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('A`)伝説の勇者のようです
1
:
名無しさん
:2018/04/20(金) 23:08:42 ID:Gqitupf20
都会の片隅、さびれたビルの一角にあるここは、鬱田ドクオ勇者事務所。
扱うのは、「勇者でなければできないこと」。
それは、ダンジョン攻略だったり、ドラゴン退治だったり、若い女 レジ エロ本 だったり――。
部屋に佇むは、シルクハットの上にコック帽をかぶり、足の指にとんがりコーンをはめていることを除けば非の打ちどころのない完璧な勇者――鬱田ドクオ。
時代は勇者を必要としている。
今日も又、厄介ごとを抱えた依頼者がドアをノックする――。
2
:
名無しさん
:2018/04/20(金) 23:09:45 ID:Gqitupf20
コンコン。
('A`) 「・・・ふぁあい」
ガチャ。
( ´_ゝ`) 「すみません、勇者事務所であってますよね?」
('A`) 「ほう、私が勇者に見えませんか?」
( ´_ゝ`) 「いっ、いえそういう訳では・・・」
('A`) 「ふふふ、そうでしょう。軽い冗談ですよ。どうぞお掛けになってください」
( ´_ゝ`) (なんだか頼もしいな・・・)
3
:
名無しさん
:2018/04/20(金) 23:11:38 ID:Gqitupf20
すみません、慣れないもので間違えました。
以下が訂正です
コンコン。
('A`) 「・・・ふぁあい」
ガチャ。
( ´_ゝ`) 「すみません、勇者事務所であってますよね?」
('A`) 「ほう、私が勇者に見えませんか?」
( ´_ゝ`) 「いっ、いえそういう訳では・・・」
('A`) 「ふふふ、そうでしょう。軽い冗談ですよ。どうぞお掛けになってください」
( ´_ゝ`) (なんだか頼もしいな・・・)
4
:
名無しさん
:2018/04/20(金) 23:12:37 ID:Gqitupf20
('A`) 「それでは早速ですが、依頼の方を聞かせてもらえますか?」
( ´_ゝ`) 「双子の弟のデートをぶっ壊してもらいたい。めちゃくちゃにだ」
('A`) ・・・・・・
( ;´_ゝ`) 「頼む、報酬ならいくらでも出す!」
('A`) 「ふふふ、報酬なんて結構です」
( ´_ゝ`) 「え?」
('A`) 「久しぶりに勇者の魂を震わす依頼、誠にありがとう
勇者の七カ条に誓って、弟さんのデートを木っ端微塵にしてみますよ・・・」
( ´_ゝ`) ・・・・・・ゴクリ
5
:
名無しさん
:2018/04/20(金) 23:13:49 ID:Gqitupf20
デート当日。
あいにくの雨だが、若い二人には関係ない様だ。
仲睦まじく身を寄せ合うが、まだどこかぎこちなさが残っていて微笑ましい。
そんな二人を陰からつける影が一匹・・・。
('A`) 「雨が降れば傘屋が儲かる、ってか・・・」
勇者、鬱田ドクオ。魔法が使えるまであと七年。
('A`) 「悪く思うな、おふたりさん。
俺という風が吹いちまったから、あんたらの桶屋は解散だ」
6
:
名無しさん
:2018/04/20(金) 23:30:17 ID:Gqitupf20
そんなことは露知らず、雫を垂らしながら歩いていく二人。
夕暮れ時でもないのに、影は少しずつ伸びていき、二人の背後へ・・・。
(´<_` ) 「せっかくのデート、雨で残念だったね」
(´・ω・`) 「僕は別に構わないよ。弟者くんと一緒にいられるならね」
(//</// ) 「ちょ、何言ってんだよ」
(´・ω・`) 「照ーれちゃって、弟者くんはかわいいなあ、もう♪」
(//</// ) 「て、照れてなんかないし!」
('A`) ・・・・・・
('A`) 「ちがう・・・」
('A`) 「私が求めていたのは、もっとこう・・・」
第一話 完!
7
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 00:38:19 ID:PdRRVH9k0
-最終話-
翌日、私は疲れ切っていた。
あの仲睦まじい二人。
今頃元気でやっているだろうか。
私が愛するものは――自分しかないことに気がついた。
ならば、精一杯、力いっぱい、命がけで、自分を愛でることにした・・・。
激しくそそり立つテムテム。
自慢の、息子だ。
8
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 00:39:06 ID:PdRRVH9k0
('A`) ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
('A`) カーチャンごめん、カーチャンごめん!!!!
('A`) ぬふうううううううううううううぬああああああああああああああ
('A`) 桃・源・郷!桃・源・郷!
――('A`)- ―
('A`) ふぅ・・・。ラザニアとキッザニア・・・キザな兄貴か・・・
9
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 00:40:55 ID:PdRRVH9k0
('A`) いかんいかんこときれるわけにはいかぬいかぬいかぬのだ
('A`) 神よ! 我に、我に、我のたまたまにこの先50年分の寿命をつぎ込む!
('A`) ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
('A`) ぬがあああああああああああああああああああああああああああ
ホワホワホワホワホワ・・・
('∀`) かあちゃん、ぼくね、おおきくなったらあ、ゆうしゃになるんだー
J( 'ー`)し へえー、そうなのかい。なんで?
('∀`) ぼくのゆうきはー、ほかのひとのためにつかって、みんなをえがおにした いんだ
J( 'ー`)し どっくんはえらいねえ。優しい子だねえ
('∀`) えへへ、とーちゃんとかいっつもがんばって、がまんしてる。
ぼくは、そういうひとたちのために、ゆうしゃになるんだ!!
J( 'ー`)し それじゃあいっぱい食べて、強くならなきゃね。今夜はカレーよ。
('∀`) やったあ! かれえだいすきー
ホワホワホワホワジョボジョボ・・・
10
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 00:42:54 ID:Hdc3rl2U0
えぇ…
11
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 00:45:28 ID:PdRRVH9k0
この物語を、今は亡き僕へ。
伝説の勇者は死んだ。
安らかな死に顔だった。
葬儀はひっそりと行われるはずだったが、風の噂で広まったのか、たくさんの人が集った。
勇者が死んでも、陽は昇り、沈んでいくし、町は動いていく。
でもビルが建ちならぶ都会の狭い空に、満月を見た時などは、君を思い出して泣くんだろうな。
12
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 00:57:42 ID:PdRRVH9k0
誰かのために命を燃やし、最後は絶望にこと切れた哀れな男に――。
この物語を捧げます。
拙い文章でしたが、最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
この世界に、あなたに、心からの愛と勇気を――。
('A`)伝説の勇者のようです
-Fin-
13
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 06:19:42 ID:b2YWKRS.0
いや続けろよwww
14
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 08:26:17 ID:fwVt/mXw0
( ;∀;)イイハナシダナー
15
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 23:06:40 ID:PdRRVH9k0
('A`) 「・・・最近よく変な夢を見るな」
('A`) 「起きた時股間が蒸れてて大変です」
('A`) 「さて、今日を始めよう」
そうして私は朝の支度にかかる。
顔を洗い、歯を磨き、鏡の前でスマイル。うん、今日も完璧だ。
薄暗い部屋に、椅子がふたつ。いつかの旅で手に入れた、座ると死ぬといわれる、「勇者の椅子」だ。
私はそれに腰かけ、足を組み、依頼者を待つのだ――。
16
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 23:07:42 ID:PdRRVH9k0
コンコン
('A`) 「・・・ふぁあい」
ガチヤ
(‘_L’) 「すみません、勇者事務所はここですか?」
('A`) 「・・・私が勇者に見えないとでも?」
(‘_L’) 「そういうわけではありません」
('A`) 「そうですか。まあお掛けください」
(‘_L’) 「失礼します」
17
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 23:08:27 ID:PdRRVH9k0
('A`) 「それで、さっそくですが今回の依頼は?」
(‘_L’) 「・・・私には、高校生の娘がいまして」
('A`) 「ほう」
(‘_L’) 「どうやら包茎という存在を知らないようなんです」
('A`) 「・・・ほう」
(#‘_L’) 「あの小娘、竜の子が生まれた時から竜だと思っていやがる!」
18
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 23:09:27 ID:PdRRVH9k0
('A`) 「まあ落ち着いて」
(‘_L’) 「すまない。それで、いつかしかるべき時が来て、その、誰とは言いいませんが、
もしもその男のそれが包茎だったとして、笑われたりしたら、その男がかわいそうじゃないですか。
('A`) 「・・・つまり、あんたは娘さんに包茎の存在を知ってもらいたいわけだ」
(‘_L’) 「That's Light! それが今回の依頼です。」
('A`) 「いいでしょう、勇者にふさわしいやり方でやって見せますよ・・・」
(‘_L’) 「おっと、初めては私のですよ。手を出したら許さんぞ」
('A`) 「ふふ、野蛮なことはしませんよ」
(‘_L’) 「では任せます。報酬は弾みますよ」
19
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 23:10:29 ID:PdRRVH9k0
ある晴れた土曜日の午後。出連・フィレンクト・デレと、親友のミセリは、いつものように映画を見に行くところです。
他愛のない会話に、当たり前のような平和。
いつもそれは、突然にやってくるものです・・・。
ζ(゚ー゚*ζ 「楽しみだねー『君のナッパ』」
ミセ*゚ー゚)リ 「うんうん、昨日楽しみでなかなか寝付けなかったよー」
ζ(゚ー゚*ζ 「あ、アイシャドウしてると思ったら、それくま?」
ミセ*゚ー゚)リ 「いや、アイシャドウだよww」
ζ(゚ー゚*ζ 「wwwww」
('A`) 「wwwww」
ζ(゚ー゚*ζ
('∀`)
ボロン
ζ(゚△゚*ζ 「きゃああああああああああああああああああああああ」
20
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 23:11:17 ID:PdRRVH9k0
ミセ*゚ー゚)リ 「まったく、世の中には変な人がいるもんだね」
ζ(゚ー゚*ζ 「もう最悪・・・」
ミセ*゚ー゚)リ 「ま、もうすぐ映画も始まるし、嫌なことは忘れて楽しもうよ」
ζ(゚ー゚*ζ 「そうだね・・・」
ウィーン
\そんな、ナッパと悟空がそんな関係なんて、ゆるさんぞおおおおおおおお/
\お、落ち着けベジータ、俺があんな下等種族と・・・/
\うるさい! 俺は確かにこの目で見たんだっ・・・ あいつはあんな表情、俺には見せなかったっ・・・/
\あいつがあんなになっちまうなんて、竜の子は生まれた時から竜じゃない、ってか・・・/
('A`)
ζ(゚ー゚*ζ
('∀`)
ボロン
ζ(゚△゚*ζ 「きゃああああああああああああああああああああああああ」
21
:
名無しさん
:2018/04/21(土) 23:12:00 ID:PdRRVH9k0
ζ(゚ー゚*ζ 「もう、いったい何がどうなってるの!」
ミセ*゚ー゚)リ 「デレ、ここを出よう!」
ζ(゚ー゚*ζ 「あ、ありがとう」
ミセ*゚ー゚)リ 「いったん外に出て、ゆっくりしようよ」
ζ(゚ー゚*ζ 「そ、そうだね。ありがとう。ミセリがいてくれて、本当に、よ、よかったよ。」
ζ(゚ー゚*ζ 「こんな恥ずかしいこと、ふ、普段は言わないからね!」
ζ(゚ー゚*ζ 「・・・あれ、ミセリ、ミセリ?」
ミセ*゚ー゚)リ
ベリッ
('∀`)
ボロン
ζ(゚△゚*ζ 「きゃああああああああああああああああああああああああ」
第二話 完!
22
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 02:12:45 ID:qXYKTboA0
なにわろてんねん
23
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 19:04:41 ID:ByGjDUsQ0
とりあえずドクオ氏ね
24
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:46:35 ID:CFhJ8SvU0
勇者にとっての日曜日とは、休日である。
だが、たいていの厄介事とは得てして休日に起こるものだ。
それをわかっていながらなお、勇者は土曜日の夕日に胸を躍らせ、明日を、休日を信じて布団に潜るのだ――。
25
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:49:39 ID:CFhJ8SvU0
('A`)「・・・ふぁああ」
('A`)「よく寝たな」
午前九時半。起床。
('A`) 「飯を食おう」
('A`) 「今日のためにとっておいた双子の卵を使おう」
('A`) 「・・・目玉焼きにするかな」
26
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:50:48 ID:CFhJ8SvU0
午前十時半。のんびりと食事を終えた彼は、ゆったりと今日の予定を立てていた。
('A`) 「まあ、やることもゆくあてもないのだが」
('A`) 「休日とはかくあるべき」
('A`) 「結局、何にもできず、沈む太陽を見ながら名残惜しむくらいがちょうどい いのさ・・・」
('A`) 「まるで人生みたいだな、はは・・・」
当然、サボテンは答えない。
('A`) 「さて、そろそろ出かけるとするか」
そして彼はサボテンに水をやり、着替え、歯を磨き、
サボテンに水をやり、顔を洗い、風呂に入り、サボテンに水をやり、
最後にサボテンに水をやってから、ふらりと部屋を出た。
27
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:52:50 ID:CFhJ8SvU0
ここはどこかの大都市。
知らない街、知らない道を、彼は飄々とのんびりと、世界を愛でるように歩いていく。
すれ違う人々は、彼が伝説の勇者であることに気付かず、ただすれ違ってゆく。
('A`) 「ふぅ、ずいぶんおしゃれな街だなあ」
('A`) 「べっぴんさんもいっぱいいる」
('A`) 「喫茶店でも入ろうか」
これが、彼の選択ミスといえた。
28
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:53:54 ID:CFhJ8SvU0
\オラア!/
\きゃっ、おなかに子供がいるんです!/
\オラア! オラア!/
\いやあああ、だれかあああああ/
休日の昼下がり、勇者が静かな喫茶店になど入ろうものなら、
何がどうあろうとトラブルが起こるのがこの世の常なのだ。
29
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:54:42 ID:CFhJ8SvU0
('A`) 「・・・世の中には、適材適所という言葉がある」
('A`) 「彼女を救うのはヒーローの仕事だろうし、私は『誰か』でなく、勇者だ」
('A`) 「悪くおもうな、ねえちゃん」
そうして私は喫茶店を去った。
私は、一流の勇者だ。
一流の勇者であり続けるには「勇気」と「無謀」をはき違えないというのは絶対の条件だ。
自分と相手の力量差を認め、冷静にその場を退く。
これぞ真の「勇気」といえるんじゃないか。
30
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:56:28 ID:CFhJ8SvU0
・・・・・・
('A`) 「・・・違う」
('A`) 「違う! そうじゃない!」
('A`) 「あんな場面を見過ごすなんて、勇者以前に人間失格だ!」
('A`) 「俺は、どうかしてた!!」
彼はまるでアメリカ人のようにそう叫び、全力疾走した。
('A`) 「ハァ、ハァ・・・」
('A`) 「クソッ、間に合え・・・」
そしてついにたどり着く・・・!
('A`) 「おまわりさん!!」
31
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 20:59:03 ID:CFhJ8SvU0
俺はそう叫び、喫茶店に転がり込んだ。
しかし、伝説の勇者である俺の本気を、俺自身、侮っていた。
俺は暴漢を巻き込み、そのまま地球の裏側まで飛んで行った・・・。
('A`) 「ふぅ、ここはブラジルか?」
('A`) 「とんだ目にあったな・・・」
現在ブラジルは日曜日の朝四時半。
勇者の休日は、まだ始まってすらいない・・・。
('A`)伝説の勇者のようです 第一部 完!
('A`)伝説の勇者のようです ブラジル奮闘記 に続きます
32
:
名無しさん
:2018/04/22(日) 21:20:13 ID:qXYKTboA0
カオスすぎない
33
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:09:38 ID:Vv7NMWME0
('A`)伝説の勇者のようです ブラジル奮闘記 第一話
('A`) 「ふぅ・・・ やはりブラジルはいい・・・」
ブラジルについてから早一週間。
彼はもはや、ブラジリアンと化していた。
ブラジルコーヒーを飲み、ブラジル布団で眠り、ブラジル朝で起きる。
ブラジル朝食を食べ、ブラジル学校に通い、ブラジルオナニーに没頭する。
どうして彼がこうなったか? なぜ彼はブラジルにいるのか?
それを知るためには、時計の針を少し巻き戻さなければいけない・・・
34
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:11:44 ID:Vv7NMWME0
―――――――――――――――――――――――
勇者にとっての日曜日とは、休日である。
だが、たいていの厄介事とは得てして休日に起こるものだ。
それをわかっていながらなお、勇者は土曜日の夕日に胸を躍らせ、明日を、休日を信じて布団に潜るのだ――。
35
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:12:37 ID:Vv7NMWME0
('A`) 「・・・ふぁああ」
('A`) 「よく寝たな」
午前九時半。起床。
('A`) 「飯を食おう」
('A`) 「今日のためにとっておいた双子の卵を使おう」
('A`) 「・・・目玉焼きにするかな」
36
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:13:24 ID:Vv7NMWME0
午前十時半。のんびりと食事を終えた彼は、ゆったりと今日の予定を立てていた。
('A`) 「まあ、やることもゆくあてもないのだが」
('A`) 「休日とはかくあるべき」
('A`) 「結局、何にもできず、沈む太陽を見ながら名残惜しむくらいがちょうどいいのさ・・・」
('A`) 「まるで人生みたいだな、はは・・・」
当然、サボテンは答えない。
('A`) 「さて、そろそろ出かけるとするか」
そして彼はサボテンに水をやり、着替え、歯を磨き、
サボテンに水をやり、顔を洗い、風呂に入り、サボテンに水をやり、
最後にサボテンに水をやってから、ふらりと部屋を出た。
37
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:14:08 ID:Vv7NMWME0
ここはどこかの大都市、ブラジル。
知らない街、知らない道を、彼は飄々とのんびりと、世界を愛でるように歩いていく。
すれ違う人々は、彼が伝説の勇者であることに気付かず、ただすれ違ってゆく。
('A`) 「ふぅ、ずいぶんおしゃれな街だなあ」
('A`) 「べっぴんさんもいっぱいいる」
('A`) 「喫茶店でも入ろうか」
これが、彼の選択ミスといえた。
38
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:14:39 ID:Vv7NMWME0
\オラア!/
\きゃっ、おなかに子供がいるんです!/
\オラア! オラア!/
\いやあああ、だれかあああああ/
休日の昼下がり、勇者が静かな喫茶店になど入ろうものなら、
何がどうあろうとトラブルが起こるのがこの世の常なのだ。
39
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:15:09 ID:Vv7NMWME0
('A`) 「・・・世の中には、適材適所という言葉がある」
('A`) 「彼女を救うのはヒーローの仕事だろうし、私は『誰か』でなく、勇者だ」
('A`) 「悪くおもうな、ねえちゃん」
そうして私は喫茶店を去った。
私は、一流の勇者だ。
一流の勇者であり続けるには「勇気」と「無謀」をはき違えないというのは絶対の条件だ。
自分と相手の力量差を認め、冷静にその場を退く。
これぞ真の「勇気」といえるんじゃないか。
40
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:15:46 ID:Vv7NMWME0
('A`) 「・・・違う」
('A`) 「違う! そうじゃない!」
('A`) 「あんな場面を見過ごすなんて、勇者以前に人間失格だ!」
('A`) 「俺は、どうかしてた!!」
彼はまるでブラジル人のようにそう叫び、全力疾走した。
('A`) 「ハァ、ハァ・・・」
('A`) 「クソッ、間に合え・・・」
そしてついにたどり着く・・・!
('A`) 「おまわりさん!!」
41
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:16:42 ID:Vv7NMWME0
俺はそう叫び、喫茶店に転がり込んだ。
しかし、伝説の勇者である俺の本気を、俺自身、侮っていた。
俺は暴漢を巻き込み、そのまま地球の裏側まで飛んで行った・・・。
('A`) 「ふぅ、ここはブラジルか?」
('A`) 「とんだ目にあったな・・・」
現在ブラジルは日曜日の朝四時半。
勇者の休日は、まだ始まってすらいない・・・。
42
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:18:27 ID:Vv7NMWME0
―――――――――――――――――
そういう訳で、彼はブラジルにいる。
かんかんとカンボジアを照らすように、照り付ける太陽。
ブラジルにも似たそこは、間違いなくカンボジアだった――。
('A`)伝説の勇者のようです ブラジル奮闘記 第一話 完!
43
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 17:21:16 ID:DEEL2P860
乙
面白い
44
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 19:42:12 ID:Vv7NMWME0
('A`)伝説の勇者のようです ブラジル奮闘記 第二話
そんな訳ですっかりカンボジアンとなったドクオ。
はたして彼を待ち受けるものとは・・・。
新天地での新生活で、彼は思わぬ人物と出会う――。
45
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 19:43:45 ID:Vv7NMWME0
( ´∀`) 「みんなおはようモナー。 朝のホームルームをはじめるモナよー」
( ´∀`)「突然モナが、実はこのクラスに転校生が来るモナ!」
( ´∀`)「みんな、拍手で迎えるモナ!」
ガラッ
('A`) 「鬱田ドクオです。よろしくお願いします。 ・・・ん?」
ζ(゚ー゚*ζ
('∀`) 「あーーっ、あいつは!!」
ボロン!
ζ(゚□゚*ζ 「!!!」
o川*゚ー゚)o 「・・・あの人、デレちゃんの知り合い?」
ζ(゚ぺ*ζ 「知らん!」
ザワザワ ヒューヒュー ナンダ、アベックカ?
( ´∀`) 「みんな騒ぐなモナー 仲良くするモナよー」
ザワザワ・・・
(´∀`) 「・・・ホームルームを終わるモナ。みんな一日頑張るモナよー」
46
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 19:45:22 ID:Vv7NMWME0
-休み時間-
( ^ω^)「日本てどんなところなんだお! おいしいものいっぱいあるかお!」
('A`) 「ん、まあ、それなりには」
(´・ω・`) 「まったくブーンは食べ物の話ばかりだね・・・」
( ^ω^)「じゃあこんどごちそうしてお!」
('A`) 「んー、私の手料理でいいのなら、いつでも歓迎だよ」
ξ゚⊿゚)ξ 「こいつほんとにいっぱい食べるからやめといた方がいいわよ」
(;^ω^)「そ、そんなことないお! ちゃんと遠慮するお!」
(´・ω・`) 「はは、ブーンの場合は遠慮したところでブーンだからなあ」
( ^ω^)「そんな言い草はないお〜」
o川*゚ー゚)o 「ドクオ君、クラスになじんでるね」
ζ(゚ぺ*ζ 「ふん、あんな人知りません!」
47
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 19:47:29 ID:Vv7NMWME0
('A`) 「あ、じゃあ私も本場のカンボジア料理というものが食べてみたいな」
ξ゚⊿゚)ξ 「カボチャ味ばっかりよ。美味しいけど」
( ^ω^)「でも毎食カボチャはきついお・・・」
('A`) 「ふふ、なるほど、カンボジアだけに、かぼちゃ、ってか・・・」
(´・ω・`) 「・・・うん、たしかに毎食でるよね」
('A`) 「いや、そうじゃなくて、ふふ、カンボジアだけに、かぼちゃ。
カンボジアだけに、かぼちゃ」
(´・ω・`) 「・・・・・・・・・」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
ξ゚⊿゚)ξ 「・・・・・・・・・」
48
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 19:48:25 ID:Vv7NMWME0
(´・ω・`) 「・・・・・フフッ」
( ^ω^)「・・・・・・ぷっ」
ξ゚⊿゚)ξ 「・・・・・・・・クスッ」
(´・ω・`)( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ 「HAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!!」
49
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 19:49:44 ID:Vv7NMWME0
( ^ω^)「フヒッ、そういうことかおwwwドクオ面白すぎだおwww」
(´・ω・`) 「こ、これはなかなか気づかない、ジャパニーズジョークだね、フフッ」
ξ゚⊿゚)ξ 「おなか痛いwwwwwwwww結婚してwwwwwww」
o川*゚ー゚)o 「なんだか変わった人だねー」
ζ(゚ー゚*ζ (確かに悪い人じゃないかも・・・)
ζ(゚ぺ*ζ 「いや、そんなこと絶対にない!」
o川*゚ー゚)o 「へ?」
ζ(゚ー゚*ζ 「あれ?」
('A`)伝説の勇者のようです
-Fin-
ご愛読ありがとうございました。
50
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 19:57:06 ID:pnziSXP20
は?
51
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 20:42:49 ID:o2Q8x4IQ0
どこにツッこむのが正解なんだ……………………
52
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 23:19:48 ID:Vv7NMWME0
放課後。
オレンジ色の教室のなかで、ぽつん、とたそがれている少女がいました。
そとからは、若い掛け声や、管楽器の音が聞こえます。
ふと少女は、夕日が沈むとき音がするのなら、それはどんなのだろう、と考えました。
重厚なオーケストラの音色か、それともなつかしい縦笛のひびきかしら、などと、思いをめぐらせます。
ζ(゚ー゚*ζ「だけど、あの夕日には、まだかなわないなあ・・・」
そう、夕日の音を言葉で表現するには、彼女はまだ若すぎました。
彼女の思い出は、おもいでとしての色鮮やかさが、「いま」の夕日にかなわなかったのです。
そのことに気がついた彼女は、少し落ち込んだあと、大いに感動して、
またぽつん、とオレンジ色に溶け込むのでした。
53
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 23:21:20 ID:Vv7NMWME0
ζ(゚ー゚*ζ「はあ・・・」
('、`*川「どうしたのー、ためいきなんてついちゃってさ」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、ペニサスさん・・・。別に、なんでもないですよ」
('、`*川「何か、悩んでるカオだなー」
('、`*川「んー、ズバリ、恋の悩みね!」
ζ(゚ー゚*ζ「ち、違いますよ」
('ー`*川「ふふ、ほっんとかな〜」
ζ(゚ー゚*ζ「そんなんじゃないです・・・」
しばしのあいだ、二人の間を沈黙が流れます
54
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 23:22:47 ID:Vv7NMWME0
('、`*川「・・・あの転校生君、面白いよねー」
('、`*川「転校して早々にちんちん出して、さっそく孤立して」
('、`*川「指人形みたいのもって、よくわかんないことブツクサ言ってんのよ」
('、`*川「挙句のお果てにはいきなり大声で笑いだすし」
('、`*川「・・・でも、なんだか嫌な感じはしなかったなあ」
('、`*川「あんなのなのに、妙に、なじでるというか、なんだか、ずっと前からそこにいたような・・・」
('、`*川「あんた、あいつと知り合いなんでしょ」
('、`*川「あたし、あいつのこともっと知りたいんだ」
('ー`*川「もしよかったら、話を聞かせてくれないかい?」
また、少しの沈黙。
あたりはすっかり薄暗くなり、やさしい青が教室を包みます。
55
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 23:24:08 ID:pnziSXP20
今までの会話ドクオの妄想かよ
56
:
名無しさん
:2018/04/23(月) 23:24:36 ID:Vv7NMWME0
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・ドクオさんに聞けばいいんじゃないですか」
('ー`*川「ふふ、あたしにそんな大胆なことできると思う?」
('、`*川「ま、話したくないのなら、無理にとは言わないよ」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・・・・すみません」
('、`*川「謝るこたあないよ。こっちこそ、邪魔して悪かったね」
('ー`*川「それじゃ、また明日」
ζ(゚ー゚*ζ「・・・はい、また明日」
そうして彼女は濃い青へと消えていきました。
残されたもう一人の少女は、闇が世界を食べきるまで、
青のしずくをすくっては、手のひらからこぼれる様子を、ただただ黙って見ていました。
57
:
名無しさん
:2018/04/24(火) 19:12:46 ID:zyDrazjo0
Finとは一体
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