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長編UP専用スレッド 2

280有閑名無しさん:2013/12/17(火) 22:16:41
「まるで脱兎のごとく逃げてしまいましたわ。私、止めたのですけど」
剣菱邸に見舞いに来た清四郎。もぬけの殻のベッド。先に来ていた野梨子が一人悠理の部屋で待っていた。
「全く…あれほどじっとしておくように念を押したのに」
「悠理、相変わらずの食欲でとても元気そうですわ。幽体離脱がどういうものか
分りませんけど、そこまで安静にしなきゃいけませんの?」
「生死の境を行き来するわけですから、心も身体も相当消耗します。
いくら体力があるといっても休まなければ後でガタが来ます」
「でも、なんだか、その」
「ん?」
「悠理が嫌がるのも無理ありませんわ。ここ数日の清四郎はちょっと」
「何ですか?」
「過保護というか、世話を焼き過ぎです」
「鬱陶しいですかね」
悠理が倒れてから、清四郎は剣菱邸に泊りこそしないものの足繁く悠理の元へ通った。
勉強を教え世間話をして、寝静まるのを見届けるだけだったが幼馴染の変貌に野梨子は
驚きと不安を覚えた。
「一体何がありましたの?悠理の憑依体験は今に始まったことではありませんわ。
何がそんなに清四郎を駆り立てますの?」
「いつもの事と軽く考えてはいけませんよ。悠理だって普通の少女だと言ったのは野梨子です」
「それはそうですけど…もう、力が有り余って仕方ない状態ですの。
学校は行ってもいいんじゃありませんの?却ってストレスが溜まりますわ」
「それはそうですね。でも僕の気持ちが…」
「清四郎の気持ち?」
「僕の気持ちがおさまらないのです。悠理を失うかもしれない
あの時の恐怖を思うと僕は…」


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