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『山小屋』

1:2009/10/14(水) 01:35:55
ロッキー山脈━━━━━━━━━━━━
北アメリカ大陸に横たわる山系は、3000キロ級の峰が連なる褶曲山脈。
曲がりくねった地層は、主に火成岩と変成岩で形成されている。
カナダ領からニューメキシコ州まで連なり、その長さは約5000キロメートル。
手付かずの自然が多く残され、自然遺産も多数存在する。
 
 
『流蔵 双』は、後悔していた。
キーストーンをスキー旅行に訪れた『流蔵』は、ちょっとした冒険心と好奇心から
山の奥へと足を踏み入れ、運悪く崖から転落してしまった。
数十分・・・・・・・・・・或いは、数時間。
気を失っていた『流蔵』が目を覚ました時、周囲は白い吹雪に包まれていた。
 
怪我こそ無かったが、すぐに凍て付く寒さが『流蔵』を襲う。
落下した崖すら視界に確認出来ないまま、『流蔵』は足を踏み出すしか無かった。
そして、手足の感覚が無くなり始めた頃━━━━━━━━━━━━
 
『流蔵』の前方に、一軒の山小屋が浮かび上がる様に映った。

2流蔵:2009/10/14(水) 03:57:54
>>1
「死……このままでは……入る……山小屋……!」

目の前の光景が幻覚かどうかなど疑う間もなく、山小屋へと歩を進める。

3:2009/10/14(水) 10:01:51
>>2
山小屋は、丸太を組み上げた木造の平屋建てになっている。
正面にドアがあり、その左右には窓が1つずつ。
窓は曇っており、中の様子は分からなかった。
 
『ギィ・・・・・』
 
ドアを押すと、軋みながら開く。
中は薄暗く、微かな暖気が漏れ出ると共に、吹雪が吸い込まれる様に入り込んだ。

4流蔵:2009/10/14(水) 10:38:42
>>3
「暖かい……生……生を感じる……」

中に入りながらドアをゆっくり閉める。
部屋の中の様子を見渡す。

「誰か……いるか?暖を取らせて欲しい……」

5:2009/10/14(水) 11:17:16
>>4
ドアを閉めると、『流蔵』は改めて小屋の内部を見回した。
薄暗い小屋の中は、フローリングの簡素な造りで、装飾品の類は見当たらない。
広さは、約5メートル四方の正方形に近かった。
左側の壁には、その中程に窓が1つ・・・・・・・・・・・白く曇っており、外の様子は分からない。
右側には、手前側にドアが1つ。
奥側には、吹き抜けの通り道が1つあった。
 
『ドドドドドドドドドドドドドド』
 
部屋の中央には、石油式ストーブが1台置いてあり、熱を放っている。
その上には、まだ湯気の立っていないヤカンが1つ乗っていた・・・・・・・・・・・・・・・。
『流蔵』は、返事の無い内に、ストーブの方へフラフラと近付く。
冷え切った身体を温めながら、吹き抜けの奥に人の気配を感じた。

6流蔵:2009/10/14(水) 11:40:31
>>5
「温い……蘇る」

ストーブに近接しつつ手をかざし血行を促進させる。
位置的に奥の何者かからはストーブの影になるかもしれない。
今度はもう少し大きな声で呼びかけてみる……暖を取りながら。

「誰か……いるのか?すまないが暖を取らせてもらっている……!」

7:2009/10/15(木) 01:02:48
>>6
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
吹き抜けの奥から半身を覗かせているのは、見知らぬ白人男性だった。
ゆっくりと歩み出した男性は、大きな目を細め、笑みを浮かべながら口を開く。
 
「ええ、どうぞ。
ひどい雪ですねェ〜〜〜・・・・・・・貴方、一人ですか?」
 
30〜40代と思われる男性は、ビア樽の様な肥満体だった。
『流蔵』よりも一回り大きな体躯で、顎には不精髭が生えている。
赤茶色の縮れた髪の毛に、ビー玉の様な青い瞳。
上半身には、はちきれんばかりに伸びたグレーのTシャツを着ていた。
ズボンははいておらず、半ズボンの様な黒いトランクスを穿いている。
『流蔵』は、吹き抜けの奥から、微かに香ばしい匂いが漂って来る事に気付いた。

8流蔵:2009/10/15(木) 01:39:29
>>7
「ええ……少し冒険が過ぎたようです……
 貴方はここに住んでいらっしゃる……?」

部屋を見渡す。ストーブ以外に何か置いてあるだろうか。

9:2009/10/15(木) 02:09:44
>>8
室内を見回すと、部屋の隅にリュックが1つだけ置いてあった。
ベッドやテレビは無く、ガランとしている。
 
「私も、ここに来たばかりですよ。」
 
男性は、そう言って再び笑みを浮かべた。
 
「ところで、食事は?
丁度、料理を作っていた所でして・・・・・・・・・・良ければ、如何です?」

10流蔵:2009/10/15(木) 09:04:58
>>9
「食事……悪くないですね。」

匂いや調理の音などで何を作ってるか想像はつくだろうか。

「ここは貴方の所有する小屋です……?
 まあ許可不許可関係なく……俺は入ってしまったわけですが。」

11:2009/10/15(木) 13:08:44
>>10
周囲に漂う匂いは、肉を焼くそれに似ていた。
他の物音は、聞こえない。
『流蔵』の質問に、男性は笑みを浮かべたまま答えた。
 
「ただの避難小屋じゃあないですかねェ〜〜〜。
鍵も開いていましたから、管理人の使用許可も要らないじゃあないですか。
私も、偶然見つけたんですよォォ。
この雪ですから、助かりました・・・・・・貴方もそうでしょう。」

12流蔵:2009/10/15(木) 18:45:19
>>11
「ほう……では貴方も遭難者ですか。
 観光か何かで?救難信号とかはしました?」

部屋の天井に目をやる。
灯りは電気式のランプなどだろうか?

13:2009/10/16(金) 01:13:35
>>12
天井を見上げると、左隅の方にランプが1つ吊るしてあった。
中に炎が揺らめいており、電気式では無い事が分かる。
 
「私は、ただの登山者ですよ・・・・・・・貴方、遭難したんですか。
見た所、荷物もお持ちで無い様ですねェ〜〜。
・・・・・・・・・・おっと、料理の途中だった。」
 
男性は、そう言うと吹き抜けの奥へ姿を消した。
ジュージューと何かを炒める様な音が聞こえ、『流蔵』の口中に唾液が込み上げる。

14流蔵:2009/10/16(金) 02:43:16
>>13
「料理、ですか……食材などは、ここに元々備蓄してあったので?」

奥に向かう男性の背中に声をかける。
冷えた身体が活力を取り戻すまで、ストーブに当たる。
床やストーブの上には、埃が積もったりしているだろうか?

「ここは、山の麓からはどの辺りなのでしょうか……」

15:2009/10/16(金) 23:49:35
>>14
「山は、初めてですか?」
 
男性の声だけが、吹き抜けの奥から響いた。
 
「食糧や寝袋は、大抵登山者が持参するものです。
こんな無人の小屋じゃあ、ガスや水が使えるだけでも貴重ですねェ。」
 
床やストーブには、微かに埃が積もっている。
点々と足跡が残っており、それが男性のものである事も分かった。
『流蔵』と合わせて、2人のもの以外に足跡は無い。

16流蔵:2009/10/17(土) 16:30:20
>>15
「成る程……缶詰か何かですか……
 水というのは、水道が通っているのですか? あるいは貯水タンクか……
 どちらにしろ、こまめに手入れしなければ凍り付きそうだ。」

身体が温まり、まともに動くようになってきたら、
部屋の右側にあるドアを開いてみる。外に通じていそうだったら止める。

17:2009/10/18(日) 01:32:41
>>16
『流蔵』の冷え切っていた身体は、いつの間にか温まっていた。
手足の感覚も戻り、震えも止まっている事に気付く。
ドアを開けようと立ち上がると、男性が吹き抜けから再び姿を現した。
 
「そこは、トイレですよ・・・・・」
 
男性の手には、2枚のスープ皿。
皿には、黒っぽい塊がドロドロの液体の中に沈みかけていた。
今や室内に満ちた香ばしい匂いが、その皿から放たれている事が分かる。

18流蔵:2009/10/18(日) 02:20:54
>>17
トイレには水道が通ってるのだろうか。
紙はあるのか?

「二皿……か……
 失礼ながら……これは片方頂いても良い、ということで……?
 ちなみにこれは何だろうか?」

黒っぽい塊が何なのかは、見た目や香りから推測可能か?
消耗しているとは言え、あまり正体不明のものは食べたくないな。

19:2009/10/18(日) 02:38:16
>>18
黒い塊は、何かの肉の様だった。
男性は、片方のスープ皿を『流蔵』の方へと差し出す。
 
「どうぞ、遠慮しないで。
肉のスープです。」
 
ドロドロの液体には、野菜らしき物体も確認出来る。
溢れる唾液を飲み込んだ『流蔵』の喉が、ゴクリと鳴った。

20流蔵:2009/10/18(日) 23:13:34
>>19
「うまそうだ……
 おっと、飲み物の類は……」

男が返事しようがしまいが自分勝手に厨房のほうへと向かう。
吹き抜けの奥は厨房だけだろうか?

21:2009/10/18(日) 23:42:20
>>20
吹き抜けの奥は、シンク台とガスレンジの並ぶ簡素なキッチンだった。
ガスレンジの上に寸胴鍋が乗っており、スープ皿の中身と同じ匂いがする。
シンク台の辺りに窓が1つあるが、外の様子は曇っていて分からない。
缶詰の空き缶が真シンク内に積み上げられ、使った形跡のある肉切り包丁が
1本置いてあった。
 
「飲み物なら、こっちにありますよォ・・・・・」
 
男性が、キッチンを覗く。
その手には、500mlのペットボトルが2本あった。

22流蔵:2009/10/19(月) 00:14:53
>>21
これより先に部屋などは存在しないか?
あるいはまだ調べてない窓と外へのドア以外の部屋があったかどうか。

「本格的な料理だな……」

缶詰の種類を調べる。

23:2009/10/19(月) 00:46:02
>>22
キッチンから先に、部屋は無い。
トイレと思われるドア以外、小屋の中で見ていない場所も無い様だった。
空き缶を確認すると、肉や豆など数種類の缶詰がある。
どれも市販されているものらしく、『流蔵』が見知った品もあった。
 
「・・・・・・・」
 
『ドドドドドドドドド』
 
男性は、いつの間にか吹き抜けから離れたらしい。
カチャカチャと食器の当たる音だけが、小屋の中に響いている。

24流蔵:2009/10/19(月) 23:33:48
>>23
キッチンに換気扇はあるだろうか?
また、シンクには水道があるのか? あるなら蛇口を捻り、出てくる水に触ってみる。

(食っているのか……缶詰やペットボトルなら、おかしな心配は要らないか……?
 こちらの缶詰事情がどうかは良く知らないがな……
 どちらにせよ体力を取り戻さなければ、吹雪が止んだところで下山すらままならんか)

キッチンを見終えたら、元の部屋に戻る。
食事をしているであろう男性に、特に変わった様子は無いだろうか。
それと、男性の衣服(上着)が部屋の中に掛けてあったりはしないのか?

25:2009/10/20(火) 01:21:01
>>24
キッチンに換気扇は無かった。
水道の蛇口は1つで、捻ると勢い良く水が出て来る。
水量の調節は出来たが、水は刺す様に冷たい・・・・・・・・・・。
 
キッチンを出ると、男性が床に座り、スープ皿の料理を口に運んでいた。
『流蔵』のものと思われる皿が、その近くに置いてある。
ペットボトルも同様に置いてあり、皿にはスプーンも添えられていた。
男性の衣服は、室内には見当たらない。

26流蔵:2009/10/20(火) 22:55:24
>>25
「随分、リラックスした格好のようだが……
 衣服は濡らすか何かされたので……?」

大人しく、自らの席に座ろう。
スプーンで肉の塊をつつき、匂いを嗅いでみる。

「その恰好で降りられる……ということはないでしょうが」

27:2009/10/21(水) 00:40:57
>>26
「ああ、服ですか・・・・・濡れてしまったので、乾かそうと思いまして。」
 
男性は、スープ皿を床に置いて言った。
中身は、きれいに平らげてある。
ペットボトルの水をグビリと一口飲み、男性は大きく息を吐いた。
 
『クチュ』
 
スープ皿に盛られた塊は、柔らかく煮込まれているらしい。
香ばしい匂いがするだけで、何の肉かは分からない。
 
「部屋も暖まったし、そろそろ服を干した方がいいですねェ〜・・・・・。
貴方も服を乾かした方が、いいですよ。」

28流蔵:2009/10/21(水) 08:35:15
>>27
「けっこう……着ているままのほうが乾きが早い、
 それほど濡れてもいない。」

一口、口に含んで吟味してみる。
余りひどい味や舌先が痺れるなどしなければ
そのまま食べ続ける。

29:2009/10/21(水) 13:33:40
>>28
スプーンでスープを一口、口に運んだ・・・・・・・・・。
 
『ゴゴゴゴゴ』
 
濃厚なコンソメスープに似た味だったが、まろやかなコクがある。
後味も悪くなかった。
 
「濡れた服のままだと、低体温症になるんですよ・・・・・・・・・私が来た時には、
ストーブも点いていなかったから大変でした。」
 
スープ皿を手に立ち上がった男性を尻目に、『流蔵』は食事を続ける。

30流蔵:2009/10/21(水) 21:03:33
>>29
(なるほど……結構ウマイ。こういう状況で食べるからかも知れないが。)

ペットボトルは未開封? 中が凍り付いていたりはしないか?

「この寒さの中だ。暖房も無しに服など干していたら、凍り付いてしまうでしょうね。」

自分の服を顧みる。何を着ていただろうか。手袋などはあるか?
それから、荷物は最初から何も無かったのだろうか? 落ちた時に失くしたのか。

31:2009/10/22(木) 01:00:38
>>30
ペットボトルは、市販されているミネラルウォーターだった。
中身が凍っている様子は無く、栓を開けた痕跡も無い。
 
『流蔵』の服装は、スキーウェアに毛が生えた程度のものだった。
手袋はしていたはずだったが、今は無い・・・・・・・・・・・。
荷物は無く、所持品はポケットにあるガムとジッポライターのみ。
ストーブで室内が温まると、次第に衣服も汗ばんで来る。

32流蔵:2009/10/22(木) 10:08:13
>>31
ペットボトルは持っておこう。
スープを飲み続ける。

「そういえば、名前をまだ聞いてなかったような……
 俺は流蔵です。貴方は……?
 あと先程も聞いた、救難信号か外部への連絡は……?」

33:2009/10/22(木) 14:05:58
>>32
「『ゲーリー』です・・・・・・・私の名前は、『ゲーリー・ブリッツ』。」
 
『ゲーリー』と名乗った男性は、スープ皿を持ってキッチンの方へ向かう。
 
「ここじゃあ、連絡は出来ない様ですねェ。
電話もありませんし・・・・・・・・ラジオ持ってますが、受信感度も悪くなってますね。」
 
そう言って、『ゲーリー』は部屋の隅にあるリュックチラリと見た。

34流蔵:2009/10/22(木) 18:18:41
>>33
「ラジオ……持ってるんですか……。
 とりあえず、つけてみてくださいよ。」

スープを飲み干す。

35:2009/10/23(金) 00:19:55
>>34
『グビ・・・』
 
『流蔵』がスープを飲み干すと、『ゲーリー』がキッチンから戻って来る。
手に持っていたスープ皿は、無くなっていた。
 
「ラジオですか・・・・・いいですよ・・・・・・・」
 
呟く様に言った『ゲーリー』は、リュックに向かうと中を漁り始める。
すぐに『流蔵』の方へと戻ってきた『ゲーリー』の手には、黒っぽい小型の
ラジオが握られていた・・・・・・・・・・・・。

36流蔵:2009/10/23(金) 10:40:13
>>35
「退屈凌ぎとしても調度いい……」

ラジオをつけるのを見守る。
ところで自分は転落時にどこか身体を痛めたりしてなかったろうか。
外傷はないだろうが……。

37:2009/10/23(金) 17:00:31
>>36
『ゲーリー』が、ラジオのスイッチらしき部分に触れると、カチリという音と共に
スピーカー部分からノイズが鳴り始める。
 
「どうぞ・・・・・・スープ、もういいですかァ〜・・・・?」
 
『ゲーリー』は、ラジオを差し出しながら尋ねて来た。
『流蔵』の身体に、目立った外傷や痛みは無い。

38流蔵:2009/10/23(金) 23:53:55
>>37
「ええ……おかげで大分温まりましたよ。
 この吹雪では、電波も悪いのだろうか……気象情報でも聞ければ良いのだが。」

ところで小屋の中に、どこか隙間風の吹き込んでいるところはあるだろうか。
換気がなければガスやストーブの排気で窒息するので、どこかにはあると思うが……
あったとしたら、冷えたくはないので、あまりそこには近付かないようにしたい。

39:2009/10/24(土) 01:29:30
>>38
『流蔵』が答えると、『ゲーリー』は『流蔵』の分のスープ皿を手に取り、
キッチンへと再び戻って行く。
『流蔵』は、空気の流れに注意を払い、室内を散策する様に歩いた。
 
『ヒュコォォ・・・・』
 
入り口から見て、左手前の隅・・・・・・・・・・・・つまり、トイレのドアから直線上に
位置する部屋の角から、微かに冷気が吹き込んでいる。
視認は出来なかったが、壁に隙間があるらしい事が分かった。
キッチンの方からは、水を流す音が何度か聞こえる。
手にしたラジオからは、ノイズだけが鳴り続けていた。

40流蔵:2009/10/25(日) 01:09:26
>>39
「特にやることも無し……少し歩いて、身体を解しておくか。」

アンテナを窓の外に向けながら、部屋の外周をゆっくりと歩き回ってみる……。
周波数も調整しつつ、音が変化するところを探ってみる。

41:2009/10/25(日) 01:55:35
>>40
『ザザザ━━━━━━━・・・・・ザザッ・・・・・・・・』
 
ラジオのノイズは、時折断続的に鳴り響く。
室内を何周かした頃、前触れも無く、ノイズに微かな人の声が入り混じった。
 
『・・・・・・・ガリッ・・・・・ベン・・・・・・潜伏し・・・・・・・・・』
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
『・・・・・・・・・コロラド州警察は・・・・・・・・・・ガガッ・・・・・・ロッキー・・・・・・・・』

42流蔵:2009/10/25(日) 21:30:31
>>41
「なんか、聞こえてきたな……」

数周して壁の隙間はよく見てとれただろうか?
気づかなかったなら、ラジオを聞きつつ風の位置を調べてみよう。
あの男はまだキッチンと考えていいだろうか。

43:2009/10/26(月) 00:20:50
>>42
冷気の吹き込んで来る壁に近付いたが、それらしい隙間は見当たらない。
 
『・・・・・・・ガリガリッ・・・・・』
 
ラジオからは、再びノイズだけが鳴り響く。
『ゲーリー』がキッチンから現れる気配は無く、『流蔵』は冷気の吹き込む
壁に目を凝らした・・・・・・・・・・・。
よく見ると、壁を形成する木板の一部が、前後に数ミリずれている。
冷気は、そこから吹き込んでいるらしかった。

44流蔵:2009/10/27(火) 02:45:41
>>43
「ん?これは……」

どういうことなのかもう少し調べてみよう。
木板は動いたり外れたりしそうなのかどうか。

45:2009/10/27(火) 20:30:02
>>44
ずれた木板は、建物の外側から内側へと僅かに歪んでいた。
動かそうとしたが、歪んだまま固まっている・・・・・・・・・・・・外れる気配も無い。

46流蔵:2009/10/28(水) 02:04:54
>>45
「外側から強い力で叩かれたということか?
 落石でもあったのだろうか……外に出ないと確かめようが無いが。」

その隙間に、ラジオを近づけてみる。

47:2009/10/28(水) 02:31:31
>>46
『ガリッ・・・・・・ガガ・・・・・』
 
ラジオを隙間に近付けると、ノイズの音が揺れる様に変化した。
だが、聞き取れる音声は、流れない。
 
「どうですか?
何か聞こえましたかァ?」
 
ふと、背後のキッチンの方から、『ゲーリー』の声が聞こえた。
振り向くと、手に衣服を持った『ゲーリー』が、自分のリュックの方へと
歩いて行く姿が確認出来る。

48流蔵:2009/10/29(木) 00:00:05
>>47
「……なんか聞こえましたよ。先ほど……。
 おや、外にでも行かれるのです?」

問いかけてみる。

49:2009/10/29(木) 00:55:17
>>48
『ゲーリー』は、リュックの中を探りながら答えを返した。
 
「いえ、服を干そうと思いましてねェ・・・・・・何が聞こえたんです?」
 
リュックの中から、紐の様なものを取り出した『ゲーリー』は、その一端を
壁の柱に結び付け始める。

50流蔵:2009/10/29(木) 19:04:25
>>49
「コロラド警察……がどうとか……。」

男の様子を伺う。

51:2009/10/29(木) 20:47:30
>>50
「警察ねェ・・・・」
 
『ゲーリー』は、紐に衣服を通すと、もう一端を別の柱に結び付けた。
紐は、物干し竿の代用品らしい事が分かる。
小屋の入り口から見て、紐は室内の左奥・・・・・・・・・・リュックの置かれた角の辺りを、
三角形に区切る様に斜めに張られた。
 
「それで?
他に何か聞こえませんでしたかァ〜?」
 
紐を張り終えた『ゲーリー』は、『流蔵』の方を見て再び尋ねて来た。

52流蔵:2009/10/30(金) 15:49:33
>>51
「……ノイズがひどかったもので。
 聞いていれば、また何か聞こえてくるかもしれませんね。」

紐で二人は分断されているのだろうか?

53:2009/10/30(金) 20:52:01
>>52
『ゲーリー』は、張られた紐の向こうで、再びリュックを探っていた。
 
「まァ、ここにいる間は、お貸ししておいてもいいですよ・・・・・・。
替えの電池はありませんので、電池切れに気を付けて下さいねェ。」
 
やがて、『ゲーリー』のリュックの中から、寝袋らしきものが出て来る。
 
『ドドドドドドド━━━━━━━━━』
 
室内は、ストーブの熱で快適な温度に上がっていた。
紐に干された衣服からは、独特の臭いが微かに漂う・・・・・・・・・・・。

54流蔵:2009/10/31(土) 22:14:45
>>53
「どうも……感謝します」

『ゲーリー』の邪魔にならない程度に、またラジオを手に辺りをうろついてみる。

「ところで……今何時です? 時計を持っていないもので」

55:2009/11/01(日) 00:14:56
>>54
『・・・・・・・・ガリッ・・・・・・の天候は・・・・・・・・・・・・ザザッ・・・・・・』
 
ノイズに混じって、微かに声が聞き取れる。
だが、その内容まで理解するに足る情報とは、とても言えなかった。
電波の受信状況も不安定で、電波状況の良い場所を特定する事も出来ない。
 
「すみません、時計は落としてしまったんですよ。
あ、今聞こえましたねェ・・・・・・・この吹雪で、電波が届かないんですかねェ。」
 
『ゲーリー』は、寝袋を床に広げると、ゆっくりと床に腰を下ろした。

56流蔵:2009/11/01(日) 22:15:56
>>55
「明日の……朝になれば回復してますかね」

自分の皿とスプーンを持って一度キッチンに向かう。
男は寝る体勢に入ったのだろうか?腰を下ろしてるだけか?

57:2009/11/02(月) 01:02:20
>>56
『流蔵』の分のスープ皿は、すでに『ゲーリー』が運び去っている。
 
床に座り込んだ『ゲーリー』は、リュックから分厚い手帳を取り出すと、そこに
ボールペンで何かを書き始めた。
藍色の皮の手帳は、止め具の付いた品物だった。
『流蔵』がキッチンへ向かっても、その様子は変わらない・・・・・・・・・・。
 
『ドドドドドドドドド』
 
キッチンの様子は、先に見た時と左程変化は無かった。
2枚のスープ皿とスプーンは、シンクの中に無造作に積まれている。
汚れは落ちていたが、まだ濡れていた。

58流蔵:2009/11/02(月) 01:22:58
>>57
キッチンの空気も、ストーブのある部屋に準じる程度には暖まっているのだろうか?
先ほど使ったもの以外に食器類はあるだろうか。棚などがあれば見てみたい。

「何を書き留めていらっしゃるんです?
 日記……か何かですか? あまりプライベートな事でしたらすみませんが」

『ゲーリー』に尋ねてみる。

59:2009/11/02(月) 02:03:46
>>58
キッチンの空気は、まだ少し冷たい・・・・・・・・・・・・。
食器棚の類は無く、他の食器も見当たらなかった。
 
「日記です・・・・・・」
 
『ゲーリー』の声が返って来る。

60流蔵:2009/11/02(月) 13:41:14
>>59
スプーンを一本拝借しておこう。
ポケットの中に。別に怒られることでもないだろう。
包丁は男が洗ってリュックにでも戻したのだろうか?
棚などに置き去りにしてないか見てみる。

「水は、出るんですね。機材はないが……」

61:2009/11/03(火) 00:21:23
>>60
包丁は、どこにも見当たらない。
『流蔵』は、スープ皿と一緒に重ねてあったスプーンを1本取った。
外の吹雪の音が、微かに聞こえる・・・・・・・・・・・・。

62流蔵:2009/11/04(水) 00:53:07
>>61
包丁はあの男の私物か。
スプーンはそのままポケットに入れておこう。
元の部屋に戻ろう。

「……外は吹雪が凄そうですね」

63:2009/11/04(水) 01:53:26
>>62
キッチンを出ると、寝袋に入った『ゲーリー』の姿が目に付く。
 
「明日には、晴れるといいですねェ。」
 
『ゲーリー』が、呟く様に言った。

64流蔵:2009/11/04(水) 22:06:51
>>63
「ええ……こんなところで何泊もするのは、御免ですからね」

外はもう夜なのだろうか? 窓から少しは外の様子が解るか?
壁に寄りかかり、ラジオのノイズを(音量をギリギリまで下げて)聴きながら休憩する。
知らない人間が起きている状況では眠れないタチなので、『ゲーリー』が寝付くまで待つ。

65:2009/11/04(水) 23:00:56
>>64
窓の外は、吹雪で白く染まっている。
ラジオからは、ノイズだけが鳴り続けていた・・・・・・・・・・・。
『ゲーリー』は、寝袋の中で動かない。
 
『ドドドドドド』
 
小一時間が過ぎた頃、ラジオからのノイズが小さくなり始めた・・・・・・・・・・。
ノイズが消えると、もうラジオから音は聞こえなくなる。

66流蔵:2009/11/04(水) 23:19:46
>>65
「ん? 電池が切れたのか……まあ、電池は冷やせば多少復活するらしいからな。
 この寒さならもう少し使えるだろう」

先ほど隙間風が吹き込んで来た辺りに、ラジオを置いておく。
楽な姿勢で目を閉じるが、わずかに瞼を開け、『ゲーリー』や小屋内の様子をもう少し見ておく。

67:2009/11/04(水) 23:50:24
>>66
ラジオを床に置いた『流蔵』は、身体を休めた・・・・・・・・・・・・。
『ゲーリー』が起きる様子は無く、小屋の中に動くものは無い。
静寂の中、外の吹雪の音だけが微かに聞こえていた。
 
・・・・・・・・・・・・・ふと、『流蔵』は、目を覚ます。
いつの間にか眠っていた事に気付いたが、周囲の様子に変化は無かった。
ラジオが鳴る気配も無い。

68流蔵:2009/11/05(木) 15:55:40
>>67
「……眠っていたか、……外は変わらずか」

もそりと起き上がり、ラジオを置いた板の隙間に。
隙間から外の音が聞こえるかもしれないが、吹雪だけだろう。
男はどちらを向いて寝ているだろうか。

69:2009/11/06(金) 00:57:27
>>68
壁の歪んだ部分に顔を近づけると、隙間から吹雪の音が聞こえた。
『ゲーリー』は、キッチンの方を向いて眠っている・・・・・・・・・・・・・・・。

70流蔵:2009/11/06(金) 19:54:32
>>69
隙間に手を当てたりして隙間風が強くないか確認してみる。
その後なんとなくだが、キッチンに向かう。
男を起こさないように静かに。
男が起きたかどうか、キッチンに行く際に振り替えって確認しよう。

71:2009/11/06(金) 22:59:06
>>70
『流蔵』がキッチンに入っても、『ゲーリー』が起きた様子は無かった。

72流蔵:2009/11/07(土) 18:03:02
>>71
「することがないな……」

キッチンを調べつつ手持ちのチョコレートを一かじりする。

73:2009/11/07(土) 18:08:56
>>72
キッチンの様子に変化は無く、『流蔵』は何気にチョコレートを齧った。
チョコレートは、少し溶けている。
 
『キュルゥゥ・・・・』
 
ふと、便意を覚えた。

74流蔵:2009/11/07(土) 20:59:51
>>73
ハッ……俺は今、何を食べた?

「グッ……いや、このぐらいなら我慢出来ないか……」

トイレを見た時、紙は充分あっただろうか?
眠ろうとしてみる。

75:2009/11/07(土) 22:29:10
>>74
トイレの中は、まだ確認していない。
 
『流蔵』は、便意を身体に抱えたまま、ストーブの近くで横になる。
便意が消える様子は無く、次第に腹の中で大きく育って行く様な気がした。
 
『プリッ』
 
ふと、肛門から屁が漏れる。
糞に占拠されつつある腸内の悲鳴か、勢いに乗った糞の雄叫びか・・・・・・・・
やがて、便意は腹部の静かな痛みとなって、徐々に『流蔵』の意識を支配する。

76流蔵:2009/11/08(日) 22:32:22
>>75
そういえば俺の持ち物はチョコレートじゃなくガムの間違いだったか。
……確かに。

「……ググ、これでは眠れん……」

トイレにいって用を足す。
便座が冷え具合と紙の有無は先に確認する。

77:2009/11/08(日) 23:31:56
>>76
『ギィ・・・』
 
ドアを開けると、微かに軋む。
トイレの中には、簡素な洋便器が1つあった。
プラスチックカバーのトイレットペーパーホルダーには、ロールが1つ。
便器の後ろの壁には、天井近くに棚があり、予備のロールが10個近くある。
便座に触れると、冷たかった。

78流蔵:2009/11/09(月) 01:48:26
>>77
「極寒の中で、腹痛とも戦わねばならないとは……地獄か?」

そのトイレは水洗式か? 水洗式ならば、水が凍っている危険性を考え、
流れるかどうかを先にチェックしておく。流れないなら、まあそれはそれで構わないが。
まともに使えそうな便所なのであれば、戸を閉め、用を足すしかあるまい。

79:2009/11/09(月) 02:43:34
>>78
便器の横に垂れ下がった紐を引くと、勢い良く水が流れた。
水は、5〜6秒で止まる。
『流蔵』は、おもむろにズボンを下ろすと、便器に腰を下ろした・・・・・・・・・。
 
『プゥ』
 
空気中に解き放たれた肛門から、屁が漏れる。
少しして、腸内に溜まっていた排泄物・・・・・・・・・・・糞が顔を覗かせた。
 
『プリッ・・・・ミチミチッ・・・・・』
 
糞の状態は良いらしく、デコレーション用の生クリームの様に滑らかに
肛門から出て来る。
排便と共に、便意も終息して行くのが分かった。

80流蔵:2009/11/09(月) 08:26:12
>>79
「ふう……」

当たり前の処理が終わったら便所から出る。

81:2009/11/09(月) 09:49:24
>>80
便器に座った『流蔵』は、ドアを見つめながら排便の余韻に浸る。
ふと、ドアに小さな穴が空いている事に気付いた・・・・・・・・・・・・・。
小指の先程の穴は、木目に紛れる様に空いており、ドアの向こう側まで
貫通している。
 
『プス・・・』
 
自然と、屁が漏れた。

82流蔵:2009/11/09(月) 17:44:54
>>81
拭く作業が終わり次第、流す。
それまでは立ち上がる気にもならないだろう。

「なんだ……、この穴は……?」

それらが済んだ後、穴を覗いてみる。

83:2009/11/09(月) 19:12:42
>>82
尻を拭いた『流蔵』は、便器の中の糞を流した。
穴を覗くと、小屋の中の様子が見える・・・・・・・・・・・。
奥の方は死角になっており、寝袋に入った『ゲーリー』の姿は確認出来ない。
キッチンの様子も分からない。
 
『ゴゴゴゴゴ・・・・・』
 
向かい側の壁には、誰かが壁に寄り掛かる様に座っていた。
それは、『流蔵』自身の様にも見える。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
下半身の寒さも忘れ、『流蔵』は穴の向こうの光景に息を飲んだ。
ふと、『流蔵らしき人物』の方に、人影が近付いて来る。
それは、『ゲーリー』だった・・・・・・・・・・衣服を身に付けておらず、右手には
肉切り包丁を持っている。
次の瞬間、『流蔵らしき人物』の首筋に、包丁が勢い良く振り下ろされた。

84流蔵:2009/11/09(月) 22:59:31
>>83
「な! あれは……俺か!? 幻覚なのか? 何がどうなっている……!」

ズボンを上げながら扉を開け、部屋へと飛び出す。
『ゲーリー』が包丁を振り下ろしているなら、飛び掛って押さえたい。

85:2009/11/09(月) 23:27:18
>>84
『ドドドドドドドドドドドド』
 
ドアを開くと、室内には寝袋に入った『ゲーリー』が横たわっていた。
他に人影は無く、痕跡も無い。

86流蔵:2009/11/10(火) 00:51:03
>>85
「む……どういうことだ……。
 やはり幻覚か? 俺がもう一人いるというのもおかしいしな……」

トイレのドアに空いた穴は、外からも確認出来るだろうか?
一応、そこから中を覗いてみる。

87:2009/11/10(火) 02:01:45
>>86
トイレのドアに空いた穴は、外からでも確認出来た。
穴を覗き込むと、その向こうの光景が見える・・・・・・・・・・・・・・・。
特に気になる点は無い。

88流蔵:2009/11/10(火) 10:54:03
>>87
「全裸……全裸に包丁だったな。
 なんで全裸なんだ……俺の、怖れから来る幻覚か?」

もう一度トイレ側から穴を確認してみたい気もするが、
まず先ほどの光景を思い返したい。
俺自身は怪我をしていたか?男を睨んだりしていたか?衣服は着ていた、か?

89:2009/11/11(水) 01:09:05
>>88
穴の向こうの『流蔵らしき人物』の様子は、今となっては幻覚だった様にも思える。
『ゲーリー』に対し、衣服は『流蔵』のそれと同じで、特に怪我は見当たらなかった。
その表情までは、覚えていない・・・・・・・・・・・。

90流蔵:2009/11/11(水) 21:18:29
>>89
「何だったんだ、一体……彼が雪山にいながら下着姿だったのは、インパクトがあったが。
 包丁はキッチンか……いや、それより……」

最初にキッチンの様子を見た時、どこかに『ゲーリー』の衣服が保管してあっただろうか?
確認出来ていないなら、キッチンに行き、今干されている衣服が保管出来そうなスペースが
あるかどうか確認する。あったとして、それが普通に入った時に目に付く場所かどうか、
そこに最初に入った時に衣服が置いてあったかどうか、を確認する。

91:2009/11/11(水) 23:16:28
>>90
キッチンには、何ら変化は見当たらない。
衣服の保管場所らしきものは無かったが、置こうと思えば適当に掛けておく
スペースはある・・・・・・・・・・・。
ふと、キッチンの隅に、折り畳まれた針金のハンガーがある事に気付く。
青色のハンガーが、3つ重ねて壁に掛かっていた。

92流蔵:2009/11/12(木) 12:14:57
>>91
「そうだ……包丁は見当たらなかったんだった……。
 あの男の、リュックの中か?
 ハンガー……あの映像はトイレに戻れば再び見れるのか?」

ハンガーを三つ取る。
穴の映像の中、男までの距離はトイレから何メートルぐらいあっただろうか。
さらに、服をかける部屋の紐はあっただろうか?

93:2009/11/13(金) 00:06:49
>>92
『流蔵』は、3つあるハンガーを全て手に取った。
トイレから反対側の壁までの距離は、約5メートル。
紐があったかどうかは、覚えていない。

94流蔵:2009/11/13(金) 00:20:51
>>93
「あの映像、幻覚だろうが、……すごく不安だな。
 ラジオも警察がどうとか言っていた……神経質になりすぎか?」

キッチンに変化がないなら、使用済の缶詰がいくつかあったはずだ。
いくつある?その蓋を音がなるべくしないよう全て外したいが。
不審な行為だが、見られたら腹が減ってるとでも言うか……。
尤も、男が目覚めたらなんとなく音はするからわかるだろう。

映像の中で自分が居た位置は隙間風の吹く辺りの壁だろうか?

95:2009/11/13(金) 00:28:46
>>94
缶詰の空き缶は、5つあった。
水で流しただけで、まだ油の様なものが付着した蓋を取り外す・・・・・・・・・・。
トイレの真向かいの壁は、隙間風が入ってくる位置に近い。

96流蔵:2009/11/13(金) 00:50:09
>>95
「首に包丁……首に……鎧……」

蓋の油を袖で拭い、そして若干の丸みが残る程度になめす。
俺は寒がりだ……スキーウェアの下はセーターを着ていなくてはならない。
首まであるタートルネックじゃないと寒くて堪らない……。
それを一度脱ぎ、セーターの首の部分を缶詰の蓋で軽く裂いて、そして蓋を埋め込む。
記憶にある、男が包丁を振り下ろす辺りに蓋を3枚、重ね気味に入れることで切断から動脈を守る……。

「ハッ……俺は何を考えている……?」

97:2009/11/13(金) 01:32:20
>>96
『流蔵』は、首の部分に缶詰の蓋を重ねた。
重ね合わせたアルミ製の蓋は、首を動かすと微かに引っ掛かる。

98流蔵:2009/11/13(金) 14:09:39
>>97
「こんなもので、防げるのか?
 ……ムチ打ちになるかもしれんが、命は、延ばせる。
 俺が気絶してるなら、気付けになってくれれば……。」

あの穴は何なのか……もう一度見るとどうなるか。
その前にもう少しやることがある。蓋の残り2枚をポケットに。
そしてガムを1枚取り出し音をたてず咀嚼しながら、
ハンガーの針金を解き、棒状に出来るか試す。
服は着なおしたという認識で良いだろうか。

99:2009/11/14(土) 00:35:55
>>98
ハンガーは、容易に解体して伸ばす事が出来た。
『ゲーリー』の衣服は、室内に干してある以外に見当たらない。

100流蔵:2009/11/14(土) 23:36:10
>>99
服は自分の服だ。着ていると判断する。
伸ばしたハンガーは一つ持っておいて、残り2つはズボンにさして服で隠しておこう。

「あの映像……正体を探るには……」

トイレの前まで静かに戻りたい。
いまは夜だろうか?寝ている間も室内は明るい状態か?
それと部屋の入り口から見て、
男が寝ている位置とリュックの位置を知っておきたい。

101:2009/11/15(日) 00:11:49
>>100
室内は、ランプの灯りで照らされていたが、外から陽は差し込んでいない。
『流蔵』は、トイレの前に戻ると、『ゲーリー』の方を見た。
リュックは左奥の角に置かれたままで、その右横に『ゲーリー』が横たわっている。

102流蔵:2009/11/15(日) 21:44:14
>>101
部屋干し用の紐は、入り口の扉から見て『\』こういう形だろうか?
紐の存在はトイレの穴からも確認できていただろうか。
それとトイレの穴から見たとき、部屋の中央のストーブは見えただろうか?
ストーブまでの距離は2メートル余りありそうだが……簡単に動かせそうな代物か?

103:2009/11/16(月) 00:48:29
>>102
衣服を干した紐は、左の壁隅を区切る形で張られていた。
トイレの穴を覗いた時には、紐やストーブまで確認していない。
ストーブは、床に固定されている。

104流蔵:2009/11/16(月) 05:12:05
>>103
「まず……なぜ彼が俺を殺すなどという映像を……
 単なる疲れから来た幻覚か……それとも、何か連想するような材料が?」

噛んでいたガムを吐き出し、ストーブの足元、目立たない位置に貼り付ける。
トイレのドア側で、見ようと思えば見える程度の位置に極力さりげなくだ。
そうした後、干してある『ゲーリー』の服を観察する。
近付き過ぎると『ゲーリー』を起こす心配があるなら、少し遠巻きに見る。
どんな衣服だろうか? 種類や材質などの他に、何か目立つ傷や汚れはあるだろうか?
もしくは……俺の衣服の濡れは、雪が溶けて染みたという程度だろうが、
『ゲーリー』の服は、それ以上に過剰に濡れていたりはしないだろうか?

105:2009/11/16(月) 15:53:45
>>104
ストーブの足元は、あまり熱を感じなかった。
『ゲーリー』の衣服は、長袖の青いポロシャツにクリーム色のジャンパー、
紺のジーンズに白のTシャツ・・・・・・・・・・
目立った汚れは無く、水が滴るほど濡れてもいない。

106流蔵:2009/11/16(月) 22:53:44
>>105
ストーブは穴から確認できる角度にあるだろうか?
どうしても無理そうか見れなくないか程度はわかるはず。

107:2009/11/16(月) 23:17:42
>>106
トイレの外から見た限り、ストーブは穴の中からでも見える様な気がした。

108流蔵:2009/11/17(火) 10:33:18
>>107
「これで準備は一段落ついたか……
 ストーブは動かない……気づくことも、まあ、ないだろう」

トイレに再び入る。
まだ穴は見ない、が……棒状にしたハンガーの長さはどれぐらいだろうか。

109:2009/11/17(火) 23:09:06
>>108
トイレに入った『流蔵』は、伸ばしたハンガーが1メートル近い事を確認した。

110流蔵:2009/11/18(水) 18:49:10
>>109
「さて……あれが何だったのか、幻覚だったのか……
 一時的な幻覚なら関係ないだろうが……
 映像の中の俺の首が……切られていなければ……恐ろしい」

ハンガーの棒を握り、穴を再び覗く。
もし映像の自分が今の自分と関連してる場合は、仕込んだ缶詰の蓋が影響するはずだ。
逆にあっさり切られてる場合や、すでにやられている場合は、俺とは少し違う。

映像が最後に見た光景の直後だった場合は、少し確認した後すぐに目を穴から離したい。

111:2009/11/19(木) 00:02:24
>>110
『ドドドドドドドドドドドドド』
 
穴を覗き込むと、外に人影は見当たらない。
『流蔵』は、自分らしき人物が座っていた、向かい側の壁の辺りに飛び散っている
おびただしい量の血痕に気付く・・・・・・・・・・・。
血の海の中には、『流蔵』の衣服とよく似たシャツやズボンが落ちていた。

112流蔵:2009/11/19(木) 20:14:35
>>111
「何だと……すでに殺されたのか?
 いや、俺とは限らないはず……、だがあの服は……」

もう少しだけ穴を見続けてみよう。
部屋にロープ……男の服は干してあるだろうか?
そしてストーブにつけた目印、ガムは確認できるだろうか?

113:2009/11/20(金) 02:20:35
>>112
『ゲーリー』が衣服を吊るしている紐は、死角になっていて確認出来ない。
ストーブは、その端が少し見える・・・・・・・・・・・・付けたガムは、見当たらない。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴ』
 
不意に、全裸の『ゲーリー』が視界に現れた。
ドラムの様に太った腹と顔には、血糊で奇妙な図形が描かれている。
その目は、何かを探している様な狂気を孕んでいた・・・・・・・・・・・・・・。
落ちているシャツやズボンを見つめている『ゲーリー』の手には、同じく
血に染まった包丁が握られている。

114流蔵:2009/11/21(土) 00:59:20
>>113
「ガムがない……気づいて剥がされるようなものじゃないはず……
 なんだ?ここは、俺の知ってる山小屋と何か……違うのか?」

いったん目をズラし、穴からハンガー棒を入れてみる。
その状態でも小指ほどの穴なら覗けなくはないはず。
入れながら、棒が穴の先の空間にも出るか、そして男がそれに気づくか確認したい。

115:2009/11/21(土) 01:36:20
>>114
ハンガーを穴に差し込みながら、『流蔵』は再び穴を覗いた・・・・・・・・・・・・・。
穴の向こうには、全裸の『ゲーリー』が立っている。
ハンガーの先端は、『ゲーリー』に向かって伸びていた。
 
『ドドドドドドドド』
 
ふと、『ゲーリー』がトイレの方に顔を向ける。
その直後、『ゲーリー』はハンガーの先端に手を伸ばして来た。

116流蔵:2009/11/21(土) 17:46:46
>>115
「やはり、出ている……気づかれたな。」

ハンガーを素早く引っ込める。それでも穴は見続ける。
こうすれば男はどう動くか?
ドアを開けるか破壊するかするかもしれないが、
その前に一度、穴を覗いてみようとするのではないだろうか?

117:2009/11/22(日) 01:03:56
>>116
『ゲーリー』が掴むよりも一瞬早く、ハンガーを穴から引っ込めた。
『ゲーリー』は、ドアの前に立ったまま動く様子は無い・・・・・・・・・・・・・。
 
『ガチャッ』
 
突然、ドアノブが勢い良く回った。
内側から施鍵されたドアは、開かない・・・・・・・・・・。

118流蔵:2009/11/23(月) 15:05:34
>>117
「穴の向こうに見えている光景は、今まで俺がいた山小屋とは違う。
 もしも今このドアを開けたら、一体何が起こる? さっきのように元に戻るのか……
 だが……そうすると、このドアノブを回している力は一体どこに行くのか?」

『ゲーリー』の腕か脚があるであろう所に向けて、ハンガーを瞬間的に突き出し、
掴まれる前にすぐに戻す。そうすることで、『ゲーリー』にわずかでも良いので傷をつけたい。

119:2009/11/24(火) 00:12:49
>>118
ハンガーを突き出すと、その先端が何かに当たる手応えを感じた。
 
『グィイッ』
 
引き戻そうとした瞬間、ハンガーが強い力で引き戻される。
直後、『流蔵』の手から滑り抜けたハンガーは、穴の外に吸い込まれた・・・・・・・・。

120流蔵:2009/11/25(水) 11:14:59
>>119
「くっ、しまった……」

穴の外をすかさず見る。
『ゲーリー』に傷がついてないか、次にどういう動きをしようとしているか。

121:2009/11/25(水) 19:49:20
>>120
穴の外を覗くと、『ゲーリー』の姿は消えていた。
床には、『ゲーリー』のものであろう裸足の跡が、血糊で点々と確認出来る。
 
『ゴゴゴゴゴゴ』

122流蔵:2009/11/25(水) 19:56:12
>>121
「傷を負ったのか……」

血の跡が向かってる方向はわかるだろうか。それを覚えておきたい。
ハンガーが捨てられてないかどうかも。
今の時点で、男が扉の側にいなそうなら、穴から目を離す。
そして缶詰の蓋を1枚手に持ちながら、静かにドアを少しだけ開けてみる。
穴の外の光景が扉の外でも続いてるかどうかについては、咄嗟に判断したい。

123:2009/11/25(水) 20:19:45
>>122
血の足跡は、床を縦横に徘徊する様に付いていた。
ハンガーは、見当たらない・・・・・・・・・・『流蔵』は、穴から顔を離した。
 
『ズゥッ』
 
次の瞬間、穴の外からハンガーの先端が突き出す。
宙を1〜2度掻いて、ハンガーは素早く穴から引っ込んだ・・・・・・・・・・・・。

124流蔵:2009/11/27(金) 09:04:06
>>123
「うお……目を狙っていたのか……俺と同じ発想を……。
 危なく失明するところじゃないか」

『ゲーリー』が扉の前にいるのはわかったが、
今のままでは有効そうな手は用意できない。
とりあえずガムを噛んで心を落ち着けつつ、ジッポライターを手に持つ。
そしてその状態で鍵を開け、扉を軽く5センチほど開けてみる。
外が今の光景かどうか確かめたい。ドアノブを掴みドアが大きく開かないようにする。

125:2009/11/28(土) 00:47:16
>>124
『クチャッ・・・クッチャクッチャ・・・・』
 
トイレの中に、ガムを噛む音だけが響く・・・・・・。
『流蔵』は、微かに開いたドアの隙間から、小屋の様子を窺った。
 
室内には、血痕も全裸の『ゲーリー』の姿も見当たらない。

126流蔵:2009/11/30(月) 02:11:48
>>125
「戻った……のか? 開閉のどの時点を境にして、なのか……
 いや、そんな微細なことは全く大した問題じゃあない。
 あれは単なる『よく似た隣り合わせの世界』なのか? それとも……?」

念のため、ストーブに付けたガムがあるかどうか、
『ゲーリー』が寝袋に入って寝ているかどうか、ということを確認しておく。
安全そうであればトイレから一旦出て、トイレのドアを大きく開いた状態で、
ドアの穴を通して、山小屋の室内を覗き込んでみる。ドアの外側からだ。

127:2009/11/30(月) 03:14:39
>>126
『ゲーリー』は、寝袋に入っている。
起きた痕跡は無く、微かに寝息を立てていた。
ストーブには、まだ付けたばかりのガムが確認出来る。
 
『ドドドドドド』
 
トイレを出た『流蔵』は、開け放したドアの穴を再び覗いた。
穴の向こうには、寝袋に入った『ゲーリー』の姿が見える・・・・・・・・・・・・。

128流蔵:2009/12/02(水) 01:00:34
>>127
「『穴』自体に、特殊な作用は無いのか……トイレの個室が重要なのか?
 ドアをぶっ壊したらどうなるんだ? 全面的に『繋がる』のか?
 このトイレ……ないしは『穴』だけなのか? 他に『穴』と言えば……
 少し調べてみるか」

壁に空いた隙間の位置を確認。
ストーブに当たって熱をある程度得ておき、防寒を整えた後、
入り口の扉を開け、その隙間から滑り出るようにして外へ。
吹雪がよほど酷くなっていなければ、小屋の外壁に張り付くようにして移動し、
壁の隙間へと近付き、外側から様子を調べてみたい。
その際、決して足を踏み外したり滑らせたりしないよう、足下には細心の注意を払う。

129:2009/12/02(水) 02:32:57
>>128
ストーブで身体を温めた『流蔵』は、小屋の入り口を開いた。
 
『ゴォォオオオオォォ』
 
外の吹雪は、依然として収まる気配は無い・・・・・・・・・・。
微かにベトつく雪が『流蔵』の身体に纏わり付き、体温を奪って行く。
壁伝いに移動する度に、足首までスッポリと雪に埋まった。
小屋の周囲の地形は平ららしく、滑落する心配は無かった。
 
『ゴゴゴゴゴゴ』
 
壁板の歪んでいる辺りまで辿り着くと、外壁の一部が凹んでいる。
中の明かりが漏れ出ていたが、暖気は感じなかった。

130流蔵:2009/12/02(水) 21:21:30
>>129
「明かりが、漏れてる……?
 つまりそれは……まさか……」

ハンガーを1本取り出しつつ、隙間を覗いてみる。

131:2009/12/02(水) 23:52:14
>>130
壁板の隙間からは、干してある衣服が少しだけ確認出来る。
トイレの穴に比べて、その視界は半分以下の狭さで、上下左右を見渡す事も
難しかった。
ストーブの置かれた辺りの様子やキッチンなどは、確認出来ない。

132流蔵:2009/12/03(木) 12:15:59
>>131
「これは……普通の視界か?」

『ゲーリー』は確認できるだろうか?
あるいは床に血の跡や衣服など、トイレの穴と類似する光景はないだろうか。
あまり長居はできないが、特に光景に不可思議なところがなければ、
ハンガーの先を穴に入れ、穴が広げられないか軽く試してみる。

133:2009/12/03(木) 14:11:26
>>132
隙間から床を確認する事は出来なかったが、トイレの穴から覗いた光景との
類似点も特に見当たらなかった。
ハンガーを隙間に差し込んだが、壁板はビクともしない。
『流蔵』の指先の感覚が、寒さで鈍くなっているのが分かった。
 
『ポロォッ・・・』
 
ふと、『流蔵』の手からハンガーが零れ落ちる・・・・・・・・・・・・。
ハンガーは、そのまま室内に滑り込む様に落ちた。

134流蔵:2009/12/07(月) 01:37:48
>>133
「……中に戻った時、ハンガーが落ちているなら、何事もないということだ。
 それより、この壁の歪みがどうして出来たのか気になるな……
 『イノシシ』でも、突っ込んだのか?
 いい加減、体温も限界だ……調べるなら手早く済ませなければ」

凹みの周囲に、動物の体毛などはついていないか?
そうでなくても、何か特徴的な傷や、汚れなどがあれば確認したい。
小屋の周辺を見回し、大岩などが落ちていないかも見てみる。

135:2009/12/07(月) 19:44:39
>>134
凹みのある外壁の部分には、雪が爪跡の様に地面から積もっていた。
体毛らしきものは見当たらず、凹みの部分には凍った雪が張り付いている。
だが、雪の重みで凹んだ様子は感じない・・・・・・・・・・・・。
小屋の周囲を見渡したが、視界が悪く、数メートル先の様子も確認出来ない。

136流蔵:2009/12/08(火) 08:45:10
>>135
「イノシシではない……、とりあえず戻るか……?」

とりあえず戻ってみる。

137:2009/12/08(火) 14:36:17
>>136
小屋の中に戻ると、『ゲーリー』が眠っている。
壁沿いには、ハンガーが1本落ちていた。
特に変わった様子は、見当たらない・・・・・・・・・・・・。

138流蔵:2009/12/08(火) 17:45:02
>>137
「こちらは関係ないのか……?」

とりあえず暖を取って手を動かせるようにする。
『ゲーリー』からリュックまでの位置はどれぐらいだろうか。
起こさず気づかれずに中を拝借することは可能そうだろうか?

139:2009/12/08(火) 23:50:57
>>138
リュックは、『ゲーリー』の枕元の辺りに置かれている。
『流蔵』は、ストーブの前で凍えた身体を温めながら、『ゲーリー』が
寝息を立てている様子を窺っていた・・・・・・・・・・・。
 
「タスケテ・・・・」
 
『ゴゴゴゴゴゴ』
 
「タスケテ・・・・コロサレル・・・・・」

140流蔵:2009/12/09(水) 00:23:40
>>139
「……ハッ?誰だ……?
 どこから聞こえる……?」

声はどこから聞こえるだろうか?

141:2009/12/09(水) 00:39:57
>>140
『流蔵』は、声の聞こえた方向を確認する。
声は、キッチンの奥から聞こえた。
 
「コロサレルゾ・・・・オマエモ・・・・」
 
微かだが、声はハッキリと聞こえる。

142流蔵:2009/12/09(水) 00:44:30
>>141
「誰だ……どういうことだ……」

キッチンへと静かに向かってみる。
声の主?を探したい。

143:2009/12/09(水) 01:24:19
>>142
キッチンを覗いたが、人影は見当たらない。
 
「・・・・・・・コロサレル・・・」
 
ふと、小さく掠れた声が、シンクに積まれた缶詰の中から聞こえた。
或いは、全て気のせいかも知れない。

144流蔵:2009/12/09(水) 17:25:32
>>143
「幻聴なのか……俺のこれは……。
 実際の俺は、雪に埋まれて眠りに落ちているとでも?
 そうだとしても聞こえる以上は耳を傾けるが……缶の中だと?
 俺が殺されるって……誰にだ?」

缶は空だろうか。
ポケットにあるスプーンを取り出し、
軽く突きつつき、何事もなければ裏返して正体を確認したい。

145:2009/12/10(木) 00:26:13
>>144
缶は、どれも蓋を開けた後で、中身は空の様だった。
スプーンで突いたが、特に反応は無い・・・・・・・・・・・・・。
『流蔵』は、積んであった缶を裏返した。
 
『ガラカァンッ!』
 
けたたましいアルミの音が、シンクの中で余計に響く。
 
「・・・・コロサレルヨ・・・・・・・オマエハ・・・」

146流蔵:2009/12/11(金) 00:12:25
>>145
「……開けられた『缶』は、ある意味で『穴』とも捉えられるが……
 『お前も』と言ったか? 俺以外に誰か『殺された奴』がいるということか?
 それとも……さっきの世界の『俺』か?」

敵意は無いと判断し、ひとつひとつの空き缶を検分していく。
底にスプーンを突っ込み、何かおかしな所に通じたりしていないかも調べる。
あまり大きな音は立てないように気をつける。

147:2009/12/11(金) 01:12:33
>>146
『流蔵』は、シンクに散らばった空き缶を1つずつ確認し始めた。
2〜3個の缶を確認した所で、1つの缶に『中身』が残っている事に気付く。
 
『ドドドドドドドドド』
 
「・・・・・クル・・・ヨ・・・・」
 
空き缶の中からは、『顔』が覗いていた。
その顔に見覚えは無かったが、蝋人形の様な色に生気は感じられない。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
ふと、まだ調べていなかった他の空き缶の中の方に目を移すと、別の『顔』が
覗いている事に気付いた・・・・・・・・・・・。
どの顔も目は虚ろで、空き缶に収まるサイズだった。

148流蔵:2009/12/13(日) 13:41:10
>>147
「幽霊……か? おいおい……さすがにブッ飛びすぎだろう。
 殺されたのか? 誰に……? この『缶詰』は、さっき俺も食べたもののはずだが……
 来る? 何がだ……。」

ハンガーを手にして身構え、キッチンの入り口に警戒する。
その缶のラベルはどうなっている?
ラベルが剥がされていても、製造年月日の印字ぐらいはあるはずだが……
「工業製品らしさ」を見出して気を落ち着けたい。

149:2009/12/14(月) 18:26:37
>>148
缶のラベルを見ると、走る人間を思わせるシルエットが印刷されていた。
 
『BEN』
 
『RALLY』
 
聞き覚えの無い肉の名前が書かれており、製造は2ヶ月程前らしい。
ハンガーを構えた『流蔵』の後ろで、再び声が聞こえた。
 
「タベタ・・・ナ・・・・」

150流蔵:2009/12/16(水) 01:09:47
>>149
「食べた……だと? 俺がおまえらをか?
 そのラベル……『ベン』と『ラリー』さん……なのか?」

声にハッとなり、後ろを振り向く。
声の大きさからやはり缶詰だろうか?
それが見当たらないとしても、声の発生源を見たい。
常識にとらわれず、辺りを確認したい。

151:2009/12/16(水) 01:27:36
>>150
『流蔵』が振り向くと、再び声が聞こえた。
キッチンを見渡したが、人影は無い・・・・・・・・・・・・・。
 
『ボコボコォ』
 
ふと、缶詰の中から『何か』が湧き出て来る事に気付いた。
空だった缶詰の中からは、小さな人間の手足の様なものが突き出ている。

152流蔵:2009/12/19(土) 01:33:27
>>151
「うっ……なんだおまえら!?」

ハンガーの針金を構えつつ、様子を伺う。
攻撃しそうな雰囲気があれば騒がない程度に1〜2歩離れたい。

153:2009/12/20(日) 00:53:05
>>152
缶詰の中から、次々と『何か』が湧き出て来る。
全身が赤黒い血に塗れた、人間の形をした『何か』は・・・・・・・・・・・
ガラス玉の様な目を『流蔵』に向けたまま、洞穴の様な丸い口から低い声を
発しながら、少しずつ近付いて来た。
等身大のキューピー人形にも似た『何か』の数は、3体。
さらに、別の缶詰の中から新たに湧いて来るのが分かる。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
後退した『流蔵』の背が、キッチンの壁に当たった。
 
「コォォ・・・レ・・・ハァァ・・・・」
 
「イタイイタイイタイイタイイタイイタイ・・・・」

154流蔵:2009/12/20(日) 19:12:10
>>153
「くっ……恨むならお門違いだぞ、手前ら……
 俺は食わされただけだ……一杯ッ! まさにッ!
 それとも、俺も『缶詰仲間』にする気か?」

この缶詰を『持参』した男に助けを求めるわけにもいくまい。
ライターの『火』を突きつける。焼いて食われたのだから、怯むかもしれない。
怯んだなら、そこをハンガーで薙ぎ払いつつ、キッチンから脱出する。
『何か』が新たに沸き出して来る前に行動する。沸き出してきそうな缶詰に近付いたなら、
それは転がして引っくり返し、外に出にくくしておく。

155:2009/12/20(日) 19:57:41
>>154
『シュボォッ』
 
ライターの火を点けたが、3体の『何か』が怯む気配は無かった。
4体目が、缶詰の中から這い出て来る。
 
「『火』ヲ出シタナ・・・・」
 
「ヤル気カ?」
 
「ヤッチマエ・・・・・・」
 
3体の『何か』は、『流蔵』を取り囲む様にキッチンに広がった。

156流蔵:2009/12/21(月) 11:53:13
>>155
「勘違いするな……俺にやる気はない……だが、
 おまえらが俺に、何かしてくる場合は……防衛させてもらうぞ。」

4体(もっと増えるのも予見しておく)の動きを見つつ、
ライターではなく『缶詰の蓋』に持ち物を切り替える……火は切り札だ。
キッチンのシンクに手が届く位置に居たいが、そこに一匹いたりするだろうか?
もし攻撃されるとしたら(自分からは手は出さないが)……飛び掛る形だろう。
空中の相手に、缶詰の蓋をフリスビーのように投げてカウンターを食らわす。
耐久力を見極めたいが、それをやったら他の数体も襲ってくるかもな。

157:2009/12/22(火) 00:14:49
>>156
缶詰の蓋を取り出した『流蔵』の眼前で、4体目がシンクの前に降り立った。
他の2体が『流蔵』の左右に回り込み、正面にはシンク台との間に2体。
狭いキッチンの中で、『流蔵』は完全に包囲された・・・・・・・・・・・。
互いの距離は、1メートルにも満たない。
 
『ドドドドドドドドド』
 
ふと、吹き抜けの方に気配を感じた『流蔵』は、視線を向けた。
次の瞬間、『ゲーリー』がキッチンに姿を現す。

158流蔵:2009/12/23(水) 00:10:45
>>157
「お前達……襲い掛かるべきは、俺じゃあないんじゃないか?」

顎でしゃくって、『ゲーリー』の方を指し示す。
手の届く範囲に、皿はあるだろうか?
あるならば、それに手を伸ばして取る。その時、手に何者かが取り付かないよう、
指の間に缶詰の蓋を挟んで突き出すようにする。邪魔しようとすれば切り裂く算段だ。
足元から近付こうとする奴には、ハンガーを振り回して追い払う。

159:2009/12/23(水) 01:27:53
>>158
「何を喋ってるんですかァ・・・・・?」
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
『ゲーリー』が言った。
シンクの中には、食事に使ったスープ皿が残っている。
『ゲーリー』は、手に持っていたマグカップに水を汲むと、『流蔵』の前で
飲み干した・・・・・・・・・・・・。
缶詰から出て来た『何か』は、どこにも見当たらない。

160流蔵:2009/12/25(金) 10:16:13
>>159
「お目覚めのようで……そういえば今って何時かわかります……?」

(居なくなっただと?こいつが来たからか?
 とりあえずシラばっくれるが……こいつと缶詰達は関係してるのか?
 それとも小屋の出来事自体が全て俺の妄想で、怪しくもないこの男が
 怪しく見えるだけなのか……?現実のこいつは今のところ何もおかしくはないが……)

先ほどの缶のラベルを見てみる。
走る人間を思わせるシルエットや『BEN』などの文字はちゃんとあるだろうか。
変化してないなら、缶詰について後で質問してみてもいい。

161:2009/12/25(金) 23:15:14
>>160
「まだ、23時頃じゃないですかねェ・・・・・・」
 
『ゲーリー』が言った。
『流蔵』は、シンクに積まれた缶詰のラベルに目を向ける・・・・・・・・・・。
ラベルに書かれた文字は、どれも同じものだった。
 
『MEAT(肉)』

162流蔵:2009/12/26(土) 11:00:09
>>161
(何だと……さっきは確かに違う名前だった……これは一体……)

「早寝になるんですね……道理で……
 この缶詰って何の肉なんですか?ところで。
 ラベルを見ても肉としか書かれていないのが……興味あるというか……」

先ほど見た人間のシルエットはないと判断していいだろうか。
『ゲーリー』がそれに対しどういう表情で答えるか確認する。

163:2009/12/26(土) 21:29:45
>>162
ラベルにイラストの類は無く、フォントにも工夫は無い。
『流蔵』の問い掛けに、『ゲーリー』はマグカップに再び水を注ぐ。
 
「『合成肉』ですよ・・・・・・・」
 
『ゲーリー』が言った。
 
「ビーフだとか、ポークだとか・・・・・・・・・・・色々混ざってるって事です。」
 
肩をすくめて見せながら、『ゲーリー』はマグカップの水を飲み干す。

164流蔵:2010/01/02(土) 00:45:08
>>163
「成る程……どこで買われたんです? あまり食べ慣れないものでして。
 いえ、疲れているのか、おかしなものを見てしまいましてね……
 起こしてしまったのなら、謝罪しましょう……体力を消耗するのは、良くないですから」

先程の『何か』が缶詰を動かした形跡など……とにかく、存在した痕跡は残っているだろうか?
『ゲーリー』が大人しく寝床に戻るのであれば、先程『何か』が出てきた空き缶を
一つか二つ回収し、トイレを目指したい。

165:2010/01/03(日) 00:52:15
>>164
「まあ、気にしないで・・・・・・・・早く眠ってしまった方が、いいですよ・・・・・・」
 
『何か』のいた痕跡は、見当たらない。
『ゲーリー』は、マグカップをシンク台の上に置くと、寝床へと戻って行く。
 
 
『ゴポ・・・・』

166流蔵:2010/01/04(月) 23:17:39
>>165
「ん……?」

音はシンクからだろうか?
置かれたマグカップやシンクを中心に、水の音がしそうな箇所を見てみたい。

167:2010/01/04(月) 23:50:54
>>166
『ゲーリー』を尻目に、『流蔵』はマグカップを見つめた。
 
『ゴボ・・・ゴボッ』
 
マグカップからは、詰まった排水管に水が流れ込む様な音が聞こえる。
その中を覗くと、茶色く淀んだ水がカップの底に溜まっていた・・・・・・・・・・・・。
 
『ゴポォッ』
 
淀んだ水からは、次々と泡が湧き出て来る。
水の量は、それと共に少しずつ増えている様だった。

168流蔵:2010/01/05(火) 01:49:54
>>167
(なんだ、これは……何か『ゲーリー』からの『攻撃』なのか?
 とにかくマズい気がするぞ……何だか……)

茶色というのは、肉の色か? それとも錆や汚物のような色か?
そこらの缶詰の空き缶を掴み、マグカップの上に被せてキッチンから脱したい。

169:2010/01/05(火) 02:09:23
>>168
水の淀みは、泥や錆の色を連想させる。
空き缶をマグカップの上に乗せた『流蔵』は、キッチンから飛び出す様に逃げた。
 
『ドドドドドドド』
 
『ゲーリー』は、すでに寝袋に入っていた・・・・・・・・・・・。
ストーブのおかげで、室内はすっかり温まっている。
外から微かに吹雪の音が聞こえたが、小屋の中は静まり返っていた。

170流蔵:2010/01/07(木) 00:00:02
>>169
(錆……泥……汚染されている?
 『ゲーリー』は何も動いてない……異常はキッチンだけか?くそっ)

キッチンに再び戻り、状況に変化がなく蛇口を触れそう状態なら、
蛇口を捻り水道水をシンクに垂れ流したい。
汚染された水とカップをまだ清潔な水が押しつぶすことでどうなるか。化学反応を起こすか。
水道の蛇口が使えなければ探せば見つかるだろう水入りのペットボトルを手に入れたい。

171:2010/01/07(木) 00:30:20
>>170
キッチンに戻ると、『流蔵』は蛇口に手を掛けた。
ふと、マグカップが空である事に気付く。
 
『ドドドドドドドドドド』

172流蔵:2010/01/07(木) 13:24:53
>>171
「空……だと」

上に乗せた空き缶はどうなった?
マグカップから溢れた泥錆はどうなった?
……マグカップに『穴』などは見られるだろうか?

いずれにせよ、いったん蛇口から手を引っ込め、異変を見極めたい。

173:2010/01/07(木) 13:58:41
>>172
マグカップの上に乗せたはずの空き缶は、シンク台に残っていた。
濁った水の溢れ出た形跡は無く、マグカップに穴は空いていない。
 
「・・・・・の・・・・・・・・・いる・・・・・・」
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
蛇口から手を離した『流蔵』の目に、キッチンの隅にある大きな影が映った。
それが人である事は、すぐに分かる・・・・・・・・・・・・・。
ブリーフ1枚で血塗れになった男性は、どこか見覚えのある顔だった。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
『流蔵』は、それが自分である事に気付く。

174流蔵:2010/01/11(月) 01:11:05
>>173
「なん……だと……? 向こうの世界と繋がり始めたというのか?
 『トイレ』と『キッチン』……『水場』は霊的なものと繋がっているというが。
 正直、得体の知れない小人よりも、自分に会うというのは不気味だが……
 今は根掘り葉掘り聞き質したい気分……!
 おい……お前は一体何だ?」

かすれたような声は、キッチンの隅にいる自分が発したのか?
そいつは生きているのだろうか?
また、入り口に対して垂直になるように立ち、『ゲーリー』にも充分注意を払う。

175:2010/01/11(月) 01:40:38
>>174
血塗れの人影は、ピクリとも動かない。
『声』は、人影の方から聞こえた。
 
「・・・・・・・・壁・・・・・・・・」
 
『ゲーリー』の方に、動きは感じられない。
ふと、気が付くと、人影は忽然と消えていた。

176流蔵:2010/01/15(金) 14:03:06
>>175
「わけがわからない……。
 一体何が起きてるんだ……俺の周りで。
 壁だと?あそこのことか?」

一度周囲を見回してこれ以上おかしなことがないかを確認した後、
入り口前まで戻り、隙間風の吹く壁のあたりを再度調べてみる。
血濡れの自分に、目立った傷はあっただろうか?首とか。

177:2010/01/15(金) 14:51:59
>>176
血塗れの人影に、目立った傷は見当たらない様だった。
キッチンを出た『流蔵』は、隙間風の入って来る壁の辺りを再び調べる。
今まで以上の発見は無く、外の吹雪が止んでいない事だけが分かった。

178流蔵:2010/01/19(火) 23:56:22
>>177
「壁……ここじゃないのか?」

同じ壁をこすったり触れてみたりして調べなおしてみる。
それで何もないようなら、他に怪しい壁がないか室内をぐるっと
壁伝いにチェックしてみたい。トイレの扉やキッチン周りを含めて。

179:2010/01/20(水) 00:05:47
>>178
室内をグルリと回ったが、特に発見は無かった・・・・・・・・・。
『ゲーリー』は、寝息を立てている。
トイレの壁には、覗き穴があるだけで他に目立った傷や変形は無かった。

180流蔵:2010/01/21(木) 00:28:25
>>179
「壁を調べろ……という意味ではないのか?
 何を伝えたかったのかはっきりせんな……いっそ、壁を破壊しろという意味かも」

キッチン内部の壁を念入りに調べる。穴が空いていたりしないだろうか。
相変わらず何もなければ、トイレ内部の壁を調べたい。その際、扉は閉めないでおく。

181:2010/01/21(木) 02:08:30
>>180
キッチンの壁は、しっかりとしていて目立った破損も見当たらない。
『流蔵』は、再びトイレの中に入った。
 
『キィ・・・』
 
ふと、トイレのドアが閉まる・・・・・・・・・・・。

182流蔵:2010/01/22(金) 12:54:29
>>181
「おい……!」

ドアが自動的に?自動ドアだと……。
それとも『ゲーリー』が裏に居るのか?
咄嗟に足を出して完全には閉まらないようにしたい。
穴を含めてトイレ内は最後に見たときと変わってないだろうか?

183:2010/01/22(金) 16:31:21
>>182
隙間に足を挟むと、それ以上ドアは閉まらない。
トイレ内に変化は見られず、まだ微かな『糞』の残り香を感じた。
 
『ドドドドドドドド』
 
ふと、5〜6センチのドアの隙間から視線を感じる。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
隙間から覗いていたのは、『ゲーリー』だった。
衣服は着ておらず、その形相も寸刻前に言葉を交わした時とは、明らかに違う。
『流蔵』を凝視する目には、狂気と憎悪が篭っていた・・・・・・・・・・・・・。

184流蔵:2010/01/25(月) 09:57:16
>>183
「何ィ……おまえは……!
 この数秒の間に俺に気づかれず全裸になった……わけがない。
 寝ている男とは別の『ゲーリー』……さっきの奴……!
 だが扉を閉めようとしたのは何故だ?連れてくるためか?」

片手でポケットからジッポライターを取り出しつつ隙間から男の行動を伺う。
包丁を構えていて隙間から攻撃してくるようなら、咄嗟に足での塞ぎを解いてドアで
『ゲーリー』の腕を挟み潰したい。塞いでる足を攻撃してくるようなら
その前に屈む動作を見せるはずなので、こちらの場合は見てから対処も遅くないはずだ。
足への攻撃の場合は、その様子を見てから対処する。こっちは靴を脱いではいないはずだ。

攻撃は受けたくないが、なるべく男の目論見であるドアを完全に閉じることはさせたくない。
ドアを閉じさせてしまうとしても、せめて相手にダメージを与えるか、武器を奪う程度はしたい。

185:2010/01/26(火) 00:00:46
>>184
「・・・・・ぁ見っけたの・・・・・・・・」
 
『ゲーリー』が、呟く様に言った。
ふと、ドアの隙間から『ゲーリー』の手に握られた包丁がチラリと見える。
包丁は、刃先が赤黒く変色していた。
 
『ガリッ ガリッ』
 
トイレの外から、壁を引っ掻く様な音が聞こえて来る。

186流蔵:2010/01/28(木) 13:02:42
>>185
「お前は、なんだ?さっきの『ゲーリー』とは別人か?
 狂ってるようにしか思えない……。あるいは全て俺の妄想なのか?」

ライターを持つ手とは別の手、後ろ手でトイレットペーパーを取りたい。
見ずとも焦らなければ片手で外せるだろう。
それ以外は同様に男が攻撃してこないかを見極める。
足以外に包丁が襲ってくるなら、ライターを握ったままの手でドアを使い挟み潰す。

187:2010/01/28(木) 13:56:20
>>186
『ゲーリー』の口元が、ニヤリと歪んだ。
 
『ガリッ・・・バリパリッ』
 
音が少し大きくなる・・・・・・・・・・・・『流蔵』は、足を伝って振動を感じた。
ふと、ドアの内側から何かがパラパラと落ちて来る事に気付く。
 
『バリィッ!』
 
次の瞬間、ドアの覗き穴の辺りが外から破られた。
縦に5センチ程割れたドアの向こうから、誰かの目が覗き込む・・・・・・・・・・・。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』

188流蔵:2010/01/28(木) 18:20:48
>>187
「うおっ……穴を広げて入ってくる気かッ!?」

誰かの目は白人の青い目だよな?普通に考えれば『ゲーリー』の目だろうが。
黒かったら日本人で俺の偽者かもしれないので間違いだけはしたくないが。
ポケットからキッチンでくすねておいたスプーンを取り出し、掬う側を持つ。
そしてライターでトイレットペーパーの先を燃やし始める。
いっしょにスプーンの先も加熱する。
ここから脱出する方法だけは用意しておきたい。

ただし当然だが、その間に男がドアの隙間から攻撃を加えてくるならそちらへの対処優先だ。
男が穴を広げる作業を続ける、あるいは覗き続けるようなら……次で動く。

189:2010/01/29(金) 00:59:09
>>188
スプーンを取り出した『流蔵』は、点火したライターをトイレットペーパーに近付けた。
ペーパーの先から煙が立ち昇り、すぐに火が燃え移る。
 
『ドドドドドドドドドドドドドド』
 
割れたドアの向こうから覗いたのは、見知らぬ白人の若者の顔だった。
その茶色の瞳と目が合った瞬間、若者の顔はドアから引っ込む。
ふと、ドアの端に『ゲーリー』が手を掛けている事に気付いた・・・・・・・・・・・・・・・。
次の瞬間、ドアが外側に大きく開かれる。

190流蔵:2010/01/29(金) 15:53:56
>>189
(『ゲーリー』じゃない……誰だ!?
 そしてどういうことだ……誰か第三者が絡んでいるのか……?)
 
質問だが、若者は『ゲーリー』とは似ても似つかない顔立ちか?

「おわわっ……!」

つっかえていたドアが急に開いたことでバランスを崩し前に倒れ、
ドアを開けた相手に衝突……という風を装って相手を手で押し飛ばす。
相手に火傷を負わせないよう、燃えたトイレットペーパーとは反対の手、
つまりライターとスプーンを握った手で行い、かつ服の上から胸元などを押すようにする。
ライターはちょっと弄れば握ったまま火は消せるので瞬時に消してから。
相手が狂気を持った『ゲーリー』ならリスクを伴う接触だが、
仮にそうなら、相手の反撃に対し、燃えたペーパーを顔に投げつけカウンター。

だが万が一、相手がまともな『ゲーリー』なら?
わからないことだらけだが、彼が敵とは必ずしも限らないのではないか。
まともな『ゲーリー』の場合は、思わず突き飛ばしてしまった風を装い、
こちらの異常行動はなんとか弁解する。そうしたほうがいい気もする。

191:2010/01/30(土) 03:17:51
>>190
ドアを飛び出した『流蔵』は、目の前に立つ『ゲーリー』を勢い良く押し飛ばした。
 
『ヒュッ』
 
鼻先を、『ゲーリー』の振るった包丁が掠める・・・・・・・・・・・・・。
『ゲーリー』は、そのまま仰向けに倒れ込んだ。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
トイレを出ると、室内の光景が一変している事に気付く。
壁や床は、所々が赤黒く変色しており、生臭い鉄錆の様な臭いが漂っていた。
寝袋に入っていた『ゲーリー』の姿は無く、ストーブは壊れているのが見て分かる。
壁沿いには、全裸の若者達が2〜3人点々とうずくまっており、動く気配は無い。
 
『ガシィッ!』
 
━━━━━━━━━━━━不意に、『流蔵』の足を何かが掴んだ。
見下ろすと、足元にいた全裸の若者が、『流蔵』の足を両手で掴んでいる。
その顔は、ドアの穴から覗いていた人物と同じだった・・・・・・・・・・・・・・・。
短く刈った黒髪は赤黒く汚れており、顔立ちからイタリア系の白人らしい事が分かる。
『流蔵』を見る虚ろな目から、生気は感じられない。

192流蔵:2010/02/01(月) 16:40:41
>>191
「ここは裏世界か……!?
 いや、さっきの世界も十分異常だった気はしたが……
 俺が狂っているのかもしれないが、
 ここが元の場所じゃないなら、身は守らせてもらうぞ……」

持っていたものまでは変化していないだろうから、
燃えてる最中のトイレットペーパーの火を、イタリア人の顔面に押し付ける。
意思はなくとも肉体に反応があるならそれで手放すことを期待したい。
怯まず、手放さない場合はそのまま手を使い敵の手をどかし、抜け出したい。

掴んでる相手は足元にいるってことは、うつ伏せに近いかもしれない。
うつ伏せなら、抜け出すとともに首の裏に靴で体重を乗せて踏み動きを封じたい。
ドア周辺の安全確保とともに、周囲の状況を見れる余裕を持ちたい。
『ゲーリー』が全裸か、包丁は落としてないか、部屋の室温は寒いか、
『ゲーリー』の鞄は同じ位置に存在するか、物干しロープはかかってるか。
この辺りは二呼吸程度の余裕があれば確認できそうだが……まずは安全確保か。

193:2010/02/02(火) 02:56:56
>>192
『ジュッ』
 
トイレットペーパーを顔に押し付けると、肉の焦げる嫌な臭いが一瞬立ち昇った。
 
「ひぎィィィッ!!」
 
イタリア系白人が、悲鳴を上げて足元から離れる。
『流蔵』は、トイレのドアの前で周囲を見回した・・・・・・・・・・・・・・・・。
『ゲーリー』の荷物は見当たらず、ロープの張られていた辺りには、先端が輪になった
ロープが1本、天井から下がっている。
ストーブが壊れている為か、室内は少し寒い。
 
『ドドドドドドドドドド』
 
ふと、倒れた『ゲーリー』が立ち上がっている事に気付く。
一糸纏わぬ醜く太った身体には、右太腿の付け根辺りに十字架の刺青が彫られていた。
その後方・・・・・・・・・・・・・隙間風の吹き込んでいた辺りの壁は、ドス黒く変色している。
 
「ぉっホォ!」
 
立ち上がると同時に、『ゲーリー』は包丁を両手で握り締めたまま、駆け寄って来た。

194流蔵:2010/02/02(火) 19:56:47
>>193
(やっぱりあの裏側に何かあるのか……?
 外からじゃなく、壁自体の裏なのか?あそこだけ異常なのは。
 確かめるなら向こうの世界がいいが……今すぐ普通に戻れるのか?
 戻れない場合に状況が悪くなりそうな上……ゲーリーが邪魔するかもしれん。)

ここに留まることは状況が悪化する気もするが、
一旦はこの男をなんとかしたい。仕留めきれなくともいい。
トイレに戻るのはもう少しだけ猶予があると信じたい。

「両手持ちで包丁……殺す気まるだしだな。下半身もまるだしだが……」

他の全裸は離れた。後ろはドアか壁(かトイレ入口)。
状況的に、『ゲーリー』の攻撃方法はかなり制限される。
片手なら蹴りやフェイントもありうるが、両手持ちの時点で攻撃方法は
『胸(腹)の高さで突く』か『上から振り下ろす』の二択。
俺はまだトイレットペーパーを握ったままなので、まずそれを『ゲーリー』の顔に放る。
突進している状況なので避けられはしないだろうが、ゆえに攻撃もやめられないだろう。
視界を奪った一瞬の隙と攻撃方法の予測を用いて、『ゲーリー』の真横につくように攻撃を避ける。
後ろはドアか壁なので、理想的にいけば視界の効かない奴は包丁をそこに突き刺してしまうだろう。
からぶっても、両手持ちなら、態勢を整え再度攻撃する前に『一度こちらを向かざるを得ない』。

顔を向けたそこに、上下逆に握っていたスプーンを、『目に突き刺してしまおう』。
刺したら、こちらが逆に刺されないようストーブ側へ一旦逃げる。
首吊りロープが気になるが……それよりも他の連中に捉まれないことを警戒してだ。

万が一だが、予測外の避けれない事態に陥った場合は、片腕を犠牲に守るしかない。

195:2010/02/02(火) 21:50:49
>>194
トイレットペーパーを投げ付けると、『ゲーリー』が包丁を勢い良く前方に振るった。
ペーパーは包丁に絡み、そのまま刃で引き裂かれ、宙に舞い散る。
 
「HOOOOOOOOOOOO!!」
 
『ゲーリー』の奇声が、小屋に響いた。
ペーパーを引き裂いたまま、包丁を狂った様に振り回しながら、突進して来る。
『流蔵』の左は、小屋の出入口があるだけで、包丁を避けられるだけのスペースは無い。
すぐ後方には、ドアが開いたままのトイレがある。

196流蔵:2010/02/03(水) 15:10:30
>>195
「しまった、距離がありすぎたか、外……はどう考えてもまずいな。
 選択肢が狭められた上に消去法での結論は不本意だが……ここは退く。」

持っていたスプーンを『ゲーリー』の顔面に強めに投げる。
ダメージや勢いを止めることは期待していない。
ただ同じように弾けば、その後、手を伸ばすことへの猶予が持てる。
投げながら、トイレのドアを中に入りつつ全力で閉める。
『ゲーリー』の手が伸びていないなら閉じようとする前にドアを押さえられることは防げる。
全裸のイタリア男が側に居なくなったためストッパーはないだろう。

ただ、トイレには入れても、ドアを閉め切る寸前に
『ゲーリー』がドアを閉めるのを防いでくるのは十分ありえる。
全力でドアを閉めることで、挟み潰して追い返したいが、力で負ける気もする。
包丁を持った腕だけ中に入られ、それでも怯まず強引に侵入されそうなら……

(このトイレが、二つの世界を繋ぐ扉なのは間違いないが……
 向こうの世界がこちらの世界に侵食されてるのか?)

197:2010/02/04(木) 00:11:49
>>196
スプーンを投げた『流蔵』は、すぐさまトイレの中へと飛び込む。
閉めるドアの隙間から、狂気に歪んだ『ゲーリー』の形相が見えた・・・・・・・・・・・・・・・。
 
『パタン!』
 
ドアを閉めると、トイレの中は静寂に包まれる。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
ふと、壊れたドアの向こうから、微かな暖気が流れ込んで来る事に気付いた。

198流蔵:2010/02/04(木) 17:22:09
>>197
「う、暖かいということは……戻れたのか?
 安全を考えるなら、まず覗いたり小道具を準備してからだが……
 切り替わるスイッチが何か判断できない。時間や見る行為もありうるかもしれない。」

ライターをドアから遠ざける形で持ちつつ、反対の手でドアを少し開き、
部屋の様子を確認したい。判断材料は実際の暖気、『ゲーリー』の荷物、
『ゲーリー』が服を着てるかなどいろいろあるだろう。

いきなり手をつっこまれても焦らないように心がけよう。
もしかしたら漏れそうなだけのまともな『ゲーリー』かもしれない。
ドアをそれ以上開けて侵入を簡単に許すつもりはないが、冷静に確認すれば
どちらの『ゲーリー』かはわかるはずだ。
なお、反対に『一度開けたドアを思わず閉めない』ことも心がけたい。

199:2010/02/05(金) 01:58:11
>>198
『ギィ・・・』
 
ドアを開けると、元の小屋の光景が見える。
小屋の隅には、寝袋に入った『ゲーリー』の姿が確認出来た。
室内は、すっかり温まっている・・・・・・・・・・。

200流蔵:2010/02/06(土) 21:23:36
>>199
「よし、元の世界だ……。
 うかうかしてるといつ変わるかわからない、すぐに出よう。」

扉から外に出る。
ないと思うが外から閉められないよう気をつけて。
隙間風の吹く壁の見た目に変化はあるだろうか?
それと外からハンガーを入れたのは前に見た通り落ちたままだろうか。

(拾われてれば別だが………『ゲーリー』……。
 例えば今、俺がこいつをどうにかしたら事態は収まるのか?
 何か違う気がする。こいつの日記でも読めば人柄がわかるかもしれないが。)

201:2010/02/07(日) 01:06:02
>>200
トイレから出ると、ストーブの燃える静かな音だけが室内に響いていた。
壁の様子に目立った変化は無く、少し目を凝らせば、落ちているハンガーにも気付く。
窓の外では、まだ雪が降っていた。

202流蔵:2010/02/07(日) 02:18:24
>>201
「壁……に変化はない。だがこの壁がキーポイントであるのは間違いない、はず。
 問題はどうやって調べるかだ。壁の裏か?外側か?
 ハンガーは通過したが、裏側がないと断言できるわけではないが……
 それに先ほどの世界は寒かった。戻ったときは『暖気』を感じた。
 なのに小屋の外からはそれを感じなかった。暖気がもれてもいいはずだが……何かあるのか?」

ハンガーへと近づき、触れずに表面を確認したい。
何かへばりついたり汚れたりしてないか?

203:2010/02/07(日) 03:10:29
>>202
落ちていたハンガーに、目立った汚れは無い。
ほんの少し濡れていたが、付着物も見当たらなかった・・・・・・・・・・・。

204流蔵:2010/02/12(金) 13:41:37
>>203
「冷えた表面が溶けた程度か……
 何から試すべきか迷うが……まずは」

ハンガーの一部を曲げ、隙間風の壁の穴を通してみる。
その際、壁と外側との間に空洞があるものと仮定し、
下側に通せないかいろいろと試してみる。
外に出たかどうかはハンガーの動かせる幅で察知できるだろう。
冷えてないので落とす心配も気をつけていればない。

ところで『ゲーリー』から寝息は聞こえるだろうか?耳を澄ませば聞こえると思うが。

205:2010/02/13(土) 00:23:31
>>204
『流蔵』は、拾い上げたハンガーを壁の隙間に刺し込んだ。 
ハンガーの先端が、外に突き出た手応えを感じる・・・・・・・・・・・・・。
上下に数センチ動かせたが、それ以上は動かせない。
 
耳を済ませると、『ゲーリー』の寝息が微かに聞こえた。

206流蔵:2010/02/15(月) 18:49:14
>>205
「やはり裏側ではなく……外側か。
 何かあるのは間違いない……だがどこで起こってるかだ。
 外なら、道具がいるか。」

一度台所に向かう。
鍋と空になった缶詰があるはずだ。
手に入れた際、鍋の材質や形状を調べてみる。

207:2010/02/16(火) 00:49:14
>>206
台所にある寸胴鍋は、円筒形のステンレス製だった。
まだシチューが入っている為、持ち上げると重い・・・・・・・・・・・。
缶詰は、変わらずにシンク台の中に積まれている。

208流蔵:2010/02/19(金) 11:49:56
>>207
「シチュー入りか……捨てたら怒られるか。
 我慢できなくなって食べてしまったことにしよう。
 壁の外側は硬い雪で覆われていた。
 缶詰で掘るよりも熱した何かを押し付ければ……」

コンロに火をつけ鍋を熱する。
シチューの残りはどれぐらいだろうか?
一人で食べてすぐなくなりそうな量だろうか?
またその間に缶詰の一つを拾い、中の水を切って隙間などないのを確認した後、
ジッポライターのオイルをその中に一定量入れ溜めておきたい。
ライターオイルは使いきりたくないので、入れるのは全体の半分ほどでいい。

209:2010/02/19(金) 20:41:11
>>208
シチューは、まだ鍋の半分程・・・・・・・・・・3〜4人分の量が残っていた。
缶詰の底に隙間などは無く、『流蔵』はオイルを缶詰の底に薄く張る様に流し込む。
 
『ゴポッ・・・』
 
やがて、シチューが泡を立てて沸騰し始めた。

210流蔵:2010/02/20(土) 16:37:22
>>209
「流石にこれ全部捨てるのはな……
 いや、缶詰はまだあるな……ならば」

袖などを使い熱いものを持てるよう工夫した後、別の缶詰一つに沸騰したシチューを入れる。
周囲にタオルや布類があればそれを熱いものを持つための道具として使いたい。
鍋をどかして、缶詰だけをコンロで軽く熱することなどはできそうか?
缶詰の破壊や別の安全面なども考慮して、缶詰容器をある程度熱したまま持ち運べそうなら、
それもやりたいが無茶そうと判断したらこちらはやめる。

211:2010/02/20(土) 21:06:25
>>210
缶詰にシチューを注ぎ、コンロの上に乗せる。
キッチンにタオルの類は無く、少し熱するとシチューが沸騰し始めた。

212流蔵:2010/02/21(日) 22:41:04
>>211
「よし……これならすぐさま凍ることもないだろう」

掴んでも火傷しない工夫をしてシチュー入りの熱した缶詰を持つ。
オイル入りの缶詰もこぼさないよう持ち、かつ外に出るため扉も開けねばならない。
そういう工夫をした上で小屋の出入口から静かに外に出たい。

213:2010/02/22(月) 00:26:48
>>212
服の袖口で熱した缶詰の縁を持った『流蔵』は、もう片方の手にオイルを
入れた缶詰を持った。
小屋のドアは、引き戸になっている為、足で開ける事は出来ない。
 
『ドドドドドドドドドド』
 
ふと、背後に視線を感じた・・・・・・・・・・・・・・。

214流蔵:2010/02/22(月) 01:14:08
>>213
「………ん?」

まずは背後を確認したい。
悪霊的なものの可能性4割ほどの心意気はあるので驚きはしたくない。

215:2010/02/22(月) 01:29:36
>>214
振り向くと、『ゲーリー』が寝袋に入ったまま頭だけ起こし、こちらを見ていた。
 
「どうしたんです?
そんなものを持って・・・・・・・・出て行くんですか・・・・・・・・?」
 
『ゲーリー』が、ポツリと尋ねる。

216流蔵:2010/02/23(火) 11:23:03
>>215
「いえ……ちょっと外が気になったもので。
 すぐ戻りますよ。寝てていいですよ。」

(まずいところを見られたが……説明して理解されるとは思えない。
 かえって怪しまれるよりも、今の関係を保つほうがいい。)
 
扉は鍵つきだろうか?
缶詰の蓋は前に蓋を道具として得るときに取り払っているはずなので、
油を入れた軽いほうを一時的にシチュー入りに乗せることは可能だと思う。
慎重にそれをやりつつ、ドアをゆっくりと開きたい。
ここまでで『ゲーリー』がどういう反応をするか耳と気配で探っておく。

217:2010/02/24(水) 02:46:08
>>216
小屋の出入口は、内側から簡単な閂で閉められる様になっている。
外側にも南京錠はあったが、施鍵はされておらず、鍵も見当たらなかった。
 
『ドドドドドドド』
 
缶詰を重ねる様に持ち替えようとしていると、『ゲーリー』が寝袋を出た事に気付く。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

218流蔵:2010/02/25(木) 14:19:19
>>217
閂は大きいものだろうか?
具体的には、取り外して持ち運べたり棒代わりに利用できたりする代物か?

「………『ゲーリー』?」

気配を感じてから、まずはすぐに後ろを確認する。
首の捻りと小さな一歩で、動きを最小にしてだ。
なんでもない『ゲーリー』ならいいが、先ほどのような幻覚気味のやつなら
すぐにでも動かなければならない。もちろんなんでもない『ゲーリー』なら話をすればいい。
だからあくまでも確認が先だが、確認後即座に、状況への対応をやれるつもりで動くし、意識もしておく。
即座の危険を感じるようなら、すぐに動けるように。状況を見ながら細かい動きは決めたいと思うが……
大まかにやりたいことは、横に飛びのきつつ沸騰したシチューを浴びせる、だ。

219:2010/02/26(金) 01:16:14
>>218
閂は、長さ約20センチ・・・・・・・Wiiリモコン程の太さの木の棒だった。
振り向くと、白いシャツとブリーフを着用した『ゲーリー』の姿がある。
ヨタヨタと近付いて来る『ゲーリー』の手には、小さな袋が握られていた。
 
『ドドドドドドドドドドドド』

220流蔵:2010/03/01(月) 18:26:47
>>219
(違う……!こいつは『別のゲーリー』だ。
 確か本物はグレーのTシャツに黒いトランクス姿だった。(>>7)
 濡れたなら着替える理由はわかるが、すでに干した後ならその必要もないはず。
 変えの下着が別の種類って時点でおかしいし、今までに着替える必要もない。
 何も答えないのも怪しいが、今それは確証に変わった!こいつは違う!)

「おわっと」

二人の距離が2メートル〜2.5メートルまできたら、
言いながら沸騰シチューを横に振り、ゲーリーの腹から手元にかけてブチまける。
遠すぎて当たらないミスは犯したくない。特に袋を持つ手を攻撃できればいい。
袋の正体はわからないが、投げて効果を発動する類ならまずい。
もしそれ以前に袋を何かする動きがあれば、それより前に手に対して缶ごと投げ行動を封じる。
また、横に振る場合は、『隙間風の吹く壁の一部にも』、熱湯が多少かかるようにしたい。
意味があるかはわからないが。

『その後は、状況を見て動く』が、心の中の予定としては
相手の行動に対し缶を顔面や手に投げるなどをしてさらに閂を手に取りたいが、
何かまずそうならドア付近から横に回避行動か、……あるいは弁解にまわるかするつもりだ。

221:2010/03/02(火) 01:46:27
>>220
『ジュワッ!』
 
シチューの入った缶詰を振ると、湯気が周囲に広がる。
『ゲーリー』は、それまでのスローな動きから一転して、素早くバックステップした。
 
「チィッ!」
 
シチューの匂いが、一瞬広がる・・・・・・・・・・・・・・・・。
『ゲーリー』に掛かったシチューは、微量な様だった。
壁の方にまで飛び散ったかどうかまでは、確認出来ない。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
微かな湯気の向こうで、『ゲーリー』の表情が歪んで行く事に気付いた。
怒りとも喜びとも分からない、歪んだ狂気の笑みを浮かべていた。

222流蔵:2010/03/04(木) 19:46:29
>>221
ここまでですでに認識できているはずのことを確認したい。
寝袋は現在地から対角線の場所にあると思っている。
『このゲーリー』はどういう形でこちらに向かおうとしていた?
ストーブ経由の直線か、隙間風の吹く壁方面からの左側からか、
あるいはトイレの壁方面からの右側か。距離も含めて。

「知能はあるようだから……俺の言葉はわかるんだろうが。
 さっき会ったあの白人達はお前の知り合いか?
 イカれてるから、会話は成り立たないか?」

あいた後ろ手で閂を手に取りたい。必要なら軽く下がって。
一度見てるからどう外せばいいかは想像つくだろう。
それをしながら優先度「ゲーリーの持つ袋」「寝袋」「ストーブ前のガム」の順番で
目で見て具体的な確認を行いたい。相手に動きがあれば優先度の高いものだけ。
知りたいのは……「袋から何か出てないか、何か詰まってないか」
「寝袋はもぬけの空にちゃんとなっているかどうか」
「ストーブの前につけたはずのガムは、今ちゃんと存在しているかどうか」

223:2010/03/05(金) 01:35:05
>>222
『ゲーリー』は、寝袋からストーブの横を通る直線距離で近付いて来ていた。
両者の距離は、2〜3メートル。
閂を抜きながら話し掛けると、『ゲーリー』は持っていた小袋に片手を入れる。
白い布の小袋は、コンビニのビニール袋程度のサイズだった。
 
「ね、寝ていると・・・・・・・聞こえる・・・・・・・・・・」
 
寝袋は、シワだらけのまま床に投げ捨ててあった。
 
「・・・・・・・聞こえるゥ・・・・・・く、繰り返し、繰り返シ・・・・・・・・・・・」
 
ストーブには、『流蔵』の付けたガムが残っている。
『ゲーリー』は、小袋の中から小さな拳銃を取り出した・・・・・・・・・・・・・・・・・。

224流蔵:2010/03/08(月) 16:29:34
>>223
(なんだって……!拳銃だと!大きさからデリンジャーとかか?
 ガムの様子から元の世界なのはわかる。
 この『ゲーリー』は本物なのか?下着を替えたとでも?
 だが寝袋が空なことから、幻覚はありえても別人ではない。
 どうする?俺に取れる選択肢は……3つか?
 『外に出る』『トイレに隠れる』『戦う』。どれも危険っ……。
 外は追い詰められたらアウトだ。解決方法が外だとしても確証がないし、
 追って出てきたら戦えない。なくとも、戻る際待ち伏せされてしまう。
 トイレは一見安全だが、別世界へ行くのもこの世界で狙い撃ちされるのも危ない。
 隙間から覗かれれば狙い撃ちされる。
 戦うだと?何の進展もしないんじゃないか?わからねえ!
 ええい。迷ってる暇はない。0.1秒で動け、いや、もう咄嗟に“動いてる”ッ!)

洪水のような思考中にすでに動いてる。
銃はデリンジャーなどの小型系統。つまり護身用だろう。
だが撃つには3アクションいる。
安全装置の解除(してない可能性もあるが)、両手で持つ、正確に狙う。
これら全てを『ゲーリー』は省いてくる危険はあるが、その分狙いは不正確になる。
プロですら咄嗟に目標を撃とうとすれば、普段より高い位置に発砲する。
銃口の向きは……目線の高さに陥りやすいからだ。

銃を構えるまでのタイムラグを利用して動く。
左手で持っている油入り缶を『ゲーリー』のほうに軽く放り“ながら”、同時に、
自分は『斜め右』に3メートルほど、飛び込み前転するように低く転がり銃の狙いをかわし、
『ゲーリー』の横についたら、起き上がりざま銃を持つ手を下から閂で叩き飛ばしたい。
ただし『ゲーリー』がすぐに撃たず、こちらの動きに対しバックステップか左にかわしてから
狙いをつけるようなら……『叩く狙いを変える』。ストーブの位置がポイントだ。

225:2010/03/09(火) 00:31:16
>>224
拳銃は、デリンジャーよりも大型の自動拳銃らしい。
小袋を捨て、『ゲーリー』が拳銃を両手で構えると同時に、『流蔵』は持っていた缶を
軽く放った・・・・・・・・・・・・・・・・・缶に入っていた油が、放物線を描いて宙に舞い散る。
 
『ドドドドドドドドドドドドドド』
 
ほぼ同時に、『流蔵』はキッチンの方へと素早く転がった。
 
『ジュワッ』
 
「ギャッ!!」
 
油の音と共に、『ゲーリー』の短い悲鳴が響く。
身を起こすと、『ゲーリー』は拳銃を両手に持ったまま、隙間風の入って来る壁を背に
『流蔵』と対峙していた・・・・・・・・・・・・・・・。
両者の距離は、約3メートル。
ストーブは、前方やや右・・・・・・・・・・・・・・手を伸ばせば、届く程度の距離にある。

226流蔵:2010/03/09(火) 13:15:32
>>225
(口径がでかい。そして両手で持ったか……状況は悪いな。
 だが最悪じゃない。少なくとも奴の位置は狙いの一つに追い込んだ。
 今からやる行動は正直博打だろうが、すでに賽は振られているっ…。
 数秒後にはトイレか外に逃げてればと後悔するかもしれない。
 成功しても打開できるとは限らないしそもそも成功しないかもしれない。
 だがもう逃げるには遅い。成功率は低いが、やらなければ……確実な0だ。)
 
最初しか確認できていないが、
かつてストーブには湯気の立っていないヤカンが1つ乗っていた。(>>5
多分だが、(それ以降登場がない以上)ヤカンはまだあるんじゃないか?
そして時間が経過してる分、熱されているんじゃないか?
普通に考えてヤカンは固定式でなく、簡単に取り外せる。置くだけだ。
問題は中身だが、お湯が入ってる可能性は5分。
「『まだ』湯気のたっていない」という表現から過去に入ってた可能性はあるか?

ストーブの裏を銃弾の防御壁として利用しつつ、
閂をフルスイングして、その上に“あるだろう”ヤカンを『ゲーリー』まで叩き飛ばす。
前方やや右ってことは、右打ちバッターのベストポジションだ。短い分ミートはバッチリ。
その時に撃たれる危険については……ストーブと敵の動揺と運に頼る。
ヤカンの中身が仮に空なら……軽い分まっすぐ『ゲーリー』に当たるだろう。
ストーブが切れてない以上、ヤカンは十分な熱をもった飛び道具になる。
隙間風の辺りってことはほとんど部屋の角だ。両手持ちの奴に避け場はない。
ヤカンの中身が入ってるなら、重いだろうが、それでも飛ばして直接当てたいが……
それ以上に中身の“十分熱されただろう”熱湯が、『ゲーリー』にぶちまけられる。
『ゲーリー』はほぼ全裸な上、先ほどの油も受けている。
軽く熱した油で悲鳴をあげたってことは、十分ダメージは期待できる。 
穴だらけの攻撃と防御だが、いま出来るベターな手だと思いたい。

スイング直後は撃たれる危険があると思う。だけど『ゲーリー』が
ヤカンに反応して咄嗟に撃ってしまうか、あるいはダメージを受けて戸惑えば、
それを機に身を低くしてストーブから相手の位置に飛び出す『予定』だ。
予定だが、飛び出すのはまあ、やるつもりだ。
ただし、ただ飛び出すつもりはない。その際相手がどちらかに移動することも考慮しつつ、
相手の動きに合わせ、『もう一つ手を使いながら』低空気味に飛びかかる。
ヤカンの結果にまるで影響がなく、相手が銃を構えたままでも、なんとかできるように。
なおスイングで閂を落とすような間抜けはしないぜ。

227:2010/03/10(水) 01:48:02
>>226
持っていた閂をフルスイングすると、ストーブの上のヤカンが音を立てて弾け飛ぶ。
ヤカンは、銃を構えた『ゲーリー』の顔面を捉えた。
 
『バキャアッ!!』
 
「キャッ!!」
 
命中したヤカンのフタが外れ、僅かに入っていたらしい熱湯が四散する。
次の瞬間、『ゲーリー』の悲鳴と共に、乾いた銃声が室内に響いた。
 
『パンッ!』
 
『ゲーリー』は、ヨロヨロと壁に背をもたれると、そのまま座り込む様に倒れる。
『流蔵』の手から、持っていた閂が落ちた・・・・・・・・・・・・・・・。
直後、右肩に激痛が走る。
衣服の下から、右肩にジワジワと血が染み出ている事に気付いた。

228流蔵:2010/03/11(木) 17:04:49
>>227
「ぐおおっ……」

(半分成功だが、撃たれたことでもう半分は失敗だ。
 ここで詰めて銃を奪うのが理想だったが………)

(熱湯で悲鳴をあげて崩れたが……気絶するものか?
 気絶するならヤカン命中直後だと思うが……
 何かに憑かれてるとして、ひょっとして、そういうのに弱いのか?
 別の世界では冷えてる状態に平気で脱いでいた。
 『熱気』……熱湯で正気に戻ってくれていればいいが……)

銃から死角になるようストーブの裏側へと身体を隠す。
その際、もし立っている位置で『ゲーリー』の干したシャツなどが
掴んで取れそうなら素早く取ってからしゃがむ。取れない場合か、
一目で取るのが難しいと判断したら、それではなく、自分で上着を脱ぎながら
しゃがんでストーブの影に隠れる。怪我してても可能だろう。
閂も近くにあるなら寄せておく。脱ぐ脱がない係らずポケットは探ろう。

その全ての行動をしながら『ゲーリー』を観察。
『ゲーリー』が動くかどうか、銃は持ったままかどうか見て確認したい。
奴がすぐ起きすぐ構えるようなら、自分の服を脱ぎながら隠れるのを優先。

229:2010/03/12(金) 01:02:58
>>228
『流蔵』は、ストーブに身を寄せながら、上着を脱いだ。
ストーブの熱が、表皮にチクチクと刺さる・・・・・・・・・・・・・・・・・。
『ゲーリー』が起き上がる様子は無く、拳銃は手に握ったままだった。

230流蔵:2010/03/15(月) 16:13:38
>>229
(気絶してるようにも見えるが……そうでないとも言える。
 まあどの道、リュックを漁ったりしてる暇はないだろう。
 選択肢は今のうちに離れるか近づくか、現状維持かだが……
 現状維持は趣味じゃないし得策とも言えない。離れても後に続かない……)

口に手を当て息を整えた後、閂を拾い、そこに上着を被せるようにする。
これらは無事な左手でやる。右手は痛むだろうがライター程度は使えるだろう。
この間に『ゲーリー』が動かないか観察しつつ、変化がないなら閂に被せた上着に点火。
自分に直火が当たらないようにしつつ、即席の松明にする。
袖の部分は先ほど油入り缶詰を握ってた関係で燃えやすいだろう。

これらはこの後、『ゲーリー』の銃を制する際の保険だ。
何も反応がないなら近づいて銃を奪うだけでいい。
火も消せばいいし、上着も失わず済む。

231:2010/03/16(火) 02:34:11
>>230
閂を拾い上げた『流蔵』は、上着を脱いだ。
右肩がズキリと痛む。
ライターで着火すると、上着は煙を上げて少しずつ燃え始めた。
松明の様に炎を上げる様子は無く、ジワジワと小さな火が上着を焦がして行く。
 
「ウゥ・・・・」
 
ふと、『ゲーリー』が呻き声を上げながら、目を開けている事に気付いた。

232流蔵:2010/03/16(火) 13:47:19
>>231
この時点で『ゲーリー』が正気に戻ってる可能性も考える。
だが例え正気だとしても行動自体は変えない。後できちんと説明できる暴力だ。
ストーブの影から左手で閂を振るい、燃えかけた上着を『ゲーリー』に投げる。
下着ほど軽くないので3メートルは飛ぶと思う。
目標は『ゲーリー』の銃を持つ手、あるいは顔面。両方ならなおよし。
視界か銃に上着を被せれば、正気でも狂気でも即座に撃つことは防げるだろう。
どちらの場合も目を覚ましてすぐなら混乱するだろうし、狂気なら熱も食らわせれる。
しゃがんでやれなくないし、しゃがんでいれば今度こそはストーブが防弾になってくれるだろう。

「先に撃たれたのは俺だ。恩人を殴るのは悪いから……一回だけだ。
 正気だったなら後で正当防衛を説明させてもらい、協力する。」

被せた直後、自分はストーブの左側から全力で『ゲーリー』に接近。
(銃口が左側を向いてる場合は右側から)
これはパニックになって先ほどのように思わず撃っても当たらないための配慮だ。
後は接近して、閂で銃を持つ手を全力で殴り、銃を落とさせたい。
『ゲーリー』が冷静に状況に対処し、接近前に銃をこちらに向けようとする場合だけ、
事前に察知し閂を『ゲーリーの手』に投げつけ、そして接近して銃ごとその手を蹴り、踏み押さえたい。

包丁などまさかパンツに隠しもってはいないだろうが、銃を使用不能にしても気は許さず、制圧する。

233:2010/03/17(水) 02:21:54
>>232
閂を振るうと、焼け焦げた上着がヒラリと宙を舞った。
上着は、そのまま『ゲーリー』の醜い腹の上に覆い被さる・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
 
「PGYYYYYYYYYYYYY!!!」
 
直後、奇声と共に『ゲーリー』が銃口を構えた。
 
『パンッ、パンッ』
 
続けて、2発の銃声━━━━━━━━━━━━
『流蔵』の耳に、銃弾がストーブを撃ち抜く音が聞こえた。
『流蔵』は、ストーブの陰から閂を振り上げて躍り掛かる。
 
『ドォパァアアン!!』
 
次の瞬間、爆発音と共に『流蔵』の身体が吹っ飛んだ。

234流蔵:2010/03/17(水) 10:37:10
>>233
(うおっ……しまった。爆発の可能性を懸念し損なった……、
 いや……逆だ、逆に爆発の勢いを利用できたと考えろ。
 ストーブからすでに飛び出していた俺が吹っ飛ぶ角度は、
 部屋の角、つまり『ゲーリー』の位置。そこに爆風の勢いが加速させてくれる。
 ダメージは少なくないが、このままぶつかるだけでいいと考えろ!)

「うおおおおおっ………」

出来ることは少ない。
爆発で吹っ飛びながら、その方向、向かう先の『ゲーリー』に体当たりする。
可能なら、閂を顔面に減り込ませるつもりだが、こちらも半身の姿勢で
頭部だけは激突からかばうようにしたい。
まだ死んでないってだけかもしれないが……そもそも『ゲーリー』の下着が変わってる時点で
全ては雪に埋もれた俺の妄想かもしれないが、少なくとも痛みを体感してる以上、
俺にとっては今が現実だ。それでいい。

235:2010/03/18(木) 03:49:13
>>234
『流蔵』の意に反し、爆発で吹っ飛んだ身体は『ゲーリー』の横の壁に激突した。
丁度、台所の出入口の真正面辺りの壁で、衝突と同時に一瞬意識が途切れる。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
━━━━━━━━━━気が付くと、首や肩に痛みが走った。
出血は無かったか、痛みで首を回す事が出来ない・・・・・・・・・・・・・・・・。
何とか身を起こすと、部屋の角で丸くなっている『ゲーリー』の姿が目に止まった。
動き出す気配は無く、握っていた手に拳銃は見当たらない。
室内には、飛び散ったストーブの欠片が散乱しており、窓の一部には割れているものもある。
外から吹き込む冷気で、今までの室内の暖気は半分以下に低下している様だった。

236流蔵:2010/03/18(木) 10:21:25
>>235
「う……ぐぐ……爆発の影響か……やってくれたな。
 室温が下がっている……まずい……。」

とりあえずこれ以上やられては身がもたない。
『ゲーリー』に目をやりながら、まだ無事であるなら部屋に吊るされたロープから
干されていたシャツあたりを手にとりたい。
全部吹っ飛んでることはないと思うが、その場合は干すためのロープが千切れてる気がする。
時間がかかりそうなら最悪、自分のシャツでもいい。代用品は後で作って着る。
それをロープにし、まずは『ゲーリー』の両手を後ろ手に縛っておきたい。
その最中起きるようなら、股間か顔面を拳で殴りおとなしくさせる。

『ゲーリー』の位置は、隙間風のある壁の前だろうか。
それと、ライターはなくしてないだろうか?

237流蔵:2010/03/18(木) 10:25:43
>>236訂正
自分のシャツはやりたくないな。
干されてるものやロープがない場合は、いま自分が着ているタートルネックのセーター
その首の辺りに仕込んでおいたハンガーを取り出し、それで縛る。

238:2010/03/18(木) 19:49:23
>>236-237
『ビビッ・・・・』
 
干されていた『ゲーリー』のシャツを取り、ロープ状に引き裂く。
丸くなった『ゲーリー』は、小屋の出入口側・・・・・・・・・・・・左壁の隅に転がっていた。
近付いたが、動き出す気配は無い。
グニャリとした『ゲーリー』を後ろ手に縛った『流蔵』は、ライターが手元に無い事に気付く。

239流蔵:2010/03/22(月) 22:29:24
>>238
「吹っ飛んだか………あれは必要なものだしな……」

後ろ手に縛った『ゲーリー』は、念を押して裏向きにし、
ブリーフだか下着だかを太ももの位置までズリ下げてそのままにしておく。
男のケツを眺める気もゲイに走る気も一切ないが、衣服をズリ下げれば
どう頑張っても素早く動けなくなる。捕縛術の一つだ。これなら体勢すら自力で変えられない。

拳銃とライターがどこに飛んでるか探したい。

240:2010/03/23(火) 00:42:33
>>239
『ゲーリー』のブリーフを下げると、生卵の様にツルリとした臀部が顔を出した。
肛門からは、茶色い固形物が数センチ頭を覗かせている。
ストーブの破片が散らばった室内を見回すと、落ちていた拳銃とライターを見つけ出した。

241流蔵:2010/03/23(火) 00:56:13
>>240
ライターと拳銃を拾い、使用可能かどうかと弾の残段数を確認したい。
隙間風の吹く辺りの壁はどうなっているだろうか?

242:2010/03/23(火) 03:20:12
>>241
拾い上げたライターは、漏れ出たオイルで濡れていた。
ほとんど空になっており、着火出来そうにない。
拳銃の方は、装填されたマガジンに10発程の残弾を確認出来る。
 
『ドドドドドドド』
 
隙間風の吹き込む壁に、変化は見当たらない。

243流蔵:2010/03/24(水) 17:58:20
>>242
「すぐに調べるべきな気もするが………」

ライターは隙間風の壁際に転がしておく。まだ使い道はある。
そしてどこかに転がっている『ゲーリー』のリュックを開け、日記を調べたい。
昨日も書いてたはずだ。
普通のことが書かれてる可能性が高いが、何か今の事態の発端が書かれていれば幸いだ。
何も書かれてなくとも一つのヒントになる。

244:2010/03/25(木) 00:12:03
>>243
『ゲーリー』のリュックサックは、小屋の隅に転がっていた。
中を調べると、藍色の皮の分厚い手帳を見つける・・・・・・・・・・・・・・。
最後の日付には、ボールペンで真新しい筆跡が残されていた。
 
『突然の大雪。
幸いにも山小屋を見つけた。
シチューを作る。
来訪者が1人来たが、登山者では無いらしい。
この小屋は、嫌な雰囲気だ。
一眠りして、雪が止んでいる事を祈る。』
 
前日の日付には、山麓で食べたウサギ肉の味だけが記されている。

245流蔵:2010/03/25(木) 12:47:26
>>244
「やはり……というべきか、
 『ゲーリー』が元々犯罪者や異常者だったわけではない。
 問題なのはこの小屋自体だ。
 心霊現象か磁場か説明はつかないが、それがこの男を狂わせた。
 他の現象はプラズマによる幻覚だ……と普段なら言いたいが、
 それでもあの別世界は説明がつかない。俺の理解を超えた何か……。」

「俺自身の幻覚は『壁』に何かあると伝えてきた。
 別の世界では『隙間風の吹く壁』が変色していた。
 『ゲーリー』は『寝ている間に何かを聞いた』。
 隙間風か、あるいはラジオからか?本人がおかしくなったのはそこからだ。
 台所で俺は複数の幻覚を見た。
 水場が関係してるのか、それとも『水道水の冷気』か、あれもつながりはあるはず。
 実証することは可能かもしれないが、その後どうするか難しい。お湯が使えるか?」

246流蔵:2010/03/25(木) 13:00:35
>>244-245
「いずれにせよ、まず壁からだ。
 『ゲーリー』を起こして状況を相談したいが(後々互いに刑事訴訟にしないためにも)
 一旦は壁から確認していこう。起こすのはその後でいい。
 試すことは3つ4つあるが……全部できる余裕はあるのだろうか。」

リュックにはおそらく包丁があるので回収する。
それから熱を起こす道具やロープの類があればそれも借りておこう。
その後で、少し離れた位置から銃を使用。兆弾はしないと思うが。
隙間風の吹く位置に一つ、そしてその前に転がしたオイルで濡れたライターに2発発砲。
窓ガラスが割れてるため穴の一つ二つは室温に対した差はでないだろう。
逆に銃弾の熱で壁にダメージを与える、もしくは壁付近でオイルが燃えたらどうなるか?
この小屋自体に何かが取り憑いてるなら、反応が起きないかどうか試してみる。
撃つ際に『ゲーリー』に当らない配慮もしたい。(邪魔なら部屋中央に引き摺ってからやる)

外はまだ夜で吹雪のままだろうか?
晴天の上で日が昇り、捜索隊の声などするようなら上記行動はやめる。

247:2010/03/26(金) 03:12:18
>>245-246
外の様子を見ると、いつの間にか雪は止んでいた。
まだ陽が昇る気配は無く、小屋の周辺以外は暗闇に包まれている。
 
『ドドドドドドドドドドド』
 
リュックサックを探ると、白い布に包まれた包丁とメタリックレッドのジッポライターを見つけた。
『流蔵』は、拳銃を壁に銃口を向けると、続け様に引き金を引く・・・・・・・・・・・・・・。
 
『パンパンパンッ!』
 
銃弾が、壁や床にめり込んだ。
同時に、ライターの付近で微かに炎が上がったが、弱々しく揺らめきながら消えて行く。
『ゲーリー』の様子に、変化は無い。

248流蔵:2010/03/26(金) 16:34:44
>>247
「ライターの予備が手に入ったのはありがたいが……
 壁に変化はない。これで残り7発……これ以上はなしだな。
 やはり本人に聞くか……あるいは外か?いや、もう少しだけ検証してみよう。」

リュックサックを持ち出し、隙間風の付近で包丁を包んでいた白い布に火をつけ、
それを隙間風の壁に『接触させ』、炙ってみる。
この規模なら火が壁そのものや床に燃えうつることは考えにくいだろう。
最悪、度を越して燃え広がりそうになればリュックサックで火を叩き消す。
火の出ている間は、ついでに自分もわずかに暖を取っておこう。

「別の世界での変色ぶりから、ここが怪しいのは確かだ。
 それが室内なのか外からなのか、あるいはあの世界限定なのか……。
 『呪われている』は蝋燭の火で浄化する話もある……。」

249:2010/03/28(日) 02:34:13
>>248
解いた布は、60〜70センチの長方形のものだった。
着火した布を壁に近付けると、隙間風で布が揺れる・・・・・・・・・・・・・。
布を燃やす火が、『流蔵』の手に触れた。
 
『ジュッ』
 
反射的に、布を持つ手を離す。
手の横にチクチクと微かな痛みを感じたが、火傷の程度は軽い様だった。
手放した布は、まだ足元で燃えている。

250流蔵:2010/03/28(日) 02:54:33
>>249
「熱っ……。
 気のせいか……?一度だけ試してみるか。」

包丁の先で燃えた布を拾いあげ、隙間風の部分に火元を押しつけてみる。
そんなに強い風ではなかったはずだが……。

251:2010/03/28(日) 03:26:47
>>250
拾い上げた布を、壁の隙間に差し込んだ。
壁に火が燃え移る様子は無く、断続的に吹き込む隙間風が布を揺らす。
火の勢いは、風で掻き消されるかの様に弱くなり、やがて消えた・・・・・・・・・・・・。

252流蔵:2010/03/30(火) 11:59:38
>>251
「何か怪しいが、多分このやり方では駄目だ。
 やはり一度聞いてみる必要がある。どっちの『ゲーリー』でもいいが、
 外や裏世界に行くより先がいい。姿が消えてたら困る。」

布を拾いあげ持っておく。
ところで『ラジオ』はどうなっているだろうか?吹っ飛んで壊れてしまっただろうか?
確認しつつも、まずは『うつ伏せにしたゲーリー』(手は後ろで縛ってある)
の頭を何度か叩き、起こしてみる。ただし必要以上に掴んだりしない。
仮に暴れるようなら………布に火をつけて縛りに関係ない足先を炙ってみよう。

「おい、『ゲーリー』、おい。
 正気に戻ってるか?戻ったなら俺の名前は言えるか?
 (苗字しか教えてはいないが)」

「言っておくが先に暴れたのはお前だ。正当防衛と言っておこう。」

253:2010/03/30(火) 17:41:46
>>252
まだ熱を帯びた布は、その半分程の面積が焼失するか、黒く焦げている。
ラジオは、床に転がっていたが、壊れた形跡は無い様だった。
 
うつ伏せになった『ゲーリー』の頭を叩くと、固いゴムの様な感触が伝わる。
動く気配は無く、呼び掛けても返事は無い・・・・・・・・・・・・・・・・。

254流蔵:2010/03/30(火) 20:40:28
>>253
「ん、さっきは息があったはずだが………」

脈はあるだろうか。
手首を触って調べてみよう。

255:2010/03/31(水) 01:38:56
>>254
冷えた手首に触れたが、脈拍は感じられない・・・・・・・・・・・・。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
『ゲーリー』は、すでに事切れていた。

256流蔵:2010/03/31(水) 13:43:45
>>255
「……まいったな」

とりあえずもう本人は死んでしまった。生き返ることはないだろう。
それはさておき、『ゲーリー』は携帯電話か無線機を持っているのではないだろうか。
自分と違い持ち物はしっかりしている。というより持っていた気もする。
携帯と、それとラジオを手に入れ、使えるか試そう。電波はなさそうだが。

「こいつを、……別世界に運んだらどうなるんだ?」

257:2010/03/31(水) 23:46:55
>>256
リュックサックを探ったが、携帯電話や無線機は見当たらない。
ラジオは、ツマミの部分が砕けていたが、それ以外は無事の様だった。
砕けたツマミを指先で動かすと、ノイズが響く。
 
『ブルッ』
 
『流蔵』の身体が、無意識に震えた・・・・・・・・・・・・。
いつの間にか、すっかり室温が下がっている事に気付く。
同時に、小便を催した。

258流蔵:2010/04/13(火) 21:15:34
>>257
「………まずいな。寒さがここまできたか……。
 だがトイレに行けばどうなるかわからない。
 かといって漏らすのもこの部屋で処理するのも考えものか……。」

とりあえず少し我慢する。
ストーブは吹っ飛んだが、固定してあったから残骸は中央にあるだろう。
そこに『ゲーリー』の残ったズボンや衣服などを入れ、火をつける。
小屋全体が燃え広がないよう気をつけつつ、簡易ストーブを作ってみる。

259:2010/04/13(火) 23:35:37
>>258
ストーブは、その原型を留めつつも内部から弾けた様に破壊されていた。
近付くと、まだ微かに石油の臭いを感じる・・・・・・・・・・。
『流蔵』は、『ゲーリー』の遺品となった衣服を、ストーブに詰める様に集め、
そこに火を点けた。
 
『ボゥッ』
 
燃え始めた衣服の火は、次第に大きくなって行く。
近くで暖を取れる程度の温もりはあったが、室内を暖めるまでには至らない。

260流蔵:2010/04/23(金) 14:45:09
>>259
「部屋全体は元々温まっていた……。
 それでも『ゲーリー』はおかしくなっていった。
 俺も幻覚は見ているが精神に変調はない。
 ………『ゲーリー』の寝ていた場所か?
 壁からほとんど聞き取れないような音が流れている……は考えすぎか。」

寝ていた『ゲーリー』の頭にあたる位置の辺りにラジオを近づけ、
音を調整してみる。何か聞こえてこないかどうか。
ある程度試して何も感じなければその位置に放置。
別世界はこちらの置物と完全には連動してないので意味がないかもしれないが……。

何もない場合は、まだ燃えてない衣服(寝袋以外)を一つ取りたい。なければ本人の着ているのでいい。

261:2010/04/24(土) 00:56:11
>>260
ラジオから聞こえるノイズに、目立った変化は無かった。
『流蔵』は、『ゲーリー』の着ていたシャツを破り取る・・・・・・・・・・・・・。
微かに湿ったシャツからは、汗と体臭の混じった咽る様な臭いが漂っていた。

262流蔵:2010/04/27(火) 12:49:03
>>261
「ラジオはしばらくこのままにしておこう……。
 『ゲーリー』は……持っていくのは労だな。少なくとも今回は。」

ラジオはそのままその位置に。そして寝袋を取り丸める。
これで持ち物に寝袋、シャツ、ライター、包丁、銃が揃う。(包丁、銃は腰に)
見つかるならばだが……閂も拾っておきたい。まだそれなりに棒状ならだが。
後は持ち前のガムを噛んでおく。

この状態でいざトイレに。まずは膀胱から尿を排除する。
その際変化を感じるなら周囲に意識を広げたい。小便を馬鹿丁寧にする気はない。

263:2010/04/28(水) 00:38:49
>>262
室内を見回すと、半分に曲がった閂を見つける。
少し力を加えれば、簡単に折る事が出来そうだった。
『流蔵』は、揃えたものを全て持ち込み、トイレに入る。
 
『ジョボボボ・・・・・』
 
尿が勢い良く流れ出て、便器の中へと弧を描いて落ちて行く。
膀胱から尿道を抜けて行く快感に、『流蔵』は身震いした。
周囲に変化は感じられず、何事も無いまま排尿は終わった。

264流蔵:2010/05/01(土) 17:58:36
>>263
「さて、状況がどうなるか……だ」

用を足し終わり性器を閉まいながら、ドアの裏側に破壊跡があるかを確認する。
このトイレがどちらの世界だろうと破壊跡はある可能性はあるが。
その後、穴を覗いて見る。
数十秒前いた部屋とそう変わりなさそうなら目を離し、扉を軽く開けて覗いてみる。
そこで危険がなさそうかを確認したい(特に人の有無やゲーリーの死体とかを)

明らかに変化があっても一度目は離す。突かれないために。

265:2010/05/01(土) 19:34:19
>>264
ドアは、覗き穴の空いていた辺りが破壊され、室内の冷たい空気が吹き込んでいた。
覗き込むと、室内の様子が見える・・・・・・・・・・・・。
『流蔵』は、ドアを開け、室内に目立った変化の無い事を改めて確認した。

266流蔵:2010/05/13(木) 10:52:16
>>265
「よし……戻ろう。」

わざと声をだしつつ部屋へと戻る。
その際に棚の上のトイレットペーパーを一つ拝借しておくぐらいは
しておいてもいいだろう。持ちながら部屋へ移動。内心の周囲への警戒はしておく。

267:2010/05/14(金) 00:53:53
>>266
トイレを出た『流蔵』は、トイレットペーパーを片手に室内の様子を警戒する。
特に変化は見当たらなかったが、室温はすっかり低下していた。

268:2010/06/01(火) 01:32:12
割れた窓から吹き込む寒風が、小屋の中に満ちて行く。
『流蔵』の身体は、小刻みに震え始めていた。

269流蔵:2010/06/01(火) 22:38:12
>>268
「うう……まずいな。仮に『冷気』が全ての異常の原因、とすれば……
 殺す相手も殺される相手もおらず、一人で狂い死ぬハメになりかねんか……
 そうでなくとも、単純に凍死する危険性が高いが。」

外の吹雪は少しはおさまっているのだろうか?
『ゲーリー』のシャツを割れた窓に貼り付け、風を遮る。湿っているなら冷たい窓にはくっ付くかもしれん。
そのままでくっ付かない場合、ガムを接着剤代わりに出来ないか試したい。

270:2010/06/02(水) 01:01:04
>>269
室内に吹き込むのは、風だけだった。
窓の外に目を凝らすと、いつの間にか雪が止んでいる・・・・・・・・・・・・。
持っていたシャツは、すでに半ば凍っており、窓に貼り付ける事は出来ない。
ガムで接着しようと試みたが、シャツの重みからか、すぐに剥がれてしまう。

271流蔵:2010/06/03(木) 18:13:57
>>270
「………今なら外に出れるか。だがそれでいいのか?
 『ゲーリー』の死体については……顔見知りですらない俺に疑いはかかるだろうか。
 実際、俺は犯人ではないが、刑務所は面倒だ。
 今のところ異常は出なくなったが、天候と関係はあるのか?」

ラジオはどうなっているだろうか。電波状況はよくなったはずだ。
近づいて音量を上げて何か放送なり聞こえないか試す。
何も聞こえないなら、キッチンに行き、鍋の残りに水を3倍程度足して火をつけ沸騰させる。
ガス漏れの確認は最初に行うが、爆破による破壊はキッチン届いてないと思うがどうか。

272:2010/06/04(金) 01:13:33
>>271
ラジオのスイッチを入れると、心なしかノイズが少なくなっている様な気がした。
 
『・・・・・・・・のニュース・・・・・・・キーストーンでスキー客の一人が消息を断って・・・・・・・』
 
男性が淡々とした口調で、ニュースを読み上げている。
 
『・・・・・・ザザザッ・・・・・・・・・』
 
『探索チームが、今朝早く出発・・・・・・・・・・』

273流蔵:2010/06/04(金) 10:14:31
>>272
「まずいな……捜索隊が出発済とは……
 助かるには助かるだろうが、今のままでは疑われる気もする。
 最低限の処分をすれば『極限状態による混乱と爆発事故』ってことに
 持っていけなくはないが………まだ一つだけ心残りがある。
 この山小屋の謎……それだけは確かめておきたい。処分はその後2分もあればいい。」

急いで鍋の中身を沸騰させ(ガス漏れや壊れがなければ)、
沸かし中に服を着込み外に出れる準備をする。
目的は外側の隙間風の吹く壁……そこの凍った部分に湯をブチまけて溶かしたい。
最低限の熱湯は居るので必要そうなら多少水を足すが、
鍋は重いので、安定して持ち運べる重さとの按配を考えて行う。
今なら外に出れるはずだ。別世界でドス黒く変色した壁の正体、見極めておきたい。

274:2010/06/05(土) 01:31:32
>>273
爆発の被害は、キッチンにまで大きなダメージは与えておらず、食器の類が
少し崩れ落ちている程度だった。
『流蔵』は、鍋を火にかけながら、改めて衣服を着込む。
半分程まで水を足した鍋は、5分程で大きな泡を上げて沸騰した。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
鍋を手に、外へ出る・・・・・・・・・・・。
雪は止んでおり、空は微かに白み始めていた。
隙間風の入る壁に回り込んだ『狩野』は、雪が氷の様に固まった部分に鍋の
中身を注ぎ撒く。
 
『ジュワァァアア・・・・・』
 
湯気と共に雪が溶け、次第に外壁が見えて来る。

275流蔵:2010/06/07(月) 09:24:25
>>274
「さて……鬼が出るか蛇が出るか……あるいは何もなしか。」

そのまま雪が溶けるのを眺めつつも、もう反対の手で包丁を取り出す準備をしておく。
それともう一つ気をつけたいのは『音』。
捜索隊が近づいてくる音や呼び声がするかは気をつけたい。
見つかる前にいろいろと処理はしておきたい。
背後は崖とかではなかったと思うが、間違ってないか?

276:2010/06/07(月) 22:10:23
>>275
耳を澄ますと、雪の溶ける微かな音が聞こえていた。
山中は静まり返っており、木々の葉が風に揺れる音だけが、時折聞こえる。
『流蔵』の背後は、積もった雪が緩やかな上りの傾斜になっていた。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴ』
 
やがて、外壁に貼り付いている何かが確認出来る。
小屋の内側に歪んだ板壁には、色褪せた黒い『手帳』が貼り付いていた。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
『流蔵』は、手帳の下から『細い手』が伸びている事に気付く。
外壁の足元まで雪が溶けて行くと、手帳を掲げる様に手を伸ばしながら、
半ば身体を丸めて『うずくまった人間』が現れた・・・・・・・・・・・。

277流蔵:2010/06/07(月) 23:08:18
>>276
「……ッ。どういうこと……いや、こういうことか?
 おまえが見せていた怨念が今までの現象というわけか……?
 ………おまえは、……ただの死人か?」

後ろに移動はできないかもしれないが、人間までの距離は1メートルは保ちたい。
1メートルないなら小屋の入口側に軽く動いてもいい。
その際は包丁を前につき出し、後ろにした手で鍋を構えつつゆっくりだ。
人間は動いているのだろうか?
男か女か、明らかに死んでいるか、見覚えのあるイタリア人とかじゃないかどうか。
雪が溶けてく中、別の人間が他にも重なってないかどうか。

観察しつつまったく動き出す様子がないなら、包丁で手帳を突いてみたい。
落とさないように軽く、かつ突然動いても対処するつもりでだ。

278:2010/06/08(火) 01:26:17
>>277
後ずさった『流蔵』は、足を雪に取られ、仰向けに倒れ込んだ。
慌てて顔を起こしたが、うずくまった人物が動き出す様子は無い・・・・・・・・・。
 
立ち上がった『流蔵』は、距離を置いて倒れた人物を観察する。
短く刈った黒髪のイタリア系白人男性で、どこか見覚えがあった。
ボロボロのスキーウェアを着ており、目を見開いたままピクリとも動かない。
男性の腰辺りまで雪を溶かした所で、鍋の熱湯は底を尽く・・・・・・・・・・・。
包丁で『手帳』を突付いたが、何も起こらなかった。

279流蔵:2010/06/08(火) 19:34:46
>>278
「うぉぉ………何もなしか。
 手帳を差し出すように掲げてるが……。」

包丁を持つ手とは反対の手で、手帳を取ってみる。
包丁は何か起きた際に対応するつもりで。
手帳を取ったら人物から少し距離を取り、中身を確認したい。

280:2010/06/08(火) 23:37:51
>>279
『手帳』を取ろうとしたが、外壁にピッタリと貼り付いていた。
革の表紙カバーは、ボタンの止め具で閉じられており、その止め具の上を
押さえる様に白人男性の手が伸びている・・・・・・・・・・・・・。

281流蔵:2010/06/09(水) 21:58:37
>>280
周囲の音に変化はないと考えていいか?

「まるで。中身を見せたくないような止まり方だな……。
 普通なら、死体としか考えないし何もしない。
 だが俺は今……中身が何か確信に繋がる予感すらしている……。
 そのためには………よしんば『罠』だとしても……こうするしかないか。」

鍋に内容物が残っていればそれを壁にかけて溶かしてふやけない内に奪いとりたいが、
なければ仕方ない……包丁を手と止め具の内側に刺しこじ開ける。
血が出て……かもしれないが……そこから先は何かの覚悟をして、実行する。
意識を強く保ちながら、手帳を読める状態にして、読む。

282:2010/06/10(木) 01:15:53
>>281
『流蔵』は、手にした包丁の先を止め具の間に差し込んだ。
男性の手は、止め具の金属部分に付いたまま離れない。
止め具も凍り付いた様に固定されており、包丁の先が大きく曲がる・・・・・・・・・。
 
『パキィッ!』
 
次の瞬間、包丁の先端が折れ、破片が雪の中へと弾け飛んだ。
その反動でよろめいた『流蔵』は、『手帳』が外壁から剥がれ落ちている事に気付く。

283流蔵:2010/06/10(木) 01:22:37
>>282
男性が動かないことを確認したら、警戒しつつ素早く手帳を拾う。
そして一歩下がって、手帳を読む。

男性の手がまだくっついているようなら包丁で剥がしたいが、
最悪切断してもいい。骨は無理なので肉か皮膚を。

284:2010/06/10(木) 01:47:36
>>283
雪の中に落ちた手帳は、貼り付いていた面の革も剥がれていた。
外壁には、その革が付着したまま残っている。
止め具の上部が欠損しており、男性の手に付着していた。
 
『手帳』は、まだ半ば凍っているらしく、ページの中心部分が貼り付いており、
捲る事は出来ない・・・・・・・・・・・。
無理に開けば、破れる事は容易に予想出来た。

285流蔵:2010/06/10(木) 15:38:51
>>284
「まだ見せられない……そんな感じの凍り方だな。
 『自分を見つけてもらう』ために幻覚を見せていたならこれで終わりだが、
 どうも違う気がしてならない………。」

状況を再び整理しよう。
現在地は小屋の外で隙間風の吹く壁の裏側。壁の前にイタリア人の男。
トイレから行けた『別の世界』では、壁の内側がドス黒く変色していた。
別の世界には『ゲーリー』とともにこの男を含む裸の人間が何人か蠢いていた。
幻覚や別の世界の映像を、この目の前の男が見せていたのか?
ならば他に何人か居た人間はどうなっている?鍵は『手帳』に書いてありそうだが……。
何よりも危険なのが『手帳』そのものだとしたら……

「凍った手帳を解凍して、中身を見るには室内で行うしかない。
 俺はもしかしたら、さらに危険なことを実行しようとしているやもしれん……。」

イタリア人が生きてるか死んでるか確認しようと思ったが……やめておこう。
どちらにせよ同じことになるかもしれない。凍っていたなら体温も鼓動もわからなそうだしな。
鍋を回収し、『手帳』を持ったまま『山小屋』内の『キッチン』に向かう。
キッチンのガスコンロを使えば手早く解凍はできるだろう。
ただし小屋に入る際は、唇を噛んで意志を強く持ち、『ゲーリー』の死体がそのままか確認しつつ入る。

286:2010/06/10(木) 22:38:42
>>285
小屋に戻ると、特に変わった様子は無かった。
『流蔵』は、鍋と手帳を手にキッチンへと入った。

287流蔵:2010/06/10(木) 23:11:09
>>286
「溶かした結果、どうなるか……」

まず鍋をコンロに裏返しに置き、その上に凍った手帳を置く。
こうすれば手帳を燃やさずに鍋の裏側の熱で解凍できる。
包丁は片手に持ちつつ、銃は背中に差し込んだまま。
この状態で、コンロに火をつけ、解凍を待つ。
解凍すれば自然に手帳が開き、中身を読めるかもしれない。

周囲の音や気配には注意しておく。

288:2010/06/10(木) 23:20:02
>>287
ガスコンロを点火して、1〜2分後・・・・・・・・・手帳から、ジワジワと水が
広がり始めた。
水が鍋の下に落ち、ジュージューと熱される音がキッチンに響く。
やがて、鍋の底が加熱され、水が蒸発し始めると、手帳からも微かな煙が
立ち昇り始めた。

289流蔵:2010/06/10(木) 23:40:22
>>288
鍋の火はそのままに、手帳を掴み中を読む。
手帳はまだ火傷するほどの熱さや損傷具合ではないと思う。

「さて、何が書いてある……?」

290:2010/06/11(金) 00:35:02
>>289
手に取った手帳は、ほんのりと熱を帯びていた。
凍っていたページは溶けており、簡単に開く事が出来る。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
手帳の中には、疎らに鉛筆書きのメモが記されており、所々が部分的に
湿っている為、滲んで判読出来ない箇所も目立った。
内容は、前後の脈絡の無い覚え書きで、文字以外に絵も描かれている。

291流蔵:2010/06/11(金) 00:57:44
>>290
この時点で一度手帳から目を離し、自分の思考が正常か考えてみる。
自分の名前とこの小屋で死んでいる男の名前、
そして日本の大学での教授の名前辺りを思い出せれば思考は影響ない。
さらに周囲に違和感が起きつつないかも探ってみる。幻覚が見えてないかどうか。

「壁の隙間からあいつは音を聞き続けおかしくなった。
 そして壁の裏側にはこの手帳がへばりつけられていた。
 イタリア人が元凶ではなく、彼もまた被害者だとしたら……?」

続きを読んでみる。
もっと具体的な言葉や絵は見つからないだろうか。
あるいは内容以外の規則性などはないだろうか。

292:2010/06/11(金) 01:41:17
>>291
手帳から目を離した『流蔵』は、周囲を見回した。
割れた窓からは、微かな陽の光が差し込んでいる・・・・・・・・・・・・。
 
『小屋の中の何か』
 
ふと、小さな文字の添えられた絵に目が止まる。
それは、山小屋の中を描いたデッサン画の様だった。
中央付近にストーブが1つあり、キッチンに通じる吹き抜けもある。
どうやら、出入口から室内を見た構図らしかった。
キッチンの中は死角になっていたが、微かに人影が描かれている。

293流蔵:2010/06/11(金) 19:41:07
>>292
「これは……この小屋か?
 普通の絵に見えるが……人影だと。
 幽霊とか何者かが潜んでる、とも取れるが……俺の現在地と比べれば」

手帳を一度閉じ、周辺の皿なり空き缶なりスプーンなり、
なんでもいいから入口側に向けて投げてみる。
そしたらもう一度、手帳を見る。変化がないならページを捲る。

294:2010/06/12(土) 00:56:09
>>293
『流蔵』は、シンク台の空き缶を1つ出入口の方へ投げた。
 
『ドドドドドド』
 
空き缶が落ちる音が響いただけで、何かが起きる様子は無い・・・・・・・・・・・。
再び手帳を開いた『流蔵』は、さらにページを捲る。
やがて、全身画のデッサンを見つけた。
縮れた髪の太った男性の絵の横には、線で囲った文字が書かれている。
 
『ゲーリー・ブリッツ』
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨

295流蔵:2010/06/17(木) 16:38:01
>>294
「『ゲーリー』……だと?
 日記によると、奴がこの小屋についたのは昨日。
 あのイタリア人と遭遇してる可能性は低い………これはなんだ。」

同じページのメモに日付なりは見当たらないだろうか。
日付があれば時系列を特定できるだろうが、ない気はする。
なければ次のページを捲り、さらなる情報を得たい。

周囲に寒さなどを感じたりしないだろうか?

296:2010/06/18(金) 01:55:45
>>295
手帳に日付は無く、いつ書いたものかを読み取る術も無かった。
『流蔵』は、さらにページを捲る・・・・・・・・・・・。
 
2〜3ページ白紙が続き、再び何かの図が描かれていた。
大まかに描かれた、小屋の見取り図らしい事が分かる。
数箇所に『矢印』が描かれており、図の端に殴り書きされた小さな文字があった。
 
『誰かいる?』

297流蔵:2010/06/18(金) 17:12:02
>>296
「この小屋の見取り図……?何のために書いたものだ?
 誰かいるか……だと?」

複数の矢印は主に小屋のどの辺りを示しているだろうか?
現在地から見える部分ならそちらに目を向けたい。
それからメモ帳のページはあとどれくらい残っているだろうか?

いま特に幻聴や幻覚は感じてないと思う。
が、念のため、指先で熱した鍋に触れてみたい。
もちろん火傷しないよう一瞬で放す。だが熱は感じるはずだ。

298:2010/06/18(金) 19:10:21
>>297
熱した鍋に一瞬触れると、指先にジワリと余韻の様な熱を感じた。
 
『矢印』は、4ヶ所。
トイレとキッチン、部屋の左上隅と出入口の横にある窓。
どの矢印も、部屋の中を指している・・・・・・・・・・・・・。
それぞれの場所を確認したが、特に目を惹くものは見当たらない。
開いているページは、まだ手帳の半分程だった。

299流蔵:2010/06/22(火) 18:22:23
>>298
矢印の直線を重ねると、一箇所で交わったりしないだろうか?
部屋の中心を指したりしてないか?
微妙にズレていても、そういう傾向がないか確認したい。

300:2010/06/23(水) 00:40:46
>>299
『矢印』の先は、部屋の中心付近で交差している様だった。

301流蔵:2010/06/25(金) 00:07:57
>>300
その位置にはストーブがあるのだろうか?
ストーブなら……その下だろうが。
あるいは天井辺りに何か見えるだろうか。

どちらにせよ手帳をもう数ページ見てみたい。

302:2010/06/25(金) 01:02:00
>>301
部屋の中央付近には、ストーブのあった痕跡が残っている。
底が床に固定されている為、上部が爆発しても下部は残ったままだった。
天井には、特に何も無い・・・・・・・・・・・『流蔵』は、ページを捲った。
 
『いんせき』
 
次のページには、小さな文字が隅の方に書かれている。
後の十数ページは白紙で、それ以上は何も書かれていなかった。

303流蔵:2010/06/25(金) 08:51:31
>>302
「いんせき……隕石?
 隕石の落下跡だったりするのか?
 それとも何かの予言か?
 意味がわからないな……意味はノイズ……?」

火は弱火にしておき、鍋は火傷しないよう気をつけつつシンクに。
暖炉代わりとしては弱いがないよりマシだろう。
ストーブ痕跡まで移動して、ストーブ台を動かせないか試してみたい。
包丁や閂、あるいはストーブだったものの破片など使って強引に動かせないか?
思いっきり蹴るなりしてみてもいい。床下を調べてみたい。

304:2010/06/26(土) 00:40:11
>>303
床に固定されたストーブの台座部分は、『狩野』の力では動かせなかった。
床板に直接、大きなネジで固定されている・・・・・・・・・・・・。
 
『ドガッ!』
 
台座を蹴ると、床板が軋んだ。

305流蔵:2010/07/02(金) 17:54:46
>>304
「なんとかして破壊できないか……?」

もう何度か思いっきり蹴ってみる。
結果、床板が外れそうなら強引に外れないか試してみる。
閂やスプーンなど使いテコの原理などやってみてもいい。

306:2010/07/02(金) 23:41:06
>>305
さらに台座を蹴り続けると、固定された床板部分に亀裂が走った。
 
『ビキッ・・・』
 
『流蔵』は、閂で亀裂を広げる様に抉じ開け始める。
 
『バリッ!』
 
やがて、板の軋み割れる音が小屋に響き、床板の一部に郵便封筒程度の
穴が空いた・・・・・・・・・・・・穴の下は暗く、冷気が流れ込んで来る。

307流蔵:2010/07/05(月) 19:01:15
>>306
「穴が……開いたな……」

その場で中を覗いてみるが、暗くて見えない場合は以下を実行。
まだ無事な空き缶はシンクなりその辺なりにあるはずなのでそれを拾い、
何か適当な布……そこらの服でもタオルでもトイレのペーパーでもを缶に詰める。
そこに新しく手に入れたゲーリーのジッポライターのオイルを少量垂らす。
出来た物体をハンガーの針金を使い閂と結びつければ、簡易松明の完成となる。

松明に火をつけてじっくり下を覗いてみる。誰かいるか?銃は使える意識をしておくが。

308:2010/07/05(月) 23:10:40
>>307
空き缶にトイレットペーパーを詰め、中で燃やすと微かな煙が立ち昇る。
『狩野』は、揺らめく炎が入った空き缶を下ろしながら、床下の様子を覗き込んだ。
 
『ゴゴゴゴゴゴゴゴ』
 
約30センチメートル下に、土が剥き出しの地面が見える。
最初に目に付いたのは、地面に半分埋まった赤ん坊の頭程の『石』だった。
楕円形のゴツゴツした石の表面には、反射した炎の光が映り込んでいる。
 
┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
 
『隕石』という言葉が、『狩野』の脳裏をよぎった。
 
 
『サクッ・・・サクッ・・・・』

309流蔵:2010/07/06(火) 01:07:22
>>308
「隕石………?確か……鉱物の種類によっては電磁波を狂わせ、
 人間に幻覚や様々な影響を与えると聞いたりはするが………
 これが真相なのか?…………誰だ?」

音の方向は小屋の外からだろうか?
それとも地面側からだろうか?
地面側なら銃を片手に警戒しつつ、その方向に意識を向けたい。
外なら………様子を伺うべきかどうか。

310:2010/07/06(火) 01:16:18
>>309
耳を澄ますと、小屋の外から雪を踏む音が聞こえる事に気付いた。
 
『サクッ・・・・サクッ・・・・・』
 
音は複数で、聞き取れない程度に人の声も聞こえて来た。
 
『ボトッ』
 
ふと、『狩野』の手から空き缶で作った松明が落ちる・・・・・・・・・・・・。
床下でチロチロと燃えていた炎は、次第に小さくなって行った。
それを見つめながら、『流蔵』の意識も次第に薄れて行く。

311流蔵:2010/07/06(火) 15:59:06
>>310
「人の足音……声からすると救助隊か……まずいな。
 今の状況だと変に疑われかねな………うぅッ……!??」

(なんだ……意識が急に……これは……
 毒……?いや、一酸化炭素中毒の類??それとも違う何かか?
 ストーブが中途半端に壊れてて、地面の低い位置に溜まっていたと仮定すればありえるか?
 くそ………意識が……)

「うおおお!」

松明と反対の手で銃を持ち、自分の足(足首より先でいい)を撃ち抜く。
激痛で意識を無理やり覚醒させ、身体を起こす。
今の体調の原因が一酸化炭素なのか、あるいは隕石による影響なのかわからないが、
どちらであろうと身体を起こしトイレ側の壁まで少し下がれば弱まると考えたい。
救助隊が駆けつけ最悪捕まるかもしれないが、命を失うよりマシだ。
このまま隕石の前まで転げ落ちたからといって、そこで意識を失えば事態の解明には繋がらない。

312:2010/07/07(水) 00:30:19
>>311
銃に伸ばした『流蔵』の手に、それを握るだけの力は無かった。
手足の末端から痺れて行く様な感覚と共に、立っていられなくなった『流蔵』は、
そのまま床に膝を着く。
 
『ギィ・・・・・』
 
背後で、ドアが軋みながら開く気配を感じる。
振り向こうとしたが、『流蔵』は床に横たわったまま動く事が出来なかった。
意識を失いながら、『流蔵』は人の話し声を聞いた様な気がした。
 
「・・・・・・・・・先客・・・・・・・・・『石』を見つけた・・・・・・・・・・」
 
「どうする?・・・・・・・・・・このまま・・・・・・・・・・・或いは・・・・・・・」
 
「こっちのデブは・・・・・・・・・もう死・・・・・・・・」
 
やがて、意識が途切れた。

313エピローグ:2010/07/07(水) 01:06:41
『流蔵 双』が発見されたのは、行方不明になってから一週間後。
 
発見されたのは、カナダ領アルバータ州『ジャスパー』。
身元不明の外国人として病院に搬送された時には、すでに昏睡状態だった。
身元が明らかになったのは、それから5日後━━━━━━━━━━━━
『流蔵』の意識が回復したのも、同じ頃だった。
 
国境を跨いで失踪した日本人旅行客の話題は、全世界に発信される。
売名行為だの、ビッグフットに運ばれただのと様々な説が飛び交ったが、
本人自身も身に起きた出来事を覚えておらず、事件は謎のままだった。
『小屋での出来事』を除いて・・・・・・・・・・・・・・・。
 
だが、『山小屋』が見つかる事は無かった。
『ゲーリー・ブリッツ』の存在も、今現在確認されていない。
全てが雪の中の幻だったかの様に、『流蔵』の記憶に存在するだけだった。

314:2010/07/07(水) 01:17:00
『スタンド能力ッ』!!
 
 
『山小屋』での出来事を境に、『流蔵』が身に付けた『能力』。

315:2010/07/07(水) 01:22:06
『スタンド』が触れた物体の表面に、円形の『窪み』を作り出す『能力』。
『窪み』の直径が、その物体の表面積を越える事は無い。
 
『窪みの中心』は、『スタンド』の触れた場所と同じである。
触れ続けている限り、『窪み』を維持し続ける事は可能。
その逆に、『スタンド』が離れると『窪み』も瞬間的に収縮して消える。
つまり、『窪みの中心』にいなければ、それは維持する事も出来ない。
 
深さや大きさは、縮める事は出来ないが、広げ続ける事が可能。
同時に作り出せる『窪み』の数は、常に1つ。
 
 
人型/生命・自然事物型
 
パワー:B スピード:B 射程距離:E
持続力:D 精密動作性:C 成長性:B

316:2010/07/07(水) 01:23:59
スタンド名:『ザ・カアウ・クレーター・ボーイズ』
 
 
 
   『山小屋』
                   →THE END


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