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アメリカ軍がファンタジー世界に召喚されますたNo.15

194ヨークタウン ◆.EC28/54Ag:2017/02/21(火) 17:01:36 ID:VAFeLvik0
ホィンツァムはフェヴェンナの横顔をまじまじと見つめる。

「ラーブス司令に意見具申を」
「しかしだな、航海長。君の意見も理解できる。だが、敵新型潜水艦は前線に投入されたという情報は入っておらんのだ。もしかしたら、
この情報は敵の欺瞞工作であり、見えぬ新型艦の情報を流して我が方を混乱させることを考えているかもしれない」
「情報部が新型潜水艦の実戦投入に気付けていない可能性もあり得ますぞ」

フェヴェンナはホィンツアムに翻意を促そうとするが、ホィンツアムは頑として譲らない。

「我々は満足に敵状把握を行えず、煮え湯を飲まされ続けてきています。そして、それは今も続いているかもしれないのですぞ。恐れながら……
司令に意見具申を行い、全艦に対空警戒を促す事が、これから予想される敵潜水艦部隊の襲撃を回避、あるいは、損害軽減に繋がるかと、私は思います」
「………」

ホィンツアムの口調は異様に鋭い。
フェヴェンナはしばしの間黙考する。

(ホィンツアムは、開戦以来、アメリカ海軍と戦い続けた数少ない猛者の1人だ。これまでの経験でホィンツアムの培った勘が、この護送船団に
危機が迫っていると確信させているのだろう。最も、多少怯えすぎのようにも思えるが……)

「艦長……意見具申はできませんか?」

フェヴェンナは、ホィンツアムの怜悧な声で思考を止めた。

「そこまで言うのであれば、いいだろう」
「では……」

ホィンツアムの引きつり気味であった表情がやや緩んだ。

「ラーブス司令に、私の名で意見具申を行おう」
「ありがとうございます!」


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