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ロシア連邦軍がファンタジー世界に召喚されますた

1 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:37:27 ID:dft9FLuc0
ロシア連邦軍スレ
末期ソ連軍も可

・書きこむ前にリロードをしてください。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。
・SS投下中の発言は控えめに。
・支援は15レスに1回くらいでお願いします。
・嵐は徹底放置。完全無視でお願いします。脳内あぼーんで。
・SS職人常時募集中です。
・以上を守り、同志とともに楽しくスレを進行していきましょう。
 そうしないとFSb・・・おや、誰か来たようだ。

2 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:43:17 ID:dft9FLuc0
なろうで露西亜連邦異世界転移記を書いている者です。
小説を書くにはロシア軍に関する情報が少ないので同志のアドバイスをいただけたらと思っています。

3 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:44:35 ID:dft9FLuc0
ではさっそく行きます

〜2017年5月21日 AM00:12 スヴェリノゴロフスコエ〜

青年は自分の仕事、つまり法律事務所の事務処理がやっと終わり歩いて数分の家に向かって歩いていた。

キュゥゥゥゥゥン

音が聞こえた。近隣に空港などはないがジェットエンジンの音に似ていると思ったが、なんとなく吸い込まれている感じがある。音源を見つけるべく空を見上げる

「・・・な・・なんだ・・・」

空が歪んで一面に広がる星が尾を引くように引き伸ばされている。まるで、シャッター開きっぱなしで夜空を撮影した写真のように。目をこすって瞬きして見直すが変わっていない。よく見れば渦を巻くように回転しているようだ。

「う・・うう」

頭が痛い。意識が薄れているのがわかる。視界がぼやけていく。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
・・

青年、イリダロヴナ・アスモロヴァはこのとき知っているはずもなかったが、このときに起きていたこの国の国民皆が同じような体験をした。

4 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:45:28 ID:dft9FLuc0
〜2017年5月21日 AM10:27〜

この国、ロシア連邦。それはこの地球において最大の国土を持つ国家である。人口は約1億4000万人とそれほど多くはないが、世界で最も核兵器を保有している国家でもある。

そのロシア連邦の国家元首たるヴァレリヤン・バビチェフ大統領は深夜から発生している異常事態を解決すべく連邦政府庁舎の執務室で緊急会議を開いていた。

「諸君、何がどうなっている?」

大統領は厳しい口調で質問する。この大統領は有能だが厳しく冷たいと言われている。ある高級軍人が恩給に関する文書を提出したところ、それを無言で破り裂いたことは有名である。
最初に内務大臣であるアナトリエヴナ・アクサーコフが手元の書類を見て報告する。

「本日の零時過ぎごろより一部の国民が急激に夜空がゆがんで渦のように見える現象を目撃し、その後意識を失いました。また、屋内で活動しているなどでこの現象を目撃していない者も意識を喪失した模様です。数分の差はありますが意識を失っていた時間は約3時間です。元から眠っていた者の中でもその間に目が覚めたというものはいないそうです。」


閣僚からうなり声が上がるが、信じられないという声はない。なぜなら、ここにいる全員が夜空の現象を目撃していないものの意識を失っていたからである。

「それに全国のGPSを使う装置でシグナルを受信しないエラーが発生しているそうです。外務省を通してアメリカにも連絡を取っています。」

「それなら私も聞いたぞ。ここに来るときに車の運転手が言っていたがなぜだ?」

内務大臣の問いに答える者はいない。
ここにいる者は皆謎の現象群に何かうすら寒いものを感じていた。

「国防大臣、どこかの国の生物・科学兵器による攻撃は考えられないかね?」

「それは考えられません。一部地域ならともかく、全土というのは考えられません。仮にそうだとしても3時間の間に直接的な被害は何もありません。3時間も全ロシア国民の意識を奪う攻撃をしておきながら何もしないというのは不自然すぎます。それと、情報部から周辺国のレーダー波が消えたとの報告があります。」

「どういうことだね?周辺国に何かあったのか?」

「それについてはわかりません。ただ、向こうも混乱してるのではないですか?」
国防大臣の答えがあいまいになるのも無理はない。何しろ混乱しているからだ。

次は連邦保安庁からの報告だ。
「国境警備軍から国境付近全域で濃い霧が発生しているとの報告があります。最初はガス類を疑い対NBC防護を命じましたが、すぐにただの霧と判明したので対NBC防護は解除して現在は警戒体制を強化した状態です。」

5 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:46:12 ID:dft9FLuc0
霧が発生?大統領が疑問を口にしようとしたときだった。二人男が部屋に飛び込んできた。対外情報庁(SVR)と外務省の職員である。その後からは宇宙局と教育・科学省の職員も入室してきて、出席しているそれぞれの上司に耳打ちする。話を聞く大臣・長官の顔が驚愕か困惑に染まる。話を終えた職員は退出していった。各大臣は一瞬目をわせる。一番に報告したのは外務大臣だった。

「大変です。各国大使館との連絡がつかず、各国政府とも連絡が付きません。政府の電話などはもちろん、何人かの職員が国際電話で海外の知り合いにコンタクトしようとしたらしいですが、つながらないそうです。」

次は対外情報庁長官だ。

「こちらも同様です。各国の連絡員とは一切連絡が付きません。非常用連絡手段を使いましたがつながりません。」

「EMP攻撃か?しかし航空宇宙防衛軍からはなんの報告もないぞ。」

「その可能性は低いでしょうね。EMP攻撃を受けたのなら国内の通信は通じる事が説明できませんから。それより複数の大学から興味深い報告がありましてね。なんと星座が変わっているそうです。大学によっては星そのものが無くなっていたり、新たに一等星が見つかっているとのことです。」

「信じられん。そんなことがあり得るのか?」

「現在解明中だそうです。」

ピピッっと電子音が鳴った。国防大臣の緊急連絡甩だ。話し終えて受話器を置いてから国防大臣が報告する。

「航空宇宙防衛軍からです。我が軍の偵察衛星であるペルソナ、コンドルですが位置は確認できておりますが全機応答有りません。」
ペルソナは光学偵察、コンドルは電波偵察である。

「なんだと?いま何時だと思っている。何をしていたんだ?」

「すみません。日頃より故障が多いので今回もいつも通りの故障として対処してしまっていたようです。」

元々故障が多いシステムではあったが、これを偶然と思っている者はここには居なかった。

「大統領、すでに全軍に警戒態勢を敷いています。何かあればすぐに行動できます。」

「当然だ。もし今警戒態勢を上げるべきか聞かれていたら私は君をクビにしていただろうな。」

サラリととんでもないことを言う大統領。周りの閣僚から苦笑が漏れる。少し余裕の出てきた国家の首脳部だった。しかし、国の反対側で前代未聞の発見がされたことを彼らが知るのはさらに数時間後になる。

6 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:48:48 ID:dft9FLuc0
〜2017年5月12日 AM11:30 中国との国境警備所〜

クラスキノはウラジオストクから車で約3時間半ほどのところにある中国と一番近い町である。そこからさらに車で30分ほどの場所にある国境警備所には国境警備軍の二個小隊ほどの警備兵とその他通信員などが配属されていた。深夜から朝方にかけては当直の意識喪失や対NBC防護命令などで大騒ぎだったがそれも一段落して警備シフトを変更し警備体制を強化した状態で通常業務に戻っていた。

警備兵たちは安堵していた。数分前まで真っ白で何も見えなかった霧が、目に見えて薄くなているのだ。指揮所に連絡すると非番の何人かが外へ出てあれほど濃かった霧が晴れていくさまを見ていた。

それを途中から見ていた指揮官はだんだんある疑惑が浮かび上がってきていた。故郷のウラジオストクでも今朝ほどではないがまれに霧が出ることがある。その時はこの程度の濃さの霧ならすぐ先にある中国側の建物だ見えてもいいはずなのだが、いつまでたっても見える気配がない。茶色い地面が見えるだけなのだ。

そして数分後。国境を眺めていた警備兵たちは指揮官も例外なく呆然としていた。なぜなら、本来中国の小高い山や遠くに見える中国の街並みはなく、緩やかな斜面とその先には果てしない荒野が広がっていたからである。「嘘だろぅ」そうつぶやいた誰かの声で我に返った指揮官は皆の目を覚ますかのように大声で命令を出し始めた。

「緊急事態、それも異常事態だ。直ちに沿海地方国境局へ連絡しろ。誰か、カメラを持ってきて風景を撮影しろ。画像も一緒に送れ。それから第2小隊は分隊に分かれて国境沿いを捜索しろ。範囲はここから5kmだ。急げ。」

警備兵たちははじかれたように動き出す。事態は急転を始めた。

7 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:49:33 ID:dft9FLuc0
〜2017年5月12日AM13:00〜

ヴァレリヤン大統領は執務室で昼食を取っていた。先ほどまで国民に対する報道などの取り決めを行っていて、結局国民には分かっていることはすべて伝え、冷静に行動するよう呼びかけたるようすることが決まった。そして今やっと昼食にありつけることができたのだ。だが、それも5分も立たないうちに中断された。アリスタリフ・アブラモヴァ連邦保安庁長官が緊急事態ですと言いながら部屋へ飛び込んできたからだ。
大統領はさも不快そうにどうしたと長官に聞こうとしたが、それよりも早く長官は言った。

「大統領、中国が消滅したかもしれません。」

よほどのことが無いと表情を変えないヴァレリアン大統領もこの時ばかりはそうは行かなかった。

それから数十分後。

「で?どういうことだ?」

「一番初めに連絡があったのは1時間ほど前です。ウラジオストクの沿海地方国境局より報告で、クラスキノの中国との国境警備軍
が発見したそうです。初めは国境局も相手にしなかったそうですが、現地の写真が送られて来たため上に連絡を上げたとのことです。画像はこちらになります。」

そう言って2つの画像を差し出す。両方とも同じ場所から取った様だが、一つは山間の道の奥に僅かに町並みが見える。もう一つは茶色い地面が延々と続く荒野だ。両端に映るゲートだけがそれらが同じ場所だと物語っている。大臣らが信じられないといった風
に見ている。

「その数分後には他国境でも今まで町だったところが山になっているなどとそれぞれ違いはあるものの、大きく地形が変わったという様な報告が殺到しています。」

暫くの間執務室を沈黙が支配した。

「外務大臣、中国政府との連絡はついたか?」

「いえ、ずっと呼びかけていますが応答有りません。」

それを聞くと大統領は大きくうなずいた。そして無表情に国防大臣に顔を向ける。

「国防大臣、中国全土を偵察機で探るように。できるだけ急いでな。」

「わかりました。空軍に連絡してくるので失礼します。」

そういって国防大臣は立ち上がって退出していく。

「大統領、そんなことをしたら中国がどんな反応をするかわかりません。」

後始末で痛い目を見る外務大臣が抗議する。

「彼らは我々の呼びかけに返事をしない。それに軍によると中国から一切電波を感知していない。どこに問題がある?」

「は、はぁ・・・」

外務大臣にはどうすることもできなかった。

8 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:50:04 ID:dft9FLuc0
〜2017年5月12日 PM14:05〜

ウラジオストク、ウグロヴォエ空軍基地

2個飛行隊を擁する極東の小規模な空軍基地。その滑走路から2機の戦闘機が離陸した。第22親衛戦闘機航空連隊に所属するSu-27SM戦闘機だ。パイロンに偵察ポッドを装着している。現在連絡の途絶している中国国内への偵察飛行が目的である。2機は離陸後ある程度高度を上げてから左へ旋回する。中国への直線コースである。市街地から遠ざかり、山間部上空を飛行する。数分も飛行するともう国境の目の前である。編隊長であるシャムルック01ことゲオルギー・アルギニア大尉は29歳。Su-27戦闘機に乗って5年目になるが、いつも少し近づいただけでものすごい警戒をされる中国への侵入偵察という今回の任務に不安を感じていた。

「シャムロック01よりコントロール。国境線付近まで進出した。このまま前進してかまわないか?」

「コントロールよりシャムルック01。クリア。」

コントロールからはあっさりと許可が下りる。ゲオルギーはそのまま前進し続けた。



数時間後。ゲオルギーは困惑すると共に、この偵察飛行を命じられた理由がやっと分かった。いつまで飛んでも人工物が見当たらないのだ。地図上では町や軍基地があるはずの場所は深い森だったり荒野だった。いまは見渡す限り草原が広がっている。それらを偵察ポッドで撮影し、指令部に送っていた。

「大尉、何がどうなってるんでしょう?中国はどこに?」

僚機の少尉からの通信だ。

「さあな。俺にもわからんよ。それより燃料が限界だな。帰投するぞ。」

僚機に返事をしつつ少し操縦桿を動かして機体を傾け、帰る前に一面に広がる大地を見つめた。まるでアフリカのサバンナのようだ。ふと、低い草とまばらな木の中に白い線があるのが見えた。目を凝らしてよく見てみた。線というよりかはまるで・・・。道だった。

「道だ。道が見えるぞ。左前方だ。」

僚機も機体を傾けて道を見ているようだ。

「大尉、人がいます。後あれは・・・馬車です。馬車がいます。」

僚機の少尉が興奮気味に報告する。自機の偵察ポッドを操作し道をたどると数台の馬車とそれに続く数十人の人がコックピットのMFD(多機能ディスプレイ)に映った。それを撮影し、指令部に報告する。

「シャムルック01よりコントロール。現在位置より5km前方に道を発見した。複数の人間もだ。数十人はいる。それと数台の馬車だ。」

「コントロールよりシャムルック01。画像を確認した。接近して偵察は可能か?。」

「それはできない。燃料が足りない。一旦帰還する必要がある。」

「了解した。シャムルック01は帰投せよ。」

「シャムルック01、了解。」

大尉は機体を翻し、帰還した。

9 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:50:39 ID:dft9FLuc0
〜同時刻、グーベルク王国北方。〜

内陸国ワコロンブ国の行商人の見習いであるアンドモンは北の空を見つめていた。ワコロンブは内陸国であるため交易として北方大陸の東側の海沿いに細長い国、ゲーベルグ王国へ向かっていたのだが、少し前に地響きのような音がしたかと思うと空に何かが現れたのだ。北大大陸の魔法文明ではよく見る魔動竜かと思い、双眼鏡で見てみるとそれの翼ははためいておらず、大きかった。こちらに近づいてきていたのだが、ある程度近づくと翼を翻して北方の空へあっという間に消えていったのだ。あれは何だろうか?どこから来たのだろうか?何せ北には深い森とその先には海しかないのだ。だが、今は何もわからなかった。

この世界に新しい国家が転移したことが分かったのはそれから数週間後のことである

10 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/20(火) 20:51:09 ID:dft9FLuc0
とりあえずここまでです

11 名無し三等陸士@F世界 :2016/09/22(木) 16:17:25 ID:09HlkyNU0
なろうのほうで読んでます支援

12 名無し三等陸士@F世界 :2016/10/02(日) 10:54:32 ID:dft9FLuc0
第2話以降あげます

13 名無し三等陸士@F世界 :2016/10/02(日) 10:55:07 ID:dft9FLuc0
〜2017年5月19日 PM14:00 ロシア連邦政府庁舎〜

ヴァレリヤン大統領以下閣僚たちは一週間前と同じように会議を開いていた。

「何か進展があれば報告してくれ。」

まず初めに報告を始めたのはアレクサンダー・バザロフ国防大臣だ。

「一週間にわたり空軍並びに海軍が調査を行った結果、驚くべきことが判明しました。中国は存在しません。いえ、それどころかサハリンや日本列島も存在しません。ポーランドもバルト三国もドイツもフランスもイギリスもそしてアメリカもです。太平洋へ偵察機を向かわせましたがアラスカの上空へ行っても海しかありませんでした。さらに極東方面ですが地形が変わっています。朝鮮半島は普通の陸になっていて半島ではなくなっています。それにどこまで行っても海のままです。詳しくはこちらをご覧ください。」

そういって画像を差し出す。観測された海岸線と従来の地図を重ね合わせた画像だ。朝鮮半島はなく、ハサンから台湾あたりまで一直線に陸地が広がっている。

「海軍から水平線が遠いと報告がありました。これは偵察任務のためウラジオストクから出港した大型対潜艦の見張り員が通常見えなくなるはずの陸地が見えることを発見したのが始まりです。それについて詳細は教育科学省が説明します。」

「はい、海軍からの連絡で大学の研究員が調査したところ、なんと水平線までの距離が2倍になっていました。これは惑星の大きさが変わったとしか考えられないとの事です。それから、星についてですが、地上からの目視観測では我々が知っている星は一切存在しないそうです。」

突拍子もない報告に誰もが押し黙っている。

「それは・・・どういうこと・・・なんだ。」

大統領でさえ困惑の表情だ。

「それについてですが、学者の一部に何らかの原因で我が国は他の惑星に転移したのではないかという意見があります。それなら星の変化や地平線の問題も説明がつくとのことです。」

「そんなことがあるか。どうやって説明する?」

「では、大統領は完全に否定できますか?この説を。」

大統領は返事ができなかった。実際に完全に否定できる要素がなかったからである。

「空軍によると、中国の内陸部やカザフスタン内で中規模な都市をいくつか発見したそうです。ところがそれはどう見ても18世紀の街並みです。現代的な都市は発見されておりません。自動車もです。馬車が主流なようです。ただ、木製の羽ばたく飛行機のようなものと遭遇したとのことです。」

「では、その、我が国は・・・原因は不明だが地球以外の惑星へ飛ばされたと、言うわけか?」

「そういうことになるかと思います・・・」

「なんということだ。なんといってこれを国民に伝えればいいのだ・・・」

大統領と首相が面倒気につぶやく。そこへ外務大臣が声をあげた。

「どうでしょう?空軍の発見した都市へ外交官を派遣するのは?」

皆がはっと顔をあげる。だが、国防大臣が自信なさげに声をあげる。

「しかし・・・危険ではありませんか?言葉が通じるかどうかも分からないのですよ?」

また皆がうつむく、だが外務大臣はすでに腹をくくったように見えた。

「そんなことを言っては何にもなりません。危険かもしれませんが、やれるだけやってみます。」

「では、頼むぞ。」

大統領がいつもの落ち着いた声で言った。ほかの閣僚らも納得したようだ。

「では次に国内の・・・・・」

この件は解決したが問題はまだ山積みだ。
会議はまだまだ続く。

ロシアから未知の都市、ゲーベルグ王国へ外交使節を派遣したのはそれから数週間後のことだった。

14 名無し三等陸士@F世界 :2016/10/02(日) 10:55:37 ID:dft9FLuc0
〜2017年6月2日 PM13:42〜

ゲーベルグ王国王都

ゲーベルグ王国の王都は、地球で言うところの台湾あたりに存在する。人口は100万人程度である。
王都の港はいつも海軍の装甲艦や外輪蒸気機関の商船などがたくさん出入りしにぎわっているが今日はそれも港の奥に引きこもってしまっていた。海岸線には市民が並び湾口を見つめている。その中には見習い行商人アンドモンもいた。アンドモンの見つめる先には奇怪な黒と白の船の機械動力船と灰色の軍艦が海に浮かんでいた。その船に向かって海軍のボートが向かっている。
しばらくすると停船と臨検を呼び掛けて始めた。すぐに先頭の商船からタラップがおろされ、ボートから水兵が何人か乗り込んでいった。


〜貨客船ルーシー上甲板〜

「ようこそルーシーへ。私はロシア連邦外務省の大使、ボグダン・アレンスキーといいます。貴国との国交開設へ向けまいりました。」

乗船してきた水兵らに対し、丁寧に自己紹介する。ボグダンはこのときダメ元で話しかけた。言葉が通じるとは思わなかったのだ。だから、できるだけ柔和な口調で話した。すると水兵らは少し顔を見回せたがすぐに口を開いた。

「わかりました。では、埠頭へ案内いたします。」

ボグダンは心臓が飛び出るほど驚き、表情に出ないよう必死でこらえた。何とか落ち着くとほかの代表らとともにボートへ移乗した。

15 名無し三等陸士@F世界 :2016/10/02(日) 10:56:11 ID:dft9FLuc0
〜ゲーベルグ王城、謁見の間〜

「国王陛下、私どもはロシア連邦より参りましたボグダン・アレンスキーと申します。今回は貴国との国交を開設できればと思います。」

ボグダンは言葉が通じないことに驚いてはいたが、国が転移したと聞いたときに比べれば大した驚きではなかった。

「私はゲーベルグ王国国王、ゲーベルグ16世だ。ロシア連邦とは聞いたことのない国だが、どこにあるのだ?」

ゲーベルグ16世は60過ぎぐらいの男性で、穏やかそうな人物に見えた。

「ロシア連邦はここより北へ2000kmほど行ったところにある国です。」

「ふん、魔法文明め。こざかしいことをしおって。北へ2000kmといえば海ではないか。」

王が厳しい声を上げた。

「信じていただけないでしょうが、我が国は別の星より転移してきたのです。十日ほど前に。それに魔法文明とは何でしょう?」

「転移した?国が?ふざけたことを。第一お前たちの乗ってきた船は煙が出ていなかったそうだな。つまりは魔動船であろう。それをどう言い訳する。」

ボグダンは魔動船というものがよくわからなかったが、船の仕組みを説明することと、自分たちが魔法文明とやらでないことを説明することが必要に思われた。

「我が国の船はすべて地下から採掘される石油から作られる軽油を使用します。軽油を燃やし、その時のガスでスクリューを回すのです。軽油は燃やしても煙が見えにくいので、その、魔動船?にみえてしまったのではないかと思います。」

「なんと、黒油を燃料としているのか?それはすごい。だが、それだけでは信用できぬ。何か魔法を使わぬものを私に見せてくれぬか。もちろん魔力検知器の前でな。」

ボグダンは少し戸惑った。下手に携帯電話や無線機を見せるとそれこそ魔法だといわれてややこしくなりそうだ。だが、銃ならどうだろうか?これなら今後の貿易のことを考えると有利になりそうだ。ここへ来る前に見た限りこの国の軍はマスケット銃のようなものが主力のようだったからだ。

「我が国には優秀な銃がございます。ここへ来る前に衛兵の方へお預けしておりますが、それをご覧になられませんか?」

ちなみにその銃とは護衛の海軍少尉のMP443自動拳銃である。有効射程50m、装弾数18発とマスケット銃とはくらべものにならない性能である。

「ふむ、銃とな。よいだろう。ただ、撃つのはこの私だ。」

16 名無し三等陸士@F世界 :2016/10/02(日) 10:57:41 ID:dft9FLuc0
〜王城内の庭〜

王城の庭は結構広く、100m四方ぐらいの広さがある。そこへ王とロシア人、それに従者と衛兵がいる。30mぐらい先にはA4用紙ほどの木の的がいくつか置かれている。

衛兵の一人がMP443を王に差し出した。王はそれを手に取り、傾けたり裏返したりして細かく観察した。

「かなり小さいが…全て鉄でできている様だ。それに作りも細かい。どうやって使うのだ?」

「私がご説明します。まず、銃を右手に持ってください。」

海軍大尉が説明する。

「次に、左手で上の切り込みの入っている部分を後ろへ思いっきり引いてください。」

王は自分の知っている銃の扱いとは全く違う操作に戸惑いながらも指示に従う。ガチャリと音がして撃鉄が起こされた。

「では、左手を放して構えて下さいください。」

「こうか?」

王は不思議に思った。玉を込めていないからだ。

「最後に横のレバー、そう、それです。それを下へ押してください。これで撃つことができます。」

普通この距離ではあまり当たらない。王は半信半疑で的を狙い、引き金を引いた。

ズダーン

銃声が響き渡り、的は木っ端みじんになった。王らは呆然としている。いきなり従者が声を上げた。

「煙がない。それにこの威力。やはり貴様らは魔法文明の者だろうが。」

「いや待て、魔法検知器には反応がない。」

そう言った別の従者の手の中には青い水晶があった。

「これはどうなっておるのだ?私は弾を込めておらん。なぜだ?」

「説明しますがその前に先ほどのレバーを上げてください。安全装置ですので。」

王が慌ててレバーを押し上げる。

「では、この銃の説明をいたします。銃の下に手を置いて親指の近くのスイッチを押してください。」

王が指示に従いマガジンキャッチを押すと王の手の平にマガジンが滑り落ちる。

「これは・・・南方の国で使用している鉄筒式のようなものか?」

どうやら一部の国ではカートリッジが発明されているようである。

「はい、カートリッジと呼びますが、これがこのマガジン内に入っているので一発ずつ弾を込める必要がありません。また、銃の火薬が爆発した時の反動を利用することで次の弾を込める仕組みが入っているので、引き金を引くだけで次の弾を撃つことができます。マガジンの弾がなくなってもまた新しいマガジンを入れ替えて撃つことができます。」

「なんと、それは本当か?マガジンとやらには何発入るのだ?」

「マガジンには18発入りますのでこの銃はあと17発撃つことができます。どうぞ撃ってみてください。」

王はマガジンを差し込み構えて的を撃った。そして恐る恐る次の的を撃つとこれも綺麗に穴が空いた。その後も銃声は何発も響いた。

17 名無し三等陸士@F世界 :2016/10/02(日) 10:58:12 ID:dft9FLuc0
「これはすごい。ぜひ国交を結び、軍事同盟を結びたい。」

「軍事同盟ですか?」

「ああ、いま我が国は魔法連盟加盟国であるフィラーラ帝国が今どんどん東方へと侵略をしているのだ。貴国も今後侵略されるかもしれぬ。悪い話ではないと思うが?」

「残念ながら我が国はこの世界に来て一ヵ月もたっていないのです。魔法連盟とは何か、この星にはどんな国があるのか?ぜひ教えていただきたいのです。」

「なるほど、もっともだな。詳しいことはのちに専門家に任せるが・・・」

そういって王は話し始めた。

この星、青球には7つの大陸がある。一つは北半球にあるこの北方大陸だ。この大陸は最も大きく、赤道近くまで伸びている。次に中央帯大陸だ。これは赤道に沿うように赤道外周の3分の1を占める細長い大陸だ。次に南半球最大の南方大陸があり、それ以外に南北に二個ずつ小さめの大陸があるが、文明圏から離れている北の2大陸は未開の地らしい。
後に北方大陸の北東部は海であったが、そこを埋めるようにロシアが転移したことが判明した。

この世界には二つの文明がある。機械文明と魔法文明である。魔法文明は魔法を使える人を中心とした文明で、その名のとおり魔法技術を中心としている。魔法は魔力を持った人間のみが使うことができるが、魔法文明国でもほとんどの民は大した魔力を持たない。ただ、強力な魔力を持った魔導士らが作った魔道回路を使った魔道具を使うことで限定的であるが協力な魔法を使うことができる。ちなみに魔法とは火、水、地、風の基本魔法を組み合わせて使う。魔力を持った人や魔道具に使う魔石などは北方大陸南部に集中しているそうだ。古来より魔法文明国はそれ以外の国を見下す傾向があり、魔力を持たない国がそれに対抗し形成されたのが機械文明といわれている。

機械文明国は中央帯大陸や南方大陸を中心として国家連合を形成し対抗している。また、魔法文明にも魔法国家連盟というのがあり、加盟国より税と人材を集め魔法技術の向上と国同士のもめごとの取り計らい、機械文明国との戦争を主導する連合魔法院が主導している。

ちなみに、ゲーベルグ王国は北方大陸南部に位置していた非魔法文明国が魔法文明国の侵略から逃れるべく船で海へ出てたどり着いたところに建国したのが始まりと言われている。

王は話し終えると、互いの国交開設を約束し帰りかけたロシアの大使に一つ質問した。

「最近鉄製の飛空機械がここらへんで目撃されている。どうやら北から来たそうなのだが、何か知らんか?」

「それは我が国の戦闘機です。まだ我々はこの世界に人や国があるのかわからなかったので調査していたのです。今後は貴国には不用意に入らぬよう伝えておきます。」


ロシア連邦とゲーベルグ王国との国交開設並びに相互防衛条約が締結されたのはそれから2週間後のことだった。
ロシアからはモシン・ナガンM1891が100丁が送られ、ゲーベルグからはこの星の細かい地図と機械文明連合への招待が打診された。
ロシア国内では転移したことが正式に発表され、多少の混乱はあったものの国交開設により輸出入関連も回復の可能性が出てだいぶ落ち着き始めた。

ロシアが体勢を建て直し始めたころ、ロシアの属する大陸の中央方面ではフィラーラ皇国が東方侵略の準備を着々と進めていた。

18 名無し三等陸士@F世界 :2016/10/02(日) 10:59:12 ID:dft9FLuc0
とりあえずここまでです

19 ヨークタウン ◆.EC28/54Ag :2016/10/03(月) 01:28:38 ID:EOmKTrqE0
投下お疲れ様です。
次辺りで激突しそうな予感……

20 名無し三等陸士@F世界 :2017/02/19(日) 19:15:00 ID:XiyVDv5E0
35:54

10:40
ttps://www.youtube.com/watch?v=WTdY7h129Mk

ttps://www.youtube.com/watch?v=8R0luOy8ce8


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