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第二章 報復よ永遠なれ Vengeance Forever

1アバン及び第1章での修正:2015/12/16(水) 20:22:21
前章訂正:
パリ第1大学に科学部はありません。
第6大学の工学部に変更させてください><
ごめん・・・


アバン

2015年 8月
フランス パリ フェリエ家
「父さん 私フランス陸軍に入らないわ」
「今になってか、ニーナ?あれほど陸軍に入ると言っていたろ。
 国防高等学校も主席だったのに、どこへ行くっていうんだ?」
「パリ第6大学 工学部に行くわ」
「・・・・・何があった。話してみなさい」
「曾じいちゃんがナチスに殺されてあれから70年くらい。
自分だけが強くあってもいけないと思ったの。
そこで、ドイツやアメリカの兵器に負けない屈強な武器を作り、
フランス軍全体を強めたいの。そうすれば死ぬ軍人も減るわ」
「・・・なるほど、茨の道だぞ。覚悟を決めろ」
「わかったわ、父さん」

11月13日
イスラム国テロ 発生
「父さん!?母さん!!返事を・・・生きていたら・・・・!!」
「救護班!!救護班ッ!!」

11月14日
後日
「・・・・・・残念ですが・・・ご両親は・・・・」
「・・・うそ、嫌ァッ!!」
「許さない・・・カラシニコフ・・・イスラムッ!!」

2018年 11月14日 AM 7:33
「撃てェ!!3年前のあの惨状を、今を忘れるな!!」
「故郷を踏みにじった代償は高くつくぞ、クソッタレ!!」
<<こちらデルタ8、大広間にて女性の遺体を発見!!>>
<<ビチュンダダダダダ・・・アルファ7応答しろ、アルファ7・・・!!>>

 AM 12:56
「遺体照合を確認・・・ニーナ・フェリエさんです」
「オーギュスト・フェリエ中佐の娘さんじゃないか・・・・」
「かわいそうに、若いからまだやりたいことがあるはずなのに」
「イスラム共め・・・・」
「・・・・・敬礼」

2Johnny"John"Bounds:2015/12/16(水) 22:46:51
<<ニュースの時間です。
 先ほど、フランスパリにおける3年前のテロ追悼式典にて大規模な戦闘が繰り広げられました。
 フランス首相アメデオ・アデンヴァーが誘拐され、旧イスラム国残党、おそらくは30名が襲撃。
 護衛の共和国親衛隊及びトパーズ・ガードのオペレーターは全滅、被害者は3年前を大きく上回る約570名と推測されます。
 約20時間後にフランス陸軍がアジトであるディエップ郊外の研究所にて戦闘を開始。
 その約4時間後には戦闘が終了しました。
 このテロに対しフランスを筆頭とするEU先進国はシリアを主とする中東への爆撃及び侵攻を国連議会で決定しました。
 次のニュースです。
 ニュー・ジャージー州パターソンにて殺人及び児童の性的暴行及び殺害により、45歳男が逮捕されました。
 午後3時頃、パターソンの25歳女性の自宅にて、突如ナイフを持って家に侵入した
 中国系米国人ヤン・ケルベス容疑者が被害者のアン・フェーベルさんをナイフで殺害、
 5歳のソラウ・フェーベルさんを無理矢理手篭めにして性的暴行を加え、その末にナイフで頭部を一刺ししたとのことです。
 警察の取調べによりますと、ヤン容疑者は容疑を否認しており、
 「俺を裁判にかけてみるアルよ、すぐに共産党からの圧力来るネ」などと供述し・・・>>

 あの時、俺は死んだはずだった。
 北センチネル島沖のヘリの中。
ターゲット、カーラ・テレルを救出し護送、ヘリに乗り込み、
任務を辛くも達成できたはずだった。
 しかし、あの赤いローブのアイツが誤算だった。
 いや、誤算どころじゃない。あんな状況がありえてたまるものか。
 あの死神はセンチネル族を殲滅し、カーラに爆弾を埋め込み・・・
 それから覚えていない。
ここはどこだ?どこなんだ?
「ぐ・・・・・む・・・・!!」
 視界がボヤけてながらも、白い天井が見える。
 鼻腔からは薬品や消毒の匂いが入り込む。
 聴覚には心臓のリズムと同調した電子音が飛び入る。
 胴体にかぶせられたベッディングの布の感触が刷り込まれる。
「が・・・・ここ・・・は・・・」
 ヤブデマリという花を花瓶に添えているブロンドヘアーのナースが俺の目覚めに気づいた。
それに応じて、すぐ「先生!ニーゲス先生!!」と医者を呼んだらしい。
慌てているせいか、花瓶のそばのラジオを地面に落とした。
「・・・・・・」
視界が明確になった。
壁には星条旗が掲げられ、その横には、ネバダの州旗がこっちを見ていた。
青を基調とし、「BATTLE BORN」の文字が刻まれたリボンが目立つ。

 俺はジョニー・バウンヅ。ジョンと呼ばれ、死んだはずの男だ。

3Johnny"John"Bounds:2015/12/19(土) 12:00:24
2018年 11月 19日
「聞こえますね?」
「あ、ああ・・・」
 いかにも医者、という風貌をした白衣の男は俺の意識を確かめた。
病室にはカルテやホワイトボードが持ち込まれ、これから説明を受けるらしい。
「正直、あなたの生命力には驚いています」
「・・・・どういうことだ、先生」
「3ヶ月前の任務の際の爆発。あれであなたは昏睡に陥るまでの重傷を負った。
 ええ、わかっております。死んでいるはずの貴方が何故生きているか?
 救護班からの報告ですと・・・爆風は確かに受けました。
 その後、ヘリから投げ出されたのですが、この時にドアが盾になって落下の衝撃を防いだのです。
 その代わり、爆風で・・・・・その。これから申し上げることに覚悟はよろしいですか?」
「どういうことだ・・・・」
 薄々察していることが現実味を帯びてくる。
 さきほどから、ベッディングの膨らみが手足の部分にない。シーツとキスをしている。
 ・・・・・まさか。心拍数が上がる。電子音のリズムが加速する。
「こちらが、ニューヤンゴン総合病院にて搬送された際のレントゲン及びCRTです。
 ・・・あなたの目で、直接・・・お確かめください」

 レントゲンを見ると、手足にあたる部分の骨格がない。
それを裏付ける証拠として・・・手足を動かす感覚が現実から脳部へ戻ってこない。
「な・・・・あ、なんだと・・・・!?」
「あなたの手足は・・・報告にあった赤い死神の爆破で失われました。
 落ち着いてください。まず、アメリカにまで運ばれた理由を説明します。
 あの赤い死神とあれを操る誰かがあなたの生存を感づかれてはならない。
 あなたは重要な証言者であり、あれと戦って生き延びた。
 そのために、ネバダ州にまで運ばれた。
 あらゆる情報を遮断し隠蔽工作も行いました」
「そ、それで・・・トニー、いやトンプソンと救出対象のカーラは」
「残念ですが、彼らは・・・・・」
「・・・・・・・」
 何が起きている。この病院は、この医者はどうするつもりだ。
「そもそもここはどこだ?」
 それが俺の最も手っ取り早く聞きたい疑問だった。
「エリア51、です」
「グルーム・レイクだと・・・?俺をここまで連れてくる理由は?」
「あの赤い死神・・・先日入手した情報だとコードネームはVF。
 あれはわが国だけならず世界中の脅威となります。
 エリア51はあれに対抗するべく、あらゆる方法をとろうとしている。
 ・・・・そこで白羽の矢が立ったのがあなたです」
「だが、手足は失ったんだろう?新兵器の開発の手伝いは・・・」
「できます。あなたもサイボーグはご存知でしょう」
「ああ、だがあれはアメコミの世界の話だろう。現実で実現をするのか」
 サイボーグ。人間の生体と機械のハイブリッドであり、SFではよくあるものだ。
それになる、というのならいくらなんでも唐突がすぎる。
「近年、強化外骨格の研究を続けていますが、
 パワードスーツとサイボーグのコンペイションでパワードスーツが採用された。
 コスト対効果が理由でしたが・・・」
「そこで手足が消し飛んだ俺がサイボーグの強化手術を受け、奴を倒す」
「そうです あとは貴方の承諾が確認され次第、すぐに行えます」

 俺の知らぬうちにサイボーグに改造する話でのめり込まれた。
そういうところに釈然としないが・・・。
 守るべき少女を、莫逆の友を失い、自らも失った。
このまま病床で寝転ぶ生涯など心底御免被る。
 俺の復讐は必ずや遂げてやる。

「やってくれ ヤツを倒すためなら構わん」
「了解しました ジョニー・バウンヅ」

4Johnny"John"Bounds:2015/12/19(土) 12:12:16
 3ヶ月にわたり、着々と俺の体が俺のものでなくなっていく。
だが、それでいい。あの赤いローブが奪ったものを返してもらう。
 俺が俺であるために俺でなくなる。
そうだ。地獄に落ちる。その時にヤツも道連れだ。
 血みどろをすすり、生き血を平らげ、血肉をむさぼる。

右足が動くようになっていく。
左足は俺の意思に連動する。
右手が自由に動作する。
左手の動きが思うように実現する。
強固な装甲も装備していく。

 失った3ヶ月は、それを取り戻すために3ヶ月を費やして準備を行う。

5Vermilion "The VF" Face:2015/12/19(土) 22:29:14
ジョニーが出術を受けている間の3ヶ月間
米国 ミシガン州 デトロイト 94番道路付近 リンチロード
「・・・・・・・・」
 この男はフランスでヘッドハンティングを昨日快諾したらしい。
あれほど拒否していたのに、どういう風の吹き回しだ。
「俺の個人的な理由ができた。あんた達をバックアップにつければ都合がいい。
 エルシーから通達、エリア51にて”目撃者”が生存と確認された。
 ここはじきに潰される。どっちにしろ、米国の内乱で時間を稼ぐぞ。
 あの人のために犠牲になる、その意思は俺達共通だろう」
なるほどな。 だが、俺は忠誠を証明するためではない。
ヤツの犠牲として死ぬなどありえん。
「そっちはオペレーション・カルネージを実行しろ。
 この作戦に疑問が数箇所存在するが・・・これもあの人の意思だろう」
日本人め、成り上がりで俺に命令か。
まあいい・・・死ぬよりかはマシだろう。
 オペレーション・カルネージ。
セントクレア湖とアンカー湾を経由してニューボルティモアへ向かう。
その後に特定の人物を抹殺後、町に壊滅的攻撃を仕掛けテロと誤認させる。
陸路はアメリカ人の目に付くのが厄介が理由という。
そもそも、真正面で俺の力でねじ伏せればいいものを。

6Johnny"John"Bounds:2015/12/19(土) 23:18:26
2019年 2月14日
米国 ミシガン州 デトロイト上空
14:23

User:Johnny
Password:******************
Armored Human Sys-starting.......
<<降下開始まで残り3分。HMDの酸素供給機能のチェックを。>>
Checking.......
All cleared.
<<了解。・・・オールグリーン。>>
<<機内減圧を開始 HMDの酸素供給を起動せよ>>
<<機体後部ハッチオープン、ハッチ付近カタパルトに移動されたし>>
足がカタパルトに吸い付き、電磁で固定される。
<<AHALO対応式ジェットレッグの推進剤チェック、完了>>
<<ユーザーバイタルチェック完了、ジェットレッグを腰部に装着>>
<<義肢の動作確認、モニタリング常にグリーン値を維持。
 降下まで残り1分、カタパルトの電圧チェックを実施せよ>>

2時間15分前 ブリーフィング
 今回の作戦はデトロイト市内を根城とする"市賊"の鎮圧である。
先刻、市賊が運用している兵器に二足歩行兵器らしき小型戦闘マシンが確認された。
おそらくこれは工場跡の生産ラインを流用しているのであろう。
本作戦開始までにこのマシンにより州軍及び陸軍が疲弊し撤退している。
トパーズガード・クェベック隊は彼らの撤退を援護の後、市賊へと攻撃。
補足だが、能力者が現地入りしたとされている。・・・最悪なことに赤い死神もな。
 なお、本作戦では上空からジョニー・J・バウンヅが出撃、
電撃的攻撃を敢行し、能力者と戦闘マシン及びその生産ラインを破壊。
赤い死神が戦闘領域内で確認され次第、クェベック隊は即時撤退。
ジョニーはその撤退支援及び赤い死神の無力化を実施せよ。
解散、2時間後に作戦を開始する。

<<全てのチェック完了、降下秒読み開始>>
<<20秒前・・・15秒前、14、13、12、11、10、9、8、7、6・・・>>
5、4、3、2、降下・・・・今。

 ジョニーの体がカタパルトで下へと放り投げられる。
それと同時にジェットレッグの加速噴射がかけられ、一気に85Gもの加速がかかる。
 ジェットレッグと呼ばれる腰部に装着された逆スカート状の推進剤噴射装置と、背部コンテナは綺麗な風切りを描く。
現在高度31000フィート、このまま10秒ごとに7500フィートずつ降りていく。
40秒後の1000フィートでジェットレッグの第1最大減速噴射を実施し、
着地寸前100フィートで第2最大減速噴射で着地の衝撃を吸収。
Advanced High Altitude Low Opening・・・。
サイボーグだけにしか行えない、まさに電撃のごとき降下方法。
しかし、今回は残り4000フィートで第1減速噴射をかける。
減速噴射後、背部コンテナ外装部をパージし、第1噴射部をジェットソン。
そこからすぐにX1電磁火薬複合対能力者ライフルで狙撃。
 二足で歩きクェベック隊の方向へ2門のガトリングの弾幕をばら撒く戦闘マシンたちが見えた。
HMDによる風力、ブレ調整・・・あらゆる狙撃の障害を取り除くようアシストしてくれている。
何の躊躇もなしにトリガーを放ち、1機、2機・・・3機、4機・・・。
 狙撃を受けた戦闘マシンのすぐ近くで16式のA2で応戦していた子供が爆発に巻き込まれ、血肉が周囲へバラ撒かれた。
どうやらこちらに気づいたのか、"市賊"達は上空へと銃を向け、トリガーを引いた。
第2噴射部のXZ座標調整で回避しながらも、狙撃をやめない。
 同じアメリカ人を対能力者のバケモノ銃で撃つのは忍びないが、これもさだめだ。
 残り200フィート、狙撃を中止し着地体制に入る。
100フィート、ここで第2噴射を一気にかけて、推進剤を使い切ればすぐジェットソン。
 すぐ後ろでジェットレッグの噴射部分に弾丸が入り込み、爆発の光が後ろから飛び込んだ。
 着地体制、地表に落下まで5、4、3、2・・・・今!!
 まさに隕石が落下したような音がデトロイトの空に響き、すぐさまX1での援護を続けた。
残り6発と10発マガジンが3セット。他の武器の弾薬ももちろん健在。
<<こちらクェベック1、ジョンですね?州軍及び陸軍の撤退は完了しました。
 そちらは工場と戦闘マシン、能力者の無力化をお願いします!!>>
「こちらジョン了解。これより任務を開始する」

7Johnny"John"Bounds:2015/12/20(日) 23:39:48
補足の回想
3ヶ月前 エリア51
「先のパリでのテロで、ニーナ・フェリエさんが亡くなられました」
「オーギュスト中佐の娘さんが?」
病院でニーゲス医師からその話を聞いて、
 ニーナの死にジョニーが驚いたのも無理はない。
あの3年前のパリのテロにて、ジョニーは休暇中だった。
 目の前でオーギュスト中佐という軍のお偉方の死に様を見ていたからだ。
さらに、その娘と思われる少女が涙と共に憎悪を露にしたことも。
そして、救護を求めたあの時の男が、ジョニーであった。
「残念だ・・・あの子は・・・大学の二年目だったか」
「引き取ってくれた彼女のお姉さんも悲しんでいたそうです」
「で、何故ニーナちゃんが」
「フランス陸軍とイスラム国残党が戦闘した研究所らしき施設で遺体が発見されました。
 軍医からのレポートによりますと、脳天を5.56ミリの銃弾を一発。
 イスラム国残党の兵士はカラシニコフは7.62ミリ弾を使っています。
 おそらく、あの場に居合わせたほかの誰か・・・」
「赤い死神、VFだな。ヤツは俺の仲間だけではなく、無関係の人すら殺す」
「彼女の遺体が確認された位置の周辺では土が異常な隆起を起こし、
何か鋭く切り裂いた痕跡、それと地面を光か何かで焼いた箇所も確認されたとか」
「なんでそんな異常なものが・・・」
「ルーマニアを主とする東欧で暗躍する異能集団の話は聞いたことありますか?」
「ああ、PMC中の噂だ。まさか、アイツらがやったとでも?」
「ですが、その異能集団は東欧以外で確認されたケースはごく稀で常に単独です。
 異能集団の仕業であるならば、少なくとも3人は居ます。
 これは彼らの法則に従わず・・・」
「とすれば、あの施設で異能集団の研究をしていた、というわけか」
「恐らくは死亡時刻は日没したあたりの17時、戦闘開始するまでの間で14時間後です」
「研究・・・彼女の死亡・・・痕跡・・・まさか」
「ニーナ・フェリエさんを実験台にしている、と断定できます。
 彼女の遺体から未確認のウィルスが大量に採取されました」
「拉致して人体実験の末に射殺・・・見下げたヤツらだ」

8Johnny"John"Bounds:2015/12/27(日) 22:11:10
「・・・・」
 工場とは言いがたいその跡地を縫うように跳んで移動していく。
 道中の少年兵達は1911カスタムで次々を頭を躊躇無く撃ち抜いていく。
非武装であっても"市賊"という国家の敵なので殺していく。
武装してあれば国家に反するテロリストとして殺していく。
この1911カスタムは北センチネル島で破壊されたものをサルベージし、
サイボーグであるジョニーのサイドアームとして更にカスタマイズされた。
「しかしどいつもこいつも少年兵だ・・・。
 大人は居ないのか?工場を子供が運営なんてできたものじゃないはずだ」
モデル16の4を怯えながら乱射する子供の頭部をBM-ACRで砕いていくことをジョニーは躊躇わなかった。
 ・・・アフガンを思い出す。
子供に爆弾を埋め込んだり、障碍者の子供を迷いもせず殺していた悪魔の意識を消し飛ばした時と気分が似ていた。

 しばらく進むと、ベルトコンベアらしき物体が動いていた。
「コントロール装置は・・・あれか」
動いているべきの空調装置も満足に動けず、ところどころ生産ラインの復旧の途中で死んだであろう死骸も見えた。
 そう悠長に内部を調べることはできず、動いていたコンベアが止まり、ジョニーのすぐ横で放電が走った。
「・・・・・」
床には銃創がついていない、EN兵器としても威力が高い。
 能力者だ。おそらくは電気を使う非固体タイプ。
ここの工場の電力供給源になっているらしい。

 その電撃を放つ能力者は焦っていた。
今まで相手にしていた連中はただの人間であった。
 しかし、今回はそうはいかない。
ものの数分で生産ラインの部分まで侵攻してきたアンノウンだからだ。
「・・・ハァーー・・・・ハァーー・・・・」
軍人出身なのか、頭が回るのか。
積まれていたタイヤの山の裏に回った。
「外のジェイビス達をあんなに早く殺るなんて・・・
 ガスマスク男に訓練してもらったのに・・・!」

「・・・・」
 HMDの生体反応ソナーを起動していく。
工場の生産ラインを止めてくれたおかげで音波感知で更に精度が上がる。
 体内コンピューターが位置を割り出した。
タイヤの山の裏であるここからは狙撃が出来る。
BM-ACRを背中に担いだX1と持ち替え、特定した座標へ銃口を向け、引き金を引く。
リアルタイムでの風速、自転の計算を脳部に叩き込まれ、HMDが自動補正していく。
 その間、ものの0.065秒。
人間の反射速度は0.1秒ぐらいだが、それよりも早く行動を終えた。
 HMDの画面中央に「HIT」という文字が出て、それと同時に電撃を放つ能力者の上半身が消え去った。

9Bullets Arma:2015/12/27(日) 22:44:51
 屋上でトパーズガードの兵士を遠距離から狙撃しているガスマスクの男。
 落雷のような銃声・・・らしき轟音が聞こえた時には彼は武者震いした。
それと同時に、雷の能力者、ボルツの反応が消えたことを確認した。
「そろそろだな・・・」
 ジョニー・J・バウンヅ。
俺の上司になるはずだった男にして・・・
俺が追い求めていた、最高の兵士・・・・!! 
 すぐさま崩落で欠損した建物の穴へ飛び込み、生産ラインへと向かう。
 ヤツはまだここを出ていない。
今こそ、彼と殺りあうチャンスだ・・・!!

10Bullets Arma:2015/12/29(火) 15:32:45
 電撃が来ない。
つまり、確実にしとめた、ということだ。
 対能力者のために開発された火薬電磁複合加速機構を搭載したX1の銃弾をモロに食らえば、
能力者はもちろん、いくらあの赤い死神といえど戦闘不能は免れない。
「・・・報告ならあと能力者はヤツ含めて二人・・・!」
「そうだ!!」
「ッ!」
 男の声がした後にジョニーは別の遮蔽物、プレス装置の裏へ回りこんだ。
そのままであれば、正確なフルオート射撃の蜂の巣になっていたからだ。
 そこからジョニーはすぐさま射撃位置を割り出し、BM-ACRの射撃を実施。
「あんたとは戦いたかった・・・・!!」
ジョニーの放った5.56ミリの銃弾は金属を叩き、動体センサーでHMD越しに敵を感知。
「この生体パターン・・・」
 ジョニーは知ってすらいないが、HMDに内蔵されているデータベースが叩き出した。

<<76.34564%一致 トパーズガード所属 タイキ・ゴトウの可能性アリ>>

 敵の動きを銃口が追いかけ、引き金を引くが、どれも当たらず。
能力者としても高水準の戦闘能力を誇っている、とジョニーは判断した。
「素早い!」
「それだけではないッ!!」
 回避機動を終え、生産ラインのコントロール室前の手すりに立つ男。
顔はガスマスクで覆われ、全身が防弾スーツに包まれていることはいい。
 右腕が剣らしき武器に変形、いや変身している。
その右腕が形としてしっかりしたと同時に、俊敏たる勢いでジョニーへと切りかかった。
 とっさに両肩のサバイバルナイフを1本ずつ抜刀、つばぜり合いを行う。
「タイキ・・・とかいうんだな?トパーズ所属ならば反逆罪で射殺する!!」
「あの会社は軍隊ではない、それにィッ!!」
 右腕の剣に押し負け、突き当たりの壁へと蹴飛ばされる。
 その壁に当たる直前で受身をとったが、反動で壁がブチ抜けた。
ジョニーが受身をとっていたスキにバレッツは猛攻をかけ、肉薄する。
右腕の剣がモデル60に変化し、ジョニーの装甲をまんべんなく剥がしていく。
 普通の銃弾なら弾くはずだが、ほとんどのフレームとの接合部がイカれた。
APFSDSの原理で貫く銃弾らしい。 左腕フレーム内部が破壊されていく。
「チィッ!!」
バレッツとの距離、わずか50cm。
まだM60の特殊弾でジョニーの装甲は破片へと変えられていくが、ここで怯むジョニーではなかった。
 右腕でサイドアームの1911をバレッツへと放つ・・・。
それが無駄であろうと。

11Bullets Arma:2015/12/29(火) 15:36:19
(>10の名前ミスゆるして、ジョニー視点です)

 ジョニーが撃った1911だが、その弾は無闇に過ぎなかった。
バレッツもこの程度か、と見下していた・・・。
 その銃弾をすべてかわ・・・せていない。

 7発撃ったうちの1発がスーツ首元のパイプらしきものに刺さった。
そこから亀裂が入り、1911の弾薬に使った炸薬が炸裂。
 ひどく臭う緑色の液体が漏れ、サイボーグであるはずのジョニーもむせた。
「うげ、ぎゃ・・・ぐあああああッ!!!」
バレッツ・・・いや、タイキは炸薬の熱量にもだえた。
「・・・!?」
 ダメ元で撃った1911の銃弾が致命傷を与えたことに驚愕した。
 いや、そこだけではなく、バレッツの右腕のM60も解けて普通の手になっている。
「か、カートリッジの液体がぁ!!」
「・・・あれか!?」
もはや苦しみで動くことも物理法則次第のバレッツ。
カートリッジとやらの予備がある腰部をすかさずBM-ACRで撃ち抜いた。
「し、しまった・・・ぐうぐぐ・・・!!」
銃弾で弾けとんだカートリッジからは、あの液体が漏れて使い物にならなくなる。
「・・・馬鹿な・・・弱点があからさまなどと」
「げへ・・・!!あの人がそう設計・・・・したものなぁ・・・!!」
 タイキが液体を吐きながら独白する。
すぐ近くで爆発が起きたのだから、致命傷となっている。
「俺と戦いたかった、と言ったが、お前は?」
立ち上がり、タイキのもとへ駆け寄るジョニー。
「ぐぅ・・・俺か・・・?あんたがセンチネル島の・・・
 任務を失敗していなければ・・・あんたの元にいたはずの傭兵さ・・・」
「・・・タイキ・ゴトウ、日本人・・・」
「そうさ・・・フランスでの護衛に就いていたが、
 あんたと同じくあの赤い死神が現れ・・・失敗した・・・」
背部にあるカートリッジの液体燃料が30%を切っている。
「ならば俺と戦うというのは・・・」
「はは・・・あの人に利用された俺だが、俺もあの人を利用した・・・」
「あの人、ねぇ。どいつだ」
「あの赤い死神を作り出した張本人であり・・・ゼェ・・・
 世界をまとめるであろう、お方・・・」
 せめて俺との戦いに勝った男に情報をやろう。それが戦利品だ。
「・・・無理だ。どんな宗教に手を出したかわからんが、
 ウチじゃあ反逆者は銃殺する。軍じゃなかろうが、ウチの決まりだ」
「・・・・・そうかい。アンタの勝ちだな、全てにおいて。
 ・・・ひと思いに、やってくれ」
「ああ」
 俺は能力者にさせられたのだろう。
だから、カートリッジが尽きて死ぬようなマネはゴメンだ。
ジョニーはX1を片手で構え、俺の全身をどこか遠くに飛ばしてやった。
 落雷のような銃声が消しゴムのようにスーツごとそれを、無くす。

12Johnny"John"Bounds:2015/12/29(火) 15:36:58
「こちらジョン、VFを除く能力者の排除ならびに戦闘マシンの生産を停止。
 工場を制圧した。 任務完了だ」
<<了解です、ただちに帰還してくだ・・・
 司令部より入電、ニューボルディモアにてヤツを確認・・・・!?
 すでに現地は壊滅、デトロイトへ向かっているとのことです!>>
「・・・・・!!」
外部からの通信の内容を聞いたジョニーは言葉を失った。

 ニューボルティモア。ジョニーの家族・・・
彼の父母、愛犬だけならず妻や娘全員がそこに住んでいる。
 VFがそこを襲った?バカな、何故なんだ。
あらゆる不安と、懐疑などが脳裏をよぎる。
 フランスに穿った傷跡をニュース越しで見れば、無事なはずがない。
「こちらジョン、VFを無力化させるべく交戦する。
 他の者は直ちに撤退せよ、いいか。撤退せよ。
 アウト」
<<し、しかし、その状態じゃあ>>
 狼狽したクェベック隊の一人が静止させようとするも、無駄だった。
「ブリーフィングに沿って行動せよ!!・・・命令だ」
ジョニーの一喝が、そんなものをねじ伏せた。

13Vermilion "The VF" Face:2015/12/29(火) 16:14:54
「・・・・・」
 バレッツの死に様を無線越しで聞いていた。
バレッツ・・・いや、タイキはあのスーツ無しでは生きられない体となり、
その延命措置はカートリッジにて供給される。
それが尽きたり、供給するパイプに不備があればアポトーシスを人体で起こす。
 やはりそうか。
 バレッツも違う意味で俺と同じか。
「・・・・・」
 先ほど、あの死に損ないの家族とやらを殺してきたが、あっけなかった。
サプレッサー装備のハンドガンで頭を射抜くことを5,6回済ますだけ。
 その後は火炎瓶だのC4で消し飛ばせばいい。
そして、デトロイトで死んだはずの男を地獄に落とせば終わりだ。
テクニカルに乗った"市賊"の大人がそのまま94号線を防衛し続ければ順調にカタがつく。

 あいつが殺しの場をよこせば、俺もあいつに従い、その中で殺していく。
それが俺の、作り出された理由にして行動原理・・・。

14Johnny"John"Bounds:2015/12/29(火) 16:27:50
「・・・・・・」
見えた。跳躍で数ブロック単位で移動する赤い外套。
 X1で照準をつけ、HMDの補正をかける。
全ては整った。引き金を引こうとする。
「・・・・・・ハァーーー・・・・」
 家族を殺した、相手を撃つ。
その普通への迷いが何故か入った。
 力が急に入り、大きくブレた。
「--ッ!!」
 自分でも信じられないほどのミスをした。
殺す相手に何か変な思念が入り、それで当たりもしない角度で撃った。
「チィーー・・・!!」
 何を考えている。俺の大切なものを奪った対象を・・・
恐怖なのか?ヤツが殺したという確証がない故の迷いか?
迷っているヒマなどないのに。
X1の弾頭の自動補正もかなわず、綺麗な曲線を描いてどこかのビルに刺さった。

15Johnny"John"Bounds:2015/12/30(水) 21:30:43
 すぐさま現在の狙撃位置を切り替え、次はビルの屋上から狙撃することにした。
第1射の生産ラインプラント内からでは狭すぎる。
残り1発、マガジンが二つ。
 生産ラインに到着するまでで戦闘マシンを破壊するのに撃ち続けた。
それに合わせ、電気を使う能力者とタイキとの戦闘もある。
 跳びはねてコンクリートの合間を縫い、狙撃位置にたどり着き、射撃体勢に入る。
「3・・・2・・・・1・・・・」
 第2射。
HMDから「HIT」の文字は出なかった。
すんでのところでひらりとかわされ、銃弾はローブを掠めた。
 そうして、VFがこちらの位置を完全に把握したらしく、猛スピードでこっちに突撃する。
 第3射、それと同時にVFが右腕で試作モデル8のシャープシューターの射撃。
むしろ、ジョニーにとってはそれが好都合で、すぐにVFの眉間めがけて引き金を引いた。
 「HIT」、出ず。
VFもX1の破壊力に気づいたらしく、X1の弾頭を撃って弾いた。
弾頭は近くの廃墟ビル・・・らしい何かに着弾した。
 VFとジョニーの距離はそう遠くなく、BM-ACRで撃ち抜くことにした。
BM社製のACRはフルオートが無いが、それでもかく乱の動きを行うVFを1発1発狙ってみせた。
 どうしたことか、VFは落ちない。
「・・・・ヤツめ・・・あれだけのことをやると気味が悪い・・・」
 そう言ってる余裕はなく、冗談めいたVFの動きで徐々にジョニーへ接近していた。
「ッ!!」
 BM-ACRでのエイミングより先に、それをイカリのようでもあり、ハサミにも見える物体に奪われた。
そこからワイヤーでVFの左腕と接続されており、ACRのフレームを容易に切断してみせた。
1911の炸薬でもこいつには効かない、バケモノだ。
 バケモノ殺しのX1を構えようとするが、VFの試作モデル8のアンダーバレルに装着してあるグレネードランチャーで爆砕した。
「クソォ・・・!!」
左腕のアンカー武器がショットガンへと変化し、近距離で12ゲージの鉄の暴風はジョニーの装甲とフレームに響いた。
 HMDからも耐久力の警告が通知されたが、知ったことか。
ここで退けば仲間が、自分がコイツの餌食になる。
家族を殺させたまま、生かして返すつもりなど一切なかった。

16Vermilion "The VF" Face:2015/12/31(木) 11:41:44
「・・・・・」
 サイボーグの仕留め方は把握してある。
まずは敵の通常火器を奪い、装甲を破壊してからフレームを破砕する。
ただ、それを行うには通常の能力者でも分が悪く、VFならばやってのける。
 そのVFがフレームを粉砕するために選んだものは。
万事休すのジョニーを生産ラインのプラントへと蹴り落とし、飛び降りた。
 先ほどの戦闘の跡が残っているここでならば止めを刺しやすい。
落下したジョニーは破損した左腕を強く打ち、声にならない苦痛を出した。
「ゥグ、遊んでやがる・・・・!!」
もはや虫の息なのか、確実に始末できる確証があるからか。
 VFの右腕と左腕の武器が解除され、ベルトコンベアを両腕で掴むと。
「・・・・・・・!!」
 そのベルトコンベアは徐々に金属と化し、溶解して一つの鉄塊となった。
「チィッ!!」
 両足にもダメージが大きく、やっとのことで立ち上がるが、VFと戦える状況ではない。
「・・・・・・・」
 ジョニーが立ち上がるサマを見て、鉄塊を左回転で大きく振りかぶった。
そこでジョニーが肉を切らせて骨を断つ勢いで左腕でハンマーを無理矢理止め、右腕で思いっきり仮面を殴った。
「ザマァ見やがれ、テメェに家族や戦友を殺され続けてご立腹でな!!」
 1発殴っただけじゃなく、2発、3発。
 サイボーグのカーボンナノチューブ技術と特殊電解液によるパワー増大のコブシ。
 VFもマズいと思ったか、鉄塊を投げ捨て退くようだ。
「・・・・・・ゼェ・・・一矢報いたぜ・・・!!」
 両足が機能停止し、左腕が粉砕された。
「・・・・こちらジョン。VFの撃退に成功・・・・・
 ヤツは顔面の仮面が弱点だ・・・・オーバー」
<<こちらクェベック隊了解。我々は撤退完了。
 そちらは動けそうですか>>
「無理だ・・・両足が動けん。救護班・・・じゃなかった。整備班の派遣を要請する」
<<了解。CP、CP・・・>>

17Vermilion "The VF" Face:2015/12/31(木) 11:44:26
「・・・・・・」
 侮っていた。二度も殺し損ねるとは。
一度目はヤツのタフ具合と、今回ではそれに加えてあの爆発力。
 もはや、隠す必要も無いのかもしれない。
 血まみれの仮面にヒビが入った・・・。


「次こそは・・・・」
次こそは、仕留める。
「ヤツに復讐を遂げてみせる」

18Johnny"John"Bounds:2015/12/31(木) 17:38:33
2月14日 16:24
 遠方にGMCのトラックが複数見える。荷台には対空砲を積んでいるものも見えた。
「こちらジョニー。市賊を乗せた車輌がこちらに来る。
 クェベック隊・・・クェベック隊?」
<<---・・・・ザーー・・・・ちら・・・・・。
 ・・・・・ません・・・・・>>
 先の戦闘で通信システムが異常を起こしたのか、ノイズが激しい。
「・・・・・くそ・・・! 聞こえるか!
 こちらジョニー!敵の増援が接近している!!
 整備班ならびにクェベック隊の援護を・・・!!」
<<・・・・・・まで12分・・・!!>>
「ダメか・・・HMDもイカれてやがる・・・・」
HMDのメイン制御は左腕が行っている。その左腕が破損しているので、機能がダウン。
「生きてやる・・・」
 ヤツとの決着をつけるために、家族を奪ったあの死神を滅ぼすために。
 その信念もあってか、ダウンしている両足を無理矢理にでも再起動させた。
切断されたBM-ACRのアンダーバレルにはショットガンがある。
そこの部分は切り落とされてなく、まだ使えるはず。
 第2射以降の狙撃位置へと戻り、モデル26を拾い上げた。
すでに市賊の車列はジョニーが居る工場を取り囲んでいる。
1階からは階段を上りジリジリ追い詰めようとする複数の足音が聞こえた。

19Johnny"John"Bounds:2015/12/31(木) 18:18:48
 "市賊"の一部はジョニーのロストポイントへ捜索していく。
 内部に入った"市賊"のほとんどはKA社製のモデル4カービン、ショートライフル16を装備。
4人1組での行動で、クリアリングを行っていき、確実に位置を絞り出していく。
1人がドアを蹴破ったと同時にグレネードを投げ込み、発破したと同時に2人が制圧射撃。
残り1人は後方確認を行い、クリア。
 訓練どおりの動きだが、市賊はジョニーをまだ見つけられない。
その後方確認を行っていた一人ののど元に投げられたサバイバルナイフが刺さり、断末魔を上げる。
ジョニーは階段の上に開いていた天井の穴から飛込み、雪崩れ込んだ。
 奇襲をかけ、残りの3人が応戦するも、モデル26ショットガンで2人目を射殺。
流れるように、3人目の射撃を2人目の死骸で防御し、死骸の腰に吊るされたグレネードのピンを抜く。
 そして死骸を蹴っ飛ばし、3人目と4人目を巻き込んでクリアリングした部屋の奥へと追いやったと同時に爆発。
1人目のショートライフル16にモデル26を取り付け、ナイフを回収し弾薬を奪って階段を下りる。
<<・・・・ちら・・・・・ック隊・・・・・・・7分・・・・>>

20Johnny"John"Bounds:2015/12/31(木) 21:02:47
<<・・・・少尉・・・・3分・・・・!!>>
 残り3分でクェベック隊が来る。
 ショートライフル16の3連バースト射撃で次々と市賊の頭部を撃ち抜いてきたが、残りマガジンも無い。
残弾16発。モデル26も残り8発しかない。
「・・・・くそ・・・」
 コンクリートの陰からテクニカルに積まれた対空機銃の銃口に5.56ミリを撃ちこみ、爆発を起こした。
その爆音に気を取られたのか、別方向からの対戦車弾頭4型の攻撃-----。
「な・・・!?」
 炸裂。
 爆発の光と音がコンクリート・ジャングルの中で飛び跳ね続け、
サイボーグのジョニーのフレームのあらゆる場所にコンクリートの破片や爆発の衝撃がぶつかる。
「ぐ・・・対戦車弾頭をモロに・・・・!!」
視界も揺らぎ、意識もハッキリしない。
 今度こそ両足もヒシャげ、再起動も行えないほどの損傷が発生した。
HMDの画面も完全にダウンし、緊急時に作動する機構でヘルメットが外れた。
<<・・・・ザザー・・・・・・1分・・・・・>>

21Caolila:2015/12/31(木) 21:30:49
同時刻 デトロイト 94号線

 赤いローブの死神を逃したのはジョニーだけではない。
"市賊"とは別に黒いフードの謎の人物が、このデトロイトに来ていた。
「チッ、逃したか・・・クソッタレのアングロサクソンが」
 ヤツの抹殺をやるには少々遅かった。
"ペルセフォニー財団"の手配が通用しない米国のこともあって入国に手間取った。
「野郎・・・ワケの分からんことばかりしやがるな?」
 イスラム国の残党だけならず、"市賊"とツルんでる連中の目論見は何だ・・・?
何故国際世論から見ての屑共を味方につける?
「・・・・チッ、PMCが来るまでにあの駒が死んじまうな。
手助けしてやるか」
<<ジョニー少尉! 我々の到着まで3分です!持ちこたえて!>>
 燃えろ、私の能力 -チカラ- でな!!
私の手から炎が飛び出し、市賊へと襲い掛かる。

「あぎぇあああ!?」
唐突に燃えたヒクセンの体にテクニカルが引火して1台、爆発炎上を起こした。
「ヒクセェン!!」
続いてケルベスの額めがけて雷が飛び込んだ。
「増援!?PMCじゃない・・・!!」
「何だ・・・能力者!?」
反撃でショートライフル16のフルオートで2マガジン分ほど撃った、が。

「ザコは銃だけだもんな、ゴミが」
 すぐさま銃弾の応酬が私に来たが、そんなもんは水の障壁で勢いを抑える。
ブッシュ・ド・ノエルという私の鎌で能力”ヘクセンナハト”のチカラを増幅してやる。
その水の障壁から銃弾をペッと吐いてやれば、撃ってきたヤツのド頭をぶち抜いてやった。

 その勢いで"市賊"の始末は続いた。んで、全滅・・・っと。
「ハァー・・・こんなもんだな、非能力者じゃあ・・・。」
<<到着まで・・・残り1分、もうすぐです!!>>
「・・・ケッ、世話のかかるメリケンが」
 あのピクセルカモのサイボーグもボロボロだな・・・
ま、助けるくらいはいいか?

22Johnny"John"Bounds:2015/12/31(木) 21:50:31
クェベック隊到着 直後
「・・・・・両足無ぇ・・・・。
 ・・・これも・・・・の依頼内容だ・・・・
 ちょいと連れて行くだけだ、暴れんなよ?」
黒い・・・いや?赤い・・・?フード・・・死神・・・?
VF・・・・・・?
「ブイ・・・エフ・・・・か・・・・?」
「・・・しろ、ヤツは・・・・った・・・・
 ・・・・んじゃねえ、寝てろ・・・・」
ヤツの仲間・・・なのか?
だとすれば・・・・・
気が遠くなる・・・・・


2月14日 20:09
ミシガン大学医学部 
「どいたどいた、緊急の急患だ!!」
「心拍数、依然0をキープ!!」
「装甲を取っ払え、整備班とやらの到着までバイタルを持たせるぞ!!」
「ボディに刺さっている破片は!?」
「ボディ内に貫通したものが24個、摘出は手術で行う!!」
「電気マッサージ、充電・・・クリアッ!!」


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・・・・・・・
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23Caolila:2015/12/31(木) 22:06:05
「ええ・・・・・はい。
 赤の九尾は逃がしました。
 いえ、決して。 ・・・・・はい。
 どうも、私が助けてやったピットブルテリアと争いしたもようで。
 私が着いた頃には・・・・・決して不手際への言い訳などと。
 はい・・・・九尾は水溜りから海岸を通じて、ですか。
 その先はサヘラントロプスかナポレオン・・・。
 はい。わかりました・・・。
 ・・・・今度はあの子犬のお守り、ですね。
 フクロウもあの花の毒にやられている危険性がある、と。
 はい。すぐにチーズを食いに。
 おそらくあの花も九尾にやらせようと・・・ええ。
 最善を尽くします。九尾を仕留める機会は必ずありましょう。
 では・・・」

24名無しさん:2015/12/31(木) 22:17:05
 ミシガン州デトロイト及びニューボルティモアで起きた複数の能力者と市賊によるテロ事件。
これをジョニー少尉が鎮圧、あのVFも撃退に成功したが少尉は生死を彷徨った。
 彼には名誉勲章が授与される。おめでとう。
おめでとう。 おめでとう。 スペード大統領より。

 先進国にて立て続けに起こるテロ。
VFを従える謎の男の手により死に行く戦士達。
 復讐を誓った者に、報いは来るのか?

 廃墟にて製造されていた戦闘マシンの技術を持ち込んだ人物とは?
VFを追い続ける、黒いフードの謎の人物とは?

次章、第三章。
東欧の風は一人の少年を強くする。

25名無しさん:2015/12/31(木) 22:26:17
 STARRING

Johnny "John" Bounds
Nina Ferrier
Taiki "Taron" Goto / Bullets Arma
Vermilion "The VF" Face
Topaz Guard Quebec Team
City Pirates
Caolila
Dr. Nhighess



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Livyjah Persephony


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