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【ショートショート】門番の友人

1 : 名無しさん :2015/08/27(木) 01:07:41
5レスで終わる短いssです


2 : 名無しさん :2015/08/27(木) 01:08:23
 第一波の攻勢は凌ぎきった。
 男は天を仰ぎ、張りつめた意識を解すように長く息を吐いた。
 男は門番であった。
 もう何年もこの砦を守ってきた。
 そして定期的に攻めてくる敵をどうにか押し返してきたのだ。
「満身創痍だな」
 友人が軽口を叩く。ヘイという名の男だ。
 空元気を絞り出そうというのだろう。しかし戦場ではそれも必要ではあった。
「なに、いつものことさ」
 ほう、とヘイが肩をすくめる。掴みどころのない男だ。それゆえだろうか。門番とは妙にウマが合った。
「今回もいつものように凌げるかね?」
「できるできないじゃないさ。凌ぐ以外は無いんだ」
「格好のよろしいことで」
 男臭い蒸した空間であったが、この男といると不思議と清涼感を感じる。
 ヘイとはそういう男であった。


3 : 名無しさん :2015/08/27(木) 01:09:20
 俄かに周囲が騒がしくなる。第二波が来たか。
「早いな……」
 言葉は半ばまで出て、残りは噛み締められた。
 その後も第三波、第四波と敵は立て続けに攻め立てる。
 凌ぎ、凌ぎ、凌ぎ続ける門番であったが、熟練の彼にも疲労の色が濃く出ていた。


4 : 名無しさん :2015/08/27(木) 01:09:49
「一つ、打って出るか」
 ヘイが提案する。
「お前、何を……」
「このままでは、恐らくだが耐えきれんだろう。重要なのは時間を稼ぐことだ。俺が出て引っ掻き回す。少しはマシになるはずだ」
「それではお前が……!」
「なに、俺の心配はいらんさ」
 いつものように、へらへらと笑うものだから。
 門番は何も告げることができなかった。


5 : 名無しさん :2015/08/27(木) 01:10:27
 門をわずかに開く。
 ヘイが通れるぶんだけ、ほんの少し。
 泣きそうな顔で見る門番に、ヘイは少し悲しそうに微笑んだ。
 そして前を向き、もう門番に一瞥も送らず、ただ前を見据えて歩き出す。
 門を出たところで、ヘイは胸元から何かを取り出し、高く掲げた。
 あれは何か?見覚えがある。確か、あれは、
 敵のシンボルマークだ。


6 : 名無しさん :2015/08/27(木) 01:11:10
 敵であったのだ。
 門番が友と思った男は。
 敵であったのだ!
 ヘイと名乗った男は!
 門番を裏切ったのではない。
 元より敵の間者であったのだ!

 重々しく地鳴りが響く。
 総突撃の足音だ。
 ゆるく開かれてしまったこの扉に、敵を阻む力があろうものか!

 ついに敵は、ゲリベン軍は門を突破した。
                              おしマイケル


7 : 名無しさん :2015/08/27(木) 01:21:14

きたない友情だなぁ…


8 : 名無しさん :2015/08/27(木) 05:07:41
汚いSSだなぁ


9 : 名無しさん :2015/08/27(木) 09:43:15
これは上手い!
上手いがきたない!二重の意味できたない!


10 : 名無しさん :2015/08/27(木) 09:55:37
タイトルの門番だけで何のことかわかってしまった…


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