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マゾーン

1MET:2005/08/11(木) 23:56:17
紙のように燃える女性型植物系異星人。
「宇宙海賊キャプテンハーロック」に登場する敵です。
数あるやられキャラの中でも
相当に特異な存在だと思います。

2MET:2005/08/12(金) 01:00:37
今となっては絶対にありえない…

それはツインシスターの乳首。

3Soldatin:2005/08/12(金) 21:17:26
マゾーン板、ゾルめが先陣を承りますw
>ツインシスターの乳首
ほんの2〜3秒、アレは「おねぇちゃん」ですね。
壮絶な乳首でした。

41:2005/08/13(土) 03:40:50
胸を先端まで晒しながら散った女性悪役って
この他にはシャーマンのヨナメ様だけでしょう。
しかも「銀河子守唄」は作画がかなり良い。

5名無しさん:2005/08/14(日) 01:57:26
TV版のマゾーンは大抵が卑怯卑劣な描かれ方をしていて少し残念。
でも一方でそれが萌えポイントにもなっていて、
結果的に原作よりやられキャラとして魅力的になってると思います。
怪我の功名ってところでしょうか?

6名無しさん:2005/08/15(月) 11:06:26
>>2
原作者が乳首を描き込まないのをデフォルトにしていますから、まさにあれはアニメだけの表現でしょうね。

>>5
ツインシスターなんかも、まゆを人質にとってハーロックをおびき出そうとする作戦自体卑怯なのですが、単に卑怯なだけではない。
最後は命を捨てた特攻攻撃を仕掛けてもハーロックを倒そうとする、戦士としての執念は見あげたものです。

しかし間一髪取り逃がし、パンモロ、乳首まで晒して絶叫を上げながら全裸で爆死という描写は凄い。
こういうエッチな格好の女戦士が捨て身の特攻攻撃を仕掛けるも果たせず、恥態を晒して最期を遂げるという描写が私にとっては女やられのキモです。

71:2005/08/16(火) 01:56:54
ツインシスターは軍人系やられの典型でしたね。
でも原作のジョジベルみたいなキャラはいなかった。

アニメ版で他と毛色の違ったのは、たとえばキリカのような娘もいましたが
より普遍的なマゾーン戦士なら41話に登場した司令が印象的です。
マゾーン艦隊最後の司令として登場し、
旗艦を除く僅かな残存部隊を率いてアルカディア号に特攻をかけました。
被弾しながらも彼女の艦だけどうにか辿り着き、
「全能なるマゾーン、女王ラフレシアに栄光あれ!」と叫びながら突っ込むも
ギリギリでかわされあえなく撃沈。
ツインシスターと似た展開ですが、こっちは珍しく健気な雰囲気でした。
思うに彼女は、主だった将が死んでしまった為に
急遽大任を任されたのかも。
クレオやカサンドラに比べて普通っぽいというか、”うぶ”な感じを受けます。
でも彼女、”マゾーン司令A”なんですよね(笑)。
艦隊指揮官で名前無いって可哀想。
彼女の悲鳴炎上シーンが無かったのは理解できる配慮ではありますが、
やっぱりちょっと残念です。

8名無しさん:2005/08/16(火) 08:17:52
マゾーンの艦って一発くらっただけで大爆発なのに、
アルカディアって何発くらってもビクともしないよなぁ。
なんか光線の威力も明らかに違うし、100対1でもマゾーンに
勝ち目はないって感じ。
いくら子供向け番組とはいえ、設定的に無茶苦茶な希ガス。
まぁその『超弱さ』も含めてマゾーンの魅力なんですがw

9Soldatin:2005/08/16(火) 15:35:16
海賊船たった一艘に煮え湯を飲まされるとは、女王陛下の責任問題ですねw。
古今東西、この手の敵は冒頭で質量ともに圧倒的優勢でも、ラストではこてんぱんにやられてしまいます。
ガミラスも似たりよったりでしたし、、。こういう設定のオリジンは、昔のアメリカ戦争映画にあるのでしょうか。
そこに出てくる「圧倒的優勢な」ドイツ軍も、凡そマヌケで徹底的にヤラれて、主人公の活躍に花を添えます。

さておき、そのお陰様で、轟沈マゾーン艦内の状況を妄想させていただくネタに事欠かぬわけですが、、、w。

10名無しさん:2005/08/16(火) 21:28:09
いったい何十万人の『紙のように燃える女』が宇宙の塵と消えたのでしょね。
あぁ、もったいない…

111:2005/08/16(火) 22:37:03
ヒーロー物の文法で戦争を描いてるので
ああいうありえないキルレシオになるのは仕方ないんですわ。
しかし>8さんも仰るように
そういう極端なキルレシオやワンサイドっぷりも
ザコやられの魅力を支える重要な要素ですな。
これはマゾーンに限った話じゃありませんが。

普通に艦隊戦なんかやれば銀英伝みたいになるし
それでは子供にアピールしない。
だからヤマトやアルカディア号は
”ヒーローメカ”でなければならないわけです。
子供向けってわけじゃないけど
「スターシップオペレーターズ」なんかは
その辺りの問題に今風の解決を試みたんじゃないかとも思いますよ。

121:2005/08/16(火) 22:49:04
>>9
ガミラスのやられっぷりもなかなか凄くて、
たとえばコスモゼロの機銃でガミラス艦が簡単に撃沈されたり(笑)。
ヤマトの武装は波動エネルギーによる支えがあるにしても
艦載機は関係ないでしょうよ(笑)。
そしてあの伝説のドメル艦隊!私は目が点になりましたよ。
ある面ではマゾーンを超えてるかも。

13名無しさん:2005/08/16(火) 23:43:32
>>10
もったいないけれども、彼女たちの亡骸は炭素だから”宇宙にやさしい”。
それより気になるのはあの途方も無い数の艦船の残骸。
シャレにならん量のデブリになると思うんですけど…。

14Soldatin:2005/08/17(水) 01:00:20
>>12
男ばかりでしたのが痛恨の極み。
>>10 13
勿体無いけど、儚く美しくやられて欲しい。
嗚呼、この屈折したジレンマがタマリマセンw。

151:2005/08/17(水) 23:29:17
>>14
>男ばかりでしたのが痛恨の極み。

女に差し替えて妄想しましょう!

>嗚呼、この屈折したジレンマがタマリマセンw。

そう、そのジレンマを受け入れられるか否かが
真のヤラレスキーかどうかの分かれ道w

16名無しさん:2005/08/18(木) 20:19:16
原作の方はマゾーン艦の重武装化がどんどん進み
かなり際どいファイヤーバランスになってましたね。
艦載機がアルカディア号の装甲を脅かしたりしてたし。
ピラミッダもアニメよりずっとかっこいい。

17名無しさん:2005/08/19(金) 00:46:05
「死を恐れない」とか「心を捨てた」とか言ってるくせに
すぐに逃げ出すあのヘタレぶりはなんだ?

18名無しさん:2005/08/29(月) 09:05:16
だがそれがいい!

19名無しさん:2005/08/29(月) 21:12:00
うむ。

20名無しさん:2005/09/02(金) 13:19:07
ハーロック達がマゾーン暗殺団になって、どこかの男の彼女になっていたり、ファッションモデルになってたりの潜入マゾーンを次々と射ち殺してしまうシーン。たまらなかったです。
もしかして地球人の女は本当はみなブスで、美人のお姉さんはみんなマゾーンじゃないかと妄想ふくらまして見ました。

21名無しさん:2005/09/02(金) 13:46:42
松本キャラの美少女戦士系って体にフィットしたレオタードみたいなコスが多いよね。
そういえば、999のアルテミスはマゾーンにクリソツだった。

22Soldatin:2005/09/03(土) 00:14:08
>美人のお姉さんはみんなマゾーンじゃないかと妄想
そうそう、私も「彼女が実はマゾーンだった、、、」と妄想して楽しんでおりました。

23名無しさん:2005/09/03(土) 10:52:08
彼女がマゾーンだったら…、というかマゾーンが彼女になったら…。
潜入しているマゾーンだから、任務とはいってもしっかり彼女として振る舞うのでしょうね。マキ機関長の奥さんになったアキみたいにつくしてくれるんだろーな。
そこらのワガママ女と違って親身にいろいろと気遣うのでしょう。
と、妄想が広がってしまいます。僕ならマゾーンだとわかっても気付かないフリしてしまいます。

24名無しさん:2005/09/03(土) 18:34:24
というか魔地はアキとの間に子供(ミドリ=パトラス)までもうけたんだけど、
それでもバレなかったてのはなぁ…
ゾルバとルシアみたいに双方承知の上ならともかく
”違和感”とかないわけですか??

25名無しさん:2005/09/03(土) 19:37:06
違和感全然ないです。ゾルバとルシア、悲しい最期でしたが仲むつまじくうらやましいかぎりです。

26名無しさん:2005/09/03(土) 19:45:29
そういえば、ハーロックとスノーラとミーメの三角関係の話がありましたよね。
宇宙人がどうのという話ではなく、女は恐いという話に見えました。

27名無しさん:2005/09/03(土) 19:52:50
いや、僕はマゾーンという宇宙人ゆえの異質な美女というところにそそる物が。違和感があるがゆえの未知のエロスにひかれます。

28Soldatin:2005/09/03(土) 21:44:49
マゾーンと懇ろになるということは、究極のフェチ道かも知れませんね。
それに、古くなったり飽きたりすれば、接木か挿木でもすればリニューアル出来ちゃう、、とか。

29名無しさん:2005/09/03(土) 21:59:21
つまり肝心な部分の造りは地球人、マゾーン、トガーガ共通と?

亜希は出産するときどうしたんでしょうね?
「実家で産む」とか言って?
それよかマゾーン配下の産婦人科がある方が現実的ですね。
で、例の博物館みたいに医師、看護婦が全員マゾーン。

30Soldatin:2005/09/03(土) 22:37:38
ヒューマノイドが宇宙における普遍的な進化形態であると乱暴に仮定して、、
人類とトカーガはおおよそ共通。マゾーンは擬態しているわけですから、やはり共通w。

>博物館みたいに医師、看護婦が全員マゾーン
亜紀の出産シーン@マゾーンクリニックですか、、。
何かの機会に映像化してみたいですなあ、、コレw。

31名無しさん:2005/09/04(日) 11:03:08
地球に潜入したマゾーン。潜入して誰かの彼女になって健気に男につくすマゾーン。
いつマゾーン暗殺団がやってくるかわからないのに。そのときまでただひたすら、か弱い女の子として振る舞うマゾーン。ああ、妄想が…。

32マゾーンは広大な宇宙の牧人:2005/09/04(日) 11:08:34
>ヒューマノイドが宇宙における普遍的な進化形態

地球人もトガーガ族もマゾーンによって進化・発生させられた種だから
そこにある種の共通性があっても不思議じゃない
というより造物主である自分らに似せて造ったのでしょう。

33名無しさん:2005/09/04(日) 11:49:31
もしかして、楊貴妃もクレオパトラもかぐや姫も、浦島太郎の竜宮城の乙姫様も、みんなマゾーンだったのだろうか。マゾーンは偉大だなあ。ああマゾーンの虜になるー。

34名無しさん:2005/09/04(日) 12:43:21
博物館で蛍にやられた秘書のマゾーン。矢田亜希子に似ていたなぁ。
矢田亜希子、後藤真希、奥菜恵…、スタイルがよくてロングへアーもしくはセミロングの芸能人。本当はマゾーンかもしれない。
というかマゾーンのコスプレさせて銃を持たせて「死ね!地球人!」と言わせてみたい。

35名無しさん:2005/09/04(日) 13:22:20
アキが出産するときはどうしたんでしょうね。
それに加えて魔地とのエッチから妊娠、お腹が大きくなり出産。子育て。
全部潜入マゾーンの演技とすると、下手な風俗嬢やすぐやる気をなくして離婚する女優よりすごい労働だなと思います。
エッチに関してはマゾーンであることをバレないためにすごい演技をしているのかそれとも本当に感じちゃったりしているのか。スノーラやルシアみたいに本当に好きになっちゃったというのもあるから真相は深い闇の中ですね。

36名無しさん:2005/09/04(日) 13:34:17
マゾーンコス、欧米ではあるらしいが…
オバいラフレシア様しか見たことない…

マゾーンの場合
行為の疑似体験くらい、た易くさせられるから油断ならない。
一服持って眠ってる間にとかありそう。

37名無しさん:2005/09/04(日) 13:44:27
彼女になっているマゾーン、ファションモデルになっているマゾーン、美人秘書になっているマゾーン、そして芸能人になっているマゾーンもいるだろう。
ということは風俗で働くマゾーンも。うーむ行ってみたい。
眠らせて催眠の中でエッチという解釈はどうだろうか?やはり偉大なマゾーンだから実際エッチしてみせてるのが潜入マゾーンらしい気がする。

38名無しさん:2005/09/04(日) 13:57:27
つまり、潜入マゾーンは、セクサロイドとしても訓練されているわけですね?
彼女になったり奥さんになったりしてるわけだからその辺の対処もできるようにしてるかも。

39名無しさん:2005/09/04(日) 14:28:15
そういえばツインシスターは服装が風俗嬢そのものだった。やられるときは服がビリビリと破れてオッパイポロリでパンツも見えた。

40名無しさん:2005/09/04(日) 16:30:45
そのパンツもちょっと破けた、あのままいけば…

ところでマゾーンにとって着衣ってどうなのか?
どうも全裸で恥じることのない風だし。
光合成という点からも裸が有利。
母星ではヌーディストが基本だった?

41名無しさん:2005/09/04(日) 16:52:26
ハーロックと台場が南米のジャングルに入ったとき、木から現われたマゾーン達はみんなヌードだったね。
これ実写だったら何百人ものかわいい女の子に囲まれているわけだよね。
またそれを容赦なく射ち殺していくハーロックと台場。性的サディズムを感じます。

42名無しさん:2005/09/04(日) 21:03:08
潜入マゾーンが暗殺マゾーンになるときはきまって黒のフード付マントを着ているけど、マントの中はヌードっぽいよね。それとも下着ぐらい着てるのかな。
でも着こなしを見ると中はヌードに思えるのだが。

43名無しさん:2005/09/04(日) 21:21:49
さすがに地上波アニメじゃ描かれなかったが
原作でヤッタランにマッチ放火で始末されたとき
はっきりと全裸っぽかった。

パッと羽織って出動できるから合理的だ。

44名無しさん:2005/09/05(月) 01:14:59
まるきり唐突な質問なんだけど

ハーロックのまゆのテーマ(オカリナで吹いてるやつ)と
キカイダーのジローのテーマ(登場のときにギターで弾いてる曲ね)って

同じ!?

45名無しさん:2005/09/05(月) 13:09:18
同じかどうか、聴いてみないことにはわからないなぁ(・・;)

46:2005/09/05(月) 16:02:08
出だしの高低の順序は似てますね
テンポや音階は違うと思うけど

47Soldatin:2005/09/05(月) 20:39:57
>42
黒マントちゃんの下はスッポンポン、、というのがどうやら大勢のようですね。
個人的には黒い下着、着ていてほしいような、、。
>44
言われてみると、確かにチョット似ていましたね。
ハーロックとNHK大河ドラマ「国盗り物語」の劇中ナレーション時に流れるBGMの雰囲気も似ていたような記憶があります。

48名無しさん:2005/09/05(月) 22:35:56
マゾーンの同人誌とかないのかなあ(・・)。潜入マゾーン、黒マントマゾーン、マゾーン戦闘員の日々を描いた同人誌あるといいなあ。
潜入マゾーンであることがバレてやられてしまう話。
バレないで彼女として平和に過ごすマゾーンの話。
ハーロック最終話で潜入マゾーンが全滅したと思われたが、実は少数だが細々と様々な職業について生活している生き残りマゾーンの話。
地球に移住できなかったその後のマゾーン戦士達の話。
そういうのあるといいなあ(・・)

49名無しさん:2005/09/05(月) 22:55:21
「奥様は魔女」をパロって「奥様はマゾーン」なんてあるのもいいね。

50名無しさん:2005/09/06(火) 00:25:33
マゾーンの地球侵略計画はもうちょっとなんとかならなかったのかな?
潜入マゾーンが地球人の男達に色仕掛けできたんだから、それをもっとやればよかったのに。
まず、正式に地球政府と各種条約を締結して、仕事、観光などを理由に堂々と地球に入国する。
マゾーンは美女ばかりだから男達をメロメロにする。そして結婚して国籍取得。
マゾーンの数が増えると当然危機感をもつタカ派が騒ぐがマゾーンはその美しさで味方につける地球人を増やしてロビー活動もする。
そして選挙でマゾーンに有利な法案を通す。
ハーロック達は武器を持たない者を殺せないから手を出せない。
どうですか?この方法。

51名無しさん:2005/09/06(火) 00:48:01
>>48
ペナント破壊されたからって土着マゾーンまで死ぬのはおかしい。
よって例の密林組などは大半が生き残っているのではと推測。

52名無しさん:2005/09/06(火) 00:57:40
>>51
そういえばそうだよね!ペナントが地球に来る前からマゾーンはいたんだよね。
あ、そうだ。密林だけじゃなくてペナント来る前は都市にもマゾーンはいたよね。魔地の奥さんやってたアキがそうだ。

53名無しさん:2005/09/06(火) 13:15:11
>>34
俺的には中島美嘉がマゾーンに似ている。ロンゲで体をクネクネさせて歌っているときの姿がなんとなく植物生命体的。顔も松本キャラ的。

54名無しさん:2005/09/06(火) 13:19:14
>>34
俺的には中島美嘉がマゾーンに似ている。ロンゲで体をクネクネさせて歌っているときの姿がなんとなく植物生命体的。顔も松本キャラ的。

55名無しさん:2005/09/06(火) 13:22:08
あれ??連投になってる?ごめんなさい。

56名無しさん:2005/09/06(火) 13:42:02
>>28

>マゾーンと懇ごろになる

考えただけでムラムラしてきます。攻殻機動隊のセクサロイドとマゾーン、どちらを選べと言われたらマゾーンを選びます。
地球人とは違う別世界の妖しい魅力にひかれます。
マゾーンと懇ごろになったらもちろん毎日『マゾーン暗殺団vs潜入マゾーン』ごっこをして仲良く遊びます。

57名無しさん:2005/09/06(火) 14:31:48
私の選んだマゾーンやられシーンベスト5(※ほぼ単体ものだけ)

1位 シラク…勝利を確信しフフフと笑みを浮かべるシラクの後ろから台場が狙撃、ほぼ同時に前からハーロックに撃たれ絶叫して絶命。

2位 ツインシスター…自ら特攻したにもかかわらず絶叫しなが乳首とパンツをさらす。

3位 博物館の館長に化けたマゾーンとその秘書…蛍に撃たれ壁にへばりついて恍惚とした顔で昇天。同じく秘書も昇天。

4位 アルカディア号に侵入したマゾーン白兵戦部隊の隊長…切田長官に後ろからオッパイをわしづかみにされたあげく部下に射殺される。

5位 ファッションモデルのマゾーン…大勢の観客の前でクルリと回ってポーズを決めた瞬間、台場達に射殺されステージ上で青い炎に。

58名無しさん:2005/09/07(水) 22:08:44
性生活以上に食生活ってごまかしようがないとないと思うんだけど
どうしてるんだろうか?
マゾーンは植物だから食事は不要でしょ?
女王陛下が酒を飲む描写があるけど
あれは吸水の延長と見るのが自然だし。

59名無しさん:2005/09/07(水) 23:20:40
>>58
>マゾーンは植物だから食事は不要でしょ?

「だろう」という仮定から「です」「でしょう」という結論のだし方はどうなんでしょうか?
仮説→証明→結論というのが論理の手順と思います。
それと仮想世界の話ですから設定はいかようにも自由にできるはずです。

60名無しさん:2005/09/07(水) 23:53:00
>>57
まあ、地球上にだって実際、食事をするというか、
動物を栄養分にする植物だってあるからねえ。
例えば、モウセンゴケ、ウツボカズラ、北米産のサラセニア、
そして南米産のケロニア…おっと!これは失礼。
マゾーンだって、あれほど人間型になれば、
エネルギーを大量補給しないと活動に支障をきたすだろうし、
自ら食事をとって栄養をとるようになったと仮定しても、
別に違和感はないんじゃない。

6160:2005/09/07(水) 23:54:21
>57じゃなくて、>>58 初歩的ミス。 すみません。

62名無しさん:2005/09/07(水) 23:55:47
いや、べつにケチをつけてるわけじゃないんですけど…
「設定はいかようにも」言われたら話がそこで終わってしまいます。

63名無しさん:2005/09/08(木) 00:22:10
あと、公式設定では光合成を行うと明言してるし。
アニメ、原作を問わずドクターゼロが「消化器無い」と仰ってます。

まあ例えば食虫植物とか
葉緑体を持たないミドリムシの仲間(完全に摂食専門)もいるんですけど、
それより作中にマゾーンの食事シーンが一切ないことや
(アニメではツインシスターとか例外があるんですが)頭髪がみな一様に長い。
あれは”葉”にあたる部分で、やはり光合成に頼っているのかなと。

余談ですが、ドクラスに突入したときマスさんが
「台所はどこかねえ、マゾーンて何食べてんだろうね?」と言ったとき
けっこう期待しちゃいました。

64名無しさん:2005/09/08(木) 00:22:51
>>60
ケロニアかぁ、なつかしいなぁ、スレ違いだけど。
でもケロニアも植物生命体で文明を持っているからマゾーンと比較するのもおもしろい。
そういえばケロニアは吸血性だったよね?

65Soldatin:2005/09/08(木) 00:22:59
>56 57
やはり女とは似て非なるモノゆえそそられるのでしょうか。
マゾーン暗殺団vs潜入マゾーン、、、このテーマ、すごく萌えます。
博物館の秘書のオネーチャンとか、「モッサリ」と評されたりあまり人気がないのすが、個人的には好きでした。
あと、、あのファッションモデルですね。赤いドレスとハイヒール、、儚く素敵でした。

マゾーンちゃんの栄養について、、
コッソリ人目を忍んで「メネデール」を飲んでいる、、、。
これが、私の確信的妄想ですw。

66名無しさん:2005/09/08(木) 00:33:24
>>63
それは知っていますよ。ドクター・ゼロがマゾーンは哺乳類のように脳細胞、骨格、内蔵を持っていないという説明シーンがありました。
しかし、マゾーンが地球に潜入して地球人と一緒に生活していたというのも作品の中で描かれていますので。
ひとつの仮定にこだわって別の事実を取り上げていないのは「人間と生活するときに食事が問題」という結論としては無理があるように思えます。

67名無しさん:2005/09/08(木) 00:41:26
>>64
マゾーンはさすがに血は吸わないにしても
酒類がOKならけっこう融通が利きそうですね、そのあたりは。
水溶液から栄養分を摂取する分はあるでしょう。

>>66
いや、だからそれで「マゾーンだってラーメンなんか平気で食うよ」と言っちゃったら
それはそれでまあ「そうですね」とか言いようがないんだけど…。
でもそれならたとえば”排泄”も人間と全く同じ?

68名無しさん:2005/09/08(木) 00:43:42
マゾーンの生態とか文明にはまだ不明なところが多いと思います。
原作者、テレビアニメ制作スタッフも明確に設定していない部分というのはあるし矛盾もあるしで。
そのミッシングリンクみたいなところはファンが自由に考えてたり解釈していいんじゃないでしょうか。
話がちょっとはずれてしまいますが、仮想世界というのはそういう不明部分からの妄想、空想があることで広がりがありおもしろいと思うのですが。

69名無しさん:2005/09/08(木) 00:52:26
そうそう、矛盾だらけだからネタにし易くて面白いと思うんだけどな。
というかセックスはありなのに
なんで食事だとここまで拒絶反応を起こされるのでしょうか?

70名無しさん:2005/09/08(木) 01:00:33
>>69
マゾーンが好きな人がけっこうたくさんいるんじゃないかなーという気がして僕はおもしろいです。
海外SF小説に登場する異星人について考証する本があったるするから、マゾーンを考証するのもまた楽しいかなと。そして自分なりのマゾーンの物語を創造するのもまた楽しいですね。

71名無しさん:2005/09/08(木) 01:10:18
>>67
>ラーメンを食べるマゾーン

いいなあ、一緒にご飯食べてくれるマゾーン。
二人切りで四畳半で。それは零士の大四畳半物語か。

72名無しさん:2005/09/08(木) 01:32:27
>soldatin様

女性形の宇宙人、あるいは宇宙人の女性に性的魅力を感じるというのは特に変わったことではなくて普通に潜在意識にあるらしいです。
SF映画を考察・紹介した本でそれに関したものを読んだことがあります。
海外でも「ある日、目の前に宇宙船が降りてきて中から美人のお姉さん宇宙人が出てきた。」なんてストーリーがあったり。
スター・トレックではよく地球人と異星人が結ばれてその間に子供が、なんて話がありますし。

73名無しさん:2005/09/08(木) 02:06:48
>>72
「異世界の美女の形をした住人」との恋愛なら、
アメリカのテレビドラマ「奥様は魔女」がそうだよね。魔女達は人間を下等な生物として見下しているけどサマンサは人間の男性が好きになり結婚する。
他にも日本の漫画「ああ、女神さま、」のベルダンディーは人間ではないし。
「キューティー・ハニー」のハニーはアンドロイド。
「コブラ」のコブラとアンドロイドのレディはいい大人の男女関係。
「銀河鉄道999」のメーテルも地球人ではないし。

74名無しさん:2005/09/08(木) 02:50:42
>>73
毎週月曜深夜に日テレで「V」という米SFテレビドラマを再放送している。
トカゲ型エイリアンが人間の「着ぐるみ」を着て人間の姿をして、しかも食事はうさぎ、ハムスターなどの小動物を生きたまま丸呑み。
ところがエイリアンの組織のずーっと下っぱの男性エイリアンが地球人の女性とできてしまう。
アメリカは多人種社会だからか、そういう話が多いね。

75名無しさん:2005/09/08(木) 11:36:07
>>65
マゾーン暗殺団vs潜入マゾーンごっこ
本当にマゾーンを撃ち殺すのではなくて、マゾーンと懇ごろにイチャイチャの関係になってプレイとしてやる。
なんとも萌える贅沢な遊びです。
そこでさらに妄想が広がりました。将来セクサロイドが開発生産されたらマゾーンタイプのセクサロイドを注文する。
外見はリアル女性ではなくアニメキャラに忠実に再現。

76名無しさん:2005/09/08(木) 13:45:29
秘書マゾーン、彼女マゾーン、奥様マゾーン、モデルマゾーン。
彼女達の普段は、すごくかわいく健気に仕事したり、彼氏の部屋にはずかしそうな笑顔で花を飾ってあげたりするんだろうな。
亜希みたいにすごく性格がよくて気をつかってくれるわけですよ。
言葉遣いもウブな感じを表に出しまくって。
ところがある時に、黒マント姿になって、いかつい銃を片手に「死ね!ハーロック!」とか言ってやられるために戦いに出掛けるわけで。
わざわざ死にに行くことないのにと。
やられたときは秘書マゾーンやサキ、モデルマゾーンがやられるときの前だか後だかにやられた潜入マゾーンみたいに絶頂に達したかのような顔で青い炎になる。
そのギャップが萌えます。

77Soldatin:2005/09/08(木) 22:55:09
>72さん
ちょっと話が横路氏ですが、、
女宇宙人といえば水野久美サン扮するX星人@怪獣大戦争、、よかったですなぁ。X星の統制官に撃たれて消失しちゃった、、。
他、UFOに拉致され検体にされた地球人の男が、検査中に宇宙人の女を見て勃起する、、という映画もありました(詳細失念)。
Vの女トカゲちゃんも素敵でした。
>75さん
マゾーンタイプのセクサロイドですね。私はリアルタイプ、キヴォンヌでww。
>76さん
「美しき謎の女」の回で、切田長官に接触しようとして撃たれて炎上してしまった黒マントちゃん、いましたね。波野サンの8ミリ(!)にその炎上シーンを残すことだけが目的だったw彼女。
きっと潜入先では、彼女のミミクリーな生活があったのでしょうね、、。波野サンに呼び出されて、「必死」のシナリオを聞かされて、痛切に萌えです。

78名無しさん:2005/09/08(木) 23:56:29
soldatin様

怪獣大戦争の女X星人、見ましたよー。消滅させるのに時間のかかる銃だなあと思いながら萌えました。
マゾーンも散るときは、もだえながら時間をかけて青い炎に変わるところをじっくりみせてくれたらさらに萌えます。

79名無しさん:2005/09/09(金) 00:17:43
soldatin様

そういえばブレードランナーで、特捜刑事デッカー(ハリソン・フォード)が女レプリカントを見つけて射殺するところ、潜入マゾーンを処理していくハーロック達とダブって少し萌えました。

80名無しさん:2005/09/09(金) 13:08:36
>>77
Vの女トカゲちゃん、金髪でかわいいですな。Vの女トカゲ司令も美女で、まるでマゾーン司令のような振る舞いですな。

81名無しさん:2005/09/09(金) 13:17:10
>>77
マゾーンに似せたセクサロイドはだめなんですか?なぜですかー(・・;)
話し方も細かなしぐさもすべてマゾーンでもだめなんですか?
それだったらこういうのはどうですか?リアルの女の子の形をしたセクサロイドにマゾーンのコスプレをさせるというのは?
なにがなんだかわからなくなってきましたが…w

82Soldatin:2005/09/09(金) 15:42:11
おっ、凄いですな。
マゾーン・スレ、シャーマンちゃんを抜いて現在堂々の単独首位ですゾ。
>78さん
女X星人、、マゾーンの雰囲気満点でしたよね。みんな久美サマの顔だったし、、。
女レプリカもよいですね。やはり惹かれるのは、共通した「形骸」美なのでしょうか。
>80さん
Vのトカゲの女司令官(名前失念)、コスチューム越しに下着の線が透見していて結構素敵でした。
「嗚呼、これがマゾーンだったら」と思いながら、トカゲちゃんのヤラレを密かに期待していたのですが、、w。
>75,81さん
すみません。説明不足でした。
私の場合、折角3Dのマゾーンちゃんといちゃつくことができるなら、リアル形がいいかな、、という
スケベで貧しい発想に支配されておりまして、、、。「リアルの女の子の形をしたセクサロイドにマゾーンの
コスプレ」のセンが近いでしょうかw。私のマゾーンイラストもスタートは原作にストリクトだった
のですが、最近は「リアルさ」を追求するあまり、なにやらスケベ小説の表紙絵風になりつつありますw。

83名無しさん:2005/09/09(金) 19:18:33
>Soldatin様

Soldatin様のホームページを見たことがあるのですが、マゾーンの同人誌を作られているのでしょうか?
もしマゾーンの同人誌があれば購入したいのですが、在庫、注文方法などはホームページを見ればわかりますでしょうか?

84Soldatin:2005/09/09(金) 22:34:39
>83さん
拙宅にもおいで頂いたのですね。有難うございました。
誠に申し訳ありませんが、私は同人誌を作っておりません。
私もどなたかそういった物をお作りの方がいらっしゃったら、是非拝見したいなァと思っておる次第です。

85MET:2005/09/10(土) 00:59:13
>>64
マゾーンの進化を辿ってワイアール星人みたいだったらやだなぁ…。

86名無しさん:2005/09/10(土) 11:09:27
>>77
切田長官に射殺されてしまった黒マントのお姉さん。それまではどんな潜入生活をしていたのかそそられますよね。
たぶん彼氏がいたりして、妄想すると、お姉さんはデートして「ウフッ、今日も楽しかったわ。」と笑顔をふりまいて彼氏にスリスリしてくっついて歩いていくような楽しい毎日。
ラブホにも行って「ウフフ、今日のあなたはすてきだったわ。」と言って。その日のデート終了。
そのとき波野に呼び出され、波野「おまえの明日の任務は切田に射殺されることです。」と命令されると、お姉さんは「はっ、おうせのままに!」とマゾーン戦士の表情にかわる。
翌日、彼氏の自宅でイチャイチャ。お姉さん「ちょっと出掛けてくるわね。」とニコニコして出掛け黒マントに着替え任務につく。

87名無しさん:2005/09/10(土) 11:25:48
>>77
続き

黒マントに着替えたお姉さんは前日に波野と打ち合せた通り、待ち合わせ場所で切田長官を待つ。
黒マントで口もとを隠し「ホホホ、あたしが射殺されれば地球はマゾーンのもの。」と笑みを浮かべる。
ねらい通り切田長官がやってきてお姉さん、また黒マントで口もとを隠し「さあ、はやくあたしを殺すのです。フフフ。」と独り言のように小さくつぶやき、その瞬間を待ちわびる。
そして切田長官はまんまと罠にかかり、お姉さんに銃を向け引き金を引く。お腹の真ん中をビームが貫き、
お姉さん「アウッ!!…全能のマゾーンに栄光あれ!…ぎゃひいぃぃぃ」と青い炎となり命を散らす。

88Soldatin:2005/09/11(日) 01:46:30
>86.87さん
す、素晴らしい、、、、。
思わず、DVDを見なおしてしまいましたw。
しかも、このシーン、波野サン撮影で異なるパンの8ミリ画像があって、1回で2度オイシイです。

89名無しさん:2005/09/11(日) 11:37:19
>>88
そうですよね。そのシーン見ました。それでまた続きができました。

黒マントお姉さんが青い炎となり絶命。切田長官は汚らわしい物を見るかのような目付きで黒マントお姉さんが灰になるのを見とどけてから司令部に戻るのだった。
その一部始終を隠れて撮影し終わった波野が姿を現し、まだ燻り続けている黒マントお姉さんに近づく。
炭化しほとんど灰になってしまった黒マントお姉さんの変わり果てた姿を、確かめるように軽く踏みつけた波野は「よくやりました。マゾーン戦士として立派な最後だわ。」と冷ややかな目で灰を見つめる。
「でも…」と波野は炭化した黒マントお姉さんに話し掛けるようにつぶやく。
波野「せっかく死んでもらったのに悪いけど、あなたは切田に殺されたのではなく、わたくしに殺されたことにしてもらいます。」と灰を踏み付けていた足のきびすを返しそこから立ち去るのだった。
人気のなくなったそこには、先程まで黒マントお姉さんだった木炭のような物と灰が残され、ときおり風が吹き付け、灰を舞い上がらせていたのだった。

90Soldatin:2005/09/11(日) 20:38:50
>89さん
この世には常住なモノなどは一切ないのですが、マゾーンの散り際は無常感一入ですね。
喩えようもないほどの形骸美とあはれ瞬時に引火炎上する化学的脆弱性、、
風に吹かれて舞い飛ぶ名残の灰、、、。
やはり灰の描写まであってナンボですよね、、マゾーンって。

91名無しさん:2005/09/11(日) 21:33:57
>Soldatin様

なんか下手な小説になってしまいましたが気に入ってもらえたでしょうか?
「マゾーンが好き」派の深層心理をくすぐるように書いてみたのですが。なんだかマゾーンは奥が深いですね。
「キャプテン・ハーロック」のただのヒーロー物とは違う全編にただよう無常感と、999のメーテルなど、松本零士が描く独特の美女キャラの妖しい魅力がマゾーンをさらに引き立てているように思います。

92名無しさん:2005/09/11(日) 21:48:23
>Soldatin様

できればもうひとつ潜入黒マントマゾーンの話を書きたいです。
ストーリーは、最初はキャプテン・ハーロックのどのシーンにリンクしているかは説明せずに書いてみたいです。
最後にSoldatin様がよく知っているシーンとリンクします。
なんだか妄想が込み上げてしまいましたww

93名無しさん:2005/09/12(月) 11:38:16
MET様

ワイアール星人ですか。植物系宇宙人の典型ですね。
ワイアール星人を出すのなら、
ウルトラQのジュラ
ウルトラマンのグリーンモンス
ジァイアント・ロボのサタンローズ
そして海外映画「人類SOS」の人食い植物もありかと。

94Soldatin:2005/09/12(月) 23:11:40
91.92さん、
楽しみにしております^^)/ 。
いつになるかはわかりませんが、私も黒マントちゃんの紙芝居風短外伝を作ってみたいと思っています。
ところで、不躾にお聞きして申し訳ありませんが、黒マントの下はスッポンポン派ですか?w。
MNLさんから拙宅へリンクして下さってあります。もし宜しければどうぞお遊びにいらして下さいませ。

METさん、93さん
ワイアール星人って、ウルトラセヴンにでてきたパセリみたいな奴でしたっけ?
グリーンモンスの最期は炎上でしたね。
植物と言えばマグマ大使の人間モドキ、、。
看護婦サン(年増の主任クラス?)に摩り替わったヒトがいまして、
ガムの熱線銃をあびて溶けてしまったように思います。
リアルOA時に見たきりで記憶が怪しいですが、。

95秋霖:2005/09/13(火) 00:17:10

>Soldatin様

レスがしずらいようなのでハンドルネームをつけました。季節がら「秋霖」とつけました。
さっそく黒マントちゃんの話を書かせていただきます(^^)v。
もちろん黒マントの下は素裸に違いないと信じております。
黒マントの下にも何か着ていると言ってしまったら、潜入マゾーンに暗殺されてしまいますw

96秋霖:2005/09/13(火) 01:45:59
chapter1

地球政府の首都、その首都中心近くの地区に総合病院がある。その病院の巨大な建物は一見未来的なデザインだが飾り気がなく、どことなく冷たく粗雑な外観で、人類社会が荒廃し黄昏た時代に入っていることを象徴しているようだった。
その病院の数多くある病棟の一室に勇は入院していた。勇は小学校に入って間もない歳だが、長い間ベッドの上の入院生活が続いていた。
勇は窓の外をボンヤリ見ながら「あーあ、今日も来なかったなー…」とため息まじりにつぶやいた。
その時、部屋の扉が開き、一人の看護婦が入ってきた。
「あ!ミサちゃん!」、勇の顔が笑顔に変わる。
「はーい、検査の時間ですよー。」、ミサは、勇の体にケーブルを通して繋がれている検査機器をチェックし、持っているシートに記入した。
「勇君、調子はどう?今日もお母さんはお見舞いに来なかったの?」とミサは心配した表情で、勇の顔を覗き込むようにして聞いた。
この看護婦のミサは、潜入マゾーンだった。

97秋霖:2005/09/14(水) 13:24:56
>>96
chapter2

ミサのかけた言葉に勇は「うん…」とまた元気のない顔にもどりうつむいた。
ミサは「きっとお母さんは今日も忙しいのよ。」とあやすようなやさしい声と表情を見せる。
勇「ねえミサちゃん…」。
勇は、看護婦のミサのことを入院当初は「看護婦さん」とか「お姉ちゃん」と呼んでいたが、入院日数がたつにつれて二人は会話を通して仲良くなり、いつしか「ミサお姉ちゃん」に変わり、今では「ミサちゃん」と同年代の友達と話すときのように呼んでいた。勇は病院の看護婦、医師達の中でもミサのことをとりわけ慕っていた。
ミサは「なーに?勇君、」と少し笑顔をつくり返事をする。
勇「僕いつになったら退院できるの?」
ミサ「もう少ししたらたぶん具合がよくなって退院できるかもしれないわね。お母さんが来れなくても、あたしが毎日勇君に会っているけど駄目?」
勇「うん、駄目じゃないよ。この前一緒にテレビゲームして楽しかった!」と再び勇の顔に生気がもどったように笑顔が出た。
ミサ「明日は、あたしは非番だから、また一緒にテレビゲームしましょうか?」と美しい笑顔で勇をつつむように言った。
勇は元気よく「うん!」と返事をした。
ミサは心の中でつぶやいた「地球人というのは同胞を大切にしないのか。愚かな生命体だな。こんな脆い社会の生命体にラフレシア様は何故手古ずるのだろう。地球人はマゾーンの敵ではないわね。」、ミサは笑顔で勇を見つめていた。

98秋霖:2005/09/14(水) 22:31:22
>>97
chapter3

ミサは、緑色がかったあまりよく揃っていない長い髪、目蓋には青色系のアイシャドー、体はファッションモデルのようにほっそりと華奢で手足も小枝のように細く長く。
肌は、やや肌色がかったすきとおるような白くうつくしい容姿をしていた。
総合病院の中でも目立つ美人であったが、しかし、マゾーンの中では平均的な容姿だった。
ミサは戦士になったばかりのころに地球に潜入したが、長い期間、地球人の社会から遠く離れた、誰も立ち入らないような深い樹海で、木に擬態し一本の大樹と同化していた。
そこで日々を過ごし、同化している大樹と共に干からびようとしていたある時、マゾーン司令部から都市で潜入活動をせよとの命令が下りたときには、ミサはやっと戦士らしい任務につけると意気が上がった。
ミサは、戦士になる為の訓練中に地球人についてレクチャーを受けていたが、生の地球人の社会を見るのは初めてで、都市に潜入したときは他の潜入マゾーン達のコネクションで看護婦となり、この総合病院で勤務する生活を送り続けていた。

99秋霖:2005/09/14(水) 23:33:01
>>98
chapter4

ミサは潜入生活を続けていくうちにある疑問を持つようになった。
マゾーンは地球に移住する為には、今繁栄している人類が脅威となっているとレクチャーされていた。
しかし、ミサの目には、地球人の社会は、科学技術が発展し食料も豊富にあるが、一人一人の心理は空洞化し疲れきっており、人間同士の繋がりが断裂して既に終焉をむかえていると映っていたのである。
「今なら、我々潜入マゾーン軍だけで、人間達を降伏させ地球を征服することなど造作もないことなのに。」ミサは確かめるように心中でつぶやいた。
ミサはまた元気をなくしかけている勇にやさしく語りかけた。「明日はまた来てあげるから、テレビゲームで遊ぼうよ。そうしたら淋しくないでしょ?」
勇「うん!じゃあ、明日待っているよ。」
ミサ「それじゃ、まだここにいたいけど、他の患者さんも見なければいけないから、夜寝る前にまた来るわね。」
勇「ねえミサちゃん、いつもいい匂いがするけど香水つけてるの?」
ミサは一瞬答えに困り「フフ、香水はつけてないわよ。」と笑顔で返事をしが、それはマゾーンの体から自然に発する香気だった。
しかしミサはいい匂いがすると言われて何故か悪い気はしなかった。
「じゃ、またあとでね。」とミサは落ち着きをよそおいながらもほんの少し足早に部屋を出た。

100Soldatin:2005/09/14(水) 23:41:58
秋霖さん、こんばんは。
どのような展開となるのでしょうか、、。楽しみです。

名無しの黒マントちゃんそれぞれに世を忍ぶ仮の名前があったんですね。

101秋霖:2005/09/14(水) 23:56:28
Soldatin様

こんばんは。期待を裏切らない展開にしようと思います。さっき読み直したら脱字がひとつありました(泣。書き間違いもないように気を付けます。

102MET:2005/09/15(木) 00:06:41
お、100レス超え一番乗りおめでとうございます。

103秋霖:2005/09/15(木) 00:10:37
MET様

ありがとうございます。勝手に短篇小説を書いています。申し訳ないです。

104Soldatin:2005/09/15(木) 00:33:47
>マゾーンの体から自然に発する香気
おお、これいいですね、、、いい!
マゾーンは所謂「女くささ」は発しない「無体臭」であると、勝手に決め付けていました。
ウッディアロマな香気ですか、、?(また、勝手に決め付けているw)
なんかこうフェチ心をくすぐられますね。素敵です。

105秋霖:2005/09/15(木) 14:14:07
>>99
chapter5

ミサが部屋を出ていくのを、勇は見守っていた。部屋に自分以外誰もいなくなると、勇はまたため息をつき、窓の外を再び見ようとしたが、視界にある物を見つけた。
ベッドの白い掛け布団の上に1本の長い糸が落ちていた。手を伸ばして取り、目を凝らしてよく見るとそれは明かりを反射して緑色にうつくしく輝いていた。
勇「ミサちゃんの髪の毛だ。」
ミサは病棟の冷たいコンクリートの廊下を、次の病室に向かって歩いていた。すると前の方から一人の若い医師が近づいてきた。
ミサ「あら、日垣先生」とにこやかに挨拶すると、
日垣「ミサちゃんは、随分と勇クンと仲良しなんだね。子供が好きなのかい?」と話し掛けてきた。
ミサは勇が「ミサちゃん」と慕う呼び方とは違い、日垣の「ミサちゃん」という呼び方には何か強引なところと見下した意味が含まれているように感じた。
と同時にミサは「おそらくこの男は、あたしの、マゾーンの美しさの虜になろうとしているのだろう。フフフ…」と潜入マゾーンとして状況を分析していた。

106秋霖:2005/09/15(木) 14:55:18
>>105
chapter6

日垣は長身で顔も端正であり。他の看護婦達の注目の的だったが悪い噂もたびたびあった。
その日垣の医師としての職務とは違った馴々しい態度の質問に対し、ミサは「フフ、子供は好きですよ。それに、勇君は家族の方がお見舞いになかなか来ないのです。それでほぼ毎日、元気になってほしいから勇君に会っています。」と答えた。
日垣「患者さんの気持ちまで考えてあげるなんて、ミサちゃんはやさしい女の子なんだね。」
ミサは日垣を見つめ、青色系のアイシャドーをした目蓋を妖しくまばたきして笑顔で答えた。日垣の首筋に薄らと汗が少し滲んでいるのをミサは確認した。
日垣「ところで…。ミサちゃん。今夜一緒に食事でもどうかな?僕がおごるよ。」
ミサは「あたしでよいのですか?」とやさしく聞き返した。
日垣「もちろんだよ。君みたいな美しい女の子と食事をしていろいろと楽しく会話してみたいのさ。」
ミサ「では、今夜仕事が終わったら、よろこんで。」
ミサはおだやかな笑顔で承諾し、軽く会釈すると再び次の病室へ向かって歩き始めた。
ミサは思った、「フフフ、少し時間がかかったけど、あたしも地球人の男と関係をもてそうだわ。やはり地球人の男はマゾーンの美しさに弱いのね。」

107秋霖:2005/09/15(木) 15:51:41
>>106
chapter7

潜入マゾーン達は、長い地球の潜入生活の中で、地球人の男性と「恋愛」もしくは「性的関係」を持つことを一つの目的であり手段としていた。
なぜなら、都市で一人生活で仕事を続けるよりも、さらに男性と性的関係になることによって、より人間社会に深く潜り込み、様々な情報が得られたからである。
地球人の男性の恋人、愛人、妻になることは、ハイレベルな潜入活動であると、少なくともマゾーンはそう判断し、マゾーン司令部もそれを奨励していた。
実際、地球人の男性の「彼女」となったマゾーンは、他の潜入して一人生活をしている下級マゾーン戦士から一目置かれていたのである。
マゾーンを「彼女」にした地球人の男性は、マゾーンの美しさの虜になる者がほとんどだった。中にはマゾーンと知りながらも、美しいマゾーンとの性交の快感に酔い、マゾーンの下僕となる者も少なからずいた。
ミサは、地球政府首都に潜入してから「交際」する男性をまだ作っていなかった。日垣の「彼女」になることでマゾーン司令部からの見方も変わるだろうと考えた。そう思うとミサの顔に自然と笑顔が込み上げてきた。
午後の一通りのノルマが終わり、ミサは、自分のロッカーが置いてある更衣室に入った。
更衣室に誰もいないことを確認すると、ミサは、ロッカーの鍵を開け、奥から小さい通信機を取り出した。

108秋霖:2005/09/15(木) 20:49:45
>>107
chapter8

すでに外は暗くなり、どんよりと雲が低く垂れこめ、その雲間から月が輝いていた。
ミサは、ロッカーの奥から通信機を取り出した。
確認事項を読み、定期連絡を済ませたら勇の病室へ行くつもりだった。
通信機のパネルを見ると緊急通信の赤色のシグナルが点滅していた。
ミサは驚いて更衣室の入り口に出て、まだ誰も入って来ないことを確かめると、通信機を隠すように持ち回線を開いた。
小さなモニター画面に黒マント姿でフードをかぶったマゾーン上官の上半身が写った。顔を含めて容姿はミサとほとんど同じだった。
マゾーン上官「さきほど、わたくしたちはクスコ博士を暗殺しました。今夜は、クスコ博士と行動を共にしていた台羽博士の息子、台羽正も暗殺する予定です。これから警備隊本部の方へ向かいなさい。」
ミサは突然の事で戸惑いそうになったが、すぐに返事をした。
ミサ「はっ!ただちに台羽正の暗殺に向かいます!」

109Soldatin:2005/09/16(金) 00:55:35
おおお、、雷鳴とともに驟雨が降り始めるのでしょうか。

110秋霖:2005/09/16(金) 14:32:26
>>108
chapter9

ミサは、通信機の回線を閉じ、準備にとりかかった。ミサは通信機も持って行かねばとロッカーの中から別のより小型の通信機を取り出した。それは下級マゾーン戦士達に支給されている機器で、あまり性能はよくなかったが、これから急いで行くには今使用した物ではかさばると判断したのだ。
ミサは更衣室から出て、いつも通りの振る舞いで看護婦センターへ行き、早退願を提出した。今日のノルマはすべて済ませていたので、すんなりと受理された。
ミサは、一部を倉庫代わりとしてほとんど利用されていないひとつの病棟に向かった。
地球連邦政府の首都は高層ビルが乱立していたが、実際は使われていない廃墟と化したビルが散在していた。
その為、セキュリティーのいたるところに穴が空き、潜入マゾーン達は廃墟を利用し、たびたび破壊工作、暗殺計画のアジトにしていた。
ミサは周囲に気を配りながら病棟に入り従業員用エレベーターに乗り地下最下階まで降りた。エレベーターの扉が開くとそこは薄暗い小さな明かりがつき、埃が薄く積もり、いたるところに大小様々の配管が蛇の群れのように設置されていた。 この時代は30世紀だというのに、20世紀前半のくたびれた建物の様相だった。
ミサは「急がなければ…、台羽を殺さねば…、」とつぶやいた。

111秋霖:2005/09/16(金) 21:34:36
>>110
chapter10

ミサは配管だらけの廊下を奥に向かって足早に歩いた。
空室がいくつもあり、その中のひとつに向かって進んだ。後ろを振り返り、誰もついてきていないことを神経質そうに確かめるとその鉄扉を開け中に入った。
ミサは小さな弱い電灯を点けた。この部屋も埃が積もり、蜘蛛の巣がいたるところにかかっていた。部屋の隅に錆付いたロッカーがありミサはその扉を開け、中から黒マントとハンドガンの入った厚紙の箱を取り出した。
ミサは、薄暗いその部屋で看護婦の制服を脱ぎ始めた。上着を脱ぐとき、美しい緑色の長い髪がフワッと空中を舞う。ミサは服を脱ぎながら不安な表情を浮かべてつぶやいた。
ミサ「勇君はあたしが行かなくても眠れるかしら…、明日また会うからいいわよね。明日はたっぷり一緒に遊そんであげられるし…。」
ミサはブラジャー、パンツと身につけていた下着もすべて脱ぎ丸裸になった。
ミサは人間の女性ではないが、乳房と同じような物がやわらかく膨らんだ形をしてツンと先をはずかしそうに尖らせていた。そこに緑色の髪が数本引っ掛かるようにまとわりついていた。
薄暗い部屋の中で、マゾーンの美しい緑色の長い髪とすきとおるような白い肌が小さな電灯に照らされ輝いていた。

112秋霖:2005/09/16(金) 22:19:31
>>111
chapter11

ミサは、黒マントを着込んだ。マントの生地は厚くなく非常にやわらかくできていた。マントの上からミサの細い肩の形がシルエットのように浮き出ていた。
ミサは、頭にフードを掛け、顔が見えにくいように整えた。
小型通信機を懐にしまい、ハンドガンを手に取りエネルギーが充填されていることを確認すると黒マントの中に潜ませた。
ミサは、エレベーターを使わず階段で1階まで上がった。病院敷地裏の小さなゲートから出ることにした。
人がいないことを確かめフードを再び深くかぶり直し、マントの裾を引きずるようにして走り出た。
勇は窓の外をボンヤリ見ていた。
ふと下の小さな ゲートのところで何か黒い人影のような物が動いているのを見つけた。そしてそれが病院敷地外へ走り出ていくのを見た。
勇「なんだろう?!お化けかな?…きっとお化けだ!そうだミサちゃんに話そう!」

113秋霖:2005/09/17(土) 00:10:54
ここまでの話はどうでしたでしょうか。次のchapterは、19日月曜日に書く予定です。

114Soldatin:2005/09/17(土) 00:36:45
秋霖さん、お疲れ様です。
毎日楽しませて頂いております。それはもう、ドキドキしながら拝読しております。
徐々にテンションが高まってきております。頑張ってください!

115秋霖:2005/09/19(月) 02:33:10
>>112
chapter12

空にはどんよりと重たそうな雲の群れが垂れ込めていたが、その群れのすき間から満月が姿を見せていた。
ミサは病院のゲートを出て、走り急いだ。ときおり地面を削るように風が吹きミサの黒マントをなびかせた。しかしその独特の黒マントの形状を崩すことはなかった。潜入マゾーン達に支給されていた黒マントは、潜入活動で激しく動けるように、完全にではないがマゾーンの体に合わせて形状維持する性能があった。
ミサは遅れるのではないかと焦りを感じながら走った。ミサのかぶっているフードから美しい緑色の長い髪が少しばかり逃げ出し、吹き付ける風を切るようなミサの動きに合わせるようになびいていた。
ふと、ミサは今夜の日垣との約束について思い出していた。
ミサ「今夜の約束が反古にされても、日垣先生はきっとまた誘いにくるでしょうね。あたしの、マゾーンを見る目が少し尋常じゃなかったわ。だって地球人の男性は美しいマゾーンに弱いんですもの。ホホホ…」
ミサは、黒マントのフードを深くかぶり、その美しい笑顔にある口もとを、マントのかかった左手で隠した。
ときおり満月の光が、ビル群の間を走り抜けるミサの姿を照らし、潜入マゾーンの細く華奢でしなやかな体のシルエットを浮かび上がらせていた。

116秋霖:2005/09/20(火) 02:03:40
>>115
chapter13

ミサは、急ぎ焦る気持ちを押さえながら走り、小型通信機で受け取った司令に従い、警備隊本部センタービルから数百メートル離れたすっかり人気のない廃墟になっている一区画に来た。
満月は姿を隠していた。輝く星も姿を消し、空一面が暗黒で重く厚い雲におおわれていた。ときおり遠くの空が明滅し雷鳴が聞こえていた。
ミサが到着したあたりは、ほとんど暗闇に包まれていた。別の区画のビル群からの室内照明でわずかにビルの間の路地が確認できた。
ミサは、少し唇を力を抜いたように開き、不安な表情を浮かべた。
ミサは、かぶっている黒マントのフードの奥から、美しい目を光らせるようにして、何かを探すようにキョロキョロと動かし、あたりを見回した。
「こちらです。」
ミサにかける声がした。ミサは、声に反応して警戒し黒マントに潜ませたハンドガンのグリップを握り、その声がした方向を振り返り、暗がりの中を見極めようと見つめた。
そこには黒マント姿のマゾーンが一人立っていた。ときおり吹く風で黒マントがなびかせていた。
ミサは近づいていき、誰であるのかフードの中の顔を見つめた。
ミサ「シーラ様。」
ミサのマゾーン上官だった。

117秋霖:2005/09/20(火) 03:01:24
>>116
chapter14

現われたのはミサの上官であるシーラであった。
ミサとは違い、シーラは都市での潜入活動期間が長く破壊工作および暗殺の経験も豊富だった。
シーラの顔はミサとほとんど同じだったが目の輝きに鋭さがあった。
シーラ「他の部下達も集まっています。」
シーラとミサの近く、ビルの暗闇の奥から、一人、また一人と、黒マントのマゾーンが姿を現わし、近寄ってきた。
シーラとミサを含めて全員で6人だった。6人の黒マントは円陣をつくるようにして立って向き合った。
全員がみな緑色の長い髪、目蓋に青色のアイシャドー、少し肌色がかった透き通るような美しい肌で、体は細く華奢でしなやかな容姿だった。
シーラは状況を再確認しようと一人のマゾーンに聞いた。
シーラ「リナ、台羽正の様子はどうですか?」
黒マントの一人リナは一歩円陣に入り答えた。
リナ「警備隊本部に潜入している仲間の報告によると、台羽正は、現在、警備隊に拘束されています。」
シーラは、唇を軽く噛み、少し考えて支持を出した。
シーラ「わかりました。警備隊本部センタービルを取り囲み、時を待ちましょう。」
5人の黒マントの部下達は、口々に「はっ!」と返事をした。
シーラ達は警備隊本部センタービルへと向かった。

118秋霖:2005/09/21(水) 00:32:26
>>117
chapter15

空は重たい雲でおおわれ真っ黒となり、風が吹かなくなった。都市は静まり返っていた。
シーラとミサ、そしてもう一人のマゾーンは、警備隊本部センタービル正面玄関を見渡せる、向かい側の建物の影に潜み、警備隊本部の内部の様子をうかがっていた。
しだいに、空の明滅が強さを増し、雷鳴の音が大きくなっていた。
ミサはシーラにたずねた。
ミサ「いかがなさいましょう。突入しますか?」
シーラは正面玄関に鋭い眼差しを向けながら答えた。
シーラ「地球人の警備隊といえども、侮ってはいけません。落ち着くのです。」
ミサ「はっ!」
ミサは経験豊富で適確な判断を下すシーラを信じていた。
リナから通信が入ってきた。
リナ「…シーラ様、台羽は反逆罪により、収容所へ護送されるとのことです。」
シーラは目を細め、微妙に微笑んだ。

119秋霖:2005/09/21(水) 19:29:43
>>118
chapter16

警備隊本部には、秘書や情報管理などの職務に就いて、地球連邦政府の機密情報などをマゾーン司令部に伝えている潜入マゾーンが少なからずいた。
その警備隊本部内の潜入マゾーン達は、逮捕拘禁された台羽に関する情報を逐一速やかに、リナに伝えていた。
リナの、シーラへの通信が続いた。
リナ「…今夜中に、西方郊外にある収容所へ護送するとのことです…」
通信を聞き終えたシーラは唇を軽く噛み考え、心の中でつぶやいた。
シーラ「 台羽は、ハーロックとも通じている。地球連邦政府から反逆罪を宣告されたのなら、少なくとも地上にいることはできないわ。
収容所に拘禁された台羽を暗殺することは容易ではない。
それどころか…アルカディア号は、今は我らマゾーン艦隊と交戦中で、すぐには地上に降りてこないが、明日にでもハーロック達は台羽を取り戻しに収容所を襲撃するでしょう。
アルカディア号の戦力からすれば収容所の警備システムなど造作もないこと。」
警備隊本部の正面玄関から連行され、歩いているところを狙撃することも考えたが、シーラ達下級マゾーン戦士に支給されているハンドガンでは成功する可能性は低いとシーラは考えた。

120秋霖:2005/09/21(水) 20:17:00
>>119
chapter17

地球に潜入しているマゾーン下級戦士達に支給されていたハンドガンは、他の支給された機器同様に、性能のにやや問題があり、ターゲットを暗殺する時には、マゾーン戦士の技量にもよるが平均して10メートル以内に接近しなければならなかった。
したがって、射撃する時に、ターゲットに対してマゾーンの身をさらす危険が非常に高かった。
今までその為に反撃にあい命を落とした潜入マゾーンが多くいた。
シーラ達のグループも、今までそのハンドガンを使用していたがまだ仲間に犠牲は出ていなかった。
シーラは犠牲が出るような方法を嫌忌していたのである。
シーラの考えは続いた。
シーラ「警備隊の正面玄関とその広場では身を隠すところがないわ。
明日になれば台羽は降りてきたアルカディア号に乗艦してしまう可能性が高い。
そうすると今夜、台羽を乗せた護送車を、不意をついて襲撃するしかないわ。」
車両襲撃は、シーラ達のグループは得意としていた。シーラは決断しミサ達に言った。
シーラ「ここからでは台羽が出てくるところを狙撃するのは無理です。護送中の車両を襲撃し台羽を殺しましょう。」
ミサ達2人の部下は「はっ!」と返事した。

121名無しさん:2005/09/21(水) 20:59:04
>>120
chapter18

再びリナから通信が入り、護送車の特徴、護送方法、護送ルートの情報が入った。
警備隊内部の情報は筒抜けだった。
さきほどまではやや険しい表情だったシーラも、緑色の髪が数本たれたその美しい顔に、希望を見いだした微笑が表れた。
シーラは、警備隊本部センタービル周辺に散り、潜伏していた3人のマゾーンを呼び戻した。
6人のマゾーンは再びビルの暗闇に集まり、円陣を作って向かい合った。
ミサは、緊張した面持ちでシーラの顔をじっと見た。
シーラ「台羽を乗せた護送車は、センタービルからそのままメインストリートに入り、道なりに西へ向かいます。
乗っているのは、台羽の他に、運転手、下士官、兵士の計3人です。
ここから西へ、地球人の使う尺度で1キロのところに、道が狭くなり辺りが廃墟になっているところがあります。
そこで襲撃します。
リナ、メイ、サラはわたくしについてきなさい。ミサ、テスは、台羽が護送車に乗るところを確認し、わたくし達に知らせるのです。」
そのとき空に閃光が走り、大気を切り裂くような雷鳴が悲鳴のようにとどろいた。
稲妻は繰り返しひかり、隠れている6人の黒マント姿のマゾーンを照らした。
雨が降り始めた。

122Soldatin:2005/09/21(水) 21:25:25
こんばんは、お疲れ様です。
黒マントマゾーンは6人ですね。
「連邦博物館」に匹敵する人数です。
博物館の時にはアサルトライフル風のを持っているコが何人かいました。
アレはこの一件が「戦訓」になっているのかもしれませんねw。

123秋霖:2005/09/22(木) 16:42:31
>>121
chapter19

稲妻が近くに落ち、大きな雷鳴と共に雨が降り始めた。雨はすぐに強くなり、あちらこちらに水溜まりができた。
シーラは、ハンドガンを取出し点検した。
ミサは、今回の役目には必要はないと思いながらも自分のハンドガンを取出しエネルギーが充填されていることを確認した。
6人それぞれが装備を点検した。
ふとミサはリナを見る。リナはかがんで通信機を整備していた。しかしリナの通信機は支給された物とは形状が違っていた。地球人達が使っている物に近いようだが、地球製ではないようだった。
通信機を整備しているというよりは、ただいじりたくていじっているようにも見えた。リナは少し楽しげな表情を見せていた。
シーラ「さあ、配置につきましょう。」
外は土砂降りになっていた。
大きな雨粒が6人の黒マントに打ち付けた。
シーラは、リナ、メイ、サラの3人を率いて目的の地点へと向かい始めた。
ミサとテスは土砂降りの中、4人を見送った。
4人の中のサラがふいと振り返りミサとテスに言った。
テス「少しかかりましたが、今回の任務も朝になるまでには終わるでしょう。」
そう言ってサラはシーラ達に追い付こうと歩いて行った。
はげしい雨が地面を叩きつけ水しぶきがあがっていた。
シーラ達4人の遠ざかる姿はすぐに見えにくくなった。

124秋霖:2005/09/23(金) 02:59:46
>>123
chapter20

ミサは、暗殺の経験は1回しかなかった。しかもその1回はもう少しで命を落とすところだったのだ。
テスにいたっては、都市の潜入期間が短く、しかも今まで地球人を1人も殺していなかった。
シーラは、当初の計画通りならば、ミサとテスにも射撃をしてもらうつもりだった。
しかし、状況が刻々と変わり、車両襲撃を選択したことで暗殺や破壊工作、そして車両襲撃に慣れたリナ、メイ、サラを選び、経験の浅いミサとテスは見張り役として残したのだった。
ミサは思い悩むような顔をしてシーラ達が向かって行った方向を見ていた。
ミサ「シーラ様なら、失敗などせずに台羽を暗殺するはずだわ。…明日の勇君との約束…、テレビゲームで一緒に遊ぶ約束…、大丈夫、きっと明日は…、」
ミサは心の中でつぶやいた。
テスはミサの顔をうかがい言った。
テス「どうかしたの?」
ミサはボンヤリとしていた自分に気付きあわてて答えた。
ミサ「いえ、今夜の任務が早く終わりそうだから、潜入生活に戻るときのことを考えていたの。」

125秋霖:2005/09/23(金) 19:42:40
>>124
chapter21

激しく降る雨が、目的地点へ向かう4人のマゾーン、そして警備隊本部を見張る2人のマゾーンを襲った。
マゾーン下級戦士に支給された黒マントには保温性と防水性が備わっていた。
マゾーンは急激な温度の変化、特に冷却に弱かったのである。
その為、常に一定の体温を保つためには黒マントが必要だった。
しかし、土砂降りは容赦なく6人の黒マントに大粒の水滴を当て続けた。
黒マントは大量の水滴を浴び、はじめのころは水滴を弾いていたが、しだいに水分が繊維の中に染み込んできた。
ミサとテスは、警備隊本部センタービルの玄関前を見渡せる位置に隠れ、監視を続けた。
水分を吸収した黒マントは重くなり、監視を続けている2人の緑色の髪も、美しいシミひとつない肌も濡れて冷えてきた。
2人とも疲労と焦りの色が濃くなってきた。
ミサの顔は少し険しい表情に変わっていた。
ミサの頬を雨水が伝って流れ、細く華奢な顎からしたたり落ちていた。
ミサは今夜がんばれば、明日は勇に会えるのだと気力を懸命に維持した。
やがて1台の護送車が走行してきた。

126秋霖:2005/09/23(金) 20:22:11
>>125
chapter22

ミサ「護送車だわ…。」
ミサは声を小さくしてテスに言った。
テスは、青色のアイシャドーをしている目蓋が疲労で重たそうで、懸命に瞬きしながら護送車を見つめた。
激しく降る雨の地面にたたきつける音で、護送車のエンジン音がよく聞こえなかった。
いたるところに水溜まりができ、小さな川のような雨水の流れもできていた。水しぶきもはげしく視界が悪かった。
護送車は警備隊本部正面玄関から階段を降りたところにピタリと停車した。
ミサとテスは疲労を忘れたように玄関口を見つめ続けた。
少しして玄関口に館内照明に照らされた人影が現われた。
テス「誰か出てきたわ。」
ミサはさらに目を凝らした。
その人影は両手をあげていた。
玄関口から出てきた人影は少年だった。そのすぐ後ろに左手に傘をさしながら、右手にハンドガンを、その少年に突き付けた下士官らしき兵士が付いていた。そのあとにもう1人の兵士が出てきた。
ミサは両手をあげている少年に注目した。
ミサ「あれが、台羽正ね。」

127秋霖:2005/09/23(金) 21:21:51
>>126
chapter23

その少年は、10代半ば、茶色の髪、赤茶か臙脂色の上下の服を着て、黒色の靴を履いていた。
ミサは、連行されているのが誰かを見極めようとした。
ミサ「あれが台羽正。この前見た画像とまったく同じだわ。テスにはどう見えて?」
テス「あたしも、台羽正に見えるわ…。」
テスは苦しそうな顔色で答えた。
ミサは心配になり思わず言った。
ミサ「テス、大丈夫?」
テスはミサの目を見た。
テス「大丈夫よ。」
2人共、顔は雨でびしょ濡れで、長いまつ毛にも水滴が溜り、緑色の数本の髪が顔に張り付いていた。
突然、玄関の方が騒がしくなった。
ミサが振り返り見ると、警備隊下士官が倒れていた。

128秋霖:2005/09/24(土) 00:28:35
>>127
chapter24

激しく降る雨の中、ミサは目を凝らしてセンタービル玄関から出てきた地球人達を見た。
台羽は両手でハンドガンを持ち、兵士達に構えていた。次の瞬間、台羽は収容所のある方角とは逆の方向へ走りだした。警備隊が「追え!!」と大声をあげているのがミサに聞こえた。
数人の警備隊兵士が台羽のあとを追って行った。
ミサは、呆気にとられて見ていた。台羽の姿が見えない事に気付くとすぐに我にかえり「しまった!!」と声をあげた。
ミサはシーラ達に連絡をとろうと通信機を作動させたが送信がうまく働かない。
ミサ「テス!シーラ様に知らせて!」
テス「リナ!リナ!台羽が逃走しました!東へ逃げています!」
ミサは反射的に決断した。
ミサ「テス!台羽を追跡しましょう!」
2人のマゾーンは警備隊に気付かれないように追跡を開始した。

129秋霖:2005/09/24(土) 02:57:47
>>128
chapter25

シーラ達4人は、暗殺地点となる道幅が狭く、廃墟が立ち並ぶ区画に着いていた。
4人は廃墟の中で車両襲撃の手順の確認をしていた。
サラ「いつも通りですね。」
サラはシーラの話が終わると、冷ややかそうな顔でそう言った。
メイは、黒マントの懐深くから左腕で剣を抜き出した。警備隊本部のところで皆が装備点検していたときには見せていなかった。
短剣だった。鈍い銀色に輝いていた。メイは左腕で剣を垂直かざすと次は手前に水平に伸ばした。短剣の刃を見ているようだった。
シーラ「メイ、そんなに刀を輝かせたら、遠くから狙撃されてしまいますよ。」
そのときリナに通信が入った。
リナの顔色が変わった。
リナ「シーラ様!!台羽が逃走しました!!」
シーラは唇をかみ、悔やんだ顔を隠さなかった。
シーラ「すぐに警備隊本部のところへ引き返すのです!」

130秋霖:2005/09/24(土) 14:11:24
>>129
chapter26

シーラ「急ぎましょう!」
メイは抜いた短剣を黒マントの奥へゆっくりと刺すように仕舞い込んだ。
4人のマゾーンは、びしょ濡れの黒マントを引きずるようにして懸命に走り始めた。
シーラの心中に不安がよぎった。
つい先日、シーラ達とは別のグループが台羽博士の暗殺に成功したのだが、そのグループは勢い付いて台羽正をも狙ったとき、ハーロックによって皆殺しにされたのだった。
その事件の直後、シーラのグループに命令がきたのである。
先頭を走っていたシーラは立ち止まり、後に続く3人もそれに合わせた。
シーラ「リナは、これ以上濡れないようにして、ミサとテスに、台羽を追跡し居場所を報告するだけにし、決して手を出してはならないと通信しなさい。2人に応答があるまで通信を続けるのです。リナはあとからきなさい。」
リナは「はっ!」と返事をし、ビルの陰の中に姿を消した。
突然、メイが黒マントを脱ぎ始めた。

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132秋霖:2005/09/25(日) 12:05:47
>>130
chapter27

メイは、黒マントを脱ぎながら言った。
メイ「こんなもの着ていられないわ!」
メイは、歯痒いという顔色をして脱いだ黒マントを投げ捨てた。
メイは、ほとんど丸裸になった。まだあどけなさが少し残った顎が細い少女のような美しい顔に、緑色の膝まで伸びている長い髪、目蓋には青いアイシャドー、透き通るような白い肌、手足と腰は折れてしまいそうなくらい細く、体全体がファッションモデルのように華奢でしなやかな線をしていた。
しかしそれはマゾーンとしては平均的な容姿だった。
メイは、裸のまま腰にだけはダークブラウンのベルトを巻き、金色のバックルでとめていた。そのベルトの右側には、鞘に納まっている短剣が備わっていた。
メイは、左手にハンドガンを握ると、右耳に通信機を取り付け、目を鋭くきらめかせた。

133秋霖:2005/09/25(日) 12:59:20
>>132
chapter28

メイの行動を、サラは笑顔で見ていた。サラはメイに冷ややかそうに言った。
サラ「野蛮だこと。メイらしいわね。あたしは知らない人には体を見せたくはないわ。」
メイは真顔で答えた。
メイ「あなたは、地球人の妻だからよ。」
サラは笑顔を絶やさずに言った。
サラ「あなたの右手首に着けているブレスレットは、誰からプレゼントされたのかしら?文字が彫られているのでしょう?何が書いてあるのかしら?」
メイは、右手首に地球人からプレゼントされた灰白色をした細いリング形のブレスレットをはめていた。
メイは、少し恥ずかしそうな顔をして先に向かった。
メイは、ビル群の暗闇や雨粒の落ちていない陰を巧みに利用して髪をなびかせながら走って行った。
シーラは、2人のやりとりを見てつい笑いそうになり、冷静を取り戻した。

134秋霖:2005/09/25(日) 13:42:37
>>133
chapter29

ミサとテスは必死に台羽を追っていた。
シーラ様への通信は何度もやっているが届いたのだろうか、もうどのくらいの時間がたったのだろうかとミサは考えた。
本来ならマゾーンはおおよその時間が感覚で分かるのだが、2人とも疲労し麻痺していた。
テス「ウッ!…うぅぅぅぅ… 」
ミサの後ろをついて走っていたテスの足が突然止まり、その場でうずくまってしまった。
ミサが駆け寄り、雨でびしょ濡れの黒マント姿のテスを、やさしく抱いた。
テスのフードを脱がし、顔色、目の動き、体温、そして、テスはマゾーンであるのに、右手でテスの首筋にそっと触れ脈を診ようとした。
無意識に看護婦の習性が出てしまったのだ。
テスは美しい緑色の髪がびしょ濡れに乱れ、目が虚ろだった。
テス「か、…からだが・うごか・ない… 」
ミサは、テスをビルの陰に運び楽な姿勢にさせた。
ミサ「ここで休んでいて。」
ミサは再び走り始めた。

135秋霖:2005/09/25(日) 14:26:01
>>134
chapter30

警備隊本部センタービル。
その建物のところにシーラとサラは戻ってきた。一足先にメイが到着していた。
シーラがセンタービル玄関前を見ると、数人の警備隊兵士が集まり何かを調査しているようだった。
メイはシーラに報告した。
メイ「先ほど、数人の兵士達が武装して東へ走って行きました。」
シーラは通信機を取り出した。
シーラ「リナ、ミサ達からの連絡はありますか?」
リナ「…ミサ達は送信を繰り返しているようですが、通話ができません。警備隊本部の東側から送信されています… 」
メイとサラは少し不安な顔色でシーラを見つめた。
シーラは全滅した別グループの事を思い出し、少し頷いた。
シーラ「誰も死なせはしません。」
そして、メイとサラに命令を下した。
シーラ「東を基線に扇状に進み、台羽、そしてミサ達を見付けましょう。わたくしは東へ行きます。サラは北東へ、メイは南東へ行きなさい。」
メイとサラは「はっ!」と返事をして走って行った。

136名無しさん:2005/09/25(日) 15:01:31
>>135
chapter31

ミサは、警備隊に気付かれないように、台羽を追い続けていた。
都市の網の目のような路地の角をいくつも曲がり、彷徨うように走った。
やがて、ミサの足も止まりだした。体は怠くなり、ミサの細い体に、水分をたっぷり含んだ黒マントが重くのしかかり、ミサの体を冷やしていった。
ミサの目にうつるものは、ときおり二重三重に滲んで見えた。
ミサはうなだれ、左手で建造物の外壁に手をつきながらも、まだ追跡しようとしたが既に疲労の限界を越えていた。
ミサは、台羽を完全に見失ったと思った。
ミサは目に涙を浮かべていた。
ミサ「ご、…ごめんね…ユ、ユ・ウ・クン…」
ミサは水溜まりに膝をついてかがんだ。

137秋霖:2005/09/25(日) 15:32:56
>>136
chapter32

雨は都市のすべてを洗い流すかのように容赦なく降り続けた。
シーラは、警備隊兵士達の追跡の流れを読み、慎重に方向を修正しながら台羽の姿を求めた。
リナから通信が入った。
リナ「…シーラ様、サラがテスを見つけました。冷却症を起こしているそうです… 」
シーラの不安はまだ晴れなかった。
シーラ「ミサも見つけたのですか?」
リナ「…ミサはまだ見つかっていません。今も台羽を追っているようです…」
2人の警備隊兵士がシーラの傍を走る。シーラはビルの暗闇に身を隠し通り過ぎるのを待ちながら通信を続けた。
シーラ「メイにも状況を知らせるのです。それとミサとの回線が通じるまで、ミサへの通信を続けなさい。」
リナ「…はっ!…」
シーラは兵士達が走り去ると再び追跡を開始した。

138秋霖:2005/09/25(日) 16:41:09
>>137
chapter33

…勇…「ねえ、ミサちゃん、いつもいい匂いがするけど香水つけてるの?」…

ミサは、ハッと目を覚まし、目を大きく開けた。
水溜まりの中でうずくまっている自分に気が付いた。
雨粒が水溜まりに激しく落ち続け、水しぶきがミサに降り掛かっていた。
ミサはその美しい目で瞬きを繰り返し、辺りを見回すと、今ここにいるのが現実だと理解した。
ミサは今見た夢につぶやいた。
ミサ「勇君、そうよね、あたしはマゾーン戦士だから仕方ないわよね。」
ミサはゆっくりと立ち上がると前方へ歩きだした。
小さな角があった。そこへ差し掛かり右を見ると、その路地の向こう側の出口付近に2本の滝に見える物が、周辺の明かりに照らされ白く輝いているのを見つけた。
ミサ「あれは…。」

139秋霖:2005/09/25(日) 19:35:30
>>138
chapter34

シーラは追跡し通信を続けていた。
シーラ「テスはどうしましたか?」
リナ「…あまりよくないそうです。…」
シーラは、サラを必要としていたが命令を下した。
シーラ「サラに伝えなさい。テスを連れて撤退するように。撤退しテスを手当てするようにと。」
リナ「…はっ!…」
リナは警備隊本部のところまで来ていた。警備隊も台羽の居所を掴んでいないとシーラに通信した。
シーラは、テスを見つけたサラの位置情報と警備隊兵士達の動きから、台羽がいると思われる区域を絞り込んだ。
シーラ「メイにわたくしと合流するように伝えなさい。そしてミサからの通信があればすぐに位置を割り出すのです。」
リナ「…はっ!了解しました!…」

140秋霖:2005/09/25(日) 20:18:30
>>140
chapter35

それらは、ミサには滝に見えた。
重くなった足を引きずるようにゆっくりと歩いて近づいて行った。
雨はビル群に降り注ぎ、上部構造物に溜まった水を、配水管を通して地下に排水していた。しかし、配水管は老朽化し途中から朽ち折れ、地面から5、6メートルの高さで大きな口を開け、水流を地面に落としていた。
ミサは2本の「滝」の大きい方へ、手を触れられるところまで近づいた。
「滝」はビルの明かりを複雑に屈折させ白く輝いていた。
ミサ「そういえば…、樹海にいたときに、こんな滝があったわね。」

141秋霖:2005/09/26(月) 22:10:09
>>140
chapter36

それは、ミサが地球に来てまだ間もないときのことだった。
ミサは、人間達が立ち入ることのないような樹海の奥深い中を一人で歩いていた。自分と同化する樹を見つける為に彷徨っていたのだ。
ミサの容姿は、緑色の長い髪で、皮膚は透き通るような白い肌ではなく淡い青緑色をしていた。そして目は、その瞳は血のような朱色をしていた。
ミサは、何も身につけず丸裸で薄暗い樹海の中を歩いていた。
しばらくすると、音が聞こえた。その方向へ歩くと視界が開けた。大きな池と小さな野原に出た。野原には花がたくさん咲き、花の傍で蝶が舞っていた。その開けた所だけ日光が眩しく差し、青空が見えていた。
池の端には高さが6メートルほどの岩がありその上部から水が流れ落ちていた。池は滝壺だった。落ちていく清流は日光に晒され白銀に輝いていた。
ミサ「きれい…、地球にはこんな美しい所があったのね… 」
ミサは、その朱色の瞳を大きくし、滝の姿に見とれていた。そして目を閉じ、しばらく滝の、清流が落ちていく音に聞き入っていた。
しばらくしてから、ミサは再び樹海の暗闇に姿を隠した。

142秋霖:2005/09/26(月) 22:48:18
>>141
chapter37

6メートルほどの高さから、排水管の口から水が流れ落ちていた。
ミサは、かぶっていたフードを脱ぐと、その水流が落ちていく姿を見上げた。
水流は夜の都市の明かりを受けて、複雑に屈折した光によりキラキラと白く輝いていた。
ミサは、びしょ濡れだった。ミサの透き通るような白い体も、黒マントも。
美しい緑色の長い髪は水をたっぷり含んで海藻のようになり、数本がミサの顔にへばりついていた。
ミサの額に雨粒が落ちていく。水滴がミサの白い肌に止まっていたり、頬を伝って流れ落ちていた。
ミサは、その青色のアイシャドーと長いまつ毛の目蓋を静かに閉じ、落ちていく水流の音に聞き入った。
ミサは、疲労困憊し普通に歩くこともできなかった。
しかし、心の中は、何故か安息の地を得たかのように安らかになった。

143秋霖:2005/09/28(水) 00:43:05
>>142
chapter38

遠くから足音が聞こえ始めた。走っている足音だった。それはしだいに大きくなりミサの方へ近づいて来た。
ミサは、任務を思い出し、慌てたようにしてフードを頭にすっぽりとかぶせた。
ミサは、また物が二重三重に滲んで見えた。黒マントの袖で目のあたりを拭って目を凝らした。
足音はさらに近づく。
ミサ「警備隊の兵士かしら…。」
ミサは、ハンドガンのグリップを握りながら、排水管から落ちる「滝」を盾にして身を隠し、その「滝」の柱の端から少しだけ顔を出して、誰が来るのか待ち構えた。
ミサから見て、路地の出口の右側の角から人影が現われた。走ってきた方向を見ながら、ミサのいる路地に入り角の傍の影に隠れるようにビルの外壁にもたれた。
右手にハンドガンを持っていた。茶色の髪に、赤茶か臙脂色の上下服、黒色の靴、歳は10代半ばの少年だった。
ミサ「台羽正?!」
ミサは目を丸くして思わず声をあげそうになった。

144秋霖:2005/09/28(水) 21:15:25
>>143
chapter39

ミサは慌てて「滝」の柱の陰に顔を隠し、見つからないようにうずくまり身を小さくした。ミサは混乱しそうになった。
ミサは、とにかくシーラ達に知らせるべきだと判断し、通信機の回線を開いた。
ミサ「…シーラ様…?、…リナ…台羽を…台羽を見つけました。すぐ近くにいます… 」
ミサは小声で通信機に話した。しかし、応答はなかった。
台羽は今すぐにも、またどこかへ走り去る様子だった。今のミサには台羽を走って追う体力はなかった。
ミサは早急の決断を迫られている感じがした。
ミサ「とにかく、台羽を逃しては駄目だわ。」
ミサは考えを巡らした。ここから狙撃するには、少し距離が離れているように感じた。
この「滝」の陰からでは、今の自分の状態では、正確にターゲットを狙う自信がなかった。
以前に一度、暗殺を実行したときに命を落としかけたことを思い出した。
ミサ「はずしてしまったら、また同じことになってしまうわね。」
その路地で、「滝」の柱を挟み、地球人とマゾーンの二人がそれぞれの思惑で身を隠していた。

145秋霖:2005/09/28(水) 21:54:47
>>144
chapter40

びしょ濡れになり、体が冷え、追跡の疲労が蓄まったミサに苦痛が再び襲ってきた。
ミサは目蓋を閉じて苦悶の顔色を浮かべ、苦痛に耐えた。
ミサ「なんとかして、台羽を、シーラ様達のいるところまで連れて行けば… 」
ミサは、台羽を何らかの方法で、優秀なシーラや、メイ、サラのいるところまで導けば、確実に暗殺できると考えた。
ミサ「…味方と思わせるしかないわね。あたしは潜入マゾーンだし、それくらいのことなら…」
台羽は息を荒くして角の向こう側をひたすら見続けている。
ミサは疲労からくる苦痛がまた激しくなり思考が途絶えそうになった。
緑色の美しい髪が数本垂れているミサの顔に、険しさが出る。
ミサ「…勇君、すぐに戻るわよ。」
ミサの心は決まった。
ミサは頷くとゆっくりと立ち上がり、台羽に声をかけた。
ミサ「こっちよ!」

146秋霖:2005/09/28(水) 23:23:01
>>145
chapter41

冷たい風がミサの足元を吹き付けた。
「滝」の水流は弱まっているようだった。「滝」の水柱を通して台羽の姿がボンヤリと見えた。
台羽は、ミサが声をかける直前、何かに気付いたらしくすでにミサの方を見ていた。
ミサは緊張した。ミサは自分自身につぶやいた。
ミサ「大丈夫…、なんとかうまくやれるわ…。」
台羽は口をポカンと開けて、こちらの様子を見ているようだった。
ミサは、緊張しながらも話しかけることを続けた。
ミサ「安全な隠れ場所があるわ。」
ミサは味方であることを示すために台羽に近づいていくことにした。
思わず、自分の手がかすかに震えるのがわかる。落ち着こうと思い、右手で、黒マントの懐でハンドガンのグリップを握る。
ミサは真っすぐに台羽の前へ出ていった。

147秋霖:2005/09/28(水) 23:58:53
>>146
chapter42

ミサは、「滝」の水柱の中を通って前に進んだ。「滝」の水流がミサの黒マントに打ち付ける。
ミサは、冷水が黒マントを通り抜け、疲れた体に染み込んでくるのを感じた。台羽の姿が二重三重にぼやけた。
ミサは疲労困憊の中、険しい顔色で台羽の姿を見つめた。
台羽からは何の返事も反応もない。ミサは思った。
ミサ「…台羽に、罠を気付かれてしまった?…?…」
台羽の右手にはハンドガンがあった。台羽とミサは5メートルもない距離に対峙した。
ミサ「…もうさがれないわ、しかたない!…」
ミサは黒マントの懐で握っていたハンドガンを取り出し台羽に銃口を向けた。
ミサの顔はびしょ濡れで険しかった。よく見えない目を鋭くし台羽の姿をはっきり捕らえようとした。
ミサは台羽の姿を捕らえたと思い、心の中で叫んだ。
ミサ「台羽正!!死ね!!」
ミサはハンドガンのトリガーを引いた。

148秋霖:2005/09/29(木) 19:37:12
>>147
chapter43

それは、一瞬の出来事だった。しかし、ミサにはとても長く感じた。
トリガーを引くと、ハンドガンの銃口からエネルギービームが発射された。リコイルがいつもより重いとミサは感じた。
ミサ「お願い!あたって!」
エネルギービームは真直ぐに台羽のところへ向かって直進した。ビームの光で台羽の姿が見えにくくなった。
ミサは疲労による険しい顔色でビームの行き先を見守った。
ビームの進行方向で何かが爆散した。
ミサ「台羽をやったの?!」
何かの破片が飛散していくのが見えた。ビルの外壁部分だった。
ミサ「アッ?!…」
そこには台羽の姿はなかった。ミサは台羽の姿を目で捕らえようと必死になる。
ミサ「台羽はどこなの!!」
爆散した外壁から少し離れた地面からフラッシュライトのような点滅があった。
ミサ「エッ?!なに?!」

149秋霖:2005/09/29(木) 20:03:32
>>148
chapter44

台羽のハンドガンからエネルギービームが発射されたのだった。
台羽のエネルギービームは、ミサに向かって真直ぐに直進してきた。ビームの先端は巨大なエネルギーを圧縮したように丸く膨らんでいた。ビームはミサに近づくにしたがって太くなっていくようだった。
それはミサに徐々に迫ってきた。
ミサ「ダメェ!!あたしにあたってはダメェ!!」
しかし、ビームの先端は、ミサの美しい体を捕らえたかのごとく、その丸い膨らみを赤く光らせ、真直ぐにミサの体を目掛けて突き進んできた。
ミサは、その細くくびれたしなやかな腰を折り曲げ引いて、かわそうとした。
ミサ「死にたくない!!」

150秋霖:2005/09/29(木) 20:29:14
>>149
chapter45

先端を赤く膨らませたビームは、冷酷にミサの体へ突き進む。
ミサ「ダメよ!!あたしは死んではならないの!!だって!… 」
ミサはまるで、エネルギービームを説き伏せようとするかのようだった。
しかし、ビームは空気を切り裂いて一つの目的に向かってまっしぐらに突進してきた。
ミサは、なおも必死に腰を引いてかわそうとした。
しかし、ビームのスピードには及ばなかった。
とうとう、ビームの先端がミサの美しい、しなやかな体の真ん中に届いた。
ビームの当たっている黒マントの部分が高熱で燃焼し始める。
そして邪魔だとばかりにビームの先端は黒マントの布を貫こうとした。
ミサ「アァァ!!そんなぁ!!イヤァァァ!!」

151秋霖:2005/09/29(木) 20:55:20
>>150
chapter46

エネルギービームはついに、黒マントの布を焼き尽くし、突き抜けて、ミサの白く透き通った肌に食らい付いてきた。
ミサ「やめてぇ!!だめぇ!!死んじゃうぅぅ!!」
ビームの膨らんだ先端がミサの細い腹部の真ん中、白く透き通るやわらかい肌にめり込んだ。
ミサは恐怖で目を大きく見開き、自分に突き刺さるビームを睨んだ。
右手に持っていたハンドガンは襲ってきた苦痛のあまり放り出してしまった。
ミサ「ハゥ?!…うぐッ!!」
ミサは死が訪れるのを感じながらもなおも腰を引きかわそうと懸命になった。
しかし、それは無駄な抵抗だった。

152秋霖:2005/09/29(木) 21:20:00
>>151
chapter47

エネルギービームの先端は、ミサの白い肌を高熱で溶かし、穴を開け内部へ侵入してきた。
ミサの緑色の美しい髪がフードからこぼれ乱れる。
ミサ「ユ!…ユウ…クン!!…」
ミサの腹部の真ん中に大きな穴が開き始めた。そして腹部の後ろ、腰のあたりからビームが突き抜けた。
腰の黒マントの布が吹き飛ばされる。
しかし、ビームの膨らんだ先端部分はミサの体の内部中央にとどまった。
ビームの先端部分、圧縮されたエネルギーの塊は、ミサの細い体の中心で反応を始めた。
そして風船のように膨張し始めた。
ミサ「うぐぅぅぅ!!」

153秋霖:2005/09/29(木) 21:43:28
>>152
chapter48

マゾーンは、地球人とは違い、内蔵や骨格などはなかったが、植物生命体としての内容物があった。
エネルギーのかたまりは、その内容物と反応を始めたのだ。
そしてさらに高温となり、しだいに風船のように膨張を始めた。
ミサ「アグッ!!…イ…イヤッ!!」
ミサはその膨張の、死への苦しみに耐えられず、思わず両腕をいっぱいに伸ばして苦悶の顔色を露にした。
しかしミサはまだ生きたいと思い、目をつぶり眉間に皺をよせ苦痛に耐えようとした。
フードからこぼれた緑色の長い髪がはげしく空を舞った。

154秋霖:2005/09/29(木) 22:09:15
>>153
chapter49

ミサ「ひっあぁぁ!!…あたしの体が壊れるぅぅぅ!!」
エネルギーの反応が急速に早まった。エネルギーはミサの体の中から出ようとし、出口を探そうと渦を巻き暴れ始めた。
そして膨張は臨海点に達した。
ミサ「イヤァァァ!!勇君にいい匂いと言われた・あたしの体があぁぁぁぁ!!」
一気に爆発した。
ミサのお腹の前と後から、ジェットの噴流のように吹き出した。
その部分の黒マントの布が飛散した。
黒マントの中のミサの細く白い体がはげしく振動し、透き通った二つの乳房が揺れた。
ミサ「ウギャぁぁぁぁぁ!!」

155秋霖:2005/09/29(木) 22:50:12
>>154
chapter50

ミサの口から叫びと共に唾液がほとばしった。
ミサの細い胴体のあたりの黒マントも爆散し布切れとなり燃えていた。ミサの体に開いた穴から青い火がともり炎となった。
ミサの体からは爆発したエネルギーがすべて飛散した。
ミサの体からは全ての力が抜け、唾液が口から数本、首筋へ流れ、目を見開いていたがどこにも焦点を合わせていなかった。もはや何も見えなかった。
ミサ「はぅぅぅ、あ、あたしは…このまま燃えて灰になるのね?…」
ミサは薄らぐ意識の中で、任務に失敗したことと、勇に別れの言葉を交わせなかったことを後悔した。
ミサ「ご…ごめんね…ユ、ユウくん…」
ミサは青い炎と共に後へ崩れ倒れていった。しかし、そこには「滝」の水柱があった。

156秋霖:2005/09/30(金) 23:56:12
>>155
chapter51

腹部を爆散してしまったミサは、虚ろな目を遠くにやり、青い炎を放ちながら後向きに倒れていった。
そしてそのまま「滝」に入ってしまった。燃え盛るミサに、水流が降り掛かった。
ミサ「??…!…はうっ?!」
ミサの美しい白い体は既に黒マントと共に青い炎に包まれていたが、「滝」の水流がミサの、死への過程を阻もうとするかのように力ずくでミサを押し潰し、炎を消し止めようとした。
ミサ「ひっ?!…ぎゃひいいいいぃぃ…!!」
ミサは既に力尽きて、されるがままだった。体に開いた穴に今度は水流が襲い、焼けただれた内容物を掻き回した。苦痛は全身に広がった。
そして、ミサの黒マント、美しい緑色の髪、白く透き通った肌、焼けただれた内容物、青い炎、水流が複雑な反応を繰り返した。
ミサ「う!…うげぇぇぇえ!!」

157秋霖:2005/10/01(土) 00:27:31
>>156
chapter52

それはミサの美しい体を獲物に、青い炎と「滝」が争い、貪り食べているようだった。
燃焼をはげしくしていく青い炎によってミサの美しい緑色の髪はすべて燃え、頭皮が焼けただれ始めた。
白く透き通った肌は、白色を失い、黒く変色しただれ、溶け始めた。
そこへ水流がミサを噛み砕くように襲った。水流は燃え盛るミサの体の上で瞬時に沸騰し、水蒸気が白く吹き上がった。
ミサ「??…!!…?…」
ミサは何もかもが分からなくなった。
路地には青い煙と白い蒸気が立ち込めた。
ミサ「シ…シーラ…さ…ま…」
ミサは、意識が遠退き、思考も止まっていくのが感じられた。
ミサの体は「滝」の中で小さくなっていき姿を消していった。

158秋霖:2005/10/01(土) 22:13:07
>>157
chapter53

リナから通信が入った。
リナ「…シーラ様! ミサから送信がありました! 台羽を見つけたそうです! こちらからの通信は受信できないようです。シーラ様の進行方向です!…」
シーラは、やっと来たミサの通信にホッとし、胸をなでおろした。シーラは、任務を無事に果たそうと急ぎ走り始めた。
そして、その先にいるミサに語りかけるようにつぶやいた。
シーラ「ミサ!待っていなさい。今すぐ行きます。」
シーラは黒マントの袖で顔を隠すこともせず、できるだけ空気抵抗を減らそうとしているような、顔を先に突き出した前傾姿勢で走り続けた。もし、他の黒マント・マゾーンから見たらそれは特異な走り方だった。
少し離れた先の区域で、かすかに銃声が二つ聞こえた。
シーラは不安を覚えた。狭い路地を走り抜け、銃声のした方向に向かって角を曲がって行った。

159秋霖:2005/10/01(土) 22:46:42
>>158
chapter54

シーラはやや広い道に出た。銃声はその先からだった。シーラは誰かに見つかるのもかまわずまっしぐらに走った。
道の向こうで、3人の警備隊兵士が見えた。兵士達は彼等のすぐ近くの角の向こうを睨んで「いたぞー!!」と叫んでいた。
そして兵士達はハンドガンを構え、角の向こうへ姿を消した。
シーラ「あそこね!!」
シーラは、台羽とミサがそこにいると確信し、ハンドガンを握り、兵士達が入って行った左の角へ走り着いた。
シーラは角の外壁に背中を着け、はやる気持ちを落ち着かせようとした。そして唾を飲み込むような表情をして、ハンドガンを下方に構えた。顔の先から10センチ先が曲がり角の入り口だった。

160秋霖:2005/10/01(土) 23:18:36
>>159
chapter55

シーラは音を聞いた。走り去っていく足音が3人、そして、もう1人の走り去る足音が聞こえた。
シーラは集中した。そして全身を振り向き、角の先へ半分入り、ハンドガンを持っている右腕を真直ぐに、一番遠い足音の方向へ構えた。
台羽らしき人間がちょうどこの路地の向こう側の出口を右側へ曲がって走り去った。
シーラはタイミングをわずかに外した事に悔やんだ。
警備隊兵士達3人は、後ろにシーラがいることも気付かず、台羽を追い掛けて行った。
ミサの姿が見えない。
シーラ「ミサはどこ?」

161秋霖:2005/10/01(土) 23:54:02
>>160
chapter56

その路地には大きな水柱が2本あった。ビルで集めた雨水が地面から6メートルほどの高さの朽ちた排水管から流れ落ちている。
その周辺に青い煙と蒸気が立ち込めていた。
シーラは青い煙を見て「最悪の事態」を受け止めねばならないと直感した。ハンドガンを構えながら前へ進むと地面に、焦げた黒マントの布切れがたくさん散乱していた。
シーラ「しまった!遅かったのか!」
しかし、シーラは現実を受け止める事ができず、さらに確かめようと前へ歩いた。
シーラ「えっ?!なに?」
2本の水柱の大きな方の中に、水流が落ち当たる地面のところに小さな黒いかたまりが見えた。

162秋霖:2005/10/02(日) 11:09:17
>>161
chapter57

シーラは警戒しながら、その黒いかたまりへと近づいて行った。
シーラは目を凝らして見た。そして、驚愕し思わず叫んでしまった。
シーラ「ああ!!…そんな!!」
シーラはハンドガンを黒マントの懐にしまい、我を忘れたように水流の中に飛び込むように入った。水流がはげしくシーラの黒マントに打ち付けたが、それにはまったくかまわなかった。
シーラは、水流の中にある黒いかたまりを、腰を低くし抱き抱えるようにしてゆっくりと引きずり出した。
シーラの顔はびしょ濡れになり、緑色の髪が束となってフードから垂れ下がった。
黒いかたまりは、焼け焦げ炭化した人間の骨格のような形をしていた。

163秋霖:2005/10/02(日) 11:39:46
>>162
chapter58

その人間の骨格のような物は、全体が黒焦げで高熱にさらされたらしく縮小し細くなっていた。
腕と足は鉛筆のように細くなり炭化し、手の指はほとんど崩れ落ちていた。
胴体も半分以下に細くなり真ん中が砕け散ったように穴が開いていた。その中はコールタールのようなドロドロの粘液がたまっていた。
頭部は、大きさはそのままだったが髪は1本もなく頭皮が焼けただれ、顔も真っ黒で目と鼻の区別ができなかった。小さな穴が開いていて、それが辛うじて口であることが分かった。
それは人間の骨格ではなく、マゾーンの、ミサの変わり果てた姿だった。

164秋霖:2005/10/02(日) 12:12:36
>>163
chapter59

シーラの体が震え始めた。
悲嘆と怒りが込み上げ、叫んだ。
シーラ「なんてひどいことを!!…許せないっ!!」
黒焦げた頭がわずかに動き口を動かした。口から泡が流れ出た。
ミサ「シ…シー…ラ・さ・ま… 」
シーラ「ミサ!!」
シーラはミサがまだ生きていることに驚いた。そして黒焦げになったミサに寄り添って寝るようにし、左手でそっと髪のない黒くなった頭をなでてやった。
シーラは目に涙を浮かべながらも癒すような笑顔を作った。
シーラ「シィ――ッ…、いいのですよ、もう終わりました。台羽はさっき、わたくしが殺しましたよ… 」
シーラは、幼子がまだ眠りにつかないのをあやす母親のように、やさしく語りかけた。
それが聞こえたのだろうか、ミサの崩れた顔に安堵の色が見えた。

165秋霖:2005/10/02(日) 14:30:14
>>164
chapter60

メイが、シーラの走ってきた方角から長い緑色の髪をなびかせて駆け付けて来た。
メイは、丸裸で腰にベルトを巻き、右側に短剣を納めていた。そして左手にハンドガンを握っていた。
メイは、シーラが寄り添っている黒焦げのマゾーンを見た。
メイ「あっっ?!……クッ!!……」
メイは唇を噛んだ。
ミサ「…シーラ・さ・ま…」
ミサは残っている力を振り絞るように、何かを訴えようとしているように見えた。
シーラ「ミサ!なんですか?…いま楽にしてあげますから…」
シーラは無駄だと思いながらも、混沌の意識の中にあるであろうミサに語りかけた。
ミサは必死に口を動かそうとした。
シーラはミサの口元に右耳をあてた。周囲を厳しい目で警戒しながら懸命に聞きとる。
シーラ「はい!……はい……そうですか、…はい、わかりました、…必ず……約束します… 」
ミサはやっと心残りを伝え安心したようだった。そして動かなくなった。

166秋霖:2005/10/02(日) 15:12:03
>>165
chapter61

シーラは、再び左手でミサの黒焦げの頭をそっとなでてやった。
そしてシーラは自分のかぶっていたフードを脱いだ。
美しい緑色の長い髪がキラキラと輝く。目は、青いアイシャドーをした細やかで柔らかな、まなざしだった。
ミサの顔へ、自分の顔をよせていき、ミサが痛みを感じないように気遣いながら、右顔でやさしくほおずりした。
シーラの目から涙が一すじ流れミサの顔に落ちた。
そして、しずかに起きながら、ミサに触れるのはこれが最後と思い、右手でミサの体にそっと触れた。
シーラの右の頬にミサの「炭」がついていた。
メイは立ち添って、ミサの姿を見つめ続けていた。

167秋霖:2005/10/02(日) 15:49:18
>>166
chapter62

シーラは、黒マントの懐からハンドガンを取り出した。
貫通力を弱めて、ビームが拡散するように調節した。
メイ「……シーラ様……」
メイは、シーラに話し掛けようとしたが思い止まった。
シーラがミサに話し掛ける。
シーラ「あなたは立派でした。誇りあるマゾーン戦士でしたよ。安らかに眠りなさい。」
シーラは黒焦げのミサにハンドガンを向けトリガーを引いた。ビームが放射され、ミサの体に再び青い炎がよみがえった。
ミサの表情はとてもおだやかだった。
ミサは青い光に包まれた中で夢を見ていた。
あの樹海で、白銀に輝く美しい滝に出会っている夢を見ていた。
しだいにミサは灰になっていった。

168秋霖:2005/10/03(月) 22:04:37
>>167
chapter63

青い炎は小さくなっていき、ミサの体だった灰は雨水が流していった。
「そこにいるのは誰だ!」と2人の背後で男の声がした。
シーラとメイが振り向くと、シーラ達が入ってきた路地の入口付近に、3人の警備隊兵士が立っていた。台羽を追っていった3人とは違う兵士達だ。
「そこで何をしている?動くな!」
3人のうち2人が横に並びハンドガンを構えながら近づいてきた。
メイは、シーラの顔を見た。シーラは頷いた。2人で何かの決まり事を確認したようだった。
メイは路地の中央に位置していた。メイの背後にシーラが立っていた。
3人の兵士達はメイに対して少し離れて逆三角形の頂点に位置していた。
メイから見て手前に2人、離れた向こうに1人。
メイは、3人を見つめ、笑みを浮かべた。

169秋霖:2005/10/03(月) 22:47:17
>>168
chapter64

メイは、右手で緑色の長い髪をすいて、首を動かし空中にフワリと軽やかに髪を振り乱すようにして、髪の水気を落とした。
そして、左手に持っていたハンドガンを右手に持ち替え、左手で、ベルト右側に納めた剣をゆっくりと抜いた。
手前の2人の兵士達がさらに近付き、メイの姿を確認すると兵士の1人が目を丸くして言った。
「な、なんだお前は?」
メイは、笑みを浮かべ続けた。
メイ「…ウッフフフ…」
3人の兵士達は、メイの妖しく美しい姿を見つめた。
メイはわざと剣の金属的な光沢を兵士達にきらめかせた。
そして、兵士達の右側へゆっくりと足を動かし始めた。
兵士の1人が焦るように言った。
「う、動くな!…」
兵士達は経験したことのない光景に汗をかきはじめ、ハンドガンを構えていたが腰が引けていた。
メイは半身になり、さらに兵士達の右側へ歩いた。
兵士達は何かに動かされたたようにメイの姿へハンドガンを向けた。

170秋霖:2005/10/03(月) 23:09:05
>>169
chapter65

3人の兵士達の照準範囲からシーラが外れた。
それを確認したメイは突然、ビルの外壁に向かって走りだした。
「撃てー!!」
兵士達は射撃を開始した。
メイが外壁の影の中に姿を消すと、兵士達はその消えたあたりを何度も射撃した。外壁が何度も細かく爆散する。
突如、別の外壁の影から何かが飛び出してきた。
一番近くにいた兵士は、何かの影が飛び出したと思った瞬間に、首に衝撃が走るのを感じた。
その兵士の近くにいた2人目は、仲間の兵士が影と交差したと思った瞬間に、自分の体に何かが刺さるのを感じ、その次に突き刺す音が聞こえた。
メイの剣が心臓を貫いたのだ。

171秋霖:2005/10/03(月) 23:40:59
>>170
chapter66

メイは、剣を心臓に刺したままの状態で、その兵士の左肩に、ハンドガンを持った右腕を真直ぐに伸ばして添えた。その兵士を盾にして、3人目の兵士にハンドガンの照準を合わせた。
「1人目」の兵士の首筋から突然、ビルの外壁に向かって血が噴水のように吹き出した。
その光景を見た「最後」の兵士は、震えが止まらなくなり思わずハンドガンをメイに向けようとした。突然、眉間に穴が開いた。メイが狙撃したのだ。
エネルギービームは3人目の兵士の頭部をきれいに貫通した。

172秋霖:2005/10/04(火) 00:01:34
>>171
chapter67

首から血を吹き出した兵士と、頭部をビームで貫通された兵士は、マネキン人形のように固まりそのまま同時に倒れた。
メイは、「盾」にしていた兵士の左肩に右手をあて、刺し貫いたときとは逆モーションの動きでゆっくりと剣を兵士の体から抜いた。
「2人目」の兵士は仰向けに倒れた。
3人の兵士達は悲鳴もあげなかった。一瞬の事だったのだ。
シーラは見ていただけだった。援護するとかえってメイの邪魔になると知っていたからだ。
3人の兵士達の運命は、メイの妖しく美しい体を見つめてしまった時点で、メイの「死の方程式」の中に組み込まれてしまっていたのである。

173秋霖:2005/10/04(火) 00:19:59
>>172
chapter68

メイは、3人の警備隊兵士達の死を見届けると、「滝」の水流の傍へ行き、左腕を伸ばして剣を洗った。そして、剣を上にかざすと地面に向かって振り下ろし着いていた水を切った。
ベルトの右側の鞘にゆっくりと剣を納めた。
メイの体には返り血は一滴も着いていなかった。

174秋霖:2005/10/04(火) 00:39:25
>>173
chapter69

稲妻が光り、雷鳴が轟いた。また少し雨が激しくなった。
シーラは、フードを深くかぶり黒マントの着崩れを直した。
そして、台羽が去った方向に体を向けた。しかし、フードをかぶった頭は、うなだれていた。
メイが心配そうに語りかける。
メイ「…シーラ様…」
シーラは返事をしない。
また、近くで稲妻が落ちた。雷鳴が大気を激しく振動させる。
その稲妻の閃光がフードの中を一瞬照らした。
うなだれていた、シーラの顔は、目だけは台羽の逃走した方角を鋭く見つめていた。
シーラ「台羽正………逃がしはしない!!」

175秋霖:2005/10/05(水) 00:58:29
>>174
chapter70

2人のマゾーンは台羽の追跡を再開した。
しばらく走り、シーラは立ち止まりメイに告げた。
シーラ「メイ、任務はここで終わりです。撤退しなさい。わたくしは台羽を追います。」
シーラはマゾーン戦士としての任務を、私的復讐に変えたのだ。
メイは動揺することなく返事をした。
メイ「任務が終了したのなら、あたしは勝手にシーラ様について行きます。」
シーラは、メイがそう答えると予想していたように笑みを浮かべた。
2人のマゾーンは迷路のようなビル群の中を台羽の姿を求めて走った。しかし、逃走先が定まらなかった。
シーラ「メイ、あなたはあちらへ。わたくしはこちらへ行きます。…メイ、あなたは強いけど無理はしないでくださいね。」
それを聞いたメイは、ハンドガンを再び左手に持ちかえ、右手で剣の柄に触れ、無邪気な子供のような笑みを浮かべて頷いた。
そして2人のマゾーンは二手に別れた。

176秋霖:2005/10/05(水) 18:58:23
>>175
chapter71

ミサが灰になった、2本の「滝」がある路地に、警備隊の下士官が部下数人を引き連れて入ってきた。
すでに別の数人の部下が到着していた。
1人の部下が、下士官のもとに歩いてきて敬礼をして言った。
「銃声がしたので、来てみたらこの通りです。信じられません。」
その部下は顔面が蒼白になり額から汗を流していた。
下士官は、「現場」を直接確認しようと、歩いてまわり、3人の兵士達の死体など状況を見てまわったが、しだいに手の震えと自分の背筋が凍り付いてくるのを感じた。
下士官「こ、…これは?!…」

177秋霖:2005/10/05(水) 19:38:33
>>176
chapter72

下士官は、1年前に起きた事件を思い出した。
当時、特別任務に就いていた混成の歩兵一個中隊が、作戦中に全滅してしまったのだ。
その事件の翌日に下士官は警備隊本部のオブザーバーとして惨状の現場を視察した。
ほぼ全員が急所のみをやられ、何かを見つめたまま即死していた。しかも何もないところを銃撃していたようだった。
中には仲間と相討ちをして死んでいた者もいた。
その作戦内容は極秘で下士官にも「特務作戦」とだけ説明を受け詳しい事は何も知らされなかった。
切田長官すら、部隊の存在を含めて、あずかり知らない事だった。

178秋霖:2005/10/05(水) 20:14:18
>>177
chapter73

下士官は、その現場から帰還するときに、付近のテントに呼び出された。
そこには情報将校2人と女性下士官がいた。
女性下士官は美しく髪が緑色をしていた。しかも見たことのない野戦用戦闘服を着てベレー帽をかぶり、そのベレー帽にはやはり見たことがないエンブレムが着いていた。そういえば全滅した中にも女性下士官と同じ戦闘服を着た女性兵士が何人かいた。この女性下士官は部隊の指揮官のようだった。
その女性下士官が言った。
女性下士官「この誓約書にサインをしろ。口外した場合は銃殺だからな。」
下士官は質問した。
下士官「切田長官にも話してはならないのですか?」
女性下士官「口外するなといま言ったはずだぞ。」
下士官は誓約書にサインをし、すぐに現場から去った。

179秋霖:2005/10/05(水) 20:49:07
>>178
chapter74

2本の「滝」がある路地で、下士官が見ている光景は1年前と同じだった。
兵士3人の死体は、急所だけをやられ、目を開けたまま即死していた。しかも何もないビルの外壁を何度も射撃していた。
下士官「これは……宇宙海賊の仕業なのか?…いや違う…」
下士官は恐怖で混乱した。しかし一つだけはっきりした。
もはや台羽正という少年1人を追跡するなどというレベルではなくなったのだ。
下士官「てっ、撤退するぞ!全員に下令しろ!」
部下の1人が聞いた。
部下「切田長官には何と報告を?」
下士官「宇宙海賊が現われたと報告しろ!」
警備隊兵士達は台羽の追跡を中止した。

180秋霖:2005/10/05(水) 22:20:36
>>179
chapter75

雨があがりはじめた。雲も切れはじめ、星空が見えてきた。満月も再び姿を現わした。
シーラは執拗に台羽の姿を追い求めていた。
しばらく走り彷徨うと、地球連邦政府議事堂の前に来た。人の気配はなかった。
連邦国旗が掲げられているポールの下を見ると焼け焦げた布切れが散乱していた。
シーラは近づいて確かめた。ポールを見ると2本あるうちの1本に国旗がない。
それはエネルギービームで焼かれていた。
シーラはそれを見て何かに気付いた。
シーラ「まさか?!」
そのときリナから通信が入った。
リナ「…シーラ様!…アルカディア号が地球に降りてきます!…」
シーラは、やはりそうかと確信し、近くの宇宙空港へと走りだした。大型宇宙船がここから一番近くに着陸するには、そこしかないと判断したのだ。

181秋霖:2005/10/05(水) 22:48:57
>>180
chapter76

シーラが宇宙空港に着くと、広い滑走路の中に巨大な黒い船影が見えた。
すでにアルカディア号が着陸していた。
目を凝らすとアルカディア号の傍に台羽が立っていた。
シーラ「あそこか!…」
シーラは構築物の陰を利用し、およそ400メートルまで近づいた。
黒マントからハンドガンを取り出し、右腕を真直ぐにのばして台羽に照準を合わせようとする。
シーラ「クッ…遠すぎる!」
シーラは、さらに慎重に近づいてアルカディア号の後方付近の構築物の陰に入る。台羽までおよそ150メートルになった。
シーラは右腕を真直ぐにのばし、左手で、ハンドガンを握っている右手を補強した。シーラの右目、右肩、ハンドガンが一直線に並び、その先に台羽が立っていた。

182秋霖:2005/10/06(木) 23:35:25
>>181
chapter77

すでに夜は明け、太陽はまだ昇っていないが、空は明るくなっていた。
空港はまだ目を覚ましておらず静寂の中にあり、夜の冷えきった空気がまだ漂い、ハンドガンを構えているシーラの、ミサの「炭」がついている頬にその冷気が触れた。
朝をむかえた空港に、アルカディア号の姿が一層はっきりしてきた。
シーラは、ハンドガンを台羽に狙いを定めながら目をアルカディア号に向けた。するとその宇宙戦艦の甲板には、ハーロックが立っていた。
シーラ「あれが、ハーロックなのか…」
資料からだけしか見たことがないマゾーンの敵、アルカディア号のリーダーの姿をシーラは、初めて直接見た。

183秋霖:2005/10/07(金) 00:03:07
>>182
chapter78

シーラは、アルカディア号とハーロックを見て思った。
シーラは、ミサを死なせてしまったのは、自分の責任だと思った。ここで台羽の狙撃に成功すれば、そのあとはハーロック達に殺されてもいいと思った。
シーラは、150メートルではまだ遠すぎると感じていたが、台羽に狙いを定めトリガーを引こうとした。そのとき、台羽が、ハーロックに向かって大声で叫んだ。
静寂の中、その声は空港に響き渡り、シーラにも聞こえた。
台羽「ぼくはこの自由の旗のもとで、ぼくの信じるもののために戦う!」
すると、アルカディア号の甲板のあちこちから乗組員が姿を現わし歓声をあげた。
シーラは、意外な光景を見て取った。

184名無しさん:2005/10/07(金) 00:26:24
>>183
chapter79

アルカディア号の乗組員達の歓声は、空港全体に反響した。
シーラは、怒りにまかせて忘れていたミサとの約束を思い出した。
シーラ「…ミサ…」
そして、もはや台羽を狙撃することは無理だと判断し、右手を補強していた左手をほどき、ハンドガンを下げた。
無念の感情が込み上げてきた。
シーラは、姿勢を低くしその場から撤退した。十分に離れた所で振り返ると、アルカディア号は離陸を始めようと推進機関のうなりをあげていた。
太陽が昇り、朝日がシーラを照らした。

185秋霖:2005/10/07(金) 00:53:31
>>184
chapter80

太陽は夕陽のように空を赤く染めた。
シーラは、空港敷地から出ていこうと歩きはじめた。
するとシーラの歩く先にメイが立って待っていた。メイは悲しそうな顔色を露にしていた。
シーラ「メイ、…わたくしの責任です。」
メイは頭を少し横にふり言った。
メイ「あたしはこれからもシーラ様を信じます。…あの宇宙船……忘れません。」
シーラは朝日に向かって上昇していくアルカディア号を見送り、そしてつぶやいた。
そのときの言葉をメイは、はっきりと聞き取った。
シーラ「…恐ろしい敵です…」

186秋霖:2005/10/07(金) 21:55:04
>>185
chapter81

シーラ「…戻りますよ。」
2人のマゾーン、黒マントのシーラ、赤い朝日を浴びて美しく体を輝かせるメイは、都市のビル群の中へと姿を消していった。

地球連邦首都にある総合病院。そこにも朝が訪れた。
数多くある病棟の一室に勇は入院していた。扉が開き、やや年配の看護婦が入ってきた。部屋の窓の外で小鳥のさえずりが聞こえる。
看護婦は窓を見てつぶやいた。
看護婦「ミサから連絡がないけど、どこに行ったのかしらねぇ。」
そして、まだ眠っている勇に近づいて、検査機器と、勇の様子を確かめる。
看護婦「あら?…何かしら?」
勇は、掛け布団の上に両腕をのせていた。
その左手の人差し指に糸のような物がやさしく巻いてあった。
それは、窓のカーテンの隙間からの、朝のこぼれ日を受けて、美しく緑色に輝いていた。

187秋霖:2005/10/07(金) 22:34:59
>>186
chapter82

テスは目を覚ました。だいぶ長く眠っていたようだと感じた。
テスは、自分が裸でベッドの中にいることに気付いた。周りを見ると、自分が住んでいるアパートの部屋だった。
キッチンに誰かいた。カップを手に持ちテスのところに来た。
サラだった。黒マント姿ではなく潜入生活時の普段着を着ている。
サラが笑顔で言った。
サラ「あら、目が覚めた?もう大丈夫ね、よかったわ。さあ、これを飲んで。」
サラは、テスを少しだけ起き上がらせ、テスの口へカップをゆっくりとよせた。
テスは暖かい「スープ」を飲んだ。

188秋霖:2005/10/07(金) 22:59:56
>>187
chapter83

テスは「スープ」を飲み干した。
そして、目を瞬きすると、しだいに昨夜の記憶がよみがえってきた。
テス「み、みんなは?…ミサは?」
サラは、やさしい笑顔を崩さずに目を閉じ、少し考えたかと思うと再び目を開けた。
サラ「ミサだけが…、残念だけど… 」
テスは、その言葉の意味を理解したが受け入れることができなかった。
テス「潜入生活では、いつもミサに助けてもらっていたのに……あたしの責任です。」
テスはうなだれ涙を落とした。
サラはやさしくテスの頭をなでた。
サラ「あなたの責任ではないわ。他のみんなもそう思っています。」
テス「やはり、あたしはマゾーン戦士として失格です…」
サラ「…テス…」
サラはただ黙ってテスの頭をやさしくなで、笑顔で見つめ続けた。

189秋霖:2005/10/07(金) 23:31:42
>>188
chapter84

一ヵ月後

地球連邦政府首都にある総合病院。その病棟の一室に勇は入院していた。
勇の病室に、医師の日垣と2人の看護婦がいる。
日垣「もう、長くはないな。予算を無駄にしたくはないからね。部長からも怒られてしまうし。治療はこれで打ち切ろう。」
勇には、酸素マスクが取り付けられ、薬剤の点滴も受けていた。新たに生命維持装置も取り付けられていた。勇は、以前よりも痩せ、ほとんどぐったりしていた。
日垣「この子の家族を呼んでくれないかな。」
年配の看護婦が答えた。
「それが、ご家族とは連絡がとれないのです。」
もう1人の若い看護婦が言った。
「この子の母親は、男をつくり、治療費がかさむので逃げたそうです。」
年配の看護婦が慌てて「シッ!」と口に人差し指を当て、若い看護婦をたしなめた。

190秋霖:2005/10/08(土) 00:12:19
>>189
chapter85

日垣は、また未払いなのかと、困った顔をして言った。
日垣「まあ…いいさ…よくあることだよ。あとは任せたよ。」
日垣は、若い看護婦に何か様子ありげな笑顔を見せて、病室を出た。
残された2人の看護婦は、点滴をはずし、生命維持装置の調整を変え、病室を出ていった。
病室には勇が1人きりになった。勇にはまだ意識が少し残っていた。
ボンヤリとだが、いまの医師達の会話を聞いていた。
勇は、母親を失い家族もなく、そして勇の人生の中で最も親しかったミサとも会えなくなり、精根が尽きはてていた。
勇は、目を閉じ、死がおとずれるのを、静かに待つことにした。

191秋霖:2005/10/08(土) 22:17:45
>>190
chapter86

勇は、目を閉じ身動きひとつしなかった。病室は、酸素吸入器の音と勇の弱々しい息だけが聞こえる。
しばらくして、病室の扉がまた開いたのが勇に聞こえた。
誰かが入ってきた。足音がゆっくりと勇のベッドへ近づいてくる。
勇は、目を閉じたまま、深い眠りにつこうとしていた。
すると、足音は勇の傍で止まり、酸素マスクをはずした。そして、勇は自分の顔を覗き込む気配を感じた。
匂いがする。…あの香気。なつかしい、甘い香りがする。
それはミサの体からただよっていた、あの香気だった。
勇は、驚いて目を開けた。
目の前にいたのは1人の看護婦だった。

192秋霖:2005/10/08(土) 22:41:00
>>191
chapter87

勇の目の前にいる看護婦は、緑色の長い髪、肌色が少しかった透き通るような美しい白い肌、目蓋には青色のアイシャドー、体は細く華奢で、しなやかな線が制服の上からも分かる容姿だった。
細い肩から小枝のようにのびた腕が、勇の掛け布団を少しかけなおした。
勇「ミ・サ・ちゃん?……ミサちゃんなの?…ミサちゃん!」
看護婦はその美しい顔に、やさしく笑みを浮かべた。
看護婦「ごめんね、…ちょっと大切なお仕事があったから…許してね。」
勇は、子供心に、これは夢か現実か分からなくなった。しかし、夢でもいいと思った。とにかく大好きなミサが傍にいてくれたらいいと思った。
勇「すごくさびしかったよ、…ぼくもう疲れたから眠るね、…一緒にいて。」

193秋霖:2005/10/08(土) 23:06:57
>>192
chapter88

看護婦は、その細い右腕をそっと、勇の頭にのばし、やさしくなでた。
看護婦「本当にごめんね。でも、大丈夫、いまお薬を注射するから、必ず治るから安心して。」
勇は力なくうなずいた。
看護婦は、制服のポケットから小さなスプレー缶のような物を取り出した。
スプレー缶の頭には、変わった形のノズルがついていた。
看護婦は、勇の首の頸動脈のところにノズルをあてると、ノズルの後ろにあるボタンを押した。シュッという小さい音がして、液体が注入された。痛みはなかった。
看護婦「これで大丈夫だから、ね、」
勇は、薬を注射されることよりも、ミサに再会できたことがうれしかった。

194秋霖:2005/10/08(土) 23:27:03
>>193
chapter89

勇「ねえ、ミサちゃん……これ…」
勇は、左腕をゆっくりとベッドの中からだして看護婦に見せた。
看護婦は、笑顔で勇の左腕をとり、左手の先を見た。
勇の左手の人差し指には、ミサの髪の毛が1本、ゆるくからめてあった。
看護婦は、その髪の毛を見つめ続けた。
看護婦「…あっ…、ミ……、」
看護婦の目から涙が浮かんできた。
勇「ごめんね、泣かないで、かえすね、」
看護婦は、勇の左手をやさしくそっと両手で包み、笑みを浮かべて言った。
看護婦「うれしい、ありがとう、持っていてくれたの?これからも大切に持っていてね。」
勇「うん。」

195秋霖:2005/10/08(土) 23:45:07
>>194
chapter90

看護婦「お薬がきいて元気になるまでは少しかかるから、がまんしようね。」
勇は、とにかくミサと話していることがとても楽しいようだった。
勇「うん、ねえ、ミサちゃん、治ったら、また一緒に遊んでくれる?」
看護婦「はーい、治ったら遊ぼうね。」
勇の顔に、少しだが血色が戻ってきた。
看護婦「あたしは、またお仕事に行くけど、心配しないでね。勇クンの事を忘れたりしないから、そのあたしの髪の毛は、あたしの分身だからいつも大切にしてね。」
勇「うん。」

196秋霖:2005/10/09(日) 00:12:29
>>195
chapter91

看護婦は、細い両腕で掛け布団を再びかけなおしてやった。
そして、右手を勇の顔にそっとすべらし、看護婦は自分の顔を、勇の顔にそっとよせた。
看護婦「また、お仕事に行ってくるわね。少しおやすみなさい。」
看護婦は唇を、勇の唇に静かに重ねた。
勇は、さっきまでは死を受け入れていたが、今は、安心したおだやかな顔で目を閉じた。
看護婦は、検査機器が正常に作動し、勇の容態が快方にむかっている事を確かめた。
勇は、香気の中に包まれて夢を見始めていた。
看護婦は、きっと勇は夢の中でミサと会っているのだろうと思った。
看護婦は、ゆっくりと歩いて病室を出ていった。

197秋霖:2005/10/09(日) 00:38:43
>>196
chapter92

総合病院の裏手の小さなゲートから、1人の黒マントのマゾーンが走り出てきた。
そして、近くの建物の陰に入った。
その陰の中にもう一人の黒マントのマゾーンが立って待っていた。
シーラ「よくやりました、テス。…ミサとの約束でしたからね。」
テスは、黒マントの懐から、さきほど使った薬剤の入っていた器具を取り出し、シーラに渡した。それはマゾーンが使う医療用ハイポスプレーだった。
シーラ「この薬を手に入れるのに時間がかかりましたが、間に合ってよかったです。」
テスはうつむいていた。
テス「…シーラ様…あたしは…」
テスは地面に涙を落とした。

198秋霖:2005/10/09(日) 14:08:42
>>197
chapter93

テス「…あたしは…あたしはもう…」
シーラは、テスが地球人を好きになってしまったのだと、言おうとしているのが見て取れた。シーラは笑みを浮かべた。
シーラ「テス…、気になるのでしたら、あの少年が完治するまで、見守ってあげなさい。命令です。」
テスは意外な言葉を聞いた。そして、潜入マゾーンとして初めてやりがいのある任務に感じた。
テス「は、…はい!」
テスは病棟のある方を振り返り見た。
シーラ「新しい暗殺リストが届きました。行きますよ。わたくしについてきなさい。」
テス「はっ!」
2人の黒マントのマゾーンは、迷路のようなビル群の奥へと走り始めた。風が吹き黒マントをなびかせた。
2人のマゾーンは都市の中に姿を消した。

199秋霖:2005/10/09(日) 14:34:47
>>198
chapter94

数年後

地球連邦首都から離れたところに宇宙海軍士官学校がある。
学校敷地の広い中庭の片隅で、3人の学生が立っていた。突然、1人が突き飛ばされ倒れた。突き飛ばした2人の学生は、囲い込むように立って言った。
「おいっ! おまえ! 本当は地球を侵略しに来たんだろ?白状しろよ 」
倒された学生は、太陽系から遥か遠くの恒星系から来た留学生だった。外見は頭髪はなく耳が大きく、皮膚は乾燥した灰色だった。
2人の学生のリーダーらしい方が、その異星人が落としたバッグを踏み付けた。
「おまえもマゾーンなんだろ?火をつけたらヒイヒイ泣くんだろ?」
すると、離れたところから大声がした。
「おい!!やめろ!」

200秋霖:2005/10/09(日) 14:57:55
>>199
chapter95

1人の学生が、立っている2人に近づいてきた。
その学生は、全体は少し細身だが、胸板は厚く、肩と背中の筋肉がだいぶ鍛えられて大きくなっているのが制服の上からも見て取れた。
「リーダー」の学生が、近づいてきた学生を睨んで言う。
「あ?なんだてめーは?異星人の仲間か?」
その細身の学生は2人の学生の傍まで来て2人を見つめて言う。
「やめろと言ったはずだ!」
子分と思われる学生がリーダーにささやいた。
「ヤバいですよ、こいつはこの前、試合で上位入賞したやつです 」
リーダーの学生は、細身の学生を検分するように見たあと、立ち去ろうと歩き始めた。
しかし、その小さく脆いプライドを誇示したいのか、すれ違い様に、細身の学生に捨て台詞を言った。
「てめえ、おぼえてろよ」

201秋霖:2005/10/09(日) 15:20:52
>>200
chapter96

少し細身の、その学生は10代半ばだった。
学生は、「2人」が立ち去るのを見届けると、異星人が落としたテキストとノートが入っているバッグを拾いあげた。
そして異星人に近付き手を差し伸べて言った。
「怪我はないかい?」
異星人は差し出された手を握り立ち上がった。
異星人「アリガトウ」
マゾーンの侵略を受けた地球連邦政府は、それまで孤立主義だった政策を改め、他の星系の異星人社会と交流を深める政策に転換した。
しかし、その政策はやはり地球連邦の一国繁栄主義に基づいていた。宇宙海軍士官学校に異星人を招き入れたのもその一環だった。

202秋霖:2005/10/09(日) 15:51:38
>>201
chapter97

休憩時間の中、その少し細身の学生は、広い中庭を歩いていた。
中庭には、いくつかの「植え込み」が散在していた。
その「植え込み」の一つに向かって、学生は歩みをすすめた。
「植え込み」に近づくと学生は笑みを浮かべた。
そこには低木の丁寧に刈り整えられた、小さい常緑樹が植えられていた。
その樹には白い花がいくつか咲いていた。
学生はその樹の傍にくると、地面に肩膝を着けてかがんだ。
「…クチナシの花かぁ…」
学生はしばし花を見つめた。独特の甘い香りがただよう。
「…ミサちゃんを思い出すなぁ…」

203秋霖:2005/10/09(日) 16:04:12
>>202
chapter98

あの、宇宙海賊とマゾーン軍の地球での最後の戦いの後、しばらくして総合病院に警備隊の調査官が訪れた。
ミサは潜入マゾーンだったと勇は聞かされた。
そしてミサと何を話し、受け取った物はないかなどいろいろと尋問を受けた。
しかし、勇はうつむいたまま、ほとんど何も答えなかった。
調査官は、相手が病弱な子供ではしかたないとあきらめて尋問をやめて去った。

204秋霖:2005/10/09(日) 16:26:32
>>203
chapter99


「マゾーンは、地球を侵略しようとした恐ろしい異星人だと、みんなは言った。
マゾーンは、人間の心をもてあそぶ、植物生命体の怪物なのだと。
………それがなんだというのだ。……
あのとき僕は同じ地球人に見捨てられた。
しかし、ミサちゃんは僕の心と命を救ってくれた。ミサちゃんが傍にいたから今の僕がいる。
ミサちゃんの愛情は本物だったのだ。誰がどう否定しようが僕はミサちゃんを信じる。
そして、いつか宇宙のどこかでマゾーンに会い、ミサちゃんのことを聞いてみたい。」

205秋霖:2005/10/09(日) 16:42:59
>>204
chapter100

勇は、クチナシの花を眺めた。
そして、制服の胸元を少し開けた。
とても細いリボンのような鎖につながれた小さい「ロケット」を首にかけていた。
その小さな「ロケット」を右手で取り出すと、勇はそれを見つめた。
「ロケット」は、透明な容器になっていた。
その中に1本の長い髪の毛が納められていた。
それは、初夏の日差しを受けて、美しい緑色に輝いていた。


−終−

作:秋霖

206Soldatin:2005/10/09(日) 22:36:27
ブラボー!秋霖さん。
楽しく拝読させていただきました。
お疲れ様でした。

207MET:2005/10/09(日) 22:56:58
本当にお疲れ様でした。
携帯のみでよくぞここまで打ち切りましたね。

208秋霖:2005/10/09(日) 23:09:56
Soldatin様
MET様

ありがとうございます。いま目がショボショボです。
この小説に登場したキャラクター達に思いをはせていただけたら、私としては一番うれしい限りです。
もし好評があれば、この小説につながるエピソードを用意しておりますので、そのときは「発表の場」なども含めてよろしくお願いします。
私は今月末にまた大会がありますので、もし次の作品を発表するとすればそのあとになろうかと思います。
本当にありがとうございました。

秋霖より

209秋霖:2005/10/13(木) 13:56:04
Soldatin様
MET様

こんにちは。遅ればせながら、私がこのスレッドに書かかせていただいた小説の題名を考えました。
いろいろ考えたのですが奇をてらわずに名付けました。
この小説に『マゾーン戦記』という題名をつけます。
秋霖より

210MET:2005/10/14(金) 23:38:08
>秋霖
「マゾーン戦記」は正直やられ小説とは言い難いんだけども
秋霖様のマゾーンに対する思いは非常に伝わってきました。
ご自身のサイト開設に向けて奮闘中との事ですが
またこの板で書くようなら総合SSスレを立てようと思うので
一言お声をかけてくださいな。

211秋霖:2005/10/15(土) 15:12:43
MET様

こんにちは。現在、Soldatin様に助力していただき、小説発表の為のHPを作成中です。
完成したら、最初にショートストーリーを一本、実験として掲載し、次に「マゾーン戦記(再掲載版)」を乗せる予定です。そして、そのあと現在創作中の「シーラ潜入生活ストーリー(仮名)」を発表する予定です。
HPが完成したらMET様のサイトとのリンクよろしくお願いします。
MET様のサイト内での小説発表ですが、今のところ予定としてはないのですが、いずれ書くかもしれません。そのときは、ご迷惑でなければよろしくお願いします。

秋霖

212Soldatin:2005/10/27(木) 00:31:23
わたしも黒マントちゃん小説、、
かいてみようかしらw。

213長嶋shige王:2005/11/30(水) 01:23:56
マーゾーンでしょう?

214a:2005/12/10(土) 20:16:33
http://zippedurl.com/1t8w3a

215ろんちゃん:2006/10/15(日) 14:18:20
マゾーン好きにとって、アニメ版ハーロックの「遥かなる長い旅」の回は素晴らしすぎますね。
クレオ、テシウス、カサンドラというキャラの濃いマゾーンが登場したかと思えば
女王様が乳首も晒してます。

マゾーン司令は軍服が通常なのに、司令カサンドラのコスチュームはロングスカート。
「そもそも我が第三方面艦隊が敗れたのは一にも二にも客船のせいである!!」
と一般市民とハーロックへの憎悪を募らせる司令カサンドラに、やおら立ち上がり
反発する文官最高位のテシウス。ふたりの凄まじい罵り合いに、ただオロオロする
武官最高位のクレオ。
そこに突然、女王ラフレシアがスクリーンで現れ、跪く三人。

「使命遂行のためならこのラフレシア、歴代随一の残酷無比の女王と喜んで呼ばれもしよう」

うーん、痺れます!!

216ろんちゃん:2006/10/15(日) 14:27:13
ハーロックとラフレシアが決闘する前の回での、クレオとラフレシアの会話も素敵。

鏡の前で、美容師(?)らしき女たちにヘアメイクさせているラフレシア。
しかし完成した髪形を見て、ラフレシアが一言。

「こんな髪型、わたしには似合わぬ」

「申し訳ございません」と平謝りする美容師。
するとその横で膝を折りラフレシアを見守っていたクレオがフォローの言葉を。

「ラフレシア様は比類なき美貌のお方。どんな髪型も、よくお似合いで・・・・」

返事はないものの、ラフレシアはクレオの気遣いに心を和ませているのがよくわかります。
クレオほど人間味(?)を感じさせるキャラは他にいないと思う。

そんなクレオも台場正に呆気なく殺されてしまうんだよね・・・・
単細胞バカな台場こそ死ねと思った人も多かったのでは?????

217ろんちゃん:2006/10/15(日) 14:47:06
またまたスレ汚しのほどご容赦を。

どの回かは忘れてしまったけど、(確か「遥かなる長い旅」の前後)の回に
登場したマゾーン司令官も印象に残っているマゾーンのひとり。

シャギーな髪型をしていたその司令がアルカディア号を包囲して集中砲火を
浴びせるものの、例の如くアルカディア号に反撃され、窮地に陥る。

次々と逃げ出すマゾーン戦闘機。
しかし司令はそんな仲間たちに、悲痛な声で命令する。
「戻れ!!戻って戦え!!包囲すれば・・・・・」
その直後、司令母艦はハーロックに撃ち落され、司令官は哀れ星の藻屑に。

アニメに登場したどのマゾーン司令官も圧倒的な自信と指揮能力を持って
いるのに対して、その司令官は部下を統率能力が未熟な半人前の指揮官として
描かれていたことがなかなか印象的でした。恐怖にひきつった顔もエロかったです。

218ろんちゃん:2006/10/15(日) 17:07:16
宇宙海賊キャプテンハーロック
全42話をムービー配信中です。第1話は無料!!

ttp://www.videx.jp/anime/_item/item013290.htm

219クレオ:2007/01/10(水) 20:11:09
>217
ろんちゃん様、その司令官って「アドルフ」ちゃんのことだと思います。
チョイ役なんですが、設定にはキチンと名前があって
キツイ表情のマゾーン指揮官の中でも
例外的にカワイイ系の顔だったので、スタッフにも思い入れがあっったのかも
最後の「栄光あれ!」って、叫び声がいいですね。
哀れでマゾーン側に同情しちゃった視聴者も多かったのでは・・・。

220名無しさん:2007/01/10(水) 23:25:37
別な人と混じってると思います。
アドルフは正面スクリーンに迫るアルディアの艦首にびびって
部下と一緒に逃げ出しました(全く無駄でしたが)。
「栄光あれ!」は生き残り艦隊で特攻かけた”司令A”さんでは?
私はどっちも好きですね。

221名無しさん:2007/01/11(木) 11:23:43
そういえば、ヨーロッパのコミケでマゾーンのコスプレが出たと
聞きまいした。だれかその画像のサイトを見かけた方情報下さい。

222名無しさん:2007/01/11(木) 17:01:14
3人登場です。①生意気そうな娘が借金をカタにAV撮られちゃいま
す。指ホジ、強制フェラから本番1発目。次はオナニー強要、ハサ
ミで脅されバイブオナ。フェラで1人抜かされマッサージ器攻め、
本番。②いつも留守電にメッセージを残すストーカーが部屋に侵入
、パンティーをはさみで切られ超薄毛まんこがあらわに。ローター
攻めから強制フェラ、本番へ。③院長室でのフェラをばらすと脅さ
れ男の言うとおりに。指、バイブでおまんこいじられ本番。終了後
は体をピクンピクンさせてます。それほど激しい作品ではないです
がレイプ好きの方はどうぞ!
www.kaukoo.com

223Soldatin:2007/01/16(火) 00:30:21
ttp://sweetpoxy.free.fr/annexe/japanexpo2004.htm

これは日本でのイベントなのでしょうか。
フランス人がアキアスのコスプレをしてますね。

224名無しさん:2007/01/17(水) 00:08:54
確かアメリカだったと思うけど
ラフレシアのコスプレを写真で見たことがありますよ。

ハーロックのオリジナルアメコミもあるから
北米でもけっこう知名度はあるのかも。
このアメコミが実に欲しいのだが今となっては入手不可能に近いな…。
作者は知る人ぞ知る「ニンジャハイスクール(旧)」の人です。

225名無しさん:2007/02/07(水) 13:00:57
フィギュアスケートの荒川静香って、なんかマゾーンっぽいですよね・・・・

226名無しさん:2007/02/07(水) 13:36:34
マゾーンっぽい芸能人
(司令官系)
・小雪
・鈴木京香
・天海祐希
・中森明菜

(戦闘員系)
・小池栄子
・黒木メイサ
・江角マキ子
・杉本彩

(ザコ系)
・さとう珠緒
・青田典子

227名無しさん:2007/02/07(水) 14:04:48
マゾーン系芸能人配役

・小雪(アドルフ)
・鈴木京香(カサンドラ)
・天海祐希(巨大母艦司令)
・中森明菜(「全能なるマゾーン、女王ラフレシア様に栄光あれ〜」)
・杉本彩(「このアキアスが一撃のもとに叩いてやります!」)
・小池栄子(ツインシスター)
・黒木メイサ_(ヒステリアス)
・江角マキ子(「世話を焼かせおってぇぇ!」切田にキック)
・青田典子(樹海のマゾーン)
・さとう珠緒(地球で一般市民に紛れ込んでいたマゾーン)

※参考サイト
ttp://www2u.biglobe.ne.jp/~maja/mazone_beauties.htm

228名無しさん:2007/02/07(水) 23:01:05
>>227
>・江角マキ子(「世話を焼かせおってぇぇ!」切田にキック)

怖いくらいその通りだと思いました。

229フェミニスト:2007/08/18(土) 13:06:01
この時代になって気づいたんだけど、マゾーンって、ヤラれたら燃えちゃうんだよね?そこで疑問なんだけど、燃え始めたマゾーンに「火事だー!!」なんて水をかけたらどうなるんだろうね?

230名無しさん:2007/08/18(土) 14:45:06
おそらく消火しても既に死んでると思う。

231名無しさん:2007/08/21(火) 03:16:49
>>229
あれ水でも消えないっぽくね?
どうも体液自体が発火してるくさいし。
ま、原作では燃えないマゾーンもいたからホントの所は誰にも解らんが。

232名無しさん:2007/08/22(水) 00:08:06
水中で燃えたことはなかったはず。
でも真空中では燃えたり燃えなかったり、どちらもあった。

233名無しさん:2007/09/10(月) 16:06:53
ニコ動にシャーマンやシーメンのやられ動画があったけど、マゾーンのやられ動画うpしてくれる神はいないのかな?

234名無しさん:2007/09/10(月) 22:34:10
その二者に比べると作画的にちと厳しいような・・・
「プラモ狂」か「銀河子守唄」くらいか?

235名無しさん:2007/09/11(火) 08:20:25
ツインシスター、マジでいい。
キャバクラっぽいし、昔の正統派美人って感じ。
しかもしっかりやられる。

236名無しさん:2007/09/12(水) 20:13:34
あの軍服、どう考えても特注だよな。
あんなのが認められるマゾーン中央艦隊っていったい…

237名無しさん:2007/09/13(木) 12:18:58
>>235
禿同。しかも最期は見事なまでの乳首ポロリだもんな。最高だ。

238名無しさん:2007/09/13(木) 12:20:15
237だが、安価ミスった。235じゃなくて>>236へのレスな。スマソ

239菜穂子:2007/09/17(月) 01:07:28
趣味で自我撮りをしていてホムペで公開しているので
よかったら遊びに来てください(*^^*)

菜穂子の部屋
ttp://hp27.0zero.jp/713/naoko21/

240名無しさん:2007/10/16(火) 00:00:34
ハーロックのパチスロがあるんだけど
マゾーンの出番はなさそう。
背景に戦闘艦(ゾネス?)が出るくらいらしい。

241ヘビメタ:2008/06/26(木) 14:54:40
お久しぶりです。

Wikipediaで面白い記述見つけました。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%88:%E3%83%9E%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%B3_%28%E6%9D%BE%E6%9C%AC%E9%9B%B6%E5%A3%AB%29
『キャプテンハーロック』以外の松本作品には登場していない…らしいです。

SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCKにも名前だけは登場してるし、銀河鉄道999 Story of Galaxy Express 999ではラーメタルと戦争してるのに?

242maki:2008/06/29(日) 17:23:56
エロエロ画像☆タップリありますよ〜♪
全部無修正は常識だよね〜!!あんなところまでっ…!!
ttp://tm.hmailde.com/takara/big/

243浜崎:2009/04/23(木) 00:34:30
人それぞれ好みがあるけれど、
真ん中が一番可愛いと思う!

ttp://dreamyjob.net/aab/

好みの問題もあるけど><?

244浜崎:2009/04/29(水) 00:55:12
私の目がわるいのかな?
真ん中が一番可愛いと思う!

ttp://hamasaki55.com/aab/

ttp://www.youtube.com/watch?v=D85QHGXuD04

好みの問題もあるけど><?

245ゆずき:2009/05/02(土) 20:24:09
真ん中が一番可愛いと思う!
私の目がわるいのかな?

ttp://tabegoromusume.com/aab/

好みの問題もあるけど><?

246名無しさん:2016/12/11(日) 16:28:58
REDでやってる次元航海ですが
けっこうマゾーン側の描写も力入っててやられ的にはともかく
マゾーン萌え的には良い感じ
少なくともこれまで原作・1stTVシリーズ以外は徹底してマゾーン排除だったのに比べれば
遥かに良い。圧倒的に良い。
加えてこれは舞台化もしていて綺麗なお姉様方の演ずるマゾーンがビシバシ登場
(コスはそれなりに全身フィットなスーツですが
カラーリングがどう見てもブラックタイガー隊)
ああ身に行きゃ良かった!

247名無しさん:2017/11/12(日) 09:31:44
マゾーンを実写で見たい

248名無しさん:2017/11/12(日) 10:13:51
マゾーン実写化で外せないものって何だろう…

249名無しさん:2017/11/12(日) 13:26:26
美人・美少女である事

250名無しさん:2017/11/12(日) 19:53:38
肌の色は青でなくて肌色(色白が望ましい)
相手は有紀蛍
ハーロックの実写化はキツイので不要

251名無しさん:2017/12/07(木) 14:23:59
>>248
女性ボディの雌雄同体である事

252名無しさん:2017/12/07(木) 20:43:03
シャーマン 天木じゅんで見たい

253名無しさん:2017/12/07(木) 21:28:42
マゾーンのふたなりボディかぁいいなあ
そういうやられも良さそうだし良いね、クイーンも美竿を持った美女だったらと思うと捗る

254名無しさん:2017/12/08(金) 12:32:28
雌雄同体と言ってもマゾーンは男性部分あまり大きくなさそう

255名無しさん:2017/12/08(金) 14:37:38
いわゆる〈デカクリ〉程度で良いような気はする。
キャライメージ的にあからさまなモノを生やすのは…
同様にぽっちゃり・デブも無理だよね。

256名無しさん:2017/12/09(土) 00:46:44
>>255
キャライメージというか松本画として×だわな>デブ
個人的には植物なんだから肥大化は有りなんだが

257名無しさん:2017/12/09(土) 11:10:18
キャベツとかカボチャとか大根とか普通に大型品種あるし
酵素液で巨大化した野菜もあるくらいだしな‥‥

中身は知らないけど舞台化されたマゾーンは>>246で書かれた通り別物。
てことは可能性は十分アリか?>デブ

258名無しさん:2017/12/09(土) 16:31:08
作物の大型化は巨人的ニュアンスだが(松本原作には出てきた)
デブは多肉みたいなイメージ

259名無しさん:2017/12/10(日) 15:24:01
いずれにしろ無理やり取り入れて欲しいネタではないね
デブには好意的なほうだけど作品世界の雰囲気は大事

260名無しさん:2017/12/10(日) 21:42:16
原作に出てきたから巨女はOK?
身長3メートル位だと思ったけど

261名無しさん:2017/12/11(月) 21:21:13
やっぱり完成度次第だろうねぇ‥
逆に言えば、原作に存在しなくても「良い」と思えるものなら案外なんでもありなのかも

262名無しさん:2019/01/13(日) 08:32:19
>>218
第1話だけというパターン多いですね

263masa:2023/03/12(日) 16:16:44
>>57
ローラ、エルザ、ジョジベルや司令官も捨て切れません。

264masa:2023/03/12(日) 16:18:32
>>3
ラフレシアが彼女たちと言ってました。

265名無しさん:2023/05/03(水) 07:55:10
過疎ってるから、あえてageてみる

9/13にBlu-ray BOXが発売されるそうですよ

266名無しさん:2023/05/04(木) 00:00:04
自分も便乗させてもらいます
YouTube「東映アニメーションミュージアムチャンネル」で『宇宙海賊キャプテンハーロック』配信中


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