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( ・∀・)残念ながらここは異世界ではないようです
1
:
名無しさん
:2018/09/05(水) 09:57:57 ID:HW8ZyJr.0
俺Tueeeeeeeでチートな異世界ものです
読んでください
36
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:41:27 ID:sSQioHio0
( ・∀・)イラッ
( ・∀・) そこまで言わなくてもいいだろ……俺はこの世界ではリスクをあまり取りたくないだけだ
( ・∀・) この世界には回復魔法も回復ポーションも無い。女神から授けられた聖剣も聖帝から授けられる魔法も無い
( ・∀・) 所詮人の命なんて軽い存在、刃物で切りつけられたらすぐ死ぬし野生動物にさえ力及ばない、そんな世界なんだ
俺は少しカッとなったあまり早口で俺の持論を彼女に投げつけるかのように言った。
彼女は俺が話終わるか終わらないかのうちに首を大きく横に振ってこう言う。
ξ゚⊿゚)ξ 何しみったれたこと言ってるのよ、たしかにこの世界はそんなに素晴らしいものじゃないし祝福は無いわ
ξ゚⊿゚)ξ トラックに轢かれれば内臓が跡形もなく潰れて死ぬし一度死ねばもう生き返れない、転生なんて出来る世界じゃない
ξ゚⊿゚)ξ 無論自分が「選ばれた存在」でないことも分かってるしね……でもさ、そんな世界だからこそ人は夢見てそれを実現する為に前へ進むんじゃない?
ξ゚⊿゚)ξ 初めて空を目指した兄弟も、未知の航路を目指して航海に出た乗組員達も、遠い宇宙(そら)を目指した科学者達も
ξ゚⊿゚)ξ それがリスキーだって分かってる。命を失うかもしれない、でもそれを恐れず進んだから今がある
ξ゚⊿゚)ξ そう考えるとなんだか安全策を取って逃げてばかりの人生ってつまらないものじゃない?
ξ゚⊿゚)ξ だから私はそんな世界とは違う世界に憧れたし、この世界でも自分の思ったように行動したいと思った
ξ゚⊿゚)ξ そんな訳で私は今ここにいるのよ
ξ゚⊿゚)ξ あんたも私と同じ人種だったと思ったんだけど所詮御都合主義の異世界で望むような展開を楽して手に入れたいだけのクソオタクだったのね
ξ゚⊿゚)ξ 私の目も少し見誤ったのかしら
37
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:42:14 ID:sSQioHio0
胸を張りそう熱弁をふるう彼女。ヘッドライトの光が彼女が体を動かす度に上下左右に動く。
彼女の熱い言葉の一字一句が無防備で脆い俺の胸にぐさぐさと突き刺さる。
最初は何故彼女は俺に対してそんなにキツい言葉を掛けるのか、何が気に食わないのかと思った。
でもそうじゃないのだ。俺が彼女のような存在をこの世界で求めていたように彼女は俺のと、いやそれより遥かに大きな意思を胸に抱いて
異世界に憧れ、そしてこの世界との差異に直面した。
所詮俺は自分が好きなように生きられないのをこの世界のせいにして、別世界で自分が活躍出来るという妄想をするだけだった。
クラスでは冴えない中の下、話しかけられたら返事をするけどそうでも無い限り日常的会話はほぼ0。
趣味は世に言うサブカル系、でも所詮それは逃げだったのかもしれない。
それに比べて彼女はどうだろうか。彼女は異世界で俺TUEEEをしている小説を読んで異世界に興味を持った、みたいな薄いものじゃない。
どちらかといえば恵まれているような環境、でもその世界は彼女の求める「楽しみ」は無く生きる意味はどこにあるのかさまよっている、そんな時に
ファンタジー世界、そう、こことは違う世界に出会い憧れを抱いたのだろう。
そして俺と彼女の決定的な違いはそこから現実世界に視点をもう一度戻し、この世界を自分の望むように作っていく、そんな生き方を選んだのだろう。
先程まで隣りにいた、同好の士だと思っていた彼女と俺の間には大きな差があるのではと俺はこの瞬間思ってしまった。
38
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:42:45 ID:sSQioHio0
(:・∀・) ……
ξ゚⊿゚)ξ ちょっと、何か言いなさいよ!
ξ゚⊿゚)ξ ねぇ!
(;・∀・) 津出さん……ごめん
ξ゚⊿゚)ξ え?
(;・∀・) 俺は君と一緒に行動する資格がないんだ……ごめん
俺はそう告げると彼女に背を向けて坑道の入り口へと走った。
女子の前で弱っちい事を言って、それに対してどうしようもない自分の信条で言い訳して。
彼女は彼女の本心を打ち明けてくれたのに、それが眩しすぎて、俺には直視出来なくて。
なんて俺はかっこ悪いんだろう。
所詮俺はどんな世界に行っても世界を救うことどころか目の前で泣く少女一人を笑顔にすることすら出来ない大馬鹿者だ。
ξ゚⊿゚)ξ 待ちなさいよ!モララー!
後ろで彼女が俺を呼ぶ声がする。でもここで振り返っったら負けな気がする。
何が負けなのか、それすら分からないけどここで振り返ることは何故か俺には出来ず、ただ走った。
39
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 16:44:26 ID:sSQioHio0
坑道の外に出ると着いた時の好天はそこには無く、灰色の雲が空を覆い尽くし今にも雨が振ってきそうな天気だった。
俺は一度坑道の中を振り返り、そこに光が見えないことに気付きその場を去った。
初めて同じ趣味を持った(ように俺が思っていただけかもしれない)女子と楽しい時間を過ごした電車の車内。
そんな車内も帰りはただ静かだった。寿命が近いのか蛍光灯がせわしく付いたり消えたりを繰り返していた。
この世界はやはり退屈で、つまらなく、不条理で、そして辛い。
残念ながらやはりここは異世界ではないのだ。
今 回 は こ こ ま で
*
作者も予想してなかった展開になってまいりましたが、この二人、そして異世界探索はどうなるのか?
次回をお楽しみに
*
40
:
名無しさん
:2018/09/22(土) 18:36:15 ID:zaLWR4iA0
ツンがガチ過ぎて酷い
41
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:49:48 ID:M7JKVxFE0
久々の投下です
今更ですけど展開早すぎましたね……ストーリー構成とかもっと勉強しないと
42
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:51:28 ID:M7JKVxFE0
残念ながらここは異世界では無いようです 第3話
RE:多分ゼロから始まる異世界探索
43
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:52:09 ID:M7JKVxFE0
( ・∀・) ハァ……
( ・∀・) 今日の更新分はこれだけか……どれもパッとしないなぁ……
実質的な喧嘩別れをしたその日の夜、俺は自分の部屋でお気に入り登録している作品を消化する作業に取り掛かったがどの作品を
読んでも「面白い」だとか「わくわく」といった感情を持てない。
それどころか「こんなところで主人公が助かるのは御都合主義な展開だ」とか「は?硬派ぶっておいて結局テンプレかよ」などと
批判的な目でしか見れなくなっていた。その理由は無論今日彼女に言われた言葉、そしてそれを受けて揺らぎ始めつつある俺の心だった。
想像の世界で翼を幾ら広げた所で所詮俺は現実世界では冴えない男子高校生。
イケメン主人公でもサポート役の有能な友人でも無くそこらの町を歩くモブ的存在。
そんな奴が生意気な妄想を膨らませて……もはや自分が何で悩んでいるのか、どうすれば良かったのかすら分からない。
ただ敢えて言うなら期待を膨らませて入学し過ごしてきた高校生活が思ったよりも面白いものではなく、そしてその原因が自分自身にあるのではと思い、
なんとも言えない憂鬱感に苛まれていたことが幾らかあるのではと思う。
そして俺はそんな閉塞感を打開するものとして別世界に憧れ、そこで活躍する対極的な自分を追い求めていたのだと。
( ・∀・) ハァ……
気が重い夜はそうして過ぎ、朝が来た。
44
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:52:33 ID:M7JKVxFE0
( ・∀・) 日曜日か……って言っても特にやることも無いし行く所も無いし暇だな
( ・∀・) 撮り貯めて置いたアニメでも消化するか
いつもにまして無気力な俺はそんな塩梅で立ち上がるとリビングに行きテレビの電源を入れた。
机を見ると母からの手紙がファーストフードの袋を文鎮代わりにして置かれていた。
「モララーへ
おはよう。ママとパパはちょっと手が離せない仕事ができちゃったので今日も出勤です。
マクロナルドのセット買ってきたので食べていてね
ps:本当はこんな高カロリー、高脂質なのは食べ過ぎちゃ駄目よ!
」
( ・∀・) また仕事かぁ……
( ・∀・) しかも食べ過ぎちゃ駄目よって言っておきながら買ってくるのってねぇ?
( ・∀・) まあ好きだし偶に食べたくなる味だってことは否定しないけどさ
袋をガサゴソ言わせて中からハンバーガーを取り出し、口にする。
ザ・ジャンクフードな味が口いっぱいに広がるがそれがなんとも言えない幸福感を感じさせる。
そんな感じでハンバーガーを食しながら何気なくチャンネルを移動しているととあるニュース番組が俺の手を止めた。
45
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:53:09 ID:M7JKVxFE0
「したらば鉱山で崩落事故!行政の管理に不手際あり、専門家に聞く!」
( ・∀・) !?
( ・∀・) ……したらば鉱山……
( ・∀・)……ハハッ……まさかね……
そんなニュースに手元のハンバーガーを落としそうになった。俺が驚くのも無理はない。
話題に上がっているしたらば鉱山とはまさに俺と彼女が昨日行ったあの廃鉱山跡。
そこで崩落事故……。
俺はその突然入ってきたニュースにヒヤリとし、そして最後に見た彼女の表情を思い浮かべた。
まさか……ツンは大丈夫だよな?そうだよな?
( ^ω^) こちら現場のしたらば鉱山跡ですお!ご覧の通り坑道の入り口周辺の岩盤が突如崩落したことで
坑道の内部の状態はまだ分かりませんが相当の規模の崩落だと言うことですお
( ^ω^) 崩落が起こったのは昨日の昼過ぎ、地元住民から異様な音がすると通報を受け警察が駆けつけた所、崩落を確認、
周辺を立入禁止とする対応策を取ったとのことですお
( ^ω^) したらば鉱山はかつてこの街の経済を支えていた貴金属等を産出する鉱山であり戦後に閉山、現在は廃坑として放置されていたらしいですお
( ^ω^) 県や警察はこの鉱山の所有者であるしたらば土建(株)の維持管理に問題は無かったか調査をするとのことですお
( ・∀・) 昨日の昼過ぎ……
( ・∀・) 嘘だろ……?
46
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:53:41 ID:M7JKVxFE0
信じたくない、ありえない、そんなことがあるはずがない。
脳内に様々な文字が浮かび上がっては消え、そんなことが繰り返される。
維持管理?そんなことはどうだっていい。それより彼女は無事なのか、それが俺の知りたいことの第一だった。
連絡先?実は知らない、というか流れで意気投合して集合とかいうテキトーなことをしたせいでお互いの連絡先交換をしてなかったのだ。
それに今思えば俺は彼女のことを殆ど知らない。どこに住んでいるか、どんな暮らしをしているのか、そしてどんな人なのか。
今冷静になって考えてみればあの時俺が勝手に抱いた彼女の人間像も正しいとは限らない、いや俺が彼女の僅かな言動から勝手に
推測したもの、僅かな交流で人の内面を思い知ろうなんて思い上がりなのかもしれない。
そんな自責の念を懐きながらも、何とか彼女の安否を知れないか俺は頭をフル回転させていた。
彼女の友達?残念ながら女子の友人がほぼ居ない俺にはその選択肢は無い。
じゃあクラスの男子にRINEで聞くか?でも変な推測されるし不確実だよな……
そして俺が取った手段、それは一番単純で一番愚直な方法、つまり現地に行くということだった。
47
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:54:05 ID:M7JKVxFE0
昨日と同じようにしたらば方面へ向かう電車に飛び乗る。
俺が乗り込むまで妙に賑やかだった車内は何故か静かだった。移り変わる車窓も味気ないものに感じた。
そんな時間を過ごすこと数十分、窓の外には例の鉱山が見えてきた。
相変わらずのおどろおどろしい山肌、そして禿山。
俺は駅に着いてからひたすら走った。もし、いや本当にもしだけど彼女が巻き込まれていたとしたら……一秒でも早く見つけないと、と。
鉱山事務所は昨日と同じようにそこにあった、だがその入り口には黄色いKEEPOUTのテープが貼られ物々しい雰囲気。
そして二次災害やトラブルを防ぐために数人の警察官が辺りを見張っていた。
( ・∀・) 警官に言うべきか……?でも信じてもらえないだろうしな……
( ・∀・) でも押し入ることは出来ないし……
焦る俺はそんな感じでテープで囲まれた出入り口の周りをぐるぐる回りながら考えに耽っていた。
もし別の入り口があるならそこから入る?いや、でも繋がっているとは限らないし彼女と合流出来る保証なんて無い。
それにまた崩落があったらどうするんだ……?
48
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:54:42 ID:M7JKVxFE0
ξ゚⊿゚)ξ ねぇ
( ・∀・) !?
( ・∀・) あ、あの俺は怪しいものじゃなくて……えっとニュースであの……
ξ゚⊿゚)ξ 何テンパってんのよw
( ・∀・) え……つ、津出さん!?
ξ゚⊿゚)ξ そりゃ私は津出だけどどうしてあんたまでここにいるのよ
( ・∀・) そりゃあの……君が心配で……
ξ゚⊿゚)ξ そ、そう
ξ゚⊿゚)ξ 私がこの事故に巻き込まれたと思って心配してここまで来たって感じかしら?
( ・∀・) そうだけど……無事だったんだ……
ξ゚⊿゚)ξ 私がそう簡単に死ぬと思う?まだこの世界でやり残したことが山程あるのよ?
( ・∀・) よ、良かった……
ξ゚⊿゚)ξ ちょ、突然何倒れかけてるの!
( ・∀・) 安心して腰が抜けた……ハハ……
ξ゚⊿゚)ξ 全く……モララーも馬鹿ね
ξ゚⊿゚)ξ まぁ少し意外だったけど
( ・∀・) ん?
ξ゚⊿゚)ξ 何でもないわよ
ξ゚⊿゚)ξ それよりほら、これ
( ・∀・) ん?
49
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:55:30 ID:M7JKVxFE0
ξ゚⊿゚)ξ 結局途中で行き止まりになってて時間も時間だから出たんだけどその後崩落が起こったのよ
ξ゚⊿゚)ξ それでいろいろ調べてたらこれ……
そう言って彼女は腰を下ろした俺にスマホの画面を見せる。
そこにはしたらば鉱山についての様々な伝承やら噂がまとめられていた。
そしてそのページの最新の書き込みにとある一文のコメントが寄せられていた。
「今回の崩壊は真実が暴かれることを機関が恐れたため崩落させてGATEを封印した」と。
( ・∀・) まさか……ね
ξ゚⊿゚)ξ でも十分ありえる話だわ、せっかくここまで迫っていたのに残念ね
( ・∀・) あ、あぁ
馬鹿らしい、普通はそう思うだろう。
でも何故か俺には嘘には見えなかった。何か出来すぎているような、そんな気がしたからだ。
ξ゚⊿゚)ξ それより前から思ってたんだけど、その津出さんっての何か気持ち悪いからツンって呼んでくれない
( ・∀・)!?
ξ゚⊿゚)ξ 何びっくりしてるのよ、皆私のことそう呼んでるんだしあんたもそうしたら?ってだけよ
( ・∀・) う、うん
( ・∀・) ツン……
50
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:56:13 ID:M7JKVxFE0
( ・∀・) それよりあのさ……昨日のことなんだけど
ξ゚⊿゚)ξ ごめん!
( ・∀・) え
ξ゚⊿゚)ξ 私、つい言い過ぎたんけど許してくれるかしら
( ・∀・) そ、それは俺もそうだし……
ξ゚⊿゚)ξ 同士、話が合う人って初めてだったからつい自分の価値観を押し付けちゃって……
( ・∀・) いや、ツンの言うことはもっともだよ
( ・∀・) そして俺は勝手にいろいろ考えて……
( ・∀・) あのさ……良かったらなんだけどさ
ξ゚⊿゚)ξ え?
( ・∀・)君と一緒に「この世界」で生きていきたいなって
ξ*゚⊿゚)ξ ちょ、それって……どういう意味で
(*・∀・)(自分でも分かるほどの恥ずかしいこと言ってるうううううう)
( ・∀・) えっと、だから……これからも一緒に探索とかいろいろしたいなって
ξ゚⊿゚)ξ なんだ、そんなことね
ξ゚⊿゚)ξ 当たり前でしょ、あんたのことを知った時からもう決まってたわ
ξ゚⊿゚)ξ ちょっと弱っちいところはあるけど貴重な同士だわ、これからも付き合ってもらうわよ
( ・∀・) 弱っちいは余計だろ……でもありがとう
ξ゚⊿゚)ξ さぁ、そうと決まればまずは作戦会議ね!こんなとこじゃなんだし駅前のスタヴァ行くわよ
( ・∀・) あぁ……
( ・∀・) スタヴァで思い出したけどパフェ代返して貰ってねーぞ!!
51
:
名無しさん
:2018/10/07(日) 21:56:45 ID:M7JKVxFE0
確かにこの世界は世に言う「異世界」ではない。
でも、それでもまだ俺達には分からないことが山程ある。
そういう意味ではまだこの世界は面白いのかもしれない、誰かと一緒ならもっと。
今 回 は こ こ ま で
52
:
名無しさん
:2018/10/08(月) 13:15:44 ID:ttSM4TYw0
おつおつ
展開がどう転んでも面白くなりそうだな
53
:
名無しさん
:2018/10/08(月) 17:04:10 ID:q8OdV06c0
乙
54
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:41:34 ID:n99bSBac0
乙ありです
投下忘れてるんじゃないかって?
何とか書いたので投下します
どういう風に今後展開していくか正直まだ悩み中
55
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:43:22 ID:n99bSBac0
残念ながらここは異世界では内容です 4話 (サブタイなし)
56
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:43:58 ID:n99bSBac0
あの事件から一週間が過ぎた。
警察は鉱山の管理者であった土建会社に対しての捜査を進めているが単純に管理の不行き届きということで終わりそうだ。
産業遺産としての認定はこの事故で大半の遺構が失われたとか何とかで厳しくなってしまっただろうと県の担当者が悔しそうな顔で
記者会見をしていたが、本当に保存するつもりなら何故民間に任せきりだったのかとか聞きたくなるがそれは野暮なのだろうか。
もしかしたら県も業者も異世界との密約を結んでいてゲートの役割を維持する為にあのまま放置していたのではないか、そんな荒唐無稽な考えさえ浮かぶ。
とにかく俺とツンはあそこを訪ね明確な手がかりを得ることは無かったものの、一応互いの理解は多少なりとも深まり
時々行動を共にするようになった。学食だったり屋上だったりスタヴァだったり。
大体の支払いが俺持ちなのは不公平だと思うんだがあいつは上手くそこら辺をはぐらかすので俺がずっと負けている。
今度こそ奢らせてやるからな、ツインドリルを洗って待ってろよ。
また俺と彼女が共同戦線を張ってずっと捜索している「第二のゲート」の手がかりは残念ながら見つかる気配がない。
彼女はどちらかと言えば歴史書や郷土資料といった文献から何らかの手がかりを得ようとして、日々図書館やら郷土資料館へ足を運んでいるらしいが……
それに対して俺は完全に別の行動を取ることにした。彼女がかつての記録からゲートを探そうとするのに対し俺は未来の、そして異世界の人類に思いを馳せることで
その場所を探そうとしているのだ。
って何もしてないじゃないかって、そんなことないから叩かないでくれ
57
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:44:37 ID:n99bSBac0
ξ゚⊿゚)ξ 何誰も居ない所に向かって喋ってるのよ?とうとうおかしくなったのかしら?
( ・∀・)いやもしかしたら異世界の人類はこんな日常にも潜んでいるかもしれないだろ?だから彼らに警告する意味で……
ξ゚⊿゚)ξ あっ、そうね
ξ゚⊿゚)ξ ってネタバラシしてまた雲隠れされたらどうするのよ!
( ・∀・) ……うーん、それも一理あるかもしれないが……
( ・∀・)それよりツンはあれから何か掴んだ?
ξ゚⊿゚)ξ いや、いろいろ調べているんだけどね……
( ・∀・) まあそんなに簡単に見つかるものじゃないし気長に探そう
( ・∀・) あと話は変わるんだけどツンに頼みがあるんだ
ξ゚⊿゚)ξ え?どうしたのそんなに深刻な顔をして
( ・∀・) あのさ……
( ・∀・) 良かったらなんだけどさ、勉強教えてくれない?
ξ゚⊿゚)ξ へ?何かもっと重大なことかと思えば……
ξ゚⊿゚)ξ まあ良いわ、そう言えばテスト近かったわね
58
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:45:11 ID:n99bSBac0
( ・∀・) 近いも何もあと一週間、正直今回のは乗り切れる気がしないんだ
ξ゚⊿゚)ξ そう?別に簡単でしょ?最後の一日で何とかなりそうだし何も勉強してないわ
(;・∀・)イラッ
( ・∀・) これが出来る人のセリフか……釈然としないけど背に腹は代えられない
( ・∀・) ツンさん、お願いします!
ξ゚⊿゚)ξ でも物事には代償が必要よね?
( ・∀・) ……代償?
ξ゚⊿゚)ξ 今までの奢りはこれで帳消しね
( ・∀・) やっぱり知らないフリで実は分かってたのかよ!最初のパフェからずっと!
ξ゚⊿゚)ξ 私みたいな美少女と一緒にお茶出来るんだからそれぐらい我慢しなさい
ξ゚⊿゚)ξ まあそれは冗談だし後で全額、とまではいかないけど払うわよ
少し不本意ながらも彼女に頭を下げ、俺は何とかテストを乗り切ることが出来た。
彼女の教え方は思ったよりも分かりやすく、これまで教わった誰よりも良かったような。
59
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:45:47 ID:n99bSBac0
テスト結果が一気に張り出された翌週の朝、俺は廊下に張り出された順位表の前にいた。
良くある学園モノと同じように俺の高校でも上位10人の名前と得点が一同の目に晒されることになっている。
得点上位4人が「四天王」上位10人が「十傑」と呼ばれて崇められるとか無いとか。
「番付」に乗ることを誇りに思うものもいるがあまり目立ちたく無いと考え敢えて少し点数を落とす人がいるらしいから
この制度の賛否は分かれるのではないかと思うがカスリもしない俺が何を言っても無駄だよなって。
ただ驚くことに、いや確かに地頭は変な方向にさえ行かなければ優秀そうだから驚くことじゃないのかもしれないが
張り出されたリストの真ん中に彼女の名前があった。
5 津出玲子 457
( ・∀・) 凄ぇんだなあいつ……
( ・∀・) 普段がアレなせいで何か釈然としないけど
60
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:46:12 ID:n99bSBac0
ζ(゚ー゚*ζ 何が釈然としないですって?
( ・∀・) え……ツン!?
ζ(゚ー゚*ζ
( ・∀・) ん……?
( ・∀・) 人違いか
ζ(゚ー゚*ζ 人にガン飛ばして置いてその態度は失礼ですわね
ζ(゚ー゚*ζ あなたがお姉さまが言ってたモララー、とやらですの?
ζ(゚ー゚*ζ 聞いていた以上にシケた面ですのね
( ・∀・) は?突然何を言い出すかと思えば
( ・∀・) 第一あんた誰?
( ・∀・) 「お姉様」って言ってるってことは津出の妹!?
ζ(゚ー゚*ζ そうですの。私、都出デレと申しますの
ζ(゚ー゚*ζ それにしても嘆かわしいことですわね……あのお姉さまと行動を共にしている男と聞いたからさぞかし素晴らしい方かと思いましたのに
ζ(゚ー゚*ζ 世界人類全てのものの姉であるお姉さまにそう簡単に取り入ろうたってそうは問屋が卸さないですの
ζ(゚ー゚*ζ そしてたとえ世間が認めたとしても私、お姉さまに一番近い存在のこのデレが許しませんのよ
61
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:46:43 ID:n99bSBac0
( ・∀・) さっきから言わせておけば許すだ許さないだお姉さまだ勝手なことをべらべらと……
( ・∀・) あんたがどう思ってるのかは何となく分かってきたけど津出と俺はそんな関係じゃないからな?
( ・∀・) あいつと俺の相互の利害が一致したから一緒に行動してる、そんな感じであってそれ以上でもそれ以下でもないぞ?
ζ(゚ー゚*ζ うぐぐ……でも私にはそれも許せませんの
( ・∀・) は?どういうことよ
ζ(゚ー゚*ζ 前からお姉さまの趣味は私には理解しがたい所がありましたの、でもここ最近その傾向が更に強くなってしまっているんですの
ζ(゚ー゚*ζ 話を聞いて見たら「モララー」とやらが関わっていると、それゆえに私はあなたを許せませんの
( ・∀・) つまり姉に構ってもらえなくなって寂しい、そしてその原因が俺だと
( ・∀・) それでわざわざ俺のもとに来てこんなことを……
( ・∀・) 次は「今後一切お姉さまに近づかないでくれませんですの?」とか言うつもりか?
ζ(゚□゚*ζ わ、分かったような口を聞かないで下さいます?
ζ(゚□゚*ζ で、デレはそんなつもりで……
ζ( ー ζ こ、この馬鹿っ!!!
62
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:47:10 ID:n99bSBac0
嵐のように現れ俺に対して一通りの文句(?)を言ったあと、彼女は半泣きで来た方と反対側へ走っていった。
なんだったんだアレ……俺はそんな彼女へ一種の困惑を抱くと共に津出も大変だなと思った。
( ・∀・) ツン、お前も大変だな
ξ゚⊿゚)ξ 突然何よ、何かあったの?
( ・∀・) いや、今日お前の妹とやらに突っかかられてな
ξ゚⊿゚)ξ 妹?あっ、デレのことね
ξ゚⊿゚)ξ 可愛いでしょ?
( ・∀・) 可愛い?
( ・∀・) ま、まあ確かに美形の方だとは思ったけど
( ・∀・) それ以上に相手の圧に押されてたから……
ξ゚⊿゚)ξ 一見誤解するかもしれないけどあの子はとてもいい子よ
ξ゚⊿゚)ξ ちょっと私のことを好きすぎる……ってところが少し悩みどころだけど
( ・∀・) それが一番の問題じゃないの?
ξ゚⊿゚)ξ まああの子がああなったのも必然っちゃ、必然なんだけどね
( ・∀・) え?
ξ゚⊿゚)ξ あれ?まだ話してなかったっけ?
( ・∀・) 何のこと?……そう言えばお互いのこと殆ど話してないよな
ξ゚⊿゚)ξ それもそうね……じゃあちょうどいい機会かしら
ξ゚⊿゚)ξ ちょっと重い話かもしれないけどモララーなら聞いてくれるわよね
( ・∀・)お、おう
63
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:47:40 ID:n99bSBac0
放課後、偶然校門を出る津出の後ろ姿を見つけた俺は走って彼女に並び声を掛けた。
彼女自身妹のことはある程度いろいろな意味で理解しているようで、、、
そんな話の中で俺達はお互いのことを殆ど知らなかったことに気付く。言われてみれば二人がお互いのことを認識して
まだ半月、会った時に話す話の内容は大体「異世界」に関わる話だったからまだ「現世界」の話を殆どしたことがなかった。
日常の愚痴を互いに言い合うようになったのも本当にここ数日前ぐらいからだ。
そんな時、彼女が俺に打ち明けたのは想像以上のものであり、
そしてそれが彼女の考えに大きな影響を与えたものであることは明白だった。
ξ゚⊿゚)ξ 実はね、私達の両親は私がまだ小さい頃にね……
口調を変えて語り始めた彼女の口から出た最初の言葉、それは彼女の両親がもうこの世界には居ないということだった。
ξ゚⊿゚)ξ 私が6歳、デレが4歳の時だった、あの日もそうね……こんな天気だったわ
ξ゚⊿゚)ξ 久々の休日、私達家族は車でしたらば高原へドライブに行ったの
ξ゚⊿゚)ξ したらば高原での多重事故、って言えばモララーは覚えているかしら?
ξ゚⊿゚)ξ まあ覚えてなくてもしょうがないよね、なんせ十年以上前の話だし当時はまだ子供だったんだし
ξ゚⊿゚)ξ でもそんな子供だった私とデレ、そして両親はこの事故に不幸にも巻き込まれて……
ξ ー )ξ ……父は即死だったらしいわ、母も数時間後には……
ξ ー )ξ 運良く……そりゃこんな事故にあってる時点で運がいい訳じゃないんだけど後部座席に乗ってた私とデレは何とか助かったの
ξ ー )ξ とはいえいつ死ぬか分からない閉鎖空間の中で救助が来るまで約数時間……
今ほど冷静に対処出来る年齢じゃ無かったからもう大変だったわ
ξ ー )ξ 何とか救助されて病院へ行った時に「両親が死んだ」ってことを知らされてね……
64
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:48:07 ID:n99bSBac0
何度話してもこの類の話を語るのは辛いのだろう、小さな声でぽつりぽつりと言葉を吐き出す彼女の顔を見つめると
目から一筋の涙が頬を伝っていくのが見えた。
彼女の声が止まった時、そして俺がこれ以上彼女を泣かせたくないと思った後、彼女は最後にこうまとめた。
ξ゚⊿゚)ξ だからね……デレには私しか居ないわけ、それだからデレはあんな感じなの
ξ゚⊿゚)ξ それにね、私は分かったの。この世界は残酷で、先が見えないものだって
ξ゚⊿゚)ξ でも私はこの世界で生きている、それなら自分なりに楽しくしていかないとつまらないじゃん?
さっきの泣き顔とは一転して満面の笑みを浮かべて俺にそう言う彼女。
それはとても尊いものに俺は思えた。そして俺が彼女と共にいることが出来ることに小さく感謝した。
俺にもいろいろな悩みがあった。でも彼女の背負うものに比べたらそれは圧倒的に小さなもので……
そう考えると今までの悩みが馬鹿らしいものに思えて、そして何か希望めいたものが見えてくる気がした。
65
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 11:48:59 ID:n99bSBac0
今 回 は こ こ ま で
66
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 14:20:38 ID:bz3GbA460
乙!
67
:
名無しさん
:2018/10/19(金) 20:04:35 ID:DT6G.F2E0
乙乙
68
:
名無しさん
:2018/10/20(土) 16:09:39 ID:LBLmZ86g0
残念ながらここは異世界ではないようです 4.5話
69
:
名無しさん
:2018/10/20(土) 16:10:51 ID:LBLmZ86g0
ζ(゚ー゚*ζ それで今日はこいつとどんなことを話すつもりですの、お姉さま?
( ・∀・) 何さり気なく同席してるんだよ
ζ(゚ー゚*ζ お姉さま有るところにデレありっていう格言がございましてね
( ・∀・) そんなんねーよ
ξ゚⊿゚)ξ 二人共いつの間にか仲良くなったのね
( ・∀・) 仲良くなんてねーよ
ζ(゚ー゚*ζ ないですの!
時は華金ことプレミアムフライデーこと週末、金曜日の放課後。
一週間各自で調べたことだとか日常で起こった不可解な現象だとかを話し合う定例(?)会議のために駅前のスタヴァに駆け込むとそこにはいつもの様に制服姿のツンと例の妹、ことデレが先に席に就いて俺のことを待っていた。
こうやって見るとツンもデレも世にいう「美少女」なのだということに改めて気付かされる。なんで日本人なのに金髪なのかとかは俺の知ったことじゃないけど多分ハーフかなんかなのだろう。決して元AAの定番のキャラ付けがそうなっていたからとか作者の性癖とかそんなのじゃないはずだ。
金髪少女、と一口で言っても様々であどけない容姿に映える金髪もあればいろいろなところがおっきいお姉さんの金髪だとかいろいろあるが、この姉妹は残念ながらそこは大きくない、というか無いので後者でないことは確かだが……
70
:
名無しさん
:2018/10/20(土) 16:11:31 ID:LBLmZ86g0
ζ(゚ー゚*ζ お姉さまっ!今こいつ私とお姉さまを脳内で侮辱するようなことを考えていましたの!
ξ゚⊿゚)ξ あら奇遇ね、私も何故かモララーの考えてることが分かってしまったわ
( ;・∀・) え……ちょっ……
<見せられないよ!>
( ;・∀・) 分かったから……今日の支払いは俺が持つから……
ζ(゚ー゚*ζ そんなこと当然ですの。お姉さまに支払わせるなんてこの私が許しませんの
ξ゚⊿゚)ξ ありがとね、デレはこんなこと言ってるけど今度は私が払うから……
何良識あるような口ぶりで言ってんだよ、今まで払う払う言って結局逃げてるじゃないか。
とはいえこの時の俺にそんなことを言えるだけの力は無く、おとなしく二人の分を支払うということで場を収めた。
71
:
名無しさん
:2018/10/20(土) 16:12:12 ID:LBLmZ86g0
ξ゚⊿゚)ξ で、場も温まったことですし今週の成果をまずはモララーから発表してもらおうかしら?
( ・∀・) フフ……聞きたいか……?
ζ(゚ー゚*ζ 勿体ぶらないで早く話しなさいよ
( ・∀・) 仕方ないな……聞いて驚くなよ?
( ・∀・)なんの成果も!!得られませんでした!!
ζ(゚ー゚*ζ ξ゚⊿゚)ξ
ζ(゚ー゚*ζ は?
ζ(゚ー゚*ζ 何調子乗ってカッコつけて言ってるんですの?それはつまり自分が無能だと、そう言いたいんですの?
ξ゚⊿゚)ξ まあまあ、この業界はそんなものだから……ね?
( ・∀・) うん、まあそうだな
( ・∀・) 俺も何か手がかりになるものが無いかと思って「小説家になる!」のランキングを漁ってたけど何も手がかりになるものは見つからなかった
( ・∀・) 久々に読んだら面白い作品があって一気読みしてしまったが
ξ゚⊿゚)ξ それは実質何もしてないのと同じじゃない……
ξ゚⊿゚)ξ でもある意味モララーも変わったのね
( ・∀・) え?
ξ゚⊿゚)ξ いや、なんでもないわ
72
:
名無しさん
:2018/10/20(土) 16:12:54 ID:LBLmZ86g0
ξ゚⊿゚)ξ じゃあ次に私の方からね
ξ゚⊿゚)ξ な、
( ・∀・) な?
ξ゚⊿゚)ξ なんの成果も!!得られませんでした!!
ζ(゚ー゚*ζ お姉さまっ……!
ζ(゚ー゚*ζ これは仕方ありませんの。お姉さまは今週テスト勉強や委員会の仕事などがとても忙しかったのです
ζ(゚ー゚*ζ これは不可抗力、仕方ないことですの
( ・∀・) おい、俺の時とは正反対の態度だな
ζ(゚ー゚*ζ なんのことですの?
(;・∀・)イラッ
(;・∀・)ま、まあ仕方ないよな
ξ゚⊿゚)ξ ええ、そうね……ただこのままの私では無いわ
ξ゚⊿゚)ξ なんとか手がかりを見つけるため、今週末に合宿を行うことにするわ
( ・∀・) 合宿!? ζ(゚ー゚*ζ
ξ゚⊿゚)ξ そうよ、合宿
ξ゚⊿゚)ξ 部活動系の作品だと王道な展開でしょ?
73
:
名無しさん
:2018/10/20(土) 16:15:42 ID:LBLmZ86g0
合宿ねぇ……言われてみれば合宿というのは様々な作品で描かれるイベントであるということは確かだ。でも俺達の活動って何だ?課外活動ってわけでも無いし無論部活動って訳でもない。「異世界を探す部活動を立ち上げたいのですが!」なんて生徒会に掛け合ったらどんな顔されるか考えただけで分かる。
というか合宿って何するんだ?異世界を探すっていうある意味曖昧な目的でここまで来て一応「この町にあるらしいゲート」を探すことを今の目的にしてるけど……
ξ゚⊿゚)ξ というわけで明日の朝、前と同じ駅の時計台前に集合よ
( ・∀・) まあ特に予定があるわけでも無いからいいんだけど……
ζ(゚ー゚*ζ 無論、私も参加してよろしいですよねお姉さま?
ξ゚⊿゚)ξ まあそうね
ξ゚⊿゚)ξ じゃあそういうことで
結局目ぼしい成果は無く、週末の予定が埋まることでこの日の会議は終わった。
合宿という響きに少し期待を抱いてしまった自分に気付き少し恥ずかしくなり、
そして支払い代金が思ったより高かったことにショックを受けながら俺は帰路に着いた。
74
:
名無しさん
:2018/10/20(土) 16:16:27 ID:LBLmZ86g0
短かったので4.5話扱いです
次はいつでしょうね
75
:
名無しさん
:2018/10/25(木) 09:51:36 ID:1Fd1MNq60
きてた、乙です
76
:
名無しさん
:2018/12/21(金) 22:46:46 ID:N7WccvQA0
今年中にあと一話投下したいとは思いますが分かりませんので良いお年を
77
:
名無しさん
:2018/12/22(土) 08:34:49 ID:k5ADu5ws0
よいおと〜
78
:
名無しさん
:2018/12/22(土) 17:14:56 ID:pqmwHBgs0
来年もよろしく〜
79
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 16:11:05 ID:21DwoI460
バイト明けのクリスマスの夜に毒づきながら少しだけ書いたんですが気付けば年末になってたので4と2/3話投下します
80
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 16:13:11 ID:21DwoI460
昼頃から降り始めた雪は街を幻想的に白く染めあげる。
大路に面したコンビニやら百貨店やら喫茶店からは軽やかな音楽が流れてくる。
♪ジングルベル、ジングルベル、鈴が〜なる〜♪
いつもに比べて人通りが多いこと、そして道をゆく人のカップル率の高さ。
そう、気付けばクリスマスが来週に近づいているのだ。
何がクリスマスだ、メリークリスマスと人はみな言うがメリーって誰だよ、
ジャ○ーズ事務所の老害か?チョコレート菓子のメーカーか?それとも呼んでもないのに電話をかけてきて迫ってくる女の子か?正直美少女に迫られるならメリーさんでもいいから来いよ、母親と宅急便しか無い俺の殺伐とした通話履歴を埋めてくれるのならそれでもいいよ、マジで。俺はそんなことを考えながら、そして道行くカップル共に聞こえない程度の小さな声で「爆発しろ」と毒づきながら華やかな道を俯きながら歩く。そんな日の翌日のことだった。
81
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 16:13:53 ID:21DwoI460
ξ゚⊿゚)ξ ねぇモララー、あんたはクリスマスイブに予定とかあったりするのかしら?
放課後の帰り道、何気なくツンが切り出した話題は俺を震撼させるに十分のものであった。クリスマスイブ、その言葉を聞くだけで寒気がする、身の毛もよだつ、鳥肌が立つ……そんな拗らせたキモオタな俺にはなかなかのクリティカルな言葉だからだ。
そりゃ俺も小学生のころは楽しみでしたよ、家族でテーブルを囲みケーキを食べチキンを食べ、朝目を覚ませば枕元の靴下にはプレゼント。そんなステレオタイプなクリスマスイブを過ごしていたころはね。でも父親が単身赴任し母親も家計の足しにと働くようになった中学のころから一家団欒の時間は無くなり、サンタさんもその姿を消した。
そしてその変わりに目に入るようになったのがクリスマスを口実にいちゃつくリア充達の姿。学生の本分は勉学だろ、何がホワイトクリスマスだよ、雪が降って無くてもナニは白いからホワイトクリスマスだって?ふざけんじゃねーよ。
という訳で今の俺のクリスマスの楽しみ方と言えばソシャゲのクリスマスイベント(とガチャ)とお気に入りの絵師や作者のイラストやSS投下となりつつあるわけだ。
82
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 16:14:50 ID:21DwoI460
そこに来ていろいろ問題はあるものの一応美少女から予定を聞かれるという行為、男として緊張しないわけが無いだろう。俺はそんな内心を隠しながら毅然とした態度(というより無関心を装って)こう答える。
( ・∀・) クリスマスイブ?別に何も無いけどそれがどうしたんだ?
ξ゚⊿゚)ξ あ、あのね……
いつもであれば突拍子もないことをこちらの考えなど考えずに強引に発する彼女だがこの時は何故か顔を少し俯きがちにして口籠る。
( ・∀・) どうしたんだ?何かあるのか?
ξ゚⊿゚)ξ 実はその日さ……
( ・∀・) う、うん
寒さのせいだろうか、それとも照れとかそんな感情のせいだろうか。
彼女の頬が気持ちりんご色に染まっていくように見える。ありえないとは分かっていながらもつい、そんな可能性の存在を疑い始めた俺は動揺を隠そうと必死に素数を数え始める。
( ・∀・) 1.2.3.5.7……
83
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 16:15:27 ID:21DwoI460
ξ゚⊿゚)ξ ……ケーキ屋でバイトしてるんだけど発注ミスしちゃったから友達でも親族でも赤の他人でもいいから呼べるだけ呼んで買ってって!!!!
( ・∀・) え?
ξ゚⊿゚)ξ だーかーらー!頭数稼ぎに協力しろってそう言ってるの!
( ・∀・)へ?
思いもよらない発言に思考停止する俺、そして次の瞬間それは怒りに変わった。
(# ・∀・) 何自分の失敗を他人に尻拭いさせようとしてるんだよ!
(# ・∀・) それにそのもの思わせぶりな態度は何なんだよ!
( ・∀・) つい無いとは分かっていながらその……しちゃったじゃないか!
ξ゚⊿゚)ξ え?
ξ゚⊿゚)ξ な、なんのことよ……
( ・∀・) いや、、何でも無いです……
そんなこんなで少し気まずい空気が流れる二人の前に漂って来たのは石焼き芋の移動販売車の匂い。
ξ゚⊿゚)ξ それより石焼き芋!ほら!早くしないと売り切れるわよ!
( ・∀・) そ、そうだな!丁度食べたかったし!
84
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 16:19:46 ID:21DwoI460
つづく
(ちなみに一応義理堅いモララーはツンのケーキを買いに行ったらしい。)
その後は知らんが季節感とかぶち壊しなので正直4話と5話の間の話じゃないです。
コメントありがとうございます。今後こそ良いお年を。
85
:
名無しさん
:2018/12/29(土) 17:45:22 ID:AOLL25BQ0
おつです
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