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【レズ・百合】六実っ子ちゃん綜合★11【清純/ビッチ】

383名無しっ子:2019/04/23(火) 04:50:58 ID:NK/w0yP20
>>372
「それでその六実提督はどうなっちゃったの?」
話を聞き終え、彼女の孫娘は尋ねた。
「シブツ海峡での護衛任務中に奇襲に遭い乗務員の撤退の時間を稼ぐ為最期まで戦い抜き乗艦と共に轟沈。
乗艦と運命を共にする壮絶な戦死を遂げた…というのが公式の記録だねぇ…」
彼女は静かに答える。
「ンママ!?それじゃあ死んじゃったンマ?」
今度はかわいらしい顔をした孫娘の友人の少年が心配そうに尋ねた。

「大丈夫なのです!素敵なレディーに成長して今も幸せに暮らしているのです!」

「おや…」
いつの間にか小柄な少女が部屋の入り口に立っていた。
「そ、その、呼び鈴を鳴らしても返事が無かったので勝手に上がらせてもらったのです」
小柄な少女はばつが悪そうにもじもじと取り繕う。

「いけない、もうこんな時間!おばあちゃん、行ってくるね!」
「カナチちゃんのデビューイベント、遅れちゃうンマ!」
「失礼するのです…!」
3人は慌ただしく部屋を出る。
「はいはい、車に気を付けるんだよ」

カラカラと玄関の引き戸が開く音がして談笑する3人の賑やかな声が外へと出て行く。
彼女は窓辺へと移動しそっとカーテンを開く。
窓台には感光しかかった白黒の写真がアンティーク調の写真立てに飾られていた。
かつて少女だった頃の彼女とその友人の笑顔が微かに確認できる。

彼女は遠ざかる3人の後ろ姿を窓から見送る。
未だ4月だが庭の桜は既に葉桜へと変わり、外は既に初夏の陽気となっていた。

と、小柄な孫娘の友人がこちらの視線に気付いたかのように立ち止まり、くるりとこちらを振り向いた。

そして写真と寸分違わぬ笑顔で微笑み、深々と頭を下げた。

彼女は手を振るでもなく窓越しに笑顔でそれに応える。
やはり写真の中の少女と同じ笑顔で――。




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