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読書が好きや!!

94kn:2007/04/18(水) 01:19:03
「巨船ベラス・レトラス」筒井康隆

おもしろくて一気に読んでしまった。
現代の日本文学の状況を批評的に書いているけど、これは芸術・娯楽など全般的に同じムードがあって、
先取りして消費するサイクルがものすごく早くなっているとか、誰もが知っていることの前提としての
基礎教養が少なくなった(情報過多でコレだけ押さえておけという定義も無意味になった)結果、文脈
の上での評価や実験・前衛といったことの価値も薄れ、ものすごく古い陳腐な手法に感心したり、
ベタな笑いややすい涙など感動する閾値が低いものが逆にワッと売れたりする。

音楽もアルバム単位でなくmp3の1曲ごとにデータベース式に管理されることで世代やムーブメントなどよりも
いかにキャッチーであるかとか、手軽に消費できるかという側面で並び替えが進んでいるようにも思う。

尺が長いとか、思想等のバックグラウンド、前衛的なアプローチなど、分からない人が出てくると疎外感を
与える部分は「弱さ」となってしまい、そういった部分を抜かして高密度に圧縮していきたいという現代の
流れもまたベラス・レトラスを揺り動かしている一つの波のように思った。


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