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スーパースロー映像 フレームレートとシャッタースピード

1亮祐:2010/11/12(金) 12:39:33
EOS KissX4を使って映画を撮っている者です。

スーパースローに興味があり、撮影してみたいと思うのですが
通常、フィルムの撮影の場合フレームレートを変えることによって
例えば1000fpsで撮影して24fpsで上映するとスローになるという理屈は理解できます。

次に、最近の流行であるデジタル一眼レフによる動画撮影や業務用ビデオカメラなどにある
24p(23.976fps)の映像を使用してスーパースローを撮影する際には
30pや60pで撮影した映像を24pで再生すればスローになることも理解できます。

しかしフィルムの場合、フレームレートを変えるということは同時にシャッタースピードを変えるということにもなりますよね?
一眼レフ動画などの場合、24p撮影時のシャッタースピードは1/50にしてあるのですが
より滑らかなスーパースローを撮影する際にシャッタースピードを1/4000とかに変更する必要はありますか?

フィルム撮影の24pとデジタル動画の24p(23.976fps)の原理の詳しい違いがわからず
シャッタースピードとフレームレートの関係性についてもいまいちわからないので
どなたかご教授ください。

2高山カツヒコ(www.tepproject.com):2010/11/12(金) 15:16:24
 静止画のカメラではなく、もっとも原始的なフィルムのムービーキャメラと、フィルムの映写機の構造を想像して下さい。
 キャメラと映写機が共用のものもあったように、キャメラと映写機の構造は非常に似ています。

 撮影する際は、シャッターが開いてフィルムが一コマ露光し、シャッターを閉じてフィルムを送り次のコマを用意します。それを順次繰り返します。
 映写する際は、シャッターが開いてフィルムを一コマ投影し、シャッターを閉じてフィルムを送り次のコマを用意します。それを順次繰り返します。
 標準では、シャッターが開いている時間と閉じている時間がだいたい1:1で(シャッター開角度180度と呼ぶ)、24fpsの時はシャッタースピード1/48秒付近が標準となります。
 なので、東日本の電源周波数の蛍光灯下では、フリッカー防止の意味で1/48秒に近い1/50秒(西日本では1/60秒)で撮影します。60iのビデオの時のように1/100秒まで速くするとシャッタースピードが速すぎて動きがパラパラします。

 スーパースローと言うのは、テープ時代に高速で撮影できるビデオキャメラや、 まだバージョン4前後の頃のAfterEffectsのフレームブレンドのスローモーション効果を呼んでいた言葉です。
 スローモーションを得るためにフレームレートを上げて撮影する事は、高速度撮影、ハイスピード撮影、オーバークランク撮影と呼びます。
 これは、撮影機のモーターやゼンマイやクランクなどの機会の回転を、物理的に速く回して撮影する事を言います。
 シャッターが開いてる時間と閉じている時間が1:1の場合、30fpsの時は約1/60秒、60fpsの時は約1/120秒、120fpsの時は約1/240秒で撮影すれば、約1/48秒で撮った24fpsの映像と親和します。

3高山カツヒコ(www.tepproject.com):2010/11/13(土) 16:02:56
 NTSCカラービデオでの24pは、厳密には23.976fpsです。
 面倒なので24pと呼ばれていますが、24.00fpsであるとは限りません。

 何故かと言うと、NTSCカラービデオは60iと呼ばれていますが、厳密な60.00インターレースフィールド/秒ではないからです。
 モノクロ時代は60.00iだったのですが、カラー規格になってからは、カラーバースト信号が入った分だけ送る事のできるフレーム数が減り、59.94インターレースフィールド/秒になりました。
 60フィールド/秒に、24p素材を2:3プルダウンで記録すると、24.00fpsで記録できます。
 しかし、少し少ない59.94フィールドに2:3プルダウンを行うと、24.00fpsではなく、少し少ない23.976fpsになります。

 なので、NTSCビデオ専用機の24pは23.976fpsで撮影できるようになっています。
 しかし、デジカメの動画機能は24.00fpsになっている機種も多く、ビデオ規格として仕上げようとすると映像の速度が変わって次第に音がズレるという事故も起こるので、注意が必要です。

 また、デジカメの場合はフレームレートだけでなく、輝度スケーリングもビデオ規格とは異なるため、その辺も注意が必要になります。

4亮祐:2010/11/14(日) 12:54:36
さっそくのご回答ありがとうございます。

なるほど。
シャッタースピードとフレームレートの関係は
スーパースローとハイスピードの違いのようなイメージということですね。

デジカメの動画機能で厳密な24fpsになっているものって
ソニーのシネアルタの上位機くらいしか思い当たらないのですが
ほかに、なにかありましたら教えていただけますか?

あと、映画のフリッカー防止のための1/48という数字は
映写時にフィルムの同じ駒を2回(=1駒が静止している間に一度シャッターを閉じる)ことによって
1秒あたり24コマで撮影された素材を映写時に1コマ2回映しているので
倍の48コマ=1/48という認識だったのですが、間違いでしょうか?

5高山カツヒコ(www.tepproject.com):2010/11/14(日) 13:40:40
 シネアルタやバリカムは、あまりデジカメとは呼ばれません。
 一般に、 デジカメは静止画、スチル用のデジタルカメラ、デジタル一眼レフカメラ等を指す事が多いです。
 対して、デジタル「ビデオ」キャメラの事は、デジカムと呼ばれる事が多いです。
 安いコンパクトデジカメなどの動画機能は、ビデオ作品用ではなく、PCモニターで見る動画用途に向けて、24.00fpsや30.00fpsの製品は多いようです。

 撮影時のフリッカーと、映写時のフリッカーは、別のものです。
 人間の目は、だいたい1/40秒より遅い点滅は認識してしまうため、24fpsをそのまま映写すると瞬きを感じてしまうので、フレームレートに関係なく上映の時に点滅だけ早く繰り返すよう設計されています。
 なので映写には1/48という数字は直接の関係ありません。
 もし、あえて言うなら毎秒48回の点滅、約1/96秒ですが、映写機の機種によって回転シャッターの羽根の枚数が異なり、1フレームを3回に刻む毎秒72回の点滅のモデルもあれば、フレームの映写時間ととコマ送り時の閉じてる時間のデューティー比を映写側に寄せて、明るさの向上とフリッカー感の軽減を行っているモデルもあります。

 撮影時のフリッカー防止に関しては、24pや30pの低フレームレート作品では、シャッタースピードが速いとパラパラ感が増し、かと言ってシャッターピードを遅くするとブラーが強すぎて見づらい映像になるため、シャッター開角度180度付近を標準に撮影します。
 24fpsのシャッター開角度180度は、1/48秒です。
 蛍光灯など水銀灯は、交流電源の周波数によって点滅しており、東日本の50Hz地域は100Hzで、西日本の60Hz地域では120Hzで点滅しています。
 その点滅する蛍光灯の明かりで撮影すると、フレーム毎に明るさが変化するフリッカーが起きるので、照明の周波数の倍数か約数のシャッタースピードにする事で、フリッカー軽減を行います。
 なので、東日本では1/50秒、西日本では1/60秒で撮影します。
 何万Hzのインバーター回路を使った蛍光灯の場合は、遅いシャッタースピードの間では多少違ってもフリッカーは出ません。


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