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ドラゴンレポート「西方白龍録」
26
:
パイロン
:2022/04/30(土) 22:10:06 ID:iEfLuyXU0
そして、改めて百足の家族のほうに向き直り、対峙する女性。
キョウカはこの女性に見覚えがあるらしく、一番先に沈黙を破ったのだった。
「…貴女、見覚えがある。…もしかして、清姫?」
「ええ、そうよ。清姫よ。
でもその妹ね、私は。堕ちる姫と書いてダキ、とでも呼んでもらいましょうか。」
「……ダキ?」
「……清姫?の妹?」
「清姫……。ふとしたきっかけで出会った安珍って名前の僧侶に恋をするのだけど、清姫の余りにも重い愛情がエスカレートしたために、相手に避けられたのよね。
その怨念から蛇に変身し、その相手が逃げ込んだ寺まで追いかけた。そして、そこにある鐘の中に隠れていた安珍を鐘に巻き付いて鐘の外から焔で焼きころした。
…そういう人だったわね。貴女のお姉さんは。」
キョウカは簡単にダキの姉についての伝承を口にした。それを聞いたダキは怪しげな笑みを浮かべる。
「……御名答。そうね、姉様はそうだったわ。まあ、私も似たようなものかしら?姉様が蛇として覚醒した影響で私も蛇になったんだから。
そういう貴女達は……三上山に居た大百足。その弟の家族のようね。」
「まあ、そんな感じよ。それはそうと、アンタ、どうしてここに?」
「あら、調べさせて貰ったのよ。貴女達のことも、この龍の男のこともね。ギルドには少ない東洋人だから、見つけるのはとても簡単だったわ。
それに、この旧鉱山跡で暴れまくっている貴女達大百足が目立たないわけないでしょう?私だって蛇だから、対立する敵……百足の事くらいちゃんと調べているわよ。
貴女達、今の龍と百足の休戦状態、納得いかないし暴れたいんでしょう?私もなの。姉様と共に私も暴れ回りたい。利害は一致していると思うけどね。」
「ま、まあ……それはそうだけど。」
「そして、そんな貴女達を倒すべくここへやってきたギルド所属の冒険者達。その中に、この龍の男を見つけたの。
そして、姉様の復活のための依り代に、この龍が使えると思ってね。貴女達を利用しようと思ったの。そして、上手く行った。
貴女達と対峙しているこの男の隙をついて捕える事が出来たわ。
……東の国と東の大国、蛇と龍という違いはあるけど、姉様と同じ「嫉妬深い蛇」と言える、依り代として使える男を、よ。」
気絶したパイロンを抱きしめたまま、そう捲し立てるダキ。時折、不敵な笑みを浮かべている。
「その龍が居れば、アンタの姉さんは復活できるんだな。」
「そう、その通り。この男には、しっかりと幻覚と呪縛の呪いを植え付けてやったわ。
精神を強く蝕む種類よ。どんな屈強な男でも、精神を粉々に砕かれたらもう赤子以下。
さらに、この呪いの力を超えるほどの心の支えが無ければ、たとえ呪いをかけた私がしんだとしても、一生しぬまでこの呪いは解けない。
この男も、白龍と言えどまだまだ坊や。簡単に呪いをかけてやれたわ。」
「なるほど、すげえや。」
「……って、ダキさん!そいつ、意識を取り戻してる!」
「…なに?……って、うぐぇぁ……っ!!」
「くそっ……あの龍め……!」
「勝手に話を進めやがって……、テメェの姉の復活の触媒にされるのなんかごめんなんだよ。」
いつの間にか目を覚ましていたパイロン。慌ててムカゴがダキにその事を伝えるものの、パイロンの裏拳による攻撃がダキの顔面に命中した。
そのスキをついたパイロン。ダキの拘束から逃れて、黒い靄と共に姿を消した。
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