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アイシャの時間
16
:
名無しのキャスト/お客さん
:2022/05/18(水) 10:50:13 ID:K7WIUzZ20
『四精鎧魔龍』③
「はっ!!??」
アイシャは目を覚ました。先ほどと同じ薄暗い森の中、不気味なまでに静まり返った周囲、重苦しい空気、最初にアイシャがたっていた場所と同じ森の中。
「私・・・・・・死んだはず」
胸部から放たれる超出力火炎放射『オーバーロードフレア』で塵にされたのは覚えている。だというのに自分はここにたっている。ここは死後の世界なのか?だがだとしても先程と同じ場所というのも説明がつきづらい。
先程の事は幻覚なのか?脳裏をよぎる言葉を自身が否定している。ほぼ一瞬だったが体に残っている熱の感覚、絶望的な力に蹂躙されて生命が終わった感覚、当たり前だがいい感覚とは全く思えない。
「はぁはぁはぁはぁ……」
青ざめた顔をして自分の体を抱きしめ、吐きそうになるのを堪えてうずくまる。
圧倒的な恐怖感が心を支配し、立ち上がって周囲を見渡す、逃げなければ奴がくる。
走り出してしばらくしたら奴が襲来した。自分と同じようなシルエットの影、殺意を身に纏っているようなオーラ。そしてすでに装着されているドラゴンアーマー、ここが先ほど違うという点には実に皮肉めいている。
「戦わないと…」
歯を食いしばり、こちらもドラゴンアーマーを纏って戦いに臨んだ。
尻尾の先端から放たれる冷凍光線によって体を凍らされ、尻尾で粉々に砕く『フリージングブレイク』。
翼に魔力を充填させて周囲に雷魔力を爆発的にまき散らし、攻撃を受けてとまった相手に収束させた落雷を落とす『ボルテックストラトス』。
腕甲の爪と地面の一部を分解して一振りの大剣を変換錬金し、超振動させたそれで両断する『グランドクエイクスラッシュ』。
ここまでで四度、アイシャは死ぬ度に最初の森の中に戻されている。
体をしっかりと残っている死んだ時の感覚、吐き気すら感じなく絶望的な感覚になりふり構わず走り出す。それは距離をとる等の行動ではなく完全に逃走だ。
「はぁはぁはぁ・・・・・・・・やっ・・・はぁはぁ・・・ごほっ、はぁ・・・」
構わない、死にたくない。その恐怖に襲われて呼吸すら定まらない。
死ぬ感覚はしっかりと残り、強者に挑み続けて勝たなければ試験が終わることはない。しかし相手は圧倒的な力をもっている。
終わることない無限地獄、まだ仮定だが勝てば終わることはわかっている。だがどうすればあの力の結晶体の様な相手にどうすれば勝てるのかがわからない。
「どうすれば・・・・・・いいのよ・・・・」
足が止まる、力なく腕が垂れ、震える膝が力なく大地に落ちる。
そうしてやつは迫りくる。かわらない殺意をまとい、圧倒的な力をもって、今回のアイシャの命も奪うのだった。
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