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灼眼のシャナ&A/B 創作小説用スレッド

1SS保管人:2003/11/24(月) 19:22
ライトノベル板でSSを書くのは躊躇われる、
かといってエロパロ板は年齢制限が…

そんな方のために、このスレをどうぞ。
萌え燃えなSSをどんどん書いて下さい。

538名無き者:2007/10/10(水) 17:42:15
今日の夜僕は、何故か勉強をしていた。その理由は明日定期テストがあるからだ。いつも、平均は84から87の間である。高校に入って勉強したおかげだ。
悠「ふー、疲れた。明日テストか。452点ぐらいとれるかな。なんだか、そろそろめんどくさくなってきたし止めるか」そう言ってノートを閉じる。
今の時刻は10時52分である。シャナはもう寝ている。暇なのでコンビニでも行くことにした。

悠「コンビニでカップ麺とか買うかな」そんなことを呟いているとスフィニアが口を挟む。
ス「そんな物ばかり食べてては体に悪いぞ。程ほどにしろ」
悠「いや、そんなしょっちゅう食べてないし」そんな事を言っているとコンビニに着く。中に入ると突然話しかけられる。
ヴィ「こんな夜分遅くなにしてるんでありますか」声の主はヴィルヘルミナであった。
悠「僕はちょっとカップ麺でも買おうかなって来ただけです。そういうカルメルさんこそなにしてるんですか」
ヴィ「私もそのような事であります。ところで、今日はいないのでありますか?」咄嗟にシャナのことだと気づく。
悠「もう寝てますよ、シャナなら」
ヴィ「そうでありますか」そう言って彼女は出て行った。

悠「僕も早く用済ませて帰ろう」籠に幾つかカップ麺と菓子類を入れて会計に向かう。
店「1340円です」店員が言うと金をぴったりだして店を出る。すると、すぐ近くで徒の気配がした。
悠「はぁ、いくかスフィニア」めんどくさそうに言う。
ス「勿論だ」スフィニアはいたって真面目に言う。

行ってみると徒が一人公園で暴れていた。とりあえず封絶を張る。すると、徒がこちらを向いて言う。
徒「フレイムへイズか、貴様」
悠「そうだけど、悪い」相手が口答えする前に間合いを詰めて斬りかかる。武器はこの間と同様の日本刀。
しかし、一撃目はかわされた。それを見て徒が言う。
徒「大した事無いな。おま・・」ズシャ。僕は第二撃目を叩き込む。見事クリーンヒットし徒はきえる。
悠「油断しすぎだよ。バーカ」

しばらくするとヴィルヘルミナがやって来る。
ヴィ「徒の気配がしたとと思ったのでありますが」
悠「ああ、それなら片付けました」
ヴィ「そうでありますか。早速の仕事ご苦労であります」もう、この町にいるフレイムへイズには僕がフレイムへイズ
になったという事をいってある。
ティ「任務御苦労」ティアマトーも素直に褒める?照れているといきなりヴィルヘルミナが蹴りをいれてきた。
まあ、難なくかわしたが。
ヴィ「ふん。それを避けるようになったでありますか。ではこれからは、さらに辛い鍛錬をしても
大丈夫でありますな」
悠「いいですよ」別にいまやってる鍛錬は楽だし、自分で考えたメニューや母さんにやれと言われた
メニューのほうが万倍辛い。ヴィルヘルミナは少々不服な顔をしていたがやがて帰った。

ス「本当に無愛想だな、万丈の仕手は。表情がかわらない」
悠「それを言ったらお終いだよ」軽く笑っていう。そして、明るいところもあるんだと改めて分かった。
家に着くといきなり母さんが現れ僕に軽く怒って?言った。
悠「こんな遅くに勝手に出て行って。罰として2週間食事当番ね、悠ちゃん」それだけ母さんは言って寝室に戻った。

悠「母さんも滅茶苦茶だよ。なんでいきなり食事当番?鍛錬の時は怒らないのに」カップ麺を食べながら愚痴をこぼす。
ス「用もないのに、勝手に外にでていったからだろう。誰だって怒る」
悠「そういうものか」そう言ってカップ麺を食べ終えてカップを捨てる。シャナが部屋で寝ているため
僕は父さんの書斎で眠る事にした。起こすと殺されかねない。シャナは寝起きが悪いから。

ピロリロ♪父さんの部屋に入った瞬間携帯がなる。佐藤からのメールと池からのメールの二件が来ていた。
悠「佐藤からはえーと、「どうだった?シャナちゃんに殺されたか」か」佐藤には適当に「死ね」と打って送信した。
悠「池からは、「明日一緒に学校にいかないか?ジュースぐらい奢るからさ」か。まあいいか」そう言って「いいよ」と池に返事の
メールを打つ。その10秒後ぐらいにメールがきた。「じゃぁ、明日お前の家に行くよ」との内容。
それを見終えると今日はベッドにもぐりこんで寝た。いろいろあったしな。とか考えながら眠った。

539名無しさん:2007/10/12(金) 13:59:25
出直してこい

540試し投稿:2007/10/13(土) 20:10:39

高校3年生に進級し、無事1学期期末試験を済ませた坂井一行は夏休みを迎えることになる。
しかし、今の時期彼らは夏休みを楽しむどころか、むしろ苦しんでいた。
「うーん……ふぅ〜」
一人の少年が大きく唸り、ため息をつく。
「ほら、だらだらしないでさっさと解く!もう時間ないわよ?」
一人の少女が容赦なく追い討ちをかける。
「だって、シャナ、この問題は難しすぎるよ?なんで○○大学の問題なの?」
一人の少年は大いに不満があるように言った。
「このくらい解けるようにならなくちゃだめ。悠二が志望している御崎大学に受かるためには
ハードルを1つ2つ越えた問題を解くのがいいの。」
「それに1学期には基礎をやったんだから、考え方くらいは分かるでしょ?」
シャナと呼ばれた少女は当然のように言い、それ以上の反論を許さない。
「うっ……」
一人の少年、悠二はただ唸るだけしかなかった。
シャナによる模擬試験終了の時間が刻々と迫る。


受験ネタは自分が書きたい分野だったんで書こうかな……と思いますて。
今回は触り程度で。後々ドキドキ展開もあったり

541名無しさん:2007/10/26(金) 10:01:39
掴みとしては弱い。
でも、期待は、まぁ、出来るかな。
ただ、触りを序章と思っている時点で不安が残る。

542名無しさん:2007/10/26(金) 17:20:52
先のTOP2の話しの練り方と比べるとやはり弱い

プロットの作成をもう少し詳しくしていけば化けるかもって感じ

職人が少ないなか投下してくれたことには陳謝

543名無しさん:2007/10/26(金) 17:41:53
陳謝してどうするんだよw
期待してるから頑張ってくれい

544名無し:2007/10/29(月) 00:02:15
  |l、{   j} /,,ィ//|     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ     | あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
  |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |     < 『先週まで金が無く途方に暮れていたと
  fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人.    |  思ったらいつのまにかサイフに金があった』
 ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ   | 闇金だとか窃盗だとか
  ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉.   | そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
   ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ. │ 働くのがばからしくなるほどの片鱗を味わったぜ…
  /:::丶'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ│ttp://green55.org/doll3/pc/?Jfn88gFI
                 \____________________

545名無しさん:2007/11/04(日) 20:00:22
先刻までの戦いの中、偶然アズュールに刻まれた転生の自在式に
気づいたシャナは、その事実を口に出してはいない。
その時間も、必要も、ないと感じたからである。
たった今討滅した祭礼の蛇の、制御を失った莫大な量の存在の力を
使って、(坂井悠二)を再構成すれば終わるのだから。


何故、坂井悠二が切られたのか?
吉田一美にはフレイムヘイズの行動を解釈できない。
そのまま倒すしかなかったのか。
どうにかして元に戻す方法はなかったのか。

このフレイムヘイズは、「好きだ」と言い続けてきた人間を
自分の手で切るためだけにこの戦いに臨んだのか。

しかし、宝具も使わずに見ているだけだった自分が何をしたというのか。
あると信じていた勇気さえ捧げられなかった自分が、
こんな自分勝手なことを言える道理はない、と理屈では思考に抑制がかかる。
そして状況こそ違えど、何度思ったか知らない文句が、頭をよぎった。

(もっと私に勇気が…力があれば…)

千変(人間…力が欲しいか…?)
吉田(…!?)
千変(あのフレイムヘイズ…愛しき者を葬った者を倒すための、力が)
吉田(平井ゆかり…シャナを…倒す力…欲しい)
千変(ならば…誓え。器に契りを交わすのだ)
吉田(紅世の示すがままに)


もう見慣れてしまった姿の周りに散る、濁った紫色の火の粉。
その突き出した片手に握られた、神鉄如意を思わせる神器(ヘルメス)。
普通のフレイムヘイズのような、獰猛な眼差し。
シャナは眼前に突如出来上がった『虚界の渡り手』が全く理解できなかった。

546名無しさん:2007/11/04(日) 20:16:25
「黒吉田さんのせいで、坂井は近衛史菜の婿決定」
あまりにも駄作すぎて、876先生の偉大さを思い知らされる。

『虚界の渡り手』…『千変』シュドナイのフレイムヘイズ。
顕現不可能なほどに追い込まれたシュドナイが、吉田一美を
そそのかせて契約させた、フレイムヘイズの「同胞殺し」。
契約直後、直感で吉田一美が編み出した自在式「タイトスロット」は、
契約者の考える「強さ」をそのままヘルメスに具象化させて操るもの。
吉田一美の「強さ」の潜在意識は、ほとんどがシャナやカムシンであり、
ヘルメスに炎を付加したり、ヘルメスを鞭のように扱ったりすることもできる

以上、吉田さんが黒かったら、と勝手に想像していました

547名無しさん:2007/11/09(金) 20:25:40
9条は改憲してはならない。日本の為にならない。
日本人ではない朝鮮総連や民団でさえ、日本を心配して改憲への反対運動を行ってくれている。
私は日本人だが、「改憲すべき」などという者は、日本人として彼らに恥ずかしいと思います。

Q.中国から身を守る為、戦争に対する抑止力が必要では?
A.前提から間違っています。そもそも、中国は日本に派兵しようと思えばいつでもできました。
  なぜなら、日本は9条があるため、空母や長距離ミサイル等「他国を攻撃する手段」がない。
  つまり、日本に戦争を仕掛けても、命令をだした幹部の命や本国の資産は絶対に安全なのです。
  にも関わらず、中国は、今まで攻めずにいてくれたのです。

Q.日米安保も絶対ではないのでは?
A.いえ、絶対です。
  知り合いの韓国人の評論家もそう言っていますし、私も同じ考えです。
  そして日米安保が絶対なら、日本を攻める国はなく、改憲の必要はありません。
  米国と戦争をしたい国はないからです。

Q.9条が本当に平和憲法なら、世界中で(日本以外に)1国も持とうとしないのはなぜか
A.誤解を恐れずに言うなら、日本以外のすべての国が誤っているとも言えます。
  「敵国に反撃できる手段を持つ国は攻められづらい」というのは、誤った負の考え方です。
  (もっとも韓国や中国の軍に関しては、日本の右傾化阻止の為でもあるので例外ですが)
  さらに日本の場合、隣国が韓国・中国・ロシアと、GDP上位の安定した国ばかりです。

「憲法九条を守ろう」「平和主義を安倍首相は憎んでいる」毎月9日に改憲阻止ハンスト
ttp://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1175991624/l50
【調査】NHK調査では9条改憲すべきが25%、必要なしが44%
ttp://news22.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1176167609/l50

548名無しさん:2007/11/09(金) 20:27:18
目覚めた性癖 投稿者:ニグロパンチ (12月6日(水)19時37分19秒)

俺は昔ながらのガラの悪い髪型に強く興奮するものです。
青さもなくなった年期あるソリ込んだ額や、
コテをしっかりあてた細かいパンチ・アイパー・アイロンパーマ等でバックに流した短髪リーゼント、
襟足は厚めに残しテッペンを青くなるほど薄く平らにした、極道刈りなんかにひどく興奮します。

昔、ほんの出来心・好奇心で、ある床屋に行ったことから、そういう性癖を身につけてしまいました。

俺の家の近所には大きな繁華街があり、そこは昼と夜の印象が大きく異なります。
夜になると、いわゆる極道者がどこからともなくたくさん集まってくるような街です。
繁華街の中心には、
昔から「極道御用達」と噂されている怪しげな床屋が、
古い雑居ビルの2階にありました。
路上からは、店内が全く覗くことができない造り、
一階にあるサインポールには
パンチやアイパーの写真と、手書で「特殊技術はお任せください。」とのみ書いてある店で、
昔から極道やヤンキーの世界が好きだった自分にとって、
その店の存在は、ずっと気になってしょうがないものでした。
無精な俺は長年、自分で坊主に刈ってたのですが、
ある日そのビルから、細かくパンチをあてた厳つい男が出てくるのを見かけた瞬間、
「あの床屋で、俺も一度パンチにしたい。」という思いが強く生まれ、
すぐに髪を伸ばし始めました。

3ヶ月もたった頃にはコテをあてられるくらいに髪も伸び、
俺は期待と緊張に包まれながらその店に向かいました。

549名無しさん:2007/11/09(金) 20:28:48
「いらっしゃいませ。」
低い声が響いた店内は、小さく流れるAMラジオがはっきり聞こえるほど静かで、
妙な威圧感が俺を包みこみました。
そして目に飛び込んできたものは
鏡の前に並んだ椅子に座っている全ての先客が、
やはりその筋の客ばかりという光景でした。
「こちらへどうぞ。」
案内された俺はその独特な店内の雰囲気に圧倒されそうになりながらも、
元来のガラの悪い見た目を活かし、椅子にドカッと座りました。
40代半ば程の、茶髪のショートリーゼント、トロンとした怪しい目つきの理容師に
「今日はどうなさいますか。」と聞かれた俺は、
無愛想に、「パンチあてといて。」と注文を入れました。

「お客さん、うちの店初めてですよねェ。」「あぁ。」
「上の人に言われて来たんですか?」「そうや、コテあてろ言われてな。」
「分かりました。それじゃきつくあてといた方がいいですよねェ。」「おう、頼む…。」
俺は、自分が若い駆け出しのヤクザに見られたということに、まんざらでもない気持ちでした。

その後、本筋の方ばかりの店内で、
理容師に、職人的技術でもって丁寧にパンチの行程を進められていると
自分が徐々に、気合いの入った姿に変えられて行っていることに対し、
気づけば俺は興奮を覚えていました。
角丸刈りに整えられた頭に、薬液を思い切り塗りたくられると、
もう後戻りができないという状況に、感じてしまっていました。
そして、変にクセになりそうな匂いを放つ薬液がたっぷり染み込み、従順になった髪の毛を、
細いコテで一からじっくりとクセづけられていくころには
座った目をなんとか保ちながらも、内心は完全にブッとんでしまっていました。
コテをあてられるたびにするジュッと髪の焦げる音と匂い、
その度に確実に、体に刻み覚え込まされて行く、味わったこともないような激しい興奮、
鏡には、淡々と作業を進める理容師の手により、着実に、極道の如く変化させられていく自分の姿。
気づけば痛いくらいに勃起し、ガマン汁は際限なくだらだらとこぼれ
ズボンの中はグチョグチョになってしまっていました。

550名無しさん:2007/11/09(金) 20:31:57
その後の顔剃りでは、
当たり前のように有無を言わさず
眉と額の両端を、ジョリッ、ジョリッと音を立てながら容赦なくしっかり剃り込まれ、
最後は、床屋独特の匂いの油をたっぷりつけられ、丁寧にセットされました。
鏡の中に映るビシッと仕上げられた俺の姿は、
ガチガチにきつくパンチをあてられ額に派手にソリを入れられた、
数時間前とは全くの別人にされてしまっていました。
理容師から鏡越しに「お客さァん。パンチ、お似合いですねぇ。」と静かに低い声でニヤリと言われると、
俺のマラは限界寸前になってしまい、
”こんなことをしてイきそうになっている俺を、ここにいる極道の兄貴達とこの理髪師に弄ばれ廻されたい”
と考えるまでになってしまっていました。
なんとかガン立ちのマラを隠して店を出た後、
そのまましばらく繁華街を歩き、人が次々と目線を反らしていくのを感じていると
興奮は一層増していきました。
そして、近くにあるヤクザ御用達というサウナに入り、
刺青兄貴達を鏡越しに見ながら抜き、帰路につきました。

551名無しさん:2007/11/10(土) 23:45:58
やっぱオリ徒とかSSにだしたらたたかれるんかねー
それよりも876たんの文章力が高すぎて、マネすらできねー
とりあえず書いてる人たちGJ

552名無しさん:2007/12/30(日) 16:33:07
>>551
面白かったら良いと思う

553名無しさん:2008/04/11(金) 02:04:14
Back to the other world続きマダ?

554名無しさん:2008/06/02(月) 14:17:01
エロパロはあっちか

555名無しさん:2008/06/02(月) 16:58:57
エレガントに「某所」とお呼びあそばしませ

556名無しさん:2008/09/01(月) 23:22:27
>>553に同意

557忘却そして起こる奇跡:2008/09/17(水) 00:24:25
どうも1年前に忘却そして起こる奇跡を書いてたものです。
就活で完全に書いたものの存在忘れてました・・・
自己満足のオナニーみたいな駄作に色々助言を下さった方有難うございます。
久しぶりに自分のを読んで何だかもう一度書いてみたくなったのですが、
見苦しいとは思いますがまた更新してみようかな何て思ってます。
ところでオリ徒は叩かれちゃうようですが出してもよろしいでしょうか?

とりあえずシャナ読み返してきますね。

558名無しさん:2008/09/17(水) 15:09:38
おかえり
創作スレなんだから面白ければ何でもいいと思うんだぜ

559名無しさん:2008/09/21(日) 21:50:21
忘却(ryの作者です。
何だか文字の間違いや「。」や「、」が入ってないのが多いので修正してから出す事にします・・・

560名無しさん:2008/11/27(木) 20:23:52
ココを見ている者はおるか!?

561名無しさん:2008/11/29(土) 17:52:29
ノシ

562名無しさん:2008/12/06(土) 14:24:59
ノー

563名無しさん:2009/01/01(木) 04:11:10
と言う夢を見たんだ。

564名無しさん:2009/02/02(月) 03:09:06
ここの活気は失せたようだ

565名無しさん:2009/02/03(火) 21:43:43
この手のスレが伸びるのは
元のストーリーが序盤で空想の余地がある内だからな

566名無しさん:2009/02/07(土) 16:44:46
もう終盤に差し掛かってるし、難しいだろうな

567名無しさん:2009/03/30(月) 07:06:21
最近シャナのSSを読んでみようと、検索しているんですが全然みつからんorz
そこそこ人気ある作品なのにあまりないのね、なんでだろ。

568名無しさん:2009/04/28(火) 19:46:32
SS少ないのは設定が堅実だからかね

どうでもいいが、折角書いたエロSSがエロパロ板で規制されてたから時間の無駄だったorz

569名無しさん:2009/08/21(金) 18:35:35
(゚д゚ 三 ゚д゚) 誰か見てる? 投下とか待ってる?

570名無しさん:2009/08/22(土) 20:40:49
電柱┃_・)ジー

571名無しさん:2012/02/03(金) 14:52:02
こんなところあったのか

572Back to the other world:2012/02/24(金) 00:45:15
〜83〜


“あの日”以来、その光景を、私は何度も、夢に見た。
今もまた、その夢を見ている。
何百年もの間、何千回と見ているから、もう夢だと分かるようになってしまった。
それでもなお、見続けるのだ。

崩れた城壁。
立ち込める煙と燃え盛る炎。
屍を踏みしめる感触。
そして、傷ついて血のにじんだウエディングドレス。
私は彼女を止めようとするのだ…それが無理と分かっていて、なお。
そして、彼女は、そんな私の気持ちを、全て悟って、言うのだ。
「さようなら、ヴィルヘルミナ、ティアマトー。あなた達に、天下無敵の幸運を」
そして、手の届かない彼方へと、去っていく…


おかしい。
いつもは、ここで彼女が去っていって、夢から覚めるのに。
今日は、まだ私の前に立ったままだ。
どういうことだ?


いきなり、彼女が炎の刀を手に、私に切りつけた。
意味が分からない。
呆然としていると、彼女の身体がグニャリと変形し、奇怪な化け物の姿に変わった。
私は腰を抜かし、その場にへたり込んだ。
化け物はジリジリと私に近づいてくる。
私は立つこともできず、ただただ怯えた。
化け物は口を大きく開けた。
そして、気色の悪い粘液を垂らしながら、私を食らおうと、一気に迫ってきた…

573Back to the other world:2012/02/24(金) 00:46:32
〜84〜


「キャァァァァッ!!!!」
「ひゃあっ!?」
ドッシーン!
猛烈な絶叫、そしてそれに驚いた声と、驚きのあまりイスから転げ落ちた音が、次々に鳴り響いた。
「はぁ…はぁ…はぁ…はぁっ」
絶叫の音源―――ヴィルヘルミナ・カルメルは、真っ青な顔をしながら、苦しそうに息を吐いていた。
「…?」
手元を見ると、両手は白い布を握り締めており、そこで初めて、自分が白いシーツのベッドに寝かされていることを理解した。
同時に、服が冷や汗でびしょ濡れになっていることも知った。
「こ、ここは、一体?」
ヴィルヘルミナは辺りをゆっくりと見渡す。
見たところ、何の変哲もない、ただの洋風寝室であった。
その時、
「痛たたたた…」
「!?」
ふと、下の方から声が聞こえ、ヴィルヘルミナはそちらの方を向いた。
そこには、彼女の絶叫に驚いて声をあげ、イスから落下したと思われる人物が、痛そうにお尻をさすっていた。
髪の毛は肩までのショートカットで、胸の膨らみがやや大きめの、セーラー服を着た女の子だった。
その人物の顔に、ヴィルヘルミナは見覚えがあった。
確認するために、顔を近づける。
「むっ…貴女は」
「あっ!?」
二人の目が合った。
すぐさま女の子が、心配そうな顔で問いかける。
「だ、大丈夫ですか?物凄い叫び声でしたけど…」
言われたヴィルヘルミナの方は、問いかけには答えず、
「吉田…一美嬢で、ありますな」
と、相手の名前を確認した。
「は、はいっ、その通りです」
やや緊張した返事が帰ってきた。

574Back to the other world:2012/02/24(金) 00:47:24
〜85〜

御崎市は、一級河川・真名川を境に、南北に分けられている。
南部は近年市街化が進んだところで、街の玄関口、御崎市駅があり、真新しい建造物が並ぶ。
一方の北部は、市内最高峰の御崎山、またその中腹にある御崎神社を中心とする、古くからの由緒正しい町並みが広がっている。

その北部でも、ひときわ大きく、そして格式高そうな雰囲気を醸している建築がある。
ヴィルヘルミナは、その屋敷にまだ数箇所あるだろう寝室のベッドに寝かされていたのだった。

「あの…どうぞ」
吉田は茶色い液体が注がれたティーカップを差し出した。
「これは?」
「ハーブティです。気分が落ち着くと思って、淹れてみました」
「む、かたじけないであります」
礼を言って、ヴィルヘルミナはティーカップを受けとり、口をつけた。
そしてカップを小さく傾け、少しの量を喉に流し込んだ。
ミントの爽やかな香りが、ゆっくりと全身に染み渡っていくのが分かる。
ヴィルヘルミナはカップを口から下ろすと、底を左手で支えながら、ゆっくりと、大きく息をはいた。
「ふぅ…」
そのままヴィルヘルミナは、遠い目をしながら黙ってしまった。
その様子に、ヴィルヘルミナのことを「厳しそうな人」と思っている吉田は、不安になる。
「あ、あの、もしかして、味が変だったりしましたか?」
「…いえ、そのような気遣いは無用であります」
無表情なまま、ヴィルヘルミナは返事をした。
「そ、そうですか、よかった…初めて淹れたお茶だったので」
「それよりも」
「えっ?」
「なぜ貴女が?」
御崎山で気絶したところまでは記憶があったが、その先どうなったのか全く覚えがなかった。
この屋敷のことは、以前来た事があったので知っているが、何をどう巡って、自分がここで寝かされているのか。
そして、なぜこの少女が自分の看病をしているのか。
当然の疑問を、ヴィルヘルミナは口にした。

575Back to the other world:2012/02/24(金) 00:48:02
〜86〜


「ええとですね…」
吉田は、ゆっくりとした口調で、質問に答えた。
「今日のお昼過ぎ、体育の授業中に、突然御崎神社の方で大きな音が聞こえて…で、しばらくしたらシャナちゃんがいなくなってて…」
今日の午後、突然降って沸いた、あまりに沢山の出来事を、一つ一つ思い出しながら。
「「あれ?」と思ったその途端、佐藤君と田中君がマージョリーさんに呼ばれました。私も迷わず二人についていきました。坂井君の様子も、朝から変でしたから…」
「むっ、うっ」
吉田の最後の言葉を聞いた途端、ヴィルヘルミナはまた気分が悪そうな表情になった。
「か、カルメルさん、だっ、大丈夫ですか?」
ヴィルヘルミナの様子を見て、吉田が心配そうにベッドに体を近づけた。
「む…、問題ないのであります。ただ…」
「ただ?」
ハーブティを一口すすり、ヴィルヘルミナは吉田の方を向いた。
「…吉田嬢、一つ、質問させていただくのであります」
「はっ、はい、何ですか?」
そして、「核心」を突いた。
「貴女は…学校で、「見た」のでありますか?坂井悠二の傍らにいるものを」
重厚なヴィルヘルミナの視線と語気に、吉田は恐れを成しつつも、答えた。
「…いっ、いえ…学校では見ませんでした」
「…そうで、ありますか」
ヴィルヘルミナは安堵の表情を浮かべ、再びハーブティーのカップに手を伸ばした。
が、口をつけようとしたその瞬間、今の言葉に違和感を覚えた。

(…「学校では」?)

576Back to the other world:2012/02/24(金) 00:52:34
〜87〜


「っまさか!?」
ヴィルヘルミナはカップを素早く机に戻した。
ガチゃ、という音とほぼ同時に、両目を大きく見開き、吉田の方を向いた。
「あっ、うっ、えっ、その…」
吉田は、今までに聞いたことのないヴィルヘルミナの大きな声と、感情を露にした表情に対し、恐怖から言葉が出せなくなった。
「「見た」ので、ありますな!?」
「うっ、はっ…」




「全く、いたいけな女の子を泣かすなんて、感心しないわよ」



突然、部屋のドアから、別の声が飛び込んできた。
「!?」
ヴィルヘルミナはドアの方に顔を向けた。

577Back to the other world:2012/02/24(金) 00:54:11
〜88〜

そこには、女性が立っていた。
ヴィルヘルミナは、ゆっくりと、女性の全身を、足先から、見回した。


黒い靴。
金色の拍車、鎧帷子。
裾長の胴衣。
黒いマント。

そして…紅い、艶やかな長髪。


「…改めてお久しぶり、ヴィルヘルミナ、ティアマトー」

「…」

女性はヴィルヘルミナと、もう一人の女性(先ほどの吉田とのやり取りもすべて聞いているが、あまりの感情の高ぶりに、普段以上に押し黙っている)に、声を掛けた。


ヴィルヘルミナは、最後に、瞳の色を確認しようと、女性の顔を見ようとした。
色は確認できた。
しかし、それ以上は、確認できなかった。

色を確認した途端、視界が、うっすらと、ぼやけてきた。
まもなく、ぼやけた目元から、一筋、二筋、頬を伝う感触。

女性はゆっくりと、ヴィルヘルミナに近づいた。
吉田は、女性と入れ替わるように、ハーブティのポットとカップを携えて、部屋から出て行った。
まだ「非日常」と関わり始めて日が浅い少女も、何となくではあるが、感じ取っていた。
時を同じくしてはいけない雰囲気を。

578Back to the other world:2012/02/24(金) 00:56:50
〜89〜


ヴィルヘルミナは、もう、目元から溢れるものを、止めることが出来なくなっていた。
「…ふっ、くっ、うくっ」
言葉を掛けたいのに、言葉が出てこなかった。

そんな旧友の様子を見て、女性ーーーマティルダ・サントメールは、
「…本当に、実は泣き虫なところも、変わってないのね」
一言つぶやいて、旧友ーーーヴィルヘルミナ・カルメルの身体を、

「…よしよし」
その両手で思いっきり、抱きしめた。

「…うっ、ううっ、うぅっ」
何百年ぶりの、友の抱擁。

じっくりと、しかし確かに、伝わってくる体温。

ヴィルヘルミナは、溢れ出る感情を抑えつつ、やっとの思いで、声を掛けた。

「本、当にっ…うっ、なんっ、て…」
「んっ?」

「なんっ、ひっ、てっ…自分、勝手な、人っ…貴女は、いつも、いつもっ」
せっかく綺麗に直ったメイド服をまた涙でビショビショにしながら、ヴィルヘルミナが詰問の言葉を繋いだ。

「あ…ははっ、まっ、まぁね」
マディルダは、今まで仲間に対してやってきた自分勝手な好意を少し申し訳なく思いつつも、悪びれる様子もなく、笑いながら答えた。


と、そこで、今まで一言も話さなかった、もう一人の旧友が、ようやくとばかりに口を聞いた。

「一期二会」

579名無しさん:2012/02/24(金) 07:49:03
続いた・・・だと
お久しぶりGJだ!

580234:2012/02/25(土) 01:02:43
まずは、投げ出してしまって、本当に申し訳ありませんでした。
実に6年半ぶりの投稿です。
ふと思い立って、去年の5月ごろに書いたssの続きを載せてみました。
しかし、まさかこんなに早く、レスがあるとは思いもよりませんでした。
しかも、GJと言って頂けるとは(感涙)

いろいろ考えましたが、未だに読んでくださっている方がいるということ、
加えて、やはり、文章は完成してこそ輝きを放つ、と思いましたので、
どれだけかかるか分かりませんが、何とか完成をさせたいと思います。

気がつけばシャナも原作は完結、アニメも第3期まで来ていました。
このSSを書き始めたころは大学生だった僕も、今年社会人になりました。
隠してもばれるので正直に申し上げますが、結局シャナは13巻以降、読んでいません。
しかし、今さら全巻読むよりも、これまでのこのSSの流れのままに書いたほうが
すんなり書けそうな気がしますので、これまで読んだ分のみ、原作に沿おうと思います。

もし13巻以降の内容と一致しないところが出てきたら、
「パラレルワールド」の出来事ということで、何卒ご容赦ください。

581Back to the other world:2012/02/25(土) 01:08:11
〜90〜

時刻は、18時になろうとしていた。
「はぁ、しっかし、まさか私が、この部屋でこっち側に立つなんてねぇ」
佐藤家のバーカウンターで、マージョリーはひとりごちた。
普段は反対側のカウンターに座って一人で飲んでいる彼女が、この日はバーテンダーの側に立って、客人をもてなしていた。
「ヒャッハッハ、なかなかお似合いだぜ、我が尊大なるホステス、マージョリードブッ!?」
「お黙り。ここはギンザやロッポンギじゃないのよ」

「フフッ、相変わらずね、お二人さんは」
マルコシアスとマージョリーの掛け合いを見ていたマティルダが、頬杖をつきながらにこやかに言った。
「私は長いことアジアにいて、「大戦」前にヨーロッパに行ったから…あなたとは、ちょうど入れ替わるように活動拠点を移したんだったわね」
「ん、そうなるかしら」
「ゾフィーは残念がってたわよ。「あの女傑がいれば、もう少し楽に戦えるのに」って」
「ふん。知ったこっちゃないわよ。あんな口うるさい婆さんのことは」
「ヒヒッ、口じゃこんなこと言ってっけど、「大戦」終わった後、真っ先にあの婆さんのとこに駆けつけて見舞ったのは他ならぬお前だよなぁブッ!?」
「あれは単なる社交辞令よ。ところで」
マージョリーは、仕切り直しとばかりに、カウンターをトン、と手で叩き、マティルダに向き直った。

「「炎髪灼眼」アンタに一つだけ、聞いておきたいことがあるのよ」
「何かしら?」
マティルダが尋ねると、
「アンタのいる「あの世」に」
マージョリーは一転、

「銀色の炎を持つ”徒”はいるかしら」

怒りと憎しみを奥に秘めた表情で、マティルダに顔を寄せ、尋ねた。

「…いいえ。少なくとも私は見ていないし、「あの世」でその気配を感じたこともないわ」
その視線に全く臆することなく、マティルダは答えた。
「…フッ、そう」
答えに満足したのか、マージョリーは一言つぶやいて、天を仰いだ。
「まぁ、アイツがそう簡単に死ぬとも思えないし。あくまで念のため聞いてみただけだけど。安心したわ」
「ヒャッヒャ、これでおめぇのブチ殺しの旅はまだまだ続くってぇわけだ、我が麗しのゴブレット、マージョリー・ドーよぉ!!」
「当たり前よっ!」

582Back to the other world:2012/02/25(土) 01:17:30
〜91〜

満足ぎみのバーテンダーを横目に見つつ、
「さ、そろそろ乾杯と行きましょうか。ねぇヴィルヘルミナ?」
マティルダは、隣に座るヴィルヘルミナに声を掛けた。
「う、む」
しかし、ヴィルヘルミナはマティルダをチラリと見ると、すぐに向き直り、何も入っていないタンブラーを見つめた。
旧友のよそよそしい態度に、マティルダは少し訝しげに問うた。
「どうしたのよ、さっきから、やけに静かね」
「もともと口数は少ない方であります。それに…」
「それに?」
「…まだ、今ひとつ実感が沸かないのであります…貴女が、隣に居るという実感が」
タンブラーを両手で覆いながら、ヴィルヘルミナが答えた。

583Back to the other world:2012/02/25(土) 01:24:13
〜92〜

「…ねぇマスター、こんな夜に、良さそうなお酒ってある?」
少し重苦しくなった空気を変えようとしてか、マティルダがマージョリーに向かって、茶化すように言った。
「私たち3人の、この再会を祝うのに、ピッタリのお酒って、ないかしら?」

「・・・まぁ、あるっちゃ、あるわね」
客の注文に答えると、マージョリーは、『グリモア』から、一枚の栞を抜き取った。
そして、
「はぁっ!!」
栞を床に投げつけた。
たちまち群青色の火の粉が飛び散ったかと思うと、一つの木樽が転がり出た。
「…本当に、この酒を飲む時が来るなんてねぇ」
感慨深そうに言いながら、マージョリーは樽をカウンターに揚げ、指で穴を開けた。
ポン、という小気味よい音と共に、十分に発酵したブドウと、ホワイトオークの香りが溢れだし、部屋にいる者たちの鼻腔をくすぐった。
「ん・・・いい香り。なかなか上物ね」
久しぶりの、地上の酒の香りに、マティルダはうっとりとした表情を浮かべた。
マージョリーは樽をラックに置くと、あらかじめ出しておいたデキャンタに、赤黒い液体を注いだ。

「で、このワインが、どうしてこの夜にふさわしいのかしら?」
マティルダが尋ねた。
ヴィルヘルミナも訝しげに樽を眺めていたが、

「!」

まもなくその意味に気づき、絶句した。

584Back to the other world:2012/02/25(土) 01:26:23
〜93〜

「何に気づいたの?」

「年号」

マティルダが問うと、ティアマトーが、先にヘッドドレスから答えた。
その言葉だけで、マティルダもすぐにその意味に気づく。

「…まさか」
マティルダは樽の側面をじっくりと見回した。

ワインの樽に焼入れされる文字といえば、大体決まっている。

仕込んだ年。
ぶどうの品種。

そして…もう一つ。

「そのまさかなのよねぇ」
デキャンタージュしながら、マージョリーがつぶやいた。

「うそ…」
マティルダは、あめ色に染まった樽の側面を見つめながら、絶句した。


この樽には、その最後の一つが。


「産地」が、


記入されていなかった。


いや、正しくは、記入されていたはずの部分が、不自然な空白となっていた。

585Back to the other world:2012/02/25(土) 01:28:10
〜94〜

「マージョリー、あなた、これをどこで手に入れたの?」
さすがのマティルダが、興奮気味にマージョリーに尋ねた。
「あの婆さんに託されたのよ。「あなたなら大事に飲んでくれそうだ」って。全く、こんな縁起でもない、辛気臭い酒、おいそれと飲める訳ないでしょうが…と思ってたけど」
言いながら、マージョリーは後ろの棚からワイングラスを3個、取り出した。
「まさか、こうして飲む日が来るとはねぇ」
マージョリーはカウンターテーブルに手際よくグラスを並べ、デキャンタージュを終えたワインを注いだ。
注がれる液体を見つめながら、カウンター席の両人は、昔に思いを馳せていた。


そのワインは、15世紀に仕込まれたものだった。
作られた場所は、今は地図には載っていない。
いや、それどころか。
今や、彼女たちを含めたフレイムヘイズか、”紅世の王・徒”達しか、その存在を知らない。

町ごと、この世から完全に消滅してしまったのだった。
一人の”紅世の王”の、愛ゆえの悲しい”暴挙”によって。

「町は消えたのに…ワインは、残ったのね」
グラスを手にとり、マティルダがつぶやいた。
「作ったワイン職人が、たまたまあの日出かけてて、生き残ったってだけよ」
マージョリーは、ゾフィーから聞いた逸話をそのまま話した。
「ホント、勝手なことするわよねぇ、誰も彼も」
かつて戦った、その”暴挙”の主をはじめ、幾多の敵のことを思いつつ、マティルダが言った。
「貴女が言えた口でありますか?」
「傍若無人」
すかさず、ヴィルヘルミナ、ティアマトーが突っ込みを入れた。
「だからゴメンってば。まっ、ヴィルヘルミナもだいぶ調子が戻ってきたみたいだし、今度こそ乾杯しましょ」
マティルダがグラスを掲げた。
それに合わせ、マージョリーとヴィルヘルミナも、グラスを掲げる。

586Back to the other world:2012/02/25(土) 01:33:43
〜95〜

「じゃ、ここはヴィルヘルミナに音頭を取ってもらおうか」
いきなりのマティルダの提案に、
「むっ、な、何故でありますか」
ヴィルヘルミナは困惑気味に答えた。
「だって、こういうときの音頭取りはいっつも私ばっかりだったじゃない。たまには貴女がとってもいいんじゃない?」
「し、しかし…こういう事は不得手であります」
「緊張焦燥」
「何、たまにはいいじゃないの。それに」
音頭取りを拒否するヴィルヘルミナの手をとり、マティルダは一言いった。

「最初で最後だから、ねっ」

「うっ…」
言葉が、一瞬、重くヴィルヘルミナにのしかかった。
この何気ない一言が、改めて彼女の心に突き刺さった。

この再会は、永遠ではない。
最初で最後。
それを思い知らされる一言だった。

587Back to the other world:2012/02/25(土) 01:41:15
〜96〜

でも。
ヴィルヘルミナは、もう、それ以上は考えなかった。
彼女と、再び会えた。話せた。
ヴィルヘルミナにとっては、それだけで十分だった。


彼女を失って、幾百年。
新たな討ち手を養育する事に、自分のすべてを賭けた。
そして、彼女を受け継ぐに足る、立派な討ち手が育った。
それは、最高に喜ばしいことだった。

しかし、その間、心の奥底で、何かが引っかかっていた。
何かが、心を締め付け、疼かせていた。
そしてとうとう今日、その心の疼きが、この不可思議な事件のせいで、全身を飲み込むまでに大きくなった。
でも、数百年ぶりに親友と本気の喧嘩をして、疼きは収まった。
引っかかっていた何かが吹っ切れ、スッキリとした。

「む」

この出会いに、感謝しよう。
これが、たとえ一度きりの再会だったとしても、私は、もう嘆かない。
そう、今この場所こそが、私にとっての、因果の交差路なのだ。


「では、僭越ながら」
ヴィルヘルミナは、イスから腰を上げると、グラスを大きく掲げ、乾杯の文句を唱えた。



「この奇妙な再会に、そしてこの再会の酒を育んだ地、オストローデに、乾杯」


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