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冒険譚記入場

26名無しのキャスト/お客さん:2022/03/30(水) 08:08:55 ID:cnxNPAz20
 それは紛れもない女性の姿をしていた。本来の年はわからないが人間に当てはめるのであれば二十代後半ほどであろうか。顔は美しく整っており、貴族・王族らしい気品が溢れている。女性としては高めの身長で170㎝を超えているだろうか。プロポーションも抜群といってよい。全体的に細身だが臀部や胸は豊かに実っている。特に胸は爆乳と言っていいほど大きくGカップかそれ以上。見ているだけでも張り艶が感じられる。っと、ここまでは人間らしいのだが肌の色は一目で人外と分かる青色、頭髪は銀色に輝き、頭部からは羊の様な角が二本生えている。
 四肢には宝石で彩られた金色の腕輪や足輪をはめており、胸元や腰にも同様の装飾品をつけている。が、普通であれば隠すであろう秘所や乳房はほぼ丸出しであり、一切陰りのない割れ目や周囲より濃い藍色の乳輪や乳首を隠すことなく周囲にさらしている。儀式の光に照らされて怪しく光る魔神の肢体はとても官能的である。
 だが、レアニウスもその周りにいる仲間たちも、それどころか魔神を呼び出した張本人である教団員たちもその存在に畏怖していた。その人型の魔から放たれる存在感は圧倒的で歪なものであったからだ。

「妾の封印を解いたのはお前たちか?」

 静まりかえった遺跡で出現した魔神はそう、つぶやきながら目を開いた。闇の中でも輝く様な赤い瞳が教団の神官たちを、見つめ、次にその奥の冒険者たちに視線を移す。響き渡る声は鈴の音のように軽やかでありながら返事をするのをためらわせるような威圧感がある。

「そっ、そうだ。お前を長き封印から解き放ったのは我らグリザリア暗黒教団だ! さぁ、我らに従え!!」

 魔神の圧倒的な存在感に気圧されながらも虚勢を張るように神官長が叫ぶ。

「下らぬ事を言う・・・・・・長く封印を解いた代わりにお前などに従えと?そのような事するわけがないであろう。」

「なっ・・・・・・」

 復活させて張本人である神官長は唖然としたているが考えて見れば当然のことだ。封印という不自由な状態から解き放たれた所で服従という不自由な状況に落とされる事は誰も望まない。事前交渉もなしに封印を解いた者に絶対的に従うなど、封印した時点でそういった仕掛けを施しておくか、その存在がよほど義理堅くもなければ物語の中でぐらいしかありえない。

「だが、妾を自由にしたことは褒めてやる。褒美をやろう、何でも好きなことを言うが言い。」

 魔神の言葉に一時顔を見合わせる神官たち。だが、すぐに

「なっ ならば力だ! 力を渡せ! 天地を揺るがし、愚かな人間ども蹂躙する力を!!」

「わっ 私は命だ!不老不死だ!! 何があっても病まず、死なず、老いず、生き続ける命を寄越せ!!」

「おっ 俺は金だ! 金だ!! どれだけ使っても使い切れないほどの大量の金をよこせ!!」

三人の神官が口々に望みを言う。【力】【命】【金】確かに、どれもが人間が望む物。そしてどれもが人を動かし世界を変えうるものである。

「ふふふふ なるほど わかりやすい奴らよ。望みの物をくれてやろう・・・・・・」

 コロコロと手を口に当てて上品に笑うと魔神は手をかざして神官たちに向ける。

「まずは力を・・・・・」

「なっ!?まっ まて!!」

 そんな物がカルト教団員に渡されたらどんなことになるか分からない。レアニウスも仲間たちも慌ててそれを止めようと魔神に向かって動こうとするがそれよりも速く。

「うぉ!! こっ これが魔神の力か!!」

最初に手をかざされた神官に紫色のオーラが宿る。

「!?」

まとっている様子を見ているだけで分かる。その神官には今までにない力が宿っている。おそらく力だけでは人間の枠を超えているかもしれない。

「ハハハハハハハハハハハハ」

 その力に満足したかの様に高笑いを上げる神官。

「ほれ、次に命だ・・・・・」

 そう言って二人目、神官長に手をかざす。すると次の瞬間初老にさしかかっていたその神官長がみるみる若返り壮年を経て肉体も精神も最も充実しているであろう青年の姿へと変わる。また、その存在感そのものも増しており、魔神の事が本当であればこれ以降老いることも病む事も傷付く事もないのだろう。

「すごい・・・・・・素晴らしい!!」

歓喜に震える神官。試しとばかりに自分の手の平を軽くナイフで傷つけて見ると見る見るその傷口はふさががり跡形もなくなる。

「あははははははははは」

「うははははははははは」

【命】と【力】二つの人間の欲望の極みを手に入れた男たちは歓喜の笑い語を上げる。

 冒険者たちはその光景をただ黙って見ていることしかできなかった。

「さぁ、次は【金】だな・・・・・・」

そう言って魔神が三人目の神官に向き直った。その問

「ギャァァァァァァーーーー!!!」

遺跡に男の叫び声が響いた。


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