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ドラゴンレポート「西方白龍録」

24パイロン:2022/04/30(土) 22:06:40 ID:iEfLuyXU0
…今は、たとえ一方通行の気持ちだとしても、たとえ束の間の時間だとしても、彼女が俺を少なからず見ていてくれるのなら、この幸せと縁をずっと大事にしていきたい。

それが今の俺の望みなのだから。


どんなに苦しくても頑張れたのは、貴女が居たから。

だから、貴女と想い合えなくても、ずっと貴女を忘れない。

そして俺は歩いていく。涙の道を、涙の旅路を。







「……パイ君!」

「……ロン!」


再び聴こえた想い人の声。

新たに聴こえた気になる人の声。

その二つの声が聴こえた瞬間、視界には黒い靄がすぐにかかり、世界の動きが止まる。


「これは…また時間が止まっているのか…」

「そうよ、パイ君。厳密には、パイ君はこの力が発現したばかりで、まだ自分では上手く使いこなせてないからね。」

「だから、ロンの記憶の中にある俺達の声と性格、姿を借りて、ロンの持つ第六感が一緒にサポートしてるって感じだな。」

「それはそうと、後ろを見てみて。さっきに続いてパイ君は危ない所だったんだから。」


そう言われて後ろを振り返ると、そこに見えたのは大百足の尻尾。

そして、そこを足場にして、今まさに後ろから俺のほうに飛びかかってこようとしている女の姿がそこにあった。


「な、なんだ、こいつ……この女、今まで居なかったぞ?」

「パイ君、あれを見て…あの大百足の目を……」

「あのムカデ、また一個、新たに目を閉じているだろ?」

そう言われて大百足のほうを見る。たしかに…先程まで見開かれていたはずの右側の一番端の目が今は閉じられていた。

恐らく、この目玉を変化させた新たな分身なのだろう。


「また不意打ちか…やる事が全くおんなじだな。」

「それよりも、この敵にどうやって対応するの?」

「そうだぜ、今のこの状況、どうやって回避するんだよ!」

「それなら、いい考えがある。アイツらの目論見通りに、一度やられてやるんだよ、油断させるためにな……」

「わかったよ、パイ君。でも、気をつけてね。」

「ああ、そうだぞロン。必ず俺達が助けてやれるとは限らないんだからな?」

「わかったよ、気をつける事にする。じゃあ、早速戻ることにするさ。」

「わかったよ、気をつけてね…パイ君。」

「頑張れ…ロン。」

「ああ、じゃあ二人とも、言ってくるよ。」


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