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('A`)ドクオの失敗記録のようです

1名無しさん:2025/09/06(土) 23:36:21 ID:3HNljvfc0
その肝臓を持つ男は、唯一無二のしゃがれ声。
時を超え、距離や言語も関係なしに、彼の想いと音楽は、誰かの心に届き続けている。

ここは、21世紀の日本。
戦争も、暗い通りも、手の届く日々にはない。お酒の味も、違法なドラッグも知らない。
それなのに、彼の曲が、声が、僕の心に触れるのはなぜだろう。
遠い異国の、遠い日々のメッセージが、どうしてここまで近く感じるのだろう。

( ´ー`)「おい、鬱田。いつまでイヤホンしてるんだ?」

(;'A`)「あ・・・すみません」

先生に起こされると、ガヤガヤした声と、目の前の机。10分休みは、今しがた終わったようだ。
後ろの誰かが俺を指さして笑うけど、気にしない。くだらないし、どうでもいい。早くこんな場所から抜け出したい。

2名無しさん:2025/09/06(土) 23:36:52 ID:3HNljvfc0
/ ,' 3「ちょっとボウヤ。水を一杯くれないか」

(;'A`)「・・・え?」

/ ,' 3「ホラ。そのカバンの中。何かあるだろう。ノドが渇いちまってよ」

('A`)「あ、ちょっと待って・・・」

ようやく一日が終わり、いつも通りの帰り道。国道沿いの大通り。
すれ違いざま、声を掛けてきたのは、ヨボヨボのおじいさん。

('A`)「飲みかけですけど、これでよければ」

/ ,' 3「悪いね。助かるよ」

僕は言われるままに、今朝コンビニで買った水を渡す。
するとおじいさんは、一旦ちびちびと舐めるようにしてから、ぐいっと飲み干す。

/ ,' 3「ふう。こんな世の中でも、まだ捨てたもんじゃない若者がいるもんだ」

(*'A`)「えっ・・・やはり、そう思いますか」

/ ,' 3「そうとも。あんさんは中々の男と見たね」

3名無しさん:2025/09/06(土) 23:37:23 ID:3HNljvfc0
('A`)「でも、それ故というか、学校では孤立してて」

/ ,' 3「ふむ。分かるぞ。きっと周りが幼いんだろう」

(*'A`)「僕も丁度、その可能性について考えていたんです・・・!!」

/ ,' 3「そうか、そうか」

(;'A`)「・・・って、すみません。初対面の人に話すことでもないですよね」

/ ,' 3「いや、話なら聞いてやらないこともない。でもここはちと暑すぎるな」

おじいさんはそう言うと、道路の向かいをチラリと見る。
僕は察しが良い方ではないけど、ここは素直になってみる。

('A`)「よければ、コーヒーでもどうですか」

/ ,^ 3「きっぷがいいのう。気に入った」

(;'A`)「・・・では、行きましょう」

いや、まだ奢るとは言ってないのだけど。
少しモヤっとしつつも、僕は横断歩道を渡って、黄色い「M」の看板が目立つお店に入る。

4名無しさん:2025/09/06(土) 23:37:59 ID:3HNljvfc0
( ^Д^)「いらっしゃいませ〜」

/ ,' 3「ハンバーガーとは、久々だのう」

(;'A`)「・・・・・・」

僕のコーヒーだけの注文に対し、おじいさんは何かのセットを注文した。

/ ,' 3「むむ。年を取ると近くてな・・・すぐ戻る」

そしてお会計の局面で、そそくさとその場を離れるおじいさん。
僕はため息をつきながら、トイレなら右だよと教えてあげる。

( ^Д^)「お会計、1250円になりまぁす」

('A`)「ペイペイで・・・」

想定外の痛い出費。いったいどうしてこうなった。
確か僕は、道端でおじいさんに水をあげたんだ。そして気付けば、食事をおごろうとしている。相手は女の子じゃないんだぞ。
そんな風に考えて、モヤモヤが最高潮に達しようというとき、後ろから「トン」と肩を叩かれた。

5名無しさん:2025/09/06(土) 23:38:30 ID:3HNljvfc0
(゚、゚トソン「やっほー。奇遇だね」

振り返ると、そこに居たのはクラスメイトのトソンさんだった。
突然のことに、ぜんぜん頭が追い付かない。

(;'A`)「えー・・・ゴホン。ゴホンゴホン!!」

(゚、゚トソン「すごい咳。大丈夫?」

普段、女子と喋り慣れない僕は、こういうとき、咄嗟にどう返せばいいのか分からない!
そもそも、なんであんまり面識のないトソンさんが話しかけてきたのかも分からない。しかも「やっほー」て。
ここまで考えて、黙り込んでいる自分にようやく気付く。ひとまず、なんでもいいから何か言わないと。

('A`)「えーと。コーヒーを飲みに来ました」

(゚、゚トソン「そうなんだ。私は小腹が減ったからポテトだよ〜」

(;'A`)「・・・・・・」

(゚、゚トソン「あっ番号呼ばれた! ちょっと待ってて」

たったったと受け取りカウンターに向かうトソンさん。言われた通り、僕は待つ。

6名無しさん:2025/09/06(土) 23:39:08 ID:3HNljvfc0
/ ,' 3「ふむ。話をするつもりだったが、こりゃまた今度だな」

(;'A`)「うわ! いつの間に」

僕がトソンさんを待っていると、手に紙袋を持ったおじいさんが、横に居た。
そしておじいさんはニヤリと笑うと、僕の背中を軽く叩いた。

/ ,' 3「よく分からんが、頑張れよ。あんさんがいい男だってことは、オレが保証するぜ!」

(*'A`)「・・・ありがとうございます!!」

正直、ちょっとうっとおしいとも思ったけど、気分は勇気百倍だ。
自動ドアから出ていくおじいさんに、僕は深々と頭を下げた。

(゚、゚トソン「おお〜。あれは誰?」

その様子を、トソンさんに見られていた。

(;'A`)「えーと・・・本当に誰なんだろうね・・・」

(゚、゚トソン「知り合い?」

('A`)「いや。さっき会った人」

(゚、゚;トソン「さっき会った人!?」

7名無しさん:2025/09/06(土) 23:39:43 ID:3HNljvfc0
('A`)「実は、かくかくしかじかで・・・」

(゚、゚トソン「ほえ〜。それは鬱田くんの意外な一面を見た」

(;'A`)「意外?」

(゚、゚トソン「ぶっちゃけ、人助けとかしなさそうなイメージだったよ。ゴメンね」

(*'A`)「いや、今日のは気まぐれだよ・・・」

褒められてるのか、けなされてるのか分からないけど、ひとまず嬉しい。

(゚、゚トソン「ところで鬱田くんは何を頼んだの?」

(;'A`)「あっ! とっくに呼び出し番号出てる・・・」

(゚、゚トソン「おお。急げ急げ」

僕はコーヒーを受け取ると、そのままトソンさんと一緒にカウンター席へ。
サラっと書いたけど、正直心臓バクバクだ。なぜか流れでこうなっちゃったけど、これ以上、何を喋ったらいいか分からない。
思えばいつもこうやって失敗して、孤立してきた。もう、あまり傷を負いたくないんだけどな・・・。

8名無しさん:2025/09/06(土) 23:40:11 ID:3HNljvfc0
(゚、゚トソン「ポテト食べる?」

でも、僕の後ろ向きな思いを知ってか知らずか、隣の人はいたって普通だ。
まともに喋る事も出来ないカスと一緒にいるのに、ずっと昔から知り合いだったみたいな距離感。

('A`)「おお・・・じゃあ一本」

紙ナプキンに広げられたポテトに指を伸ばして、もしゃもしゃと食べる。トソンさんも食べている。釣られて僕ももう一本、二本。
やっぱり微妙な空気感。この沈黙が嫌なんだ。何とかしなきゃ、という思いが頭の中を回るほど、気の利いた事は思いつかない。

('A`)「・・・あの」

(゚、゚トソン「私さ。なんとなくでも知ってる人見ると、すぐ話しかけちゃうんだよね」

僕が何を言いかけたか、とにかく同じタイミング。
なぜか少し自嘲気味に、トソンさんが語りだす。

(゚、゚トソン「それで仲良くなれた子もいるし、時には嫌な思いをさせちゃうこともあって・・・」

(゚ー゚トソン「ゴメン、また人助けと思ってさ。こないだ失敗した話、聞いてくれる?」

9名無しさん:2025/09/06(土) 23:40:38 ID:3HNljvfc0
また、急な展開に、僕は頭が追い付かない。
それを聞くのが、自分でいいのか、とか。話題ができて助かった、とか。今すぐここから去るべきだ、とか。
でも、とにかく今は、目の前のトソンさん。
さっきまでのぽわっとした雰囲気とは少し違って、なぜか心が吸い寄せられる。

(;'A`)「あの・・・その前に、自己紹介をしよう!!」

(゚、゚トソン「へ? 自己紹介?」

('A`)「うん。僕らはクラスメイトだけど、大事な話をするにはお互いの事を知らな過ぎると思う」

(゚、゚トソン「なるほど。それなら丁度、良いものがあるよ」

トソンさんはそう言うと、カバンをごそごそと探った。
そして、大きめのメモ帳を、ペリ、とはがすと僕に渡した。

(゚、゚トソン「小学生のころ流行った、プロフ帳。私も書くから交換しよう!」

(*'A`)「おお・・・妹がやってたな」

質問の項目を見ると、名前やメルアドに始まり、いろいろ細かい。

10名無しさん:2025/09/06(土) 23:41:07 ID:3HNljvfc0
(゚、゚トソン「書きたくない項目は、スルーでもいいからね〜」

気になる人がいるか、の所で手が止まっているとフォローが入る。
ところが他にも、ペットを飼うなら、とか、好きな教科、とか、考えたこともない質問に苦戦する。

(;'A`)「ぜえぜえ。ようやくできた・・・」

(゚、゚トソン「お疲れ〜」

('A`)「ずいぶん待たせたよね。申し訳ない」

気付けばトソンさんのポテトは空に。僕のコーヒーも、あと一口だ。

('A`)「あの、一つ質問なんだけど」

(゚、゚トソン「なんでしょう」

(;'A`)「こういうプロフ帳って、その場で読み合うの恥ずくないか・・・?」

(゚、゚トソン「そこが良いんだよ〜」

(;'A`)「あっ、ちょっと・・・」

書き終えたそれは、抵抗する間もなく、僕の手から奪われる。

11名無しさん:2025/09/06(土) 23:41:35 ID:3HNljvfc0
(゚、゚トソン「私のも渡すね。久々で楽しかったよ」

(*'A`)「あの・・・俺のはともかく、個人情報とか大丈夫?」

(゚、゚トソン「横流しとかしないでしょ?」

('A`)「しないけど。どんな奴か知る前に渡すの怖くない?」

(^、゚トソン「どんな奴か知るためだから良いんだよ〜」

(;'A`)「うん・・・? 頭がこんがらがってきた」

ともかく、図らずも僕は女子のプロフ帳というものを手に入れてしまった。しかしやっぱり、この場での読み合いは恥ずかしすぎる。
僕はコーヒーを飲み干すと、熟読しているトソンさんに声をかける。

('A`)「これはあとで読むよ。今日のところは一旦帰るね」

(゚、゚*トソン「好きな色が琥珀ってオシャレだね〜!」

不意の大ダメージ。カッコつけて書いた部分に触れられて、僕の耳は真っ赤だ。
やはりこれは、早期撤退を決めてよかった。

12名無しさん:2025/09/06(土) 23:42:13 ID:3HNljvfc0
(゚、゚トソン「じゃ、また明日ね!」

('A`)「うん・・・今日はありがとう」

夕焼けをバックに、ぶんぶんと手を振るトソンさん。
僕はその影を、一生忘れない気がした。

帰り道、4つに畳んでポッケに入れたプロフ帳を、何度も触る。
つるつるした紙の感触に、嫌でも心が浮き立った。

13名無しさん:2025/09/06(土) 23:47:48 ID:3HNljvfc0
つづきます
心を込めて書きます!下手ですみません
よろしくお願いいたします

14名無しさん:2025/09/06(土) 23:59:37 ID:kC.0w9z20
がんばれ

15名無しさん:2025/09/07(日) 23:17:25 ID:BmhvS/7o0
期待

16名無しさん:2025/09/12(金) 18:22:12 ID:VgvO9Cfw0
乙乙
一体何が始まるんだろう…?めっちゃワクワク!

17名無しさん:2025/09/14(日) 21:27:07 ID:PqtoatnQ0
その日はなぜだか、別の場所に行きたくなった。
学生カバンを肩にかけ、歩きにくいローファーを履く。そしていつも通りの駅から、いつもと違う路線を選んだ。見慣れない行先の表示に、心がときめく。
流れる景色に、世界から引きはがされる感覚が心地いい。

電車に乗ってから、数十分。スマホを見ると午前九時。電源は一旦オフにする。
僕はそろそろ歩きたくなって、なんか響きの良い駅で降りる。そして秋晴れの空の下、商店街を通り抜けた。

('A`)「不良って、こんな感じかな・・・」

普段なら、隔離された教室の中にいる時間。おじさんやおばさんで、賑わっている八百屋の前。
僕は昼飯用の財布から小銭を出して、バナナを一房買った。

18名無しさん:2025/09/14(日) 21:27:34 ID:PqtoatnQ0
*(‘‘)*「見ない制服ねえ」

('A`;)「ええまあ・・・」

会計の時、レジのおばちゃんに、みかんをオマケしてもらう。
八百屋を出てからまっすぐ歩くと、30分ほどで商店街が終わり、街路樹のある道に変わる。人気もだいぶまばらになる。
坂を上ったてっぺんからは、遠くに知らない学校が見える。
ここから見ると豆粒みたいな、窓枠のひとつ。目を凝らせば、知らない俺の幻の分身が見えてくる。うう頭が。

('A`)「帰るか」

幻覚を見始め、精神状態が心配になった僕は、元来た道を戻ることにした。
駅に着き、スマホの電源を入れる。案の定、着信とラインが何件か。
ひとまずトソンさんには「遅刻する」とだけメッセージを入れて、ホームで電車を待つ。
すると、すぐさまポッケからピロン。見るとトソンさんからの返信だ。

('A`)「さて。学校行くか・・・」

今日はこのまま家に帰って、風呂に入る手筈だった。しかし冷静になればそんなの土日でもできる。僕は遅刻野郎になる事を決意した。

19名無しさん:2025/09/14(日) 21:28:16 ID:PqtoatnQ0
しかし結果から言えば、僕はこの日、完全に学校をサボった。
がらんどうの通学路を一人でのんびり歩いていたら、向かいから見慣れた制服がやって来る。よく見るとそれは、さっき返事をくれた人だった。

(゚、゚トソン「やっほー」

('A`;)「・・・ええ〜?」

トソンさんは僕に気付くと、片手を上げる。僕は釣られて敬礼する。

(゚、゚トソン「よお。君はこれから学校か」

('A`)「そうだけども」

(゚、゚トソン「ぶっちゃけ楽しい?」

('A`)「つまんない」

(゚、゚トソン「私はこれからファミレスとか行くつもりだけど」

('A`;)「・・・・・・」

白状すると、この人と会えるのが楽しみで、嫌いな校舎に足を運んでる。
でも、当の本人はどういう理由か早退してる。もぬけの殻のコンクリートブロックに用はない。用はないんだけどな。

20名無しさん:2025/09/14(日) 21:29:58 ID:PqtoatnQ0
('A`)「いいね。気を付けて」

少しの逡巡の後、僕は作り笑顔を作って、予定通りの進路を選んだ。我ながら最高にカッコ悪いカッコつけだ。でも、これしかできない。

(゚、゚トソン「えー。冷たいなぁ」

('A`;)「・・・ゴメンね」

(^、^トソン「冗談冗談。また明日」

そう言うと、小さく手を振るトソンさん。僕はそれを見て、ぎこちなく手を動かす。
また、一人になった通学路。さっきよりも一人だ。僕は寂しくなって、そばの公園に入る。

('A`)「嗚呼。はやくおじいさんになりたいな・・・」

カバンから、八百屋で買ったバナナ出して、むく。ぱくる。人気のない公園に、風だけが吹き抜ける。
僕は眠気に襲われて、ベンチをベッドに横になる。教科書一冊、顔の上に開いて乗せる。ぺたんこの学生カバンを枕にする。
まるで夢を見ているような現実の中、少しのあいだ夢を見る。

それは、幸せな夢。普通の人みたいに部活とか入って、普通の人みたいな青春を送る夢だ。

21名無しさん:2025/09/14(日) 21:30:45 ID:PqtoatnQ0
('A`)「はは。叶うわけないんだよ・・・」

('A`)「むしろ、これでも上出来だ」

誰にも聞こえない声で、呟いた。頭にあるのは、過去のことと、今のこと。

('A`)「・・・なんでトソンさんは、俺なんかに構ってくれるのかな」

(゚、゚トソン「ほう。それよりも、なんで鬱田くんは寝てるのかな?」

('A`;)「・・・・・・」

(^、^トソン「ここ、人少なくていいね〜」

おそるおそる、目隠しの教科書を取る。すると太陽を陰にして、トソンさんの顔がある。
謀らずも、合ってしまう目。彼女の丸い目が、ニマーと細くなる。

(゚、゚トソン「結局サボリはいけないなと思ってさ。引き返したら、寝てる人がいるんだもん」

('A`)「・・・まあ、びっくりするか」

(゚、゚トソン「で、誰かなーと思って。よく見たら鬱田くんで。なんか独り言いってたね?」

死なせてくれ。今までの人生の中で、ここまで切実に思ったのは2回目だ。

22名無しさん:2025/09/14(日) 21:31:30 ID:PqtoatnQ0
('A`;)「・・・あの」

(゚、゚トソン「で、独り言さ。聞いちゃったんだけどさ。鬱田くんって卑屈だね」

('A`)「うん。まあ。そうだと思う」

(゚、゚トソン「それで私はね、ちょっと卑屈くらいな人が好きなの。自分もそうだから」

('A`)「・・・俺はだいぶ卑屈だよ」

(^、^トソン「そう言うよね。そういう所がいいなって」

('A`;)「・・・・・・」

待ってくれ。なんかさらっと好きって言われたんだが。この文脈どっちだよ。流石にライクだよな・・・。
いやでもライクに見せかけて本心のラブ言うタイプの、回りくどい『好き』かもしれん。女子ってそういうことするやん。漫画だと。
でもそうだ、危ないここは現実だ。すぐ舞い上がるのは良くない癖だ。

('A`)「とりあえず・・・なんかありがとう」

(゚、゚トソン「いえいえ」

('A`;)「正直、トソンさんがいて、俺はだいぶ助かってて・・・悪く思われてないなら、良かったよ」

(゚、゚トソン「おお〜。それなら私もよかった!」

23名無しさん:2025/09/14(日) 21:32:00 ID:PqtoatnQ0
自分なりに吐き出した本心が、アッサリ拒絶されなくて、ホッとする。
僕とトソンさんはベンチに横並びになって、少しだけ間ができる。

(゚、゚トソン「ところで、もうじきお昼だけども。学校どうする?」

口を開いたのは、トソンさん。気付けばそんな時間だ。

('A`)「うーん。今日は5時間か」

(゚、゚トソン「最後の1時間だけ行くん?」

('A`)「行かない」

(゚、゚トソン「じゃあ私も。ファミレス行こう!」

('A`;)「・・・さっきバナナ食べたからいい」

(゚、゚トソン「え!! ズルじゃん」

('A`;)「まだ全然余ってるよ・・・」

僕はバナナの残りを全部トソンさんに押し付ける。正直心が限界なので、食べてもらってる間に逃げる作戦だ。
3本あれば、一本食べ終わるのが3分として、9分は稼げる。

24名無しさん:2025/09/14(日) 21:32:53 ID:PqtoatnQ0
('A`)「・・・・・・」

(゚、゚トソン「うめ〜。牛乳飲みて〜」

しかし作戦は失敗。バナナ食べ歩きJKが誕生しただけだった。

このあと僕らは10分ほど歩き話をして、ホームに向かう階段で別れる。

('A`)「じゃあここで・・・」

(゚、゚トソン「おー。バナナありがとね」

トソンさんは、僕とは逆方向の電車で帰る。
今日のところはホッとしたけど、嬉しいのか悲しいのか分からない。

('A`)「まあ、喜んでおくか」

折角、卑屈な自分を好きといってくれたんだ。
ガラ空き電車の昼下がり、僕は水色の心に包まれる。

25名無しさん:2025/09/14(日) 21:37:38 ID:PqtoatnQ0
つづきます〜
コメント励みになります、ありがとうございます!
引き続きよろしくお願いします


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