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【にじさんじ】月ノ美兎×樋口楓【かえみと】第469
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みとちゃんが自分の左手を眺めている。
さっきからずっと。
「みとちゃん」
「んー?」
生返事。
喜んでもらえたことに喜びはあるが、放置されるのは面白くない。
「みとちゃん」
みとちゃんの左手を取り、引き寄せる。
薬指に光る指輪。
「みとちゃんって指輪付けてたことあったっけ?」
「ないですね。はじめてです」
どこかぼんやりとした返答。
空気がむず痒い。
このままでは恥ずかしさに耐えられそうにないので、なんとかいつもの空気にもどしたい。
「でも美兎ちゃんのことやし、いつのまにか失くなってそう」
口にしたとたん、彼女が勢いよくこちらを向いた。
もちろんみとちゃんはその指輪を大切にしてくれるだろう。
ただ、大切にしていたからと言ってどこにもいかないわけではない。
それにそういう時こそやらかしそうなのがみとちゃんだ。
「いやだ」
彼女自身絶対に失くさないという自信が持てないのか、口調が弱い。
失くした時のことを想像してしまったのか、大きく開かれた瞳が微かに揺れる。
「ちょっ、大丈夫やって。指輪なんてめったに失くすもんちゃうし」
「かえでちゃんは失くしたこと無いですか?」
「……なくはなかったかもしれんけど」
「っ……」
揺れがひどくなる。
「指につけてたらどうしても外さなあかん時があるかもしれんから、チェーン通してネックレスにするとか!」
「まえ、可愛かったから買ってみたネックレス、いつのまにか無くなってた」
今にもこぼれそうだ。
「しまっておくとか!私もいるしなくなったりはしないはず!」
「持ってたい……」
もう無理かもしれん。
「あ!」
限界まで開かれていたと思っていた目がさらに大きく開く。
ついに涙がこぼれたが、表情は先ほどまでとは比べ物にならないくらい明るい。
「ありました!絶対に無くさなくて、ずっと触れていられる場所!」
先ほどまでとは逆に左手が引っ張られる。
彼女の薬指から指輪が抜かれ、私の小指に嵌められた。
隣の指に嵌まっていた、同じ意匠の指輪とぶつかる。
「ここなら安心ですね」
指輪と指輪の間に彼女の指が割り込む。
「離れることもないですし」
手を強く握られる。
「肌身離さずいられます」
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