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皇軍(明治〜WW2)がファンタジー世界に召喚されますたvol.26

1 名無し三等陸士@F世界 :2017/01/29(日) 10:52:34 ID:ci0mzTRQ0
自衛隊ではない日本の軍隊のスレッドです。
議論・SS投下・雑談 ご自由に。

ローテク兵器VS剣と魔法

戦国自衛隊のノリでいて新たなジャンルを開拓すべし
銃を手に、ファンタジー世界で生き残れ!

・sage推奨。 …必要ないけど。
・書きこむ前にリロードを。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめ。
・支援は15レスに1回くらい。
・嵐は徹底放置。
・特定の作者専用スレは板として不可。
・以上を守らないものは…疫病と戦争、貧苦と死に満ち溢れたファンタジー世界に召喚です。 嘘です。

51 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/29(水) 21:26:13 ID:guO46a5g0
だが南條は陸軍一筋35年の、根っからの軍人だ。
勿論、軍人と言えど士官ともなれば駐在武官として“軍人外交”もするし、国際共同訓練や軍事作戦等で外国軍と連携する事もあり、広い見識は必要だ。
南條は英語が出来るし、洋式のテーブルマナーにも慣れている。駐米武官だった経験もあり、そういう意味では国際派だった。

その南條ですら大陸では戸惑う機会が多いのだから、況や初めての異国に戸惑っている士官や一般兵においてをや。
歩兵中隊長などが役得だと言って喜んでいられるのは、実際にその時が来るまでだ。

酒の飲み方、食事の仕方、会話の内容。
全てに気を遣いながらの宴席は草臥れる。

例えば赤人奴隷は大きく二通りの存在がある。
使用人としての仕事をするかしないかだ。
仕事をする赤人奴隷は、概ね執事の下で働き、食事の時は主人と主賓に対してのみ給仕する。
仕事をしない赤人奴隷は、置物同然として主人の近くに立っている。というか立っているのが殆ど唯一の仕事だ。
後者は、赤人奴隷を使用人として遊ばせておける程の財力のある証なので、ただそこに居るだけで何もしない赤人奴隷は富裕の証、自慢の種である。
男女の赤人奴隷を所有し、彼等が子を産めば、わざわざ女性の赤人奴隷に赤人の赤ん坊を抱かせて立たせたりもする。

そういう奇異な環境の中で、南條たちはさもそれが当然といったように振る舞い、
東大陸における皇国軍の最高司令部の格式を見せつけてやらねばならなかった。
いちいち驚いていたり、気分を害していては身が持たない。

銃を持って敵と撃ち合うのとは別次元の心労と戦いながら、東大陸方面軍司令部は今日も街道を進むのだった。

52 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/29(水) 21:27:02 ID:guO46a5g0
投下終了です。
プチ異文化交流ネタ? でしょうか。


自分でも設定ミスっていたり忘れたりしていたのですが、東大陸に展開する部隊名称やトップの階級について。

・東大陸派遣軍(中将) → 東大陸軍(大将) → 東大陸方面軍(大将)
・東大陸派遣軍(中将) → ユラ神国軍団(中将) → リンド王国軍団(中将)

という二系統ありました。

当初は東大陸派遣軍としてユラ神国からリンド王国を攻める部隊でしたが、リンド戦後はユラ神国軍団となり、
同格組織としてリンド王国軍団が新設(ただし実態はユラ神国軍団がそのまま移動した形)となり、
リンド防衛戦時に骨抜きとなったユラ神国軍団には軍団どころか師団規模の部隊もありません。

同時に、東大陸に展開する部隊が広域に渡り、ユラとリンドを統括する必要から東大陸軍が新設され、そこのトップが大将となります。
そして東大陸軍を改編して東大陸方面軍となります。現状では司令部のみの部隊で、当初はユラにありましたが、現在はベルグにあります。
そしてユラ神国軍団とリンド王国軍団は東大陸方面軍隷下になります。

東大陸軍の司令官は高橋大将という人でしたが、南條大将が着任する時期に東大陸軍から東大陸方面軍に格上げされました。
上級大将云々はその布石でもあります。


ただ、旧軍における上級大将と准将の設定考えていて引っかかったのですが……

親任官:元帥(大将または上級大将)
親任官:上級大将
親任官:大将
勅任官:中将(高等官一等)
勅任官:少将(高等官二等)
奏任官:准将(高等官三等)
奏任官:大佐(高等官四等)
奏任官:中佐(高等官五等)
奏任官:少佐(高等官六等)
奏任官:大尉(高等官七等)
奏任官:中尉(高等官八等)
奏任官:少尉(高等官九等)

まず大将を勅任官に下げるのも違う気がするので、そのままにすると親任官として上級大将と大将が入ってしまいます。
総理大臣もその他の国務大臣も親任官なので、親任官の間で差があっても問題無いんでしょうか。

少将と大佐の間に准将が入るので、高等官一等〜九等はこうなるしか無いですよね。
准将は勅任官なのか奏任官なのかですが、陸軍であれば歩兵団長など、海軍であれば代将相当なので奏任官が妥当かな? と。
准将が勅任官だと高等官三等まで勅任官になってしまい、文官の官吏との整合性や宮中席次がこんがらがりそうです。

史実日本軍でも准将の導入を検討したという話をどこかで見た記憶があるのですが、
その場合は准将は官吏としてどういう位置になる予定だったのか興味があります。

53 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:19:10 ID:guO46a5g0
F自創作界隈の一部では、拙作の“神賜島”のような天然資源ザクザクの島
という都合の良い設定が「資源島(方式)」と呼ばれているようですね。

これ系の設定を使っている身からして、大元ってどこだろうと思いました。

思い当たったのが山本瑞鶴氏の『大火葬戦史R』という小説で、関東大震災で東京湾に資源ザクザクの陸地が隆起してきた。という設定です。
これと映画『海底軍艦』の轟天建武隊基地となっていた黄鉄鉱、ボーキサイト、マンガン……の島の設定から、拙作の神賜島の設定が固まりました。
『大火葬戦史R』については、今まで言及した事が無かったと思いますが、この設定に限れば『皇国召喚』への影響大です。

『大火葬戦史R』自体は、異世界転移ものではなく古き良き(?)日米戦争ものなのですが、
日本の天然資源不足を解消するチートという意味では、お手本のような設定だと思います。
というか私はお手本にさせていただきました。

異世界転移に際して“本土の近くに巨大な島が出現”という意味では『帝國召喚』の神州大陸を
モデルにしたので、拙作の“神賜島”はそれらの設定を継ぎ接ぎして創らせて貰ったものです。
単に読んで楽しませて貰ったという以上に、先人の作品に感謝感謝です。


雑談はこの辺で、本日は本編の続きを投下します。
確認しているつもりなのですが、以前投下したものの二重投下でありませんように……。

54 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:30:55 ID:guO46a5g0
皇国海軍の空母が巡洋艦や駆逐艦を従えて東大陸に向かうのは久しぶりの事だ。
北方諸国同盟との戦争の長期化に備え、空母飛鷹と隼鷹が極北洋を進んでいた。

「対空電探に感あり。飛んでいる友軍機はありませんし、この反射波なら飛竜と見てまず間違いありません」
「飛竜……だと?」
「はい。反応の大きさから見て1騎か2騎ですが」
「いや、そういう事ではない。ここは最も近い陸地から300km以上離れているのに、何故飛竜が居るのかという事だ」
「事実飛竜なら、マルロー王国の飛竜母艦という可能性が大です」
「そうだろうな。不味い事になった……」
2隻の空母はセルシーに飛行機を輸送する為、格納庫と飛行甲板は陸上機で満載になっており、戦闘運用可能な機体は存在しない。
随伴する重巡洋艦の青葉、衣笠が搭載している計4機の零式水偵がこの場で戦闘運用可能な航空機の全てである。
航空母艦という軍艦の存在や性能は極力秘匿しておきたい皇国軍にとっては、最悪のタイミングであった。
艦載気球という可能性もあるが、どちらにせよ敵の航空偵察隊である事に違いは無い。

「やり過ごせそうか?」
「難しいですね。最悪2時間ほど全力で逃げ回る事になります。予定航路復帰まで考えると5、6時間を逸します」
戦隊司令官の提督は非常に大雑把な海図を広げ、元居た世界の同じ位置の海図と比較しながら、一点を指差した。
「この季節、風向きは北西である事が多いらしい。すると飛竜の飛んできた方向からして、敵艦隊の位置はこの辺りになる」
作戦参謀や航海参謀も、当然そうだという感じで頷く。
「東大陸での、燃料の補給支援は滞りないな?」
「はい。帰途に使用する物資を積んだ支援艦艇は既にフレータル環礁に投錨待機中です」
「宜しい。衣笠は水偵で直掩に就き、青葉は敵艦隊を襲撃!」
提督の決断は早かった。
「しかし少なくとも飛竜母艦を伴うであろうという以外、敵艦隊の規模が不明です」
「だから直接確かめに行かせるのだろう」
「水偵で確かめてからでも遅くは無いでしょう」
「気付かれて警戒されると、襲撃も困難になる」
作戦参謀が危険性を説くが、提督の決心は揺るがない。
大規模な飛竜隊が居たら、無傷では済まなくなる可能性が出てくる。
飛竜母艦の主たる任務は遠方の敵艦隊捜索だが、飛竜は爆装可能なのだ。
飛行甲板上に露天係止されている機体も含め、輸送中の機体は燃料や弾薬を積んでいないから、
艦の燃料庫や弾薬庫まで攻撃が届かなければ誘爆という心配はまず無いが、被弾1発でも手痛い損害には繋がる。

飛鷹と隼鷹が伴うのは重巡の青葉、衣笠と吹雪型駆逐艦4隻のみ。巡洋艦1個小隊と駆逐隊1個という訳だ。
この状況で巡洋艦を2隻とも分派し、空母の護衛を駆逐隊だけにしてしまうのはそれこそ危険が大きい。
かといって、護衛戦力を単純に二分割して巡洋艦1隻と駆逐艦2隻を差し向けると、空振った時や別に敵戦力が発覚した時の予備が無くなる。
重巡洋艦であればこの世界の軍艦に対しては絶大な威力の主砲を持つから、対空脅威を除けば相手の射程外から一方的な蹂躙が可能だ。
奇襲に成功すれば、対空脅威の源である飛竜母艦をアウトレンジから沈めてしまえる可能性も出てくる。
青葉型も吹雪型もどちらも主砲門数は6門だが、一撃の威力が劣る駆逐艦では無駄な手数を要する。
それに、零式水偵は飛竜相手なら戦闘機としても使えるので、青葉単艦でも直掩機を得られる。
所詮水偵だが、高角砲と機銃のみで対抗するよりは対空戦闘の選択肢が増えるのは事実だ。

「青葉より“本艦は別命により戦隊を離脱。敵艦隊の攻撃に移る”です」
「よし。衣笠は艦載機の発進準備。本隊は予定航路を進む」
飛鷹、隼鷹を中心に輪形陣を組んだ艦隊がノイリート島へ向かうのを横目に、青葉は“敵艦隊”へと転針した。

55 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:31:41 ID:guO46a5g0
「衣笠1号機より入電。向かってくる飛翔体は、やはり飛竜です! 国籍識別表はマルロー王国!」
既に目視可能な距離になっており、双眼鏡を覗く見張り員も2騎の飛竜を確認した。
水偵を一旦退かせると、飛鷹、隼鷹、衣笠と駆逐隊は主砲と高角砲に仰角を取り、向かってくる飛竜に狙いをつける。
皇国軍艦である事は解るだろうが、初めて見るであろう空母の艦影を正確に確認するには、この世界の望遠鏡ではまだ遠いだろう。
「味方機は退避したな? 照準を合わせた艦は自由に発砲せよ。生かして帰すな!」
対空電探には現在交戦中の相手しか映っていないが、衣笠の水偵は念の為に周辺警戒と上空直掩を続けていた。
別方向から急に敵が来た時に対応したり、逃げる敵を追撃するには予め上空に居る必要があるからだ。

衣笠の主砲から対空用榴散弾が発射されるのを合図に、飛鷹、隼鷹と衣笠の高角砲、駆逐隊の主砲が火を噴く。
次いで本命の対空射撃となる各艦に装備された40mm、20mm、12.7mmと7.62mmの機銃から火線が上がる。
50門を超える対空砲(高角砲と兼用砲)に数十丁の対空機銃の圧力は相当なものだ。

対する飛竜騎士は逃げの一手だ。
艦隊に情報を持ち帰らねばならないのだから交戦している暇など無い。
皇国軍の軍艦は異様だったが、それ以上に異彩を放つのは陣形の中央に2隻ある、上に何かが載せられた箱型の船。
中央にあって周囲から匿われるようにあるという事は、皇国軍にとって重要な艦なのだろう。
周囲に比較物の無い大海原だが、巨大な艦影は長さだけでも一等戦列艦の2倍以上はあるだろう事は容易に分かった。
今まで見た事も無い形状の皇国艦という貴重な情報は、何が何でも本部に持ち帰らねばならない。

しかし皇国軍の対空砲火の苛烈さは想像以上だった。
噂には聞いていたが、実体験としてその場にいる恐怖感は言い知れぬものがある。
何とか回避運動を続けながらその場を離脱しようともがいていたが、ついに炸裂した砲頭の破片が飛竜の腹部に突き刺さった。
即死する程では無かったが、体力が削られて飛行能力が落ちれば続けて被弾する危険性が上がる。
墜落すれば、そこは冷たい海。生きたまま着水出来ても凍死か溺死という運命が待っている。
(苦しいだろうが、頑張ってくれ、相棒!)
人馬一体という言葉があるが、飛竜は馬より断然扱い難い動物である。
馬は良く言えば従順、悪く言えば臆病な気質だが、飛竜のそれは真逆だ。
竜士や調教師の長年の努力と技術の蓄積によって“兵器としての飛竜”が成立している。
幼い頃から寝食を共にしているといっても過言ではない竜士にとって、苦しむ飛竜の姿は心に刺さる。
自分自身もそうだが、傷付きながらも普段どおり手綱に応えてくれる飛竜を簡単に死なせはしない。
そういう思いを胸に、竜士は母艦隊を目指していた。

だが、何とか皇国軍の対空砲火の射程外に逃がれられたと安堵した途端、零式水偵が立ち塞がるように針路を遮った。
全力で飛べば皇国軍艦より速い飛竜だが、皇国軍が誇る飛行機には太刀打ちできない。しかも今は全力どころか負傷中。
必死に回避運動を続けていても、完全に見失わせなければ皇国艦隊に追いつかれてまた集中砲火を浴びる事になるだろう。
そしてこんな状況が長時間続けば、被弾せずとも飛竜の体力が尽きて冷たい海に墜落だ。

56 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:32:16 ID:guO46a5g0
「1騎、撃墜!」
隼鷹の艦橋で、双眼鏡に目を凝らしてた司令官に待望の戦果が届いた。
間近で炸裂した高角砲弾が飛竜と共に竜士の胴体を吹き飛ばしたのだ。
ボロボロになった飛竜は悲鳴を上げる事すら叶わず力尽きて落下していく。
「全ての砲火を残りの飛竜に集中!」
2隻の空母、重巡洋艦、そして4隻の駆逐艦の持てる火力が単騎になった飛竜を包囲する。
高角砲が炸裂する度に周囲を揺さぶる黒煙。空を切り裂くように狙い撃つ曳光弾。
程無くして、最後の力を振り絞っていた飛竜も火力に抗えず海に没した。

「敵、飛竜騎士が1人、海面にて生存している模様」
水偵からの報告は、一番聞きたくないものだった。まだ生存しているからには救助しますか? という事だから。
墜落して、そのまま海面に叩きつけられて死んでくれれば良かったのに……。司令部の誰もがそう思った。
自身は満身創痍となりながら、海面に軟着水して騎士を守ったのだ。騎士と飛竜の素晴らしい絆である。
「衣笠で救助すればいい。厳重に拘禁していれば良かろう」
「空母を発見した当人ですが」
「青葉も捕虜を連れてくるだろう。合流すれば、どのみちそうなる。
 見捨てたり、わざわざ機銃で止めを刺しても寝覚めが悪かろう?」

皇国軍は皇国版飛竜母艦のようなものを運用している。というのはリンド王国に限らず列強国の見立てだ。
皇国軍の情報部門や前線部隊の指揮官も、そこのところを隠してはいない。わざわざ公言はしないが、聞かれれば答えている。
飛竜母艦を持っているというのは列強国のステータスでもあるから、そのものは無くても皇国版飛竜母艦は持ってるというのは、外交上の強みにもなる。
あとは、それがどんな形状で、どんな能力があり、何隻あるのか。という核心部分が問題。
皇国軍はこの部分を可能な限り秘匿したいと考えていているが、それもいつまでも隠し通せると思っている者もまた居ない。

両大陸間の国交と通商が増えれば、いずれはそれなりに詳細な情報が伝わるだろう。
だから、皇国軍では“皇国版飛竜母艦”として、旧式で小型の鳳翔や龍驤などをとりあえず広報用に用いる事を検討している。
空母としては小型だが、この世界の船舶の規模からすれば十分過ぎるほど巨大だし、何より同盟国、友好国に対しても嘘を吐かなくて済む。
当面は“皇国軍はこういうのをあと何隻か持っています”と宣伝すればいいし、艦内見学だって部分的には認める方向性で国防省は動いている。

要は、この戦争中は空母の具体的な能力を秘匿出来ればよく、戦後にそれが明らかになっても問題はないし、それは既定路線という事だ。
洋上で救助しても、その後はノイリート島か大内洋上に停泊している捕虜収容船に預ければ、戦後の捕虜返還までは秘匿可能となる。

勿論、死んでいてくれれば艦を停止して救助する手間も無かったが、軍服など遺品を回収して所属や名前を確認する意味はあった。
飛竜騎士というのは貴族や騎士の子弟か、平民でも準貴族同等の有力者の子弟が多くを占めるから、情報量も多い。

「とりあえずこの場は収まった。雷を青葉の増援に回そう」
駆逐艦3隻を警戒に当たらせ、衣笠は漂流する飛竜騎士を回収した。

57 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:34:00 ID:guO46a5g0
本隊から離脱して単独行動中の青葉は“敵艦隊”の潜伏する想定海域に近づくと、水偵を発進させた。
海域は絞られるとは言え、半径数十km以上はある。正確な位置を割り出して有利な態勢を整える為に、5時間以上の滞空性能を持つ水偵の支援は必要だった。
1機は偵察に出て、残りの1機は60kg爆弾と機銃弾を満載して“戦闘待機”状態である。

偵察機が発艦してから約1時間。
「2号機より入電。艦隊発見。マルロー王国旗を視認。数は8、位置は――」
「北北東に20浬か。24ktに増速し急行せよ! 風上を向いたら速やかに1号機を発艦させろ!」


青葉2号機が接敵した頃、マルロー王国艦隊は大慌てで戦闘準備を行っていた。
西の空から友軍の飛竜が帰って来たと思ったら、皇国軍の飛竜だったのだから。
「動ける飛竜は全部上げろ! 対空戦闘!」
鐘と太鼓が打ち鳴らされ、下士官の吹く号笛の音に従って水兵達が慌しく
旋回砲に散弾を込め、ロケット弾やマスケットの射撃体勢を整える。
旗艦の飛竜母艦に信号旗が掲げられると、早くも発砲が始まった。

各艦から対空射撃が行われるが、そもそもが爆装して鈍重な動きの飛竜に対する気休めのようなもの。
対空砲弾、ロケット弾は見当違いの場所で炸裂し、高速で飛ぶ青葉2号機にはかすりもしない。
程無くして、水平線から黒煙を吐きながら迫る大型の軍艦が姿を現した。

飛竜母艦の弱点は、皇国の航空母艦同様に飛竜の発着時である。
狭い艦の出入りで邪魔にならないよう、帆の全部あるいは殆どを畳まねばならないので、艦の速度は落ち舵の効きも悪くなる。
ちょうど味方が戻ってくる筈の時間だった為、帆を畳んで漂流するように待機していた矢先の敵襲に大慌ての艦内。
飛竜の発着を諦めて展帆作業を優先させるか、畳帆しているのを逆手にとって飛竜を出撃させるか。
今から展帆を始めても、艦が風に乗るまでに襲撃を受けるだろう。だったら時間稼ぎも兼ねて出撃させた方が良い。
と同時に、最悪の事態に備えて手紙をしたため、艦長室の窓から本国の海軍司令部宛の伝書鳩を放った。
そこには『皇国飛竜1騎及び全長1シウスの皇国大型軍艦1隻と交戦状態に入れり』という簡潔な内容と日時が記されていた。


艦内に居る飛竜は全部で9騎だが、全てが飛び立てる状態ではない。
準備が整っているのは、空母艦隊と交戦した2騎の帰艦と交代する形で飛び立つ予定だった2騎だけだ。
残りは休憩中であり、眠っているものも居る。
食事が終わった飛竜を追加で2騎投入できるかできないか微妙な線だった。
対空砲撃や銃撃で甲板は硝煙に包まれるが、それも飛竜が最上甲板に姿を現すまでだ。
火薬の臭いには慣れされているが、飛竜の視界を妨げないよう発着艦時の火器使用は戒められている。

58 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:35:04 ID:guO46a5g0
青葉の艦橋では双眼鏡で目視確認する見張り員と、電探の反応を照合して索敵結果を確認していた。
「敵艦隊の艦影確認……飛竜母艦1、一層ないし二層甲板の戦列艦またはフリゲート7! 上空には飛竜が2騎!」
「第一目標は飛竜母艦と飛竜だ。最優先で叩け」
先に到着した水偵が既に旋回機銃で上空の飛竜を追い回しているが、やはり戦闘機ではない身ではなかなか命中弾が出ない。
機銃弾に余裕が無いので、あまり派手に連射出来ないといった消極的な理由もあったが、後方旋回機銃しか無いのも大きい。
敵艦隊の詳細確認と味方艦到着までの時間稼ぎという任は果たしたと判断した水偵機長は、
敵の増援等を警戒した周辺哨戒に任務を切り替え、敵艦隊との交戦を青葉にバトンタッチした。
青葉の3基ある20.3cm連装砲が飛竜母艦を捉え、高角砲と機銃は飛竜に狙いをつける。
飛竜の居住空間を確保する為に砲列甲板が無く、船体の大きさに比して帆柱と帆桁が少ない飛竜母艦の判別は比較的容易だ。

優先目標である飛竜母艦は爆弾を抱えて出撃した水偵1号機の攻撃によって損傷を受け火災が発生していたが、
すぐには沈没しそうになく無力化に成功したと言える確信が持てないので、優先順位に変更は無い。
8インチの通常弾は良好な弾道を描きながら、敵艦隊に吸い込まれるように飛翔していった。
重装甲の戦艦に対しては効果が薄いが、逆に言えば戦艦以外の水上戦闘艦艇には十分な打撃力を有する砲弾である。
火災が発生する事で強度が落ちた木造の船体は弾頭炸裂の衝撃波により崩壊し、食い止められない浸水により傾斜が限界を超え、転覆した。
脱出した水兵達は床や壁の破片などにしがみつくが、飛竜にはそれが不可能だから、船が沈没するのに任せて飲み込まれていくしかない。
最後の伝書鳩に託された手紙には『皇国大型軍艦の攻撃により轟沈。全ての搭載飛竜が艦と運命を共にせり』と書かれていた。

「真っ先に飛竜母艦を狙うとは、騎士道精神の欠片も無い野蛮人め……」
列強国同士の戦争でも、別に飛竜母艦を狙ってはいけないという条約がある訳でも不文律がある訳でもない。
ただ戦闘艦を同伴している艦隊が接近戦を演じる段階になれば、ほぼ非武装に等しい飛竜母艦から狙っていく意義は無い。
脅威度の高い方を優先的に狙うのが当然で、それは即ち多くの大砲と海兵を乗せている戦列艦やフリゲートとなる。
それら戦闘艦を撃破、拿捕すれば、飛竜母艦に抵抗する術は無く降伏するしかなくなる。無傷で拿捕出来る訳だ。
結果として、飛竜母艦は狙わないし狙われないという現実が表れるのだが、皇国軍は平気でそれを破った。

大急ぎで飛び立った飛竜は、特に爆装している訳でもない。
攻撃手段は飛竜騎士の持つカービンとピストルとサーベルのみ。
それで青葉に攻撃をかけようとしても、射程が圧倒的に足りない。
乗り込んで白兵戦に持ち込めれば奇跡のようなものだ。

飛竜母艦を沈没させられたマルロー王国艦隊は、残りの戦闘艦で海域を離脱すべく針路を変更した。
所期の作戦目的は失敗した。何とか風下につけて逃げ回り、夜間や悪天候に期待するしかない。
風向きは概ね北西。つまり極北洋からマルロー王国に帰還するに際しては追い風なのだ。
順風でも皇国海軍の方が速いという情報は得ているが、闇夜に紛れるなどして一旦姿を隠せば、帰還する望みはある。
青葉が対水上電探を装備しているという事を知らないし、そもそも電探という存在を知らないから抱ける希望であるが……。

皇国軍は、主戦場に対しては積極的だがそれ以外に対しては消極的だ。
今の所、マルロー王国本土の沿岸を艦砲射撃しに来るような素振りは無い。
故にノイリート島から十分に離れれば、それ以上は追って来ないというのが王国海軍司令部の分析である。
願望といっても良かったが、それでも“リンド王国やノイリート島での攻勢準備が整うまでは”という条件付き。
だからノイリート島の様子を探る目的で派遣された艦隊だったのだが、それが返り討ちにあってしまったのだった。
この海域で大型艦が出張ってくる事態となると、攻勢準備が整ったか整いつつあるという事になる。
決定的な情報は何としても持ち帰らなければならない。

59 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:36:09 ID:guO46a5g0
「撃沈した敵艦から脱出した漂流者を救助したいところだが……可能かな?」
「敵艦隊は退却しつつあるようですが、こちらの停船を見たら反転して来るかも知れません」
「仕方のないところだが……」
飛竜母艦という最大の脅威は排除したが、単艦行動中に迂闊な真似は出来ない。
敵の3倍速い皇国軍艦とは言え、一旦停止してしまえば帆船でも追いつけるのだ。
「漂流者は自力で何とかしてもらうしかない。敵艦隊を追撃する」

青葉は敵艦隊の射程外から主砲を撃ちまくる。
射程外といっても距離にして3500m程度であり、重巡の砲戦距離としてはかなりの接近戦だ。
良好な命中率を得られ、合計300発も撃つ頃には旗艦を含む敵艦5隻が沈没ないし大炎上し行動不能に陥った。
途中、増援についた駆逐艦雷も加わり、至近距離からの砲戦は一方的な展開で幕を閉じる。

「艦長、霧が出て来ました。濃霧になる前に……」
「着艦させるしか無いな。ここで貴重な飛行機を失う訳には行かん。水偵の回収を急げ。それと隼鷹に通信。
 “悪天候につき飛行機収容の為、敵艦隊の追撃を中断。収容作業完了次第、追撃を再開する”と伝えろ」
固まって逃げてくれるならいいが、方々に分散されると見失うかも知れない。
頭を抑えるよう走り回っていたが、青葉が停止して行動の自由を得れば別方向に逃げるだろう。

水偵の回収と並行して、漂流者の救助を行う。
青葉は水偵の回収と警戒、雷は漂流者救助、作業は短時間で終わった。
冷たい海に投げ出されて長時間放置されていたので多くは助からなかったが、
艦隊司令官を含む士官と下士官兵を合わせて百人弱の救助に成功。捕虜とした。

その後は霧で視界が悪い中で一夜を過ごし、翌日は霧が晴れた午前中に敵艦隊の捜索を再開したが
結局見つからず、隼鷹から再集結の命令で青葉と雷は本隊と合流。本来の任務を済ませて帰路に着いた。
同時に、この戦闘で得た百人弱の捕虜はノイリート島の預かりとなり、城塞に付随してあった捕虜収容施設に収容される。

飛鷹と隼鷹は航空機輸送任務を終えると、その格納庫に東大陸からの輸入品を積み込んで皇国本土への帰路に就いた。
2隻合わせて飛行機120機、滑空機60機、合計で180機の航空機とその燃料弾薬、予備部品類を輸送し、約300t分の保存食品を持ち帰り、影の武勲艦となったのだ。


城攻めというのは難しい。
これは洋の東西を問わず、また今も昔も程度の差こそあれ軍事的な真理である。
皇国の元あった世界にしてもこの原則は当て嵌まる。
厳重に防護された城や陣地を攻める場合、攻撃側に多大な出血を強いる
というのは皇露戦争でも欧州大戦でも嫌というほど味わっている現実だ。

皇国に占領されたノイリート島を奪還するというのは、城攻めに
なる訳だが、陸続きではないので艦船による兵員輸送が必須となる。

軍人や軍属の殆どは大陸本土に押し付けたが、大多数の島民は未だに島内在住である。
ノイリート島にマルロー王国やセソー大公国の旗が立てば一斉に放棄して皇国の牙城も崩れるだろう。
そんな期待を胸にしても、島内との連絡手段が封鎖されてしまっているから、力押しで上陸してみるしかない。

今回はそれが可能かどうかを確認するという名目で艦隊が派遣されたのだが、
皇国軍はノイリート島を囮として占拠しているだけで、実際の防衛には消極的だから
奇襲すれば一挙に奪還可能である。というセソー大公の意見に何の根拠も無い事が露呈した。

皇国軍のたった1隻の軍艦によって、飛竜母艦を含む偵察艦隊が壊滅した。
この一件によって、元々積極的な艦隊行動を控えていたマルロー王国海軍は
より消極的になり、艦隊保全を最優先する姿勢を露骨に示すようになった。
それにより、マルロー王国軍はシテーン湾の制海権を自ら放棄したも同然となり、
北方諸国同盟軍全体の動きがより鈍るという無視し得ぬ打撃を受けたのである。


皇国軍にとっては、ちょっとした不運、小さな遭遇戦に過ぎなかったこの海戦が、
北方諸国同盟軍へ想定外の打撃を与えたことを知るのは、戦後になってからである。

60 303 ◆CFYEo93rhU :2017/03/31(金) 22:37:20 ID:guO46a5g0
投下終了です。
飛鷹&隼鷹姉妹と青葉&衣笠姉妹、特Ⅲ型姉妹出してみましたが、多分これが最初で最後の出番だと思います。
吹雪型としか書いてませんが、雷を含む4隻の駆逐隊といえば特Ⅲ型姉妹です。
皇国召喚版の飛鷹型は商船改装空母ではなく、大型軽空母で、当初から空母として建造されています。

61 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/01(土) 16:06:55 ID:tjIVabcc0
東京湾に石油が湧くってSSも読んだ覚えがありますが、戦前なら「資源さえ在れば」悪くないアイデアとは思います
同時に、戦後では異世界モノでしか通用しないアイデアだなーとも思います
資源あってもねぇ……サウジがアメリカより偉くもないし強くもない現実がありますんで

62 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/01(土) 17:06:00 ID:ighuf85w0
資源島は「資源さえあれば…」という日本人の切ない願いの表れというか、「資源もなければ即死やんけ!」という身も蓋もない話なのか…
アメリカは資源も技術も金も人口もあるからずるい、ずるいよ

63 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/01(土) 17:29:46 ID:tjIVabcc0
つーか「資源が無い」って日本人が言っちゃマズいっしょ
資源国だった歴史の無い本物の無資源国が怒るぞ

64 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/02(日) 01:50:33 ID:lEy5xQPg0
独 「そりゃお前」
英 「アメリカと比べたら」
仏 「何処の国だって」
ソ 「ずるいと思うわ…」

65 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/02(日) 21:08:41 ID:tjIVabcc0
>>62
資源と自給率と教育水準でで無理矢理に保たせてた状態だったもんな、開国から列強に加わるまでの日本

66 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/02(日) 22:05:05 ID:guO46a5g0
まとめ、感想等、いつもありがとうございます。
そういえば陸戦ばかりで、海戦を投下したのは凄く久しぶり……。

>>61

中東は石油の産地ですが、石油以外で必要な資源全般で言うなら、アフリカとか南米とかも資源の宝庫なんですよね。
サウジとかUAEとか、石油資源だけあっても駄目だという事で、オイルマネーを教育とか科学研究に投資しているとは聞きますが。

>>62

> 資源島は「資源さえあれば…」という日本人の切ない願いの表れというか、「資源もなければ即死やんけ!」という身も蓋もない話なのか…

私の場合は両方……創作上の都合で言えば後者が強いでしょうか。

異世界転移してもしなくても資源が無ければ近代国家として死ぬ……。
最初の一年くらいは派手に暴れられても、そのうち人口の半分を間引きして文明レベルを
江戸時代に戻すくらいしないと立ち行かなくなり、国内の騒乱がメインの話になってしまいます。

「転移で日本は大混乱し内戦状態まで悪化。F世界の列強がそれに付け込んで……」
というプロットは、それはそれで面白そうですが、私が読みたい&書きたいのとは違いました。

> アメリカは資源も技術も金も人口もあるからずるい、ずるいよ

でも、そのアメリカも現代のエネルギー消費量からすると、国内生産分だけで内需は賄えないと聞きます。
あと高度技術や知的財産の根幹は握っていても、実際にそれを生産するのは中国とかで、意外と産業構造に歪な部分があるとも。

>>63

本当の無資源国とは、モナコやシンガポールのような都市国家とか、パラオのような島嶼国家などでしょうか。

日本もかつては金銀とか石炭はありましたが、石油に関しては有史以来ありませんよね。

日本の埋蔵資源は、種類は多いけれど個々の量は少ない。
ゼロではないですが、需要からすれば1%にも満たないからゼロに等しいという意味では「資源が無い」のは事実でしょう。
現代日本だと、塩ですら8割以上が輸入でしたよね。

>>64

英「アメリカがイギリス植民地というIF世界なら最強ですね」

>>65

欧米に比べて人件費が安かったので、人的資源を使い潰すという方向に振れてしまいました。

67 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/03(月) 05:19:24 ID:tjIVabcc0
>江戸時代に戻すくらい

自給自足のプロが揃ってても3千万人が限界で、何度も禁止令が出たほど間引きが必要だったから無理っぽいすね
北海道などの領土増加や技術の進歩では如何ともし難いし、そもそも間引きされる半数が大人しく死んでくれませんし

68 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/15(土) 18:49:08 ID:guO46a5g0
ちょっとした小ネタのつもりだったのですが、異世界転移における資源問題への食いつきが予想外に大きかった……。

>>67

現代日本だとむしろ北海道が日本の農業支えてますが、戦前の日本だとまだ開拓途上といった感じで、
そこに転移など重なれば北海道開発に必要なリソースを持って来るのも不可能に感じます。

異世界転移よりは現実味のある仮定の話としては、鎖国して外国との関係を一切絶ったら日本はどうなるかとか。
現代よりエネルギー需要の桁が少なかった昭和初期の時代でさえ、経済制裁を受けたら、海外との船舶の往来が止まったらどうなるか……歴史が証明していますからね。

確か、そのまま戦争を続けていたら昭和20年〜21年で餓死者が1000万でしたっけ?

69 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/20(木) 17:18:37 ID:/6/Mu3X.0
歴史の証明って言うには、圧倒的物量を誇る敵国との末期戦て特殊事情が大きすぎるんでは
問題の切り分けをするに、他国から責められない転移の時点で維持だけは不可能じゃなさそうな
政治的に「外へ」は避けられんでしょうけど

70 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/22(土) 21:54:02 ID:M7xF1YeE0
津島の米食えない率ヤベぇ
ttp://uproda.2ch-library.com/9667186ZC/lib966718.gif

71 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/23(日) 19:06:02 ID:guO46a5g0
本編の続きを投下します。


>>69

現代ほど機械化されず、人力や畜力に頼っていた昭和初期の時代でも、
転移なんて事が本当に起きたら何年も戦争して末期的状況になるくらい、
あるいはもっと疲弊しておかしくないだろうというのが私の見解です。

史実の太平洋戦争とは違いますが、徐々に衰退するのは避けられないだろうと。
つまり最低限の維持だけでも難しい。

農業に関しては戦前の段階で北海道、本州、四国、九州と沖縄で生産される分だけでは、
そこに住む人々を養いきれないので、台湾、朝鮮、満州から米など輸入していましたよね。

現代日本ものでも大日本帝国ものでも、国ごと転移系の小説の場合は
「日本は転移初期に幸運に恵まれて資源地帯を手に入れて開発に成功した」
というストーリーが多いですが、こういう作者によるご都合主義展開が無ければ
近代国家として死ぬ(下手したら江戸時代より後退する)から仕方ないと思います

それと、仰るように政治的に「外へ」となるとしても、各種資源が無ければ
外へ行く事すら無理なので、真面目に考えると暗い未来しか見えないので
303は考えるのを止めて神賜島に全てを託した……といった感じです。

72 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/23(日) 19:08:28 ID:guO46a5g0
「ノイリート島が皇国軍に制圧されたとなりますと……」
マルロー王国空軍の近衛飛竜師団を預かる将軍が地図を広げ、シテーン湾を指差す。
「今迄の皇国軍“飛竜”の行動圏から導かれる結論は――」
指先はシテーン湾からマルロー王国の王都ワイヤンに移動する。
意味する所はシテーン湾全体とワイヤン周辺が全て皇国軍の“制空権”に入ったという事だ。
皇国軍の擁する“飛竜”は外見や性能が様々なので情報が錯綜しているのが現状だが、
“海の上から直に飛び立つ大型の飛竜”であれば、マルロー王国の
全土が“制空権”に入るかも知れないという想定もある。

開戦前の“前提条件”では、皇国軍の飛竜隊はワイヤンまで来る事は無いものとされていた。
ユラ神国やリア公国から、終日ベルグを脅かされていたリンド王国とは状況が違うと。

「リンド王国並びに皇国の外交筋から、北方諸国同盟の即時停戦と講和を要求する書簡が来ております。
 皇国の方は特命全権大使の署名となっていますが、リンドからのものは女王の署名入りです……30日以内の返答を求むと」
書簡は複数の中立国を経由しているのだが、ノイリート島の占領から2ヶ月も経っていないのに手際が良すぎると、レイオンは思っていた。
セソー大公国の情報がベルグに届くのに半月から1ヶ月。手紙に認めてワイヤンに届くのに1ヶ月から1ヶ月半はかかる。

しかもこの中立国の中にユラ神国の名前がある。
確かに北方諸国同盟が戦争しているのはリンド王国と皇国だが、ユラ神国は明確に皇国の同盟国として振る舞っている。
これで何が中立国だ。実際に戦火を交えていないというだけで中立国なら、北方諸国同盟内にも中立国は存在する理屈になる。

皇国のやりたい放題だが、しかしそれを止める力は無い。
大内洋に面するリンド王国とユラ神国、大内洋のリロ王国とオレス王国が親皇国派という時点で、政治的に打てる手は殆ど無い。
では軍事的にはどうだ?

「王都周辺の飛竜基地は、合計すれば千騎以上の飛竜が居ります。
 最悪、これが全滅する可能性も考慮しませんと……」
精鋭の航空戦力を預かる将軍が、実質的に“もうだめだ”と忠告してくる。
「皇国からセソー大公国に対しては、我が国と同じく北方諸国同盟としての降伏をせよと打診があるとの事。
 無条件の降伏ではないのですが、ノイリート島の帰属を巡ってセソー大公国と揉めそうではあります……」
マルロー王国の、特に西部に領地を持つ貴族から感じ取れる雰囲気は不味い。
自分の領地に戦禍が及ぶ危機が現実になりつつあるから、必死だ。

マルロー王国本土の危険度を判定する為に行われた海軍の偵察は完全な失敗に終わった。
ノイリート島は既に皇国軍の防備が固められており、周辺には有力な艦隊が存在する事が判明。
皇国軍艦と皇国飛竜の能力からすれば、最早近付く事すら不可能だろう。

残った全ての艦艇を投入した乾坤一擲の作戦ならば、あるいは
シテーン湾の制海権を一時的にでも確保できるかも知れない
という見方もあるが、相当な損害を覚悟せねばならないし、
ノイリート島を奪還する事が出来たとして、その後は?

島の奪還は目的ではないのに、その為に貴重な艦隊を磨り潰し
飛竜母艦を失えば、東大陸北方での覇権争いを諦める事になる。
大海軍を全滅させるなど、リンド王国海軍の二の舞は御免だ。


もう、潮時か……。
一発殴ってリンド王国から譲歩を引き出す。
という目論見がほぼ達成不可能となった今、政治はいかに“不利でない”条件で敗戦処理を行うかに移りつつあった。

73 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/23(日) 19:09:02 ID:guO46a5g0
リンド王国と皇国からの講和要求(降伏勧告)を受け、北方諸国同盟の主だった領邦君主が集まる会談が設けられた。
だが、どういう形で講和するかという会談の筈が、予想に反してセソー大公レオニスだけが徹底抗戦を主張したのだ。
“賠償金もノイリート島の割譲も認められない”という意見にはマルロー国王レイオンも首を傾げた。
要求されている賠償金は払えない程の大金ではないのだから、島と引き換えならば何も問題無いだろう。
各方面で攻撃が頓挫している現状、戦争を長引かせる方が余計な出費になりうる。
セソー大公国の場合、ノイリート島に収まらず全土が占領される危険も現実になっているのだ。
占領まで行かなくても、明らかに全土が皇国の制空権に収まるのだから、爆撃され放題だろう。

しかしマルロー国王以外で、匹敵する発言力があるのはセソー大公しか居ない。
他の貴族は横並びで下位にあるから、マルロー国王とセソー大公の口論になっていた。
「徹底抗戦とは申すが、それは無傷でノイリート島を奪われた国の君主の言葉か?」
「あれはノイリート伯爵の独断によるもの。我が国の同盟への忠誠は変わりません!」
「貴公は臣下の貴族に離反される意味を考えているのか? 臣下に見放された君主の末路を考えているのか?」
「それは、どういう……」
「貴公と、そして同盟の盟主たる余が、ノイリート伯爵に見放されたという事だ」
ノイリート島の占領は、北方諸国同盟にとってはセソー大公国を通る進軍路が常に脅かされる事を意味する。
北側から主力を押し立てようとしているのに、その主力軍団の後方が危ういと戦えるものも戦えない。
そのような初歩的な事が解らないノイリート伯爵ではない。
独断で皇国軍の進駐を許し領土を明け渡したという事実は、
単に裏切ったという以上に重い政治的、軍事的意味を持つ。


「リンド王国の二の舞になりたくなければ、もう皇国の講和案を丸呑みするより他無いであろう?
 今ならまだ、交渉の余地は残されているのだ。同盟一丸となって交渉に臨むのが忠誠とは違うのか?」
「先人は言いました。自分が苦しい時は相手も苦しいのだと。皇国も苦しんでいるのです。
 現状、見かけの上で劣勢だからといって、安易な譲歩は後世に禍根を残します」
「であれば、後世に禍根を残さぬように講和を進めるのが筋であろう」
「しかし、それでは同盟の正義が――」
「ならば! 貴国を此度の軍事同盟から除名する。それで同盟に縛られず心置きなく戦えるだろう。貴公の正義を全うしてくれ」
「わかりました。世に正義の何たるかを示します」

マルロー国王の提案に、セソー大公国以外の全ての国が除名に賛同し、賛成多数で議決された。
付き合いで連名しはしたが、正直“北方諸国同盟”という看板から抜けたいと思っていた国は多い。
皇国側が名前くらいしか把握していない中小国にとっては、早期の講和は願ったり叶ったりの話だ。

そんな都合の良い話に皇国が納得するかはともかく、形式的には北方諸国同盟が一体となって講和するという筋は通せる。
少なくとも、この同盟の盟主であり列強国であるマルロー王国が率先して講和に同意するという形は作れる。
もしも、この提案で通らなければ皇国側に立ってセソー大公国を挟撃してでも、という覚悟もあった。


後世に“不可解な決別”と呼ばれる事となる会議は、想定外の結果で終わった。

74 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/23(日) 19:09:36 ID:guO46a5g0
盟主たるマルロー王国が降伏し、中小国も示し合わせたかのように雪崩を打って降伏。
北方諸国同盟は事実上全面降伏、同盟も経済的繋がりは維持されつつも軍事的には解体した。
セソー大公国を除いて……。


この情報はすぐさまベルグに届けられ、リンド王国、皇国と北方諸国同盟間の停戦が成り、同時進行で講和条約の締結が行われた。
時間が無かったため、本来ならばそのまま本国へ帰る筈だった巡洋艦青葉が補給を済ませた上で再度シテーン湾に折り返し、
皇国の外交団を載せてマルロー王国沖に停泊、その艦上でセソー大公国を除く北方諸国同盟の全代表が調印した。


1、リンド王国との国交再開、内政不干渉。
2、皇国との国交、通商条約の締結。
3、賠償金5億5000万リルスを50年で支払う。
4、捕虜を500万リルスと引き換えで返還する。

以上が、皇国、リンド王国と北方諸国同盟で締結された講和条約の基本的な内容である。
これにより北方諸国同盟との戦争は事実上終結したが、セソー大公は未だに徹底抗戦を唱えていた。


北方諸国同盟の盟主であるマルロー王国が降伏すれば、当然にその他諸国も自動的に降伏すると、そう思っていた皇国首脳陣は、
予想外の展開に頭を抱えざるを得なかった。降伏を求めてきたと思ったら徹底抗戦に傾くセソー大公国の変節ぶり。

マルロー王国さえ崩せば、あとは有象無象という考えは甘かった。
だが、折角マルロー王国他、セソー大公国を除く北方諸国同盟が“同盟として”降伏するというのだ。
これを蹴ったら確実に長引く。

北方諸国同盟が降伏すれば、セソー大公国のみを相手にすればいいのだ。
セソー大公国はリンド王国からも飛行機を飛ばせるし、ノイリート島からなら全土が攻撃圏内になる。
マルロー王国の王都ワイヤンを如何に爆撃しようかと思索を練っていた皇国軍からすれば、爆撃難度が大いに下がった。
国土の縦深も無いから、空陸から攻め立てればすぐに崩れるだろう。

リンド王国の王都ベルグの経験から、それくらい解ると思うのだが、何故セソー大公が同盟を離反してまで継戦を望むのか。
マルロー国王やセソー大公の直臣すら計りかねた問題であり、後世に至っても謎のままの問題、皇国も計りかねた。
後世、この同盟脱退劇は『セソー大公、謎の判断』とか『セソー大公、謎の離反』などと呼ばれる事になる。
“疲れていた”とするのが定説になるが、その疲労による誤判断に巻き込まれた方は堪ったものではない。

家臣が講和工作を進めても、結局、君主であるセソー大公が署名調印せねば終わらないのだ。
書類一式準備して、後は署名調印するだけという手筈を整えても、そこで反発されても困る。
大公位継承権者は全員まだ幼い。当分の間、双方の勢力は覚悟を決めるしかなかった。

75 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/23(日) 19:13:12 ID:guO46a5g0
投下終了です。
以前投下したものを二重投下していないかビクビクしています。


『現代知識チートマニュアル』

なる本を、書店で見かけてぱらぱらと立ち読みしたのです。
時間が無かったのでとりあえず軍事チートの項目の中の弾丸について読んでみて……。

中世(近世)のマスケットや前装式の大砲を想定して書かれただろう
部分で、ドングリ型の弾丸は球形の弾丸に比べて質量を大きく、
断面積を小さく出来るから遠距離で速度が落ちず射程が長い。

大砲においては球形の弾丸は地面を転がりながら敵を薙ぎ
倒していくがドングリ型の弾丸は地面に刺さってしまう。

銃なら全部をドングリ型に、大砲なら攻城戦等で射程を長く取りたい時は
ドングリ型の、野戦で範囲効果を求めるなら球形の弾丸を使い分けると良い。

球形のマスケット銃弾は空気抵抗が大きく150mも飛ぶと威力が無くなる。

というような事が書いてあって、首を捻ってしまいました。

ライフリングされていない銃からドングリ型の弾丸撃ったらひっくり返るだろうし、
球形砲弾が跳ね回る地面なら浅い角度でドングリ型の砲弾撃っても跳弾するのではと。
大砲で範囲効果を狙いたいなら榴弾を使えば良いのではないか(中近世の
導火線式の時限信管では狙った場所で起爆させるのは難しかったですが)と。

銃弾の威力に関しても、使う銃の種類や火薬の量で違うにしろ、
150mも離れれば安全かのような書き方は誤解を招くのではと。

中世のスムースボア前提っぽい文脈の軍事チートの項目で
ライフルのラの字も出て来ないってどういう事だと。

他にも、攻城戦ではなく野戦で塹壕を提案していたり、
塹壕に対して遠距離からの弓射なら有効だと書いていたり。

他の政治チートや農業チート等の項目は見ていないのですが、軍事チートの項目でずっこけたので、
面白そうな本だけど参考にするのは危険な臭いがして、購入はしなかったのですが……。
軍事の項目が例外だっただけで、他の項目はそれなりに使えそうなんでしょうかね。

「創作で上手い嘘をつく為の糧にどうぞ」みたいな売り文句でしたが……。

76 名無し三等陸士@F世界 :2017/04/24(月) 09:38:15 ID:DSlPLopA0
あーこれは意図しない泥沼になりそうな…

マニュアルについては逆に参考資料がなんなのか気になりますね

77 303 ◆CFYEo93rhU :2017/04/27(木) 21:20:16 ID:guO46a5g0
いつも拙作を読んで下さる方、感想下さる方、まとめて下さる方、ありがとうございます。

今日はまとめwikiの修正のお願いです。
この投稿自体も、修正依頼があったという履歴になるので、まとめに加えて頂けるとありがたいです。


以前、もう1年半前になりますが、対等な国家間関係において
友好関係を示すための贈り物を「献上」はおかしいのではないか。
というご指摘がありました。

それで「献上」から「贈呈」に変更した方が良いという提案を頂き、納得したのですが、
私の方から『献上を贈呈に直して下さい』と修正を求め、機械的に「献上」から「贈呈」に
変更すると、「献上」という表現で正しい部分も変更されてしまう恐れがあるので、保留していました。

今回、最初の投下分から現段階の最新版まで含めて、全部を確認しました。
「献上」という言葉があっても、それで間違っていない箇所(西大陸編35話など)を除き、
全ての箇所を「献上」→「贈呈」にした方が良いと思いましたので、まとめwikiに関して、
私の間違いによる表現から「献上」→「贈呈」に修正して欲しい箇所は以下のとおりです。


・西大陸編

>外伝的掌編『エレーナ殿下の御訪問』
「イルフェス国王への献上品」
→「イルフェス国王への贈呈品」

西大陸編の短編『皇国に献上された赤人』は、あえて“献上”という言葉を使わせてもらいました。
皇国の担当部署的には贈呈なのでしょうけれど、ここは厳密には間違いだと分かった上でご理解下さい。

・東大陸編

>外伝的掌編『最高のレシプロ戦闘機』あとがきと補足
「皇国人と結婚したリンド女王への“友好の証しとしての献上品”」
→「皇国人と結婚したリンド女王への“友好の証しとしての贈呈品”」


この件の確認と修正が遅れに遅れた事をお詫びします。


あと「献上」問題とは関係ありませんが、

・西大陸編

>外伝的掌編『エレーナ殿下と三八式歩兵銃の話』
「皇国は最大で50万丁の売却が可能」
→「皇国は最大で10万丁の売却が可能」

という部分も数字の修正をお願いしたいです。
50万丁は多すぎました。

78 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/05(金) 09:09:41 ID:6UoAnixE0
西大陸編の 『射撃演習場』 でも、

「本国では50万丁の小銃を用意しています」
「50万丁……ですと?」

とありますが、これも修正対象でしょうか?

79 303 ◆CFYEo93rhU :2017/05/05(金) 16:30:52 ID:guO46a5g0
>>76

本編の展開は既に泥沼とも言えますが。
敵の幹部の一人がラスボスと思われていた奴を裏切って独自行動をとるって、特撮とかゲームとかでありがちな展開かな。と。

『現代知識チートマニュアル』の参考資料は、普通の書き方なら章ごとか巻末に纏めて書かれる
ものだと思いますが、5分くらい読み流しただけでそこまで目を通していないので、分かりません。


>>78

私の方の確認不足でした。そちらも修正してください。
皇国軍の中古小銃に関して「50万丁」とある箇所は
全部「10万丁」に直していただけると助かります。

80 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/15(月) 02:54:00 ID:FyX.kvDI0
これはもしかしたらセソー大公としたらリンドの王権を狙っていたのでしょうか。
そう考えると単純に覇権の拡大と帝国に対する予防戦争を考えていたマルローと
王権丸ごと狙っていたセソーでは戦争に対する熱意自体が違っていたのではないかなあ
と想像が膨らみました。

81 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/15(月) 18:59:17 ID:w2nCsok60
>>79
>『現代知識チートマニュアル』
Amazonで作者の情報を見てみましたけれど、軍事的な知識があるような
人には見えない経歴でしたね。
恐らくですが、軍事関係や中近世・近代世界史の資料の方にもあまり
接しておられないように見受けられます。

「チート」という言葉が独り歩きしている昨今から見ても工学系の知識など
も何というか中途半端というか「いい加減な」感じを感じとる次第。
中世ヨーロッパ「最大の」発明であるはずのネジ構造(とネジ回し
と旋盤)の事がさっぱり出てこない時点で、この本の読者層というのは
少なくともラノベや小説書きを想定していない気がします。
ネジとネジ回しが出ればライフリングの重要性は把握できますし、上で
303氏がかかれているような「頓珍漢な」書き方には絶対なりません。
「GUN FACT BOOK」すらこの作者は読んだことが無いのでしょう。
もし、読んでいればこんなことは普通書きません。

鞍と鐙や塹壕の話を出しているのに軍の兵士が履く「軍靴」について
は全然項目を作ってないんですね。
「国民国家」以降の近代軍は兵士に制服と靴を支給しましたが、これが
どれほど重要な要素なのかを説明していない時点で作者の方は世界史
や軍事史・被服史などには全く興味が無いか重要性を理解して
いないのでしょうね。
作者は日本陸軍が日本製軍靴の品質の低さ(歩兵の仕事は歩くこと)
によって兵士の落伍率が高まり、結果的に戦力の低下を招いたこと
すら知らないのでしょう(足への負担の軽減をはかれなかった)。

軍事部分で重要な兵站についても項目を割りさいているようではあり
ますが、近代以前の軍隊では兵站の維持には道路事情の改善と
食料生産を維持できる体制と内政の充実が必要なのにその辺りも
言及されていないのかな?
英文資料に当たらなくても、良質な日本語に翻訳された資料というのは
無料で公開されているものも多々あるものなので、そういう本や文章を
読んでみよう&借りたり買ってみようネットで調べることさえ「面倒臭い」と
考える人が読むものなのかも。
個人的にはゆるゆるな設定の小説を書くに辺り、都合のいい部分の
知識をその知識を語る上での背景説明などは抜きにして簡単に
説明(ガセネタも含めて?)している本ともとれます。
自分が本当に作りたい、設定を練り込んだ戦記物・内政物を書きたい
のならこんなネタ本風味の書籍よりもっといいのがあると思えます。

補給戦―何が勝敗を決定するのか-マーチン・ファン クレフェルト (著)
傭兵の二千年史-菊池 良生 (著)
誤算の論理 -児島襄(著)
西洋靴事始め―日本人と靴の出会い- 稲川 實 (著)
激戦場 皇軍うらばなし-藤田 昌雄 (著)
「GUN FACT BOOK-銃の基礎知識」学習研究社
小林宏明訳-全米ライフル協会(NRA)監修
中世の食卓から-石井 美樹子 (著)
ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語
ヴィトルト リプチンスキ (著) 春日井 晶子 (翻訳)

アジア歴史資料センター 電子資料センター(データベース/無料)
近現代(1860年代から1945年前後)の日本とアジア近隣諸国の資料
You Tubeにある中近世のリエナクトメントに関する動画
映画「ワーテルロー」(1970)

みんな大好き西洋式火縄銃の撃ち方とか(動画は紙薬莢を使用)
How to fire a Matchlock musket - English Heritage Event
ttp://www.youtube.com/watch?v=2KTS8PQ06Qo

Brown Bess Musket: Three shots in 46 seconds
マスケット銃(ブラウン・ベス)を46秒間に3発撃つ-熟練兵の速度です
ttps://www.youtube.com/watch?hl=ja&gl=JP&v=SJMbxZ1k9NQ

82 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/16(火) 11:37:57 ID:VLGkK9Dk0
なろう作家がターゲットなら別に問題は無さそう

83 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/16(火) 19:30:41 ID:Imfv7Bj20
>>81
長文を書かれているところ申し訳ないのですがこの本の著者が想定している購買層は
なろうで異世界に行って現代知識SUGEEEEEEEEを書いたりそういう物語を見たいと思っている層だろうから
適当なのもしょうがないのです。彼らは辛い現実なんて知りたくないあくまでもSUGEEEって言われたいだけですから
現実的なものを提示しても売れないのです。道路なんてERAI主人公が一言敷けと命じれば勝手に敷かれ
その予算も労働力も魔法のツボから湧いて出てきます。
古代ローマが交通網の整備と維持にどれだけの時間と予算と人員をかけたかなんてどうでもいいのです。
軍制だって国民国家どころか民族主義すら生まれていなくてもぽんっと常備軍が湧いて出たりしても
不思議に思ってはいけません。なぜなら全ては主人公のSUGEEEちーと知識のための舞台装置でしかないのですから。

84 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/17(水) 20:12:38 ID:LKogINsQ0
>>81
長い、一言「Tueee作家予備軍向けだった」とでも纏めてくれ
あんまり愚痴ると自分で書けコールされるぞ

85 303 ◆CFYEo93rhU :2017/05/17(水) 21:08:13 ID:guO46a5g0
現代人の異世界召喚ものの設定を考える度に、集積回路を作るとか、
地上人の持ち込んだチート知識のせいで異世界が戦乱祭りになるとか、
現代人というイレギュラーの介入によって激変する異世界というのを
35年も前にやっていたダンバインって偉大だったんだなぁと。


>>80

あっ、あ……(震え声)


>>81

Amazonレビューだと星五つで、重版かかった書籍なんですがね。

調べましたら、新紀元社の『Truth In Fantasy』シリーズの執筆者だったのですね。
一部ファンタジー界隈でロングボウはクロスボウより威力も連射性能も優れてる! 的なイメージ?
が浸透してクロスボウが不遇なの、このシリーズの影響も多少あったのではないかと疑ってるんですが。

ロングボウが優秀でも、イングランドは結局フランス王権取れなかったしドーバーから追い落とされたんで、
幾らロングボウがフランスの騎士を射抜いても戦略目的が達成できなかった時点で駄目だったよ……って話ですが。


> ネジ

ネジはあっても銃のライフル化という発想が無かった異世界を書いている身としては、ちょっと耳の痛い話です。
逆に言えば、発想さえあればすぐにでも造れる前提技術は整っていたので、皇国軍の影響によってライフルドマスケットが生産されつつあるとしていますが。

ネジも、部分的には古代や中世初期からあったようですが、民需や軍需で本格的に使用されたのは中世後期か近世からでしょうか。
日本でも火縄銃生産で、銃身となる筒の生産は問題無かったが、ネジの部分で難儀したという話はよく出ますね。

旋盤の話だと、大日本帝国軍で部品の標準規格化が出来ず、組み立ての段階や現場で部品の寸法の辻褄を合わせて
いたというのも、結局旋盤の性能が低かったり数が足りなくて、良質の部品が供給出来なかった問題に行きつきますね。

戦艦大和は国産戦艦だけど、じゃあその主砲を削り出した旋盤はというとドイツ製ですからね。
スクリュープロペラの加工とか、蒸気タービンエンジンの加工とかも結局欧米の工作機械が無いと造れない。

逆に言うと欧米の高品質な旋盤を輸入出来て初めて、戦艦大和は誕生しえたというか、何というか。
そういう基礎技術から全部国産だったら、外面だけは何とか取り繕えても実性能が危うかったでしょうね。

駆逐艦島風のボイラーは日本海軍が丹精込めた特注品の高温高圧ボイラーだったけど、
アメリカはそれと大差ない性能のボイラーを量産してたと聞くとげんなりします。

> 軍靴

近世ヨーロッパの常備連隊では、靴職人を雇って居ましたね。

> 兵站

兵站関連の食料事情に関しては多分政治チートと農業チートの項目にあるんだと思います(未購入ゆえ未確認)。
恒例のじゃがいも栽培とかノーフォーク農法とかも載っているようですし。

というか20世紀以降の現代軍でもなければ、軍隊の食料って最初の10日分とかを使い切ったらあとは基本現地調達では?
適正価格で購入するか、武力を背景に略奪するかの違いはあれど、現地調達が基本なのは19世紀になっても変わりませんよね。
食料を現地調達するのが難しい場所では道路や港からの補給頼りですが。

> 映画「ワーテルロー」(1970)

野戦砲兵が普通に居る近世で、グリーンジャケットとかイェーガーとか、ヴォルティジュールとか居る時代だし!
いわゆる中世ヨーロッパ風の映像資料とするには、『バリー・リンドン』なんかもそうですが時代が違うでしょう。
兵士は勿論、士官(中世で言えば騎士)も鎧着てないですし、胸甲騎兵は中世の騎士とは違いますし。

『ROCK YOU !』とか『ブレイブハート』くらいが、中世ヨーロッパの(主に戦闘や戦争を題材にした)映画作品になると思います。

86 303 ◆CFYEo93rhU :2017/05/17(水) 21:08:48 ID:guO46a5g0
>>82-84

なろうにそういう作品群があり、一定の需要がある事は私も理解していますし、否定するつもりは毛頭ありません。
私も、たまにそういうの読みますし、私なんかより文章上手いし執筆速い人は多く居ますからね。出版化された物は特に。

それに裾野が広ければ頂点も高くなるという意味で、むしろそういう作品群には肯定的な部類だと思います。
アニメ化までされた『ゲート』等の影響もあるでしょうが、自衛隊を含む転移ものは増えてる感じですし。
勿論、増えたら増えたで検索が面倒臭くなる弊害はありますが、それは私にとっては嬉しい悲鳴です。

ただこの『現代知識チートマニュアル』に関しては、著者側から
「異世界チートというフィクションを書く為に、創作に深みを与えるために本当の事を知ろう。フィクションだからこそ知ろう。
 前提知識を持って嘘を嘘と知った上で書くのと、前提知識なしに知らずに嘘を書いてしまうのは違う。この本はその為の創作資料だ」
というような感じの売り文句(前書きに、そんな事が書いてありました)で並んでいましたから、
そこに書かれている事実内容に関して疑問があれば、突っ込み受けても仕方ないとは思うのですよ。

勿論それは、なろう作家に対してではなく『現代知識チートマニュアル』の著者に対しての突っ込みです。
アマチュアによって無料公開されているなろう作品と違って、プロによる最初から商業出版されてる書籍ですし。


私自身、文章は上手くないし、執筆は遅いし、数多のなろう作家を笑える立場ではありません。
仮に拙作が商業出版されて50万部売れてアニメ化されてBlu-rayも1万枚売れたとかの実績があったとしても、なろう作家を蔑むような事はしたくないです。

少なくとも私の場合、発表している場所がなろうではないというだけで、既存作品に影響されて「なんか楽しそうだから似たようなの書いてみたい!」をやってるだけです。
そしてそれは、数多のなろう作家のやってる事と同じだと思います。
なろう作家の中には、最初から商業出版を目的に、その布石として作品投稿している人も居るでしょうが、そういう人は少数派だと思いますから。

87 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/20(土) 11:15:25 ID:7Y6/XtG60
皇国が海でなく大陸ド真ん中に出現してたら展開も大きく違ったんだろうなー

88 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/28(日) 22:21:16 ID:duMIjbdY0
あっさり滅んでゲームオーバーかな…

89 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/29(月) 01:28:59 ID:FyX.kvDI0
海という防壁がない状態だから周辺諸国が異分子の排除に乗り出し
全方向から攻められ物理的に陸軍の対処能力を超え終了だね。

仮にある程度友好的ファーストコンタクトを取ったとしても
他国の領土に無理やり割り込むわけだから莫大な賠償金の支払いを課せられ
輸入の為の外貨が無くなりお金で食料が買えなくなる事態に国内の貨幣価値が暴落
ハイパーインフレーションが巻き起こり革命勃発
周辺国としたらなんだかよく分からないけど王制を倒す革命なんて絶対に許さない
と波及を恐れ出兵でゲームオーバーかな。
短編なら一本かけそうなネタだけど連載は出来ないだろうね。

90 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/29(月) 10:16:02 ID:duMIjbdY0
というか、海運に頼ってる状態の国が海運使えなくなる時点で経済が持たないと思う。

91 名無し三等陸士@F世界 :2017/05/29(月) 10:30:13 ID:OgQZplZU0
大陸ド真ん中だと日本海やら太平洋やら領海が超でっかい塩湖になってたりして……
東西が外界と繋がってないと潮の満ち引き無くなって大騒動やけど

92 303 ◆CFYEo93rhU :2017/06/03(土) 00:21:25 ID:guO46a5g0
まとめをして下さった方、早速の対応ありがとうございました。
この事を前回の投稿に入れるのを忘れており失礼しました。


>>87-91

日本全土がそのまますっぽり入る巨大な塩湖の中に
出現して、湖の沿岸国の港が使えれば……?

でも相当数の船舶が無駄になりそうですね。

93 名無し三等陸士@F世界 :2017/06/03(土) 06:53:55 ID:NG1VpV4A0
元は陸地だと……日本が領海ごと召還されて交通路寸断、国家が幾つも消滅し交通路もズタズタ
悪夢やな

94 名無し三等陸士@F世界 :2017/06/05(月) 12:20:31 ID:3m2PwJK.0
比重の軽い真水の供給で酸欠を起こした領海が死の海になるかも
やっぱ作中設定のままが最善か

95 303 ◆CFYEo93rhU :2017/06/07(水) 21:00:11 ID:veNW9HQ60
今年も日本で開催されたエアレース。
あれを見ていると、急旋回で速度が落ちるのは致命的なんだなと凄く良く分かりますね。
無理な急旋回よりは、多少大回りしても速度を保ったまま飛ぶ方が結果的に速いと。

最高速度120km/hの飛竜を追う皇国軍戦闘機は、ある程度失速がやむを得ないので意外と戦い辛いかもしれないと改めて感じる機会でした。


> 大陸の中に召喚

ロシア召喚とかドイツ召喚とか、元から海とは一切接していないスイス召喚とか、でしょうか。
異世界でも永世中立政策を貫くスイスとか、面白そう……。

アジアで全く海に面していない国はモンゴルとかラオスとか、あとインド北部とか中東の小国ですね。

96 名無し三等陸士@F世界 :2017/06/08(木) 01:13:10 ID:/YDgp0mI0
逆に異世界からコンニチワしても良いのよ?
次元に手が届きそうな超文明の実験が失敗して五大湖やカスピ海に研究所が転移

97 名無し三等陸士@F世界 :2017/06/08(木) 07:50:57 ID:FyX.kvDI0
>>95
モンゴル、、、今度こそ地が果て海が尽きる地へとモンゴル大騎馬軍団が進軍を始めるんですね!

98 名無し三等陸士@F世界 :2017/06/13(火) 08:09:13 ID:YJ6nvwC60
それ、モンゴルが民族ごと地球からリストラされただけ……
ぶっちゃけ幼女戦記の主人公が増えたバージョン

99 303 ◆CFYEo93rhU :2017/06/14(水) 20:25:04 ID:C5LTI3lU0
天皇陛下の退位、譲位に関して「三種の神器」は贈与税が非課税。
という話題を見つけて、そういえばこういう古代や中世から続く王家は何かしら
持っているレガリアに、現代国家はどう対処してるのだろうかと興味がわきます。


>>96

帝国の竜神様……はちょっと違いますか。
異世界と“門”で繋がる系とか、異世界から一人ないし数人転移してくる系はなろう等で
見た事ありますが、異世界から現実世界に国ごと転移系は、私は見た事ありません。

次元の壁を超えるほどの技術を持つ異世界人が転移してきたら、
その超技術を得るため第三次世界大戦が勃発しそう……。

>>97

現代モンゴル軍より中世のモンゴル帝国の方が強そう……。
でも海に弱いから、世界は一つの大陸という異世界が好都合ですね。
あと森林や山岳が多い地形も不都合だ……殺風景な異世界になりそうです。

>>98

つまり皇帝(可汗)も兵士も将軍も全員幼女なのですね!

100 名無し三等陸士@F世界 :2017/06/17(土) 08:49:22 ID:WXa0Ik3I0
そして全員パラノイア……


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