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【ショートショート】門番の友人
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5レスで終わる短いssです
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第一波の攻勢は凌ぎきった。
男は天を仰ぎ、張りつめた意識を解すように長く息を吐いた。
男は門番であった。
もう何年もこの砦を守ってきた。
そして定期的に攻めてくる敵をどうにか押し返してきたのだ。
「満身創痍だな」
友人が軽口を叩く。ヘイという名の男だ。
空元気を絞り出そうというのだろう。しかし戦場ではそれも必要ではあった。
「なに、いつものことさ」
ほう、とヘイが肩をすくめる。掴みどころのない男だ。それゆえだろうか。門番とは妙にウマが合った。
「今回もいつものように凌げるかね?」
「できるできないじゃないさ。凌ぐ以外は無いんだ」
「格好のよろしいことで」
男臭い蒸した空間であったが、この男といると不思議と清涼感を感じる。
ヘイとはそういう男であった。
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俄かに周囲が騒がしくなる。第二波が来たか。
「早いな……」
言葉は半ばまで出て、残りは噛み締められた。
その後も第三波、第四波と敵は立て続けに攻め立てる。
凌ぎ、凌ぎ、凌ぎ続ける門番であったが、熟練の彼にも疲労の色が濃く出ていた。
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「一つ、打って出るか」
ヘイが提案する。
「お前、何を……」
「このままでは、恐らくだが耐えきれんだろう。重要なのは時間を稼ぐことだ。俺が出て引っ掻き回す。少しはマシになるはずだ」
「それではお前が……!」
「なに、俺の心配はいらんさ」
いつものように、へらへらと笑うものだから。
門番は何も告げることができなかった。
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門をわずかに開く。
ヘイが通れるぶんだけ、ほんの少し。
泣きそうな顔で見る門番に、ヘイは少し悲しそうに微笑んだ。
そして前を向き、もう門番に一瞥も送らず、ただ前を見据えて歩き出す。
門を出たところで、ヘイは胸元から何かを取り出し、高く掲げた。
あれは何か?見覚えがある。確か、あれは、
敵のシンボルマークだ。
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敵であったのだ。
門番が友と思った男は。
敵であったのだ!
ヘイと名乗った男は!
門番を裏切ったのではない。
元より敵の間者であったのだ!
重々しく地鳴りが響く。
総突撃の足音だ。
ゆるく開かれてしまったこの扉に、敵を阻む力があろうものか!
ついに敵は、ゲリベン軍は門を突破した。
おしマイケル
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乙
きたない友情だなぁ…
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汚いSSだなぁ
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これは上手い!
上手いがきたない!二重の意味できたない!
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タイトルの門番だけで何のことかわかってしまった…
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