したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

【にじさんじ】月ノ美兎×樋口楓【かえみと】第463

813物書きの壁:2019/05/07(火) 00:08:01 ID:???00
「み、緑の山、や」
「うおぅ、綺麗じゃないですかぁ」
私たちの前にガスコンロが届く。その上には何鍋か分からない位まで緑色の何かがそびえ立っていた。
「美兎ちゃん……この長い草、一体なんやの」
「んふふ、草て。ニラですよニラ」
教えてくれた本人も嬉しそうに写真を撮っていて、なるほど彼女からしても珍しいものなんだと理解する。
しかし、これはどう見てもニラとキャベツしか具材のない鍋に見えるのだが大丈夫だろうか。
「なあ、ほんとにこれモツ鍋なんよね」
「まあ言いたいことは分かる。でもここは店の人が言う通り大人しく待ってみましょう」
ジョッキ片手に上機嫌でけらけらと笑う彼女は、可愛いけどどこかおっさん臭かった。
私も真似るようにグレープフルーツサワーを一口含む。
……酸っぱぁ。なんでマンゴーのお酒が無いねん。こんな酸っぱいの最後までよう飲み切れんわ。

――楓ちゃんとモツ鍋食べたい。
――ええよ、私もモツ煮は食べられるようになったから行こか。

ちょっと前にそんな話をしたのを思い出す。でもまさか本場の福岡まで来れるとは。
しかもちょっと調べただけで老舗の古い居酒屋を幸運にも探し当てることができた。
これだけモツを食べることへ本気で取り組んだのは生まれて初めてのことだと思う。
「んくっ、んくっ、ぷはっ。うんまぁー」
「ちょ、一気に飲むのはやめぇや」
ああ、今回は私の方が先制して誘うことができて良かった。その時の美兎ちゃんの驚きようったら。
まあ『ちょっと打ち上げ行こうや』って新幹線に連れ込まれたら驚くのも無理はないけれど。
白い泡のヒゲにまみれた無邪気な笑顔を見ていると、いよいよ心のニヤニヤが止まらなかった。

そんなことを考えている間に具材の色が段々鮮やかになって、緑の壁がしなしなと降りてくる。
「うわぁ、めっちゃニンニクの香りがしますよ。においうめぇ」
「これは後でブレスケア必須やなぁ」
嗅覚だけで食欲を目一杯刺激され、早く食べたいという欲求がぐんぐん芽生えてくる。
夕方食べた天満宮のナントカ餅も重かったけど、この誘惑は満腹感すら跳ね返す魅力があった。
「んふふふ、わたくし取り分けますわよ」
「何やのその口調。あ、すいません生中追加で」
さて、本場のモツはどんな味なのか。

――ぱくっ。
「あっめぇー!!」
「うわ、何これ。ぷちってしてドロドロが出てきた」
「楓ちゃんはイモムシでも食っとるんですか」
「ちゃうちゃう、うわ、うまいけど脂っこい」
これはあまり多く食べられないパターンやな、とサワーを口へ注ぎ込む。
「んっ、んくっ。……ッ!?」
その時、口の中に異変が起こった。正しくは『さっきまで飲むのも苦痛だった液体』が異質なものに変わった。
「おー、いい飲みっぷりですねぇ」
「っぷは。す、すいません、サワーお代わりで」
率直に言って、本気で、心の底からお酒との相性が抜群だと思った。美味しかった。
こんなのはもちろん初めての体験。嬉しく思う反面、少しだけ危機感も感じる私がいたけれど。
「うぇーい、こんな遠くまで来たんだから今夜は目一杯楽しもうぜぇ」
「くふふ、あほっ。ゴボウは美兎ちゃんが食べてな」
目の前でどこまでもテンションの高まった彼女を見て、すっかりどうでも良くなってしまうのだった。

その結果。
「うぅー、かえれひゃんおんぶぅ」
「あほ、わたしもふらふらなんやよぅ」
「うひゃひゃひゃ、かえれひゃんくちくっさ、ひひひっ」
「うっさい、みとちゃんもやろぉ」
「おおん? おそろいか?」
「おそろいやよ」
お店の人が呼んでくれたタクシーを外で待つ。
前後不覚になるまでアルコールを摂取した私は、自分で何を言っているのかもよくわからなかった。
「んひゃひゃひゃ、またひとつリストうまった。かえれひゃんありがと」
「んぁー? どういたしまして?」
何だか凄く大事で嬉しいお礼を言われたようなそうでないような。
あ、タクシー来た。ほれほれ先に乗って。あとでブレスケアあげるからな。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板