彼女は、覚悟を決め、能力を発動する。
「……いやだ……」
しかし、次の瞬間にはその覚悟が揺らいだ。
「……いやよ……」
自分だけの現実
「アイツと……一緒にいられない……なんて……」
その根幹を消失させるには
「アイツに……二度と会えなくなるなんて……」
その覚悟はもろい。
「……いやだ……いやだぁぁぁぁあああああああああああ」
彼女は、泣き叫んだ。
1分後、
彼女は冷たい瞳を宿し、立ちあがる。
能力を発動するために。
彼女は強い。
悲しいほどに強い。
上条を大切に思う彼女は、自分よりも上条の幸せを優先する。
それがどんなに自分にっとって絶望となる選択肢であっても、
彼女は1分で再び覚悟を決めた。
先ほどよりも強靭な覚悟を
決めてしまった。
しかし、だ。
1分踏みとどまったのだ。
最悪の選択を実行する前に、
1分の時間ができた。
その1分があったから、
その1分があったからこそ、
「美琴ぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!」
ヒーローが間に合ったのだ。
1分後、
彼女は冷たい瞳を宿し、立ちあがる。
能力を発動するために。
彼女は強い。
悲しいほどに強い。
上条を大切に思う彼女は、自分よりも上条の幸せを優先する。
それがどんなに自分にっとって絶望となる選択肢であっても、
彼女は1分で再び覚悟を決めた。
先ほどよりも強靭な覚悟を
決めてしまった。
しかし、だ。
1分踏みとどまったのだ。
最悪の選択を実行する前に、
1分の時間ができた。
その1分があったから、
その1分があったからこそ、
「美琴ぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!」
ヒーローが間に合ったのだ。
一瞬美琴は何が起こったかわからなかった。
能力を発動した瞬間、背後から衝撃を受け、視界がぶれる。
気付いたら、草にまみれて倒れていた。
アイツに、背中から抱きしめられる形で。
その少し前、
上条は走っていた。
無風なのに回る風力発電を目印に。
そして、目的の少女を見つけた。
背筋が凍った。
今にも、その少女が……
「美琴ぉぉぉぉおおおおおおおおお!!!!!」
その瞬間、上条は動いていた。
後ろから美琴に飛びかかる。
何かを破壊した感覚を右手に感じた後に。
美琴を抱きしめたまま、上条は土手を転がる。
状況を確認した美琴は恐怖した。
「……何するの!! 離してよ!!!」
このままでは再び上条が不幸になってしまう。
だから、あがいた。
そこから逃れようとした。
しかし、アイツは離さない。
しばらくして、ようやく美琴は気付く。
「……アンタ、なんで、泣いてるのよ……」
「……恐かったんだ……」
風が、吹いてきた。
「お前を見つけた時、今にもお前が消えそうで。
もう二度と会えなくなりそうで、恐かったんだ」
コイツは、何を言ってるんだろう?
自分がいるから不幸になるのだ。
そのほうが、いいではないか……
「……お前は俺と一緒にいるのは嫌かもしれない。
でも、ごめん、オレはお前と会えなくなるのは、嫌だ」
何を言っているんだ?
そんなことを言われたら、
そんな、はず、あるわけないのに、
……そんなことを、言われたら、
「……ごめん、オレは、お前をどんなに不幸にしても、お前と離れたくない」
ああ、
いいのだろうか、これを口にしても、いいのだろうか?
これを口にしたらもう引き返せない。
もう二度と、あの決断はできない。
でも、それでも、
美琴は上条の腕の中で上条の方に体を向ける。
涙のせいでぼやけているが、上条の泣いている顔が見えた。
そして、ようやく
「……ごめん、わたしも、アンタがどんなに不幸になっても、アンタと離れたくない」
その悲しい幻想が壊れた。
「カ、カミやん……、お手手つないで、デートかいな?」
「そうか、今、この瞬間から、上条当麻は土御門元春の敵だ」
「「幸せそうですね、御坂様!!!」」
「み、御坂さん!!
そその、白昼堂々とそのようにするのは……
その、見ているこちらが恥ずかしいというか……
いえ!! これはあくまで客観的見解であって
わたくしはとてもよいことと思っていますわ!!!!!!」
「またご来店いただき、ありがとうございます!!
今日こそ、粉微塵に大爆発なさってくださいませ!!!」
「お、お、お姉さまぁぁぁぁぁぁああああああああ!!」
「よかったですね!!御坂さん!!」
「わたしの親戚よりも幸せそうですよ?」
「そんなこと言われてもなぁ」
「どうしろってのよね?」
仕方ないのだ。
くっついて、離れられないのだから。
「どーもー、御坂美琴です」
「おっす、上条当麻です」
「やっと終わったわね」
「オレなんて冒頭で暑いとか言ってますよ」
「無駄に長引いたわね」
「作者が見切り発車するからだ」
「本人は別のところに出すときは、大幅改定するつもりらしいわよ」
「ぐだぐだだったもんな」
「と、いうことで、作者は反省していますので」
「今後も・・・の駄作に付き合ってやってください」
「そして」
「これからも上琴の応援を」
「「よろしくお願いします!!」」
まとめの方、
例のように上の一レスは含めないでください!!
お願いします!!
さーて
お次は季節もの!!
わたしにしてはとびっきり甘い奴です。
それでは
泣いた!
時計が午後11時半を示していた時。
上条家には珍しい流暢な英語の発音が響く。
「Trick or Treat!!!」
上条の顔はひきつった。
そうしてゆっくりと愛しの彼女の方に顔を向ける。
彼は余計なことは言わない。
ただ、
「不幸だ」
とこぼした。
「ちょっと!! 彼女がこんな恰好でいて『不幸』は無いんじゃない!!?」
「ちょろっと待っててねー」なんていって脱衣所に行った理由はそれか。
上条は目の前のかわいい小悪魔に対し、
「お前もう高校3年生だろ」とか
「どこで買ったんですか?」とか
「それでも短パン装備かよ」とか
いろいろ言いたいことがあったが目下の問題はそこでない。
「すみません、お菓子なんか持ってません」
「じゃあいたずらさせてもらうわよ!!!!」
「……いつも電撃でやってるじゃ「なによ?」なんでもないっす」
とりあえずため息。
「お好きにどーぞ」
「最初からそうすればいいのよ」
胡坐で座る上条を見下ろす美琴は
それはもう満面の笑みである。
彼女は上条がどれほどその表情が好きか知っているのだろうか?
「ちょっとの間そのまま座っててよねー」
四つん這いになって近づく小悪魔は、
上条にとって眼福この上ないのだが、
今、それを口に出すと美琴は妖怪ビリビリ猫に変化し、
ふにゃって家電を全滅するため、心にとどめる。
2か月前からバカでも学習はするのだ。
そんなことを考えていたら美琴が抱きついてきた。
さらには胸に顔をこすりつけてくる。
かつて「御使堕し」で乙姫がやったことだが、今は小悪魔がこれをやっている。
天使と悪魔がわっはっはっはなのだ。
まて、落ち着け、数日おきにコイツはこれをしてくるが……
「……これがいたずらなんでせうか美琴さん?」
「しまった!! つい本能に従っちゃった!!」
言うんじゃなかった。
今なら黒子の気持ちもよくわかるわーとか危険なことを言っていた彼女が、
手を伸ばしてきた。
「えーい」
「ひゃいすんひゃよ?」
「え? ほっぺ引っ張ってんの」
「ひょーですか」
「やわらかい」
「……」
「ほっぺやわらかい人ってエロいらしいよ」
「うるふぇー」
「今度は撫で撫でですか」
「いつもされてるからおかえしよ!!」
(いつも嬉しそうにしてんのそっちだろ……)
「犬みたいね」
「あのなぁ」
「ワンって言ってみて」
「……ワン」
「かーわーいー!!!!!」
(……こっちのセリフだ////////)
「こちょこちょこちょ」
「だっ!! ばか!! やめっ!!」
「当麻はここが弱いのよねー!!」
「な、んで!! そんなこぎゃはっははは、やめっ」
「わたしはねー、誰よりも当麻の事をわかってるのよ」
「か、感動する余裕が、だはっ、もう、勘弁……?」
正面からわきの下や腹部をくすぐっていた美琴の手が急に止まる。
そこにあったのは、
今も増え続ける傷跡で……
「当麻……あのさ……」
「ん?」
いろいろ言いたいことがあったのだろう。
しかし、言葉にはならなかったのだろう。
彼女は何とも辛そうな顔で
今にも泣き出しそうな顔で
あの絶望の時のような顔で
小さく言葉を紡いだ。
「……わたしの前から、いなくならないで……」
美琴は彼がどんなにその表情が嫌いか知っているのだろうか?
上条はそっと美琴を抱きしめた。
その幻想から彼女を救い出すために。
「大丈夫ですよ悪魔さん」
「……」
「私、上条はこの可愛い悪魔に魂を売っているから大丈夫なのです」
「……くすっ、訳わかんない」
「この小悪魔さんとの契約をやりきるまで、オレは死ねないんですよー」
「契約?」
「そう」
上条はニカッと少年のように笑う。
彼は美琴がその表情でどれほど幸せを感じるかを知らない。
「『美琴とその周りの世界を守る』って契約さ」
「……」
「それまでは死ねないし、美琴の前からいなくなることは無い」
「……ばっかじゃないの」
「そうですよー、上条さんはバカなんです」
「知ってた」
「酷いな」
そのまましばらく二人はそうしていた。
「ねぇ、そろそろ動きたい」
「まぁ、待てよ……美琴……」
「なに?」
「トリックオアトリート」
へったくそな発音である。
しかし、大丈夫、想定内。
だから時間がギリギリのところでこうやっていたずらをしたのだ。
見ればいい。
さっき時計は11時半を指していた。
だから今は11時半を指している。
あれ?
「ああ、あの時計、三日前から止まってるぞ」
美琴の顔はひきつった。
そうしてゆっくりと愛しの彼の方に顔を向ける。
彼女は余計なことは言わない。
ただ、
「不幸だ」
とこぼした。
「ん? 彼氏に抱かれててその言いようは少し傷つきますなー」
「……えっとー、お菓子はまた明日ってことで……」
「明日はハロウィンじゃないです」
「今から買いに……」
「だから、そうすると日付変わります」
「えー、あー、うー」
「安心しなさいミコったん」
「たんいうな!! ……なにが?」
「上条さんは甘―いお菓子をいただきます」
「え? ちょ? まって!!……あっ」
その日、小悪魔さんは狼男さんに食べられちゃったのでした。
さーて、みなさん
とりっくおあとりーと!!!
甘いもの期待してますよー!!!
いいねー甘いデザートごちそうさまです!
・・・さん
甘い・・・・・・風呂上がりに食った苺アイスより甘い!
GJです!!
今あげらるお菓子はぱりんこしかにので、微糖の小ネタで2レスほど
「Trick or treat!」
流暢な英語で上条に話しかけたのは、常磐台の制服を着た美琴だ。
今日は10月31日。日本ではあまり馴染みが無いがハロウィンというものおである。
一説には先祖の魂が還ってくる日であるらしい。西欧のお盆のようなものか。
「お菓子をくれなきゃいたずらするわよ!」
「あー、はいはい。お菓子ねお菓子」
そう言って上条はポケットからチョコレートを取り出す。どうせインデックスがお菓子をくれないと噛み付くぞとでも言うだろうから買っておいたのだ。インデックスの分は後でコンビニで買っておけばいい。
しかし、美琴は呆然とチョコレートを眺めている。
「どうしたんだよ。これが目的だろ?」
っは!と美琴は視線を上条に戻したかと思えば、何も言わずにチョコレートを取って走り去った。
「・・・・・・何だったんだ?一体」
美琴が見えなくなり、インデックスの分のお菓子を買いに歩き出した。
お菓子の代わりに喰われたくはないのだ。
それから5分くらいしてまた美琴がこちらへ走ってきた。
「トリックオアトリート!!」
「またかよ!!」
お菓子をくれなきゃいたずらするわよ!と喚く美琴。
チョコレートは先ほどあげたし、と上条はポケットの中を漁ると、あるものが出てきた。
「しょーがねーな。ほら」
ポケットから取り出したのは飴。土御門からもらったものである。
美琴は有り得ない、というような顔をして固まっている。
「・・・・・・どうしたんだよ」
再び、っは!と意識を上条へと戻した美琴は飴を掴んで何処かへ走り去った。
「だから何なんだよ・・・・・・」
「とっりく、おあ・・・・・・とりーと」
さすがに疲れたのか、息も絶え絶えである。
(本当に何がしたいんだよこいつは)
「ほら、おかし・・・・・・いたずら、するわよ」
さすがに3連続で襲撃されるとは思ってもいない。というか未だコンビニに到達していないのでポケットの中には何もないのだ。
「あー、さすがにもうねーよ」
その言葉を聞くと、美琴は、不敵な笑みを浮かべ始めた。
「お菓子がないんだったら、しょうがないわよね」
その瞬間、ギュッ、と美琴は上条の腕にしがみついた。
「な、何をしておられるのですか美琴さん!?」
「こ、これがいたずらよ!今日一日こうしてるからね!!」
まさかこの為にこりずに3回目の奇襲をかけたのか。
しかし、その事を聞くことなどできるはずがない。
しょうがないので美琴がしがみついたままコンビニに行くことも出来ず、家路へと向かう。
決してその顔を美琴には見せないように。
以上です。
そんなに甘くもないか?
・・・さん、はりねずみさんGJ
さて、後編ですが、見切り発車だった為、まとめに苦労しています(笑)
もう少しお待ち下さい。
代わりに、小ネタ行きます♪
パロネタなので、元ネタ知らないとちと厳しいかも…
なるべく早く投下します♪
機動〇艦ナデ〇コ的な美琴の場合
美琴「とうま〜?とうま〜?
…むう…どこ行ったのよ〜…」
上条「」ダレダアリャ…
うる〇やつら的な美琴の場合
美琴「とうま〜♪
大好きだっちゃ♪」ダキッ♪
上条「だぁぁぁっ!!離れろ〜!!」アセアセ
新世紀エ〇ァン〇リヲン的な美琴の場合
上条「いや、それほとんどいつも通りだからな?」
美琴「うっさいわね!!バカ当麻!!」
〇セコイ的な美琴の場合
上条「いやだからさ、変わらねえから。」
美琴「だいぶ違うわよバカ!!/////(コイツの恋人//////)」
ダ〇ル〇ーツ的な美琴の場合
美琴「ふにゃー////」
上条「…いやまぁ、確かに手を繋いでないと危ないわな?
主に俺の生命的な意味で。」
ブ〇ック〇ャック的な美琴の場合
美琴「あたちはとうまのおくたんなのよさ。」
上条「そうか。良かったなぁ…。」シミジミ
ポケ〇ン的な美琴の場合
美琴「ぴかぴ?」
上条「」ズキューン!!
この後のひ〇らし的な上条の場合
上条「おっ持ち帰り〜♪」
美琴「///////」
め〇かボッ〇ス的な上琴の場合
上条「俺が勝ったら結婚してもらうぞ!!」
美琴「望むところよ!!その代わり、私が勝ったら結婚してよね!!」
上琴((おや?どっちにしろ一緒じゃね?))ハテ?
その後のク〇ナド的な上琴の場合
上条「麻琴〜♪パパでちゅよ〜
♪」
美琴「ふふ♪当麻ったら♪」
麻琴「」ダメダコイツラ…
いかがでしょうか?
ちょっとでも分かったですかね?(笑)
後編頑張ってまとめてきます(笑)
もうしばらくお待ちを♪
お久しぶりです。遅ればせながら六日前の「いちゃスレ四周年」おめでとうございます♪
長いことアイデアが浮かばなかったのですが皆様の良作をいくつも拝読するうちに
こうビビビッと「私にも敵が見える!」的な効果音が鳴り響いたので投下に来ました。
08時20分投下スタート、約2レスです。
・原作(を少し修正)版
<上条→美琴ver>
上条「とりっく おあ とりーと!」
美琴「発音悪っ! アンタそれでも高校生?」
上条「そこは触れないで下さい…んで、菓子かイタズラかどっちなんだ?」
美琴「あ、そうだったわね。はい、クッキー」
上条「ぉお! すごく美味しそうなうえに包装も綺麗だ! さっそく頂きます!」
美琴「(!////)…べ、別にアンタ用に用意してた訳じゃないのよ?
作って学校で配ってたけどダイエット中の娘が意外と多くて余ったの////」
上条「…って事はこちらは御坂さんの手作りクッキーってことでせう?(むしゃむしゃ)」
美琴「そうよ?」
上条「すげぇ美味ぇよコレ!美味すぎてだんだん涙が…ぅぅ」
美琴「ちょっと、反応が大げさよ////…あと2袋余ってるけどもらう?」
上条「…マジっすか!モチロン頂きます!」
美琴「よかった…余ると困るからこっちも助かるわ」
上条「んじゃ、ありがとな御坂〜」
美琴(…さて、コレでアイツに手作りクッキーを渡すという目標は達成。
あとは黒子に変なイタズラされないようにお菓子を調達して帰るか…)
<美琴→上条ver>
美琴「trick or treat!」
上条「…不幸だ」
美琴「人が声かけたそばからその台詞? まったく失礼ね…」
上条「いやいや、上条さんはこの状況で御坂さんに
献上できるお菓子が無いことを 嘆いているのですよ…」
美琴「(よし、予想通り!)しょーがないわね。それじゃあ、私のイタズラに
たっぷりみっちり付き合ってもらうわよ。覚悟しなさい」
上条「たっぷり!?…上条さんは多忙なのでそれは…」
美琴「なんなら、レールガン50発でも良いわよ?これなら五分で済むし」
上条「たっぷりみっちりの方でお願いします」
美琴「よろしい。…んじゃ最初は私の買い物に付き合ってもらうわよ。
もちろんアンタは荷物持ち。その後は携帯ショップとファミレスとカラオケ」
上条「携帯ショップぅ?…またカエルの何か目当てか?」
美琴「うん、新規または既存のペア契約者が同時に機種変更すると
もれなく限定版ゲコ太ぬいぐるみがもらえるの…ってな訳で出発〜!」
(この後美琴は、ハロウィンのイタズラを口実に2人で買い物→お揃いの機種に変更
→一緒にティータイム→2人っきりでカラオケというデート(?)を堪能しました)
・久志版
<上条→美琴ver>
上条「trick or treat!」
美琴「あ゛…ゴメン、今お菓子切らしちゃってるわ…
今から材料買って当麻の家で手作りするから、それで勘弁して?」
上条「美琴たんの手作り!?それなら上条さん的にはむしろ大歓迎ですよ!」
美琴「良かった♪んじゃさっそくお買い物にレッツゴー♪」(ぎゅっ♪)
上条「み、美琴たん!?大通りでいきなりくっ付いて…周りが見てますよ?////」
美琴「何よ〜当麻だって嬉しいくせに♪」
上条「あ、バレてます?」
美琴「うん、バ・レ・バ・レ♪」
<美琴→上条ver>
美琴「trick or…trick!」
上条「…はい?」
美琴「お菓子いらない。代わりに当麻に色々したいの♪
キスの時に舌を這わせたりとか、スナック菓子を口移しとか…」
上条「あの…美琴たん…」
美琴「なに?」
上条「それ、普段から美琴たんが2人っきりの時にやってるコトですよ?」
美琴「あ、そういえばそうだったわね////…それじゃあ今日は…」
上条「…上条さんの理性を崩壊させない程度にお願いしますよ美琴たん?」
<オマケ 上条夫妻(+1)版>
麻琴(5歳)「とりっく おあ とりーと♪」
美琴「はい、麻琴ちゃんにはママから手作りカップケーキと」
上条「パパから手作りクッキーをプレゼント♪」
麻琴「わーい♪パパ、ママ、ありがとー♪」
(数分後)
上条「なぁ、美琴たん」
美琴「ん?なに?」
上条「俺も美琴たんの愛が込もった甘ぁいのが欲しいのですが////」(顔近づけ)
美琴「えへ////私も今、当麻に同じコト言おうとしてたところ////」(照れ笑い)
……………チュッ。
(この後どうなったかは…お察し下さい////)
以上、皆さん甘いの大好きっぽいので原作版に甘味料を3割増にしました。
甘酸っぱい系やほろ苦さが混じったのが好きな人はスミマセン。
謎野郎さん
エヴァ、あんまり禁書と変わってないw
クラ○ドはアカン。そのワードを見ただけで涙が・・・智代ー
久志さん
”普段から二人っきりの時やってる” おい おい
”その後”書いてくれないかなー(チラッ
ここは第7学区のとある喫茶店
学園都市一のおしどり夫婦がいつものようにイチャイチャしてるところへ一本の電話が入った。
Prrrr
「はいもしもし、上条です」
『おお、もしもし当麻くんか。俺だよお久しぶりだなー』
「旅掛さんですか!お久しぶりです。どうしたんですか?」
『クリスマスに帰国することになってね、実家に帰る前にそっちに寄っていこうかと思ってね』
「そうですか。大歓迎ですよ」
『美琴は元気か?相変わらず当麻くんを困らせているんじゃないかな』
「いやいや、そんなことないですよ。いつも元気ですよ」
『ベッドの上でもかね?』
「えーっと・・・はい!」
『そうかそうか。それなら期待できそうだな』
「はい?」
「詳しい話は帰ってから聞かせてもらうよ。それじゃあ」
「ちょっ旅掛さん?切れちまった・・・なんだったんだろう最後の?」
長電話?でせっかくのイチャイチャに水を差されて、ご不満な様子な美琴が聞いてきた。
「どうしたのよ?」
『いや、”美琴はベッドの上でも元気だ”って言ったら”期待してる”って言われちゃって・・・』
「な、何言ってんのよ////し、仕方ないでしょ(だって当麻とするの気持ちいいんだもん・・・)」
「何か言ったかー?」
「別に何も!それで期待してるって・・・ん?そういえば・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今年の正月
「ねえねえ美琴ちゃん、まだママに孫抱かせてくれないのかなぁー?」
「そうだぞ、美琴を当麻くんに取られた今、麻琴ちゃん(暫定)が最後の希望なんだ!」
「分かってるわよ//今年中に吉報聞かせてあげるから!」
「その言葉忘れるんじゃないぞ!」
「楽しみねぇ!」
「美琴さん、少々よろしいでしょうか」
「はい?なんでしょうお義母様」
「親としてはあの子と結婚してくれて、すごく嬉しいです。なのでこれ以上贅沢を言うのはお門違いなのかもしれません」
「いえいえそんなことありません!なんでも言ってください」
「そうですかそれでは・・・死ぬ前に孫の顔が見たいんです」
「し、死ぬなんて・・・大丈夫です!次この家に来る時は子供を連れて来ますから!」
「あらあら」
「おじいちゃんと呼ばれたいなぁ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「美琴?大丈夫か、汗ダラダラだぞ?」
「当麻ぁぁ!やばいやばい!こうしちゃいられないわ」
「どうしたんだよ美琴?一旦落ち着け、な?」
「お父さんが言ってた”期待してる”って孫のことよ!あの時は1年あるし何とかなるって思ってたけど・・・って当麻?」
「やばい・・・俺殺されるかも・・・」
「えっなんで?嫌だよ!」
「今年の正月に父さんと旅掛さんに”来年孫の顔見せなかったら・・・分かってるよな?”って言われてたんだった・・・」
「今から作ろうよ!」
「は?でももう時間ないぞ?今年もあと2週間しかないぞ」
「それでもよ、なんらか奇跡が起きて出来るかもしれないじゃん!」
「よ、よし頑張るぞ!俺達の命が懸かってるんだ!」
「いいぜ・・・1週間で美琴が妊娠しないなんてふざけた幻想、俺がこの右手でぶち殺す!!」
この日から臨時休業した喫茶店で、虚しい努力を続ける夫婦の姿があったそうな。
クリスマス当日
無理でした。
「「ああぁぁ・・・」」
暗くなったにもかかわらず、蝋燭一本点っているだけ喫茶店にはどんよりとした雰囲気が漂っていた。
それもそのはず。今日限りの命かもしれないのだ。
そんな重苦しい雰囲気を打ち消すような、明るいベルの音が響いた。
PINPON♪
普段は楽しい来客を告げるこの音も、今ばかりは聞きたくなかった。
覚悟を決め、ひと思いにドアを開けると、そこに・・・
4人のサンタがいた。
「「は?」」
「「「「メリークリスマスお二人さん」」」」
「その声・・・旅掛さん、美鈴さんに親父達?」
「流石にバレちゃうかー」
「そりゃそうだ」
「中年にもなってこの格好は恥ずかしいと思うんだけどな」
「あらあらよくお似合いですよ当夜さん」
「どうしたのかな、美琴ちゃん」
「いや、怒らないの?」
「何を?」
「えっと・・・約束破っちゃったこと・・・というより気づいてた?」
「もちろん!親なんだからなんでもお見通しだよ」
「まぁまだ先は長いし、ゆっくり待たせてもらうことにしますよ」
「「母さん、父さん・・・」」
「「「「た・だ・し、次はないからな(ね)その時はじっくり・・・」」」」
「「ひいいいぃぃ」」
あまりの迫力に冷や汗をかいてしまった。可哀想に、美琴も上条さんにしがみついて震えている。
「というわけで、これ私たちからのプレゼント」
そう言うやいなや、美鈴さんが袋から取り出した包みを投げてよこした。
中には ”超絶媚薬「驚きの11連射」”や”サルでもできる簡単産み分け法”などなどが入っていた。
因みに美琴は産み分けの本を開いた瞬間に、電撃を撒き散らしながらマット(ベッド)に沈んだ。
「あらあら、美琴ちゃんってば早速その気になったのかなー?それじゃそろそろおいとまするわね」
なんてこと言いやがる。
「不謹慎ですよ美鈴さん・・・」
その言葉を華麗にスルーした美鈴さんは帰り際に「性なる夜に乾杯!」と爆弾を投下してきた。
一気に疲れた気がする。
「まぁ・・・かなわねえな」
そう呟いて、11連射媚薬片手に美琴の待つ部屋へと向かった。
明日の寝不足不可避だな・・・不幸(幸せ)だぁ!
すんません タイトル忘れました・・・こうして私は上琴に嵌った 続 両親編 です
タイトルはこんなのですが、前作とはあまり関係ないです。
夜中の3時のテンションで書いたものなので、ところどころ文章が暴走してますねw
それではー
久志さん、コスモスさんGJ
最後のクラナ〇は書くかどうか悩んだんですがね…
さて、幸運な勝負後編です。
都合上中途半端な終わり方しますが、先に予告します。
最後の勝負は別に書きます。
とりあえず後編投下します♪
佐天「いやぁ♪
さっきはすいませんでした♪」
この子絶対反省してない!!とツッコミたいが、とりあえず聞いておかねばならない事がある。
上条「…まあ、それはともかく君は御坂の友達なのですかね?」
佐天「はい♪佐天涙子って言います♪
それで、お二人はここでデートですか?」
さらりと爆弾発言をする佐天。
ちなみに、美琴は某漫画の神様みたいにずっと『あうあう』と言いながら狼狽えている。
気を付けないと、惨劇を百年位繰り返してしまいかねない。(違っ
漏電しないのは、上条が美琴の手を握ってるからだ。
上条「俺は上条当麻だ。
いや、デートじゃねぇから。
つか、君確か大覇星祭で御守り貸してくれた子だよな?」
佐天「まあ、分かってましたけど。
そうでしたね♪
何となく見覚えの有る人だなーとは思ってましたが…
まさか御坂さんの彼氏だったとわ(笑)」
美琴「ふにゃっ!!////////」
上条「…彼氏じゃねえし、何故に御坂は猫になってるんだか…」
上条の『彼氏じゃない』宣言におもいっきし凹んだ美琴を見て、佐天はある作戦を思い付く。
佐天「ちょっと御坂さん借りますね♪」
上条「いやまぁ、俺に言われてもな?」
佐天「御坂さん来てください♪」
美琴視点
美琴「…」ショボン…
佐天「御坂さん?」
美琴「は…はい!!御坂とは私です!!」
佐天「いや、誰の真似ですか?
それよりも、御坂さん!!
ちょっと彼と勝負してきて下さい!!」
美琴「?勝負なら今やってるわよ?」
佐天「いえ…最後の勝負です!!」
美琴「…どゆこと?」
佐天「ですから・・・・・」
美琴「えええっ!!
無理無理////////
そんな事したら…//////」
佐天「では、頑張って下さいね♪」
上条視点
上条「…ふう…危なかったぜ…」
実は上条は先程のキスでドキドキしていた。
だが、恐らくは佐天も美琴も気付いてないだろう。
上条「さて、どうやって切り出すかね?」
既に上条は美琴の事が好きだった。
だが、記憶喪失+不幸体質でなかなか告白出来なかった。(告白の知識は有っても告白の仕方を知らない)
上条が悩んでいる間に二人が帰って来た。
美琴の顔が真っ赤なのには触れない方がいいのだろう。
美琴「しゃいごのしょうぶゅよ!!//////」
上条「…酷く恥ずかしい目に会いそうな予感しかしないのですが…」
その後、恥ずかしすぎる勝負を終えた上条と美琴は、真っ赤になりながらも、幸せそうな顔をしていたそうな。
どうですかね?
実は、自分でも物足りないと感じてたり(汗)
ま…まあ、最初書いた通り、ちゃんと勝負の所は後から書きます(汗)
…次からは短編のみにしよう(泣)
最後の勝負をkwsk!
すみません!
今回はちょっと時間が無いので、感想は割愛させてもらいます……
短編書きました。
約3分後に5レスです。
上条当麻は、以前ある少女から度々勝負を挑まれていたらしい。
「らしい」という助動詞がつくのは、彼がその事を覚えていないからだ。
7月28日、彼はそれまでの記憶を失った。
だがどうやら、それ以前に街中や川原で何度も激しくその少女を弄んだ…らしいのだ。
その後、勝負はうやむやのまま決着がつかなかった様だが、
少なくとも記憶を失って以降、彼が少女から勝負を挑まれる事は今まで一度もない。
(大覇星際での勝負は、競技で決着をつけた為例外)
しかし今、彼は目の前の少女から勝負を挑まれている。
「…本当に…やるのか?」
上条は、相対する少女に向かってそう言った。
少女はゆっくりと頷く。
「ええ…そうするしか他に方法がないのなら」
「…考え直せないか?」
「無理…でしょうね」
上条の問いかけに、常盤台の制服を着たその少女は、上条に向かって宣戦布告をする。
「お姉様をかけて、類人猿【あなた】に決闘を挑みますの!!!」
「いや、意味が分からねーよ!!!」
ただし、勝負を持ちかけたのは白井だったのだが。
ここはファミリーレストラン「Joseph's」。上条は電話でここに呼び出された。
通話の内容は概ねこんな感じである。
「はい、もしもし?」
『あっ! もしもし、上条さんですか!? 今、大丈夫ですか!?』
「ああ、平気だよ。何か用か?」
『・・・・・・チョッ・・・・・・サテ・・・サ・・・・・・・・・』
『はい! それはもう大事な用がありまして♪』
『・・・・・・サ・・・サンテバ!』
「…? 何かさっきから雑音が聞こえるんだけど…横に誰かいんのか?」
『もう往生際が悪いですよ!
……え? あ…ああ! なな、何でもないです何でもないです! こっちの話ですから!
それでですね、上条さんに今すぐこっちに来て欲しいんですけど…大丈夫ですか?』
「それは、まぁ…別に構わねーけど」
『じゃあ詳しい説明は来てから話します。場所は第7学区のJoseph'sで』
「分かった。すぐ行くわ」
『はい! 待ってますんで♪』
という訳で上条はファミレスに駆けつけたのだが、店に入るや否や白井に勝負を吹っかけられた。
詳しい説明とやらは一切無しに。
白井の後ろには、先程電話をかけてきた佐天。その向かいの席には初春。
二人はなぜか、目をキラキラと輝かせている。
そして佐天の隣には、顔を真っ赤にさせて俯く美琴の姿があった。
まぁこの4人は仲がいい訳で、美琴がここにいる事自体は不思議ではない。
しかし、何ゆえ体を縮こませているのかは全く想像できない。
だが今はそれよりも、
「お姉様をかけて、類人猿【あなた】に決闘を挑みますの!!!」
「いや、意味が分からねーよ!!!」
白井【こちら】の方を処理しなくては話にならなそうだ。
上条は知らない事だが、佐天が上条に電話をかける前、4人はこんな話題で盛り上がっていた。
「お姉様…いいかげんスカートの下に短パン【そんなもの】をお穿きになるのはお止めくださいまし!」
「別にいいじゃない! 誰に迷惑かけてる訳でもないんだから!」
「そういう問題ではありませんの!」
「まぁまぁ、落ち着いてくださいよお二人とも」
「初春は黙っていてくださいな!」ギロッ!
「あうぅ…佐天さ〜ん……」
「おー、よしよし初春」
「大体、黒子は分かってないのよ! 短パン【これ】、すっごく便利なんだから!
ハイキックしても下着見えないし」
「そもそもハイキックする事自体が問題ですの!!!
少しはご自分が常盤台の代表である事を自覚してくださいまし!!!」
「ア、アイツはそんな事気にしないもん!!!」
「「「…………アイツ…?」」」
美琴の突然の『アイツ』発言に、3人は同時に反応する。
美琴は「しまった!」と言わんばかりに顔を強張らせるが、後悔は先に立たない。
「何々、何ですか!? 『アイツ』さんが気にするならやめるって事ですか!?
くぅぅ! 妬けちゃいますねぇ♪」
「そそそそれってつまり、『貴方色に染まりたい』って事ですかそうなんですか!!? ぬふぇ〜〜〜」
「キィィィィイイイイ!!! 憎々々々しい!!! あの忌々しいウニ頭めがあああぁぁぁぁぁ!!!」
やはり、と言うべきか。案の定、話の矛先は短パンからアイツに移ってしまった。
美琴は慌てて訂正する。
「ちちち、違う違う!
ただアイツは私の事、何でも分かってくれるのにな〜って事が言いたかっただけで―――」
訂正した…つもりであったが、それは火に油どころか、ガソリンを注ぐ結果となった。
「何ですか!? 何なんですかそれ!!?
『私の事を分かってくれるのは、「アイツ」さんただ一人……』って事ですか!!?
それもう、ただのお友達の関係じゃないですよね!!? 只ならぬ関係ですよね!!?」
「そそそそそそそれってつまり!!!!!
御坂さんの『弱い部分』まで知ってるって事ですかそうなんですか!!?
てててててて事は御坂さんと上条さんはすでに一夜をぬふぇ〜〜〜〜〜」
「ぶち殺おおおおおおす!!!!! あんの腐れ猿があああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
三者三様、それぞれ違ったリアクションだが、共通してテンションは高まっている。
どうしよう…いや、ホントどうしよう。と美琴はただただオロオロしている。
このままだと、確実におかしな方向に話が進むのは明らかである。それはもう、火を見るよりもだ。
「ムキー! お姉様の事は…お姉様の事はわたくしが誰よりも一番理解しておりますの!!!」
白井のその一言に反応して、佐天は目をキラリと輝かせる。
「それなら上条さんと白井さん。どちらが御坂さんの事を分かっているか勝負したらどうですか?
勝った方が御坂さんを独占できて、負けた方は潔く身を引くって事で。
ちなみにジャッジはあたしがやります♪」
「えっ!!? ちょ、佐天さん!!?」
「望むところですの!!! 不肖黒子、全身全霊で類人猿を叩きのめしてさしあげますわ!!!」
「御坂さんを…ど、独占………ぬふぇ〜〜〜〜〜」
やっぱり、と言うべきか。
相当に面倒くさい事になってきた。
美琴が止める間もなく佐天は上条に電話をかけた。
「あっ! もしもし、上条さんですか!? 今、大丈夫ですか!?」
話は冒頭に戻り、4人がけの席に5人目【かみじょう】は無理やり座らされている。
佐天の勧めで美琴の隣に座らされたのだが、
佐天と初春はニマニマしているわ白井は睨んでくるわ美琴は挙動不審だわで、全く寛げない。
「で、美琴をかけて勝負って、どういう事だよ。
つか何でそんな話になってんの? そして何で俺はそれに巻き込まれなきゃならんの?」
不幸イベントの臭いがプンプンするので、早々に帰りたい上条である。
「第1回 チキチキ御坂さんは俺(わたくし)のモノ! 御坂さん争奪クイズ大会〜!!」
「やんややんやー!」
「俺の質問完全無視!!?」
だが聞く耳を持たない佐天と初春である。
上条はどういう経緯でこうなったのか全く分からないまま、この謎のクイズ大会に出席する事となった。
「ご安心なさいな。勝負とは言ってもドンパチやる訳ではありませんの。
…個人的にはそれで貴方を亡き者にできれば御の字なのですが、一応わたくしも風紀委員ですので」
「さらっと物騒な事言ったよ!!?」
そして上条に明らかな敵対心を燃やす白井である。
上条はどういう経緯でこうなったのか全く分からないまま、彼女と対決する事となった。
「……………」
「それで…何か美琴が主役っぽいけど、肝心の本人【おまえ】は何で黙ってんの?」
ついでに俯いたり赤くなったり、何か言いかけて止めたり、
チラッと上条の方を見てはまた赤くなったりする美琴である。
上条はにどういう経緯でそうなったのか、全く分からない。
「それでは第1問!」
と急に佐天が叫ぶ。どうやら始まったらしい。上条を置いてけぼりにしたままで。
「御坂さんの…今日の下着は!?」
「佐天さん!?」
いきなりエッジの効いた問題である。佐天さんは、今日もエンジン全開なのだ。
「いや、知らねーよ!! つか、俺が知ってたらヤバイだろ!?」
「もらいましたわ! カエルのキャラクターがプリントされた、子供用のランジェリーですの!!」
「ゲコ太はカエルじゃないもん!!!」
「…それは正解って事でいいのかな? 初春」
「いいと思います」
白井、一点リード。
「第2問! 御坂さんの好きな人は!?」
「佐天さああああああん!!?」
もう一度言おう。佐天さんはエンジン全開である。
「ぐっ…! そ、それは勿論……わ…わたくしですの!!!」
白井は正解を知っているのだが、それを言っては試合に勝っても勝負に負けてしまう。
なので不正解と分かりつつも、ここは願望で答えてみたらしい。不正解と分かっている事が涙を誘う。
「いないんじゃないか?」
一方、上条の方は普通に不正解である。
「お二人とも残念! 正解はかmもぐふぁん!!?」
佐天が『うっかり』正解を言おうとした瞬間、美琴が口を押さえた。
「え、何? 今何つった?」
「ああ、それはかmもぐふぁん!!?」
今度は初春が『ちゃっかり』正解を言おうとしたのだが、
白井の持っていたおしぼりが初春の口の中にテレポートした。
結局正解は分からず終い(笑)のままだ。
その後、クイズ大会は意外な展開となった。
「第3問! 御坂さんは上条さんの事をどう思ってる!?」
「な、何とも思っておりませんのよ!!!」
「んー…何かいつもツンツンしてるしな。あんまりいい印象は持ってくれてないんじゃないか?」
両者、不正解。
「第7問! 御坂さんは上条さんとお揃いのケータイストラップをとても大事にされてますが、
それはなぜでしょう!?」
「…お姉様は、物を大切にするお方だからですの。他に理由なんてありませんわよ!」
「ゲコ太だからだろ? しかも限定品だし」
両者、不正解。
「第19問、御坂さんが上条さんの話をする時、いつも赤面してしまう理由は?」
「この殿方の事を話す時は、ついつい頭に血が上ってしまいますの。
わたくしも経験がありますので、間違いありませんわ!!」
「……風邪…引きやすいのか?」
両者、不正解。
「……第35問…えー、御坂さんが上条さんに伝えたくても伝えられない事とは?」
「乙女たる者、殿方に言えない事の一つや二つあるものですの」
「……通帳の残高?」
両者、不正解。
49問目までやったが、ポイントは初めに白井が取った1点以外全く変動せず、
上条 0 : 白井 1 のままだ。見事なまでの泥仕合である。
白井は、美琴と上条の関係に関する質問ばかりする佐天に少々苛立ってはいるが、
一応リードしているので余裕の表情だ。
対して佐天と初春は、上条の顔を見つめ、「何やってんのこの人」と言わんばかりの顔をする。
そして美琴は、初めのうちは佐天のとんでもない質問の数々にイチイチ慌てていたが、
上条があまりにも正解しないので、今は体育座りをしながらストローを弄っていじけている。
で、肝心の上条はというと…うん、いつも通りである。
先程説明したように、白井には正解できない理由がある。
上条【このおとこ】にはどうしても負けたくはないが、それを曲げてでも頑なに不正解を続ける。
もっとも、そこら辺は佐天の作戦通りだったりするのだが。
白井が不正解を続ければ、それだけ上条が勝つ確率は当然上がる。
逆に美琴【けいひん】欲しさに白井が正解を続ければ、上条は美琴の気持ちに気づくはずだ。
仮に約束通り白井が美琴を独占しようとしても、
美琴に好意がある事に気づけば、後でどうとでもできる事すら計算済みだった。
しかしここに来て、佐天最大の誤算が生じていた。
上条の鈍感さである。
いくら何でも、49問中一度も正解を出さないとは思いもしなかったのだ。
このままでは、たった1点とっただけで、白井が優勝してしまう。
しかも美琴の気持ちが一切上条に伝わらないままで。
それはもう、考えられる中で一番最悪な結果である。
なので佐天はある賭けに出る。というか、このままやっても埒が明きそうにもないし。
「えーっと、次がラスト問題です!」
「あ、そうなのか?」
(や、やりましたわ! これでわたくしの勝利は揺ぎありませんの!!!)
「ちなみに、この問題に正解した方は1億点入ります」
白井が「ちょっと待ってくださいよー! 今までやったのは何だったんですかー!」と立ち上がった。
お約束の展開には、お約束のリアクションで返すのがマナーである。
それにしても、1億というのはさすがにインフレさせすぎだと思うのだが。
「第50問! 御坂さんの魅力を語ってください。
正解か不正解かは、御坂さんの表情を見て、あたしと初春で判定します」
ストローの袋で作った芋虫に水を与えていた美琴は、その最終問題にピクッと反応する。
上条の語る自分【みこと】の魅力…気にならない訳がない。
しかもこの問題は美琴自身の事ではなく、回答者が美琴の事をどう思っているかという、
問題というよりは質問に近い。
つまり、今までは「分からない」で済まされていたが、今回は回答者自身の気持ちを答える為、
そこに鈍感さは関係ないのだ。
さすがは佐天さん。本当にこの子は、面白い事に対して天才的である。
「お姉様の魅力ですの? 全てを語るには、食事と睡眠の休憩の時間を削っても、
2〜3日は話し続けなければなれませんが…それでもよろしいのですの?」
「…できれは1分以内がベストかと……」
白井は色々な意味で恐ろしい子である。
「たった1分ですの? むぅ…それでは伝えきれませんが……まぁいいでしょう。
お姉様の魅力を一言で表すならば、正に『全て!』ですわね」
「と、言いますと?」
「超能力者容姿端麗頭脳明晰スポーツ万能は勿論の事、
その溢れ出るオーラは庶民のそれとは全くの別物ですの。
優雅にして可憐。清らかかつ美しく。
その白魚のような柔肌も少々控えめなお胸も、全てがお姉様の魅力であって、
それはつまり人類の…いえ、世界の宝として―――」
「はいはい、ストップです。時間ですよ白井さん」
「―――っと、そうですの? まだまだ話し足りませんのに……」
言ってる意味が分かりそうで分からなかったが、とりあえずめっちゃ褒めてた事は伝わった。
美琴も照れ照れしながら頭を掻く。
いくら美琴でも、こんなど直球に好意をぶつけられるとさすがに気恥ずかしい。
何しろ、さり気なく『控えめなお胸』と言った事にもスルーするくらいだ。
先攻の白井が終わり、後攻の上条が口を開く。
「ん〜…今の言い方だと美琴が雲の上の人って感じがして、何か違和感があるな。
むしろ美琴って親しみやすいっつーか、距離を感じさせないキャラだろ?
確かに美琴はレベル5の第三位だし、常盤台のお嬢様なんだから華やかな部分もあるけど、
それ以上に内面の可愛らしさの方が際立って―――」
言いかけて、上条は周りの空気が先程と変わっている事に気づく。
佐天と初春は目をキラッキラと輝かせ、白井は逆に白目を剥いている。
そして美琴は耳まで真っ赤にしながら、テーブルに突っ伏していた。
「―――って、アレ…? 俺、何か変な事言いましたかね…?」
「いえいえ! 全然変じゃないですよ♪ ねっ、初春!?」
「は、はい! むしろ、もっと続けてくれても構いませんよ!?」
「えっ? でももう、1分経っちゃったんじゃ」
「「そんな事気にしなくていいですからっ!!!」」
佐天と初春がハモる。
さっき「時間ですよ白井さん」と言っていたのは何だったのか。
勝者は、今の美琴の様子を見れば明らかだった。当然、上条である。
ポイントも 上条 100000000 : 白井 1 と大差がついている。
だがこの結果に不満を持つ者が一人だけいる。
「キイイィィィィィ!!! こんな物【しょうぶ】納得できませんわよ!!!」
「白井さん! 往生際が悪いですよ!? 素直に負けを認めたらどうですか!?」
「初春は黙っていてくださいな!!!」ギロッ!
「こればっかりは、黙る訳にはいきません!」
いつになく初春も強気だ。
ぶっちゃけ、白井の方が正論だとは思うのだが。
「こうなったら実力行使ですの…やはり当初の予定通り、この類人猿の脳みそに直接金属矢を…
くひひひひひひひ!!!」
密かにそんな恐ろしい計画を練っていた白井にドン引きである。
だがその計画も白紙に戻された。
なぜなら、次の瞬間に白井のケータイがなり、固法から
「路地裏でスキルアウト同士で喧嘩してるとの通報があったわ! 至急現場に急行して!」
とのラブコールがあったからだ。
「ぬああああぁぁぁぁ!!! 何故!!? 何故このタイミングですの!!?」
「ほらほら白井さん! 風紀委員のお仕事なんですから、早く行きますよ!」
「そんな! お姉えええええ様ああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
初春に押されながら、白井はファミレスを後にする。
店を出る前、初春は佐天に目配せし、佐天もそれに対して親指をグッと立てる。
「さて、と。では優勝した上条さんには景品があります」
「え、何? 結局勝ったのか? あんなグズグズで?」
「勝ちましたよ! 自信を持ってください! だって見てくださいよ今の御坂さん。
こんなに煙出してるんですよ!?」
御坂はテーブルに突っ伏したまま、頭からモクモクと煙を出している。
上条は、「これ何て現象?」というツッコミを呑み込み、とりあえず現状を受け入れる。
まぁ、何か貰えるというなら貰っておこう。
「まぁ…何で勝てたのかは分からないけど、それでいいなら別にいいか。
で、俺は一体何を貰えるのでせう?」
佐天は「その言葉を待ってました」と言わんばかりに顔をニヤつかせる。
そして人差し指をピンと立てて一言。
「御坂さんです!」
「へ?」と気の抜ける返事をして、キョトンとする上条。
想定内の反応に、佐天が続けて説明する。
「実はこの勝負に勝った方が御坂さんを独占できて、
負けた方は潔く身を引くってルールだったんですよ。白井さんも承諾してくれていましたし」
「え……えっ!? ど、独占…って…」
なるほど、最初に白井が言っていた、「美琴をかけて勝負」とはそういう意味だったのか、
と上条は理解したが、今はそれどころではない。
「そんな訳なんで、あたしは失礼します。ごゆっくり御坂さんを堪能してください♪
あ、ここのお勘定はあたしが払っておきますのでご心配なく!」
「あ、い、いや! そういう事じゃなくて!!」
佐天はそそくさとその場を後にした。残された二人には気まずい沈黙が流れる。
上条は何をどうすればいいのかただただオロオロし、
美琴はずっと突っ伏したままである。
とりあえず目の前の煙【なぞのげんしょう】を何とかしようと右手で美琴の頭に触れてみたら、
何故か状況は悪化した。
上条は叫んだ。
「どうすりゃいいの!? ねぇコレどうすりゃいいの!!?」
答えは返ってこず、美琴はただ顔を赤くさせて、ひたすら煙を出し続けたのだった。
以上です。
次はこぼれ話の後編です。
今週中には完成させると思いますので。
ではまた。
かわいい…
なんかストローの袋で作った芋虫に水を与えていた美琴にきゅんと来たw
しょんぼりしてる様子がかわいすぎw
…今書いてるのが半端に長くなりそうなんだが、
全部仕上げてから一括で投下か、それとも前編と後編に分割して
今日前編投下→後編じっくり書いてから投下か…どっちが良いのやら。
連投失礼します。くまのこです。
>>182 でレスしてた、こぼれ話の後編が完成しました。
大体3分後に、15レスほど使わせてもらいます。
上条「さてと休憩終了、か。アレ? 御坂はどこ行った?」
白井「そう言えば、一方通行さんも居ませんわね」
上条「…………」
白井「…………」
上条「…………」
白井「…………まあ、一方通行さんであればお姉様に相応しいかもしれませんわね……なんと言っても、『学園都市、レベル5の第一位』ですから……もし、本当にそうであればわたくしも諦めなければならなくなりますが…………」
上条「い、いや! 決め付けるのは良くないんじゃないかな!? 単に御坂がトイレで、一方通行がドリンクを買いに行って戻ってきてないだけとかっ! 二人一緒に行動している、なんて考えなくてもいいと思うぞっ!! つーか、御坂って一方通行の事、どちらかと言えば嫌いなはずだし!!」
白井「? 何をキョドってらっしゃいますの? 今の言い方ですと上条さんの方がわたくしより『お姉様と一方通行さんが一緒に居る』という予想を必死に否定したがっているように感じるのですが? あと、せめて、『お姉様がドリンクを買いに、一方通行さんがトイレに』にしませんと。デリカシーが足りなさ過ぎですわよ」
上条「え? あれ?」
美琴「あーゴメンゴメン。お待たせ―」
一方「ったく、メンドくせェ」
上条「よ、よお。あれ? 二人一緒に帰ってきたけど二人でどっか行ってたのか?」
美琴「ん? ちょっとした打ち合わせよ打ち合わせ。どうしてもコイツに言っておかなきゃいけないことがあったんでね」
上条「そ、そうかっ」
美琴「? 何か挙動不審よ。どうしたのアンタ?」(思いっきり近くで上条の顔を覗き込む)
上条「え? そんなこと無いんじゃないカナー。(てか、打ち合わせ? 何の?)」
美琴「(うん。一方通行ってさ、私の事『オリジナル』って呼ぶじゃない? それを黒子が居る間だけは――名前を呼ばれるのも何か面白くないんで――『超電磁砲』って呼んで、って指示してきたのよ。こんな話、まさか黒子が居る前でできないでしょ)」
上条「(なるほど。確かにそうだ)」
美琴「(でしょ?)」
白井「って、お姉様!? どうして上条さんと近い近いのでありますか!? それはわたくしだけに許された権利のはずでは……!!?!」
美琴「へっ? あ、ち、違う! 違うわよ!! たわいのない内緒話よ内緒話!! ふ、深い意味なんてないから!!!!/// というか、何でアンタと近い近いやんなきゃいけないのよ!? 身の危険しか感じないわ!!」
一方「……そろそろ、本題に入らねェか? 『超電磁砲』他一同。で、三下、何でテメエは妙にホッとしたツラしてやがンだ?」
上条「え? 何で、って……俺、そんな顔してる……?」
美琴「??」
白井「……」
建物の四階に位置するのはピザの専門店だった。―――― 一番値の低い一品でも三〇〇〇円を超える所を見る限り、中高生向けの店ではないのだろう。
上条「うわー……ありえねー……」
美琴「そう? これくらいなら普通でしょ。むしろリーズナブルな方だわ」
上条「……そういや御坂って、二千円のホットドッグとか平気で買ってたもんな……」
白井「高だか三千円程度でケチケチした男ですわね。今時一万以上するピザですらざらにありますでしょうに」
上条「ざらにあってたまるか!! 何が乗ってんだよそれ!!?」
一方「うめェもンならそンぐらいするだろォよ。さっきから何をそンなに慌ててやがンだ三下は?」
上条「何で一般市民代表の俺が変な目で見られなきゃならんの!!? もうやだこのセレブ軍団……」
美琴「一般……」
白井「市民……」
一方「代表ォ……?」
上条「何? そのジト〜〜〜〜っとした視線は」
あの常盤台のエースを相手にしては、直線的な距離をどれだけ開けても何の意味もない。一定距離と共に空気摩擦で消滅してしまう超電磁砲ならともかく、光の速度の雷撃は、あらゆる間合いを一瞬でゼロに縮めてしまう。
白井「お姉様! ああお姉様!! お姉様!!! さすがは常盤台のエース!! 光の速さに踏み込めるお姉様は物理攻撃では学園都市ナンバー1と言っても過言ではないでしょう!!!」
上条「だそうだけど、現実のナンバー1はどう思う?」
一方「まァ、『光速』ってのはさすがに俺でも出せねェから、ここは認めざるを得ねェが」
白井「なんと、一方通行さんまで、そのようなことを仰られるとは!!」
美琴「でも、悔しいけどそいつには『物理攻撃』が一切通用しないのよね。『攻撃が通用しない』ってのは正直言って、反則だと思うの」
一方「これが学園都市の順位付けだ。垣根の野郎が二位なのも、俺には敵わねェが、『物理法則外の力』を行使できるからなンだよ。だから超電磁砲は『どんなに威力があろうが物理法則の範囲内』から抜け出さねェ限り、俺を抜くことはできねェよ。『光速』つったって『物理法則』だからな。もっとも三下みてェに能力を『消しちまう』なンて物理法則とか反則とかを思いっきりぶっち切ってる奴も居るが」
上条「いやいやいやいやいや! 人を化物みたいに言わんでくれよ!! 俺は善良な一般市民ですの事よ!?」
美琴&一方&白井
「「「……………」」」
上条「何? そのジト〜〜〜〜っとした視線は」
ドブッ!! と。
結標淡希の右の肩に、高級品のコルク抜きが貫通した。
上条「痛っ!!」
美琴「こういうのって見てるだけでもクるわね」
一方「俺なら突き刺さる前に反射だけどな」
上条「だよなー。やっぱベクトル操作ってある意味反則技だよな」
がすがすがすがす
一方「!!!!!!!?!」
白井「あら? 効果ありますわよ?」
美琴「反射が使えないって不便だね、って御坂は御坂は壁に磔にされてるアンタにぷぷぷ、とほくそ笑みながら憐れんだ視線を向けてみたり」
一方「おのれらァァァァァアアアアアアアアア!!!! しかもアイツの真似がやけに上手いじゃねェか、コラァァァアアアアアアア!!」
上条(……なるほど。打ち止めが順調に成長するとこうなる訳か)
「お返ししますわ。あまりにセンスがなさ過ぎるので、持っていても白い目で見られるだけですし。ついでにこちらも」
声と同時。
ドスドブガスッ!! という泥の詰まった布袋を突き刺すような音が連続した。(結標淡希の)脇腹、太股、ふくらはぎ。心当たりのありすぎる場所に、金属の矢が次々と突き刺さる。
上条「白井も結構えげつない真似するのな」
白井「あら? 戦略上の攻撃ですわよ。非難される謂れはありませんわ」
上条「それをサラッと口にできるお前はもっとえげつないな」
白井「そうですか? 風紀委員として暴漢に立ち向かうのに綺麗汚いなんて言ってられませんわよ。まあ、善良でも無いですけど一般市民のお猿さ、もとい、上条さんには分からないことかもしれませんが」
上条「テメエ! サラッと二回ほど俺をけなしたよな今!!」
上品なクロスを掛けられたテーブルに、不敵な笑みを浮かべる少女が腰を掛けている。
上条「うお!? この見えそうで見えない角度がなんともまた!! って、ハッ!!」
美琴「おんどりゃああああああああああ!! こんな時まで発情しやがってえええええええええええええ!!」
上条「すんませんでしたああああああああ!! つい男のサガがああああああああああああああああああ!!」
白井「どうして男ってこうなのですの?」
一方「女には逆の立場でコレってのはねェのか?」
白井「さあ……わたくしには分かりかねますわ」
一方「じゃあ、超電磁砲が、仮に短パンを穿いていないとして、この時のお前と同じ座り方を想像してみろ」
白井「うお!? この見えそうで見えない角度がなんともまた!! って、ハッ!!」
一方「同じじゃねェか」
「――――服を脱いで、下着も取って、みっともなく這いつくばって傷の手当てをしてくださいな。そこまでやって初めておあいこですのよクズ野郎」
美琴「なぁんか、こういう黒子を見るのは初めてね」
白井「そ、それはその! この時はですね、戦略上でございましてっ!! 普段の黒子はお姉様がいつも目にしておられる通り、とても愛らしくじゃれついてくる子猫のようなものですの!!」
上条「そうなのか?」
美琴「あれが『愛くるしく』て『じゃれついてくる』、ねぇ……はぁ……」
一方「違うみてェだぞ」
白井「け、見解の相違、というやつですわ」
上条「具体的にどんな事されたんだ?」
美琴「これまでのこぼれ話で、大体の想像はつくでしょ? あまり言いたくないのよ……」
上条「んー、じゃあ白井にされた事をちょっと実践してみてくれ。俺に」
美琴「………へ?」
上条「いや、ここらで普段どんな事をされてるのが明らかにしとこうと思って。こぼれ話って、御坂が主役の企画だろ?」
一方「テメェもだろ……」
白井「のおおおおおおい!!! 急に何言ってやがりますのこの猿はっ!!?」
上条「えっ!? そんなヤバイ事してたのか白井!?」
白井「そうではありませんが…そうではありませんがぐぎぎぎぎ……」
上条「ならいいだろ。なぁ御坂?」
美琴「あ、や、でも、ほら、急に、そんな、……はぅ………///」
一方「…無理みてェだぞ」
上条「ホント何されてんだよ……」
??「まあ、こんな感じですね」
上条「うお!? なんだよ突然!! あれ? キミは確か御坂の友達の――」
??「おっと、今回は名前出しはご勘弁を。てことで、どうぞこの写真を」
上条「ぬお!? 御坂の(ピー)を(ピー)したり、白井が(ピー)で御坂を追い回したり、御坂の(ピー)に潜り込んだり、御坂の(ピー)に白井の(ピー)を埋めたり、御坂を(ピー)したりって何だよこれ!?」
??「あたしのおトモダ、もとい有能な相棒が、学園都市の衛星をハッキングして映像を引き出したものです。で、さっき、上条さん、『実践してくれ』って言いましたね? 言いましたよね?」
上条「そ、それは……!!」
??「てことで御坂さん! ここは早速『実践』しましょう! って、あれ?」
一方「超電磁砲の意識はどうやら星の彼方に飛んでしまったらしい」
??「御坂さああああん! せっかくのチャンスに何をやってるんですかああああああああ!!?!」
白井「ええい! いきなり登場してきて何でございますか! 今回のこぼれ話で名前を出せないんですから、さっさと退場くださいですの!!」
??「あ、白井さん? ええ!? そんなご無体な〜〜〜〜〜」(テレポートで強制退場)
美琴「――――あれ? 今、誰かいなかった?」
白井「気のせいですわ」
両者は全く同じ武器で同じ場所を攻撃されている。――――
「……やって、くれたわね。でも、こういう、子供みたいな仕返しは、嫌いじゃないわ」
上条「要するに、『やられたらやり返す。倍返しだ!』って事だな」
一方「厳密には同じ攻撃なンだから、『倍』じゃねェけどな」
白井「わたくしの受けた傷と屈辱をあの女にも味わわせるには、こうするのが一番手っ取り早かっただけですの」
美琴「戦闘スタイルが同じだからできた事ね。リュウとケンみたいな」
一方「性能は結標の方がワンランク上だから、どっちかっつーとリュウと豪鬼だけどなァ」
「まずいですわよね」
ニヤニヤと、白井は笑って。
「こんな騒ぎにしてしまったら、あの聡明かつ行動的なお姉様はすぐにでもここへ駆けつけてしまいますの」
「!!」
上条「いやほんと、こういう白井を見ると普段の白井が嘘みたいだぞ」
白井「普段のわたくし、ですか?」
上条「そうだよ。地下街のときも思ったけど、お前、真面目にやれば結構チョイ悪クールビューティーなんじゃね?」
白井「それ褒め言葉ですの?」
一方「つーか、この辺りは超電磁砲とよく似てるよな」
美琴「というと?」
一方「三下と一緒のときのオマエと、この風紀委員と一緒のときのオマエもギャップあンだろ?」
美琴「んなっ!? 何を根拠に!?」
一方「そりゃテメエ、こっちの風紀委員がテメエのことを『聡明かつ行動的』って言ったからだ。
俺から見れば三下と一緒に居る時のオマエが『聡明かつ行動的』とはまったく思わねェ」
美琴「んなっ!? ななななな何を根拠に!?///」
上条「そうなのか?」
美琴「そそそそそそんなことないからっ!!/// 一方通行の言い掛かりだからっ!!!///」
一方「今もテンパってンじゃねェか。で、オマエは何やってるわけ?」
白井「金属串を研いでいるだけですわ。ウフフフあらおかしいウフフフフフフ」
つまり、御坂美琴がここに辿り着いた時点で結標の負けだ。
白井「はふぅ〜ん! 流石はお姉様!! いえ、考えてみれば当然ですわよね。あんな露出狂の痴女など、お姉様の敵ではありませんわ!!」
一方「……変態に痴女呼ばわりされちゃァ、結標の野郎も浮かばれねェな。まァ、あいつもショタコンという立派(?)な変態なわけだが」
上条「けど結標って人って相当強いんだろ?」
一方「まァ、レベル5クラスの能力者な事は間違いねェな。トラウマのせいでレベルアップできねェみたいだがよォ」
上条「そんなにすごいのに、御坂が来たらアッサリ白旗上げんのか?」
美琴「結標も抵抗はするでしょうから、アッサリ…とはいかないけどね」
白井「またまたご謙遜を。確かに結標の能力はわたくしのそれよりも遥かにも強力ですが、それでもお姉様なら楽勝ですの」
上条「何で?」
一方「結標がレベル5級っつーのは確かだが、レベル5の中でもピンからキリまであンだろ」
美琴「まぁ、そうね。言いたくないけど、第二位と第三位……つまり私と第二位の間でさえ、越えられない壁がある訳だし」
上条「ああ、なるほど」
一方「例外的に、第七位の能力は底が知れねェし、能力そのものが効かねェなンて反則使う奴もいるがなァ」
上条「……改めて考えると、御坂や一方通行【レベル5】ってかなりすごいんだな。忘れてた」
白井「…学園都市の住人とは思えない発言ですわね……」
「ハッ。随分と常盤台中学のエースを心酔しているようね。でも、超電磁砲にしたって完璧な存在という訳ではないでしょうに。例えば学園都市の第一位、あの最強のレベル5を相手にすれば必殺されてしまうように」
「でも、それにしてもわたくし達ごときに届く領域かしらね。あのレベル5の世界が」
白井黒子はニヤリと笑う。
ともすれば自分のプライドを捨てるような言葉を、しかし誇らしげに語る。
それこそが御坂美琴を心酔している証だというように。
白井「実際どうですの? お姉様。やっぱり一方通行さんには敵いませんの?」
美琴「んー。反則技を使うなら負けないと思うわ。でも、そんな勝ち方に意味ないしねー。能力的にはまだ無理かな?」
一方「テメエも素直に負けを認めるンだな」
美琴「当然でしょ。じゃないと『本当の姿』が見えなくなるじゃない。『都合の良い解釈』ほど成長の妨げでしかないものもないわ」
上条「で、反則技って何だ?」
美琴「そいつのチョーカーの電極に妨害電波を流すってやつ。戦争や殺し合いってならまだしも、タイトルマッチは実力で勝ち取らないと何の価値もないわよ」
白井「さすがはお姉様!! そのたゆまぬ努力がいつの日か、第1位のみならず、レベル6にも到達されるかもしれませんわ!!」
一方「そンじゃ、テメエは三下にも素直になったらどうだ? じゃねェと、三下にいつまで経っても『お前の本当の姿』は見えねェし、発展という名の『成長』の妨げになると思うンだが」
美琴「そそそそれとこれは話が別よっ!!」
上条「?」
白井(……お姉様が『都合の良い解釈』をしている間は心配いらないですわね……とは言え、始まる前の上条さんを思うと何とも言えませんが……)
目の前の風紀委員は、超電磁砲の介入を良しとしていない。
巻き込むつもりなら、初めから超電磁砲を連れてここへ転移してくれば良かったのだから。
美琴「黒子……」
白井「お気になさらないでくださいましお姉様……わたくしにも譲れない思いくらいはありますの……(ああ、お姉様の中でわたくしへの好感度がグングン上がっておりますの……このまま順調にいけばお姉様はわたくしのものにグヘヘヘヘヘヘヘ」
上条「…途中から本音がだだ漏れてんだが……」
一方「ほっとけ」
美琴「…く、黒子……」
「――――そこまでして、自分の命を危険に晒す価値があるというの?」
キャリーケースに座ったまま、結標淡希は聞く。
「超電磁砲が、身勝手に思い描く世界を守る事が」
上条「御坂が思い描く世界? どんな世界だ?」
白井「続けますから、ご清聴くださいな」
一方「アレだろ? 三下と一緒になって――――」
美琴「シャァァァラアアアアアップ!!!!!///」
白井「ある意味、それは間違いではないかもしれませんが意味合いが違いますわ。あと続きますから清聴しやがれですの」
上条「清聴は尊敬語だから、その使い方おかしくね?」
「……守りたいですわよ」
ただでさえ、残りの体力は少ないはずなのに、こんなところに注ぎ込んで、
「守りたいに、決まっていますの。当たり前でしょう? どれだけ身勝手でも、わたくし達の事情なんてこれっぽっちも考えていなくなくても、お姉様はね、望んでいるのですよ。わたくしも、貴女も、こんな事をしなくても良い状況を。馬鹿みたいに身勝手でしょう? お姉様はね、わたくしも、貴女も、一人でぶん殴って叱って説教して、それで終わりにしようと本気で考えているんですのよ。こんな土壇場まで来ておいて、わたくしはもちろん、ここまでやらかした貴女の身も助けようなんて、本気で考えていますのよ」
白井黒子は笑う。
皮肉ではない、ただの笑みだ。
「争って欲しくないと、殺し合いなんかやめて欲しいと、この状況を見て真顔で言えるような人なんですのよ、お姉様は。この黒子さんの姿を想像して何も感じなかったはずはないのに、その気になれば貴女なんか五秒で粉々にできるはずなのに――――だからこそ、それをしない。どうにかできないかと。ちょっと指でコインを弾けば終わるくせに、この期に及んでまだ何とかならないかと願うばかりに余計な苦労を一人で背負って」
「……、」
「そんな馬鹿馬鹿しいほど稚拙な願いを、この白井黒子が蹴るとでもお思いですの? 不意打ちで貴女の脳天を金属矢でぶち抜いて! 死と鮮血でさっさと幕を下ろして! 自分の保身のために! 他人様が広げた風呂敷を汚すような無粋を働くとでも思いますの!?」
一方「……なるほど、どうりで超電磁砲が三下に惹かれるわけだ」
美琴「んな!?/// 何を言って!!?!///」
一方「あン? すげェ真面目な話なンだが?」
白井「ですわね。そちらの上条さんもお姉様と同じでこういうことを平気で考える方ですもの。類は友を呼ぶ、とでも言いましょうか」
上条「なるほどな、確かにそれは言える。つーか、正直な話、御坂がこう考えてくれているのは、すげえ嬉しい。前に言ってくれた『今度は一人じゃない』とか『私とアンタは同じ道を歩いている』とかってのも理解できる。というか、俺からもお前に言ってやるセリフなのかもしれんな」
美琴「そ、そうかな……///」
白井「しかぁぁぁしっ! あくまで『友』までですの!! そこから先、一緒に歩いていくのは、上条さんではなくこのわたくしの領分でございますわ!!」
上条「え? そうなのか? そいつは良かった。味方は一人でも多い方がいいからな。白井が一緒に来てくれるのは心強くていいぞ」
美琴&白井「「…………」」
一方「……まァ、今回はそういう意味だから仕方ねェけどな……」
「――――そして強力な能力者のクローンを作ろうとした。その結果がどんなものか、ご存知かしら?」
――――「散々だったのよ。出来上がった哀れな子羊達は、だけど一%の力にも達しなかった。――――」
白井「結局の所、結標の言っていたこの仮説は一体何だったのでしょう…」
上条&美琴&一方
「「「……………」」」
白井「…何故皆さんは黙っていらっしゃいますの? そして何故誰もわたくしと目を合わせようとしませんの? ついでに何故急にこんな険悪な空気が流れてますの?」
「能力が人を傷つける、なんていう言い草がすでに負け犬してますわよ。わたくしならその力を使って崩れた橋の修復が済むまで、橋渡しの役割でも担ってあげます。地下街に生き埋めにされた人々を地上までエスコートしてご覧にいれますわ。力を存分に振るいたければ勝手に振るえばいいんですの。振るう方向さえ間違わなければ」
一方「正論だな」
美琴「……」
上条「……」
一方「……何だ? 俺がこんなセリフ言うのはおかしいか?」
白井「おかしくありませんわ。さすがは崇高な学園都市第一位の方らしい意見ですの。共感されましたことに敬意を表させていただきますわ」
上条「(まあ……白井は一方通行の事をほとんど知らないからな……『学園都市最強』ってこと以外の事を……)」
美琴「(知らない方が幸せかもしんないから、アンタも余計な事言うんじゃないわよ?)」
上条「(わーってるって)」
白井「って、どうしてまたお姉様と腐れ類人猿が近い近いをやっておりますの!?」
美琴「へっ!? いや、さっきと同じで、ふ、深い意味なんてないから!!/// 単なる内緒話だから!!///」
一方「(で? どンな内緒話してやがった?)」
上条「(御坂の言う通りで、深い意味なんてねえよ。白井の『学園都市第一位像』を壊さないための打ち合わせだ。お前の実験の話や暗部の話なんてできねえだろ?)」
一方「(なるほどな)」
美琴「って、何アンタたち男同士で顔近づけてんの!? そんな趣味でもあるわけ!?」
上条「へっ!? いや、お前ん時と同じで、単なる内緒話だよ!! つか、俺にそんな趣味は無い!!」
一方「俺も全力で否定させてもらうぜェ……」
白井「お姉様。あちらは勝手にボーイズラブっていらっしゃるので、こちらも負けじと百合百合しい展開を―――」
上条&美琴&一方
「「「無ぇ(ェ)よっ!!!」」」
ぐらぐらと、少女を押し潰す無数のテーブルが揺らぐ。
少女の手足が床を噛む。全身の筋肉を振るい、傷口から血が溢れるのも構わず全力を注ぐ。
――――
ぐらぐらと、ぐらぐらと、テーブルの山が大きく震える。
白井黒子は己の上にのしかかる重圧を振り払うために、さらに力を加え、
一方「さっきは超電磁砲が三下に惹かれる理由が分かる、って話をしたが、ひょっとして、この風紀委員と三下も似てンじゃねーの?」
上条「そうか?」
一方「登録レベルはともかく、実際の実力が上の相手に怯まずに、どれだけ傷つこうが、何度でも立ち上がろうとする姿なンざ、そっくりだ。ついでにカットされてるが相手を滔々と説教する姿まで。言っちゃ悪いが、能力レベルが下の奴が、相手の能力レベルが上って分かっていて立ち向かってくる姿は無謀を超越した『勇気』ってやつを感じンだよ」
上条「お前が人を褒めるなんて珍しいな。そう言われると俺も白井も似た者同士って言われるのも悪い気がしない」
美琴「……黒子?」
白井「な、何でございますかお姉様!? というか笑顔がとっても怖いんですけど!?」
「何なら表を走っているお姉様を見てきなさい! その気になって超電磁砲を本気で発動させれば、こんな問題なんて一分で解決できるあの人が! それでも血の惨劇で幕を閉じるのは嫌だからという理由だけで最短の解決方法を自分から捨てて!! わざわざその身を危険にさらし!! 味方であるわたくしばかりか、敵である貴女まで救いたいなんて馬鹿な事を真剣に思っているからこそ、わたくしはあの人をお姉様とお呼びしているんですのよ!!」
ぐらぐらという音が、がらがらという轟音に変わる。
崩れていく。
あれだけ少女を上から押さえつけていた重しが、崩れていく。
上条「何でだろうな? 白井もそうなんだろうけど、どういう訳か、御坂の事を考えると不思議な力が湧くんだよな」
白井「不本意ながら、それはおそらく上条さんもわたくしと同じ気持ちだからですわ」
一方「だな。俺も覚えがある。(アイツら(打ち止め、妹達、番外個体)のため、って考えると妙に力が湧きあがってきやがる)」
美琴「え、えっと、ね、ねえアンタ(上条)……そそそそそれって……///」
上条「普段強気な御坂が、たまに弱気なところを見せるんで庇護欲が倍増されんのかね?」
美琴「……」
白井「今後も未来永劫、永久にそう思ってくださいまし」
美琴「まーそんなこったろうと思ってたわよ。どーせ、アンタはその程度の認識なんだから」
上条「ちょ! 俺なんか変なこと言った!? 白井が溢れんばかりの満面の笑顔で、何か御坂が悟りの境地を開いた無表情してんだけど!?」
一方「三下は三下で三下だから仕方がねェ」
上条「一方通行まで!?」
??「とうまなら仕方がないかも」
??「上条君なら。仕方がない」
??「上条当麻なら仕方がないわね」
??「上条さんならぁ、仕方力がないわよねぇ」
??「上条なら仕方がないけど」
上条「四方八方から何か聞こえてくるよ!!?」
礼儀とは、自分を飾るのではなく、相手に安堵を抱かせるためのものだと知った。
作法とは、相手に押し付けるのではなく、自分から導いてあげるものだと知った。
教養とは、見せびらかすためではなく、相手の悩みを聞くためのものだと知った。
誇りとは、自分のためではなく、相手を守る時に初めて得られるものだと知った。
美琴「え? 私、そんなつもりなかったんだけど、黒子はこう受け取ってたの?」
白井「この辺りの無自覚さがお姉様の奥ゆかしさでもあるのですが、わたくしにはそう映っておりましたの」
上条「言われてみりゃ、確かに御坂はこういう感じで行動してるよな。俺に対してでも多分何も飾らないから俺の方も『レベル5』のエリートなのに気さくに付き合えるし、ケンカ一つ取ったって絶対に不意打ちしないで声を掛けてから攻撃してくるし、夏休みの宿題で悩んでた俺をある意味手伝ってくれたし、んで、さっきに戻って御坂を守ろうとしたときに感じる気持ちが誇りなんだと思うもんな」
美琴「…………///」
一方「なんつーか、完全に俺、蚊帳の外なンだけど」
ゴッ!! と。
その時、祈りが通じたように、オレンジ色の直線が、床から天井へと突き抜けた。
「この光は――!」
白井の朦朧としていた意識が一輝に覚醒する。
「お姉様!?」
その眼前では、光にフロアにあった机、いす、など全てが呑み込まれていく。
白井「はふん…///」
上条「おい、急に白井がぶっ倒れたぞ!?」
一方「多分、超電磁砲の登場シーンに卒倒したンじゃねェのか? ついでに、ここは小説とアニメの混合でいくみてェ」
上条「ああ。確かにここ、すげーかっこ良かったもんな。俺もドキドキしたし」
美琴「はふん…///」
上条「おい、今度は御坂がぶっ倒れたぞ!?」
一方「そこまでは面倒見きれねェよ」
「駄目、ですわ! こちらへは来ないでくださいですの!」
このタイミングで駆けつけてきた、その完璧ぶりに涙をこぼしそうになりながら、喉を震わせ、体に残った体力を全て注ぎ込んで、最後の声を。
「これからここに特殊な攻撃が加わります! このフロアへ来るのは危険ですの! いえ、このビルから離れてください! きっと建物ごと崩壊してしまいますわ!!」
白井黒子は血まみれの床の上で叫ぶ。
上条「……自分の身がヤバい最後の最後まで御坂の心配をする白井に感動すら覚えるな。俺だったら全部投げ出して、御坂が来ようが来まいがどうだって良くなるぞ」
美琴「つまんない冗談ねぇ……はぁ……」
一方「馬鹿も休み休みに言え」
白井「不本意ながらお姉様と一方通行さんに同意しますわ」
上条「え? 全員そろって即効速答大否定? 俺ってそこまで聖人君子じゃありませんのことよ!? いや、悪い意味じゃないから良いけどさ。でも買い被り過ぎじゃね?」
白井「こんなことまで無自覚で鈍感だとは思いませんでしたわ」
一方「もしかして、何も考えて無ェだけなンか? ひょっとして」
美琴「猪突猛進って言葉がぴったりかも」
上条「え? 全員そろって今度は俺の人間性大否定?」
「こんだけ風通しを良くしてやりゃあ、まだ間に合うでしょ」
――――この程度の状況など問題にもならないとでも告げるような余裕を見せて。
「悔しいけど、私の出番はここまで。後はアンタの拳で、アイツを連れ戻してきなさい!!」
白井「な、何なんですの…? この長年夫婦をやってきたみたいな阿吽の呼吸は…?」
美琴「ふっ! ふっふふ、夫婦とか!! ばばばば馬鹿じゃないのっ!!?///」
白井「あああ!!! わたくしとした事が!!! 自ら禁句ワードを言っちまいやがりましたの!!!」
上条「けど実際に、打ち合わせとかしてなかったのによくうまく行ったよな。こん時」
美琴「ま、まぁ私はその…ア、アンタの事……信じてたし……///」
上条「御坂……」
白井「な、何なんですの…? この初々しいカップルのような甘酸っぱい空間は…?」
美琴「カッ! カッカカ、カップルとか!!! ばばばば馬鹿じゃないのっ!!?///」
白井「あああ!!! またしても!!!」
一方「……そろそろツッコンでもいいかァ?」
叫ぶ白井の座り込む床が崩壊した。
白井には、能力を発動させるほどの力は残っていない。
建物の瓦礫諸共、地面に叩きつけられるまで、死のダイブを強制執行させられる――――はずだった。
しかし、
「くろこぉぉぉぉぉぉおおお!!」
「――!!」
自分の名を呼ぶ少女の声が耳に届く。
同時に、白井は気が付いた。
瓦礫の中を、その『瓦礫』を踏み台にして登ってくる一人の少年の姿を。
通常なら落ちてくる瓦礫を階段代わりにして『登ってくる』などあり得ないはずなのに。
しかし、少年は登ってくる。落ちる瓦礫よりも早く、次の瓦礫へと飛び移りながら白井の元へと『走って』くる。
気付くと同時に、少年は白井を抱え込んだ。そして、その勢いのまま、『迫りくる何か圧倒的なプレッシャー』に右手を伸ばす!!
「うぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおお!!」
雄叫びをあげる少年のその右手が『視えない圧力』に触れた瞬間、何かを吸引するような乾いた音響が、白井黒子の鼓膜を震わせた。
瞬間、
白井もろとも、全てを崩壊させるための『プレッシャー』は霧散した。
そして、少年は白井黒子を抱えたまま、近くの『床』へと着地する。
この間、わずか数秒。
「あなたは……」
白井は少年に声をかけた。
少年は白井に勇ましい笑顔を向けた。
美琴「……黒子、随分、いい御身分ねぇ……へー……前に言ってた『お姫様抱っこ』ってここだったんだぁ……」(上条美琴の禁書目録こぼれ話アンソロジー参照)
白井「お、お姉様!? こ、これはですね! 不可抗力でございまして、別に深い意味はありませんからどうか怒りをお鎮めになってくださいまし!!」
美琴「べっつに〜〜〜怒ってなんかないわよ〜〜〜そうよね〜〜〜仕方ないわよね〜〜〜」
白井「そ、そうでございますわお姉様! そもそもわたくしは上条さんに思うところなど蟻の触角の先すら持ち合わせておりませんので、どうか安心なさって…………」
美琴「ん〜〜〜? 黒子がアイツの事をどう思うが別に私はどうだっていいんだけど〜〜〜?」
突如、御坂美琴の全身が眩い光を放ち、頭髪の一部が『眼』のような形に変化する。
一方「ほォ、コレが噂に聞いた超電磁砲レベル6半覚醒状態か」
上条「な、何呑気なこと言ってやがりますかお前は! どーすんだよ!! 言っておくが俺はアイツのレベル6半覚醒状態を知ってるけど、俺の幻想殺しも効果ねぇんだぞ!! どうやって御坂を鎮めるわけ!? まだ原作でもその答えは出てねえし!!」
一方「あン? ンなこた、このスレなら簡単だ。テメエが超電磁砲を同じようにお姫様抱っこしてやりゃいいだけだ」
上条「そんなんで鎮まるかぁぁぁあああああああああああ!!」
白井「い、いえ! 上条さん! ここは心の底から不本意でございますが、それしかありませんわ! どうかお願いします!! 今のお姉様はわたくししか見えていませんから容易に近づけますの!!」
上条「……マジかよ……んじゃまあ、そぉぉぉぉっと近づいてって……ほい!!」
美琴「はへ!? ななななな何してんのアンタ!?」
上条「いや……だからお姫様抱っこ、って、マジで正気じゃないけど正気に戻りますか!?」
美琴「ふにゃー」
上条「うぉい!! 確かに鎮まったけどこれでいいのかよ!?」
白井「た、助かりましたわぁ……」
「あー、遅れて悪かったな。いや今回は事情も良く呑み込めないまま突っ走っちまったから。――――」
一方「見事なまでの巻き込まれ型主人公だなァ、オイ」
美琴「今に始まった事じゃないけどね」
上条「これも上条さんの不幸体質のなせるわざでせうかね…?」
白井「…貴方、普段からそんな生活をしてますの? 早死にしますわよ」
上条「まぁ慣れてるし。それに悪い事ばかりでも無いしな。
俺が不幸なおかげで救えた命がある……そう思えば自分のこの体質にも誇りが持てるよ」
美琴「………///」
一方「……で、その救えた命ってのは大概は女な訳だが。その辺のフラグはどォなってやがンだ?」
上条「…何度も言うけど、俺モテないからな?
むしろ俺なんかにフラグを立てられた人がいるってんなら、目の前に連れて来てほしいもんですよ」
美琴「……………」
一方「……やっぱ駄目か。なンも気づいてねェ」
白井「むしろ気づいて頂かない方がわたくしとしてはありがたいですの」
「貴方が、何で……。わたくしのために命を張ったんですの?」
――――
「何でとか、どうしてとかって言われてもなぶっちゃけた話、逃げるより立ち向かった方が手っ取り早いだろ。――――」
白井「……不本意ながら、なぜお姉様がこの方に惹かれるのか、ほんの少しだけ解りましたの」
美琴「だ、だから惹かれてなんか……///」
一方「喜ンでていいのかァ? 要は白井【コイツ】にもフラグが立ったっつー事だろ?」
美琴「ハッ!!?」
白井「気持ちの悪い事を仰らないでくださいまし!!! それとこれとは全くの別ですの!!!
わたくしは永遠にお姉様一筋ですのよ!!!」
美琴「…それはそれで困るんですけど………」
上条「ほらな? 俺にフラグなんて立たないんだって」
一方「テメェはちょっと黙ってろ」
「……そう、約束だ。御坂美琴と彼女の周りの世界を守るってな――――
一方「 」
美琴「///」
上条「?」
一方「いや、『?』じゃねェだろ!! 何だこりゃ!!?」
上条「何だこりゃって、約束の事か?」
一方「それ以外に無ェだろォが!!! つーかテメエ!! どんなシチュエーションになったら、こんな約束できンだよ!!?!」
上条「まあ、何と言うか、ちょっと御坂のことでケンカになった奴がいてな。―――― 一応、俺が勝ったのかな?――――てことで、こういう約束することになって」
一方「よし三下。オマエ、はっきり言うが、自分の言動に責任を持った方がいいぞ。今のざっとした経過でも、今の話を百人にしたら九十九人までは俺と同じ感想を抱くからな。ンで、違う感想を持つ最後の一人がテメエだ」
上条「どんな感想だよ?」
一方「……それマジで聞いてンのか……?」
白井「無自覚鈍感大魔王もここまで来ますのですの? わたくしにとってはその方が嬉しいですが、いくら何でも無責任すぎますわ」
上条「何で無責任なんだよ? 言っとくが俺は別に軽い気持ちで約束したわけじゃねえぞ。言ったからにはきっちり守る。それは絶対に絶対だ」
美琴「///」
一方(コイツのセリフを女が聞いたら百人中百人がオリジナルと同じ顔するな)
白井(本当に自分の言ったセリフの意味が分かってらっしゃるのでしょうか、このお猿さんは)
――――名前も知らない、キザでいじけ虫な野郎との約束なんだよ」
白井「わたくしも気になっていたのですわ。この時は状況が状況なだけに聞きそびれておりましたが……
一体このキザでいじけ虫な野郎というのはどこのどちらさんで、どのような状況でこんな約束をいたしましたの? というか、そのお方はお姉様の何なのですのよ!!!」
上条「さっきも少し言ったわけだが、そうだなもう少し踏み込むと……えっと…言っていいかな? アステカの人なんだけど……」
白井「アステカぁ?」
一方「あっ…(察し)」
上条「そいつ、御坂の事が本気で好きだったみたいでさ。けどそいつは御坂の近くにはいられない事情があって、自分の代わりに俺に守って欲しいって頼まれたんだ。(魔術師のくだりとか省けばこんな感じかな。嘘は言ってないし)」
白井「お姉様の事が…本気で………おほほ…その方も黒子の抹殺予定人物リストに加えねばなりませんの……」
上条「なにそのリスト。めっちゃ怖い!!」
白井「ちなみにそのリストのダントツトップに君臨していて他を寄せ付けないのが上条さんですわ」
上条「なにその評価! めっちゃ怖い!!」
一方「いや、それは別にいいンだけどよォ…ところで三下、もォ一度よく考えながら、さっきの約束の言葉を言ってみろ」
上条「えっ? だから、御坂美琴と彼女の周りの世界を―――」
美琴「な、ななな何回も言わなくていいからっ!!!!!///」
一方「『よく考えながら』つったろォが。何で『よく考えた』奴があっさり口にできンだよ」
「ちょっとばっかし遅れ気味になっちまったけど、一応お前に聞いとくよ。俺は今、そいつとの約束をちゃんと守れてるか?」
「……ええ、ちゃんと守れてますわ。半分ほどは」
一方「一つ聞きてェんだが三下。テメエ、この約束の『有効期限』っていつまでだ?」
上条「有効期限って、んなもん無いだろ。まあ強いて言うなら俺じゃない誰かが御坂を守れる日が来た時だろうな。そういう奴が現れないなら――――あれ? ひょっとして一生か?」
美琴「いいいいいいいいいいいっしょうぉぉぉおおおなのおおおおおおおおお!!!?!///」
一方「……それってどういう意味か本っっっ当に分かって言ってンの? お前」
上条「俺か御坂が死ぬまで、ってことだろ?」
美琴「そそそそうなんだけどさああああ!! そそその間なんだけどさっ!! じゃ、じゃあ、きききき基本、私と一緒にいるってことよね!!!?!///」
上条「当たり前だろ。じゃねえとどうやってお前を守るってんだ? ――――ちょっ!! 何この寒気!!?! って、白井!!?!」
白井「ふっふっふっふっふ……上条さん……この黒子の目の前で随分、大胆な発言をなさいますわねェ……では、さっそくその有効期限に終止符を打たせてもらいましょうかァ……上条さん……あなたの命を絶って…………」
上条「ま、待て白井!! 何で俺がお前に殺されなきゃならんのだ!!?! み、御坂!! 白井を止めてくれ!!!!!!!!」
一方「悪ィが超電磁砲は現在絶賛気絶【ふにゃー】中だ。自力で何とかしな」
上条「何でだよ!!!!?!」
白井「御覚悟を!! って、あら? 携帯が……げっ! 固法先輩から呼び出し!!?!」
上条「……白井?」
白井「くっ……不本意ながらわたくしはこれでお暇しなければなりませんの……」
上条「そ、そうか……」
白井「ですが上条さん! あなたの命はこの次にわたくしと出会う時までと思っててくださいまし!!」(ブン!)
上条「た、助かったぁ……」
「そうか」
何かを掴んでいるのだろう。
少年は白井の言葉を深く追求せず、迷いなく頷いた。
そしてさらに告げる。
「それなら、今から残りの半分を果たしに行こう」
一方「で? あの風紀委員はいなくなったし、オマエがテメエの膝枕で介抱中の『オリジナル』は気絶中だし、どうすンの? 二人で続けンのか?」
上条「そうなるかな。でもまあ、心配いらねえだろ」
一方「どういう意味だ?」
上条「いやな、こういう前フリがあると必ず俺たちの憂いを吹き飛ばす展開になるんだよ」
一方「お約束ってやつか……」
??「たっだいまー。ヒーローさんと第一位☆ お使いも完了して今度は家主さんに了解もらってきたから」
??「メンテナンス終わったよ、ってミサカはミサカはにこやかに報告してみたり」
??「小さい子には付き添いが必要とカエル顔のお医者様に言われましたので上位個体と一緒に来ました、
とミサカは妹達最年長のお姉さんぶりを発揮します」
上条「な?」
一方「何か納得できねェけど、するしかないな……」
ミ妹「むむ!? 再びお姉様があなたに膝枕されてますとは!?
とミサカはミサカ達がいない間に何があったか分かりませんが憤慨します」
番外「おっと上位個体! 今度は頼むよ!!」
打止「もちのろん! ってミサカはミサカは強制コード発動――って、あれ!? 一〇〇三二号に効かないし!! ってミサカはミサカは何か信じられないものを見るビックリ眼になってみる!!」
ミ妹「恋する乙女の思いは強制コードを越えるのです、とミサカは上条さんとお姉様を引き離すべく行動を開始します」
一方「さ、次に進むか」
番外「ヒーローさんの言ってる残りの半分って何?」
打止「今度は一方通行が活躍する番なんだよね、ってミサカはミサカは心躍らせてみたり」
上条「って、こらお前ら! 無視するんじゃねえ!!!」
「っつーかよォ」
狂ったように白く、歪んだように白く、澱んだように白く、
番外「不健康なまでに白く、歳の割には髪の毛も白く、しかも頭の中も空っぽでまっ白く」
一方「テメェはイチイチ俺に喧嘩売らなきゃまともに会話もできねェのか!?」
上条「へー、ここでこう繋がってたのか……って事はもしかして、最終的に事件解決したのって」
打止「そう! 一方通行だよ!ってミサカはミサカは大はしゃぎ!」
ミ妹「上位個体がはしゃぐ事ではないでしょう、とミサカは冷静にツッコミます」
美琴「う……ん…?」
打止「あ、お姉様起きたよ、ってミサカはミサカは状況を説明してみたり」
上条「おはよう。よく眠れましたかね?」
美琴「あれ? アンタの顔が近くに…って近い近い近い!!///」
ミ妹「起きたのならそこからとっとと退きやがれ、とミサカはイエローカードを取り出します」
番外「そんなもん、どっから出したのさ!?」
一方「…つーか俺のシーン誰も見てねェな……」
「本気で言ってンだとしたら、抱き締めたくなっちまうほど哀れだわ」
打止「!!! こ、この台詞はちょっとスルーできない、ってミサカはミサカは体をワナワナ震わせてみる……抱き締めたいってどういう事!? 浮気!? 浮気なの!?ってミサカはミサカは問い詰めてみたり!!!」
一方「どこをどォ読ンだらそうなるンだよ!! そもそも浮気もクソも俺とテメェはそんな関係じゃねェだろ!!!」
番外「そうそう、ヒーローさんもおねーたまに同じ様な事言ってたよ。『抱き締めたくなるほど可愛いわ』って」
美琴「え…ええええええぇぇぇぇぇぇ!!!?///」
ミ妹「!!! そ、それはちょっとスルーできない、とミサカは体をワナワナ震わせてます……抱き締めたいとはどういう事ですか。浮気ですか、とミサカは問い詰めます」
上条「そんなの言った記憶は全く無いのですが……」
「ハハッ! 強がらなくても分かっているのよ! 私はあの人の近くにずっといた。――――」
上条「あの人?」
一方「学園都市総括理事長、アレイスター=クロウリーだ。
この女はその能力で、窓のないビル唯一の玄関口として使われてやがったからなァ。今は知らねェが」
上条「へー…って、何でそんなに詳しいんだ?」
一方「だから、色々あンだよ……事情とか…」
「悪りィが、こっから先は一方通行だ」
打止「出たー! 一方通行の決めゼリフ、ってミサカはミサカは盛り上がってみる!!」
一方「き、決めゼリフとか言うンじゃねェ!! この一回しか言ってねェよ!!!」
番外「いっぽうつうこうだー(棒読み)」
一方「うぐっ!! じゃ、じゃァ上条【コイツ】の決めゼリフはどォなンだよ!! 『その幻想をぶち殺す』ってヤツ!!」
上条「こっちに飛び火してきた!?」
ミ妹「あれはかっこいいからOKです、とミサカは擁護します」
一方「それ単純に、三下が言ったことなら何でもいいってだけだろォが!!!」
番外「あ、じゃあアレは? 『無視すんなやゴラァァァ!!』ってヤツ」
美琴「決めゼリフじゃないし!! ってか何で番外個体【アンタ】がその事知ってんの!!?」
「それでも、俺はあのガキの前じゃ最強を名乗り続ける事に決めてンだよ。くそったれが」
打止「はふん…///」
上条「おい、急に打ち止めがぶっ倒れたぞ!?」
一方「……………」
番外「ギャッハハハ☆ 第一位のヤツ、柄にも無く照れてやんの! キッショ!!」
一方「……うっせェ」
ミ妹「どこがいいんだあんなモヤシ、とミサカは上位個体の男の趣味に苦言を呈します」
美琴「激しく同意するわ。何で同じDNAなのに好きな人が違うのかしら?」
上条「まぁ世間一般の双子でも、環境が違えば性格も変わってくるしな」
番外(今おねーたまがさらっと『好きな人』について漏らしたけど…誰も気づいてないか)
そのほっぺたには真っ赤な手形がついている。訪ねに行って病室のドアを開けたら白井が着替えていたのだ。
美琴「全く毎回毎回……本当はわざとやってるんじゃないの!?」
上条「そ、そんな訳ないだろ!? 上条さんだって困ってるんですから!」
ミ妹「では毎度お馴染みのラッキースケベは全て偶然の産物だと仰るのですね、とミサカは問いかけます」
上条「もっ! 勿論ですとも!」
美琴「へー、じゃあ私を押し倒したのも」
ミ妹「ミサカのスカートの中を下から覗いたのも」
番外「ミサカのおっぱいを揉んで『げっへっへ…ここか? ここがええのんか?』って言ったのも」
美琴&番外&ミ妹
「「「全部偶然だって言い張るんだ?」」、とミサカは問い質します」
上条「ちょっと待って!! 一つだけ全く身に覚えの無いエピソードが混じってんだけど!!?」
打止「ミサカはどうして耳を塞がれてるの、ってミサカはミサカはミサカの両耳に手を当てる一方通行に疑問を持ってみる」
一方「打ち止め【ガキ】にゃまだ早ェ話題だ」
「なんでアイツがソコで平手打ちなんだよ!? ビリッときたぞ」
「…わからないんだ ふーん」
一方「ここは漫画でのシーンかァ」
上条「この時も思ったけどさぁ、百歩譲って白井の着替えを覗いたのは俺のせいだとするよ」
番外「百歩譲らなくてもヒーローさんのせいだよ」
上条「まぁ聞けって。けどそこで何で御坂が怒る訳? インデックスは何かに気づいてたみたいだけど」
美琴「く、黒子はあの時安静にしてなきゃいけなかったんだから、私が代わりにお仕置きしてやったのよ!!」
打止「それだけ〜?ってミサカはミサカは本当はジェラシーを感じょもぐふぉあ!!?」
上条「打ち止めの口を押さえて何してんの?」
美琴「ななな何でもないわよっ!!? 気にしないで!!///」
番外「つまりアレだね。白井【ほかのおんな】の裸を見るくらいなら、おねーたま【わたし】の裸を見りゃふぁぼぐ!!?」
上条「番外個体の口を押さえて何してんの?」
ミ妹「何でもありません気にしないでください、とミサカは冷や汗を拭います」
同じ病院にいる御坂妹の方を訪ねてみようという話になった。――――
ちなみにカプセルの中の御坂妹は意識があるらしく、上条を見て無表情なままぺこりと頭を下げたが、そんな彼女は全裸に白いシールのような電極を貼り付けただけのとんでもない格好をしていて、―――-
美琴「……………」バチッ! バチバチッ!!
上条「み、美琴センセー…? なぜか頭から電気が出てますぞー…?」
美琴「ア・ン・タ・ねぇ……私の知らない所でこんな事してやがったんかこの野郎おおおおお!!!」
ミ妹「ミサカ的には一向にかまいませんが、とミサカは勝ち誇ったかのようにドヤ顔をします」
美琴「うっさい! アンタはアンタで、ちったぁ羞恥心ってもんを持ちなさいよ!! 何まっぱを見られてお辞儀なんかしてんのよ!!!」
番外「けどさー、一〇〇三二号も含めて量産型の他の妹達っておねーたまそっくりに作られてる訳でしょ? つまりこれって、おねーたまの裸を見たのとあまり変わらないって事だよね」
上条&美琴
「「………へ?」」
打止「て、天才かー!ってミサカはミサカは番外個体の発想力に驚愕してみる!!」
上条「み、御坂の……」
美琴「って何変な事想像してんのよこの変態ー!!!///」
ミ妹「ミサカのターンなのにどうしてこうなった、とミサカは肩を落とします……」
一方「諦めろ。このスレはどォ転ンでも、最終的に三下とオリジナルがくっつくよォに出来てンだよ」
番外「というか、これネタとしては今シリーズ二回目なんだけど、随分、美味しく反応してくれるね」
「――――ごがっ。他方どうか教義によってそこで標的の上に俺の言語能力を取り上げないでくださいですっつってンだろ!!」
番外「ギャハハハハ!! ひー、ひー、何これ超面白れぇ!!!」
一方「……チッ…ここは絶対ェ弄られると思ってたよ…クソが……」
番外「たほうどうかきょうぎによってそこでひょうてきの―――(棒読み)」
一方「っ!!! テメェいい加減にしやがらないと私も堪忍袋の緒が切れますよ!! ………」
打止「もう! 悪い言葉禁止!!ってミサカはミサカはおしおきしてみたり!」
番外「あーっひゃっひゃっひゃっ!!! は、腹痛てー!!!」
上条(いいように遊ばれてるなぁ……)
「――――さぁお姉様。 この白井黒子にウサギさんカットのリンゴ食べさせる至福の時間がやってまいりましたのよ! ――――」
ミ妹「所謂、『あーん』というイベントですね、とミサカは状況を分析します」
打止「ミサカもやって貰いたい!ってミサカはミサカはおねだりしてみる!」
上条「つってもリンゴなんかこの場にないだろ」
番外「じゃじゃーん! そんな事もあろうかと、ミサカが用意しておいたよ!」
打止「わーいありがとー!ってミサカはミサカは気が利く番外個体に称賛を浴びせてみたり!」
一方「どんな事もあろうかと思ってたンだよ……」
番外「ほれほれ。リンゴはまだまだいっぱいあるから、ヒーローさんもおねーたまにやってみたら?」
上条「え? あ、じゃあ…御坂、はいあーん」
美琴「はえ!!? じゃ、じゃあお言葉に甘えて……あ…あーん///」
ミ妹「何だコレ、とミサカはあまりに無理やりな展開についていけません」
「――――そう言えばさっき病室に来ていたあの殿方だって家庭的な女の子の方が好みではありませんの?」
「……。そ、そう、なのかな。ねぇ黒子、アンタ本当にそう思う?」
美琴「じ、実際はどうなの…? や、や、やっぱり家庭的な方が…その……す、好き…?///」
上条「んー、そうだな。台所に立って料理をしている女の子を背中越しに見るってのは、やっぱ男としては夢かな」
美琴「へ、へー…そうなんだぁ…ふーん……///」
番外「おねーたま。興味ないフリしながらもしっかりリサーチしてるのバレバレだよ?」
美琴「ななな何の事かしら!!?」
「って超適当に言ってみたワードになんてウブな反応してますのお姉様は! やっぱり、やっぱり先ほどわたくしの着替え中に入ってきた、あの野郎がお相手でしたのね!! あの若造がァああああ!!」
美琴「のわあああああああい!!! ちちち、違う違う!! これは黒子が勝手に言ってるだけで別にアンタの事を―――って何してんの?」
ミ妹「いえ、見ての通り上条さんの耳をミサカが塞いでいるだけですが、とミサカは冷静に受け答えします。
なにやら彼には聞かせたくなさそうな表情をお姉様がなさっていたもので」
美琴「あ、うん……ありがとう……」
ミ妹「どういたしまして、とミサカはいい事したなぁとミサカ自身を褒めてあげます」
上条「え、なになに? 全然聞こえないんだけど」
一方&番外&打止
「「「……駄目だこりゃ」」、ってミサカはミサカは嘆息してみる」
上条「これで今回のこぼれ話は終わりか? いやー、長かったなー!」
一方「オリジナルと三下が絡んだシーンは、シリーズの中で原作とアニメが一回、漫画は二回だったのに何でここまで長くなりやがったンだ?」
番外「そりゃーネタが豊富だからに決まってんじゃん。男的視点でサービスシーンは多いわ。『おねーたまの気持ち』ってやつがチラホラ出てくるわ」
美琴「シャァァァァァアアアアアアアアアラアアアアアアアアアアアアアップ!!!///」
打止「でもとっても残念なことに『お姉様の想い人』はまったく気付いていないんだよね、ってミサカはミサカはいい加減その人の鈍感さに憤りを感じてみたり」
ミ妹「これで気付けるのなら、とっくに気付いています、とミサカは嬉しいのですけれども他人事ではないという矛盾した気持ちを抱きます」
上条「え? 御坂って誰か『想っている人』がいるの?」
美琴「……いないわけじゃないけど……」
ミ妹「……どうせ分かってもらえないし、とミサカはお姉様の気持ちを代弁します」
上条「そ、そうなのかっ……?」
一方「ん? ちょっと待て三下。テメエ、何でそんなにキョドってやがンだ? 確か今回の頭でもそんな感じがしたンだが――」
番外「ついでに、いつものヒーローさんなら『じゃあ俺が協力してやるから勇気を出してそいつにアタックしてみろよ』って元気づけるような気がするんだけど、言わなかったね。何で?」
上条「何で……って、何でだろ?」
ミ妹「か、上条さん、それはもしや……、とミサカは戦々恐々とします」
美琴「?」
番外「いや、気付けよ、おねーたま。『?』じゃねーし」
打止「お姉様も案外鈍感なんだね、ってミサカはミサカはため息を吐いてみる」
一方「似た者同士だな、ある意味……」
上条&美琴
「「???????」」
ミ妹「では、話が妙な方向に行く前に締めましょう、とミサカは次回予告風会話を提案します」
上条「それもそうだな。てことで次回はどうなると思う?」
美琴「なんだかよく分かんないけど、そうね。次は時系列的にエンデュミオン? それとも大覇星際かしら? 今更だけど、幻想御手編って可能性もあるわね。まだやってなかったし」
ミ妹「もし大覇星際編だとしたら原作2冊分あるので更に長くなりそうですね、とミサカは推測します」
一方「まあ三下とオリジナルがそれでいいならいいが……ちなみに、超電磁砲も入れたらもっと長くなンぞ。原作は初日だけだが、超電磁砲は二日目以降もあるからなァ」
美琴「…まだ月刊の方でも終わってないんですけど……」
上条「絶賛暴走中だもんな…御坂……」
打止「ミサカとしては暗部編が見たい!ってミサカはミサカは一方通行の活躍にウキウキしてみる!」
番外「それはまず無いっしょ。おねーたまもヒーローさんも全然出てこないし」
打止「えー!?ってミサカはミサカはブーイングしてみたり!」
一方「けどまァ、順当に行きゃァ大覇星際だろ。このスレ的にオイシイ場面も多いしよォ」
打止「そうだね! お姉様のママも出てくるし! ってミサカはミサカは一方通行の意見を補足してみる!」
ミ妹「競技中にも面白イベントが起こりますしね、とミサカは不本意ながら更なる補足をします」
番外「あとおねーたまがヒーローさんの下半身を使って、『玉転がし』とか『棒倒し』を―――」
美琴「してたまるかああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!///」
上条「え、えーと下ネタでオチた所で今回のこぼれ話はこれにてお終いです。次回何やるかはまだ未定ですが、また楽しんでいただければ幸いです。ではまた会う日まで!」
以上です。
いやー、本当に長かった!
ではまた。
お疲れ様でぇーす!
いやぁマジで面白かったです!
上条さんの気持ちもちらほらでてるとこがいいね! 俺の青春がーを思い出して2828しましたw
んで結構一方通行が絡んでるのが面白かったりw
この立ち位置で今後も登場してくれると嬉しいですw
大覇星祭編は今の超電磁砲が終わってからまとめてがいいです!
また連投になっちゃいますが、短編投下します。
自分にとってはかなり珍しく、かなりイチャイチャさせてます。
約3分後に3レスです。
チュンチュンと小鳥のさえずる声と共に、私は狭めのベッドの上で起床した。
狭め、とは言っても、一人で寝るには十分な広さがある。
けれど、二人で一緒に寝るには少々窮屈だ。
もっとも、私はこの狭さが嫌いじゃない。なぜなら、彼の体温を近くに感じられるから。
そう、私の隣には愛する彼がいる。
不思議な右手を持つその彼は、私の頭を撫でながらこう言ったのだ。
「よう、おはよ!」
私は開けたばかりの目をふっと瞑り、寝たフリをする。
「う〜ん、おはようのチュウしてくれないと起きられないなー。むにゃむにゃ…」
私は薄目を開けて、照れて困る彼を見て楽しむ。
彼は頭をカリカリと掻き、「仕方ないなぁ…」と呟いた。
そして彼は私の頭に手を回し、―――唇を重ねた。
「こ、これでいいでせうか…?」
彼は顔を真っ赤にしてそう言った。対して私は、
「ふにゃー」
といつものように漏電するのだった。
だ、だって! からかう為に言っただけで、本当にキスしてくれるなんて思わなかったんだもん!
「えーっとですね…毎回キスする度に電撃を出されますと、ワタクシの身がもたないのですが……」
「し、しょうがないでしょ!? 私だって好きで出してる訳じゃないんだから!」
私は電撃使いだ。しかも自慢じゃないけど、並の電撃使いより『ちょっとだけ』強い。
故に彼に甘えたりしてパーソナルリアリティを崩壊させてしまうと、
今のように能力が『ちょっとだけ』暴走する。
それでも私は、遠慮なく彼に甘えてしまうのだ。なぜなら……
「まったくもう。俺には電撃が効かないからいいようなものの……」
そうなのだ。彼には電撃が効かない。
いやそれどころか、どうやら能力そのものが通用しないらしい。
「こんなんじゃ、俺以外の男と付き合えねーぞ?」
彼がそんな事を言ってきたので、私はカチンとなって言い返した。
「いいのよ! どうせこれから一生、アンタ以外の男と付き合う事なんてないんだから!」
「い、一生…って……」
瞬間に、彼の顔が「かぁぁ」っと染まっていく。
そんなつもりでは無かったけれど、彼の様子を見て自分で何を言ったのか理解した私は、
彼につられて赤面する。
は、恥ずかしい〜!
トントントン、とネギを刻む音が台所に響き渡る。
常盤台の寮では食事は食堂でとるため、こんな風に朝食を作る機会はない。
だから、料理をするのがこんなに楽しいなんて知らなかった。
ううん。それだけじゃない。
きっと、愛する人のために作るから楽しいのだろう。
こうしていると、まるで新婚さんみたいで―――
「きゃっ!!?」
―――何て事を思っていたら、急に彼が背後から抱きついてきた。
「ちょ、ちょっと! 危ないわよ! 包丁持ってんだから!」
「い、いや…その、すまん……エプロン姿のお前が可愛すぎて…つい……」
ばつが悪そうにそう答える彼だが、離れる気はないらしい。
「このまま…って、駄目でせうかね…?」
「だ、駄目じゃないけど……」
そんな風に頼まれたら、私が断れない事を彼は知っているのだ。
ずるいなぁ、もう…
「ごっそさん! はー、美味かったー!」
「お粗末様でした」
やっぱり、美味しいって言ってくれるのは嬉しい。作って良かったと心から思える。
彼の笑顔を見るだけで、私もお腹いっぱいになってしまう。
朝食が終わり、後片付けを始めようとすると、彼が食器を重ね始める。
「いいよ。後は俺がやっとくから、お前は寛いでてくれ」
せっかくなので、彼の言葉に甘える事にした。
と、同時に先ほどの仕返しをしてやろうと思いつく。
彼が洗い物をし始めた時、私は背後から彼に抱きついた。
「うえっ!!? な、ちょ、ちょっと!?」
「えっへへ〜。さっきのお返し♪」
正直ちょっと恥ずかしいけど、彼にお仕置きするためだ。仕方がない。
このまま抱き締め続けるのも個人的には構わないが、ここでちょっと私のイタズラ心が疼きだす。
今の彼の右手は、スポンジを装備したまま目の前のマグカップと格闘中だ。
つまり、今なら電撃が効く訳だ。
私は抱き締めている両手から微弱な電気を流す。あたかも低周波治療器の様に。
「!!? あ、あひゃ、きゃひひひひ! や、やめ、それ、俺、弱い、んだから!! あはははは!!」
彼が思わず笑い出す。勿論、これが弱点な事が分かっているからやったのだけど。
でもそこで思わぬ事態となる。
彼が私の手を振りほどこうとした時、足を滑らせ二人一緒に転倒する。
と同時に、上から食器用洗剤が落ちてきて、私達は洗剤の雨を頭から被る事となった。
忘れていた。彼が不幸体質だという事に。
な、何事もやりすぎは良くないって痛感したわ…
私の心臓は爆発しそうなくらいバクバクしていた。
頭から被った洗剤を洗い落とすために、私は浴室のドアを開けた訳だけど、
「何してんだ? 早く入れよ」
目の前にはタオル一枚で隠す所だけ隠した彼がいるのだ。
勿論、私もバスタオルでがっちりガードしているが。
洗剤は二人の頭に直撃した訳で、(とは言っても原因は私にあるけれど…)
お風呂でそれを洗い流すのは自然な流れだ。
とは言っても普通お風呂は一人で入るものであって、
当然どちらかが入っている間、もう片方は我慢しなくてはならない。
負い目も感じている事もあって、私は後でいいと言った。
しかし彼は、「いや、そのままだと気持ち悪いだろ? 気にしなくていいから一緒に入っちまおうぜ」
と言ってきたので、現在こんな展開を迎えている。
彼と付き合い始めて約半年になるが、一緒にお風呂に入るのは初めてだ。緊張しない訳がない。
「何恥ずかしがってんだよ。裸なんて今まで何度も見ただろ?」
「そ、それとこれとは違うのっ!!!」
大声でツッコんだ。
しかしせっかくの初・お風呂で一緒イベントだ。私だって出来れば楽しみたい。
なので私はこんな提案をした。
「ね、ねぇ。何だったら、私が洗ってあげようか? ほら! 元々私が悪い訳だし、お詫びとして……」
すると彼は、あっさりと答える。
「えっ? マジで? じゃあ頼むわ」
ワシャワシャと、その大型犬のようなツンツン頭を洗う。
触り心地は意外とふわふわしていて、見た目とのギャップにクスッと笑ってしまった。
それにしても…
(背中広いなぁ…やっぱり男の子だもんね……)
何と言うか、ものすごくドキドキする。見慣れた背中のはずなのに。
そんな事を考えながら洗っていた私は、
「な、なぁ。もういいんじゃないか?」
と彼に言われるまでポケーっとしていた。私は慌てて彼の頭をお湯で流す。
「じゃ、次は俺の番な。背中向けて?」
「えっ!? わ、私はいいわよ!」
「いいからいいから」
今度は私が洗われた。
ゴツゴツとした手が私の頭を優しく包む。意外なほど繊細な手つきにちょっと驚いた。
「女の子の髪は優しく洗わないと駄目だって、前に何かの雑誌でやってたからな。
…あれ? テレビだったか?」
言わなければかっこいいのに、と私はプッと吹き出した。
けれど、こういう少し間の抜けた所が彼らしいと言えば彼らしい。
ま、そんな所も含めて好きになっちゃったんだしね。
狭い浴槽に、私達は向き合って入っている。
けど流石にこの状態は気まずく、二人とも目を逸らしてソワソワしている。
それなのに、彼は容赦なくこんな事を要求してくる。
「な、なぁ…ちょっと足伸ばしていいかな…?」
「ふぇっ!!? あ、う、うん! どど、どうぞ!」
私と彼の足が絡む。
「な、なぁ…もうちょっと近づいていいかな…? 肩まで浸かれなくて…」
「ふぇっ!!? あ、う、うん! どど、どうぞ!」
私と彼の距離が縮む。
「な、なぁ…今度は―――」
「これ以上何させようってのよっ!!!」
うぅ〜……これじゃあまた「ふにゃー」しちゃうよぉ〜!
お風呂から上がった後も、何とも言えない微妙な空気が流れている。
体がぽっぽと温かいのは、さっきまで湯船に浸かっていたから…という理由だけではない。
それは彼も同じらしい。
沈黙に耐えかね、「コーヒーでも淹れようか?」と私が言おうとした瞬間、
袖を引っ張られ、ベッドの上に押し倒された。
「あ、あの…?」
「いや、その…何と言いますか……さ、先ほどからワタクシ非常にムラムラとしておりまして……
よ…よよ、よろしいでせうか…?」
彼からのお誘いに、私はコクリと頷いた。
もう……エッチなんだから………♡
f i n
「私とアイツの日曜日」 著:佐天涙子
あとがき
いやー! ネット小説って書くの初めてなので、うまく書けたか少し不安だったりします (;^_^A
でも感想とか聞けたら嬉しいです!
あ、ちなみに今回書いたカップルには実はモデルがいるんですよ。
小説の中に色々とヒントが出てますので、誰なのか推理するのも面白いかも知れません。
ではこの辺で〜♪
コメント一覧
1.通りすがりのお花畑 ★★★★★
素晴らしかったです佐天さん! 是非また書いてください!
2.通りすがりの変態淑女 ★☆☆☆☆
こんなのはフィクションですの! 実在の人物・事件・団体などとは一切関係ありませんのよ!!!
3.通りすがりの財閥令嬢 ★★★★☆
ま、まぁまぁでしたわね。ただその…さ、最後のくだりは少々ハレンチなのでは…?
4.通りすがりの妹10032 ★★★☆☆
ベッドシーンの詳しい説明を要求します、
とミサカは女性のモデルがミサカではない事に憤慨するのを忘れるほど
男性のモデルの方の濡れ場に興奮しています。
5.通りすがりのアオザイ ★★☆☆☆
え〜? ここで終わり〜? ヤってる描写は無いの〜? ミサカつまんな〜い。
6.通りすがりの女王サマ ★☆☆☆☆
ストーリー自体は別に悪くないんだけどぉ、モデルになった女の人に不快力があるのよねぇ。
7.通りすがりの自称悪党 ★★★★☆
いいンじゃねェのか? ガキにゃァ見れらねェ内容だけどよォ。
8.通りすがりのゲコラー ★★★★★
よ、良かったと思うわよ!? モ、モデルになった人たちも将来こうなったら…なんて……
べ、べべべ別に私は関係ないけどねっ!!? わ、私がそのモデルって訳じゃないしっ!!!
9.通りすがりの不幸体質 ★★★★★
普通に面白かった。けど結局モデルって誰だったのでせう?
以上です。
すみません…普通にイチャイチャさせられなくて本当にすみません……
ではまた。
>>208
いつも面白い短編GJです!
ネットで本名を晒す佐天さん大丈夫かw
そして安定の上条さんェ
なんだこのオチww
くぅ〜疲れましたかよw
>>208
おかしい、くまのこさんがこんなベタなイチャx2のわけがない!
→「著:佐天」で爆笑w
上条さんその感想で何故五つ星w
>>コスモスさん
『その後』を書こうとすると別のスレに書かねばなりません////←
コスモスさん家の上琴はまだお子さんが生まれていないんですね…
両家両親に加えて私も楽しみに待っていますよ♪
>>謎野郎さん
GJコールありがとうございます☆
さぁ最終戦はいかなる展開になったのか!?(期待する目)
>>くまのこさん
感想割愛されちゃった(苦笑)
クイズといいネット小説といい、くまのこさん家の佐天さんはなんだか
気が合いそうで私はとても嬉しいっす♪今度上琴応援会議をば←
>>我道&くまのこさん
…上条さんがキョドってる?まさか…御坂妹ならぬ上条弟でせう?(違)
では4連投回避のため即興SSを1レス投下します。
<とある夫婦の霜月祝日>
上条「ただいま…ふぅ」
美琴「おかえり。休日出勤お疲れ様」
今日は11月23日。忘れられがちではあるが勤労感謝の日で祝日である。
上条「ったく、なんで部活顧問でもない俺が休日出勤なんでせうかね…」
体育教師 兼 警備員の上条にとって、珍しく休日と警備員非番の日が重なり
愛する妻(美琴)と娘(麻琴)といっしょに一日楽しく過ごせる…ハズだった。
美琴「そうよね…黄泉川先生もなんで当麻ばっかり使うのかしらね。
私達(うち)の事情(コト)だってよくわかっているハズなのに…」
上条の母校 兼 今勤めている学校では現在、黄泉川が教頭をしている。
彼女の配慮によって部活顧問は免れているのだが、仕事の都合や
能力者の素行不良者が増えた等の事情もあり、彼女曰く「切り札」とされ
何かと問題が起きた時には急な残業や休日出勤を要求(おしつけ)するようだ。
上条「だよな…美琴が頑張ってくれているとはいえ、
麻琴もまだ小さいし、少しでも家事(こっち)手伝いたいのに」
美琴「いくら当麻が頼りになるからって、働かせすぎよね…」
その後、上条は風呂へ、美琴は上条の晩飯を準備。
(数十分後)
上条「ごちそうさまー。いつもながら美琴たんの作るご飯は最高ですよ」
美琴「喜んでくれるのは嬉しいけど…一体いつまで『たん』言うのかしら?」
上条「あー、あまりに美琴たんが可愛いからつい…」
美琴「可愛ッ!?////…もうっ、当麻ったら////」
危うく今洗ってる皿が落ちるところだった。まったく上条は
上条「…洗い物、手伝うか?」
美琴「ッ!?////(ちょ…顔近い近い!)…大丈夫よ。もう少しだから」
突然優しい顔が近寄ってきて慌て、危うく今洗ってるコップを(ry
上条「しかし今日は誕生日でもない割に俺の好物が多めに入ってたな」
と嬉しそうな上条。洗い物を終えた美琴も合流。
美琴「そりゃ『勤労感謝』の日だし、それに…」
上条「“それに”?」
美琴「当麻にはもう一働きしてもらわなきゃだし…」
いったい何をしろと言われるのかと身構えた次の瞬間、
美琴「実は、麻琴が今日『弟か妹が欲しいな♪』って、ね////」
と言い、美琴が上条に抱きついてきた。
数ヶ月後、麻琴を含む一家全員が笑顔になるニュースが
病院から帰ってきた美琴から伝えられたそうな。
以上、即興制作SSなので推敲不足などの荒い点はスミマセン(汗)
今度はくまのこさん家の佐天さんと合作したいでs(まだ言うかwww)
これからも上琴甘々SS大好きな皆様のために頑張ってまいります♪
そりゃ婚期逃して、完全な八つ当たりってやつだな
上琴とか作者に喧嘩売ってんだろ?カス条なんかインデックスでももったいねぇのに美琴とかふぜけんなよ
ふぜけん?
日本語にも不自由してるようなので、お勉強頑張ってくださいね
SS速報VIPで徹底的に叩かれてるファンの方かな?
なぜスルーできない
ここに上条さんアンチが来るのも珍しいな
アンチ美琴はまだ理解できるが、
アンチ上条さんは全く理解できんわ。
なぜスルーできない
自演だからスルー出来ないんだよ
そんな上琴なんかよりもハーメルンにはオリ主物で美琴ヒロイン物があるのになぁ
お勧めのなのがとある科学の無能力者っいう作品だ。
ご都合主義と主人公補正の塊のカス条よりよっぽど好感が持てるぜ
あーあーもう、みんなが構うから
調子乗って変な宣伝始めちゃったじゃんか
>>208
乙です。
内容もさることながら、最後の著者や誰だかすぐにわかってしまう
通りすがりの○○な皆さんもほほえましかったです。
投下された皆さんGJ
まあ、人気の有るキャラってアンチが必ずいますからね♪
どんな作品でもアンチのいないキャラって存在しないような気がする。
カエル先生にアンチがいるのは見たことないですww
みなさんぐっじょぶ!
>>久志さんGJ&お久しぶりです!
すんません…あの時は12時ちょっと前に出かける予定だったので……
「一働き」について詳しく!
こんだけラブラブなら、3人目とか4人目のお子さんも近いかも知れませんねw
短編書きました。ラスト微エロ入ってます。
約3分後に4レスか5レスです。
ふんふふ〜ん♪、と鼻歌を歌いながら第7学区の並木通りをかっ歩する少女が一人。
言わずと知れた常盤台の超電磁砲、御坂美琴だ。
彼女は今、庶民とは縁の無い高級デパートに向かって歩いている。
『たまたま』上条が「今月は赤字かも知れない」と愚痴っていたという情報を入手した美琴は、
これから『たまたま』デパートで食材を買い、
その足で『たまたま』上条の住む学生寮へ行って『たまたま』食事の用意をする予定だ。
「全くもう〜! 本当にめんどくさいんだから♪」
とてもそうは見えない。
と、その時だ。どこかでチリンと鈴の鳴った音がする。
何だろうと思い、美琴は音がした方に振り向いた。
すると一本の木の根元の土がこんもりと盛り上がっており、
「ミーコ」と書かれたアイスの棒が突き刺さっている。
タンポポのお供えと、形見と思われる首輪もそっと置かれながら。
「…鳴ったのは首輪【これ】…かぁ……」
首輪には鈴がついており、さっきは風か何かでそれが鳴ったのだろう。
名前が自分と似ているという事もあり、美琴はその場でしゃがんで合掌をする。
すると再び
鈴がチリンと鳴った。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
「……とうま? これは何なのかな?」
「焼いたちくわですが何か?」
「『何か?』じゃないんだよ! 今日の夕ご飯がちくわとお米だけってどういう事なのかな!?」
「しゃあねーだろ! 我慢しなさい!」
上条家の食卓がいつにもまして悲しい状況なのには二つ理由がある
一つは、先程説明したように金欠だからだ。
元々ギリギリでカツカツな生活だったが、今月は更に治療費【よけいなけいひ】も出費されているので、
非常事態となっていた訳である。
では何故、治療費を支払わなければならないか。それはもう一つの理由とも直結している。
上条は今、右手を骨折していた。
実は先日、車にひかれそうな少女を助けた(ついでに新たなフラグも建てた)のだが、
その時運悪く、ゴキリとやっちまった訳だ。
まぁ、彼の体が頑丈なのか医者の腕がいいからなのか、全治3日で済んだのだが。
ともあれ、ギプスと包帯で利き手【みぎて】が封印されている今の彼には、複雑な料理はできない。
かと言って外食しようにもお金が無い。
よって、白飯と魚の練り物のみという、竹輪定食【わびしいゆうしょく】が出来上がったのである。
泣くのは心の中だけで、せめて顔では笑ってやってほしい。
インデックスは納得していないようだが、どうしようもないのも事実なので、
しぶしぶ「いただきます」をする。
上条がスプーンでご飯をすくって食べようとした(左手だと箸が持ちにくい為)時、
玄関のドアをゴンゴンと叩く音がした。
チャイムがあるのにわざわざノックをするという事に若干の違和感を感じながらも、
上条はドアを開けて客人を迎え入れる。
「はいはい、どちら様でせうか?……って何だ。美琴か」
上条の目の前には、美琴が立っている。
しかしどこか、雰囲気がいつもと違うような気がしてならない。
「どうしたんだ? こんな時間に―――」
「うにゃっ!!!」
上条が言いかける前に、美琴がガバッと飛びついた。
そしてそのまま上条と一緒に転倒する形で勢い良く押し倒すと、
「にゃう〜ん♪」
と首をゴロゴロさせながら、上条の胸に顔をスリスリと擦ってきた。
あまりの唐突かつ訳の分からない、そしてありえない現象に、
上条はいくつもの疑問符を空中に浮かび上がらせた。
「とうま!? どうしたのかな!?」
誰かが倒れる音を聞き、何事かと心配してインデックスが駆けつけた。
だが心配してきてみれば、そこにはとうまと短髪が組んず解れつな状態が繰り広げられている。
なので彼女は再び同じ質問をする。
「…とうま? どうしたのかな…?」
ただし、ギラリと歯を光らせながら。
「いや! 俺にも何が何だか!!」
インデックスは、上条の膝の上で丸くなっている美琴をまじまじと(そしてイライラしながら)見つめ、
ある結論を出した。
「これは猫神なんだよ」
「猫神?」
頭に歯型がくっきりとついている上条は、禁書目録【このてのせんもんか】の意見に耳を傾ける。
「犬神や狐憑きと同じ『憑き物』の一種で、
死して生者に憑依する猫の霊魂…つまりは思念体の事を言うんだよ。
ただし必ずしも人に害するという訳でもなくて、例えば猫神を祀っている神社には―――」
「はいはーい、ストップストップ」
魔術的な話をさせると長くなる上に、上条にはチンプンカンプンなので、強制的に終了させる。
上条が知りたいのは、この状況を打破する為の解決方法だけなのだ。
「で、どうすりゃ元に戻るんだ?」
「う〜ん……呪い…みたいな物だから、以前みたいにとうまが右手で触れば治ると思うけど…」
「骨折【これ】じゃあなぁ……」
上条の幻想殺しは直接触れなければ発動しない。
つまり、ギプスと包帯で阻まれている今の状態では、いつもの様に幻想を殺せないという訳だ。
「他に方法はないのか? まぁ、いざとなったらギプス外すけどさ」
「多分、この世で何かやり残した事があると思うんだよ。未練がなくなれば自然と成仏するかも」
「未練ねぇ……」
膝の上で幸せそうにゴロゴロしているにゃん琴の様子を見るに、とてもそんな風には思えない。
「美琴自身はこのままの状態で危険はないのか?」
「それは問題ないかも。あまり悪い霊でもなさそうだし」
それを聞いてとりあえずホッとする上条である。
「じゃあとりあえず今日はウチに置いておくか。幸い明日は休日だし、何とかするのは明日にしようぜ」
暢気にそんな提案をする上条に、インデックスはガタッと立ち上がった。
上条的には大した問題ではないが、インデックス的には大問題である。
「ちょ、ちょっと待って欲しいんだよ!! そそ、それって短髪をウチに泊めるって事なのかな!?」
「いやだって、こんな状態で美琴を帰す訳にはいかないだろ?
確かに常盤台って門限とかに厳しいみたいだけど、その辺は白井がフォローしてくれるだろうし」
「私が言いたいのはそこじゃなくて!!!」
「じゃあ何だよ?」
本気でキョトンとする上条に、インデックスは怒る気力も失っていく。
「……もう、いいんだよ………好きにすればいいかも……」
「? お、おう」
上条はインデックスのついた大きなため息の理由が分からず、
とりあえずじゃれてきたにゃん琴の頭を撫でた。
「ほれほれ、こっちだぞ〜」
「にゃう! みゃう! …にゃっ!!!」
上条は今、ねこじゃらしを武器ににゃん琴と戦っている。
幸いこの部屋には「スフィンクス」という同居人…もとい同居猫がいる為、
装備品【ネコのあそびどうぐ】には事欠かない。
だがそのスフィックスさん本人は言うと、
「に゛ゃーっ!!!」
断末魔を上げている。
それもそのはずだ。彼は今インデックスに抱かれている状態なのだが、
その抱き締める力が尋常ではない。
どちらかといえば、×抱き締める → ○締め上げる である。
分かっているのだ。上条は猫の霊を成仏させる為に頑張っているのだと。
本格的な調査は明日だし、何が未練かまでは分からないが、
もし遊んであげる事で猫が満足してくれるならその方が断然早い。
それは分かっている。分かっているのだが、やはり気に食わない。
だって見た目的には、ただひたすら上条と美琴がじゃれあっているようにしか見えないから。
(我慢…我慢なんだよ……)
そう心の中で自分を言い聞かせながら、ますます両手には力が入る。
「に゛ぎゃーっ!!!」
というスフィンクスがギブアップする声も耳に入らないほどに。
「よーし、じゃあ次はボールな。ほいっ!」
上条がピンク色のカラーボールをひょいっと投げると、
「みゃっ!!!」
とにゃん琴が両手で掴んだ。
「おー! すげーすげー。いい子だなぁ〜」
なので上条は、にゃん琴の首を撫でて褒めてあげる。にゃん琴も、
「うみゅ〜……」
と気持ちよさそうな声で鳴く。
もう一度言う。見た目的には、ただひたすら上条と美琴がじゃれあっているようにしか見えない。
「やっぱり何か嫌なんだよっ!!!」
インデックスも我慢の限界を迎え、
上条の頭皮目掛けて、本日二回目となる噛み付きダイブを決行した。
小さな命【スフィンクス】が救えたのなら、犠牲になった上条の頭も浮かばれる事だろう。
夜も更け、明日に備えて早めの消灯をする。
にゃん琴を床に寝かせる訳にもいかず、インデックスと一緒にベッドで寝かせる事になった。
上条は勿論、いつものように浴槽だ。
にゃん琴は上条に懐いているが、さすがに一緒に寝る訳にはいかない。
なのだが……
電気を消して30分ほど経ったころだろうか。
浴室のドアをガリガリと引っ掻く音がする。まるで猫が爪を研ぐかのように、だ。
おそらく、にゃん琴が眠れずに遊び始めたのだろう。と、上条はそう考えていた。
明日は美琴を元に戻すべく、何かしらの事件に巻き込まれるであろう事を覚悟していた上条は、
せめて前日はゆっくり休みたいと思っていたが、このままの状態ではうるさくて寝るに寝られない。
仕方なく上条は浴室のドアを開けた。にゃん琴が遊び疲れて眠るまで遊び相手になってやろうとして。
なのだが……
浴室に足を踏み入れたにゃん琴は、何と言うか、妙な雰囲気だった。
荒い息使い、トロンとした目、上気した頬、乱れた服装【パジャマ】……
艶かしいというか艶っぽいというか色っぽいというか。
つまりこれは、
「もっ! もしかして発情していらっしゃるうううううぅぅぅぅぅ!!!?」
という事らしい。
猫には定期的な発情期がなく、それには個体差がある。
そして美琴に取り憑いたこの猫は、それが正に『今』らしい。
今思えば、妙に人懐っこかったのは発情前後に行う、「擦り付け」の行動だったのではないだろうか。
にゃん琴は上条に覆いかぶさり、強引に上条の服を破くと、
耳から首筋、首筋から胸へ、チロチロと舐め回していく。
これからナニするために、自分の匂い【フェロモン】を付けまくっている…のかも知れない。
「にゃう〜ん……」
と甘えた鳴き声で擦り寄ってくるにゃん琴に、紳士を自称する上条さんでも理性を保つのは困難である。
「お、おおお落ち着け美こt…じゃなくて……えっと…ってそういやこの猫の名前知らねーよ!!!
いや、今はそれ所じゃない!! とにかく落ち着いてくれえええぇぇぇぇ!!!」
「みゅ〜……」
猫に人間の言葉が解る訳もなく、にゃん琴は容赦なく上条の体を舐めまくる。
しかし何故急に?と疑問を持つのと同時に、上条はその答えかも知れないものを導き出す。
「ま…まさか……繁殖行動【これ】がお前の『やり残した事』…?」
インデックスは言った。未練がなくなれば自然と成仏すると。
しかしながら、もし上条の推理が間違っていたら……
いや、たとえ間違っていなくても、『それ』をする訳にはいかない。
仮に問題が解決したとしても、美琴本人に大きな『傷』ができる。
それはもう、一生をかけても償いきれない傷になること請け合いだ。
というか、色々な意味で新たな問題を引き起こすだろう。
だが一考できる余裕はなさそうだ。
にゃん琴の舌は、徐々に上条さんの下半身へと向かっている。
先程上条は「いざとなったらギプスを外す」と言ったが、今がその『いざ』である。
上条は包帯とギプスを無理やり剥ぎ取る。
右手にズキリと鈍い痛みが走るが、気にしている暇もない。
そして骨折した右手でにゃん琴の頭に触れながら、
「悪霊退さーん!」
とベタな掛け声で叫ぶ。霊能力などないくせに。
するとにゃん琴が、
「ぎにゃっ!!?」
と一言鳴き、体をビクンと仰け反らせる。
そのままヘナヘナと力が抜けた様子で、上条にもたれかかった。
「あ…れ…? ここ…は?」
「よ…よう、美琴」
無事にゃん琴から美琴に戻ったらしく、彼女は頭をふらつかせながら周りを見渡す。
やれやれだ。
右手の痛みがぶり返してきた。完治が少し延びてしまったかも知れない。
だがまぁ、これで何より……
という訳にはいかない。
美琴は取り憑かれてから今までの記憶はないらしい。
つまり、目が覚めたら『今の状況』だったのだ。
さてここで問題だ。
状況1、真っ暗な部屋。
状況2、下に敷かれた布団。
状況3、服装が乱れて半裸状態の男女。
状況4、上条に寄りかかる自分。
状況5、自分の頭に優しく触れている右手。
状況6、上条の体中をてらてらと光らせる唾液の跡。
以上の事から、何も知らない少女は『何が起こった』と想像するだろうか。
「は…えっ……な………ふ………」
美琴の顔が目に見えて赤く染まっていく。
上条は慌てて片手を上げて制する。
「ちょ、ちょっと待て美琴! 今から何があったのか一から全部説明すっから!!」
だがこの一言がとどめとなった。
『一から全部説明する』というのは、美琴からしたらつまり―――
この直後、美琴は人生最大級の「ふにゃー」をした。
後に残されたものは、全壊した浴槽とその弁償代。
全治10日まで延びた上条の体(右手の骨折に加え全身の感電)。
この騒ぎで起きて駆けつけたインデックスの噛み付き100連発。
膨大な時間をかけて解かなければならない誤解。
そして最後に、解いてもなお取らなければならない、上条の『責任』…であった。
以上です。
ぶっちゃけタイトルオチなので、肝心の中身が疎かな気が……
ではまた。
くまのこさんとても良かったです。最近上琴になった者ですが、初スレでまさか投下に遭遇するとは思いませんでした
話はおもしろいのですがくまのこさんは〜でせうを使うのをお控えになったほうがよろしいかと
GJです!美琴かわいいよ!
しかしにゃんこは結局上条さんの右手によって成仏してしまったのか
ここはひとつ『やり残した事』をやって成仏バージョンをいちゃエロスレにですね…(ゲス顔)
まあ今回の治療費と弁償代は美琴が出すよな?(笑) 一から全部説明して誤解が解けたときは。
……誤解、解けんのかね?
「御坂さーん、今日はヒッヒッフーの日なんですって」
「な、なによそれ」
「元気な赤ちゃんが生まれるんですよ! 楽しみだなぁ、御坂さんの赤ちゃん」
「ちょ、私はまだ何もしてないわよ! それにそれを言うならいい夫婦の日でしょ」
「アレレ? 御坂さんどうして赤くなってるんですか? もう一度言ってみてくださいよー」
「いっ、いい夫婦の日」
「かわいいのう…フゥ〜フゥ〜、の日かぁ」
また連投になりますが、短編投下させていただきます。
何か自分ばっか書いてて、「ウザい」と思われないか心配です……
約3分後に3レス使います。
美琴はイライラしていた。
「とうまのバカ! いっつもいっつも!」
「痛いたいたいたい!!! 頭皮が! 頭皮がヤバイ事になってるから!」
先ほどからガジガジと上条の頭に噛み付いているのは、ご存知インデックスだ。
彼女は、上条と美琴が『ちょっといい感じ』になった時に、決まって邪魔に入る。
(その役どころは白井の時もあるが)
しかし、美琴もまた上条とインデックスが『何かいい感じ』になった時、
電撃をぶっ放して邪魔をするので「おあいこ」…と言えるのかも知れない。そう思っていたのだ。
だが、最近美琴は気がついたのだ。「これでは不公平ではないか」と。
美琴が邪魔をする場合、放たれた電撃は上条の右手によって打ち消されて終了だ。
しかしインデックスが邪魔をする場合、上条に抱擁した【とびついた】挙句、
粘膜接触【かみつき】までしているのだ。
こっちには何のご褒美も無いのに、あっちは勝っても負けてもイチャイチャ(?)できるのである。
美琴とインデックスの間に特に取り決めなどは無いが、これがいつしか暗黙の了解となっており、
二人とも今までは何とな〜くそのルールに従っていた。
だがそれが「不平等条約」だと気がついた美琴は、今現在、
噛み付き噛み付かれる二人を見つめながら、ただただイライラしていた。
嫉妬と怒りと、今まで損してきたようながっかり感が美琴を襲う。
(何よこれ…何なのよこれ!)
ぷるぷると震えながら、いつもの様にバチバチと帯電させる。
どうする。このまま電撃を放つか。
いや、それでは結局何も変わらない。右手で打ち消されて、上条の顔が引きつるだけだ。
ならばどうする。インデックスに本当の意味で対抗する為には―――
っと、ここまで考えて美琴の顔は真っ赤に染まった。
(いやいやいやいや!!! それは無理!!! だだだだってそんな大胆な事…で、できないし……)
頭をブンブンと振りながら、頭の中で葛藤する。
ツンデレのツンの部分が邪魔をして、中々デレを出させてくれないのだ。
だが行動に移さなければ、おそらくずっとこのままだろう。
気づかなければ楽だった物に気づいてしまったのだ。
もうインデックスが噛み付き、自分が電撃を放つ関係には戻れない。
あの日の私たちには戻ることができないのである。
美琴は勇気を出し、拳をギュッと握り、グッと顔を上げた。
そしてそのまま、インデックスが背後から抱きついているのに対し、自分は上条の正面に立つ。
何事かと上条もインデックスも、その状態のまま手(歯)を止める。
次の瞬間、二人は更に「何事か」と思う事となる。
「カプリ」、と音がした後、上条の首筋にじんわりとこそばゆい感覚が広がる。
何故なら目の前で、美琴が赤面しながらあむあむと甘噛みをしているから。
あまりの出来事に、インデックスはポカーンとしている。
「あ、あのぉ…み、美琴さん…? 何をしていらっしゃりやがりますので…?」
上条も訳が分からず、謎の日本語で聞き返す。
「う、うるふぁいわえ! (う、うるさいわね!)
ろうへアンラひはれんへきほかきからいんらはら、(どうせアンタには電撃とか効かないんだから、)
こうふりゅひからいれひょ!? (こうするしかないでしょ!?)」
甘噛みしたまま喋るもんだから、何かもう、半分以上聞き取れない。
いや、それよりも問題なのが―――
「ちょっ! 噛んだままもごもごすんなよ!! く、くすぐったいからっ!!!」
上条は何とも言えないゾクゾク感を味わっていた。このままでは、イケナイ扉が開いてしまいそうだ。
上条は両手を伸ばして美琴を引き離す。これ以上もごもごされると、色々とマズイ。
首筋から離れる瞬間、美琴の唇が「ちゅぷ」っと音を立て、
一瞬「何かエロいな…」と思ってしまった上条さんである。
「え、え〜っとだな……美琴、何で急にこんな事したんだ?」
改めて聞き返えされ、美琴はキッとインデックスを睨みながら答えた。
「だって!! その子ばっかズルイじゃない!! 私だってアンタに触れたいのに!!」
「とうまに触れっ!!?」
美琴に指摘され、今まで自分がしてきた事が、
客観的に見れば男女がイチャイチャしている様に見えていた事に気づくインデックス。
そしてそのままインデックスの顔も真っ赤に染まっていく。
ちなみに、勢いあまって美琴が「アンタに触れていたい」と告白めいた事を口走ってしまったが、
上条はこれを、
(つまり電撃が効かないから、直接攻撃がしたいって事か?)
と勝手に解釈【かんちがい】していた。死ねばいいのに。
「いやでも…できれば噛むのはやめていただきたいのですが……」
「何でよ!! あの子ならいいのに…私じゃ……私じゃ駄目って言うの!?」
「いや、そもそもインデックスにもやめてほしいんだけど、それ以前に美琴の場合噛み方がな……」
インデックスの場合、思いっきりかじる為「痛い」で済むが、
美琴の場合、羞恥心がブレーキするのか甘噛みとなり、何か変な感じになってしまう。
毎回これを食らったら、ものすご〜くモヤモヤする事だろう。
「な、何よ! 言いたい事があるならハッキリしなさいよ!」
が、それを言葉にするのは難しく、うまく説明できない。
なので、
「じゃあちょっと実践すっから、首出して?」
「……へ?」
上条も同じ事をした。
「カプリ」、と音がした後、美琴の首筋にじんわりとこそばゆい感覚が広がる。
何故なら目の前で、上条があむあむと甘噛みをしているから。
「なっ!!? なな、なああああ!!!?」
「ほあら? (ほらな?) ふんげぇくふぐっはいらろ? (すんげぇくすぐったいだろ?)
まいふぁいこえやられうほは、(毎回これやられるとさ、)
はふぐぁりひょっほはじゅかひいっへいうか……(さすがにちょっと恥ずかしいって言うか……)」
甘噛みしたまま喋るもんだから、何かもう、半分以上聞き取れない。
いや、それよりも問題なのが―――
「ちょちょちょちょちょっと!!! 噛んだままもごもごしないでよ!!!
あ、だめ…そこ、は…弱いんだ、から……はっ!? ひゃう………んんんっ!!!?」
美琴は『そういう意味での』ゾクゾク感を味わっていた。このままでは、イケナイ事になってしまう。
美琴は両手を伸ばして上条を引き離す。これ以上もごもごされると非常にマズイ。
首筋から離れる瞬間、上条の唇が「ちゅぷ」っと音を立て、
「ビクン!」とする美琴ちゃんである。完全にプレイじゃん、もう。
美琴はハァハァと荒い息を吐きながら、その場で「くたぁ」っとへたり込みそうになる。
上条は慌てて彼女を抱きかかえて支えるが、
その行動が今まで黙って見つめていたインデックスの神経を逆撫でする事となる。
「とうま! ちょっと短髪にサービスしすぎなんじゃないのかな!?」
「サービスって何だよ」
本気で分かっていない鈍感男に再びカチンときたインデックスは、
もう一度噛み付くために大口を開けて飛び掛ろうとする。
が、飛んだ瞬間に先ほどの美琴の言葉が頭をよぎる。
今まで自覚が無かっただけに、一度意識してしまうと恥ずかしさが一気にこみ上げてくるのだ。
インデックスは顔を赤くしながら失速していく。
上条も「またか!」と思い身構えていたのだが、
いつもの…というかさっきのように頭目掛けて飛びついてこず、ポスンと背中を押された。
インデックスとしては、ジャンプしたはいいがそのまま抱きつくのを躊躇い、
行く先を失った両手が辿り着いたのが上条の背中だった訳だが、
そんな事が上条に理解【そうぞう】できるはずもなく、
「よく分からないけど、何か急に後ろから押された」状態である。
それは不意の出来事であり、「噛み付き」に対しては身構えていても、
「押し倒し」に対しては何の準備もしておらず、上条はそのまま、あっけなく体勢を崩し転倒する。
美琴を抱きかかえたままで。
ご期待通り、上条は美琴を押し倒しながら床に転がる。
その時、どうなればそうなるのか、本当はわざとやったんじゃないか、
とツッコミたくなるような状態で二人は絡み合っていた。
具体的には、美琴の右手は上条の腰へ、美琴の左手は上条の頭へ。
上条の右手は美琴の左肩へ、上条の左手は美琴の背中へ。
そして極めつけがこれだ。上条の口が、
「ひゃうんっ!!?」
美琴の左耳を「はむ」っとくわえていた。
口内に違和感を感じた上条は、舌を動かしてみたのだが、
「はひゃっ!!!」
という美琴の断末魔【あえぎごえ】で、何をくわえていたのか何となく理解し、慌てて起き上がる。
「え、えっとスマン!!! あ、いや、一緒に転んじまった事もそうだし、
その…なんだ……と、とにかく色々悪かった!!!」
白井や五和が見たら、確実に卒倒するであろう。
この場において、今の状況に納得しない人物が一人いる。
インデックスはイライラしていた。
もう恥ずかしいとかどうでもいいとさえ思えてきた。
もういい。噛みたいから噛むのだ。
一方、この場において、今の状況に限界を迎えている人物が一人いる。
美琴はいつもの様にバチバチと帯電させる。
我慢できない物は我慢できないのだから仕方が無い。
もういい。ぶっ放してしまえ。
「とうまーーー!!!」
「ふにゃー」
結局最後はいつも通り、インデックスからの噛み付きと、
美琴からの電撃【ろうでん】を食らう事となったのである。
「落ち着けお前らああああ!!! つか何で毎回こんな事になるんだよ!!!
だぁ〜もう!!! 不幸だああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
以上です。
せっかくの「いい夫婦の日」なのに、関係ない話ですんません。
ではまた。
>>244
いやいい夫婦じゃないんですかねぇ…うん「死ねばいいのに」つかもげろw
>>くまのこさん
だから、そこ詳しくしたら別のスレ行きになってしまいます////
…って、何この積極的な可愛らしい美琴たん!…いや片方は憑かれてるからですが
でもこういうのも良いですよね♪少なくとも私としては大歓迎です♪
では「いい夫婦」成分(?)はこっちで投下しておきます。
推敲不足即興文章ですがこの後1レスです。
<上条夫婦が○○にお出かけです>
1月:初詣に行…く直前です
美琴「……ま、毎年の事なのに未だに慣れないのね、当麻は」
上条「美琴たんが可愛すぎるんです!////」
※美琴、晴れ着装備中 対上条連続KO記録更新中
2月:節分の豆を買いに行った帰りです
上条「…ところで、なぜ美琴が鬼のお面を持ってるんでせうか?」
美琴「私が被ろうかと。だって、当麻に豆ぶつけるの嫌だから」
上条「俺だって美琴に豆ぶつけるの嫌ですよ?」
美琴「じゃあ誰が鬼の役をするのよ?」
上条「誰って、うーん…」
※結局、鬼役要員として青ピが召喚されましたw
3月:雛祭り当日のスーパーで甘酒を試飲しました
美琴「ふにゃー♪////」
上条「み、美琴たん!?甘酒で酔うって弱過ぎやしませんか?////」
美琴「ふにゃー♪////」(←酔ったフリ)
※翌日、この光景を目撃した飾利と涙子にこっ酷く弄られました。
4月:お花見に行きました
美琴「当麻は花見ではお酒飲まないんだ?」
上条「あぁ、飲むまでもなく美琴の可愛らしさに酔ってるから」
美琴「そ、そうなんだ////」
麻琴「ママ、かおまっかー」
5月:子供の日に遊園地に行きました
美琴「わー!ゲコ太だゲコ太!!」
麻琴「げこたー♪」
上条(ゲコ太好きは相変わらずなんですね…)
浜面(ぐ…理后とのデート代稼ぐためのバイトで気ぐるみ着てたら大将たちに遭遇だと!?)
6月:雨の日に美琴たんが上条さんのお迎えに行きました
上条「…あれ?なぜ傘は一本なんでせう?」
美琴「だ、だって当麻と相合傘したいんだもん////」
上条「ったく…ほら、もうちょっと寄ってこないと濡れてしまいますよ美琴たん?////」(←抱き寄せる)
美琴「!…あ、ありがとう当麻////」
7月:海の日だけど学園都市は海がないのでプールに行きました
上条(ちょ、いくら混んでてはぐれるとマズいからってくっ付き過ぎですよ!
昔と違って豊かで柔らかいものが当たってます!当たってます美琴たん!!////)
舞夏「おー、相変わらずアツアツだなーあの夫婦はー」
土御門「あぁ、カミやんの慌てっぷりも相変わらずだにゃー」
8月:浴衣で花火大会を見に行きました
美琴「…なんで花火大会なのに私ばっかり見てるの?////」
上条「だってそりゃ花火より美琴たんが何億倍も綺麗だからに決まってますのことよ?」
美琴「そ、そう…ありがと////」
9月:住んでるマンションの屋上に月を見に行きました
美琴「あらら、麻琴もう寝ちゃった」
上条「ははは…なぁ、美琴」
美琴「ん?なぁに?」
上条「いつも美しい美琴が月明かりで更に美しくて、その…」
美琴「あ、そういう事ね////」
チュッ
10月:麻琴の幼稚園の運動会に行きました
(ざわざわ)(ざわざわ)(ざわざわ)
美琴「…なんだか騒がしいわね」
上条「やっぱ『元常盤台の超電磁砲』が来たからでせうかね?」
美琴「うーん、でも当麻も今じゃそれなりに有名人だし…」
周り全員の心(あんたら夫婦の桃色空気が子供たち以上に目立ってるんですよ!)
11月:麻琴の七五三です
麻琴「パパー♪」
上条「お、着付け終わったんですな」
美琴「うん、すごく可愛く出来たでしょ♪」
上条「あぁ、さすが美琴たん。娘を可愛く着付けするのも上手いし、
美琴たん本人の七五三当時の写真もすごく可愛らしく写ってて――」
美琴「ちょ!その写真いったいどこから――ってママ(美鈴)か!まったくあの母親ー!////」
12月:クリスマス、イルミネーションの光る中、ご帰宅中です
美琴「綺麗ね…覚えてる?あの時の帰り道もそうだったわよね」
上条「あぁ、俺からのプレゼント抱えた美琴と一緒に帰ったクリスマスですな」
美琴「うん♪…ってよくわかったわね」
上条「いや、だってそりゃ、そのゲコ太抱えてる姿が当時とモロかぶって――」
美琴「こ、これは麻琴へのプレゼントでしょ!!////」
上条「…では、なぜ2つあるんでせう?」
美琴「い、良いでしょ自分用の棚に飾る用のゲコ太人形の1つぐらい!////
それに抱き付く用のゲコ太人形は昔も今もこれからもずっと
あの時当麻から貰ったゲコ太なんだから////」
上条「そ、そんなに大切にしてくれてるんですね美琴たん////」
美琴「う、うん////」
以上、もちろん12月で触れている「抱き付く用のゲコ太人形」とは
ずっと前に私が書いた例の長編で上条さんが手作りしてたアレです。
くまのこさんと違ってギャグ混ぜるの下手で面白くない文章ですが
甘味料は出来る限り混ぜ込んでおきましたのでご容赦下さいませ(汗)
>>久志さん
GJです
なにこの思わず爆砕したくなるバカップルw
いいぞもっとやれww
爆発しろよ!
そしてもっとやりなさい!ww
打ち止めと一方通行が子供を作りたいけど打ち止めは体が弱いから
美琴の胎内で、打ち止めの子供を受精卵の状態から育てる事になったけど
でも同時にそれは一方通行の子供でもあるから、美琴は板挟みになって悩んでしまう
そんな美琴を上条さんが必死に支えるという話を希望します
苦悩する美琴を描けって事?その発想自体が理解に苦しむんだけど。
なんで美琴がそんな思いをして一方通行の子供を生まないといけないわけ?
要は上琴を装った電磁通行書けって事かな?
>>252
電磁通行とかハッキリ言ってblのカップリングと同じくらい気持ち悪いです
ただ、
妹達と一方通行と打ち止めの事で板挟みになり悩む美琴と
フォローして支える上条さんが見たかっただけでしたが
確かにこれでは只の気持ち悪いゲテモノcpですね
本当に申し訳ありませんでした
追記です
実際に自分の卵子とパートナーの精子を受精させて
他の女性の子宮で育てるというのを思い出したのでこのネタを提案しました
ただこのような妊娠ネタは人に気分を害しやすい上に
さらに、電磁通行の要素が絡む事を考慮に入れなかった自分の軽率な発言により
このスレの雰囲気を壊してしまいました
たった一言で他人の気分を悪くする事を認識しつつ、以後自粛します
何かキモい…
普通の明るいラブラブイチャイチャが読みたい>清涼剤に
悲劇要素のある上琴もいいけど、基本、美琴が不幸になるもんなんか楽しむ為の娯楽で読みたくない
>>255
自分のせいで本当にゴメンな
マジで死ねばいいのにと思ってしまった俺はどうすればいい?
べつに好きな妄想すればいいけどこのスレじゃないよな〜
あと>>257 はレスしなきゃ良かったんじゃね
・クレクレ(こうゆうのを書いてください)等はやりすぎに注意。
>>256 はこの注意書きちゃんと読んでなかったでしょ 次から気をつけてね
>>258 ,>>259
はい、以後気を付けます
一回謝っちゃったら、謝り続ける必要はないよ
むしろ話題引き摺るからその話題は終了して、次回からのレスに気を付けてね
皆さん甘くて甘すぎる上琴が書けていいなーと思う今日この頃。
お久しぶりです。
>>久志さん
いいですねー、こういう家族もの。GJです!
さて、今回も1レスだけの小ネタですが投下します
2年という月日はあっという間に過ぎてしまうものだ。
ついこの間まで中学2年生だと思っていた知り合いの女子は高校生だ。上条だって高校3年生。自身の進路へと向かい始める時期である。
「ただいまー」
季節は冬。上条もまた、朝布団から出るのも億劫となる寒さを我慢して、学校へ行き受験勉強に励む学生の1人だ。もしかしたらやりたいことが見つかるかもしれない。そう考えて大学への進学を決めたのだ。
「おかえりとうま」
迎えてくれたのはインデックスである。居候である彼女とも短くない仲だ。2年前と比べても落ち着いているし、随分と大人っぽくなっている。相変わらず機械全般は苦手だが事あるごとに驚くことはなくなったし、、洗濯や掃除などの家事をするようにもなったし、平仮名だけだった手紙にも漢字が増えた。
上条は鞄を置いて床に腰を落ち着けて、ふとあることを思い出していた。
「……とうま、最近本当につまらなそうな顔してるんだよ」
「ん、そうか?」
そういえばここ数日、暇さえあれば同じことを考えていたかもしれない。と上条は気づいた。
とりあえず、気のせいだろ。と誤魔化すとインデックスはそこで話をやめ、不思議そうな顔をしながらも彼と同じように床に座る。
夕飯を作る時間でもない。また暇が出来て、漫画読む気分にもならず、また同じことを考えてしまう。
(御坂、最近何やってんだろうな)
半年以上、彼女とは会っていない。前は学校へ行く途中の道で会い、世間話をしながら分かれ道でまた別れる。放課後だって帰り道や休日に会うことがあった。
しかし、美琴が中学3年生となってからはその機会も減っていった。彼女も高校へ進学するための勉強で忙しくなったのだ。
彼女が無事に合格し進学すると通学路も、買い物をする場所も違くなった。特に理由もなく彼女にメールをするのもどうかと思っていたせいもあり、2人の距離は離れていってしまった。
なんとなく美琴に会いたいとは思う。だが、なぜかこちら側から連絡をする気にはなれなかった。
美琴が電話くれたらいいのになー。などと勝手なこと考えていると、電話のアラームが鳴った。
(嘘……、だろ)
珍しく神様が微笑んでくれたのか、相手は件の御坂美琴。実に10ヶ月ぶりの会話となる。
焦って携帯を落としかけたが、何とか鳴り終わる前にでることが出来た。
『あ、あの……久しぶり』
たった一言だけだったけど、声は大人らしくなり落ち着いていたけれども、まだ中学生だった頃の美琴を思い出させた。
まるで数年ぶりに幼馴染と最会するかのような感覚に陥ってしまう。
この会話をインデックスに聞かれたくない。2人だけの物にしたいと、そう思った。
上条は立ち上がると、走って脱衣所に入り、バタンッ!!と、力いっぱいに扉を閉めた。
「ひ、久しぶりだな。今日はどうしたんだ?」
「それなんだけどね。――――」
その会話がどんな内容だったのか。
また今後2人にどのような影響を与えるのことになるのか。
それは他の誰も立ち入ってはいけない、2人だけの秘密だ。
以上です。いつも短く申し訳ございません。なるべく長くなるように善処は致します
くまのこさん、エロも書いて下さい///何この微エロなのに二人に漂うフェロモンぽさ!!
久志さん…イチャイチャしてるのに何で通常運転だね、と上琴なら当たり前感てかほのぼのすらしちゃってます
ナチュラルですねw
わぁ〜い、はりねずみさんてば
よっこのスレ焦らし!
一気に待ち遠しくなっちゃったじゃないですか
早く続き読まして下さい!!
はりねずみさんGJです
いい雰囲気出てるなぁ…
あああああああああ忙しくて死ぬううううううう
どうも、・・・です。
やっとこれたよ。
感想は……くまのこさん、多いのでシブのほうにさせていただきます。
はりねずみさん
>>160
頑張ったミコったん!! ん? 一日中? カミやんがインさんに噛み殺される!!
>>264
1話だけの小ネタ? そんなことないですよねぇ(笑)
謎野郎さん
>>163
半分くらいわからんが、ニセコイと重ねるのはしゃーない(笑)
>>174
これで終われると思うなよ(笑) 続きor次回作はよ!!!
久志さん
>>167
ああ、うん、あれだね、只の時系列だね、来年と再来年の新刊の内容ね
>>214
ああ、うん、あれだね、只の時系列だね、再再来年の新刊の内容ね
>>248
ああ、うん、あれだ(略) もう次の巻でこうなってねぇかな!!!
コスモスさん
>>171
二週間店閉めてまで聖なる行為を……………………アホか!!!!!!
我道&くまのこさん
>>もう最高!! とりあえずエンデュミオンでどうでしょう!! 16までが遠い……
感想多い!!!!!!!
どんだけここに来れてねぇの!!!!!!!!!!
うう、辛い
とりあえず、いま長編書いてますが時間がない!!!
しばらくお待ちください。
小ネタです!!
それでは!!
「よーし!! 買い物楽しむぞー!!」
「お手柔らかにお願いしますよー」
「どう?」
「おう、似合ってる似合ってる」
「どう?」
「おう、似合ってる似合ってる」
「どう?」
「おう、似合ってる似合ってる」
「どう?」ビリビリ
「殺す気か!!」
「アンタが同じ反応ばっかするからでしょうが!!
ふざけんな!!」
「いや、全部似合ってたし、大真面目ですけど?」
「余計立ち悪い!!」///////////////
「どうゆうこと!!!?」
「お、あのマンガの新刊だ」
「あー前の巻でヒロインが怪物になって終わったやつね」
「これのヒロインが好きなんだよ」
「へー、わたしは主人公がかっこいいから読んでるかな」
「でもコイツ鈍感じゃん」
「そうなのよねー」
「あんなにヒロインがアプローチしてるのにさ」
「うんうん」
「あいつ全然気がつかないんだぞ!! 鈍感にもほどがある!!」
「うんう、ん?」
「ヒロインはツンデレなのにあんなに頑張ってるのにさー」
「……」
「少しは主人公も甲斐性うぉいひゃいいひゃいひゃひひゅんひょひひょとひゃん」
「ほっぺひっぱてってんの」
「ひゃんでー?」
「これはいるんじゃない?」
「目覚まし時計?」
「これがあればアンタの遅刻もなくなるんじゃない?」
「残念だがそうはいかない」
「どうして?」
「オレが最初に買った目覚まし時計は初日で5時間ずれていた。次に買った奴はどの電池も使えなかった。その次は鳴った直後にインデックスに容赦なく叩き壊されて、その次は魔術師の罠で木端微塵に「もうやめて、目から流れる液体が止まらない!!」
「……見て」
「ん?」
「『カルボナーラ風天然水 驚きの舌触り』だって」
「どこに向かうんだ学園都市」
「あ、携帯コーナー」
「ん? 変えどきなのか?」
「アンタのがね、もうボロボロでしょそれ」
「……いや、変える気はねーよ」
「なんで?」
「こいつとは今までどんな死地でも一緒にやって来たんだ」
「……」
「だから、コイツの寿命が来るまでは、変える気はないよ」ポロッ
「「あっ」」パッキーーン
「……」
「……」
「…………データだけでも、無事だと、いいなぁ」
「だ、だれか!! アイツの夢をまもってあげてぇぇぇええええ!!!」
「テレビにパソコン、洗濯機、
こういうところってなんかわくわくするのよね」
「オレはハラハラするな」
「なんでよ?」
「テメェのせいだよ」
「へ?」
「うーん、そうだなぁ」
「?」
「……今日もかわいいぞ美琴」
「ふにゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「ほらー!!! こうなるじゃん!! っていうかちょろ過ぎるよこの子!!!」
「このクローゼットいいわね!!」
「お前の服もあれから増えたよな」
「高校生とは違うんだよ当麻君」
(ようやく高校生レベルのセンスだとは言わない)
「1つはゲコ太ようで……」
「なん、だと?」
「……新しい携帯、いいじゃない」
「……ああ、そうだな」
「ほ、ほら、わたしのゲコ太携帯とおそろいの緑だし!!」
「……そうだな」
「『僕とおそろいは嫌なのケロ?』」
「……はは、ゲコ太ってそんなキャラなのか?
でも、元気出たよ、サンキューな、ゲコ太」
「『き、気にすることは無いケロ!!』」ポロッ
「「あ」」パッキーーン
「「ゲ、ゲコ太―――――――――――!!!!」」
「あー、落ち込むなよ美琴」
「……ゲコ太……」
「……ゲコ太買っていいから「ホント!!?」ああ、でも来年20才になる自覚を「このジャンボゲコ太ふたつください!!」持てよーー!! っていうかふたつ!!?」
「あ、歯ブラシ」
「ついでに買っとくか」
「オレは「赤」はわたしね」
「……」「……」
「普通男が青でしょ」
「青はトラウマが多いんだよ。じゃあ、白にするか」
「ぜったいにヤメテ!!」
「……いい加減に仲良くなれよ」
「しょうがない、じゃんけんよ!!」
「よっしゃあ!!」
「「ジャーンケーンポン!!」」
「あっ!!!」
「……今頃気づいたの? アンタがじゃんけんで勝てるわけないじゃない」
「ま、まさか」
「じゃんけんに乗った段階で、アンタの負けは決まってたのよ」
「ガクッ」
「このシングルベットください」
「ちょっと!! ダブルじゃないの!!?」
「お前がクローゼットふたつも買うからだろ!!!」
「で、でも!!」
「でも、シングルで二人か、狭いよなー」
「……これでいい」//////////
「へ?」
「新しい携帯はゲコ太じゃなくていいのか?」
「うん、アンタとおそろいの方がいい」
「……お前、ホントかわいいよな」
「にゃ!!? 急にニャに言ってんのよ!!」
「あー怒るな怒るな、」
「まったく」
「お、そういえば今度から美琴が直接起こしてくれるし、目覚まし時計はいらなかったな」
「……わたしが寝坊したらどうするのよ?」
「……二人して二度寝?」
「ふふっ、なーにバカ言ってんのよ」
「さて、今日は帰るか」
「そうね、引っ越しいつだっけ?」
「明後日」
「そっか、……ねえ当麻」
「ん?」
「幸せな家庭を築こうね!!」
「……そうだな」
以上です!!
いい夫婦に……間に合わせたかった……
>>久志さんGJです!
上条夫婦は、お子さんが産まれても変わらずバカップルで良かですなー。
糖分補給ありがとうございます!
>>はりねずみさんGJです!
えっ!? 続きは!? 続きはないんですか!?
1レスで終わっちゃうのは勿体無いですよ〜。2人だけの秘密もめっちゃ気になりますし〜。
>>・・・さんGJです!
ほのぼの夫婦もいいですな〜。
せまいベッドにしちゃうミコっちゃん可愛い!
小ネタ3本書きました。
6つのお題ったーで診断して(と言っても診断した日付はバラバラですが)
小ネタ一本につき2つのお題が使われています。
約3分後に、3本あわせて3レスです。
上琴への3つの恋のお題:たくさんの嘘とひとつの真実/出せなかった手紙/いっそ ころして
+
【上琴語り】2人の子供は何人でどんな子かについて語りましょう。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
ラブレター…それは自分の気持ちを伝える為に愛する人へ贈る手紙の事である。
メール全盛期のこの時代で、紙という媒体を使う手紙は徐々に見かけなくなってきたが、
それでもやはり手書きというのは気持ちを込めやすく、温かみのあるものだ。
そのラブレターがここに一枚ある。
宛名は「上条当麻」。差出人は「御坂美琴」である。
拝啓 最近めっきり寒くなってきちゃったわよね。本格的に「冬が来た!」って感じ。
さて、今回は急に手紙なんか出しちゃってごめんね。ビックリさせちゃったかな?
ほら! ここんとこ私、まともにアンタと会話できてないじゃない?
だけど手紙なら大丈夫かなって思って。
あっ! 勘違いしないで欲しいんだけど、別にアレよ?
アンタの事が好きになりすぎて、アンタの声を聞くだけでドキドキするようになっちゃったから、
会話もままならないとか、そんなんじゃないわよ? 本当だからね!
そりゃ確かに、一日中アンタの事を考えてる事もあるし、毎日アンタの夢を見てるけど、
それは全部、アンタがいつもトラブルに巻き込まれてるから心配になってるだけで、
別にアンタが好きだからとかそういうのじゃないから! いやホント違うからね!?
っと、そうそう。夢で思い出したんだけど、この前私とアンタが…その………
結婚……してるって夢見ちゃったのよね。
分かってるから! 現実じゃありえない事だって分かってるから!
だから今から語るのはその時の夢の内容で、私の将来の夢って訳じゃないから、
そこん所を頭に叩き込んでおいてね?
淡いピンクの部屋で、アンタが上の子と遊んであげてて、私は下の子におっぱいあげてるの。
そしたらアンタがこう言ったのよ。「なぁ美琴。もう一人くらいどうだ?」ってね。
それで私はこう言ったの。「うん、いいよ」って。
そこで目が覚めちゃったんだけど、本当にありえないわよね!
ありえなすぎて、起きた瞬間に熱出しちゃったもん。てか気絶した。
まぁつまり、長々と私が何を言いたかったかって言うと、
「別にアンタの事なんて好きでもなんでもないんだからねっ!」って事よ。
ホントのホントだからね!
薄着して寝て、風邪とか引くんじゃないわよ。じゃあね。 敬具
追伸 本当はちょっとだけなら好きって言えなくもな……やっぱ何でもない!
…ツッコミたい事が山ほどあると思われるが、ここはぐっと我慢してほしい。
御坂美琴にとってはこれが精一杯なのだから。
しかしながらこのラブ(?)レター、上条の下へと渡っていない。
深夜のおかしなテンションで書いたこの手紙、
翌日の朝冷静に読み返したらとても渡せる代物でないと気づく。
だがせっかく書いたものを捨てるのも忍びなく、
彼女はこの手紙を自分のバッグの中に入れておいたのだ。
では今もバッグの中にあるのか、と問われると実はそうではない。
今現在この手紙は、
「なるほどー…御坂さんは上条さんの声を聞くだけでドキドキしちゃうんですか。へー♪」
佐天涙子の手に握られている。
初春のスカートめくりと美琴弄りに定評のある、『あの』佐天にだ。
カバンの中に入っていたその手紙は、何かの拍子に落ちてしまっていたらしい。
それを偶然拾ったのが知人【さてん】だったのは、美琴にとって不幸中の幸いであり、
同時に踏んだり蹴ったりでもあった。
「夢の中で子供は何人くらいいたんですか? 将来的にはやっぱ3人くらい欲しいですか?
御坂さん似ですか上条さん似ですか? どうなんですかどうなんですか!?」
佐天は生き生きしながら問い詰める。
これに対し、美琴は両手で顔を覆いながらこう答えた。
「いっそ、ころして!!!」
原作そのままの設定で付き合っていないけど甘々な雰囲気の上琴の、漫画または小説を書きます。
+
美琴が上条に寒いね、と言うと同じコートに巻き込まれました。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
女の子は何で平気なんだろう、と上条は疑問に思っていた。
11月も半ばを迎え、日が暮れるのも早くなったこの季節。
冷たい北風がビュウっと吹くにも関わらず、目の前の少女・御坂美琴はミニスカートであった。
学校の制服だから、と言ってしまえばそれまでだが、それでも防寒対策はできるはずだ。
美琴も、本当はスカートの下にジャージを履いたりしたい
(スカートの下に短パンを履いても抵抗がないくらいだし)のだが、今はそれができない。
何故なら、隣に上条がいるから。
つまり、好きな人の前ではだっせぇ格好になれないのだ。ファッション>>>>>>>>>>防寒なのだ。
お嬢様としてのプライドはなくとも、乙女としてのプライドだけは捨ててはならない。
しかしやはり、寒いものは寒い訳で、美琴は「くしゅん!」と可愛らしいくしゃみをして、
「寒いね」、と漏らす。
やれやれ、と上条が見かねて、着ているコートのボタンを外す。
そしてそのまま……
「!? !!!? !!!!!!? な、ななな、何!!? 何してんのアンタ!!?」
そのまま美琴を巻き込んだ。
「こうすりゃちったぁ温かいだろ? ったく、女の子なんだから体冷やしちゃ駄目だろ」
言いながら、今度は美琴の肩に手を回しグイッと引き寄せる上条。
上条としては100%善意なのだが、
美琴にしてみたら嬉しいやら恥ずかしいやら、でもちょっとラッキーやら。
しかし一つ問題がある。
「ね、ねねねねぇ…もも、もしかしてこのままの状態で帰る訳…?」
この状態で歩くのはさすがに恥ずかしすぎる。
しかし上条はアッサリと返事をする。
「別にいいんじゃないか? 周りにも似たような人たちいっぱいいるし」
「そ、そそ、そりゃ確かにいっぱいいるけどさ!」
周りには一本のマフラーを二人で巻いていたり、仲良く手を繋いでいたり、
腕を組んでいる男女がチラホラいる。
しかしそれらはどう考えてもカップルであり、現在の上条と美琴の格好のそれも同じである。
「じゃ、行こうぜ?」
「う………うん……///」
勿論、上条はその事に気づいていない。
気づいていないが、今日だけは彼の鈍感さに感謝する事にした美琴であった。
いつもよりほんのちょっと、歩く速さを遅らせながら。
「朝の床の上」で登場人物が「抱き合う」、「長袖」という単語を使ったお話を考えて下さい。
+
上琴お題『冗談っぽく 羽交い締め。』
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
「う…ん……」
と御坂美琴は目を覚ました。
一緒のベッドで横になっている上条当麻は、まだ夢の中だ。
美琴は上条のほっぺをぷにぷにと突き、
「おはよー。もう朝よ?」
と優しく起こす。上条も目を擦りながら
「ん…? ふあ…ぁ……はよー」
と返す。
すると朝一番の美琴の姿を見て、上条は男として素直な感想を漏らした。
「………エロいな」
美琴はちょっと大きめの長袖のYシャツを着ている(というか、それ以外に身に着けていない)。
これは上条の私物であり、つまり二人は『ゆうへ゛は おたのしみて゛したね』だったのだ。
なので「エロい」という感想は非常に正しいのだが、
起きぬけにそんな事を言う上条にはおしおきをしなくてはならない。
「ア、アンタが着せたんでしょ!?」
と反論しながら、美琴は上条の背後から羽交い絞めを決める。
「ちょ、ギブギブ! 何で物理攻撃だよ!」
「だってアンタ、私の能力【でんげき】効かないじゃない!」
美琴の腕をタップしてギブアップしている事をアピールする上条だが、割とまんざらでもない。
背後から絞められているという事は、つまり、『あててんのよ』なのだ。
美琴も本気で力を入れている訳でもなく、要はお互いにじゃれ合っているだけである。
が、ベッドの上でふざけ合っていれば当然危険もある訳で、
「うぉあっ!?」
「きゃっ!!」
二人はそのまま床に転がり落ちる。
「いっつー! 大丈夫か美琴!?」
「う、うん。私は平…気…?」
気がつくと、抱き合っている体勢の二人がそこにいた。
おそらく、上条が無意識のウチに美琴を庇ったのだろうが、しかしこの状況は……
「あ、ご、ごめん。すぐ退くから!」
と起き上がろうとする上条を、美琴がギュッと抱き締め引き止める。
そしてそのまま頬を赤く染めつつ、目を瞑った。
「いや、あの、み、美琴さん!?」
「……………」
美琴は答えず、ただじっと待っている。これ以上、女性に恥をかかせる訳にはいかない。
上条もグッと身を乗り出し、そして、
「………んっ!♡」
唇を重ねた。
「こ、これでいいか…?」
「……………」
美琴は答えず、フルフルと首を振った。そして―――
「…スイッチ……入っちゃったかも………♡」
美琴のおねだり攻撃に、上条の理性はあっけなく吹き飛ぶ。
この後二人は『昨日の続き』をし始める事となる訳だが、
詳しく説明するのは野暮になるので、ここらで筆を擱こうと思う。
以上です。
何かお題に合わせるのに精一杯で、
オチとか色々疎かになっちゃった気が……
ではまた。
>>・・・さん
何気ない夫婦漫才みたいな会話がいいですね
思わず顔が綻んじゃいましたwGJ!
>>くまのこさん
なるほどこれは面白い、どんなお題が出るかわからない訳ですね
一つ目で笑って二つ目でにやにや、三つめでふにゃーってなりましたwGJ!
…ギャグ傾向強かった人が急に純いちゃラブ書いたり
逆に甘々中心だった人がシリアス長編を書き始めたら
どんな反応が返ってくるのかな…一応上琴成分ある前提で。
いいんじゃないっすかとしか
感想目的で書いてるんじゃないんでしょ?
わたしはどこに分類されますか(笑)
みなさんそれぞれ得意分野あるわけですし、
嫌な人は嫌でしょうね。
確かに感想目的ではないですが、モチベーションは全然変わりますよ。
覚えておられる奇特な方、お久しぶりです。初めての方、はじめまして。
ちょっとエロ表現あり。21時から9レス貰います。
wktk
-居酒屋-
上条「相談があるんだが」
浜面「大将が俺に?」
上条「ちょっと周りに聞ける奴がいなくてさ」
浜面「なんか頼られてる感じで嬉しいな。それで一体何の相談なんだ?」
上条「実は……セックスレスになったかも知れないんだよ」
浜面「マジ!?」
上条「ここ最近ずっと無くてさ。しかも最近距離を取られてる感じがするんだ」
浜面「そりゃ本当にレスかも知れねぇな」
上条「なんか嫌われるようなことしたのかと不安になってるんだ」
浜面「分かる……」
上条「分かってくれるか?」
浜面「実は俺のところもそうなんだよ」
上条「そうだったのか? 仲良くやってるもんだとばっかり」
浜面「仲良くやってる=セックスするってことじゃ無いんだよ」
上条「まぁそりゃそうですけど」
浜面「子供に一度見られ掛けたことがあってさ。あの時はプロレスごっこで誤魔化したけど、あれ以来一気に減ったんだよぉ」
上条「なんか知らんが、頑張れ」
浜面「今なんか年に2、3回だぞ? 週1になって、月1になって、3ヶ月に1回になって……」
上条「年2、3回か……」
浜面「しかも2回戦に行くことは絶対に無いし」
上条「えっ、何で?」
浜面「昔から理后は終わったらすぐ寝ちゃうんだよ」
上条「ん? じゃあもしかしてこれまでもずっと1回で終わり?」
浜面「おう。まぁさすがに今は何回もやる気力は無ぇけど、10代の頃はキツかったぜ?」
上条「昔ほどは無理だよな」
浜面「それで大将は最後にやったのはいつなんだ?」
上条「先週……」
浜面「…………は?」
上条「先週の日曜日だからほぼ2週間」
浜面「……ちなみにこれまでのペースは?」
上条「週3」
浜面「俺と大将は永遠に分かり合えない」
上条「さっきまでは分かるって言ってたじゃねぇか!」
浜面「ふざけんなっ!! 週3って何だ!? どこのラブラブ新婚カップルだ!?」
上条「だからその分、2週間も無かったらレスになったかと思うだろ!」
浜面「そう言うのはせめて月1になってから言え!」
上条「でもこの調子じゃ1ヶ月なんてあっという間だぞ?」
浜面「そりゃまぁそうだけど」
上条「これまで2連続で断られたことなんて無かったのに、昨日で3連続だ」
浜面「……なんかあったんじゃねぇの?」
上条「なんかって何だよ?」
浜面「例えば男が出来たとか」
上条「そんなことはあり得ない」
浜面「怖いからガンつけないで下さい」
上条「絶対にあり得ないからなっ!!」
浜面「分かった分かった。それじゃあ体調が悪いとか?」
上条「それも無いと思うけどな。休まず仕事に行ってるし」
浜面「そうでも無いとなると思いつかないぞ」
上条「俺も全然心当たりが無いんだよな。ある日突然だったし」
浜面「う〜ん。悪いな、力になれなくて」
上条「いやまぁいいよ。俺こそ悪かった。贅沢言ってたみたいで」
浜面「あんまりもう触れないで。悲しくなって来たから」
上条「とりあえず今日は飲もう。俺が誘ったんだから、俺の奢りでいいし」
浜面「マジで? じゃあガンガン頼んじゃおうかな」
-浜面家-
浜面「ってことがあってさぁ」
滝壺「そうなんだ」
浜面「まぁあいつらにも倦怠期が訪れたってことなのかね」
滝壺「はまづらは私も倦怠期になってると思うの?」
浜面「いや、そういう訳じゃねぇんだけど、そのもうちょっと仲良くしたいなぁ〜なんて」
滝壺「仲良くしてると思うけど」
浜面「そうじゃなくて、だからその夜に仲良くしたいってこと。ってことで今日はダメ?」
滝壺「…………ダメ」
浜面「左様ですか……」
滝壺「そう言えば先週、みさかがむすじめの病院から出て来るのを見たよ」
浜面「結標ってことは、産婦人科の病院から?」
滝壺「何か溜息吐いて、元気が無さそうに見えた」
浜面「産婦人科なのに溜息ってことは、本当に病気か何かなのか?」
滝壺「さぁ?」
浜面「学園都市の医療でも治せないくらい深刻だとか」
滝壺「考え過ぎだと思う」
-また居酒屋-
浜面「本当に病気かも知れないんだよ」
上条「……何で?」
浜面「うちの嫁が病院から溜息吐いて出て来たのを見たらしいんだ」
上条「それは本当に美琴だったのか? 妹達じゃなくて?」
浜面「嫁の能力知ってるだろ? 人違いはあり得ねぇって」
上条「産婦人科から出て来て溜息ってどういうことだよ!!」
浜面「俺に怒鳴られても知らねぇよ!」
上条「……悪い」
浜面「もしかしたら不治の病だとか」
上条「不治の病って……」
浜面「断っとくけど、仮定の話だぞ。ただ、そうじゃなきゃ病院から溜息吐いて出て来るとは思えねぇし」
上条「そんな……」
浜面「もしかしたらそれが大将に言い出し辛くて、距離を取ってるのかも」
上条「確かに思い当たる節がある」
浜面「例えば?」
上条「ちょっと前、腹の辺りを抑えてたんだよ。腹でも痛いのか?って聞いたら違うって言われたけど」
浜面「なんか臓器系の病気かも知れねぇな」
上条「どうしたらいいんだよ。不治の病なんて」
浜面「……分からねぇ。俺だって理后がもしそうなったら、と思うと冷静でいられる自信が無い」
上条「頭の中がグチャグチャだし、何を言えばいいか分からねぇよ」
浜面「でも向き合うしかねぇだろ? 夫婦なんだからさ」
上条「夫婦か……」
浜面「辛い時も苦しい時も一緒にいるのが夫婦だ」
上条「……そうだよな。目を逸らしていても始まらないよな」
浜面「おう! 逃げても問題は解決しないなら、立ち向かうしかねぇ!」
上条「サンキュー。なんか吹っ切れた」
浜面「お役に立てたようで光栄だ」
上条「じゃあ悪いけど俺もう帰るわ。金置いとくから」
浜面「一杯も飲まないのか?」
上条「やると決めたんだから、今すぐ行動だろ」
-上条家-
上条「ただいま!」
美琴「おかえり〜。随分早かったわね」
上条「美琴……ちょっといいか?」
美琴「う、うん。どうしたの、そんな真面目な顔して?」
上条「お前さ……俺に何か隠してるだろ?」
美琴「えっ?」
上条「知ってるんだよ、病院から出て来て落ち込んでたこととかさ」
美琴「な、何で……」
上条「そりゃ夫婦でも隠し事はあるさ。でも、そういう大事なことは隠しっこ無しだ」
美琴「あぅ……」
上条「俺の心構えは出来てる。言ってくれ」
美琴「その心の準備が……」
上条「どんなことがあろうと俺は美琴を愛してる!」
美琴「と、当麻。私も当麻のこと愛してる!」
上条「俺たちは夫婦なんだから、一緒に立ち向かおう」
美琴「う、うん」
上条「教えてくれ」
美琴「実は閉経……しちゃったみたいなの……」
上条「…………………………は?」
美琴「もう当麻との赤ちゃんが産めないかと思ったら私……」
上条「ちょ、ちょっと待って」
美琴「ふぇ?」
上条「あの……何か病気になったとかじゃ無いの?」
美琴「……病気なんてなって無いわよ?」
上条「不治の病とかは?」
美琴「誰が?」
上条「いや……すまん。上条さんの勘違いだったらしいです」
美琴「もしかして私が不治の病にでも掛かったと思ったの?」
上条「はい……」
美琴「ぷっ……あはははははは」
上条「笑うなよ」
美琴「だ、だって……あははははは」
上条「そ、そういう美琴だって閉経程度で思い悩んでさ」
美琴「閉経程度!? 私にとっては人生の一大事よっ!」
上条「と言うか美琴たんはまだ子供欲しかったの!?」
美琴「美琴たん言うな! 当麻との子供なら一万人いてもいいわよ!」
上条「さすがに一万人はちょっと……」
美琴「もう、こっちは清水の舞台から飛び降りる気持ちで告白したのに」
上条「でもまぁ良かったよ」
美琴「え?」
上条「美琴が死んじゃったら、上条さんも悲しくて死んじゃうかも知れないし」
美琴「え、えへへへへへへ」
上条「久しぶりに漏電してるぞ!?」
美琴「ふにゃー」
-またまた居酒屋-
上条「ってことだった」
浜面「お、おう」
上条「騒がせて悪かったな」
浜面「あ〜まぁ病気じゃなくて良かったよ。それにこっちこそ不安煽るようなこと言ってすまん」
上条「いいって。最初から直接聞いていれば良かったんだし」
浜面「つーか大将のところも孫いるよな?」
上条「ああ。でもやっぱり孫と子供は違うしさ」
浜面「そりゃ分かる。孫には無責任になりがちだからな」
上条「可愛い可愛いって甘やかしてればいいから楽だ」
浜面「それより実は俺と理后がレスじゃ無くなりそうなんだ」
上条「マジで?」
浜面「あんなアドバイスしたしさ、俺たちも話し合ったんだよ」
上条「それで?」
浜面「歳取ったから俺にあんまり見られたく無かったんだとよ」
上条「そういう理由だったのか」
浜面「もうその場で押し倒したわ」
上条「お前も新婚とか人の事言えねぇじゃねぇか」
浜面「なんだかんだで俺たちって」
上条「嫁が好きなんだよな」
終わり
約2年4ヶ月ぶり、part17以来でした。
今回のSSは以前書いた大家族SSと同一世界設定なので、子供は15人、孫は10人という感じを想定しています。
そしてテーマは上琴に倦怠期など存在しない、いつでもラブラブ新婚カップルというもの。
50代になってもふにゃっちゃうのが美琴たんクオリティ。
それと、あわきんは能力活かして産婦人科医という設定だったりします。
連投失礼。読んで下さった方ありがとうございました。
感想頂けると嬉しいです。
乙です
上琴は中年でもお元気ですね
>>293
書き手さんがひょこっと戻ってきてくれるのは嬉しい限り
上琴夫婦はさすがというか体力あるからなぁ二人とも…w
とてもGJでした!
二人とも上条さんになったのに、自称が上条さんのままになるのだろうか
上条さん1号(当麻)と上条さん2号(美琴)ですね。
で、仮面ライダーとは逆に
“力の1号”“技の2号”になるんですね。
わかります。
え? あってるけど
どーでもええわ(笑)
ぴぃさんの設定だと自称上条さんは十人以上なんじゃ…w
相変わらずラブラブで可愛い?お話でした///
どーも、・・・です。
まずは感想というか、なんというかを
くまのこさん
>>274
「お、御坂もいたのか、で、佐天さん用ってなんだ??」
「!!!!???????」////////
「ニヤァ」
>>275
「いろいろ寒いにゃー」
「せやね。ん? あれはカミや……」
「「なん、だと?」」
>>276
くまのこさんの上琴が、ただ、いちゃいちゃしている、だと……(笑)
すんばらしいじゃないですか〜〜〜!!
「で、その後どうしたんですか? 早く吐いて楽になった方がいいですよ!!」
「いっそ、ころして!!!」
>>ぴぃさん
仮面ライダーとかどうでもいいわ!!
くだらないだろうなと思ってたらやっぱくだらなかった(笑)
あの運動会大好きです!! 子供もキャラ立ってたし!!
「……ホンット心配して損したわ。って聞いてんの統羽?」
「兄を呼び捨てにするな。つまり、この忙しい時に麻琴がかけて来た電話の内容をまとめると、『パパ大好き』ってことでいいか?」
「誰がっ!!!」//////////
他の方もひょっこり顔出してくれないかな?
さて、投稿します。
今までにないくらい長編になりそうな予感。
しかも忙しいので亀更新になりそうな予感。
それでもよければお付き合いください
シリーズタイトルは「育児日記」です。
それでは
日差しが暑い。
自身の寮の部屋の前で上条は顔をしかめながら重い口を動かした。
「あー、夏だねぇ、暑すぎて俺の頭もいかれたらしい」
「いや、カミやんの頭はもとから素晴らしい感じにぶっ壊れてるぜよ」
「やかましい!! とりあえずこの惨状の説明をもう一回しろってんだ!!」
「魔術師に攻められた〜〜」
「それだけで済ます気か!! まず、この部屋は!!?」
失礼、先ほどの表現を修正せねば、もうこれを『寮の部屋』と表現するには無理がある。
「ただのボロボロ黒ずみ空間になっているじゃあーりませんか!!!!」
「イッツ、マジックイリュージョン!!!」
「だからやかましい!!! もういいよ!!!」
実は、彼にとって部屋の問題は 二の次だった。
「……もう一度聞く、インデックスはどうなった」
魔術師の目的、
おそらくは、インデックス、『禁書目録』。
静かな空間が生まれる。
土御門は表情を殺し、自室に戻ってそれを抱えてきた。
それを見て上条は言葉が発せられなくなる。
現実を受け入れることができない。
土御門の発言を聞き、バカらしいと一蹴した事実が、
そこに、存在していた。
「だぁ〜〜〜〜〜ぶ〜〜〜」
赤ちゃんがいた。
銀髪碧眼のかわいらしい女の子がいる。
「だぁああああかぁああああらぁああああ
どうしてそうなったんだよぉおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「その魔術師と同じ組織の奴がイギリスの遠隔制御霊装に細工したんだぜい。
赤ちゃんなら持ち運び楽だしにゃー、
扱いやすさもピカイチ。
拷問の末に自殺、なんてこともおこりえないからにゃ〜」
「どうすんだよこれ!!!」
「まぁ、魔術師はステイルと神裂がフルぼっこにしたから心配ないぜよ!!」
「部屋の惨状は奴らの仕業か!!!!!」
「ほれ、パス。じゃあな、パパさん!!」
「ほれ、パス、じゃねーよ!!
パパじゃねーよ!!
ああ、よしよし泣かない泣かない
って待て!!! 土御かd「バタン」……不幸だ」
日差しが暑い。
日差しが暑い。
「寮の……改修、ですか」
「ああ、そうだ」
常盤台の寮の前で御坂美琴は寮監から説明を受けていた。
クレーンや大型の機械の音が蝉の鳴く音とともに耳に響く。
「お前や白井は、確か風邪かなにかで入院していたな。
ならば知らなくても仕方あるまい」
寮監はメガネをあげながら説明する。
「一週間ほど前に木原と名乗る人物がここを襲撃して来てな。
科学だとか魔術だとか神浄だとか言っていたがよくわからん」
聞けば、その際大きな損害を受け、いっそのこと全部改修することになったらしい。
そういえばその日は世界各国で混乱が起こっていたな。
などと不思議そうに話す寮監の横で、美琴はぎこちない笑顔だった。
(い、言えない。ここや世界中の混乱の原因が当時の統括理事長で、
さらにはそいつと対立した陣営にわたしもいて、
そいつとの決戦に赴くため妹に影武者になってもらってたなんて、
口が裂けても言えない!!!)
「まぁ、そんなこんなで寮はこのありさまだ。
とりあえず修繕されるまでは各自で部屋を見つけて貰い、
家賃をこちらで寮費分負担するという形になった」
迷惑をかける。という言葉に美琴はそんなことはないと返す。
(とりあえず、早くいい部屋を探さないと……)
なんといっても夢の独り暮らしだった。
夕方になり、そろそろ家路に就きたい時間。
美琴は鼻歌を歌いながら公園を進む。
(いい部屋見つけたし、これから楽しみ!!)
彼女は家具なども注文し終わり、家路についていた。
夢の独り暮らしである。
かわいいパジャマでも幼稚だと言われない。
夜更かししても怒られない(一応しないようには言われているが)
ゲコ太も置き放題。
そしてなにより
(アイツを、家に呼べるかも……)
家に呼んで、料理作って、外が土砂降りになっていて、
アイツが泊まることになって、お風呂に入って、いい雰囲気になるところまで妄想した。
(あわわわわっわわわわわわ……)
顔を赤くして一人焦り始めた美琴の目があるものを捉える。
先ほどの妄想に登場したツンツン頭だ。
(まだ心の準備が!!!!!!!…………ん?)
アイツの手元にあるのは何だ?
どう見ても赤ちゃんだ。
うん、OK。
そして、どことなくあの子を連想させる。
それをアイツが抱っこしてるということは……
「よう、御坂こんなところで……なんで泣いてるんです!!?」
「ああ、グスッ うん、おめでとう、ヒグッ 二人が、エグッ そんな仲に、
なってたなんて、ヒック 知らなくて、グスッ ご出産、おめでとう、ございます」
「なに訳のわからないこと言ってくれてんのこの子?」
「この子、あの子とアンタの子でしょ? お母さん似ね……」
「なんでそうなるの!!! そうじゃないよ!! どうしてそうなったの!!!!?」
「違うの?」
「違います」
「……」
「……」
「早く言いなさいよ!!!!!!!」
「言ってたじゃねーか!!!!!!」
「びぇぇぇぇえぇえええええええええん!!!!!!」
「おい!! お前が大きな声出すから起きちゃっただろ!!」
「あっ、ごめん」
「よしよーし」
上条がいくらあやしても赤ちゃんは泣きやみそうにない。
「ちょっと、そんなに乱暴にしても泣きやむわけないでしょ。
こっちに渡しなさい」
途方に暮れていた上条は、他にいい案も思いつかないため美琴に預ける。
すると美琴は、やさしく、「きらきら星」を歌いはじめた。
上条はその光景に見とれていた。
インデックスが次第に泣きやんでいく。
上条当麻は記憶喪失だ。
幼少時、母から愛情を受けた記憶などない。
しかし、それでも上条は、この光景に母の優しさを感じていた。
「よかった、泣きやんでくれて」
「……」
「どうしたの?」
「へ? いや、なんでもねーよ」
「で」
「ん?」
「説明してもらえる?」
いっつのまにか母の優しさは消えさり、雷神の尋問が始まっていた。
「ああ、インデックスの従兄弟だとさ。ちょっと預かることになってな」
「……」
「なのにアイツがイギリスに呼び戻されてさー、参ってたんだよ」
「……」
「ホントに、まったくさー」
「……」
「……」
グレムリンとの戦いの後、美琴とインデックスはこういうことをやりだした。
無言の圧力である。
上条が嘘をつくと無言で睨みつける。
周りを巻き込まないよう嘘をついていた上条だが、
これをされると折れるしかなかった。
今回も、折れたのは上条の方だった。
ため息を吐き、一部始終を説明する。
「魔術って、なんでもありね」
「これで、オレの子じゃないってわかってもらえました?」
「まーね」
「で、なんでお前泣いてたの?」
「う、うるさい!!」
「理不尽!!!」
「まーま、まーま」
「へ? なんでわたしがママなのよ?」
「……おれも一瞬そう思ったぞ」
「は?」
「さっき歌ってる時の美琴、ほんとに優しかったし、
いいお母さんになれるな」
「でも、この子にそう言われてもねー」
なんたって恋のライバルなのだ。
それにママと呼ばれても複雑である。
とりあえず話題を戻す。
「で、この子が今まで以上に狙われやすくなったのに、
家は真っ黒焦げの千切り状態だったと。」
「そうなんです。どうしたもんかね?」
「ぱーぱ?」
「大丈夫だインデックス。なんとかなるさ」
彼らの事情を真に知る物は少ない。
これから、どうすればよいのか。
そう考えて、美琴はついついこう言ってしまった。
「うちに来る?」
今回は以上です
できるだけ早く戻ってきたいなぁ
え、ここで切るんすか・・・ できるだけ早く戻って来いください!
>>307
乙です。
続きが激しく気になるなぁ。
ってことで続きお願いします。
>>295 さん
きっと老年になっても死ぬまで元気です。
>>296 さん
SS書くのも2年4ヶ月ぶりだったり。
最初は地の文ありで書いてたんですが、感覚が戻らず会話形式になりました。
>>297 さん
上条さんは死ぬまで上条さんかな〜と。
>>298 さん、>>301 さん
このSSの設定的には、一人称に「上条さん」使うのは当麻だけです。
上10人は家を出て、四男、八女以降が家にいる設定です。
こんな感じで、設定だけは無駄に膨らんでたりします。
>>・・・さん
統羽、麻琴出すなら運動会辺りの年齢で出したいですね。
構想だけは3年以上前から作ってはいるんですが、なかなか文に出来ないです。
すみません、見返したら訂正したいところが。
>>287
☓滝壺「はまづらは私も倦怠期になってると思うの?」
○滝壺「はまづらは私達も倦怠期になってると思うの?」
>>288
☓浜面「うちの嫁が病院から溜息吐いて出て来たのを見たらしいんだ」
○浜面「うちの嫁が産婦人科から溜息吐いて出て来たのを見たらしいんだ」
>>・・・さん
長編楽しみです
上琴の子供が未来から来ちゃった系は読んだことあるけど
インデックスが幼児化は新しいかもw
>>びぃさんGJです!
何だかんだで、上条家も浜面家もラブラブですなー。
歳取ってもいちゃいちゃできる夫婦っていいですよね。
>>・・・さんGJです!
おお!新しい長編ですか。設定が面白いです!
続きが気になるんで、出来れば早めに……
性懲りもなく、また短編書きました。
相変わらず、ひたすらミコっちゃんがテンパる話です。
約3分後に6レス使わせていただきます。
とある高校のとある教室。
放課後となったこの時間に、ぞくぞくと男子生徒が入ってくる。
教卓に立つ青い髪の男は周りを見渡し、そして口を開いた。
「…全員揃ったようやな……ほなやろか」
青い髪の男は簡単に挨拶すると、男たちを集めた理由を黒板に書き出す。
『上』 『条』 『当』 『麻』 『被』 『害』 『者』 『の』 『会』
「これより! 第9回『上条当麻被害者の会』を始める!!!」
その言葉と皮切りに、男たちは歓声を上げた。
上条当麻被害者の会…それは、とある高校でもっともモテる男・上条当麻(本人は無自覚)に、
苦汁を舐めさせられてきた男たちの魂の叫び場である。
上条は一年であるため、夏休みの8月はやらなかったとしても、
今年4月から数えて、月に1回以上は開催されている計算となる。どんだけだよ。
「俺…好きな子に告白したら『ごめんなさい。私、上条くんが好きだから』…って言われた!!」
「俺なんてラブレター渡されてドキッとしたら! 『これ上条くんに渡してくれる?』だとよぉぉぉ!」
「俺なんかもっとひでぇぞ!
中3から付き合ってた彼女がこの学校に受験するからって俺も一緒に受験したのに、
いざ入学したら『ごめん…他に好きな人ができたの……』だってさ!!!
相手の名前を聞いたら…案の定、上条だったよチクショウ!!!」
男たちは白熱していた。みんな涙を流すくらいに。
毎回こんな風に愚痴大会になっているらしいが、そこに一石を投じる男が一人。
今回初参加する、金髪でサングラスでアロハシャツの男だ。
アロハ男は静かに手を上げ、被害者の会のリーダーらしき青髪の男がその男を指す。
「どないしたん? 何や、意見か?」
「思ったんだけどにゃー、ここでグダグダ話し合っていても意味がないんじゃないか?」
その言葉に周りは一気に静まり返る。
御もっともなご意見だが、はっきり言ってそんな事はみんな分かっている。
しかし、あの男のフラグ能力はどうする事もできない。
だからこうやって、ガス抜きをしている訳なのだが……
「あー…つっちー……そないな事は言われんでも―――」
「まぁ聞けって。ちょっとした提案があるんだぜい」
しかしアロハ男はそこも考えていた。
「ここであーだこーだ言ってないで、いっそカミやんから『慰謝料』を貰ったらどうかにゃー?
それくらい貰う権利はあると思うぜい」
「せやけど慰謝料て…それはさすがに……なぁ…?」
確かに被害は受けているものの、お金が動くのはどうだろう。
上条の経済状況も知っているだけに、いくら何でも気が引ける。
だがそれでもアロハ男はニヤリと笑う。
「だから提案があるって言ったろ? カミやんにはちょっとバイトしてもらうんだぜい。
あの男のフラグの多さを逆に利用するんだにゃー。
カミやんに恥ずかしい思い【おしおき】をさせて、俺たちは儲けられて、
女の子も笑顔になれる最高の作戦だせい。勿論、カミやんにもバイト代を出すけどにゃー」
教室がザワザワとしだす。本当にそんな事が可能なのかと。
「ホ、ホンマにそんなんできるんか…?」
「俺に任せろだぜい」
サングラスが怪しく光った。
「しゃ、写真集…? 俺の…?」
上条当麻は困惑していた。
級友である土御門が、朝っぱらから訳の分からない事を言ってきたからだ。
「そうそう。カミやん、一端覧祭の準備ずっとサボってたろ?
だからちょーっと罰ゲームさせようって話になってにゃー」
確かに上条は、ずっと一端覧祭の準備に参加していなかった。
本人的にはのっぴきならない事情があったのだが、その説明を教室でする訳にはいかないし、
何よりサボっていたのは事実だ。だがそれが何故―――
「……それが何で写真集なんだ…?」
「せっかくだから、それで儲けさせてもらおうと思ってにゃー。
カミやんの写真を撮りまくって、それを同人誌として売る【じひしゅっぱんする】つもりだぜい」
「いや誰得だよ! 絶対ぇ赤字だろそれ!!! 確実に元取れねーぞ!!?」
と思っているのはこの教室で上条だけである。
すでにこのクラスの女子全員(一人を除いて)…だけでなく、他のクラス、上級生、
果ては一部の女性教員からも、その写真集の予約が殺到している。
まだこの学校だけで、だ。
学校外からも予約を受け入れたら、一体どうなるのか。
「まぁそれでもいいんだぜい。
これはカミやんへの罰ゲームなんだから、カミやんが恥ずかしい思いをすれば万事OKだにゃー」
嘘つきを自称する土御門らしく、思ってもいない事をペラペラと口に出す。
「そのためだけに赤字覚悟ってお前……」
が、本気で売れないと思っている上条はあっさりとその言葉を信じ、そして呆れる。
しかし上条自身も、準備を手伝わなかった事に後ろ髪を引かれていたのも確かだ。
正直全く気乗りはしないが、ここは甘んじて恥を受け入れる上条である。
「はぁ…分かったよ。やるよ。やるけど、売れなさすぎても俺のせいにすんなよ?」
「安心しろって。そんな事にはしないからにゃー♪」
クラスの人間全員…男子も女子も心の中でガッツポーズをした瞬間だった。吹寄を除いて。
発行された写真集は全3冊だった。
全体的に露出度が高めで、半裸の上条などをおさめた
『上条当麻写真集 「せくしぃな本」』
カジュアルな服やフォーマルな服、更にはコスプレをした上条が楽しめる
『上条当麻写真集 「こすぷれな本」』
食事や睡眠、勉強中など、上条の日常を切り取った写真で出来ている
『上条当麻写真集 「のーまるな本」』
の3種である。
出来は中々だが、「でもお高いんでしょ〜?」とお思いの方もいるだろう。
しかしお値段なんと、それぞれたったの1000円ポッキリなのだ。
同人誌としてはそこそこな値段だが、フルカラーでしかもページ数も多い。
しかも3点セットでお買い求めのお客様は、2500円でのご提供で更にお安くなっているのだ。
今なら限定で、生写真もオマケとしてお付けしよう。
お買い得であるような気がしないでもないと思うのは気のせいでは無いかも知れない。
だがそれが功を奏したのか、この写真集は
めっちゃ売れた。
売れすぎて逆に困ったのは、主犯の土御門たちだ。
高校のホームページでちょっと宣伝しただけだったのだが、発売前から予約は殺到したのだ。
こんなごくごく平凡で、毎日アクセス数が二桁の、上条たちが通う高校のホームページなのにだ。
高校内では勿論、学園都市のいたる所から…だけではなく、世界中からも一万件以上。
特にイギリスからの受注がハンパなかった。
イギリスの日本人街宛てに、一人で100冊ずつ…つまり300冊注文した強者もいる程だ。
さて、ここにも一人その本を注文してしまった少女がいる。
休日とはいえ、午前中から常盤台中学女子寮の玄関付近で仁王立ちし、
腕を組みながら片足でパタパタとリズムを刻み、
宅配のお兄さんをまだかまだかと待ちかねているのは、ご存知の通り御坂美琴である。
美琴は先日、『偶然にも』上条の通う高校のホームページを見ていた。
その事を彼女に問い詰めたら、きっとこういう答えが返ってきただろう。
「いいい、いや別に意味なんてないけど!!?
ア、アア、アイツの行ってる学校だから気になってるとかそういうんじゃないし!!!
た、たまたまよ!! たまたまネットサーフィンしてたら目に留まっちゃって、
そもまま何となく見てただけなんだから!!!
ちゅ、ちゅちゅ中学卒業したらアイツのいる所に進学しようとか、
ホントに全然考えた事もないわよっ!!!」、と。
まぁ理由はどうあれ上条の高校のホームページを見ていた彼女は、
写真集の事を知り、その0.9秒後には[予約する]ボタンをクリックしていた。
そして今日がそれの発売日な訳で、美琴はこうしてヤキモキしながら待っているのだ。
(ああんもう! 午前中配達に指定したのに、もう10時回っちゃったじゃない!
こっちは4時間前からここにいるってのに!!)
いくら何でも、早朝の6時から配達はしないだろう。新聞じゃないんだから。
…という当たり前のツッコミすら頭によぎらないほど、彼女は楽しみにしているのだった。
その事を彼女に問い詰めたら、きっとこういう答えが返ってきただろう。
「ちちち違うから!!! べ、べべ別に楽しみにしてるとかそういうのと違うからっ!!!
そ、そりゃ確かに『間違って』変な本注文しちゃったけど、キャ、キャンセルするのも悪いじゃない!?
その上『指が滑って』時間指定までしちゃったし、
万が一宅配の人と行き違いになったら業者の方にも申し訳ないと思うのよ!!!
だっ! だから! たた、たの、楽しみに待ってる訳じゃないんだからねっ!!!」、と。
まぁ理由はどうあれ宅配便を待っていた彼女は、荷物が届くや否や0.7秒でサインした。
宅配のお兄さんも、そのあまりの速さに何が起こったのか理解できないほどだった。
ちなみに予約した時に支払いもカードで済ませており、
代引きする時間すら短縮させたかった事が伺える。どんだけ欲しかったんだよ。
ダンボールを抱き締め、緩みきった顔で「にへへへ〜♪」を笑い、
スキップしながら自分の部屋に戻ろうとする美琴。
これからじっくりたっぷりと、届いた写真集を『堪能』するつもりだ。
しかし、エレベーターの開閉ボタンを押す指が、ピタッと止まる。
このまま戻って、本当に大丈夫なのか。
美琴は今、一分一秒でも早くダンボールのガムテープを剥がしたい。
だが彼女の部屋には、ルームメイトである白井がいるのだ。
しかも運悪く、本日は風紀委員も非番らしい。
白井の目の前で、よりにもよって『類人猿』の写真集なんざ読み始めた日にゃあ、
もう何が起こるか分かったもんじゃない。
一日あれば、いつか白井の目を盗める隙もでてくるだろうが、
しかしながら先程説明したように、一刻も早く読みたいのである。
美琴はそのまま回れ右をし、外に向かって走り出した。
どこか人気の無い所で、こっそりと写真集を堪能する為に。
…何かもう、初めてエロ本を買った男子学生と同じような行動パターンである。
そんな訳で美琴は、人のいない公園へとやって来ていた。
初めはビジネスホテルの一室を借りようとしていた(本を読むためだけに)のだが、
ホテルに向かっている最中、この公園が目に入ったのだ。
誰もいない、とても小さく静かな公園だ。公園と言うより、むしろ空き地に近い。
一瞬だけ迷った。
誰にも見られたくないなら、ホテルに行くほうが確実だ。
だがここから一番近いホテルでも、走って3分の距離がある。
それに対し、誰も使っていない公園は目と鼻の先だ。
一瞬だけ迷った。が、美琴は公園を選んだ。3分すら待てないのだ。
どんだけ読みたいんだよ。
ベンチに座り、速攻でガムテープを剥がし、ようやく写真集とご対面する。
「ふぉ…ふおおおおおおああぁぁぁぁぁ……」
とよく分からない声を出し、12冊の本を取り出す。
美琴はそれぞれ4冊ずつ注文していた。観賞用・保存用・予備兼布教用。そして実用用の4種である。
もっとも実用用がどのように使われるのか、皆目見当もつかないが。
本当は美琴も、どこぞの天草式十字凄教徒のように100冊でも300冊でも買いたかったのだが、
そんなに買っても、寮暮らしである彼女には保管場所がないのだ。
これが隠しきれるギリギリの数なのである。
実家に送る、という手もあるのだが、それでは今度は母親にバレてしまう。
『あの』ママの事だ。大量に上条の写真集なんぞ送られて来た日にゃあ、
もうどれだけ弄り倒されるか分かったもんじゃない。
なので『泣く泣く』の12冊なのだ。
美琴は包装用のビニール袋を綺麗に外し、観賞用の3冊を取り出す。
そして心臓をバックンバックンさせながら、ページをめくり始めた。
それでは、ここからはそれぞれの写真集を読んだ美琴の感想を、
建前上の独り言と本音爆発な心の声で楽しんでもらいたい。
『上条当麻写真集 「のーまるな本」』
建前
「わ、わー…あの馬鹿、こんな大口開けて寝ちゃって…授業に集中しなさいっての!
だだ、大体、アレよ。あの馬鹿がこ、こんなお弁当食べてる所とか、誰が興味あるってのよ!
…うわっ! こここ、これアイツの部屋だ!
ち、ちち、散らかしちゃって、ホントにだらしない奴よね全く!!」
本音
(にゃあああ!! 寝顔カッワイ〜〜〜!!
わわ! 美味しそうにお弁当食べてる! ああんもう! 幸せそうにしちゃってこの!!
…えっ!!? こここ、ここってアイツの部屋じゃない!! い、いい、いいの!?
生活感まるだしで…ちょ、ちょっと生々しすぎるわよ〜〜〜!!!)
『上条当麻写真集 「こすぷれな本」』
建前
「へ、へー。こっちはタキシードとか着てんだ……に、似合ってないわね。
だだだ、大体執事とか狙いすぎなんじゃない? こ、こういうのは着る人を選ぶのよ。
…き、着ぐるみなんかもある……ってゲコ太!!?
あ、ああいやいや。ぜ、ぜぜ全然可愛くないわね!
アンタに着られるなんて、ゲコ太も可哀相だわっ!!」
本音
(わーっ! わーっ! やだ、普段見慣れないから、こういうのドキドキしちゃう!
『お嬢様、紅茶のおかわりはいかがでせうか?』とか言うの!? 言っちゃうの!!?
あーもー! コスプレコーナーもカワイすぎるわよ……って、ゲコ太ああああ!!!?
何これ! かわっ!! かんわいいいぃぃぃ!!! 何なのよ! 私を萌え殺す気なのコイツ!!?)
『上条当麻写真集 「せくしぃな本」』
建前
「のうわあああああああ!!!!!
ちょちょちょ、い、いい、いいの!!? ホントにこれいいの!!?
えっ、えっ、これ以上!? これ以上見えちゃう訳!? だだ、大丈夫なのそれ!?
みみ、見ちゃうわよ!!? ホントに見ちゃうからね!!? もう止めても駄目だからね!!?
…………………………
ふにゃああああああああああああああ!!!!!!」
本音
(のうわあああああああ!!!!!
ちょちょちょ、い、いい、いいの!!? ホントにこれいいの!!?
えっ、えっ、これ以上!? これ以上見えちゃう訳!? だだ、大丈夫なのそれ!?
み、み、見ちゃうわよ!!? ホントに見ちゃうからね!!? もう止めても駄目だからね!!?
…………………………
ふにゃああああああああああああああ!!!!!!)
心から楽しんで頂いているようで、何よりである。
と、そんな事が行われているとは露知らず、美琴に近づくツンツン頭の影が一つ。
休日だというのに午前中補習をやらされていた上条は、今やっと寮へと帰る途中である。
「はぁぁ…不幸だ……帰ったら帰ったで腹ぺこシスターさんに昼食作らなきゃなんないし……」
ぶつぶつ言いながらとぼとぼ歩く上条。
愚痴りながら、今日が何の日なのかをふと思い出し、その場で足を止める。
「……そういや今日って、例の写真集が発売する日だっけか?
土御門はバイト代的なモンは払うっつってたけど、本当に出るのか…?
そもそもあんな本、一冊も売れる訳ないし……
まぁ、俺への罰ゲーム【いやがらせ】が主な理由だから、
売り上げが悪くても別にいいんだろうけど……」
ところがどっこい、売れに売れまくっている。増刷に次ぐ増刷である。
上条には想像すらできないだろうが。
だが「まぁどうでもいいか」と思い直した。考えても意味が無い事に気づいたのだ。
再び歩き出そうとすると、知らない公園が目に入る。
寂れているのか、人の気配が無さそうな公園だった。
地理的に、ここを突っ切れば寮へと近い…気がする。
上条は大した考えも無しに、その公園へと入って行った。
そしてそこで見つけたのだ。
「あれ? 美琴だ」
ベンチに座りながら、何かの本のページをめくりつつ、百面相をしているお嬢様の姿を。
「あれ? 美琴だ」、と声が聞こえた。
聞き覚えのありすぎるその声に、美琴はビクゥッ!!!とする。
振り向けばそこには勿論……
「なあああああぁぁぁぁぁぁ!!!? ななな、何でアンタがこんなとこにいんのよっ!!!?」
「何でって…普通に寮【ウチ】へ帰る途中だよ。美琴こそ何やってんだ?」
「な、なな、何!? 何ってその……あの……」
言える訳がない。「アンタの写真集眺めながら興奮してました」なんて言える訳がない。
美琴は読んでいた本をダンボールに戻し、急いで自分の背後に隠した。
が、当然バレバレな上に、そもそも上条は本のページをめくる美琴の姿を目撃している。
なので勿論、
「そういやさっき何か読んでたよな。アレ何の本?」
という反応が返ってくる。対して美琴は、
「ほ、ほほほ本っ!!? 本なんか読んでないけど!!? み、みみ、見間違いか何かじゃない!!?」
とあくまでもすっ呆ける。しかし効果はなさそうだ。
「いや…今、後ろに隠したじゃねーか」
「隠してにゃいわよっ!!!」
子供のような嘘をつく美琴。だが嘘をつく子には天罰が下るものである。
バサリ、とダンボールが落ちる。
そして地面には、上条の恥ずかしい写真がでかでかと表紙に印刷された本が大量にバラまかれる。
「……………」
「……………」
二人の間に気まずい沈黙が流れ、何ともいたたまれない空気となる。
「………か…買った…のか…?」
上条が口を開く。
一冊も売れないと思っていた、後々確実に黒歴史となるであろう自分の写真集を眺めながら。
美琴も普段なら、「アンタをからかう為に、わざわざ買ってあげたのよ。感謝しなさい?」
くらいの軽口は叩けただろう。
しかし今の彼女は、もう色んな意味で余裕がない。
学園都市第三位の演算能力を持っていても、そこら辺は経験の少ない中学二年生の女の子なのだ。
なので、
「お………落ちてたからっ!!!」
と更に子供っぽい言い訳をする。
さすがにそれで誤魔化せはしないだろう。
「いや、落ちてたって……」
「落ちてたの!!! それを私が拾ったの!!! だから、かっ、かかか、買った訳じゃないの!!!」
しかしダンボールの伝票にはハッキリと……
「……宛先の名前んとこ…『御坂美琴 様』になってるけど……」
もはや絶望的な状況である。だがそれでも美琴は諦めない。
「ち、違うもん……箱…は確かに私のだけど、中身は…ひろ、拾ったん…だもん……」
無理がありすぎる。まだまだホコリが出そうなので、上条は更に問い詰めようとする。
「いやでもさ―――」
「拾ったんだもおおおおおおおおおん!!!!!」
しかし上条が問いかける前に、美琴はその場から逃走した。何か知らんが、やたらと赤面させながら。
公園に残されたのは、自分の写真集大量に抱える、イタイ男の姿であったという……
その後、あの写真集を放置する訳にもいかず、
上条は警備員の詰所にある「落し物コーナー」に、それをダンボールごとこっそりと置いた。
さすがに「俺の写真集が落ちてました!」と堂々と言える訳もないので、あくまでも「こっそり」だ。
伝票が残っているのでアッサリと落とし主が分かり、無事に持ち主の下へと返還されたのだが、
その間色々な『持ち主の知人』の目に晒される事となり、結局大騒ぎになってしまったのだが、
それはもうお約束である。
以上です。
いつもながら、全然いちゃいちゃしてないですね……
ではまた。
うわああああああああ
その写真集三冊とも欲しいよおおおおおおお!
…すみません、取り乱しました…GJです…
くまのこさんGJ!
ぜひ『上条当麻写真集』を読んでる時の美琴の顔の写真集を下さいませ!←
こんにちは、・・・です
>>くまのこさん
いやいや、ここは、上条さんの物と対比した美琴の写真集を上条さんにプレゼントするべきでしょう。
そして、インデックスに噛み付かれて痛い目に遭いやがれクソッタレ!!!!
増刷している時のクラスの男子が、悲惨すぎる
さて、思ったよりも早くこれたので投稿します。
少し短いかもですが、よろしければお付き合いください
それでは
着いて、しまった。
「流石お嬢様だな、いいマンションだ」
到着して、しまった。
「セキュリティも万全。安心ですな」
着いちゃった。
「きゃっきゃっ」
「そうか、インデックスもそう思うよな!!」
着いてしまったーーーーーーー!!!!
(どうするつもりだったのよわたしーーーー!!!)
魔術師に赤子にされたインデックス。
それを抱える上条当麻。
よりいっそう過酷な状況にいる二人なのに。
帰るべき家もない。
そこで、諸事情で一人で済むことになった家に、
つい呼んでしまったわけである。
「おじゃましまーす。……開けないのか?」
「あ、開けます」
「なぜ敬語?」
「あーい?」
上条とインデックスは?を浮かべるが、
美琴にそれに気付く余裕はなかった。
「だう! だー あー!!!」
美琴の部屋に入ったインデックスはそれはもう大はしゃぎだ。
上条もまた驚きを隠せない。
「あー、凄い部屋だなー」
「でしょー!!」
美琴復活。
「ゲコ太の視線が多くて苦しい」
「え!? 落ち着くでしょ?」
「お前だけな」
「えー」
「まあ、いいや、ほい」
「ん?」
{あい?}
美琴はインデックスを受け取っていた。
インデックスの視線と美琴の視線が交差する。
瞬き数回。
「じゃあ、インデックスを任せた」
「え?」
「哺乳瓶やおむつはここに来る途中で買ったし」
「ぱーぱ?」
「流石に赤ちゃんを野宿させられないからな」
「あ、アンタはどうするのよ!!」
「オレはどうとでもなるさ」
「ぱーぱ!! ぱーぱ!!」
出ていこうとした上条の袖をインデックスが掴む。
上条が振り向くと、
不安そうな顔をした二人がいた。
でも、
「後は頼んだぞ、御坂」
ここに、とどまるわけにはいかない。
ドアが、無情にも閉められた。
止められなかった。
美琴はインデックスを抱え、座り込む。
何と言えばよかったのか、
なんといえばとどまってくれたのか、
「まーま?」
そもそもとどまらせようという考えが正しいのか、
美琴にはわからなかった。
上条は疑問符を抱えながら歩く。
どうして無理に出て来たのか?
御坂の好意に甘え、あそこで一泊してもよかったはずだ。
今までのように、風呂場で寝ればそんなに問題は無い。
そうした方が、今後の対策を立てやすい。
なのに、
御坂の部屋というだけで、
「……ゲコ太の視線が嫌だったのかねー?」
上条にもわからない。
そんな時電話が鳴った。
『もしもーし、カーミやーん!!』
電話を切った。
また鳴った。
『ちょい、ちょい、カミやん、酷くね?』
「黙れ陰険グラサン」
『ねぇ、友達に使う言葉じゃないよ?』
「友達は部屋を焼け跡にした後放置はしないと思うんだよ」
『あれ? 結構切れてる?』
「当然だろ!!!」
『まあまあ、やることがあったんだニャー』
「やること?」
『インデックスがどのような状態なのか』
「!!!」
『インデックスに今までの記憶は無い。
しかし、魔道書の知識はそのまま』
「つまり……いままでと、オレに会う前までと、同じってことかよ!!!」
『落ち着け、カミやんそうじゃない』
「なに?」
『脳が赤子の頃に戻っているんだ。当然、それ以降の記憶がなかったことになっている』
「……」
『つまり、元に戻れば元に戻る』
「……そっか、」
『逆に言うと、戻らなければ戻らない。
元に戻す方法すらわからないのが現状だ』
「……」
『大丈夫か?』
「いや、大丈夫じゃない。でも……」
『……』
「それなら、元に戻す方法を必死に探すだけさ」
『そうか』
「……その前に、おかしくないか?」
『気付いたか?』
「どうして、魔道書の知識が残ってる?」
『ああ、つまり、赤子の頃からその知識があったってことになる』
「話が違うぞ」
『それについては調査中だ、気を引き締めて行けよ』
「……」
『オレは今からやることがある』
「そうか、そっちも気を付けろよ」
『ああ、舞夏の料理がうますぎていつ死ぬかもわからないからな』
「そのまま死んでしまえ!!」
電話を切る。
蝉の声がえらく不愉快だった。
また電話が鳴る。
不機嫌になりながらも電話をとる。
しかし、掛けて来たのは、
先ほど別れたばかりの御坂美琴で
その声を聞いた瞬間、上条は走った。
内容は、たった一言。
『……助けて!!……』
以上です。
次は下手したら3週間くらい来れないかも……
ぜ、善処します。
しまった、タイトルは『子守唄2』です
ちょっと・・・ここで切るんすかあああああ!
3週間気になってしょうがないっす!!
諦めよう
ここの職人さん達は、無意識に焦らす癖がお有りなのだ
ミコっちゃんの気持ちに気付かない上条さんバリに
いつかきっと両想いになれると信じよう!!
こんばんは。時間がないので感想はまた今度となってしまいますが、数レスほど投下させていただきます。
暗く、狭い。まるでロッカーの中に閉じ込められているようだと上条は思った。
なぜ自分がこのような場所にいるのか。それは彼にもわからない。昨日はいつものように風呂に布団を敷いて寝たはずなのだ。
(もしかしたら、また土御門が?)
前回彼をこのような場所に閉じ込めた犯人は土御門元春。その理由は上条を遠ざけるものだった。
今度はどんな事件が自分の近くで起きているのだろうか。また自分は遠ざけられているのか。
足元に落ちていた携帯に気づき拾い、電話をかける。相手はもちろん今回の犯人(にとてつもなく近い容疑者)である。
『あ、カミやん起きたー?』
「ふざけんなてめェ!ここはどこだ、今回は何だ!?もう騙されねぇからな!さっさと白状しやがれ!!」
と怒鳴ったが反応は無く、そのまま切られてしまった。もう一度かけるが土御門は携帯の電源を切ったようだ。
(とにかくここから出ないとな)
が、周囲を押したり叩いたりしても出られる様子はない。
仕方なく待つことにした。
「……」
「……」
目の前にいたのがちょうど体操着を脱ぎ終わった美琴だったから。というだけでなく、彼女が今着替え中で下着姿であり、上条が今いるロッカーに、美琴の着替えが入っていたからなのだ。
「……」
バタンッ!と扉は閉まられ、再び視界は闇に包まれた。
放課後、実験から帰ってきて更衣室で着替えをしていて、ロッカーを開けたらあの馬鹿がいた。
あの馬鹿のことが好きすぎて幻影でも見えているのだろうか。あれほどまでにはっきりと映り、しかも下着姿なのは……まあ、偶然だろうと、美琴は考えた。
もう一度開けば誰もいない、ただ自分の着替えがあるだけの、ただのロッカーとなっているはずだ。
そう決め付けて、もう一度ロッカーを開けた。
「……おっす、御坂」
「死に晒せおんどりゃぁぁー!!!」
感情の赴くままに電撃を出せどもこの馬鹿はいつものように右手で打ち消してしまう。やはり幻影ではなかった。
「……マジで死ねば良かったのに」
「目が本気ですよ美琴さん!?」
なぜここにいる!?というか何でパンツ一丁!?と騒ぐ美琴の声は廊下まで聞こえたのだろう。
『今御坂様の叫び声が!?』
『御坂様の身に何か!!』
『御坂様を助けなければ!!』
と、RPGのラスボスに素手で挑みそうな気迫の女子生徒数人の声と全速力の足音が聞こえてきた。
(ヤバイ!!)
この馬鹿が見つかる→即性犯罪者扱い→私刑(死刑)!!
そんな計算式を学園都市トップの頭脳でものの数秒で導くだした。
そして何を思ったのだろうか。美琴は上条がいる、さすがに2人入るのには狭いロッカーに入り、そのまま扉を閉めた。
更衣室の扉が開いたのはその直後だ。ドタバタと数人分の足音と騒ぎ声が聞こえる。
『確かに御坂様の声が……』
『よく探しましょう!』
どうやら上条のことがバレるのは阻止できたらしい。が、だ。
(やっべぇ、いい匂いが……)
きっと誤魔化そうとしてくれたのだろう。それ自体は嬉しいし実際成功した。
だが小さくなくとも、1組の男女が入る事を想定して作られているわけではないこのロッカーでは必然的に密着することとなってしまう。そのため美琴からは女の子らしい甘く、いい香りがする。しかもお互い下着姿。鼓動が早くなるのがわかる。一刻も早く逃げ出したいが、それはそれでゲームオーバー。今は耐えるしかない。
『ここには居られませんわ』
『では隣の部屋でしょうか』
『急ぎましょう!』
更衣室の扉が開き、数人分の足音と共に扉が閉まる音が聞こえた。
「やっと出て行ったな」
「……そうね」
美琴はロッカーを開けると制服を掴みながら出て、その制服と体操着で正面を隠し、羞恥に塗れた表情で上条を睨みつけながら言う。
「とりあえず、洗いざらい全部話しなさい。アンタがこの常盤台中学。しかもよりにもよって私が使ってたロッカーに裸で入っていた理由とか全部」
「いや、俺もわかんないし」
「嫌やめてそんな格好でこっちを見ないで!!」
どっちだよ。と突っ込みたいところだが、それはあまりにも可哀想だろうと上条は思った。
着替え中に男がロッカーに入っていたのだ。しょうがない。
「いつまでこっち見てる!後ろ向いてなさいこの馬鹿!!」
「え、あっ、悪い!」
その声でやっと自分が美琴を見続けたということに気づいて慌てて後ろを向く。その間に美琴はいそいそと服を着ていく。
「い、良いわよ」
その合図で上条は振り返る。
美琴はいつもの常盤台中学の制服を着ているが、今だ頬を赤く染めている。
「悪かったな、御坂」
「どうせアンタにはアンタの事情があるんでしょうね。アンタじゃなかったら黒炭にしてたわよ」
許してくれると言っているが、さっさと理由を話さないと焼くわよと言うような目をしている。
「・・・・・・俺もよくわかっていないんだ。でも、早く行かなきゃ」
「行くって、どこに」
「俺がここに送り込まれたのは俺を遠ざける為だ。学舎の園から出て、あいつを見つけ出さないと」
上条はロッカーから出て、更衣室の扉に手をかける。
「待ちなさい」
美琴に呼び止められ、立ち止まる。
「そんな格好で行くつもり?」
「こんな格好でも、行かなきゃいけない。それにこの右手があれば、強行突破も出来るだろ」
そんな上条を見て美琴は、はぁ、と溜め息をつくと上条を掴み、再びロッカーへと押し込んだ。
「お、おい!」
「私が何とかするから、アンタはそこで待ってなさい」
そう言って美琴は鍵を閉め、更衣室から出て行った。
美琴を待っている間にも生徒達は入ってきたが、美琴が鍵をかけていてくれたおかげで見つからずに済んだ。
その後誰もいなくなってから30分か40分そこらで美琴は戻って来て、扉を開けた。その手には袋がある。
わざわざ外まで出て買ってきたのか。
「その格好のまま動くわけにはいかないでしょ。これを着なさい」
美琴が袋から取り出したのは、美琴のよりも大きめの常盤台中学の制服一式である。
学舎の園では学校の制服も買えるのだろうか。値段は気にしないことにした。
「あの、御坂さん?これは一体・・・・・・」
「そもそもこの学校は女子校だし、私達【ここのせいと】は私服が禁止されてるのよ」
つまり、と美琴は話を続ける。
「アンタもここの生徒になるしかないってわけ」
「どうしても?」
「どうしても」
いくら学舎の園から出るためとはいえ、女装、しかも女子中学生になるのは嫌なのだ。
一歩、上条が後ろに下がると一歩、美琴が詰め寄る。元からロッカーから出て数歩の場所だ。すぐに追い詰められてしまった。
「これもアンタの為よ。覚悟を決めなさい」
これを言われてしまってはどうしようもない。
「・・・・・・御坂がわざわざ買ってきてくれたんだもんな。着るよ」
「そう言ってもらえると助かるわ」
美琴が買ってきたのは制服の他にマフラーや化粧道具。ソックスや革靴と櫛アンパン2つ。それにボタンみたいなものだ。
上条は1つずつそれらを身につけていく。制服はともかく目測だけでソックスや革靴のサイズを正確に当てられるものなのだろうか。
着替えている上条を見る美琴の目線は一箇所。胸だ。少しでも女の子らしするためにアンパンを2つ、テープで止めているのだ。
「・・・・・・何してんの?」
「何でもない・・・・・・それよりも、さっさと髪解かすわよ」
美琴に言われ、上条はベンチに腰かける。その後ろから美琴は優しい手つきで上条の髪を櫛で解かし始める。とても心地良く、つい目を閉じてその感覚を堪能してしまう。
が、それもものの数分のことだ。
「終わったわよ」
「そうか。ありがとうな」
ツンツン頭はすっかり影を失くし、美琴よりも少し長めだが、彼女と同じ髪型となった。
「さ、こっち向きなさい」
言われるがままに美琴へと顔を向ける。その手が持つものは櫛から口紅や筆のようなものに変わっていた。
「常盤台だと化粧が禁止されてるから、バレないように誤魔化す程度に抑えてるのよ」
そんな話をしながら、美琴は器用な手つきで上条を瞬く間に変身させてしまった。
「これが今のアンタの顔よ」
更衣室の鏡で自分を見る。髪は解かされ、唇や顔も美しくなっている。特に綺麗にしているわけでもない足も長いソックスによって隠されている。本当に自分なのかと疑いたくなるほどの変化だ。
「はい、あとこれね」
上条の喉に美琴はボタンのようなものを貼り付け、その上からマフラーを巻く。
「何だよこれ・・・・・・、え?」
上条自身から出た声のはずなのに、それは美しく女性らしいものとなっていたのだ。
変声機まで学舎の園では売っているのだろうか。
「これでアンタは立派な女の子よ」
「何から何までありがとうな」
「ちょっと時間はかかったけど、これなら男だってバレないわよ」
「それじゃあ、俺・・・・・・、私は行くわ」
今度こそ出ていこうとする上条だが、また美琴に呼び止められてしまった。
「何だよ」
「私も行くに決まってるじゃない。アンタ、道分かってるの?」
「確かに、その通りだな」
ここまで世話になったが、もう少し力を借りることにした。いつかこの借りを返さなければなれないと上条は思った。
「それじゃあ行きましょうか。上条せ・ん・ぱ・い」
今、『学舎の園脱出作戦』が敢行された!!
以上です。上条のツンツンはワックスって、本当なのだろうか?
はりねずみさん
新8でレッサーよりもバードウェイよりも可愛かった上条さんの女装…見てぇえええ!!
はりねずみさんGJ!っす
しかしなんか髪を梳るミコっちゃんと感触を堪能してる上条さん…なんだろう
中途半端なエロよりエロい
上嬢さんの運命はいかに…
狭いロッカーの中で密着するシーンがとても美味しかったです…
>>・・・さんGJです!
くう…三週間が長いです……むしろ『……助けて!!……』はこちらの台詞ですよ!
続き楽しみに待ってます。
>>はりねずみさんGJです!
美琴ちゃんに「先輩」って呼ばれると、聞き慣れないせいかドキドキしますな。
それにしても…生着替え目撃して、よく無事だったな上条さんw
短編書きました。
この前上条さんが写真集出すっていうの書いたのですが、
その時出てきた「ゲコ太の着ぐるみを着た上条さん」っていうので思いついたネタです。
約3分後に、3レスです。
上条は今、冬休みを利用して短期のアルバイトをしている。
毎月月末に(主に同居人のせいで)食費が底をつき、おかずが梅干しか沢庵だけになるのは、
もう嫌なのだ。せめて納豆とお味噌汁くらいは欲しいのである。
そんな涙ぐましい理由の下、補習の合間を縫って、汗水垂らしつつ労働に勤しんでいる訳だ。
なので彼は、今日も全身黄緑色の謎生物の着ぐるみを身に纏い、
道行く子供達にチラシと風船を無料配布しているのだった。
「ゲコ太」…確かそう呼ばれているこの謎生物は、どうやら生意気にも今度映画になるらしい。
要するに宣伝である。自分が配っているチラシにもそう書かれているのだから間違いない。
彼だって、何も伊達や酔狂で紙くずを撒き散らしている訳ではないのだ。お仕事なのだ。
殆ど突っ立っているだけでお金が貰えて、顔も隠せるから知り合いに会ってもバレない。
夏場は相当大変かも知れないが、幸いにも(不幸体質の彼に、「幸いにも」と言うのもどうかとは思うが)
今は冬だ。着ぐるみを着てても蒸し暑いという事なない。
時給が良い割には楽な仕事…………そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
しかし、いざ始めてみると中々ハードな業務内容だった。
基本的に、お客様はお子様だ。そして彼らは手加減という物を知らない。
体を触ってくる、よじ登ろうとする…というのはまだ可愛い方だが、
背後から蹴りを入れたり、頭をもぎ取ろうとしたり、もっと上級者は落書きをしようとする始末である。
(ううぅ…着ぐるみのバイトって結構疲れるんだな……)
子供達のパワフルかつ容赦のないコミュニケーション方法に、思わず心の中で愚痴を漏らす。
今日もお客さんでいっぱいだ。お陰で身動きが取れやしない。
しかしそんな中、九割九分九厘の客が小学生の中、一人だけ異彩を放っている人物がいる。
子供達に混じって明らかに身長が頭一つ抜けているその少女は、
常盤台中学の制服を着て、スカートの下には短パンを穿いている。
上条がバイトを始めたその初日にはすでにエンカウントされており、今ではすっかり常連だ。
ついでに言えば、実は上条のお知り合いでもある。
もっとも、上条はイメージを壊さないように着ぐるみを装備している間は声を出したりしていないので、
その少女はゲコ太の中身が上条である事は知らないのだが。
そして勿論、その少女は今日も現れる。
子供達の攻撃とは明らかに違う、かなり重みのある衝撃が背中を襲う。
「ゲェェェコ太あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
と背後からタックルしてきたのは御坂美琴だ。
本人的には抱擁のつもりだが、勢いがありすぎて完全にクリティカルヒットとなっている。
「っ!!!」
「ぅぐおっ!!?」という叫びを口の中で呑み込む。
美琴だけならともかく、他の大勢の子達の夢は守らなくてはならないのだ。
そんなゲコ太【かみじょう】の頑張りなど夢にも思わない美琴は、
好き勝手しながら好きな事を言ってくる。
美琴はゲコ太に抱きついた後、そのままの状態で顔をコシコシと擦り合わせ、
「ああんもうゲコ太ゲコ太〜〜〜!!! 好き好き好き好き大好き〜〜〜!!!
何でこんなに可愛いのよも〜〜〜!!! もうチューしちゃう!!! むー…」
と言いながら口を尖らせて迫ってくる。着ぐるみを相手にだ。
周りの子供達も引くくらいの溺愛っぷり。
子供達も、このお姉ちゃんが来るとゲコ太から離れるのだ。もはやモーゼの十戒状態である。
美琴の大胆行動(とは言っても、本人はあくまでも上条にではなく、ゲコ太に対してなのだが)に、
ちょっとドギマギする上条。しかし、今は仕事中なのだと思い直す。プロ根性である。バイトだけど。
上条は、このままでは仕事にならない為、営業妨害者【みこと】に対して抗議する。
喋れないので、身振り手振りで必死に伝えた。
『美琴さん!? ちょっとだけ退いてはいただけませんかね!?
このままだと子供が寄り付かねーし、ノルマが達成できないんですよ!』
手足をワタワタとさせ、美琴にコミュニケーションを取ろうとするゲコ太。
その様子を見て、美琴はその真意を汲み取った。
「も〜、そんなに喜んじゃって…仕方ないわね♪ じゃあもっとしてあげる!
むちゅむちゅむちゅー!」
正直かなりドキドキしたが、今はそれ所ではない。プロ根性である。短期だけど。
それにしても、どうやら全然分かってくれていないようだ。
ビックリする程思いが伝わっていない。
が、その時だ。思わぬ所から、思わぬ助け舟が現れる。
「お、お姉様っ! お止めくださいまし! 少々みっともないですわよ!?」
風紀委員の腕章を光らせながら、白井が駆けつけてきた。
パトロールでもしていたのか、美琴をストーキングしていたのか。
あるいは子供の中の誰かが、美琴【へんなひと】がいると風紀委員に通報したのかも知れない。
まぁ理由はどうあれ、ともかく白井が駆けつけてきた。
白井が来てくれて助かった…………そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
「え〜い、お離れになってくださいな!!!」
「や〜あ〜! 離れない〜! ゲコ太だって嬉しがってるもん!!!」
「ああもう! このカエルの事となると見境がお無くなりになるのはお姉様の悪いクセですの!」
「ゲ、ゲコ太はカエルじゃないのよっ!!! ゲコ太はゲコ太なの!!!」
「それ以前に着ぐるみですのよ!!? 中身は小汚いおっさんかも知れませんのに!!!
ハグやヴェーゼでしたらわたくしが思う存分お相手いたしますのぐへへへへ」
「ゲ、ゲ、ゲコ太に中身なんてある訳ないでしょっ!!!?
ゲコ太はゲコ太だって何回言わせんのよっ!!! あと黒子にそんな事はしないから絶対」
大騒ぎする常盤台のお嬢様二人。正直、めっちゃ邪魔である。
とりあえずこの二人を何とかしなければ商売上がったりだ。下手をすればクビにもなり兼ねない。
上条は美琴と白井の間に割って入り、仲裁をしようとする。
だがやはり、そこは不幸で有名な上条さんだ。
どこの誰が捨てたのか、やけに意味ありげなバナナの皮を踏み、お約束通り上条は転倒する。
持っていたチラシは地面にばら撒かれ…いや、そちらは拾えば済むのだが、問題は風船の方だ。
空気よりも軽い風船さん達は、重力に逆らってふわふわとお空を飛んで行く。
上条がクビを覚悟した瞬間だった。
……と、思っていたのだが、白井が瞬時に瞬間移動し、空中で風船を全て回収すると、
そのまま再び地上に瞬間移動で帰ってきた。
見ていた野次馬達は「おー!」と歓声を上げて拍手をする。
「どうぞですの」
と言いながら、何事も無かったかのようにゲコ太へ風船を返却する白井。
何だかんだで彼女は風紀委員な訳で、恋敵であるどこぞの類人猿には厳しい態度を取るが、
基本的に一般市民には優しいのである。
「やるじゃない、黒子」
「いえ、これくらいは朝飯前ですので」
良かった。首の皮一枚でクビにならずに済んだのだ。
…そもそも、元々の原因はこの二人だとかそういう野暮な事は言いっこなしである。
ともあれ助かったので、上条は
「やー、悪い! ありがとな白井」
『うっかり』お礼を言ってしまった。
少し離れていた子供達には聞こえなかったが、
間近にいた美琴と白井にはハッキリと聞こえてしまったのだ。
「……何故わたくしの苗字を…? お姉様は『黒子』としか仰っておりませんのに……」
「そ、そそ、それにその声……ま、ままま、まさか!!!?」
「あっ……」
思いっきりバレた。
二人の顔が見る見る赤くなっていく。ただしそれぞれ、全く異なる理由で。
白井は単純に「怒り」である。
お姉様の大好きなキャラクターで気を引こうなんざ、腐りきった根性をお持ちのお猿さんですわね
ぶち殺してさしあげましょうか!!!、とまぁそんな感じである。
対して美琴は…言わずもがな。
ではここで少し、本日の美琴の言動をプレーバックしてみよう。
―――美琴はゲコ太に抱きついた後、そのままの状態で顔をコシコシと擦り合わせ―――
―――「好き好き好き好き大好き〜〜〜!!!」―――
―――「もうチューしちゃう!!! むー…」―――
―――口を尖らせて迫ってくる―――
―――「じゃあもっとしてあげる! むちゅむちゅむちゅー!」―――
以上だ。
これらはつまり、たとえ本人にその意思は無かったとしても、上条に対して行った事である。
その事実を知ってしまった美琴は、
「う………うわああああああぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!」
と、赤面したまま明後日の方向に走り出した。
「あ、お、お姉様!!? お待ちになってくださいましお姉様!!!
……くっ…今日の所は引いてさしあげますの!!! 覚えてやがれですわよ類人猿!!!」
その美琴を追って、白井も走り出した。
悪役が言いそうな、小物臭のハンパない捨て台詞を吐きながら。
嵐が去り、上条は正直な感想を心の中で漏らした。
(な…何だったんだ…?)
翌日。
上条はバイト先である広告代理店の事務室で、驚くべき報告を受ける。
どうやら今日からバイト仲間が増えるらしい。
ちなみに持ち場も上条と一緒の場所(本人の強い要望により)である。
全身ピンク色の謎生物…確かピョン子と呼ばれていたか。
その謎生物の着ぐるみをを身に纏い、道行く子供達にチラシと風船を無料配布するお仲間は、
「な…何故にお前がバイトなんかしなくちゃならんの…?」
「べ、べべべ別にいいでしょ何でだって!!! ア、アレよ! その………そう! 社会勉強!!
だっ、だだ、だから『アンタと一緒にバイトしてみたいな〜』とか思った訳じゃないのっ!!!
ホントよ!? 勘違いしないでよねっ!!!」
常盤台中学の制服を着て、スカートの下には短パンを穿いている少女だった。
以上です。
この前初めてえっちぃの書きました。
ではまた。
>>345
見ましたぞ〜
あっちもまた書いてくれちゃっていいんだからねっ///
それとこのゲコ太とピョン子はどこで会えますか立川ですか
度々来ちゃってすみません。
小ネタ書いたんで投下しに来ました。
ネタも何もなく、上条→美琴な話です。
たま〜にそんなのが書きたくなります。
約3分後に2レスです。
上条当麻は最近、謎の体調不良に悩んでいた。
ある特定の条件下においてのみ発症するその病気は、
動悸、息切れ、発汗、体温の上昇、喉の渇きなどの肉体的な症状から、
挙動不審になったり、やたらと物思いにふけるなどの精神的な症状までさまざまだ。
そしてこれらの症状が現れる時、必ず一つの共通点がある。
御坂美琴である。
上条は、美琴の事を考えている時、あるいは美琴と一緒にいる時にこの発作が起こるのだ。
ちなみに右手で自分の体をあちこち触っても何も起きなかったので、
どうやら異能の力が働いている訳ではなさそうだ。
上条はカエル顔の医者のいる【いきつけ】の病院に行ってみたのだが、
医者からは怪訝な顔をされながら、「冷やかしなら帰ってくれるかな?」と一蹴された。
次は科学にも魔術にも精通している土御門に話を聞いてみたのだが、
一発思いっきりぶん殴られた後、「リア充は滅べばいいぜい」と言いながら道に唾を吐かれた。
不幸である。
結局この謎の病気の事は何一つ解らないまま、今に至る。
思えばこの症状、この前道で美琴を見かけた時に初めて現れた気がする。
上条は先日、偶然にも美琴がペットショップの外から中にいる動物たちを見ているのを目撃した。
おそらく電磁波で動物を怖がらせないようにする為の配慮だろう、
ガラス越しにネコにおいでおいでしながら、彼女は優しく笑っていたのだ。
上条はその笑顔を、単純に「可愛いな」、と思った。
それだけだった。それだけの事だった。しかしそれからなのだ。例の病気が発症したのは。
気がつけば一日中美琴の事を考えている日も珍しくなく、
そのおかげで家事にも勉強にも身が入らない毎日なのだ。
それなのにどこか心地良く、不思議と嫌にならないのが、この病気の厄介さに輪をかけていた。
そんな訳で、彼は今日もどこか足に地が着かない様子で、フワフワしたまま寮へと帰る。
(美琴…今何してるんだろうな……)
と、やはり彼女の事を考えながら。
だがその時だ。
「ちょろっと〜?」
という声がした。上条は反射的にビクッとする。
何しろその声の主は、
「み、みみ美琴!?」
そう。病気の元凶と思われる、御坂美琴本人だからだ。
「? なにキョドってんのよ」
「いい、いや別に何でもありませんのことよ!? 上条さんは平常運転でありんす!」
「そ、そう…? ならいいけど……」
明らかにどこかおかしい様子だったが、
よく考えたら上条は元々おかしい言動が多かったので気にするのをやめた。
上条は上条で、やたらと心臓がバックンバックンしているが、必死に平静を装う。
「で…その、な、何か用か?」
上条はいつも通りの自分を演じる。
「えっ!? あ、いや…別に用がある訳じゃないんだけど……
ただアンタが歩いてたから何となく………」
「へ? それだけ…か?」
「なっ何よ! 用がなきゃ話しかけちゃいけない訳!?
わ…私に話しかけられたら……め…迷惑なの!?」
「あ! そ、その、そういう訳じゃないんだけどさ!」
お互いにギクシャクしている会話である。
いや、それよりも問題は美琴が詰め寄ってきたせいで、
「あ、ああああの美琴さん!? 顔っ! 顔が近いのですが!?」
『何か』事故でも起きれば、キスできる距離となっていた。
美琴は瞬時に顔を赤く染め上げる。
「おわああああ!!! ごご、ごめん……」
「い、いや、別に謝るほどの事じゃないけど……」
非常に気まずい…と言うより甘酸っぱい空気が二人の周りを包み込む。
そのまま爆発してしまえ、と思うのは、
その様子が嫌でも目に入ってしまう周りの通行人たちだけではないはずだ。
「あ…じゃ、じゃあ俺もう行くから。用がないならこれで……」
この空気に耐えられなくなったのか、上条が逃げるように急ぎだした。
このままこの空間にいると、色々と変になってしまいそうだ。
しかしそんな上条を引き止めるかのように袖を引っ張り、俯きながら美琴は言う。
「い……一緒に帰っちゃ…ダメ…?」
上条の頭に、「断る」という選択肢は何故か浮かばなかった。
微妙に距離を空けながら、二人は無言のまま歩いている。
ただし、美琴は上条の袖を引っ張ったままだ。どうにもやり辛い。
気まずいのは会話がないから…だけではない気がする。
「あ…あー、あのさ、美琴って普段何してんの?」
とりあえず上条が話しかける。
相変わらず謎の発作は治まっておらず、美琴が隣にいるだけで胸は苦しいのだが。
「え…? ふ、普段? 別に普通だけど…特別何かしてるって訳でもないし……それが何か?」
「いや…別に……」
会話が続かない。
おかしい。以前は普通に喋れていたはずなのだが、何故か今はうまくいかない。
何かもう、本格的にヤバイのではないか、と上条は思った。
このままの状態でいるのは何だか嫌だ。
ずっと美琴とギクシャクした関係でいるのは、絶対に嫌だ、と思ったのだ。
だがこの病気の正体が一向に分からない。
なので彼は、その事を美琴に打ち明けた。
「な…なぁ、美琴……」
「何?」
「じ…実は……さ…そのー…何だ……えっと………」
「…? 何よ、はっきりしないわね」
「う……悪い……」
何故だろう。これを美琴に相談するのは何か違う気がする。
うまく言葉が出てこない。
「あー………じ…実は友達に相談されたんだけどさ!」
なので第三者【ともだち】のせいにして、事実をでっち上げた。
「み…誰かの事をずっと考えちまうらしいんだよ。朝も昼も夜もずっと。夜中も眠れないくらいにな。
んで、その誰かと一緒にいると胸が苦しくなつっつーか、すごいドキドキするらしいんだ。
これって…何だと思う…?」
上条は破裂しそうなほどにドクンドクン鳴っている自分の心音を聞きながら、美琴の答えを待つ。
だが美琴は意外すぎるほどにあっけらかんと答えた。
「何言ってんのよ。そんなの、その人の事が好きだからに決まってるじゃない」
ただし、その答えは上条にとって衝撃的だった。
「好……き……?」
「そうよ。当然じゃない。ったく、その友達もアンタに相談して今頃後悔してるんじゃない?
アンタ、その手の話には鈍いもんね。おかげで私も散々……って、ななな何でもないや!!!」
上条はその場で立ち止まり、美琴の言葉を頭の中で繰り返す。
そしてこの病気…いや、感情が何なのかを理解した。
(そうか……俺は……)
振り返り、美琴の顔を真っ直ぐ見つめる上条。
この気持ちを、今すぐにでも伝えたくなった。
「失敗するかも知れない」という考えすら、何故か頭をよぎらなかった。
「……美琴」
「な、何よ。急に真面目な顔しちゃって……」
「先に誤っとく。急にこんな事言ってごめんな」
「だ、だから何なのよ。言いたい事があるなら言いなさいよ」
上条はゆっくり深呼吸をして、そして―――
「俺、美琴の事が……… 好
以上です。
中途半端な所で終わってますが、仕様です。
後はご自由に想像してくださいって事で。
ではまた。
やだこの子らかわいい
乙乙
( ˘ω˘)......
( ˘ω˘)......。o(上条さんはストパかけてるのん? 髪下ろしたら浦飯幽助みたいになるのんな)
( ゚д゚)ハッ
(゚д゚)恋愛サイド 17レス いろいろ注意してね(はぁと)
【225/2−168】
【2日目 ただ隣りに】
1/3 17:00 雪
上条刀夜は電話を置くと、すっかり伸びてしまった無精髭を
撫でながらゆっくりと息を吐いた。
美鈴「……それで、警察はなんと?」
深刻そうな顔でそれを伺う美鈴はダイニングテーブルに刀夜を促した。テーブルには先ほど入れたばかりの紅茶がまだ薄く湯気を立てている。
刀夜は一旦鈍い返事だけして素直に座ると、紅茶を指にかけたまま、口をつけるでもなくその縁を覗きこんだ。
美鈴と詩名は一瞬顔を見合わせたがすぐに視線を刀夜に戻した。ふたりとも、きっと自分は彼女のような不安顔をしているに違いないと思った。
刀夜「正月なもんで、人が出払っていると。ただ、とりあえず真偽を確かめるようなことを言ってました」
詩名「……、あらあら……」
詩名は若干弱々しく口癖を切り出して二の次を探した。
詩名「それでも動いてくれるのであれば一安心というところかしら。やっぱり子どもたちを遊園地に避難させておいて正解でしたね」
敢えて明るい声で言って刀夜の背中に手を置く。
刀夜はそれに応えて何とか笑顔を作った。
大丈夫、いつものことだ、今回もどうにかなる。二人は視線でそう語り合った。
美鈴「少し、休みましょうか」
三人分の紅茶と菓子が用意されたダイニングテーブルに二人もそれぞれ腰掛け、淹れたての紅茶をすする。
詩名「あら美味しい」
詩名は軽く言ったが、それは本当に、目を見開くほど美味しかった。紅茶というものはこういう味だっただろうかと思うほど。
胸のもやもやがほんの一瞬だけすっと消えたような気がした。
美鈴「あはは。娘があんな学校に入っちゃったもんだから、私も外張りくらいはこだわろう……なんてね」
元々旅掛にそれなりの収入はあったものの、それはあくまで中流家庭の中での話だ。常盤台中学のような超がつくお嬢様学校に娘を入学させるほどではない。しかし持ち前の性格で取りまとめ的役割になることは多く、横の繋がりでは体面を取り繕うのに若干苦労しているのだった。
彼女の事情は大体詩名にも把握できていたので、困った笑みを浮かべてやり過ごす。
詩名「それに、素敵なお宅ですね」
洋風ベースのモダンな造りの部屋だ。中途半端な洋風ではなく単なる欧米風でもない、家具や調度のチョイスが単純にセンスの良さを感じられる内装だった。ただ、そのどれもが三人用なのに、全てが整っていて使用感があまりなかった。暖炉もあるのだが今は暗く沈黙を守り、代わりにストーブが青く熱を放っている。
美鈴「まあ、一人きりだと持て余し気味なんですけどね。子供の手間が減ると暇なもんで」
詩名「どうしてもこだわってしまったり、必要以上に片付いてしまいますね」
二人は互いに苦笑しあう。似たような境遇だからこそ共感できるものがあった。
現在三人は御坂家に避難している。
昼間、刀夜は息子《とうま》へ電話した後、美鈴へ頭を下げた。
理由は後で話す、ここは近く襲撃を受けるかもしれない。もしかすれば美鈴さんも危険な目に合わせるかもしれないが、どうか御坂家へ避難させてほしい、と。
美鈴はそれを理由も聞かず承諾した。別にお人好しだからというわけではない、ただ詩名は友達だし、上条当麻の親を放っておくことはできないと思った。彼には色々恩がある。
ただ、そうは言っても気になるものは気になった。
美鈴「……で、そろそろネタばらししてもらっても?」
少し茶化したように言う。
刀夜たちに気負いがあるのはすぐ見て取れた。
【226/2−169】
刀夜「そう……ですね。少し長くなるのですが……」
刀夜は無理に笑おうとして、結果引きつった苦笑いを作ることに成功した。自分の心情を鑑みればそれは上出来であった。
刀夜「どこから……どこまで話したものですかね……」
そうつぶやいてティーカップを弄んだ。
すべて話さないと説明にならないし、ここまで巻き込んでしまった美鈴には説明すべきだと覚悟していたので、その言葉はただの調子付けだった。
刀夜「あいつは…………私の息子は、なんというかその…………そう、『不運』なんです」
詩名「…………」
美鈴「…………はあ」
目の前の深刻そうな二人にどうリアクションすればいいのか美鈴は迷う。
そんな美鈴に苦笑を向けてやりながら、刀夜はぽつぽつと語りだした。
刀夜「最初は、なんだったかな。些細な出来事だったかもしれない」
例えば、出産後すぐに入った保育器の電源が偶然落ちるだとか。
例えば、たまたま買った離乳食に針が混入してただとか。
例えば、ベビーカーの車輪のロックが壊れていて、坂を転げ落ちるだとか。
例えば、乗っていたバスが玉突き事故に巻き込まれただとか。
小さいものを数えればきりがない。
怪我、病気、破損、災害…………
いつも涙が耐えない子だった。
もちろん幼少期は身を守るすべが無いため怪我が耐えず、いつの間にか小児科医と顔なじみになっていたほどだ。
私達は何かがおかしいとは思いながらも、その時は一つ一つを不運な事故で片付けるしかなかった。
しかし、あるとき決定的なことが起こった。
たまたま入った銀行で当麻が強盗に人質にされた挙句、腹を刺されたんだ。
正直言って死んでもおかしくない重症だった。あと数分、数ミリ違っていれば当麻は死んでいたはずだった。
それでも生死の縁を彷徨ったあの子はなんとか一命を取り留めた。恐ろしい不運が襲いかかるが、いつもギリギリのところで回避する。悪運があったのか、単なる偶然なのかはわからない。
とにかく私達はほっと胸を撫で下ろすとともに、いつか一人息子の身に何か致命的なことが起きてしまうのではないかと、戦々恐々とする毎日だった。
とは言え、何をどうすればいいのかわからない。
家庭内は荒れた。
心がすり減って、それでも耐え続けられるほど、私達は強い人間ではないんだ。
二人とも当麻のことを想っているのに、どうしていいか分からず些細な事で喧嘩になった。
そして、そのたびに当麻が泣いた。
私達は喧嘩の原因を彼に悟られないよう必死だったが、成長してくるとそれも隠しきれなくなった。
「ぼくがいるからでしょ。ぼくがいなければいいんでしょ」
ある日、大泣きしながら喚き散らされたその言葉に、私達は我に返った。いついかなる時だって味方でいなければならない私達が当麻を、不幸にしていたと。馬鹿だった。分かってはいたのに。
それから私達は二度と当麻のことで喧嘩しないと誓った。
だが、そのことと不運なことは無関係だった。
鬱屈した気分を晴らそうと皆で出かけた旅行先で季節外れのスズメバチに襲われ、狙い撃ちするかのように当麻だけが刺された。
その事は小さなニュースになったのだが、本当の不運はそれを目ざとい記者に発見されたことだった。
不運の連鎖の始まり。
『銀行強盗に刺された不幸な男の子、今度は蜂に刺される!?』
そんなタイトルだった。
下卑た、どうでもいい週刊誌の、どうでもいい小さな記事だったと思う。
それでも噂というものは駆け巡るもので、近所や世間からは哀れみの目で見られるようになった。一時期は気味の悪いくらい周囲が優しくなった。
【227/2−170】
話は更に転がる。
週刊誌の記事が、バラエティ番組のプロデューサーの耳に入ったらしい。
当時人気絶頂だった女性霊媒師が、占いで有名人に有ること無いこと予言するようなテレビ番組。その番組の新企画で、心霊スポット巡りや取り憑かれた人を除霊するというものがあったそうだ。基本的にはやらせみたいな、素人なのか劇団員なのかも怪しい人を相手にするコーナーだったらしいが、彼らはテコ入れということで、正真正銘事件に何度も巻き込まれている当麻をやり玉にあげようとした。
私達はもちろん、有名な霊媒師が当麻を見てくださるということで喜んで引き受けた。
今考えれば愚かだたったと思う。結果論ではあるけれど。あそこで選択を誤らなければ、違った結末になっていたかもしれない。
夕方。小さな人気のない神社の境内にゴザを引いて、周りにぐるりとスタッフが陣取っていた。
段取りを説明され、カメラが回ったもののすぐに異変は起きた。
霊媒師が持っていた金色の高価そうな術具に当麻が触れた瞬間、粉々に砕け散ったんだ。
私達は血の気が引いた。
弁償のことだけじゃない、当麻のことを見てもらえなくなるのではと思った。
しかしそれを見た霊媒師は怒るでもなく、真剣な顔つきになって、
「申し訳ないですが、この坊やはわたくしの手には負えません」
そう言ったんだ。
私達はあっけにとられた。
生放送のテレビカメラが回る前で、いつもは大御所タレントにすら上から目線の彼女が、静かにそう言ったんだ。
今思えばあの時の姿が、あの方の素だったんだろう。
「難儀な右手だなこりゃあ…………でも、しっかり踏ん張って生きな。きっとコレが活きる日も来るさ」
霊媒師はそう言って当麻の頭をぐりぐり撫でてやった。その顔は普段テレビでは見たこともないような優しい顔だった。
だが――――信じてもらえないかもしれない、滑稽な話だが。ほんとうに、これは本当にたまたまだと思っている。
不運な雷が落ちたんだ。
当麻にではない。霊媒師にでもない。数十メートル離れた電柱にだ。
轟音と、とてつもない光。
何が起こったか理解するのに十秒はかかった。
皆にとって本当に不運だったのは、霊媒師が見た目以上に高齢で、心臓の持病を患っていたことだった。
それで、彼女はそのまま地面に倒れ伏してしまったんだ。
直後に、大地震が起きた。
馬鹿げてると思うだろう。作り話でもこんなくだらない展開はしないと。とはいっても別に、日本において言えば大したことのない大地震だった。年に何回か、どこかで起こるような規模の揺れだ。
だけど、それでもこの展開は人を恐怖させるには十分だった。
揺れが収まる前に、とうとう決壊した。
一人、二人。霊的現象には慣れっこなはずのスタッフが何かを喚き散らしながら逃げ出した。
それを皮切りにほとんどのスタッフが釣られるように逃げていく。彼らの表情は忘れたくても忘れられない。
残っていたのは霊媒師を必死に呼びかける私達と、腰を抜かしながら必死にカメラの向こうの視聴者に避難を呼びかけるレポーターの女の子。あとは、静かになった境内に降り始めた雨を気にするでもなく呆然と立ち尽くす当麻だけ。
「…………また、ぼくのせい?」
雨音と大人たちの絶叫の中、テレビカメラだけがその消え入るような声を捉えていた。映像はすぐにスタジオに返され、絶句した顔の芸能人達が何を言う前にそのまま緊急特番へと移行した。
霊媒師の女性は、残念ながらその後病院で亡くなってしまった。
地震の影響で救急車の到着は絶望的に遅れたんだ。
自信はないが、彼女の死だけは当麻のせいじゃないと思いたい。彼女の持病はかなりギリギリのところだったらしい。むしろそれに居合わせたことこそが不運なのかもしれない。私達はそう思うことにした。
【228/2−171】
だが、世間はそうは見てくれない。
当時はまだ個人のプライバシーなんかに今よりは甘かった頃で、霊媒師の葬儀の放送でも先の VTR が何度か流された。映像と声は悪意を持って加工されていた。大仰な効果音にスタジオの棘々しい照明。司会者の「謹んでご冥福をお祈りいたします」という言葉に反吐が出た。
効果の程は甚大という域を超えていた。
世間の哀れみの目は完全に恐怖のそれに変わった。
週刊誌にはこれまでの当麻の不運を全て並べ立てられた。人間、生きてれば多少なりとも不運なことなんてある。それなのに、全部あの子が恐ろしい何かであるかのように書かれていた。
事件後、少しの間はかろうじて幼稚園には通わせていたが、子供は時として残酷だ。本当に酷いことを言われたのだと思う。帰るたびに私達に報告するその悪口を、必死にそんなことはないと否定した。そのうち親御さんからのクレームで幼稚園は行けなくなった。当麻の近くにいると災いが起きる。そう囁かれていたらしい。
どん底。
もう誰も知らない土地へ引っ越してしまおうか。
そう考えていた私達だが、まだまだ転げ落ちる余地があったらしい。
あの大地震で怪我を負った人が、次々と当麻のせいだと週刊誌で喚き散らしたのだ。たぶん、週刊誌側の誘導尋問だったのだと思う。不安があれば煽るのが彼らの仕事だ。許しはしないが理解はできる。
だから最初は私達もそれを聞き流した。が、甘かった。
人間というのは自分に不運が降りかかった時、その理由の無さに一番恐怖するらしい。偶然という理由では割り切れない彼らは、霊だの国だの警察だの医者だのに責任を求めたがる。何故俺だけがこんな目に、何故私の大切な人がこんな目に、なんて。
そんなとき、近くに当麻が居るとどうなるだろう? その矛先を一心に浴びるんだ。
当麻は相変わらず不運だった。ほんとうに小さな不運があると、それを目撃した人が、まるで死神をみたかのような顔をして息を呑んだ。そして、もしそのうちの何人は、偶々起こった不幸な出来事の原因、そのやりきれない感情を最終的に当麻に向けるんだ。
この過程は想像であって、真相は分からない。分からないが、結果として家には大量の落書きと嫌がらせが舞い込み、定期的に通り魔に襲われるようになった。窓はいくら張り替えても割られるため板張りにし、郵便ポストは塞いで局で受け取った。電話番号なんて四回変えてから諦めた。仲の良かったはずの小児科医の先生にも拒絶され、怪我をするたび顔と名前を隠して遠方まで車を走らせた。
でも、一番当麻にとってきついのは言葉の暴力だっただろう。
一縷の疑いもなく当麻のせいだと思っている人から「あの人を返して」とか「おまえのせいで」とか言われ続けると、幼い子はそれが真実だと思ってしまうらしい。いつしか「ごめんなさい。ごめんなさい」という言葉が口癖になっていた。その言葉は狂った人たちを一時的に退散させる効果もあるが、より悪化させる危険性の方が大きかった。
引っ越せば解決できるという発想はもう過去のものだった。この日本のどこに逃げ場があるというのだろうか。
疲弊しきった私達に、もう残された道は少なかった――――
【229/2−172】
そんな時。
「当麻君を私どもに預けていただきたい」
スーツ姿の男と女が訪ねてきた。
学園都市人材開発部。名刺にはそう書かれていた。
当時、学園都市は子供集めに躍起になっていた頃だった。一国の首都の三分の一を一組織が買い上げるなんて、近代史上例を見ない出来事だ。資金力は元より、政治力や交渉力、情報統制力に至るまで、とにかく先進国と渡り合うだけの力を 一教育機関が既に持っていた。
とは言いつつも、その信頼のほどは上辺のもの。大きすぎる組織力に、理解し難い人体実験、洗脳に近いまでのメディア戦略で『夢の国』と持て囃されてはいたが、そんな都合の良い世界などどこにもないことを我々日本人は歴史から学んでいた。
今でこそ国の学生の一割以上が学園都市で生活してはいるが、当時はまだそこまでではなかった。出入りの制限がほとんどない代わりに超能力者のような実績も乏しい頃。学園都市に子供、特に一人っ子を預けるなんて、ほとんどが劣悪な理由か親が酔狂なだけだと思われていた。
そんなだから、もちろん私達も断った。
もし学園都市が良い環境であったとしても、親である私達が当麻を守らなければならないと強く誓っていた。
当麻だって、こんな状態で親元を離れられるはずなんてないと信じていた。
だが、世間の風当たりがますます酷くなっていったある時、当麻が言ったんだ。
「ぼく、学園都市にいきたい!」
今日みたいな雪の降りしきる寒い日だった。
どうにか公立の小学校に受け入れてもらえるかというところで。新品のランドセルも買い揃えていた。
なのにあの子は、今にも泣き出しそうな顔をしながらそう言ったんだ。
今思えば、疲弊する私達を案じたのかもしれない。いや、単に あの状況に耐えられなかったのか。
私達は必死にとめたが、あの子はきかなかった。
何故いきたいか聞くと、楽しそうだからと応えた。見たこともないような乗り物に乗りたいだとか、カッコイイ能力者になって悪者を倒すだとか、科学者になって偉くなりたいだとか。テレビで見た知識を総動員して必死に訴えかけた。
最後に折れたのは私達の方だった。
確かに学園都市の人間ならばオカルトなんて信じないだろう。そんな目の低い可能性に賭けたが、結局、いつの間にか成長していた我が子に甘えてしまったのかもしれない。
結論を先に言ってしまえば、学園都市に行っても元々不運に遭いやすい質だからあいつの立ち位置が変わることはなかった。
小学校の先生からは、からかいとも、いじめともとれる扱いを受けている。よく喧嘩や揉め事に巻き込まれると聞いた。
電話や手紙では気丈に振る舞ってはいたが、帰省するときは最後にいつも涙を必死にこらえていたのを昨日のように覚えている。
中学校に上がると特に荒れた。わざわざ能力を持つ子に喧嘩を売るようなことばかりしていた。
何度か入院して、学校に呼ばれたこともあった。
そのときあの子は、
「だって見すごせねぇだろ!! 誰かの不幸をさ。他の誰が見すごしても、俺だけは見すごしちゃだめなんだよ! だから、全部この右手でぶち壊してやるんだ」
そう言って右手を見つめる顔は笑っていたが、私はあの子がどんどん不運を引き寄せている気がして怖かった。けれども、その行為を止めることもできなかった。実際私達もその意見を否定出来ないんだ。だから私は、むしろ当麻の不運体質を払拭する方法は無いかと悩み続けた。
しかし、彼はそれで幸せだったらしい。
この前の夏のことだった。
自分が誰かを不幸を取り除いて、幸せにできるのが幸せだといった。勝手に不幸扱いするなと。強い意志を持って言っていた。
そう、結局この物語の主人公は当麻なんだ。
いつの間にかあの子は成長し、私達にも解決できない何かを自力で乗り越えたようだった。
あんなに小さかった子が…………
高校の先生が言うには、確かに当麻は特殊なのは変わらないらしい。ただ、超能力やら最新技術の粋が集まった学園都市においてはまだこちらの世界よりは許容範囲内だと思うとのことだ。何かおかしなことがあれば理由が分からなくても大体能力者か科学者のせいだと思われるので、奇妙なことへの耐性があるらしい。
それに、当麻のああいう性質を跳ね返すだけの性格が備わっていると言っていた。
長年の肩の荷が降りたような気がした。
私達ができるのは、それでもあの子が疲れた時に帰る場所を保ったまま、ただ彼を信じてやることくらいなんだ。
【230/2−173】
刀夜「……………………」
だが、そう安々と全てが解決されるわけではない。
『こちら側』では、未だ当麻を恨みつづける奴が居る。
実際の所普段は学園都市の入場規制に守られているのだが、帰省時期になるとチラホラと、目を血走らせた奴らを家の前で見かけることがあった。
まあ。変な話だが理解はできる。
やるせなくて、どうしようもない。大切な人の不幸なんかの原因を探し続けていたような心の壊れた人たちにとって、真偽はともかくにしろ彼は仇なんだ。とは言え、奴らはもう半分くらい自分たちが間違っていると気づいているのかもしれない。嫌がらせをするだけで、一線は超えない。だから私達も特段逃げるわけでもない。
当麻も随分前にもう慣れたと言っていた。
刀夜はまるで独り言をするかのように語ったあと、長い溜息を吐いた。
刀夜「長くなりましたが、要はそういう連中から今一時的に逃げているわけです。ただ……」
詩名「今年は妙ですね」
刀夜「ああ。去年はついに一人も見かけなくなったし、もう無いと思ったんだが……。あ、先ほども言ったとおりそこまで大変なことにはならないはずです。最初の過激な連中は逮捕されてしまいましたし、大抵の連中は徘徊や悪戯する程度ですので」
刀夜は少し恥ずかしそうに言った。
ここまで他人に全部話したのは初めてだった。
美鈴には。というか、上条当麻がとても仲良くしていた美琴の母親には、伝えておくべきだと思ったのだ。懺悔でも乞いでもなく、親の責務として。
刀夜「あの……御坂さん?」
美鈴「え? あっ……、ごめんなさい」
その言葉にどこか上の空だった美鈴は肩をびくっと震わせ、バツが悪そうにティーカップに視線を落とした。
刀夜「本当にすみません。こんなことに巻き込んでしまって」
美鈴「あ、いえ! 私は全然。……むしろ」
美鈴は口ごもる。今の上条当麻の話を聞いて、彼女は混乱していた。
一昔前にメディアを賑わした『不幸な子』の話は美鈴にも覚えがある。あの子が上条当麻だったなんて、と驚いた面もあるのだが、それより何よりもっと重大なことがあった。
美鈴は、最近夫から聞いた娘の話を思い出した。
ひょっとしたら、自分はこの二人に頭を下げなければならないのかもしれないと思った。
美鈴「あ、あの!」
刀夜「?」
リンゴーン、と、その時おしゃれな呼び鈴が鳴った。
三人は互いに見合わせる。
様々な想像をしたまま、刀夜が先に立ち上がった。
◆
【231/2−174】
遊園地は混乱を極める。
雷轟。倒壊する観覧車。陥没する地面。黒い竜巻に再び雷鳴。
その大部分が一人の少女によるものであったが、客の誰ひとり、そんなことを考える余裕などなかった。我先に渦の中心から逃げようと逃げ惑う。
その中心に居た美琴は、むしろそれをわざと引き起こしていた。
災害級の兵器と災害級の超能力者がぶつかり合うのだ。
そのくらい本気で逃げてもらわなくては困る。
駆動鎧は五体。
美琴が放った電撃の槍は軽くいなされ、大きな半月状にした砂鉄の攻撃は押しつぶされた。
しかし、わずか二撃の間に看破する。
美琴(全ての駆動鎧が発電能力を持ってるわね。右の一体は更に念動力系保持か、力技では分が悪い。さっきの攻撃を考えれば精神系能力もデフォ? 高速で連携するなら当たり前かしら。あとは、初動が早けど……未来予知能力者なんてレア能力持ってるなんてことないでしょーね!?)
他方、駆動鎧の側もこの二撃で計算する。第三位の能力は『想定内』だと。
様子見は終わり。
四体の駆動鎧が何もない空間から十二メートルほどある、これまた黒い銃器を取り出す。
学園都市製対戦術兵器ロケット弾。対学園都市製最新兵器を想定したもので、普通の駆動鎧ですら反動に耐えれれない。学園都市内に反する組織を鎮圧するための部隊であるため、そう言った使う状況が思いつかないようなゲテモノを多く所有している。
結局、第一位のような特例を除けば、能力者など力でゴリ押しできてしまうという考えが体勢だ。馬鹿正直に能力戦を楽しむのも彼らは好きなのだが、残念ながらこれはあくまで仕事なのだった。
駆動鎧は完全自動によるエイミングで美琴の上半身だけが残るようにロックオンすると、躊躇いもなくトリガーを引いた。
同時か一瞬前。ザンッ!! という音が降り注いだ。
美琴が駆動鎧との間に砂鉄の雨を降らした音だった。
四体中二体の駆動鎧からロケット弾が放たれると、人間の知覚では到底追いつけない速度で二つの弾頭が少女の方へと向かい出す。
しかし散りばめられた砂鉄はそれより早く、光速をもってして美琴の脳へと弾道信号を送った。砂鉄はただ闇雲にばらまかれたものではなかった。それらは全体として複雑な回路を形成している。
――――誘爆が効かないタイプ。右に避けても左に避けても当たる。壁を作るのも間に合わない。爆風で簡単に吹き飛ばされる。そして幸運にも後ろは海。
弾頭の動きで『判断』した砂鉄の回路は美琴の身体に命令だけを送る。それを受けた美琴は従順に従い強力な斥力をもってして飛び上がる。
が、当然のごとくホーミングしてくる二発の弾頭。そして残りの二体はこれを狙っていた。
空中に投げ出された身体をめがけ、彼女の現在の位置よりやや手前で起爆するようセットされた残りの二発が放たれる。
左右下方、前方、上方から弧を描き迫る弾頭。
美琴「……」
瞬間。周囲から音が消えさった。
辺りは炎と黒煙で満たされ、衝撃波が街を駆け巡り、園内のガラス窓が全て砕け散る。
まるで一瞬で、娯楽の空間が戦場の最前線に瞬間移動したかのようだった。
爆心地は未だ煙の中。しかしそこはクレーターが開くほど何もないはず。
「っあーっと」
それを見て、駆動鎧の一体が大きく伸びをした。
初めて人間らしさをかいま見せる動きだが、異形のためか、却って不気味な様相である。
「殺してよかったんでしたっけ?」
人間の声のような、どこか不自然な音が響いた。
それは機械音声だったが、洗練されすぎているせいでまるで役者の声だった。
「できれば生け捕りにということだったが、どちらにせよ報酬は変わらん。報酬はな。ただ教授が欲しがっていた」
「……って、そりゃ荒れるんじゃないの? 一応下半身狙ったけど、生け捕りどころか脳漿さえ残ってないですよこれ。やってまったもんはしょーがないけどさ!! まあいいや、とりあえずさっさと新宴会戻りましょうよ」
「…………ふたりとも。油断し過ぎなの」
ズガンッ!! という頭に走る衝撃とともに二体の駆動鎧の身体がノーバウンドで中を舞い、そのまま地面に叩きつけられた。追い打ちとばかりにガガガガガと金属同士が激しくぶつかる音がして、その黒い身体が地面にめり込む、
【232/2−175】
「……ぜんぜん想定外なの」
それを何となく眺めていた一体の駆動鎧が感嘆の音を発する。
攻撃が来た方を見ると、爆心地の後方三十メートルほどのところに浮遊する黒い塊があった。
その塊は徐々に分裂し、それぞれが三メートル程度の球へと変化していく。
異変の中心には一人の少女が浮いていた。
息を切らせた少女はフラフラと揺れながら目をこする。
美琴(……くそ、視力がまだ戻らない)
少女の両手首と両足首には砂鉄の輪が高速回転していた。それらの輪は園内や地下の金属との引力、斥力で宙に浮かせていて、さらにその輪を軸に身体を支えているのだった。
美琴(緊急回避はどうにでもなるんだけど、如何せん生身の身体には限界があるのよね)
急激な重力《G》を伴った加速はブラックアウトを引き起こし、最悪気絶してしまう。
有人の高速戦闘機がミサイルほど早くない理由と同じだ。学園都市の戦闘機はパイロットを凍結することでこれを解決していたが、美琴にそんな芸当ができるはずもない。だから今のような緊急回避はそう何度もできるものじゃないのだ。
美琴(音速を超える戦いはあまり移動したくないんだけど……)
美琴に限らず、生身の能力者は自分の身体の位置をできるだけ安定させて戦うのが基本だ。一瞬で音速の何倍にも加速できるエンジンを持っていたところで、アクセルを踏みすぎれば死ぬと分かりきっている。
だから美琴もそういう戦闘スタイルの方が慣れている。
だが、狂った火力の範囲攻撃を高速に放ってくる相手と対峙したらそんなことに拘泥なんてしていられないだろう。
ブラックアウト寸前から数秒。ようやく視力が少し回復するも、そもそも夜だから敵の様子はあまり見えなかった。
もちろんそれより前に電磁波の方が異形達の様子を克明に映し出している。
美琴(無傷…………?)
中の人間のことを顧みず打った砂鉄のレールガンは、しかし彼らを吹っ飛ばすことしかできなかったらしい。
軽くこけてしまったくらいの気軽さで奴らは起き上がった。
美琴(火力、防御力、早さ、数、能力…………)
勝っている要素は少ない。
分かってはいた。世の中それほど甘くはない。軍隊を相手にしても勝てるというのはあくまで普通の国での話で、学園都市が最新鋭の兵器を持ち出せば逃げるのが精一杯。それらを駆逐できるのは例外級の能力者だけだろう。
美琴は歯噛みした。
美琴「そんなんじゃ、だめなのよ」
搦め手ではない、本物を持ちだしたということは、学園都市も美琴と上条の排除、あるいは連れ戻しに本気だということだ。
これを回避できなければ二人に未来はない。
美琴「だから、退かない!!」
美琴は隠し持っていたコインホルダーを取り出すと、一気に数十枚のコインを前方へ放り投げた。
放物線を描くと思われたそれらは美琴が造り出した無数のレールに沿って加速し始め、複雑な軌道を描いて駆動鎧に迫る。駆動鎧は避けようとするが、そのたびにレールが書き換えられ、コインは更に加速した。
しかしもちろん五十メートルを過ぎるとコインは跡形もなく溶けて消えさる。
囮。
コインが消える前に、何千トンもの砂鉄が四方八方から降り注いだ。
雪崩のような砂嵐は強力に磁石化されていて、駆動鎧にどんどん付着しその質力を増やしていく。
砂粒に対して空間移動《テレポート》をできるような駆動鎧は居なく、電磁力戦では美琴に一日の長があった。
風やら火やらで応戦する駆動鎧だが、物量のほうが勝っている。
美琴「ッ」
しかし力同士のぶつかり合いで、かろうじて念動力系能力を持つ駆動鎧の脱出を許した。それは音速の数倍の速さで突進してくる。
間一髪。美琴はくるっとまわって上昇することで回避した。
衝撃波だけでどうにかなりそうだったが、それ以上に重力《G》が掛かり過ぎる。
単純なパンチを躱された駆動鎧だったが、そのまま直角に方向転換。速度を保ったまま美琴の方を向き直った。
【233/2−176】
美琴(…………)
中の人間は凍りづけでもされているのだろうか、人間が耐えられる重力《G》など遥かに超えていた。
しかし美琴にそんなことを考える時間はない。
思考スピードとか、他に考えることがあるだとかそういうことではなく、もっと物理的に、人間の反射速度すら遅すぎる。駆動鎧が方向転換したと認知するよりずっと早いスピードで駆動鎧は迫った。
駆動鎧がその手を伸ばし、少女の身体を柔らかいトマトのように潰してしまおうかという瞬間、しかし美琴の電磁波が緊急回避モードに突入した。
あらかじめ用意されていたプログラムが発動する。
多弾レールガン。三センチ大の弾丸に変形した二百個の砂鉄が駆動鎧めがけ降り注いだ。
弾丸のスピードに駆動鎧の接近スピードが加算され、その身体がやや陥没する。
が、それまでだった。
四つの輪で自身の身体を上空へ打ち出した美琴の能力であったが、一秒にも満たない間にその身体は追いつかれる。
駆動鎧の鋭利な五本の指は、美琴の右腕を全力で掴み、ブチブチッという小さな感触とともに少女は捉えられた――――はずだった。
「……?」
少女の身体はそこに無かった。
代わりに駆動鎧の手にあったのは茶色い髪のようなもの。美琴がつけていたエクステだけだ。
その一秒の間で現状を正しく理解していたのはその場でただ一人だけだった。
「お姉さま!!」
駆動鎧から五百メートル上空に甲高い少女の悲鳴が響いた。
少女の頭には横にはみ出した二つの角を持つ、奇妙な形の器具がはめられていた。
その見慣れたツインテールと今にも泣きそうな顔を見て、美琴はその名前を呼ぼうとする。
美琴「ガブッ!!」
しかし出てきたのは声ではなく鉄臭い液体だった。
身体に負荷ががかかりすぎた。自分の内臓がどうなったかなんて考えたくない。
だけど、こんな時だというのに、頭の演算スピードはむしろ高まっていた。
砂鉄の塊を脱した一体が再びロケット弾を打ち出している。そうレーダーが告げていた。
美琴「ぐ……ろご、にげ」
言ってから思う。これは無駄な台詞だったと。
白井「飛びますわよ!」
白井は冬の夜空をランダムに飛び回った。
しかしロケット弾は正確無比な動きでそれを追従してきていた。白井の限界速度をもってしても徐々に差を詰められる。
美琴(くそっ!)
レポートしたおかげで配置が崩れた砂鉄をどうにか集めて美琴は誘爆を狙う。
が、それは全ていなされた。ロケット弾の様子がおかしい。
美琴(あれは……植物??)
ロケット弾の先端には木の幹のようなものが生えていて、それが腕のように動き全ての砂鉄を弾いているのだ。生物濫造という、肉体強化、質量増大、命属入替、有機硬化の複合能力であったが、そんなことは美琴にとってどうでもよかった。身体が依然回復できないし、回復したところで大きな火力を使うには『動』が基本の白井と相性が悪い。かと言って止まっている暇もない。
美琴「くろこ!」
美琴はダメ元で目配せするが、白井はそちらを見ない。
そして何を思ったか彼女は空間跳躍をやめてしまった。
彼女は涼やかに、自慢のツインテールを掻き上げる。
白井「お姉さま、ちょっと身体をお願いしますの」
そう言って、白井は無理やり美琴の身体にお姫様抱っこされる形になると、右手を二人の前方に差し出した。
白井「信じてくださいまし」
美琴「……は!?」
白井の覚悟を決めた表情を見て理解した時には遅かった。
限界まで加速したロケット弾は二人も知覚できない速度で接近し――――そして風になった。
耳をつんざく爆発。
それは数キロ先でのことだ。
思わず目をつぶってしまっていた美琴だったが、すぐに腕に力がこもる。
美琴「………………バカッ! 何考えてんのよ!!」
白井の身体は震えていた。美琴はそれが当たり前だと思った。
【234/2−177】
「……驚いた」
声は美琴ではない。
今の一瞬の間で、目の前に異形の者が現れていた。
美琴「ッ」
すぐに臨戦態勢に入るが、相手もそれなりに距離をとって警戒しているようだ。
さっきの爆発の影響か、その駆動鎧は片脚が根本から折れている。
その切断部分から覗いてるものは金属状の何かであり、人間のものではなかった。
「何というかな。これでも私は能力開発研究者の端くれでね。能力者の分析には自信があったんだが。第三位の力は我々の想定を遥かに超えているね。それとおさげの君、飛んでるロケットを撃ち返すテレポーターが存在するとは驚きだよ。能力云々以前に試さないだろ普通? その右手、火傷や複雑骨折程度で済んでいるのか?」
白井は知覚するより早いロケット弾を空間移動《テレポート》したのだった。
方法は美琴がやったのと同じ。あらかじめ演算処理を脳の中にプリセットし、そのトリガーを自分の意思とは別の条件に設定する。しかし彼女には美琴の電磁レーダーのような発動条件がなかった。だから、自分の身体の損傷をトリガにするしか無かったのだ。
数センチ、演算速度が遅ければ死ぬ。しかもぶっつけ本番という危険な賭けだった。
もちろん、成功したところで代償は大きい。白井の右手はもう痛みでどうなっているか本人にも分からない。
突然、人間の言葉を発しだした異形の者に美琴は少し面食らっていた。
代わりに彼(?)の疑問には白井が応える。
白井「そんなテレポーターわたくしだって聞いたことがありませんですのよ。たった今しがたまではね。ただ……そうですわね、わたくしは……いえ、わたくしたちは、努力できますの。大切な誰かのためなら、どこまでだって強くなれますのよ」
美琴「…………」
白井「それにあなた、七年でレベル一から五に成長なさったこのお姉様が、よもや身体検査《システムスキャン》からなにも変わってないだなんて思ってないですわよねえ?」
白井は誇らしげにそう言った。
もちろん、掃除屋の想定にも御坂美琴の成長率は加味されていた。ただ、それ以上に伸びていたというだけ。
「なるほど」
異形の者は静かにそう言うと、精神感応《テレパス》能力で後方の同僚に指示を伝える。
絶対生け捕り。上司からそういう命令が来たと。
突然、五体の駆動鎧が二人を取り囲むと、一斉に両腕を上げるポーズを取った。
美琴「うぐっっ!!」
またしても心理を掌握せんとする攻撃。
空間が歪んで見え、酷い頭痛が美琴を襲った。
美琴「ッ、黒子!?」
彼女の絶叫に気づくのが数秒遅れた。
彼女には耐性が無いはずだ。
白井「ぐっっ……うう。まだ、いけますの。そのために……あの心理掌握に頭を下げたんですもの」
白井が被っている機械は対心理掌握のヘルメットである。食蜂操祈が、自分の攻撃を破られないように敢えて開発を続けていた代物。彼女が言うには自分以外の攻撃なら余裕で防げる、ということだったが。
白井「あ……、あああああああああああああああああああっっ!!!」
それも限界が来る。ヘルメットが警告音を発し始め、耳から針で刺すような命令が流れこんでくる。
このままでは、最も恐れていた展開になってしまう。
白井「ごめんなさい。お姉さま…………」
白井があらかじめセットしておいた条件が発動する。
自分の意思、意識が外れた時に、全力で空間転移するプログラムが。
白井「ご武運を。約束は……果たしましたの」
ヘルメットが限界を表す赤いランプを光らせた瞬間、彼女の身体は遥か彼方へと消えさった。
あとに残されたのは、白井がずっと左手に持っていた、大きなトランクケース。
持ち主が消えたそれは蓋がひらき、中をばらまきながら海へと落ちていった。
「逃がすものか。君も是非欲しいとのことだよ」
ドッ!!! と海から直径三十メートルはあろうかという水柱が幾本も立ち上がる。それは上空で一瞬止まったかと思うと、驚くべきスピードで白井を追い始めた。水の進行方向が風力操作能力で真空になっている。両者の速度は共に音速を超えていたが、先ほどの攻撃で白井のスピードは低下していた。
その大災害級の竜巻を凌駕する状況が友人に迫っている状況でも、美琴は動じなかった。
【235/2−178】
「!?」
突然水流が止まると、もがく蛇のようにぐにゃぐにゃと乱れそのまま海へと落下していった。
美琴「黒子…………ありがと。確かに受け取ったわ」
ズドン、と海から爆発音が轟くと、ジュワッと辺り一面水上気に包まれる。
海まで落ちると思われた水柱は途中で爆発し、まるで主人を変えるかのように美琴の周りに集まった。
彼女を中心にギュルギュルと回転した大量の海水が巨大な水球と化し、その周りを幾本もの黒の砂鉄が回転する。
「ばかな。デュアルスキル!?」
初めて感情の篭った声が漏れた。
海水は凝縮されると美琴の背中に集まり巨大な六枚の水翼を形成する。
その水滴に熱量を加えることでガスバーナーのように噴出力を得て、少女の身体は人体の許すギリギリの速度で加速した。
美琴「んなわけあるか」
ひとりごとのように吐き捨てると共に巨大な槍と化した砂鉄の塊が一体を捉える。
が、寸前で空間移動《テレポート》され躱される。
美琴(いや、これでいい)
一番のネックは急加速に生身の体がついていけなくなることだ。
常に砂鉄で空気を裂き、音速以上で飛んでいればその問題は軽減される。一瞬でも『操縦』を誤ればソニックブームの餌食になるはずだが、その微調整の手段も既に確立済みだ。
突然、バンッと凝縮された水翼が空中へ拡散する。
今や水滴の一滴一滴が彼女の手中であった。それは敵の水流操作を凌駕している。
美琴「そこっ!!」
空間移動《テレポート》先の空間に起こる初動。
美琴にとっては見慣れた百分の一秒に満たない出現動作だ。
そこに直近の水滴を経由し十億ボルトを遥かに超える電流が流れこむ。
青白く光るそれはそれは通常の雷ではなく、もはや宇宙雷《スプライト》の次元に達していた。駆動鎧がそのまま宇宙に行ける素材だったとしても、その回避は不可能だ。
美琴(まあ耐えられるならそれ以上の負荷を掛けるまでだけどね!)
僅か数ミリ秒、空が昼のように明るくなった末に大きな雷の音が響き渡った。
一体の駆動鎧は空中で一瞬静止したが、やがて自由落下を始め海中に沈んでいく。
美琴は面倒くさそうに頭をかくと、その駆動鎧を適当に磁力で持ち上げ陸の方へ放った。
美琴「あと四体」
少女の目はまるで獲物を狩る肉食動物のようだった。
「なるほど」
先程脚をやられたリーダー風の駆動鎧から重苦しい声が漏れる。
目の前のまだ思春期まっただなかの少女を、化物でも見るかのように暗い瞳で見つめた。
「能力《ちから》の使い方については圧倒的にそちらに一日の長がありそうだ。テレポーターの友人が居たことも想定外。空間移動《テレポート》を重要視しすぎてウィークポイントになったのもミスだ。第三位の出力の想定もミス。始末書ものだこれは」
美琴「アンタ……意外におしゃべりね」
「……」
美琴「あの子が言ったでしょ? 人はね、大切な人のためなら、どこまでも強くなれるし、何にだってなれるのよ」
確かに襲撃者は美琴の成長を想定していた。
七年でつレベルを四つ上げた怪傑だ。レベル5の範疇とは言え、夏のデータからまた力をつけていてもおかしくはない。
だが、ここまでの飛躍は想定外どころではなかった。
美琴は努力を続けていたのだ。
上条の力になるために。
上条の隣りにいるために。
美琴「悪いけど。世界にどう思われようが、私はアイツの傍から離れるつもりはないわよ。どんな手を使ってでも」
【236/2−179】
独り言のようにつぶやくと、海から幾つもの真っ白いコインが浮遊し美琴の周りを漂い始める。
そのコインは二つ目の武器。学園都市で二番目に硬い金属で、それを特定の電磁波でのみ分解できるように改造したものだ。
一つ目は美琴の背中にあるもの。より具体的には、以前学芸都市で発見した水流操作可能状態の海水を再現するための、超圧縮し持ち運び可能な大きさにした個体。
その二つの武器の入手こそ、白井に課した無理難題だった。
普通に考えればそんなものを用意するなど不可能レベルの無理難題。
実際には元々美琴がひっそりと研究開発していた代物であるのだが、その研究所のセキュリティレベルを考えればどちみち無理難題だろう。
美琴(ていうか黒子のやつ、やっぱり知ってたか)
できれば知られたくなかった。
それらは美琴にとって初めて使う明確な武器だからだ。
人を傷つけるための武器を手にする。それは相応の覚悟を伴う、言い訳できない行為。しかし、美琴はそれを選択した。
美琴(それであの馬鹿の隣りに居られるなら)
少女は口を固く結ぶ。
戦況はようやく五分五分だろうか。
「教授から命令だ。プランEへ変更」
「……は、くそが」
リーダー格らしい駆動鎧がわざわざ声にしてつぶやくと、後ろの駆動鎧が予想してましたと言わんばかりに悪態をついた。
少女と異形の両者はそれぞれの思惑をもってゆっくりと動き出し。
刹那の後。
両者の距離は数キロまで開いていた。
美琴「同じ手は食らわない……ってわけか」
駆動鎧の動きが変わった。空間移動《テレポート》を使いたくないためか美琴同様空を縦横無尽に飛び回る。
四体はある程度一丸となって飛び回り、全体が電撃回避の電場を作っていた。
一方美琴は上空へ加速する。同時にコインは駆動鎧めがけ撃ちだされ、砂鉄は砂嵐となって視界を覆った。
三、四発直撃し、二体の駆動鎧がふっ飛ばされる。が、コンマ一秒も無く体勢は立て直された。
美琴(ちっ、あの硬さが厄介ね)
しかし奴らは今空間移動《テレポート》を封じられ、出力のいくらかを発電能力に奪われているのだ。せいぜい『ギリギリレベル5の能力を持った戦闘機クラス』の強さでしかない。
美琴「って全然余裕ねえだろうがそれ! ぐにゃっ!?」
上昇し一体一体相手にしようと思っていた美琴だったが、突如全身を掴まれたような感覚に陥る。
美琴(念動力《テレキネシス》ッッ!?)
考えるより早く異変が起こる。声が出せない、いや空気が全て消えたのだ。
肺の中身が奪われて体内に激痛が走る。
美琴(どの範囲まで……いや)
混乱はするが想定もしていた。
まだ美琴の制御下にある海水に圧力をかけ、瞬時に一人分の酸素を得る。
が、一呼吸したところで突如周りの海水が全て干上がった。
美琴「がああっ!!」
発火能力《パイロキネシス》レベル5、それは水翼を容易く使用できない高温まで爆散させた。
もちろん人が耐えられるような熱風ではない。
一瞬、思考より早く砂鉄が壁となり熱風は抑えられたものの次の手が来る。
美琴「ッ」
美琴は砂鉄の壁を磁力で蹴って再び上昇する。
少女と異形が壁を挟んで一瞬だけニヤリと笑う。
逃げの一手、かと思われた美琴だが、そこで『配置』は完成していた。
「!?」
数百の浮遊していた白い金属は、二体の駆動鎧を完全に『詰んでいた』。
美琴「堕ちろ!!」
【237/2−180】
いくら相手が硬いとはいえそれは無限ではない。
超高硬度の金属が無数の針に変化し、駆動鎧の脊椎に次々にヒットする。
結果は一瞬だった。
音もなく、四五本あるしっぽの幾本かが宙に投げ出される。
美琴「どうせそれが能力の要なんでしょ!? それがなくなれば」
そう、確かにソレが能力の要だった。
能力がなくなれば相手はただの高性能駆動鎧だ。美琴の相手ではない。
だが。
美琴は暗闇の中、確かにそれを能力で視認してしまった。
美琴(…………え?)
しっぽからこぼれ落ちた、おそらく能力の元凶であるはずのそれは、赤黒い液体と、薄肌色のぶよぶよした物体だった。
美琴の高速な演算が無慈悲にもソレを理解してしまう。
美琴(なんで…………)
木山春生が以前どうやってマルチスキルを実現していたか。
機械に根付かない能力をどうやって駆動鎧に詰んだのか。
食蜂操祈はどうやって能力の強化をはかっていたか。
美琴(…………なんで気づかなかったんだろう)
気づかなかったのか。
気づきたくなかったのか。
そう、駆動鎧のあのコブのようなしっぽ、あの節の大きさは丁度、人の頭の大きさくらいだった。
美琴「う……そ」
その人の臓器に似た物体は空中に四散し、スローモーションのように海へと向かって落ちていく。
彼女の思考は勝手に目の前の事象から結論を出し、そして脳裏に『最悪』が訪れた。
ーーーーコイツラハ、ドウヤッテハツデンノウリョクヲツカッタンダロウ
自分は今、一体何を潰したんだろう。
自分と似た顔の少女の姿がフラッシュバックする。
美琴「あ……ああ、あ……?」
一秒後に聞こえるであろう己の絶叫を想像し、美琴の身体が総毛立つ。
駆動鎧はその様子を観察すると、耳まである口を薄く開いた。
「今だ」
グワンっ、と美琴の世界が廻った。
物凄いめまいと頭痛と言えばわかるだろうか。
心理掌握によくやられる攻撃の数十倍の衝撃。
美琴は必死に理解しようとした。必死に防衛しようとした。
しかし頭のなかに入ってくる誰かがそっと耳元でつぶやくのだ。
「あーあ。殺っちゃったのね」
一瞬、全身から力が抜け、抵抗ができなくなる。
自分と、誰かが必死で守ろうとした何かが手からこぼれ落ちた。
美琴(いや、今自分が潰したんだ)
上空千メートル。視界がゆらゆら揺れる中、地上が目に入る。
美琴「…………」
彼女は必死に手を伸ばす。
帰りたい。
帰らなきゃいけない。
美琴(私は、あそこに。あの人の傍に。ただ……)
しかしその開いたその小さな手を、彼女はゆっくり握りしめ、静かに引いた。
美琴(……ごめんなさい)
それっきり、彼女の意識は途絶えてしまった。
◆
【238/2−181】
1/3 18:50 大雪
関東では記録的な大雪を観測していた。
もはや綿ごみのようなぼた雪が音もなく降り注ぐ中、上条当麻は微睡んだ目で座っていた。
時たま誰かの声がするたび、頭を抱えて震えてしまう。
自分はどうしてしまったのだろうか。
こんな弱い人間だっただろうか。
少しだけ残った、頭のなかの冷静な部分が勝手に分析する。
なんとなく状況は理解できていた。
心的外傷《トラウマ》。
記憶喪失なりたての頃に、無駄に覚えた人の記憶についての知識に、こういうものがあった。
人間は幼少期にトラウマによって多重人格化することがあるが、その際、記憶を司る扁桃体が人格によって分裂したという報告があるらしい。つまり、普段使っている記憶領域と、別人格が使う記憶領域は違うということだ。
その場合、主人格にその悪い記憶はアクセスできないよう蓋をされるらしい。
上条当麻は記憶喪失だ。
しかし、ほとんどの事を忘れたとはいえ言葉や常識などは覚えている。どこからどこまでを忘れたかという境界は実のところわかっていない。
なら、その残っていた部分の中に、たまたまクソッタレな記憶が紛れていて、単に今までは蓋をしていただけということもありえるだろう。今それが掘り起こされているのだと考えたら辻褄は合う。
当麻「……」
合うからといってどうにもできない。
意識が混濁していてその細かいところがどうなっているかなんていうのは定かではないが、とにかく巨大なうねりのようなストレスで自分は身動きが取れなくなっているらしかった。
そこまで考えるのに一体何時間掛かったのだろう。
身体は冷えきって、このままだと死ぬのかもしれないと思った。
当麻「みこ……と」
口から年下の少女の名前が漏れた。
少しほっとしたあと、激しく自己嫌悪した。
なんと、自分という男は今彼女に会いたいのだ。
酷いことを言ったくせに、彼女に抱きしめて、慰めてもらいたいのだ。
何かと突っかかってきては軽くあしらわれる女子中学生に、どうしようもなく依存しるのだ。
当麻「はは……」
彼は更に驚いた。
その程度で勝手に視界が揺らぐのだ。
そんな、情けない事情などどうでもいいと思えるくらい、今彼女に会いたかった。
彼女が今戦っていることすら、思い出せていたかは怪しい。
当麻「みこ……とっ」
名前を呼べば呼ぶほど視界は揺れたが、溢れるのを必死で耐えた。
胸を掻きむしって、そのあと髪を掻きむしってみたが、何も変わらなかった。
バチン。
と、そういう音がして、上条当麻は顔を上げた。
聞き間違いだろうか。
いや聞き間違うはずなんかない。
上条は立ち上がった。
同時にものすごく恥ずかしくなった。
こんな情けない姿を晒したくない。そう思った。
それでも、それを差し引いても彼の身体は通りへと躍り出ていた。
当麻「……っ。美琴!!!」
遠くの電灯の下に、ダークバイオレットのジャケット服を着た少女の姿を見つけた。
視界が悪くてシルエットしか見えないが、髪型はいつもの彼女に戻っていた気がした。
当麻「美琴!!」
もう一度叫んだ。足がもつれそうだったが彼は駈け出した。
がすぐに止まった。
当麻「?」
【239/2−182】
自分はまだ泣いているのかと思った。
そう思って頬に手を当てて、何となしにその指を見る
ぬるりとした赤い液体が付着していた。
当麻「??」
熱い、頬が熱くなる。
いや、おかしい。上条は混乱した。
混乱して美琴の方を見る。
ヒュンッと白い何かが飛んできた。
当麻「っ」
それは腕を掠め、遥か後方で大きな音を立てる。
腕から今度こそ間違い用のない、赤い血がどくどくと流れ出る。
いつもならかわしていただろうか? 何故今かわせなかったのだろうか? そういう風に考えられないほどには彼の精神は壊れてしまっていた。
当麻「みこ」
美琴「近寄るな!!」
絶叫は、金属を擦り合わせたかのような金切り声だった。
そんな声、聞いたことがない。
当麻「ど、どうしたんだよお前」
声が震えていたのは、寒さのせいだと思いたかった。
とにかく上条は近づいた。一歩、また一歩。
そのたびに白い弾丸は身体をかすめていく。
一発でも直撃したら死ぬかもしれない攻撃だったが、彼は避けることもせず進み続けた。
だが。
当麻「ッッ」
彼の歩みは止まった。
彼女の心底怯える目が見えて、彼は息ができなくなった。
美琴「近寄るなって、言ってるでしょ」
絞りだすような声だった。
美琴「……よく、わかったから」
当麻「な……にが」
コインを構えたまま、手が震えていた。
美琴「アンタと……いると、確かに……不幸になる」
当麻「……」
その言葉より何より、上条には彼女の心底怯えた目が辛かった。
あの目だ。
閉じ込めていた記憶が告げる。「私はあなたが怖いので近寄らないで下さい」という、恐怖と嫌悪の気持ちを嘘偽り無く伝えてくるあの目。
美琴「だから二度と……私の前に現れないで……下さい」
上条は、必死に身体を支えた。
心を空っぽにしないと崩れ落ちてしまいそうだった。
冬なのに、上条は全身が熱くて堪らなかった。
今までのどんな攻撃より痛いと思った。
心のなかで、いっぱいいっぱい言い訳と疑問の言葉を並び立てた。
きっと話せばわかると思いたかった。
でも。
当麻「そうか……わかった」
彼女のために、きっとそれが一番だと思ったから。
その声にならない声を絞り出した。
何でもない風に言えた自信は皆無だった。
正しく伝わっていたかもわからないその音が終わるとともに、ビュウと突風が吹き荒れて、気づくと彼女はどこにも居なかった。
彼はとうとうその場に崩れ落ちた。
全身が力んで、なのに力は入らない。
別に、何のことはない。
二人の人間関係が単に終わっただけだ。それだけなのに、この世の終わりよりも恐ろしいと感じた。
当麻(はは、上条さんったらそこまであいつのこと好きだったんだ)
顔面をめちゃくちゃにしながらようやくそんなことに気づく。
後方から来る悪魔のうねりももはやどうでもよかった。
世界を救ったヒーローは、言葉の弾丸であっけなく殺られてしまい、そのまま白い雪に赤くデコレートされた地面に、心底疲れたように倒れ伏した。
◆
【240/2−183】
1/3 18:26 大雪
話は少しだけ遡る。
「あーあーあー! 完全に赤字だよこれ」
廃墟と化した遊園地のベンチで、リラックスするように座っていた異形の駆動鎧達が声を上げた。
「こんな化けもんの絶対捕獲とかさー。この装備と人数じゃ無理なのわかってるでしょー実際」
声は明らかにイライラしていた。イライラが、正確に現れるように音声が造られていた。
「予定の装備でキツイ相手だからこそ捕獲したいんだろ? 捕獲が簡単な相手など捕獲する必要がない」
「いや、わかるよわかりますよ? だからそこが毎回おかしーってんだよ。もっと安牌な人員と装備を用意すりゃ赤でないんじゃねーのかってことだよ。見積があめーんだよ。次のボーナスに響くだろおい聞いてんのかクソ教授よぉ!!」
異形の一体が空に向かって指をさす。
完全にサラリーマンの飲み会の愚痴と化しているが、喋っているのが異形すぎて異様だった。
「んでこいつどうするわけ? こんな怪物うちで面倒見きれるのかよ?」
「まあ、統括理事長の逆鱗に触れない範囲で教授がおもちゃにするんだろう」
彼らの輪の中心には女子中学生が呆然と立ち尽くしていた。
目は虚ろだが、確かに彼らを睨んでいる。
ブツブツ何かを唱えているようだが判別不能だった。
「これ、人格が完全に掌握できていなくない?」
「ああ。最後の最後で防壁を張っているようだな。大した娘だよ、そのメソッドについても解析対象だな」
「は? おいおい冗談きついぞ。これ脱いだ時に後ろからブスリとか洒落にならねーぞ?? 俺は嫌だぞそんなの? 大体なんだよこのプランE。パーソナルリアリティに隙を作るとか博打どころじゃねーじゃねぇか。この機体が学生の脳みそ大量に積んでるとか気付いてもらうのも運だし気付いたところで影響なかったら今頃あの世だぞ?」
「それについては実験大好き先生に言え。掌握については問題ない。完全な人形になるところが、意志のある人形になったという程度だ」
「あー、……ああ? よくわかんねーが、それってこれからやらされるエゲツナイ仕事について認識はできるってことか? お気の毒に、すぐ壊れちゃうだろ。正直ぼくちんでもギリギリよ?」
「まあ壊れたら完全に掌握できるまでだ」
「うえー。ブラック企業怖い。給料はいいけど。よかったなー俺は操られ組じゃなくて」
げっそりしていますというジェスチャーをしながら他の駆動鎧を見る。
四体のうち二体はまるで銅像のようにじっと佇んでいた。と思ったら、唐突にその一体が彼に話しかける。
「じゃあさー。それ手っ取り早く壊しちゃいましょうよー」
「お、おう。どうぞ。お任せします。操られ組さん怖いっす」
操られ組と呼ばれた、まだ幼い女の子のような声を発する駆動鎧は、その大きな体躯を折って美琴の顔を覗きこんだ。
「というわけで、あなたの彼氏くんをさくっと殺してきてほしいのー」
【241/2−184】
灰色の空を一人の少女が飛んでいた。
セミショートの髪を靡かせる少女の背中からは水の羽根が生えている。
普段はガスバーナーのような轟音を響かせるその羽根も、今はゆらゆらとはためくにすぎない。
少女の淀んだ瞳が遥か地上を捉えた。
何か、大事なものをそこに忘れてきた気がする。
しかしそれが何かは思い出せない。
そもそも自分は何故空を流れているのだろうか。
考えようとしても上手くいかない。
まるで何かに阻まれているようだった。
美琴(あっ)
だが、少女はふとその捜し物を見つけてしまった。
何キロか先の一点を凝視する。
そうだ、あそこに彼が居る!!
水翼が轟音を上げ、身体は急加速した。
周りの雪は一瞬にして水へと変わる。
美琴(はやく! はやく!!)
それは根源的な乾きに似ていた。
胸を中心に灼けるような苦痛が全身を襲った。
一秒でも早く彼の元へ辿り着きたかった。
彼とくだらない話がしたかった。
彼の笑顔が見たかった。
彼に触れたかった。
彼の隣りに居たかった。
そして早く彼を――――
美琴「ぶっ殺したいよぅ!!」
見知らぬ住宅街に落ちるように着地した後で、美琴の頭は真っ白になった。
今自分が発言した言葉にものすごく違和感があった。違和感があったのに、何が間違いかが分からなかったし、どれも本心であるはずだった。
違う!!
本能でも理性でもない、願望にも似た気持ちがそう叫ぶ。
自分は壊れてしまったのだと思った。
だけどどこらへんが壊れているのか分からなかった。
とにかく、彼のことを想えば想うほど彼を壊したくなった。そうなれば自分と一緒だし、とてもいいことに思えた。
美琴「……? …………??」
美琴は頭を抱えた。
間違っていないはずなのに、考えると酷いストレスを感じた。
耐えられない。
それでばちんと火花が散ってしまった。
当麻「美琴!!」
びくんと少女の身体が跳ねた。
鼓動が全身を覆い、顔が耳の先まで熱くなるのを感じた。
名前を呼ばれるのがとても嬉しくて。
口角が上がるのを抑えられない。
さっきまでのつらい気持ちがウソみたいに心が踊った。
今すぐ彼の胸へ飛び込みたい。
そんな気持ちで顔を上げる。
当麻「美琴!!」
美琴「―――――ッ」
彼女は彼に駆け寄ろうと右脚を出そうとしたのに、何故か右腕が上がった。
彼の名前を呼ぶために口を動かそうとしたのに、何故か白の金属を指先に集めた。
彼の胸へ飛び込もうとしたのに、何故か彼を効率よく殺す方法を考えた。
――――だめっ!!
叫びたかったが間に合わない。
コイルガンとなった白い金属は弾丸より早く美琴の右手から放たれた。
美琴「ぁ…………かはっ」
強烈な吐き気がする。
心の中で何かと何かがぶつかって、強烈なストレスになっていることに気づく余裕もない。
美琴の左手からは赤い液体が流れていた。
何故かその手はコイルガンを打った右腕を必死に抑えていた。それで撃った時に白い弾丸が掠ったのだろう。
暴風雪に半分以上隠された前方の人間が倒れないのを見て、ようやく呼吸ができるようになった。
美琴の電磁波が、彼の姿を舐めるように捉えた。
彼は状況が飲み込めないようで呆けた顔をしていた。
かなりアホ面にも思えたが、そんな顔も好きだと思った。
美琴「ッ!!」
気づくとまた弾丸を撃っていた。
撃つととても気持ちのいいことに気づいた。
なるほど、上条を好きという気持ちが昂ぶれば昂ぶるほどぶっ殺すという行為に心が踊った。
美琴「…………あれ?」
美琴は自分が涙を流していることに気づいた。
何か知らないが悲しい。
全くもって自然な行為。喩えるなら、親を大切にするだとか、子供を慈しむだとか、そう言った人間として当たり前だと思っているはずの『愛する者を殺す』という行為を実行することが、とても悲しいことだと思えた。それがどんなに混乱する出来事かは想像してみてほしい。
なのに、そんな混乱する彼女のことは構わず、愛する者は近づいてきた。
美琴(…………めて…………やめてよ)
それ以上近づいてきたら、愛おしさがより強くなってしまうと思った。
そしたら自分は――――
【242/2−185】
当麻「みこ」
美琴「近寄るな!!」
信じられないくらい、胸が痛かった。病気をしなくても、これほど痛くなれるんだとびっくりしたほどだ。
でもそうするしかなかった。
当麻「ど、どうしたんだよお前」
美琴(……わかんないわよ)
彼の声は震えていた。
傷付けてしまったのだろうか。
そう思うと愛おしさが高まって。
美琴(やめて……来ないで……)
美琴は一発でも直撃したら死ぬかもしれない攻撃を、近づいてくる彼に撃ち続けた。
そして必死にそらし続けた。
美琴(もう……ほんとに……やめて……こわいよ……)
ようやく、顔の視認できそうな距離で彼の歩みは止まった。
美琴は混乱したままだったが、理解はようやくできた。
美琴(怖いなら、嫌いになればいい。そして、嫌われればいい)
だから、一番二人が傷つくような言葉を探した。
美琴「近寄るなって、言ってるでしょ」
絞りだすような声だった。
美琴「今回の件で……よくわかったから」
今回の件。先ほどの…………何かは忘れたが、上条の不幸に係る事件。
当麻「な……にが」
コインを構えたまま、手が震えていた。
美琴「アンタと……いると、確かに……不幸になる」
当麻「……」
美琴には、彼の表情がみるみる変わっていくのが見えた。
ツラそうで、泣きそうで。
それを見ると、また愛おしさが高まってしまいそうだった。
美琴は言葉を飲み込んだ。
彼女は今自分が抱く全ての望みに反逆する行為をしているのだ。
気が狂いそうだった。
でも。
わずかに残った願いだけが彼女を突き動かす。
美琴「だから二度と……私の前に現れないで……下さい」
きっと、私はあなたを殺してしまうから。
そう願った。
もう、上条の顔も見ることができない。
当麻「そうか……わかった」
美琴「ッ」
美琴は、大きな黒い塊を胸に抱き、それを受け入れることでようやく右手を下ろすことができた。
そのまま踵を返すと、やがて思い切り走りだし宙に舞う。
どんどん上って、白いぼた雪を全て水に変えながら、地上より雲の方が近いあたりまで来てようやく振り返る。
遠く、もはや地形にしか見えない街の明かりを見て美琴は子供のように泣きじゃくった。
大切にしていたものが直せないくらい壊れてしまったのをみて、途方に暮れる子供のようだった。
自分はどうすればよかったのだろうか。
何を言えばよかったのだろうか。
何が悪くてどう謝ればいいのだろうか。
そんなことをまとまらない思考で考えた。
でも、子供だっていつか受け入れなければならないことがあると知っている。大抵、ひとしきり泣いたあとに少しだけ冷静になってそれに気づくのだ。
美琴「うっ、ぐすっ……。さよう……なら……。さようなら。大好きな……当麻」
その声は空へ消えていくだけで、誰も聞き止めるものはなかった。
( ゚д゚)......18レスやんけ
(゚д゚)......
( ゚д゚)......
( ˘ω˘).。o(この物語は全然終わってねえ!!始まってすらいねえ!!ちっとぐらい長いプロローグで絶望してんじゃねえよ!!筆を取ればあとちょっとでいちゃいちゃシーンに届くんだ。いい加減に始めようぜ、SS!)
( ˘ω˘)スヤァ
うわああああ! 寝てた人さんきてるううううう! お久しぶりでございます!
ってかこれどうなっちゃうの? 美琴さんに救いはあるんですよね!?
寝てた人さんの登場でテンションおかくしなってるわー
続き待ってます!
ぶっちゃけここまで鬱なものを感覚開けて投下されても困るんだが
正直胸糞悪さが残るだけ
どうせなら最後まで書いてから投下して欲しい
他板ならともかく、あくまでもここはいちゃスレなんだし
最後まで読まずに文句言うな
>>371
乙です
今はものすごく辛いけど…いちゃいちゃシーン期待して良いんですよね?
>>373
このスレは貴方のためにある訳じゃないし嫌なら読まなきゃいいよ
続きを待ってた身からすればこういうレスの方が胸糞悪い
ぶっちゃけるとこの話ぶん投げて他のSS書いてほしい
まぁ寝てた人も前に越えればいちゃいちゃなんだけど鬱なところが長々と続いて辛い
て言ってたわけで、それでも書いてんだから文句言うより頑張って先書いてくれと言うほうが
でも氏のみこにゃんも読みたいけどw
何で前はスレチだってあれだけ騒いでたりしたのに、今は誰も何も言わないんだ
ここの旅掛さんも一種のsage要素があるわけだし、何で誰も指摘しないのか分からない
やりたきゃ自分でやれ
知ってる人は作風分かってるから
前の読んでないの?
信者たくさんいる古参有名コテに何か言うと面倒くさいのに絡まれそうで静観してる
別に俺はssの中身自体は最終的にハッピーエンドなら問題ないんだ
だけど特定の書き手さんだけはどんな内容でも構わないっていうのは良く分からない
寝てた人さんは更新速度がかなり遅くて、
下手するともう来ないんじゃないかって思う時もある
別にssなんて義務で書くもんじゃないことは分かってるけど
たまの更新がこの内容じゃ愚痴りたくなるのも分かるわ
そこまでわかっているなら否定的な意見を書き込む必要ないのでは?
寝てた人さんならハッピーエンドになるってわかるだろうし
ss書くのも趣味の範囲内なんですよ?
上琴いちゃssを読みたくてここに来られているのなら、まず書き手さんに対して
投稿お疲れ様ですというべきでしょう
月並みな反論をするのなら、だったらおまえが書けよ、と言われてしまいますよ
>>・・・さん
あと2週間か……続きを楽しみにしてますよ!
>>くまのこさん
なんでだろ。ゲコ太にくっつくピョン子の絵が目に浮かぶ。
もう一つの方も両方可愛いです!私は何故か告白からの一騒動が思い浮かびます。GJです!
>>寝てた人さん
はうっ!心が痛い!早くどっちも救われて!!いちゃいちゃが来るのを待ってます!!
ではではぁ、続き投下させていただきますぞ
最後に1つ。
※あ、1レス前の最後のは気にしないで
誰にも遭遇することなく校門を出ることに成功した。美琴は能力のおかげで周囲にレーダーのようなものが張られているらしいのだ。
学舎の園は中世ヨーロッパのような街並みであるが、生活をするのに必要なものは全て買えそうだと思うほどに店舗は充実していた。さらにここは男子禁制。これならば世間知らずのお嬢様が量産されてしまうもの無理はない。
「なぁ、御さ・・・・・・御坂さん、少し急ぎませんでしょうか」
上条は慣れないながらも女のフリをして美琴に話しかける。
土御門が何を企んでいるか。急いで彼を問い詰めなければ取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。
だけども美琴は、そんなことなど気にしないような感じで言う。
「焦ったってしかたがないわ。それにあまり人に会わないようにするとどうしても回り道になっちゃうのよ」
「確かに・・・・・・そう、だけど」
そうだけども、上条はさらに焦ってくる。
だが、制限時間すらわからない試練だけでは終わらない。美琴どころか、上条自身でさえ忘れていたことが1つある。
上条当麻は、不幸である。
「御ぃ坂さん☆」
その話し方に聞き覚えがあったが、。前に学舎の園から脱出する時に協力してくれた少女だ。
常盤台の女王と呼ばれ、精神操作の能力を持つ、学園都市第五位の超能力者。
「食蜂、操祈」
「えっと、君は確か・・・・・・」
「あらぁ、御坂さん、他にお友達いたの?」
「・・・・・・そんなことどうでもいいでしょ。何でアンタがここにいるのよ」
美琴の顔は明らかに敵意を表わにしている。
が、そんなことなど気にせず、食蜂は笑顔でこう言う。
「私の情報力にかかえればぁ、御坂さんがどこにいるかなんて、簡単に分かるんだゾ☆」
美琴はムッとした顔をする。何となく、可愛いなと思ったが、上条にとっては2人に恩があり、あまり関係を悪くはして欲しくはない。
というか彼女の力を借りれば簡単に脱出出来そうだが、女装をしているなど、他の人物に知られたくなかった。
そうなれば、さっさとこの2人を引き離すことが最良だ。
「ほら御坂さん!お買い物に行くのでしょう?行きましょう行きましょう。それでは。食蜂さん!」
「え、あ、ちょっ!?」
美琴の腕を掴み、道など分からずにひたすら走った。
※あ、1レス前の最後のは気にしないで
誰にも遭遇することなく校門を出ることに成功した。美琴は能力のおかげで周囲にレーダーのようなものが張られているらしいのだ。
学舎の園は中世ヨーロッパのような街並みであるが、生活をするのに必要なものは全て買えそうだと思うほどに店舗は充実していた。さらにここは男子禁制。これならば世間知らずのお嬢様が量産されてしまうもの無理はない。
「なぁ、御さ・・・・・・御坂さん、少し急ぎませんでしょうか」
上条は慣れないながらも女のフリをして美琴に話しかける。
土御門が何を企んでいるか。急いで彼を問い詰めなければ取り返しのつかないことになってしまうかもしれない。
だけども美琴は、そんなことなど気にしないような感じで言う。
「焦ったってしかたがないわ。それにあまり人に会わないようにするとどうしても回り道になっちゃうのよ」
「確かに・・・・・・そう、だけど」
そうだけども、上条はさらに焦ってくる。
だが、制限時間すらわからない試練だけでは終わらない。美琴どころか、上条自身でさえ忘れていたことが1つある。
上条当麻は、不幸である。
「御ぃ坂さん☆」
その話し方に聞き覚えがあったが、。前に学舎の園から脱出する時に協力してくれた少女だ。
常盤台の女王と呼ばれ、精神操作の能力を持つ、学園都市第五位の超能力者。
「食蜂、操祈」
「えっと、君は確か・・・・・・」
「あらぁ、御坂さん、他にお友達いたの?」
「・・・・・・そんなことどうでもいいでしょ。何でアンタがここにいるのよ」
美琴の顔は明らかに敵意を表わにしている。
が、そんなことなど気にせず、食蜂は笑顔でこう言う。
「私の情報力にかかえればぁ、御坂さんがどこにいるかなんて、簡単に分かるんだゾ☆」
美琴はムッとした顔をする。何となく、可愛いなと思ったが、上条にとっては2人に恩があり、あまり関係を悪くはして欲しくはない。
というか彼女の力を借りれば簡単に脱出出来そうだが、女装をしているなど、他の人物に知られたくなかった。
そうなれば、さっさとこの2人を引き離すことが最良だ。
「ほら御坂さん!お買い物に行くのでしょう?行きましょう行きましょう。それでは。食蜂さん!」
「え、あ、ちょっ!?」
美琴の腕を掴み、道など分からずにひたすら走った。
上条が美琴とロッカーで出会う前のことだ。
放課後。それは表に人が最も増える時間帯であり、同時にそれは犯罪が行われる時間帯でもある。
夕日も沈みかけ、さらに暗くなった路地裏に人影が4つ。
下校する学生の格好ではない。だからといって犯罪を企む悪ガキでもない。
「どォいうつもりだ。土御門」
「暗部はもう解散したはずだけど?」
白い髪。赤い目をした少年は学園都市第一位の超能力者。一方通行だ。
赤い髪の少女の方は結標淡希。
どちらも以前は暗部組織、『グループ』に所属していた。今は平穏を取り戻し日常を送っている。
「これは上層部からの依頼じゃない。俺個人の頼みだ。当然報酬も出す」
呼び出した張本人。土御門元春は、いつもの軽薄な態度からは想像もつかない態度で珍しく頭を下げた。
あの土御門が頭を下げるのだ。それ相応のことだと2人は考えた。
「とりあえず、話を聞かせてもらえませんか?」
口を開いたのは海原光貴。と言っても彼は海原の顔を借りているだけの魔術師だ。彼もまた『グループ』のメンバーだった男だ。
海原の問いに土御門は答える。
「魔術師が侵入した」
それにギョッとしたのは海原と一方通行だ。結標はよくわからない顔をしている。
「・・・・・・魔術師?なによそれ」
「外部の能力者だと思ってくれればいい」
それ以上聞くのは面倒だと思ったのか、結標はそれ以上聞こうとはしなかった。
次は一方通行が質問をする。
「またグレムリンとか言う奴らか?」
「いや、また別の組織だ。学園都市に入られた以上イギリス清教も無闇に動けない。だからこっちに仕事が回ってきたんだぜい。奴らの狙いは2人。海原。お前ならわかるだろ?」
「っ、上条当麻と・・・・・・」
海原は、考えたくなかった答えを、少しの間を空けて言う。
「御坂、美琴」
「そうだ。第三次世界大戦の件だけじゃない。グレムリンの他にも超電磁砲は幾度か魔術師と対峙し勝利している。何を考えているかは知らんが、奴らにとっていずれ障害になると判断したんだろう。奴らとて馬鹿じゃない。幻想殺しも超電磁砲も対策を講じてるはずだ。だからこそ、カミやんを学舎の園に隔離する必要があったんだぜい」
土御門は懐から拳銃を取り出し、弾倉の中身を確認すると再び懐に閉まった。
「行くぞ。カミやんと超電磁砲が学舎の園を出る前に片を付ける」
今再び、『グループ』が再結成された。
以上です。喧嘩は、やめようぜ?
真面目モードでSSに登場するつっちーの頼もしさは異常
つっちーもある意味万能キャラだからな
つっちーと上条さんの友人は好きなんだよな
もちろん腐要素なし
ここに書いて申し訳ないですが、どなたか幻影さんのpixivでの名を知っていますか?
探しても出てこない・・・。
>>391 退会されたようです 別のところでは今も書かれてますよ
≫392
また関係ないコメントですいません。
因みに、なんというサイトでなんという名ですか?
はりねずみさんGJ
みさきちが引っ掻き回してくれそうwグループは俺得だし次も期待
>>393 ここに書いていいかわからないので こちらに問い合わせてください ttp://www.pixiv.net/member.php?id=3538254
≫395
本当にすみません。ありがとうございます。
>>249 さん
GJコールありがとうございます!
爆砕したいのともっとやれと、いったいどっちなんだ(笑)
久志さんは基本的に(バ)カップル大好きなので、
今後も一部を除いてあんな感じの作品を投下予定です☆
>>250 さん
感想ありがとうございま…だから、爆発しろなのかもっとなのかどっちじゃ(笑)
今後もネタ思いつき次第、甘味料をめいっぱい入れたSS投下します☆
>>はりねずみさん
家族もの、私も大好きです。ほのぼのまったり甘々なのが好きです♪
脱出編も再開編(>>263 )もwktk状態で楽しみにしてますよー♪
>>265 さん
そうなんです!私ん家の上琴はナチュラルに(バ)カップルです♪
今後も上琴大好きな方々に喜んでもらえるようがんばります☆
>> ・・・さん
俺も原作が次の巻でこうなって欲しい!!!
ってか貴殿の上琴もすっかりラブラブ夫婦ですな!
今後も幸せなお二人を期待してます♪
あと子守唄…いったいどうなるこの続き!
焦らし上手いですな!続きを盛大に期待してます!
>>くまのこさん
そりゃそうでしょう!久志さん予定では、ひ孫や玄孫が出来てもラブラブです♪
ラブレター話もコート話も朝風景話も、お題重視でここまでの完成度とは…
どうしたらそんな面白いSS書けるんですか!(くわっ)
写真話…実はコレ読んで思いついたSSがありますが今は推敲中です。
出来上がり次第うpしますので、お待ちくださいませ☆
ゲコ条さんに美琴たんがデレる話…このデレデレ状態な美琴たん見たい!
よーし、私もゲコ太の着ぐるみで学園都市に(←やめなさい)
不治の病話…なんてところで終わらせてるんですか!(くわっ)
この後の上琴がどうなったのか気になって睡眠時間減ってます!
>>びぃさん
私が参戦する前以来ですか!それだけのブランクでよくこんな素敵なSSが!
びぃさん家の上琴も、玄孫が出来てもずっとラブラブでお願いします!
>>寝てた人さん
ここからいったいどう展開するんですか!気になって睡眠時間が(ry
では今回は新たなる長編を書き始めることにしました。留意点ですが
・いつもと毛色の違う作品ですが最終的にはいつも通りになります
・オリジナルキャラが出てきます。そこを承知の上でご覧下さいませ
誰もいなければ20:20ぐらいから投下開始します。レス数不明(ぇ
上条当麻は、いつもの通り授業や悪友共との絡みで一日のエネルギーの大半を削り取られて、
いつも通りこれからスーパーの特売経由で帰宅するところだ。いつもと違うところが
ただ一つあるとすれば、年末が差し迫っている12月なので教職員もかなり忙しいらしく、
補習の代わりに大量の課題が渡されていることぐらいだろうか。まぁそれでも超負担なので、
上条「はぁ……不幸だ」
と、いつも通り呟きながらスーパーに向かっている。
御坂美琴は、いつもの通り授業が終わり、いつもの通り白井黒子が風紀委員(ジャッジメント)の仕事で
別行動になったので、これまたいつも通り例の自販機の公園に上条当麻を待ち伏せるべく向かっている。
いつもと違うところがただ一つあるとすれば、それはもちろんクリスマスや冬休みが近いこともあって、
どのようにして上条との予定を取り付けるべきか、目的と性格(ツンデレ)の狭間で揺れ動いてるところか。
美琴(どうやってアイツの予定に予約を入れようか…やっぱ直球で言わなきゃダメ?…いやいや、そんなの
絶対ムリ!でも他に良い作戦なんてもう1つも浮かばないし…あーもう!どうすれば良いのよ!!////)
と、脳内で迷走しながらいつもの自販機の公園に向かっている。
自販機の公園前。いつも通りジュースを支えるバネが緩くて某女子中学生が「ちぇいさー!」と叫び蹴ると
ジュースが1個ランダムで取り出し口に出てくる。その自販機の周りは、いつも通り人がほとんど居ない。
いつもと違うところがただ一つあるとすれば…
??「っ痛ぇ〜…まったくこの機体は相変わらず落下衝撃をあまり緩和しないから痛くて仕方ねぇ」
謎の少年(?)が、謎の機体の中から妙なことを呟きながら這い出て来た事だろうか。
??「…さてと、人が来て面倒な事になる前に、さっさとこの機体を畳んでスーツケース型に…」
と、呟きながら作業をしている真っ最中に
美琴「ちょろっと〜?アンタいったい何をしてるのかしら〜?」
まだ機体がスーツケース型にギリギリなってない状況で御坂美琴が到着。謎の少年は冷や汗をかきながら
??「か…(ゴホゴホッ)…み、御坂美琴さん、ですか。はじめまして」
と苦笑いを浮かべながら体ごと振り返る。
美琴「なんでアンタ、初対面のはずの私の名前をフルネームで知ってるのよ…ってかアンタ!
何なのよその機械は!スーツケース型にして誤魔化そうとしてるみたいだけど、
いったいソレ使って何をしようとしてたのよ!全部包み隠さず話してごらんなさい!!」
妙に刺々しい美琴である。それもそのはず、今ここに居る謎の少年は、見た目年齢は高校生かもう少し上、
目つきは某鈍感大王の普段みたいにだるそうな感じで、頭髪は某ウニ頭の男子高校生と同じ真っ黒。
ただ髪型はウニではなくストレート型である。しかしきちんと手入れすればツヤのあるサラサラ髪なのに
おそらく丸一日ぐらい手入れを怠ったのか少々脂が付いてて、長さも目にかかるぐらいの長さである。
つまり、気が短い人が見ればすぐイラッとくる見た目だと言えよう。
??「あ〜…コレは今から何かするのではなく、事後の片付けをしてる真っ最中なんです。
そもそもこの機体はタイムマシンで、俺は未来から来た特別部隊の者です。証拠にほら、
この機体のこの部分に、出発点と到着点の年代を指定する装置があるじゃないですか。」
一応、美琴も機械を覗き込んで確認する。確かに謎の少年が指したのはそれっぽい感じの装置だし、
キャリバー(型式番号)もこの時代の形式とは違うため、少なくとも現代の学園都市内の物ではない。
美琴「ふぅ〜ん。確かにコレ自体は現代の物じゃない以上、アンタも未来人なのは確かなようね…」
??「御理解頂けて誠に嬉しく存じます」
しかし、美琴にとって真に問題なのは『この少年がどの時代の人間なのか』ではない。
美琴「んで、このマシンに乗って来たアンタは何の部隊の人で、いったいどういう任務で来たのかしら?
それと、私の事も知ってるみたいだけど、どんな理由で知ってるのかも全部説明してもらうわよ?」
少年の冷や汗が更に増した。今の質問に対する答えを端から端まで全部答えれば理解してもらえるだろうが、
それはそれで必要以上に色々と喋る事になり、結果としてタイムパラドックス的な事になりかねないのだ。
もちろん、そんな事を引き起こす訳にはいかない。上官にその点はしっかり釘を刺されているからだ。
しかし、その旨を説明しても美琴には納得してもらえなかった。非常に難儀である。
美琴「ほほ〜ぅ? それじゃこうすれば真実を喋るかし(バチバチッ)……ら!?」
電撃の槍(致死量ではなく激痛程度のレベルの)を一発ぶちかまそうとしたが、軽々と回避されてしまった。
美琴「な、なんでアンタはこうも簡単に回避出来るのよ! どっかの電撃効かない奴にも
イラッときたけど、こんな簡単に避けられちゃもっとイライラしちゃうじゃないの!」
??「ふぅ…発動される前の『能力の余波』とでも言いますか、それを読み取った訳です。
特に俺はそのテの波動に対して敏感なので、方向や強度もだいたい予測出来るのです。」
なんて奴だ…しかしこれで攻撃を止める美琴ではないのは言うまでもない。
美琴「ふーん、だったら………そう簡単に避けられない攻撃をすれば問題無い訳ねッ!」
一発では回避されると判断し、向きや着弾タイミングをずらした複数の電撃を繰り出した
いくら予測出来ようがどうしようが、こんな多弾攻撃など『回避』出来る訳がない―――――
??「…そりゃ!!!」(ビリビリッ)
―――――と思いきや、周りの金属片を電撃で掻き集め、全弾の避雷針代わりにして防いだ。
美琴「はぁ!?…アンタまさか多重能力者!?…いや理論上は不可能なハズ…どういうこと!?」
??「余波の感知は能力ではなく体質なのですよ。俺の能力は『電撃使い』…まぁレベルは4ですが」
チートキャラかお前は!と脳内でツッコむ美琴。しかし相手の能力が判ればあとは何をするかというと…
美琴「ほほぉ〜う!?レベルは4か…じゃあコレなら回避も防御も出来ないわね」
ポケットからコインを取り出し構えた。もちろん超電磁砲の構えである。確かに寸前まで微調整が効いて
直接電撃で攻撃してないので避雷針も立てられない。今度こそ回避や防御をする手段は存在するハズがない。
しかし少年は諦めない。美琴がコインを上に弾いた瞬間、大きく横にステップを踏んだ。
美琴(そんな事をしても無駄よ…寸前で向きをそっちに修正して発射出来るんだから―――って、え!?)
ただ、回避や防御の手段が無いというのは『発射された後』の事である。発射前に対抗すれば話は別である。
少年はステップを踏んだ先の更に斜め下に右手を伸ばし、全力で螺旋(らせん)状に電撃を放った。
美琴「んな!?」
少年の放った螺旋状の電撃が電気を流したコイルのような状態となり、それによって金属片(コイン)がコイルの磁力で
美琴から見て斜め後ろに吹き飛ばされた。少年はそのまま右手をクッションにし着地し、身体を反転させる。
美琴「あ、あ、アンタ!本当に私より下のレベルなわけ!?今の電撃の威力それほど弱く――――
と、ここで
上条「お、御坂……と、誰だお前?」
上条当麻登場である。理由はどうあれさっきまで能力戦闘してたなんて事は隠したい美琴は、
そ知らぬ顔で「あぁアンタか」と挨拶をした。対して『誰だお前?』と言われた少年は
??「と…(ゲフンゲフンッ)…」
上条「…『と』?」
??「当麻さんですね?上条当麻さん。はじめまして」
苦笑いを浮かべながら脳内で『なんとか誤魔化せた』と安堵する少年。しかし
上条「…なんでお前、初対面の俺の名前知ってるんだ?」
至極当然の疑問を上条が口にした。
??「あぁ、先ほど御坂さんにも説明したのですが、俺は未来の特殊部隊から来た者で―――」
上条「ふむふむ…っておいお前、なんでお前の足元に血が垂れているんだ!?」
美琴が『ゑ!?』と驚いた顔をし、少年が『ギクッ』といった感じの表情をした。
よく見ると少年はさっきから右手を隠したままだ。上条が手を見せるように促すと…
上条「ちょ、お前いったいどこでこんなケガしてやがったんだ!?」
美琴「アンタさっきまでこんなケガしてなかったでしょ!?どういうこと!?」
確かに美琴の攻撃は一発も当たってないし、手をクッションに使うだけでここまでひどいケガはしない。
??「あー、これも先ほど御坂さんに説明したんですが、俺の体は『能力の余波』にかなり敏感なんですよ。
しかしこの体質は俺自身の能力の『余波』にも反応してしまいまして、さっき全力で能力使ってしまい
結果、皮と毛細血管が裂けて広範囲の擦り傷状のケガが出来てしまうんです。まぁ明日には治りますが」
上条「お前…俺と同じぐらい不便な体質してるのな」
美琴「全力が出せないって、すごく厄介な体質ね…」
作者も書いていてそう思う。自分の能力で大怪我なんて嫌すぎる。
??「…と、まぁ話がそれてしまいましたが、ここで話題を俺の素性の件に戻しますね。
俺は未来の時間・歴史保護部隊の隊員で、佐藤 波踏(さとう なみふみ)と申します」
上条「時間・歴史保護部隊ぃ?」
美琴「名前から察するに…勝手に歴史を改竄されないように保護活動する部隊かしら?」
波踏「はい、正確には保護プラス、改竄しようとする者を逮捕または狙撃することもありますが」
意外と大層な部隊があるもんだ。まぁタイムマシンで時間を移動できるようになったら
都合の悪い過去を変えたい人が続出しそうなので、出来れば在ってほしい部隊なのだが。
上条「んで、佐藤は―――
波踏「あ、俺のことは下の名前で呼んでください。苗字だと現地で他人とかぶりがちで混乱が多いので」
上条「んーあぁそうだな。波踏は今回いったいどういう任務でこっちに来たんだ?」
美琴「あーそれ、私もさっきから聞いてたんだけど、全然答えてくれないのよね…」
今の美琴の台詞を聞いて上条が「そっかーじゃあ任務の内容は聞けないのかー」と言いそうになった次の瞬間、
波踏「…そうですね、ちょうど保護対象者が目の前に居る事ですし、説明しましょうか」
上条&美琴「「…はい!?」」
二人の、間の抜けた声が同時に聞こえた。次の瞬間―――
波踏「上条当麻さん、あなたの命が狙われてます」
以上です…メイン題は書いたけどサブタイつけるの忘れてたww
まぁ「プロローグ〜未来から来た謎の少年〜」とでもしておきましょ(ぉぃ
小ネタやら短編やら色々未完成品が多いですが、
今回の長編の続きともども、出来次第また来ますね☆
新しい長編ktkr
先の展開が楽しみだわぁ
>>寝てた人さんGJです!
お久しぶりです待ってましたあああ!
ぬうぅ…胃がキリキリする……できるだけ早く続きを! そしてハッピーエンドを!
>>はりねずみさんGJです!
つっちーかっけぇ! グループ再結成とか胸熱!
自分が書くと、どうしてもギャグ要員になっちゃうんだよなー……
>>久志さんGJです!
>実はコレ読んで思いついたSSがありますが ←何それめちゃくちゃ楽しみ!
新しい長編も面白かったです。続き待ってます!
短編書きました。久々にド変化球です。
以前「上琴テスト」っていうのを書いたのですが、それの第二弾です。
ネタ100%なので、いちゃいちゃは全く期待しないでください。
約3分後に、8レス使わせてもらいます。
はいはーい! 皆さんちゃっちゃと席に着いてくださいねー!
お久しぶりのテストなのですよー。
ちゃんと「上琴」に関するお勉強はしてきましたかー? 勿論してきましたよね?
前回よりもちょ〜っと難しくなっているので、注意が必要なのですよ。
さて、今回のテストも前回同様、成績には関係ありません。
あくまでも世論調査の様な物なので、お気軽に回答してください。
けれども赤点を取った人には、先生直々に補習しちゃうので注意ですよ〜?
駄〜目です! 苦情は受け付けてないのですよ。
それではチャイムも鳴ったので、テストを開始しちゃってください! なのです。
Ⅰ 応用
Ⅰ‐① 上琴病レベル5になると、どうなるでしょう? (5点)
雲川(芹)ちゃんの回答
「脳内で、上条当麻と御坂美琴の二人が既に付き合っている状態になってしまう症状…
だった筈だけど」
正解なのです! さすが雲川ちゃん、見事な模範解答なのですよ。
佐天ちゃんの回答
「お二人がイチャイチャします! ていうかもう、イチャイチャしてます!」
…今現在、佐天ちゃんがかかっているのが正に「それ」なのです。
神裂ちゃん(さん?)の回答
「何分世間知らずな者で大変申し訳ないのですが、
未だにカミコトビョウという存在を正しく認識しておりません。
ですがレベル5というのは、一人で軍隊と対等に戦える程の能力者だと記憶しています。
いやはや人工的に聖人クラスの人間を創り出すとは…学園都市の科学力には舌を巻くばかりです」
え…? あ、はい……ありがとうございます……
Ⅰ-② 上琴未来設定とは何でしょう? (5点)
初春ちゃんの回答
「御坂さんと上条さんの未来を想像する事ですね。
私としては、西洋風のお城みたいなお家で舞踏会とかしてて欲しいですねー……」
お嬢様としての御坂ちゃんを前面に出した未来設定ですね。
乙女チックな初春ちゃんらしくて、大変良いですよ〜。
婚后ちゃんの回答
「そそそそのようなハレンチな事、わたくしの口からは申せませんわ!!!」
つまりハレンチな想像をした訳ですね? 婚后ちゃんムッツリ説が急浮上なのです。
海原ちゃんの回答
「お二人の…がふっ! み、未来設定という、そのま…ぐふぉ! まの意味…です。
二次創作でも定番…の…がっはっ! 設定…で……
数年…後ばぁ! か、ら…数十年先…まで……はぁ、はぁ…さま…ざまです。
特に…す、う十年さ、きでは……げほっ! がほっ! 結…こ、ん……して、いる、
という、ぐぼおぁ!! せ、てぃもあ…り……ば、あ、ぃによ…ては……
お…こ…さ…ん…が…い…る………がくっ……」
だから! 血を吐くくらいなら無理して回答しなくてもいいのです!
いや、確かに大正解ですけども! てか誰か、救急車を呼んでくださーい!!!
Ⅰ-③ 上条ちゃんの好きなタイプは? (2点)
ミサカちゃん(アホ毛)の回答
「それは勿論お姉様!ってミサカはミサカは上琴っぽい回答をして敢えて不正解になってみる!」
いやいやそんな事はないのですよ。それも立派な正解なのです。
これはあくまでも「上琴」テストなのですから。
一方通行ちゃんの回答
「禁書5巻の88ページ3行目で『……、寮の管理人のお姉さン。代理でも可』
とは言ってるが、こン時は周りの野郎共に煽られて、
勢い任せに言っただけだから真意は分かンねェな。
実際、堕天使エロメイド事件の後は年上の女にも興味を示さなくなってきてるしよォ。
かと思えば新約5巻で、ハワイでのオリジナルとのやり取りを指摘されて、
『俺の青春がァァァああああ』とか言ってる訳だしなァ。
女の趣味が変わったのか、それとも元々来る者拒まずなのかは知らねェが、
以上の事からオリジナルにも十分チャンスはあるンじゃねェか?」
だから何でそんなに詳しいんですか! ホント、どんだけ上条ちゃんのファンなんですか貴方は!!
五和ちゃんの回答
「ち、ちょっと地味目だけど二重まぶたで、おお、おしぼりとか渡してくれる子が
上条さんには相応しいと思います!!!」
…相応しいかどうかじゃなくて、上条ちゃんのタイプはどんな人なのかを聞いているのですが……
て言うか、それは貴方の願望ですよね?
Ⅰ-④ 御坂ちゃんは、初デートに行くならどこがいいと思っているでしょう? (2点)
ミサカちゃん(クールビューティー)の回答
「雪が降っている浅橋がロマンチックでいいとか訳の分からん事をぬかしています、
とミサカは毒を吐きつつもお姉様と同じ事を想像してしまうミサカDNAが憎いです。
ちなみにこれは、大好評発売中の『御坂美琴マニアックス』の中の
『美琴へのドキドキ♥Q&A』のコーナーに記載されているので、
まだ読んでいない方は今すぐ購入しましょう、とミサカはさりげな〜くCMを挟みます」
はい、正解です。そして露骨な宣伝もありがとうございます。
鳴護ちゃんの回答
「当麻くんと美琴ちゃんの初デートかぁ……
もしもその場所に、あたしのライブ会場を選んでくれたら嬉しいなぁ……
それってきっと、とっても素敵な事、なんだよね…?」
ううぅ…いけませんね……年のせいか何だか涙もろくなってしまって……
白井ちゃんの回答
「わたくしとお姉様の初デート……それは勿論、ラブなホテルで
しっとりねっとりびっちょりとぬふぇへへへへへへ…おっと、よだれが…」
涙が引っ込みましたよチクショウ。
Ⅰ-⑤ お二人はお互いの事を、何と呼び合っているでしょう? (3点)
土御門(元)ちゃんの回答
「カミやんは超電磁砲の事を、普通に『御坂』とか『美琴』とか呼んでるらしいぜい。
たまに『美琴センセー』や『ミコっちゃん』だのふざけて言ったりしてるっぽいけどにゃー。
で、超電磁砲はカミやんを『アンタ』とか『あの馬鹿』って呼んでるみたいだにゃー。
レベル5はツンデレさんが多いからにゃー、きっと名前で呼ぶのは恥ずかしいんだと思うぜい」
そうですね。そこが御坂ちゃんの魅力でもありますが。
サーシャちゃんの回答
「第Ⅰ-⑤の回答ですが、親しい間柄ならば愛称で呼び合うのではないでしょうか」
そうなれれば良いのですが、残念ながらそこまで進展してはいないのですよ…
フェブリちゃんの回答
「フェブリはね! フェブリはみことのこと、『みこと』ってよぶよ!」
そうでちゅか〜。フェブリちゃんはいい子ちゃんでちゅね〜。花マルあげちゃうのでちゅ〜。
Ⅰ-⑥ ズバリ! 今の二人の関係を一言で表すと? (3点)
黄泉川先生の回答
「いいケンカ友達って感じじゃん?」
確かにそうですが…上琴テスト的にはもう一歩欲しい所なのです。
絹旗ちゃんの回答
「よく分かりませんが、超友達以上超恋人未満ってヤツですかね?」
将来的に、恋人以上になるのが理想ですね。
吹寄ちゃんの回答
「上条病の被害者と加害者…ですね!」
まぁそう…う〜ん…言えなくもないですが……
Ⅱ 歴史
Ⅱ-① 御坂ちゃんが手作りクッキーを渡そうとした日、
上条ちゃんから「ビリビリ」ではなく「御坂」と呼ばれた御坂ちゃんは、
一体どんな表情をしたでしょう? (3点)
レイヴィニアちゃんの回答
「明け色の陽射しの総力を挙げて調査したが…
白井黒子という女性がいままで見た事のない表情をしていた、という情報だけで、
どんな顔をしていたかまでは分からんな。……もっとも、想像するのは容易いが」
そうですね。その表情を是非見たかったのです。
黒夜ちゃんの回答
「つまりさァ、メスの顔してたって事なンだろォ?」
まぁ正解ですが、もう少しオブラートに包みましょう。
テッラさんの回答
「恋する乙女の顔という訳ですねー」
…意外すぎる人から、意外すぎる大正解が返ってきたのです……
Ⅱ-② 8月31日に上条ちゃんが交わした約束とは、御坂美琴と『何』を守る事でしょう? (3点)
ステイルちゃんの回答
「あの男の事だ。どうせ『その周りの人物達』とかスカした事を言ったんじゃないのかい?」
惜しい! ほぼ正解なのです!
建宮さんの回答
「上条当麻なら、『その未来も全て』とか無自覚に言いかねないのよな」
いいですよ〜! ニュアンスはそんな感じなのです。
春上ちゃんの回答
「きっと『美味しいご飯』なの」
…不正解ですが、何だかほのぼのする回答ですね。
Ⅱ-③ 9月30日の罰ゲーム、男女のペア契約は恋人がする物だと突っ込まれ、
とっさに御坂ちゃんは、恋人同士でなくとも『何』なら問題ないと言ったでしょうか? (3点)
土御門(舞)ちゃんの回答
「むー…まさかとは思うがー……『夫婦』とか言ったのかー? だとしたらビックリだぞー」
大正解です! そういう願望がなければ、とっさに出てこない言葉なのですよ!
ミサカちゃん(アオザイ)の回答
「もしかしておねーたまったら、『セフレ』とか言っちゃってたりして? ギャハハ☆んな訳ねーか!」
…そうですね……まず無いでしょうね……
フレメアちゃんの回答
「大体『浜面』なら問題ないな! にゃあにゃあ!」
どゆこと!?
Ⅱ-④ 10月のある日、上条ちゃんの信念を聞いた御坂ちゃんは、
自分の中にある感情が何なのかを自覚します。それは何でしょう? (3点)
食蜂ちゃんの回答
「……回答力が湧いてこないわねぇ。これに答えたら、何か負けた気がするしぃ」
現実に目を背けちゃ駄目なのです。
結標ちゃんの回答
「小さい男の子を愛する気持ちかしら?」
前半部分が無ければ正解なのですが……て言うかそれは結標ちゃん自身の事では?
風斬ちゃんの回答
「自分が化け物である…という自覚はありますから……」
いやいやいや!! ダークサイドに堕ちないでください!
てかさっきから、ご自分の事ではなくて御坂ちゃんの事を……あっ! ちち、違いますよ!?
風斬ちゃんがご自分を化け物と言った事を肯定するつもりではなくてですね!
あくまでも回答に対する――― (以下、長々とフォロー)
Ⅱ-⑤ 一端覧祭の準備期間中、御坂ちゃんが上条ちゃんの通う(と言うかウチの)学校に、
足を運んだ理由は何でしょう? (3点)
木山先生の回答
「こっそり見学する為だと推測できる。
一端覧祭当日よりも準備期間中の方が、その学校の本質を良く見られるからね。
おそらくだが、彼女は中学を卒業後、その高校へと進学するつもりなのではないかな?」
そうなのですよ! 御坂ちゃんも約一年半後には、先生の生徒さんかも知れないのです。
姫神ちゃんの回答
「間違いなく。上条君が目当て。私も。負けてはいられない」
要約するとそうなりますね。
シスターちゃんの回答
「きっと、とうまの学校の学食を食べる為なんだよ! あの食べ物の引換券を出すテレビのヤツで!
こっそり忍び込んでズルいんだよ短髪! 私だって食べたいかも!」
あ、後で先生が奢ってあげますから……
Ⅱ-⑥ 御坂ちゃんに対する、上条ちゃんの無自覚ラッキースケベを3つ答えましょう。 (5点)
トールちゃんの回答
「大覇星際、借り物競争の時の間接キス。それから玉入れの時の押し倒し。
あとは…一端覧祭の準備期間中、変装した俺だと勘違いしてミコっちゃんの胸を触ったらしいな」
そうですね。ちなみに玉入れ競技中に押し倒された御坂ちゃんは、
『何故か』ゆっくり目を閉じているのですよ。
布束ちゃんの回答
「ラッキースケベ…参考文献によれば That 偶発的に女性へのセクシャルハラスメントを行う事…
namely つまづいて股間にダイブしたり、神がかり的な寝相で女性を攻めたり、
afresh 裸のまま別の場所へ空間移動して狭い場所に閉じ込められたりしたのではないかしら」
…参考文献に、どんなTo LOVEるな本を読んだのですか……
麦野ちゃんの回答
「要は乳揉まれたり、尻揉まれたり、《見せられないよ!》突っ込まれたりしたんだろ!?
ガキのくせに盛りやがってよぉ!!」
それもう、ラッキースケベじゃなくてガチスケベなのです!!
それと放送禁止用語は使っちゃ駄目ですよ!!
Ⅲ 表現
Ⅲ 上琴に関する川柳を作ってください (10点)
レッサーちゃんの回答
「イギリスで
新婚旅行
楽しいな」
若干ステマの臭いがしますね…あまり上琴っぽくもないので4点です。
浜面ちゃんの回答
「いい感じ
になると必
ずいつもふにゃー」
確かに上琴あるあるですが…切り所が気持ち悪いし字余りだし……5点です。
オルソラちゃんの回答
「お二人の
未来予想で
ございます」
なんで巻き戻るのですか!!! それ2問目の回t…あっ!? でもちゃんと五・七・五になってる!?
え、えっと…じゃあ……2点あげるのです……
Ⅳ 想像
Ⅳ-① お二人が初めてキスした時、どうなると思いますか? (5点)
アニェーゼちゃんの回答
「その御坂って子はよく漏電しちまうんでしょう? だったら結局、そうなって終いじゃねぇんですか?」
キスできる関係になっている頃には、漏電癖も直ってると良いのですがね。
垣根(白)ちゃんの回答
「そういった経験がないので何とも言えませんね。申し訳ありません」
想像で構わないのですよ?
湾内ちゃんの回答
「御坂様が口付けを!? 素敵ですわ! きっとレモンの様な味がするのでしょうね……」
あー…ウットリしすぎて、別の世界に行っちゃったみたいなのです……
Ⅳ-② プロポーズはどんな言葉で、どちらが言うと思いますか? (5点)
木原(那)ちゃんの回答
「お姉さんはあの性格だし、プロポーズなんてできないと思うな。
だから上条のお兄さんからするんだろうけど、こっちはこっちで気取った事なんて言えそうにないよね。
普通に、『俺と結婚してください』とかそんな感じじゃないかな」
それでも十分素敵ですけどね。
シェリーちゃんの回答
「プロポーズがなくとも良いのではありませんか?
なんだかんだでいつのまにか結婚してる…夫婦なんざ意外とそんなもんだろ」
でもやっぱりプロポーズの言葉は欲しいですよ。一生の思い出ですから。
泡浮ちゃんの回答
「御坂様のプロポーズ!? 素敵ですわ! きっと誰もが羨む様な甘い言葉を……」
あー…ウットリしすぎて、別の世界に……あれっ!? デジャヴ!?
Ⅳ-③ 二人のお子さんは、どんな子になると思いますか? (5点)
冥土帰し先生の回答
「ふむ…遺伝的には、母親似になる可能性が高いと思うね?
ただし髪は黒い方が優性遺伝だから、そこは父親似になるかも知れないね?」
黒髪の御坂ちゃんが生まれる…という訳ですね?
ウィリアムさんの回答
「ふしだら千万である!!! 子供が子供を産むとは何事であるか!!!
近年、日本の性が乱れているとの情報は耳にしていたであるが、ここまでとは……
そもそも親や教師がしっかりと―――(以下、長いので割愛)」
いや…あの……ですから、例えばの話なのですが…………うわ〜…マ〜ジメ〜……
木原(テレ)先生の回答
「ああ゛ん!? 知るかよヴァアアアアカ!!!」
全ての回答欄を、無回答ではなく罵詈雑言で埋める辺り、木原先生のこだわりを感じるのですよ。
まぁ、それはそれとして点数はあげられませんが。
Ⅳ-④ お二人がいつまでもラブラブでいられる秘訣とは? (5点)
上条(詩)さんの回答
「あらあら当麻さんたら、息子がモテモテで母さん鼻が高いわ。
ラブラブでいられる秘訣は、私達夫婦と同じなのではないかしら。
いつまでもお互いに愛し合っているから…むしろ年を重ねる毎に愛が深まっていくから……
って…あ、あらあら、いつの間にかちょっと惚気すぎてしまっていたかしら?」
ご両親に負けないような円満夫婦になって欲しいですね。
フロイラインちゃんの回答
「あの二人なら、秘訣などなくとも、自然と、親しいままで、いられるのでは、ないでしょうか」
秘訣がないのが秘訣…それもまた真理かも知れませんね。
削板ちゃんの回答
「根性だ!!!」
言うと思ったよ。
Ⅴ 創作
Ⅴ 1000文字以内の上琴SSを書いてください。 (30点)
御坂(美鈴)さんの回答
「『何で私がお見合いなんてしなくちゃなんないのよ……』
美琴ちゃんは、私に思いっきり不満を漏らした。
当然と言えば当然ね。何しろこの子には、当麻くんという心に決めた相手がいるのだから。
『まぁまぁ美琴ちゃん。ここはパパの顔を立ててあげてよ。会うだけでいいんだからさ。
お相手はパパの仕事仲間の息子さんだって言うし、ママだって断れなかったのよ〜』
と言いながら、私は心の中でほくそ笑む。
この後の美琴ちゃんのリアクションが楽しみだわ♪
『分かったわよ。でもホントに会うだけだからね?』
何も知らずに不機嫌な顔をする美琴ちゃん。
私は相手方のご家族が来るのを、まだかまだかと待ちわびる。
と、その時だ。
『いやー、遅れて申し訳ない。渋滞にはまってしまいまして』
そう言いながら、お相手の親御さんが部屋に入ってくる。
そしてその見覚えのある顔に、美琴ちゃんは目をパチクリさせた。
『それは大変でしたな、上条さん。ささ、席へどうぞ』
『あらあら、ありがとうございます』
『お久しぶりですね詩菜さん』
和やかに挨拶する親達をよそに、
美琴ちゃんはひたすら「えっ? えっ?」と挙動不審な態度を取る。
そして最後に、美琴ちゃんと同じく心に決めた人がいるのに、
親の都合でお見合いをさせられるからなのか、
『はぁ…不幸だ……』
とぼやきながら本日二人目の主役が現れる。
けれどもその子は、部屋に入るなり美琴ちゃんと目が合い、一瞬、時を止める。
その後、二人は同時に叫んだ。
『なっ!? み、美琴ちゃんんんんんん!!?』
『と、ととと当麻くん!!? ななな、何で!!?』
さぁ、お見合いと言う名のサプライズパーティーを始めるわよ!」
おお! これは続きが読みたくなりますね。勿論30点満点なのです!
滝壺ちゃんの回答
「私はみさかから意外な提案をされた。
『ダブルデート?』
『そうなの。今度かみじょうと初デートする事になったんだけど、
二人きりだと色々不安だから、たきつぼとはまづらも一緒に来て欲しいの。
ほら、たきつぼとはまづらって世界一のカップルじゃない?』
『確かに私とはまづらはこの世でもっともお似合いな二人だと噂されている。
けどそれがどうかしたの?』
『だから私も、そんな二人に少しでもあやかりたいと思って』
『それは難しいかも知れない』
『どうして?』
『私達とみさか達が並んで歩いてしまったら…ううん、例え他のどんなカップルあろうと、
私達のラブラブっぷりに当てられてかすんでしまうから』
『それでもいいの。元々たきつぼ達を越えるカップルになれるなんて思ってもいないから。
ただ少しでもたきつぼ達みたいなカップルに、
足元まででもいいから近づきたいだけなの』
『……分かった。みさかがそこまで言うなら、協力してあげる』
『本当に!?』
『構わない。じゃあデートは来週の日曜日でいい?』
『うん! ありがとう!』
こうして私とはまづら、みさかと上条の二組は、
日曜日にダブルデートをする事になったのだった」
何て言うか…う〜ん……えー、まぁ20…いや18点って所ですかね…
オリアナちゃんの回答
「『あぁん! ダメ…当麻ぁ! そ、こは……はあぁんっ!』
『そんな事言っても、ここはこんなに反応してるじゃないか』
当麻は美琴の《見せられないよ!》をくちゅくちゅと《見せられないよ!》させると、
《見せられないよ!》したその《見せられないよ!》をグリグリと《見せられないよ!》
『んぁ……ん…や、ぁ………んっくうぅっ!!!』
美琴はたちまち《見せられないよ!》してしまい、
《見せられないよ!》を《見せられないよ!》で《見せられないよ!》が
《見せられないってば!!!》―――(以下、自主規制)」
これただの官能小説じゃねーか!!! 当然0t………い…1点です!!!
はい! ここまでですよー! 皆さん、お疲れ様なのです。
それでは今回も、点数の高かった人の上位グループと、
低かった人の下位グループを発表しましょうかね。
はいはい、苦情は受け付けないと最初に言ったはずですよ?
それではさっそくベスト5! こちらの方々なのです。拍手〜!
一位 一方通行 106点(度々模範解答以上の答えをした為、6点分限界突破)
二位 フェブリ 100点(正解不正解に関わらず、全て花マル)
二位 佐天涙子 100点(しっかり予習していたので、ナチュラルに全問正解)
四位 雷神トール 96点
五位 ミサカ10032号 95点 (以下、ミサカ20000号まで全員95点)
上位5人は大分入れ替わりましたが、さすがレベル5第一位の一方通行ちゃん!
上琴テストでも不動の貫禄なのです! お見事!
妹達の皆さんは勿論、佐天ちゃんやトールちゃんも大健闘なのですよ。
フェブリちゃんも良くできまちたね〜。ナデナデしちゃいまちゅよ〜。
…こほん。それではこっちは反省しやがれ! ワースト5なのです。
(下から数えて)
五位 海原光貴 10点(Ⅰ-②終了後、吐血によりドクターストップ)
一位 青髪ピアス 0点 (小萌の補習を受けたいので白紙で提出)
一位 テレスティーナ=木原=ライフライン 0点(解答欄が罵詈雑言で埋め尽くされていた為)
一位 御坂美琴 0点 (テスト開始10分前に「ふにゃー」したため白紙)
一位 上条当麻 0点 (何かしらの不幸に巻き込まれ、テストに間に合わなかった)
海原ちゃんは残念でしたね…前回二位だっただけに悔やまれます……
いや、本人的にはテストを続ける方が苦痛だったかも知れませんが……
青髪ちゃんはやる気がないのですか〜? それとも先生を困らせたいのですか〜?
木原先生…は……何しに来たのでしょう?
とまぁ、これでテストは終わりなのです。
でもまたいつ上琴テストをやるか分かりませんよ?
皆さん、気を抜かずにちゃんと勉強しておいてくださいね?
っとそうそう。御坂ちゃんと上条ちゃんは、補習の前に追試を受けてもらいますからね。
覚悟しておくように!
以上です。
いっぱいキャラ出せて楽しかったです。
ではまた。
>>久志さん
これは楽しみです
謎の少年の正体は王道かそうでないのか気になりますw
>>くまのこさん
個性豊かなキャラが沢山でてきて読んでる方もとても楽しいですw
>>久志さん
未来から来たという彼は一体・・・・・・
続き楽しみにしてますよ!
>>くまのこさん
建宮の回答の『その未来も全て』
やべえ、格好いい!そのセリフ、借りてもいいですか?
麦野の短編SS。小萌先生は何に1点をあげたのだろうか?
いろんなキャラが登場してGJです!
はいという訳で『脱出作戦』の続き行きます
「ちょっと!なんでいきなり走り出すのよ!?」
食蜂を撒いた上条だが、美琴に怒鳴られてしまった。
「何でいきなり走り出すのよ!」
「あのまま喧嘩してたって時間の無駄だろ」
だがしかし、危機はまだ去っていない。闇雲に走って大通りに出てしまっていたのだ。
「お姉さま?」
その危機は白井黒子。美琴と同室であり、唯一無二のパートナー。
彼女の腕には風紀委員の腕章が付けられている。巡回中なのだろうか。
白井は怪訝な表情で上条を見る。
「そちらの方は……失礼ですが、お名前は?」
「あ・・・・・・、えっと」
そういえば偽名を考えていなかった。
見知らぬ人間ならば上条を名乗ればいいが、白井とは面識がある。上条を名乗るのはマズイ。
「・・・・・・そういえば、どこかで見たような・・・・・・」
感づかれたか。誤魔化さなければバレて厄介なことになるかもしれない。
さっさと偽名を考えつかなければなれないが、焦って何も思い浮かばない。
「どうなされましたの?」
「あ、あの」
「か、神城さんよ!この人、人見知りでね」
「は、はぁ。よろしくお願いしますの。神城さん」
美琴の機転のおかげで白井は納得してくれたようだ。
ひと安心する上条だったが、彼の心を惑わせることがもう一つ起きる。
「黒子は巡回中でしょ?残念ねー。私たちこれからお買い物なの。行きましょ?神城さん」
夏休み最後の日に恋人ごっこをした時と同じくらいに寄り付いてきたのだ。
(あれ、は?んー!?)
時々美琴から香る女の子らしいいい香りが再びする。
白井はそれを見て劇画の様な顔をして固まってしまった。
その隙に今度は美琴が固まった上条を引っ張て逃げ出した。
やっとのことでゲートの前まで着いた。
「こっからどうするか、ね」
「・・・・・・」
「どうしたのよアンタ」
「あ、悪い」
美琴に呼びかけられてハッとする。
「あ、で、どうしたんだ?早く行こうぜ」
「ゲートを通れないのよ。IDがないと。アンタ前はどうやってここから出たのよ。というか何で前にもいたのよ」
「あー、あの時も土御門に連れ込まれてたからなー。出る時も強行突破だったし」
「アンタねぇ」
呆れた表情で上条を見る美琴。
門番は女性だ。しかし無理に突破しようとすれば学園都市最先端の装備で取り押さえられるだけだろう。
どうしようと考えていると、2人の横を掃除ロボットが横切る。
「ちょうどいいわね。あれを使いましょう」
美琴は額から電気を発すると、それは掃除ロボットを当てる。
ピョコピョコ可愛らしく跳ねる前髪をリモコンのように使い掃除ロボットを操作する。
「うわっ!故障なの!?」
掃除ロボットを門番に突撃させ、混乱した門番はゲートから目を離す。
「今のうちに!」
門番の目を盗んでゲートをくぐり、後は一直線に走り出すだけだ。
「ありがとうな御坂」
無事に学舎の園を脱出した上条は美琴を置いて歩き出す。
「どこへ行く気よ。あてはあるの?」
「なくても探すしかないだろ。じゃあな御坂」
「待って。私も行くわよ」
しかし、上条は首を横に振る。
「御坂を巻き込めないし、今回だけじゃない。ロシアまで助けに来てくれたり、ハワイまで来てくれたり。もう十分なほどに助けてもらってきた。これ以上お前に甘えることは出来ない」
踏みとどまった美琴は、少ししてその口を開いた。
「・・・・・・わかったわよ」
そう言うと、ビシッ!と上条を指差した。
「その代わり!もし何かあったら私に連絡すること。いいわね!?」
「ああ」
そして美琴は上条に手を振りながら走っていった。
「バイバーイ!女のアンタといられて、楽しかったわよー!」
女装はもうする気などないが、美琴といられて楽しかったのはこちらも同じだ。
次はちゃんと男としてならばいいかもしれない。と上条は思った。
美琴と別れてから少し経った。
相変わらず手がかりも掴めず、彷徨うだけだった。
しかし、そこで上条の携帯のアラームが鳴る。発信者は土御門元春。
『カミやん!』
「土御門!?」
『・・・・・・女?ああいい。カミやんに言っておけ。「魔術師がお前らを狙っている。超電磁砲と離れるな!!俺たちもすぐにそっちに行く!」』
「・・・・・・」
それだけを伝えられると、電話は切れた。
携帯を持つ腕が垂れ下がる。
「・・・・・・御坂が?」
また、あの少女を巻き込むのか。
また、自分のせいで。
また。
「っ、御坂!!」
携帯で美琴に電話をかける。しかしコール音ばかりで美琴は出ない。
「くそっ!!」
追いかければ間に合うかもしれない。
少なくとも彼女の寮へ向かえば合流できるはずだと。
走っている途中で上条はあることに気づく。
放課後で人通りが増えるはずの大通りに誰もいないのだ。
まるで上条だけが迷い込んだかのように。
「あっれー?幻想殺しって女だったっけ?」
「どのみち『人払い』の影響を受けてないんだ。関係者だろ」
「殺しはすれど、原型は保っておけよ。あれが幻想殺しだと確認できないと報酬も貰えん」
1つは女の声だった。
残りの2つは男の声。
3つとも、駆動鎧のスピーカーから発せられていた。
以上です。
最近まとめで自分の作品見直したけど、修正したい場所が多すぎました。
このスレ、完成したSSの書き直しっていいんでしょうか。
あと最近上琴の新作考えても、どっちかがヤンデレこじらせる・・・・・・
あ、神城は[かみしろ]で
乙
乙
乙ですの!
続きが気になるん!
くまのこさんのこのシリーズの一方通行が毎回ツボw
>>はりねずみさんGJです!
>そのセリフ、借りてもいいですか? ←あ、全然いいですよー。お構いなく。
バトル展開来る!?
続き楽しみに待ってます!
短編書きました。日付変わったのでクリスマスネタ投下です。
約3分後に7レス使います。
クリスマス。
それは十字教において、神の降誕を祝う祭りである。
そしてその前日である今日はクリスマス・イヴと呼ばれ、本来は家族と一緒に粛々と過ごす日だ。
が、しかし、元々宗教観の薄いここ日本国…の中でも更にオカルトとは縁遠い学園都市において、
クリスマス・イヴとはリア充と非リア充を明確に分ける為だけの日である。
街にはこの日、独りで過ごさない様にする為の即席カップル達がかっ歩し、
その即席カップルにすらなれなかった負け犬共は、
同じ仲間【モテないどうし】で集まって傷を舐めあうのだ。
悲しい事だが、それが現実。
そしてここにも、その負け犬が一匹。
名前を上条当麻。第7学区にある平凡な高校に通う、平凡(?)な少年である。
上条は学生鞄とスーパーのレジ袋をぶら下げ、ボソッとぼやく。
「……右も左もカップルばっかり………はぁ…不幸だ……」
確かに、彼の周りには腕を組んで歩く男女で溢れている。
しかし、上条という存在を知っている人は、誰もがこう思っただろう。
「うるせぇ、てめー爆発しろ!」、と。
そう、彼は実はモテる。本人は全く信じていないが、モテる。
今日もクラスメイトの姫神を始め、多くの女性が彼に声をかけようとした。
だが運命の赤い糸すらも断ち切るという彼の右手の効力なのか、
それらは不幸にも全て失敗に終わったのだ。…本当に不幸なのは姫神達だと思うが。
そんな訳で、非リア充の皮を被ったリア充と周りから認知されている非リア充・上条は、
「不幸だ」と呟きつつ、とぼとぼと歩いているのだった。
「はぁ…今日一で良かった事っつったら、このオモチャの指輪だけか……」
上条は歩きながら、ビニール袋の中のカプセルを取り出した。
実は彼の行き付けのスーパーもクリスマス仕様となっており、
1000円以上お買い求めのお客様はくじを引ける、というサービスを行っていた。
「ハズレなし!」と銘打ってはいたが、不幸体質の上条にそんな物通用する訳もなく、
当然ながら5等を引き、カプセルに入ったガラス製の指輪を貰ったのだ。
おそらくガチャガチャの売れ残りであろう、見るからに安物だ。実質ハズレである。
…それにしても、安物であろうと『指輪』は『指輪』だ。
クリスマスがテーマのラブコメで、後々指輪がどう使われるのか何となくは察しただろう。
おそらく『想像した通り』だが、まぁ今は話を進めさせてもらおう。
上条はその、毒にも薬にもならないが邪魔にはなりそうなオモチャをビニール袋にしまい、
何度目かも分からないため息をつく。
「はぁ…けどこれじゃあ、インデックスの腹の足しにはなんないしなぁ……」
どうやら本日のディナーについてお悩みのようだ。
クリスマスから始まる年末年始。イベント事が盛り沢山で、その分特殊なメニューも多い。
そしてそれは、余計な出費へと繋がるのだ。ただでさえ月末は厳しいというのに。
おまけに、ボチボチ三が日までの食料の買い置きも始めなくてはならない。
あの暴食シスターのキャパシティを上回る買い置きとはどれだけの量なのか、
それを考えると頭が痛くなる。
師匠も走るほど忙しいという師走だが、走って逃げ出したいのは上条の方である。
にも関わらず、そのシスターさんはこうも仰っておられた。
「クリスマスと言えばケーキ! それもホールケーキなんだよ!」、と。
不条理だが聞き入れなければならない。じゃないと噛みつかれるから。
インデックスにとっては『2回目』。上条にとっては『初めて』のクリスマスだ。
上条自身、楽しみたくない訳がない。しかし……
「おゼゼがないんですよぉ……」
世知辛い世の中である。
だがそんな上条にも救いの手は差し伸べられる時があるらしい。
ふと上条の目に入ったスイーツ専門店。
その店先に貼られていたポスターに上条は衝撃を受ける。思わず二度見するほどに。
「……ク…クリスマスケーキ……きゅ、980円………だと…?」
それはホールケーキとしては破格の安さだった。
ただし、そのケーキを買う為には、一つ『条件』があったのだが。
『はい、これ』
『俺に!? いいのか!?』
『いいも何も、今日はクリスマス・イヴなのよ? プレゼント渡すくらい普通じゃない』
『い、いやあの…お、男って生き物はだな、女の子からのプレゼントってのは、
「そういう意味」にとらえちまうモンなんだよ。…か…勘違いしちまうだろ……』
『だ、だから! 「そういう意味」なのよ! いい加減気づきなさいよ馬鹿っ!』
『っ!!! ……………そっか……俺だけじゃなかったんだな………』
『えっ…?』
『じゃあ俺もお返ししなくちゃな。けど俺今、持ち合わせがないから……』
『な、なにを―――んんっ!!? …ん……んっ、んん………は…あぁ……』
『俺からの、ファーストキスのプレゼント。これで勘弁な』
『はぁ…はぁ……ねぇ、当麻ぁ……』
『ん?』
『セカンドキスも欲しいなぁ……』
『ったく、美琴は欲張りだな』
『……ダメ…?』
『いいけど、じゃあこっちももう一つプレゼントを要求してもいいか?』
『うん…何が欲しいの…?』
『……御坂美琴が欲しい』
『っ!!!』
『美琴の全てを…俺にくれないか?』
『……あげる…私の全部、当麻にあげる! 私、当麻のものになるから!!!』
『美琴……』
『当麻……』
と、高級感漂うデパートの紳士服コーナーで、ハンカチを持ちながら妄想する少女が一人。
常盤台の超電磁砲こと、御坂美琴である。
美琴は「全部って事は、あんな所やそんな所も!?」、とブツブツ言いながらクネクネしている。
彼女の頭の中の上条は、一体何をやっているのか。
美琴は上条へのプレゼントを買いにここへやって来ていた。
日頃の感謝やらお詫びやら、『何やら』の気持ちを少しでも返す為だ。
初めは、セーターやマフラー、手袋など、手編みの物を送ろうかと思っていた。
しかしその事を佐天に相談した【といつめられた】時、
重い女だと思われる可能性があると指摘されたのだ。
ならばアクセサリーはどうか、と思ったが、一瞬だけ考えてすぐに却下された。
上条が装身具を身に着ける姿など想像できない。
では上条が喜びそうな物はどうだろう…と考えたのだが、
彼が欲しがるのは食材や商品券やクーポン券、究極を言えば現ナマである。
いくら何でも、クリスマスプレゼントにそれはどうだろう。
結果行き着いた先がハンカチだった。
これならば普段身に着けることができ、使う機会も多く邪魔にもならない。
もっとも、今美琴が手にしているハンカチはブランド品で、驚くべき事に諭吉さん5人分である。
そんなお高いおハンカチ様で、庶民代表の上条が、
汗や便所後の手を拭ける勇気があるかどうかは疑問だが。
と、長々とバックグラウンドを説明している間に美琴の妄想も終わったようだ。
美琴は真っ赤な顔をしながら呟いた。
「あ……赤ちゃんできちゃったらどうしよう………」
一体どこのナニまで妄想していたというのか、この中学生は。
無事(?)プレゼント用のハンカチも買い、デパートを出る美琴。
しかし、プレゼントは相手に渡すまでがプレゼントだ。当然、上条に会う必要がある。
だが美琴はゲコ太型のケータイを握ったまま固まっている。
何て声をかけたらいいのか分からないのだ。
さっきまであんな妄想を繰り広げていただけに、気まずさも残っているのかも知れない。
(「ちょっと用があるんだけど、来てくれない?」…は少し上から目線すぎるかな……
「アンタにプレゼントがあんのよ」…う〜ん…サプライズに欠けるわね……
「大事な用があるの…会って話がしたいんだけど…」って! ここここれじゃ告白するみたいじゃない!
「HEY! 今お暇ですかー!?」……何だそのキャラ…
「あげる…私の全部、当麻にあげる!」ってそれさっきのヤツじゃああああん!!!)
どんどん思考がカオスになっていく。考えすぎである。最初ので十分だと思うのだが。
このままでは、結局上条に会えずじまい…という最悪のパターンになってしまいそうだ。
なんて、そんな事が頭によぎった時、思わぬ所から思わぬ形でチャンスが来る。
「おー、美琴! ちょうど良かった!」
声をかけられた。今正に、自分が声をかけようとしていた相手に。
「のおおぉわああああ!!!」
「…そんなに驚かんでも……」
美琴は思わず声を上げ、綺麗にラッピングされた小さいプレゼントボックスを、
とっさに自分のカバンにしまい込む。
「な、なな、何よ急に!」
「あーいや、ちょっと頼みたい事があってさ」
「頼み?」
珍しい事もあるもんだ、と美琴は思った。上条の方から頼み事をするなど、滅多にない。
しかし悪い気はしない。頼られるのは、素直に嬉しいのだ。
「何よ頼みって」
「んー…少し言いづらい事なんだけど……」
「いいから言いなさいよ」
だがこの後、美琴はそんなお気楽気分を吹っ飛ばされる事となる。
上条の、衝撃の一言によって。
「じゃあ言うけど………今から俺の恋人になってはくれませんかね?」
美琴の頭の中で、
『ドォーン テンテンテンテンテケテンテン テンテケテンテンテンテンテン ♪』
と、盆回り【ドリフのオチのきょく】が流れたのだった。
980円という、尋常じゃない安さのクリスマスケーキに心奪われた上条。
他の店ならば、その3倍の値段はするだろう。もうコレにするしかない。売り切れる前に。
なのだが、一つ問題がある。
どうやらこのケーキ、店頭販売されている物ではなく、店内で注文するタイプのようだ。
分かりやすく言えば、コンビニのレジではなくファミレスのテーブルに近い。
だがまぁ、食べ切れなかった人の為に、残りをテイクアウトできるサービスがあるらしいので、
そこは問題ない。重要なのはこっちだ。
「カ…カップル限定……かぁ……」
そう。恋人同士でご来店したお客様限定の品だったのだ。
しかし先程説明したように、彼に恋人はいない。いないったらいない。
だがやはり、980円は魅力的だ。
そこで誰か、恋人役を引き受けてくれそうな人はいないかなと、ケータイを取り出そうとしていた。
ところが、その必要はなくなる。
スイーツ専門店と道路を挟んで向かいのデパートから、見慣れた制服を着た少女が出てきたのだ。
御坂美琴である。
渡りに船とはこの事だ。これで電話をする手間が省けた。
美琴には以前、海原の一件で恋人の役をやらされた過去がある。
ならばこちらから頼んでも、断ったりはしないだろう。
上条は嬉々として美琴の方へと走っていった。
そして話しかける。あちらはあちらで、何だかケータイを握り締めたまま固まっているが関係ない。
「おー、美琴! ちょうど良かった!」
「のおおぉわああああ!!!」
化け物でも見たかのような美琴の反応に、ちょっとだけ傷つく上条である。
だが今はそこにツッコんでいる場合ではない。優先順位第一位はケーキの件だ。
万一断られたら目も当てられなくなるので、若干言いづらい内容だが、
勇気を出して聞いてみる。
「じゃあ言うけど………今から俺の恋人になってはくれませんかね?」
ただし、大事な部分を大幅にはしょりながら。
美琴はその言葉の意味を脳内で処理できなかったのか、初めのうちはポカーンとしていたが、
理解した瞬間、「ボッ!」と音を立てて顔を真っ赤に変色させる。
「こっ! こここ、こい、こい、恋人おおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!?」
街中に響き渡る絶叫。中々の奇行だが、周りの反応は慣れたものだ。
この季節、告白イベントなんてイヤでも目に付く。
この二人もそんな即席カップルの一組だと思われているのだろう。
「やっぱ無理か?」
「えっ!!? あ、ああのその…むむむ無理とかそういうのじゃなくて私的にはむしろ
これ以上ないくらい嬉しいんだけどでもいきなりだし私も心の準備っていうか
そういうのが必要だしあっけど別にホントに嫌な訳じゃないのよ私だってずっと
そうなりたいと思ってって何言わせんのよ馬鹿大体そういう大事な事はもっとムードのある―――」
脳がパンクしたらしく、色々と訳の分からない事を言い続ける美琴である。
様子がおかしい美琴に対し、上条は冷静に足りなかった言葉を付け足す。
「あ、恋人っつっても勿論ニセモノだけどな」
「―――ムードのある場所でじっくり……って…はぇ?」
美琴のマシンガントークがピタッと止まる。
「そこの店でクリスマスケーキ買いたいんだけどさ、カップルじゃないと買えないみたいなんだよ。
だから一緒に行ってはくれませんかね、っていうお願いなんだけど…どうですかね?」
美琴はその言葉の意味を脳内で処理できなかったのか、初めのうちはポカーンとしていたが、
理解した瞬間、「バチバチッ!」と音を立てて火花を散らせる。
「それを先に言わんかあああああぁぁぁぁいぃぃぃぃ!!!」
上条目掛けて雷撃が放たれる。中々の攻撃力だが、上条の反応は慣れたものだ。
右手をかざしてそれを打ち消す。
「え、えーと…何か怒っていらっしゃる…? わ、分かったよ。他の人に頼むよ」
「怒ってないわよ! ニセモノでも何でもやってやるわよコンチクショー!!!」
正直、怒ってはいるのだが、それはそれとして恋人役は引き受ける美琴であった。
「いらっしゃいませー!」
とサンタコスをしたお姉さん達が出迎える。
明らかにドギマギしている上条の足を踏んづけ、美琴も店に入る。
「いってー……あー、チラシ見て来たんですけど、
カップル限定のクリスマスケーキってまだありますか?」
「あ、はい。ございますよ。ただこちら、店内でお召し上がる方でないと……」
「大丈夫です。残ったらテイクアウトできるんですよね?」
「はい。それは可能です」
「じゃあそれ一つください」
「ではあちらの、お好きな席へどうぞ」
店員に案内され、二人は店の中の小さなテーブル席に腰を下ろす。
「…っつーか、さっき何で足踏んだの?」
「べっつにー!」
「……やっぱり何か怒ってない?」
「怒ってないって言ってんでしょ!?」
明らかに不機嫌な様子。やっぱり無理やり誘ったのはマズかったかなぁ、と上条は後悔していた。
しかしそれなら、そもそも一緒に店に入らないと思うのだが、
じゃあ何でだろうと頭をこんがらからせる。
多分、上条には一生理解できないのではないだろうか。
と、上条が思考のスパイラスに陥っている時、注文したケーキが到着した。
ハートの形をした苺のショートケーキ。安いだけあって作りはシンプルだ。
ただし、中央に乗っている砂糖菓子は中々凝っている。
サンタの格好した男女が、抱き合ってキスしているのだ。
まるで、「これ食ったお前らも、帰ったらこんな事するんだろ?」とでも言わんばかりである。
だがこのケーキ、決定的に足りない物がある。
「…あれ? フォークが一個しかねぇ……」
ついでに、取り分ける為の小皿も一枚しかない。店側のミスではなく、元々そういう仕様なのだ。
これで食えという事だろう。
まるで、「ほれ、それで食べさせ合いでもして存分に乳繰り合えよリア充共が」
とでも言わんばかりである。
だが上条はそんな不幸が起きそうなイベントには乗らない。
そもそもこれは、インデックスへのお土産だ。
一口も食べずにお持ち帰りするのはさすがに失礼なので、少しは食べるが、
ここで食べさせ合いなどする必要はない。
なので、「美琴、俺はいいからお前だけでも食ってくれ。9割くらい残してくれればいいから」
と上条は言おうとした。
「言おうとした」というのは、「言えなかった」という意味だ。何故なら、
「く、くくく、口、ああ、開けなさいよ……」
と言いながら、美琴がこちらにケーキを向けているからだ。
「な…何をしていらっしゃるので…?」
「し、仕方ないでしょ!? 周りはみんなやってんだから、私達だけやらないのは不自然なんだし!」
周りの客は、当然本物のカップルだ。マナーに則り食べさせ合いをしている。
あっちでもそっちでもこっちでも、あ〜んをしているのだ。まとめて爆発できないものだろうか。
「いやだからって、何も俺達まで―――」
「いいから!」
美琴はテコでも引き下がる気配はないらしい。
不機嫌状態の彼女に逆らうと後が怖い。上条は仕方なく折れ、口を開ける。
「分かったよ。………あー…」
「っ!!! 〜〜〜っ」
「あー…あむっ。……んぐんぐ」
「ど、どど、どう…かしら…?」
「ごくん。…うん、普通に美味いな」
「そ、そういう事じゃなくてっ!」
「?」
「…何でもない……」
どっと疲れが出る美琴。
せっかく周りの空気に後押しされて、普段絶対にできないような事をしたというのに、
上条の反応は鈍感【いつもどおり】だ。
やはりもっと大胆に行かなければ、この男を攻略するのは不可能、という事らしい。
しかしこれ以上大胆な行動が、素直になれない美琴【じぶん】にできるのだろうか、
と今度は美琴が思考のスパイラルに陥っている時、上条がまさかの行動を取る。
「じゃあ次は美琴が食う番な。ほれ、口を開けなされ」
「……………へ?」
まさかの展開である。
「ええええええぇぇぇぇ!!!? ななな、な、何でアンタが急にそんな!!?」
「え…だってさっき、味の感想聞いてたから、てっきり美琴も食いたいのかと……違ったか?」
違うけど、違わない。
というか、仮にそうだとしても、上条まで「あ〜ん」させる理由にはならないのだが、
そこはツッコまずに黙っておこう。せっかくだから。
「〜〜〜っ!!!」
「いらねーの? じゃあ残りはテイクアウトを―――」
「た、た、食べるわよっ!!! 食べればいいんでしょ食べればっ!!!」
美琴は勢いよく、上条の持っているフォークの先にかぶりつく。
しかしそれは、先ほどまで上条の口の中に入っていたフォークな訳で。
それはつまり、間接キスな訳で。間接的な、『キス』な訳で。
「……………」
美琴は俯いたまま、口をもむもむを動かす。
「まぁまぁ美味いだろ?」
と上条が聞いてくるが、ぶっちゃけ味なんて分かる訳がない。美琴は黙って頷いた。
なんだか大人しくなったので、とりあえず機嫌は直ったのかな、と上条は安堵する。
問題も解決(?)した所で、上条は今度こそテイクアウトする為に、店員さんを呼び出した。
「さて、帰るか」
店を出た上条は、開口一番帰宅宣言をした。
もう少しくらい一緒にいてくれた方がオイシイ展開になりそうだが、
同居人が待っているので仕方ない。
帰るのが遅れれば遅れる程、彼女の歯の鋭さは研ぎ澄まされていく。
上条は学生鞄とスーパーのレジ袋と、クリスマスケーキ(食べかけ)の入った箱を持ち、
美琴に対して「じゃあ、また明日な」と簡単な挨拶をする。
何かもう、夢心地で心ここにあらずな美琴は、「あ…うん……」と生返事をするのだが、
そもそも今日、なぜ上条に会おうとしていたのかという理由を思い出しハッとする。間一髪である。
「ちょちょちょ、ちょっと待って!」
「ん?」
美琴はおずおずと、自分のカバンから小さな箱を取り出す。
可愛くリボンが結ばれており、明らかにプレゼント用だと分かる。
「は…はい、これ……」
「俺に? いいのか?」
「い、いいも何も、今日はクリスマス・イヴなのよ? プレゼント渡すくらい普通じゃ―――」
言いかけて、美琴は既視感を覚える。
(あ、あれ…? ここ、これって私が想像してた展開と同じなんじゃ!!?)
もしそうだとすれば、この後は……
「じゃあ俺もお返ししなくちゃな。けど俺今、持ち合わせがないから……」
(ま、ままま、まさか…まさかああああぁぁぁぁぁ!!!?)
まさか間接ではなく、直接キスが来るとでもいうのだろうか。
美琴は『一応』、目をギュッと瞑る。あくまでも『一応』だ。
しかし、幻想をぶち殺すのが上条さんのお仕事である。
「……あっ、あるわ。あげられるモン」
「……えっ………」
人間、そううまくはいかない物である。
上条はレジ袋から、カプセルを取り出す。
「これスーパーのくじで当たった【ハズレた】オモチャなんだけど…美琴いる?」
「オ……オモチャ…ッスか……」
がくんと肩を落とす美琴。だが、そう悪いだけの話でもなく、
「ちょっと手ぇ貸して」
「手…? …………っ!!!」
カプセルから出されたオモチャの指輪は、美琴の左手薬指にはめられた。
上条的には何となくだが、美琴的には大きな意味を持つ。
「なっ、こっ、えっ、あっ?」
「悪い。今はホントこれしかないからさ、後でちゃんとしたお返しするよ。じゃあな!」
無駄に颯爽と立ち去る上条。「奴はとんでもない物を盗んでいきました」状態である。
その場に残された美琴は、今日『も』ひたすら上条に振り回された事を振り返り、
その感想を一言にまとめた。
「ふにゃー」
学園都市は今日『も』、謎の停電に襲われるのだった。
ちなみに本日の最終的なオチ。
ケーキが食べかけである事をインデックスに問い詰められ、
美琴と一緒に食べていた事がバレてしまい、結局最後は噛みつかれる上条の図。
以上です。
今年はクリスマスの話、何本投下されるのかなぁ〜。
楽しみです。
ではまた。
>>432
GJ!
クリスマスに停電とか学園都市のリア充達ざまぁ(血涙)
おもちゃの指輪ってかわいくて好きやわ
どうも、・・・です。
また当分これないので、一気に二つ投稿、クリスマスプレゼント代わりに、
その前に感想を、
〉〉はりねずみさん
たしかに、上条さん、女声、してたね
え? バトルなの?? ミコっちゃん大丈夫なの??
女装のままがんばれヒーロー!!!
〉〉寝てた人さん
やっと起きたーーーーーーーーーーーー!!!!!
続き待ってたんだよこれ!!
ってまだかーーーー!! はよ幸せになれ!!!!
〉〉久志さん
おお、長編ですか、楽しみです。
佐藤ねー、俺は二人の息子ってよりも……
で、また命の危機か、最近このスレでも原作でも大変だな上やん。
〉〉くまのこさん
345 ゲコ太とピョン子はいちゃいちゃしなくちゃね
350 「俺、美琴の事が……… 好「おっねえさまーーー」って展開か、不幸だ。
413 せんせー、私も満点ですー
432 ああ、とっつぁん役はインデックスね
くまのこさんがクリスマス期待なんて言うから、
まずは、小ネタ
どうぞ
この世にサンタクロースなど存在しない。
薄暗い工場跡地で、
伊豆山亜科 (いずやま あか)はそう思った。
年は13前後だろう。
三つ編みにした銀髪を腰に巻きつけるという奇抜ないでたちをしている。
服装は巫女装束。とある人物が自分のアイデンティティーに危機を感じるかもしれない。
さらに首にはいくつもの勾玉が光っている。
その奇抜な服装は彼女だけにとどまらない。
「あなたが悪いのよ亜科、姉とともに組織を裏切ろうとするなんて」
彼女に話しかけたのは全く同じ服装をした女だった。
大海水千(おおうみ みずち)
同じ魔術結社の 元 同僚である。
魔術結社「ヤマタノオロチ」。
少数ながらも、古くから日本で活動する組織だ。
しかし、
「あなたたちがおかしいのよ、日本を、学園都市を、十字教を滅ぼしたところで、組織の再興なんてできるわけないわ!!」
「だからといって、組織を裏切っていいわけないでしょう? そんなことより、姉に会いたくなーい?」
「ふん、今頃は学園都市に「いないわよ」……え?」
「その前に追手が殺してるわ、そんなこと、気づいていて泳がせたにきまってるじゃない!! 二人よりも一人ずつやったほうが楽でしょ?」
この世にサンタクロースなどいない。
去年もこの日に両親が、姉と私を残して他界した。
そして、両親から組織を引き継いだ今のリーダーは、組織の再興に躍起になり、ついに暴走を始めた。
「覚悟はできた?」
サンタクロースというやつは、家族を奪い、私に不幸しか与えないようだ。
そうして、すべてをあきらめた時、
工場の壁が吹き飛んだ。
「何!!?」
そこから現れたのは
「ちょっと!! マイラブりーみこったん!!
やりすぎではないでしょうか!!!!」
黒髪ツンツン頭のサンタクロースだった。
そしてその後ろには
「な、なにがマイラブリーよ!! うれしすぎるじゃない!!
あと、たんいうな!!」
でれっでれで帯電しているミニスカ(短パン装備)のサンタも来た。
「そうじゃなくて、聞いてます? 弁償とかになったらどうすんの?」
「?? すればいいじゃない、これくらいなら20万くらいでしょってなんで頭抱えてるのよ?」
「「……で、誰??」」
敵とハモるのは不本意だが仕方ないだろう。
なでなでしてあげようか?
とかいってじゃれてるバカップルサンタが乱入したら、
だれでもそんなリアクションになると思う。
「えーっと、私とコイツは幼稚園に行ってサンタ役をすることになってたのよ」
「だけどこの格好で到着する寸前にインフルエンザで休園ってことを知ってさ」
「「知らねーよ」」
「まあまあ、そのあとにこのまま家でいちゃいちゃしようって流れになったの」
「不良に絡まれて、道に迷って、白井に襲われて、マッドサイエンティストと戦って、同級生に追われて、やっとの思いで家についたわけさ」
「「だから知らねーよ」」
「そこで、女の人が誰かに襲われてるじゃない」
「助けるだろ?」
「美人で巨乳でしょ」
「そうそう」
「そのあとでラッキースケベ発動でしょ」
「すっげーやわらかかった」
「死ぬかこらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!」
「すみませぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええんんん!!!」
それは、ほれぼれするほどきれいな土下座だった。
「で、でもさ」
「なによ、死に方の選択肢くらいくれてやるけど?」
「美琴のほうが美人だぞ」
「そんなことで許されるとでも?」
「うーん……じゃあ、美琴に包まれて死にたい」
「は、はぁ!!? 何言って……って!!」
ツンツンサンタがビリビリサンタを抱きしめる。
「やきもち焼く美琴もかわいいな」
「しょ、しょんにゃことでろうりゃくしゃれにゃいんだかふにゃーーーーー」
なんなんだ、いったい。
「ふざけてんの??」
水千がついに切れた。仕方ないと思う。
地面に亀裂が入り、地下水が凶器となり二人を襲う。
私が声を発する前に、ダイヤすら切り裂く水流の刃が二人の生命を断つ。
はずだった。
「おい、美琴が怪我したらどうすんだよ?」
黒髪の男が右手をかざしただけで、水千の魔術が消え去る。
さらに、
「水なら私と相性最悪よ? 当麻に刃を向けたこと、後悔しなさい!!」
見てわかるほど強力な雷撃が水千を貫いた。
「ま、手加減はしてあげたわ」
「えげつねぇ」
「と、当麻にはもっとすごい威力のやつををあててるからね」//////
「いや、デレるポイントおかしい、オレうれしくないよそれ」
「え、えーっと」
わたしはなにが起こったのか全然わかんないんだけど?
「ん? ああ、お前の姉に頼まれたのさ」
「アンタを助けてってね」
わたしを……?
「な、にしてるのよ、それじゃあ、なんのために、わたしが、囮になったか……」
これでは、意味がない。
姉を逃がしたと思ったのに、これじゃあ……
「なに!!?……はぁ?」
「何やってんのよ、あんたたち」
「へ?」
「お前の姉も、囮になったって言ってたぞ」
「どっちも目立つ行動すれば、ばれるに決まってんじゃない」
そん、な
「でも、そうでもしなければ、組織から、姉を守ることなんて……」
「……なぁ、もうやめよう」
「そうよ、何のために、私たちが来たのよ?」
「え?」
「よーし、お義父さんの言葉、借りるか」
「あー、あれね」
今年、私のところに来たのは、
「「お前(アンタ)とお前(アンタ)の姉の世界に足りないものはなーんだ!!」」
とびっきりバカップルでとびっきりの幸せを届ける二人のサンタだった。
さーて、皆さんはどんなプレゼントくれるの?
さて、長編
不気味な紫の閃光が携帯を弾き飛ばした。
「くっ……!!」
美琴は正面に視線を移す。
そこは既に美琴の部屋とは呼べなくなっていた。
赤い稲妻や青い炎が飛び交い、暗い空間や氷の結晶が点在し、天使や怪物が割拠している。
そしてその中心には
(……インデックス!!!)
赤子となった少女インデックスがいる。
彼女は、泣いていた。
インデックスを寝かしつけた後、飲み物を飲みに台所に立ち、戻った時にはこうなっていた。
美琴は思い出す。
いつの日か、彼女と二人きりの時に聞いていた話を
『わたしにの頭には十万三千冊の魔道書が入っていて、少し、たまに、不安になるんだよ』
でも、当麻がいれば安心できるんだよ。と言っていた彼女に嫉妬した記憶がある。
あの年齢で不安に感じる魔道書の知識。それがもし赤子なら?
(助け、なきゃ!!!)
しかし、一歩も動けない。
竜巻、炎、氷塊や電撃、さらには得体のしれない光線や煙が襲いかかり、女の顔をした鳥や青く輝く馬、優しく微笑む天使が四方から襲撃する。
そのどれもがおそらくは一瞬で命を落とす一撃。
美琴は歯ぎしりした。
(また……)
思い出すのは実験の時。
(わたしはなにも救えないの?)
浮かぶのは……
(アイツは、来るだろうな)
でも、それはこの子のためなの?
その思考の中、左の炎の玉を電撃で打ち抜くが、後方からの天使の接近に気付くのが遅れた。
(しまった!!!)
天使はその手を伸ばす。
美琴は目をつぶり、自分の人生の終焉を待った。
が、その時は来ない。
静かに目を開けると、
そこには、
いつも追いかけている背中があった。
「大丈夫か? 美琴」
卑怯だ。
さっきまで抱いていた絶望が一瞬で消えさる。
この男の存在が自分の感情に影響を与えすぎている。
ずるい。
「た、助けなんて、必要なかったわよ!!」
「えー? 電話口できちんと言ってたと思うんですが?」
「わたしじゃなくてあの子をっていう意味よ!!」
「あーはいはい、それでいいよ……ってあぶねぇ!!」
美琴の後方から飛来したピンク色の玉を上条は打ち消し、
美琴に言う。
「じゃあ、アイツを助けるために力を貸してくれ!!」
まったく卑怯だ。
こいつにこんなこと頼まれたら、
どんなに危険で絶望的な状況でも。
「足引っ張んじゃないわよ!!」
笑顔で進めてしまう。
「少しずつ、進むぞ」
背中を預け合い、少しずつ進む。
右手が打ち消し、電撃が舞う。
一歩一歩が命をかけた綱渡りであるにもかかわらず、
それはあたかもダンスを踊っているかのようだった。
だが、
「これ以上は、ムリか!!!」
当然、インデックスが魔術を使っている以上、インデックスの周囲はその密度が高い。
これ以上の接近は不可能だ。
しかし
「うー、あうー、ぁぁぁ!!」
((……インデックス!!……))
彼女を、救いたい。
気がつけば、
美琴は、「きらきら星」を歌っていた。
すると、泣いていたインデックスが落ち着いてゆく。
周囲の脅威も緩やかになった。
その瞬間、上条がインデックスに飛びかかる。その右手が、全てを打ち消した。
「インデックス!!」
「……大丈夫だ、美琴、安心して眠ってる」
「ホントだ、よかっ―――」
「美琴が無事でよかっ―――」
彼らは安心したとたん、静かに、意識を手放した。
「……どうした? ステイル。今忙しいんだけどニャー」
「……なんだって!!? 学園都市に!!?」
「……何を考えているんだアイツは!!!」
「さーて、インデックスが元気かどうか、楽しみでありけるわね」
わたし、結構いい子にしたよ。
サンタさん、上琴がいっぱいほしいです。
・・・さんGJです
上条さんと美琴の組み合わせならではのヒーローカップルはよいものだ
あ、ここじゃヒーローバカップルかw
長編の方もGJ
>>くまのこさん
やっぱりみこっちゃん可愛いこんちくしょう!
『今はおもちゃだけどいつかは』ですね!!
>>・・・さん
バカップルめ。格好つけやがって。
バカップルヒーローズと、長編もローラがこれからどんな騒動を引き起こすのか。
GJです!
ではこちらも皆さんに上琴のプレゼントを。
12月24日。それはクリスマス・イブだ。
十字教の主の誕生日の前夜祭が行われる聖なる日であり、十字教国家でないものの、お祭り大好きな日本でも(主にカップルにとって)特別な日だ。もしかしたら25日以上に。
それは科学の街、学園都市とて例外ではない。
が、そんなことなど関係ない様子の上条当麻は自室で1人、いつも通りの夕飯を食べている。
同居人のインデックスと悪友の土御門元春はイギリス清教のミサで留守にしている。青髪ピアスも下宿先のパン屋が忙しいらしい。
その為(去年がどうであったかはわからないが)今年は1人寂しくクリスマスを過ごす。と彼は思っていたのだが、1通のメールによってこの日が、彼にとって特別な日へと変わる。
(御坂から?)
こんな日に女子からメールが来ると、男子高校生としては期待してしまいたくなるが、上条としては『まさか御坂がな』とあまり関心がなかったが・・・・・・
(・・・・・・マジで?)
『近くのイルミネーションが綺麗だから一緒に行かない?』
まさか本当にデート(?)のお誘いが来るとは思わなかった。
用事など本当に無い。断る理由など何もなかった。
行けると返事をして1分で美琴からまたメールが来た。
『じゃあ今すぐいつもの公園に来ること!遅れたら0距離散弾超電磁砲!!』
さすがにフレイヤの召喚したドラゴンを葬る攻撃を味わうのは勘弁だ。
急いで夕飯の残るを食べると、上条はジャンバーを来て外に出た。
寒さを我慢しながらドアを閉めたところで聞きなれた声で呼ばれる。
「おーおー上条当麻ではないかー。今日はシスターはいないのかー?」
振り向くと悪友の大好きな義妹が掃除ロボットに座ることなく、自力で立っていた。
手には紙袋がある。
「舞夏か。今日はインデックスはいないぞ。あとお前の大好きな兄貴も」
「なぬ!?そっかくのクリスマスイブだからサプライズで来てやったのに」
「残念だったな」
「(・・・・・・サンタのコスプレして喜んでもらおうと思ったのに)」
あの義兄にしてこの義妹ありか。
落ち込む舞夏を慰める言葉も思い浮かばず、美琴との約束もあるため上条はこの場を離れようとした。
「じゃあな舞夏。俺は御坂と約束があるからな」
「おー!あの御坂がなー」
先ほどの消沈もどこへやら。彼女の興味はもうこちらに向かっていた。
だが上条はさっさと約束の場所へと向かい歩き始めていた。
(うわうわうわ!どうしよう寮監や黒子の目も無いしどうしよう!)
クリスマスイブという特別な日だからこそ、勇気を出してあの馬鹿にメールを送った。
あの馬鹿と合流したら、美しいと話題のイルミネーションを見に行き、いい雰囲気になったら『アレ』を渡す。
問題はどうやってそこまで持っていくかだ。
「御坂ー」
(アイツもうご飯食べたかしら食べてなかったら近くのカフェでお食事とかも)
「おーい」
(食べてなくてもカフェでゆっくり話もしたいし)
「美琴ー」
「ひゃい!?」
考え事をしていて上条の存在に気づかなかった。
いつからここにいたのだろうか。考えことが顔に出ていなかったか。上条に見られていなかったのか。
そんな不安に美琴は襲われた。
「あ、ああア、アンタ!いつからここに!?」
「いや、いま来たばかりだが」
(というか今名前で!?)
「というか、制服じゃないんだな」
「さ、さすがにね!」
さすがにこんな日に制服で上条と会うのは忍びなく、数日着ていく服を考えたが決められず結局ロシアで着ていった服装となってしまった。
(でもどうしよう似合ってないかな。でも聞くのも恥ずかしいし)
「・・・・・・どうしたんだ?イルミネーションを見に行くんだろ?」
「っは!そ、そうだったわね。行くわよ!!」
美琴は強引に上条を連れて歩き出す。
嬉しくてたまらない。
やっと。やっとだ。やっとこの日が来たのだ。
黒子も、あのシスターもいない。
何か事件が起きている訳ではない。
罰ゲームでも何でもない。
たとえ一晩だけでも、やっとこの馬鹿と、何のしがらみも無く一緒にいられる時間が来たのだから。
(今日だけは、私も。だから)
「・・・・・・綺麗ね」
「・・・・・・ああ」
公園を出て電車に乗って少ししたところだ。
大きなショッピングモールの中央に巨大なクリスマスツリーが飾られ、様々な装飾に飾られていた。
モール内の店は証明を明るさを落としておりさらにツリーの美しさは引き立てられていう。
ベンチに腰掛けている2人はツリーを眺めているのだが、別のものに目がいってしまう。
明らかにカップルであろう複数の男女が人目もはばからずにいちゃいちゃしているのだ。
(俺たち、こうしてるとカップルに見えるのかな)
悪い気分ではなかった。
美琴は可愛いし性格も良い。美琴といられるのは上条も嬉しい。
(美琴は、どうなんだろ)
それを美琴に聞くことは出来ず黙り込んでしまう。
肯定でも否定でも、それを聞いたら今の関係が終わってしまうのではないかと怖くなってしまったのだ。
美琴も先程から言葉を発しない。
さすがに周りの空気に便乗する勇気も、この空気の払拭する勇気も、上条は持ち合わせてはいなかった。
気まずい空気の中、口を開いたのは美琴だ。
「・・・・・・ねぇ、ご飯食べた?」
「食べたけど、そっちは」
「私も食べてきちゃったけどさ、近くにレストランあったしそっちで休まない?」
美琴の好意を無碍にする意味も無く、上条は承諾した。
(これからどうしよう)
何とか思いつきでここまで来た。
「ところで御坂、門限はいいのか?」
現在8時5分。今から帰っても門限には間に合わない。というよりも最初から門限を守るつもりなど端から無い。
「いいのよ別に。黒子に連絡すれば」
「あんまり白井を頼りにするのもなー」
「・・・・・・じゃあ、今晩はアンタんとこ泊まらせて」
「はい!?」
「え、あ、その・・・・・・」
いつもは絶対に言えない願望が不思議と口に出てしまう。
これもクリスマスイブの効果か。
「ど、どうなのよ」
上条にはっきりと聞かれた以上は引き下がれない。
上条は戸惑ってキョロキョロと目を動かし、最終的に目を美琴へ向けて言う。
「お前さえよければ」
美琴の顔がパァーっと明るくなる。
思わず体を前に乗り出し机を手で叩く。
「いく!絶対泊まる!」
「わ、わかったから落ち着け!コーヒーもこぼれそうだし周りも見てる!」
「え・・・・・・、あっ」
他の客や定員の視線に気づくと、美琴は顔を真っ赤にしながら机にうつ伏す。
けれども上条には見えないが彼女はにやけていた。
9時には帰り、上条と別れるつもりだったが、一晩中彼といられるのだ。
幸福だった。不幸が起きる前兆かと思うくらいに。
「ただいまー」
「お邪魔します」
まさか本当に美琴を自室に連れ込むことになるとは思わなかった。
美琴は普段見せないよそよそしい感じで床に腰掛ける。
「あー悪い、食器片付けてなかったな」
急いで放置されていた食器をシンクに置き水に浸け、2つのコップに水を入れると美琴が待つテーブルに置き彼も床に腰掛ける。
「これぐらいしかなくてごめんな」
「いいわよ別に。それよりもさ・・・・・・」
少し間を空けて恥ずかしそうに美琴は言う。
「こっち、来て」
「え?」
「私の横に座れって言ってるのよ」
(え、えぇ?)
まさか雷神トールがまた美琴に化けているのだろうか。
普段より可愛げがあっていつもと違う感情に陥らせる目の前の少女が本当に美琴が信じられなくなってきた。
「お前まさかトール?」
「・・・・・・何言ってるのよアンタは。さっさとこっちに来い」
・・・・・・本物のようだ。仮に彼女がトールならばわざわざ正体がバレる危険のある右手を近寄らせたりはしないだろう。
ドギマギしながら上条は美琴の横に座る。
そうすると美琴は、体を上条に寄せて来た。美琴の体温が直接伝わり暖かい。
「み、美琴さん!?」
「ねぇ、今日は楽しかった?私は楽しかった」
微笑む美琴を見て、自然と上条も笑う。
「楽しかったし、今も楽しい。だってお前といるんだぜ?」
「何でアンタは人を勘違いさせることばかり言うのかしら」
はっ、とする上条。
わかってしまったのだ。彼女の言う『勘違い』の意味が。
「み、みさ」
「黙って私の話を聞いて」
上条は素直にそれに従い、美琴の話に耳を傾ける。
「いつも素直になれないのに今日だけは違った。この日だけは、今夜だけはアンタといたかった。アンタを独り占めしたかった。そう思うと勇気が出たの。素直になる勇気が。きっとこれはサンタさんからの一晩だけのクリスマスプレゼントだと思うから絶対に無駄にしない。今だけの素直な私だから言えることがあるの。」
美琴の左手が動き、上条の右手を包み込んだ。
その手から上条の右手に入れられる『ソレ』が何なのか、上条は分かってしまった。
「私は、アンタが好き。たとえアンタがどう思っていようが私だけのものにしたいと思ってる。お願い。今すぐアンタの答えを頂戴」
(俺の答え・・・・・・俺は、どうなんだ?)
安易な気持ちで付き合っても彼女を傷つけるだけだ。
自分は彼女のことをどう思っているのか。
今日の夜を一緒にいただけでも楽しかった。だがそれは他の友人やインデックスといても同じなのだろうか?
今日だけでない。病院を脱走した時に会った時、記憶喪失だと知っていてなお彼女は力になると言ってくれた。
極寒のロシア、崩壊しているベツレヘムの星から助けようとしてくれたのも彼女。
ハワイで追い詰められた自分を救ってくれたのだって彼女だったではないか。
フロイライン=クロイテューネを救う時も、東京でフレイヤとの戦いにインデックスと共に駆けつけてくれたのも。
日常にも非日常にも、いつも気がつけば美琴がいた。いつも美琴に助けられてきた。
それが嬉しく、このまま美琴といられたらいいと、思うこともたくさんあった。
感謝の気持ちがある。だがそれ以上に上条の中を占めるものの意味にやっと気づけた。
「俺は・・・・・・」
そして今、彼は答えを見つけた。
だがそれは簡単に『好き』と言えるものでもない。
「うまく言えないけど、一緒にいたいと思うのは俺も一緒だ。だから誓わせてくれ」
今なら解る。
あの魔術師が組織を裏切った理由が。
きっと自分も同じことをしていただろうと。
だからこそ、あのキザな魔術師との約束を再び彼女と結ぶのだ。
「守ってやる。お前も、周りの人間も」
握る美琴の手を解き、さらに上から覆う。
その意味を、彼はわかっている。
だからこそ、彼は言う。
「この先の未来もずっと、一緒に」
「・・・・・・うん。よろしく」
自然と2人の手は繋がれていた。
聖なる夜に新たな恋人達が誕生した。
彼らのクリスマス・イブはこれからだ。
恋人達に、全ての人達に、メリークリスマス。
以上です。
ふぅ、昨晩徹夜して完成させたのに投稿が遅くなったぜ。
サンタさん。もっと上琴とタイトルをすぐに思いつく才能をください
>>450
しっとりといい雰囲気ですな〜GJ!
美琴が上条さんに渡したプレゼントって指輪的なものと
考えていいのかな?
※諸事情によりコメレス順番を少しだけ弄ってます
>>403 さん
楽しみにしてくださってありがとうございます♪さぁしっかり構想練って仕上げていきますよー!
>>414 さん
この場合の王道が何なのか気になりますが…まぁ頑張っていい作品に仕上げます♪
>>はりねずみさん
貴殿も含めて皆さん波踏くんが気になってるみたいですね…
続き、なるべく上琴色を増やせるように頑張ってみますね♪
脱出作戦、いったいどうなる!?果たして2人の運命は!?
そしてクリスマス話、これだけドキドキする良いSSを書いておきながら
サンタさんに更なる才能をお願いだと!?…いいぞもっと(ry
>>・・・さん
波踏の正体について踏み込んだ予想が!?果たして正解なのか!?
(バ)カップル上琴も擬似夫婦上琴もすごく良いなぁ…今後もぜひ期待してます☆
>>くまのこさん
はい、今回はその楽しみにして下さってる写真ネタのSSです♪
御期待に添えるぐらいの作品に仕上がっていれば幸いです。
上琴テスト、佐天さん超GJ!ぜひ私と上琴応援会議を(まだ言うか)
美鈴さんのSSはぜひ続編を!オリアナさんのは…あっちのスレにw
あ、補習と追試は「上条・美琴ペア」と「青髪・木原ペア」をそれぞれ相室で願いますw
クリスマス話…美琴たんの想像力すご過ぎでしょwwwwwwwwww
数年後、その想像が現実になる事をお祈りしてますよ(にやにや)
この後すぐ、たぶん2〜3レスです。
これは、美鈴さんが大掃除中に見つけた古いアルバムと、それを一人で見ている上条の呟きである。
皆には写真自体は見せられないが、各写真にはそれぞれ美鈴さんがタイトルを付けているので参考にすると良いだろう。
ちなみに、美鈴さんはこのアルバムを上条に渡して、年末年始に入用の品を買出しに行っているところである。
1月(1):『初詣に行く美琴ちゃん(4歳)』
「うぉ!?最初からなんて可愛い写真なんでせうかこれは!この年齢での晴れ着姿でもここまで可愛いなら
今の美琴たんが晴れ着を着たら…おっとっと、想像だけで上条さんはボーっとしてしまうところでしたよ」
1月(2):『お雑煮の餅に苦戦する美琴ちゃん』
「か、可愛ぇ…じゃなくて、どうしてお餅をきちんと小さめにしなかったんでせうか美鈴さん!
でも伸びまくるお餅に苦戦する“お約束”でも美琴たんがやるとすごく可愛ぇなぁまったく」
2月(1):『4つしか豆が無いので不満そうな美琴ちゃん』
「あー、俺は記憶無ぇけど確かにおやつが年齢分ってのは不満だろうなー…にしても、
なんで美琴たんは、こんな膨れっ面していてもこんなに可愛いんでせうかねぇもう♪」
2月(2):『コタツで丸くなる美琴ちゃん』
「ぶw…前々から美琴たん仔猫っぽい可愛さがあると思ってましたけどこれはマジ俺の心直撃ですよ!
でも、どっちかと言えばやっぱり現在の美琴たんが俺にくっ付いて丸くなってる時のが可愛ぇなぁ…」
3月(1):『ひな人形を見てテンション上がる美琴ちゃん』
「いやぁこういう乙女な美琴たんすごく可愛いですなぁ♪…ひな人形って十二単ってのを着ているけど、
美琴たんは純白のドレスとこういうのと、いったいどっちを着てみたいと思ってるんでせうかねぇ…」
3月(2):『↑の後、甘酒飲んで寝ちゃった美琴ちゃん』
「ぉいこら美鈴さんwww まさかソレ酒粕使って手作りした甘酒でせうか!?もしそうだとしたら微量ながら
アルコールは含まれてしまいますよ!?…それにしても美琴たんの寝顔はこの頃も今もめっちゃ可愛いですなぁ…」
4月(1):『エイプリルフールの嘘にひっかかって慌てる美琴ちゃん』
「娘に何してんの美鈴さぁぁぁぁん!!! よくあの母親から外見性格とも可愛い美琴たんが育ったなぁ…」
4月(2):『桜を見て喜ぶ美琴ちゃん』
「あーもう可愛ぇ!!周りの桜よりも可愛い可愛い美琴たんに視線が集中していくぅぅぅぅぅう!!!
タイトルを見た後でなければ何の場面の写真か忘れてしまうぐらい美琴たんばかり見てしまいますよ」
5月(1):『5月2日 誕生日プレゼント抱えて喜ぶ美琴ちゃん(5歳)』
「この笑顔可愛い過ぎるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!頑張ってプレゼント用意した先にこの笑顔があったら
明日も明後日もその先もずっと幸せにしたくなりますよ!いや元々幸せにする気満々ですけども!!!」
5月(2):『こどもの日 幼稚園の男児とチャンバラして勝っちゃう美琴ちゃん』
「この頃から運動神経も良かったんですね美琴たん…まぁ喜んでる顔は可愛いから良いけど」
6月(1):『雨の日 迎え(私)を待ってる美琴ちゃん』
「いや隠れて写真を撮ってる暇があるなら一刻も早く駆けつけて下さいよ美鈴さん!!!
雨ですよ気温下がってるんですよ早く美琴たんを傘の下に入れましょうよ!!!
あなたが傘を持って来るのを今か今かと待ってるんですよ!!!」
6月(2):『父の日 パパの似顔絵をプレゼントする美琴ちゃん』
「うわ本当にコレ5歳の絵でせうか?めっちゃ上手いんですけど!!旅掛さん嬉しかっただろうな…
可愛い娘が頑張って自分の似顔絵を書いてくれて、しかもこんなに優しい笑顔してる似顔絵だなんて」
7月(1):『夏休みその1 海ではしゃぐ美琴ちゃん』
「凄ぇ可愛ぇぇぇ!!!今年の夏プールに行ったときの美琴たんにもドキドキでしたけど
こっちの美琴たんもすごく可愛くて、上条さんはすごくドキドキしまくりですよ!」
7月(2):『夏休みその2 ラジオ体操の判子がゲコ太で喜ぶ美琴ちゃん』
「この頃から既にゲコ太が大好きだったんですね美琴たん。海の時より笑顔が可愛いですなぁ…」
8月(1):『夏休みその3 キャンプのバーベキューでルンルンな美琴ちゃん』
「良いなぁ…こういう楽しいバーベキュー、すごく嬉しそうに美味しそうに食べてますなぁ美琴たん。
ちゃんと焼きピーマンもしっかり食べてるみたいで、昔も今も美琴たんはすごく良い娘ですなぁ♪」
8月(2):『夏休みその4 私の怪談話を怖がって震える美琴ちゃん』
「だから、自分の娘にどんな扱いしてるんですか美鈴さん!!!本当に母親なんでせうかあなたは!!!」
9月(1):『私といっしょに月見団子を作る美琴ちゃん』
「えらいなぁ美琴たん。この歳から既にしっかりお手伝い出来てるなんて。良い嫁なりそうな素質はこの時から既に…」
9月(2):『↑の直後、私の摘み食いを発見し怒る美琴ちゃん(パパ撮影)』
「いったいどっちが親なんでせうかこの母娘はwww こりゃ美琴たんがしっかり者に育ちますわなぁ…」
10月(1):『運動会の朝 張り切ってる美琴ちゃん』
「あーもうこのテンションあがってる時の美琴たんの可愛さときたら! うっかり写真にキスしてしまいそうですよ!
しかし運動会か…この嬉しそうな顔は当日の最後までしっかり続いたんでせうかねぇ…どれどれ(ページを捲る)」
10月(2):『運動会 かけっこで1位になった美琴ちゃん』
「うわぁぁぁぁ!むしろ更に笑顔になって帰ってきましたよ美琴たぁぁぁん!…はっ!つい写真に唇を////」(拭き拭き)
11月(1):『読書の秋な美琴ちゃん』
「え?え?え?絵本じゃない本をこの歳で読んでるだと!?この頃から既にこんなに賢い子だったんですか!すげぇな美琴たん!」
11月(2):『勤労感謝の日で肩たたきをする美琴ちゃん』
「すごくえらいなぁ美琴たん!美鈴さんもぜひ見習うべきですよ!摘み食いとか娘弄りとかする暇ないですよ!(笑)」
12月(1):『クリスマス 枕元に靴下を置いて寝る美琴ちゃん』
「あーもうなんて可愛いんですか美琴たんの寝顔は!甘酒酔いした美琴たんの寝顔も可愛かったですけど、
この酒の力じゃない穏やかな寝顔はまた格別ですなぁ…ついついプレゼント割増したくなっちゃいますよ♪」
12月(2):『大掃除を手伝う美琴ちゃん(窓拭き)』
「可愛いなぁ…こう、窓に息をふーって吹いて新聞紙で拭き取る、この仕草がなんとも可愛らしいですなぁ♪
いやぁそれにしても、ついついじっくりと眺めてし「あれ?当麻…ってちょっと!!」まいますよ…って、え?」
「な、なんで当麻がこのアルバム見てるのよ!?いつの間に見つけたのよ!!////」
「あぁ『大掃除してたら見つけちゃった。今、美琴ちゃん寝てるから起きるまでコレ見て待っててね♪』って美鈴さんが」
「ったくあの母親ぁ〜!どこ行ったのよ!いつも私が恥ずかしくなることばっかり」
「まぁまぁ落ち着いて美琴たん」
「これでどうやって落ち着けっていうのよ!どんな写真が収まってるか覚えてないけどこんな恥ずかしいこと―――
「いや、むしろアルバム内の美琴たんすごく可愛らしくて、ますます美琴たん大好きになっちゃいましたよ」
―――を放っておけるもんですか!…って、え!?と、当麻…それ、本当!?////」
「そりゃ本当ですよ美琴たん」
「……ねぇ、当麻」
「…ん?なんでせうか?」
「……来年も再来年も、その先もずっと、私のこと好きでいてね?」
「もちろんだ。こちらこそずっとよろしくですよ、美琴たん♪」
以上、・・・・・・あ、ちなみにこの時点では上条さん高2、美琴たん中3の設定です。
さてクリスマスSSは・・・明日中に書き終えれば良いんだけど←
リアタイ遭遇してしまった。美鈴さんはいい上琴火付け師ですよね
乙です!
ぬわ〜写真の美琴ちゃん全部見たいw
GJです
>>久志さん
アルバムの中の美琴も上条とイチャつく美琴もどっちもかわえぇ!!
私も写真も見たいです。
それでは、もう脱出してるけど『学舎の園脱出作戦』投下します
(なに・・・・・・これ)
上条と別れた美琴が見たのは、道端に倒れている数人の警備員だ。
出血はしているものの、軽傷であり気絶しているだけのようだ。
警備員の他にも電磁波で確認が出来る気配も1つだけ。それは明らかに美琴からは目視できない位置にいる。
「いるんでしょ?目的は知らないけど、出てきなさい」
「アッチャー、バレチャッタカー」
明らかな棒読みのセリフをはきながら出てきたのは上条と同じくらいで、何処にでもいそうなカジュアルな格好の金髪の少女だった。その手には何もなかったが、洋服の中にナイフや針などを隠しているのが能力でわかる。
「マ、バレるのもわかってたしー。超電磁砲が私の目の前に現れてくれたんだから、暇つぶしの犠牲になった彼らもうかばれるでしょ」
「ふざけてんの?」
睨む美琴を少女は鼻で笑う。
「なーに怒ってんのさ。笑ったほうがいいってー」
少女のニヤケ顔に美琴は更にイラつく。
右足を前にだし構え、ポケットの中のコインを掴む。
「人生最後の表情は、笑ってたほうがいいでしょ?」
少女は懐のナイフを投げる。それは1本から5本に分裂するが、美琴は電撃を纏わせた手で弾く。
「これも『講習』の通りね。じゃあこれは?!!」
今度投げたのは石でできたナイフだ。
磁力を操作することを読まれているのだろう。
ナイフを避けようとするもナイフが頬を切り裂き、傷口から血が垂れる。
「ちゃんと避けなよ。綺麗な顔が台無しだよ?」
「いちいち癇に触るわね!!」
腕を伸ばし電撃を出す。
少女がポーチから木の札を取り出し放り投げると、電撃は木の札へ、まるで避雷針の役割がしたかのようにそれていった。
「っ!だったら!!」
美琴がポケットから取り出しのは美琴がよく行くゲームセンターのコイン。
それを構え、彼女が『超電磁砲』と呼ばれる由来が放たれた。
だが、
だが!
だが!!
「さっきのでわかんないかなー。対策はできてんの」
直接狙ったわけではない。
けれども超電磁砲の衝撃さえ気にしない様子で、少女はその場所に立っていた。
(一体どうなってんだよ!?)
学舎の園から脱出出来たかと思えば今度は駆動鎧の集団だ、
上条の右手は魔術や超能力。異能の力にしか通用しない。
科学に対して特別な知識があるわけでもない。
美琴や一方通行の様に他者を圧倒する力もない。
辺りに奴らに対抗できる武器もない。
勝ち目など、何一つ無い。
だから彼に出来ることはただ一つ。
(逃げる!!)
幸いシェルターをひっくり返すショットガン等の射撃武器はなく、武装と言えば物を掴む為に付けられたであろう3つのアームだけだ。
路地裏に逃げ込めばあの巨体も入れまい。
走る。ただ走る。
ただの時間稼ぎだが、あのまま殺されるよりはましだ。
(っ、やばい!)
息も絶え絶えで着いたのは突き当たり。
後ろからは足音がする。
曲がり角から出てきたのは30代後半と思われる男性だ。
ヘッドマイクと拳銃を身に付け、無精髭を生やしたその男は兵士というよりも、日本のどこにでもいそうなサラリーマンに見えた。
「諦めろ。だが仕事とは言え子供を殺すのは忍びないな・・・・・・そうだな、手を組まないか?」
「・・・・・・は?」
「その右手だけじゃない。学園都市の能力開発を受けたってだけでもこっちには欲しい人材なんだよ。素直に言うことを聞いてくれれば人間らしくいさせてやるように上に掛け合ってやる」
今の話やあの駆動鎧から察するに、学園都市の元外部協力企業だろうか。
命は大事だ。
だが、そんな事で妥協することなど上条には出来ない。
「嫌だと言ったら?」
「ここで死んでもらう」
男は拳銃を上条へ向ける。
もう無理だと諦めたその時、男は突然慌てだした。
男のヘッドマイクのスピーカーから音が微かに漏れている。
『た、隊長、助け――!!』
『何なんだよこの化け物!!』
先ほどの駆動鎧からか。
スピーカーから漏れる轟音はものの十数秒で無くなった。
そして悪魔の声がスピーカーから聞こえた。
『よォクソ野郎。覚悟は出来てンだろォなァ?。居場所は分かってんだ。今の内に神様にでもお祈りしとけ』
「くっ!!」
「いいのかなー?上条当麻はほっといて」
「どういうことよ」
「こうして君が私に気を取られてる間にー。あっちもパワードナントカってのが向かってるハズなんだよなー」
駆動鎧。上層部か、外部の元協力企業が絡んでいるのか。
あの馬鹿の能力は今だにわからない。けれども機械が相手ではあの馬鹿に勝ち目はない。
一刻も早く駆けつけなければいけないが、電撃は弾かれる。磁力を使って逃げようと思えど、相手はどんな隠し球を持っているかわからない。
もう一度、美琴はコインを取り出す。
「今度は、当てるわよ。大人しく私を行かせなさい」
「だから対策は出来てんの。やりたきゃやれば?」
「っ!このぉー!!」
再び超電磁砲を放つ。しかし目の前の敵を直接狙うことは出来なかった。
「こんな時でも殺そうと出来ないなんて、甘いよ」
少女はやはり、その場から一歩も動いていなかった。
「ま、だからってこっちが手加減する理由にはなんないけどね!」
少女は再びポーチからナイフを取り出し、美琴目掛けて投げつけた。
美琴は電撃で弾こうとするが、電撃が美琴の意としない、少女がナイフと連続で投げた木の札へと向かう。
磁力で自分を操作しても間に合わない。
だが、ナイフが美琴の心臓に突き刺さる前に、ナイフは謎の光に晒され、奇妙な印が刻まれ、刃と柄と留め金と、綺麗に分解され、地に落ちた。
「御坂さん。確かに貴女は甘いです」
突然、少女から美琴を庇う様に、その声の主は現れた。
振り返った声の主は好青年と呼べる端正な顔で、その顔に似合うスーツを着ていた。
見覚えるのあるその少年は振り返り、優しく美琴に微笑みながら言った。
「ですが自分は、それが御坂さんの魅力だと思いますよ」
以上です。
年内に完結は、無理です。
結構苦戦してるね
一方さんとエツァリが来なかったらやばかったなw
これはグループくるー?
連続ですいませんが、今年最後の投稿させていただきます
上条「今年も最後ですよ美琴さん」
美琴「そうね」
上条「SS書き始めて1年弱。このスレにはお世話になりましたよ」
美琴「ホントね」
上条「美琴が突然デレたり告白してきたりベランダに引っかかってたり」
美琴「あ、アンタだって告白したりしてたじゃない!」
上条「いやー、でも数で言えば圧倒的に美琴たんの上ですことよ」
美琴「たん言うな!」
上条「あー、はいはい。照れる美琴たん萌えー」
美琴「むぅ・・・・・・えいっ!」ギュッ
上条「うわっ、ちょ、美琴さん!?」アタフタ
美琴「あらあら。当麻さんは年下の女の子に抱きつかれて恥かしがるんですか?」
上条「母さんみたいに言うな!!」
美琴「えー、じゃあどんなのがいいのよ」
上条「そのままの美琴が一番可愛いよ」
美琴「ふにゃ!?そっか。私が一番・・・・・・」
上条「おーい美琴さーん」
美琴「ふにゃー」
上条「ダメだこりゃ」
上条「・・・・・・まあ、来年も上琴SSを皆さんに書いてもらいたな」
美琴「あ、もうこんな時間。早くヵえらないとお腹を空かせたインデックスに怒られちゃうわよ」
上条「ああ、そうか。てかいつの間に」
美琴「いいじゃないの。じゃあ最後に」
上条美琴「「皆さん、良いお年を!」」
上条「そして」
美琴「これからも」
上条美琴「「俺(私)たちをよろしくお願いいたします」」
上条「じゃ、帰ろうぜ」
美琴「うん」
上条「あ、美琴」
美琴「ん?」
ギュ
美琴「あ・・・・・・ふふっ」ニコッ
上条「来年もよろしくな、美琴」
美琴「うん!当麻」
以上です。
それでは皆さん、良いお年を!
年の最後にええもの読めた
ほっこりした乙
おつおつ
一年間楽しませてもらったよ〜
あけおめかみこと!
くまのこさんが渋に初降臨してらっさったw
くまのこさんは前から支部にいますよ
ここに投下されてる作品はこぼれ話以外は基本的に投稿されてる
・・・さんGJです!
>>437 バカップルサンタさん達、何やってんだ二人してw
>>441 最大主教、地味に好きなキャラなので、話にどう絡んでくるのか楽しみです。
はりねずみさんGJです!
>>450 落ち着いた雰囲気の上琴も良いですね。自分はドタバタしか書けないんで羨ましいです……
>>463 手に汗握る展開が続きますな〜。 続き楽しみに待ってます!
>>468 去年最後の投稿、お疲れ様でした。 今年も二人には、存分にイチャイチャしてほしいですねw
>>久志さんGJです!
そのアルバム、中の写真全部焼き増ししてくれませんかね!?
クリスマスSSも楽しみにしてますよ〜!
新年一発目が自分ですみませが投下します。
せっかくの元日なのに、季節感ゼロの短編です。
約3分後に3レスです。
「ハメられた」
第7学区にある小さな喫茶店に一歩入った瞬間、御坂美琴はそう思った。
一時間ほど前、美琴は佐天から電話がかかってきた。
内容はいつもの通り、「今日お暇ですか? 良かったら遊びません?」だった。
ただし白井と初春は風紀委員の仕事で来られないらしく、
美琴はてっきり佐天と二人きりだと思っていたのだ。
なのだが、待ち合わせの場所【きっさてん】には佐天の他にもう一人いる。
かと言ってそれは春上や枝先ではなく、勿論白井や初春でもなく、
「やっほー、美琴ちゃん! 大覇星際ぶりねー!」
美鈴【ママ】だった。
「なっ、えっ、えええぇぇぇ!!?」
「おー! いいわねそのリアクション! ドッキリしかけた甲斐があるってもんだわ♪」
「私は若手芸人かっ! …っていやいや、その前に何でマm…お母さんが
学園都市【こんなとこ】にいんのよ! 簡単に出入りできるような場所じゃないでしょ!?
しかも何で佐天さんと仲良く一緒にお茶してる訳!? 何なのコレどういう状況!?」
「そんないっぺんに聞かないでよ。それといつもみたいに『ママ』って呼んでいいわよ?」
「数ある質問の中から、何でそこをチョイスした!!?」
「まぁまぁ御坂さん。今からちゃんと説明しますから」
事の顛末はこうだった。
1:美鈴は大学のレポート作成の為の資料集めに、学園都市にやってきた。勿論、許可を取って。
2:街を歩いていたら、大覇星際で知り合った、娘の友人【さてん】に出会う。
3:せっかくなのでお茶に誘う。美鈴のおごりで。
4:二人で、美琴にプチドッキリをしかける事を思いつく。
で、
「……現在に至る…って訳ね……」
「そういう事♪」
「てか何で『1』の時点で私に連絡よこさないのよっ!」
「だって、すぐ帰る予定だったし」
「資料集めはどうしたのよ!?」
「もう終わったけど?」
「じゃあ帰れよ!!! すぐ帰るって予定を今すぐ実行しなさいよっ!!!」
「美琴ちゃん…人生ってのはね、予定通りに行かないものなのよ」
「自主的に予定を狂わせてんでしょうが!!!」
ぜぃぜぃと息を切らす美琴。
一通り親子漫才も終わったようなので、佐天はコホンと咳払いをして本題に入る。
「コホン……えー、御坂さん。実は御坂さんを待ってる間に美鈴さんと話し合ったんですが、
このままじゃマズイと思うんですよ」
「え、な…何が…?」
これから佐天から何を言われるのか、美琴も薄々分かっている。
何しろ二人とも、いやらしいくらいニヤニヤしているから。
二人ともこんな顔をする時、決まって『アイツ』に関する話題を振ってくるのだ。
「何って決まってるでしょう。勿論、上条さんの事ですよ!」
「やっぱりそれかああああぁぁぁぁ!!!」
お約束である。
「だって全然進展してないんですもん! 心配になりますよ!」
「そうよ美琴ちゃん。こういうのはね、ガンガン攻めなきゃ駄目よ!」
「し、ししし、進展とか! 攻めるとか! な、何の事言ってる訳!?
べ、べべ別にほら、私とアイツはその…た、ただの友達な訳だし!」
カラカラになった喉を潤すために、コップの中のお冷を口に含みつつ、
テンプレ通りに否定する美琴だが、そんなのはこの二人には通用しない。
二人はハモりながらこう言った。
「だって御坂さん、上条さんの事が好きじゃないですか」
「だって美琴ちゃん、上条くんの事が好きなんでしょ?」
お冷は盛大に噴射された。
「ゲホッ!!! ゲホッ!!! なっ、ななな何そのガセ情報!!?
何で私がアアアアイツの事を……その…好………とかになんなきゃいけないのよっ!!!」
必死に言い訳をする美琴だが、当然意味はない。
まさか『アレ』でバレないとでも思っていたのだろうか、このレベル5は。
二人は追い討ちをかける。
「上条さんに手作りクッキー持って行きましたよね?」
「それは…」
「大覇星際で楽しそうにしてたわね」
「うっぐ…」
「そのストラップ、上条さんとおそろいって本当ですか?」
「ううぅ…」
「てか美琴ちゃん、最近電話すると上条くんの話ばっかするじゃない」
「ぁぅ…」
美琴弄りに定評のある二人がタッグを組んだ。つまり美琴は質問攻め【イジられまくり】だ。
佐天【ありよし】と美鈴【ザキヤマ】挟まれた美琴【たけやま】は、
なすすべなく、ただアワアワするだけである。
「むー…予想はしてましたが、やっぱり埒が明きませんね」
「もう…我が娘ながら、こんなに素直じゃないとは思わなかったわ。本当に誰に似たのかしら」
「…はにょ…はにょ………」
あれから十数分、美琴は顔を茹でダコのように真っ赤にしたまま縮こまっている。
茹でたてなのか、頭からしゅうしゅうと煙も出している。
だが出すのは煙ばかりで、肝心な上条についての証言は出なかったようだ。
たまに観念してごにょごにょと何か言ったりはしたのだが、
聞き取りにくいので聞き返すと、「やっぱ何でもない!」の繰り返しであった。
美琴がこんな調子じゃあ、進展なんぞする訳がないのだ。
「どうしましょうか、美鈴さん」
「そうねぇ…こうなったら秘密兵器を呼びましょうか」
ビクッとする美琴。正直、嫌な予感しかしない。
「秘密兵器…ですか?」
「そう。こんな事もあろうかと思って、さっきお手洗い行った時に上条くんに電話したの」
「ちょーーーっ!!!? ママァァアアア!!?」
余計な【おもしろい】事を仕出かしてくれる母親である。
「叫んでていいの? もうすぐ上条くんここに来るのよ。
私としては美琴ちゃんが一緒にいてもいいんだけど、それじゃあ上条くんも話しづらいと思うから、
美琴ちゃん、後ろの席に座っててくれない?」
「娘がいたら話しづらいような事を、本人が聞いてる所で堂々とする気かオノレはっ!!!?」
このまま母親を説教して、話の流れをうやむやにしてやろうか、などと企んでいた美琴だが、
カランコロンと入り口のベルが鳴り、反射的に後ろの席に身を隠す。
慌てていた為、飲みかけのコーヒーもそのままにする程に。
「いらっしゃいませ」
「あの…連れがいると思うんですけど」
マスターの声と、上条【あのバカ】の声だ。美鈴は即座に、入り口に向かって手を振る。
「上条くーん! ここ、ここー!」
「あ、美鈴さん。どうも……って…」
美鈴に呼ばれその席まで行くと、その隣には佐天がいた。珍しい組み合わせである。
美琴繋がりである事は容易に想像できるが、
しかしその美琴【つなぎやく】がいないのはどういう事なのだろうか。
不自然に思い、尋ねてみる。
「美琴は? いないんですか?」
その瞬間、後ろの席から誰かが咳き込む声が聞こえたが、美琴はいないようだ。
美鈴と佐天【めのまえのふたり】が妙に含み笑いをしている。
「くっ…ぷくく……あ、ごめんね? 美琴ちゃん、ちょっと用事があるみたいで」
「あ、そうなんですか。…で、佐天は何でここに?」
「そこでバッタリ会いまして。せっかくなので観光案内してたんです」
「へー。んで、俺は何で呼ばれたんですかね?」
上条は電話で、美鈴から「大事な話」があると呼ばれてきた。
だが込み入った話ならば第三者【さてん】がいるのはおかしい。
なのでどうせ、ろくでもない用で呼ばれたんだろうなと理解しつつも、とりあえず席に着く。
するとテーブルの上には、3つのコーヒーがある事に気づいた。
2つは勿論、美鈴と佐天の物だ。ではもう一つは?
「……アレ? これは…?」
上条は知らないが、それは美琴の飲みかけだ。上条の疑問に、佐天はいい事を思いついた。
「あ、それ上条さんのです! 先に注文しといたんですよ!」
「え…あ……どうも」
上条としては若干余計なお世話だ。
先に注文したらヌルくなるし、何より注文ぐらい自分でする。好きな物頼みたいし。
だが悪気があった訳でも無いだろうし、むしろ善意だろう。ここはありがたくいただく事にする。
「じゃあ、せっかくだし……」
上条がそのコーヒーを一口飲む。
その状況を、話は聞こえているが見る事はできない美琴の為に、美鈴が実況した。
「上条くん、そこに置いてあったコーヒー美味しい?」
「そこに置いてあった」という言い回しに違和感を覚えながらも、上条は答える。
「はぁ、まぁ美味いですね。……やっぱりちょっとヌルいですけど…」
後ろの席からどんがらがっしゃんと騒々しい音が聞こえてきた。隣の客はよく騒ぐ客である。
そっちも気になるが、今は話を戻そう。
「あー…大分、話が逸れましたね」
「あら、ごめんなさいね」
そもそも本題にすら入っていなかったが。
「実はちょっと相談したい事があって…」
「俺に…ですか?」
「うん。美琴ちゃんの事なんだけど…」
先ほども説明したが、佐天がいる以上、相談と言ってもそこまで重い話にはならないだろう。
しかし美琴について、というのは少し気になる。
美琴は美琴で、不安を感じながらも少し期待していた。
二人が上条との関係を取り持ってくれようとしているのは明らかだ。
さりげなくアピールしてくれるかも知れない。だが……
「美琴ちゃんの事なんだけど…異性としてどう思う?」
「…はい?」
さりげなくどころかド直球であった。
確かに鈍感な上条相手ではそうするしかないかも知れないが、いくら何でもストレートすぎる。
また後ろの席から物音がした。
「えっと……それはつまり?」
「御坂さんとお付き合いできるかどうかって意味です」
佐天からの援護射撃【とどめのひとこと】。
これを後ろで聞いている美琴は、今どんな思いでどんな顔をしているのだろうか。
「いや、ちょっと待ってくれ! そもそも何でそんな話になるんですか!
相談じゃなかったんですか!?」
「だから相談よ。美琴ちゃんの、恋の相談♪」
「それを本人のいない所で…って言うか、その役を何で俺が!?」
上条の問いに、二人はハモりながら答えた。本日二度目である。
「だって御坂さん、上条さんの事が好きですし」
「だって美琴ちゃん、上条くんの事が好きだもの」
「うおおおおおぉぉぉぉい!!! 何を言うてくれとんじゃこの二人はあああぁぁぁぁぁ!!!」、
という心からの叫びを美琴は口に出さず呑み込んだ。
暴走する二人を今すぐにでも止めたいが、今出て行ったら余計に変な空気になる。
「………へ? 美琴が? 俺の事を? いや、それはないでしょ。
だってアイツ、毎日会う度に何かツンツンしてますもん」
そのツンツンの裏に隠されたデレデレを察して欲しいと願わずにはいられない。
というか、『何故』毎日会っているのか少し考えていただきたいものである。
「それただの照れ隠しですって!」
「そうそう。あの子ちょっとお子様だから、好きな人にはイジワルしちゃうのよ」
本人が後ろに控えているという事を、この二人は忘れてはいないだろうか。
「いやー…アレはただの敵意かと……」
それでも上条は納得してくれない。
業を煮やした美鈴と佐天は、ガバッと立ち上がり声を荒げる。
「あーもう! だからそれは、『好き』の裏返しなんですよ! ねぇ御坂さん!?」
「だからそれは! あの子なりの愛情表現なのよ! ねぇ美琴ちゃん!?」
二人は後ろを振り返りながら声を出した。バラしやがったのだ。
「……………ふぁぇ…?」
唐突に話を振られ変な声を出す美琴。聞きなれた声に、上条も反応する。
「えっ!!? み、美琴いたのかっ!!?」
ビックリしすぎて固まる二人をよそに、雑なドッキリをしかけた二人はそれぞれ電話をかける。
「あ、もしもし初春? 仕事終わった? ……ホント!? じゃあ初春も来てくれないかな。
そう、…うんそう。今『御坂さんと上条さんをくっつちゃえ作戦』の途中。
…あー、そうなんだよね。あたしと美鈴さんだけじゃ手に負えないから。
え? 違うよ、美鈴さん。みーすーずーさん! さっきセブンスミストの前で会ったの。
あっ! 勿論白井さんには内緒で来てね。…はい、はーい、じゃ、待ってるから」
「もしもし、上条(詩菜)さんですか? お世話になってます、美鈴で…
え? ああ、はいそうです。今お時間大丈夫ですか? …すみませんね〜、突然のお電話で…
はい、はい。あっ! ありがとうございます。
それでですね、この前お話した『そちらの息子さんに、ウチの美琴ちゃんをお嫁に…』
ってお話なんですけど…そうなんですよ〜! ええ、ええ、はい。
あ、はい、ハンズフリーにしますので、上条さんも説得してください。
…え? あははははは! その話はまた後日お願いします。…はーい」
更なる増援を召喚する二人。事態は益々混沌としていくようだ。
さぁ、これからが大変だ。
以上です。
続きそうな終わり方ですが、続きません。
ではまた。
はりねずみさん・くまのこさん
今年もよろしくお願いしますー。もともと亀のごとく遅かった僕のペースがさらに遅くなるような気が・・・
ところで”その二人は尊最大の敵だった”続きないんですね。どうなっていくのか見たいなーなんて(チラッ
いちゃエロに浮気してました。すみません。コミケのテンションそのままでいちゃいちゃとエロ(未完)書いてたので、前者をちょっとだけ
自室のベッドの上で美琴は非常に悩んでいた。というより後悔していた。
何度もチャンスがあったのにも関わらず上条との距離を縮めることができなかったからである。
例えばクリスマス。
それとなーく聞いてみたところ特に予定はなく、家帰って寝るだけだと言うではないか。
この話を聞いた時から、必ず誘って自分に素直になってみせるなんて鼻息を荒くして意気込んでいたのだ。
結果は想像通り失敗。
どのようにして誘おうか悩んでいたら、クリスマスを過ぎてしまった。
本末転倒である。
年は変わり、後輩の黒子達に誘われ初詣に出かけることに。
クリスマスから引きずっている自己嫌悪で引きこもっていた美琴にとってはおよそ1週間ぶりの外の空気だった。
「お姉さま大丈夫ですの?」
「いいのよ、もう。私ごときがアイツと相思相愛になれるなんて思ってなかったけどさ・・・一緒にお出かけぐらいはしたかったなぁ」
「せっかく新年を迎えたのですしここらで心機一転なさってはどうですか?」
「そうね・・・心配かけて悪かったわ」
「いえいえ。それはそうと気持ちを入れ替えるついでにわたくしでお姉様を染めたいですわ!」
ちゃっかり欲望を混ぜ、風紀委員を棄てた変態中学生は襲いかかってきた。
「その身も心もいただきますわ!覚悟おおぉぉ!」
「アンタはやっぱりそれか!!」
流石に手慣れたもので反射的に後輩を焦がす美琴。
この辺は記憶を失っても電撃を打ち消す上条と似ている。
「じゃ行こっか」
「「あの〜白井さんはどうするんですか?」」
「そのまま転がしておけばいつか気づくわよ」
「それもそうですねー」
白井のことを頭の片隅に追いやり、3人は神社へ向かった。
「うーん、こんな日ぐらい人がいてもいいと思うんだけどねぇ」
「ですねー」
「まぁ仕方ないですよー。仮にも科学の総本山なんですから。」
超能力さえ科学的に研究している学園都市に染まって、信仰心を持てという方が難しいのかもしれない。
元旦にもかかわらず人が全くいないのもうなずける。
財布から10000円札取り出し、賽銭箱に投げ入れる。
お願い事なんかとっくに決まってる。
あのバカと一緒になれますように。
いいとも。その願い叶えてやろう。
は?誰?
私か?私は神様だ。この神社のな。
眉唾ね。でも本当に叶えてくれるのね?
なにも魔法みたいにパッと君らを恋人にするわけじゃない。
私にできるのは舞台を整えるところまで。そこからは役者である君次第だ。
なるほどね・・・乗るわ。
契約成立だな。
帰り道
「御坂さん、結構長い時間お参りしてましてけど、どんなお願いしたんですか?」
「もしかして例の上条さんですか」
まぁどうせ、アイツはそんなんじゃないわよ!!っていつものツンデレ発揮するんだろうなぁ、ねぇ初春?
そうでしょうねぇ。御坂さん素直じゃないですからね。もうバレバレなのにー。
「そ、そうよ。アイツと一緒になりたいってお願いしてたの・・・」
え?
「「ええええ!?」」
「どうしたのよ!?」
「あなた本当に御坂さんですか!?」
「そうです!私たちの知ってる御坂さんはそんなに素直じゃありません!」
「そこまで!?」
「何があったんですか?」
「ちょっとね・・・でも近いうちにアイツを私の虜にしてみせるんだから!」
「頑張ってください!大丈夫、御坂さん可愛いんですから!素直になった御坂さんを止められるものなんてありませんよ!」
「うん、ありがと!」
その日の夜
これからのことを考えつつ、美琴はベッドに入った。
今まであまり眠れなかったせいか、すぐ夢の世界へと旅立った。
ふと気がつくと真っ白な世界にいた。
ここは?
あぁ、夢の世界ね。
何かに導かれるまま歩いていくと、人が現れた。
「アンタ!?なんでここにいるのよ?」
「うーんうーん。御坂!?なんでって・・・ここは俺の夢の世界だからな」
ここまでで美琴は今置かれてる状況をある程度把握した。
つまりどういうわけかは知らないけど、あいつの夢と私の夢が一つになっていて、互いに共有し合っているってとこかしら?
「しかし、夢の中でまで御坂に会うとはなー」
「なによ、嫌なの!?」
「違う違う、そうじゃない。意外だっただけだ」
「まぁいいわ。んでアンタさっき唸ってたけど、また何かに巻き込まれたの?」
「ソンナコトアリマセンヨー」
はい、嘘ー
汗ダラダラ流して言っても説得力がない。
そもそもこれまたどういう原理か知らないが、上条が隠そうとしているであろうものが直接映像として流れてくる。
きっと神社の神様のおかげだ。そういうことにしておこう。
ブチッ
「ほーう。これがあんたの言う不幸ね・・・まさか今までの不幸もこんな類のもんじゃないでしょーね・・・?」
「ハハハ・・・」
次から次へと上条の不幸(ラッキースケベ)の映像が頭に入ってくる。
な、なによこれえええ
巨乳、幼女、貧乳、年上、露出狂、シスター、などなどありとあらゆる女に手を出している(美琴視点)のだ。
結局アンタは誰でもよかったのかああい!!
そんなの例え想いを受け入れてもらっても、すぐに別の女の人にホイホイついていってしまうだろう。そんなのは私の望んだことではない!
ここまで考えて、美琴は膝をついてしまった。
そんなのどうしようもないじゃない・・・
その時、どこからか声がーー
諦めるのか?
仕方ないじゃない・・・わたしがどれだけ強く想っても、アイツは本当の意味で振り向いてくれない。
それは君たちに一緒になってもらいたいという我々の想いを侮辱する言葉だ。
あの時自分に素直になって、彼に本気でぶつかっていくと決めたのだろう。
さあ立ちたまえ御坂くん!
「な、なぁ大丈夫か御坂?うおっ!?」
「よく聞いて!」
「はい、なんでしょう!?」
「私が言いたいのはたった一つ・・・。例えアンタが他の子を好きでも、私はずっと唯一アンタだけが好きだああ!」
その後のことはよく覚えてない。気づいたらいつも通り自室のベッドにいた。
「私ったらあんなに恥ずかしいことを・・・!ううんでもこれからはあんな感じでガンガンぶつかっていくって決めたものね!」
まずは彼に会いにいくことから始まる。
「なんでいつもは意識してなくても会うのにこんな時だけいないんだあぁ」
「出てこーい、上条当麻ああぁ!」
「えっ?」
「あっ・・・」
本当に現れたよ・・・なんなのよこいつ。
「今呼ばれた気がしたのでせうが・・・」
「あっ・・えーっとね、その・・・あんたに話が・・・あって」
「奇遇だな、俺もだ」
「えっ?それどう言う意m」
「御坂、今度一緒に出かけようぜ」
恋人の関係まではまだ遠いのかもしれない。
でも今はそれでもいい。
少しずつ近づけてるのだから。
以上です。
今回に限って言えば、タイトル詐欺・本文の分割ミス・内容の薄さ等など
問題いっぱい抱えている僕ですが、今年もよろしくお願いします。
とてもお久しぶりです
長編ラストがついにできたので投稿させて頂きます
美琴はお風呂を上がり、制服に着替えている途中、いろいろと思いふけっていた。
いろいろ、と言っても内容は上条オンリーだが。
「(この生活……夢みたい…………)」
『夢』
寝ている間に見る物と、将来実現させたい願望の2つの意味を持つ『夢』。
絶対に内緒の話だが、美琴はこの2つの意味で上条との夢を見ていた。
睡眠中の夢では上条とうまくいったり、夢の中でもスルーされたり、種類はいろいろだがとにかく上条がでてくる頻度が多い気がする。
さらに将来の願望という方の意味では、上条と一緒になれたらなー、なんて漏電赤面物の想像(妄想)をしてたりもする。
そんな美琴にとってこの未来は『夢』そのもの。
憧れ以外何ものでもない。
「(5年、かぁ…………5年待てば私もアイツと……け、結婚することになるのかなー……なんて)」
考えるだけで顔が熱くなる。
そして妄想も加速する。
「5年……5年か。 付き合えるなら今のうちに準備しとくことないかな……デートの場所とか、お弁当の内容とか……」
「ちょっと私、心の声が漏れてるから」
「ッ!!? 今の聞こえて……? ってかなんでいるのよ!!」
「タオルあったかなー、と思って。 というか駄々漏れってレベルじゃないわよ。 もうちょっと自重しなさい」
「う……」
自分に指摘されるというのは奇妙な感覚だ。
「って、冷静に考えたらアンタも私なんだから、5年前に同じ失敗してるのよね」
「いやしてないけど?」
「はぁ!? なんで!?」
「そりゃ会話の内容とか行動とかが丸々同じってことはないわよ」
「で、でもさっきのお風呂の出来事とかは同じだったんじゃ……」
「大まかな流れはね? でも今みたいな細かいところは普通に変わってるわよ。 喫茶店の名前も私が5年後に来た時は別の名前だったしね」
「そ、そんな……」
急転降下。
今の未来が確定していないとわかったのだ。
つい今までは、ただ5年間過ごせば上条とくっつけると思っていただけにショックは大きい。
「ねぇ、いくらなんでも落ち込みすぎじゃない? 大まかな流れは変わってないわけだし」
「だ、だって、100%未来がわからないじゃどうなるかわからないし……」
「…………御坂美琴はそんな弱気な人間だったかしら?」
「え?」
「アンタは今まで未来がわかってなかったわけだけど、そんな弱気だった? 」
「…………」
「御坂美琴って人間はどんな困難にも立ち向かっていったでしょ? だったら今回も1つの困難だと思ってどーんと積極的にいきなさい!」
「…………うん、そうしてみる」
自分に元気づけられるというのも不思議な感じだが、実際かなり元気が出た。
弱々しさは消え、1つの決心もついた。
「(5年前に戻ったら…………もうちょっと、いやもっとアプローチしなきゃ、アイツ鈍いしね)」
♢ ♢ ♢
2人の美琴が部屋に戻ると、2人の上条が雑談をしながら待っていた。
そして5年後上条がこちらに気づいた。
「お、戻ってきたか。 なんか時間かかったな」
「まあいろいろあってねー、ていうかそろそろ時間じゃない?」
「え? ああ、もうそんな時間か」
今、時計の針は11時45分を指していた。
5年後の2人の話だと、『寝たら戻る』とのことらしいので、これ以降いつ戻ってもおかしくない。
ということは、時間がやってきたらしい。
4人がご飯を食べた机を囲んだところで5年後美琴が5年後上条を促し、5年後上条もうなずく。
「そうだな、最後に何か聞きたいこととかないか?」
5年後の上条の問いかけに、上条と美琴は沈黙する。
聞きたいことがないからではない、あまりに、まだ聞きたいことが多過ぎるのだ。
その膨大な量の中から、上条は一つを選んだ。
「じゃあ……漠然としたことだけど、俺はこれからどうすればいい?」
「……どうすればいい、ってのは、5年前に戻ってからのことだな?」
5年後上条の口調は全てわかっている、という感じだった。
上条はうなずき、話を続ける。
「ああ。そんで、御坂とのことなんだけど……」
「!!」
今までただ聞いていただけの美琴の体がビクッと動く。
まさか自分の名前が出てくると思っていなかった美琴は、横目で上条を見る。
「戻って御坂と会い続けていると、その、結婚することになるんだろ?」
「そりゃもちろん……多分」
「…………正直に言うぞ、今の俺じゃ御坂と結婚してる姿が想像できない」
「ッッッ!!」
美琴の体が先ほど以上に大きく動く。
「(そ、想像できない……? それって、どういうことよ……)」
美琴はジッと上条を見つめるも、彼はそれに気がつかない。
そしてそのまま、上条は抱えていた大きな『悩み』を吐き出した。
「もちろん御坂のことが嫌いってわけじゃないだ。でもなんて言うか、俺は今までに女の子を好きになったことはないし、恋愛ってのがよくわからないっていうかさ。それにそんな変な感じで御坂に会っても御坂に失礼だと思うし……」
上条の悩みは真剣そのものだった。
それに美琴のことを気にかけているのも実に上条らしい悩みだった。
誰とも目線を合わせず、気まずそうにする上条だったが、美琴はなんと声をかけていいのかわかならない。
上条と会わなくなるのだけは絶対にイヤだ。
しかし、彼に拒まれたら、自分はどうすればよいのだろうか。
上条の悩みが美琴に伝染しかけたその時、全てを5年後上条が一蹴した。
「それはあれだ、気にすんな!」
「ッ!!? え、いや、気にすんなって言われても……
「あのな、俺はお前なんだ。 その俺が気にすんなって言ってるんだからいいんだよ。何も気にしないで今まで通り過ごして問題ないって」
そう言って笑う5年後上条の無駄とも言える自身を前に、美琴は少し気が楽になった。
だが、豪快とも言える性格の5年後とか変わり、少しばかり弱気になっている上条は、まだ納得できていないようだった。
「そ、そうなのか? ……でも御坂のこともあるし……」
「あーもう!! 俺ってこんな面倒くさい性格だっけか!?」
「面倒くさい性格よー」
「おい妻、それはひどくないか……ってまあそれはいい。 この際お前ら二人でちゃんと話し合えよ。 俺らははずすからさ」
「え、いや、ちょっと待……」
上条が言い終わる前に、5年後の二人は寝室へと消えて行った。
しっかりと手を繋いで。
残された2人には、当然のように沈黙が訪れる。
「「…………」」
上条はこちらを見てくれない、やはり相当悩んでいるようだ。
だが、美琴の答えは決まっている。
そして今の美琴にそれは伝える「勇気」がある。
さらに、その『先』を言う勇気もだ。
「(大丈夫よ、大丈夫。 自分の気持ちを、素直に伝えるだけ……それだけだから)」
美琴は、1つ大きく深呼吸をし、自分の想いを伝え始める。
「…………そ、そそんなのいいに決まってるじゃない。 5年前に戻ったら、会わないってのおかしいわよ」
「え? いやでも、それだとこの未来になる可能性が高いんだぞ?」
「だ、だから……」
思わず言葉に詰まる。
しかし言わないわけにはいかない。
今言わなければ、『この』未来は訪れないだろう。
美琴はもう一度深く深呼吸をした後、まっすぐ上条の顔を見て、
「私は、アンタと一緒にいたいの。 会わない、なんてのは、嫌」
はっきりとした口調で、そういった。
迷いの一切無い、言葉だった。
上条は一瞬戸惑ったようだったが、美琴の変わらない意志を感じたのか、強張っていた顔が緩んだ。
「……そうか、わかった。 まあホントのこと言うと、俺だって会わないってのは嫌だしな。 どうなるかわからないけど……これからもよろしく頼む」
「ッ! う、うん!!」
美琴は大きくうなずいた。
また上条と一緒にいることができることが、彼女に安心感を与え、上条同様強張っていた顔を緩ませた。
しかし、まだ終わりではない。
また大チャンスの途中だと、美琴は思っていたのだから、再び顔も心も引き締める。
自らの5年後のために、今ここで積極的に行動しておくべきここを逃すべきではない。
「よし、んじゃあの2人を呼んでくるか」
上条は立ち上がり、5年後の自分たちがいる寝室へ行こうとしたのだが、
「ちょ、ちょっと待った!! 」
美琴は勇気を振り絞って、震えるような声で上条を呼び止めた。
「ん? なんだ?」
「その……よ、よよければ…………つ、作ってあげよっか?」
「?? 作るって何を? タイムマシンか?」
「バカかアンタは!! そんなもん作れるなら私は今頃博士号とってノーベル賞もらって世界的有名人よ!!」
「じゃあなんだよ、上条さんにもわかるように言ってくれよ」
「だ、だから、……理を……」
「いや聞こえないんですが……」
「だからっ! その! りょ……料理…………」
「料理?」
上条は余程予想外だったのか目を丸くしていた。
「ちょ、ちょっと、返事くらいしてよね!」
「あ、ごめん。 なんかあっけに取られてたっていうか……でもなんで料理なんだ?」
「なんでって……えーと…………さ、さっき晩ご飯食べてた時、ちらちらこっち見てたでしょ」
「え……気づいてました?」
「さすがにあれだけ見られれば気づくわよ、アンタじゃないんだから」
「それはどういう意味だ?」
「と、ともかく! 食べ終わった後も美味かったとか、また食べたいとか言ってたでしょ? だから
あ、アンタさえよければ、作るけど……どう、かな?」
言った、言い切った。
告白でもなく、ただ料理の話なのに心音がヤバい。
美琴は顔の紅潮を隠すかのように俯き、上条の返事を待つ。
が、上条からの返答は思いの他、早かった。
「まあ……御坂がいいって言うなら、作ってもらおうかな」
「ほ、ほんとに!?」
美琴は顔を上げ、上条を見る。
そこに立っていた上条は少し驚いたような表情をしていた。
「ああ。 ……なんで御坂が喜んでるんだ? 普通逆じゃね?」
「う、うるさいわね!! そんな細かいこと気にしなくていいのよ!!」
「細かいか?」
「いいから!! そ、そうだ。 私は2人を呼んでくるからちょっと待ってて」
「お、おう、わかった」
上条を気迫で強引に押し込み、美琴は足早に寝室へ入った。
もう上条と顔を合わしている事自体が限界だった。
「(やった……やったやった!! これでちょっとは進展する……はず、よね? 私にお礼言っておかないと)」
美琴はちょっぴり薄暗い寝室に入り、奥のクローゼットと思われる物の前にいる5年後2人の元へ歩み寄る。
「(ん? 何か話してる……?)」
小さいが聞こえる話し声。
L字型の部屋のため、2人の位置からこちらは見えない。
気になった美琴はこっそりと聞き耳をたててみる。
そこで聞こえてきた会話は―――――
「上手く話し合えてるかね、5年前の俺達は」
「大丈夫よ。 なんたって私たちなんだから」
「ははっ、まあそれもそうだな」
「それにしても、今の当麻じゃありえないわね。 私と結婚することが考えられないなんて言うなんて。 今じゃ毎日べったりなのにねー」
「ほんとだよ、美琴と結婚したことで上条さんは超幸せ者ですからねー。 でも、べったりなのはそっちじゃないか?」
そして、5年後上条は5年後美琴を抱き寄せる。
5年後美琴も待ってました、と言わんばかりに両手を上条の背に回す。
「んー? それはどうかなー」
「今もべったりじゃん、この可愛いやつめ! …………まあ、今でも『考えられない』っちゃあ考えられないな」
「それはどういう意味でかしら?」
「そりゃもちろん、美琴なしの生活が『考えられない』って意味で、な」
「えへへ……私もよ?」
そして、2人は見つめ合い、距離が縮まる―――――
「――――――――ッ!!??!?!!??!??!?」
声にならない叫びとはこういうことを言うのだろう。
美琴は2人と話すことなく、リビングへ超ダッシュでリターンした。
これには上条も驚いたらしく、
「おお!!? ど、どうした!? 呼びに行っただけで驚くわけないし……変な虫でも見たのか!?」
「ち、違っ、そ、そうじゃなくて…………!!!」
「じゃ、じゃあなんだよ、5年後の俺らが関係しt」
「だあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!! ア、アンタはしゃべんなっての!!!!!!!!」
「ちょ!! 何度目だよ!! 室内で電撃はマズいだろ!! 落ち着けって!!」
美琴の頭に上条の右手が置かれると、放電はピタリと治まった。
「あ、あの!! 手が……頭に……」
「こうでもしないと放電するんだろうが!! で? 何があったんだよ」
「何って……それは……」
自分が見た状況を、まともに話せるわけがなかった。
「(あ、ああ、アイツと、わ、わた、わ、私が…………キs――――――――)」
上条の声が遠くなっていき、美琴は倒れた。
♢ ♢ ♢
どれくらいの時間が経ったのだろうか。
寒いような、暑いような、なんとも言えない奇妙な感覚。
この感じは初めてではない。
つい最近、味わったことがある感覚だ。
「う……うーん……」
頭が冴えない。
思考が安定しない。
それでも体内時計が起きろと言っているのだろうか、上条は上半身を半ば強引に起こした。
「………………ここは……俺んちだよな」
右手で目をこすり、それでも視界はまだぼんやりとしているが、室内を見回す。
そしてようやく状況を把握した上条は、大きなあくびをし
「そうか……戻ってきたのか」
本当に1日の出来事とは思えないくらい、濃い1日だった。
急な5年後へのタイムスリップ、そこで出会った自分の姿。
さらにはまだ20歳だと言うのに、結婚して家庭を持ち、さらに自分で店まで経営しているという超展開。
さらにさらに、その相手と言うのが
「まさか御坂だとはなぁ……」
上条は一応夢の可能性も考え、携帯電話に手を伸ばし日付を確認してみたが、確かに1日時間が経っていた。
「やっぱ夢じゃないよな。 さて……どうしたものか…………ん?」
不意に右手に襲った柔らかい感触。
それに妙に膨らんでいる布団。
「……待てよ、ここベッドだよな。 てことは今のインデックス…………」
上条からサーっと血の気が引いた。
マズい、これはマズい。
どうやら戻って来たのはいいが、いつもの風呂に戻してはくれなかったようだ。
しかも今ので彼女は目を覚ましたらしく、もぞもぞと動き出していた。
これは朝から噛みつきのフルコースですね、わかります。と覚悟を決め、上条は目を閉じた。
が、
「何よもう…………朝っぱらからいい度胸してるわね……黒子」
「………………あれ?」
この声はインデックスではない。
服装もいつもの『歩く協会』でなければ、髪色も銀ではなく栗色。
頭まですっぽりとかぶっていた布団から姿を現したのは、もうお分かりだろう。
「黒子……覚悟はできて…………あれ?」
「よ、よう…………御坂」
美琴はきょろきょろと部屋を見回す。
自分が今置かれている状況を的確に把握するため、部屋の隅から隅まで見回しているように上条は思えた。
そして最後にじっと上条を見つめたかと思うと、急激に顔を紅潮させ、
「…………ちょ、ちょ、あ、アンタ……な、何触ってんのよ!!」
「ま、待て待て待て待て待ってくださいお願いします上条さんちの家電が死んじゃうから頼むから待ってくれ!!!!!」
「ちょっ……!」
部屋に紫電が走る、前に間一髪上条の右腕が美琴の頭に届いた。
しかしそれは美琴にとってはたまったもんじゃない。
なぜなら現在の状況は「ベッドの上」で「男女が2人」、しかも「至近距離」で「頭に手を」おかれているからだ。
しかし上条だってたまったもんじゃない。
この右手を離したらきっと家電はお亡くなりになってしまうだろう。
「御坂、落ち着け。 落ち着いて電撃を止めてくれ。 いやマジで」
「こ、この状況で落ち着けるわけないじゃない!!! そ、そ、それにアンタさっき、さ、さ、触ったでしょ!!」
「ち、違う! あれは不可抗力だ!! まさかお前が隣にいるって知らなかっただけで……」
美琴の『胸』を触ってしまったことは事実。
上条は思わず右手に力が入ってしまったのだが、美琴にはそれが心地よ過ぎたらしく、
「ちょ、ちょっと、手、強い……(いいけど)」
「あ、ごめん……もう大丈夫か?」
「う、うん、多分」
「いや多分じゃ困るんだけど」
まあ実際大丈夫だったわけで、2人はベッドから下りてようやく落ち着いた。
……わけがなかった。
インデックスの書き置きと思われる『小萌の家に行ってくるんだよ』、的な置き手紙が置かれていた机を2人で囲んで座るも、
「(御坂と結婚してたんだよな、しかも夢じゃないんだよな……向こうにいるときはなんともなかったけど、顔見れねぇよ……)」
「(こ、コイツと結婚……結婚!? な、なんか、なんか、あっちでもいろいろあったけども! 最後に『アレ』も見ちゃったし……そのせいで2人にはお礼言い損ねたけど……そ、それはともかくこうして現実に戻ってみると……もう顔見れないわよ……)」
と、上条は目線を泳がせ、美琴はやっぱり俯いていた。
美琴はともかく、さすがの上条でも『結婚』しているという未来を突きつけられれば、相手を意識してしまうものだ。
というか、しないほうがおかしい。
「あー……なんだほら、なんか飲むか!? お茶とかコーヒーとかならあるけど……」
「あ、うん…………じゃあコーヒー…………コーヒー……」
2人が『コーヒー』から連想したもの、それは5年後の2人の姿と写真で見た、
「「((喫茶上琴……))」」
再び2人は沈黙する。
なんというか、胸がむずむずするような変な感覚を上条は覚えていた。
「え、えーと、だな…………そうだ!! 今、何時なんだろうな」
会話が思い浮かばな過ぎて、というよりは最早何を言っても未来の自分たちの姿を思い出してしまいそうで、苦し紛れだった。
しかし、
「えと……って、何これ!?」
「ど、どうした!?」
美琴の急な大声に驚いた上条は、思わず彼女の携帯を覗き込んだ。
するとその画面には、
「着信108件って……しかもほぼ白井か」
相当美琴のことを心配していたのだろう。
もちろん黒子以外の名前も多々あり、美琴の人望の凄さが見て取れた。
上条も自分の携帯を見てみたのだが、
「(…………2件かよ。 しかも土御門と小萌先生とか絶対補習関連だろ。 え、何? 俺って人望ないの?)」
無駄に落ち込む上条だった。
「ちょっと何暗い顔してんの? 大丈夫?」
「ああ……大丈夫だ。 そういや 向こうと同じだけ時間が過ぎてるなら丸1日時間が過ぎてるんだったな」
「そうなのよ、すっかり忘れてたけど。 こうしちゃいられないわね」
そう言い終わると、美琴は側に落ちていた自分のカバンと靴を拾い上げ、
「ごめん、今日はもう帰るわね! みんなにかなり心配かけちゃってるみたいだし……」
「お、おう、気をつけて帰れよ」
急いで玄関に走る美琴の後を追い、上条も玄関へと進む。
かなり慌てている彼女だったが、靴を履いたところで、
「あ……」
「どうした?」
それまで慌ただしく動いていた美琴の動きがピタリと止まった。
ドアの方を向いたままピクリとも動かない。
「おい、大丈夫か?」
と、声をかけてみるも、彼女は石のように動かない。
一体なんなんだ、と上条が顔を覗き込もうと一歩すすんだ時。
「あ、あの!!」
美琴が勢いよく振り返った。
そしてそのまま間髪入れずに、こういった。
「りょ、料理は、ちゃんと作りに来るから!! また連絡するからちゃんと携帯持っておきなさいよ!!」
「え、おい、御坂……って行っちゃったよ。 てか早いな!!」
言い終わるや否や、美琴は猛ダッシュで上条の部屋を去って行った。
そして残された上条には、ほぼ一日ぶりの静寂が訪れる。
「なんか、静かだな……」
入り口のドアを閉め、完全に1人の状態。
そして上条はこの1日にあったことを改めて思い出していた。
急にタイムスリップして、美琴とベンチで寝ていたこと。
興味津々で5年後の街を2人で見て回ったこと。
ドキドキしながら5年後の自分を尾行したこと。
5年後の自分とその結婚相手である美琴に会ったころ。
2人が想像を絶するぐらいラブラブだったこと。
料理が美味しかったこと。
自分が美琴と2人で喫茶店を経営しているということ。
美琴が漏電しまくったこと。
そして、美琴に一緒にいたいと言われたこと、料理を作ると言ってくれたこと
大変だったこともあったが、全て楽しかった。
そして全てを振り返り終わった上条は、一言呟く。
「こんなの……意識するに決まってるよなぁ……」
上条と美琴の未来。
一度未来を見たものの、まだまだどうなるかはわからない。
それは今から2人の努力によって、作られていく――――――――
T H E E N D ! !
以上になります
確か私は2012年12月に「今月中には書き終えます」と言ったのですが、
最後の投稿が2014年になるとかいうこのひどい遅さ
すいません、ゲームにはまってしまい全く書いていませんでした
まあ、覚えてくれている人がいたのなら、読んでいただければ幸いです
それではまた!
>>491
むしろそれだけ間が開いたにも関わらず
ちゃんと完結してくれたことに感謝!
現在の初々しい二人と未来のラブラブな二人の両方を見られて
幸せでした!GJ&お疲れ様でした〜!
明けてましたおめでとうございました。
・・・です
新年ネタ、浮かばなかったよ……
さて、仕事だらけのクリスマスからの年末年始でしたが、
はりねずみさん
>>450
あー、正統派!!! 本当にこの二人がこうなればいいのに!!
>>460
エッツぁん来たー!! ほんと、こいつもイケメンなのにねー
>>去年、リアルは辛かったけどこのスレのおかげで生きてこれました。上琴ありがとう
>>久志さん
じゃあ御坂さんには上条さんと今後娘のアルバムを作ってもらってだな。
>>くまのこさん
うわー四面楚歌? いや、味方だから……味方か???
>>コスモスさん
はっはっは、初夢がそれなんでね、よかったなカミやん爆ぜろ
>>ソーサさん
完結感謝!!! 同じ未来じゃないよりイチャイチャした未来が!!(笑)
上記のそうそうたる面々が私に力をくれました!!
さて、私も今年初の投稿をしますよー
皆様、今年もよろしくー!!!!
それでは
通しタイトルは「育児日記」
題名は「うちの子1」です
通しタイトルは「育児日記」
題名は「うちの子1」です
月明かりが静かに降り注ぐ
「……う〜ん」
御坂美琴は静かに瞳を開けた。
(あれ? これは夢??)
目の前には愛しの人の顔。
背中には愛しの人の左手のぬくもり。
鼻には愛しの人の香り
(ってこれだけはっきりしてて夢な訳がない!!!!)
美琴は上条当麻にがっちりとホールドされていた。
(*+‘?>>*‘++><#%%&$#!!!!!!!!)//////////
大混乱である。
しかし、暴れるわけにはいかない、暴れて彼が起きようものなら……
「ん、う〜ん、あれ? 美琴?」
暴れなくても起きるんかい!!!!!!
「えーと、ああ、そっか、そうだった」
現状把握を始めるな!!
美琴は限界で、例のあれを
「ふny「ちょっとまて美琴!! ふにゃ〜はやめろ!!」!!!!!?」
気絶すら許されないとは!!!
その時胸部に違和感を得た美琴はそちらに視線を移し、全て思いだした。
赤ちゃんインデックスはまだすやすやと眠っている。
「……さて、それじゃあ、オレは風呂場で寝るよ」
「えっ?」
「大丈夫、オレって結構頑丈なんですよー」
少し離れただけでインデックスから黒い何かが噴出した。
再びもとの状態に戻る
すなわち上条が美琴を抱きしめる。
(殺す気か!!!!)
(いや、そうしないためにあわてて戻ったんだろ!!)
(そっちもだけど!!……まあいいわ、わたしが風呂場で寝る)
(ちょっ(冗談よ、ホテルでも探すわ)そんな……)
(たまには美琴センセーに頼りなさいって!!)
少し離れただけでインデックスが急にぐずり始めた。
泣いたら近所に大迷惑だ。
美琴は急いで元の位置に戻る
すなわち上条に美琴が抱きしめられる。
(さて、どうしますかね)
(あわわわわわわ)
(どうしたの? 御坂さん?)
(な、なんでもないわよ!!!)
さて、どうしたものか
その疑問も
「……ぱーぱ、まーま……」
インデックスのその寝言で考えは決まる。
「「……あのさ」」
「な、なによ」
「そっちこそなんだよ」
「そっちからいいなさいよ」
「……お前が嫌じゃなかったらなんだけどさ」
「うん」
「今日はこのまま寝ないか?」
「……」
「やっぱりダメ「だめじゃない」えっ?」
「そのー、さ、この子の寂しそうな顔見たら、断れないわよ」
「……御坂」
「じゃあ寝るわよ、変なことしたら殺すからね」
「しねーよ」
インデックスが、少し微笑んだ気がした。
ロンドンのとある空港。
上条達が何度か足を運んだ地にそれはいた。
見た目は18の少女。
透き通った白い肌に輝く青い瞳。
そして何よりも特徴的なのは、
身長の3倍ある金色の髪である。
「学園都市……楽しみでありけることね」
ローラ=スチュアート。
イギリス清教の最大主教。
「〜〜♪」
その笑顔の裏にある策謀はいったい、世界にどのような影響を与えるのか。
「……インデックスは元気でありけりしかしら?」
彼女は学園都市に単体で向かった。
超音速旅客機で。
彼女は科学陣営の恐ろしさをまだ知らない(笑)
小鳥が飛ぶ。
「ちゅん、ちゅー!!」
窓の外を指さすインデックスのあどけなさに、
二人は静かに微笑むしかない。
「そうね、かわいいわね、インデックス」
美琴はインデックスを撫でながら話しかける。
目にはすんごい隈があった。
寝れるわけなかったのだった。
大好きなアイツがすぐ横にいるのだ。
ちょっとした動きもわかるのだ。
かすかにあの安心するにおいがするのだ。
寝れるわけねーだろ!!
「ぱーぱ!! ちゅん、ちゅー!!」
「そうだな、ちゅんちゅんだ」
上条も青空を見上げる。
真っ赤なお目目で。
眠れるわけなかったのだった。
まだまだ純粋な高校生なのだ。
左手に感触が残っているのだ。
自分とは違ういい香りがかすかにするのだ。
眠れるわけがねーだろ!!
しばらく二人はぼけーっとインデックスの相手をしていた。
その後、昼食時の事である。
「すごいわね」
「まさか、このころからだったとは」
二人は目の前の状況が整理できないでいた。
「……二日分は飲んだわよ」
「粉ミルク、足りるか?」
しかし、目の前のインデックスはまだ物足りないようだ。
二人とも味噌椀片手に冷静でいるが、
先ほど、お腹がすいたインデックスが本能から美琴の胸をもみ、
美琴が変な声を出し、
上条が顔を真っ赤にしたという経緯がある。
しかし、こんなイベントをいちいち気にしていたら上条の周囲では生きていけないのだった。
「夏休みでよかったな」
「そうね、そうじゃなかったら二人して遅刻だもんね」
「ぐびぐび……っぷー、まーま!! だーうー!!」
「まだ、飲むの?」
「仕方ない」
「??」
「一緒に買い物に行かないか?」
「ふぇ?」
「よしよし、あれが禁書目録。うんうん、やっと見つけた」
この暑さにかかわらずコートで身を固めている男。
整った顔つきだが、そのどぎつい紫の頭髪と、茶色のスーツがその姿を異常にしている。
はるか遠くのビルの屋上から、見えるはずもない美琴の部屋に、インデックスの存在を
彼は確認した。
「あう??」
インデックスが何かを察したとき、すでにその姿はない。
以上です
作者様の数の上条さん、美琴さん今年もよろしく
乙です
赤ちゃんインデックスかわいいだろうな
まーまの胸ちゅうちゅうイベントはありますか(狂気)
>>コスモスさんGJです!
次は夢と同じ事を、現実でしなきゃですね。
あ、それとエロいのも読ませていただきました///
>>ソーサさんGJです!
長編完結お疲れ様でした。
これから二人は、あんなイチャイチャした関係になっていくんですな〜
>>・・・さんGJです!
もう完全に子持ちの若夫婦じゃないッスか。
そのまま買い物にお出かけしたら、周りに勘違いされちゃいますぞw
いつも通り短編書きました。
みさきちが出てきます。
約3分後に6レスです。
常盤台中学。
それは学園都市でも5本の指に入る超名門校だ。
世界でも有数なこのお嬢様学校は、「義務教育終了までに世界に通じる人材を育成する」
をモットーに、中学校でありながら高校・大学レベルの学習をし、
更に在籍する生徒は全員レベル3以上という、恐ろしい学校である。
それだけでも十分お腹いっぱいではあるが、その中でも一際目立つ存在がいる。
常盤台が抱える二人のレベル5、第三位・御坂美琴と第五位・食蜂操祈だ。
しかしながらこの二人、それぞれ見た目も性格も考え方も全く違い、
おまけにお互いの能力を快く思っていない為か、
「御坂さんって、最近ちょっと調子力に乗りすぎなんじゃなぁい?」
「はぁ? 女王サマ気取りのアンタが『調子乗ってる』とか、完全にブーメランなんですけど?」
お世辞にも仲が良いとは言えない。
本日は試合会場【としょしつ】にて、激しいバトル【くちげんか】をお送りしております。
「それは周りの子達が勝手に言ってるだけで、別に私が言わせてる訳じゃないしぃ。
…って、友達力の無い御坂さんには分からない話よねぇ。ごめんなさいだゾ☆」
「はっ! アンタの友達の定義って、自分の能力で強制的に言う事を聞かせられる事なんだ。
そりゃ確かに私の周りにはいないわ」
非常に怖い。
単独で軍隊と戦える者同士の小競り合いなど、ちょっとした事でも被害が―――
「べべ、別に洗脳しなくても友達いっぱいいるもん! バーカバーカ! 御坂さんの貧乳ー!!」
「む、むむ胸は関係ないだろゴラァ! てか普通よ! アンタがデカすぎんのよこの運痴!!」
「うっさい! 貧乳貧乳貧乳貧乳!!!」
「んだと!? 運痴運痴運痴運痴!!!」
―――と思ったのだが、やはり中学生は中学生である。
と言うか、本当は仲が良いのではないだろうか。
約2分間「貧乳」と「運痴」が飛び交い、ゼィゼィと息を切らせる二人。
大分話が関係ない方へ行ってしまったので、食蜂は改めて言い直す。
「ゼィ、ゼィ……こほん! 御坂さんって、最近ちょっと調子力に乗りすぎなんじゃなぁい?」
「…それさっき聞いたんだけど。そもそも、私の何が調子乗ってるってのよ!?」
美琴の問いに、食蜂はボソリと呟く。
「………じゃない……」
「? 何て?」
「ズルいじゃない! いっつもいっつもいっっっっっつも上条さんと一緒にいて!!!
私だってたまにはショッピングしたりお食事したり遊びに行ったりしたいのにぃ!!!
何、独占力全開にしてんのよぉ!!!
これで調子乗ってないって言うなら、何が調子乗ってるって訳ぇ!!?」
「んなっ!!!?」
思わぬ角度から思わぬ口撃が飛んできた。
どうやら食蜂は自分の能力をフル活用し、上条の周辺を取り巻きの一人に監視させていたようだ。
上条の名前が出てきた事で、瞬時に顔を紅潮させ固まる美琴。
しかし体が覚えているのか、頭で考えるより先に言い訳をする【ツンデレる】。
「は、はあぁ!? ななな、何言ってんの!? そ、そそ、そんなの偶然に決まってんじゃない!
べ、べべ、別にその……す…すすす好きで一緒にいるとか、そういう訳じゃないし!?
そんなんで調子に乗ってるとか言われたら、たまったもんじゃないわ!!!」
「あんな幸福力に満ちた表情で歩いてたくせに、
どの口で『好きで一緒にいる訳じゃない』とか言ってんのぉ!?
それに毎日『偶然』会える訳がないでしょう!?
一度『偶然』って日本語を辞書で調べた方がいいんじゃなぁい!?」
「ぐぐぐ偶然は偶然なのっ!!! だ、だ、第一、私はアイツの事なんて何とも思ってないし!!!」
「んな訳あるかあああぁ!!! どうせ上条さんに『あんな事』とかしてもらったんでしょ!?」
「『あんな事』ってどんな事よっ!!? つか何もしてないわよっ!!!」
「嘘おっしゃい!!! じゃあ頭の中見せてみなさいよぉ!!!」
「痛っ!!? ちょ、痛いって! 痛っマジで痛、イタタタタ!!!」
食蜂はバッグからリモコンを取り出し、美琴目掛けてスイッチを連打した。
いつもは一回押すだけで簡単に相手の精神を操れるのだが、
無意識に電磁バリアを出し続けている美琴にはそれが効かない。
バチンバチンと音を立て、ことごとく防がれている。
それと今更だが、図書室でこんなに大騒ぎして大丈夫なのだろうか。
「ああんもう! 本当に厄介力が高いわよねぇ、そのバリア!!!」
「いった!!! 痛いってさっきから言ってんでしょ!? いい加減にやめ!!!?」
だがその時だ。
「バヂィンッ!!!」と今まで聞いた事のない程の大きい音が、美琴の頭から鳴り響く。
瞬間、美琴はテーブルに突っ伏す形で気を失った。
「!!? え、ちょ、御坂さん!?」
予想だにしなかった展開に、珍しくテンパる女王サマ。
どうやら連射した事でバリアに若干の穴があき、
そこから食蜂の自分だけの現実の侵入を許してしまったらしい。
未経験な出来事で対処法も分からず、食蜂はただアワアワしている。
だが、とりあえず人を呼んだ方がいいのか、と思ったとき、美琴がムクっと上半身を起こした。
「あー…っとにいったいわねー……やめてよね、こういう事」
頭を摩りながら話しかける美琴。どうやら無事らしい。
内心ではホッとした食蜂だが、それを表に出さないように返事をする。
「あ…あらぁ、中々しぶといわねぇ。
せっかく私の洗脳力で御坂さんを従順な子にしてあげようと思ったのにぃ」
「アンタねぇ…そんな事してたら、いつか本当に周りの人たちが離れて行っちゃうわよ?」
「お説教なら、壁に向かってしてくれないかしらぁ」
「心配してんのよ! ちゃんと聞きなさい!」
「………え…? し、心配ぃ…?」
美琴の口から出てきた言葉。それは普段なら、食蜂相手には絶対に言わない台詞だった。
何かおかしい気がする。先ほどの影響だろうか。
「よ…余計なお世話って知ってるぅ? そんな憂心力満載で擦り寄られても、迷惑って言うかぁ」
「友達なんだから心配すんのは当然でしょ!?」
「とも…………はあああぁぁぁぁぁぁ!!!?」
絶対におかしい。確実にさっきの影響だ。
「な、ななな、何、気持ち悪い事を平気な顔して言ってんのぉ!?
わた、私と御坂さんがと…ないないないない!!! 絶っっっ対に有り得ないからぁっ!!!」
「こうやって気兼ねなくおしゃべりできる間柄って、普通は友達って言うと思うけど?」
「ええええええぇぇぇぇぇ!!!?」
美琴のとんでもない発言に、手をブンブンと振り回す食蜂。
どうやら能力は効いたようだが、バリアが中途半端に作用したのか、
記憶の読心ではなく、人格の洗脳の方に効果が出てしまったらしい。
それも食蜂の意思で改竄した訳ではないので、
今現在、美琴がどんな性格なのか、食蜂本人ですら把握できていない。
とりあえず、食蜂曰く『気持ち悪い事を平気な顔で言う』性格にはなったようだが。
このままではアレなので、元に戻そうと再びリモコンを取り出す。
しかし、これ以上ややこしい性格にでもなったら収拾がつかない。
食蜂が躊躇っている横で、美琴は時計を眺めてこう言った。
「…あっ、そろそろ当麻の学校が終わる時間だわ」
「ああもう、どうすればい……………へ?」
再び美琴の口から出てくる有り得ない言葉。
「み…御坂さぁん? 今、何て…?」
「え? ああ、当麻の学校が終わるな〜って」
「と、と、当麻ぁ?」
「うん、当麻。食蜂さんも知ってるでしょ?」
「え、あ、いや…私が気になってるのはそこじゃないんだけどぉ……」
「? まぁいいわ。私、当麻を迎えに行くから」
「む…迎えに…って……ま、また『偶然』を装う気ぃ…?」
「ううん。私が会いたいから会いに行くの」
「会…いに……って…?」
「だって―――」
次の瞬間、美琴は本日で最大のとんでも発言を口に出した。
「だって私、当麻の事が好きなんだもん♪」
固まる食蜂。
目の前にいるのは学園都市でも一位、二位を争うツンデレだ。
好きな相手の名前を、こうもアッサリと素直に言う訳がない。
これはつまり、
(ま、まま、まさか……まさか! さっきの能力で、素直力が増強されちゃったって事ぉ!!?)
という訳らしい。
人格の洗脳…より正確に言えば、意志の増幅に近い。
普段から色々と素直な気持ちを言葉にできない美琴だが、
先ほどの事故(?)の影響で建前を取っ払い、本音で話すようになったのだった。
しかしそうなると、今しがた食蜂に放った言葉も本音という事になり、
心の底では食蜂を『友達』と認識していた、という事になる。
「〜〜〜〜〜っ!!!」
今まで味わった事のない、複雑な感情が食蜂の頭に駆け巡る。
そのおかげで、
「じゃあ私もう行くから。また明日ね、食蜂さん」
という美琴の挨拶を聞き逃し、気がつけば図書室にはすでに美琴の姿はなかったのだった。
「…一応お礼は言っておきますの」
「一応…ですか」
「へ〜、とうまはいつも、こうやって知らない女の人と仲良くなってたんだね!」
第7学区のとある路地。
上条、インデックス、白井という珍しい組み合わせの三人組がそこにいた。
何故こうなったのかを簡単に説明しよう。
上条の場合。
「帰りにスーパーでも寄ってくか」 → 「あれ?スキルアウトに囲まれてる女の子がいる」
→ 「いやーすみませんね。連れが迷惑かけちゃったみたいで」 →
「ぎゃー、こんなにいたのかよ!不幸だー!!」 → 「白井!?助かったー」
インデックスの場合。
「お腹すいたんだよ!」 → 「でもとうまはまだ帰ってこないし…」 →
「そうだ!お迎えに行ったらとうまも喜ぶかも!
ついでにお買い物して、おいしい物を買ってもらうんだよ!」 →
「お留守番しててねスフェンクス」 → 「…ここはどこなのかな?」 →
「あ、ツインテールだ」 → 「ち、違うんだよ!迷子じゃないんだよ!」 →
「…とうま?何をしているのかな…?」
白井の場合。
「女性が暴漢に襲われている!?至急現場に向かいますの!」 →
「あら?あのシスターは確か…」 → 「迷子?え、違う?ええい面倒ですの!
今は緊急事態ですので、貴方も一緒に来ていただきますわよ!
その後お家にお届けしますので。では空間移動酔いに注意してくださいな!」 →
「風紀委員ですの!…って類人猿?」
つまり、風紀委員に通報があったので現場に駆けようとした白井だが、
途中、街中をウロウロしていた迷子【インデックス】を見つけ、
優先順位の高いスキルアウトの件を片付けてから、その後迷子を送り届ける為に
その迷子と一緒に空間移動し【とび】、現場に着いたら、女の子を守る為に自分が犠牲なり
スキルアウトから追いかけられている上条を発見した、という事だ。
そして白井の活躍によりスキルアウト達は全員御用となり、
助けられた女性は上条に対して何だかウットリしていたが、
白井と一緒に来たインデックスを彼女と勘違いして、もうこの場にはいない。
で、
「ですが、貴方は一般学生ですので、こういった危険行為は風紀委員にお任せしてくださいまし!
わたくし個人としては貴方が亡き者になればこの上なく嬉しいのですけれども」
「とうま! とうまは女の子をたぶらかさないと死んじゃう病気にでもかかっているのかな!?
それとお腹すいたんだよ! お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたっ!!!」
「落ち着けええええぇぇぇ!!! 両サイドからいっぺんに喋んなああああ!!!」
今に至る。
ぎゃあぎゃあと騒がしい三人を、迷惑そうに見つめながら横切る街の住人たち。
だがその迷惑行為も新たな局面を迎える事となる。
たった一人の少女の、
「あっ! 当麻、見〜つけた♪」
という一言で。
その少女は常盤台の制服を着て、スカートに下には短パンを穿いて、
短めの茶髪に2万円のヘアピンを付け、
中学生にも関わらず少女趣味爆発な小物を持ち歩く人物だった。
三人はその少女をよく知っている。なので同時に叫んだ。
「美琴!?」「短髪!?」「お姉様!?」
だがおかしい。先程美琴はこう言った。「当麻、見〜つけた」、と。
TO・U・MA…それは確かに上条の名前だが、今までその名を美琴の口から聞いた試しがない。
しかしその違和感は、ただの序章にすぎなかった。
何故なら次の瞬間には、
「!!? あ、え…み、美琴!?」
「なっ!? 何してるのかな短髪!!」
「お、おお、おね、お姉様ああああぁぁぁぁぁ!!!?」
「えへへ〜…♡」
満面の笑みを浮かべながら、上条と腕を組んでいたからだ。
「おお、お姉様!! 今すぐお離れになって、その腕を消毒なさってくださいまし!!!」
「た、たたた、短髪! とうまから離れるんだよ!! 私だってそんなのした事ないのに!!」
「や!」
引っ剥がそうとする二人の抵抗し、頑なにそこから離れようとしない美琴。
「いいじゃないのよ! 私が好きな事をやったって!」
「いい訳ないんだよ! とうまだって迷惑してるかも!
って言うか、今さり気なく『好きな事』とか言った!?」
「……本当…? 私がこうやって抱きつくの、当麻は迷惑…?」
「えっ…? あ、いやその……」
いつもと違い、何だか甘えてくる美琴。
そんな目をうるうるさせながら可愛らしい事を言われては、
「い、いや別に……嫌…ではありませんが……」
と言うしかない。実際、何かドキドキしてるし。
「とうま!!!」
「おいコラ類人猿っ!!!」
怒号が飛び交うが、仕方がない。
「えっへへ〜、当麻がいいって言ったから、ずぅ〜っとこうしてる♪」
今度はそのまま顔をスリスリし始めた。異常事態である。
しかし何が目的なのか分からない。さすがに意味もなくこんな事をしないだろう。
「あの…美琴さん? えっと…何で急にこんな事をしたのかな?
周りの視線(主にインデックスと白井)が痛いので、そろそろ理由をお聞かせ願えませんかね…?」
相手を刺激しないように、やんわりと問い質す上条。
だが帰ってきた言葉は、
「だって私、当麻の事が好きなんだもん♪」
衝撃の告白。
上条たちは知らないが、それは食蜂に言った物と同じだった。
上条、インデックス、白井の三人はその場で石化した。
そして頭の中で美琴の言葉が反すうされる。
『当麻の事が好きなんだもん好きなんだもんなんだもんだもんもんもん……』
結果、
「「「えええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!?」」」
三人は同時に絶叫した。
「たた、た、短髪っ!!? ちょ、そんな、何を言ってっ!!?」
「おおおおおお姉様っ!!! お気を確かに!!!」
「な、え、そ、急に…そんな事言われ…ても…えと…俺……」
そして同時に狼狽した。ちょっと違うのは、
インデックスと白井は真っ青になるのに対し、上条は真っ赤になっている事だ。
と、このタイミングで、
「ゼィ…ゼィ……やっ…ゼィ、と……見…ゼィ…つけ…ゼィ、ゼィ……たぁ……」
食蜂が到着した。
彼女の能力なら、わざわざ走って来なくても乗用車の運転手でも洗脳すれば済んだのだが、
よほどテンパっていたのだろう、ご苦労な事に全力疾走して来たようだ。運痴のくせに。
「しょ、食蜂操祈!? さては貴方ですのね!? お姉様をこんな風にしたのはっ!!」
「ゼィ…ゼィ……ちょ、ゼィ、待っ……ゼィ…て……説…明…ゼィ……す…るか…らぁ……」
食蜂は息を切らしながら、上条たちに先程あった出来事を話した。
ただし、都合の悪い【すなおになったという】事は黙っていたが。
「ふーん…じゃあ今の美琴は、洗脳状態にあるって訳か……」
「そう…な…ゼィ…るわ…ねぇ…ゼィ、ゼィ……」
一体いつになったら彼女の息は整うのか。
「全く、余計な事をしてくれましたわね!」
「でもそれなら解決するのは簡単かも。
私は科学の事はよく分からないけど、能力ならとうまの右手ですぐに治るんじゃないかな」
インデックスの言う通りである。
上条の右手に宿る幻想殺しは、それが異能の力なら超能力だろうと魔術だろうと、
問答無用で打ち消す代物だ。おそらく、美琴の頭を触れば、一発で終わる。
なのだが、能力のせいとは言え、
「にゅふふふ〜、幸せ〜♡」
なんて言いながら、好き好きオーラ全開で甘えてくる美琴を見ていると、
「……害が無いんなら、もうちょっとだけこのままって訳にはいきませんかね?」
と、提案したくなるものである。
しかしそれを聞いた他の三人から、
「……とうま? 私が記憶している、とうまの『よきんつうちょー』に書かれてある数字や、
『あんしょうばんーご』を今ここで大声で叫ぶ事もできるんだよ…?」
「よろしいですわ上条さん。では、脳か眼球か心臓か股間…
金属矢を刺して欲しい箇所を言ってくださいな。正確に体内へと送り込んでさしあげますわよ?」
「私の洗脳力を使えばぁ、上条さんの事が大好きになっちゃったガチムチなおじさま達が、
上条さんのお尻に色んなモノを入れちゃう…なんて事もできちゃうんだけどぉ?」
などとそれぞれ違った角度から脅迫されたので、アッサリとイマジンブレイクする。
恐ろしい…特に食蜂さん。
「はにゃっ!?」
上条の右手に触れられた美琴は、当たり前だが元に戻った。
が、どうやら性格を変えられていた間の記憶はそのままだったようで、
「ち、ちちち、ちが、ちが、違うからねっ!!!?
わ、私がアンタの事をすす、好…k………
とか!!! 言ったのは、全部食蜂【そのおんな】のせいなんだから!!!
か、かか、勘違いすんじゃないわよおおおおぉぉぉぉ!!!!!」
美琴は盛大に捨て台詞を吐き捨てながら、全速力で逃げて行った。
一体何だったのか。
それにしても、今日の可愛かった美琴が、能力によって性格を改竄された物だと知り、
何だかとても残念な気持ちになる上条であった。
第7学区にある警備員の詰所。
そこで上条、インデックス、白井、食蜂の四人は正座させられながらお説教されている。
「まったく、街中で大騒ぎしながら能力を乱用している連中がいるって通報があって来てみれば…
一体お前たちは何をしてたじゃん!? 特に白井! お前は風紀委員じゃんよ!!
率先して風紀を乱してちゃ、話になんないじゃん!?」
ガミガミと怒鳴る警備員と、怒鳴られる常盤台生(風紀委員とレベル5)、魔道図書館、
第三次世界大戦を終わらせたヒーローの図である。
「ううぅ…何故わたくしまで……」
「とうま…お腹がすいたんだよ……」
「我慢しろインデックス…俺の経験上、あと30分は続くから」
「あ…あの……足の感覚力がもう無いんだけどぉ……」
「私語は慎むじゃん!!!」
四人は心の中で叫んだ。「不幸だー!」、と。
一方その頃、美琴はというと。
(無し無し無し無し忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!!!!)
と、自分のベッドの上でゴロゴロと転げ回りながら、
どうにかして今日の出来事を記憶から抹消しようと頑張っていた。
以上です。
ミコっちゃんが素直になったら、
上条さんも一発で落とせると思うんだ。
ではまた。
も、いちゃスレもいちゃエロも豊作過ぎて悶え死ぬ///
現役職人さん達は競って徹底的に甘酸っぱい設定てんこ盛りにしてくるし
伝説級の職人さん達は正確に読み手の悶えツボ突いてくるし///
>>
>>くまのこさん
すいません。パソコンの調子が悪く書き途中で送信されてしまいました。
>>くまのこさん
食蜂と美琴の勝負は痛み分け・・・なのか?
ちくしょう!俺までベッドで読んで転がっちまったじゃねェか!!
SSの投下をします。
海原光貴の偽物。
夏休みに上条と戦い止められたのを見ていた。
当然、あの会話も。
「私を助けくれたことはありがとう。でも何で今更アンタが」
「ただの仕事ですよ」
「仕事って・・・・・・」
「それよりも、貴女は・・・っ」
ナイフが『偽物』目掛けて飛んでくるが、『偽物』が石のナイフを掲げるだけでまたもや分解された。
「そんな悠長におしゃべりして、敵が待ってくれるわけないじゃんかー」
「結標さん!」
彼の呼びかけと同時に美琴の背後に気配が1つ現れた。
「久しぶりね、超電磁砲」
「結標淡希!?」
かつて『残骸』を巡って対立した彼女が、今度は美琴を助けようというのだ。
「今は争う気はないわ。それに借りを作る気もないし、ただの仕事よ。ただ貴女をあの少年の所へ運ぶだけ」
美琴としては信用できない。が、あの馬鹿のこともある。今は力を借りるしかない。
最後に美琴は『偽物』に言葉をかける。
「・・・・・・アンタ、名前は?」
「自分は・・・・・・海原光貴ですよ」
「ありがとう。海原さん」
そう言い残して、結標と共に、美琴の姿は消えた。
一方通行が表の駆動鎧を殲滅したのだろう。
男の額から汗が流れ始めている。
「運が良かったな、幻想殺し」
しかし銃口は依然、上条を向いている。
「だが、ここから逃げるまでの人質にはなってもらうぞ」
男は一歩、また一歩と上条に近づいていく。
素直に従うつもりはさらさら無い。
上条は一か八かの賭けに出た。
「うおおぉ!!」
上条は銃口から体をそらしながら男に詰め寄る。
男の手を掴み、自分から離すようにしながら男の引き金を握る指を無理やり押させる。
バン!バン!と拳銃に装填されていた6発の銃弾を打ち尽くさせた。
「くっ、この!」
男に手を振り払われ、弾の無くなった拳銃で頭を殴られた。
怯んだ上条は腹に肘打ちをされそのまま蹴り飛ばされてしまった。
井の中の物を吐き出しそうになるが我慢する。
頭も痛く、妙に熱く感じる。その部分を触った左手を見ると、指が赤くなっている。
「手間取らせやがって」
男は腰からギラリと光る物が出てくる。
目に映ったナイフの刃先は、確かに上条に向けられている。
けれども、そこで男の動きは止まった。
カツン、カツンと地面を叩く音がゆっくりと、男の背後から近づいてきた。
その音が終わる。男が振り向き終わる前に、何かが男を吹き飛ばし、壁に叩きつけられた。
男を吹き飛ばしたのは、白い髪に赤い目をした上条とも顔なじみの少年だった。
「・・・・・・一方通行」
一方通行は首のチョーカーのスイッチを切り、怪訝な顔をしながら上条を見る。
「誰だ?お前」
「ぅ・・・・・・この、化け物が!」
男は意識は手放してはいなかった。
一方通行へ向けられた手から炎が飛び出る。
「一方通行!」
上条は一方通行の前に出て、右手で炎を打ち消す。
一方通行はチョーカーのスイッチを入れ直し、地面を蹴り上げ一気に男との距離を縮め、一方通行の手が男の首筋に触れただけで男は顔を地面に付け、辺りは静かになった。
「殺した・・・・・・のか?」
「気絶させただけだ。組織の実態や目的を、あらざらい吐いてもらうからなァ」
そんなことより、と一方通行は上条を見る。
少しばかり、口元をにやけさせながら。
「何でそンな格好をしてンだ?」
理由を話したら一方通行に盛大に笑われた。
落ち込んでいる上条のことなど気にせずに一方通行男を引きずりながら上条を連れて表に出る。
そこには土御門がいた。
「カミやん!・・・・・・じゃない?さっきの携帯に出た娘か」
「あー、土御門。上条は俺だ」
「は?」
土御門が疑問に思うのも仕方がない。
上条はマフラーの中の変声期を取り出し、もう一度声を出す。
「こんな格好してたのも全部、お前のせいだからな」
「学舎の園からずっと?」
「ずっとだよ」
「ぷっ、くく、ふはは!」
「お前にだけは笑われたくないわ!」
上条の言うことなど無視して土御門は笑い続ける。
それにつられたのか一方通行は必死に笑いを堪えている。
「連れてきてあげたわよ。土御門」
空間移動系の能力者だろう。
美琴も一緒に現れた。
それも見て一方通行も土御門も瞬時に笑うことを止めた。
土御門は行って変わって、真剣な表情になる。
「ご苦労だったな結標」
「まったく、今回限りにしてもらいたいものね」
会話をしている2人から、上条は美琴へ目を向ける。
美琴もこちらを見て、目が合った。
「アンタ、怪我してるじゃない」
「お前だって怪我してるだろ」
「ただの切り傷よ」
お互いの怪我を見て、何も言葉は出ず、会話はそこで途切れてしまった。
2、3分の沈黙を破ったのは土御門だ。
「海原から連絡が入った。あっちも魔術師を拘束したそうだ。後始末は俺がやるぜい。お前らは帰っていい」
その言葉を聞き、結標と一方通行はそれぞれ帰っていった。
土御門も、すまなかたぜい、とそれだけ言って歩き出した。
残ったのは上条と美琴の2人だけだ。
「ねえ、そのまま帰るわけにもいかないでしょ?ホテルの部屋借りてそこで着替えましょ」
美琴が買ってきた包帯を巻いてもらってから着替える為の服を選び、美琴につられるままにビジネスホテルの一室に来た。
洗面所で常盤台の制服を脱ぎ、買ってきた服を着る。
やっと上条当麻の姿に戻れた。
けれども、洗面所のドアを開ける気分にはなれなかった。
どうしても思い出すのだ。美琴の頬の傷を。
土御門は言っていた。標的は上条と美琴だと。
もしも、もしも。
(もしも、俺が御坂と会ってなければ)
美琴が上条と共に戦うことはなかっただろう。
美琴が、死にかけることはなかっただろう。
美琴が、あの時怪我をすることはなかっただろう。
(これ以上は、もうダメだ)
そう思うと、とても胸が苦しくなった。
ドアノブに掛けた手が動かなくなる。
美琴と顔を合わせるのが怖くなる。
ありがとう、とそれだけ言って去ればいいのに、その次の言葉が頭に浮かんでしまう。
それがどれだけ美琴を、自分を傷つけることかわかっているのに。
着替えるにしては時間がかかり過ぎてる。
シャワーを浴びてる様子でもない。
どうせあの馬鹿のことだ。たとえちょっとした切り傷でも自分のせいだと自分を責めているのか。
誰よりも傷ついて死にかけて、気にする必要はないのに誰よりも責任を感じ1人で何でも背負おうとする。
それがあの馬鹿だ。いつだって美琴は、ついて行くことに精一杯だ。
何分か待って、洗面所からあの馬鹿は出てきた。
トレードマークでもあるツンツン頭ではないが、女装をしてた時よりは断然男らしい。
が、いつもの上条ではない。
時折見せる信念を持った目も、誰にでも接する時の優しい目もない。
ただひたすらに、悲しそうだった。
「御坂。今までありがとうな」
いきなりそんなことを言われ美琴は戸惑った。
「何言ってんのよアンタ」
「でもこれ以上俺と関わるとお前が不幸になっちまう。それだけは、絶対に嫌なんだ」
上条は美琴から背を向け、部屋から出ようとする。
「もう俺達が会うのもこれが最後だ」
(やめて、そんなこと)
「御坂。お前と学舎の園を歩けて楽しかったよ。体には気をつけろよ」
(お願い、待っ・・・!)
声を出せなかった。上条はそのまま部屋から出ていってしまう。
美琴はただ、その場で立ち尽くすことしかできなかった。
この時、何かを言えれば。
この時、あの馬鹿を止めることさえできれば。
あんなに悲しい思いはしなかったはずだと、美琴は後悔した。
第一部 完!
こんな終わり方ですが、別のが書きたくてしょうがないのです!
二部もちゃんと書きますので怒らないで。
上条さんこと上条当麻のイマジンブレイカーはフラグを立てる右手でもあると思う
ところがどっこい
親から受け継いだ天然ものさ
あけましておめでとうございます!
超久々ですね!覚えてる方いらっしゃいますかね…風花です
最近PC開く回数が減りまして書く時間も減りましてこうして1日でぐわっと書くことが増えまして
もっと時間があれば凝ったネタも書きたい…
みこにゃんシリーズ3レス投下です〜
1月のある日 ごぜん10じ
年も明け、すっかり冬モードになったみこにゃん。
こたつでみかんを食べたり、まるくなったりでおうちでの生活を満喫していました。
12がつ30にちにすずにゃん(実家)のもとへ上条さんと帰り、そのまま両親と共に年を越したのです。
ちなみに、つい昨日帰ってきたばっかりです。
さて、現在みこにゃんはテレビにくぎ付け。
見ているのはいつものニャル子さんではなく…
「続いて紹介するのは、なんと超能力で社会貢献をするネコです!
身体検査によって覚醒された能力を使って一体どうやって貢献をしているのでしょうか!?
さっそく見てみましょう!」
超能力を持つネコ。
一見不気味なイメージがあり、そんなのあり得ないと信じられない人も多いようですが、学園都市ではこういったことは普通なのです。
能力が覚醒したネコは、研究所か施設に送られることもあり、まさに大事な研究材料になっているそうです。
テレビでは、ある研究所に突入したレポーターが、次々とさまざまな能力を持つネコを紹介していました。
風を操って風力発電したり、水を操って消化活動の訓練に励んだり。
今現在なんの能力も持たないみこにゃんには輝いてみえました。
画面の向こうのネコたちが羨ましくなります。
「にゃー、すごい」
「おー、何見てるんだ?」
そんな興奮気味のみこにゃんを、後ろからひょいっと抱き上げて膝の上に乗せたのは飼い主である上条さん。
番組の特集を見ると、すごいネコもいるんだなーとありきたりな感想を口にしました。
「私もあんな風ににゃりたい!」
「そうか?」
「身体検査受けたい!」
「うーん……と、言われましても…」
上条さんは真剣に悩み始めました。
身体検査(システムスキャン)を受けると、100%の確率で能力が覚醒すると言われています。
もちろん、超能力の資質を持っているネコとそうでないネコがいるので、素質を持っていないネコは身体検査後に「あなたは超能力を使えない」と
はっきり言われるそうです。まぁ、80%の確率でどんなネコにも素質があるとどこかの優秀な研究者によって証明されたようですが。
しかし、身体検査には欠点があります。身体検査によって覚醒した能力を持つネコのうち、将来能力のレベルが上がるネコは半分にも満たないそうです。
たとえば発電系だったら、静電気程度の電気が出るだけ…といった具合に、覚醒したが日常で使えないようなイメージです。
しかも裏では「身体検査を受けると寿命が縮む」、「副作用がある」などの嫌な噂が出回っているのも事実です。
仮にみこにゃんが身体検査をして能力が覚醒された場合、研究所か施設に送られて能力の育成を強要されます。
しかもこの期間、ネコによって変わるようです。早くて1か月、長ければ数年もかかるそうです。
その間はもちろん飼い主と過ごすことはできません。(支障をきたす可能性があるとか)
それにもし、育成期間で強力な能力になればそのまま研究材料になってしまうかもしれません。
薬品の匂いが立ちこもる狭い空間でご飯もろくに与えられず…なんてことはないでしょうが、今のようなのびのびとした暮らしではなくなってしまうはず。
上条さんはそれを考えた上で、みこにゃんのお願いを断ることにしました。
「うーん、残念だけどそれは聞けないな」
「む!にゃんで!?」
「やっぱり危険な感じするし、それにこれは美鈴さんだって望んでないはずだ。お前は、今のままでいいんだよ」
「むー!」
「それに…研究所に送られたらこわーい白衣の化け物と一緒にせまーい部屋で毎日過ごさないといけないんだぞ」←※嘘です
「にゃっ…ば、ばけもの…」
「ご飯もろくに食べられないみたいだし」←※嘘です
「ま、マシュマロが!」
「嫌なことばっかりだろ?」
「にゃー…た、確かに」
「だから、今のままのみこにゃんで十分なんだよ。俺も変な能力ぶちまけてるネコより、何の変装もないネコの方が好きだぞ」
「にゃー、じゃあ、やめる」
「よしよし、いい子だな」
上条さんにポンポンと頭を撫でられると、みこにゃんは今のままでもいいやと思うようになりました。
いつの間にか、テレビも別の特集をやっていました。
「(それに…身体検査以外でも能力は覚醒することがあるらしいし)」
上条さんはふと美鈴さんに言われたことを思い出しました。
なんでも、「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」らしいのです。
しかもそれによって覚醒した能力は、身体検査よりはるかに上回ることがほとんどで、レベル4(極稀に5)にあたるとも言われています。
自然に能力を覚醒することは極めて珍しく、これが分かったのもつい最近です。
その最初の事例が、川で溺れかけた飼い主が必死になってもがいていると、いきなり水が盛り上がって岸辺に放り出され、見ると自分のネコが
水流を操って川の流れる向きを変えていたんだそうです。
これに似た事例が後からいくつか起こり、研究者たちがたどり着いた結果が「飼い主がピンチになると突然能力を発揮する」とのこと。
「(まぁ、俺はなるべく今のままでいてほしいけど)」
上条さんは、頭を撫でられて気持ちよさそうに目を細めるみこにゃんをみて、そう思うのでした。
すうじつご ごご1じ
みこにゃんは上条さんとお買いものにきていました。
いつものスーパーではなく、今日は街に出て大きなスーパヘとやってきました。
ここで1週間分の食料や日用品を買い、公園でひとやすみ。公園にはクレープ屋さんが来ていたので、上条さんがマシュマロ入りのクレープを
買ってくれました。
「んー、おいひーっ!」
はむはむと頬張りながら、みこにゃんは幸せそうな声で言いました。
「はは…もうちょっと安くしてくれると嬉しいんですがね…」
人間よりネコの方が高いクレープ屋ってどうなんだと云々言いながらソフトクリーム(300円)を食べる上条さんでした。
どうじつ ごご3じ
「あれ?ここって工事中だったけ?」
クレープを食べてひとやすみしたみこにゃんたちは、帰りみちで首を傾げました。
公園に寄ったため、行きと帰りで風景が違うのですが、駅までの道のりはあってるはずです。
「この間来たときはこんな工事やってなかったはずだけど…」
なにやら建物の耐震工事を行っているようです。
幸い、通行止めにはなっていないので、遠回りする必要はなさそうです。
「にゃー」
「まいっか、通ろうぜ」
上条さんが歩き始めたそのときです。
真上から叫ぶ声が聞こえました。
「あぶないッッ!!そこの少年、ーッ!!!!」
上条さんが「え?」と上を見上げたとき、
長さ6メートルほどの鉄骨が、垂直落下していて―――……
「(ま、ずッ……今からじゃ、避けられなッ…!!」」
上条さんが半ばあきらめかけたとき、ふわっと肩が軽くなりました。
見ると、なんと目の前でみこにゃんが飛び出したのです。
そうして、そのまま、
バチイイイイィィィィィッッッッッ!!!!!!!!!!
――――青白い光と共に、電撃を放ちました。
電撃によって速度を落とした鉄骨は、上条さんの目の前にズシリと落ちてきました。
その鉄骨の上に、
「みこにゃんっ!!」
上条さんがと抱きあげると、みこにゃんが「今、わたし…」と不安げな声で上条さんに抱きつきました。
「当麻を助けなきゃって思ったら…突然身体が動いて、それで…」
「バカ…危ないだろ…ッッ!?」
「違うの!大丈夫な気がしたのっ!」
「死んだらどうするんだよッッ!!?」
「そしたら、前髪から電気が出てきたのっ!!」
上条さんがはっとなってみこにゃんの頭に触れました。すると、パキン!!と何かを打ち消す音がしました。
静電気でしょうか。とにかく能力を打ち消したことに変わりはありません。
ということは…
「能力が、覚醒した…?」
どうじつ ごご4じはん
「ふむ…つまり、自然に能力が覚醒したってことだね?」
「はい」
家に帰った後、病院に向かった上条さん。今日はいつもの病院ではなく、有名なカエルに似た医者のいる大きな病院です。
「君が落ちてきた鉄骨の下敷きになるのを守ろうとして覚醒したんだろうね?」
「そんな…けど、アイツは、今までなんの能力も持ってなかったのに…」
「これを見てほしい」
カエル医者が、レポート用紙を上条さんに渡しました。
タイトルは「自然覚醒の条件」。
一通り目を通すと、驚くべき事実がわかりました。
「これでわかったかい?なぜある日突然あの子が能力を発揮したのか」
「はい…」
自然覚醒の条件。それは、飼い主へのなつき度が関係しているのだそうです。
まだ研究段階ですが、これは確実に関係していると書かれています。
飼い主を守りたい、という意識が強ければ強いほど、ピンチになったときに覚醒しやすいそうです。
そのため、いつどこでどんな能力が発揮するか分からないのです。
「そろそろ別室で行っている能力測定数値が来るはずだけど…お、来たようだね?」
やってきた看護婦さんがカエル医者に一枚の紙切れを渡しました。
「おぉ、これはすごいね?」
「なにかあったんですか!?」
「あの子の能力は、レベル5級だそうだよ?」
「れ、レベル5…?それって、一番高いんじゃ…」
「レベル5のネコはまだ2匹しかいないんだ、あの子で3匹めだね?」
と、ここで看護婦さんに連れられてみこにゃんがやってきました。
「にゃー!」
「みこにゃん!」
上条さんを見つけると、飛び乗ってきました。
「痛くなかったか?」
「うん!」
「見た限りじゃとてもなついているようにみえるね?さて、君たちには研究所に行くか行かないかを決めてもらわないとだね?」
「みこにゃん、行きたいか?」
「にゃ、いかにゃい!」
「研究所が強制じゃなくてよかったね?わかった、それじゃあいつもどおりの生活を送るといいね?」
「はい、ありがとうございます!」
「にゃー!」
どうじつ ごご 4じ45ふん
病室を後にして、みこにゃんたちは夕日のさす廊下を歩いていました。
「ねー、当麻」
「ん?」
「私のこと、嫌いになった?」
「いきなりどうしたんだ?」
「前、変な能力使うネコは嫌だって言ってた」
「そんな理由で、嫌いになる訳ないだろ?それになんか電撃使いのネコって、かっこよくないか?」
「ほんとに!?」
「ああ。上条さんはラッキーですよ」
「にゃー、よかった」
電気を自由に操れるようになったみこにゃん。
きっと、他のネコにはできない技もたくさんマスターすることでしょう。
そして、2人の未来も明るく照らしてくれるはずです。
―ふぃん―
なんか最初だけ名前になってしまった…タイトルは「能力覚醒!ぴんちにぱんちっ」です
書き手のみなさま、GJです。
いつも読ませていただいています。
それでは失礼します〜
みこにゃん能力使えなかったのねw
そういやみこにゃんシリーズって上条さんとみこにゃんの日常描写中心で
能力に関する描写って今までなかったかも
みこにゃんて…最終的に上条さんとイチャイチャ出来るの?
>>527
シリーズ通して二人の関係は充分いちゃいちゃしてるよ
みこにゃんシリーズは言うなればちょっと変化球な上琴もの
上琴の王道いちゃいちゃものが読みたいなら他に沢山あるよ
でも上琴と呼ぶべきかは分からないよな
ぶっちゃけ美琴ってわけでもなく完全に別キャラだろ?
キャラが擬獣化したカップリングのssなんて昔から腐る程あるんですけどねー
風花さんGJです!他のレベル5にゃんこの飼い主想像したけど全然懐かれてるイメージわかないw
御坂が猫になったとかならともかく、御坂とは完全に別キャラのみこにゃん
確かに上琴かどうかは微妙なライン
えっ…みこにゃんに文句言ってる人は昔からいちゃスレ見てる人?
>>531 さんは御坂呼びから通りすがりの人だと思うけど
このスレの住人にはずっと許容されてきたキャラですよ
許容って言ってる段階であれなんだがな
実際美琴じゃないんだから違和感がある人がいるのは仕方ない
そういう人は深く考えずに読み飛ばせばいいと思うよ
周りも自分以外の考えを認めないような書き方はするな
そういう雰囲気は上琴が周りから敬遠されてたあの頃の雰囲気を彷彿させるからよくない
っていうか昔から読んでる奴以外は意見しちゃいけないのかね?
どうして最近こんなに空気がギスギスしてるの
>>533 >>534
確かに自分の書き方には問題がありました、すみません…
読み手さんが増えて感想が増えるのは勿論嬉しいことです!
みこにゃんに違和感がある…そう感じたこと自体を否定する気もありません
ただ、このスレの過去作の系統から見て、みこにゃんはこのスレに投下しても
問題のない作品であるかと思います。(論点はそこでいいんですよね…?)
度々すみません>>536 =>>532 です
みんなあの書き手が悪いんじゃないの?
このスレに投下されてるみこにゃんって以前に美琴スレに投下されてたやつの設定そのままなの?
まったく別設定のみこにゃんだよ
寝てた人が書いてたみこにゃんも居るよね
ていうか、寝てた人さんのが元祖みこにゃん。
美琴スレのみこにゃんは寝てた人さん作でSSでは元祖かな
新しい読み手の方、書き手の方も増えたようなので、
みんなでもう一度
〉〉1
を読みましょう
>>544
>>1 を読んだんならsageようぜ
>>はりねずみさんGJです!
な〜んもう! また続きが気になる終わり方を!
二部、楽しみに待ってます! あ、勿論別の作品も。
>>風花さんGJです!
ついにみこにゃんもビリビリに!
いずれは超電磁砲も撃てるようになるんですかねw
短編書きましたんで投下します。
約3分後に4レスです。
御坂美琴は、お気に入りのぬいぐるみ・キグルマーを抱き締めながら、
自分のベッドの上でゴロゴロしていた。
基本的に寂しがり屋な所のある彼女は、人恋しい時はこうやって慰めているのだ。
ルームメイトの白井は今いない。
先程、固法先輩から連絡があり、風紀委員第177支部へと向かったばかりだ。
白井が風紀委員で忙しい、という事は、同じく風紀委員の初春も忙しいのだろう。
ならば佐天は、と思ったのだが、
本日は柵川中学の友達(春上、枝先、アケミ、むーちゃん、マコちん等々)
と遊びに行くと言っていた。
きっと佐天や春上ならば、美琴が「一緒に行ってもいい?」と言えば喜んで手を差し伸べるだろう。
おそらく他の友達も快く迎え入れてくれる。
しかし自分一人だけ常盤台だし二年生だし、などと考えてると、やはり気を使わせてしまいそうだ。
そんな訳で結局美琴は、一人寂しくゴロゴロしているのだ。
「僕は友達が少ない」…なんて事を思うと、自己嫌悪に陥りそうになるのでやめた。
(あと誘えそうなのは、あの馬鹿くらいか……)
美琴は他に声をかけられそうな人物・上条当麻の顔を思い浮かべた。
が、速攻でそれを打ち消した。
上条は美琴の想い人である。知ってると思うけど。
つまり遊びに誘うという事は、それはデートのお誘いとなるのだ。
今時、男女で遊ぶ=デートという方程式も無いと思うが、それでも美琴はそう考えてしまうのだ。
正直誘えるものなら誘いたい。説明した通り、美琴は彼に思いを寄せている訳だから。
だがそう簡単にいかないのだ。何ヶ月も片思いしているのも、伊達や酔狂からではない。
何故なら美琴はツンデレなのだ。知ってると思うけど。
好きな相手を目の前にしても、素直になれないのがテンプレである。
(……やだなぁ…こんな性格………)
結局、自己嫌悪になる美琴。ため息を吐きながら、キグルマーに顔を埋める。
だがその時だ。美琴はとんでもない事を思いついた。
それはリンゴが自然と落ちたのを見たニュートンの如く、
ベルを鳴らしただけでよだれを垂らした愛犬を見たパブロフの如く、
ガラパゴス諸島を訪れたダーウィンの如く、まさに世紀の大発見だった。
いつでも上条を身近に感じる事ができ、さらに素直になる為のリハビリも出来るという方法。
それは、
(あああああの馬鹿の抱きぐるみとか作ったら、
こうやってアイツに顔を埋める事とか出来るんじゃないのっ!!!?
ぬいぐるみ相手だったら色々やっても大丈夫…かも知れないし!!!
って、い、いい、色々って言っても『そういう意味』で色々する訳じゃないけどねっ!!!?)
という事である。先程あげられた歴史上の偉人たちに謝っていただきたい。
と言うか、誰に対して何の言い訳をしているのだろうか。
二時間後、「ふおああああぁぁぁぁぁぁ」とよく分からない声を出し、
完成した上条ぬいぐるみを掲げる美琴の姿がそこにあった。
早い。早すぎる。
あれから材料を買い、部屋に戻って一からぬいぐるみを作るのに、たったの二時間である。
裁縫なども得意な美琴だが、それを差し引いてもとんでもない早さだ。
おそらく「一刻も早く完成させたい」という美琴の強い思いが、
人の限界を超えるほどの集中力と裁縫力を引き出したのだろう。
トレードマークのツンツンヘアーも見事に再現されている。
美琴は早速、出来立てホヤホヤの「ミニミニ当麻きゅん(美琴命名)」を抱き締めてみた。
果たして本物の上条と対峙した時のようにツンツンしてしまうのか、それとも―――
「や〜んもう、カ〜ワ〜イ〜イ〜!!!」
大丈夫だ、問題ない。
美琴はミニミニ当麻きゅんをむぎゅ〜っとしながら、
フカフカモフモフしたり、ナデナデスリスリしたり、フニフニムニムニしたりしていた。
「えっへへ〜、これからはず〜っと一緒だからね、当麻きゅん♡」
恍惚な表情でそんな事を言う美琴。
そろそろ「誰だお前」とツッコまれそうなので断っておくが、今彼女は部屋で一人なのだ。
誰でも一度は経験した事があるだろう。
普段なら恥ずかしくて絶対にやらないような事を、一人っきりになった時に思いっきりやる、というのを。
つまりはそれだ。今の美琴は開放感に満ちている。故に恥ずかしい事でも惜しげも無くできるのだ。
黒歴史とは、他人に知られなければただの恥ずかしい秘密に過ぎない。
ではここからは余計な説明は無しに、美琴がぬいぐるみ相手に独り言を話す様子を見てもらって、
その暴走っぷりに思う存分鼻で笑っていただきたい。
「も〜ちゅきちゅきちゅきちゅき! 当麻きゅんってば、何でそんなに可愛いの?
え? 何々? 私にいっぱい抱き締められる為に可愛く生まれてきた?
や〜ん、じゃあお望み通りい〜っぱいぎゅーってしてあげちゃう♡
むぎゅ〜〜〜〜〜っ! 嬉しいの? にゅふふふ〜、私も〜♪
え? 今度はちゅーして欲しいって? 当麻きゅんったら甘えん坊さんなんだから〜!
んー…ちゅっ♡ ……え? もっと? しょうがないな〜。 …むちゅむちゅむちゅー♡ ―――」
…美琴の一人芝居はまだ続いているが、ここらでやめておこう。
見ている方が恥ずかしくなってくる。
一方その頃、風紀委員第177支部では。
「やっほー! 来ちゃったよー!」
「あれ? 佐天さん? 春上さん達と遊びに行ったんじゃなかったんですか?」
「そうなんだけどさ。むーちゃんがちょっと学校に呼び出しくらったから、そのまま解散みたいな?」
「呼び出し…って…何されたんですか!?」
「ああ、大丈夫。そういうのじゃないから。進路の事だって」
「あぁ…なんだ、良かった……」
「初春はまだお仕事?」
「いえ、この書類をまとめたら終わりです」
「じゃあこの後どっか行こうよ!」
「…でももうこんな時間ですよ?」
「こんな時間だからいいんじゃん! 白井さんも誘って…って白井さんは?」
「白井さんは外回りですから。でももうすぐ帰ってくると思いま―――」
「ただいま戻りましたの」
「―――って、噂をすれば、ですかね」
「だね」
「? 何のお話ですの? っと言うより佐天さん! ここは部外者の方は立ち入り禁止だと何度も!」
「え〜? いいじゃないですか〜! 減るモンでもないですし〜」
「……はぁ。貴方に何度言っても無駄ですわね」
「白井さん、今日はもうこれで…?」
「ええ、終了ですの。早く帰ってお姉様のお顔が見たいですわ」
「!!! 初春、あたし思ったんだけどさ」
「あ…佐天さんが悪い顔してる……」
「いいから聞いて! あたし達って、御坂さんや白井さんの部屋って行った事ないよね!?」
「確かにそうですね……ってまさか佐天さん!!?」
「ふっふっふ…そのまさかだよ! 白井さん! 今からおふ」
「駄目ですの」
「たりの部屋に………って、最後まで言わせてくださいよ」
「駄目に決まってますでしょう。もうすぐ完全下校時刻だというのに。
そもそも常盤台中学女子寮【あそこ】は関係者以外は入れませんの!
風紀委員第177支部【ここ】と違ってセキュリティもゆるゆるではありませんわよ!?」
「そんなの白井さんの空間移動があれば関係ないじゃないですか!
初春だってお嬢様の部屋とか興味あるでしょ!?」
「うっ…! それは…確かにありますけど……」
「ねっ! 白井さん! 初春もこう言ってますし、ちょっとだけ! 少しの間でいいですから!!」
「………はぁ…分かりましたの。
幸いにも寮監はボランティアに出ていて、帰りは遅くなるとの事でしたし」
「ホントですか!? やったよ初春ー!!」
「そ、そうですね!」
「佐天さん相手では、断っても意味はなさそうですし」
「あ、でもせっかくだから御坂さんには内緒にしとこうか! サプライズ的な感じで!」
「え、で、でもいきなり行ったらご迷惑をかけるんじゃあ……」
「お姉様はそんな些細な事で怒るような器の小さいお方ではありませんわ。
わたくしが身をもって実践済みですので! 主にお風呂やベッドなのでふへへへへへ」
「白井さん、よだれよだれ」
「じゃあさっそく飛びますか!」
そんな経緯があり、白井は佐天と初春を連れて自分の部屋の中まで空間移動した。
しかし、そこで彼女たちはサプライズするつもりが、思いっきりサプライズされる側になる。
何故ならそこには……
「当麻きゅん当麻きゅん当麻きゅううぅぅん!!! むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅむ…ぎゅ……?」
ただの恥ずかしい秘密とは、他人に知られた瞬間に黒歴史となる。
その後美琴がどうなったかは、敢えて語らないでおこう。
彼女の名誉の為にも。
ちなみに後日。
上条宛てに一箱の小包が届いた。差出人は佐天だ。
何だろうと開けてみると、中には一通の手紙と一枚のDVD。そして、
「…何だこれ。美琴…か?」
美琴の姿をしたぬいぐるみ、「みこぐるみ(佐天命名)」が一つ入っていた。
手紙には簡単な挨拶と、みこぐるみは佐天本人が縫ったという内容、
それとみこぐるみの使用方法等が記載されていた。
「ええと何々?
『お好きなようにフカフカモフモフしたり、ナデナデスリスリしたり、フニフニムニムニしたり…』
って、何だこりゃ? 復活の呪文か何かか?」
だが更に、詳しい事はDVDをご覧くださいとも書かれていた。
仕方ないので、DVDを再生してみる。
上条の頭の上で ? マークが飛び回った。
どうやらケータイのムービーをダビングした物らしく、画像は荒い。
だがそんな事はどうでもいい。問題はその内容だ。
『当麻きゅん当麻きゅん当麻きゅううぅぅん!!! むぎゅむぎゅむぎゅむぎゅむ…ぎゅ……?』
自分そっくりなぬいぐるみを抱きながら、『何か』をしている美琴の姿が映し出されていた。
『何か』と表現したのは、何をしているのかサッパリ分からないからだ。
明らかに『何か』とんでもない事が行われているのだが、それが『何なのか』は理解できない。
謎は深まるばかりである。
以上です。
こんなんでも大丈夫ですかね。
ではまた。
乙です
録画されるとか、もはやトラウマになりそうw
だ、大丈夫
本家みたいにぬいぐるみを量産して恍惚としてるよりは…
いや、こっちの方が量より質的な意味でアウトだw
暴走美琴は、やはり面白い(笑)
どうもこんにちは。ちょっとスレ違いは百も承知なのですが、どうしても、くまのこさんに連絡をとる手段がここしかないので使わせていただきます。
てことで、くまのこさん。
年末にお約束させていただいていた件なのですが、非常に困ったことに、その年末に、それも完成前(進捗率50%くらい)にPCが故障しまして、現在修理中でして、それも『早くても』来週末まで戻ってこないことが分かりました。
てことで、お約束についてでございますが、年賀状は完全に時期外れになりますので、寒中見舞いにしようと考えています。なんせ多分、1月中に出せればいいな、ってレベルにまでなってますものでして。
それでよろしいでしょうか。
スレ主旨ズレ失礼ではございますが、お返事お願いします。
ちなみに、今は別の場所から書き込んでいます。
>>555 我道さん。
あ、全然構わないですよー。お気遣いなく。
ちなみに自分がお返し用に書いたSSは、支部のメールで送ってありますので、
PC直ったら読んでやってください。
スレチ失礼しました。
上条さんこと上条当麻のイマジンブレイカーはフラグを立てる右手でもあると思う
父親の刀夜さんもフラグメーカーだけど幻想殺し持ってないよ
どーも、・・・です
くまのこさん
〉〉499
食蜂というキャラがこんな形で上琴の役に立つとは!!!
というか仲いいなーお前ら
〉〉566
おや? カミやんには使い方がわからないらしい
さあ、美琴さん、本物を使って実践させながら教えてあげなさい!!!
〉〉はりねずみさん
おほほい、はりねずみさんや、早く2部くださいや、このままじゃ辛すぎる!!
女装カミやんには土御門とともに爆笑した日々でした。
〉〉風花さん
ああ、みこにゃんがほしい。上条さんにしかなつかないだろうけども。
しかし、そういえば今までビリビリしてなかったな。まあ、カミやんには関係ない話か。
あー、さっさといちゃいちゃを書きたい。下地が長い。
さて、オリキャラが出ます。やられ役です。
長編って、本編が進むほど設定壊れるから旬ものなのよね。
急ごう。
お暇ならお付き合いください。
それでは
どーも、・・・です
くまのこさん
〉〉499
食蜂というキャラがこんな形で上琴の役に立つとは!!!
というか仲いいなーお前ら
〉〉566
おや? カミやんには使い方がわからないらしい
さあ、美琴さん、本物を使って実践させながら教えてあげなさい!!!
〉〉はりねずみさん
おほほい、はりねずみさんや、早く2部くださいや、このままじゃ辛すぎる!!
女装カミやんには土御門とともに爆笑した日々でした。
〉〉風花さん
ああ、みこにゃんがほしい。上条さんにしかなつかないだろうけども。
しかし、そういえば今までビリビリしてなかったな。まあ、カミやんには関係ない話か。
あー、さっさといちゃいちゃを書きたい。下地が長い。
さて、オリキャラが出ます。やられ役です。
長編って、本編が進むほど設定壊れるから旬ものなのよね。
急ごう。
お暇ならお付き合いください。
それでは
晴れやかな午後、御坂美琴はいつもどおり
沸騰寸前だった。
なんせ上条に買い物に誘われたのだ。
あの鈍感大魔王上条にだ!!!
(こ、ここここ、これってででっでデート!!??)
『ど、どうかな??』
『に、似合ってるぞ、美琴』
『なによ、こっち向いて言いなさいよ』
『み、見れるわけねーだろ!! 理性が吹っ飛ぶわ!!』
『な、なにいってるのよって痛い痛い!!!」
「まーま!! まーま!!!」
「髪の毛引っ張らないでー!!」
上条が抱っこしているインデックスに髪を引っ張られる。
おかげでいつもより早く現実世界に返ってきた。
そうだ、この子のミルクとか買いに来たんだっけ?
『その幻想をぶち殺す!!』って言葉がどこからか聞こえた。
でも、夢見たっていいじゃん。
「こら、インデックス、やめなさい。御坂、大丈夫か?」
「……ごめん、そっとしといて」
「?」
?を浮かべながらも了解する上条。
先ほど怒られたばかりなのだからしょうがない。
オムツ替えようとしたらものすごく怒鳴られた。
ちょっとショックだった上条君である。
「だい!!!」
「?」「?」
そこは開けた土地だった。
「ここは……」
「……そうね」
そこは学園都市の中枢だった場所。
窓のないビル跡地。
「「アレイスター……クロウリー……」」
すべての、始まり。
何人もの人生を狂わせ、最後の最後まで上条たちの前に立ちはだかった人間。
「手強かったわ……ね……?」
上条の顔を見て、美琴は言葉に一瞬詰まったが、
「なーんて顔をしてんのよ!!」
笑う。
「確かに、アイツは最後までアンタの手をとらず、ついには自分で使っていた天子の力に飲み込まれちゃったけど」
あなたは悪くないと伝えるために。
「最後まで、笑ってたじゃない」
大丈夫だと伝えるために。
「……そう、かな」
「アンタはやれるだけのことをした」
「そう、だな」
でも、たぶんダメだ。
「そう、だよな」
ずべてをハッピーエンドで終わらせたい彼は
「ありがとな、美琴」
これを、一生引きずっていくのだろう。
「どーいたしまして!!」
なら、私は……。
「いやいや、いい雰囲気のところ申し訳ない」
空気が、変わる。
二人は後ろを振り返った。
「はじめまして、烏角と申します、どうぞどうぞ、よろしく」
紫の頭髪と、茶色のスーツ、整った顔つき。
真夏でもコートを羽織っている。
そして、その周囲の空気は、異常。
「誰だ!!」
「道士、いえいえ、ここでは、そう、こう言ったほうがよいでしょうね」
その瞬間、
「魔術師、と」
数十、数百の烏角が二人を囲む。
バチッ!!
バキン!!
しかし、二人の反応は早く、一箇所に逃走ルートを作る。
「これは……」
大量に増えた烏角を右手で殴る、その正体は。
「蚊?」
「左様左様。この真夏日、いくらでもわが兵力は増えていきます」
「くそっ、とりあえずいったん退くぞ!! 美琴!!!」
「ええ!!」
「ふふふ、無駄、無駄ですよ」
鬼ごっこが、始まる。
「なんで最大主教が科学陣営本拠地に来るんだ!!!」
土御門は走りながら携帯にわめき散らす。
しかし、携帯も負けてはいない。
『そんなこと僕たちがわかるわけがないだろ!!!』
「とにかく、早くやつを見つけ出せ!!!」
汗が流れるのは暑さのためだけではない。
夜の河川敷。
たった一人だけが持つ、二人の思い出の場所。
「ようやくようやく、それを渡す気になってくれましたか」
そこで、三人と数百人が対峙する。
「……一応聞いといてやる。渡したとして、その後どうするつもりだ?」
「ふむふむ、それはあまりにも危険なものなので、適切な適切な処理をして、破棄させていただきます」
「……ありがとう、絶対に渡さないって覚悟が出来たわ」
「どこの誰かは存じませんが、それは、ここで死にたいということですか?」
「違うわ、アンタを、ぶっ飛ばすってんのよ!!」
「やれるものなら、どうぞどうぞ」
その瞬間、一斉に烏角たちが襲い掛かってくる。
が、
美琴は上条の肩を踏み台に空に飛びあがる。
上条もわかっていたかのように右手を掲げた。
雷電が、周囲を一掃する。
「ぐふっ、がはっ、まさか、貴様は……」
周囲の幻影が消えていく中、烏角は叫んだ。
「超電磁砲!!」
「そうよ、少しくらい調べてから来るんだったわね!!」
だが、烏角は退かない。
「ならば、これで!!」
懐から何かを取り出そうとする。
上条と美琴が警戒するも、
「な、んだと?」
それはすぐに砕け散った。
「だぁ!! だぁ!! めっ!!」
「おのれ、禁書目録!!」
「そこまで!!!!」
四人の身動きが止まる。
まるで、
「面白きものを見にしけり」
これから荘厳な儀式が行われるかのように。
「久しぶりでありけるわね、元気だったりしか? インデックス」
以上です。
新刊がこの地方に来るの明日だと、首都圏がうらやましい。
こんにちは。ツキサカです。
「消えゆくあいつの背中を追って」の続きを投下しにきました。
・・・さんすいません。
個人的な理由でどうしても今日中に投下したいので、そんなに間隔空いていないのですが投げさせていただきます。
そしてまた前回から間が空いてしまいましたので、簡単なまとめです。
・上条さんが病気になって死にそうになるが、美琴の能力を使って治すことができた
・しかし、上条を治すために学習装置《テスタメント》を使った美琴はどこか不調で、上条を治したあとに倒れてしまう
・上条が美琴の部屋を訪れると、いつもと話し方が違う美琴がいた
それでは8レスほどいただきます。
面会謝絶の札がかけてある病室。突然敬語で話し出す美琴。
上条は、ある可能性について、美琴に問いかけずにはいられなかった。
「もしかして……俺の事、覚えてないのか……?」
美琴はその問いかけに、ビクッとした反応を見せる。
そして、黙りこんだまま返事を返すことはなかった。
その反応を見た上条の胸の中には、不安だけが広がっていく。
自分を助けた代償として、御坂は記憶を失ってしまったのだろうか。
言葉が見つからず、表情を暗くしていく上条。
そんな上条を見た瞬間、美琴は一瞬何かを決意したような表情をした後、急に明い声で話しかけた。
「なーんちゃって」
「……は?」
「んなわけないでしょー、ちゃんと覚えてるわよ。
ここにいたのはちょっと頭が痛かっただけよ。
……あ、もしかして、私がアンタのこと覚えてないって思ってビビッた?」
その口調は、上辺だけ聞く分には、いつもの美琴のものと違いはなかった。
しかし、上条は、美琴の声の中の、微妙な違和感に気付いていた。
美琴の声には、ほんのわずかにだが、緊張と怯えが混ざっている。
上条は、この状況でどうしてそんな声になるのかを知っていた。
なぜなら、上条は過去に、そんな声を出したことがあったからだ。
「……やめろよ」
「やめるって、何をよ?」
「そんなことしても、お前が苦しむだけだ」
「……アンタ、もしかして私が覚えてる振りしてるとでも思ってんの?」
そんな美琴の仕草の一つ一つが、どれもが同じように見えた。
記憶を無くした事を隠そうとしていた、かつての自分自身の姿と。
上条は、美琴が記憶を失っていることを直感で確信していた。
それはつまり、以前の彼女にはもう会えないということになる。そう思うと途方もない喪失感に襲われる。
同時に、自分の病気を治した代償に、彼女の記憶が失われたようにも感じられ、大きな自責の念にかられる。
しかし、もし美琴が記憶を失って、そのことを隠し通そうとしているのなら、上条にはやらなくてはいけない事があった。
彼女の記憶を奪った責任ということもあるが、それ以上に、かつて間違った道を歩んでしまった経験者として。
「なあ、記憶喪失の人間が、周りにそれを隠して生きていこうとしたら、どうなると思う?」
「しつこいわね。私は覚えてるって――」
「じゃあ例えでいい」
「……さあ。よくわからないわね。そのうちボロが出ちゃうんじゃないかしら」
「うまくやれば出ないかもしれねえぜ。でもな、それって割と大変なんだよ」
「……」
「みんながさ、自分に話しかけてるのに、それが自分じゃない奴に話しかけてるように感じるんだ。うまくいえねえけど……」
「……まるで見てきたかのようなことを言うのね」
「ああ、だって俺がそうだったからな」
美琴は、上条のその言葉を聞き、息を飲んだ。
「ちなみに、お前は俺が記憶喪失だって知ってたぜ」
美琴は「しまった」という表情をした後、諦めたように上条の疑いを認める。
「はぁ……私、演技力無いのかしら」
「いいや、いつもの御坂そのまんまだったぜ」
「でも、アンタは気付いたじゃない」
「……ま、経験者だからかな」
「そっか……アンタは、隠したりしなかったんだ」
「あー……いや……」
「?」
「知ってたのはお前と、あとほんの少しだけだ。一応まだ踏ん切りがつかねえから、黙っててくれると助かる」
「へえ。そんな奴が、私に偉そうに説教してたわけね。ま、私は別に言いふらしたりはしないから安心しなさい」
「すまん」
美琴はしばし、呆れたように上条を眺めていたが、やがて少しだけ笑い、答えた。
「わかったわよ」
それは、上条の助言通り、記憶喪失であることを隠すのをやめるという意味だった。
美琴は言葉を続ける。
「まあそんなに深く考えなくても、そのうち、ふと治るかもしれないしね」
上条は美琴の「治る」という単語に反応する。
「記憶が戻るのか!?」
美琴は突然の上条の勢いに驚きつつも、なんとか現状について説明する。
「う、うん。なんか、お医者さんの言ってることだと、頭にはどこも異常なんか無いらしいの。
症状としては、情報が無くなってしまったわけじゃなくて、何かのきっかけで昔の記憶に繋がらなくなったっていう可能性が高いんだって」
「……そっか」
美琴の記憶は戻る。
そのことは、上条に想像以上の安堵感を与えていた。
上条は、美琴の記憶喪失の原因が自分にあると思い、
心の片隅では、こんなことになるなら自らの命を絶っておけばよかったとまで思い始めていた。
しかし、美琴の記憶が戻るというなら話は別だ。
美琴の記憶が治りさえすれば、みんなが無事で乗り切ったというハッピーエンドに落ち着けることができる。
自らの希望もこめて、上条は言った。
「記憶、早く戻るといいな」
「そうね……」
少しの間、沈黙が続いた。
先に話し出したのは、美琴だった。
「ところでさ」
「ん?」
「話変わるけど、アンタと私って、どういう関係だったわけ?」
少し不安になりながら、美琴は上条に尋ねた。
美琴としては、友達と返されるのであればまだいい、
ただ、面会謝絶のはずのところに一番に来られたということや、
相当に親しげにしている様子から、ひょっとしたら恋人だった可能性もあると思っていた。
もしそうなら、非常に気まずいことになってしまう。少なくとも今の自分の心には、彼への恋愛感情は宿っていないのだ。
「んー、関係ねえ。……友達、いやケンカ友達?……とか戦友とかかなあ」
美琴は上条の返事にホッとする。どうやら杞憂だったようだ。
「ふうん、ケンカ友達かあ。じゃあさ、アンタとやりあったら記憶が戻ったりするのかしら」
といい、美琴は不敵に笑う。
一方上条は、美琴が想像していた以上に過剰に反応した。
「おいちょっと待て! ここは病院だぞ! 電撃なんか出したら……」
「電撃?」
「ん? ……ああそっか、そこも覚えてねえんだな。
電撃ってのはお前の能力のことだよ。学園都市の超能力者の第3位で、常盤台の超電磁砲とか呼ばれてたんだぜ」
「へえ……」
美琴は自分の手を見つめ、何かを念じるかのような仕草を繰り返した。
上条は不審に思って問いかける。
「なにやってんの?」
美琴は少しがっかりしたような、そして寂しげな表情を浮かべた後、上条の質問に答えた。
「……あはは。なんか、能力の使い方も忘れちゃったみたい」
上条は、美琴のその言葉を聞いた瞬間に完全に固まってしまう。
「な、なによ。いくらなんでもびっくりしすぎじゃない?」
美琴が話しかけても反応は無い。
「おーい?」
数秒の後、上条はうめくように言葉を発した。
「……すまん」
「え?」
「俺のせいだ」
記憶を失う前に上条の病気を治していた、ということを、美琴はカエル顔の医者から聞かされて知っていた。
そのため、上条が記憶喪失の責任は自分にあると思い込んでいることを、美琴にはすぐにわかった。
「はぁ? 何言ってるのよアンタ。
それじゃあアンタは、あのまま死んでた方がよかったって言うの?」
「それは……」
「アンタが後悔したりなんかしたら、それは記憶を失う前の私に失礼なんじゃない?」
上条はそれ以上言葉を続けられず、ただ俯くだけになってしまう。
「それにさ、記憶だってそのうち戻るかもしれないんだし。能力だってすぐに戻るかもしれないでしょ」
たしかにそうだ。全て元通りになるという可能性もまだある。
そして、上条にはそれにすがるしかできない。
「ほら、そんな暗い顔してたら、アンタが病人みたいじゃない」
「……一応、俺も入院してたんだけどな」
「あれ、そうだっけ?」
「この思いっきり病院用の服見ればわかるだろ!?」
自分の着ている服を指差しながら主張する上条。
そんな反応を見て、美琴は苦笑する。
「少しは元気出たみたいじゃない」
「……全く。お前、本当に記憶なくなったのかよ。前の御坂と話してる時と何もかわんねえんぞ」
「そっか、こんな感じでやればいいのね」
「たぶん、友人にはもうちょっと控えたほうがいいぞ……」
「わかってるわよ」
お互いに軽口を叩き合った後、二人は同時に笑い合った。
「……きっと、すぐに直る」
「ん、ありがと」
その言葉に何の根拠も無いことなど二人ともわかっていた。
しかし、美琴は特に指摘したりせず、しばしの間二人は無言で時間を過ごしていた。
−−−
それから数日、美琴は経過を見るために入院を続けていた。
入院中、以前からの友人達が代わる代わるお見舞いに来ていたが、美琴はその都度記憶喪失になったこと素直に打ち明けていた。
最初は戸惑い、悲しんでいた友人達だが、すぐに気を取り直し、なんとかして美琴を励ませるようにと、いろいろと気を遣ってくれていた。
美琴も最初のうちは気構えていたが、友人達の努力もあって、すぐに打ち解けることができていた。
そして、状態は変わらないまま美琴は退院して寮に戻ることになったが、
学校から「大事をとって休んでいるように」との連絡を受け、当分は寮で休養という扱いとなった。
記憶を失っている美琴としては、記憶を失う前の級友達に一斉に説明しなくてすむ分では気は楽だったが、
かといってただ休んでいるという気分にはならず、自主的に能力を取り戻す努力を行っていた。
ただ、一人でずっとこもりっきりでは辛いだろうと、放課後の時間帯は毎日のように友人達に遊びに連れ出されていた。
この日は、最も頻繁につるんでいる白井黒子、初春飾利、佐天涙子と2人で遊びに出ていた。
途中で風紀委員である白井と初春が呼び出されてしまったため、美琴は佐天と雑談しながら道を歩いていた。
「そのときの御坂さん、すっごかったんですよ! もう一瞬でスキルアウト達をビリビリー! って!」
「そ、そうなんだ……」
楽しそうに過去の武勇伝を語る佐天。しかし、美琴はそのときの事を思い出せないので、とりあえず相槌を打つしかできない。
自分の知らない自分の武勇伝を語られるというのも変な感じがする。
そんな美琴を尻目に、佐天は話しながらも何かを発見したようだ。
「あ、あそこのクレープ屋さん!」
前方にクレープ屋を目指し、佐天が駆け出した。
あわてて美琴も佐天を追いかける。
「御坂さん。クレープ食べません?」
「ん……そうね。ちょうどお腹もすいてきたところだったし」
美琴は佐天の提案を受ける。
クレープを注文したのち、2人は近くにあったベンチに腰かけ、クレープを食べていた。
「このクレープ屋さんも、前に来たことがあるんですよ」
食べながら、佐天が話し出す。
「あの時、白井さんが大変だったんですよ。御坂さんのクレープを食べようとして」
「あはは……あの子はずっとそんな感じなのね……」
「てことは、今もそうなんですか?」
「んー、まあね。ちょっと過剰なスキンシップを求めてくるような感じ……」
「白井さんも変わりませんねえ。
……でも、今の御坂さんって能力を使えないんですよね? 撃退できないと危なくないですか?」
「危ないって……」
美琴は、白井は以前と変わらないやり方で接してくれていて、普段がアレだったのだと思っていたが、
ひょっとして手加減されているのではないか。もしかするとより過激になるのではないか、と、美琴は軽い戦慄を覚えた。
そのような感じで2人で雑談をしていると、突然誰かの声が割り込んでくる。
「ねえねえ君達。ちょっと俺らと遊ばない?」
声をかけてきたのは、いかにもガラの悪そうな男達だった。
「け、けっこうです!」
若干怯えながらも、佐天が即座に反応する。
「そんなこといわずにさー」
そんな佐天の反応を見て、不良達は調子づく。
さらに不良が一歩近づこうとしたところで、美琴が割り込んだ。
「ちょっと! 嫌だって言ってんのがわからないの!?」
美琴の迫力に気圧され、男たちが一瞬怯む。
「佐天さん。行こ」
美琴は佐天の手を取り、その場を去ろうとした。
しかし、
「まあまあ、とりあえず話くらいいいじゃん」
男達の中の何人かが、美琴達の進路に立ちふさがる。
その中の一人が美琴たちに手を伸ばそうとしたとき
「何やってんだお前ら!」
別の声が割り込んできた。
聞き覚えのあるその声の方向を見ると、そこには上条が立っていた。
ガラの悪い男達は、上条の割り込みに気分を害したようで
「ああ!? なんだてめえ、邪魔しようってかあ!?」
乱暴な口調で次々と威嚇を始める。
しかし、上条は彼らの言葉に一切怯むことはなく、ただじっと男達を見据えている。
そんな上条の態度にしびれを切らした一人が、上条に対して掴みかかろうとするが、
そこへさらなる乱入者が現れた。
「ジャッジメントですの! あなた達、ここで何をしていらっしゃいますの!?」
白井黒子が乱入する。
「ジャッジメントか……チッ、面倒だしもういいや」
「ケッ、命拾いしたな」
男達はジャッジメントという単語を聞くと、上条に対して捨て台詞を吐きながらその場を去った。
白井と上条は、男達が去っていくと同時に、美琴達に駆け寄った。
「お姉様。ご無事ですか?」
「ん、私達は何とも無いわよ。……ありがと。アンタもね」
美琴は、白井や佐天よりは少し離れたところに立っていた上条に礼を言った。
「別に、俺は大したことはしてねえよ」
ぶっきらぼうに答える上条。
「いやいやー、あのときの上条さん、かっこ良かったですよ。ねえ御坂さん?」
記憶を失う前の美琴の事情をいろいろと知っている佐天が、若干からかい混じりで話しだした。
しかし、予想していたのとは違った美琴の表情を見て、佐天は次の言葉を続けられなかった。
美琴の表情は、一言でいうなら「申し訳ない」という感じだった。
美琴は上条と白井に問いかける。
「助けてくれたことには純粋にありがたいって思ってるけど……アンタ達、さすがに出てくるのが早すぎない?」
「お、お姉様。私はジャッジメントとして通報を聞いて駆けつけただけで……」
「コイツからのでしょ?」
美琴は肩をすくめながら言う。
「そ、それは……」
「ごめん。責める気はないのよ」
美琴が退院した後、上条と白井は常にといっていいほど美琴の護衛のようなことを行っていた。
最初のうちは普通に一緒に話していることが多かったのだが、上条が実は進級がかかっている補習をサボっており、
白井もジャッジメントの仕事を無視してまで一緒にいることが発覚し、美琴がその事を咎めまくったことがある。
そのとき以来、上条と白井は互いのスケジュールを確認しあい、美琴の様子をこそこそと伺うようなことをし始めていた。
「何度もいうけど、アンタ達にずっと張り付いて守ってもらわなくても、私は大丈夫だから」
「ですがお姉様……もしもという事もあり得ますので……」
美琴は白井の反論を聞き流し、上条に詰め寄った。
「アンタも、今日は補習とか大丈夫なんでしょうね?」
突然話を振られ、目を逸らす上条。
この反応からすると、またサボっている可能性が高い。
「どうしてそこまでして……」
と言いかけて、美琴は言葉を飲みこむ。
上条は今の美琴の記憶喪失の原因を作ったのは自分であると思っている。
だから自分の都合を二の次にするという理由が理解できないわけではない。ただ、納得ができない。
「私はアンタたちにそこまで守られなくても、自分でなんとかできるから……」
何度も行ってきた説得だった。
たしかに今の自分は超能力を使えなくなってはいるが、それでも今のようなことだったら切り抜けられる自信はある。
だから、上条にこれほどまでに負担をかける必要はないのだ。
「わかってるって。今日もたまたま近くにいただけだから」
しかし、上条の反応はこの通り。
「嘘ね。今回で何回目だと思ってんのよ」
「……お前な。逆にこっちこそ言わせてもらうけど、今日で何回目だと思ってんだ!
今日みたいなのは仕方ねえけど、それ以外にもお前は普段から揉め事に首を突っ込みすぎなんだよ!」
事件の野次馬や喧嘩の仲裁など、美琴は記憶を失う前から危険な事に首を突っ込むことが多かった。
記憶を失った後でも、その習性、性格は変わっておらず、危なさそうな人を見かけると、すぐに介入し、
それを心配して近くに潜んでいた上条や白井がフォローを行う、ということが多くなっていた。
「だから、私一人でも──」
「そりゃあ、前のお前だったら」
上条の呟きが、美琴の言葉を遮った。
言ってすぐにまずいと思ったのか
「すまん。今のは聞かなかったことにしてくれ」
上条は詫びる。
しかし、美琴黙って俯いてしまい、その場には沈黙が流れる。
その沈黙を破ったのは、はらはらとしながら様子を見守っていた佐天だった。
「だ、大丈夫ですよ。御坂さんはレベル1からレベル5に駆け上がった努力の人なんですから、きっとすぐに能力も取り戻せますって!」
「佐天さん……ごめんね、心配かけて」
佐天に礼を言うと、美琴は上条に向き直り、ビシリ、と指を突きつけた。
「いいわ、アンタがそこまでいうなら、とっとと能力が使えるようになってやるわよ。それで文句ないんでしょ!?」
「御坂、俺は別に……」
「うるさい! いつまでもナイト気取りでなんかいさせてやらないんだから。
あっという間に力を取り戻してやるから、覚悟しておくことね!
……いこ、佐天さん」
美琴は佐天の手をとって歩き出す。
上条と白井は、そんな2人の姿をただ見送っていた。
−−−
「はぁ……」
「あの、御坂さん。白井さん達も御坂さんのことを思ってやってくれてることですし」
「……うん、そうよね。確かに、あの子達が心配してくれてるのはありがたい事だとは思ってるわ。
でもね……なんか悔しいのよ」
「あ、それわかります。……アタシもそうだったから」
「佐天さんも?」
「アタシ、レベル0だから、みんなで一緒に事件を追ってたりしたときも、
危なそうになると、付いてきちゃ駄目って言われるんですよ」
「事件を追う、かぁ……佐天さんもなかなか凄いことしてるのね」
その美琴の言葉を聞いた佐天が少し吹き出す。
「御坂さんは、アタシなんかと比べ物にならないくらい、いろんな事件に首を突っ込んでたみたいですよ」
「そ、そうなんだ……」
「上条さんが心配するのもわかるなー」
佐天はわざとらしく上条の名前を出して美琴の様子を伺う。
「アイツかあ。まあ、アイツのおかげでいろんな気苦労を負わずに済んだのは確かなんだけど……」
「ですよねですよね! さっきも御坂さんをかっこよく助けてくれましたし!」
「佐天さん、褒めすぎよ。アイツ、出席日数足りなくって進級ヤバイらしいのに……
もしこれで留年なんかしちゃったら、私のせいじゃない」
「でも、御坂さんって上条さんにとっては命の恩人ですから。そのくらい覚悟の上かもしれませんよ?
……それに、ひょっとしたら、もっと他の理由もあったりしたりして……」
ニヤニヤしながら何かを想像し始めた佐天を放置して、美琴は軽い愚痴のようなものをこぼした。
「それにしたって、いくらなんでも過保護すぎるわよ。
もはやしつこいというか……こないだなんか夢にまで出てきたし……」
「夢!?」
美琴が小さく呟いた単語を、佐天は見逃さなかった。
「夢に上条さんが出てきたんですか!?」
「へ?」
「へぇ〜。うんうん、やっぱりそうなんですね」
何やら勝手に納得し始める佐天。
美琴にも彼女がどういう想像をしているのかは予測できたので、あわてて否定を始める。
「た、たまたま夢に出てきただけだから! 別に私はアイツのことなんとも思ってないし!」
しかし佐天は何も言わず、「わかってますって」と言いたそうな表情で笑みを浮かべていた。
「あーもう! 佐天さん! 私帰り道こっちだから!」
丁度よく、2人の帰路が分かれる場所に来ていたため、美琴は逃げるように走り出した。
−−−
「全く、佐天さんったら……」
寮に戻った後、気分転換も兼ねて、美琴は能力開発関連の書籍を読みふけっていた。
美琴は今は能力が使えず、その鍛え方も一切わからない状態になっている。
そのため、なにかヒントはないか、と部屋にある参考書をひたすら読むことが日課になっていた。
しかし、先ほどの佐天との会話がチラチラと頭をよぎり、あまり集中できていなかった。
(佐天さんからはそう見えるのかもしれないけど、多分、これは違う)
上条のことをどう思っているか。このことについては、美琴は入院中からあれこれと考えていた。
アイツがお見舞いに来て、一緒に喋っていたとき居心地がよかったのは確かだ。
そして、割と頻繁に夢に出てくるのも確かだ。
しかし、夢の中ではいつも喧嘩ばっかりしているので、色恋とはちょっと違う気がする。
それに何より、恋愛感情というのはもっと圧倒的なもので、相手の事を思ってはいてもたってもいられなくなる。
そのくらいのものだろうと、美琴は漠然と想像していた。
なぜそう考えるのかははっきりとしない。
漫画や小説を読んだ経験から、いつの間にか作られてイメージかもしれない。
もしかすると失った記憶にそのようなものがあったのかもしれない。
ただはっきりと言える事は、今の自分は上条にそこまでの感情は抱いていないということだ。
「ええい、そんなことはもういいから、集中集中」
美琴は再び参考書に目を落とす。
自分の感情の問題より、まずは能力を取り戻さなければならない。
上条も言っていたように、能力さえ取り戻せば、彼や白井に余計な心配をかけずにすむ。
それに、もしかすると、能力を取り戻すことがきっかけになって、記憶も取り戻せるかもしれない。
美琴が黙々と参考書を読んでいると、突然、ドアがノックされた。
同時に、寮監が部屋に入ってくる。
「御坂、少し話があるからきてくれ」
そのまま寮監の部屋に連れられた美琴は、椅子に座って寮監と向かい合いながら、無言の時間を過ごしていた。
(なんだろう……このプレッシャー……)
記憶がないとしても、体が覚えているのだろうか。
美琴はなんとも言えない恐怖を感じていた。
一方寮監は、以前の記憶の無い美琴にはわからなかったが、普段の姿とは違い、決まりの悪い表情を浮かべ、発言をためらっていた。
「御坂」
ようやく寮監が口を開く。
「能力は使えるようになったか?」
「……いえ」
「…………そうか」
寮監は一度目を瞑り、一呼吸したあと、美琴に大して強いまなざしを向けた。
どうやら、何かを話す覚悟が固まったらしい。
「今日、常盤台の理事会でお前に関する審議が行われた。その結果を伝える」
「理事会?」
「そうだ。……だがその前に。御坂、常盤台の入学条件は覚えているか?」
「……はい」
常盤台は、最低でもレベル3の能力を持っていなければ入学することはできない。
「しかし、お前は今だレベル0だ。よって学校は、そのような状態のお前の出席を認めることはできない」
美琴に対する出席禁止措置は、彼女を気遣ってのものではなかったようだ。
「そして、中学生に対しそのような制限を長く続けることは、社会的に問題とされる可能性がある。
つまりだ、もしこのままお前に能力が戻らなかった場合……」
一呼吸おき、寮監は告げた。
「……お前には、この学区から離れた、どこかの学校へ転校してもらうことになる」
以上です。読んでくださった方、ありがとうございます。
レス長すぎと怒られたので、分割して9レスになりました。
そしてすいません……次に繋がるような切り方ができるのがここしかなくて、こんな終わりになってしまいました。
本当なら最後まで書ききりたかったのですが……いろいろと苦戦して諦めました。
残りを書ききって、次が最終回になる予定です。
最後こそ、内容を忘れられない間に投下できるようにしたい……
それではまた。
>>・・・さんGJです!
最大主教合流でますます楽しみ!
続き待ってます!
>>ツキサカさんGJです!
お久しぶりです待ってました!
次が最終回ですか…気長にお待ちしてます。
ツキサカさんの投下から3時間近く経ったので、
自分も投下させてもらいます。
本日発売、新約9巻の小ネタです。
なので 「 ネ タ バ レ 」に注意してください。
まだ読んでない方は戻るボタンをクリックしてください。
約3分後に2レスです。
「……ハッ!?」
上条はそこで目を覚ました。
ぼんやりと覚えているのは、先程の世界。
今回は、よく分からない謎の巨大ロボットに踏み潰されて上条死亡、という雑な物だった。
しかもロボット物は13回前の世界、「巨大ロボットや小惑星によって構わずに壊れていく世界」
とネタが被っており、オティヌスも大分精神が磨耗している事が伺える。
目を開けて初めに見えた物は、自室の天井だった。
ここはどうやらベッドの上らしい。と言っても、普段はインデックスが使っている為、
ここに寝るのは記憶を失ってからは初めてなのだが。
しかしやはりそうなると、それはここにはインデックスがいないという事になり、
ここも今まで同様、どこかズレた世界なのだろう。上条を追い詰める為の仕掛けがあるはずだ。
警戒しながら、上条はむくりと上半身を起こす。すると第一の異変に気づく。
上 「……俺、何で裸なの…?」
上条はパンツの一枚すら穿いてなかった。つまりは全裸である。
上条はいつも寝る時、こんなセクシー系大物女優のような寝姿にはならない。
パジャマなんて洒落た物は着たりしないが、少なくともTシャツにジャージ、
寒い夜は上にトレーナーを羽織るくらいの事はする。
これもオティヌスの仕掛けた罠の一つなのだろうか。しかし何の意味が?
と疑問を持ったのと同時に、玉子が焼ける香ばしい匂いが鼻の奥をくすぐった。
耳を澄ませば、パチパチとフライパンの上で踊っている音も聞こえてくる。
自分以外の誰かが、台所に立っているのだ。
真っ先に思いついたのはインデックスだ。元々彼女はこの部屋の住人なのだから。
しかしあのインデックスが朝食(今の正確な時間は分からないが)の用意なんてするだろうか。
いや、ここはオティヌスによって変革された世界だ。
インデックスがそんな普段なら絶対に有り得ない事をしていても不思議じゃない。
…などとさり気にヒドイ事を思いつつ、簡単に着替え、台所を覗き込む。
するとそこには、
美 「あ、お早う。ごめんね、起こしちゃった?」
上 「み……こ、と…?」
御坂美琴がそこにいた。
少女趣味な彼女らしく、フリフリで可愛らしいエプロンを着て、
菜箸を器用に使いフライパンの上の目玉焼きを皿に移している。
上 「な…んで…?」
美 「ご飯が出来たらちゃんと起こすつもりだったのよ?
だってあんなに気持ちよさそうに寝てたんだもん。何かいい夢でも見てた?」
上 「いや、そういう意味じゃなくて!」
今までのが夢だというなら、いい夢どころか悪夢だったが、そこについてツッコんだ訳ではない。
上 「美琴は何でここにいて、そして今何してんの!? この状況を説明してくれ!」
上条の問いに、美琴は「何を今更」と言わんばかりにため息をつく。
そして次にその口から出てきた返答は、上条の理解の範疇を優に超えている物だった。
美 「私がここにいるのはアンタと同棲してるから。私は今、朝食を作ってる途中。
他に何か聞きたい事はある? 寝ぼすけさん」
上 「同s……………」
思考停止。
美 「何、固まってんのよ。私の両親の所にも、一緒に挨拶しに行ったじゃない」
上 「……マジで?」
美 「マジで」
再び思考停止。
そもそも、何で同棲【そんなこと】になったのだろうか。
オティヌスが勝手に創り出した世界とはいえ、そこには『こうなった』理由が、背景があるはずだ。
そんな上条の疑問を読み取ったかのように、美琴が口を開く。
しかしその理由こそが、上条の心をへし折る為の、オティヌスの仕掛けだった。
美 「責任…ちゃんと取るって言ったでしょ?」
上 「責任…って…?」
カラカラに乾く上条の喉。嫌な予感しかしない。
美琴は頬を染めながら、自分のお腹をスリスリと優しく撫でる。
そして、
美 「……ここにはもう、新しい命が宿ってるんだから。しっかりしなさいよね、パパさん♡」
にっこりと笑う美琴。と対称的に絶望感に押しつぶれそうになる上条。
これはつまりつまりこれは、あれやこれやとなんやかんやがあった結果、
ここは高校一年生の上条当麻が、中学二年生の御坂美琴を、孕ませてしまった世界なのだ。
上 「え、ちょ、あ、なも、まっ、それ、いや、でも、しっ、がっ!!!」
何か言わなければならないのに、言葉が出てこない上条。
勢いはそのまま空回りし、両手は自然と美琴の肩をガッと掴む。
すると美琴はこう告げた。
美 「んもう……本当にエッチなんだから……『昨日の続き』はご飯食べてからにしましょ。
せっかく作ったのに、冷めたら勿体無いじゃない」
美琴は何か勘違いしているらしいが、そもそもこの世界ではその勘違いが正解なのかも知れない。
何故ならここは、美琴が上条との子を孕んでいるのが当たり前な世界なのだから。
上条は心の中で叫んだ。
上 (オティヌスさあああああん!!!? 何か今までとテイストが違いすぎやしませんか!?)
それを聞いていたのかいないのか、この様子を部屋の外から眺めていたオティヌスは、
『槍』を持ったまま冷静にポツリと呟いた。
オ 「………術式間違えた」
以上です。
こちらから読んでいる方の為にもう一度。
「 ネ タ バ レ 」が含まれています。
新約9巻をまだ読んでいない方は注意してください。
あと、相変わらず原作のシリアスさの欠片もない作品でごめんなさい。
ではまた。
ああ、くまのこさん
原作の重さが吹っ切れました
話的には凄かったけど
上琴的には…
なので、補完していただいたようでアザス
今回のオティヌス編は本当に重過ぎました。つーか、私にはゴールドエクステリエンスレクイエムが真っ先に浮かんだわけですが。
でもこうなるとオティヌスも結構お茶目だわ、という感じになりますが。
でも正直、くまのこさんなら、最後のオチを使ったパロをやる方を期待してみたり。
「世界中を敵に回しても云々」
に対して、
「やっぱりかこんのフラグ建築野郎!!」
とか言って、オティヌスじゃなくて上条さんを嫉妬のままに美琴ちゃんが攻撃するみたいな感じのやつ。
仕事早いさすがですGJ
上琴どころか上インすら危うくなってきたな・・・。
でも、まだここから奇跡の大逆転を信じている・・・もちろん上琴に。
上インは鉄板でしょ
親子的なあの関係は崩れないと思う
オティヌスのヒロイン化がインデックスの魔神としての属性は持ってっちゃった感はあるかな
どーも、・・・です。
9巻読みましたよおおおおおおおおお!!!!!
鎌池さんさすが!!!!
まさか美琴の『上条当麻』への反応で上琴を書くとは!!!
それに相変わらずカミやんかっこいいな、
誰だろうとこれじゃあ惚れるよ絶対に!!!
……これなら、ネタバレじゃないよね??
ただ、この作品で書こうと思っていた一部は描かれていたので、多少変更の必要が出ましたな。
やっぱり長編は旬ものだ。
次はこのスレ、って今年からペース速いよね??
幸せすぎません??????
〉〉ツキサカさん
続編来たー!!! そして、予想通りの辛い展開……
そして、常盤台の態度、これは、カミやんが、動く!!!!
〉〉くまのこさん
もう、その世界を享受しちゃえばいいんじゃないかな(笑)
しかし、9巻もすごかった、カミやん、よかったね。
では投下します!!
長いかも、
それでは!!
「久しぶりでありけるわね、元気だったりしか? インデックス」
黄金の絹のような髪は身長の二倍はある。
宝石のような青い瞳。
見た目は18歳くらいの少女。
その表情は
青ざめていた。
「うぅっぷ、わたしのほうはひどい状態たりし、科学側がまさかこんな罠を用意していようとは……」
「えーと、アンタの知り合い??」
「ん? イギリスのクーデターの時いたようないなかったよう「見つけたぞ!!」ん?」
走りこんできたのは。
「なんだ?土御門?」
「え? 土御門?」
「カミやん!!……やっぱりお前の目的はこれか」
「あら、土御門、元気そうで何よりであり」
「知り合いか?」
「……ローラ=スチュアート、イギリス清教最大主教だ」
「なに!!?」 「なんですって!!?」
(ということは……こいつがあの首輪をインデックスにつけた張本人!!)
「あら、そういえば自己紹介するのを忘れておりしな、と、その前に……」
視線が、烏角に向かう。
「中国の崑崙山本部にも確認済みでありけり、お前はもうあそこから追放されているらしきね、そして……」
関係ない美琴までが息をのむほど、重たいプレッシャーが烏角を襲う。
「異端を裁くのがイギリス清教の仕事、言いし意味が分かりけるかしら?」
その直後、烏角の姿が消えた。
「……逃げ足の速きこと、さて、土御門、さっさと追いたれよ」
「なっ!! しかし……」
「私は飛行機酔いでそれどころでなしたりよ。
それとも、こんな状態の一番トップの人間に、働けとでもいいけるのかしら?」
口調はふざけていたが、土御門の脳裏には、なぜか、妹の笑顔が浮かぶ。
「……行けよ、土御門」
「カミやん!!」
「とりあえず、こっちは大丈夫だ。むこうは目的が何にしろ力ずくでもできたはずだ」
「……」
「しかし、それをしなかった。目的が何かははっきりしないが話し合うつもりなんだろう」
「……わかった、できるだけ早くもどる!!」
走り去る土御門の背中をローラは笑顔で見送った。
「さーて、本題に入りけり!!」
上条は美琴にインデックスを預け、一歩前に出た。
「そんなに警戒せずともよきにけらん」
「それを判断するのはこっちだ」
「あら、まあよきにつき。さて、私は」
ローラは右手の手のひらを上にして上条達に向けた。
「インデックスを返してもらいに来たりしよ」
二人に動揺が走る。
「聞いているとは思えども、いつ、その子が元に戻れるかも、わからないのが現状でありし」
ローラは二人の反応を無視して淡々と続ける。
「その彼女をあなた一人でどうやって面倒を見れたるの? 学校がある日は赤子をうちに放置していくつもりでありけしか?」
一歩ずつ一歩ずつ距離が詰まる。
「更に首輪が完全に外れ、先ほどのように自由に魔術を使えるようになったインデックス、それがまだ自我を確立させていない。それがどれほど危険かわかっておりしかしら?」
そう、先ほど烏角が懐から出した霊装を破壊したのは、インデックスだった。
気づけばローラは上条の目の前に立っていた。
「その力で、いったいどんな悲劇が起こるかも、またそうなったとき誰が苦痛を背負うのかも、あなたはわかっておりけりしか?」
「っ!!!!!」
「安心してよきにつき、こちらももう新しい首輪をつけようとも思わざりきよ。
こちらならそれ相応の結界を準備できたもれば、彼女が元の年齢まで戻った際に会えばよからん?」
上条は、反論できない。
『さあ、インデックス』
変な日本語ではなく英語でインデックスに話しかけるローラ。
つまり、もう上条に話すことはないということ。
「だう?」
インデックスは美琴の腕の中で、ぼーっとローラを見ている。
『インデックス、帰りましょう』
ローラの手が、インデックスに触れた。
上条には、何も、できない
「やっ!!!!」
しかし、インデックスがローラの手をはじいた。
ほかの三人が動きを止める。インデックスに視線が集中した。
「いやっ!!やっ!!まーま!!まーま!!」
インデックスは、美琴に縋り付いた。
だから、決意ができた。
「あの、私は、ソイツから、いろいろと事情を聴いています」
その瞳はまっすぐにローラを見据えた。
「だから、私も手伝います!!」
「……美琴?」
「確かに、アイツ一人じゃ難しいでしょう。でも、私が手伝えば、何とかなると思うんです!!」
言葉は止まらない。
「学校が始まるまでに魔術を使わないようきちんと教育します!! そうすれば誰かに預けることもできます!! だから!!! お願いします!!!!」
ステイル達がみたのなら、驚いたであろう。とても、静かな表情で、ローラは美琴の言葉を聞いていた。
そして、
「……あなたは、その子にママと、そう呼ばれておりしね」
伸ばしていた手を、下げる。
「はい」
「よきにけり、あなたが、学園都市LEVEL5序列第三位の御坂美琴が、協力してくれるのなら、上条当麻にインデックスを預けたままにせしよ」
上条が静止しようとするも、先にローラが口を開いた。
「ただし、条件がありけり」
その時のローラはいつもの口調、表情だった。
「あなたもインデックス達と暮らすこと、これが飲めないなら、インデックスは連れて帰りしよ」
「……わかりました」
「おい、美琴!!」
「確かに約束せりよ!! では、私は帰らん!!」
「ちょっと待ってく「ぱーぱ!!」?」
インデックスが、上条の裾を握りしめる。
「……ぱーぱ……まーま……」
力が抜けていくのがわかる。
もう、ローラの姿はない。
「美琴、おま「言わないで」……はぁ」
美琴はうつむいている。
上条はいったん空を見た後、いつもの表情で言った。
「ありがとな」
少し、時間を遡る。
まさに、上条達とローラが話していたその時、烏角の前にある人物が立ちはだかった。
「ば、ばかな、何故……」
その人物が、何故ここにいるのだろうか?
いや、何故いられるのだろうか?
「何故ここにお前がいるんだ!!」
それは、怪しく微笑む。
「ローラ=スチュアート!!!」
「別に、貴様に教えてやる必要はなきにつき」
烏角は知る由もないが、今まだ上条達はローラとの会話を続けている。
「……しかし、私とて退くわけにはいかぬのだ!!」
「……」
「貴様たちの思い通りにはさせぬぞ!!!」
烏角は再び幻影を生み出し、叫ぶ。
「覚悟しろ!! アレイスターの遺物め!!!!」
叫ぶ、が、
「……こいつがどこまで知っていたのかは、興味を持ちたれど」
その時、烏角は消えていた。
しかし、先ほどと違うのは本人の意思ではないことだろう。
「まあ、よきにけり……今は、その状況を楽しみたもれ、インデックス……」
帰宅。
長い一日だった。
「ふぁーあ、疲れたな、すっげー眠い」
「……」
「おーい、ここおまえんちだぞー、早く玄関から奥に入れよー」
「……二人とも、ごめんね」
「……なにがだ?」
「あの話に、私は、関係なかった……あそこで判断するべきだったのは……」
美琴はうつむいたまま顔を上げない。
「……アンタじゃない……」
沈黙がその場を支配する。
しばらくして上条は、無表情で美琴に近づき、
美琴の頭にチョップした。
「痛った!! なにすんの……」
そこにあったのはやさしい笑顔だった。
「ありがとうっていったろ? あそこでインデックスがあんなに嫌がっていたんだ。渡さないほうがいいに決まってる」
「で、でも……」
「でも、じゃないんだよ。あそこでインデックスをさ、救ってくれて、ありがとな」
美琴は静かに視線を下げる。
そこには、すやすやと眠るインデックスが、自分の腕に抱かれていた。
「…………うん……」
「さて、俺たちも寝よう……って!!」
インデックスから虹色の何かが出てきていた。慌てて上条がインデックスに触れる。
もちろん何かを打ち消した感触が手のひらに伝わった。
二人は変な汗が伝わるのを感じながら、
同じタイミングで視線を合わせ、同じタイミングで言葉を口にした。
「「……また一緒に寝なくちゃダメなの?」」
夜は更ける。
二人は知らない。
自我が確立していない魔道図書館と過ごす日常が、どれほど大変なのかを。
以上です!!
さーて、下地はできたし、いじるとしましょ
>>ツキサカさん
能力を失った美琴かー。上条も美琴も精神的に大丈夫かなー。
最高のハッピーエンドを信じてます。
>>くまのこさん
あれーおかしいなー。作られた世界のはずなのに元の世界に戻んなくていいじゃないかと思う自分がいる。
新約9巻はネタにしにくいなと思ってましたがそのような愉快なSSを書いてしまうとはお見事です。
>>・・・さん
さすが最大主教、やりおる。
てことは俺たちも安心して夫婦生活をニヤニヤできるのですね!!
では小ネタの投下します
かつてこの日の本には、邪馬台国ならぬ魅子台国があったそうな。
小国ながらもその国の者は皆奇術を使いて、攻め入る軍勢を滅し、
そんな国にある日、当麻なる男が迷いこんだ。
当麻「狩りをしてたら森に迷った。不幸だ」
当麻「・・・・・・あ!女の子が狼に囲まれてる!!」
当麻「うおー!」タタタ
バンッ!!
狼「キャン!!」
当麻「ここは俺が。君は早く逃げろ!」
少女「はぁ?私は大丈夫よ」
当麻「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!」
狼達「「「グルルル!」」」
上条「くっ!」
狼「ウォ!!」バッ!
当麻(父さん、母さん。俺は今日死にます。でも女の子を助けて死ねるなら本望です!!)
ビリビリ! ドサッ
当麻「・・・・・・へ?」
少女「だからう言ったでしょ。大丈夫だって」
少女「で、アンタらはまだやるの?」ビリッ
狼達「「「・・・・・・」」」ダラダラ
ダダダダダダ!!
当麻「な、何が起きたんだ?」
少女「ホントに助けなんて必要なかったけど」
少女「ま、狼の群れに立ち向かう度胸なんて、うちの男どもには無いでしょうから、そこは認めてあげるわよ」
少女「ところでアンタ、もしかして迷子?」
当麻「あ、ああ。帰り道がわかんなくてな」
少女「ふーん。もう陽も落ちてるし、助けてくれたお礼にうちに来る?」
当麻「本当か?じゃあ一晩頼むよ」
スタスタ
当麻「そう言えば名前聞いてなかったな。俺は当麻。君は?」
美琴「美琴よ」
当麻「美琴。何でさっきはあんな所にいたんだ?狩りをしていたようには見えなかったが」
美琴「散歩よ」
当麻「散歩!?陽も落ちてたのに?」
美琴「そうじゃないと警備が厳しいのよ」
当麻(警備?もしかして村長の娘とか?)
美琴「さ、着いたわよ」
当麻「世話になるぜ・・・・・・って広っ!!」
少女「お姉さま。そちらの方は?と御坂は訪ねます」
美琴「客人よ。丁重に持て成しなさい」
当麻「美琴そっくりだな。妹か?」
美琴「ええ。ほら、挨拶しなさい」
御坂「御坂です。いつもお姉さまがお世話になっております。と御坂はご挨拶を客人にします」
美琴「コイツには私がこれから世話をするの!それにさっき会ったばかり!まぁ、確かに助けてはもらったけども・・・・・・」
御坂「・・・・・・いい加減その癖を直しては?と御坂はうんざりします」
美琴「ぐっ、と、とにかくさっさと夕食の支度をするように言ってきなさい!」
御坂「はいはい。と御坂は適当に頷きます」スタスタ
当麻「夕飯を作らせるって、もしかしてこの家で一番偉かったり?」
美琴「両親は今は魏の国に行ってるから、私が任されてるのよ」
当麻「そっか。まだ若いのに大変だな」
美琴「本当よ。おかげでやたらと散歩もできないわ」
少しして
美琴「さ、夕食も出来たし、行くわよ」
当麻「ご馳走になるぜ」
当麻「・・・・・・」
美琴「?どうしたのよ」
当麻(これだけの量の米!それにこの辺りでは取れない木の実や魚。それにここの広さは一体・・・・・・)
当麻「どんだけすごいんだよこの家」
美琴「そう?昔からだから私にはわからないわね」
当麻「まあ大きな村だし、そんなものなのかな」
美琴「さあ、アンタ達。入ってきていいわよ」
ゾロゾロゾロゾロ
当麻(なっ、美琴!?)
美琴「さすがに驚いたかしら」
当麻「あ、ああ。一体何人いるんだ?」
美琴「うーん、ここにいるのは全員で20人くらいだけど、国中に散らばってるのを入れると2万人近くいるわね」
当麻「どういうこと?」
美琴「いろいろあるのよ。じゃあ全員座ったし食べましょう」
それから
当麻「おー!こんな美味い飯初めてだ!」モグモグ
美琴「ね、ねぇ。その煮物私が作ったんだけど、どうかな?」
当麻「そういや少しの間いなかったな。どれどれ」モグッ
当麻「とっても美味いじゃねーか!食材だけじゃない。こんなに美味しいのは美琴が作ったからだよ。これは俺の家に来て欲しいくらいだぜ」
美琴「ふぇ!?」
美琴(家に来て欲しい→嫁に来て欲しい→愛してる)
美琴「・・・・・・」
当麻「おーい」
美琴「ふ・・・・・・」ビリッ
当麻「ふ?」
美琴「ふにゃー」ビリビリビリーッ!!
当麻「おわっ!!」バッ
ピシューン!
当麻「な、何が?」
御坂1「・・・・・・貴方様だ」
御坂2「貴方様ですね」
当麻「ん?」
御坂達「「「貴方様こそ、お姉さまの結婚相手だ!」」」
当麻「はぁ?」
御坂4「お姉さまと結婚し、この魅子台国を治めるのは、お姉さまの雷にも打ち勝つ者と、お父さまからのお言葉です。と御坂は説明をします」
御坂5「ですのでそのお言葉通り、お姉さまの雷に打ち勝った貴方にお姉さまを嫁がせます」
当麻「た、確かに美琴は可愛いし料理も上手いしそれなりに可愛げもあるけど、いきなり魅子台国とか結婚とか言われても。それに美琴だって・・・・・・」
美琴「・・・・・・ふ」
当麻「美琴?」
美琴「不束者ですがよろしくお願いします!」
当麻「えー!?」
―――――――
―――――
――
打ち止め「こうして結ばれた2人はその後、力を合わせて国を守りながら幸せに暮らしました。ってミサカはミサカは芳川に習ったことをさっそくあなたに教えてみる!」
一方通行「あンの糞ニート、クソガキに間違った教育しやがってェ!!」
以上です。
混乱しそうですけど、
美琴は美琴本人。
御坂は妹達で。
さて、初めてバカップル物以外ではっちゃけてみたけど、どうなんだろ?
>>598
「ふおおおおおお!! 白雪姫は渡さんぞーってミサカはミサカは宣言してみたり!!
王子様に渡せば幸せになれる保証なんて実はどこにもなかったのだー
的なーってミサカはミサカは……っ!!!!!!」
新約5の打ち止め思いだした。SSの妹達は人がいいなー
>>・・・さんGJです!
ほほう? ここからいじる訳ですか。
夜も更けますし、「お楽しみ」を期待してもいいんですかね?w
>>はりねずみさんGJです!
芳川さん何やってんスかw
まさかこれが新型の学習装置(テスタメント)だったりして?w
短編書きました。
約3分後に3レス投下します。
暇つぶし程度に読んでください。
「実は昨日、こんなアプリをダウンロードしたんですよ!」
ま〜た佐天さんが変な物のプレゼンを始めたようだ。
美琴、白井、初春、佐天の四人組には、もはやお馴染みのファミレス「Joseph's」。
本日もそこでダラダラと女子会を開き、
女性特有の意味が有るのか無いのか良く分からない会話を続けている。
そんな中、佐天が何かを思い出したかのように自分のケータイを取り出し、
「そういえばこの前…」と話題を振った。
「アプリ?」
紅茶を一口飲みながら美琴が聞き返す。
「ええまぁ。無料だったからってのもあったんですが、ちょっと面白そうだったので」
「はぐはぐっ…もんあアプイらんえふくぁ?(どんなアプリなんですか?)」
巨大パフェを口いっぱいに押し込みながら初春が聞き返す。
「う〜ん…説明するより実践した方がいいかな。あと初春はちゃんと飲み込んでから喋ろうね。
じゃあ白井さん、ここに何か言ってみてください。何でもいいんで」
「わ、わたくしですの?」
佐天は自分のケータイを白井に向けた。
「な、何でもと言われましても……えー…ほ、本日も晴天なり……」
「はいOKです。これで白井さんの音声はインストールしました」
「え、あの佐天さん? わたくし一体何をさせられましたの…?」
音声をインストールという不穏な響きに、不安を隠せない白井。
佐天は「まぁまぁ」となだめ、次の段階に移行する。
「えーとじゃあそうですね………風紀委員ですの!」
今度は佐天がケータイに向かって一言発した。
「? 佐天さん、これで何が―――」
「焦らないでくださいよ。ここからですから。
あたしは今、『風紀委員ですの!』って言葉を録音しました。
これをさっきインストールした白井さんの声で再生すると……」
『風紀委員ですの!』
「「「おおお〜!!」」」
佐天以外の三人は思わず声を上げた。
佐天の言葉は、確かに白井の声で再生されたのだ。
「ねっ!? すごいでしょ! こういうアプリなんですよ!
まぁ、短いセリフしか録音できないのがアレですけど」
どこかの少年探偵が使っている、蝶ネクタイ型変声機に似たような代物だった。
しかも無料とはいえ、そこはやはり学園都市製な訳で、
非常にクリアな声で再生でき、本当に白井が喋ったとしか思えないクオリティである。
「犯罪に使われたらどうすんだ!」、という意見は学園都市の中の人間には通用しない。
だって学園都市には、こんなのいっぱいあるんだもん。
「へぇ〜、確かに面白いわね! 私もやってみていい?」
「勿論ですよ!」
美琴が食いついた。佐天からケータイを借り、自分の音声をインストールする。
「あー、あー、あー…これでもいいの?」
「大丈夫だと思います」
だが美琴の音声をインストールしたのに、美琴本人が再生用の言葉を録音しては何の意味も無い。
なので佐天はまず、初春に振る。
「じゃあ初春。何か喋って」
「え…ええぇ!? え、えっと……パフェおかわりしてもいいですか?」
『パフェおかわりしてもいいですか?』
美琴の声でパフェがおかわりされた。四人は歓声を上げる。
「ではお次はわたくしが……わたくしは黒子を愛しておりますの!」
『わたくしは黒子を愛しておりますの!』
美琴の声で白井【じぶん】に求愛した。その後白井は黒焦げにされた。
だがこの時の白井の行動がヒントになり、佐天は面白い事を思いつく。
「じゃあ次はあたしですね。……上条さんの事が大好きで〜す!!!」
「ぶっふっ!!!?」
佐天の言葉に、口に含んだ紅茶を盛大に噴射させる美琴。
次に佐天が何をするかなど分かりきっている。
『上条さんの事が大好きで〜す!!!』
美琴の声で上条に告白した。美琴の声で。
「ちょーっ!!! 何言ってんの佐天さん!?」
「そうですわよ! 悪趣味にも程がありますわ!!!」
慌てる二人だが、初春は何となくこうなる事が予想できていた。所謂いつものパターンである。
その証拠に佐天は楽しそうに弄り【あそび】続ける。
「上条さーん! 愛してるー!」
『上条さーん! 愛してるー!(美琴の声)』
「美琴を上条さんのお嫁にしてー!」
『美琴を上条さんのお嫁にしてー!(美琴の声)』
「上条さんに美琴の初めてあ・げ・る!」
『上条さんに美琴の初めてあ・げ・る!(美琴の以下略)』
もはや佐天の悪ノリは止まらない。というか、美琴はそんな口調ではないのだが。
美琴は口をパクパクさせてまま固まり、
「あっ、がっ、なっ……」
と言葉にならない言葉を発していた。
しかしこのままでは「ふにゃー」する危険もあるので、
「佐天さん、そろそろその辺にしといた方がいいですよ?」
と初春が止める。だが佐天の返事は、
「え〜? ここからもっと面白くなりそうなのに」
だった。鬼である。
「お、おほほほほ佐天さん。
わたくしが実力行使する前にその不快な音声をお止めにならないと、
わたくし自身でも何をするか分かりませ…あっ! いえ違いますわよっ!?
お姉様のお声が不快だとかそういう意味ではありませんの! あくまでもそのお言葉自体が―――」
白井も脅しにかかっているので、さすがの佐天もここらで止めておいた。
仕方ないので他の話題を振る。
「ところでその上条さんとはどこまでいったんですか?」
「「「佐天さんっ!!!?」」」
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
後日。ある意味ここからが本番だ。
「〜♪」
美琴はイヤホンで何かを聞きながら、街中を歩いていた。
朝から晩まで、暇さえあれば常にこうしており、何を聞いているのかは分からないが、
顔はだらしない程ニヤニヤしている。
更に時々、
「えへへ〜…私も〜♡」
と小声でブツブツ言っている為、常盤台の制服を着ていなければ不審者認定される所だ。
その上大音量で聞いているらしく、周りの音も聞こえていない。
なので背後からの、
「美琴? 何聞いてんだ?」
という声も聞こえていなかったのだ。
「美琴ー? おーい、美琴さーん?」
「にゅふふふふ…もう、何言ってんのよ〜♡」
「いや、何言ってんのはこっちのセリフなんですが?」
「もう! いっつもそんな事言うんだから!」
微妙に会話が成立していない。
仕方ないので美琴の背後から声をかけ続けていたその人物は、美琴の肩をトントンと叩く。
さすがに誰かいる事に気づき、美琴は振り返ってみた。
そしたらそこには、
「なっ!!! アアアアンタ、いつからそこにいたの!!!?」
「いつからって…ちょっと前からだけど」
上条当麻がいたのだった。美琴は急いでイヤホンを外す。
なのだが、余りにも慌てていた為、耳だけではなく、差込口からも引っこ抜いてしまった。
美琴の聞いていた『何か』が、大音量で流れ出す。
『…琴がいないと俺ダメなんだ。美琴の事が好きになりすぎて、胸が苦しくなって仕方がないんだ。
ずっと俺と一緒にいてほしい。絶対に幸せにするから、美琴の全てを―――』
それは上条の声だった。
上条には身に覚えの無い恥ずかしい台詞が、何故か美琴のケータイから溢れ出ている。
上条は知らない事だが、これは佐天が持っていたアプリと同じ物だ。
美琴はあの後、速攻でダウンロードしたのである。
サンプルになる上条の音声インストールには苦労はしなかった。
何故なら美琴は、ケータイでの上条との会話【やりとり】は、全て録音・保存していたからだ。
しかも美琴は自分の能力を使い、長台詞でも録音できるようにアプリそのものを改良したのである。
だが今はそんな事を説明している場合ではない。
「…あ、の……み…美琴…さん? これは一体…?」
当然の疑問。だが美琴から返ってきた言葉は、
「ち……ちが…違うの………これは…その……そういうんじゃなくて…その…………
とにかく違うのおおおおおおおおお!!!!!」
だった。そして盛大に捨て台詞を吐きながら、その場から消えたのだ。
「え、ちょ、美琴ー!!?」
小さくなる背中を見つめる上条。
残された美琴のケータイからは、自分の声の謎の恥ずかしい台詞が流れ続けていた。
『―――愛してるんだ美琴! もう美琴の事しか考えられないんだ! だから俺と―――』
「どうして美琴がこんな物を?」という疑問は勿論浮んだが、その謎を考えるのは後回しだ。
とりあえず今は『これ』を止めなくてはならない。何故なら人が集まって来たからだ。
大声で告白(肉声としか思えない程のクリアな声すぎて、道行く人は録音だと気づかない)
を続けていれば当然である。しかも上条は不幸体質である為、こういう時は必ず、
「上条当麻! これは何の騒ぎ!?」
「上条君。ちゃんと。説明してほしい」
「よくもまぁ、道のど真ん中でそんな事を言えるもんだにゃー」
「カミやんはアレやね。海に向かって『バカヤロー!』とか叫ぶタイプやね。てか死ね!」
友人が通りかかるのだ。
上条はお馴染みの言葉を心から叫んだ。
「不幸だー!!!」
『―――いや、幸せだよ。こうして美琴に会えた事が何よりの―――』
「携帯電話【おまえ】ちょっと黙れ!」
ちなみにその頃、常盤台中学女子寮の一室。
「お姉様どうなされましたの? 帰ってからずっと塞ぎ込んでおりますが……」
「聞かないでええええええ!!!!!」
美琴は布団を頭から被ったまま、その日はベッドから出てこなかったという。
さぁ、明日からの言い訳が大変だ。
以上です。
ではまた。
携帯電話につっこむ上条さんに笑ったw
GJ!
くまのこさんのっていちゃいちゃじゃないですね
痛いミコっちゃんw
とにかく面白いのがくまのこさんだからねwww
だがいちゃスレなのでギャグの中にもいちゃ要素は欲しいかなw
>>608
十分、いちゃいちゃしてると思う。
……妄想でだけどwww
くまのこさんは普段のギャグが逸脱だから、本当にたまに投下する王道が光る
にしてもいちゃいちゃの基準が人によって異なるから、最近少し荒れ気味だな
俺なんかは二人が互いに対して一途なら全然シリアスでもOK
前に途中でエタった喧嘩別れしたまま上条さん死亡は完全にNGだが、孤児院云々の話はここでも良いと思ったけどな
「しゃー! じゃあ何かいちゃこらしたの書いたらぁー! 見とけゴラァ!」
という訳で、誰かお題を貰えませんかね?
どうも自分は、いちゃいちゃしたのを書こうとすると、
内容がうっすいうっすいになってしまうもので……
リクがあれば書けると思うのですが…
節分で上条さんの不幸を払おうと奮戦するみこっちゃん
笑いを取りにいくのを止めたらひょっとしたらいちゃいちゃが書けるようになるかもね
いやいや笑いも大事でしょ
鈍感上条さんと一生懸命なみこっちゃんが好きだから、くまのこさんのSS大好きですw
個人的には恋人や両想いじゃなくても
二人が仲良く喧嘩してたりコントやってるだけでいちゃいちゃに見えるわw
今度の週末は、まとめサイトが24時間以上閲覧できなくなるなんて。
週末にまとめて見る人たちはどうやって過ごせばいいんだよー
浜滝を見て張り合おうとする美琴とかどうでしょう。
という訳で、>>612 さんの案で小ネタ書きました。
んー…やっぱり直球のいちゃいちゃとは違った物になっちゃいましたけど……
役3分後に2レス使います。
「豆まきするわよ!」
上条の部屋に入るなり、美琴は開口一番そう言った。
本日は節分。美琴はわざわざ邪気を払いにやって来た…というのを口実に、上条に会いに来たのだ。
「豆まき? いや、いいよ別に」
「何言ってんのよ! アンタ普段から不幸だ不幸だって言ってんじゃない!
こんな事でも少しは効果があるかも知れないでしょ!?」
「そんなオカルトじみた事を学園都市【ここ】で言われてもなぁ……
大体俺の不幸は幻想殺し【このみぎて】がある限りどうしようもない訳で―――」
「何を言っているのかな!」
二人の会話を聞いていたインデックスが割って入る。
てっきり上条の、「オカルトじみた云々」について異議を唱えるのかと思ったが、
「豆まきなんだよ! お豆をいっぱい食べられるんだよ!
鬼払いの儀式『追儺』は平安時代から行われている伝統的な行事なんだよ!
ここは日本人としてやっておくべきかも! お豆いっぱい食べたいんだよ!!!」
違ったようだ。豆が食いたいだけらしい。
「色々言いたい事はあるがなインデックス…
とりあえず節分ってのは、年の数しか豆を食わないんだよ! 腹いっぱい食ってどうする!?」
「なっ!!! 短髪があんなに大豆をいっぱい持ってるのに、
まくだけまいて少ししか食べないってどういう事なのかな!?
それじゃあ逆にお腹が空いちゃうんだよ!?
日本の美徳、MOTTAINAI精神はどこへやったのかな!?
いつもは節約しろとか言ってるくせに!!!」
「豆をたらふく食うとろくな事にならないんだよ!
ヤジロベーが仙豆を大量に食って、えらい事になってたのを忘れたのかっ!!?」
どんどん話がずれていく。
仕方が無いので、終了のゴングを鳴らすかのように、美琴は「バチバチッ!」と帯電させる。
「はいはい、終わったら好きなだけ食べていいから」
「ホントっ!!?」
目をキラキラさせるインデックス。そんなに食いたい物だろうか。
と、その時だ。
上条は美琴の荷物に、大豆以外の物が入っているレジ袋がある事に気がついた。
「あれ? その袋は?」
「ああ、これ? せっかくだから思いっきりやろうと思って、ドン・キで鬼のコスプレ買って来た」
「コスプレ…だと…?」
思わず生唾を飲む上条。
「張り切りすぎだろ」というツッコミが頭を過ぎらないほど、
「コスプレ」の響きに興奮した…のだろうか。
「んんっ! ま、まぁインデックスの言うように、伝統行事をやる事は悪い事じゃないよな!
うん! 日本人として!」
「……とうま? どうして鼻の下を伸ばしてるのかな…?」
「き、きき、気のせいですぞっ!!?」
インデックスのジト目に、慌てて体裁を繕う上条。
美琴は頭に疑問符を浮べたが、「まぁいいか」を思い直しレジ袋からコスプレ用品を取り出す。
「じゃじゃーん! どうよ!?」
「おおおお…おお……おぅ……」
「…何よ? 急にテンション下げちゃって」
思いっきり期待していた上条だが、美琴が手にしている物を見て心の底からガッカリする。
美琴が買って来た物は、鬼のお面と角が生えたアフロのカツラだった。
所謂ドリフの雷様コントのアレである。
最強の電撃使いである美琴には、お似合いと言えばお似合いだが。
せっかく買って来たのにも関わらずイマイチなリアクションを取る上条に、美琴は口を尖らせる。
対して上条も反論する。
「いやだって! お面とカツラ合わせて、角4本になってんじゃん!」
「べ、別にいいでしょ何本あったって!」
「それになぁ! 鬼のコスプレって言うから、俺はてっきり…俺はてっきり!」
そして上条は、全国の男子を代表して心の底から叫びをぶちまけた。
「トラ柄ビキニだと思ってたんだぞ!? 水着の美琴たんを期待してた、数秒前の上条さんに謝れ!」
正に魂の叫びである。
「ビビビ、ビキニとか何考えてんのよっ!!? だ、だだ、大体今は二月でしょうがっ!!!
水着が見たけりゃ、夏まで待ちなさいよ馬鹿っ!!!」
微妙にツッコむ所がおかしい美琴。夏になればいいのかよ。
「よっしゃ来い!」
「バッチコーイ」と両手をバチンと叩き合わせ、やる気満々の美琴。
美琴のコスプレ(お面とカツラだけだが)も完了し、
上条とインデックスも、持っている枡に大豆を入れて準備ができ―――
「もむもむもむ……はんふぁつ!(短髪!) おかわり!」
―――ていたのだが仕切りなおしだ。
山盛りだったインデックスの大豆が、何故か一粒残さず無くなっている。ミステリーである。
「食うなよ! まけよ!」
「…とうま。大豆っていうのは、畑のお肉って呼ばれる程に栄養があってね」
「聞いてねーよ! 大豆には良質なたんぱく質が豊富に含まれてるって事なんざ!」
テイク2である。
「よっしゃ来い! がおー!」
「鬼はー外ー」
「福はー内ー」
鬼が「がおー」と鳴くかは知らないが、ともかく鬼役の美琴に大豆を投げる上条とインデックス。
…と同時に、床に落ちた大豆を片っ端から食べていくインデックス。
しかしここで、上条が美琴に豆を投げる手をピタッと止める。
「がお……あれ? どうしたの?」
「んー…何つーか、このまま投げてもいいのかなって」
「別に対して痛くもないから、遠慮しなくていいわよ。アンタの不幸を何とかする方が大事でしょ?」
「そうじゃなくて…いや、それもあるけどさ。
鬼を追い出すって事は、今の美琴を追い出すって事だろ?
それって結局、意味無いんじゃねーか?」
「? どういう事?」
何となくで聞き返した美琴だったが、次の瞬間、上条からは思いもよらない言葉が返ってきた。
「だってこれ、俺の不幸を払おうとしてやってくれてんだろ?
なのに美琴を追い出しちまったら、そっちの方が不幸じゃねーか。
俺、美琴がいなくなるなんて嫌だぞ?」
余りにもさり気なく、余りにも自然に上条はそう言った。
この時の美琴とインデックスの表情を、何と表現したらいいだろうか。
どこかの国の諺に、「トマトが赤くなると医者が青くなる」という物があるが、
それに例えられるかも知れない。つまり、美琴がトマトでインデックスが医者である。
本来の諺の意味とは少し違うが。
上条は「何、二人して変な顔してんの?」とキョトンとしていたが、
この数十秒後、漏電【ふにゃー】と噛み付きのツープラトンを食らう事になる。
上条の不幸は、やはり豆まきぐらいでは払われないようだ。
以上です。
いちゃいちゃとギャグを両立させようとしたらこれが限界でした。
他にもリクあったらどうぞ。
ではまた。
くまのこさんGJGJ!
上条さんの無自覚なニヤニヤ発言も!w
くまのこさんGJです!
あとリクなんですが、柱の角に頭ぶつけて悪人になっちゃった上条さん
を美琴が元に戻そうとする話なんてどうでしょう?
くまのこさん素晴らしい////
ベタないちゃより上条さんの天然ぶりが出てて、原作っぽい分悶えるw
もうこれが原作でいいです!!
一日に何度も書き込んですみません。
小ネタ2本出来たので投下しにきました。
>>626-627 は>>617 さんからのリク、
>>628-629 は>>623 さんからのリクです。
約3分後に、2つ合わせて4レス使います。
浜面仕上と滝壺理后。
上条からすれば、共に何度も死線をくぐり抜けてきた戦友とよく知らない人。
美琴からすれば、ハワイで一緒になった元・スキルアウトと
8月19日に交戦した暗部組織・アイテムの一員。
共通の認識としては、「その二人は付き合っている」という事だ。
情報としては知っていたが、上条と美琴は改めてその事実を再確認する。
何故なら目の前オープンカフェのテラス席で、
「はまづら、ここは『あーん』するのが正しいマナー」
「い、いやでも周りから見られてるしさ!」
「大丈夫、はまづらは見られて興奮する性癖の持ち主だから。私はそんなはまづらを応援してる」
「バニー好きに続いて、変な性癖【オプション】つけないでっ!?」
いちゃこら(?)している姿を見たから。
「…よくやるなー、あいつら……」
などと暢気な感想を漏らす上条とは対称的に、美琴は感心していた。
(そうよ、これよ! これが本来カップルの有るべき姿なんだわ!)
美琴がそんな事を思うのには理由がある。
実 は 上 条 と 美 琴 の 二 人 も 付 き 合 っ て い る の だ。
数多なライバル達…具体的には、インデックス五和姫神妹達オティヌス神裂オルソラレッサー小萌雲川姉妹食蜂吹寄風斬結標バードウェイアニェーゼルチアアンジェレネサーシャサンドリヨンフレイヤエキシカ姉妹フロイラインシャットアウラ乙姫シェリーキャーリサオリアナヴェントフレイスフロリスサフリー獣少女etcetc。
上条に対する好感度はそれぞれ大なり小なり差があるが、全て上条にフラグを建てられた女性達だ。
ざっと挙げただけでもこれだけのライバルに勝利し、
見事「上条の彼女」という栄光を掴んだ美琴だが、何故かご不満の様子である。
(だって付き合い始めてから一ヶ月にもなるのに、まだ手も握ってくれないんだもん!
ああもう、この鈍感馬鹿! 少しはそういう所にも気づきなさいよねっ!)
相当ご立腹だ。
だが浜面達を見て、美琴も決心する。この鈍感男には、自分からリードしなくてはいけないのだと。
「私たちもそこのカフェ入るわよ!」
「え…でも昼飯にはまだ早―――」
「は・い・る・のっ!」
「―――……はい…」
美琴の迫力に負け、仕方なく店に入る上条であった。
テーブルに着き、上条はコーヒーを、美琴は紅茶とパンケーキを注文する。
せっかくなので上条も軽く食べられる物を注文しようとしたのだが、美琴に止められたのだ。
そこには勿論、理由がある。
ここからでも見えるオープンテラス。そこでいちゃいちゃしているカップルが先程言っていた事。
『ここは「あーん」するのが正しいマナー』
つまり美琴もそれがやりたいのだ。料理が一つなら、必然的に食べさせ合いをするチャンスも増える。
注文した物が到着し、美琴はさっそくパンケーキを一口サイズに切り分ける。
そしてそれをフォークに刺すと、
「ほ…ほら、口開けなさいよ……た、食べたかったんでしょ?」
上条の口元に持っていった。
「え…美琴が食うんじゃねーの?」
「アアアアンタねぇ!! どんだけ鈍いのよ!!
私だってもうすでに頑張りが許容範囲超えてんだから、これ以上間を空けないでよっ!!!」
真っ赤になりながらフォークを向け、思いの丈をぶちまける美琴。
そしてその言葉を聴き、今何をするべきかをやっと理解する上条。
上条は頭をポリポリと掻きながら、心の中で呟いた。
(ああ…そっか……アホだな、俺……)
今までこういった出来事に縁が無かった(?)上条にとって、
恋人っぽい行為など、全く考えもつかないらしい。しかしそれではきっと駄目なのだろう。
美琴だって本来、素直になれない性格なのに、ここまで頑張ってくれているのだ。
ここで何もしなければ、彼氏として失格である。
上条は口を大きく開けた。
「あー……んぐっ! …んぐんぐ…」
「お…美味しい…?」
「ごくっ! ああ、美味いよ。…美琴の味だ」
「なっ!!!?」
正直、「美琴の味」の意味が全く分からない。というか、上条自身も分かっていない。
美琴が頑張ってくれたから、上条も上条なりに頑張ってみたらしいのだが、
自分で言って速攻で後悔した。恥ずかしすぎである。
だが美琴は何故か言われて嬉しかったらしく、
「わわ、わらひにょあじとか……にゃにゃにゃ、にゃにへんにゃこといってんにょよ……」
顔からぽっぽぽっぽと煙を出しながら喜んでくれている。結果はオーライである。
「じゃ、じゃあ次は美琴の番な! ほら、口開けて?」
蒸し返されると尚更恥ずかしいので、とっとと次のターンへと移行させる上条である。
美琴が目を瞑って口を大きく開けた。
上条はフォークに一口サイズのパンケーキを刺し、美琴の口にそれを近づける。
その時だ。何気なくテラスの様子が目に入った。
どうやら浜面が、滝壺の口の周りの生クリームを、ナプキンで拭き取っているらしい。
上条は、「勉強になるなぁ」とカップルの先輩達に敬意を表する。
が、余所見をしていた上に美琴も目を瞑っていた為、
狙いが外れ、パンケーキは美琴の口内ではなく、頬の辺りに直撃した。
「にゃがっ!!? ちょっと、何やってんのよ!?」
「ああああ! 悪い!」
上条は慌ててナプキンを取り出そうとした。しかし、ここで上条の不幸発動だ。
(あれっ!? ナプキンが無い!!? おしぼり…は手を拭いちまったしなぁ……)
拭く物が無いのだ。だが美琴の頬には、べっとりと生クリームが付いている。上条のせいで。
仕方が無い、と上条は心に決めた。
ここは甘んじて、もう一度恥ずかしい思いをしてやろうと誓ったのだ。
上条は立ち上がり、そして、
「ペロッ…」
舐め取った。
舐めて! 取ったのだ!
美琴の頬に付いていた生クリームを、自分の舌で!
「なっ、ななな、な、な……………なあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!?」
さすがに予想できなかったらしく、美琴は声を上げた。
「お、落ち着けって美琴! その…アレだ……ほ、他に方法が無くてですね!!!
……って、あれ、美琴? もしもーし、美琴さーん!? 聞こえてますかー!?」
上条の言葉は美琴には届いていなかった。
何故なら彼女は、そのまま気絶していたからだ。
気絶する直前、美琴は薄れゆく意識の中で、こんな事を思っていたようだ。
(もう、お嫁に貰ってもらうしかない!)
、と。
美琴は第7学区の病院へとやってきていた。カエル顔の医者がいる、上条御用達の病院である。
上条御用達…そう、つまりここで上条が入院しているのだ。
『独自のルート』で上条が病院に運ばれた事を知り、速攻でお見舞いに駆けつけたらしい。
「また知らない所で何かを守る為に戦っていたのではないか」と心の底から心配した美琴だが、
医者は「柱の角に頭をぶつけたみたいだね?」と語っており、
ヘナヘナと力が抜けたのだった。怪我自体は大した物ではないらしい。
だが同時に、医者は気になる事も言っていた。
「…ただ頭を打った影響で、脳に何らかの後遺症が残る可能性は否定できないね?
彼が目を覚ましてからでないと、何とも言えないがね?」
医者はあくまでも、可能性の話をしただけだ。
しかし美琴の不安をかきたてるには、十分すぎるほどの言葉だった。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
美琴は上条が寝ているベッドの隣で、パイプ椅子に腰掛けながら彼の手を握っている。
(とっとと目を覚ましなさいよ……)
という美琴の願いが届いたかどうかは分からないが、次の瞬間、上条はパチッと目を覚ました。
「っ!!!」
「…よぉ…美琴……」
上条の意識ははっきりしているらしく、起きてすぐに視界に入った少女の名前も正確に言える。
どうやら心配はなさそうだ。
だが上条が起きた事は医者に報告しなければならないので、美琴はナースコールに手を伸ばす。
しかし、何故か上条本人がそれを止めるのだった。
「!? ちょ、ふざけてる場合じゃないでしょ?」
「俺なら平気だって。それよりせっかく二人っきりなんだから、もう少しこの状況を楽しもうぜ?」
「……は?」
違和感。
普段の上条からは想像できないような台詞だ。
「え、な、どうしたの…?」
「どうしたもこうしたもないだ…ろっ!」
「ひにゃっ!!!?」
そして違和感は、確信へと変わった。
先程の医者の言っていた事…『脳に何らかの後遺症が残る可能性』。
明らかに今までの上条と性格が違っていた。何故なら、
「な、ななな、何、私の胸をガッツリ揉んでくれてんのよこの変態いいいいいいい!!!」
それはもう、見事にモミモミしていたのだ。
「ミコっちゃんがお胸の事でお悩みなんじゃないかと思って、
こうやって大きくしてやろうという上条さんの優しさですよ。
決してやましい気持ちじゃありませんぞ!?」
「うううう嘘つけゴルァ!!! てか、ちょ、やめっ……そんな激しく…んあぁっ!!!」
思わず恥ずかしい声を出してしまい、顔が真っ赤に染まる美琴である。
対して上条は、益々調子に乗ってくる。
「おやおやぁ? ひょっとして感じちゃったのでせうか?
いけませんな〜! こっちはマッサージのつもりでやってんのに」
「…う…うっさい!!! いい加減止めないと、そろそろ本気で怒るわよっ!!?」
恥ずかしいのを誤魔化すかのように、美琴は声を荒げた。
だがそんな美琴を見透かすかのように、上条はニヤリと笑う。
「嫌なら手で払うなり、電撃ぶっ放すなりすればいいだろ?
そうしないって事は、実は美琴も満更じゃないんじゃねーの?」
「んなっ!!?」
今の上条は色々と鋭くなっている。非常に厄介である。
しかしその厄介さは、まだまだこんな物では終わらなかったのだ。
「つーか全然嫌そうに見えないんだけど、もしかしてアレか?
美琴センセーは俺の事が好きなのか?」
「なあああああっ!!!?」
モロ図星である。
「へえええ、そうなんだ〜♪ 道理で胸を揉まれても嫌そうにしない訳だ♪」
「あ…あああ…あ………」
美琴はもう、有り得ないくらい赤面していた。…そして胸を揉まれ続けていた。
とりあえず今の上条は何とかしなくてはならない。
医者に相談するべきか、食蜂の能力を借りるべきか、自分の電撃で何とかならないだろうか、
というか上条自身の能力【イマジンブレイカー】では直らないのか、
いっそ魔術とかに詳しいあのシスターに聞いてみようか、等々と様々な案が美琴の頭を駆け巡る。
が、一向に考えはまとまらない。
レベル5第三位の演算能力を持ってしても、今の上条からは抗えないのだ。
だってずっと胸を揉みしだかれているのだから。
…とりあえず、上条から離れては如何だろうか。
「は、ぁ…もう…ホント……や、めっ…………あぁああん!!!」
荒く息を吐き、段々何も考えられなくなっていく美琴。完全にアウトなレベルのプレイである。
しかし上条は更に攻める。
「……そろそろ胸だけじゃ物足りなくなってきたんじゃねーの…?」
「は…ぇ…?」
もう悪戯じゃ済まなくなりそうな所へと、上条は手を伸ばす。
その時―――
「なああああにをしとるんじゃこの腐れ類人猿があああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「タコスッ!!」
白井のドロップキックが上条の脳天に直撃した。
白井は風紀委員の特権をフルに使い、
愛しのお姉様のケータイGPSにちょっとした『細工』をしていた為、
美琴の位置情報が丸分かりなのだ。
もっとも今回に限っては、そのストーキング行為が功を奏した訳だが。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
「すんませんでしたっ!!!」
上条は上条家に代々伝わる、「ものすごく綺麗な土下座」を繰り出していた。
ショック療法というヤツだろうか。
白井からの、殺意が込められた強い衝撃【ドロップキック】を食らった上条は、
あっさりと元に戻っていた。
そして元に戻ってからやる事はただ一つ、誠心誠意ひたすら謝る事である。
未だに殺意の消えない(当然と言えば当然だが)白井は、
美琴になだめられ何とか落ち着きを取り戻しているが、
またいつ気持ちが沸騰するか分からないので、別室で待機してもらっている。
だが問題は白井ではなく美琴である。もはや全然目を合わせてくれないのだ。
「み、美琴…さん。えっと…その…本当に悪かった!
謝って済む問題じゃないけど、その……とにかくごめん!!!」
「べ、べべべ別に怒ってないしっ!!!!!
あ、ああ、あれはちょっとした事故みたいなもんだし!!?」
そんな事は無いだろう。
と、ここで上条は、性格が変わっていた時に自分が言った言葉を思い出す。
「ところでその……美琴が俺の事好きって…マジでせうか…?」
すでにいっぱいいっぱいだった美琴は、上条のその一言が色々な意味でとどめとなったのだった。
以上です。
少しはいちゃいちゃできましたかね?
ではまた。
623です。
くまのこさんリクに答えていただいてありがとうございます!
とても楽しく読ませていただきました!
機会があればまたリクエストしてもよろしいでしょうか?
く、くまのこさんの本気怖い((((;゜Д゜)))
萌え殺された挙げ句、きゅんきゅんして切ない初恋を思い出しちゃう///
>>631 さん。
いいですよー。ご自由にどぞー。
こんなんで良ければですけどw
あ、でも必ず書けるかどうかは分かりません。
特にバトル描写とかシリアス展開は無理ッス…
そっち方面はいちゃいちゃ以上に苦手なもんで……
ふぉぁああああ、悪条さんにドキドキしました!
うわくまのこさんコレ…
黒子のキックと別ルートの
ミコっちゃん食べられちゃうの読みたい///
もちろんいちゃエロスレで
くまのこさんへ
では遠慮なくリクエストします。
悪条さんふたたび!今度は一方通行まで!
どうする美琴!打ち止め!
むちゃぶりすみません。
…時期を明らかに過ぎたシーズンネタってどうしたら良いかな?
半ばまで書いたところで時期を過ぎてしまって困っているんだが^^;
シーズンなんて関係ねェ!
いっちゃいなさい!
では自分も! 最新刊よかったねということで総体さんかオティヌスちゃんを絡めたネタを一つ!!
初めまして、シラボネXと申します。ばかな小ネタを一つ。
上条美琴のバカップル一発芸
上条「どうも〜上条当麻で〜す。」
美琴「こんにちわ。御坂美琴で〜す。」
美琴「まずは砂鉄の剣を用意しま〜す。」
美琴「次に当麻の右腕を肩から切断しま〜す。えい!」
ザシュ!
上条「ぎゃああ!」
上条「うううう・・・・・」
上条「はあ!」
ずるん!
上条美琴「「はい!竜王の顎〜〜〜!」」
上条美琴「「ありがとうございました〜〜!」」
ピーポーピーポー
美琴「ふえ〜〜〜ん、当麻しっかりして〜〜」
救急隊員「バカだろお前ら・・・・」
END
いちゃいちゃじゃないなこれ。
乙です!みじんこうかさんの絵で脳内再生されました。
おつ! あほ過ぎるwwwwww
>>くまのこさん
リクエストありがとうございます。617は私です。
それにあの短時間であれだけの内容の小ネタ。しかもいちゃいちゃしてる!GJです!!
>>シラボネXさん
バ可愛い上琴ですね。次回作、期待します!
では、この前part1スレを少し見てきてみこにゃんが可愛くてしょうがない!
というわけで短編(?)一部投下します。
朝、美琴は規則正しく目を覚ました。
「ふわぁー。おはよう黒子」
同室の黒子も同じ様に起きてきた。
「おはようございますのお姉・・・さ、ま・・・・・・」
しかし黒子は美琴を見るやいなや、まるで信じられない物でも見たかの様な顔をした。
「どうしたのよ黒子」
「お姉様、その、お耳は・・・・・・」
「耳?」
美琴は両耳を触るが、特に変わった様子はない。
そういえば頭に少し違和感があるなと思い、頭頂部に手を伸ばす。
「・・・・・・」
ただ髪の毛が跳ね上がっているわけではない。
カチューシャみたいに上から付けている物ではない。どれだけ触っても取れるない。まるで生えてきたかのようだ。
美琴は急いで手鏡で自分を見た。
「あ、なっ!」
鏡に映ったのは、周囲を自身の髪で覆われた哺乳類の。正確には猫の耳が生えた美琴の顔。
「にゃによこれー!!?」
美琴の悲鳴が、寮内に響き渡った。
「朝っぱらから五月蝿いぞ!!」
怒鳴り込んできた寮監の目に映ったのは、猫耳を生やし、今にも泣きそうな美琴であった。
「・・・・・・白井。いくらペット厳禁とは言え、御坂を猫として扱うのは無理があるぞ」
「私ではありませんの!朝起きたらお姉様がこのような可愛いお姿に」
寮監はぐいっ!と美琴の猫耳を引っ張りあげた。
「痛い!痛いです寮監さみゃ!!」
しかし猫耳は取れず、美琴が悲鳴をあげるだけである。
「あ、ああ。すまないな」
どうやら本当に生えてきたらしい。
超能力が科学的に証明された学園都市では、こんな不可思議な現象も納得するしかないものなのだ。
しかしこのままの姿で登校させるわけにはいかない。
「御坂、心当たりは?」
「・・・・・・ありません。朝起きたら生えてました」
弱々しく答える美琴。さすがに可哀想に思えてきた。
「このままでは登校させることはできないな。せめて原因さえわかればな」
「・・・・・・あの」
「ん?」
「原因はわからないのですが、解決できそうな人間なら・・・・・・」
美琴は猫耳を両手で圧えながら言う。
「御坂、今日だけは特別だ。私服で構わん。その耳を隠してそいつのところへ行け」
「はっ、はい!」
一気に美琴の表情が明るくなる。
猫耳を何とかできるから嬉しいだけとは思えない。
もしかすると『そいつ』に会えるから嬉しいのでは?
「他の寮生が起きてくる前に急げ。それと常盤台生として恥じぬ身だしなみであるようにな」
最後に寮監は部屋を出ながらそう言った。
上条家の本日の朝食は食パンとベーコンエッグ。
そのほとんどをインデックスに取られてしまっており、その比率は7:3である。
食べ盛りの上条としては少し物足りないが、度重なる不幸による入院によって財政が圧迫。インデックスの分を減らせば噛み付き。上条が我慢するしかないのだ。上条としては、それ自体は文句はないのだが。
そんな朝食中に玄関のチャイムが鳴った。
(誰だ?こんな朝っぱらから)
隣の土御門はありえない。今頃大好きな義妹の作り置きのご飯を食べているはずだ。
他の寮生もわざわざこんな朝っぱらから来るとは考えられない。
そうすると、新聞の勧誘か。
とりあえzす上条は玄関を開けた。
「はーい。言っとくけど新聞の勧誘ならお断り・・・・・・だ・・・・・・」
しかし違った。
上条より少し小さい、紺色のパーカー。
フードを深く被って影で見えにくくなっているが、その人物が誰か、すぐにわかった。
「御坂か?」
「・・・・・・」
無言で首を縦に降る美琴。
何も言わないなど、普段の彼女ではありえない。
妹達に関わる事か。それとも別の事件か。とにかく心配だ。
「わざわざうちに来るんだ。何かあったんだろ?」
「ぇっと、その」
少しばかり戸惑いながら、美琴は言った。
「笑わないし、誰にも言わないって約束する?」
「大丈夫だ。言ってみろ」
美琴はキョロキョロと辺りを見渡してから、ゆっくりと、フードを取った。
「え!?」
そこに現れたのは、猫の耳が生えた、涙目の美琴だった。
以上です。続きはまた今度。
美琴のパーカーは超電磁砲絹旗のを想像していただければ
はりねずみさん乙です
やはり美琴にケモ耳生やすならネコミミが鉄壁ですねw
どうも、シラボネXです。まさか自分の書いた話に感想を書いていただけるとは、
いやはや恐縮であります。
次回作は難しいですね。自分文才無いですからあんなかんじの小ネタぐらいしか
書けませんよ。あんなのでよければいずれまた(ネタが思いつけばですが・・・)
あとはりねずみさん、続き楽しみに待ってます。
ネコミミ美琴か・・・
常好しさんの美琴が真っ先に思い浮かんだ
またバカな小ネタを一つ投下します。
上条美琴のバカップル子供のあやし方
赤ちゃん「ふえーん、ふえーん」
上条「美琴、赤ちゃんが泣いているな」
美琴「私達があやしてあげようよ、当麻」
上条「よし!あれをやるぞ美琴」
美琴「わかったわ!」
上条、赤ちゃんの前に立つ。
上条「ほーら、いないいない・・・」
美琴「砂鉄の剣!」
ザシュ!
上条「ぐあああ!」
上条「うううう・・・」
上条「ばあ!」
ずるん!
竜王の顎バーーーン!
赤ちゃん「キャッキャキャッキャ♪」
上条「笑った笑った!」
美琴「よかったね、当麻」
ピーポーピーポー
美琴「死なないで〜〜〜当麻〜〜〜」
救急隊員「学習しろよお前ら・・・・・」
END(ひでぶ!)
性懲りもなく命がけの一発芸を披露するバカップルもあれだけど、
それ見て笑える赤さんも赤さんだと思うの…
GJ!w
>>はりねずみさんGJです!
ミコっちゃんに猫耳装備はヤバイですよね!
めっちゃカワエエ…続き楽しみにしてます。
>>シラボネXさんGJです!
まさに「バカ」ップルw
面白かったです!
また短編書きました。
>>638 さんからのリクで、総体さんを絡めたネタです。
約3分後に4レスです。
上条は目の前の少女から声をかけられ、固まっている。
御坂美琴そっくりのその少女は、頭にゴーグル、
そして首には美琴と見分ける為に自分が買ってあげたペンダントをぶら下げている。
御坂美琴をオリジナルとして製造された体細胞クローン、妹達。
その中の一体、検体番号一〇〇三二号。通称(と言っても名付けたのは上条だが)御坂妹だ。
では何故、上条が固まっているのか。それは、
「やっはろー、上条ちゃん/return。最近どう?/escape パスタ巻いてる?/escape」
と、何とも頭の悪そうな挨拶をされたからだ。
普段の彼女なら、「こんにちは、とミサカは頭を下げつつすれ違いざまに挨拶をします」
とクールビューティーらしく声をかけられただろう。
明らかに様子がおかしいが、上条はその口調を知っている。
オティヌスの創り出したあの世界。上条以外の人間がみんな幸せに暮らせるあの世界。
上条が自ら命を絶とうとした時、助けてくれた少女。
「お…お前……もしかして『総体』か!?」
「ピンポンピンポン大正解〜/return。一〇〇三二号だと思った?/escape
残念、ミサカネットワークの『大きな意識』、総体ちゃんでしたー☆/return」
「…で、御坂妹の体を借りてまで、何しに来たんだ?」
「ひっどーい!/return 『元の世界』でまた会おうって言ったじゃん!/return」
「言ったか?」
「…あれ?/escape そう言やアンタに直接言った訳じゃなかったっけ/backspace。…まぁいっか/return」
総体はマイペースに、あまり気にした様子もなく上条の質問に答える。
「実はさー、結構困ってんだよね/return」
「困ってるって…何にだ?」
「戻れなくなっちった☆/return」
サラッと答えた。結構な一大事を。
「えっ!? も、戻れないって…まさか御坂妹にって事か!?」
「うん、そう/return」
「うん、って! ヤバイんじゃねぇのかそれ!?」
「いや/backspace、解決方法がない訳じゃないから/return。アンタの協力があればだけど/return」
「協力…? わ、分かった。何でもやるよ。…俺に出来る事ならだけどな」
総体はニヤリと笑った。これこそが彼女の狙いだったのだ。
わざわざ「元に戻れない」と『嘘』をついた甲斐があったという物だ。
嘘…そう、嘘なのだ。彼女はその気になれば、この体を一〇〇三二号に返す事など造作もない。
しかし、貴重な『チケット』を使ってまで上条に会いに来たのだ。
このまま何もせず帰る訳にもいかない。
彼女にだって来た理由があるのだ。それを果たすまで体を返せない。
少し卑怯かも知れないが、それまで一〇〇三二号には人質となってもらう。
「私の言う通りにすれば大丈夫だから/return。
……あっ、『私の言う通りにすればこの娘は解放してやる』って、
ちょっと中二病っぽくね?/escape」
イチイチ無駄口の多い意思である。
「で、何すりゃいいだよ」
「ああ、簡単簡単/return。お姉様といちゃいちゃすりゃあいいだけだから/return」
「……………はい?」
サラッと答えた。結構な一大事を。
『上条と美琴の距離を縮める』…これこそが、ミサカネットワークの大きな意識だったのだ。
だが一つ疑問が残る。そもそも妹達全員に上条とのフラグが建てられているのに、
何故お姉様の恋を応援するというが大きな意識として表れたのか。
実は妹達は、「命の恩人である上条ともっと仲良くしたい」という意識の他に、
「生みの親であるお姉様にも幸せになってほしい」という意識があったのだ。
前者と後者では、勿論、前者の想いの方が大きいが、しかしそれはあくまでも、個人的な感情なのだ。
つまり、妹達全員同じように「ミサカは上条【あのひと】と仲良くなりたい」と思っていても、
そこにはそれぞれ「ミサカ(10032号)は」だったり「ミサカ(19090号)は」だったりする訳だ。
しかし「お姉様にも幸せになってほしい」というのは、それとは違う。
何故なら御坂美琴というオリジナルは、世界でただ一人なのだから。
故に皮肉にも、妹達全体の総意としては、「お姉様の恋を応援する」という結論になってしまうのだ。
と、そんな裏事情がある事など全く知らない
(と言うか、美琴や妹達にフラグが建っている事すら知らない)上条は、
総体の言葉に、ただただ困惑していた。
「え、あ、えええ!!? ほ、他に手はないのか!?」
「ないよ/backspace。詳しく事情を説明できないけど/backspace、断言はできる/return。
それに、いつもみたいにその右手で解決しようとしても無駄だから/backspace。
そりゃ一時的には私も消えるけど、問題そのものが解決しない限りまた出てきちゃうし/return。
…あっ、『この世に悪がある限り、私は何度でも蘇る』ってのも中二病っぽくね?/escape」
「あーいや、右手が使えるとしてもその方法は取らないよ。
だってそれって、無理やりお前を消滅させる【ころす】って事だろ?
そんなの、俺にできる訳ないじゃないか。お前は俺の、命の恩人なんだからさ」
当たり前のように無意識に口説く上条。さすがは魔術の神ですら攻略した男である。
総体は「ぽっ…」と赤くなる顔をブンブンを震わせる。ここで自分が落ちてしまったら本末転倒だ。
「けど本当にそれしか方法はないのか?」
「だ、だからないってばっ!/backspace」
上条は溜息をつき、仕方なくその条件を呑み込む。
「…はぁ…しゃーない。美琴にはちっと我慢してもらうか」
上条に電話で呼び出された美琴は、あからさまにソワソワしていた。
普段から滅多にかかってこないので、緊張と期待をしつつも、どこか警戒もしているのだ。
割合で言えば、緊張79%:期待20%:警戒1%である。
「あ、わ、悪いな。急に呼び出しちまって」
「べ、べべべ別に気にしてないけどっ!!?
い、いつもだったら忙しくてアンタの用事なんて後回しなんだけど、
きょ、今日はたまたまヒマしてたとこだし!?
だだ、だからその…アンタに呼ばれたのが嬉しくて来た訳じゃないからっ!!!」
どの口が言うのか。電話を切った数秒後に部屋を出たくせに。
外出時は制服着用という常盤台の校則が、美琴にとって逆に幸いしたようだ。
そうでなければ、どんな服を着て行こうか確実に迷っていただろう。
「で…な、何の用なの?」
「ああ、それがさ……えっと…言いにくいんですが、特に用はないと言いますか……」
「はぁ?」
「あ、だから、用がある訳じゃないんだけど、ただ美琴に会いたかったっつーか…
美琴と会って話がしたかっただけっつーか……それじゃ理由になりませんかね…?」
「んなっ!!?」
上条の口から飛び出したトンデモ発言。
その場でカチコチになる美琴に、上条は心の中で思った。
(…これで本当にいいのか…?)
「これでいいのか」という感想は、先程の台詞が用意されていたからに他ならない。
そう、上条は事前に総体と打ち合わせをしていたのだ。
―――
―――――
―――――――
『まずは電話で呼び出さなくちゃ始まらないよね/return』
『理由はどうすんだ?』
『理由?/escape』
『意味も無く呼び出す訳にもいかないだろ。それこそ怪しまれる』
『そんなもん必要ないでしょ/backspace。
適当に「ただ会いたったから」とか言っときゃ大丈夫だよん/return』
『そんな無茶な……』
『無茶でも何でもやってもらうよ/return。一〇〇三二号の為にもね/return
それにアンタが心配するような事にはならないと思うよ?/escape そこは保障してやるさ!/return』
―――――――
―――――
―――
(総体はああ言ってたけど、やっぱ怪しまれちまうんじゃ……)
だが上条の不安は杞憂に終わる。
「へ、へえええ…あ、あああ、会いたくなっちゃったんだ…私に……
だ、だ、だったら仕方ないわよね! う、うん。仕方ない仕方ない」
(あれ意外っ!? 何か本当に大丈夫だったよ!?)
まずは第一関門突破だ。次の作戦に移行する。
(えっと次は……)
―――
―――――
―――――――
『そしたら思いっきり抱き締めてね!/return』
『何でだよ!!!』
『いいからやるの!!!/return 理由とかイチイチ必要ないでしょ!?/escape』
『あるよ! 大いに必要ありますよ!!!』
『あーもう、うっさいなぁー!!!/return アンタに拒否権はないんだってばっ!!!/backspace
私の言う通りにする以外に解決方法はないんだから、大人しく言う事を聞けやコラァ!!!/return』
『で、でもこればっかりはちゃんと理由がないと、不審がられるだろ!!!』
『あーじゃあ…「君が寒そうに震えていたから」とでも言っとけ/return』
『俺、どんなキャラ設定!? んな事、キザったらしくて言えるかぁ!!!』
『……………』
『…何でせうか? その「何を今更」、みたいな顔は……』
―――――――
―――――
―――
「(よ、よし!)美琴!」
「な、な、何…………何いいいいいいぃぃぃぃ!!!?」
上条は、美琴にガバッと抱きつき、そしてそのままギュ〜ッと抱き締めた。計画通りである。
「ななななな何してんのっ!? ねぇアンタこれ何してんのおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!?」
「あ、あああの、その……き…君が寒そうに震えていたから、
お、俺が温めてあげようかと思いましてですね……」
「あたたたたたためっ!!!?」
少しアドリブもかます上条。本当はノリノリなんじゃないだろうか。
「や…やっぱ…離れた方がいいですかね…?」
「べちゅに…むりしてはにゃれりゅひちゅようはにゃいけろ……」
お互いに真っ赤である。
(ううぅ…すんげぇ恥ずいけど、御坂妹の為だもんな……)
美琴がグルグルと目を回し始めたのを確認した上条は、最終段階に進もうとする。
―――
―――――
―――――――
『んでお姉様がこれ以上ないくらい赤面して、ろれつも回らなくなってきたら仕上げね/return』
『それ以上何すんだよ……』
『そりゃもう、「それ以上の事」だよ/return』
『激しく嫌な予感っ!?』
『だ〜い丈夫、大丈夫/return。そこまでやったら後は勢いでいけるから/return。
耳元で「愛してるぜ美琴」って囁いて、唇にキスするだけ/return」
『……………』
『あれ?/escape どうしたの黙っちゃって/return」
『………るか…』
『なに、聞こえない/backspace』
『できるかって言ったんだよっ!!! いくら何でもさすがに無理だろそれっ!!!』
『何だよ意気地なしー!/backspace この体を一〇〇三二号に返さなくてもいいの!?/escape』
『だからってお前…キ、キキキ、キスとかっ!』
『…じゃあキスはしなくていいよ/return。告白だけで/return』
『いいんかいっ!!!』
―――――――
―――――
―――
(…よく考えたら、何で俺こんな事してるんだろ……)
考えたら負けである。
上条は「キスしなくてもいい」という総体の譲歩があったから折れた…ように見えるが、
実はこれも総体の罠である。
初めからあらかじめ高めのハードルを作っておき、
相手と取引をする時にあえてそのハードルを取り下げる。
すると相手は、「まぁ、それならいっか」となってしまうのだ。
おまけにハードルを上げたままの状態で相手が条件を呑んでくれても、こちらは損をする訳ではない。
今回のケースで言えば、むしろ願ったり叶ったりである。
もっとも残念ながら、上条が「キスをする」という条件を呑む事はなかったが。
上条は覚悟を決め、美琴を抱き締めたまま耳元でそっと囁いた。
「あ、あああ、あ……ぅあいしゃーてぃーるぃずぇー、美琴………」
だがグッズグズであった。
さすがにハッキリと「愛してるぜ美琴」は無理があったようだ。
しかし美琴はレベル5、第三位の演算能力の頭脳を持った少女だ。
上条が残したこの暗号を、頭の中で瞬時に解く。
(ぅあいしゃーてぃーるぃずぇー? ぅあいしゃーてぃーるぃずぇー………
ぅあいしゃーてぃーるぃずぇー → あいしーてぃーるずぇー → あいしーてぃるぜー →
あいしーてるぜー → あいしてーるぜー → 愛してーるぜー → 愛してるぜ → ―――)
「おおお、『お前の事を、心の底から愛してるぜ。
もうお前と離れられなくなっちまったんだ、だからこれからもずっと俺と一緒にいてくれ』……
ですってええええええええええぇぇぇぇぇぇ!!!!?」
「あっれえええええ!!!? 俺そんな長文言ったっけえええええ!!!?」
二人して、てんやわんやである。
その様子を影からずっと見ていた総体は、満足したらしく、そのまま御坂妹に体を返却した。
消える間際、彼女はこう言い残して去って行ったという。
「……うん!/return 結果オーライ☆/return」
オーライではない。
以上です。
>>635 さん、>>636 さんすみません…
せっかくリクいただいたのに、ネタが浮びませんでした……
ではまた。
くまのこさん流石です。
>>シラボネさん
やっぱりバ可愛いな。GJです。
>>くまのこさん
オーライじゃない?これからオーライになればいいのさ!GJです!!
それではみこにゃんネタ行きます
「・・・・・・」
何なんだろうか。この可愛い小動物は。
少なくとも上条の知る美琴は活発でビリビリで、弱気を見せるような人間ではない。
というか何故猫耳少女になってるの?ビリビリ属性だけじゃ物足りないのか?
でも流石に聞くのは可哀想だと上条は思った。
「こんなことになってるから、アンタのとこに来たのよ」
つまり右手で触れと。しかし、本当にそれでいいのだろうかと上条は迷った。
『年下ビリビリ涙目猫耳娘』
こんな貴重で可愛い属性を、幻想と言い切り消し去ることができるのか!?
否!断じて否!!
「もうちょっとそれでいいんじゃないか?」
「さっさとしなさい!!」
ビリビリビリー!!
美琴の前髪から放たれた電撃は上条へ真っ直ぐに向かう。
けれどもこんなことは日常で、『右手』に吸い込まれるように消えるのも、いつものことである。
「はぁ、わかったよ」
渋々右手で美琴の頭に触れる。
モフッ。猫耳が手の動きに合わせて形を変え、心地良い。
モフモフッ。撫でられる彼女の髪から放たれる香りが、上条を刺激させる。
モフモフモフモフッただ欲望のままに、美琴の頭を撫でくり回す。
モフモフモフモフモフモフモフ!美琴を顔を熟れたトマトの様に赤くさせ固まっている。
モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ!!もはや彼を止める者など――――
「とーうーまー!」
――――いた。
あの後は当然の如くインデックスに噛み砕かれ、顔中に彼女の歯型がくっきりと残っている。
取り敢えず美琴を部屋に入れたが、美琴は体育座りをして顔を隠し、インデックスに慰めてもらっている。
その内美琴は恨めしそうに言う。
「私を辱めて。責任を取りなさい」
「その言い方には語弊がありませんかね美琴さん!?」
「とうま?」
「うっ、ご、ごめんなさい」
ギロリと睨むインデックスに、上条は怖じ気ついてしまった。
それから少しして美琴は目が出る程度を顔を上げて、上条を睨む。正直それも可愛い。けれどそれを口に出したら、今度こそインデックスに食い殺されそうだ。
「・・・・・・もういいわよ。そんなことよりこの耳よ。これじゃあ外を彷徨けないのよ」
美琴も何か能力のせいだと思ってここに来たのだろう。
先ほどは忘れていたが右手で触っても猫耳は消えなかった。
右手で消えないのなら超能力でも魔術でもない。上条ではどうしようもないのだ。
本当に美琴も困っていたとしても。
「悪いけど、俺が右手で触っても消えないんだ・・・・・・病院行こう」
「・・・・・・私は外を歩くのも嫌なんだけど」
はぁ、と上条はため息を吐き、
「しょうがない。人通りの少ない昼間に行こうぜ」
これ以上休むと本当に留年しかねないが、インデックスに任せるもの心配だ。
用事があるので休むと、小萌先生に連絡する為に上条は携帯を取り出した。
以上です。
もしかしてまだ属性増やすかも?
総体ネタよかったです!あと636のリクはやっぱむちゃぶりでしたね
すみません・・・・
あと>>652 さん、くまのこさん感想ありがとうございます!
冷静に考えるとあれは赤ちゃんにはトラウマですかねww
うらぁ!! 会社はわたくしを殺す気かーーーー
ども、・・・です。
結構間が空いちゃいました。
もしも待ってた人とかいたらごめんなさい、まぁ、いないか
でも私はみなさんを待ってましたよおおおおおお!!!
はりねずみさん
>>598
なるほど勉強になった、芳川GJ!!!
邪馬台国、の次は古墳、飛鳥、平安、鎌倉……
次はどうなんのかなー(笑)
>>646、663
美琴+猫耳+上条=私萌死確定
そうして二人は町へ行くわけですな!!
……直さないでよくね?
くまのこさん
の前に、
くおらぁ!! くまのこさんの作品に文句いったのだれだぁぁぁぁああ!!
まったく、おかげでこんないいのが読めただろうが!!
どう落とし前つけてくれんだ!!! ありがとう!!!!
>>603
仕方ない、一部始終を説明して、本人の声で録音するしかないだろ。
しかし、やっぱあれだな、美琴いじりにおいて佐天さんはLEVEL5だな、
因みに上条はLEVEL6だ無自覚で
>>620
この天然タラシこそカミやんの真骨頂。
さらにどれも本心だから大問題だ。
……一生ぼこぼこにされてたらいいよ、それでみこっちゃんに看病されてな
>>627
この天然タラシこ略
いい先輩に恵まれて、しかも上条の行動力があって、
すぐに素晴らしいバカップルになれるは爆発しろ
>>630
この天ね……ってちがーう!!
あれー、ここいちゃエロではないはず(笑)
なるほど、続きはあっちですかな(笑)
>>659
この天ね……これは半分養殖か。
もういっぱいいっぱいな二人最高!!
そして総体さん、放置ですかそうですか。
くまのこさんのホンキこわい
シラホネXさん
>>640、651
なにこの愛すべきバカたち
これに振り回される救急隊員がかわいそうだよwww
このバカップルはそろそろ冥途返しもさじを投げそうだ。
いやー、このスレがないともう私は生きていけない。
では投下します。
お暇ならお付き合いください。
それでは
そわそわそわそわそわそわ……
とある二人はマンションの一室でそわそわしていた。
一人は男、整髪料がないため、いつもより元気がない髪の毛。
その頭をかいたかと思えば、腕をくみ、次に頬を掻く。
それを繰り返す。
ちなみにお顔はまっかっか。
ご存じ上条少年である。
一人は女。寝起きのため、ヘアピンはない。
両手をほほにあてたかと思えば、とろけた表情になり、頭を振り回す。
それを繰り返す。
ちなみにお顔は、上条の比じゃない。
ご存じ美琴お嬢様だ。
二人は背を向けあって壁に向かってうじうじそわそわしている。
いい加減うっとうしいぞ。
たかだか抱き合って寝てただけだろ。
「「だ、だって!!!!」」
「「/////////////」」
前日もやってたじゃん。
(でも、あのときは間にインデックスいたし……)
(どっちかっていうと仕方なくって納得いったし……)
(でも今回はインデックスが先に起きちゃってたわけで……)
(だから……)///////////////////
(つまり……)/////
ふわふわ
((ん??))
目の前に、
緑色の両生類が浮かんでいた。
部屋中を大量のゲコ太達が旋回する。
「…………あー、全部夢だったのね、納得だわ、あまりにも非日常的だったし」
「おーい、現実逃避するな、現実が現実っぽくなくてもだ」
原因は
「だー、だー、げーーーこーーーー!!!」
当然あの子なわけで、
「はぁ、インデックス、おいで!!」
「う? ……まーま!!」
しまいにはふわふわ飛んできた。
「インデックス、よーく聞いてね」
「だう?」
「今から魔術は使ったらだめね」
「うう?」
「使ったら、私たち一緒にいられなくなっちゃうからね」
「うー……あい!!」
「あはは、本当にわかってくれたのかなぁ?」
ぼけーっとそこに視線が行く。
(そうだよなぁ、一緒にこれから住むんだよなぁ)
ツンツン頭にゲコ太があたり、ぽふんという間抜けな音がした。
上条は気づいていない。
自分が笑顔になっていることに。
でも美琴は気づいていた。
(な、なんじゃあのやさしい笑顔はーーーーーーーー!!!!!)
「まーま?」
(やめて!! ほんとに、ふにゃっちゃう!!!!)
いや、自覚あるのかよ。
そこで突然上条が立ち上がる。
「ぴゃい!!!!!」
「……なんちゅー声してんだよ」
「な、なによ」
「インデックスも暇そうだしさ、いい天気だし」
確かに今日も入道雲がそびえたつ、いい天気である。
「今後、一緒に住むんだし」
(さらっと言うな!!!!)///////////
「必要なもの買うついでに散歩にでも行こうぜ!!」
「ふぇ?」
またか。
木漏れ日が降り注ぐ。
湿気を含んだ熱気の中、たまに通る風がやさしく髪をなでる。
大通りを歩く二人、女性に抱っこされている一人。
「代わろうか?」
「ん? 大丈夫」
「そっか」
再び風が通る。
心地よい。
上条は昨日のことを思い出していた。
ローラとのやり取りをだ。
何故、御坂があそこまでしてくれたのか。
こうも自分を助けてくれるのか。
上条には分らない。
一方、美琴も上条のことを考えていた。
(へ? へ? 名にこの状況??)
(これじゃあ若井ふう、ふう、ふうふみたいjyにゃい)
変換がうまくいかないほど混乱しているようだ。
上条はシリアスモードなのに、困ったものである。
「あう!! あー、うー」
「どしたの? インデックス?」
「? ……ああ、あれが食べたいのか?」
そこにあったのは、アイス屋であった。
数分後、
3人はベンチでアイスを食べていた。
「まーま!!」
「ん?」
目の前にはインデックスの小さな手に握られたスプーン。
その上にはアイスが乗っている。
「まーま!! あーん!!」
(かわいいいいいいい!!!)
フェブリの件からもわかるように、彼女はかわいい子が大好きだ。
だから当然……
「あーん」
「まーま?」
「うん、美味しい!!」
「まま、おーしー!!」
(かわいいいいいいいいいいいい!!)
メロメロである。
インデックスは再びアイスをすくう。
そして……
「ぱーぱ!! あーん!!」
なんて言いやがった。
(ん? あれー? あれはついさっきわたしが口に入れていた気が……?)
「あーん」
「ぱーぱ、おーしー?」
「美味しいぞ」
(え? あ、アイツ、食べた!!?)
「まーま、あーん!!」
「ふぇ!!?」
(それはついさっきアイツが!!!!)
「まーま?」
正面の上条が目で語る!!
早く食べてやれよと!!!!
アワアワしていた美琴はついに覚悟を固めたのか、
きっと目をつむり、
勢いよくスプーンに食らいついた。
そこで意識が強制シャットダウンしたのだった。
さて、みなさん、話が変わるが忘れてほしくない大前提がある。
「あっ、初春ーーー!! こっちこっ……白井さんどうしたの?」
「あぁ、佐天さん。それが、常盤台の寮が改修中で……」
「お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様……」
「二日間、御坂さんに会えてないらしいんです」
「えっ、それだけでこの症状なの?」
「はっ!! こっちからお姉様の香りがしますわーー!!」
「ちょちょっと!!」
「白井さん!!?」
上条当麻は、不幸である。
以上です。
ペースが、遅いぜい
黒子がいつも以上にデンジャラスやw
乙です
乙です
ああ・・・いいバカップルネタがでてこない・・・
マシュマロ見る→みこにゃん思い出す→ほっこりする。
マシュマロフォンデュにする→みこにゃんを想像する→ほっこりする。
マシュマロを食べる→マシュマロを食べるみこにゃんを想像する→ほっこりする。
みこにゃんを想像する→さらにみこにゃんを想像する→ほっこりする。
結論。みこにゃんは可愛い!!
>>・・・さん
お勤め御苦労さまであります!!
どうすんだよ。絶対いじられるじゃん。よくやったぜ黒子!GJです!!
それではみこみゃんネタ行きます
上条は美琴と共に彼がいつもお世話になっている病院に来ていた。
ある医者にだけ、猫耳を打ち明け検査をしてもらった。
「さすがの僕にも無理だね?」
どんな病気や怪我でも、患者が生きてさえいれば必ず治すと豪語し、実際に治してみせる医者、冥土返し。
そんな彼ですら匙を投げた。
「そんな……だって、どんな怪我や病気だって治すって言ったじゃないですか」
嘆く美琴に、冥土返しはカルテを見せながら説明をする。
「この耳は神経系が鼓膜と繋がっているね?」
つまり、と冥土返しはもうしわけなさそうな表情で美琴を見る。
美琴もそれがどういう事か、わかっているかのようだ。
「無理にその猫の耳を取ると、聴覚が低下する恐れがあるから、僕としては手術はお勧めできないね?」
はい。と美琴は頷くなだけで、上条は何もできずに申し訳なくなる。
「それでも君達は僕の患者だからね?患者に必要な物はそろえるよ?」
そして冥土返しは上条を見て言う。
「僕は肉体的な怪我は治せても心のケアはできないからね?彼女を支えるのは君だよ?」
「……はい。ありがとうございました」
美琴にフードをかけてやり、病室から出て行った。
「……ごめん」
病院の廊下を歩きながら美琴は上条に謝った。
「何で謝るんだよ」
「学校を休ませてまで巻き込んで、迷惑でしょ?もういいわよ」
上条から離れようとする美琴を、それは違うぞ。と上条は引きとめた。
「別に迷惑だなんて思ってないし、俺はその耳、可愛いと思うけどな」
「か、かわっ!?……――!!」
フードを更に深く被りながら、スタスタと上条を置いて早歩きで行ってしまう。
「あ、おい御坂!」
上条も置いてかれまいと、足早に美琴を追いかけた。
6時ごろ、美琴は電話をしていた。
「――はい――――で、―――」
相手は寮の管理人だろうか。
「そうです――――すいません――」
美琴は普段上条には見せない低姿勢だ。
言葉使いも丁寧であり、相手を良く思わせる。こんな所でも、育ちの良さというものが現れる。
「え?……あ、はい」
美琴は携帯を耳元から離すと、携帯を上条へと差し出す。
「寮監様から、アンタにって」
上条は携帯を受け取り、耳元に近づけた。
「ただいま代わりました」
『君が上条君か。御坂が世話になっているな』
それは20から30代の間の女性の声だった。
声だけでも、威圧感を感じるが、それは見ず知らずの男から生徒を守る為のものだろうか。
「いえ、俺は大丈夫ですよ」
『そうか大体の事は御坂から聞いている……ものは相談なんだが』
「何でしょうか?」
『御坂の耳が元に戻るまで、そちらで預かってはくれないかね?』
…………。
上条は固まってしまった。
年頃の男の部屋に自分の寮生を泊らせるなど、何を考えているのだ。
「え、いや、だって、そんな」
『これは御坂からの頼みでもあるのだ』
「……御坂の?」
『本来はこんなこと認められないのだがな、事情が事情だ。あの恰好で登校させるわけにも行かないからな。学校の方にはインフルエンザだと言っておけば一週間は誤魔化せる』
「いいんですか?」
『あの御坂が頼み込むほどの男だ。信用はするさ』
寮監のこの言葉で、上条は覚悟を決めた。
「わかりました。この上条当麻。責任を持ってあなたの生徒を預からせていただきます」
『頼んだぞ』
そう言って、通話は終わった。
上条は美琴に携帯を返しながら言う。
「そういうわけで、しばらくはよろしくな、美琴」
「お、お願いします」
美琴も下を向きながら返事をした。
以上です。
さて美琴を飼……預かることになって上条さん。どうなることやら。
猫耳、治さなくてもいいけど、悪化させても、いいんじゃね?
はりねずみさんGJ!
しかし・・・治さなきゃダメでしょww可愛くてもww
どんどん猫化が進んだりしたら良いですな!
喉をナデナデしたら気持ちよさそうにしたりとか
・・・あれ、猫化してなくても反応変わらない気が
どうも、シラボネXです。また小ネタ投下します。
上条美琴バカップルでドOフのあのコントをやってみた
上条「美琴〜美琴〜」
美琴「誰よ〜?」
上条「お前の当麻だぞ〜」
美琴「本当に私の当麻なの〜?」
上条「そうだぞ〜」
美琴「私の当麻ならあれができるわよね〜いくわよ〜」
美琴「砂鉄の剣!」
ズバシュ!
上条「あがああ!」
上条「うううう・・・・」
上条「はあ!」
ズルン!
竜王の顎バーン!
美琴「わ〜!私の当麻だ〜」
上条「はっはっはっは!」
ピーポーピーポー
美琴「当麻〜!当麻〜!」
救急隊員「だめだこりゃ・・・・」
END(ひでぶ!)
これにてバカップルシリーズ完結です。
いままでありがとうございました〜!では!
>>はりねずみさんGJです!
寮監さんからの許可も貰ったし、
これからは(これからも?)思う存分いちゃいちゃできますな!
>>・・・さんGJです!
黒子の禁断症状がヤベェ!
子供の頼みじゃ仕方ないですよね。間接キスしても。
>>シラボネXさんGJです!
シリーズ完結お疲れ様でした。
是非また書きに来て下さい。
くまのこです。短編書きました。
元々、我道さんへの年賀状代わりに書いた物なのですが、
その我道さん本人が「投下してもいいよ」と仰ってくださいましたので、
投下させてもらいます。
「ハルヒのエンドレスエイトを禁書で」とのリクでしたので、
ハルヒ役を美琴、キョン役を上条さんがやってます。
それと我道さんが加筆した部分もあるので、
コテは「我道&くまのこ」名義にしてあります。
約3分後に、16レスくらいです。
8月16日、上条はルンルン気分で学校から帰宅していた。
周りの人間達が三週間以上前から夏休みに突入している中、何故彼は学校へ行っていたのか。
それはご存知、補習である。
色々とギリッギリで何とか進級した上条は、夏休みの大半を補習と共に送っていた。
だがそれも今日までだ。本日、その補習地獄から彼は解放された。
彼にとって、明日からが夏休みなのである。
だから彼はルンルン気分なのだ。調子に乗って、スキップまでするほどに。
「いっや〜! 上条さん、今とっても解放的ですぞ〜!」
そして訳の分からない独り言を呟くほどに。
そんな上条に、ある少女が肩をポンと叩きながら話しかけた。
「ちょろっと〜?」
美琴だ。
「何、変なテンションで歩いてんのよ」
「やっはろー! ミコっちゃんお元気〜?」
「ミ、ミコっちゃん言うな!」
今の上条は相当上機嫌だ。美琴に対しても、いつもよりフランクである。
「いやはや、今日で補習が終わりましてですね! やっと明日っから遊べるんだな〜!」
「あぁ、それで……」
そこで美琴がハッとする。
「じゃ、じゃじゃじゃあ、あ、ああ、明日から…その……わ、私と色んなとこ遊びに行かない…?」
今現在の上条の様子なら、断りそうになさそうだ。
美琴はここぞとばかりにお誘いをする。
案の定上条は、
「おう、行く行く! どこにでも行っちゃいますとも!」
と二つ返事をするのだった。
まさか翌日から、とんでもない事が起きるなど知る由もなく―――
8月17日。
上条はその日、ケータイの着信音と共に目を覚ました。
「ふあぁ………はい、もしもし…?」
『あ、え、えと…お、おおお早う!』
「ん…その声は美琴か? はよー、今起きたとこだわ」
『あ、ご、ごめん…』
「いや別にいいよ」
美琴からの電話。大方昨日言っていた、「色んなとこ遊びに行く」発言についてだろう。
それにしても、やけに朝早くから連絡してきたものである。
美琴的には、実は楽しみすぎて一睡もしていなかったのだが、それは内緒だ。
「で、どしたん?」
『あ…その……こ、これからの予定について、色々と相談したい事が……』
やっぱりか、と上条は思った。
しかし残りの二週間、今まで遊べなかった分夏休みを満喫したいと思っているのも事実だ。
上条は「分かった。じゃあ10時にいつものファミレスな」と約束し、ケータイを切る。
と同時に、お腹をすかせて起きてきたシスターに、朝食を作るのだった。
ごちそうさまをし、一日の始まりのエネルギー源をしっかりと取り、
上条はインデックスに外出する事を伝える。
「あ、そうだ。10時ちょっと前んなったら、俺出かけてくるから」
「どこに行くの? 私もついてっていいのかな?」
一瞬固まる。何か知らないが、ここでインデックスを連れて美琴に会いに行ったら、
とてつもなく不幸な出来事が起きる予感がする。
「……いや、悪いけど留守番しててくれ。学校だから、インデックスが来ても…な?」
だがそんな言い訳は、この完全記憶能力者には通用しない。
「…とうま? 確かほしゅーは終わったって昨日言っていたよね…?
とうまは今から、何をしにがっこーへ行くのかな…?」
汗をダラダラと垂らし目を泳がせる上条。
ここは下手に言い訳せずに、強引にとんずらした方が良さそうだ。
「ひ、昼は昨日作ったカレーがあるから、それ食っとけ!! じゃあな!!」
捨てゼリフを吐きながら、上条はそこからダッシュで逃げた。
背後から「とうまーーーっ!!!」と怒号が聞こえたが、今は考えないようにしよう。
ここは上条や美琴が行きつけているファミレス、Joseph'sだ。
慌てて出てきた為、まだ約束の時間よりかなり早く来てしまった。
美琴が来るまでコーヒー一杯で粘ろうか、などと店に迷惑な事を考えながら入店すると、
「遅いわよ馬鹿っ!」
何故かすでに美琴がいた。
「あれ? まだ時間じゃないよな。遅いって…どんだけ待ってたんだ?」
「べ、べべべ別に楽しみすぎてあの電話の後すぐに来た訳じゃないからっ!!!」
微妙に会話が成立していない。ついでに美琴は言わなくてもいい情報までだだ漏らす。
「…ま、いっか。お互いに早く来たんなら、本題に入っちまおうぜ」
「そ、そうね…」
美琴はドリンクバー、上条はアイスコーヒーを注文する。
ちなみにこの時、上条が遅刻したという事で、ここは彼の奢りとなったのだが、
そもそも時間よりも早く来たのに何故罰ゲームをさせられるか、と上条は理不尽に感じながらも、
「不幸だ…」で済ます辺り、器がでかいのか何も考えていないのか。
「…で、早速だけど問題。夏休みといえば何をするでしょう?」
「んー…そりゃプール行ったりとか祭りで盆踊りとかが妥当【ベタ】なんじゃないか?」
「プールに盆踊り…ね。なるほどなるほど……」
言いながら、紙に何か書き始める美琴。
「…? えっと美琴さん? そのメモは一体何でせう?」
「え? これからの予定表だけど」
紙にはギッチリと色々書かれている。
サイクリング、花火大会、キャンプ、天体観測、海水浴、昆虫採集etcetc…
ハードなスケジュールには定評のある二人だが、いくら何でも詰め込みすぎだ。
「うおおおおい何打コレ!!? 過密すぎだろ! 残り二週間で全部消費する気かよ!!」
「だ、だって! アンタといっぱい遊びたか…じゃなくてっ!!!
そ、その…アレよ……そう! アンタ、今までの分も取り戻したいんでしょ!?
だから色々とスケジュール立ててあげたのよ!」
「立ちすぎて渋滞が起きてんじゃねーか!」
「な、何よ! アンタだって、遊びに行くって言ってたじゃない!」
「てっきり2〜3箇所回るだけだと思ってたんだよ! つかお前中3だろ! 受験とか―――」
言いかけて止めた。
そもそもレベル5の第三位である美琴に、今更受験勉強など必要ない。
「そうよ中3なのよ。中学生最後の夏休みなの! だ、だから…お、思い出…とか……」
こちらも言いかけて止める。
最後はごにょごにょと何を言っているのか分からなかったし。
「と、とにかく! いっぱい遊ぶんだから! 分かった!?」
こうなったらテコでも意思を曲げてくれそうにない。
上条は心の中で「やれやれ」、とため息をついた。
ここはアミューズメント施設の多い、第六学区の中にある一般的な市民プールである。
ファミレスを出て、まさかの直行だ。
美琴は今現在、偶然バッタリと居合わせた打ち止めと共に、水かけ遊びをしている。
その様子をプールサイドで休憩しながら見守っている上条だが、
打ち止めがいるという事は、その保護者もいる訳で。
「生きてるかー? 一方通行」
「くっそ…能力が自由に使えりゃァ、熱も紫外線も反射できンのによォ……」
ヒョロヒョロな一方通行は、この暑さにバテバテであった。
「無理して来なくても良かったんじゃねーか?」
「仕方ねーだろ! 打ち止め【あのガキ】がどォしてもっつーンだからよォ!」
何だかんだで、やはり打ち止めには甘い第一位。
口ではそう言いながらも、楽しそうにオリジナルのお姉様と遊ぶ様子に、心なしか嬉しそうだ。
要するにツンデレである。
ひとしきり遊び、プールから美琴と打ち止めが上がってくる。
「いやー! 遊んだ遊んだ!」
「聞いて聞いて一方通行! ミサカ15mは泳げるようになったよ!ってミサカはミサカは自慢してみる!」
「そォかよ。そりゃ良かったなァ(棒)」
「あ〜あ。これで一方通行【アンタ】がいなけりゃ最高なのに」
「チッ! 悪かったなァ、三下とのデート(笑)を邪魔しちまってよォ!」
「デ、デデデ、デートォオ!!? なな、何勘違いしてんのよ馬鹿っ!!!」
ツンデレ同士の会話は、お互いに面倒くさい。
「ま、まぁとにかく、プールは消化したから残り20コね」
「お前…本気でそれ書いた所全部回る気か…?」
「あったり前でしょ! 明日はお祭りなんだし!」
その会話を聞いていた打ち止めが食いついた。
「お祭り!? ミサカも行きたい!ってミサカはミサカは手を大きく上げて主張してみたり!」
「いいんじゃないか? なぁ美琴」
「うっ…」
美琴としては、できれば二人っきりで行きたい。
しかし、打ち止めの純粋で真っ直ぐな目で見つめられると、さすがに断りにくい。
「はぁ…分かった。一緒に行こっか」
「わーいやったー!ってミサカはミサカは大はしゃぎ!」
「おいおい…マジかァ…?」
打ち止め【こども】が行くならば、当然一方通行【ほごしゃ】もついていかなければならない。
一方通行は大きくため息をつくのだった。
8月18日。神学系の学校が多い第一二学区でお祭りである。
屋台を回るのは美琴、上条、一方通行、打ち止めという四人組み…の他にもう一人。
「もごもご…やきほわもわはあめもおいひいんらよ!」
左頬をソース、右頬を砂糖でベットベトにしながら、「焼きそばも綿飴も美味しいんだよ!」
と言っているシスターである。
「な〜んでインデックス【このこ】までいる訳…?」
明らかに不機嫌な美琴。
「い、いや…さすがに夜一人にしとくの可哀相かなって……」
フォローする上条だが、そのお相手からもトゲが刺さる。
「ごくん! やっぱり昨日も短髪と一緒にいたんだねとうま…しかもこんな美味しいものまで食べて!」
板ばさみになり、オロオロとする上条。
その様子を一方通行は、打ち止めに見せないように手で目隠しをする。
「なになに一方通行? 何にも見えないよー、ってミサカはミサカは口を尖らせてみる」
「……テメェにゃ、修羅場【こォいうの】はまだ早ェ」
その後、「ギスギスしたままだとせっかくのお祭りも楽しめませんぞ!?」という上条の提案により、
『一応』休戦協定がなされたのだった。
「あっ! 金魚すくいがあるわよ!」
「わー! あの黒い金魚さん、目が大きいよ!ってミサカはミサカはビックリしてみたり!」
「そりゃァ出目金だ。重くて取りにくいから狙うンじゃねェぞ」
「とうまとうま! 金魚って食べられるのかな!?」
「…お前の頭の中は、魔道書と食う事以外に何もないのか?」
夏で、夏だった。
あまりにもありふれた夏である。
上条たちは、それを思いっきり満喫していた。
その時、ドンッ!!!と大きな音が鳴り響く。
「って、ヤバッ! 花火大会始まっちゃったわ! みんな急いで!」
これ以上ないくらい、正に満喫しているのだった。
8月19日。ここはアルバイト施設の多い第一六学区。
夏の日差しが敵意むき出しでこちらを襲う中、上条と美琴はこともあろうに着ぐるみのバイトをしていた。
美琴がご贔屓にしているゲコ太【カエル】の皮を身にまとい、上条は汗だくでスーパーのチラシを配っていた。
おかしい。そもそも今回の企画は、残りの夏休みを上条が楽しめるために考案された物ではなかったか。
にも関わらず、彼は補習の方がまだマシだったと思えるほどに、不幸な目にあっていた。
バイト終了後、炎天下【じごく】からクーラーの効いた事務室【てんごく】へ移動した上条は、
着ぐるみを脱ぎ捨てながら美琴にたずねる。
「っぶはっ! なぁ美琴、これってバイト代いくらぐらいなんだ?」
「え? そんなの出ないけど?」
固まる上条。バイトなのに、バイト代が貰えないとはこれ如何に。
「だって代わりに『これ』貰える事になってるんだもん♪」
そう言って美琴が指差したのは、さっき上条が着ていたゲコ太だ。
「なっ! おま…まさかそれだけの為に!?」
「何言ってんのよ! これ一点物なんだから! この期を逃したら、一生手に入らない一品なのよ!?」
へなへなと力が抜ける上条。何かもう、怒る気力すら失っていくのだった。
8月20日。本日は虫取りだ。
「すっごいわ大量ね! わざわざ(山岳地帯のある)第二一学区に来た甲斐があったわ!」
「確かにな…けどこのセミたちどうすんだ?」
「何言ってんのよ。キャッチ&リリースに決まってるじゃない。セミの一生は短いんだから」
そう言って虫カゴの蓋を開ける美琴。
中のセミたちが一斉に外へと飛び出していく。自由を求めて。
…美琴の電磁波に恐れをなした、という可能性も無きにしも非ずだが。
「…いつかあの子たちが恩返しに来たりして」
そんな冗談を言いながら、美琴は無邪気に笑った。
8月25日。天体観測。20日同様、二人は第二一学区に来ている。
山頂付近には一般でも利用できる天文台が設置してあり、天体観測にはおあつらえ向きだ。
「…ねぇ、火星人っていると思う?」
「タコみたいな奴か?」
「あのねぇ……」
「んー、どうかな。密着微生物とかならいるかもな」
満天の星の下、二人はそんな事を語り合っていた。
8月28日。スポーツ特区、第二〇学区のバッティングセンターにて。
「へ〜、結構打率いいじゃない」
「まぁこれでも普段から自然と鍛えられてるから……なっ!」
カキーン!と軽快な音を鳴らし、ボールは遠くまで飛んでいく。
そして夏休み最後の日、8月31日。
この日も一緒に遊びに出かけている上条と美琴は、第七学区のとある路地で、
ベンチに座りながらホットドッグを食べていた。一年前と同じ場所、同じ二千円のホットドッグを。
「うー眠いな…さすがに連日遊びまくるのは無理があったって……」
「あっはは! ごめんごめん。でも満喫はできたでしょ?」
「そりゃまぁ、十分すぎるほどな。けどさすがに今日はゆっくりしようぜ?」
美琴は「んー…」と考え、例の紙を取り出す。
「そう…ね。全部『課題』も消化したし、もうやる事はない、か」
上条はホットドッグを一口かじり、「そういえば」と思い出話を切り出す。
「んぐんぐ……ほういえば…ごくん。前にこれ食った時、美琴、鼻にマスタードつけてたよな」
「わ、忘れてよそんな事!」
「いやー忘れられませんなー。恋人ごっこ」
ふと、美琴が手に持っていたホットドッグをテーブルに置く。
「ね……ねぇ…その、さ。こ…恋人のフリしてくれって私が言った後の事も……お…覚えてる…?」
「その後?」
上条が再びホットドッグを口にしようとした瞬間、上条の頭に衝撃が走る。
あの後上条は……
「………宿題……………」
「……………へ?」
上条は叫んだ。ありったけの声で。
「俺の『課題』はまだ終わってねえっ!!」
そうだ。彼は思い出したのだ。
一年前、恋人のフリを頼まれた後やった事。それは宿題だった。
それを思い出し、同時に、連日遊びほうけていたせいで、
『今年の』夏休みの宿題に一切手をつけていない事も連鎖的に思い出したのだ。
「わっ! 悪い美琴! おかげで思い出した!!」
「えっ、いや、あの、私が言いたいのはそこじゃなくて―――」
「美琴! お前は夏休みの宿題が無かったよな!!」
「へ? あ、うん。そ、そうだけど……」
「よし! だったら、俺の宿題を手伝ってくれ!
高校生が中学生に教えを乞うってのは恥ずかしいのかもしれないがそんなこと言ってられねえ!!」
「は、はい!?」
「今から俺の部屋に行って宿題をやるんだよ!!
夏休みを最後の最後まで本当にお前と一緒にいてやる!! だから手伝ってくれ!!」
「ちょ、ちょっと!?」
「四の五の言ってる時間は無い!!」
上条当麻は御坂美琴の手を強引に掴んで走り出す。一年前と逆に美琴を引っ張っていく。
寮へと無事帰った上条は美琴の指導の元、即座に宿題に取り掛かる。
インデックスの険悪な視線と、妙に嬉しそうな美琴の罵声を聞きながら、のひととき。
上条は問題集に視線を落とす。
そして、
そして、
そして。
上条はその日、ケータイの着信音と共に目を覚ました。
「ふあぁ………はい、もしもし…?」
『あ、え、えと…お、おおお早う!』
「ん…その声は美琴か? はよー、今起きたとこだわ」
『あ、ご、ごめん…』
「いや別にいいよ」
美琴からの電話。大方昨日言っていた、「色んなとこ遊びに行く」発言についてだろう。
それにしても、やけに朝早くから連絡してきたものである。
美琴的には、実は楽しみすぎて一睡もしていなかったのだが、それは内緒だ。
「で、どしたん?」
『あ…その……こ、これからの予定について、色々と相談したい事が……』
やっぱりか、と上条は思った。
しかし残りの二週間、今まで遊べなかった分夏休みを満喫したいと思っているのも事実だ。
上条は「分かった。じゃあ10時にいつものファミレスな」と約束し、ケータイを切る。
と同時に、お腹をすかせて起きてきたシスターに、朝食を作るのだった。
ごちそうさまをし、一日の始まりのエネルギー源をしっかりと取り、
上条はインデックスに外出する事を伝える。
「あ、そうだ。10時ちょっと前んなったら、俺出かけてくるから」
「了解しました」
素直な返事をするインデックスに若干の違和感を覚えながらも、上条は出かける用意をする、
「昼は昨日作ったカレーがあるから、それ食っといてくれ」
「了解しました」
やはり何か違和感がある。
しかし、それがこれから始まる大事件の序章だとは、今の上条には分かる訳がなかった……
ここは上条や美琴が行きつけているファミレス、Joseph'sだ。
何となく、約束の時間よりかなり早く来てしまった。何故だろう。
ともあれ、美琴が来るまでコーヒー一杯で粘ろうか、などと店に迷惑な事を考えながら入店すると、
「遅いわよ馬鹿っ!」
何故かすでに美琴がいた。
「あれ? まだ時間じゃないよな。遅いって…どんだけ待ってたんだ?」
「べ、べべべ別に楽しみすぎてあの電話の後すぐに来た訳じゃないからっ!!!」
微妙に会話が成立していない。ついでに美琴は言わなくてもいい情報までだだ漏らす。
「…ま、いっか。お互いに早く来たんなら、本題に……」
ふと、上条は違和感を覚える。いや、違和感というよりは、
「…? なぁ、前にもこんな会話しなかったっけ?」
「は? 気のせいじゃないの?」
「そう…かなぁ……」
既視感だ。
だがデジャヴなど、『よくある事』だ。上条は気にせず続ける。
「…ならいっか。ああ、そうそう。本題な」
「そ、そうね…」
美琴はドリンクバー、上条はアイスコーヒーを注文する。
ちなみにこの時、上条が遅刻したという事で、ここは彼の奢りとなったのだが、
そもそも時間よりも早く来たのに何故罰ゲームをさせられるか、と上条は理不尽に感じながらも、
「不幸だ…」で済ます辺り、器がでかいのか何も考えていないのか。
「…で、早速だけど問題。夏休みといえば何をするでしょう?」
「んー…そりゃプール行ったりとか祭りで盆踊りとかが妥当【ベタ】なんじゃないか?」
「プールに盆踊り…ね。なるほどなるほど……」
言いながら、紙に何か書き始める美琴。
何故だろう。上条はその紙に書かれている内容が予測できた。
「……ひょっとして、予定表作ってんのか?」
「え? うん、そうだけど…よく分かったわね」
「あ、ああ。何となくな」
上条に予知能力など備わっていない。故に今のは単純に勘だ。
紙にはギッチリと色々書かれている。
サイクリング、花火大会、キャンプ、天体観測、海水浴、昆虫採集etcetc…
ハードなスケジュールには定評のある二人だが、いくら何でも詰め込みすぎだ。
「『やっぱり』過密すぎだろ。残り二週間で全部消費する気か?」
「だ、だって! アンタといっぱい遊びたか…じゃなくてっ!!!
そ、その…アレよ……そう! アンタ、今までの分も取り戻したいんでしょ!?
だから色々とスケジュール立ててあげたのよ!」
「立ちすぎて渋滞が起きてんじゃねーか」
「な、何よ! アンタだって、遊びに行くって言ってたじゃない!」
「てっきり2〜3箇所回るだけだと思ってたんだよ。つかお前中3だろ? 受験とか―――」
言いかけて止めた。やはり既視感がある。
しかも先程、自然と『やっぱり』と言ってしまった。まるで、本当に知っていたかのように。
(…? 何なんだ? この感覚……)
その既視感の正体は一体何なのか。
ここはアミューズメント施設の多い、第六学区の中にある一般的な市民プールである。
ファミレスを出て、まさかの直行だ。
美琴は今現在、偶然バッタリと居合わせた打ち止めと共に、水かけ遊びをしている。
その様子をプールサイドで休憩しながら見守っている上条だが、
打ち止めがいるという事は、その保護者もいる訳で。
「生きてるかー? 一方通行」
「くっそ…能力が自由に使えりゃァ、熱も紫外線も反射できンのによォ……」
ヒョロヒョロな一方通行は、この暑さにバテバテであった。
「無理して来なくても良かったんじゃねーか?」
「仕方ねーだろ! 打ち止め【あのガキ】がどォしてもっつーンだか…ら…?」
言いかけて、一方通行は口をつむぐ。
「? どうした?」
「…ン……あァ、いや。何でもねェ……」
妙に歯切れが悪い。
「…夏風邪でも引いたのか?」
「…かも知ンねェな……」
と、そんなタイミングでひとしきり遊んだ美琴と打ち止めが、プールから上がってくる。
「いやー! 遊んだ遊んだ!」
「聞いて聞いて一方通行! ミサカ15mは泳げるようになったよ!ってミサカはミサカは自慢してみる!」
「そォかよ。そりゃ良かったなァ(棒)」
「あ〜あ。これで一方通行【アンタ】がいなけりゃ最高なのに」
「チッ! 悪かったなァ、三下とのデート(笑)を邪魔しちまってよォ!」
「デ、デデデ、デートォオ!!? なな、何勘違いしてんのよ馬鹿っ!!!」
ツンデレ同士の会話は、お互いに面倒くさい。
「ま、まぁとにかく、プールは消化したから残り20コね」
「お前…本気でそれ書いた所全部回る気か…?」
「あったり前でしょ! 明日はお祭りなんだし!」
その会話を聞いていた打ち止めが食いついた。
「お祭り!? ミサカも行きたい!ってミサカはミサカは手を大きく上げて―――」
打ち止めが大きく手を上げたその瞬間、彼女はその場で突然倒れた。
「っ!!! 打ち止めァァァ!!!」
即座に一方通行が駆け寄る。
「打ち止め!」
「お、おい!? 大丈夫なのか!?」
「……心配ねェ…幸いこのプールには医者がいる。多分、日射病か何かだろ……」
プールに入っていたのに日射病になるだろうか、とは思ったが、上条は医者ではない。
素人が診察するのは逆に危険だ。ここは見送るしかなさそうだ。
一方通行は打ち止めを抱えて、医務室へと歩いていった。
「……本当に大丈夫かしら」
「……うん……」
心配していた二人だが、数分後一方通行から「問題ない」との連絡があった。
もっとも大事を取って今日は帰る、との事だったが。
ちなみに、打ち止めの強い要望により、明日の祭りにも一緒に行く事になった。
8月18日。神学系の学校が多い第一二学区でお祭りである。
屋台を回るのは美琴、上条、一方通行、打ち止めという四人組み…の他にもう一人。
「もぐもぐもぐ…ごくん。―――警告、第一章第八節。
過剰なエネルギー摂取により、脂肪が増加する可能性があります」
「じゃあ食うなよ!」
口の周りをベットベトにしているシスターである。
「な〜んでインデックス【このこ】までいる訳…?」
明らかに不機嫌な美琴。
「い、いや…さすがに夜一人にしとくの可哀相かなって……」
フォローする上条だが、念には念を入れ話を逸らす。
「そ、そういや打ち止め、大した事なくて良かったな!」
「…うん! ちょっとMNWでトラブルがあっただけだから! 心配かけちゃってごめんね、
ってミサカはミサカは頭を下げてみる」
「トラブル?」
すると一方通行が、上条にこっそりと耳打ちする。
(打ち止めの件も含めて話がある。オリジナルと別れた後、近くの公園に来てくれ)
「っ!?」
一方通行の表情は、妙に真剣だった。つまり、
(…ま、まさか、やっかい事…なのか?)
そういう事である。
その後は普通に夏祭りを満喫した。
金魚すくい、射的、ヨーヨー釣り…それはもう、夏で、夏だった。
その時、ドンッ!!!と大きな音が鳴り響く。
「って、ヤバッ! 花火大会始まっちゃったわ! みんな急いで!」
満喫しつつも、先ほどの一方通行の言葉と、度々くる謎の既視感に、どこか心から楽しめない上条であった。
花火大会を見終わった上条たちは、『一旦』解散する。
が、その後すぐに上条、一方通行、打ち止めの三人は、近くの公園にやってきた。
「…よォ、呼び出して悪ィな。三下」
「別にいいさ。…で、昨日打ち止めに何が起こったんだ?」
「実は…」
打ち止めは言いにくそうに口を開く。
「MNWに接続できなくなっちゃったの……ってミサカはミサカはしょんぼりしてみる……」
「な………えっ!?」
打ち止めは妹達同士を繋ぐ、MNWのサーバーだ。それができなくなったという事は…
「マズいんじゃねーのかっ!?」
「いや、『そこ』は大した問題じゃねェ」
「問題だろ! それじゃあ一方通行…は……ってあれ?」
そう。MNWに繋げられないという事は、一方通行の代理演算もできない、という意味だ。
にも関わらず、彼は今自由に歩いているし、喋っている。
「ど…ういう事…だ…?」
「話は最後まで聞け」
一方通行に制止され、近くのベンチに座る上条。
「まずテメェに聞きてェンだが…昨日から強烈な既視感はなかったか?」
一方通行の一言に、上条は思わずハッとする。
「……その様子じゃァあるみてェだな」
「けど、何でそれを!?」
「ミサカも感じたから……」
打ち止めが割って入る。
「ミサカあの時、とっても既視感を覚えたの。それでもしかしたら、他の妹達の誰かが体験した事が、
フラッシュバックしたんじゃないかって思って、ってミサカはミサカは告白してみる」
「で、そン時にMNWに繋がンねェ事に気づいてぶっ倒れたって訳だ」
「配線が切れてんのに、無理やり接続しようとしたから…か?」
「らしィな」
しかしそうなると、やはり先ほどの疑問が戻ってくる。
「…でも、じゃあ、何で一方通行は平気なんだ? そもそも何でそんな事になっちまってんだよ」
「…さァな。AIM拡散力場そのものが消失した…ってのが俺の予想だが……」
それではMNWについては説明できても、一方通行が無事な説明にはならない。
そもそも、本当にそんな事が起こったら街は大混乱するはずだ。
正直第一位にも、今のこの状況が何なのかはっきり分かってはいないようだった。
が、その時だ。
「私が説明いたします」
機械のように事務的な言葉で姿を表したのは、さっきまで一緒に夏祭りを楽しんでいたシスターだ。
「インデックス……」
「はい。確かに私の正式名称はIndex-Librorum-Prohibitorumですが、
本来あなたが『インデックス』と呼んでいる存在とは異なります」
「な…イ、インデックスじゃないってのか!?」
「私という個体そのものはインデックスと認識していただいて問題ありません。
ですが今の私は禁書目録の自動防御機能、自動書記です」
「ヨ…自動書記!? 道理でインデックスにしては喋り方が硬いと思ったよ!」
気づけよ、とツッコミたくなるが、今は緊急事態につきスルーさせてもらおう。
「おい、何がどォなってやがる。説明しやがれ三下」
「あ、ああ、実はな…」
上条は自動書記についての説明をした。
去年の7月21日以前の事は記憶にない為、上条もそこまでくわしくはないのだが。
「……つまりその、魔道図書館のセキュリティがそいつって訳か」
「らしい」
「でもだったら何でそのセキュリティが出てくるの? シスターのお姉ちゃん、元気みたいだよ?
ってミサカはミサカは素朴な疑問を投げかけてみる」
「いえ、私が目覚めるのは禁書目録に危険が迫っている時のみです」
次から次へと問題が山積みになっていく。
「なっ!!? インデックスに危険って…何があった!?」
「ご安心ください。私が表に出ている以上、インデックスの命に別条はありません」
「!?」
疑問符が浮かび上がる三人の為に、自動書記は説明を続ける。
しかしそれは、
「現在のこの世界。正確には8月17日0時から同月31日24時までの期間、我々は時間軸をループしています」
更に疑問符を大きくさせる事になるのだが。
だがそれでも衝撃の事実は続く。
「ちなみに今回は、15498回目に相当します」
もはや、理解できる許容範囲を超えていた。
それはつまり、年数にして約594年も世界をループしている計算になる。
「……え…えーと…インデックスさん? 今の言葉の意味を詳しく説明してはくれませんかね?」
「我々は、8月17日0時から同月31日24時までの期間を、15498回ループしている、という意味です」
「同じじゃねーか! それさっきと同じじゃねーかっ!!!」
「…つまりここは、本来の世界とは隔離された空間って訳か?」
さすがは第一位である。狼狽する上条とは違い、自動書記の短く意味不明な説明にも順応している。
「いや…二人で勝手に理解してねーで、俺にも分かるように話してくれ……」
「ミ…ミサカにもお願い…ってミサカはミサカはちんぷんかんぷん……」
「我々の体は今、肉体ではなく精神体だけになっています」
「AIM拡散力場によって構築された擬似世界みてェなもンだな」
魔術サイド怪物【ヨハネのペン】と科学サイドの怪物【アクセラレータ】の説明を合わせるとこうだった。
ここは現実世界ではなく、誰かの自分だけの現実が暴走し、その者のAIM拡散力場が学園都市全体を覆ってしまい、
精神体となった学園都市の住人全てが、8月17日から31日までの二週間をループしている、というのだ。しかもご丁寧に、記憶もリセットされて。
故に打ち止めの能力がなくとも一方通行は動き回れるらしい。
そして禁書目録の代わりに自動書記の人格が表に現れている理由は、本人も述べたように防衛本能だ。
ループされた世界――記憶を毎回リセットされる他の人間はともかく、完全記憶能力者のインデックスがそんな世界にいたら、594年も同じ事を繰り返したら、さすがにいつぞやのイギリス清教が言ったように脳がパンクしてしまうことだろう。何と言っても『脳の容量』は百二十年なのだから。
彼女の精神【あたま】が異常をきたして【おかしくなって】しまうのは自明の理だ。
だからループされた2度目の世界以降、自動書記は禁書目録の代理をしていたのだった。
「なあ、ひょっとして既視感は世界中の人間が感じているのか……?」
「いいや。気付いているのは、ほンの一部、もっと言えば、もしかしたら俺とお前くらいかもな。
『能力の影響』を受けにくい奴しか感じてねェってこった。
黄泉川や芳川にそれとなく振ってみたが気付いていなかったから間違いねェだろ。
俺の場合は単純に『反射』で、テメエは『能力そのもの』が効かねェ」
「なら打ち止めは?」
上条の悲壮な問いに一方通行は無言を返す。
なぜなら、それを一方通行から言ってはならないからだ。言葉にするのは簡単だが、『気付いてもらわない』と意味が無いからだ。
「いや、その前にその理屈はおかしい」
「あなたの『幻想殺し』のことですね」
一方通行の答えを待つことなく上条は疑問を抱く。
反応したのは自動書記。
「そうだ。俺の『幻想殺し』は異能の力をすべて無効化する――
とは、ちと言い切れなくなってきちまったが大半は無効化する。
さっきの説明からすりゃ、俺に記憶が残らないのは変だ」
「だから『能力を受けにくい』って表現したンだ。俺は時間限定だが、たまに反射しているときがあるし、
テメエの場合は完全に消し去る前にループ能力が再生しちまってる、ってところだろ」
しかしそうなると、次なる疑問は当然、
「…けどさ、そんな面倒な事をしてまで、どこの誰が何のために、こんな事を引き起こしたんだ…?」
自分だけの現実が暴走した…という事は勿論、科学サイドの人間だ。
だがこんな大掛かりな事を仕出かせるのは、並の能力者ではない。
レベル5…いや、もっとそれ以上の―――
「……もっとそれ以上の能力者…だろォな……」
「ちょ、ちょっと待ってくれ! それ以上ってお前……」
レベル6。
かつて一方通行がそこに手を伸ばし、上条が打ち砕いた、『最強』を超えた『無敵』。
「…けど…そんなもんいないだろ……」
「本気でそォ思ってンのか?」
見透かされた。
確かに、第一位ですら到達できなかったレベル6だが、一瞬だけ、その高みへと上った人物がいる。
それは……
「お…お姉…様…?」
恐る恐る、打ち止めが口を開く。
そう、その人物こそレベル5の第三位。常盤台の超電磁砲、御坂美琴だ。
彼女は大覇星際の時、ほんの一瞬ではあったが、超能力者を超越した絶対能力者へと進化したのだ。
「待て待て待て!! そんなの一年ぐらい前の話だろ!? 第一、とっくに元に戻ってる訳だし!」
「確かに今のオリジナルにはそんな力はありゃしねェ。
何者かが手を貸さねェ事には、こンな異常事態にはなンねェだろォよ」
「だ…誰か…って……まさか木原が!?」
「かも知れねェし……もっと上の可能性もあるな」
もっと上、つまり。
「学園都市統括理事会ですね」
自動書記は冷静にその名前を口にする。
だが一体何のためだ…と考えても、上層部の思惑など考えても答えが出る訳がない。
それより今はこれからどうするかが問題だ。
このままでは、知らない内に15499回目の世界に戻ってしまう。
「……美琴の体に負担はないのか?」
「科学サイドのシステムには詳しくありませんが、過去15497回の彼女を見る限り、
体調の変化は特にみられません」
淡々と話す自動書記だが、だからこそそこに嘘はない。とりあえず安心はできそうだ。
ならば残る問題は、
「解決方法…か……」
そういう事になる。
「なぁ、明日からの予定も過去に何度もやってんのか? 今日の花火や、昨日のプールも?」
「必ずしもそうではありません」
上条の疑問に、自動書記が淡々と答える。
「過去15497回のシークエンスにおいて、
御坂美琴が取った行動が全て一致している訳ではありません。
15497回中、夏祭りに行かなかったシークエンスが2回あります。
また、夏祭りには行っても花火大会を見学しなかったパターンが437回。
プールには今の所毎回行っている模様です。
アルバイトやボランティアを行ったのは9025回ですが、
その内容についてはいくつかに分岐されます。
着ぐるみを着てスーパーのビラ配り、あすなろ園での園児達との交流会、セブンスミストの従業員、
風紀委員一日体験学習、自動販売機のジュース補充、木原の研究機関の―――」
「もういい。もう分かった」
自動書記を制止する上条。これ以上聞いていると、余計に頭がおかしくなりそうだ。
「ちなみに、俺たちが異変に気づいたのは何回目だ?」
「8769回目になります。最近になるほど、発覚の確率は高くなっています」
「…チッ! つまり俺たちは、過去に何度も気付きながらも、元には戻せなかったって訳かァ?
マヌケな話だなァ、クソッ!」
苛立つ一方通行。
無理も無い。過去の上条たちが何度こうやって集まったとしても、
現実問題、彼らは今15498回目の世界にいる。
つまり失敗しているのだ。ここから抜け出す方法に。
と、ここで、
「……ねぇ、お姉様もしかして、何かやり残した事があるんじゃないかな、
ってミサカはミサカは推理してみる」
黙って聞いていた打ち止めが、ふいに意見する。
「やり残した事?」
「うん。だって15000回以上も世界をやり直してるんでしょ?
きっと何か未練があるんだよ、ってミサカはミサカはミサカの閃きに自画自賛してみたり!」
「未練って…そんな地縛霊じゃあるまいし……」
だが他に解決のヒントになりそうなものはない。
どんなメカニズムでそんな事が起こるのか、考えるのは解決した後でもできる。
ひとまずここは、打ち止めの意見を採用する事となった。
「けどもしそうだとしても、そもそも美琴は何がしたいんだ?
何の手がかりもなく、ただガムシャラに色々やる訳にもいかないし」
すると一方通行が、本気なのか冗談なのか、こんな提案をしてきた。
「案外誰かさンに告られたいとか、そンな単純な理由だったりしてなァ。
試しにオリジナルを抱き締めて、耳元で『アイラブユー』とかいってみろ(笑)」
その発言に、打ち止めは顔を真っ赤にさせて、自動書記は心なしか少しムッとした…ような気がした。
「いや、誰がやるんだよそんな事!!!」
「テメェ以外に適役がいるかァ?」
「そもそも、美琴は俺の事なんが別に好きでもないし、んな事されたら余計に世界がややこしく…って、ん?」
その発言に、打ち止めは大きくため息をつき、自動書記は心なしか少しホッとした…ような気がした。
「…まァともかく、だ。三下は明日からもオリジナルと行動して、そのやり残した事とやらを突き止めろ」
「一方通行たち【おまえら】はどうすんだ?」
「こっちはこっちで調べておく。
打ち止め【そのガキ】の案がハズレてりゃァ、テメェが何しようとループは変わンねェからよォ」
「もう! ミサカの事信じてないの!?ってミサカはミサカはプンプンしてみる!」
「…念のためだ。騒ぐなガキィ」
「インデックスは?」
「私も魔術サイドとしての視点から調査してみましょう。期待はできませんが」
「そっか。…分かった」
話はまとまった。
これから上条がするべきは、美琴のやり残した事(があるかどうかは分からないが)を突き止め、
それを実行する事だ。
「何とかして、このエンドレスサマーを終わらせンぞ」
「やれやれ…二学期が待ち遠しいなんて思ったの、『多分』初めてだよ。……はぁ…不幸だ」
8月19日。アルバイト。
特に美琴に変わった様子はない。
というか、着ぐるみの中が暑すぎてそれ所じゃない。
8月20日。虫取り。
特に美琴に変わった様子はない。
既視感を覚える頻度が徐々に高くなる。
8月25日。天体観測。
特に美琴に変わった様子はない。
手がかりがなく焦り始める。
8月28日。バッティングセンター。
特に美琴に変わった様子はない。
「あー…あのボールみたいに、俺も高く飛んで行けないかなー…」と現実逃避をし始める。
そして夏休み最後の日、8月31日。
第七学区のとある路地でベンチに座りながらホットドッグを食べている上条と美琴だが、
二千円もする高級ホットドッグの味を、上条は味わう暇などなかった。
(うおおおぉぉヤッベー! 今日がタイムリミットじゃねーか!!!
世界が元に戻ってないって事は一方通行たちも失敗してるみたいだし、
このままじゃまた夏休みをやり直すハメになっちまう!!!)
上条は非常に焦っていた。
「な、なぁ美琴! ホントにやり残した事はないのかっ!!?」
「アンタそれ毎日言ってるけど、そもそもスケジュールは紙【ここ】に書いてあるんだから大丈夫よ」
美琴はそう言って、例の紙を取り出す。
「全部『課題』も消化したし、もう特にやる事はないわよ」
違う。それなら世界は元に戻っているはずだ。
打ち止め案が当たりのルートならばだが。
美琴はホットドッグを一口かじり、「そういえば」と思い出話を切り出す。
「んぐんぐ……ほういえば…ごくん。アンタ初めてここ来た時うろたえてたわよね。今日もだったけど」
「当たり前だろ! 二千円だぞ二千円!! 普通のホットドッグの10倍だぞ!!
それを何の惜しげもなくアッサリと俺の分も支払っちまうし!
年上としての上条さんのプライドはズタボロでしたよ!」
「あはははは! そんな事もあったわね!」
ひとしきり笑い、ふと、美琴が手に持っていたホットドッグをテーブルに置く。
「ね……ねぇ…その、さ。こ…恋人のフリしてくれって私が言った後の事も……お…覚えてる…?」
「その後?」
上条が再びホットドッグを口にしようとした瞬間、上条の頭に衝撃が走る。
あの後上条は……
「………宿題……………」
「……………へ?」
上条は叫んだ。ありったけの声で。
「俺の『課題』はまだ終わってねえっ!!」
そうだ。彼は思い出したのだ。
一年前、恋人のフリを頼まれた後やった事。それは宿題だった。
それを思い出し、同時に、連日遊びほうけていたせいで、
『今年の』夏休みの宿題に一切手をつけていない事も連鎖的に思い出したのだ。
「わっ! 悪い美琴! おかげで思い出した!!」
「えっ、いや、あの、私が言いたいのはそこじゃなくて―――」
「美琴! お前は夏休みの宿d―――うぐっ!?」
突如、上条当麻の全身がどぐん!! 、と脈を打った。
それも強烈に。上条の行動を完全に阻止するように。
(な、なんだ!? この強烈な既視感は!? 今までで一番強烈だぞ!? って、そうか――!!)
上条当麻は気が付く。
八月三十一日。
(俺はここで帰っちゃだめだ。美琴を置いて帰っちゃだめなんだ)
駆け出そうとした姿のまま。
美琴に背を向けたまま。
(このまま、帰ってしまえば、またあの二週間を繰り返す羽目になっちまう。
それじゃ駄目なんだ。それじゃ何も変化しないんだ!!)
まるでアドレナリンが放出されたかのように全ての色彩が失せて、すべての動きが止まる。
(……だが、何をすべきなんだ? 何を言うべきなんだ?)
上条は必死に考える。
(どこかにヒントはあったはずだ。美琴は何と言ってた? 思い出せ! 思い出すんだ!!
ここが分岐点なんだ!!! ここで終わっていいのか!? いやダメだ。何か言え! 何か……)
上条はふと思い出した。一方通行の提案を。
しかし、ぶんぶか首を振る。
(いや待て待て待て待て待て。さすがにアレをやるのは勇気がいるぞ。
それに、またループしちまったらカッコ悪過ぎる)
ちなみにループしてしまえば上条の記憶からもソレは消えるのだが、相当頭がバーストしてしまったか、その考えに至らないようだ。
「どうしたの?」
「……」
美琴のキョトンとした問いに言葉を返せない上条。
美琴の表情からは一片の邪気も感じられない。感じられないのだが、
(……それに、もし、本当に美琴が『想い人からの告白』を望んでこの状況を創り出したのだとすれば、
さすがにそれは卑怯過ぎる)
ということくらいは、いくら鈍感大魔王の上条でも分かる。
分からないのはそれが上条本人である、という点くらいだろう。
そして脳裏に走る閃光!!
上条はグルンと勢いよく振り向いた。
あらゆる思いが駆け巡り、結果、極限状態の上条が放った一言は、
「………約束…」
「え…?」
何故かあのアステカの魔術師と交わした約束だった。
「…美琴は知らないだろうけど…さ。あの後海原と一個約束したんだよ」
「……何て…?」
上条はもう一度言う。
一年前の今日と同じように。
「御坂美琴と彼女の周りの世界を守る…ってさ」
その言葉がまるでスイッチを押したかのように、上条は急激な睡魔に襲われた。
「!!? な…んだ……こ、れ………」
意識を失う瞬間、美琴が今まで見た事もない優しい笑顔で、
「その言葉を、アンタから直接聞きたかった」、と言ったような気がした。
そして、
そして、
そして。
チュンチュンと小鳥が囀る声と共に、上条はガバッと起きた。
テーブルに突っ伏したまま寝てしまっていたらしく、無理な体勢だったせいで体の節々が痛い。
即座にテレビをつけ、番組表から今日が何月何日なのかを調べる。
するとそこには、
「……9月1日…って事は……」
無事に正解を引いたらしい。
いや、そもそもアレは夢だったのかも知れない。そんな気さえする程、今考えるととんでもない出来事だった。
ともあれ、何とか1週目のその後に辿り着いた訳だが、ここで終わる上条の不幸ではない。
突っ伏していたテーブルに目をやると、
「………何故に宿題が真っ白なのでせうか…?」
ここが1週目の後ならば、ここへ帰ってきて速攻で宿題にとりかかったはずだ。
だがそんな物は全くない。まさかまだ、あの変な世界にいるのだろうか。
しかしそんな上条の幻想を、同居人がぶち殺してくれた。
「と〜〜〜う〜〜〜ま〜〜〜………」
恨みがましく低い声で上条の名を呼ぶのは、自動書記ではないインデックスだ。
彼女は自動書記の時の記憶はなく、普段通りのリアクションである。
「とうま!!! 昨日帰ってきてから『しゅくだいーを終わらせたらご飯を作る』って言ったのに、
何でそのまま寝ちゃったのかな!!? おかげで夕ごはん食べてないんだよ!!!
とうまは私を餓死させたいのかな!!?
短髪は短髪で、とうまが寝ちゃったらすぐに帰っちゃったし!!!」
「ちょちょちょ、ちょっと待てインデックス!!! って事は何か!?
上条さんはあの後すぐに眠ってしまったと、そういう訳ですか!!?」
「あれだけ毎日短髪と遊びに行ってれば、疲れてヘトヘトになっても自業自得なんだよ!!!
けどしゅくだいーが終わらなかったってのはとうまのせいだからどうでもいいけど、
私の夕ごはんを作らなかったってのは万死に値するかも!!!」
「どうでも良くねーよ!!! あんだけ苦労してこんなオチって!
チクショー、また時間が戻ってくんないか…
ってアレは精神体だけだったから結局歴史は変えらんないのか!」
「何を訳の分からない事を言っているのかな!!?
今日の朝ごはんは昨日の夕ごはんの分も上乗せしてもらうからね!!」
「いや、そもそももう学校に行かないと時間が……」
「とうまーーーっ!!!!!」
「ギャー噛むなあああ!!! 不幸〜だ〜〜〜!!!!!」
始業式、その放課後。
本来ならば午前中で帰宅できるはずなのだが、上条は学校に残って昼休みを送っていた。
理由は勿論、午後からの補習だ。夏休みの宿題をやってなかったのだから当然である。
「ほれ、次はカミやんのターンやで」
「あ、ああ。悪い」
そんな上条とトランプをしているのは、同じく宿題を忘れた
(とは言っても、こちらは小萌の補習を受けたいがために故意に忘れたのだが)青髪だ。
彼らは昼食のパンを賭けて、ポーカーで勝負しているのだ。
上条は山札からカードを引きながら、美琴の事を考えていた。
(…結局、何であの約束の事が当たりだったんだろうな……
最後の時、確かに美琴は言ったんだ。『その言葉を、俺から直接聞きたかった』んだって…
…でも…それって……それってまるで―――)
あと一歩の所で、上条は考えるのを止めた。
何故なら手札が、
(……あれ? ス…ストレートフラッシュ!!? ツーペア以上出た事のない俺がっ!!?)
ならば何故賭けなどしたのか。
上条は慌ててショーダウンする。さすがにこの役で負ける事はないだろう。
(アレだけ繰り返した夏休みを終わらせた報酬がパン一個ってのも不幸なんかね)
と苦笑いしつつ、上条は自分の手札を青髪に見せた。すると…
「スマンなカミやん。ボクはロイヤルストレートフラッシュや」
「踏んだり蹴ったりかよっ!!! ロイヤルストレートフラッシュなんて初めて見たわっ!!!」
やはり彼は、不幸で、不幸なのだった。
第七学区のとあるビル。
窓のないそのビルに、カツンカツンと杖をつく音が響く。
一方通行はビル内部の中心部で足を止め、ビーカーの中で逆さまになっている人物を睨む。
「よォ。今回の事件、やっぱテメェの仕業か」
男にも女にも、子供にも老人にも、聖人にも囚人にも見えるその人間は、
薄く笑いながら一方通行の問いに答えた。
「何の話かな」
一言だけ告げると、彼はそれ以降何も語らろうとはしなかった。
以上です。
詰めたら14レスに収まりました。
細かい矛盾点などは、気にせずスルーしてください…
ではまた。
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現実逃避してんじゃねーぞksどもが
くまのこさんGJ!相変わらずのクオリティですね。
途中からオチが予想できてしまったのですが、ニヤニヤしながら読み、最後は爆笑しました。
それにしても美琴にはあれだけのことがあったのだから、何か特別な属性とか付いてて欲しいですね。
失礼、sage忘れました。
面白かった(小並感)
本家エンドレスエイトの方も読んでみたくなったわ
GJです!
我道さん&くまのこさんGJ!
ミコっちゃん、やっぱり上条さんの口からあの言葉聞きたいですよね
上条さんも黒子に小声で言った辺り、意味把握してんじゃないですかねアレ
しかしやっぱり☆は上琴促進委員会名誉会長ですねw
連投ですみませんが、投下させてもらいます。
いつも通り短編です。
ベッタベタなラッキースケベ物です。
約3分後に、6レス使います。
セブンスミスト内にある、女性用下着売り場。
そこへ幼女と手を繋ぎながら歩く怪しい少年が一人。
名を上条当麻というその少年は、この状況に対し心の中で叫んでいた。
「不幸だ」、と。
彼がこうなったのは、かれこれ十数分前。いつものスーパーへと向かう途中だった。
「今日は鍋にでもしますかね」などと夕飯の献立を考えながら歩いていたら、背後から
「あっ! お兄ちゃんだ!」
と声をかけられた。
小学校低〜中学年らしい、短めのツインテールをした可愛い女の子だった。
その口ぶりから上条の知り合いである事は間違いなさそうだが、彼には覚えが無い。
どうやら記憶を失う以前に出会った子のようだ。
忘れてないフリ【このかんじ】も久々だな、と内心で苦笑いしつつ、少女に話を合わせる。
「おー、久しぶりだな。元気だったか?」
「うん元気だよ!」
「にぱっ」、と眩しい笑顔を向ける少女。
普段から『何故か』不機嫌な女性達を相手にしている上条にとって、
純真無垢なその笑顔は、とても癒されるものだった。
…何故彼の周りの女性達が『不機嫌』な態度を取るのかは、まぁ察してもらえるだろう。
「一人でお出かけしてんのか?」
「そうだよ。今からね、『セブンスミスト』行くの。あの時と一緒だね!」
「あ、ああ。そうだな。あの時と一緒だな」
勿論、上条には「あの時」がどの時なのかはサッパリ分からない。
だがどうやら、一緒にセブンスミストへ行った仲ではあるようだ。
この少女の名前は硲舎佳茄(はざまや かな)。
7月18日に洋服店を探していた所、
たまたま通りかかった上条に声をかけられ、セブンスミストに案内された過去があるのだ。
その日、事件に巻き込まれたという事もあり、彼女はその日の事をよく覚えていた。
なので一度しか会った事のない上条の顔も、よく覚えていたのだ。
「あ、そうだ! お兄ちゃんも一緒に来てくれない?
私今日初めて買うから、どんなのにすればいいのか分からなくて…お兄ちゃんにも手伝ってほしいの」
正直、一人にしておくのは少し心配だったし、まだスーパーのタイムサービスまで時間があるので、
上条は硲舎の申し出を受け入れる事にした。
「いいけど…何を買いに行くんだ?」
だがそれこそが、本日の不幸イベントの第一歩であった。
何故なら…
「えっとねぇ…『ぶらじゃー』を買いに行くの!」
なん…だと…?
そんな訳で上条は、幼女を引き連れて下着売り場に来ているのだ。
ぶっちゃけ硲舎の体型を見る限り「ぶらじゃー」とやらはまだ必要ないように思えるが、
「同じクラスの女の子が使い始めたから、自分も使いたい」
という乙女心【げんそう】をぶち殺す訳にはいかない。女の子に恥をかかせてはいけないのである。
しかしそれはそれ、これはこれだ。
思春期真っ只な高校一年生の男子学生が、女性用の下着売り場に来るというのは、
なかなかどうして、かなりの拷問である。その上、幼女という付加価値がついていれば尚更だ。
(うおおおお!!! めっちゃ気まずい!!! 何か周りから変な目で見られてる気がする!!!)
それは上条の被害妄想…かどうかは分からないが、少なくとも周りをキョロキョロしている今の上条は、
完全に不審者【あやしいひと】である。
「お兄ちゃん、こういうのとかはどうかな?」
上条が追い込まれている事など露知らず、無邪気にジュニア用の『それ』を手に取る硲舎。
対して上条は、
「あ、う、うん。いいんじゃないかな。お兄ちゃんもそれが可愛いと思うぞ。
あくまでもお兄ちゃんとしての意見な!? うん、お兄ちゃんとして」
『それ』がいいかどうかよりも、周りへ「お兄ちゃん」をアピールする方に必死である。
それが余計に怪しさを醸し出しているという事に、お兄ちゃんは気がついていないのだろうか。
その時だ。アクシデントの発生である。
身振り手振りで大げさに分かりやすく「自分は不審者じゃありませんよアピール」をしていたのだが、
上条の不幸体質がそうさせたのか、手が隣のマネキンに当たってしまった。
倒れそうになるマネキン。しかし、このまま倒してしまったら、余計に注目を浴びる事となる。
上条は持ち前の反射神経で、マネキンの体を支える。
セーフだった。……マネキン『本体』は。
だがそのマネキンが被っていたカツラがズルリと落ちたのだ。
冷静に思い返してみれば、カツラぐらいならば落としても大して問題はなかっただろう。
けれども人は何かを落とした時、それこそ反射的に手を伸ばしてしまうものだ。
とっさに空中でカツラをキャッチしようとした上条だったが、
マネキン本体を支えた直後だったので、バランスを崩してしまう。
そしてそのまま彼は、事もあろうに頭から突っ込んでしまったのだ。
下着売り場、その 試 着 室 に。
直後、大きな悲鳴と、最大級の『電撃』が上条を襲った。
上条達がセブンスミストへとやって来るその数分前、御坂美琴は下着売り場で悩んでいた。
彼女の通う常盤台中学では、外出時でも制服着用が義務付けられている。
しかしお嬢様と言えど中学生。オシャレを楽しみたいお年頃である。
なので見えない所【インナー】にお金をかける生徒も少なくないのだ。
その例に漏れず、美琴もお気に入りの下着を買いに来た訳だが、
彼女は悩んでいたのだ。
(う〜ん……中学生用ってあんまり可愛いの無いのよね……かと言ってこっちのは小学生用だし……)
美琴の御目に留まったのは、何かこう、フリフリしたヤツだった。
いや、百歩譲って少女趣味なのはまだいいだろう。問題はもっと他にある。
事もあろうにそのブラジャー、カエルのキャラクター【いつものアイツ】がプリントしてあるのだ。
人に見せる為の物ではないとはいえ、そのチョイスはさすがにどうなのだろうか。
だが彼女の悩みは、「さすがにこれは恥ずかしいかな…」ではなく、
(小学生用じゃサイズが合わないわよね…これのもう一回り大きいのって無いのかしら?)
であった。もはや重症である。
だがここで、美琴はとんでもない事に気づく。
小学生用…とは言っても、最近の小学生というのは成長が早い子も多い。
加えて美琴の胸は、お世辞にも大きいとは言えないサイズである。
つまり、だ。
(……あれ…? 意外とこれ、サイズ的にピッタリかも……)
サイズが合いそうという高揚感と、小学生用なのにサイズが『合ってしまいそう』という絶望感で、
複雑な感情が入り乱れる美琴。
だがまぁ、本当に合うかどうかは服の上からではイマイチ分からない。
美琴はとりあえず試着してみる事にした。
喜ぶのも落ち込むのも、本当にサイズが合うかどうか、試してからでも遅くはない。
試着室に入り、制服と自分のブラを脱ぎ捨てる。
上半身裸となった美琴は、先程手に取ったキャラ物のブラをさっそく着けてみた。
ピッタリだった。泣きながら笑い、ガッツポーズをしながら崩れ落ちた。
しかし合った物は仕方がない。これは買いだ。
試着も終わったので、元の制服姿に戻る為にカエル柄のブラのホックを外そうとしたその時、
キャイキャイした会話が試着室の外から聞こえてきた。
「お兄ちゃん、こういうのとかはどうかな?」
「あ、う、うん。いいんじゃないかな。お兄ちゃんもそれが可愛いと思うぞ。
あくまでもお兄ちゃんとしての意見な!? うん、お兄ちゃんとして」
どうやら兄妹らしい。声質からして、兄は高校生、妹は小学生だろうか。
しかしながらこの二人の声、何となく聞き覚えがある気がする。
特に兄の方は、毎日でも聞いているかのような。
(…ああ、カナちゃんとあの馬鹿か。
……………
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
気づいたその3秒後、
(あの馬鹿あああああぁぁぁぁぁ!!!?)
美琴は一気にテンパった。
何故上条が女性用下着売り場【こんなところ】にいるのか、
そして何故自分が試着室にいる時に【このタイミング】で現れるのか。
とにかくこの状況は非常にマズイ。
相手はあの上条だ。
あくまでも『例えば』の話だが、もし本人に悪気ややましい気持ちが無くとも、
『不幸にもマネキンを倒してしまい、咄嗟にマネキン本体は支えられたのだが、
その拍子にカツラが落ち、それをキャッチした時にバランスを崩し、そのまま試着室内へダイブする』、
という普通なら絶対に有り得ない行動を、彼ならばいとも容易くやってのけるかも知れない。
あくまでも『例えば』だが。
しかし美琴がアレコレと考えているうちに、その最悪の事態が起こってしまう。
ご期待通りである。
突然試着室の中に、カツラを持った変態さんが乱入してきた。
バッチリと目が合ったその変態が言った第一声は、
「あ…あーその……に、似合ってますね……」
だった。
瞬間、美琴の大きな悲鳴と、最大級の電撃が変態を襲った。
試着室に頭から突っ込んで行った上条の脳裏にまず浮んだ事は、
(あ…俺死んだ)
だった。
カーテンが閉まっている以上、そこで誰かが試着しているのは明白だ。
しかもここは、選りにも選って下着売り場である。
つまり、下着を試着中なのである。
「キャー、のび太さんのエッチー!」とビンタされるだけで済むなら問題ないが、
下手をすれば警備員に通報され、臭い飯を食わされるかも知れない。
色々と覚悟を決めつつ、上条は中の人と目が合う。
見覚えがあった。
不幸中の幸いなのか不幸中の不幸なのか、上条はその人物と顔見知りであった。
だがこれはチャンスでもある。
知り合いならば、誠心誠意説明すれば、分かってくれるかも知れない。
しかし説得させるにも、最初の一言が肝心だ。
何しろ相手からすれば、知り合いと言えども上条【じぶん】は完全なる変質者だ。
まずは相手を落ち着かせるべきだろう。
となれば、とりあえず褒めるのが手っ取り早いのではないだろうか。
女性は誰でも、褒められて悪い気はしない…と、雑誌に書いてあった気がする。
とまぁ、上条はそんな事を一瞬で考えた訳だ。
それで彼が言った一言が、
「あ…あーその……に、似合ってますね……」
なのであった。
目の前の、下着姿の美琴に向かって。
「き………きゃああああああああああっ!!!!!」
悲鳴と同時に電撃が放たれる。
この状況で「似合ってますね」は、完全に火に油を注ぐだけだったのだ。うん、だろうね。
上条は電撃を右手で打ち消し、そのままの流れで美琴の口を塞ぐ。
事情を知らない人が見たら…いや、知ってる人から見てもアウトである。
「しーっ! 静かにしてくれ! こ、これには事情があってだな!」
「もごもごもごっ!!!」
店員がこの騒ぎに駆けつけたら、上条の人生が詰んでしまう。
美琴が暴れないように押さえつける上条。もう一度言うが、美琴は上半身下着姿である。
上条は自分が置かれている状況を早口で、だが懇切丁寧に説明した。
試着室という半密室で、半裸の少女と密着しながら。
「―――って訳でしてですね!」
「だ、だだだ、大体分かったわよっ!!! だからもう、は、は、離れてっ!!!」
正直、こんな状態で上条の話など聞く余裕がなく、内容も半分くらいしか理解できなかったが、
とりあえず悪気は無かったというのは伝わったので、一応許した。
というか、一刻も早く試着室【このば】から出て行ってほしかったので、
下手に反論せず、話を打ち切りたかったのである。
だが上条は、そんな美琴の気持ちをアッサリとそげぶする。
「い、いや、待て。少し外がザワついてきた。今出てったら、本当に終わっちまう。
わ…悪いんですが、もう少しこのままにしてはいただけませんかね…?」
「えええええぇぇぇぇぇ!!!?」
美琴にとって、嬉しいやら恥ずかしいやら。
それから二人の体感時間では数分後(実際には数秒後)。
肌に触れるか触れないかの微妙な距離で、二人は何か変な気持ちになっていた。
試着室というのは、着替える為にそれなりのスペースはあるが、基本的に一人用である。
二人も入れば必然的に、密着状態となってしまうのだ。
(や…やだ…私汗臭くないかな……てか近いわよ〜〜〜っ!!!
コイツの息がダイレクトに当たってくるし……
あ〜もう! ドキドキしてんのがバレちゃうじゃないのよ馬鹿〜〜〜!!!)
(ヤ、ヤバいな……ダブルの意味でヤバい。
……改めて見ると、美琴って線細いんだな。それにすっげぇ肌綺麗だし……
…あっ…何か甘い匂いとかしてきた………って、いか〜ん!!! 今はそれ所じゃねぇっ!!!)
そう。ラブコメってる場合ではない。
お互いに、「今ここで私が目を瞑ったら、コイツもキスとかしてくれるのかしら…」とか、
「いっその事、何もかも忘れて美琴を抱き締めてしまうのは駄目でせうか?」などと一瞬でも思ったが、
もう少し自分達が公然わいせつ罪スレスレである事を自覚していただきたい。
しかしここでありがたい事に(迷惑な事に?)、
試着室に突っ込んで行ったまま帰ってこない上条を心配した硲舎が、外から声をかけてきた。
「お兄ちゃーん! 大丈夫ー!?」
ギクリ!とする二人。そんな大声で呼ばれては困る。
下着売り場の試着室(しかも使用中)に向かって、『お兄ちゃん』はマズいだろう。
上条は中から、小声で返答する。
「あ、あー…俺は大丈夫だから、心配すんなって。も、もう少しここにいるからさ」
「何でー?」
小声で聞き取りにくかったのか、硲舎はカーテンを少し開け、顔だけひょこっと出してきた。
するとそこには当然、
「あっ! 常盤台のお姉ちゃんだ! 何してるの?」
美琴がいた訳だ。
しかし、詳しく説明している時間はない。先程の硲舎の行動で、益々人が集まってくる…かも知れない。
だがピンチは逆にチャンスでもある。美琴は硲舎に、こんな提案をしたのだ。
「ひ、久しぶりね、カナちゃん。今私達、スパイやってるの」
「スパイ?」
「そう。それでここから逃げなくちゃいけないんだけど、人がいっぱいで逃げられないの。
だからここに人が来ないように、カナちゃんが協力してくれないかな?」
「私もスパイになれるの!?」
「うん、勿論!」
うまいもんだな、と上条は関心していた。
遊びに引っ張れば子供も協力してくれるだろうし、「スパイ」という響きも子供心をくすぐるワードだ。
その上で人払いもできる。その隙に上条が脱出できれば、彼は臭い飯を食う事もなくなるだろう。
硲舎は嬉々として、美琴の提案に乗っかった。
だがこれですんなり終わるほど、上条の不幸体質は甘くない。
ここにきて上条達は、本日最大の不幸を食らう事となる。
外から会話が聞こえてくる。
「久しぶりですね、セブンスミスト」
「でもさー、どうせなら御坂さんも誘いたかったよね。まだ連絡つかないんですか?」
「それが…携帯電話をお部屋に置いてどこかへ行かれたようで、連絡の取りようがありませんの…
はぁ……お姉様…今どこで何をしていらっしゃいますの…?」
聞き覚えのありすぎる声に、二人は固まる。
しかしそれだけではない。
「ひょうかひょうか! ここにはどんな美味しい物があるのかな!?」
「えっと…ここに食べ物は売ってないと思うな……」
「ここは。中々品揃えがいい。吹寄さんも。きっと気に入ると思う」
「ありがとう姫神さん。
私基本的に服とかも通販で買っちゃうから、こういう店ってあまり知らないのよね」
「そろそろ今のブラが合わなくなってきちゃったけど」
「Gめ! それ以上発育してどうする気だ!?」
「わ…わたくし、お友達とこのようなお店に入るのは初めてですわ…」
「まぁ! では本日を記念日にいたしましょう」
「ふふふっ。わたくしも湾内さんも、婚后さんに喜んでいただけて嬉しいですわ」
「女王。こちらのお洋服などは如何でしょう」
「ちょ〜っと趣味力が違うのよねぇ。もう少しシックなのってなぁい?」
「う〜ん…やっぱり子供服しか合うサイズがありませんね……
黄泉川先生のようにグラマラスでしたら、選ぶのも楽しいのでしょうけども……」
「いや、私はこういった事に興味がないから、
私からすればむしろオシャレを楽しめる月詠センセの方が羨ましく感じるじゃんよ」
「兄貴は下着売り場でも堂々としてるなー。恥ずかしいとかは思わないのかー?」
「俺は隣に舞夏がいるなら、女性専用車両にいても何とも思わないぜい。むしろご褒美だにゃー」
何故だ。何故このタイミングなのだ。続々と二人の知り合い達が集結してくる。
頼みの綱は硲舎しかいない。
うまくスパイの仲間になりきって、彼女(一部、彼)達を追い払ってくれるのを待つだけだ。
「あっ! 風紀委員のお姉ちゃん!」
「あら、あなたはバッグの…」
初春達と接触した硲舎が放った一言は……
「今ね! 常盤台のお姉ちゃんとツンツン頭のお兄ちゃんが試着室【あそこ】にいるけど、
スパイだから言っちゃ駄目なの! だから内緒だよ!?」
大声で。それはもう、売り場中に聞こえるくらい大声で。
「常盤台のお姉ちゃん」と「ツンツン頭のお兄ちゃん」…その場にいた者達は、
真っ先に『ある人物達』を思い浮かべ、そのまま凍りつく。
しかし、それ以上に凍りついたのは、中にいる当事者達だ。
数秒後、吹寄の手によって試着室のカーテンがガラッと開けられる。
中には上条と、半裸状態の美琴がそこにいた。
上条は今度こそ、臭い飯を食う覚悟をしたのだった。
もっとも、無事にここから生きて出られたら、の話だが。
以上です。
たまにはベタなのもね。
ではまた。
続きを早く
間に合わなくなっても知らんぞー!!
上条さん、臭い飯を食うのがイヤなら今すぐ婚姻届にサインするんだ。
美琴ちゃん、とりあえず服を着ればよか
……
いえ、なんでもありませーん!
続きが気になるがこれって短編なんですよね?
>>711 さん。>>714 さん。
すんません…続きは考えてないッス…
いいネタが思いつけば書くかも知れませんが……
>>713 さん。
「美琴が今つけているブラはまだお金を払っていないので、
その上から制服を羽織るのは気が引けるが、
かと言って元々美琴がつけていたブラに戻すためには上条の目の前で脱がなきゃならないので、
結局そのままだった」
っていう設定があったんですが、書き忘れてました…
支部では修正しときます。
今回のお話くまのこさんの数ある作品のなかでもかなり好きだw
GJです
もはや伝統芸能なみのラッキースケベですww
やはりくまのこさんの作品はたまりませんw
ども、・・・です
いやーいつの間にか4周年だったんですね
このまま10年行きましょうか(笑)
>>はりねずみさん
しっぽか!!!!!!!!!!!!!クワッ
……し、失礼、取り乱しました。
カミやん、飼……保護するからには責任最後まで、捨てちゃダメ。
>>シラホネX
判断基準がおかしすぎる!!!!
「はっはっはっはっ」ってアホか!!!(笑)
……次回作いつごろ?
>>我道&くまのこさん
最近わたしもしょっちゅうデジャブが……まさかね
そして配役がいちいち適任すぎるのですが
さらにアレイスターのラスボス感……懐かしい(笑)
>>くまのこさん
これがあったから新約の水着売り場で的確な判断が……失敗してたけど。
だめだよ、突っ込みどころ多くて3行じゃ無理だったよ。
いやー、ほんとに傑作、くまのこさんには敵いません!!
さて、わたくしは長編ではなく、
なんか電波をキャッチしましたので、そちらを投稿します。
短いですが、お付き合いください。
それでは
「ほい」
「ん、サンキュー」
「どーいたしまして」
「なぁ、御坂」
「何よ」
「これがバレンタインチョコとか言わないよね?」
「……当然でしょ、チロルチョコって、アンタはそれでいいの?」
「いやです」
「バレンタインはまだ先でしょ? まったく、どうしたのよ?」
「いえね、このスレ始まって4周年だろ」
「そうね、長いわね、ほんと」
「3回もバレンタインを経験したんだよ」
「本編はまだ1回もないんだけどね」
「そろそろ作者さんたちもネタ切れかなーと思いまして」
「……えい」ビリビリ
「なにすんだ!!!」パキーン
「アンタ、バカにしすぎ」
「作者さんを?」
「ん? まあそうね、この・・・【ポンコツ】を除いてあの人たちすごいから……けど」
「?」
「その前にさ、わ、わたしが、あ、アンタのために頑張らないわけがないでしょうが」//////
「」
「ち、ちょっとよ、ちょっとだけよ!!!」
「美琴!!」
「ちょ!! なに、急に!! は な せーーーーー!!!」
「いやだ!! お前かわいすぎ!!!!」
「ふにゃ〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
以上です。
長編やると短編書きたくなり、
短編やると長編を書きたくなる
この気持ちは何ーだろー
・・・さんへ
GJです!あと次回作は・・・・今の所予定はありません・・・
すみません。
あとシラホネXではなくシラボネXですw少し気になったものでww
スマホで打ちにくいので感想はまた次の機会に。携帯に慣れるためにもこねた書きました
御坂さーん、と彼女の友人、佐天涙子が呼んだ。
彼女らがいるのはセブンスミスト。珍しく二人きりなのだ。
「こんな服とか、御坂さんに似合うんじゃないでしょうか?」
そう言って美琴に見せたのは、黒のジーンズに灰色のシャツとジャンバー。どうも男っぽく、少女趣味の美琴だが、佐天に薦められると悪い気はしない。とりあえず試着はしてみる。
ジャンバーで胸が完全に隠れてしまう以外は気にいった。
「あの、これこのまま精算できます?」
その後地味な色のニット帽を買い、店を後にした。制服は店員から貰った紙バックにいれてある。
帰りに佐天宅でまた着替えれば、誰も彼女が美琴だと気づくまい。
「御坂さん。その格好で散歩したみたらどうですか?」 「うーん、バレなそうだからって、誰に会うのもなー」 「大丈夫ですって。私、家に帰ってますんでまたあとで来てください」
美琴から紙バックを預かると、佐天はそのまま帰っていった。
(まー、たまにはいいかな?)
とりあえずあの公園まで行って帰ってくればいいかと美琴は歩きだす。
道中は誰にも会わなかったが、目的地の公園の自動販売機に、アイツはいた。
(よりによってコイツかよ!?)
普通なら見つからない内に逃げ出すが、美琴はこれをチャンスだと考えた。
「ど、どうしたんだい?」
声色を低くして上条に話しかけた。
「ん?いや、百円入れたのにジュースが出てこねぇんだよ。ま、いつものことだくどな」
「だ、だったらわ…僕がなんとかしてあげるよ」
「できるのか?お前」
バレてない安心感と気づいてくれない寂しさが表れるがここは我慢。集中し電流を流す。百円を取り返すはずが出てきたのは苺おでん。しかも冷たいの。
「ご、ごめん」
「いいよ。気持ちだけ十分だ」
役に立てず悔しい。近くのベンチに座ると、あとから上条がコーヒーを二本もって美琴の隣に座り、コーヒーを差しだしてきた。
「さっきの礼だ」
「別いいよ。何もできなかったし」
「いいからいいから」
上条は美琴にコーヒーを押し付け、自分はさっさと飲んでしまう。
「俺は上条。お前は?」
「え?あ、……あ、相園」
「相園は電撃使いなんだろ?御坂と一緒だな」
「御坂?」
これはもしかして、普段彼が自分をどう思っているか知れいい機会ではなかろうか。
「友達なんだけど、お嬢様らしからぬ言動とかあってさ」
……。これからは御しとやかにしないと。なんて考えていると上条はでも、と続けた。
「誰よりも繊細で優しくて、抱えたことは一人で背負いこんで」
そこまで聞いて、美琴は意を決した。
「その人のこと、す、好きなの?」
上条はうーん、と考えると、
「正直わかんないんだよな、。でも、あいつは俺にとって大事な存在なんだよ。だから俺はあいつに何かあったら支えたい、助けたいって思うんだ。」
美琴は何も言えず、ただ俯くことしかできなかった。
「どうしたんだよお前」
「だ、大丈夫だ、から」
「やっぱ変だぞ、風邪か?」
そう言って上条はニット帽をあげておでこを出して顔を近づけそして。
「……お前、みさーーーー」
その後どうなったかなど想像がつくだろう。
以上。やっぱり指が疲れます。
>>・・・さんGJです!
今年もやってきましたねバレンタイン。
やっべ、今から楽しみすぎる!
>>はりねずみさんGJです!
その後はいつものアレですね?w
大事な存在って事は、そういう意味ですぜ上条さん。
はりねずみさんが投下されてから、まだあまり時間が経っていませんが、
明日早いので投下させてもらいます。
なりねずみさん…本当に申し訳ありません……
支部でリクがあったので短編書きました。
R−15くらいで、強引な上条さんに手が出ない美琴ちゃん。
それととにかく甘い上琴。
というご注文だったので、その設定に基づいてます。
約3分後に3レスです。
美琴は第7学区のコンサートホール前の広場にいた。
いつぞやの罰ゲーム以来、彼女と上条の待ち合わせは、決まってこの場所がお約束となっている。
そう、つまり美琴は今現在、上条を待っているのだ。
しかしせっかくのお出かけだと言うのに、何故だか美琴の表情は曇っている。
(はぁ……ホントあの馬鹿にも困ったもんよね……)
何だか上条の事でお悩みの様子だ。その理由は……
(ああんもう! アイツってば、チュウばっかするんだもん!
そりゃ私だって嫌いじゃないけど! ……てか好きだけど…気持ち…いいけど………
でも! 本当はもっとロマンチックな雰囲気でしてほしいのよね!
なのにアイツったら、朝起きたらチュウしろだの、出かける前にもチュウしろだの、
挙句の果てにはムラムラしたからチュウしろだの! もっとこう情緒ってもんがさあ!)
完っっっ全っっっに、ただのノロケである。純度100%のノロケである。
だが本人は本気で悩んでいるらしく、「今度チュウしようとしたら、ガツンと言ってやろう」
と考えているようだ。
正直な所、勝手にやってくれと思わなくもない。
美琴がそんな事を思っているとは露知らず、待ち合わせ場所に上条が到着する。
「悪い悪い。ちょっと待たせちまったか?」
「…別に待ってなんぶっ!!?」
美琴が言い終わるその前に、さっそく唇を奪われた。
本日、チュウ1回目。記録4秒。
「…ん……はぁ……じゃ、行くか」
当たり前のように、何事も無く。上条にとっては、これが唯の挨拶だとでも言うのだろうか。
さぁ、ガツンと言うチャンスだ。
「あ………ひゃい(はい)…///」
駄目だこれは。
二人は手を繋ぎながら…と言うよりは、お互いの指と指を絡ませ合いながら、
次なる目的地・映画館へと向かっている。
手からじんわりと熱が伝わり、汗をかいていないかと心配になる美琴である。
それでも手を離すつもりは全く無いようだが。
「ねぇ、今日はどんな映画観るの?」
「普通に恋愛映画だよ。前から美琴と行きたかったんだよな〜♪」
何故か妙に上機嫌な上条。
美琴の趣味に合わせたのだろうが、彼自身はあまり興味の無さそうなジャンルである。
もしかして、と思い美琴は一つ質問してみた。
「……べ…ベッドシーンとかあったりする…?」
「ああ、うん。あるぞ」
あっさり肯定。やはりそれか。
「や〜らし〜い! それが目当て!?」
「…まぁ、半分正解ってとこかな」
「何よ、半分って」
「ま、行けば分かるよ。それにベッドシーンだけじゃなくて……」
「んんっ!!?」
そのまま上条は、再びキスをした。
チュウ2回目。記録1秒。
「…って感じでキスシーンもあるぞ」
「…ふあ………不意打ち…反則…///」
とは言いつつ、満更でもないご様子。
頭がポケーとしてしまったせいで、『半分』正解の意味を考えられなくなってしまった美琴である。
ヒントは、上条自身が出していたというのに。
映画館に入り、美琴は不思議に思っていた。
上条が指定した座席は、N−12と13。ホールの最後列である。
「…? もうちょっと前の方が良くない?」
「いや、いいんだよここで。ここなら後ろに人がいないから、迷惑かけないだろ?」
ニヤッと不敵に笑う上条。
意味の分からなかった美琴だったが、映画が上映して初めてその恐ろしい計画を理解する。
上条は、
「ん…あ…んんっ…///」
キスシーンやベッドシーン流れる度に、
「ちゅぷ…らぁめ……ん、ふ……///」
美琴と、
「んー! ん、んー!///」
唇を重ねるのだった。
先程の半分正解とは、確かにお目当てはベッドシーンだったのだが、
上条はそれ自体が目的ではなく、そこに託けて美琴とイチャイチャする事を意味していた。
なるほど、こんな事をされた日には、後ろの座席の人は背もたれを殴り続ける事となるだろう。
と言うかもはや、映画の内容などどうでもいいのだろうか、上条は。
結局ろくに映画の本編を観ないまま、スクリーンにはEDのクレジットが流れるのであった。
チュウ3回目。記録2分19秒。
チュウ4回目。記録21秒。
チュウ5回目。記録1分57秒。
チュウ6回目。記録5分9秒
チュウ7回目。記録13分16秒。
…13分もしていれば、そりゃ映画なんて観れないだろうよ。
最終的には、内容に関係なくキスしていたようだ。
おかげで美琴は、
「…あー……♡ ぁ…あー……♡」
クッタクタになっていた。
映画館から出た二人は、そのまま食事する為にファミレスへと来ていたのだが、
美琴は何だか不機嫌そうに目の前のジェノバソースパスタを食べていた。
ふと、ハンバーグ定食を食べる上条の手が止まる。
「どうした? 美味しくないのか?」
「違うわよっ! 私はね、怒ってんの!」
「何で? えっと…俺何か悪い事したか…?」
本気で分かっていない上条に、美琴は声を荒げる。
「ア、アアア、アンタねえ!!! あんだけの事しといて!!!」
あんだけの事とは、勿論映画館での上条の行動だ。
正直美琴も気持ちよすぎて、軽く意識が飛んでしまった訳だが、それは内緒だ。
だって上条が付け上がるから。
しかし上条も黙ってはいない。彼は彼なりに、考えあっての事だったのだ。
「俺だってなあ! コレでもかなり我慢してたんだぞ!?
俺の父さんも美琴の親父さんも、キス以上の事は結婚するまで駄目だって言うし……
キスだけで理性抑えるのがどれだけ大変だと思ってんだ! 高校生の性欲ナメんなよっ!?」
店内で、そして大声で何を言っているのだこの男は。
ツッコミたい箇所が山ほど出てきた。さり気なく「結婚」ってワードもあったし。
父親達は駄目、という事は母親達的にはOKなのか。二人がキス以上の事をしても。
詩菜さん美鈴さん。初孫が早く見たいのは分かるが、もう少し二人の年齢を考えてはくれないか。
「で、ででででもっ! 私はその…め…迷惑してるの!」
ツンデレの悪い部分が出てしまったようだ。
本当は美琴も嬉しいくせに、つい口をついて反対の事を言ってしまう。
上条はその言葉に、腕を組みながら返答する。
「……分かった。じゃあキスすんの止める」
意外すぎる程アッサリ。
「え………えええっ!!? そんな、きゅ、急にっ!?」
「迷惑してるんだろ? 俺としては、そりゃキスしたいけど、美琴が嫌なら止めるよ。
だって……」
そう言うと上条は、ふっと笑いながら一言。
「美琴の事が世界一大切だからな」
ずどーん、と何かを打ち抜かれる美琴。
顔を真っ赤にしながら、美琴は本当の気持ちを打ち明ける。
「…そだから……」
「ん?」
「嘘だから! ホントは私も、いっぱいキスしてほしい!
で、でもアンタ、どんどんキスが上手になっちゃって…
私も…これ以上されたらおかしくなっちゃいそうで……
だ…だからその……す、少しだけお手柔らかに……その……んっ!!? んぁ…///」
またもや不意打ち。
チュウ8回目。記録2秒。
「い…言ったそばかりゃあ……♡」
「えっと……スマン…いやでも、今のは俺は悪くない! 美琴が可愛すぎる事言うのが悪い!」
8回目のキスは、デミグラスソースとバジルの味がした。
ちなみに二人には、周りのお客様達が椅子やら壁やらを殴っている事には気づいていない。
食事が終わった二人は、まんが喫茶へとやって来ていた。
誘ったのは上条だが、その目的は当然まんがを読む為ではない。
狭い個室へと美琴を連れ込み、
「んぶ……れぁ…は、あ、ぁ……あん…んふっ……ぷあっ!///」
思う存分キスする為だ。
チュウ9回目。記録9分44秒。
入店していきなりの9分台である。
「ア…アンラねぇ……しゃっき言ったころ、もうわるれらの…?」
大分ろれつもおかしくなってきたようだ。
しかし、それでも上条は止まらない。
「忘れる訳ないだろ? 美琴が、『ホントはいっぱいキスしてほしい』って言った事をな」
「おおお、おてやわりゃきゃに、とも言ったりゃない!」
「無理! 今日の上条さんは攻め上さんです!
美琴のあんな告白聞いて我慢できたら、そいつはもう男じゃねーよっ!」
「だ、だかりゃって、こんにゃねちっこくキシュされたりゃ……んんんっ!!!///」
「ん…みほと(美琴)……ちゅぷ…くちゅ…は、ぁ、美琴!」
「あ…りゃめ……ん…ほんろに……んちゅ、ぷちゅ……おはひきゅ…ぁ…なりゅううう!!!///」
チュウ10回目。記録37分19秒。
「はぁ……はぁ……」と二人の荒い息遣いだけが、個室の中でこだまする
もう舐りすぎて、口の中の味が自分の唾液の物か相手の唾液の物かも分からない。
さすがにちょっとやりすぎたかな、と上条が美琴に声をかけようとしたその時。
ドンッ!と上条は押し倒された。
何事かと見上げたその先には、
「はぁ…はぁ……と〜うみゃ(当麻)〜…♡」
顔をトロトロにさせながら覆いかぶさる美琴がそこにいた。
「え、み、美琴さん…? 一体どうしましんぐっ!!?」
「とうみゃ…しゅき…んぷっ…ちゅきちゅきぃ……んくちゅ…らいちゅきいぃ!♡」
今までとは逆に、上条が唇を奪われる形となっている。
「んぴちゅ…くちゅ……とうまとのキス、しゅきい! とうみゃのことしゅきい!
もっろ…んっふ…してぇ……ちゅくちゅく…いっぱいキシュ、してぇ!」
説明しよう! 美琴は限界までなぶられ続けるとスイッチが入ってしまい、
上条以上のキス魔へと変身してしまうのだ!
つまり、攻守逆転である。
チュウ11回目。記録4分8秒。
だがしかし、美琴はただキスしていた訳ではなく、
「!!? がっ、あ…!?」
美琴は口から電流を流し、上条を痺れさせる。
幻想殺しの性質上、右手には能力が効かないが、逆に言えば右手以外の全身には能力が効くのだ。
美琴が上条を麻痺させたのには理由がある。それは、
「今日はい〜っぱい愛してもりゃうんらかりゃね〜♡」
上条を動けなくし、逃がさない為だ。
今日、好き勝手に美琴を弄り回した報い…と言えるのかも知れない。
この後、上条は美琴にキスを何度もされる訳だが、
しかし、キスというのは唇以外の部分にしてもキスである。
例えば、ほっぺとかおでことか。他にもまぁ…色々だ。
つまり何が言いたいのかと言われると、
美琴は上条の全身の、『 あ り と あ ら ゆ る 部 分 』にキスしまくったのだ!
だが先程彼が説明したように、
美琴の最終防衛ラインにまで手を出す事は、刀夜と旅掛によって禁止されている。
もっとも、そうでなくとも今は全身痺れていて自由に動けないのだが。
よって上条は、美琴になぶられ続けている間、ずっと生殺し状態を味わう事になったのである。
それに対し彼はこんな感想を漏らしている。「不幸だ」、と。
では最後に、誰もが思った事を代弁して言わせてもらおう。
『お前のどこが不幸じゃボケッ!』
本日のチュウ。
最終回数 105回。
最長記録 2時間29分36秒。
ランキング
最終回数
一位 349
二位 262
三位 210
四位 174
五位 133
最長記録
一位 03:11:27
二位 02:29:36 ← NEW!
三位 01:51:48
四位 01:00:16
五位 00:53:52
以上です。
この程度ならエロじゃない…よね…?
ではまた。
ふぅ
チュー魔王上条ww
チュー魔神美琴ww
最高ですww
くまのこさんw
…ふぅ
上条さん理性抑えちゃダメだろ 保たなきゃ
1レスもらいます。
いちゃいちゃってほどのものではないですけど…
新約9巻のネタですので、ご注意くださいませ。
たぶん魔術とかいうやつが、魔人目掛けて落ちてくる。そのうちのひとつの前に右手を出して立ち塞がるアイツ。
「ちょっとアンタ!なんでそいつを庇うのよ!」
「約束しちまったからな。こいつを、オティヌスを守るって」
そう言い返すアイツに、わたしは思わず尋ねていた。
「そいつを守るってことは、八月三十一日の約束より大事なの?」
「その約束を守るためにも、俺はオティヌスを守らねえならねえんだよ」
アイツが真っ直ぐにわたしを見て言う。
「…ったく、それじゃあしょうがないわね」
ポケットからコインを取り出して指で弾き、そのままアイツの後ろから飛んでくる魔術の塊に向かって超電磁砲を放ってから、わたしはアイツの左隣へ移動した。
「アンタが約束を守ってくれているなら、ここはわたしの場所よ」
「御坂?」
「それに、わたしの周りにはアンタが必要不可なの。たとえ世界を敵に回すとしてもね」
「お前、それがどういうことか本当にわかってるのか?」
「わかってるわよ。それでもわたしは、アンタを信じてるから」
「御坂…」
「なによ?変な顔して。この美琴さんが信じられないとでも言うの?」
「いや、ありがとう」
「いきなり素直になられると、なんかこそばゆいわね」
「そういうもんか?」
「そういうものよ」
「よし、じゃあ一丁やりますかね」
「終わったら一日付き合いなさいよね」
「ああ、約束だ」
>>くまのこさん
>>682 積極的ですね美琴さん。上条さん、本人に言えたんだ。10000回以上ループした価値はあったもんだぜ。
>>あー、吹寄かー。逃げる?無理でしょw。臭い飯を食いたくなければ、『責任』を取れ。と
>>そ、その『ありとあらゆる部分』をチューする所を詳し……な、何でもありません!
>>・・・さん
わかりますよその気持ち。
4周年か。そういや私がこのスレ来てからもう少しで1年だなー。飽きっぽい私がよく続いたもんだぜ。
>>シラボネXさん
次回作が無い?『ならば甘甘な新作いちゃいちゃを書くのです!』って神浄の教えがあった……気がする。
>>734 さん
これはHN付きで書いてもらわねば!!
ではみこにゃんの投下します。
しばらくの間お世話になる以上、何か恩返しをしなければならない。
あの馬鹿は「いいよそんなの」とか言いそうだけども、何もしないのは美琴の性に合わない。
時刻は午後6時半。
やることはただ1つ。
「私が夕飯作ってあげるわ!」
「……えー」
「何よ!?」
上条はいかにも大丈夫かー?とでも言いたそうな目をして美琴を見ている。
「だってお前、料理とかしたことあんのかよ」
「ふっふっふ。私をただの箱入り娘だと思ったら大間違いよ!!」
ここで家庭的な一面を見せればこの馬鹿の興味を引いてもらえてムフフのふにゃー。
そんな期待を持って美琴は台所に足を踏み入れた。
まずは冷蔵庫の中身をチェックし、献立を考えることにした。
(ジャガイモに豚肉と人参ともやし)
もやしは除いて、今夜は定番のカレーにしようかなと辺りを見渡すが、カレーのル―らしき物は見つからない。
「ねー、カレールーは?」
「あー、そういや切らしてたな」
これではカレーは作れない。
どうしようかと少し美琴は考えた。
この材料でできる物、且つ家庭的であの馬鹿の気を引けるもの……
(あ、肉じゃが!)
さっそくジャガイモと人参を冷蔵庫から取り出すと、洗ったマナ板に乗せ、包丁で一口サイズに切っていく。
(それから野菜を茹でて……茹でて……)
学園都市に来てからも帰省した時などにママに作ってもらったりしたので肉じゃがを食べたことがないわけではないのだが……。
(………………)
「どうしたんだ御坂?」
動きの止まった美琴に気づいてこの馬鹿も台所に入って来た。
今さら肉じゃがの作り方を知らないなど。
フォアグラのソテーとかならわかるのに。
「……もしかして、作れないのか?」
しょうがないので美琴をコクリと、無言で一度だけ首を縦に振った。
この馬鹿ははぁーっとため息をついて。
「しょうがねーな。教えてやるから一緒に作ろうぜ」
「え、あ……うん」
とりあえず、結果オーライ?
上条が手伝ったとはいえ、美琴の腕前は上々だった。
さすがは美琴。包丁捌きは華麗で人参や玉ねぎも食べやすく、均等のサイズに切り分けられていた。
自分のより美味かった。と上条は素直に思った。
上条が教えた作り方。上条家の肉じゃが。また食べたいなと思う自分がいることに気づいて、首をフルフルと横に振った。
(何考えてんだよ俺は……あーでもなー)
生姜焼きにもやしを使った野菜炒め。まだまだ教えたいことがある。美琴に料理を作ってもらいたい。
そんな思いを拭えきれず、ベッドに置いてある枕を掴み取り、頭を突っ込んで足をバタバタさせる。
「……何やってるの?とうま」
「…………忘れてくれ」
嫌々ながら頭を上げると、インデックスはバスタオルを持っていた。
夕食が終って、今は美琴が風呂に入っているのだ。出てきてバスタオルがなかったら、この寒い季節、すぐに体が冷えてしまう。
「いいよ。俺が持ってく」
「え、それは」
インデックスが何かを言おうとしたが、上条は意にも介さずにタオルを受け取り、洗面所へと向かう。
そして脱衣所の扉を開けた。
この時、上条はすっかり忘れていた。
彼が今まで生きてきて、何も確認もなく扉を開けたらどうなるか。
「「…………」」
彼女を隠す物は何もない。その光景の全てが、上条の目に焼き付いた。
湯上りで火照った彼女の体は、幼児体型と猫耳も相まって、美しいというよりも可愛いと感じた。
体以上に顔が赤くなっている美琴の額から、バチバチと火花が散っている。
「ア・ン・タはぁぁぁ……いつまで見てるんだごらぁぁぁぁぁ!!!」
放たれた紫電は、タオルを消し炭にしてから、上条の右手に吸い込まれるように消えていった。
「し、失礼しましたー!!」
上条は慌てて脱衣所から出て扉を閉める。
その向こう側からはくしゅん!と美琴がくしゃみをしている。
「あ……タオル」
湯ざめをしてしまったのか。この冬の季節、すぐに体を拭かなければ風邪を引いてしまう。
上条はインデックスにタオルを持ってくるように頼んだ。
以上です。
猫耳、活かせてなくね?
>>はりねずみさんへ
この美琴の可愛さはやばいです!そして安定のラッキースケベww
しかし肉じゃがは男の弱点料理ですなww
突然ですが小ネタを一発投下します
小ネタ 上条さんがメ○ルマッ○ス4をプレイして
美琴「ちょろっと〜、何やってんのアンタ?」
上条「ん?なんだビリビリか」
美琴「ビリビリ言うな!」バチィ!
上条「はいはい・・・」
美琴「むかつくわねその態度・・・」
上条「上条さんは今ゲームをしてるのですよ」
美琴「ふ〜〜〜ん、珍しいわねアンタがゲームなんて」
上条「友人の青ピがゲーム機ごと貸してくれたんですよ」
美琴「で、どんなゲームをプレイしてるのよ」
上条「ん?これだけど?」
画面を見せる上条
美琴「メ○ルマッ○ス4?」
上条「そうだけど?」
美琴(よかったギャルゲーじゃない)
上条「どうしたんだ御坂?」
美琴「な、なんでもないわよ!」
上条「?」
美琴「で、面白いのそれ?」
上条「なかなか面白いぞ、だが・・・・」
美琴「どうしたのよ?」
上条「敵がレアアイテムをいっこうに落としません・・・・」
美琴「あいかわらずね・・・・」
上条「はははは・・・・・」
上条「あと主人公がなあ〜」
美琴「主人公がどうしたのよ?」
上条「記憶喪失なんでせう・・・」
美琴「アンタには他人事じゃないわね・・・」
上条「だが!上条さん的に許せない事が一つ!」
美琴「なによ」
上条「この主人公あちこちで、女の子をひっかけてやがるんです!」
美琴 (イラッ!)
上条「上条さんはこうゆうナンパな男はけしからんと・・・・」
バチバチ!
上条「あの〜御坂さん?何を怒って・・・・・」
美琴「あ〜ん〜た〜が〜!言えた事か〜〜〜!!」
バチバチビリィ!
上条「ひえぇ!なぜに!?」
美琴「自分の胸に聞け〜〜〜〜〜!」
上条「不幸だ〜〜〜〜〜〜!」
END(ひでぶ)
以上です
いちゃいちゃって難しいです
メタルマックスシリーズ好きなもんでなんかネタ書けないかな〜と思って、
始めは賞金首の美琴がハンター上条を逆に追いかけるってネタで書こう
としたら見事に話に詰まってしまいました・・・・
そしてこのていたらく・・・・文才ほしいです・・・・
書けるかな?
スミマセン…
スマホで書けなかったので、テストさせていただきました。
お邪魔しました。
時間のたつのははやいもので…。ご無沙汰しておりますorz
続きも書かなくてはいけないのですが、今回はリハビリに書いてみたお馬鹿ネタを投下いたします。
美琴「…ふぇ?」(ちょっと待って!?コイツ今、なんて言った?聞き間違いよね?コイツ絶対に言うわけないし…)
とある公園の自動販売機の前。なんともいえない間抜けな声が、常盤台の電撃姫、御坂美琴の口から漏れた。
上条「真っ赤になってる美琴も可愛いですねえ」
美琴「ふぇ?」(名前呼んでたああああああっ!!可愛いって言ってたああああああああ!!)
上条「上条さん、ちょっとヤバいんですけど」
美琴「な、なにが?」
上条「美琴が可愛すぎてヤバい」
美琴「ふぇ?」
上条「あーもー、ハグしますよ、ハグしますね、ハグしましょうの三段活用!」ギュー
美琴「っ!?」(抱きしめられてる!?コイツに抱きしめられてる!?)///
上条「あー、上条さん幸せです。美琴をハグできて」ギュー
美琴「な、な、な、な、なんでいきなりハグゥゥゥゥゥッッ!?」
上条「そこに美琴が居るから」ギュー
美琴「わけがわからない!」///
上条「なんで?恋人を抱きしめるのって普通じゃね?」ギュー
美琴「い、い、い、いつから恋人になったのよ!?」
上条「昨日の夕方。ここでお前にOKもらったじゃねえか」ギュー
美琴「アンタが告白してくれたの!?わたし、記憶にないんだけど!?」
上条「上条さんの一世一代の告白を忘れた…だと!?」
美琴「忘れたんじゃなくて、告白された覚えがないんだけど?」
上条「馬鹿な!?…まさか、魔術師?」…ハッ
美琴「いや、それはないと思う」
上条「じゃあ精神操作?」
美琴「わたし一応、心理掌握の超能力もガードできるけど」
上条「…いいぜ、お前が俺の告白を聞いていないというのなら、まずは、その幻想をぶち殺す!!」
美琴「え?殴られちゃうの?わたし!?」
上条「愛しい美琴を殴るわけないじゃないか」
美琴「ふぇ?」(愛しいって言ったああああああああああっっっ!!!)
上条「夕日に染まる公園に、俺は美琴を呼び出して、お前が好きだと囁いた」
美琴「何で一一一の歌のフレーズみたいになってるのよ!?」
上条「お前が好きだと囁いた」
美琴「大事なことだから二回言いましたってこと?た、確かに大事なことだけど!」
上条「美琴は顔を紅く染め、潤んだ瞳で見上げると、わたしも好きよと呟いた」
美琴「にゃああああああああっっ!!」ビリビリビリ
上条「照れて漏電する美琴たん萌え〜」パキーン
美琴「なんなのその慣れた感じは!?」
上条「美琴のことならお見通しだからな」
美琴「ふぇ?」///
上条「…いい加減始めようぜ美琴。俺とお前の恋物語ってやつをさ」
美琴「やけに詩的な表現が多いわねアンタ。そんなだったっけ?案外、夢と現実の区別がつかなくなってるとか?夢の中でわたしに告白して、夢の中のわたしもそれに応えたとかってオチだったりして」
上条「………」
美琴「あれ?ねえ、ちょっと。黙らないでよ」
上条「………」///
美琴「…ひょっとして、図星、だった?」
上条「………」コクリ
美琴「そっか。ふーん。そっか」
上条「………」
美琴「じゃあ、さ。せっかく夕日に染まる公園に居るんだから、さ。夢の中のこと、やってみなさいよ」///
上条「………」
美琴「………」
上条「………好きだ」
美琴「………わたしも、アンタが好きよ」
上条「………」ギュー
美琴「………」ギュー
おしまい
GJ!
お馬鹿で甘甘で最高です!
一哉さんの上琴は可愛くてほのぼのしてていい!
また来てくれ
3〜4年振りくらいに来たけど意外と賑わってるのね
ぐちゅ玉さんとか戻ってこないかな〜(チラッ
>>はりねずみさん
はやく尻尾も装備しましょう。もちろんぜんr(自主規制
>>シラボネXさん
賞金首な美琴でも、ハンター上条さんに発展途上の肉体を見られれば追い掛け回すようになるんじゃないですかねw
>>一哉さん
夢の中の出来事の続きはよ
最近つまんない作品ばっかだな
萌え殺されて酷いです…
ここのSS文庫化しないかな
笑有りトリックあり
更にはシチュ萌え…
くまのこさん、はりねずみさん、…さん、最近異色のシラボネXさんは何か新ジャンルw
Nさんもちょっぴりお帰りなさい
一哉さんはミコっちゃんより上条さんが可愛かったりw
おお!久々に来てみたら凄い事に!後でまとめ読みすっか!
745>>
GJです。
やべえ、ミコっちゃんも上条さんもかわええw
一一一の歌のフレーズってww
書き手の皆様のバレンタインネタ、期待してます。 チラッチラッ
>>733 さん
あっ、ホントだ。何か「汚名挽回」みたいになってますね。
あっちのは修正しときます。
>>735 さんGJです!
9巻良かったですよね。
次の投下もお待ちしてます!
>>はりねずみさんGJです!
全裸みこにゃんにハァハァせざるを得ない!
上条さんのラッキースケベ力に感謝です。
>>一哉さんGJ&お久しぶりです!
ふおおおぉぉぉ! 甘えええぇぇぇ!
上条さんも美琴ちゃんも、どっちも可愛くてたまんねッス!
短編書きました。
ご想像通り、バレンタインネタです。
約3分後に、4レス使います。
【2/13】
美琴は常盤台中学寮・厨房内の巨大冷蔵庫前で仁王立ちしていた。
中にある『その物』が冷えて固まるまで、ずっとここにいる気らしい。
本日は2月13日。バレンタインデーの前日である。
となればチョコ作りは乙女の嗜み…なのかどうかは分からないが、それを実行する者は多い。
美琴もその例に漏れず、大量の徳用チョコレートを購入し、湯煎し、型にいれ、
そして今は冷蔵庫で冷やし、固めている。
以前上条にクッキーを手作りして持って行った(とは言っても未遂で終わったが)時は、
寮内が大騒ぎ(主に白井)しないように、わざわざ佐天の寮まで足を運んだが、
今回はその必要は無い。
何故大量にチョコレートを購入したかという説明とも繋がる事だが、
今回に限っては周りにバレても何の問題も無いのだ。だって周りに配る為に作っているのだから。
バレンタインのチョコは、何も男性に告白する為だけの物ではない。
本命や義理の他にも、友チョコ、自分チョコ、家族チョコなど色々ある。
更には男性からチョコを渡すという、逆チョコなんて物もあるくらいだ。
故に美琴は、その友チョコを配る為にこうして手作りチョコを大量生産しているのだった。
…と言うのを建前に、堂々と本命も作れる訳である。
そう。この中には一つだけ、美琴の本命が隠されている。
木を隠すなら森…本命チョコを隠すなら友チョコの中なのだ。
とは言ってもその本命チョコは、ナッツやら砕いたクッキーやらが入っていたり、
カラフルなチョコスプレーでトッピングされていたりと、
明らかに他のシンプルなチョコとは違い、異彩を放っているヤツなのだが、
それでも美琴は周りには気づかないと思っているらしい。
いや、トッピングはそれだけではない。美琴はぺラッと、昨日買った雑誌のページをめくる。
内容はやはりバレンタイン特集だ。
美琴はこの雑誌を立ち読みした時、中に書かれていたチョコレシピに感銘を受けたのだった。
『最後の仕上げに加えるのは、あなたの恋する気・持・ち!
それは気になる彼をメロメロにさせる、魔法のような甘味料!』
…つまりそのトッピングというのは、「コイスルキ・モ・チ」とかなんとかってヤツである。
美琴にとっては目からウロコだったらしいが、
こちらとしては読んでる方が恥ずかしくなるフレーズだ。
その雑誌、発行されたのが本当に平成なのかと疑いたくなってくる。
ともあれ、それだけ本気でチョコ作りに専念している訳で、
美琴は本命チョコを作るにあたって、様々な人から意見を聞いていたのだ。
例えば春上曰く、「お腹いっぱいになるくらいがいいの」
しかし腹いっぱいになるまでチョコを食べると、ハッキリ言って気持ち悪くなるだろうから却下。
枝先曰く、「メッセージに『好きです!』って入れるのはどうですか?」
しかしそんな勇気があったら初めから苦労はしない。却下。
婚后曰く、「ほ、ほほほ本命ですのっ!? そ、それは勿論…こう…ゴ…ゴージャスな感じですわっ!」
抽象的すぎて参考にならない。却下。
湾内曰く、「まぁ! ではチョコレートで出来たお城などいかがでしょう!」
メルヘンすぎる。却下。
泡浮曰く、「そうですわね…ではチョコレートで出来たお城など(ry
同上。
ゲコラー仲間である食蜂の取り巻き(縦ロール)の子曰く、「勿論ゲコ太形ですわね!」
予想はしていたが、却下。というか、それは美琴本人が欲しい。
佐天曰く、「唇にチョコを塗って、チョコキスしちゃうってのはどうですか!?」
却下。
美鈴(電話で聞いた)曰く、『全身にチョコを塗りたくって「私を食・べ・て?」とか言うのはどう!?』
却下。
結局、「他のチョコよりは気持ち豪華にして…あっ、でも気合を入れすぎると
逆に引かれちゃうかも知れませんので、そこら辺はご注意を。
それから相手は男性なので、少し甘さは控えめにして、
あとはそうですね…歯ごたえのある物が入っているといいかもですね。
男の子ってそういうの好きですから」
という初春の無難かつ的確な案を採用(ナッツやクッキーが入っているのはその為である)した。
他の案が軒並み使い物にならなかった、というのもあるが。
ちなみに端から、白井は調査対象から外されている。オチが見えているから。
そんな訳があり美琴は、
冷蔵庫の前で大量の友チョコとたった一つの本命チョコが完成するのを待っているのだが、
その間に他の寮生に、異彩を放っているヤツ【ほんめいチョコ】について訪ねられ【ツッコまれ】、
彼女はこう答えたのだった。
「あっ、ちちち違うのっ!!! ここ、これはその…ほ、本…命……とか! そういうんじゃなくてっ!
ただちょっと材料が余っちゃったから、最後に作った一個に全部入れたってだけで…
だから本当に想像してるような物じゃないからっ!!!」
今更何を言っているのか。本命チョコについて、色んな人に聞きまくったくせに。
大方調査する時にも、
「本命チョコについて聞きたいんだけど……へっ!!? あ、いやその…わ、私じゃなくて!
ただアンケート調査と言いますか……深い意味は無くて…………
あっ!!! そうそう、と、友達よ! 友達に聞いてきてくれって頼まれたの!」
とでも言って誤魔化したのだろう。それで誤魔化しきれる訳がないが。
ともあれ、後は固まったチョコを箱詰めして、ラッピングすれば準備は完了だ。
長々と説明はしたが、あくまで今日は本番の前日。
決戦は明日、バレンタインデー当日なのである。
【2/14】
美琴はとある高校男子寮・入り口前で仁王立ちしていた。
ただし、昨日と違ってかなり落ち着きが無い。
足はパタパタと忙しなく動き、近くをキョロキョロと見渡したかと思えば、
バッグの中から手鏡を出し、髪型がおかしくないかチェックする。
(お…落ち着け…落ち着け私! これはあくまで、義理チョコなのよ!
普段の感謝の気持ちを伝える手段として、チョコを渡すだけ!
あの馬鹿はどうせ本命だなんて思わないんだし……いや、ちょっとくらいなら気づいてくれても………
じゃなくてっ!!! 変な期待とかすんな私っ!
そうよ、気軽に渡せばいいのよ。友達にあげた時みたいに、
「今日バレンタインでしょー? これアンタにあげるー」って感じで―――)
「よう、美琴。俺の寮【こんなとこ】で何してんだ?」
「なーっしゃらーいっ!!!」
脳内シミュレーションの途中で話しかけられ、謎の言語で奇声を発する美琴。
しかも話しかけてきた少年は、美琴が今まさに待ち構えていた相手である。
「…えっ? 今の何語?」
「ななな何でもないからっ!」
明らかに何でもなくないのだが。
美琴は深呼吸をして自分を落ち着かせ、本題に入ろうとする。
「あ、あーその…きょ、今日はバレンタインでしょー? これアン…タ…に…?」
シミュレーション通りの台詞を言おうとしたその時、
美琴は上条が抱えている大荷物にやっと気づく。
相当大きなダンボールだったのだが、それが目に入らない程にテンパっていた、という事だろう。
しかし問題なのはダンボールそのものではなく、中身の方だ。
美琴は一気にテンションを下げ、逆にイライラゲージを上昇させる。
「……ふ〜ん? ずいぶんと重そうにダンボール抱えてるじゃない。
それ中身、全部チョコなんでしょ?」
「何か今日、いっぱい貰っちまってさ」
さらりと言う。チョコをいっぱい貰ったという情報をさらりと。
美琴のイライラゲージはMAXまでたまった。
「あっそう! へー、そりゃ良かったわねっ!」
「な、何で怒ってんの?」
しかし、いつも通り鈍感全開な上条は、何故美琴がお怒りなのかは分からない。
それが余計に火に油を注いでいるとも知らずに。
「べーつーにー!? ただ、そんなに貰ったんなら、私からのチョコなんていらないかなーってね!」
「へ? 美琴も持ってきてくれたのか?」
「ったく、アンタが手作りがいいなんて言うからわざわざ作ってきたってのに……」
「ああ…前に言ったな。そんな事」
そんな事…と言うのは、序盤で説明したクッキーの件だ。
上条が入院し、美琴はお見舞いとしてデパ地下の高そうなクッキーを買って来たのだが、
その際に上条は「手製がベスト」と、ある種の贅沢をのたまったのだ。
以来、何かと手作りのお菓子を上条に渡そうとしていた美琴だったが、ことごとく失敗している。
だから美琴も「今回こそは!」と意気込んでいた訳なのだが……
「でもその必要も無かったわね! そんだけおモテになるんだから!」
上条の抱える大量のチョコレート(それもおそらく、その殆どが本命)を見て、
何だかどうでもよくなってしまった。
だがチョコを多く貰えるというのは、
逆に言えば上条のフラグ能力がそれだけ凄まじい事も意味している。
なので上条は美琴に対しても、
「んな訳ねーだろ? 作ってきてくれたんなら、上条さんは喜んでお受け取りしますよ。だって…」
「だって?」
ごく当たり前のように、そして自然に、
「美琴からのチョコは特別だからな」
フラグを強化してくるのである。
それは上条からすれば、特に深い考えも無く、何となくで口から出てきた言葉だった。
だが…いや、だからこそ、美琴からすれば何よりも嬉しい言葉だったりする。
上条が無自覚にこんな事を言っちゃうヤツだという事は、頭では理解しているつもりなのだが、
心はどうしてもトキメいてしまうのだ。
惚れた弱み、とかいう物なのだろう。正直な所、ごちそうさまでした、である。
「っ!!! し、ししし仕方ないわねっ!
そそ、そこまで言うならあげてやらなくもないかなっ!!?」
さっきまでの不機嫌オーラはどこへやら。美琴の顔が、一気に赤く染まっていく。
こうして今日も、『まんまと』上条にしてやられてしまう美琴なのであった。
ちなみにその日の夜、上条から
『色々食べ比べてみたけど、美琴のが一番美味かった。ナッツとか入ってたし』
というメールが届き、
美琴はベッドの上でゴロゴロと転げまわりながら、初春に感謝するのだった。
以上です。
どうでもいいこだわりですが、
何気に13日の話は13日に、14日の話は14日に投下してます。
今年はいくつバレンタインネタが投下されるのか、毎年の事ながら楽しみです。
ではまた。
「くまのこさんの作品を皮切りに!! 今年もやってまいりましたバレンタイン!!」
「今年も去年以上に盛り上がっていきましょう!!」
「司会は、ゲンコロこと、わたくし上条当麻と!!」
「ビリビリこと、わたくし御坂美琴がお送りします!!」
わーわー
「さっそくにやにやいたしました!!」
「わたしたちの話なんだけどね」
「若干、オレが気障っぽいと思うけど?」
「……あんなもんよ、アンタ」
「えー、そうか?」
「そうよ、どちらかというとわたしが簡単な女になりすぎな気がする」
「いや、あんなもんだぞお前」
「なんですって?」
「……今年はいったいいくつ作品が読めるのでしょうか!!?」
「スルーすんな!!」
「それでは、感想(CM)を挟んで次の作品へと移ります」
「最後まで無視なのかわたしはーーーー!!!!」
改めて、どうも、・・・です
>>くまのこさん
相変わらず鈍感なカミやんと、テンパり美琴はほのぼのしますなー
上の作品にも書きましたが、カミやんのカッコよさとみこっちゃんのちょろさは罪だと思うの。
っていうか、よく不幸に巻き込まれず帰れたね上条。
ほんとは作品ごとに上のやつやりたいんですが、仕事がありまして、
脳内で各自勝手にやってください。
……7だれか、引き継いでもいいのよ?
くまのこさん、・・・さん乙です
今年のバレンタインもSSで上琴充できて嬉しい
こんにちは。最近向こうにssを投下している者です。
バレンタインssを書いたので、こちらに投下したいと思います。
全部で5レス分になります。
吐息も白く染まる寒い季節、冬。
そんな冬でも心がポッカポカに温まるイベントがいくつかある。2月14日バレンタイン。
日本では製菓業界の努力によって、女の子がチョコレートを想い人に贈る日となっている。
女の子は皆、チョコレートと共に想いを恋する男に贈れるかどうかでドキドキソワソワ。
うまく贈れれば新しいカップル誕生の声を聞くことができるだろう。(リア充爆発しろ)
だが最近は女の子に限らず、男の子からも同じようにチョコレートを贈ったり、
友達同士で贈りあったりなど、バレンタインの贈り物の形式は徐々に変化してきている。
そんな冬の日の放課後。
御坂美琴、白井黒子、初春飾利、佐天涙子。
いつもの仲良し4人組中学生は、バレンタイン特集の半額商品を物色するべく繁華街を歩いていた。
「いやー、しかしびっくりしましたねぇ……紙袋いっぱいのバレンタインチョコなんて都市伝説だと思ってました!」
黒髪長髪に白いヘアピンを留めた少女、佐天涙子は歩きながら感動の声を漏らした。
柵川中学と常盤台中学。
それぞれ違う学校に通う彼女達は、放課後一緒に遊ぶにはどこかで待ち合わせをしなければならない。
そのため、普段から頻繁に利用するとあるファミレスの前を、本日の集合場所にしていた。
後から到着した初春、佐天の柵川組。
そこには、バレンタインのチョコレートがぎっしり詰まった紙袋を大量に抱えた美琴と白井が待っていたのだ。
その紙袋も1個2個の話ではない。美琴1人では到底持ちきれず、両手で持ち、肩に掛け、白井にも持たせ…ととにかく大量だったのだ。
現に今も、初春と佐天もその紙袋を持って歩いているほどだ。
「ははは……去年もいっぱいあってね、通学カバンだけじゃ絶対入りきらないから、今年は紙袋も用意したんだけど…」
「わたくしが予備に確保しておいた分まで使わなければ、到底収めきれない量でしたのよ」
さすがわたくしのお姉さま! と白井はツインテールをなびかせているが、さすがに双方の紙袋が邪魔で、飛びつくのは自重したようだ。
ちなみに件の美琴の通学カバンは、普段の3倍近くに膨れ上がっている。
「これ全部本命チョコだったりするんでしょうか?」
己の持つ美琴の紙袋の中を覗いた初春は、その中に詰められたチョコレートの外装を見て思う。
可愛らしい包装紙に、色とりどりのリボン。実に気合の入った包装で、中身も相応に気合の入ったものであると推測できる。
「まさか。これ全部学び舎の園の中で貰ったものだから、確実に義理とか友チョコの範囲よ」
その初春の呟きに美琴は苦笑いで答える。学び舎の園は女子校のみが集まる男子禁制の領域。
なれば、美琴のもらったこのチョコレート達の送り主は、皆女性ということになる。
普通ならこれらが本命であるはずはないのだが。
「まあお姉さま! よもやわたくしのバレンタインチョコまで義理とおっしゃるおつもりではありませんわよね!?」
例外はどこにでもいるものだ。しかも、美琴の場合はそれがすぐ傍にいるから始末に悪い。
「はいはい、友チョコの本命よね。」
御坂美琴お姉さまラブラブラブ!!! という程度には美琴を愛して止まない淑女・白井黒子。
当然彼女も今日の朝、おはようのハグと共に愛しのお姉さまへとバレンタインチョコを渡している。
もちろん美琴もその場で電撃と拳骨のお返しをしている。ちゃんとしたものは3月のホワイトデーに渡すつもりでいるが。
ああん黒子は本気でお姉さまを愛していますのにー! やめてよねそういうのホントに、と二人が会話するのを尻目に、
初春と佐天は美琴のバレンタインチョコについて、こそこそと意見交換をしていた。
「(御坂さんの鈍感具合も相変わらずですね。コレ絶対本命チョコありますって)」
「(それよりさ〜、御坂さんは本命チョコを誰かさんにあげたりしたのかな!?)」
二人は女子中学生!
自分の恋も他人の恋も気になるお年頃。
それが憧れの先輩のものであるならなおさら。
大切な友人であり頼れる先輩である少女は、最近なにやら秘密の単独行動が増えている。
美琴ラバーでありルームメートの白井の目をごまかす手伝いや、その白井から愚痴という形でそれらを知った二人は、
それが美琴の恋による乙女の戦ではないかと推測していた。
そして今日はそんな恋する乙女の大一番の勝負所。
本日美琴を遊びに誘ったのは、それらの情報を引き出し、必要なら援護する腹積もりだったのだが。
今のところ、本命相手にチョコを渡す渡さないなどの話題は全く出てきていない。
これを機に美琴本人に鎌を掛けてみようと意気込んだ矢先、彼女達4人組に話しかけた男がいた。
「あれ、御坂じゃねーか。こんなとこで何してんだ?」
「あん? ああ、アンタか」
何がどうしてそうなったのか、紙袋を道端に置いて白井にヘッドロックを掛けていた美琴はその声に振り返った。
白井をペイッ! と放り投げた美琴はその男に正対すると、初春・佐天そっちのけで話し込み始めた。
「(御坂さんのお知り合いでしょうか? なにやら仲がよさ気に見えますが…)」
「(あれは上条さん! ほら、大覇星祭のときに御坂さんと色々やったっていう例の!)」
「(ほえ!? ということは、もしかしてもしかしちゃったりするんですかね!?)」
キラキラと目を輝かせ始めた初春の変化に苦笑しつつ、佐天も美琴のバレンタインチョコの行方を探るために、
正面の二人をロックオンして、会話や些細な動作も見逃さんと集中する。
そんな初春と佐天を気にした様子も無く、美琴と上条は世間話からバレンタインチョコの話題に移っていた。
「すげえ大荷物だな。これはひょっとして?」
「うん、バレンタインチョコよ。常盤台生だけじゃなくって、学び舎の園内の他校生にも貰っちゃって、この有様よ」
「義理…ですよね?」
「あたりまえでしょ。まあ、来月にお返ししなきゃいけないから、大変な事に変わりは無いんだけど」
はぁーやれやれと、美琴は大きく肩を回す。
あれだけのチョコレートを抱えていたのだ。そりゃあ肩も凝ってしまうというもの。
「そういうアンタはカバン以外何も持ってないわね」
知る人ぞ知るフラグ男。またの名を女泣かせ。
その上条がこんな日に何も持っていないというのは不思議なことだ。
「カバンの中に入る程度にしか貰ってないとか?」
初春や佐天は上条のフラグ体質を知らないが、それでも美琴の想い人(推測)が収穫ゼロだとは思っていなかった。
美琴を通じて尋ねられた疑問の答えを聞き逃すまいと、全力をもって聴覚を働かせる。
「…いや、バレンタインチョコなんて1個も貰えてませんが……」
「は?」
「だから! 俺はバレンタインチョコ0個の負け組みですよ!」
「はあああ!?」
なんとなんと、あの上条当麻は本日のバレンタインチョコの収穫数はゼロ。
あちこちでチョコをもらえる男子に爆発の呪詛をかけている可愛そうな側の男子だったのだ。
まあ、例によってクラスの男子の妨害とおきまりの不幸が炸裂したせいで、
上条の手に実物が渡らなかっただけだったりするが、ここでは省略する。
上条が立てたフラグの数を知っている美琴は、この事実に大いに驚いていた。
さらに自分の思惑がはずれ、ちょっとまずいかも、とか思っていたりしたが、顔には出さなかった。
そしてこっちもこっちで驚いていた。
「(ゼロ…だと…!? 御坂さんの想い人(推定)は御坂さんにしか人気がないのか!?)」
「(想い人かどうかはまだ分かりませんが、ここで御坂さんがチョコを渡せば御坂さんの想い人確定ですし、ゼロじゃなくなりますし……)」
はらはらどきどきと見守る中、美琴と上条の会話はヒートアップしているようだった。
「ゼロなの? 本当にゼロなわけ?」
「ゼロですよ! お前こんな可愛そうな男子に塩を塗りこむんじゃありません!」
「そっかぁ…ゼロかぁ……ふふっ」
「笑いやがったな!? 上条さんの純情ハートは傷つきましたよ! 慰謝料として美琴たんのバレンタインチョコを請求します!」
キターー! と内心大盛り上がりになった初春と佐天。
美琴からのアプローチではないにしろ、ここで美琴が答えればこの上条という男が美琴の想い人確定となるだろう。
美琴との友人期間が長いわけではないが、それなりに濃いお付き合いにはなっている。
そこで知りえた美琴は、なかなか純心で乙女チックな姿だった。
たとえ知り合いに憐れな男がいても、本命以外にはバレンタインチョコを贈ったりはしないんじゃないだろうか。
美琴がチョコを渡したら思う存分からかってやろうと思っていた二人は、しかしその期待を裏切られた。
「美琴たんいうな! というかないわよ?」
「………what?」
「アンタにあげるチョコなんてここにないわよ?」
ヒュウ、と一陣の風が通り抜けたが、その風が妙に冷たかった気がする。
上条は美琴のその一言に加え、先の冷風に止めを刺されたようで完全に凍り付いてしまっている。
おーい、と美琴が上条の眼前で手を振っているが、全く反応がない。
しばらくしても上条は動き出す様子を見せない。諦めたのか、美琴は紙袋を白井を回収してこちらに戻ってきた。
「早くしないとバレンタイン特価の半額チョコレート売り切れちゃうし、行きましょう」
そして、何事も無かったかのようにデパートへ向けて行ってしまった。
「初春…」
「佐天さん…」
「見なかったことにしよう」
「見なかったことにしましょう」
残された2人の熱気はすっかり冷め、これいじょう冷えても堪らんと、後ろを振り返らずに美琴の後を追った。
「ミコっちゃんは絶対くれると思っていたのに…」
あれから数分。
悲しみから解凍された上条は、肩を落として自身の学生寮へと帰宅していた。
先程はあんな態度であったが、実は上条と美琴は付き合っていた。
上条の周りにはデルタフォースをはじめとした男子達、美琴の周りには白井とか白井とか白井とか。
周りにばれると碌な事が無いというのはお互い分かっていたから、付き合っていることは秘密にしようと約束したのだ。
既に美琴の身も心も隅から隅まで戴いている。
そんな関係であるから、バレンタインチョコもくれるものだとばかり思っていたのだが。
「こんばんは。ミサカです」
「うおう!」
地味にショックを受けていた上条には、背後の気配をよむ余裕が無かった。
慌てて振り返ったそこには御坂美琴の妹が立っていた。
「なんだ御坂妹かよ…驚かすなよな」
「勝手に驚いたのはそちらではありませんか、とミサカは貴方に異議を唱えます。
それよりも、本日ミサカはミサカ達とお姉様の分のバレンタインチョコレートを届けにきました、とミサカは早く受け取れと催促します」
「……御坂妹と美琴のバレンタインチョコレート?」
「はい。数々の妨害を危惧されていたお姉様に代わり、このミサカ10032号が代表してチョコレートを届けに来たのです、
とミサカはお姉様に頼ってもらった喜びをかみ締めつつ、お姉様譲りの無い胸を張ります」
「いや、胸のことは言ってやるなよ」
そう。美琴とて今年のバレンタインについて何も考えていたわけではなかった。
白井による妨害や、初春・佐天両名への恋人の露見。ほかにも上条の不幸具合を考え、直接渡すのは無理だろうと思った。
そこで、ダメ元で妹達にバレンタインチョコの配送を頼んでみたのだ。
妹達は美琴の頼みを快諾してくれ、今無事に上条の元へ美琴のバレンタインチョコが届いたというわけだ。
「ちなみに、お姉様は妹達全員にバレンタインチョコをプレゼントしてくれました、とミサカはお姉様の深い愛情を貴方に自慢します。
これに伴い、来る3月14日に向けてのお返し作戦を妹達全員で進行中です、とミサカはお姉様に深い愛情を返すことを貴方に宣言します」
「(こりゃ、ホワイトデーは大変だぞ美琴……)」
一ヶ月後、お返しの海に美琴が窒息しかけるのだが、それはまた別の話。
「とにかく、こちらをどうぞ、とミサカは貴方にバレンタインチョコを手渡します」
「おう。サンキュ。御坂妹の分も入ってるんだよな? ありがとな」
こうして無事に、上条にもバレンタインの祝福が届けられたそうな。リア充爆発しろ。
以上です
寒いですね。皆さん風邪を引かないよう全裸待機なんてしないでくださいね
夜あたりに向こうにもバレンタイン小ネタを落とす予定です。よかったら見ていってください
ちなみに私は昨日フライングで貰いました。甘食みたいな手作りクッキーでした
>>773 さんGJです
今日は寒すぎるので半裸待機で読んでます
ごめんなさい感想入れ忘れました
>>くまのこさん
無意識なフラグ男が一番手に負えないですよねー。頑張れ美琴ちゃん。胃袋は掴みかけているぞ
>>・・・さん
眠るまでがバレンタインだから大丈夫ですよ(ニッコリ
他の方のバレンタインssも楽しみにしています
>>くまのこさん
一番うまいのは、美琴の心が一番大きいからですよ。
>>・・・さん
仕事じゃ無理は言えません。でもホワイトデーは、期待してもいいですか?
>>767 さん
な、なんだってー!やけに美琴があっさりしてと思ったら!あっちの方も見に行こうかな
さて、残り1時間、なんとか間に合った―!
2月14日。それはまだローマ帝国が栄えていた時代、禁止された兵士の結婚式を行ったバレンタイン神父が起源とされているバレンタインデーだ。
大体の日本人はそんな事など知らないだろう。
本来は男女問わず恋人や家族に贈り物をする日なのだが、製菓企業の策略によって日本では女子が好意を寄せる男子にチョコを贈るという風習ができてしまっている。
それは外部から隔絶された学園都市とて例外ではない。
「あの馬鹿、喜んでくれるかしら」
日本中を襲った寒波によって、学園都市も雪が降り積った。
そんな中で常盤台中学の制服を着た栗色の髪の少女、御坂美琴は通学路の公園に立っている。
彼女も恋する乙女。周りの女子同様に想い人に手作りのチョコレートを渡し告白しようと思い心臓をドキドキさせている。
学園都市に七人しかいない超能力者の第三位であろうとも、この日はただの女の子だ。
(だいじょうぶ……大丈夫!シュミレーションは完ぺき!!)
レベル5級の能力を演算する頭脳によって作られた手順。
それはチョコをさっさと渡して告白して逃げ去るという、単純としか言いようのない物であるのだが、恋愛面で『あの馬鹿』が関ると本当に残念になってしまう美琴。
20分、30分で『あの馬鹿』、上条当麻が寒そうに歩いている。
「お…御坂か」
「や、やけにテンションが低いわね。今日はバレンタインでしょ?いくつもらったのよ」
からかう調子で言う美琴だが、バクバクと心臓が高鳴っている。
たくさんもらっていたらどうしよう。もしもその中に本命があって、もしもこの馬鹿が告白されていて、万が一にも付き合うことになってしまっていたら。
怖くて怖くて仕方がない。
「あー、クラスのやつからだけだよ」
この様子だと告白は受けていないらしい。
この馬鹿のことだ、その中に本命があっても気づかないはずだ。
「そっか。そっか。ふふふふふ」
これはチャンスだと不敵な笑みを浮かべる美琴。
「どーせ上条さんは義理チョコしか貰えませんことよ」
「べ、別にそういう訳じゃ……じゃなくて」
勇気を出して背中に隠していたチョコを前へと差し出す。
上条は本当に不思議そうな顔をしながら、
「こ、これは、まさか」
「今日は2月14日。バレンタインデー!それだけ言えばわかるでしょ!?」
この馬鹿に無理やりにでも押しつけようと体を前に出そうとするけれど、
「にょわ!!」
「御坂!!」
凍った地面で滑った美琴を支えようとする上条であったが、その上条さえも滑ってしまった。
「ってて、大丈夫か?御さ……」
背中が雪のせいで冷たい一方で顔の方は熱くなっているのが自分でもわかる。
目の前に、御坂美琴がいるのだから。
鳴護アリサの時もここまでではなかった。
実は学校で姫神愛沙で告白を受けていたのだが断っている。
その時に頭に浮かんでいたのは目の前の彼女だ。
(やべぇ、やっぱ御坂、かわいい)
端からはわからないほど薄く塗られた口紅。栗色の髪から香る柑橘系の甘い匂い。真っ赤に染まっている顔。
その全てが彼を魅了している。そう、彼は恋しているのだ。他の誰でもない、御坂美琴に。
理由などいらない。ただ彼女のことが好きなのだ。
「み、御坂さん?」
「…………」
美琴は何も言わない。ただじっと、上条を見つめている。
「そ、その、そろそろどいてくれると上条さんてきには嬉しいのですが」
「え、あ、ごめん!」
バッ!と美琴は起き上がり上条から離れる。
惜しいと思う気持ちもあるのだが、あのままでは理性を抑えきれず無理やりにでも美琴にキスをしてしまっていたかもしれない。
「そ、そのチョコ、アンタのだから!今度感想聞かせなさい!!」
そう言って美琴は走り去ってしまった。
残された上条は落ちていたチョコを拾い上げポツリと呟く。
「……手作り、だったらいいな」
以上です。どうしてもいつも私の上条さんはデレ条なのか。
デレ条さんかわいい
GJ
>>くまのこさん
じれったさがたまりません!GJ!
>>・・・さん
二人のやりとりがとてもいいですねGJ!
>>773 さん
してやられましたwwGJ!
>>はりねずみさん
デレ条さんもこれはこれでwwGJ!
ところで、私の作品ってやっぱ異色なんですかねww
自分でも他の人の作品とはなんかちがうな〜と、感じてはいました
この先もあんな感じの話しか書けそうにないので
このままこのスレで書き続けても良いのでしょうか?
>>758 で感想抜けてました……
>>シラボネXさんGJです!
上条さん、3DSの画面を見る前に、鏡を見ろ鏡を。
ヒナタさん同様、女の子をあちこちで引っ掛けてる男の顔がそこにありますぜ。
シラボネXさん、書き忘れててすみませんでした…
はりねずみさん///
可愛い
シラボネXさん
上琴愛があれば何でもOKです
むしろバリエーションが広がって色んな上琴が楽しめます
どんどんUPして下さい
たまにイチャイチャがあると(主に私が)萌え喜びます
くまのこさんのMIPも渋まですっかり楽しませて頂いてます///
>>781 正直に告白すると、最初のss見たときは荒しかと思った
今は普通に上琴同志だと思ってますよ
しかしシラボネXさんのあの掛け合いSSは結構癖になるw
>>くまのこさん
ミコっちゃんかわいいw上条さんのジゴロ感もすごいw
>>・・・さん
時間のできたときに書いても問題ないと思いますw
>>767 さん
確かにミコっちゃんなら隠しそうだけど、クールビューティ化しちゃってる?w
>>はりねずみさん
ゲンコロラッキースケベ的なの再びかと思ったのにw上条さんかわいいw
―――――
時間的にかなり遅れてしまいましたが、バレンタインネタができたので投下します。
恋する乙女にとっての決戦日。二月十四日、聖バレンタインデー。
常盤台中学のエース、『超電磁砲』の異名を持つ超能力者第三位・御坂美琴は授業が終わるとすぐに学生寮へと戻り、自室にある自分の机の引き出しを開けた。
引き出しの中から綺麗にラッピングされた小説の単行本程度の大きさの箱を取り出すと、それを制服の右ポケットに入れ、引き出しを閉めて立ち上がる。
それからそっと胸ポケットの上に右手を置き、中に入れてある物を布地越しに指先でそっとなぞってから右手をポケットの中に入れ、先ほど入れた箱の感触を確かめてから、携帯を取り出して時間を確認した。
16:24
(まだちょっと早いけど、行くか)
メールで指定して了解をもらった待ち合わせ時間まではまだ一時間ほど余裕があったが、呼び出しておいて遅れるわけにはいかないので、早めに待ち合わせ場所へ行くことにする。
(今日こそ、アイツに告白するんだから)
―――――
(落ち着け、落ち着くのよ)
指定した時間より四十分以上早く着いた公園にある自動販売機の横で、美琴は自動販売機に背を預けるようにして俯きがちに立っていた。
(まだ、アイツが来るまでは時間がある。むしろアイツは遅れてくるはずだから、それまでに気分を落ち着かせて)
そこで美琴はふと考える。
いつから、上条当麻を異性として意識し始めたのかを。
(…たぶん、あの時かな)
一方通行を倒した後に、アイツが橋の上で『またな。御坂』って名前を呼んでくれたとき。
(…自覚したのはもっと後だけど、あの時にはもう、好き、だったと思う)
単純に、名前で呼ばれると、嬉しい。
笑顔を向けられると、嬉しい。
(もう、アイツのいない世界なんて、考えられない)
そう思うからこそ。
上条の隣に立っていたいと願うからこそ。
美琴は決意したのであった。
「あれ?御坂。早いな」
「……え?」
声をかけられて顔を上げると、そこには待ち人がいた。
「ア、ア、ア、ア、アンタ。な、な、な、な、何で!?」
「なんでって、お前に呼び出されたからだけど?」
「た、確かにわたしが呼んだんだけど、早くない!?」
「上条さんも年がら年中、補修しているわけじゃないんですよ。御坂さん」
「そ、そっか」
「それで、どうして上条さんは御坂さんに呼び出されたのでしょうか?」
「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待って!!」
少し後ずさりながら、目の前にいる少年を観察する。
いつもどおりのツンツン頭に、気だるそうな眼差し。
何の変哲もない学生服を身に纏い、左手には学生鞄を持っている。
「あれ?アンタ、荷物それだけ、なの?」
「学校帰りだし、特売もないから平常どおりの持ち物ですよ」
「あ、あれー?」
「なんだよ?」
「バレンタインだから、いっぱい貰ってるんじゃないかな?って思ったんだけど」
「…少なくとも、学校では貰わなかったけどさ。それって厭味かなにか?」
じとっとした眼差しで睨まれる。
「いや、そういうわけじゃないんだけど…」
そう呟いて、美琴は右手をポケットに突っ込んだ。
大きく息を吸い込んで、右手で箱を掴むと、そのまま、少年の眼前に右手を突き出した。
「その、これ、アンタに…」
「え?これって?」
「さ、察しなさいよ」
「マジ?サンキューな、御坂」
箱を受け取り笑顔で言うと、上条は受け取ったものを鞄にしまおうとする。
「あのさ、その、今、開けて欲しいんだけど」
「へ?なんで?」
「そういうものなのよ」
「上条さん、甘いものなんて久しぶりなんで、食後のデザートにしようと思ったんですけど。ダメ?」
「食べるのは食後でもいいから、さ。とりあえず、開けてみて欲しい」
上目遣いで上条を見て、美琴はそう呟いた。
(バレンタインのチョコって、受け取ったときに見ないといけないんだっけ?)
包装紙のシールを剥がしながら、上条は心の中で首を捻る。
箱を取り出し、箱の蓋を開けて中を見る。
「…………!!」
箱の中のチョコレートを見て、上条の瞳が驚きの色に染まった。
しばらくして、美琴に顔を向ける。
「これ………マジ?」
「………」
小さく頷く。
たぶん顔は真っ赤になっているだろう。
「いや、なんつーか、その…」
見ると、上条の顔も赤くなっていた。
もしかしたら照れているのかもしれない。
「えっと…信じられねーっつーか…」
そんな上条の言葉に、美琴のこめかみにビシィッと青筋が走った。
「アンタねえ、女の子の純情、疑うのかコラ」
「いやだってこれ、既製品だろ?なんか間違えたんじゃねえかって思って…」
「確かに既製品だけど、本命と義理を間違えるなんてことあるわけないでしょうか!」
「義理?今、義理って言った御坂さん?ならやっぱり間違えたんじゃ?」
「そんなわけあるかああああっ!!」
バチバチバチィッ!!と少女の身体が紫電に覆われる。
「久しぶりにアンタに電撃喰らわせたくなったわ。いいかしら?」
「いや、今、右手塞がってるんで勘弁してください。てか撃ってきたら上条さんは身を守るため御坂のチョコを落としてしまわなくてはならなくなりますが」
「じゃあ、とりあえずチョコをしまってもらえる?」
「こ、こんなチョコ渡した相手に雷撃喰らわす気か!」
言い返しながら、それでも言われたとおりに箱を閉じて鞄にしまう。
その様子を見届けてから、美琴は帯電したまま尋ねた。
「こんなチョコってどんなチョコよ」
「ハートの形の『LOVE』って大きく書かれたチョコだよ!」
「その意味、わかってるわよね?」
「えーっと、本命チョコ?」
「そうよ」
「つまり、お前は俺が、その、好き、なのか?」
その応えに、美琴は右手を振りかざし、上条めがけて雷撃を放った。
「あっぶね!おい、御坂!」
上条は右手の幻想殺しで雷撃を打ち消すと、抗議の声を上げる。
だが、その声を掻き消すように、美琴は上条に向かって言い放った。
「絶対能力進化計画を潰したとき、たぶんあの時からわたしはアンタを気にし始めたんだと思う。アビニョンからの電話でアンタが記憶喪失になったってことを知って、そのあと第二十二学区でボロボロなのに戦いに行こうとするアンタを見て、アンタが好きって自覚した。その後、ロシアでアンタに拒絶されたときはすごい落ちこんだわよ。挙句アンタは行方不明になるし、海岸でゲコ太ストラップ拾ったときはアンタが死んじゃったんじゃないかってすごい不安になったわよ。でも酔っ払って帰ってきたアンタはたくさんの女の子を引き連れて学生寮に戻るし、かと思えば戦いに行くとか言い出すから、わたしも強引に着いて行ってアンタの力になれるって見せたのに、気がついたらアンタまた一人で勝手にどっか行ったわよね?まあすぐ戻ってきたけど、新しい女の子連れてたけど。それで一端覧祭のときはあろうことかわたしの胸を触って酷いこと言ったわよね?まあそれに関しては後でじっくりと謝ってもらうとして、その後、魔術師だかなんかと戦って気がつくと怪我してたりとか、学舎の園に入り込んで何かしてたりとか、人に心配掛けまくるくせに相変わらずで、魔人が出てきたときなんて力を貸してくれなんて嬉しいこと言ってくれたのに、追い詰めたかと思えば魔人を守っちゃったりなんかしてさ、結局そのせいで、クリスマスも正月も潰れちゃって大変だったけど、今の世界があるのは魔人のおかげだとか、いろいろ腑に落ちないことはあるけど、アンタのおかげで世界が守られたって信じてるし、守ってるって思ってるから。それでまあ、つまり何が言いたいかって言うと、あんたの周りには女の子がたくさんいて、さ。それでもわたしは…、わたしは、アンタのそばにいたい。アンタの一番になりたい。アンタに好きになって欲しい。わたしは、アンタが好き」
「……」
「……」
「……はは、参ったな」
上条は右手で頭を掻く。
「御坂」
少女の名を呼ぶ。
だが少女は俯いたまま応えない。
「御坂」
もう一度少女の名を呼ぶ。
相変わらず、少女は応えない。
「あー、もー、なに固まってんだよ」
「………えっ!!」
気がつくと、美琴は上条に抱きしめられていた。
突然のことに、思考が追いつかない。
「あっ、あのっ!?」
「あれだけの告白しておいて、どうしてそんな驚いてるんでしょうか?御坂さん?」
「だ、だって、だって、……迷惑、なんでしょ?」
泣きそうなのを堪えながら、美琴はそう尋ねる。
「迷惑だったら、こんなことしてねえよ」
「…それって?」
上条と美琴の視線が重なる。
「ありがとう。俺もお前が好きだ。御坂、俺と付き合ってくれるか?」
「ほんと、に?」
「ああ。上条当麻は、御坂美琴が好きですよ」
「わたしも。御坂美琴は、上条当麻が好きです」
だから―――。
いいよね?
そう瞳で訴えると、美琴は静かに瞳を閉じた。
おしまい
乙ですー
>>一哉さん
美琴すごい告白ですねwwGJです!
くまのこさん、783さん、785さん、786さん
こんな私を受け入れてくださってありがとうございます!
これからも(ネタがうかんだら)投下いたします。
>一哉さん
乙 ミコっちゃんのイッキ告白、良かったです
GJありがとうございます。
説明不足的なところがあったので補足をば…。
美琴の胸ポケットに入っているのは新約3巻のアレです。
ながーい独白(最後だけ告白)は、予想以上に早く上条さんが来てしまってテンパっているところに、上条さんが「義理」かという疑いを投げかけてきたのでプチンときて、考えていることを怒涛の勢いで話し始めてしまったミコっちゃんなのでした。
それなので自分の想いに対する考察や上条への愚痴や不安なんかがごちゃ混ぜになって支離滅裂になってる。
固まっていたのは上条さんの「参ったな」発言を拒否と受け取ってしまい、真っ白になっていたみたいな感じです。
いやー勢いで書くものじゃないですねorz
ではでは
だれか「恋人といる時の雪って(ry」のやつ上琴で描いてくれないかね
なえさんがツイッターでUPしてるよ
>>・・・さんGJです!
と言うか、補完してくださってありがとうございます!
自分たちのSS見ながら実況中継する二人を想像すると、何だか可愛らしいですねw
>>773 さんGJです!
あっちでも読ませて貰いました。後日談も良かったです!
そして上条さんに一言。リア充爆発しろ。
>>はりねずみさんGJです!
デレ条さんでもいいじゃないですか!
むしろもっとデレさせたらいいじゃないですか!
>>一哉さんGJです!
告白シーンは、何だか新約9巻の上条さんの長台詞を思い出しましたw
いやー、存分にキュンキュンさせてもらいましたよ。
短編書きました。
支部で「テレパス能力を持ったオウムが〜」
というリクを受けたので書いてみました。
約3分後に7レスです。
「待てこの野郎っ!!!」
第7学区に怒号が響く。
その少年は、目の前で嘲ているかの様に飛び回る『ソイツ』をとっ捕まえるべく、
右手に虫取り網、左手に鳥かごを装備したまま全力疾走していた。
だが『ソイツ』はバサバサと羽をはためかせ、一定の距離を保ったまま上空を自由に泳ぐ。
そして馬鹿にしているのかそうでないのか、
たまに少年の隙を見つけては彼の頭に乗り、すぐにまた飛び去って行く。
しかも飛び去る瞬間に鳴くのだが、これがまたイラッとさせるのだ。
『ソイツ』は鳴く。
『アー、ドウシヨー。コンゲツモウ2セン7ヒャクエンシカナイヤー。フコウダー。フコウダー』
と。
対して少年も叫ぶ。
「やめてー! 上条さんの懐事情を勝手に喋んないでー! 何かすっげぇ恥ずかしいからっ!!!」
少年はちょっと涙目になりながら、虫取り網をブンブンと振り回す。
しかし『ソイツ』はヒラヒラとかわし、一向に捕まってくれる気配は無い。
と、ここで少年を援護するべく、二人の増援が駆けつける。
バイクで二人乗りしているその者達が、横につき話しかけてきた。
バイクを運転している方が言う。
「大将! 俺は次の交差点を右に曲がって先回りすっから、大将はそのまま奴を追っててくれ!」
「了解!」
続いて後ろに乗っている方が言う。
「あンのクソ鳥がァ……焼き鳥にして食ってやらァっ!!!」
「お、落ち着けって! 殺しちゃ駄目だぞ!?」
後ろに乗っていた方は、自分の首に巻かれているチョーカーのスイッチをカチリと入れ、
そのまま『ソイツ』目掛けて大ジャンプをする。
しかし『ソイツ』はヒラリとかわし、その少年の頭に乗った。
『トットトオワラセテカエンネェト、ラストオーダーガシンパイスンダヨナァ。シンパイスンダヨナァ』
「こっ…のっ! 余計な事をベラベラとおおおォォォ!!!」
「だから落ち着けって!
『ソイツ』は俺達の考えが分かるんだ。だから動きも読まれてるのかも知れない!」
「そうだぜ第一位。あのアホ毛の子が心配しないように早く終わらせる為には、
3人のチームワークが必要なんだから―――」
「うっせェよ三下共がァァァァァ!!!」
ギャアギャアと言い合いながら三人の少年が追いかける『ソイツ』は、
鳥でありながら人の考えが分かるらしい。
つまり、
「とにかく、あの読心能力《鳥》のオウムを何とかしないとな」
時は少々遡りその日の朝、上条は土御門からの電話で妙な話を聞かされていた。
「読心能力鳥?」
『ああ。どっかの研究機関が動物にも超能力が使えるかって実験をしているらしくてにゃー。
で、そこのサンプルが一匹…いや、一羽逃走したみたいなんだぜい
何でも、頭に乗った人物の思考を喋るオウムって話だにゃー』
「へー…」
特別驚く事でもない。この学園都市で働く研究者達なら、真っ先に思いつきそうな実験である。
「そりゃ別にいいけど…いや良くはないけどさ、それを何で俺に?」
電話の向こうで、土御門がニヤリと笑った気がした。
『実はその研究機関が懸賞金をかけたんだぜい。
そのオウムを捕まえた者には何と!
100万円をその場で取っ払いするって、ついさっき公式発表したんだぜい!』
「ひゃひゃひゃ100万イェンですとおおおおおっ!!?」
上条は思わず大声を出した。
100万円…それは諭吉さん100人分の力である。
「それはつまり軍用に開発された100人のクローンの諭吉さん、
通称『諭吉達【ユキチーズ】』という事でありますかっ!!?」
『お、落ち着けカミやん! 興奮しすぎて訳の分からん事を口走ってるぜよ!
あとちょっと、日本を代表する明治時代の思想家【ものすごくえらいひと】に謝っとけ!』
上条が興奮するのも無理はない。何しろ彼は、万年金欠状態なのだから。
それは今月も例外ではなく、奨学金が下りるまでの残りの数日間、彼は二人+一匹分の生活費を、
2,700円という何とも心もとない軍資金でやりくりしなければならない。
そんな状態でのこの朗報、地獄に仏とはこの事である。
「いやでもちょっと待てよ。そんなお得な情報を何でこっちに流してくれたんだ?
そりゃ俺としてはありがたい話だけど、黙ってれば一人で100万手に入れられただろ?」
『いやいや、懸賞金までかけたって事はそれだけ捕獲が難しいって事だぜい。
それにこの事はもう既に広く知られている。何たって「公式」発表だからにゃー。
つまりオレが黙っていようがいまいが、いずれカミやんも知ってたって事だぜい』
「そうかも知れないけどさ…」
『それに、オレは今回のお祭り騒ぎ【ミッション】には参加するつもりは無いぜい。
今日はせっかくの舞夏とのデートなのに、邪魔されたくないからにゃー♪』
100万円よりも義妹とのデートを優先する土御門に、
「このリア充が!」と心の中で毒づく上条だが、それがブーメランである事に本人は気づいていない。
と、その時だ。同居人であるインデックスが、お腹を空かせて起きてきたようだ。
「おはよーとうま。お腹空いたかも」
『オナカスイター。オナカスイター』
「ああ、ちょっと待ってろ。今大事な話してるか…ら…?」
そして同時に、異変に気づく。いや、異変と言うよりは異常だ。
『ああ、そうそう。そのオウムの特徴だけどにゃー、全体的に赤くて羽がカラフルな奴で―――』
「……で、尻尾の方が青くて? くちばしの下が黒くて?」
『お? お、おお。よく分かったにゃー』
説明する土御門の言葉を上条が引き継ぐ。何故かと言えば、
「すまん土御門。ソイツ今、俺の目の前にいるわ。…てか、インデックスの頭の上に」
『何っ!?』
インデックスの頭上に、見覚えのないカラフルなオウムがそこにいるから。
しかもそれだけではない。
「? どうしたのとうま、変な顔して」
『オナカスイタンダヨー。ハヤクトウマノツクッタゴハンガタベタイナー。タベタイナー』
明らかにインデックスの思考をトレースしている。
こいつが件のオウムである事に間違いないだろう。
上条は慌てて携帯電話を切り、オウム目掛けて突進する。
何を勘違いしたのか、インデックスが「わっ、わわ、そそ、そんな急に困るんだよ!」
と顔を赤くしながら良く分からない事を言っていたが、構っている余裕はない。
上条はインデックスの頭上に手を伸ばすが、オウムはそのままバサリと飛び上がり、
右手は虚しく空を切る。
「このやろっ!」
諦めずに再び飛び掛ろうとした上条だが、その闘争心でも感じ取ったのか、
オウムは窓から逃げ出してしまった。
「あああっ!?」
「と、とうま…? 何がどうしたのかな…?」
まだ寝惚け気味で状況を把握できていないインデックスを横目に、
上条は物置から鳥かごと虫取り網を掘り出した。
そしてオウムを追うべく外に出る。
玄関で、「インデックス…今日の夕飯は、高い肉をたらふく食わしてやるぞ!」と一言残しながら。
インデックスは思った。「夕ごはんのご馳走よりも、とりあえず朝ごはんはどうしたのかな?」、と。
寂れた公園で、浜面は5人分の缶ジュースを持ちながら、どうしてこうなったのかと溜息をついていた。
今日は滝壺と二人っきりでデートをするという予定だった。
しかしジュースの数からも分かるように、二人っきりではない。
彼の視線の先には、滝壺の他に3つの人影。
「浜面あああ! テメェ、毎度毎度ジュース買ってくんのにどんだけ時間かかんだよ!
パシリのスキルもっと磨いとけや!」
「仕方ないですよ、所詮は超浜面ですから。ここは大目に見てあげるのが超大人の余裕って奴ですよ」
「にゃあ! 大体私の浜面を好き勝手に使うな!」
麦野、絹旗、フレメアの三名だ。いつもの事なので、諦めるしかなさそうだ。
一方の滝壺はと言えば、浜面同様この状況に不満を持っている…訳でもなく、
わりと現状を楽しんでいるらしい。それもまた、いつもの事である。
ふと、滝壺が眠たそうな目を明後日の方向に向ける。
不思議に思い、浜面は滝壺の分のジュースを渡しながら話しかけた。
「どうした滝壺?」
「……南南西から何か来る」
「何かって何?」と聞き返そうとしたその時、浜面の頭にその『何か』がとまった。
赤を基調としたカラフルな羽毛で覆われたオウムだった。
そしてその場にいる何人かが気がついたのだ。
確かどこかの研究機関から逃げ出した、読心能力使いのオウムがこんな感じだった筈だ、と。
ついでにそのオウムには懸賞金がかけられていた筈だ、と。
「浜面ぁ! 今すぐソイツを捕まえろ!」と言う麦野の命令に、否応なく反応してしまう浜面。
着々とパシリスキルは磨かれている様子だ。
しかしオウムはそれをアッサリとかわし、すぐに飛び立ってしまった。
『オレハバニーガスキナンダー。アノタニマトカ、アノクイコミトカー。アノクイコミトカー』
と言い残しながら。
その場の空気が瞬間冷凍された事は言うまでもないだろう。
オウムを追って近くの公園までやってきた上条。
浜面の頭から飛び去るのを確認し、そのまま追跡を続行する。
一方通行はスーパーから不機嫌そうに出てきた。
右手で現代的なデザインの杖をつき、左手にはレジ袋をぶら下げている。
そして彼の後ろには、打ち止めと番外個体の二人。
ぶっちゃけ、おつかいである。どうやら黄泉川に頼まれたようだ。
「何なンですかねェ…この絵面はよォ!」
悪党としてのプライドを持っていた一方通行にとって、このほのぼのとした感じは居心地が悪いらしい。
それは番外個体にとっても同様だが、それ以上に
「いいじゃん、シュールコントを見てるみたいでミサカ的にはウケるぜ? ギャッハハ☆」
一方通行をおちょくる事の方が優先順位は高いのであった。
「でもでもミサカはアナタとお出かけできてちょっと嬉しいかも、
ってミサカはミサカは少し照れながら言ってみたり」
打ち止めの小さな告白に、一方通行は小さく舌打ちし、番外個体はケツを掻いた。
と、その時だ。
バサリ、と音を立て一方通行の頭に『何か』がとまる。
赤いオウムだ。そしてソイツは、今朝のニュースか何かで見覚えがあった。
確かそう、頭に乗った人物の思考を読み取るというオウムが、
どこかの研究機関から逃げ出したとか何とか―――
瞬時に「マズイ!」と思った一方通行はレジ袋を番外個体に放り投げ、
即座にそのオウムを捕らえにかかる。
しかしやはりというか、オウムはそれをスルリとかわし、そのまま飛び立ってしまった。
『オレモラストオーダートイッショニイラレテウレシイヨ。
コノヘイワヲトリモドスタメニ、オレハタタカッテキタンダカラナァ。キタンダカラナァ』
と、捨て台詞を吐いて。
その数秒後、顔を真っ赤にさせた打ち止めと、大爆笑する番外個体。
そして今まで見た事のない表情をする一方通行の姿がそこにあった。
オウムを追って近くのスーパーまでやってきた上条。
一方通行の頭から飛び去るのを確認し、そのまま追跡を続行する。
上条「はぁはぁ」と息を荒げつつ、周りをキョロキョロと見回していた。
それだけ聞くと完全にアブナイ人だが、勿論そういう理由ではない。
「はぁ…はぁ……くそっ…! アイツどこ行った!?」
どうやら件のオウムを見失ってしまったらしい。
不幸体質の彼が闇雲に探しても、見つかる可能性は低い。諦めかけたその時、
「大将! あのオウムを探してんだろ!? 俺も手伝うぜ!」
「ぜってェに見つけ出して八つ裂きにしてやらァ!!!」
思わぬ応援が駆けつけた。バイクに乗った浜面と、能力を使いひとっ飛びでやって来た一方通行だ。
二人とも気合十分である。
「マジか!? 助かる! けど、いいのか?」
「ああ…俺はアイツを捕まえないと麦野からブ・チ・コ・ロ・シ・か・く・て・い、が待ってんだ……」
「そォでもしねェと俺の失ったもンは取り戻せねェ……」
「そ、そうか。何かよく分かんないけど、二人とも大変なんだな…
まぁいいや。じゃあ三人で手分けして探そう。見かけたらケータイな!」
「任せろ!」
「俺は一人でもやるがなァ」
こうして、100万という大金に目がくらんだヒーロー、
お仕置きが怖くてそれを回避する為に働くヒーロー、辱めを受けて復讐に燃えるヒーロー。
以上、三種類のヒーローが手を組んだのだった。
時を同じくして、とあるファミレスの中では、4人の少女達が話に花を咲かせていた。
「ほら! このサイトにも載ってるじゃないですか読心能力鳥!」
「ホントだ…懸賞金まで懸けられてるのね」
いつもながら、佐天のネタ振りが始まった。しかし今回は怪しげな都市伝説ではない。
初春のノートパソコンのディスプレイには、とあるオウムの情報が映し出されている。
美琴も今朝のニュースで知ってはいたが、懸賞金の事は知らなかったようで、改めて驚く。
「全く迷惑な話ですわよ。風紀委員にも捕獲命令が出ておりますのよ?」
白井と初春は、本来ならば今日は風紀委員が非番の日なのだが、
今回の一件のせいで休日ではなく、あくまでも待機扱いになっているらしい。
白井が不機嫌になるのも無理はない。
「でもそんなオウムにとまられたら大変ですよね。
秘密が全部バラされちゃうかも知れないんですから」
「女の子の敵だよね。スリーサイズや体重まで言われたら……」
「ほわああああ! それは考えただけでも恐ろしいですよ!」
青ざめる初春。最近お腹周りが気になり始めたようだ。…パフェばっか食ってるからではないだろうか。
「わたくしは自分のスタイルに自身を持っておりますので、その辺りは気になりませんの」
と、自信満々に凹凸のない胸を張る白井。その様子に、美琴は訝しげに訪ねた。
「黒子は他に厄介な『秘密』があるんじゃないの?……パソコン部品の件とか」
「ななな何の事ですのお姉様!?」
白井はあからさまに動揺している。余程知られたらマズイ『秘密』があるらしい。
と、ここで佐天がふと思いつく。
何を?、と問われればそれは勿論、
「そう言う御坂さんも、バラされたらヤバイ事があるんじゃないんですか?」
「…? 例えば?」
「それは勿論、上条さんの事ですよ! …いや、むしろバラされた方が都合がいいのかも!」
美琴を弄る方法である。
「さ、さささ、佐天さんっ!!? ななな、何言ってんの!? そ、そんな訳ないでしょっ!?」
慌てて否定する美琴。
「そんな訳ない」と言うのは、はてさて「ヤバイ事がある」についてなのか、
「上条さんの事」についてなのか、それとも「バラされた方が都合がいい」についてなのか。
もしくは全部なのかも知れないが。
「佐天さん! 毎回毎回その手の話題を振るのはお止めくださいまし!
お姉様とあの類人猿はただのお知り合いだと何度も―――っと、こんな時に!」
白井が佐天に対して苦言を呈そうとしたこのタイミングで、白井の携帯電話が鳴り出す。
「はい白井ですの。…あら固法先輩、お疲れ様ですの。……ええ、ええ。はい。
初春も一緒ですが………えええっ!!? わ、分かりました。今すぐ現場へ向かいますわ!」
仕事が入ったらしい事は何となく分かった。
「黒子、何があったの?」
「ええ実は、例のオウムがこの近辺に現れたらしいんですの。
初春! 待機命令解除ですのよ! あなたも出動しなさいな!」
「ええ!? でも私はデスクワーク派ですし、何より注文したジャンボデラックスパフェが…」
「そんなもんキャンセルしやがれですの!」
風紀委員の仕事を(強制的に)優先させられ、泣きながら白井に引きずられていく初春。
残された二人は、と言えば、
「……御坂さん。あたし達もそのオウム見たくありませんか?」
「……私、佐天さんのそういう所、嫌いじゃないわ」
お互いに珍しい物好きで面倒事に首を突っ込みたがる性格なので、
先に出た二人を追いかける形で店を出た。
大人しく待っている、という発想は、美琴と佐天の頭には全く無いようである。
「どんだけすばしっこいのでせうかこの鳥はっ!?」
「また飛びやがった! 第一位、頼んだ!」
「あァン!? バッテリーなンざとっくに切れてンだよクソがァ!」
「だーもう! 何で捕まえられへんねん!」
「吹寄さん。そっち。今行ったから」
「駄目だわ! 狭い場所に逃げ込まれた!」
「こっちからじゃ届かないけど! 鞠亜! そっちから回り込め!」
「ぐっ…! 人使いの荒い姉だな……だがこっちも無理だ。ここからじゃ奥に行けない」
「半蔵様! もういっそ、撃ち落した方が早いのでは!?」
「アホかっ! 警備員や風紀委員がいる前で銃なんか使えるかよ! しまっとけ!」
「ぬぅぅっ…! この俺から逃げ続けられるとは、根性の入りまくったオウムだな!」
「…まさか貴方の座標移動を使っても捕らえられないとは、少々誤算でした」
「冷静に分析してないで、あなたも手伝いなさいよ海原!」
「ああん、もう! 動物には私の洗脳力が通用しないのよねぇ!」
「私の未元物質で足止めしますから、その隙に!」
「無茶言うなァ! 私の窒素爆槍は器用に手加減できるような代物じゃねェンだよ!」
「風紀委員ですの! 一般の方々はお下がりくださいまし!」
「し、白井さ〜ん…やっぱり応援呼びましょうよ〜……」
上条、浜面、一方通行の3人から始まったオウムの捕獲作戦は、
いつしか被害者(主に公衆の面前で恥部を暴かれた者達)を着々と増やし、
大勢の人間を巻き込んだ大捕り物になっていた。カオスである。
これだけの超能力が街中で飛び交うのは、おそらく大覇星祭以外では初ではないだろうか。
もっとも、それでも捕まえられないオウムも凄いが。レベル5が半数以上投入させているというのに。
「わ…わぁ。すごい事になってますね……」
「そ、そうね……」
中々衝撃的な風景にさすがの美琴と佐天も唖然とする。と、そこへ
「あれ? 何だ、美琴達もアイツを捕まえに来たのか?」
上条が話しかけてきた。
「あ、いえ。あたし達は見学と言いますか…」
「てかアンタ。結構な大騒ぎになってるけど、大丈夫なのこれ?」
「いや、俺もここまで酷い事になるとは思わなくてな…アイツ全然捕まんねーんだもん」
上条が愚痴をこぼしつつ溜息をついたその時、オウムはまたもや上条の周辺を飛び回り始めた。
「っんの! マジでおちょくってんじゃねーのか!?」
おちょくっているのかどうかは分からないが、上条の頭にとまろうとするオウム。
彼はそれを、虫取り網の棒の部分を振り回し、追い払う。
自分の頭にとまられては捕獲するのは難しい。と言うか、また妙な事を暴露されても嫌だし。
オウムは上条の頭を仕方なく諦めたらしく、新たなターゲットを見つけ出す。
上条のすぐ隣、御坂美琴の頭に。
「わっ、わっ、何っ!?」
バサリ、と羽を閉じ美琴の頭上に着陸するオウム。
上条はほぼ反射的に、美琴の頭ごと被せる様に虫取り網を振り下ろす。
『ギャエー! グエー!』
全く可愛らしくない鳴き声が、網の中から鳴り響く。ついに…ついに捕らえたのだ。
周りからも、「おおおおお!!!」という観衆の感嘆の声。上条も「獲ったどー!」を雄たけびを上げる。
が、次の瞬間、オウムはとんでもない事を口走る。
さて、この瞬間に起きた事を、一つ一つ説明させてもらおう。
このオウムは、頭に乗った人間の思考をそのまま口にするという能力鳥である。
故に、今は美琴の思考を読み取る訳だ。
だが本来ならば、すぐに飛び立ってしまう為に、暴露するのも精々一言二言の短文である。
つまり、頭に乗っている時間に比例して、読心能力を使う時間も長くなるのだ。
しかし虫取り網で捕らえられている現状では、飛び立つことはできない。
要するに、飛び立てないからその分長文を喋ってしまう。
そして美琴自身ついてだが、オウムにとまられた事で、先程佐天と話していた事を思い出してしまった。
より正確に言うならば、「バラされたらヤバイ事があるんじゃないんですか?」のくだりである。
瞬時に「マズイ!」と思った美琴は、必死に上条について何も考えないようにした。
しかしながら、「何も考えないようにする」というのは「その事について考えてしまう」のと同義であり、
つ ま り、
『ヤーンドウシヨー! コノママジャ、ワタシガトウマノコトヲダイスキダッテバレチャウジャナイー!
コンナオオゼイノマエデソンナコトバラサレチャッタラ、モウハズカシクテイキテイケナイワヨー!
デモデモ、モシソウナッタラソウナッタデ、セキニントッテモラエルカモシレナイシー……
ッテコトハ、ワタシガトウマノオヨメサンニー!? ワタシ、カミジョウミコトニナッチャウノー!?
ッテ、ソンナノダメヨー! プロポーズハ、イッショウニイチドノオモイデナンダカラ、
ソンナイイカゲンナノハナシヨ、ナシナシー!
…デモチョットマテヨー? トウマッテバモノスゴクドンカンダシ、
ソレグライノハプニングガアッタホウガイイノカシラー?
イママデモ、ワタシガヒッシニアプローチシテモゼンゼンキヅカナカッタシー……
アアモウ、ホントニニブインダカラー! スコシクライハ、ワタシノキモチニキヅキナサイヨネー!
…ナンテ、ソンナトウマヲスキニナッチャッタンダケドネー。スキニナッチャッタンダケドネー』
時が、止まった。
大勢の前でそのオウムが喋った事は、要約すると「とにかく美琴は上条の事が好き」という物だった。
「なっ、み…こ、と……さん…?」
いくら鈍感力レベル5の上条でも、それがどういう意味かは分かるだろう。
顔が「かあぁっ…!」と熱くなる。
一方、それ以上に熱を帯びていると思われる美琴だったが、逆に血の気が引いているようだ。
カチコチに固まり、まるで置物のようになっている。
さあ、周りの民衆もそろそろ何が起こったのか気づき始める頃合だ。
時が動き始めたその瞬間、追いかけっこの第二ラウンドのゴングが鳴るだろう。
ただし、今度の相手はオウムではないだろうが。
ちなみにその後。
「兄貴兄貴ー。何か赤いオウムを捕まえたぞー」
「……無欲の勝利ってヤツかにゃー」
以上です。
肝心の上琴成分が最後の方だけになっちゃいましたね……
ではまた。
みこっちゃん恥ずかし過ぎるw
鈍感王上条さんも堪らず赤面で、にやにやしましたwGJ!
こんばんわ、・・・です
お久しぶりです
やさしいくまのこさんから許可をいただき、
直後ですが投下します。
の、前に
>>773
むこうのおまけも読みました!!
もっといちゃつけ二人とも
ってアンタもリア充ですやん!! 爆発せえや!!!
>>はりねずみさん
考えてみれば、これだけかわいい子にはデレて当然なのですよ
姫神には悪いがさっさとくっつけこの野郎
でも、二人とも鈍感だからにゃー、両片思いも長そうだぜい
>>一哉さん
ここまで直球だというのに
ここまでやんなきゃだめだとは
まったく、上条はいい加減痛い目見ないとね
>>くまのこさん
これが3ヒーロー、ヒーロー? ヒー、ローなのか??
お金で買えない価値がある(命的にも)
この後の展開はカオスすぎて予想できないのですー。
>>シラボネXさん
あなたは。私と違って。ここで輝いてる。
いろいろごめんなさい。
いまさらバレンタインです。
それでは
「……でね、佐天さんがまた初春さんのスカートめくってさー、ほい」
「あむ、もぐもぐ、うん」
「そしたら黒子が『初春ですらあのような下着ですのに、お姉様ときたら』っていうのよ、はい」
「あむ、もぐもぐ、白井の言うとおりだ」
「なによ、あれだってちゃんとラブリーミトン製の大人向けのやつなのよ? はい」
「あむ、もぐもぐ、確かに大きくなってきたしな」
「ちょっと、どこ見てんのよ!! はい」
「あむ、もぐもぐ、ここから見下ろすとそこは必ず目に入るの、不可抗力なの」
「まったく、わたしが彼女だからいいものを……で、おいしい? はい」
「あむ、もぐもぐ、美人の彼女様に食べさせてもらってますしねー、だけどさ」
「ん? ほい」
「あむ、もぐもぐ、そろそろどきません? 足しびれてきたんだけど?」
「黙ってなさいよ、この椅子はお気に入りなの、ほい」
「あむ、もぐもぐ、美人の彼女が彼氏を人間扱いしてくれないなんて」
「ふこうだーでしょ? わかったわかった、はい」
「あむ、もぐもぐ、やっつけ仕事された……しかし、これじゃ燕だな」
「……じゃあ、こうやって口移しするべき?」
「…………あむ、もぐもぐ、こっちのがうまい」
「あう、ふにゅ、ま、まだたくさん、ある、か」
そうして彼女はおいしくいただかれましたとさ
以上です。
次いつこれるかな(泣)
甘いわ〜完全にラブラブカップルのやりとりだわ〜
ふぅ…GJ!
>>くまのこさん
上条さん、もう腹をくくるしかないですねwwwGJ!
>>・・・さん
甘い!甘すぎて、かみことう尿病になっちゃうwwwGJ!
さて、短編を投下します。初めての地の文付きなもので色々とつたない所も
あると思いますが・・・ご勘弁を。
「はあ・・・・・」
上条当麻はため息をつきつつ、のんびりと歩いていた。
「たしか・・・・・この辺りだったよな」
独り言を言いつつ手にした紙に目をとおす上条。その紙には
「17時までにこの場所にこい、とミサカはあなたに脅迫状を送りつけます」
と書かれていた。
「・・・・何を考えてるんだ御坂妹め・・・・」
ぼやきつつ脅迫状?にあった建物の中に入る。すると
「よくきたな勇者よ!とミサカはあなたを歓迎します」
「・・・・・・・」
上条は唖然とした。なぜなら、目の前には巨大な扉があり、その前に
マントに身を包んだ御坂妹が立っていた。
「・・・御坂妹・・・・これはなんの冗談でせうか・・・・・」
「冗談ではありません、とミサカは訂正します」
「そもそも勇者ってなんだよ!上条さんはそんなこっぱずかしい名前ではありませんよ!」
「うだうだ言わず横のモニターを見ろ、とミサカはあなたに言います」
「モニター?・・・・・・・・ぶっ!」
モニターに映されていた映像を見て思わす上条はふきだした。なぜならそこに映し出されていたのは、
両手両足を鎖に繋がれた御坂美琴の姿だったからだ。
「なにしてるんだ御坂妹!」
「勇者よ、あなたの使命は囚われたおね・・・美琴姫を悪の手から救う事です」
「なんだよ使命って!」
「しかし姫を救うにはたちはだかる四天王をたおさなければなりません」
「四天王!?なにこのありがちな設定・・・・つーか人の話を聞けよ!」
「四天王をたおし、おね・・・・美琴姫を救いだすのです!とミサカはプロローグをしめます」
「プロローグって言っちゃったよこの人!?」
ぜえぜえと肩で息をする上条、「はあ・・・」とため息を一つすると
「わかったよ・・・・付き合えばいいんだろ」
「ようやく理解いただけましたか勇者よ」
「その勇者ってのは止めてくれ・・・・しかし、あいつがお姫様って無理があるような・・・」
モニターの中の美琴は『くおらーーー!さっさとこれ外しなさいよーーー!』と顔を真っ赤にしながら
叫んでいた。
「あいつの能力ならあれぐらいの拘束具なんとかできそうな・・・」
「あの拘束具はAIMジャマー付きの特別製なのでお姉様でも自力での脱出は無理です」
「自分の姉になにしてるんでせうか!」
「とっとと扉をくぐって先に進めや!とミサカはあなたをせかします」
「はいはい・・・・」
まさかこの歳で勇者ごっこをするとは・・・・そんな事を思いつつ上条は目の前の扉をくぐりぬけた。
今日はここまで
色々とつっこみ所満載ですがご勘弁を・・・・
あと書き溜めしていないのでちまちまと小出しになってしまいます、ごめんなさい
ではまた
面白そうですね
四天王誰だろうw続きお待ちしてます
>>はりねずみさん
いいじゃないですかデレ条さん。だいたい美琴がデレでいるんですから
>>一哉さん
美琴も押しに弱いと思ってましたが、上条さんも意外と押しに弱いんですかね。よっ!似たもの同士!
>>くまのこさん
くまのこさんの作品の美琴さんってだいたい自爆してるよね…もう開き直っちゃったほうが楽になれるぜ美琴ちゃん?
>>…さん
美琴ちゃんの柔らかい唇を堪能しているくせに、美琴ちゃんの椅子になって美琴ちゃんの柔らかいおし(自主規制
>>シラボネXさん
いくつになっても男の子って勇者にあこがれますよね。美琴さんは未だにお姫様にあこがれてそうだけど
どうも、シラボネXです
続きを投下します
・創作しながらの投稿はスレを独占することになりますので、書き溜めてから投稿することをお勧めします。
扉をぬけた先、そこで上条が見たものは
「よくきたな勇者よ!とミサカはあなたをなぜかほめます」
「ぶは!?」
上条は目の前に立つ人物を見てまたふきだしてしまった。なぜなら
「このミサカは四天王が一人!10039号とミサカは自己紹介します」
「・・・・おい・・・・」
「なんでしょうか?とミサカは問いかけます」
「なんちゅー格好しているんだお前は!」
そう、10039号はいわゆるボンテージを着ていた。上条が焦るのも無理もあるまい。
「悪の女幹部は大抵こんな衣装であるとミサカは聞きましたが」
「だからって実際に着るんじゃありません!上条さんはそんなハレンチな衣装はゆるしませんよ!」
内心ドキドキしながらも、冷静なふりをする上条。
「そんな事をいいながらあなたの目はミサカに釘付けではありませんか」
「なあ!?」
「そんなむっつりすけべな勇者にミサカはさっさと勝負を始めましょうとうながします」
「・・・・勝負って何をするんでせうか・・・」
むっつりすけべと言われた事に地味にへこむ上条、そんな事にはおかまいなしに10039号はマイペースに
「ミサカとの勝負は鬼ごっこです!」
と言い放った。
「鬼ごっこ!?」
「そうてす、とミサカは肯定します。ルールは部屋の中を逃げ回るミサカを10分以内に捕まえられれば
勇者の勝ち、10分間逃げきればミサカの勝ちです。勇者が勝てば右手の枷の鍵を手に入れられます。
もし、勇者が負けたら・・・・・」
「負けたら?」
「ミサカ達による罰ゲームを受けてもらいます、とミサカはほくそ笑みます」
「・・・・嫌な予感しかしません・・・」
これは絶対に負けられないと、気合を入れる上条。
「それでは勇者よ!覚悟はよろしいですか?とミサカは問いかけます」
「上条さんはいつでもOKですよ!」
「ではバトル・・・・・・・スタート!」
背を翻し走り出す10039号。上条も即座に走りだして
ベチン!!
派手な音をたてて10039号は転んだのだった。
「いたたた・・・・・・やはり履き慣れてないハイヒールで走るのは無理がありましたかとミサカは・・・・」
がし!
「あっ・・・・・・」
慌てて身を起こそうとした10039号の肩を上条の右手が容赦なく掴んだのだった。
「捕まえましたよミサカさ〜〜〜ん」
「うう・・・・・」
「よくこのミサカをたおしたな!とミサカは負け惜しみを言います」
「自分で言うなよ・・・」
「約束どおり鍵は渡しましょう、とミサカは潔く鍵を渡します」
「どーも・・・ところで、ここから先どう進めばいいんだ?」
「この部屋の奥の扉から二階へ進めます。おね・・・美琴姫は最上階の部屋におりますので最上階目指して
頑張って上ってください、とミサカは勇者に説明します」
「サンキューな」
扉を開け進もうとする上条の背に、10039号の言葉がとどく。
「ふふふ・・・・このミサカは四天王の中では最弱です。あとの三人は・・・・・とミサカはお約束なセリフを口にします」
「・・・・・だからお約束とか・・・・もういいや・・・・」
脱力しながらも上条は二階への階段を上るのであった。
今日はここまで。
時間はかかると思いますが、完結目指して頑張っていきます!
ところでオチは二パターンあるのですが、いちゃいちゃENDとギャグEND
どっちがいいでしょうか?
↑書いてから気づきました
>>824 さん
ごめんなさい、書き溜めしたくてもできないんです・・・・話じたいはだいたいできているんですが・・・・
しかし皆さんの迷惑になるなら打ち切りもやむなしですね・・・
シラボネさん…もしかして、ガラケー派ですか?
スマホなら、メールに書いたのをそのままコピーで使えますよ♪
ガラケーは…確かに難しい。
どうせなら、pixivでの更新ならどうですか?
アッチは個人の思い思いで書けますし、邪魔にもならないかと。
ぶっちゃけ、続きが気になるから書いて欲しい(切実)
>シラボネさん
ガラケーでも>>828 さんの言われたメール本文に文章を書き込んでそれをコピペできますよ
今これそうして貼り付けてます
一回の投下が少ないからピクシブもいいとは思いますけどね
携帯で文字打つの苦手なので感想はまた後程。私がこのスレに来て一年が立ちました。原点回帰でバカップル物を投下します。
どうして、こうなったのだろうか。
上条当夜は息子の当麻に、会わせた人がいると電話されたので、まさか彼女ができたのかと仕事の合間をぬって浮か浮かれながらに学園都市に来ていたのだが。
「お久しぶりですお義父様!」
「……え?」
彼女は今、何て言った?
お父様。パパ。ダディ。パピイ?
当夜には隠し子を作った覚えはないし愛するのは妻の詩菜と息子の当麻だけであり裏切ったことは一度もない。
もう一度思い出す。彼女は何て言ったのか。
(お義父様?)
よく見れば大覇星祭で当麻と勝負していた中学生ではないか。
その子が今目の前で自分に嫁宣言をしたのだ。戸惑いしか感じない。
「えっと、君は当麻とはどういう関係なのかな?」
「当麻さんとは結婚を前提にお付き合いさせていただいてます」
「当麻、それは本当なのか?」
「ああ。俺は美琴を愛してる」
「わ、私だって当麻のこと愛してるわよ」
「……美琴」
「……当麻」
互いに見つめあう二人。
交際を認めないつもりは毛頭ない。何より息子の幸せそう
な顔を見れることは嬉しい。
だが、あまりにも浮かれすぎではないだろうか。父親として一言言わねばならない。
「当麻、孫はまふぁいいからな」
(何を言っているのだ私は!?)
ピンク色の雰囲気に流されてしまった。
「それは大丈夫だよ父さん」
そう言って当麻は一冊のノートを開て見せる。
『美琴が成人式を終えたら結婚。美琴大学卒業の一年後、第一子誕生』
と、人生設計がこと細かく書かれていた。
もう何も言えなかった。
帰ったら妻になんて報告しようかと考えながら、当夜はノートといちゃつくバカップルを眺めていた。
以上です。一年目記念で誤字があっちゃせわないぜ。そういや当夜さん、初登場だっけ?もう覚えてないよ
上条「刀夜」なんだよ。名前の由来はたぶん夜刀神(やとのかみ)なんだよ
>>はりねずみさん
私のバカップルと違って素晴らしいバカップルですねwwGJ!
>>828 、829さん
私、携帯ではなくパソコンで書いてるんですよ。さらに古い型のパソコンで
機能もきちんと把握していなくて・・・・機械オンチですみません・・・
シラボネさん
なるほど。
でも、だったらワードやエクセルに書き溜め出来るかも。
それこそコピーで投下出来ないかな?
オイラはインターネットとかしないから分からないんで曖昧でスミマセン…。
ただ、文書作成のツールが有るハズ。
ちと調べてみますかね?
いくら型落ちしててもWindowsであれば多分そう言った機能も有ると思うので。
俺はいつもメモ帳に書き溜めしてるよ
それをコピー投下
わたしはwordに書いて、usbに保存、コピーして投稿ってやってますぞ
メモ帳で充分です。
とミサカはコクヨとフラットヘッドスキャナを手渡します。
皆さん、色々と教えていただいてありがとうございます。
でも・・・すみません・・・・全然意味が解りません(涙)
深夜の時間帯なら皆さんの邪魔にはなりませんかね?
それでよろしければそうしますが・・・どうでしょう?
深夜帯独占宣言ですか?
と、冗談はおいといて……
邪魔に『なる』『ならない』の問題ではなくて、
このスレのテンプレのルールを『守る』『守らない』って問題だと思うけど。
上の方達も守って欲しいから助言をしてるわけで……
ルールを破るのは荒れるもとだから個人的には簡便して欲しいけど。
書き溜めの意味がわからないなら、もう少し自分で調べてわかる努力をしましょう。
シラボネXさんの作品が駄目なんじゃなくて、投稿する量が少なく回数がマメになっている点がスレのルールから外れてるの
量をある程度書き貯めてから投稿して下さいって事
時間帯は自由だよ
>>836 が一番簡単なんじゃないかな
コピーして貼り付ける方法はネットで調べてみてちょ
とりあえずWindows使ってる前提で書いちゃうけど
デスクトップの何にもないとこを右クリックして、新規作成→テキストドキュメント
でもって適当な名前つけてやってからダブルクリックするとメモ帳が開くよ
メモ帳っていうPCに元々入っているソフトを起動したことないのかな?
さすがにドラッグは分かるよね?
コピペ=コピー&ペースト=データを複写(コピー)して、他の位置に転写(ペースト)
Ctrl+CとかCtrl+Vが何のことかわからなくったって、右クリックは分かりますよね?
何も無いところで右クリック。ドラッグした位置にマウスポインタを置いて右クリック
出てくる項目は違いますよね? そこに書いてある文字の意味は分かりますよね?
これすら分からないとか言われてしまったらさすがに手に負えないのですが
このレスで気を悪くされたらすみません。嫌味を言うつもりはありません
でもココに投下したいのなら、もう少し、パソコンに詳しくなりましょう?
皆様、ご迷惑をかけて本当にすみません・・・
私、もう少しパソコンを使えるよう勉強してきます。
最低限の事ができるようになるまで投下はお休みいたします。
私自身もこの話は完結させたいので、頑張って勉強いたします!
では!
全力で待つぞ
全力で待つぞ
おおっと失敗、失礼しました。
シラボネXさん、投稿自体は心待ちにしてます
・・・さんも
今から投下しますのコメントから、実際のSS投下まで時間が開かなければ問題ないような気がするのですが。
上記で問題無いのであれば、メモ帳がわからなくてこのスレのフォームで直にSSを書く場合、
1回分のSSが書き終えてから、別窓から投下予告→SS投下でOKじゃないでしょうか?
シラボネさん、続き楽しみにしてます。
>>・・・さんGJです!
相変わらず、・・・さんの上琴は甘々で良いですにゃ〜。
そりゃもう、さぞかしおいしくいただいたんでしょうな!
>>シラボネXさんGJです!
自分もメモ帳の存在を知らず、直接書き込んでいたので、ものすごく気持ちが分かります…
続きも気になるので、復帰されるのを楽しみにしてますよ。
>>はりねずみさんGJです!
一周年、おめでとうございます!
刀夜さん、もう息子さん達は手遅れレベルなバカップルなので、諦めて祝福してやってください。
短編書きました。
折りキャラ「麻琴ちゃん」が出てきますので、
苦手な方はスルーしてください。
約3分後に6レス使います。
「ホントにお効きになりますの?…それ」
白井は美琴が枕元に置いたアロマオイルを訝しげに見つめる。
情報提供者が『あの』佐天だけに、色んな意味で心配だ。
「う〜ん……でもまぁ、面白そうだし。
それにせっかく貰ったんだから、一回ぐらいは使ってみないとね」
そう言いながらディフューザーのスイッチを入れる美琴。
彼女もまた佐天同様、良くも悪くも面白い物好きなのだ。
「それにもし、本当に未来が視れたら素敵だと思わない?」
「そんな安物では期待薄だと思いますわよ…」
「未来が見れたら」…と、美琴は言った。
そうなのだ。このアロマオイル、実はただの癒しグッズではない。
その香りの中で眠りに就くと、
無数にある未来の事象の中から自分の望みに近い物を夢で見せてくれる、という代物なのだ。
使い方も簡単で、まず現実で寝ると夢の中で目が覚める。
そして擬似未来【ゆめのなか】で眠ると現実世界で目を覚ますのだ。
もはや22世紀のネコ型ロボットが持っていそうな道具である。
そんな物が一般の学生でもお手軽に購入できる辺り、
さすがは科学力が数十年は先行ってる学園都市と言わざるを得ないが、
白井はやはり不審がっている。
何しろ、これを持って来たのは『あの』佐天なのだから。大事な事なので2回(ry
本日の昼間に、毎度お馴染みいつものファミレスで佐天はバッグからそのアロマを取り出した。
聞けば、レベル4の予知能力者らしき人物が開発に協力した物らしく、その信憑性は高い…らしい。
らしいらしいと連呼しているのは、あくまでもその情報が佐天経由だからだ。
彼女は悪い子ではないのだが、面倒事を更にややこしくする才能がある。
今回のこのアロマも、本当に大丈夫なのかどうか若干怪しい。と言うか、胡散臭い。
しかしそれでも、「未来が視えるかも知れない」というのは魅力的だ。例えそれが夢であっても。、
美琴は「じゃ、おやすみ黒子」と軽く挨拶し、部屋の電気をパチッと消す。
そしてそのまま眠りに就いた。
果たして彼女は、一体どんな夢を見るのだろうか…?
「う〜…ん」
美琴は目を擦りながら目を開く。まだ朝も早いようで、少し肌寒い。
と、ここで彼女は、まず最初の異変に気づく。
「………ここどこ?」
目の前に広がるのは見知らぬ、天井。
少なくとも、いつも自分が寝ている常盤台女子寮の一室ではない。
その事実に気づきガバッと上半身を起こし身構える。何かトラブルに巻き込まれたのではないかと。
だが次の瞬間、本日二度目の異変に気づかされるのだった。
上半身を起こした時に、体がやけに重く感じた。ふと視線を下ろすと……
「っ!!? な、ななな、何このメロン!? えっ、えっ、ど、どうなってんのっ!?」
たわわに実った二つの乙π。それは明らかに昨日までは無かった物だ。
美琴は恐る恐るそのお肉の山を揉んでみる。……感触がある。どうやら本物のようだ。
(こ、れは……どういう…?)
混乱に混乱を重ねる美琴。しかし、この後ふと隣を見た時、本日最大の混乱を味わう事となる。
この状況が何なのか、他に異変は無いかどうか確かめる為に周りを見渡してみる。
すると自分の隣には、自分以外の布団が二つ並んでいる。
真ん中に寝ているのは、年の頃なら10歳ぐらいの女の子。
黒髪をしているが、どこか打ち止めに似ている気がする。
そしてその子を挟んで一番奥に寝ているのは、
「くかー、くかー……う、ん…むにゃ………不幸だー…」
とよだれを垂らしながら寝言を言っている、ツンツン頭の男性。
おそらく30代〜40代のその男性は、とある少年にそっくりだった。
「あの馬鹿」…美琴がそう呼んでいる、レベル0の少年に。
その瞬間、美琴の脳は完全に停止【フリーズ】した。
美琴にとって、とんでもない一日が始まろうとしているのだった。
〜朝の風景〜
あれから2時間。美琴は台所に立ち、朝食を作っている。
そしてリビングからは先程の二人の声が聞こえてくる。
「ねぇパパー。今日はどこか行かないの?」
「んー、そうだなー…せっかくのお休みだし天気もいいし、どっかお出かけするか?」
「ホント!?」
「ホントホント。麻琴の行きたい所でいいぞ」
「じゃあ動物園か水族館がいい!」
「またか? 水族館はこの前行っただろ?」
「それでもいいの!」
「…分かったよ。じゃあ動物園にしようか」
「わーいやったー!」
「やれやれ…麻琴は本当に動物が好きなんだな。ママに似たのかね?」
どこにでもある、ごく一般的な家庭だ。
しかしそれ故に、今のこの状況が異常事態である事が分かる。
美琴の体は冷静にネギを刻みながらも、頭の中はパニクっていた。
(ええええぇぇぇぇ!!? 何これ、何なのコレっ!?
いや、これがあのアロマの効果であろう事はもう何となく察してるけど、
ででででもだとしたらコレが私の望みって事になるじゃないの!!!
ああ、あの馬鹿とその……け、けけけ、結k…とかしてっ!
あまつさえこここ子供! がいるとか! それってつまりアレじゃないのよっ!!!
私と…アイツがその………ごにょごにょ………しちゃってるって意味じゃないのよおおおお!!!)
しかも確か、この夢は「無数にある未来の事象の中から」、という話だった。
つまりこれからの美琴の頑張り次第で、これが現実になる可能性もあるという事だ。
そう考えると一気に「ふにゃー」しそうになるが、
美琴は気合と根性でそうならないように踏みとどまっていた。
何故ならこの世界での「睡眠」は現実世界の「起床」を意味するから。
ならば気絶しても同じ事が起こるかも知れない。
要するにまだ起きたくないのだ。何だかんだ言いながらも、
もっと上条との夫婦生活【このせかい】を楽しみたいのである。
と、そんな事を考えながらもお味噌汁が完成した。
頭の中がグルグルと回りながらでも料理はしっかりできている辺り、
どうやら「料理を作る」という行動がこの体に染み付いている事が分かる。
きっと未来【この】美琴は主婦として、毎日当たり前のように行なっているのだろう。
「あー、いい匂いだな」
調理中、ふいに後ろから話しかけられ、美琴は思わずビクッとする。
振り向くとそこには、スンスンと鼻をひくつかせながらボリボリとお腹を掻く、
ちょっと頼りなさげな夫の姿があった。
「コイツが夫」である事を否応なく自覚させられ、美琴は顔を沸騰させる。
「今朝は和食なんだ」
「えっ!? ああ、あの…ち、違う方が良かったかしらっ!?」
「? いや和食好きだし、てかママが作ってくれたモンなら何でも好きだし」
「ママっ!!?」
「美琴が作った物なら何でも好き」という無自覚フラグ強化フレーズと、
「ママ」呼びのダブルパンチである。
「ああ、そうそう。今日、麻琴と一緒に動物園行く事になったんだけど、ママはこの後、何か予定ある?」
「な…ないれしゅ……」
「じゃあママも一緒な! 麻琴ー! ママも行くってさー! 朝ごはん食べたら、すぐに支度なー!」
「きゃほーい!」
大喜びする父娘をよそに、すでにいっぱいいっぱいな母であった。
〜昼の風景〜
「見て見て! 象さん大きい〜!」
「ホントだ。すげーデカイな」
「あっちにはパンダさんがいるんだって!」
「よし、じゃあ後で行ってみようか」
「トラさんだ! かっこいいー!」
「シベリアトラか…そういや、パパ昔ロシアに行った事あるぞ」
「本当!?」
仲良くおててを繋いで動物園を歩くほのぼの家族…きっと周りからはそう思われているだろう。
確かにそうなのだが、その中で一人、この状況でほのぼのできていない者がいる。
「…どうしたママ? さっきから黙ってるけど」
「ママお腹痛いの? あたしがお腹摩ってあげる!」
「だ、だだだ大丈夫だから! し、心配しないで!」
美琴である。
「心配するなっつってもなぁ…何か朝から調子悪そうだし、ホントは無理してるんじゃないのか?
やっぱり少し休もう。そこのベンチに座ってさ」
「あたし背中も摩ってあげる!」
「ホ、ホントに平気だってばっ!」
気を使われているのが分かってしまい、二人の優しさが逆に辛い。
とにかくこの状況に一刻も早く慣れなければ、二人に申し訳ない。
特に麻琴【むすめ】は、三人でお出かけするのを本当に楽しみにしていたのだから。
美琴は一度大きく深呼吸をし、頬をパンッ!と叩き気合を入れる。
そして「よし! もう大丈夫!」と二人に宣言しようとした。…その時だった。
「んー……熱…は無いみたいだな」
夫がおでこをくっつけてきやがった。
顔が、近い。
美琴の顔が再び赤く染まり上がる。「ボンッ!」と爆発音を立てながら。
「おわ、あっつ!? 急に熱がっ!?」
「ら…らいじょうぶれしゅ……こんにゃの、じぇんじぇんへいきれしゅかりゃ……」
「大丈夫じゃないじゃん! 目ぇ回してるし、逆にろれつは回ってないし!」
「しょしょしょ、しょんにゃことにゃいわよっ!!! にゃにへんにゃこといってんにょよアンタ!」
しょんにゃことにゃくないその様子に、夫は首をかしげる。
「……何か今日のママ、俺達が付き合い始める前みたいな反応するな…
俺の呼び方も『アンタ』に戻ってるし。いつもは『パパ』とか『アナタ』なのに」
ギクリッ!と心臓が飛び出しそうになる美琴。
そりゃそうだ。体は結婚して出産もしている美琴ママの物だが、
心は中学二年生のツンデレ全盛期のミコっちゃんなのだから。
その上、
(パ、パパとか! アナタとか! そんなの呼べる訳ないでしょおおおおお!!?)
未来世界【こっち】のローカルルールに適応できずにいるのだ。
そんなどこか不自然なママに対し、娘がポンと手を叩きある提案をしてきた。
「あっ、分かった! 今日はいつもの『アレ』してないから、ママ不機嫌なんじゃないかな!?」
「ああ! そう言やまだやってなかったな、『アレ』!」
「ア…『アレ』…?」
何だか嫌な予感がした直後、夫が娘を抱きかかえ、そして…
『チュッ!♡』
と耳元で音が響き、両頬にやわらかい感触が広がる。
両サイドから、夫と娘が美琴をサンドイッチする形でキスしていたのだ。
娘を抱きかかえたのは、身長の足りない娘を美琴の顔まで近づけさせる為の処置である。
「なっ! ななな、なあああああ!!?」
「全く…チュウしてほしいんなら、素直にそう言えばいいのに」
「チュ、チュチュ、チュ……」
「ママのチュウ好きにも困ったもんだよなー、麻琴?」
「なー、パパ!」
この父娘は何かを勘違いしているらしいがそれはさておき、
とりあえず美琴はもう一度顔を爆発させたのだった。
〜夜の風景〜
家に帰ってきた三人は、今現在リビングで寛いでいる。
まぁ例によって一人、ママだけは寛げる様な状況ではないのだが。
ママの調子が悪いという事もあり夕ご飯は出前で済まし、
今は三人でソファーに腰掛けながらテレビを観ている。
何となく点けっぱなしになっているその番組は、
芸人達が「どんなプロポーズをされたいか」で議論【トーク】している。
それを観ながら、娘がこんな事を聞いてきた。
「そう言えば、パパとママはどんなプロポーズしたの?」
ママは口に含んできたコーヒーを噴射した。
「ど、どんなって…なぁママ?」
ちょっと照れながらこちらにキラーパスを出してくる夫。そんな事を聞かれても困る。
だってそれは、美琴にとってこれから経験する…かも知れない出来事なのだから、
当然知っている訳がない。
しかし、ここで「覚えていない」とは言いたくなかった。何となく。
「ア…アンタ…が言いなさいよ……あ、『あの時』の…事……」
美琴に言えるのはこれが精一杯である。
『あの時』がどの時なのか、美琴自身皆目見当もついていないが、
美琴も非常に興味のある話題なので、夫に委ねる。
「ま…まいったな……」
頬を染めながら頭をポリポリと掻く夫【おじさん】は、ポツリポツリと昔話を始めた。
これは長くなりそうである。
「あれは俺が高二で、ママが中三になったばかりの頃だな。
俺は 《いつの間にかママの事が好きになってて》 さ、
自然とママの事ばっか考えるようになってたんだよ。んで告白したらママが泣いちゃって…
で、そのまま付き合い始めて、それからずっとママと付き合ってて……
そんで俺が大学卒業した日に、勢いでママに『結婚してくれ』って言っちゃって、
そしたらその時もママ泣いちゃってな…その半年後に結婚したんだ」
意外とそこまで長くは無かったし、そこまでドラマチックな展開も無かったようだ。
しかしそれよりも何よりも気になる事が。
(コ! コココ、コイツが高二で私が中三って!!! それ、もうすぐじゃないのよっ!!!
し…しかもコイツから告は…く……とか! そそそ、そんな都合のいい展開ある訳っ!
……あ…あるの…? これからそうなるの? き、期待しちゃっていいの!? ねえ!)
美琴の脳内が、てんやわんやのお祭り騒ぎと化す。
もう一度言う。この世界は、これからの美琴の頑張り次第では起こり得る未来の姿なのだと。
しかしママの気が動転しているとは露知らず、娘は無邪気に質問を続ける。
「じゃあ、あたしが産まれたのはいつ?」
「麻琴が産まれたのはそこからしばらく経ってだな。……あっ」
夫はふと何かを思い出し、ぷっと吹き出した。
「ぷっくくっ…! そう言えばママ、あの事覚えてるか?
ママが中二の頃、俺に『赤ちゃんできちゃったら責任取ってもらう』とか言ってたのをさ。
あの後大変だったんだぜ? 何か、学級裁判にかけられたりとかしてな。
あれって結局、寝惚けてたのか?」
「ふぁえっ!!? さ、さささぁ!? ど、ど、どうだったかしら!?」
勿論、美琴には身に覚えが無い。
しかしそれ以上に、そんな事を自分が言ったという事は……
(ちゅ、ちゅちゅ、中二の間に『そういう事』しちゃうって事っ!!?
いやいやいやいや! な、何かの間違いよねきっと!
うん! そうに違いないわ! うん! ………じぇったいに、にゃいんらかりゃ…しょんにゃの…)
さすがにそれは無いと言い聞かせ、ふにゃりかけた自分を制する。
色々と危ないので、「はい! この話はもうお終い!」と、話題を美琴自ら強引に打ち切ったのだった。
〜深夜の…〜
大分夜も更け、今日が昨日になり、明日が今日となったこの時間、川の字に寝る三人親子。
しかし母親の目はギンギンに冴えており、全く眠る様子がない。
「ここで眠ってしまったらこの夢も終わって現実の世界で起きてしまう」という理由もあるが、
それ以前に眠気がやってくる気配が無いのだ。
今日一日あれだけの経験をして、興奮が冷める訳がない。
布団を頭から被り、中で悶絶するのに忙しいのである。
そんな時だ、美琴の布団に誰かがモゾモゾと潜り込んできた。
「麻琴ちゃんが甘えにきたのかな?」と思い隣の布団を見てみたが、
娘は気持ち良さそうに寝息を立てている。つまり……
「やっ! マ〜マさん♪」
ひょこっと布団の中から顔を出したのは、ツンツン頭の夫である。
「なっなななな何やってんもがふぁっ!!?」
堪らず大声を出そうとする美琴に、慌てて口を塞ぎ「し〜〜〜っ!」と人差し指を立てる夫。
そして小声で話しかける。
「アホかっ! 麻琴が起きちゃうだろ!」
「もごもごもごっ! っぷはっ!」
夫が手をどかしたので、改めて聞き出す。ただし今度は、美琴も小声で。
「ア、アンタねぇ! な、なな、何しに来たのよ!?」
「何って…夫婦の営みを」
「いいい、いと、いと、営みってっ!!!」
アッサリ答える夫。そりゃまぁ、夫婦ならば何も問題ないが。
パニクる美琴を楽しむように、夫は言葉を続ける。
「今日は『美琴』があの頃みたいな反応するから、『上条さん』も昔に戻ったみたいですよ。
ま、たまにはそういうプレイも悪くないよな」
あの頃に戻った(という体の)彼は、夫から上条へと変わる。
つまり美琴も、ママではなく一人の女性として見ている…というプレイをするつもりのようだ。
「いいいいいや、あのその、そういうのはさすが、にっ!!!?」
美琴が言い終わるその前に、上条からの強引なキス。
ただし昼間のような「ほっぺにチュウ」程度の甘っちょろい物ではない。
唇と唇が重なり、舌と舌がを絡まり、唾液と唾液が混じり合う。所謂、濃厚なヤツである。
美琴にとってはこれがファーストキスになるが、夢の中なのでセーフ判定だ。
上条が唇を離すと、チュルルっと唾液が糸を引いていた。
そして美琴の耳元で、「愛してるよ、美琴」と、とどめの一言。
一方美琴は、と言えば、
「わ…わりゃひも〜……♡」
と正常な判断のできない状態になっていた。
美琴のトロけきった表情に我慢できなくなったのか、上条は美琴の下半身に手を伸ばし―――
と、ここらで美琴の身に何が起こったのか説明するのはやめておこう。
だってここエロスレじゃないし。
ただ一つ言えるのは、この夢は夢の中で眠りに就くまで終わらない訳で、
上条が「朝まで寝かせてくれなかった」ら、それまでずっと夢は続くのである。
つまり、美琴はこの日、『色々な事』を体験してしまったのだ。
美琴にとってはこれが初体験になるが、夢の中なので…いや、夢の中でもアウト判定だ。
この後現実世界で目を覚ました美琴は、レベル6に到達できそうな勢いで漏電したという……
その日、美琴は佐天から貰ったアロマオイルの『絶大』な効力のせいで朝からポワポワしており、
呆けながら通学路を歩いていた。だがそんな時に限って、
「はよっすー、美琴」
このツンツン頭は暢気に話しかけてくるのである。
いつもの美琴なら、内心嬉々として会話に応じるのだが、
今日は色々と余裕が無いので、美琴も言いたい事だけを言う。
「あ、あああ、あんな事してもし赤ちゃんできちゃったら責任取ってもらうからねっ!!!!!」
「ほわっつ!!!?」
ただしそれは、とんでもない台詞だったのだが。しかも有り得ないくらい赤面させて。
そして彼女は捨て台詞を残し、あっという間にどこかへ走り去った。
当然、上条には身に覚えが無く「えっ、えっ……えっ?」と混乱するばかりであった。
だが上条の不幸がこれで終わる訳が無い。
この時の様子を偶然にも青髪【クラスメイト】に目撃され、
その日の放課後上条は、学級裁判にかけられるのだった。
だが弁護してくれる者はおらず、吹寄裁判長の下した判決は「有罪」。
クラス全員でタコ殴り【しけい】が執行されたのだ。
薄れゆく意識の中、「こうして冤罪が生まれるんだなぁ…」としみじみ思い、同時に
(美琴…寝惚けてたのか? けど『そんな』夢見るって事は……いや、まさかな…)
と頭をよぎり、徐々に美琴の事が気になり始める。
まさかこれが、 《いつの間にかママの事が好きになってて》 のきっかけになるとは、
上条も美琴も、思いもよらない事だろう。
以上です。
ちょっといつもとテイストを変えてみました。
まぁ、たまにはこんなのも。
ではまた。
>>858
ミコパイン(美琴スレ参照)ならぬミコメロンに吹いた、これは夢に決まってる!w
もしくは……お腹にもう一人いたんですかねぇw
詳細感想はエロスレの長編版の方で……書くんですよね?ww
こういうの大好物です。
ご馳走様でした
>>858
はぁ〜幸せな上琴ごちそうさまです
オチもグッドでしたw
どうも、シラボネXです。
まずは皆さん、色々と教えてくださってありがとうございます。
とりあえず、書いたものが投下できるのかためします。
少々長い階段を上り終えた上条。その目の前に
「また扉ですか・・・・」
この扉の向こう側にはどんな茶番が・・・・そんな事を思いつつ扉を開け、中へと入る。
「ふはははは!最弱とはいえ10039号をたおすとはさすがだな勇者よ!とミサカは・・・・」
「やっぱり・・・・・」
ややうんざりとした表情で部屋の中心に立つ人物を見る。
そこにいたのはやはり妹達だった。
「このミサカは四天王一可愛い13577号です!とミサカは自己紹介します」
「・・・・お前達全員同じ顔じゃなかったのか・・・・?」
「なにか言いましたか?とミサカはあなたを睨み付けます」
「いえ、なにも」
女性を怒らせても何一つ良い事が無い事を、身をもって経験している上条は慌てて否定した。
「まあいいでしょう。とミサカは寛大な心であなたを許します」
「そりゃどーも・・・しかし・・・・」
「なんでしょうか?」
「その衣装は止めてくれませんでせうかね・・・」
13577号も10039号と同じボンテージ(色違い)を身に着けていた。
「やはり悪の女幹部は・・・・」
「もういいです・・」
上条は右手で頭を掻きつつ
「で、やっぱりお前と勝負するのか?」
「そうです。ミサカに勝てば左手の枷の鍵を手に入れられます」
「それで、今度は一体どんな勝負なんだ?」
「それは・・・・」
ダラララララララーーーーー
突然響き渡るドラムロールにギョッとすると部屋の中が暗転した。
「な、なんだ!?」
パパーン
軽快な音とともに部屋が明るくなる。そこには・・・・
「第一回御坂美琴クイズ〜〜〜〜〜とミサカはハイテンションに叫びます」
「・・・・・・・」
いつの間にか上条の前には、テレビなどでよく見るいわゆる回答者席が置かれていた。
「さあ!今週も御坂美琴クイズの時間がやってまいりました」
「・・・おい・・・」
「司会はこの私、ミサカ13577号でおおくりいたします」
「・・・・こら・・・・・」
「今日の回答者はこちら!学園都市一のフラグ男、勇者上条当麻さんです!」
「・・・・・・・おい・・・・・・」
「はたして、勇者上条は全問正解できるでしょうか!」
「それでは、クイズスタートです!とミサカは」
「ちょっとまてーーーーーー!」
「はい、なんでしょうかとミサカは」
「なんですかこのつっこみ所だらけの展開は!?」
「ミサカにつっこみまくりたいだなんて大胆ですねとミサカは」
「そんな事言ってませんよ!?」
「やはりむっつり・・・・」
「まだ言いますかそれ!?」
「話が進みませんのでとりあえず席につけやと、ミサカはあなたに言い放ちます」
「・・・・はいはい・・・・」
ややうんざりしながらも言われるままに席に着く上条。
「では簡単にルールを説明します。これからおね・・・美琴姫に関するクイズを出題します」
「三問連続で正解すれば勇者の勝ちです。逆に三問連続で不正解だと勇者の負けとなります」
「つまり・・・とにかくクイズに正解すればいいんだな?」
「そうです」
「わかったよ、ならとっとと始めようぜ」
「では第一問!お姉様の好きな色は?」
チッチッチッチ・・・・
(色?あいつの好きな色なんて知るわけ・・・・)
チッチッチッチ・・・・・・
(まてよ?たしか御坂はなんかのかえるのキャラが好きだったような・・・)
チッチッチッチ・・・・・・
(ならおそらく)「緑!」
「正解です」
「よし!」
「続けて第二問!お姉様はきのこ派、たけのこ派どっち?」
チッチッチッチ・・・・・・
(これはたしか・・・)「たけのこ!」
「くっ・・・正解です」
「ふ〜〜〜〜〜」
(前にあいつがコンビニで買っていたのを見かけていて助かったぜ)
「まだ終わりではありませんよ第三問!お姉様の誕生日は?」
「5月2日」
「正解!ってなぜ即答しているのですか!?とミサカは驚嘆します」
「前に美鈴さんが教えてくれたんだよ」
(お母様〜〜〜〜〜〜〜〜〜!)
がくりと項垂れる13577号。
「よし!三問連続正解だ!」
「まさかこんなあっさり負けるとはと、ミサカはショックを隠しきれません・・・・」
「まあ・・・なんだ・・・」
なぜか罪悪感を感じる上条。そんな上条に13577号は
「うりゃあ!」
べし!
「ぐあ!?」
鍵を投げつけてきた。
「いたたたたた・・・」
「今回はお前の勝ちにしてやる!とミサカはおきまりのセリフを言って逃亡します」
と言い残して逃げていったのだった。
「・・・不幸だ・・・」
できました〜〜〜〜!
これも皆さんが色々教えてくれたおかげです!本当にありがとうございいます!
あと感想を書きます
>>くまのこさんへ
ある意味タイムパラドックス的な話ですね。卵が先かにわとりが先か・・・
やはり二人の子供の名前は麻琴ですよね!GJです!
シラボネXさんへ
・基本マターリ進行で。特に作品及び職人への過度なツッコミや批判は止めましょう。
テンプレは理解しているんだが、すまん。本当にすまん。ちょっと言わせてくれ
ssはおもしろかったです。ですが本気で貴方はいったい何がしたいんだ?
あんまり投稿スタイルうんぬんを悪く言いたくはないんだが
正直貴方の行動は小学生か?と疑いたくなるような幼いものにしか見えない
貴方はいったい何を学んで戻ってきたんだ?
>>850
俺は投下宣言から投下までの時間が空くことじゃなく
たとえば5レス分の投下宣言→10分かけて1レス→10かけて次の1レス…以下三回ほどを繰り返すことがNGなんだと思ってる
1レス投下なら投下宣言と投下内容を同じレスに含めてしまえばいいと思っているから
まあまあ、
シラボネXさん、萎縮しないでくれ、
しかし、もう言われたことができるようになったんですな。流石です。
さて、上で言っていることをもっと簡単に言うと、
短いぞ。です。
1レスの小出しではなくもっとがっつりとこいやーって話。
1レスの使い方として、いっぱいいっぱいに書くよりも、今のように場面転換に1レス使うやり方で、わたしはいいと思います。
だから、この後もガンガン2、3レスと続ければ、上の方も満足なんじゃないかな。
そのために必要なのが書き溜め。今四天王二人倒したし、短編のようなので、次で一気に終わってみましょう。
1レスを場面転換に使い、数レスつかって1つの話を構成してみてはいかがでしょうか?
以上、ちょっとだけ先輩なわたしのおせっかいでした。
>>865
すまん、時間が空いて冷静になって自分のレス読み返してみたら文句だけで
自分で読んでて胸糞悪くなったわ。本当にすまなかった
書き溜めっていうのは自分が投稿したいssをなにか文章作成ツール等を使ってあらかじめ書いておくことだろ?
一回の投稿にss本文は1レスだけ、残りは投下宣言と終了宣言のみ、これはあんまりにも少なすぎる
1レスでお話が完結するものならともかくね、王道物語はあと3〜4レス分くらいあるんだろ?
おまけにその3レス分の投下間隔も10分・30分とかなり間が空いてしまっている
投下宣言がなされている以上終了まで待たないと、他の人がssを投下できませんよね?
投下が被るとss同士が交錯してしまい訳の分からんことになってしまいます
んで、これを毎日やっちゃうとどうなるか分かりますよね?
このあたりが「スレを独占する」行為になってしまうんじゃないか?と俺は思うわけです
それを避けるために書き溜めしてから投下しましょう、というルールができたのではないですか?
メモ帳とかワードなんかに投稿したいssを最初から最後まで全部書く
場面転換とか、このセリフあたりで切ろうかな〜ってところで区切って何レス分くらいになるか計算
このレス数くらいででss投下しますよと宣言、書き溜めの本文コピー、掲示板の投稿フォームに貼り付け投稿
投下間隔は俺の経験からいったら3〜10分ぐらいだと思う
本文コピーして貼り付けるだけなんだからそんなに時間かからない
こうやってss投下自体はスムーズにやりましょうと、俺はお願いしたいんです
俺はシラボネXさんをこのスレから追い出したいわけじゃない
貴方のssは読んでて面白いから。会話のテンポいいし、言動も不自然じゃない。ちゃんとキャラ掴めてると思う
この俺のレスを見て気分が悪くなった人は絶対いると思う、そこはホントに申し訳ない
けど職人さんやスレ住人と喧嘩しようとかも思ってないんだ、わかってくれ
文句ばっかりダラダラ垂れ流して本当にすまん。でもこれは改善できる問題のはずなんだ
ごめんなさい、ごめんなさい
本当に自分はルールを理解してませんでした。
自分は初心者と皆さんに甘えていました。
これからはきちんと肝に銘じて皆さんのご迷惑にならないよう気をつけます。
次の投下できっちり完結させますので、お待ちいただけたらありがたいです。
書き忘れてました。
まだ、話が書き終わってないので書き終わるまでお休みいたします。
では。
がんばれーーー
アドバイスしてくれた人もシラボネXさんも乙です
このスレの皆さんを応援してます。
シラボネXさん>>865 ,>>867 でキツイ言い方して本当にすまなかった
とある男の王道物語の続きを楽しみに待っています
そして今回の俺の発言で畏縮したりせずに作品を思いついて書き上げたら
今まで通りにこのスレに投下しに来てください
本当ここって空気悪いな
このスレになってからそれが顕著になった
外でスレ立てて本当正解だったわ
こりゃ職人さんが減ってくのも納得
完成しましたので投下いたします。
三階にたどりついた上条。だが、部屋の中には誰もいなかった。
きょろきょろと辺りを窺うと、テーブルの上に何かが置かれていた。
「なんだこれ?手紙?」
とりあえず手紙を読んでみる
「えーーーと、『ミサカはこんな恥ずかしい衣装であなたの前に出る事はできません。鍵はお渡しします
のでミサカに構わず先へ進んでください。四天王一スレンダーな19090号より』・・・・」
上条は右足の枷の鍵を手に入れた。パパーン!
「・・・・・はあ・・・・・」
『残る四天王はあと一人。さあ、ゆくのだ勇者よ!とミサカはナレーションを言います』
「やかましいわ!」
いよいよ四階にたどりついた上条。いいかげんうんざりしながらも扉を開けるとそこには・・・・
「とうとうここまできたか勇者よ!みごとである!」
「しかし、貴様の快進撃もここまで!この四天王最強のミサカ10032号が貴様に引導をわたしてくれるわ!
とミサカはいかにもなセリフを言います」
「・・・やっぱりお前かよ・・・・」
もはや見慣れたボンテージ(やはり色違い)を着た御坂妹が待ち構えていた。
「・・・ところで御坂は何処にいるんだ?」
辺りを見回してもこの部屋には見当たらない。
「おね・・美琴姫ならこの上の階にいます。助けたければミサカに勝たなければいけません、とミサカは説明します」
「・・・・で、何の勝負でせうか?」
御坂妹は手にした機械のボタンを押す。すると
ウイーン
床の一部が開き何かが上昇してきた。そこには
「あはははははは!や、止めてくださいとミサカはあああああ!」
「止めてほしければ、ダイエットの秘密を喋りなさい」
「そ、それは・・・・あひゃあ!」
十字架に磔にされた19090号(ボンテージ姿)が10039号と13577号にくすぐられていた。
「おっと、間違えました」
御坂妹はボタンを押すと、それは下降していった。
「け、結局あの人に見られて〜〜〜〜〜〜!」
19090号の悲痛な叫びだけを残してミサカ達は去っていった。
「いまのは一体なんでせう!?」
「敵前逃亡した19090号へのお仕置きですが?」
「やりすぎだろおい!」
「こっちの赤いボタンでしたねとミサカは」
「聞けよ!」
御坂妹が再びボタンを押す。
ウイーン
今度は部屋の中心の床が開き、上昇してきた物を見て上条は目を丸くした。
そこには大量の食材がのったテーブルと調理台があった。
「ミサカとの勝負は料理対決です!」
「料理対決!?」
「そうです。ルールはここにある食材を使って互いに一品づつ料理を作り、その後審査員に食べてもらいまして、
審査員が美味しいと決めた方の勝ちです。」
「なんでまた料理なんだ?」
「あなたにミサカ達は殴れないでしょうから、こうゆう勝負方法にしたのです。それとも、ミサカと
殴り合いをしたいのですか?とミサカは問いかけます」
「悪人でもないやつなんて殴れねーよ」
頭を掻きつつ上条は答える。
「ところで、審査員って誰がやるんだ?」
「モニターを見てください」
上条は壁にかかっているモニターを見た。そこに映っていた人物は
『おなかがすいたんだよ!』
「インデックス!?」
白い暴食シスターだった。
「なんでインデックスがここにいるんだ!?」
昼ごろ、「知り合いの所に遊びにいくんだよ〜」と言っていたのでてっきり小萌先生か姫神の所にいるものだと思って
いた。それがなぜここに?
「審査員としてミサカがお呼びしました」
「審査員って・・・・あいつに味の審査ができるのか・・・・?」
なんでもいいから食べられれば良い、そんなイメージをあのシスターにいだいている上条は思わず呟いた。
『とうま!それはちょっとひどいんだよ!』
「うえ!?」
「言い忘れてましたが、こちらの声も向こうと繋がっております」
「早く言えよ!」
『そんな事よりごはんを早く出してほしいんだよ!』
「・・・・・」
「審査員も待ちきれないようですし、勝負を始めましょう、とミサカはあなたを促します」
「やれやれ・・・・」
30分後・・・
「よし!できたぞ!」
「ミサカも完成しました」
二人ほぼ同時に料理が出来上がった。完成した料理は10039号(メイド服)がインデックスのいる
別室へと運んでいく。
「なんでインデックスを別室に待機させてるんだ?」
「こんな食材だらけの所にあのシスターを呼んだらどうなるか、あなたの方が理解しているのでは?」
「・・・・たしかに・・・・・」
『お待たせいたしました』
『わ〜〜〜い!ごはん♪ごはん♪』
『まずは10032号の料理からです』
『クールビューティの作ったごはん?うわあ!』
御坂妹の料理は高級肉を使ったサーロインステーキ(300g)、インデックスが驚くのも無理はない。
『は、初めて見るんだよ!ほ、本当に食べていいの!?』
『はい、とミサカは』
『いただきま〜〜〜〜す!』
美味しい!美味しい!と言いながらインデックスはあっという間にたいらげた。
『ふは〜〜〜〜!とっても美味しかったんだよ!』
『・・・・次は上条当麻の料理です、とミサカは300gの肉をものの数分で食べたあなたに恐怖します』
『とうまのごはんだね!・・・・・これって』
上条の料理はなんのへんてつもない肉野菜炒めだった。それとゆうのも、普段まずお目にかかれない
高級食材に尻込みしたのと、貧乏性により安い食材を選んでしまったからだ。
「ミサカの勝利は決まったようなものですね、とミサカはあなたへの罰ゲームをわくわくしながら考えます」
「・・・・・・」
『いただきます』
無言で上条の料理を食べるインデックス。
『ごちそうさま』
『さて、どちらの料理が美味しかったのですか?とミサカは一応審査員に問います』
ダラララララララーーーーー
ジャン!
『とうま!』
「な、なぜです!?知識も技術(学習装置を使い)も食材もミサカの方が上でしたのに!とミサカは納得できません!」
『たしかにクールビューティーのごはんは美味しかったんだよ』
『でもこれはただの美味しいだけのごはんなんだよ』
「な!?」
『たしかにとうまのごはんは普通のごはんだよ。でも』
『安いお肉やお野菜をいかに美味しくできるかとゆう工夫と努力、そしてなにより・・・・』
『食べる人に美味しく食べてほしいとゆう愛情がこめられているんだよ!』
ババーン!
「・・・・ミサカの・・・負けです・・・・」
床に両手をつきがっくりとうなだれる御坂妹。
「なんかおおげさな事になっているような・・・・」
しかし、内心インデックスの言葉が嬉しい上条であった。
「これが最後の鍵です」
「悪いな」
御坂妹から左足の枷の鍵を受け取る。
「よし!後は御坂を助けるだけだ!」
勢い良く階段を駆け上がる上条。しかし彼は気づいていなかった。
御坂妹の口元が怪しく微笑んでいたのを・・・・・
「ぜえ・・・・ぜえ・・・・・・」
上条は肩で息をしていた。なぜなら
「・・・なんで・・・最上階への階段だけ・・・長いんだよ・・・」
ほとんど嫌がらせに近い作りである。この建物を作った人物はよっぽどひねくれたやつなんじゃないかと
思いながら階段を上る。
「やっと・・・ついた・・・・」
疲労でぐったりしながらも扉を開ける、そこには
「御坂!」
両手足を鎖に繋がれた御坂美琴がいた。
「え・・・・・?な、なんであんたがここに!?」
戸惑う美琴、その後顔を赤くすると
「まさか・・・・これあんたの仕業!?」
「ええーーー!」
怒鳴りつけてきた。
「私を拘束して、こ、こんな服(アニオリの盛夏祭で着ていた白いワンピース)着させて一体私に何しようと・・」
「俺はお前を助けにきたんだよ!」
「え!?」
「今鎖を外してやるから待ってろ!」
美琴に駆け寄ろうとしたその時!
「そうはいかないんだよなあ!」
「な!?」
頭上から声とともに何かが落ちてきた。慌てて後ろに下がる上条、そこに現れたのは
「ひさしぶりだなあ!三下ぁ!」
「「一方通行!?」」
ビジュアル系ロックバンドのような衣装を身に纏った一方通行だった。
「な、何でお前が・・・・・まさか!」
「そう!四天王は俺様の下僕にすぎねえ。俺がここのボスキャラだぁ!」
「・・・・お前もかよ・・・・」
ため息をつく上条。まさかこんな大ボスが出てくるとは思いもしなかった。
「オリ・・・姫を助けたければ、この魔王をたおすんだなぁ勇者ぁ!」
「姫?勇者?な、なんなのよこれ!?」
「・・・つーか・・・お前がこれしくんだのか・・・?」
「勘違いすんな三下ぁ!あのクソガキが『ミサカは王道の物語が見てみたい!ってミサカはミサカはお願いしてみる!』
って言いやがるからよぉ、しかたなく協力してるだけだぁ!」
そう、全ては王道物語を楽しむと同時に、なかなか素直になれない美琴に何かきっかけになれば良いと思った打ち止めの
仕業だった。
最初は悪役とゆう事に難色をみせた御坂妹達だったが、「上条当麻がもし負けたらミサカ達が罰ゲームと言う名目で好きに
しても良い」とゆう条件で協力していたのだった。
「・・・・お前も大変だな・・・・」
「哀れんだ目で見るんじゃねえ!」
「ちょっと!説明しなさいよ!」
「もしかして・・・この建物って・・・」
「俺が作らせたんだよぉ、ついでに妹達の衣装とかもなぁ。まあ、俺にとっちゃはした金だがなぁ!ギャハハハ!」
(おのれブルジョア!)
「聞いてるの!?ねえ!」
「さあて、そろそろおっぱじめようぜぇ!勇者上条ぉ!」
「なんか頭痛がしてきましたよ・・・・」
「無視すんなやゴラァァァァァァ!」
鎖をガチャガチャ鳴らしながら叫ぶ美琴。一応お姫様なのだからもう少しおしとやかにしてほしい。
「やかましいぞオリジナルぅ!大人しくしてねえと恥ずかしい目にあわすぞごらぁ!」
「は、恥ずかしい目って・・・何する気よ!」
「やめろ!御坂に手をだすんじゃねえ!」
上条の言葉にニヤリと笑う一方通行。
「おい、三下ぁ。てめえが負けたら妹達から罰を受ける事になってたよなぁ」
「ああ」
「今回は特別にオリジナルにも罰を受けてもらうぜぇ!」
「「な!?」」
一方通行の言葉に二人の顔色が変わる。
「・・・・・一体御坂に何をする気だ・・・」
「これさぁ!」
一方通行が懐から取り出した物。それはねこ耳付きカチューシャとデジカメだった。
「ねこ耳超電磁砲の写真をネットにばら撒いてやんだよぉ!」
「いやああああああ!」
「・・・・・・一方通行・・・・」
(こんだけ煽りゃぁこいつはいやでも本気をだすだろぉ)
「いいぜ・・・お前が美琴を辱めようってなら・・・・その幻想をぶち殺す!!」
(誰かを守るため、助けるためなら実力以上の力が出せる・・・・)
(やっぱりてめえは心底勇者【ヒーロー】だよ上条当麻)
「こいやぁ!勇者ぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「魔王ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
ただ今、上条当麻と一方通行が本気で殴り合っております。しばらくそのままでお待ち下さい.
「・・・・ちょっとばっか響くぞ!!」
バキリ!と鈍い音とともに、一方通行の顔面に上条の右拳がめり込んだ。
「ぐはあ!」
どさりと仰向けに倒れる一方通行。
「・・・・みごとだぜぇ・・・勇者よぉ・・・・」
とつぜん一方通行の周りに煙がたちこめる。
煙が消えたそこには、一方通行の姿はなかった。
「はあ・・・はあ・・・勝った・・・・」
大きく肩で息をする上条。
「あ、あんた・・・・・」
そんな上条を美琴は悲痛な表情で見つめていた。
「御坂・・・待ってろ今自由に」
「馬鹿!」
「はい!?」
「馬鹿!馬鹿!馬鹿!」
「な、何を怒っているのでせうか?」
「こんの大馬鹿!またそんなぼろぼろに傷ついて・・・・・何であんたはそうなのよ!」
涙目で上条をにらむ美琴。上条は戸惑いながらも
「美琴・・・・今の俺は勇者なんだよ」
「ふえ・・・・?」
「勇者が囚われの姫を助ける・・・・まさに王道の物語なんだ」
「あんた・・・何言って・・・・」
「今回はそれで納得してくれませんかね・・・美琴姫」
ぽかんとする美琴。そして
「あははははははは!」
爆笑した。
「あんたが勇者って・・・・全然似合わないわよ」
「・・・・そうか?」
「まったく・・・・いいわ、今回は納得してあげる」
「でも今回だけよ!一方的に助けられるのは私の好みじゃないから」
「そうだな」
「それじゃ早くこれ外してよ。立ちっぱなしで結構きついの」
「はいはい」
鍵を使い拘束を解く。
「きゃっ!」
「おわ!」
倒れこんだ美琴を上条は優しく受け止めた。
「ご、ごめん!足に力が・・・・」
「・・・・・・・しかたないな・・・・」
「え・・・・きゃあ!」
上条は美琴を抱き上げた。いわゆるお姫様だっこである。
「な、な、な〜〜〜〜〜〜!」
顔を真っ赤に染め、美琴は慌てふためいた。
「ちょっと!降ろしなさいよ!」
「降ろせって・・・・お前まだちゃんと歩けないだろ。遠慮するなよ」
「は、は、恥ずかしいって言ってんの!」
「いいから。このまま送ってってやるよ」
「こ、このまま・・・・・ふにゃ〜〜〜〜〜〜〜」
「漏電すんな〜〜〜〜〜〜!」
END
以上です。最後がやや強引になってしまいました。
今回、本当に色々とご迷惑をおかけしました。すみません。
皆さんさえよろしければ、またここに来たいです。
では。
>>878
アクセラレータ……wwww
こういうカオスなドタバタコメディしゅきぃ・・・
そういう意味でも王道なお話でしたなw
おつです!
あ、あと絶対誰かつっこむと思うので言っておきます
一方通行の口調は「ァィゥェォン」が必ずカタカナになりますので次出す時はお気を付けを・・・
>>一哉さん
長くくて感動的な告白をありがとう!
瞳を閉じて、「アレ」ですよね!
>>くまのこさん
ミコメロン!?まぁ、夢の中でくらい夢見させてもいいんじゃないんでしょうか。
いやでも、子供いるしなー。
上条さんも、美琴にあんな夢見させて、責任取らなきゃ!いや、もう取ってる?これから取るのか?
>>シラボネXさん
まさに王道!勇者とお姫様、いいわー
あと>>882 さんに付けたしで、
「久しぶりだなァ!三下ァ!」や「ねこ耳超電磁砲の写真をネットにばら撒いてやンだよォ!!」にするとより一方通行らしいかと。偉そうにすいません。
SS投稿したいんですが、最近どうしてもアイデアが出てきません。アイデア、ください。
>>くまのこさん
つ、つまり上条さんに足りないものは自覚だったんだよ!(以下省略
>>シラボネXさん
ラストオーダーのお願いだからって、素直に実行しちゃうアクセラさんマジかわいい
>>はりねずみさん
あれ? つまりこれはリクエストおkってこと?
では「ドラマのとある魔術の禁書目録」なんていかがでしょう?
役者上条さんは劇中では鈍感だけど、本人は役者美琴に惚れていて仲良くなりたいとか
役者美琴は撮影に入ると劇中の美琴だけど、本当は気弱で引っ込み思案で、撮影終了しちゃうとマネさんの後ろに隠れちゃう子とか
私には書けない! ぜひ頼んます!
シスターズは実は美琴のDNAだけじゃなく上条さんのDNAも使われていたとかとか
>>はりねずみさん
私もリクエストをしていいでしょうか?
個人的には、佐天さんと美鈴さんにいじられまくるミコっちゃんが大好きなのですが、それだと王道すぎるので、
「どことなく、大圄先生に似ている……」
とか言って上やん病にかかってしまった
寮の管理人のお姉さん【寮監】を必死に止めるミコっちゃんなんてどうでしょう。
>>882 さん、はりねずみさん
言われてみればたしかに。書く前に小説で確かめればよかったですあわわわ
一方通行は口調が難しい・・・・
あと小ネタできたので投下します。
小ネタ 上条さんの不幸とラッキースケベとスルーが同時かつ極端に出た場合
こんな事になりそう
私こと上条当麻は不幸な人間である。
しかし最近はあまり不幸な目に遭いませんでした。
だから油断していたのでしょう・・・・・
その日は補修も無く、特に買い出しの必要も無かったので、のんびりと寮への道を歩いておりました。
ふと前方を見ると、四人組の女の子がこちらへと歩いてきました。
その女の子はよく見知った御坂美琴と白井黒子。後の二人は黒髪ロングの娘と頭に大量の花をのせた娘でした。
ここで俺は、珍しく御坂に声をかけようと思うに至ったわけですが・・・・
「お〜〜〜い。御坂」
これがあんな事になるとは・・・・・
「えっ!?(こいつから声をかけてくるなんてどうしよ嬉しい嬉しい!)」
「あら、上条さん(何しにきた類人猿!)」
「おっす」
「おひさしぶりです!上条さん!」
「え〜〜〜〜と・・・左天さんだっけ?」
「わ〜〜〜〜♪憶えていてくれたんですね」
「左天さん、この人は?」
「前に私のお守り貸した人だよ初春」
「ちょっと・・・あんた私の友達にまで手を出す気!?」
「さすが類人猿。節操がありませんこと」
「・・・・酷い言われようだな・・・・・」
はあ、とため息をつく。その時
「邪魔だどけ!」
ドン!
がらの悪い男がぶつかってきたのです。
「うわ!?」
バランスを崩した俺はそのまま前に倒れこみ・・・・
「「「「きゃあ!?」」」」
彼女達を巻き込んでしまいました・・・・・・
今、私こと上条当麻は人生最大のピンチを迎えております。
なぜなら・・・・・
俺の右手は白井の尻をタッチしており、
左手は左天の胸を鷲づかみに、
頭は初春のスカートの中に(可愛い下着とこんにちわ!)・・・・・
そして、頭上からは恐ろしいまでの怒気と殺気と電撃の爆ぜる音が・・・・
「・・・・・あ〜〜ん〜〜た〜〜は〜〜〜!!」
父さん母さんごめんなさい。今日が俺の命日みたいです・・・・・・
「なんで私だけ綺麗にスルーすんだゴラァァァァァァァァァァァァァ!!」
「怒るとこそこ!?」
END(ひでぶ)
以上です。
では。
>>シラボネXさん
お疲れ様です。
ただ、この小ネタって上琴でいいの?
自分の認識不足だったらごめんなさいですが、上琴と言えないような。
美琴との絡みがある訳でもないし、どうなんだろ?
自分が狭量なのかも知れませんが、レスチの様な気がしたもので。
>>シラボネXさんGJです!
シリーズ完結お疲れ様でした。小ネタも面白かったです。
是非また書きに来てくださいな。待ってますぜ!
支部でリクを受けたので短編書きました。
>>852-857 の続編と言うか、上条さん視点です。
約3分後に6レス使います。
前回のあらすじ。
「あ、あああ、あんな事してもし赤ちゃんできちゃったら責任取ってもらうからねっ!!!!!」
「ほわっつ!!!?」
美琴センセーご乱心。
「た…ただいま〜……」
「おかえりとうま。…って! ど、どうしたのかな!?」
その日、上条はボロボロになりながら帰宅した。
いわれのない疑いをかけられ、学級裁判という名の集団リンチを受けてきたばかりなのだから。
元々は美琴の「赤ちゃんできちゃったら」発言を青髪に聞かれていた事が発端だったのだが、
リンチ『程度』で済んだのは、それが何かの間違いであろう事はクラスのみんなも知っているからだ。
というか、もし事実だったら警備員【けいさつ】沙汰である。
まぁ、間違いと分かっていながらも上条をタコ殴りにした事は…察してやってくれ。
とまぁ、そんな理由があるのだが、それをインデックスに説明する訳にはいかない。
とても不幸な事が起きる予感がビンビンするから。なので、
「あ、い、いや…こ、転んだんだよ! そんだけそんだけ!」
とりあえず誤魔化す。バレバレの言い訳で。
「……とうま。いくら何でもそれは無理があるんじゃないかな。
もしかしてまた何かと戦っていたの!?」
ある意味正解だ、
「いやホントにそんなんじゃないって! っと、そんな事より晩飯何が食べたい?」
「ごはん!? リクエストしていいの!?」
色々ツッコまれるとボロが出そうなので、夕ごはんをエサに話題をズラす。
上条の企て通り、インデックスの頭の中は魔道書と夕ごはんの事でいっぱいになったようだ。
その日の夜。
上条がいつものように浴槽に布団を敷いていると、風呂場のドアがコンコンとノックされた。
「どうしたインデックス?」
ドアを開けると、小さなビンを持ったインデックスがそこにいる。
インデックスはそのビンを上条に渡す。
「とうまこれ、この前まいかから貰ったんだよ。
私はまだ使ってないけど、いい夢が見られるってまいかが言ってたんだよ」
「これは…アロマオイルか?」
「うん。とうま今日疲れてるみたいだから、これで癒されたらいいかなって……」
「…俺を気遣ってくれたのか……ありがとな、インデックス」
「べ、別にいいんだよ……」
照れて恥ずかしそうに(という理由だけではないだろうが)赤くなるインデックス。
普段はアロマなんて絶対に使わないであろう上条だが、ここはせっかくのご厚意だ。
ありがたくそのビンを受け取る。
「じゃ、おやすみな」
「うん、おやすみ」
言いながら、心なしか上機嫌で風呂場を出て行くインデックス。
この様子を青髪にでも見られたら、また学級裁判が開廷しそうである。
シャンプーラックにオイルを置く上条。
とは言っても、先程説明した通り上条はこんなオサレグッズとは無縁なので、
当然アロマスポットやアロマライト、ディフューザーなどの専用器具は無い。
なので小皿にオイルを注いで放置するという、雑なやり方だ。
まぁ、それでも香りは楽しめるが。
上条はそのまま布団を被った。
まさかこのアロマオイルが『自分の希望に近い予知夢を見られるアロマオイル』で、
舞夏は「いい夢が見られる」と嘘をつき、
インデックスにプチドッキリを仕掛けようとして渡した代物だとは知る由もなく。
唇に、柔らかい感触。続いて、
「アナタ? もう朝よ?」
という美琴の声。
おそらく、起きる直前の『夢』と『現実』の間の瞬間なのだろう、と上条は推測した。
何故なら隣に美琴がいるはずがないのだから。
そんな事を考えつつ上条はゆっくり目を開ける。だがそこには…
「おはよ、アナタ」
どういう訳か美鈴がいた。…いや、美鈴にしては少し幼さが残るような気がする。
むしろ美琴に似ているかも知れない。というか、美琴が大人になった感じがこんなイメージだ。
が、そんな事を冷静に分析している場合ではない。
ここはどこで、目の前の人は誰だ。
上条が起きたのは、昨日寝たはずのいつもの浴槽ではない。
目の前の女性も、美琴に似ているからといって美琴のはずがない。
御坂美琴という人物は中学二年生なのであって、こんな人妻的なエロスを全身から醸し出し、
お胸にこんな巨大なメロンをぶら下げているような娘ではないのだ。
訳が分からず口をパクパクさせる上条に、美琴らしき人物が話しかける。
「何よ変な顔しちゃって。…あっ、分かった。おはようのチュウが一回だけだから不満なんでしょ。
もう〜! アナタってばいつまで経ってもワガママなんだから♪」
美琴らしき人物は意味不明な言葉を話す。そして益々混乱する上条に、
「んー…チュッ♡」
キスをした。もろ唇に。
この感触は、先程起きる前に味わったばかりだ。という事は……
「な、ななな何をしておりまするのでございますかっ!!!?」
一気に眠気が吹き飛び、慌てて後ずさる上条。言語機能が異常をきたす程に。
対して美琴らしき人物はキョトン顔である。
「何って…『いつもの』おはようのチュウじゃない。
日曜日だからって、いつまでも寝てんじゃないのっ!
麻琴ちゃんはもう起きてるのよ!」
「ま…こ、と…ちゃん…?」
聞き覚えの無い名前である。
一つの謎が解決すると新たな謎が生まれる、というのはよくあるが、
この場合、前の謎が未解決のまま新たな謎が生まれるので、謎が増えるばかりで減っていかない。
ここはどこで、目の前の人は誰で、『いつもの』チュウって何なのか。
そして麻琴という方はどちら様なのか。
なんて事を考えていると、部屋に幼女が入ってきた。
髪は黒いが、その顔立ちは打ち止めに似ている。この子が件の麻琴ちゃんなのだろうか?
「あー! ママがまたチュウしてるー! ママ、ホントにチュウするの好きだよね」
「ちーがーうーのー! 今回はママからした訳じゃないもん!
パパがおねだりしてきたんだもん! ねー、パパ?」
「ふぁえっ!?」
訳が分からないので、訳の分からない返事をする上条。
だが一つだけ理解した。
間 違 い な く こ れ は 夢 だ。
そう確信した上条だが、心のどこかで「もうちょっと、この夢を見ていたいな…」と思ったのは、
上条自身、気づいてはいないのだった。
〜朝の風景〜
上条は、鼻歌を歌いながら台所でネギを刻むその姿を後ろからボケーっと眺めていた。
この夢について分かった事がいくつかある。
どうやらここは、現実の時代から15〜25年くらい未来の世界だという事。
台所に立っているその女性は、正真正銘御坂美琴であり、自分と結婚しているらしいという事。
日曜朝特有の少女向けテレビアニメを観ながら、
そのアニメのキャラと一緒にプリティーでキュアキュアしているこの娘は、
どうやら自分と美琴の間に産まれた子供らしいという事。
というか、そのアニメは十年以上先の未来でもまだシリーズが続いていたのか。
だがしかし、これがあのアロマオイルの効力だとは知らない上条は、
この夢が自分の欲望をそのまま映し出した物なのではないかと思い落ち込む。
(俺ってこんなに変態さんだったのでせうか…?
美琴にあんな格好までさせちまって、あまつさえ子供がいるとか……)
…という思いとは裏腹に、視線はしっかりとエプロンを着た奥さんの後ろ姿にロックオンしている。
好きなタイプを聞かれ「寮の管理人のお姉さん」と答えた事からも分かるように、
上条は年上好きである。
しかも普段は自分が家事全般をしている為か、家庭的な女性に憧れてしまうのだ。
つまり今の美琴は上条にとって、どストライクなのだ。
(…子供がいるって事は、やっぱりこの美琴を…その、なんだ……だ、抱いちゃった訳だよな…?
だああああもう! 夢に見るくらい、俺は普段から美琴をそんな目で見てたってのかっ!?
最悪じゃねーか!!!)
…という思いとは裏腹に、小皿に味噌汁を注ぎ味見するその姿に、ドギマギしてしまう上条。
大人な姿なのに所々美琴らしいクセなどが出ており、そのギャップがまた可愛らしいと思ってしまった。
そんな複雑な思いが頭を駆け巡っているこの時に、アニメを観終わった麻琴が話しかけてくる。
「ねぇパパー。今日はどこか行かないの?」
「え、あ……えっ!!?」
慌てて麻琴の方に振り向く。「ごめん美琴に見とれてた」、なんて言える訳もなく。
「あ、ああ…じゃ、じゃあどっか行こうか!」
とりあえず話を合わせる。
「ホント!?」
「ホント。あー……ま…まこ、と…の好きな所でいいぞ」
やはり「麻琴」と呼ぶのには抵抗がある。
「じゃあ動物園か水族館がいい!」
「またなの? 水族館はこの前行ったでしょ?」
こちらの会話が聞こえていたらしく、美琴が卵焼きを作りながら話に入ってきた。
当然ながら、上条には「水族館はこの前行った」というエピソードに身に覚えが無い。
「それでもいいの!」
「じゃ、じゃあ動物園にしようか」
「わーいやったー!」
大喜びする麻琴。どうやら動物が好きな子らしい。
ふと美琴も動物好きである事を思い出し、「やっぱり親子なんだな」と、クスッと笑った。
〜昼の風景〜
「見て見て! あそこのお猿さん3人家族! ウチと一緒だね!」
「そ、そうだな」
「ま、麻琴ちゃーん? そんなに急がなくてもいいんじゃない?」
キャッキャとはしゃぐ娘。子供の体力に合わせるのって大変なんだな、としみじみ思っていた。
ここは動物園。日曜日という事もあり、園内はそれなりに混んでいる。
周りもやはり、家族連れが多いようだ。「今は俺達も、その家族連れの中の一組なんだよなぁ…」
と思うと、自然と顔が熱くなる。
「? アナタどうしたの? やけに顔が赤いけど……」
「い、いや何でもない何でもない!」
上条は慌てて誤魔化した。
「そう…? それならいいけど……あっ! 麻琴ちゃん! あんまりパパ達と離れちゃ駄目!」
「パパー! ママー! こっちにはコアラさんがいるよー!」
振り向くと、遠くで手を振っている麻琴の姿。どうやら今はコアラに夢中なようだ。
上条と美琴は、急いで麻琴のいる方へと駆けつけた。
「見てほらー! コアラさん、おんぶしてる!」
「ホントだ! 可愛いわね〜!」
「確かに…可愛いな」
コアラ親子を見てほっこりする上条親子。
すると麻琴が、コアラをマネしてなのか、それに託けて甘えにきたのか、上条の背中によじ登ってきた。
「おわっ!? 麻琴?」
「えっへへ〜。あたしもおんぶ〜♪」
すると更に美琴が、麻琴をマネしてなのか、それに託けてイチャつきにきたのか、
上条の正面から抱きついてきた。
「のぉわっ!!? み、みみ、美琴!?」
「麻琴ちゃんばっかずるーい! 私も抱っこ〜♡」
しかし、だ。今の美琴は大人な姿になっており、お胸もメロンにメガシンカしている。
つまり、やわらか〜い感触が当たっているのだ。加えて今の上条は、心は高校一年の少年である。
なので、
「…? ……きゃっ!!?」
上条さんの息子が目を覚ます。子供は娘一人なのに、息子が目覚めるとはこれ如何に。
上条にやわらかいモノが当たったように、美琴には何か『硬いモノ』が当たっている。
お下品な表現で申し訳ないが、彼だって男なのだ。大目に見てあげて欲しい。
美琴はジト目で上条を睨み、からかうように一言告げる。
「………エッチ」
「ごめんなさい」、と言う他になかった。
〜夜の風景〜
夕食も済ませ、三人はリビングでテレビを観ている。
上条もこの状況に何とか慣れつつあり、今はリラックスしているようだ。
テレビに映るバラエティ番組では、一人の芸人が家族のネタでイジられており、
そこから「嫁のどこが好きなのか」というトークテーマに移っていた。
すると麻琴が、こんな事を聞いてきた。
「パパはママのどんな所が好きで結婚したの?」
「ぶっふっ!?」
口に含んでいたコーヒーを噴射する上条。リラックスタイム終了である。
「ど、どどっど、どこがって! そ、そんなの…なぁ…?」
困った上条は美琴の方に目を向け助け舟を待つ。
しかし美琴も期待に満ちた目でこちらを見つめるだけで、上条を助ける気は更々無いらしい。
聞きたいのだ。「上条は美琴のどこが好きで結婚したのか」を。
だが困る。上条自身、そもそも結婚したという経験がないのだから。
ここは未来と言えども、あくまでも夢の中なのであって現実ではない。
なので上条は逃げる事にした。
「み、美琴はどうなんだよ。…その……お…俺の…どこが好きだったんだ…?」
と美琴に矛先を向けながら。
それにしても、いくら誤魔化す為とはいえ、自分から聞くのはとても恥ずかしい質問だ。
「私? そんなの全部に決まってんじゃない。
そりゃ、色々助けてくれた事に感謝してるってのが前提だったけど、
それ以上に私の中で『好き』って気持ちが大きくなっちゃってて、
もうアナタなしじゃ生きていけないくらいに…って、何言わせんのよ恥ずかしい!」
わりとノリノリで語っていたくせに、今更何を言うか。
美琴の告白を聞き、「かあぁっ…!」と顔を赤くさせる上条。
(み、美琴…俺の事をそんな風に想って!?
……いやいやいや、これは俺の欲望が夢になって出ただけで、
本物の美琴はこんな事言わないよな……
…ん? 俺今、何でがっかりしたんだ?
つーかコレが俺の欲望って、俺どんだけ普段から美琴の事考えてんだよ!!!)
美琴の言葉は『色々と』効果抜群だったようで、上条の頭の中がグルグルと回る。
しかしそれで終わる訳が無い。
「へー…じゃあパパは?」
ママが言った以上、パパも言わざるを得ないのだ。
結局上条の作戦は、いたずらに自分のターンを先延ばしにしたに過ぎない。
こうなったからには、適当にでも答えるしかなさそうだ。
「自分が美琴のどこが好きで結婚したのか」という事を。
まだ頭の中で整理がつかない状況で、上条が出した答えは―――
「……俺…も、美琴の事が……好き…だからな。
『好き』である事に理由なんて無いし、美琴以外の人と結婚なんて考えられなかった。
美琴と結婚したいって思ったから結婚したんだ。それじゃ…駄目かな…?」
それは誤魔化す為の言い訳だったのか、それとも本心なのか。
それは上条本人にも分からない。
ただ一つ言えるのは、上条のその言葉に、
麻琴は「ごちそうさまでした」と言わんばかりに乾いた笑いをして、
美琴は久しぶり(上条としてはお馴染み)の「ふにゃー」をした、という事だ。
〜深夜の…〜
上条は布団を被りながら考えていた。「一体いつまでこの世界にいるのだろう」、と。
実はこの夢、夢の中で眠れば現実世界で起きられるのだが、
そんなアロマオイルの効果など知らない上条は、
「もしかしたらずっとこのままなのではないか」と不安なのだ。
と言うか、そんな大事な事を今の今までよく気づかなかった物だ。
きっとこの世界に対応するだけで、いっぱいいっぱいだったのだろう。
そんな大事な事すら忘れるぐらいに。
みんな寝静まり、考える余裕が出来てしまった事で、逆に上条は自分自身を追い詰めていた。
何も考えず大人しく寝てしまえば問題が解決するなど、知る由も無く。
だが次の瞬間、上条は再び考える余裕が無くなる事となる。
ただしだからと言って、『大人しく寝てしまう』という余裕も無くなるのだが。何故なら、
「ア・ナ・タ♥」
セクシーなランジェリーで身を包み、上条の布団に潜り込んでくる美琴がそこにいるから。
経験の無い上条が見ても、それが『誘っている』行為である事は分かる。
美琴の表情も、麻琴と一緒にいる時の母親の顔から、
愛する人を目の前にした時の女性の顔に変わっている。
しかし、心の準備等が全くできていない上条は、
「ちょちょちょちょ待、美琴さんっ!!!? ななな何ですか急にっ!!?
そ、そそ、そういう事はアレですぞっ!!? わたくし達には早すぎるのだと思われますがっ!!?」
と拒否る。早すぎるも何も、この世界では二人で子作りしているだろうに。
「だって…アナタにあんな事言われて、体が火照っちゃったんだもん……
その責任は、取ってもらわないとね…?」
あんな事、とは、夜に話した「美琴のどこが好きで結婚したのか」のくだりだろう。
あれのせいで、美琴はスイッチが入ってしまったらしい。
「いやいやいやいや!!! 落ち着きなされ美琴さんっ!!!」
「ダ〜メ。もう我慢できないもん。……それに」
「おおおおぉぉおおぉぉぉおぉおおお!!!?」
美琴はクスリと笑い、再び起き上がった上条さんの息子に手を伸ばす。
「こっちは準備できてるじゃない。…動物園に行った時からずっとね♡」
「し、仕方ないじゃないッスかぁーっ! せ、生理現象なんだからー!」
「じゃあ…私が鎮めてあげる♥」
そう言うと美琴は、スルリ、と下着を脱ぎ捨―――
―――てた所で、上条は目を覚ました。
この後の展開を期待した方には悪いが、ここはエロスレではないのだ。
しかし何故上条は起きる事が出来たのか。
上条本人は知らない事とはいえ、
本来、夢の中で眠りに就かないと現実で起きられない仕様の筈である。
その謎を解く鍵は上条の布団の上にある。
そこには小皿と、その中に入っていたアロマオイル。オイルはこぼれ、掛け布団に染み込んでいる。
では何が起きたのか説明しよう。
まず上条は不幸体質だ。
不幸な上条は、寝相で枕元【シャンプーラック】に置いてあったオイルを触ってしまったのだ。
事も有ろうに幻想殺し【みぎて】で、だ。
あんな代物が何の異能の力も使っていない訳もなく、
そのせいで『不幸にも』あの夢を強制的に終了させられ、
挙句の果てにそのオイルは掛け布団にダイブしてきた、という訳だ。踏んだり蹴ったりである。
とまぁ説明はしたが、それは上条の与り知る所ではない。
あの夢がオイルの作用だと知らない上条は、
(うおおおおおお!!? 夢とは言え、俺は美琴になんちゅう事をっ!!!
あ、あのまま起きなかったら…最後までヤッちまってたって事なのかっ!!?
うわあもう、明日からどんな顔して美琴に会えばいいんだよ〜〜〜っ!!!)
とオイルまみれの布団の中で悶々とし、そのまま朝を迎えるのだった。
しばらくの間、上条と美琴は二人とも変に意識し合ってしまい、
お互いに関係がギクシャクしてしまったのは言うまでもない。
以上です。
やっぱりデレ始めの上条さんは書くのムズイですね。
ではまた。
上条さんの健全な男子高校生らしさが出ていてよかったです
それにしても、上琴未来設定に登場する二人の子供は名前といい、容姿といい
すんなり妄想しやすいですねw
フロイト先生も爆笑だっぜ!(笑)
>>シラボネXさん
綺麗にミコっちゃんスル―されてますねー。
そういや、セクハラした3人の内2人は風紀委員なんなんだよなー。上条さんが冷飯食うことにならないように、ねぇ?
>>くまのこさん
相変わらずの高クオリティ!
これは不幸ですよ。生殺しなんてあんまりだ!ぜふエロスレでお願いします!!
皆さん、アイデアありがとうございます。
今回は>>885 さんの意見を参考にして書きました。『ドラマ編』も制作中ですが上琴に仕上(浜面のことじゃないよ)げる自信は正直ありません。
寮監さんネタはすみません。アニメオリジナルのはあまり詳しくなくて。ですが必ず参考にはします。皆さんありがとうございました。
では投下します
「だからお願いだって―」
「だーめーでーすー!」
「お願い―!」
「これ以上居候は増やせません!」
『大事な話がある』と、アイツに呼び出されて美琴は初めて上条の部屋に来た。
『まさか告白!?』なんて乙女らしい妄想をしていたが、現実はかけ離れていた。
「とりあえず離れてくれませんかね!?」
現在この馬鹿にひっついて子供の様に駄々をこねている、自分と似たような(というかほとんど同じ)顔立ちに、アイツの様な黒髪に垂れ目の少女は誰なんだろうか。
「アンタがここにいるのはいい。この馬鹿にひっついているのも今は勘弁してあげる。でもアンタは一体どこの誰よ?」
アイツにひっつくのをやめ、少女はうーん、と考えてから言った。
「元実験体。現浮浪者。これだけ言えばいいかな、オリジナル」
オリジナルと、この少女は何の迷いもなく言った。
だが妹達との相違点が多すぎて、自分のクローンだと言われても実感がわかない。
少女は淡々と話しを続ける。
「最初はオリジナル憎さに研究所ぶっ壊して脱走したんだけどさ、どうやら良い人みたいだし、復讐とかどうでもよくなってさ。でも帰るとこもないし、こうやって泊めてくれるように頼んでるわけ」
もしかして、いやもしかしなくてもとんでもなく不穏な事をこの少女は言っている。
しかし、少女がやけに明るいせいか、いまいち『ヤバい事』という感覚が持てない。それはこの馬鹿も同じだろうか。
「ねー、オリジナルからも説得してよ!」
「っは!ダメ!絶対ダメ!!」
「えー、何でさ。まさか嫉妬?」
「なっ!な、なな、何言ってるのよ!!そんなわけないじゃない!」
だがどこからどう見ても(上条以外は)嫉妬と(上条に引っ付けていいいなーという)妬みにしか見えないのだ。
このままではなし崩し的にこの馬鹿とこの少女が同居してしまう!と美琴は抵抗作戦を展開する。
「じゃあ私が部屋を借りてあげるからアンタ、そこ住みなさい」
「えー、私料理とかしたことないし。だから料理の勉強も兼ねてってことで」
「しばらくは私が世話をしてあげるから!アンタもそれでいいでしょ!?」
「え、あ、はい!」
2人の言い争いはこの状況に追いつけていない上条の返事で幕を閉じた。
むぅ、と頬を膨らます少女を見て美琴はため息を付いた。
「まさか、また私のクローンが作られるとはね。一体何を目的にしてたんだか。後で調べとくか」
「クローンというか、私は御坂美琴と上条当麻のDNAを融合させて作られた存在だから、2人の子供とでも言うべきなのかな」
「なっ!?」
「お、俺と美琴の子供!?」
「元々、一度は絶対能力者に近づいた超電磁砲と、未だに究明不可能な幻想殺しを配合させてどんな能力者が生まれるかって実験だったんだけど、生憎と私は大能力者。それでも諦めきれないらしく、ずっと実験三昧だったのよ」
子供……アイツとの子供。えへへへへへ。と意識がどっかに行っている美琴とは逆に、上条はとりあえず落ち着いて話しを聞き、疑問が生まれた。
「でも、俺はDNAマップなんて提供した覚えはないし、研究所なんて近づいてもないぞ」
「我が学園都市の科学力は世界一ィィィ!教室から上条当麻の髪の毛を回収するなど造作もないわァァァ!!ってね」
「…………」
学園都市だから。と言われたら納得するしかないという悲しい現実だ。
研究所はこの少女が破壊したらしいからひとまずは安心していいだろう。
この少女も成長を促進させているはずなので妹達が世話になっているカエル顔の医者に見てらもうべきだと上条は考えた。
「ま、まあ、しょうがないから今日は泊ってもいいよ。でも明日は病院に行ってから部屋探しだからな」
「ありがとう。でも病院?」
「学園都市にいる妹達の世話をしている医者がいるんだよ。俺もちょくちょく世話になってる」
「ふーん。てことはオリジナルも付いてくるの?」
「当たり前だろ。嫌なのか?」
「別にそんなことないわよ」
まー、それよりも。と少女は美琴の方を見て、
「あれは大丈夫なのかねー」
未だに美琴の意識遥か遠くにある様だ。
「おーい、どうした御坂?」
「な、名前は麻琴とかどうかしら!?」
何をとちくるったこと事を言っているのだろうかこの娘は。
まさか自分と美琴のDNAを融合させた子供の様な存在という話に影響を受けたのか。
(しかし、麻琴か)
当麻の麻と美琴の事を合わせた名前。
やはり本当に美琴との間に子供が出来ればあの少女のようになるのだろうか。
その時には自分達の特徴を併せ持った子供には、その名前も似合うかもしれない。
(……っは!何を考えてんだ俺はー!!)
美琴につられて自分まで変な事をかんがえてしまった。
今自分はどんな顔をしているのだろうか。頬が熱い。
「……何やってんのアンタら。でも麻琴かー。もらっとこうかな」
「ダメ!それは私達の子の名前よ!!…………アレ?え、アンタ……まさか、聞いた?」
次第に美琴の顔が青ざめていく。
上条は何も言わずにコクリと、首を縦に振った。
青くなったかと思えば、今度は真っ赤に染まっていく。
そしてバチバチと前髪から火花を発する。
「……ふ」
「おい、まさか」
「ふにゃー」
バチバチバチ―!!
美琴を中心に電撃が放たれた。
上条が右手で防いだお陰で少女と電化製品は難を逃れたが、美琴が上条の方に倒れこんだ。
慌てて抱える上条だが、支えきれずに床に背中をぶつけた。
「ってー。おい、大丈夫か御さ――」
美琴の意識はないが、近い。顔が近い。
少し頭を動かせばすぐに触れられるほどに。動こうにも動けない。
(というか、前髪から良い香りが)
そんな事を考えていると、美琴の向こう側。DNA的には自分達の子供の少女の顔が見えた。
その顔はまるで悪戯を企む子供の様であった。
「えい」
ポン、と美琴を押した。それだけだ。
それだけで美琴の唇は、上条の唇に押しつけられた。
「え――あ、――――はい!?」
理解できない。理解したくない。
柑橘系の甘い香りがした。
潤った美琴の唇が直に触れた。
さまざまな考えが上条の中で生まれ、脳内を埋め尽くしている。
「ふ……」
そして、
「ふにゃー!」
ショートした。
以上です。最近、タイトルと内容が合ってない気がするんですよね。
うん
>>はりねずみさんGJです!
子供もいてキスまでしたら、もう完全に責任取るしかないですね!
次はDNAマップを使ったクローンじゃなくて、二人が直接子作r…ゲフンゲフン。
支部でまたリクを受けたので、再び短編の続編書きました。
今回は佐天さん視点です。
>>852-857 と>>892-897 を先に読んでいただけるとありがたいです。
約3分後に4レス使います。
前回のあらすじ。
(うおおおおおお!!? 夢とは言え、俺は美琴になんちゅう事をっ!!!
あ、あのまま起きなかったら…最後までヤッちまってたって事なのかっ!!?
うわあもう、明日からどんな顔して美琴に会えばいいんだよ〜〜〜っ!!!)
上条さん、布団の中で悶える。
「やっぱり最近の御坂さん、様子がおかしいと思うんだよね」
『確かにそうですよね…何と言うか、毎日頭から煙出してますし』
佐天は自分の部屋で、スナック菓子を摘みながら初春と電話している。
トークテーマは、『最近の御坂さん』についてだ。
ここ数日の美琴は、誰がどう見ても足が地に着いていない。常にフワッフワした状態である。
『基本的に』しっかり者の彼女からは、あまり想像できないが、事実である。
「あたしの勘だけど…多分上条さんと『何か』あったと思うんだよね。
…多分? ううん、絶対そうだよ!」
『また佐天さんはそうやって……適当にこじつけて、話を「そっち」に持っていくのは悪い癖ですよ?』
「こじつけじゃないよ! だって『あの』御坂さんが『あんな風』になるなんて、他に理由がある!?」
そう。先程、「『基本的に』しっかり者」と説明したが、
『基本的に』、という事は勿論『例外』もあるのだ。
それが上条である。
既に十分すぎる程お気づきかと思われるが、美琴は上条に惚れている。
しかし彼女は好きな相手に素直になれない性格であり、
しかも初恋という事もあって対応もままならない。
結果、上条を目の前にした時彼女は、
「べ、別にアンタに会いたいとか、全然思ってないから!」とツンツンするか、
「はにゃっ!? な、ななな、何でアンタがこんな所にいんのよ!?」とテンパるかのどちらかである。
『う〜ん…でも仮にそうだったとして、お二人の間に何があったんですかね?』
「そこなんだよねぇ……あの二人がいきなり進展するとは考えにく……あっ」
そこで佐天は思い出した。
「…ねぇ初春。御坂さんがおかしくなったのって、あたしがあのアロマオイルを渡してからじゃない?」
『ああ、例の未来が見えるっていう……言われてみれば、あの日の翌日からですね……』
佐天がニヤリと笑う。何かに閃いたようだ。
「って事はさ! 御坂さん、いい夢が見られたんじゃないかな!
例えば上条さんと結婚してて、しかも二人の間には子供もいた! っていう夢とか!」
恐るべき閃き力である。
『え、えええぇ!!? そんな都合よくいきますかね!?
し、しし、しかもお子さんがご一緒って事はつまりぬふぇ〜〜〜〜〜』
「それぐらいの事がないと、『あんな』御坂さんにはならないって!」
『た、確かにそうかも知れませんが、そもそもあのアロマオイルは確実に効果が出る物なんですか!?』
白井もそうだったが、初春もそのアロマオイルの信憑性を疑っている様子だ。
何しろそのオイルを持って来たのは『この』佐天なのだから。…と、以前にも言った気がする。
「その辺は心配ないよ。あたしも使ってみたもん。しかもちゃんと未来見れたし」
『えっ!? ど、どんな!?』
まぁ、こんな面白グッズを自分で試さない佐天ではないだろう。はたして佐天の見た未来とは?
「まぁ未来って言っても来週の事だけどね。
あたしが初春のスカートをめくったら勢い余って破けちゃって、
初春がパンツ丸出しになってうずくまるっていう夢を―――」
『もし来週それと同じ事したら、私一生佐天さんと口ききませんからねっ!!!』
佐天が言い終わる前に、初春が食い気味に釘を刺した。
何が恐ろしいって、それが佐天の望みであり、尚且つ有り得る未来だという事だ。
ともあれ、信憑性は高い(?)ようだ。
そんなこんながあり、今日も佐天はあのアロマの香りに包まれつつ眠りに就く。
(あたしも御坂さんの未来が見てみたいなぁ…絶対そこで、上条さんと何かあったんだよ!)
と考えながら。
果たして佐天は、一体どんな夢を見る事ができるのだろうか。
目を覚ますと、そこは動物園だった。
佐天は園内にある飲食店のテーブルに、突っ伏す形で眠っていた。
訳の分からない状況にクエスチョンマークを飛び回らせるが、
すぐにあのアロマの効果だと理解する。という事はここは―――
(ここって未来? しかも今度は来週とかじゃなくてもっと先みたいだね。
うん、確かに背も伸びてるみたいだし、10年は経ってる…のかな?
でもだとしたらこの状況って何?
一人で動物園に来てテーブルで寝てるとか、将来のあたしが少し心配になってきたよ……)
こんな未来を望んだ覚えは無いのだが、と佐天は首をかしげる。
しかし直後、彼女は「ああ、なるほど。そういう事か」と納得する事となる。
何故なら店の中に、
「パパー、お腹空いたー!」
「よっし! 麻琴が食べたい物、何でも頼んでもいいぞー!」
「アナタ大丈夫なの? まだお給料日前なのに…」
と三人の親子連れが入ってきたからだ。佐天はその親子を見た瞬間に確信した。
パパとママの声に聞き覚えがあり、その顔も面影が残っている。
間にいる子供(父親の台詞から、名前は「麻琴」と言うらしい)も、
明らかにその二人の遺伝子を受け継いでおり、非常に可愛らしい。
その光景を目の当たりにした佐天は、笑いを堪えられず思わずニヤニヤしていた。何故なら、
(こ…これもう完全に御坂さんと上条さんの幸せ家族計画じゃないですかーっ!!!)
美琴のとんでもない未来を見てしまったから。つまりここは、佐天本人の望んだ未来ではなく、
「御坂さんの未来が見てみたい」という佐天の願いが反映された未来なのだ。
更にここが、将来的に可能性がある未来だという事も嬉しい情報である。
その事を考えると、もうニヤニヤが止まらない佐天なのだった。
妙な視線を感じたのか、麻琴がこちらに振り向く。
気づかれたようだ。別に隠れていたつもりもないが。
「あー! 佐天お姉ちゃんだ!」
「えっ!? あっ、佐天さん!?」
「おわっ!? ホントだ…どうも、お久しぶりです」
「どうもー、こんにちはー! ひょっとして、あたしお邪魔ですか?」
慌てず騒がず、佐天は自然に切り返す。こういう時の彼女の順応力はとても高い。
「佐天さんも来てたのね! やーもう、久しぶりー! 元気だった!?」
「元気元気! 御坂さんも元気そうで何よりです! 麻琴ちゃんもこんなに大きくなって!」
小さい頃の麻琴など見た事もない筈なのだが、この佐天さん、怖いものなしにグイグイ来る。
まぁ、何があっても所詮夢だから、と割り切っているのかも知れない。
「それに『相変わらず』上条さんともラブラブみたいで…っと、今は御坂さんも上条さんでしたっけ♪」
「やだ、御坂でいいわよ!」
カラカラと笑う美琴だが、明らかに嬉しそうだ。
「あっ、そうだ! 良かったら一緒に食べませんか!? あたしの席、丁度4人掛けですし!」
「えっ、でもご迷惑になるんじゃあ…」
「お気になさらないでくださいよ上条さん! あたしも皆さんと食べた方が楽しいですし!
麻琴ちゃんもあたしと一緒に食べたいよねー!?」
「うん! 食べたーい!」
ここぞとばかりに上条家を自分のテリトリー内に引き込み、
二人の馴れ初めやら何やらを、根掘り葉掘り聞き出そうとする佐天。
今の彼女は無敵である。
〜まずは〜
結局、佐天に強引に引き込まれ、上条家は佐天と同じテーブルに着かされている。
佐天はさっそく聞き出した。
「今日は何されてたんですか? …って、動物園にいるんだから、動物見てたに決まってますよね」
「うん、でもすごく可愛かったの! コアラの親子とかね」
「あ、コアラ見たんですか」
「うん、そうだよ! あとね! 象さんとね、パンダさんとね、トラさんとね、お猿さん!」
「へぇ〜、いっぱい見たんだねぇ〜」
「いっぱい見た!」
麻琴ちゃんはとても素直でいい子のようだ。
「…けど、コアラ見てる時に麻琴とマm…美琴が抱きついてきてさ。大変だったよ」
上条のその言葉に、ピンとアンテナを立てる佐天。面白そうな話が聞けそうだ。
「あら、いつもみたいに『ママ』って呼んだら?」
「いや、さすがに恥ずかしいだろ! 人様の前で『ママ』とか!」
未来の上条が普段は美琴の事を『ママ』と呼んでいる事実に、佐天は心の中でくす玉を割る。
「それで、何が大変だったんですか!?」
「あ…いや、その……」
「それは…ねぇ……」
佐天の問いに、思わず赤くなる上条と美琴。
『何が』大変だったかと聞かれれば、『ナニが』大変だったのだが、そんな事を佐天は知らない。
〜次は〜
それぞれ注文した料理が到着し、
佐天達は食事をしながら昔話(佐天にとっては最近の出来事)に花を咲かせていた。
「そしたら御坂さん、上条さんの前で『ふにゃー』ってしちゃって!」
「あ…あったわねー。そんな事も……」
「ママ、今でも『ふにゃー』ってするよねパパ?」
「まぁ、たまにだけどな」
「今でも? へー、そうなんですかー♪」
「ま、麻琴ちゃん! しーっ! アナタも、そんな事言わなくていいのっ!」
佐天はもう、楽しくて仕方が無い。
この空気なら大丈夫そうなので、佐天は二人の馴れ初めについて聞いてみた。
「…ところで、お二人っていつから付き合ってるんでしたっけ?」
だが佐天のその問いに、二人は目をパチクリさせる。
「いつ…って、佐天さん覚えてないの?」
「……へ?」
瞬間的に、佐天は「しまった!」と思った。どうやら不自然な質問だったらしい。
「私が中学3年生に上がったばかりの頃、佐天さんが仲を取り持ってくれたんじゃない」
「そうそう。そんで付き合い始めたその日を『お二人のお付き合い記念日にしましょう!』
とか言って、一番張り切ってたじゃねーか」
「あ、ああああたしがっ!!?」
さすがの佐天もビックリである。今から約半年後、勿論どうやったのかは知らないが、
どうやら自分がキューピッド役を行うらしい。責任重大である。
「あ、ああ、そう言えばそうでしたね! あはははは!」
その場では佐天は誤魔化すしかなく、とりあえず乾いた笑いでお茶を濁した。
〜最後に〜
食事も終わり、そろそろ店を出る空気となる。
出来る事ならこのまま上条家について行きたい佐天だが、
夢とはいえ、これ以上美琴の邪魔をするのは気が引ける。
なのでここでお別れしよう、と佐天は決意した。
だが席を立つ時、これだけは聞いておこうと決めていた。
「御坂さん、上条さん。お二人は今、幸せですか?」
二人の答えは―――
「勿論だよ。愛する妻と愛しい娘。これで『不幸だー』なんて言ったら、バチが当たるさ」
「私も幸せ。毎日大騒ぎだけど、毎日が楽しいもの。この人と麻琴ちゃんがいてくれるだけで、ね」
「あたしも! あたしもパパとママと一緒で楽しいよー!」
それを聞いた佐天は、
「そうですか! なら何も言う事はありません♪」
と一言だけ言うと、そのままニッコリと笑った。
翌日。
あれから上条家と別れた佐天は、そのまま飲食店のテーブルに再び突っ伏し、そして寝た。
一刻も早く夢から目覚め、その夢の内容を美琴に報告…という名のイジりをする為だ。
そんな訳で現在、美琴は佐天にいつものファミレスへと呼び出されていた。
「それでですね、御坂さん。あのアロマオイルで御坂さんの未来を見たんですが―――」
「……ふにゃー」
「って、早いですよー!!! まだ何も言って無いじゃないですかー!!!」
だが美琴は、佐天の話を聞く前に「ふにゃー」した。だって美琴自身、未来の夢を見たから。
佐天は心の中で、
(あ〜もう! どうせ将来結婚するんだから、恥ずかしがらずに告白すればいいのに!)
と思った。
約半年後、それと全く同じ事を上条に言い、それがきっかけで二人が付き合い始めるなど、
この時はまだ知らないのだが。
以上です。
ではまた。
>>はりねずみさん
新しいパターンの麻琴ちゃんですね、にやにやしました
学園都市の技術に乾杯やで…!
>>くまのこさん
佐天さんの介入パターンで他のいろんなキャラ達も上琴の夢に介入できそうw
>>はりねずみさん
いきなり子供は二人にはハードル高いですねwwGJ!
>>くまのこさん
上条さん、すぐいちゃエロへいきましょうww
左天さんは本当に美琴イジリの天才だwwGJ!
どーも、・・・です
さって、そんな久しぶりではないですが、感想は久しぶりです。
はりねずみさん
>>832
先を考えるいい息子ですね(苦笑)
ドンマイ刀夜さん、でもアンタの嫁はもう知ってたと思うんだ
「あらあら、昔の刀夜さんそっくり」「赤面は卑怯だよ母さん」あ、こっちも大して変わらない
>>904
でかしたぞ麻琴(仮)!!
ん? これ美琴の記憶になし!!?
そうならないために「あらら、二人とも気絶しちゃったか、じゃあキスした形で固定しとこう」
シラボネXさん
>>880
見事な修正。問題なしでしょう。
内容は爆笑、やっぱラスボス役アンタか、動機も予想通りだバーカ
(光のベクトル操って、消えたように見せただけなンて言えねェ。いつまでこうしてればいいんだァ?)ってなってんのかね(笑)
>>889
わたしはね、二人が話してるだけでにやけられるからこれで十分よ
極端? いつものカミやんじゃないっすかー
「ほお、まさかそれがわざとじゃないとでも言うんかいな?」「なかなかいい度胸してるぜい」その後、暴力音が略
くまのこさん
>>858
一歩先に大人の階段上っちゃったのね美琴ちゃん夢の中だけど
ラブラブでよかったね夢の中だけど。
「おや? 今朝のお姉様はいつにもまして神々しくお輝きにゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」とことん不憫な黒子さん
>>899
リクに応えていただきありがとうございます!! 最高でした!!!
美琴と違って最後までいけないとは、不幸ですなー。
「当麻の血行がよくなったのか、顔まで真っ赤になってたんだよ、ありがとう舞夏!!」メイドは?を浮かべるばかり。
>>911
くまのこさんの佐天は相変わらずいろいろ強いなー(笑)
三人が頑張ればその夢は叶うわけですね、この様子じゃ大丈夫そうですね
「って結果になったんだよ初春……ぱーんつはいてるk(ビリビリ)あれ?」絶望が二人を襲う!!
さて、投稿します。
だいぶ遅刻しましたが、ひな祭りネタ
それでは
カメラのシャッター音が鳴る。
「美弦!!こっち向いてくれ!! そうそう、よしっいくぞ!!」
着飾ったのは5歳くらいの可愛らしい女の子である。
そして、それを撮るのが。
「ちょろっとー、今日1日でアルバム2冊潰したバカ親、さっきから美弦があっち見たりこっち見たり忙しそうなんだけど」
バカ親と呼ばれたのは25前後の男性。
ご存知、上条当麻である。
「そんな美弦もかわいいよな」
そのバカ親は至極まじめな顔である
相方はため息をつくしかない。
が、
「でも、それの原因はオレだけじゃなくて、DVD2枚目に突入したバカ親さんも
重要だと思うんですよー」
こっちもバカ親さんだった。
皆さんご存知美琴様だが、今は上条姓である。
「そんな〜、わたしのせいで美弦がかわいいなんて〜」
「あ、そっちを拾っちゃう? まあ、間違ってないけども」
さらにバカップルだった。
その後、抱き合いながら娘を撮影するという器用なことをやりだす二人。
その上5歳児があきれて乾いた笑みを発していることに気づかないようだ。
「しかし、よく買ったわよね」
視線の先には、新品の雛人形があった。
「父さんやお義父さんが自分が買いたいっていってたけど、やっぱりオレが買ってあげたくてさ」
「……そんで、嫁入り道具の1つになるわけか」
「ならない、嫁にはやらん」
「アンタね」
「さーて美弦、こっち向けー」
「また無視なの?……大丈夫よ」
「なにがだ?」
「そんなにやっきになって記録に残さなくても」
「……」
「もうあんなことはないっては言えない、アンタならまた起きかねないけど」
「……美琴」
「もし、また、記憶をなくしても、何度だって、上書きできるほどいい思い出を作ればいいじゃない」
「……」
「……はいはい、甘えんぼさんね」
雛壇の1番上にいる二人が、静かに微笑んだ気がした。
「その日の夜の当麻ったら、ほんとに獣みたいにわたしを求めてきてさ〜」
「なーにいってやがりますか、美琴さんがあんなに誘わなければわたくしもね〜」
「おっかしいなー、単にこの雛壇買った時の話を聞いただけなんだけどなー、なんでまた親の惚気を聞いてんのかなー、だれかこの不幸なわたしに説明して!!」
雛壇の1番上の人形がなんでか知らないが雛壇の上からずり落ちた。
以上です。
来週のも考えないとな
atwikiデータ流出確定サーバ
www4.atwiki.jp
www17.atwiki.jp
www26.atwiki.jp
www30.atwiki.jp
www36.atwiki.jp〜www58.atwiki.jp
いちゃいちゃSSまとめwiki
www31.atwiki.jp
( ^ω^) …
(⊃⊂)
⊂(^ω^)⊃ セフセフ!!
ミ⊃⊂彡
ヘタしたら@wiki閉鎖するね
バックアップとか考えたほうがいいかも
今のうちに魚拓でも取っておいた方がいいかもな
>>くまのこさん
鳥GJ!こういう暴露もいいですなw
アロマGJ!すげえなオイw二人の未来は規定事項なのかw
あまあああああああああい!!
>>シラボネXさん
さすがだ一方通行w妹達もいい味出してますw
がんばれミコっちゃんw
>>はりねずみさん
ラブラブカップルGJ!
二人でデレデレなのもいいですよねw
麻琴ちゃんGJ!
二人のDNAクローン。アレイスターの予備プランでありそうですねw
>>・・・さん
バレンタインの甘甘カップルGJ!
あまああああい!
ひな祭りの親馬鹿ップルGJ!
やっぱり御坂DNAの女の子は美+楽器名ですよねw
なんか出来たので投下。
佐天「あれ?なんだろう?」
学生寮へ戻る途中の歩道の上に、緑色の何かが転がっていた。
近づいてよく見てみると、それはラヴリーミトンのキャラクターストラップだった。ストラップには折りたたみ式のシンプルな携帯電話が着いている。
佐天「これって、御坂さんと同じストラップ…だよね?」
携帯電話を拾い上げてストラップを見る。常盤台の電撃姫こと御坂美琴が好んでいる、つぶらな瞳のカエルがちょび髭を生やしたキャラクター・ゲコ太だ。御坂美琴いわく、レアなストラップとのことなのだが。
佐天(御坂さんと同じ趣味の女の子が落としたのかなあ?)「ちょっと失礼しますよ〜」パカ
携帯電話を開いて待ち受け画面を確認すると、時刻とカレンダーだけが表示されるシンプルなものだった。
佐天(メール、…は見るわけにいかないから、電話帳を見させてもらいますよ、っと)ピッ
ショートカットキーを押し、五十音順で電話帳を開いて確認する。
佐天(青髪ピアス?なんか危ない名前だなあ…。一方通行?…変なあだ名。インデックス、エリザード、オルソラ…、なんかカタカナが多いなあ。…上条詩菜、上条刀夜…兄妹かな?…神裂、キャーリサ、小萌先生、白井…、って、白井さん?)ピ、ピ
知り合いの名前を見つけて番号を確認する。どうやらビンゴのようだ。
佐天(んー?白井さんの知り合いってことは、常盤台の人かな?それとも風紀委員?…とりあえず続き、続き。…ステイル、建宮、土御門元春、土御門舞夏。んー、これも兄妹かな?…バードウェイ、浜面、病院、御坂美琴、御坂美鈴…って、御坂さん!?)ピ、ピ
再び知り合いの名前を見つけて番号を確認し、友人の名前のグループ欄を見て固まった。
佐天(グループ名がペア契約ですか。…御坂さんとペア契約、ねえ…)ニヤリ
電話帳を閉じ、写真のアイコンを選択する。
佐天(ペア契約は男女でないと契約できなかったはず。それと証明のためのツーショット写真が…)ピ、ピ「っと、ビンゴォ!」
本体内部メモリーにあったのは友人が顔を真っ赤にしてツンツン頭の男性に肩を抱かれているツーショット写真だった。
佐天(うーん。顔を真っ赤にしちゃってかわいいのう)ピ、ピ
メニューを開き、メール転送を選択して自分のアドレスを打ち込んで送信し、ポケットの中で携帯電話が振動するのを確認してから、メールの送信履歴を削除する。
それから自分の携帯電話のメール受信ボックスを開き、最新の受信メールの送信者である『上条当麻』の文字と添付写真を確認してからポケットにしまい、再び拾った携帯電話を操作して電話帳を開いた。
佐天(さーて、御坂さんに電話しよっと)ピッ
ニヤニヤと微笑を浮かべながら、佐天涙子は友人と同じストラップのぶら下がった携帯電話に耳を付けるのであった。
―――
上条「不幸だああああああ!!」
美琴「…なに叫んでるのよ、アンタ」
上条「み、御坂!?」ビクッ
美琴「なんで私を見て驚くのよ?」
上条「べ、べ、別に上条さんは御坂さんを見て驚いてなんていませんですことよ!?」
美琴「思いっきり慌ててるようだけど?」
上条「はっはっは。気のせいだ気のせい。じゃあ、特売が待ってるから!」
不自然極まりない笑みを浮かべて立ち去ろうとする上条当麻の耳に、カエルの鳴き声のようなものが聞こえてきた。
美琴「ん、何よ?こんな時に電話?」
上条「…御坂。誰から?」
美琴「アンタから…って、なによ、悪戯?」
睨むような視線を向けてくる少女の手から、上条当麻は携帯電話を奪い取った。
上条「悪い御坂!ちょっと借りるな!」
美琴「あ、ちょ、ちょっと!?」
上条「もしもし!その携帯の持ち主ですけども、電話帳の有名人に電話をかけてくるのはわかりますけどその子、常盤台の超電磁砲じゃないですから!同姓同名なだけですから!」
美琴(えっ?コイツ、私のこと庇ってくれてるの?)
佐天『おっと、まさか御坂さんの携帯で男の人が出るとは思わなかったなあ。上条さん?ですか?すみません、あたし、御坂さんの友人の佐天涙子と言います。ってなわけで、下手な言い訳しても無駄ですから』
上条「…御坂の友人…だと!?」
佐天『はい。上条さんが御坂さんの携帯に出るってことは、御坂さんの近くにいるんですか?』
上条「ま、まあそうだけど…」
佐天『代わってください』
上条「いや、あの…」
佐天『代わってくれないと御坂さんとのツーショット写真を、この電話に登録されている人全員にばら撒いちゃいますよ?』
上条「わ、わかった、代わる、代わるからそれだけは…」
がっくりと肩を落とし、上条は美琴に携帯電話を差し出した。
上条「…えっと、佐天さんから。代わってくれって」
美琴「アンタ、佐天さんと知り合いだったの!?」
上条「今さっき名前聞いたんだよ!俺の携帯拾ってくれたみたい」
美琴「ふーん。もしもし、佐天さん?」
佐天『…ペア契約』ボソッ
美琴「にゃあああっ!?」///
佐天『いやー。あたし、御坂さんが高校生とペア契約しているなんて知らなかったなあ』
美琴「な、な、な、な、な、なんで佐天さんがそれを!?」
佐天『この携帯に御坂さんとお揃いのゲコ太ストラップが着いてるし、ツーショット写真もあるし。ってか、御坂さんの登録グループがペア契約ですし』
美琴「…佐天さん。その、黒子には言わないでくれる?」(コイツ、写真消さないでいてくれたんだ)
佐天『何をですか?上条さんとお付き合いしていることですか?』
美琴「つ、つ、つ、つ、付き合ってにゃいっ!」///
佐天『え?だってペア契約って恋人同士がする契約ですよね?』
美琴「そ、そ、そ、そ、そう!ゲコ太!ゲコ太のためにペア契約してもらったの!それだけなんだから!ホントよ?」
佐天『この携帯にも着いているのはなんでかなあ?』
美琴「ア、ア、ア、アイツもゲコ太好きなのっ!」
佐天『へえ?じゃあ確認しますんで上条さんと代わってください』
美琴「そ、それは駄目!」
佐天『どうしてですか?』
美琴「だってこれ、私の携帯だし、それ言ったら佐天さんはアイツの携帯だし!?あれ?どうしたらいいの?これ」
佐天『あー御坂さん、今どこですか?』(慌ててる御坂さんも新鮮だなあ)
美琴「な、なんで?」
佐天『この携帯、持ち主に返したいんで。そばに居るんですよね?上条さん』
美琴「う、…あ…ジジッ…う…」バチバチバチ
佐天(あれ?なんかノイズが…)
上条「御坂、漏れてる、漏れてる」パキーン
美琴「うにゅっ!?いきなり頭撫でないでよっ」///
上条「漏電してたんだからしかたねーだろ!それとも携帯ぶっ壊したかったのか?」
美琴「え?わたし、漏電してた?」
上条「自覚なしかよ。しばらくこうしてた方がいいな」ナデナデ
美琴「な、撫でるなっ!」///
佐天『あのー、ラブラブなところ申し訳ないんですけど、どこにいるんですか?御坂さん』
美琴「うにゃあああああっ!?えっと、えっと、ここってどこ?」(ここはわからないふりをして…)
上条「落ち着け御坂。ここは○○通りのスーパーの近くだ」
美琴「ちょっ!?アンタ!」
佐天『なーんだ、すぐそばじゃないですか。じゃ、すぐ行きますね。では』
美琴「ちょっと、佐天さん!!…切れた」
携帯をポケットにしまいながら、美琴はばつが悪そうに上条を見る。
美琴「あの、さ。佐天さんが来る前にさ、これ、やめておいたほうがいいと思うんだけど」///
上条「んー。まだ顔赤いし、もう少しこうしていないとヤバイだろ?」ナデナデ
美琴「だから、撫でるなあ!」カァッ
上条「いやー、なんていうの?なんか落ち着くみたいな?」ナデナデ
美琴「な、なによそれ?」///
上条「上条さん的には、こうしていれば電撃が飛んでこないし、漏電も防げるしで一石二鳥なんですよ」ナデナテ
佐天「ほうほう、そういう理由をつけて可愛い御坂さんを堪能しているんですね」
上条「まあ、御坂の上目遣いなんてレアだしなー」ナデナデ
美琴「えっ!?」///
佐天「はい、確信犯発言いただきました!」ニヤァ
上条「んな!?」///
美琴「さ、さ、さ、さ、さ、さ、佐天さん!?」
佐天「こんにちは、御坂さん。はじめまして、上条さん。あたし、御坂さんの友人の佐天涙子でーす」ニヤァ
上条「あ、ああ。どうも」ナデナデ
美琴「な、なんで撫でるのよ!?」///
上条「落ち着くため。てか、この子ヤバくないか?すげー笑顔だったぞ」ヒソヒソ
美琴「確かにね。佐天さん、こういうの好きなのよ」ヒソヒソ
上条「こういうのって?」ヒソヒソ
美琴「こ、恋バナって言うのかしら」ヒソヒソ
上条「こっ!?」///
上条が驚きで固まったところに、佐天が追撃をかける。
佐天「お二人で内緒話ですか?熱い、熱いなあ」ニヤニヤ
美琴「ふにゃあああああっっ!!」///
上条「おーっと、携帯を拾ってくれてありがとう佐天さん!届けにきてくれたんだよな?」
佐天「まあ、そうなんですけど」ニヤァ
上条「その笑い方はやめた方がいいと思うぞ?せっかくの可愛い顔が台無しだ。なあ、御坂」
佐天「へ?」
美琴「アンタね、いきなり誤解させるようなこと言うんじゃないわよ。まあでも、ゴメン佐天さん。わたしもその笑い方はやめた方がいいと思う」
佐天「やめた方がいい笑顔って、あたし、どんな顔してました?」
上条「なんつーの、時代劇の悪代官的な笑い方?」
美琴「ぷっ。でも確かにそんな感じね」
佐天「上条屋、そちも悪よのう…。あたし、悪代官なんで、御坂さんにツーショット写真のこと言っちゃいました。御坂さんなんか嬉しそうでしたよ」コソコソ
上条「え?マジで?…これは期待してもいいのか。…お代官様には敵いませんな」コソコソ
佐天「ってか、上条さんって御坂さんの能力止めてます?それと、御坂さん。頭撫でられるの嫌がってませんよね?」
美琴「にゃああああっ!?」///
上条「俺の右手は幻想殺しって言って、触れた物が異能の力であれば、それがたとえなんであろうと打ち消しちまうんだ。だから御坂の電撃もこうやって抑えられるってわけ。いいから落ち着け、御坂」ナデナデ
美琴「な、撫でるなあ」///
佐天「御坂さん、かわいいのう」ニヤニヤ
上条「佐天さん、あんまりからかわないでやってくれ」
佐天「撫でられて嫌がってないし、あたしは十分脈アリだと思いますけど、どうします上条さん?」コソコソ
上条「ぶふぅ!?いきなり何をおっしゃいます!?」
美琴「…アンタ、佐天さんと二人で楽しそうね」
上条「そんなことないぞ御坂。上条さんは今、佐天さんに携帯を返してもらうために必死なんですよ!?」
美琴「ふーん。そう」プイッ
佐天「やきもち入りましたよ上条さん!」コソコソ
上条「いや違うだろ!?」
佐天「そうですって!その証拠に顔は逸らしてるけど、上条さんの手は振り払わないじゃないですか」コソコソ
上条「佐天さん、上条さんを期待させるようなこと言わないでください」ハァ
美琴「き、期待させるようなことって何!?」
逸らしていた顔を上条の方へと戻し、美琴が尋ねる。
佐天「御坂さんがあたしに嫉妬してるって上条さんに言っただけですけど」
美琴「へ?」
佐天「まあ、あたしがわざと上条さんにしか聞こえないように話していたんですけど、あんなにわかりやすいのにまったく気付かないんですね上条さん」
上条「わかりやすいって、何が?」
佐天「御坂さんの態度」
美琴「さ、さ、さ、佐天さん!?何言っちゃってんの!?」///
佐天「真っ赤になっていかにも『好き』ってオーラ出しまくってるじゃないですか。なんで気付かないんですか上条さん」
美琴「な、な、な、な…」///
佐天「あ、ちなみにさっきの感じですと、上条さんは御坂さんが自分のことを『好き』だったらいいなあって考えてますよ」
上条「いやああああああああっっ!!上条さんの青春がああああ!!」
真っ赤になって固まっている美琴の前で、同じくらいに顔を赤くした上条が叫びながら天を仰ぐ。
佐天「はいはい、叫んでないで想いを伝えるチャンスですよ上条さん」(とりあえず上条さんの携帯で録画スタート)ピッ
上条「ああ畜生!何でこんなことになってるんだよ!ってか御坂、お前、大丈夫か?」
美琴「今、手を離されたら壮大に漏電する自信ならあるわ。ってか、アンタ、その、ホント、なの?」
上条「……御坂さんの今までの態度は、照れ隠しだったってことでよろしいのでしょうか?」ナデナデ
美琴「……うん」///
上条「そっか。その、なんだ。こんな俺だけど、御坂さえ良ければ、彼女になって欲しい」///
美琴「……ちゃんと、言って」
上条「御坂、好きだ。付き合ってくれ」
美琴「わたしも、アンタが好き。よろしくお願いします」///
上条「……御坂、一瞬だけ手を離してもいいか?」
美琴「……ダメ」
上条「……じゃ、このまま」ギュッ
美琴「……」ギュッ
上条は右手を美琴の後頭部に滑らせ、左手を背中に回して自分の方へと引き寄せた。美琴もそれに応えるような形で上条の背中に両腕を回す。
佐天「カップル成立おめでとうございます!」
上条「うわっ!」ビクッ
美琴「うにゃあっ!」ビクッ
佐天「はーい、記念撮影です♪こっち向いてくださーい。あ、これ上条さんの携帯なんで、お二人の記念にってことで。はい、チーズ」パシャッ
寄り添って硬直する二人の写真を撮った後、佐天は上条の携帯を少し操作してから閉じ、上条に差し出した。
佐天「記念写真、御坂さんの携帯に送っておきました。お返しします」
上条「あ、ああ。どうも」
佐天「ではあたしはこれで。御坂さん、上条さん、おめでとうございます」
美琴「さ、佐天さん…その、ありがとう」
佐天「あたしは上条さんの携帯を拾ってお二人と話したら、お二人の気持ちがわかっちゃったんで、ちょっと発破をかけただけですよ」
そう言って笑うと、佐天は新しい恋人に背を向け、自分の寮に向かって歩き始めた。
佐天(動画もあるから送るのに時間がかかると思うけど、届く前に御坂さんたちの前から離れないとね)ニヤリ
佐天が上条の携帯で撮影した動画と真っ赤な顔の二人のツーショット写真の送り先は上条の携帯に登録された『御坂さん』宛て。そして上条の携帯に登録された『御坂さん』は『御坂美琴』と『御坂美鈴』である。
佐天「さーて、初春に電話しよーっと」
学園都市に新たに生まれた恋人達の受難は、始まったばかりだ。
おしまい
―――――
以上です。 投下途中でageてしまった…ごめんなさいorz
佐天さん・・・・いや、佐天様が外道過ぎるwいいぞもっとやれ
上条さんに荷物が届いていましたその荷物とはたった一人だけ心の声が聞こえて来るアクセサリーだったで誰かこのねたでSSをつくてください
>>・・・さんGJです!
雛人形もツッコミを入れたくなる程のバカップル夫婦め!
いいぞ、もっとやれ!
>>一哉さんGJです!
もう、佐天さんのミコっちゃんイジりはプロレベルですねw
全くもう佐天さんたらありがとうございます!
また短編書きました。
そしてまた続編です。
>>907-910 の続きです。
約3分後に5レスです。
前回のあらすじ。
「それでですね、御坂さん。あのアロマオイルで御坂さんの未来を見たんですが―――」
「……ふにゃー」
「って、早いですよー!!! まだ何も言って無いじゃないですかー!!!」
「ふにゃー」が早い。
レトロでいい雰囲気の小さな喫茶店。
丸テーブルを挟んでガッチガチになりながら相対しているのは、上条と美琴の二人である。
そしてその様子を遠くの席から覗き込んでいるのは、
「……お二人とも、全然動きがありませんね」
「初々しいって事なんじゃないかな!?」
「…わたくしは認めませんわよ……あんな類人猿などっ!」
初春、佐天、白井の三名だ。
この会談【おみあい】は、実は佐天がセッティングした物だ。
(まぁ、セッティングというよりも、二人をだまくらかしてここに呼びつけた訳だが)
すったもんだあってギクシャクしてしまった二人を、何とかして修復させようという企てだ。
…もっとも、半分は面白がっているだけなのだろうが。
「けど本当なんですか? その…み、未来で御坂さんと上条さんが、ご、ご結婚されてたって言うのは?」
「本当だって! しかも子供までいたんだから! 麻琴ちゃん、ちっちゃくて可愛かったな〜」
「あー! あー! あー! わたくしには何も聞こえませんわー!!!
それにそんなのは唯の夢ですの!!! 現実ではありませんのよー!!!」
「白井さん! 現実から目を背けちゃ駄目ですよ!?」
「だから現実ではないと言っておりますでしょうに!!!
やはりあのアロマオイルは胡散臭いインチキグッズでしたのねっ!!!」
「インチキじゃないですよ!!! ちゃんと見れたんですから!!!」
当人達とは対称的に、ギャアギャアと騒ぐ三人組。
だが沈黙を続けていた上条がやっと口を開いた事で、三人は口を閉じ、上条の言葉に耳を傾ける。
「あ…あー、その、なんだ……み、美琴」
「あひゃっ!!? なな、何っ!!? 何かしらっ!!?」
美琴は挙動不審な反応を示す。
「実はこの前…へ、変な夢見ちまって、さ」
「ゆ、夢…?」
「ああ。その日は俺が疲れてるだろうからってインデックスがアロマオイルをくれたんだよ。
で、その香りを嗅ぎながら寝たんだけど…
後でネットで調べたら、それ予知夢が見られるっていうアロマだったみたいなんだよな」
「っ!!! へ、へぇ〜…しょ、しょんにゃもにょがあるにょね〜……」
美琴は慌てて目を逸らしてすっ呆ける。
「しょんにゃもにょがあるにょね〜」ではないだろう。自分もそれと同じ物を、ガッツリと使ったくせに。
「それでまぁ…その夢の内容ってのが、さ…その……
お…俺と美琴が……け…結婚してるっていう夢…だったもんで……」
恥ずかしそうに語る上条。
それを聞いた彼女達のリアクションは、 Σ(゚ロ゚;) である。
つまりそれは、『美琴同様』上条もそんな未来を望んだ、という事であり、
『二人して同じ夢を見た』という事は、その未来がかなり高い確率で現実になる事も意味している。
そこに気づいた美琴は、
「…………………………」
「…あれ? 美琴? 美琴さーん?」
「ふにゃー」する間も無く、気絶していた。
一方、そこから離れた席では初春と佐天がハイタッチしていたが、
白井一人だけが沈みきっている。
(…み…認めませんわ……認めませんわよわたくしはあああああ!!!!!
お姉様と類人猿の結婚などっ!!!
そんな未来【げんそう】はぶち殺してやりますのおおおおお!!!!!)
白井の、たった一人の戦いが始まる。
目を開けると、そこは白井の実家だった。
(…どうやら、もう夢の中に来ているみたいですわね……)
すでに状況を把握している白井は、慌てず冷静に行動を開始する。
ここは擬似未来。つまり、あのアロマオイルの効力だ。
白井は眠る前、佐天が美琴に渡した、あのアロマオイルを少しばかり拝借していた。
理由は勿論、美琴と上条が結婚しているという、『悪夢』を見る為だ。
話を聞いただけだが、佐天と上条、それとおそらく美琴も同じ夢を見た。
これは危険だ。
先程も言ったように、何人もの人間が同じ夢を見たという事は、それだけ現実味が増すという物である。
しかし白井はそれを認められない。認める訳にはいかない。
なのであえてその悪夢を見る事で二人が結婚するきっかけを探り出し、
現実に戻った後は、二人の結婚【バッドルート】にならないように妨害する、というつもりなのだ。
二人の結婚を妨害する為に、二人の結婚生活を覗かなければならないとは、何とも皮肉である。
だがここが本当に望み通りの夢とは限らない。
あのアロマは、あくまでも本人の望みに近い未来を見せる物であって、
見たい夢を思い通りに見る事はできないのだ。
白井はまず、ここがどんな未来なのかを確かめる為に自分の部屋の調べてみる。
するとクローゼットの中に、「お姉様との思い出」と分かり易く書かれたダンボールが置いてある。
白井は一切の躊躇いも無く、そのダンボールを開けた。
「ふ、おおおおおおああああああ!!!?」
思わず奇声を上げた。
それは出会ったばかり(白井からしたら約半年前だが)の頃からアラフォーになるまでの、
あらゆる美琴の写真が詰め込まれている。
宝の山だが、この写真を一枚も現実に持って帰れないのが口惜しい。まぁ、夢だしね。
「はうぅ…大人になってもお姉様はお美しいですの……」
恍惚の表情で写真を眺める白井。もう本来の目的を忘れたのだろうか。
だがその中にある一枚の写真を見た時、白井は残酷な現実に引き戻された。
夢なのに現実というのも妙な表現だが。
「……こ…れは………」
それは美琴がウエディングドレスを着た写真だった。隣には見覚えのあるツンツン頭。
どうやら運良く【うんわるく】、白井の望み通り、美琴と上条が結婚した未来に来られたようだ。
覚悟はしていたが、やはりかなりキッツイ。
何が一番キツイかって、そりゃもう二人の笑顔である。
幸せの絶頂みたいなその笑顔を見た瞬間、白井はその写真を破り捨てた。
…写真の半分【かみじょうがうつっているところ】だけ。
(ぬおおおああああ!!! そうですわ!!!
わたくしはこんな未来をぶち壊す為に来たんですのよ!!!
お姉様の性超…もとい成長にトキメいている場合ではありませんのっ!!!)
幸か不幸か、おかげで自分の使命を思い出した白井。
写真と一緒に入っていた年賀状から、未来【げんざい】の美琴の住所を調べ出す。
同時に、差出人の欄に「上条美琴」と記入されており再び落ち込みそうになったが、
何とか踏ん張り立ち上がる。全ては、崇高なる目的の為に。
(もう少しだけお待ちくださいな、お姉様。
この黒子が…貴方の黒子が邪悪なる魔の手からお救いに参りますのっ!!!)
白井の気分はすっかり、プリンセスを助け出す為に魔界村へ挑むアーサーのそれになっていた。
しかし白井は気づいていなかった。魔界村の難易度の高さを。
プリンセスを救い出す為には、何十回とコンテニュー…つまりは死ななければ達成出来ないのである。
要約すると、だ。
「助けるったってお前、その為には二人がイチャイチャしてる所を延々と観察しなきゃなんないんだぞ。
多分、胃に穴が開きまくると思うけど…本当に大丈夫か?」
という事である。
〜上条家の外〜
白井はとある一軒家の前で、その家の表札を睨みつけていた。
「上条」と記されたその下に、小さく「当麻」「美琴」「麻琴」と刻まれている。
一応の礼儀として持ってきた菓子折りの袋にも、思わず力が入る。
(仲良く家族全員の名前を入れておりますの…?
ふ、ふふふ……無用心に家族構成を丸出しにして、空き巣にでも入られればいいんですのよっ!!!
…ただし盗まれるのは類人猿の私物だけで)
空き巣も、わざわざレベル5のいるお家に入ったりはしないだろう。泥棒だって自分の命は大事だ。
白井は忌々しい気持ちを何とか押さえ込み、インターホンを押す。
すると中から、
「はーい!」
という可愛らしい少女の声。
ガチャリ、と玄関のドアが開き顔を出してきたのは、
「あっ! 白井お姉ちゃんだっ!!!」
美琴そっくりの女の子だった。
佐天の話と表札の名前から、この子が麻琴で間違いないだろう。
瞬間的に思わず抱き締めたい衝動に駆られる白井だが、その子の黒髪に目が行きピタッと止まる。
否が応でも、その子が愛しのお姉様と憎き類人猿との子供である事を思い知らされ、
何だか胃がキリキリし始めてきた。
白井は必死に笑顔を作る。
「お…お母様はおりますの?」
「うん、いるよー! ママー! 白井のお姉ちゃんが来たよー!」
麻琴が呼ぶと、奥からエプロンで手を拭きながら小走りでやってくる人妻の姿が。
美琴である。写真で見たように、大分、大人になっている。主に胸とかお尻とか、あとは胸とか。
思わず鼻血でも噴射しそうになるが、ここで変態成分を出してしまったら怪しまれるかも知れない。
ここはグッと我慢だ。
「あら黒子〜!? ひっさしぶりじゃない! ああ、こんな格好でごめんね? ちょっと洗い物してたから」
「はうあっ!!? …コホン。お、お久しぶりですの、お姉様」
だがここで、
「おお〜! 白井じゃねーか! どしたんだ急に?」
家主の登場である。
思わず脳みそに金属矢でもぶっ刺しそうになるが、ここで殺人でもしてしまったら終わりである。
ここはグッと我慢だ。
「あら、類j…上条さん。ちょっと近くまで用があったものでついでに。
あっ、これはお土産ですの」
「いや〜、悪いな。おっ? 麻琴、白井のお姉ちゃんがどら焼き買ってきてくれたぞ!」
「わーい! どっら焼き〜!」
「まぁ〜、ありがと黒子。さっ、とりあえず上がって上がって?」
「…お邪魔いたしますの」
こうして上条家に乗り込む事に成功した白井。
この幸せいっぱいな家庭をぶち壊すべく、彼女は作戦を実行する。
(ぜ〜ったいに、こんな未来にはさせませんわよっ!!!)
〜上条家の中〜
現在白井は出された茶をすすりながら、当初の目的である「二人が結婚するきっかけ」を探るべく、
思い出話(白井からしたら未来の話)を聞いている最中だ。
しかしおかしい。口の中が甘ったるい。自分が買ってきたどら焼きには手をつけていない筈なのだが。
「そしたらパパったらその時、美琴と一緒に『い』たいってのを噛んじゃって、
美琴と一緒に『し』たいって言っちゃったのよ〜! もう私、顔が真っ赤になっちゃって!」
「ちょ、おま…それ言わないでって言ったじゃねーか!」
「パパ、大事な事は噛んじゃダメだよ〜!
…ていうかママ。ママはパパが、ママと何を一緒にしたいと思って真っ赤になったの?」
「いっ!? いや…それは、その……な…何だったかしらね!?」
ああ、そうか。話【これ】のせいで甘いのか。
白井は引きつりそうな顔を必死で笑顔に変え、「おほほほほほ」と愛想笑いを続けている。
正直はらわたが煮えくり返り、煮えすぎて液体が気体に変化しているような状態だが、やはり我慢だ。
と、ここで思い出話をしている美琴がチラリと時計を見る。午前9時半を回った所だ。
「あっ、大変! そろそろ出かける準備しなくちゃ!」
「ぐぬぬぬ…はっ! いけませんわ……こほん。…あら、お出かけですの?」
「うん、10時になったらみんなで動物園行くって約束してたもんだから…」
「あら、そうでしたの。お忙しい中、お邪魔して申し訳ありませんでしたの。
ではわたくしはそろそろ、おいとまいたしますわ」
意外とアッサリ引く白井。それもその筈だ。
とりあえず必要な情報は手に入った。もうこの世界には用は無い。
大人なお姉様とお別れするのは心苦しいが、隣に類人猿【コイツ】がいては寛げない。
これ以上ラブラブ夫婦っぷりを見せつけられるのは地獄である。胃も限界が近い。
「悪いな白井。せっかく来てくれたのにバタバタしてて」
「…いえ、連絡もせずに訪問したのはこちらですから。どうぞお気遣いなく」
と上条に対しても大人な対応をする白井だが、
心の中では文字に起こせないような罵詈雑言で上条を罵っている。
帰ってとっとと寝よう(この世界で眠ると、現実世界で起きられる)と白井が立ち上がる。
だがここで、
「え〜!? 白井お姉ちゃん帰っちゃうの〜!?」
麻琴が寂しそうに白井の裾を掴んだ。
未来の自分の立ち位置がどんな物なのかは知らないが、とりあえず麻琴には懐かれているらしい。
少し悩んだ白井だが、憎いのは上条であって、麻琴【このこ】には罪は無い。
白井は再び座り、麻琴の頭を撫でる。
「…では、パパとママのお出かけの準備が終わるまで、わたくしと遊びましょうか」
「ホント!? やったー!」
「いいの黒子!?」
「ええ、それくらいなら」
急に優しくなる白井に驚いたかも知れないが、白井は基本的に、敵対する者以外には優しい。
もっとも、その敵対する者の最たるものが上条なので、ややこしくなってはいるが。
「ありがと黒子! 助かるわ!」
「ホント…悪いな。今度、改めてお礼させてくれ」
「いえ…大した事はしておりませんので」
「どの道もうすぐ、この世界ともお別れだし」と白井は心の中で呟いていた。
〜上条家の中の仲〜
現在、時計は9時50分を過ぎている。
あれから麻琴と、ずっとテレビゲームで対戦
(ここは10年以上先の未来だが、科学技術は学園都市が20年先を行っている為、
白井にとっては普段とあまり変わらないくらいの技術力で作られた『最新』ゲームである)
していた白井だが、ふと美琴達の様子が気になった。
(…あれからお姉様、一度も顔を出しませんわね……
日帰りの動物園に、そんな入念な準備が必要ですの…?)
一度疑念が生じると、人は確かめずにはいられない生き物だ。
白井はゲームのストップボタンを押す。
「? どうしたの?」
「あ、いえ…お手洗いに行きたいもので……」
「トイレはねー! 右だよ!」
「ありがとうございますですの」
最もベタな理由をつけて、リビングを離れる。
だが勿論、トイレに行く為に席を立った訳ではない。美琴達の様子を探る為だ。
(…何ですの? この妙な胸騒ぎは……)
嫌な予感を抱えつつ、美琴達を探す白井。この後彼女の胸騒ぎは、ものっそい的中をする事となる。
寝室…らしき部屋から声がする。嫌な予感MAXだ。
白井はその部屋のドアをそっと開け、隙間から中の様子を覗く。するとそこには―――
「ん…はぉ……んっぷ…ぇあっ! んくちゅ、ちゃぶっ、は、あっ! アナタっ!」
「み…こと! んじゅぷっ、はぁ、はぁ! んっぶっ、じゅぶちゅく、美琴……美琴ぉっ!」
激しくディープなキスをしているベテラン夫婦の姿。
いや、これはもはやキスではない。かなり古い言い方で申し訳ないが、AではなくBである。
どうやら麻琴の面倒を白井が見ている今、邪魔の入らないこの時間に、
ここぞとばかりに愛し合っているらしい。
というか、お出かけ前に何をしているのだ、このバカップル夫婦は。準備はどうした。
この光景を見た瞬間、白井は血を吐いて気絶した。
胃が限界を迎えたのだ。夢だけど。
その後、現実世界で目を覚ました白井だったが、
『あの時』のショックで必要な情報は全てぶっ飛んでしまった。
しかしもう一度あの夢を見ようとは思わない。もしあの夢をもう一度見るのなら、死んだ方がマシである。
なので白井は結婚のきっかけを妨害する作戦を諦め、いつも通りに、
「うおるぁあああああ!!! 待ちやがれこんの類人猿があああああぁぁぁぁぁ!!!!!」
「何々、何でせうっ!!? 何で俺、白井に命狙われてんの!? ちくしょう、不幸だーっ!!!」
上条を追い掛け回すのであった。ただしいつもより、殺意は5割り増しだが。
たがこの約半年後、白井はもう一度あの夢の世界に行かなかった事を後悔する事となる。
何故なら結局、二人の仲を裂く事に失敗したからだ。
そして失敗した、という事はつまり―――
以上です。
まだ続く…かどうかは今の所未定です。
ではまた。
>>一哉さん
こういう時の佐天さんは実に頼もしい…さすがです佐天様!
上琴も初々しくてかわええのう
>>くまのこさん
黒子おおお無茶しやがって…
もういいんだぞ、頑張らなくても…俺の嫁に来ry
>>942
魔界村がツボに入った、腹痛いw
しかし黒子にとっては魔界村以上の苦行というか……なんか今度は麻琴ちゃんにハマりそうですがw
ども、・・・です
一番槍、やります
の前に
>>一哉さん
さすが一流の上琴イジリスト佐天様、さすがのお手際でございます。
この子年下だよ? なに簡単に手玉に取られてんのさ二人とも
ま、にやにやできるからこっちはいいけど
>>くまのこさん
さすが一流のへんたいさん白井様、さすがの痴態でございます。
決死の覚悟で臨んだ魔界村に泣いたゲーマーは数知れず。
ま、むりげーってやつだったのさ、あきらめな
では、投稿します
ホワイトデーネタです
それでは
某書き手だが、上条さんの“そげぶ”時の音をカタカナ表記しようとしたが
どんなふうに書こうか未だに決められない…もし皆が書くならどんな表記する?
バレンタインのお返しをする日、
それがホワイトデー
その日、
御坂美琴は
メイド服を着ていた。
「なんっでやねんんんんんんん!!!!」
素晴らしいツッコミだ。
「何が?」
「何が? じゃないわよ!!」
まったくである、なんなんだこのツンツン頭は。
「ホワイトデーよね!!?」
「ホワイトデーだぞ?」
「なんでわたしが奉仕する側なの?」
「似合ってるぞ」
「そ、そっかな///// ……って違う!! スルーすんな!!」
「しかし、せっかくのミニスカが短パンで死んでしまっている!!」
「こんな短いのにこれ取ったら見えちゃうでしょうが!!」
「いいじゃん」
「……電撃、喰らう?」
「冗談なのに、ほい、こっちがお返しだ」
「あ、ありがとう」//////
そうして美琴は嬉しそうに笑った。
しかし数分後にはチャイナドレスを着ていた!!
「どういうこと!!!?」
まったくである、なんなんだこのツンツン頭は。
「ホワイトデーよね!!?」
「ホワイトデーだぞ?」
「なんでわたしがこんな格好してんのよ!!」
「綺麗だぞ、美琴」
「う、うれしい//////// ……ちがう!! スルーすんな!!」
「しかし、上のボリューム感が今一つ!!」
「……砂鉄の剣、喰らう?」
「怒るなって、ほい、これやるからさ」
「最初っからそうしなさいよ」
そうして美琴はミニスカサンタになった。
「季節感まで無視しだした!!!!!」
「おや? ツッコミはオレ担当だったのになー」
まったくだ、このウニめ。
「ホワイトデーよね!!?」
「ホワイトデーだぞ?」
「3月よ? どうなってんのよアンタの頭の中!!!」
「かわいすぎ、美琴」
「あ、ありがとう//////////// ……じゃなくて!! スルーすんな!!」
「さすがに、長時間見るのは無理なくらいかわいい」
「に、二連続//////////////// ……あ、アンタの常識どうなってんのよ!!」
「オレの幻想殺しに常識は通用しねぇ!!」
「……超電磁砲って、知ってる?」
「……勘弁してください、これあげますんで」
「いい加減にしなさいよ、ったく」
猫耳とにゃんにゃんグローブ、ついでにしっぽまで装着!!
「ホワイトデーよね!!?」
「ホワイトデーだぞ?」
「何がしたいの!!?」
「……」
「む、無言で抱きしめるな!! にゃでるな!! 耳元で小声で好きだとかいうにゃあ!!」////////////////////////////////////////////
「わかった」
「しょ、しょうよ、わかりぇばいいにょよ」///////////////////
「愛してる」
「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
この後、きちんとチョコはもらえたらしい。
以上です。
ageてすみません
おっと、さらに失礼>>946さん
わたしなら「パキーーン」
>>・・・さん
いつまでもいちゃいちゃバカップルいいですねw
コスプレで遊ぶ上条さんw「俺の・・・常識・・・」て垣根のセリフwwGJ!
>>一哉さん
こうゆう時の左天さんは一番輝いていると思いますw
本当にこの娘は天才だGJ!
>>くまのこさん
この二人は歳を取ってもいちゃいちゃしてそうなイメージがありますw
魔界村の例えは良く解りますwwGJ!
>>946 さん
他に「ピキーン」、「パキン!」、「バキン!」とありますね
あとは好みで使い分けて下さい
オリアナの時みたいに何か霊装関係を壊す時はバキン
美琴の電撃みたいに直接異能の力を打ち消す時はパキィーーン
って勝手に自分はイメージしてます
一方通行の黒翼みたいに完全に打ち消せない時は何か音がするんですかね?
>>951
拮抗している場合は「ガギギギ」「バキバキ」といった感じで私はイメージしてます。
骨壷の中からこんにちは、シラボネXです。
小ネタ投下します。
小ネタ 上琴バカップル合体攻撃
謎の敵「ふはははは!もうお終いか?」
上条「くそ・・・・」
美琴「まずいわね・・・・」
上条「こうなったら・・・・アレをやるぞ美琴!」
美琴「分かったわ当麻!」
上条は両手を頭上に突き出して地面に寝そべった。
美琴「続いて当麻の体を砂鉄で包み込んで!」
右手以外を砂鉄で包まれる上条。
美琴「後は超電磁砲の要領で打ち出す!チェイサー!!」
上条美琴「「超電磁スピーーーーーーン!!!」」
上条は高速回転しながら敵目がけてつっこんでいった!
謎の敵「な、なんだとーーーー!」
ドカーーーーン!
上条「俺達の勝ちだ!」
美琴「やったわね!当麻!」
ピーポーピーポー
美琴「当麻〜〜〜〜!何でこんなボロボロに〜〜〜〜」
救急隊員「お前がやったんだろ・・・・」
END(ひでぶ!)
以上です。
では。
>>・・・さんGJです!
ホワイトデーネタありがとうございます! そしてごちそうさまですw
自分も書きたかったんですが、ネタが出てこなかったとです……
>>シラボネXさんGJです!
またかバカップル共w
お前ら何回同じ事してんだよw
短編書きました。
例によって>>937-941 の続きです。
約3分後に4レス使います。
屋内プール設備のスポーツジム。
その更衣室で、二人の奥様が着替えをしながら井戸端会議に花を咲かせている。
30代半ばとは思えない肌の艶とボディラインからは想像もできないが、
二人とも思春期の子を持つ立派な母親だ。
上条当麻の母さん「詩菜」と、御坂美琴のママ「美鈴」である。
「それでその、美琴ちゃんのお友達から面白い物貰っちゃいまして」
そう言いながら、美鈴はバッグから小瓶を取り出した。
詩菜は濡れた髪をタオルで拭きながら、そのビンを見つめる。
「あらあら。何だかとてもいい香り…これはアロマオイルですか?」
「そうなんですよ! それでですね、実はこのアロマ―――」
美鈴はそのアロマオイルについて説明した。
これは学園都市製である事。美琴の友達、「佐天涙子」から送られて来た事。
(美鈴は知らない事だが、佐天は初春に頼んで美琴の実家を調べてもらっていた。
初春の情報処理能力を使えば、セキュリティ皆無な一般家庭の個人情報など簡単に検索できる。
無論、褒められたものではないが)
このアロマの匂いを嗅ぎながら眠ると、自分の希望に近い予知夢を見られる事。それと…
「―――それと、その涙子ちゃんが言うには、ウチの美琴ちゃんとそちらの当麻くんが
結婚してて子供もいるっていう夢を見たみたいなんですよ!」
「あらあらまぁまぁ! それでは近い将来、御坂さんとは親戚になるのかしら!?
あらやだわどうしましょう♪」
「ついでに『お婆ちゃん』にもなっちゃいますね! やーんもう、ホント困っちゃいますよ♪」
口ではそう言っているが、二人とも困っている様子は全くない。
むしろ「大歓迎」とでも言わんばかりに、キャッキャウフフとはしゃいでいる。
もうアラフォーなんだから、もう少し落ち着きを見せてほしいものだ。
美鈴は更に味の素の空き瓶を取り出し、徐にオイルを半分移し替えた。
詩菜におすそ分けするつもりなのだろうが、味の素の空き瓶という所に実年齢を感じる。
「それじゃあ上条さん。これ使ってみてください。私も今夜、試してみますから」
「あらあら。わざわざありがとうございます」
こうして今夜も、あのアロマオイルは夢を見せる。
あの、未来の『上条家』の夢を。
〜当麻さんへの電話〜
その日の夜、家族みんなで出前のピザを食べていると、上条のケータイが鳴り出した。
「パパ! 電話だよ!?」
「あいよー。教えてくれてありがとな、麻琴」
上条は麻琴から自分のケータイを受け取り、通話ボタンを押す。
「はいはい」
『あらあら。もしもし? 母さんですよ』
「ああ、母さん。何、どしたん? 電話してくるなんて珍しいじゃん」
『これと言って特に理由がある訳ではないのだけれど、当麻さん的には迷惑だったかしら?』
「いやいや。そうじゃないけど」
『なら遠慮なく。その…当麻さん? 孫の様子はどうなのかしら?』
「孫…? 麻琴の事か? うん、いつも通り元気だよ」
『あらあら! 麻琴ちゃんって言うのね!?』
「え…?」
『あ…ああ、何でもありませんよ? コホン…麻琴ちゃんは今、何をしているのかしら?』
「いやあ、テレビ観てるよ。ママと一緒に」
『っ! ママって言うのは、美琴さんなのかしら!?』
「…他におりませんでしょうよ母上殿」
『あらあらあらあら!!!』
「? 何か妙に嬉しそうだけど…何かいい事あった?」
『うふふっ…いえいえ、「これからいい事がある」と思うと母さん楽しみで♪』
「これから…って、どういう…?」
『そうそう当麻さん』
「あ、ああ。何?」
『麻琴ちゃんは何が好きなのかしら? 母さん、これからの為に色々聞いておきたくて』
「んー…麻琴はプリキュアが好きだな。今朝も観ながら踊ってたよ」
『あらあら。母さんの年齢じゃあ、さすが一緒に踊るのは無理ねぇ……』
「…うん。母さんもう50代だもんな」
『ごじゅ……そ、そうだったわね…あまり考えないようにしていたけれど……』
「あとそれから、動物とか好きだよ。ママと同じで電撃使いだからペットは飼えないけど、
その代わりに動物園とか水族館とか連れてってる。つーか今日も行って来たよ、動物園」
『あらあら。それは母さんも一緒に行きたかったわ。
もっと早い時間に、この夢に来られれば良かったのに…』
「夢?」
『こちらの話ですので。それで当麻さん、動物園は楽しかったかしら?』
「まぁ…そうだな。元々、麻琴の為に行ったんだけど、何だかんだで俺も楽しかったかな。
多分ママも楽しんでたと思う」
『美琴さんも? あら、そうなの♪』
「あっ、でもママがさ、途中で不機嫌になって、何でかな〜って思ったら、
理由が『今日はまだチュウしてくれてないっ!』だってさ。
仕方ないから、麻琴と一緒にほっぺにチュウしたよ」
『あらあら。母さん何だかお腹いっぱいだわ♪
でも当麻さん、「今日は」って言う事は、いつもは毎日しているのかしら?
もしそうなら、忘れちゃ駄目じゃない』
「…いや、今日してなかった訳じゃないんだけど……」
『? どういう事かしら?』
「…午前中にさ、白井が来たんだよ。で、ちょっとの間、麻琴の面倒見ててもらってたんだけど、
その隙にちょこちょこっと……」
『っ! チュウをしたのね!?』
「まぁ…チュウと言いますか……ベ…ベロチュウと言いますか……」
『っ!!! と、当麻さん…? 夫婦なのだから悪い事ではないけれど、
息子の赤裸々な性生活を聞かされて、母さんどんなリアクションを取ればいいのかしら…?』
「い、いやだって! 美琴が可愛すぎんだもん!
麻琴産んでから体つきもエロくなってきちゃって…今日も動物園で抱きつかれて下半身が反応
………って! 俺は母さん相手に何話してんだ!?
あの、ごめん母さん! 今のは忘れてくれっ!!!」
『……………ほ…ほどほどにね? 当麻さん……』
忘れられる訳がない。
ちなみにだが、
話している内に午前中のディープキスと動物園で抱きつかれた時の感触を思い出した上条は、
このあと滅茶苦茶セ(ry
〜美琴ちゃんへの電話〜
その日の夜、上条がケータイで誰かと話していると、美琴のケータイも鳴り出した。
「ママ! 電話だよ!?」
「はいはーい。教えてくれてありがとう、麻琴ちゃん」
美琴は麻琴から自分のケータイを受け取り、通話ボタンを押す。
「もしもし?」
『やっほー! 美っ琴ちゃ〜ん!』
「なんだママか」
『も〜! なんだとは何よ、なんだとは! もうちょっとテンション上げてくれてもいいんじゃない!?』
「だって、昨日も話したじゃない。ママしょっちゅう電話してくるんだから」
『あ、そ、そうなの? ごめんごめん。知らなかったから』
「? 知らなかった…って…?」
『ああ! 何でもない何でもない! それより、昨日どんな話したっけ?』
「覚えてないの? まぁ、ママあの時酔っ払ってたしね。
てか私と話すっていうより、麻琴ちゃんと話してたわね。
ママってば、いつもすぐに『麻琴ちゃんと電話代わって〜』ってうるさいんだから」
『だって可愛いんだも〜ん! てか絶対可愛い筈よっ! 美琴ちゃんと当麻くんの子供なんだから!』
「『筈よ』って…そんな会った事ないみたいに……で、どうすんの? 今日も麻琴ちゃんと代わる?」
『う〜んどうしよう…私も麻琴ちゃんと話してみたいけど……
いやでもやっぱり止めておくわ。将来の楽しみにしておきたいし♪』
「将来?」
『それより、今の美琴ちゃんの近況報告を聞きたいにゃーん』
「近況ったって…あ、そうそう。今日、家族三人で動物園に行ったわよ」
『へぇ〜!』
「そこでバッタリ佐天さんと会っちゃってさ」
『ああ、そうそう! 涙子ちゃんに後でお礼言っといてくれる!?
あのアロマオイル使わせてもらってるって…って、この時代の彼女に言っても駄目よね』
「…何の話?」
『ううん。こっちの話』
「そう? なら別にいいけど…あ、それで佐天さんに言われたのよね。
『お二人は今、幸せですか?』ってね」
『! それで美琴ちゃんは、何て答えたの!?』
「……………」
『美琴ちゃん?』
「…パp…当麻と麻琴ちゃんがいてくれるだけで幸せって答えたの……
でも…こんなに幸せでいいのかなって思えるくらい幸せで…幸せすぎて…
まるで『夢みたい』で、ちょっと怖い…かな」
『…美琴ちゃん。「夢だけどー! 夢じゃなかったー!」』
「え、な、何!? 何で急にジブリ!?」
『いい? 美琴ちゃん。その夢は絶対に実現させるの!
大丈夫、私も涙子ちゃんも同じ夢を見たんだから、きっとこれが本当に将来の姿なのよ!』
「え…? えっと…ごめん。言ってる意味が……」
『とーにーかーくー! 当麻くんと仲良くしなさいって事よ!』
「まぁ…仲はいいけど。ってか、良すぎるかも」
『? 良すぎる?』
「ん…あー、その……よ、夜の生活とか……最低でも、週に2回は必ず…だし……」
『ヤっちゃってるのねっ!?』
「ヤ…ヤっちゃうとか言うなっ! いいでしょ夫婦なんだから!!!」
『悪いなんて言ってないじゃな〜い! むしろガンガンいっとけ!』
「…母親の台詞じゃないわね……」
『って事は、そろそろ二人目の孫も期待してもいいのかにゃーん?』
「う…あー、その………うん…多分、ね……」
『じゃあ楽しみに待ってるわね♪』
多分という事は、『そういう計画』なのだろうか。
ともあれ、話している内に週に2回の夜の生活を思い出した美琴は、
このあと滅茶苦茶セック(ry
翌日。夢の中ではなく現実世界の翌日だ。
その日の朝、上条と美琴のケータイにメールが届いた。
それぞれ相手は別々だが、内容はほぼ同じである。
その中身は大きく三つ。
『結婚はいつするのか』と『初孫が早く見たい』である。
ただ一つ違うのは、三つ目の話だ。
上条には『エッチは事はほどほどに』、美琴には『エッチな事はガンガンいけ』。
二人が朝から顔を爆発させたのは、優に想像出来るだろう。
以上です。
すみません。4レスじゃなくて、3レスでした。
すみませんついでにもう一つ。
諸事情により3月いっぱいはSS書けなくなりそうです。
ただ4月には戻れると思いますので。
ではまた。
書けるかな?
書き手の皆様GJですたい。
しかし、何故ホスト規制させられたのか…
くまのこさ〜ん
ぷりーずかむばーっく!!!
笑いたいよういちゃいちゃ読みたいよう
>>くまのこさん
○○の日常は××の異常ってシリーズ化しちゃったんです? 続きとお帰りを待ってます。
>>…さん
ホワイトデーネタごちそうさまです。美琴さん、何故プレゼントを律儀に装着したんだw
(そして言えない。ホワイトデーネタじゃないけど似たような小ネタ思いついてたなんて言えない)
>>シラボネXさん
バカップルいつになったら学習するん?
すみません。今月はこう来れないとか言っておきながら来ちゃいました。
何とかこの話を、今月&今スレ中に終わらせたかったもので…
という訳で>>957-959 の続きです。
約3分後に6レス使います。
その日の夜、上条は薄暗い風呂場の中で、
浴槽に敷いた布団の上であぐらをかきながら考え事をしていた。
自分がみたあの夢、美琴の態度、今朝母親から送られて来たメール。
そして今の上条が抱える、このモヤモヤした気持ち。
何か答えが見えそうで見えてこない気持ち悪い感覚に、上条は頭をガシガシ掻きながら、
シャンプーラックに置きっぱなしにしておいたアロマオイルの小瓶を見つめる。
おそらく、上条の悩みの元凶を。
(…やっぱり、もう一度使ってみるべきか…? いやでも……)
もう一度同じ夢が見られるかは分からないし、何より、
(もう一回、年上美琴に迫られたらどうすりゃいいんだよ……
前回は未遂で終わったけど、今回も都合よくそうなるなんて保障は無いんだし……
夢の中とはいえ、もし美琴に『そんな事』しちまったら、もうまともに美琴の顔なんか見れねーぞ!?
かと言って、『アレ』を食らって理性を保てる自信も無いし……はぁ…)
見てる方としては、「つべこべ言わずにとっとと『アレ』を食らって『そんな事』しちまえよ」、
と思わなくもないが、そこはやはり当人としては悩む所なのだ。
ちなみにだが、美琴は未遂で終わらずに最後までヤっちまっている。勿論、夢の中で。
しかし、考えた所で解決の糸口は見つかりそうにない。やはり使う他にないだろう。
上条は再びあの夢を見るべく、あの夜のようにビンの中のオイルを小皿に移した。
以前、上条の幻想殺しでオイルの効力を破壊してしまったが、
それはあくまでもその時に使っていた分だけであって、小瓶本体に入っているオイルは無事である。
(本当に…これでいいのか? この選択は間違ってないのか?)
そんな事を考えつつ、布団を被る上条。
自分でも知らない内に、「もう一度アダルト美琴に会いたい」と思っている事に、
彼自身、気づいていないのだった。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
その日の夜、美琴は部屋の中で、ベッドの上で正座しながら考え事をしていた。
自分が見たあの夢、上条や佐天も同じ夢を見た事、今朝母親から送られて来たメール。
そして夢の中で体験した『とんでもない出来事』の記憶。
あの出来事のせいで、ここ数日、上条と顔を合わすだけでふにゃりかけていた。
美琴は宮棚に置きっぱなしにしておいたアロマオイルの小瓶を見つめる。
おそらく、美琴の悩みの元凶を。
(も…もう一回くらい使ってみようかしら…?)
ゴクリ、と生唾を飲み込みオイルの小瓶に手を伸ばす。すると、
「……お姉様…? まさかまたそのオイルをお使いになるおつもりではありませんわよね…?」
「にゃわわわわわっ!!!」
邪魔が入った。
美琴から直接聞いた訳では無いが、その様子から美琴が『あの夢』を見た事は一目瞭然である。
そして白井もまた、このアロマオイルで『あの夢』を見ている。
白井はもう二度と『あの夢』を見る気は無いが、同時に、美琴にも『あの夢』を見せる訳にはいかない。
「そ、そそ、そんな訳ないでしょっ!!? た、ただ、まだオイルが残ってるから、
このまま捨てるのもちょ〜っと勿体無いかな〜って思っただけで……」
「それはお使いになりたいと自白しているような物ですのっ!
ええい、こんな危険な物、わたくしの風紀委員権限で没収させてもらいます!」
「えっ!? あ、ちょ、ちょっと黒子!」
強引に奪われた。
しかし美琴は慌てずに、一枚のハンカチを取り出した。
実はこのハンカチには、『こんなこともあろうかと』オイルと染み込ませていたのだ。
美琴はそのハンカチを枕の下に敷いて、布団を被った。
(べ、別にアレよね。たまたまオイルが染み込んだハンカチが、
たまたま枕の下に挟まっちゃうなんて、よくある事よね!
そ、それでたまたまあの夢を見ちゃってもただの事故なんだし……
わ、わわ、私が見たい訳じゃなくても、そうなっちゃったら仕方ないわよねっ!)
そんなたまたまがよくあってたまるものか。
それぞれの思惑はどうあれど、二人はこうして同時にアロマオイルを使い、眠りに就く。
そして『同時』に夢の世界へと旅立つのだった―――
上条が目を覚ますと、目の前には大人な姿の美琴がいた。ここが夢の中の世界なのだと理解する。
美琴が目を覚ますと、目の前には大人な姿の上条がいた。ここが夢の中の世界なのだと理解する。
しかし直後に、自分達が異常な状況にある事も理解する事となる。
相手の息遣いが異様に近く、顔はいつでもキスできるような距離だった。
そして触れ合う肌と肌。二人は同じ布団の中で、抱き合う形で眠っていたらしい。そして何より、
お互いに、服を着ていなかった。ついでに言うと下着の一枚すらも。
「「くぁダブリューせディーアールエフティージーワイふじこエルピー!!!!!」」
二人は同時に叫んだ。
言葉にならない叫びをわざわざ言葉にする程に頭をパニクらせながら。
「うおわあああああ!
すみませんごめんなさい申し訳ありませんわざとじゃないんです許してください!!!」
「いいいいいいから! 謝んなくていいからちょっとあっち向いててよ馬鹿ああああ!!!」
即座に背中合わせになる二人。しかしお互いの反応に違和感を覚える。
上条からすれば、未来の美琴は素直に甘えてくる性格だった。
美琴からすれば、未来の上条は大人な余裕を醸し出していた。
この反応はまるで、『いつもと変わらない』感じがする。
その事に気づいた二人は、お互いに背を向けたまま確認を取る。
「な、なぁ…もしかしてあなたは、常盤台中学2年生の頃の美琴たんなのでせうか…?」
「…って事はやっぱり、アンタもその頃のまま…なのね?」
やはりそうらしい。
二人とも、見た目は大人頭脳は子供(まぁ子供と言える歳でもないが)の状態になっている。
しかしここは間違いなく未来の世界だ。
何故なら隣には麻琴が可愛い寝息を立てているし、リビングには例の動物園で買ったお土産類。
ゴミ箱には白井の買って来たどら焼きの空き箱や、夕食で食べた出前のピザ箱の残骸が入っている。
つまり今は、あの日曜日の翌日の朝という事になる。
なるほど、それならば今のこの状況にも納得だ。何故二人が裸で抱き合って同じ布団で寝ていたのか。
要するに、事後である。
上条は幻想殺しでキャンセルしてしまったが、
これは深夜から明け方にかけて、色々ヤっちまった後なのだ。
そして二人は、そのまま服も着ないで就寝したらしい。
不幸中の幸いなのは、『繋がったまま』眠っていなかった事だ。
何が繋がったままじゃなかったかは、各自ご想像にお任せする。
電車とかネットとか歴史とか絆とか、世の中には繋がる物なんていっぱいあるよね。
だがそれはそれ、これはこれだ。
ぶっちゃけ、お互いにガッツリ見てしまった。
しかも体は成長していても、心はいつもの美琴で、いつもの上条だ。
その事実が余計に、
(うわヤバイどうしよう! 何かすんごいドキドキしてんですけど俺の心臓!?
つかやっぱ未来の美琴、体つきエロすぎるだろ! けど手ぇ出す訳にはいかねーし……
何なのこれ、拷問!? 拷問ですか!?)
(うわうわうわ! 見られちゃった…見られちゃったし、私も見ちゃった!
いや、前にも見た…って言うかそれ以上の事もしちゃったけど、
中身がいつものコイツじゃ勝手が違うわよ〜〜〜っ!)
二人をドギマギさせるのであった。
〜朝の風景〜
「いっただっきまーす!」
「い…いただきます…」
「いただきます……」
あの日の朝【きのう】と同じように、半分体が勝手に動くかのように美琴が作った朝食。
麻琴は勢いよく食べ始めるが、両親はどこか元気が無い。
本人達としては、まだお互いにドキドキしているせいなのだが、
そんな事を知らない麻琴は素直に疑問をぶつけてくる。
「? パパママ、どうしたの? お腹痛いの?」
「あっ、い、いやそういう訳じゃないんだ!」
「そ、そうそう! ママもパパも大丈夫だから! ねっ、パパ!?」
「も、勿論!」
と言いつつ、顔を見合わせて「かぁぁ…っ!」と赤面しあうパパとママ。
あまり大丈夫そうではないが、麻琴は両親の言葉をそのまま受け取る。
「そうなの? んー…ならいっか!」
本当に素直な子である。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
「いってきまーす!」
「はーい、いってらっしゃーい」
「気をつけてな」
数十分後、ランドセルを背負った麻琴がリビングから出て行き、ママとパパはそれを見送る。
本日は月曜日。当然、小学生は学校へと行かなければならない。
国民の三大義務、勤労・納税・教育の一つである。
だがここに、その義務の一つを放棄しようとしている人物が一人いる。
「…あれ? そう言えばパパ、今日はお仕事お休みなの? いつもならあたしより早くお家出るのに」
「………へ?」
この家の大黒柱、上条当麻である。
「あ…ああ! うん、そうなんだ! 今日パパお仕事が無いんだな〜! あはははははは!」
「え〜? いいなぁ〜」
ぶーぶー言いながら麻琴は家を出た。たった今パパが、大嘘を吐いたとは夢にも思わず。
「……アンタねぇ…」
「し、仕方ないだろ!? そもそも、この時代の俺がどこでどんな仕事してんのか知らねーもん!
それに仮に職場に行ったとしても、
これまでの経験【キャリア】がすっぽ抜けてる状態で仕事なんてできないし!」
で、取った行動が無断欠勤な訳だ。
確かに上条の言い分も一理あるし、それ以前にこの世界はあくまでも夢の中だ。
大事には至らないだろうとの結論を出し、美琴もそれを黙認する。
「…けど、これからどうしよっか? あのアロマの効果だから、この世界で眠れば元に戻れる…けど…」
美琴としては、もう一度この世界に来てみたくなってここにいる訳だが、
上条の中身が「いつものアイツ」であるという誤算によって生じたこの事態に、
「今すぐにでも帰れる」という選択肢を上条に与える。
本音を言えば、中身が「いつものアイツ」でも…いや、むしろ「いつものアイツ」だからこそ、
少しでも長くこの世界に留まりたいのだが、上条本人が困ってそうなので、そんな提案をしたのだ。
しかし、上条から帰ってきた言葉は―――
「んー…俺はもうちょっと、美琴と一緒にしたい…かな」
上条からの爆弾発言。
『一緒にしたい』という言葉で真っ先に思い出したのは、
あの日の深夜【きのうのよる】と今朝の出来事だ。美琴は瞬時に耳まで真っ赤にさせる。
「い、いいいい一緒にしたいとか何言ってんのよっ!!!
そりゃ確かに今の私達は夫婦だし夢の中では一度経験してるけどその時とは状況が違うでしょ!!?
でで、でもアンタがどうしてもってんなら私もやぶさかじゃないけどねっ!!?」
「ちょおおおお落ち着けええええ!!!
い、今のは噛んだだけだ! 『い』たいと『し』たいを噛んだだけだ!
『美琴と一緒にいたい』って言おうとして間違えただけだから!!!
そりゃ俺だって出来る事なら美琴としたいなんて思わなくもないけど、
それはほらアレがソレしてやっちゃ駄目じゃん!!?」
テンパりすぎて、とんでもない事を口走っている事にお互い気づいていないのだった。
〜昼の風景〜
上条と美琴は現在、家を出て街中をお散歩して【ブラついて】いる。
あのまま家の中にいると非常に気まずいから、という上条なりの配慮だったのだが、
朝の一連の『アレ』から気まずさが和らぐ訳も無く、
「……………」
「……………」
二人とも無言で歩いている。上条は美琴とは反対側に顔を背け、美琴は俯き地面を見ながら。
ただ共通点としては、二人とも顔を完熟トマトのように赤く染めているという事だ。
「ど…どこか入ろうか…?」
上条が勇気を出し、美琴に話しかける。対する美琴も一言。
「う…うん……」
会話終了。
しかしせっかくの上条の気遣いを無碍にするのも申し訳なく、今度は美琴が勇気を振り絞る。
美琴はそっと手を伸ばすと、
「っ! みみ、美琴さん!?」
「……………」
上条の右手を「きゅっ」と握った。その手は少し、震えていたようにも見えた。
美琴としては、これが会話のきっかけにでもなればと思っていたのだが、
やはり益々気まずくなるだけだった。それでもお互いに、手を離そうとはしなかったが。
二人とも反応はとても初々しく微笑ましいが、
見た目はアラフォーのベテラン夫婦【おじさんおばさん】である。
結局は、意味も無く一緒に歩くだけとなった。もっとも、それはそれで幸せなのかも知れないが。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
しばらく歩いていると、急に空が曇り出した。おそらく、上条の不幸体質が原因だろう。
雨もポツポツと降り始め、いよいよ本当にどこか店に入ろうと思った矢先、
いきなりどしゃ降った。所謂ゲリラ豪雨である。
「きゃっ!!!」
「うわ、やべっ!!?」
上条は反射的に、美琴の腕を引っ張り一番近くの店に入る。
しかしその直後、上条は死ぬほど後悔する事となる。
何故ならその店は、ピンクを基調とした外装に、無駄にカラフルな看板。そして店先の料金表。
ここはつまり、『ラブ』な事をする人達の為の『ホテル』である。
「おああああっ!!! ちちち、違うんだ美琴!!!
ここ、これはただ雨宿りしようとしてそれで入ったらたまたまここで、
だから…その……『そういう事』じゃないからっ!!!」
「わわわ、分かってるからっ!!! 『そういう事』じゃない事くらい分かってるからっ!!!
『そういう事』して『そういう事』が『そういう事』になっちゃうなんて思ってないからっ!!!」
こちらとしては『そういう事』になった方が面白いのだが、今の二人には無理なようだ。
結局ホテルには入った二人だったが、特に何をする訳でもなく、
ひたすらベッドの上で正座するだけなのであった。
これがもし、中身も未来の二人だったら、きっと『そういう事』をしていただろう。
〜夜の風景〜
「う゛あ゛ー!」とおっさん臭い声を出しながら、上条は湯船に浸かる。
今日一日の疲れをお湯に溶かすように。
湯気と混ざるような溜息を吐くと、上条は今日という日を振り返った。
(…何か今日、やたらとドキドキするようなイベントが多かったな……
けど今までもこういう不幸【ハプニング】はあったのに、何で美琴が相手だとこんなに―――)
上条が何か大切な事に気づきかけたその時、風呂場に乱入者がやってくる。
ガチャリとドアが開く音がしたので、当然、麻琴が入ってくるのだと思っていた。
いや、確かに麻琴はいたのだが、その他にもう一人。
「っ!!!? な、ななななな何でアンタが入ってんのよっ!!?」
「み、み、美琴こそ何してんの!!? つーか俺が先に入ってたんだけど!!?」
美琴だった。
幸いにもバスタオルで大事な部分は隠れていたが、本日二度目のラッキースケベイベントである。
「美琴センセー、何か今日はっちゃけすぎではありませんこと!!?」
「だ、だだだだって! 麻琴ちゃんが一緒に入りたいって言うから…
てかアンタが入ってるなんて思わなかったし!!!」
「だってー! たまには三人で入りたかったんだもん!」
どうやら麻琴がちょっとしたドッキリを仕掛けたらしい。ある意味GJである。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
背中合わせで湯船に浸かるパパとママ。麻琴は二人の間にちょこんと座っている。
「……ねぇ、何でパパとママ、どっちも後ろ向いてるの?」
「い、いやその…な…何でかな〜?」
「ホ、ホホホ、ホント何でなんでしょうね!?」
入浴剤を使っていないお湯は当たり前だが透明で、正面を向いたら『色んなモノが見えてしまう』。
故に背中合わせにならざるを得ないのだ。例えお互いに『色んなモノを見てみたくとも』。
そんな状態になるくらいなら、片方がとっとと風呂上がればいいじゃん、と言いたくなるだろう。
勿論上条も、美琴達が入ってきた瞬間にそう考えた。そして出ようとした。
しかし麻琴のしゅんとする顔を見ると、そう簡単に出る訳にはいかなくなるのだ。
麻琴は純粋に、パパやママと一緒にお風呂に入りたいだけなのだから。
結果、今現在こんな状況にあるのだった。
「そ、そろそろ体でも洗おうかな!?」
だがこの空気に耐え切れず、上条は洗い場に出る。
美琴もそれを見ないようにはしているが、実は横目でチラチラ見たり見なかったり。
が、ここで更に麻琴が面白イベントを発案してきた。
「じゃああたしとママが洗ってあげる!」
瞬間、美琴はザブンと湯面に顔をぶっ込み、上条は手にしたシャワーヘッドを頭に落っことした。
「なななな何を言っているのかな麻琴!!? パ、パパは自分の体くらい自分で洗えますぞ!?」
「そそそそうよ麻琴ちゃん!!! てか、何でママまで!!?」
「だって…やりたいんだもん……」
再びしゅんとする麻琴。上条も美琴も、やはりこの顔には弱い。
何だかんだ言っても、そこは麻琴の親なのだろう。
美琴は『あくまでも仕方なく』上条の体を洗う為に浴槽を出る。
別に内心では嬉しいやら恥ずかしいやら思っている訳では無い。
…と、本人は言い張るだろうから、生暖かい目で見守ってあげてほしい。
「いいい言っとくけど、これは『あくまでも仕方なく』だから!!!
ま、麻琴ちゃんの為であってアンタの為じゃないからね!?
べ、べべべ、別に内心
『やーんもう、恥ずかしいけどちょっとラッキー! てか、夢が一つ叶っちゃった♪ 夢の中だけに』
とか思ってないんだから勘違いすんじゃないわよっ!!?」
「お!? お、おう…」
…生暖かい目でね。
しかしここで、美琴はある異変に気づく。洗い場にボディタオルもボディスポンジも無い。
昨日(の夢)の時はあった筈だが…これではどうやって体を洗えばいいのか。
「…? 麻琴ちゃん、体洗うヤツ知らない?」
「え、何言ってんの? 昨日テレビで『体を洗う時は手でやった方がいい』っていうのを聞いて、
ママが全部捨てちゃったんじゃない」
「………へ?」
麻琴から衝撃の一言。
正直、昨日(の夢)はそれ所ではなかったので、テレビの内容など全く覚えていない。
辛うじて、何かバラエティ番組を見ていたような気はするが。
だが今はそんな事を思い出している場合ではない。
「手えええええぇぇぇ!!!?
そそそそそれってつまり私がコイツの体を直接洗わなきゃなんないって事おおおおおっ!!?」
「何ですとおおおおおおお!!!?」
美琴の大声に、上条も思わずつられる。
しかし麻琴はそんなパパとママに、不思議そうに首をかしげる。
「…? 駄目なの?」
夫婦なのだから駄目という事もないかも知れないが、
その絵面は完全に、『そういうお店』の『そういうプレイ』である。
だがそんな事はまだ知らない、心の綺麗な麻琴ちゃんは、更に無意識な大胆発言を繰り出してくる。
「しょうがないな〜。じゃあ大きくて洗うのが大変な背中はあたしがやるから、ママは前をお願い」
前。つまり前半身。
そこを洗うには、どうやっても向かい合わなければならない。一糸纏わぬ姿のままで。
「「できるかああああああああっ!!!!!」」
二人は麻琴に向かって同時に叫んだ。
が、その時だ。上条の不幸スキルはそれで終わらなかった。
叫んだ時、上条は背中にいる麻琴の方へと首を向けた。
だがそこには当然、麻琴だけでなく美琴もいるのだ。もう一度言うが、一糸纏わぬ姿のままの、だ。
「っ!!!」
美琴は声にならない叫びを上げ、とっさに大事な部分を隠す。、
「なっ! 悪―――」
「悪い」、と言うその前に、上条はその場ですっ転ぶ。
無理な体勢になった上に、運悪く石鹸を踏んでしまったのだ。
さて、『この状況』で『あの上条』がすっ転ぶという事がどういう意味なのか、皆さんはよくご存知だろう。
ご期待通りだ。
上条は『何故か』美琴を巻き込む形で転倒していた。
最後にもう一度だけ言うが、二人とも一糸纏わぬ姿のままである。
「「っっっ!!!!!!!????」」
くんずほぐれつな二人が目にしたのは、お互いの『大事な部分』であった。
お互いのどの部分を見たのかは、各自ご想像にお任せする。
頭とか顔とか腕とか脚とか、人体には大事な部分なんていっぱいあるよね。
瞬間、美琴はついに限界を迎え「ふにゃー」する。
密着状態だった上条も、幻想を殺す間もなく漏電が直撃し、二人は仲良く気絶するのであった。
翌朝。
夢の中で気絶した美琴は、現実世界で眠りから覚める。
「…………………………」
「…? どうなされましたのお姉様? お目覚めしてからずっとポケーっとしていらっしゃいますが……」
美琴は言う。
「……黒子…私アイツにお嫁に貰ってもらう……あ…あんな事されたんだから、当然の権利よね…?」
白井には、美琴の身に何が起こったのかは分からない(とは言っても、想像するのは容易いが)。
しかしその言葉を聞き、より一層上条に対する殺意を深めるのであった。
◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘ ◈ ◘
同時刻、とある高校の学生寮でも上条が目を覚ましていた。
鼻血をポタポタ垂らしながら起き上がった上条が真っ先に思った事は、
(……せ、責任…取んなきゃ…だよな……)
であった。
ちなみに。
それから大分月日が流れたある日の朝。
「…ねぇ、アナタ。今日って『麻琴ちゃんを動物園に連れて行く日』じゃない?」
「あれ…今日が『あの日』なのか? じゃあ麻琴を起こさなきゃな」
「そ・の・ま・え・に!」
「はいはい分かってますよ。おはようのチュウしてくれってんでしょ?
ったく、ホントにママはチュウ大好きなんだから……」
こうして今日も、とある家族の日常が始まる。
以上です。
次は本当にいつになるか分かりません。
あ、それと>>970 踏んじゃったんですけど、スレ立ての仕方が分からないので、
誰か出来る方お願いします…
すみません…以前にも同じ事あったのに……
ではまた。
次スレ ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/movie/6947/1395680118/
>>972 さん。
ありがとうございます!
助かりました!
いやぁ皆さん超久し振りです。感想しっかり書こうかとも思いましたが、
あまりに量が多いので今回はごめんなさい(汗)
…あ、個人的に数件分はレスっておきたいのでその分は書きます
>>くまのこさん
毎度毎度、どこからこんなにネタが湧いてくるんですかあなたは!
面白すぎて私の作品がちゃんとウケるか心配になるじゃないですか!←
あ、あと「全国一斉上琴テスト」を「もしデレ」シリーズの“美琴ちゃん”が
受験したらどうなるか、個人的に興味があるんですがネタになります?←
>>946 で書いた私の疑問にコメントくれた皆さん(>>949-953 )
ありがとうございます♪今回のネタの参考に使わせて頂きました♪
では、今回は長編の続きが難航しておりましたので
>>935 さんのネタを拾って採用し小ネタ作成しました。次レスで投下です♪
☆佐天さんだったら
佐天「御坂さぁ〜ん♪ 今日こそウワサの彼氏さんのこ――
美琴「ふにゃー////」
佐天「――とを聞かせてもらいま…って、ちょっと!漏電気絶早すぎますよ!?」
※頻繁にペンダント装備でこの話題を持ち出すため、美琴たんが条件反射的にふにゃーする羽目に。
★木山せんせーだったら
木山「…ふむ、やはりあの娘(美琴)は好きな相手に素直になれない、ツン…ツン…ツンなんとかだったか。
それにしても、相手のあの男子生徒(上条)はなぜこうも鈍感なのだ…あんなにもわかりやすいのに。」
※冷静に状況分析。しかし基本的に介入することはない。
☆御坂10032号(御坂妹)だったら
御坂妹「…ここ最近、お姉様があの方への想いを自覚されてから、素直でない割りに距離を狭めようと必死なので
ミサカは危機感を強めます…しかし、今のところ相変わらずあの方が途方もないぐらい鈍感なので、ミサカは
緊急性はあまり無いと自らを落ち着けま…あ、しかしそれは同時に私の想いも届き難いという事なので、やはり
ミサカも今より更に頑張っていかなければなりません、とミサカは決意を新たにし、行動に移します」
※やや冷静じゃない状況分析。介入しようと行動開始。
★食蜂操祈だったら
食蜂「あらぁ?御坂さんってやっぱり恋する乙女なのねぇ…私の改竄力は通用しなくてつまんないけど、
こっち方面から弄ってみると面白いのかなぁ?♪ うん、興味わいてきたし行動開始しちゃうゾ☆」
※楽しそうに状況分析。タチの悪い介入をする模様。
☆土御門舞夏だったら
舞夏「ふむふむーやっぱりみさかは上条当麻のことが好きなのかー…上手くいくように手助けすべきか、
それとも面白く弄って周りも絡めてドロドロにすべきか…どっちも興味ありすぎて迷うぞー……」
※ぜひ手助けしてあげてください。
★鳴護アリサだったら
鳴護「美琴ちゃんの想い、ぜひ届いて欲しいなぁ…この二人をイメージした曲を作ったら、
少しは二人の後押しになるかなぁ…? 二人にぜひぜひ幸せになってもらいたいなぁ…♪」
※曲の完成をお待ちしております。
☆青髪ピアスだったら
青ピ「んなっ!?あの“常盤台の超電磁砲”までもがカミやんの事を…しかもめっちゃ可愛ぇ!
……ふふっ、こりゃ明日のホームルームこそはしっかりカミやんに灸を据えなきゃやなー」
※なんと理不尽な
★美鈴さんだったら
美鈴「うーん、コレあっても無くても美琴ちゃんの気持ち丸わかりだからつまんなぁ〜い!
このペンダント、私より当麻くんに渡したほうがよっぽど面白いんじゃないかしらぁ?」
※さすが母。
☆美琴たんだったら
美琴(な、な、なんでみんなに私のアイツへの気持ちがすっかりバレているのよ!////
そしてどうしてアイツはまったく気付いてないのよ!どういうことよコレは!!!)
※貴女の接し方のせいです。
★上条さんだったら
上条「ん?何だこのペンダントは――
パキィィィィィン
上条「――ゑ?コレなにか異能の力が仕込まれてやがったんでせう?」
※「そげぶ」っちゃいました
・
・
・
・
・
美琴「あ、居た居た!ちょっとアンt――
上条「おう御坂。ちょうど良かった」
美琴「――って、え?…な、何よ?」
上条「いや、コレお前にどうかな?って思ってさ。
俺が使うより女の子のお前が持つ方が良いだろうしさ」
(ちょうど仕込まれてた異能の力も消え去っただろうし)
美琴「(お、女の子…///)ま、まぁせっかくだし貰っておくわ。あ、ありがと」
上条「どういたしまして」
美琴「……いま付けてみていいかな?」
上条「ん?あぁどうぞご自由に」
美琴「…ど、どう、かな?////」
上条「お、おう…似合ってるぞ?(やべぇ、何この可愛いのは。本当にこいつ御坂か!?///)」
美琴「……////」
上条「……////」
※続編はありません
以上です。長編の続きが予想以上に難航してます(汗)
年内に完結出来れば良いんですがねぇ…←
どうも、おひさしぶりです。
>>くまのこさん
シリーズお疲れ様ですGJ!
お帰りお待ちしております
>>久志さん
小ネタ良かったです。左天さんと上条さんと美琴さんの所がツボでした。
長編も楽しみに待っております!
さて、小ネタ投下します
小ネタ 箱の中身は何だろな〜?
左天「ちょいとちょいと、そこのお兄〜さん」
上条「ん?俺?」
左天「そうですそうです」
上条「上条さんに何の用ですか?」
左天「いやいや、ちょっとしたゲームにチャレンジしてほしいんです」
上条「ゲーム?」
左天「これです」
左天は布を取り払う。そこには大きな箱があり、その上に少し小さな箱が乗っていた。
左天「この小さな箱の中に手を入れて、手探りで箱の中身を当ててもらうゲームです」
小さな箱の上には手が入るくらいの穴が開いている。
上条「・・・・・」
怪しさ満点のゲームにいぶかしむ上条。
左天「心配しなくても危険な物は入れてないですよ」
上条「しかしな・・・・・」
左天「正解者には賞品がでますよ」
上条「やりましょう!」
はりきって右手を箱の中に入れる上条。
上条「ん?何かさらさらとした手触りが・・・・」
何度も撫でてみる。まるで人の髪の毛の様な感触だ、そして丸い。
手を横の方に移動する。柔らかい何かに手が触れた途端、
「ふにゃ!?」
何か小さな声とともに箱が僅かに動いた。
左天「声だしたらダメですよ!」
上条「おい!もしかして箱の中身って・・・・人?」
左天「それだけじゃ正解にはなりませ〜ん。誰だか当ててくださ〜い」
上条「んな無茶な・・・」
とにかく撫で回してみる。しばらくすると
パキン!と、右手が何かを打ち消した。
上条「このお馴染みの打ち消す感覚・・・・まさか・・・御坂美琴?」
左天「ピンポーン!大正解です!」
小さな箱を取る左天。
そこには耳まで顔を赤くした美琴の頭があった。
上条「はいーーーーーー!?」
知らなかったとはいえ、美琴の頭をさんざん撫でまわしたのだ。上条が焦るのも無理はない。
左天「それでは正解した上条さんには御坂さんをプレゼントしちゃいま〜す」
上条「なあ!?」
左天「私は帰りますので、このままお持ち帰りしちゃって結構ですから。ばいば〜い」
上条「おい!ちょっと待て・・・・どうすんだよ・・・」
とりあえず箱の中から美琴を出すことにする。
美琴はすっかり蕩けきっていた。
上条「しっかりしろ、御坂」
ぺちぺちと頬をたたく、しかし美琴はふにゃふにゃのまま
美琴「ふふふ・・・・ふにゃあ・・・・」
と、蕩けたままだった。
END(ひでぶ)
以上です。
オチが弱かったかなーと少々反省。
ではまた。
む、シラボネさんにそこはかとなくネタ<ラブコメな作風変化が?
今までネタ>>>>>ラブコメ風味でしたからね
色んな作風、頑張って下さい
こんばんは。767と同一人物です。スレの埋めがてら短編を投下しようと思いますがそのまえに
>>くまのこさん
完結おつかれさまです。次はどんないちゃネタでくるのか非常に楽しみです
>>久志さん
みこっちゃんだけ心の声を聞かれるのはなんだかかわいそうです。というわけで上条さんVerはまだですか
>>シラボネXさん
やったあ!シラボネさんのラブネタきたこれ!これでかつる!あ、あと細かいようですが「佐天さん」ですよ
そして、このスレに短編を投下するのは二回目なので、今回よりましろぷーどと名乗らせてもらうことにします
次レスより4レス分になります
寒い冬が終わり、暖かさに釣られて硬いサクラの蕾もほころび始める季節。
学校からの帰り道。御坂美琴は猛烈な腹痛に襲われていた。
「(うー、痛い。いや、痛いのはいつものことなんだけど、さすがに今回はいつもより痛いかもしんない……)」
少々訂正が必要だった。今彼女が感じている痛みは、正確に言えば腹痛ではない。
月のモノ、女の子の日など、人それぞれによって多様な表現方法があるが、医学的に言うと月経、分かりやすく言うと生理というやつである。
女性である以上は、約月1回の周期でこれが訪れるのだが、今まさしく美琴にこれが訪れていた。
そして美琴はこのときに併発する痛み、生理痛がかなり重い部類に入っていた。
痛む期間は長くないものの痛みは強烈で、生理痛によって寝込むことはしょっちゅうだったりする。
そして今、美琴はその強烈な生理痛に襲われながらも常盤台学生寮を目指して歩いていた。
だが今回は普段よりも一層痛みが強く、立っているのすらしんどくなってきていた。
「(あー……頭痛までするのは久々かも……)」
ズキズキと血管が激しく脈動しているような、そんな痛みが美琴のこめかみを中心に広がってゆく。
暖かくなり始めたとはいえ日が陰れば一気に冷え込むし、風はまだまだ冷たい。
そんな中にいるにもかかわらず、美琴の額には汗が浮かぶ。
「(黒子に、迎えに来てもらおうかな…?)」
自分を慕う後輩にSOSを訴えようと携帯電話を取り出す。
生理痛ごときで呼び出すのもかわいそうかと思ったが、今回ばかりはちゃんと寮にたどり着けるかもあやしい。
携帯電話のカーソルを、美琴の後輩である白井黒子の電話番号へと合わせる。
そして発信ボタンを押そうとした瞬間、美琴は強烈なめまいに襲われた。
両足を踏ん張ってなんとか踏みとどまろうとするが、強い頭痛と目の奥がフラッシュを焚いたようにチカチカするせいで平衡感覚を失ってしまう。
「っ……ぁ……」
足がもつれるままに美琴の体は傾き、そのまま地面と衝突せんと倒れこんでいく。
ぶつかると思いながらも何も出来ずに、美琴は目を瞑って襲い来る衝撃にそなえた。
しかし美琴の体が受け止めた衝撃は硬い地面の感触ではなく、暖かくも柔らかい何かだった。
「(……あ…れ…?)」
そしてその何かは美琴の体を力強く抱え込む。
「――、――――! ――――、―――――! ――!!」
同時に何か慌てたような声が聞こえるが、今の美琴にはその声の主が誰なのかも、何を言っているのかも理解できなかった。
ただ、自分の体をしっかりと支えてくれている何から伝わってくる温もりが心地よくて、安心できて。
「(なんか、もう…いいや)」
痛みは治まらないどころかさらに強くなり、意識を保つことも難しくなってきていた。
この痛みに逆らって意識を保たせることがバカらしくなった美琴は、痛みに流されるままに意識を手放すことにした。
額を覆うヒヤリとした温度。頭の下にある柔らかい感触。全身に篭る温かさ。
そして優しく前髪を梳かれる感覚に、美琴の意識は唐突に浮上した。浮上する意識そのままに美琴は目を開く。
「お、気が付いたか?」
美琴の目に映ったのは、視界一杯の想い人の姿。すなわち、上条当麻。
「ふぎゃあああああああ!!!!!」
「うぎゃあああああああ!!!!!」
そのあまりのサプライズに、思わず美琴は絶叫した。
それにつられて上条も大きな叫び声を上げた。もっとも、上条が叫んだ原因は美琴が無意識の内に漏らした電撃なのだが。
「おまっ! いきなりビリビリすんじゃねえ! 上条さんは一応倒れたお前を介抱してやった恩人なんですよ!?」
この仕打ちはあんまりじゃねーか! という声と共にパキン、といつもの電撃を打ち消される音と感覚。
しかし今回はどうも打消しがワンテンポ遅れたらしく、上条は涙目な上に若干煙を噴いている。少しだけ美琴の電撃を食らってしまったようだ。
「わ、悪かったわよ! でも! アンタがいきなり近くにいたからっ!?」
勢いに釣られて起き上がった美琴。そのまま謝罪と言い訳をしようと口を開いていたら、再びめまいに襲われて言葉が途切れてしまう。
「おい! お前倒れたって言っただろ! 起きたばっかなんだから暴れないで大人しくしとけって!」
ふらりと上半身をふらつかせた美琴を見た上条は、慌てて美琴を支えようと両手を添えるが、その両手はちょうど彼女の胸を包み込んでしまった。
「…ん?」
上条は両手のひらで感じた柔らかさに疑問を感じる。
いくら女の子である美琴の体が男の自分より柔らかいものだとしても、これはちょっと柔らかすぎないか? と
その柔らかさの正体を確かめるべく、上条は手に力を入れてそれを握ってみる。否、力を入れたり抜いたりして揉んでみる。
「あっ! ちょ、バカ! やめっ!……んぅ、はあん!」
いきなり上条に胸を揉まれた美琴は急いでそれを止めさせようとした。
しかし体に力が入らない上に、上条の右手に触れられているせいで電撃を生み出せない。
遠慮なくグニグニを胸を揉まれて何か変な気分になってきた美琴は、自分でも思っていないような声を出してしまう。
そして、その声によって上条は己が何をしたのかようやく気付いた。
「あの、御坂さん。これはその、決してやましい気持ちはなかったわけでして…」
気付くと同時に光の速さで両手を離す。
離したついでに双方を頭上へ持って行き、降参のポーズをとって美琴に対する悪意や邪気は無いとアピールしてみる。
だが、乙女の体を弄んだ者に与えられるのはいつだって極刑と相場は決まっている。
「くたばれエロ野郎!!!!」
顔を真っ赤にした美琴の涙ながらの電撃が辺り一帯に炸裂した。
「――んで、たまたま俺が通りかかった時にお前がぶっ倒れたわけだ」
あれから数分。
周辺を黒焦げにした乙女の電撃はヒーローすらもこんがり焼き上げたのだが、このヒーローは体が頑丈なのが売りである。
美琴が無意識ながらも手加減していたのも要因の一つだろうが、上条はものの数分で普通に喋れる程度に回復していた。
その後再び体をふらつかせた美琴を横に寝かせ、上条は美琴が倒れた時のことを話していた。
それによれば、遠目に美琴の姿を見つけて声を掛けようとしたらしい。
だが、明らかに様子がおかしかったが故に急いで駆け寄ったところ、そのまま倒れこんだので、慌てて受け止めたらそのまま気絶してしまった。
なのでとりあえず、とあるお嬢様が蹴飛ばす某自販機のあるこの公園まで運び、意識が戻るまで介抱していてくれていたというわけだ。
なるほど、上条に抱き止められたから痛くなかったのかと美琴は思った。
「(あれ? 抱き止められた? それって…)」
その意味を理解した瞬間、美琴の顔はトマトのように真っ赤になった。
「おわ! 大丈夫か御坂!」
公園に運び込んだ時と同じく、膝枕をして(二回目は美琴にだいぶ抵抗されたが)美琴を介抱していた上条は、いきなり顔を赤くした美琴に驚く。
熱を測ろうと右手を額に近づけた瞬間、パキン! と幻想殺しが能力を打ち消す音がした。
「お前な! こんな時まで漏電するんじゃありません!」
全く! と右手で美琴の額をピタリと覆う上条。
そんな彼を見上げながら美琴は弁明の言葉を探すが、思考が混乱しすぎていて上手く言葉を選べない。あうあうと目を回しかけていたら、
「あー、そっかー」
と何か納得したかのように上条が息をもらした。
「な、なによ! なにがそっかーなのよ!」
「いやさ、よく考えたらお前今体調悪いんだもんなー。体調悪いんなら漏電したって仕方ねえよなーって思って」
悪かったなー、と額にくっつけたままだった右手でぐしゃぐしゃに美琴の髪を撫で回す。
「ちょっ! やめなさいってば! 髪が乱れる!」
首を振って避けようにも上条の膝の上では逃げ場が無く、されるがままに頭を撫で回される。
そうしてすっかり髪がぐしゃぐしゃになる頃、上条はようやく手を止めて呟いた。
「調子が悪い時ぐらい休んだって、罰は当たったりしないぜ?」
その悪い子を叱るような、聞かん坊を諭すような声音をむずがゆく思った美琴は、苦し紛れに反論する。
「…しょうがないじゃない。月に1回は必ずあるんだから。いちいち休んでちゃキリがないわ」
上条は最初、美琴の言葉の意味が分からなかったが、少し考えればすぐに分かった。
「そっか。女の子だもんな」
上条が吐き出したこの言葉に深い意味は無かった。
しかし美琴はドキリとした。だって、自分を女として見ていないんじゃないかと散々疑っていた相手が、その疑問を覆す発言をしたのだから。
そして上条もまた、今になって、己の吐き出した言葉について考えていた。
「(そうだ。御坂も、女の子なんだ……)」
それから。
症状が落ち着いた美琴を常盤台寮まで送り届けて。
連絡もなしに帰りが遅くなったせいで白い同居人からお叱りを受けた後、上条は夕飯の準備をしながら今日の出来事を思い返していた。
「あいつもあんな顔するんだな…」
それは美琴の寝顔についての感想だった。公園に運んで横にした直後は、それはそれは苦しそうな顔だった。
しかしハンカチを濡らして汗を拭ってやり、額に当てて冷やし始めた頃から徐々に苦痛の色は消えていき、起きる直前は穏やかな顔つきになっていた。
その顔は、いつもの勝気なものや凛としたものとは違い、安心しきった様子でへにゃりと頬を緩ませた、なんとも可愛らしいものだった。
「いや〜。しかしアレはなかなか可愛かったなぁ…」
あんな可愛い女の子が身近にいたなんて、つい先程まで上条は自覚していなかった。
公園で美琴を介抱していた時に呟いた自分の言葉。その言葉が自分に浸透した時、上条は自分の鼓動が早く、強くなるのを感じた。
もしかすると、この感覚は、この感情が……
以上です
尻切れトンボごめんなさい。このあとの文章は出てこなかったのでここでおしまいです。
また甘い上琴にできなかったよ無念。ではー
>>ましろぶーどさん
月の日かー。私そういうのって、体調が悪くなるぐらいしか知らないので、そういう事を書ける人はすごいと思います(小学生並の感想ですいません)
上条が気になっていく過程もとてもわかりやすく、見習いたい部分がたくさんです。
2時間も経ってませんが今夜中に投下したいので。
「あれ、寝てる?」
まだ9時前だが、スヤスヤと机にうつ伏しながら寝ている上条の顔を覗くのは御坂美琴。今は上条の彼女である。
美琴は上条の手にある携帯が開いてある事に気づいて、画面を覗いた。
それは学園都市SNS『ロンドネット』あの騒動から数カ月経ったが、未だに人気は衰えていないらしい。
そのロンドネットの中には、黒髪と青髪、金髪の三人のキャラが映っていた。そのキャラの一人から、吹き出しが出てきた。
『カーミやーん?』
どうやら、反応が無くて気になっているみたいだ。
上条を起こさないように、ゆっくりと上条の手を解き、携帯を取り出した。
(で、でも勝手にやって良いのかしら?)
そう考えている間にも、上条を気に掛けるコメントが表示されていく。
少々負い目を感じながらも、美琴は携帯のボタンを押した。
『アイツなら寝てるわよ』
『誰だお前は。カミやんはどうした!?』
『ま、まさか彼女!?』
もしかして、やってしまったのではないかと美琴は思いながらも、ポチポチとボタンを押し、画面の向こうの二人と会話を始めた。
『そうだけど、聞いてないの?』
『聞いてないぜい!!』
『まったくカミやんも隅に置けないなー』
(何で私の事言ってないのよ。何も疾しい事なんてないじゃない!!)
『ん?もう9時近いけど、もしかしてお泊りやないのか!?ツッチー!今すぐ突撃するんや!!』
(ヤバい!!)
早くしないと見つかってしまうかもしれないと、慌てて隠れる場所を探す。
(押し入れ……は駄目。すぐに見つかる。ベッドの下、は当然入れない)
他の選択肢を考えるが、ことごとく見つかる結果しか考えられなかった。
もう駄目かと思ったが、携帯の画面には。
『にゃー。悪いが、今は出かけててにゃー。突撃しない代わりに彼女さん、俺達の質問に答えてくれんかにゃー?』
(……助かった)
そう安心しながら、質問に答えるくらいいいだろうと、美琴は了承した。
『いいわよ』
『じゃあまず、名前は?』
(さ、さすがにこれは)
『それはさすがに。特定されても困るし』
『そうか。じゃあカミやんのことは何て呼んで、カミやんには何て呼ばれてるのかにゃー』
『私からはアンタとか、あの馬鹿って呼んでる。アイツからは普通に名前で』
『どうしてカミやんを名前で呼んであげないん?』
『だ、だって恥ずかしいし』
『恥ずかしがってちゃあかんぜい!!』
(ふぇ!?だ、駄目なのはわかってるけどやっぱり……うー)
金髪のキャラに突然説教をされ、少し取り乱してしまった。
一度深呼吸をし、気持ちを落ちつけて画面を見つめる。
『カミやんが名前で呼んでるなら、彼女さんもカミやんを名前で呼ぶべきだぜい。それにカミやんにばかりしてもらってる事とかはないかにゃー?』
(アイツにばかり……?)
そういえば、と美琴は思い出してみる。
(うっ……た、たしかに)
『何か、私に出来る事はないかしら』
『こういう時はやっぱり、カミやんの耳元で「当麻♡」ってっ囁くんだぜい!』
『な、なんやて!?ちくしょうカミやんの奴』
『む、無理無理無理!!』
『カミやんを喜ばせたくないのか!?』
『で、でもやっぱり……』
『なぁ、カミやんを起こさなくてもできる事はあるんじゃないんか?』
『どういうことだ?青髪』
『たとえば頭を撫でるとか』
『珍しく青髪が良い事言ったぜい!!』
『珍しくは余計や!!』
(あ、頭を撫でるか)
相変わらず、スヤスヤと吐息を立てながら眠る上条。
今なら上条にも、ばれない。
(わ、わからないなら私だって!!)
優しく、上条の頭を撫でた。こうしてじっくり上条に触れるのはこれで二度目だ。
『な、撫でたわよ』
『どうだった?』
『く、癖になりそう』
『さすがにカミやん羨ましすぎる!!』
『落ち着け青髪。カミやんは起きないか?』
『うん。まだゆっくり寝てる……可愛い』
『彼女さん、今ならカミやんも聞いていない。「当麻♡」って言うんだにゃー!!』
『う、で、でも』
『今を逃したら、もう駄目かもしれないんだぜい。それでもいいのか?』
『よ、良くない』
『じゃあやるべきだぜい!』
もう一度、上条に目を向ける。彼はまだ起きていない。
(い、今なら)
一言。たった一言『当麻』と呼べば良いだけなのだ。
きっかけさえ作れれば、後はなし崩し的に呼べるようになるはずだ。
頬を熱くさせながら、美琴は口を上条の耳元に近づけて、口を開く。
「っ……と……当麻♡」
(きゃー!言っちゃった言っちゃったどうしよう!!)
美琴はリンゴの様に顔を赤くさせながらブンブンと首を振った。が、とある言葉でその動きも止まってしまう。
「……やっと、名前で呼んでくれたな」
ゆっくりと、顔を上げた。
彼女が見たもの、それは頬を少し赤く染めた上条の姿であった。
「アンタ、いつから」
「美琴が『当麻♡』って呼んでくれた所で」
美琴の顔が今まで以上に、深紅に染まりながら、バチバチと前髪から火花が散った。
「今すぐ忘れォぉおお!!!」
「ふふふ、ビリビリなんて――――」
上条に電撃が聞かない事など、今までの経験から解っていた。
だから放ったのは電撃ではない。
「――――ぐほっ!!!」
上条の腹を狙っての、力一杯のストレートパンチであった!!
上条は力を失い、床に倒れ込んだ。
「わ、私もう寝る!!」
そう言って美琴は上条をそのまま放置してベッドに飛び込んだ。
もしかして、あの金髪に良いようにからかわれていただけではないかと、彼女は布団に包まりながら考えていた。
以上です。
余談ですが私、昨晩初めてこのスレでミコッちゃんをからかう佐天の気持ちがわかりました。
乙ッ!!
どうも、・・・です
まずは、
シラボネXさん
>>955
まーたーかー
救急隊員さん、それ、もう捨てていいよ。
ピッチャー冥土返し、今全力で、匙を、投げた――――!!
>>979
佐天、見事なり!!
プレゼントされたんだ、さっさと持って帰れ
そしていちゃいちゃしてシラボネXさんに新たなネタを提供するんだ!!
くまのこさん
>>960
なにやってんだ30代
そして相変わらずイチャイチャしてんなー、
血反吐吐く旅掛さんの未来が見える!!
>>971
さすがのラスト!!
ニヤニヤしない場面がなかった!!
麻琴ちゃんいいこだねー、えらいねー
久志さん
なぜ異能の力にしたしそのペンダント
そうじゃなきゃ美琴の気持ちにも気付いて……おや? 大丈夫っぽいですな
上記の乱入者がなければ(笑)
ましろぷーどさん
おい、カミやん、その行動はおかしすぎる(笑)
でも、別にいいよねー、すこししたらしょっちゅういちゃいちゃすんだろ?
それでこの問題も解決でしょ(笑)
はりねずみさん
あ、カミやんまた寝た
楽しそうでなによりだバカップルコノヤロー
青ピ、ヤル時は言ってくれ、協力する!!
さて、投稿しますが、
最近忙しいので、そろそろこのスレからお暇します
さいごの作品です
それでは
目が覚めた。
そして隣にあいつはいない。
みそ汁のいい匂いが食欲を刺激するということは、
なるほど、台所か。
今日の第一声は決めているのだ。
どんなリアクションをするのだろうか?
気付いたのならきっとすぐにふにゃるだろう。
家電の命のためすぐさま抱きしめねば。
気付かないなら怒りだすだろうか?
いや、へたをすれば泣きだしそうだ。
その前には抱きしめますけどね。
そうして、台所への扉をあける。
なかなか会心の出来である。
きっとアイツも喜ぶだろう。
間抜けな顔して眠っていたが、
もうすぐ起きてくる頃だ。
今日の第一声は決まっているのだ。
どんな表情をするのだろうか?
気付いたのならきっと照れたような恥ずかしそうな笑顔をしてくれるはずだ。
すぐに抱きしめて行動してくれるようなやつじゃないし。
気付かないならどんな顔をするだろう。
アイツなら泣きながら身を引きそうね
その前には私から抱きしめてあげよう。
そんな時、扉が開いた。
顔を見合わせた二人はすこしして同時に言う。
「「大っきらい!!」」
四月馬鹿とはよく言った物である。
ということで、うっそでーーーーす
日付またいで見てる人、ごめんね!!
また次スレでもよろしくお願いします
私は上琴なんて大嫌い(笑)
それでは埋めをよろしくお願いします
ageてすみませんでした
上
条
美
琴
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