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アイシャの時間
20
:
アイシャ
:2022/09/02(金) 19:59:46 ID:K7WIUzZ20
『四精鎧魔龍』⑥
「んっ……んんっ…」
次にアイシャが目を覚ましたのはベッドの上だった。受けていた試練のせいなのか気分が酷く重たい、倦怠感と気分の悪さが全身を支配している。
「…っ!!」
強烈な嘔吐感に口元を押さえてベッド上で身をよじる。
身の毛もよだつ体験というものは、今までの生において幾度か味わってきたが、殺され続けるという体験は流石になかっただけに、今回の試練が実に壮絶な物だったと後にアイシャは語っている。
「…アイシャ…」
アイシャが目を覚ましたのを感じたのか、ドアをあけてジーナが室内に入ってくる。
「ジーナ……様……っ!!!!!」
申し訳なさそうな顔をしていたが、アイシャの怒りは一気に最大メーターをふりきり、拳を握って殴りかかろうとベットから飛び出す。が、震える足で立位を保持いることがだきずに床に崩れ落ちそうになる。そのアイシャを、ジーナが寸前で抱きかかえる。
「すまなかった!許してほしいとは言わんが、すまなかった、それだけし言わせてほしいのじゃ…」
抱きしめられてジーナの言葉を聞く。抱きしめる腕をふりほどくこともできずに言葉に耳を傾ける。
「まずは試練の内容は…女王陛下からの命令でもあったのじゃ」
「女王…陛下…」
突然出てきたビックネームにアイシャの思考が一瞬停止する。
女王陛下、とはいってもサキュバス族全員の女王というわけではなく、アイシャならアイシャが所属する部族の女王、サキュバスとして大きなくくりではなくて種族の長であり、現代で言えば県知事という形に近い。
「人間界で旅をしているお前のことを、陛下はとても気にして気に入っているのじゃ、今回の試練も、前が人間界で培ってきた愛を試したい、そう申されていての試練の難解さであったとわかってほしい、ドラゴンの力を手にするのと相まって、お前にはあのような試練を受けてもらったのじゃ…」
言葉がたどたどしい、あれほどの難しい試練を受けさせてしまった後ろめたさもどこか感じる。
それからしばらく、アイシャはジーナに抱きしめられながら説明を受けていた。
アイシャがフルドラゴンの技名や弱点を知っていたのは、じつはアイシャの死亡回数がかかわっていたのだ。
死亡するたびに、少しずつキーを通してスペックや弱点等の情報がアイシャへと流れ込んでいてらしく、幾度となく繰り返しているうちに、少しずつ勝利へと近づいていく仕様だったのだが、本来そこまでいくのに死ぬ続ければならない回数は数百を超えており、一桁の死亡回数でそこまで到達したのはジーナいわく奇跡の部類らしい、アイシャが一瞬だけみたラング達の幻影との会合はジーナも知らなければアイシャも覚えていない。愛のなせる業、といった所である。
「お主が最後に感じた頭痛は、キーから残りの情報が一気に脳に流れ込んだことにより、情報処理に脳が対処しきれなかったものだと考えておる」
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