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( ^ν^)はある屋敷に行くようです

1名無しさん:2018/04/07(土) 18:30:59 ID:.NBGiYbM0
!注意!
・文章が拙いです
・ながらなので進行は遅いです
・気まぐれで始めたので気まぐれで終わるかも

以上が大丈夫という方は、本編どうぞ!

3名無しさん:2018/04/07(土) 18:41:43 ID:.NBGiYbM0

ガサッ、ザッザッザッ…

(;^ν^)「…はぁ…」

 どれくらい歩いただろうか、踵がとても痛い。森の中は暗く、草も伸びているので進むだけでも大変だ。

(;^ν^)「やべーな、地図なんかあてにならねー」

 もはや自分がどこら辺にいるのかは全く見当がつかない。段々と腹も減ってきたがもう食料はない。

(;^ν^)「そもそも体力ない俺がたった一日で行こうとしたのが間違いだったんだ…」

 ぶつぶつと喋りながら、もういっそここに倒れて寝てしまおうかと思っていたとき。

(;^ν^)「…あっ」

4名無しさん:2018/04/07(土) 18:45:48 ID:TyQZfT.Y0
支援
ながらいいぞ〜

5名無しさん:2018/04/07(土) 18:49:30 ID:LDIEon..0
がんばえ〜

6名無しさん:2018/04/07(土) 18:51:51 ID:.NBGiYbM0
 …屋敷だ。暗い森の中に、いかにもという感じの、ホラーの洋画とかに出てきそうな、そんな屋敷だった。

(;^ν^)「…」

 男は少しずつドアの方に近付いていき、ノックをした。
 ──10秒ほどだろうか、小さな足音がした後、ガチャリという音を立ててドアが開いた。

ζ(゚ー゚*ζ「…あら、どうされたのですか?」

(;^ν^)「……」

 男は頭から流れてくる汗を拭いながら、目を細めた。───間違いない。

(;^ν^)「…遭難、してしまったみたいで」

7名無しさん:2018/04/07(土) 19:05:53 ID:.NBGiYbM0
 ────
 ───────

ζ(゚ー゚*ζ「…へぇ、探し物を探しにこの森へ?」

( ^ν^)「まぁ、そんなところっす」

ζ(゚ー゚*ζ「あっ、そういえばまだ名前を聞いていませんでしたね。お名前は?」

( ^ν^)「…ニュッです」(今さらかよ…)

ζ(゚ー゚*ζ「ニュッ…さん、ニュッさんですね。私はデレといいます。初めまして」

( ^ν^)「はあ…」

 見た目は可愛らしいが、どうやら少し天然らしい。なんとなくそう思う。

8名無しさん:2018/04/07(土) 19:27:22 ID:.NBGiYbM0

ζ(゚ー゚*ζ「まあ、結構いるんですよね。この森で迷っちゃう人。仕方ないですよね。こんなに鬱蒼としてちゃ」

( ^ν^)「…この屋敷に住んでるんですか」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですねー。でも、私にとったらこの森は庭みたいなものなんで結構大丈夫なんですよー。」

 そういう問題じゃないだろ、と言いたくなるがまあ一応助けてもらってるわけだからあまり突っ込まないようにしよう。

( ^ν^)「…大変そうっすね」

ζ(^ー^*ζ「いえいえ、そんなでもないですよ。食べ物もいっぱいあるんでどうぞ今夜は泊まってってください」

( ^ν^)「…いや、そこまでは悪いし」

ζ(゚ー゚*ζ「遠慮しないでください。私、いつも一人なんで人が来ると嬉しいんです」

( ^ν^)「はあ、じゃあ……。どうも。ところでトイレに行きたいんですが、どこにあります?」

ζ(^ー^*ζ「ああ、それならそこの廊下を右に曲がって手前から2番目にあるドアがトイレですよ。よかったら一緒に行きましょうか?」

( ^ν^)「いや、いいっす」

 そう言うと、ニュッは一人で廊下の奥に進んでいった。

ζ(゚、 ゚*ζ(…あの人、どこかで見たっけ…?なんか、見覚えがあるような、ないような…)

ζ(゚ー゚;ζ(…いや、まさか…ね)

9名無しさん:2018/04/07(土) 19:41:58 ID:TyQZfT.Y0
ニュッデレいいぞ〜

10名無しさん:2018/04/07(土) 19:44:22 ID:MEZ.kZxc0
期待

11名無しさん:2018/04/07(土) 20:04:00 ID:/AS3eIY60
─────────

ζ(゚ー゚*ζ「じゃ、ご飯の用意するので少し待っていてくださいね」

( ^ν^)「はあ」

((( ^ν^) (((ζ*゚ー゚)ζ

ζ(゚ー゚*ζ「…あの、あれ?」

( ^ν^)「ん」

ζ(゚ー゚*ζ「あの、さっき私、待っていてくださいって言いましたよね?どうしてついてくるんです?」

( ^ν^)「…いや、なんか手伝おうかと」

ζ(゚ー゚*ζ「いえ、大丈夫ですよ。全然。どうぞくつろいでいてください」

( ^ν^)「いや、手伝いたいっていうか、なんかあんたに料理任せんの怖いし…」

ζ(゚ー゚;ζ「どういう意味ですか!?…えーじゃあ、食器とか用意してもらっていいですか?そこに棚があるので」

( ^ν^)))コクン

ζ(゚ー゚*ζトントントン←包丁の音

( ^ν^)ジーーーッ

ζ(゚ー゚;ζ「………」

12名無しさん:2018/04/07(土) 20:37:13 ID:/AS3eIY60

 今日の献立
 ・レタスとトマトのサラダ
 ・野菜炒め
 ・キャベツの味噌汁
 ・白米

ζ(゚ー゚*ζ「さ、召し上がれ!」

( ^ν^)「…なんか野菜が多いっすね」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、私野菜が好きなんで…。嫌でした?」

( ^ν^)「…別に食べれなくはないっす。まぁあんま好きじゃないけど」

ζ(^ー^*ζ「えへへ、すいません。何が好きか聞いておけば良かったですね」

( ^ν^)(…今さらかよ)

 助けてもらっているのに態度が悪いと思うかもしれないが、ニュッは重度の人見知りで彼女いない歴=年齢で童貞なので許してほしい。

13名無しさん:2018/04/07(土) 20:52:49 ID:/AS3eIY60
今日はここら辺でストップします。思ったより短く終わりそうです。

('A`)「ああっ!もっと!もっと僕を罵ってください!!」

14名無しさん:2018/04/07(土) 21:13:06 ID:TyQZfT.Y0
乙乙

15名無しさん:2018/04/07(土) 21:14:50 ID:uD0ujXMo0
wktk

16名無しさん:2018/04/07(土) 22:02:43 ID:JN/O7rAc0
おつー
続きも楽しみにしてるよー

17名無しさん:2018/04/08(日) 18:37:35 ID:VLMCGfa20

 ご飯も食べ終わり、デレはニュッに泊まる部屋を案内した。

ζ(゚ー゚*ζ「この部屋で寝てもらってよろしいですか?あんまり掃除とかしてないんでちょっと埃っぽいかもしれませんけど…」

( ^ν^)「…ああ、全然大丈夫っす」

ζ(^ー^*ζ「今日は疲れたでしょうから、ゆっくり休んでくださいね」

 パタンと部屋のドアがしまった後、ニュッは部屋の中をよく調べだした。

( ^ν^)(ベッドと机…。ベッドの下には…何もないな。机の中も空っぽか。まあ客を泊めるところだし、変なものは置いてるわけねーよな)

( ^ν^)(…まあ、いい。いざとなったら俺にはこれがある)

 ニュッは持ってきたリュックを開け中を見た。──この中には、「銃」がある。

18名無しさん:2018/04/08(日) 18:46:04 ID:fhV.RtZg0
おっ続き
支援

19名無しさん:2018/04/08(日) 18:58:35 ID:VLMCGfa20
 翌朝。

(ヽ^ν^)ゲッソリ(…俺、枕が変わると眠れないんだった…)

ζ(゚ー゚*ζ「あ、おはようございます。随分ゲッソリしてますけど、大丈夫ですか?もしかして眠れませんでした?」

( ^ν^)「いや、別に大丈夫っす」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですか。それなら良かったです。朝食の用意できてますが、食べますか?」

 テーブルの上には既に二人分のサラダが用意されていた。

( ^ν^)(また野菜か…)

( ^ν^)「はぁ、じゃあ、いただきます」

 ニュッはゆっくりとフォークでレタスを持ち上げて口の中に入れた。かかっているドレッシングはどうやら青じそのようだ。レタスは噛むとシャキシャキと良い音を出して新鮮な味がした。──特に変な味はしない。

( ^ν^)(…ふむ)

 しかしこうして食べてみると案外野菜も美味しいものだなと思った。

ζ(゚ー゚*ζ「ところで、もうお帰りになるんですか?私としてはもっといてもらっても全然いいんですが…」

( ^ν^)「いや、食べたらすぐ出ていくんで」

ζ(゚ー゚*ζ「そうですか…。残念です」

( ^ν^)「………」

 無事朝食も食べ終わりニュッは帰り支度を始めた。

20名無しさん:2018/04/08(日) 19:15:03 ID:VLMCGfa20

( ^ν^)「……」ガサゴソ

ζ(゚ー゚*ζ「……」

( ^ν^)(……参ったなぁ。本当にこのまま帰らす気か?)

( ^ν^)(どうしよう。自分から言い出すのとか苦手なんだよな。やだな)

ζ(゚ー゚*ζ「…あの、ニュッさんって友達とかいます?」

( ^ν^)「…へっ」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、急にすいません。ちょっと気になって」

( ^ν^)「いやいないけど全然」

ζ(゚ー゚;ζ「そ、そうなんですか…」(何で急に早口になったんだろう…)

ζ(゚ー゚*ζ「…私も、全然友達とかいないんですよね。なんせこんな所に住んでるもんですから」

( ^ν^)「…何でこんな所に住んでるんすか」

ζ(゚ー゚*ζ「…それは、ちょっと色々あって」

( ^ν^)「色々って」

ζ(゚ー゚*ζ「…まあ、色々です。そんな大したことではないですよ」

( ^ν^)「ふぅん。大したことない…ね」

ζ(゚ー゚*ζ「…ニュッさん?どうしたんですか?」

21名無しさん:2018/04/08(日) 19:35:39 ID:VLMCGfa20

( ^ν^)「人が死ぬことも、大したことじゃないか?」

ζ(゚ー゚*ζ「…どうしたんですか。急に。そんなこと一言も言ってないですよ?」

( ^ν^)「とぼけるか?いつまで本性を隠してるつもりだ」

ζ(゚ー゚;ζ「あの、怖いですよ。何のことですか?」

( ^ν^)「…俺のフルネームは、内藤ニュッだ。聞き覚えないか?」

ζ(゚ー゚;ζ「──……」

( ^ν^)「3年程前、俺の兄、内藤ホライゾンがここに来たはずだ」

ζ(゚ー゚*ζ「…ごめんなさい。ちょっとわからないです。よく覚えてなくて…」

( ^ν^)「なら、一緒に行くか?そこの一番奥の部屋に」

 そう言ってニュッはトイレのある廊下のさらに奥を指さした。

ζ(゚ー゚*ζ「…あそこの部屋は使ってないし、鍵をかけてあるはずですが」

( ^ν^)「悪いね。俺、ピッキングできるんだ。気付かなかったか?開けっ放しにしといたんだが」

ζ(゚-゚ ζ「……」

( ^ν^)「トイレに行ったときに見つけたんだが、…さすがの俺も吐きそうだったな。あんなに大量の死体があるのを見ればな」

ζ(゚-゚ ζ「……」

( ^ν^)「他に何か言いたいことはあるか?」

ζ(゚ー゚*ζ「…ずっとリュックの中に手を突っ込んでますけど、何か入ってるんですか?」

22名無しさん:2018/04/08(日) 19:57:33 ID:VLMCGfa20

( ^ν^)「…あぁ、これのことか」

 そう言うとニュッはリュックから銃を取りだし、デレに向けた。

ζ(゚ー゚*ζ「…あら怖い。そんなもの向けないでくださいよ」

( ^ν^)「随分余裕だな。知ってるよ。お前、死なない体なんだろ?」

ζ(゚ー゚*ζ「はは…。どこでそんなこときいたんですか?」

( ^ν^)「ある組織に聞いたんだ。お前を殺そうとしてる組織にな」

ζ(゚ー゚*ζ「…へぇ。そんな組織が…。何か、かっこいいですね」

( ^ν^)「…その組織が、お前の弱点を見つけた」

ζ(゚ー゚*ζ「…弱点?」

( ^ν^)「…あんた、昨日の夜も今日の朝も野菜ばっか食べてたよな」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ、野菜、好きなんです」

( ^ν^)「違うだろ?『野菜しか受け付けない』んだろ?」

ζ(゚ー゚*ζ「……」

( ^ν^)「この銃の弾にはな、大量の肉の成分が含まれている。どうやらあんた昔、肉を食べようとして死にそうな程苦しがったらしいな」

ζ(゚ー゚*ζ「一体どこからそんな情報が…」

( ^ν^)「俺は、情報源は『都村アサピー』だと聞いた」

ζ(゚-゚ ζ「───」

23名無しさん:2018/04/08(日) 20:10:04 ID:VLMCGfa20

( ^ν^)「まぁそいつがどこの誰かまでは聞いてないが…」

ζ( - ζ「……」

( ^ν^)「…組織の連中はお前のことを『吸血鬼』だと言っていた。血を飲む化け物だと。…お前は、俺の兄も、殺して血を飲んだのか?」

ζ( - ζ「………」

ζ( ー ζ「……」

ζ( ー ζ「…ふふっ」

ζ(゚ー゚*ζ「吸血鬼、か…。確かに、そうですね。でも、でも……」

ζ(゚ー゚*ζ「私は…人間です」

ζ(゚ー゚*ζ「化け物…なんかじゃありません。私は、人間です」

( ^ν^)「人間だったら血なんか飲まない」

ζ(゚ー゚*ζ「昔は、普通の食事を食べていましたよ。でも、ある日を境に私は人間の血を飲まなくちゃいけなくなったんです」

ζ(゚ー゚*ζ「父──都村アサピーのせいで」

24名無しさん:2018/04/08(日) 20:36:44 ID:VLMCGfa20

( ^ν^)「…都村アサピーがお前の父親?」

ζ(゚ー゚*ζ「ええ。母は早くに亡くなっています。父は、薬の開発をしていまして。よく私を実験台にしてました。」

 デレは何かを抑えているようだった。顔が少し引き攣っている。

ζ(゚ー゚*ζ「何の薬を開発してたか知りませんが…、私は父に従って色々な薬を飲み続けました。……逆らえば殴られますしね」

ζ(゚ー゚*ζ「結果私はどんどん野菜しか食べれなくなって、他のものは受け付けなくなりました。…本当に死にそうなくらい苦しかった。それでも私は薬を飲まされ続けた」

( ^ν^)「……」

 ニュッは黙って聞いていた。口をはさめないような、迫力がデレにはあった。

ζ(゚ー゚*ζ「ある日、私はとても喉が渇いて、水を飲んでも全然潤わなくて、苦しくて…。私は、きっと薬の飲みすぎだと思ったんです。だんだんと意識が薄れてきて…」

 そこでデレは急に話すのをやめた。ニュッは話の続きを待ってるのだが、いつまでも話し始めない。

( ^ν^)「…おい。どうした」

ζ(゚-゚ ζ「…覚えてないんです」

(;^ν^)「は?」

ζ(゚-゚ ζ「だって、気が付いたら目の前で人が死んでて…。何も覚えてないのに、私の口にはいっぱい血が付いてて…」

ζ(゚-゚ ζ「父は…私をこんな体にして、私を殺そうとしてるんですね」

25名無しさん:2018/04/08(日) 20:46:32 ID:VLMCGfa20

ζ(゚-゚ ζ「私は、殺されそうになってるのに父はのうのうと生きてるんですね」

(;^ν^)「…いや、別に、情報をもらってるだけでそいつもそれなりの罰は受けてるはずだ」

ζ(゚-゚ ζ「……」

 デレはじっとニュッを見つめた。そして、微笑んで言った。

ζ(゚ー゚*ζ「…覚えてますよ。あなたのお兄さん。ニコニコしてて、とても楽しい人でした」

26名無しさん:2018/04/08(日) 21:05:29 ID:VLMCGfa20

*************

( ^ω^)『本当にすいませんおー。こんなお世話になっちゃって』

ζ(^ー^*ζ『いえいえ、いいんですよ。一人で暇だったんです』

(*^ω^)『本当にいい人だおー。僕もこんな妹が欲しかったおー』

ζ(゚ー゚*ζ『あら、妹がいらっしゃるのですか?』

(*^ω^)『いえ、弟ですお。一緒に住んでるんですが、働かないし、愛想もないし…。僕と似てるのは目元ぐらいなもんですおー』

ζ(゚ー゚*ζ『へぇ…。大変なんですねー』

( ´ω`)『おっ、眠くなってきたからそろそろ眠りますお。おやすみなさいだおー』

ζ(^ー^*ζ『お休みなさい。ゆっくり眠ってくださいね』

 でも、翌朝になってもあの人は部屋から出てきませんでした。私は、何度も呼びかけても出てこなかったのでドアを開けました。

ζ(゚-゚ ζ『……え……』

 あの人は、──死んでいました。毒を飲んで、自殺していたんです。

27名無しさん:2018/04/08(日) 21:48:56 ID:FkGACCw60
支援する!ながらファイト!

28名無しさん:2018/04/08(日) 21:52:13 ID:VLMCGfa20
***********

(;^ν^)「………」

 ニュッは言葉を失っていた。まさか自殺をしたと聞くとは思っていなかった。嘘だ。そんなこと、一言も聞いてない。嘘だ嘘だ。

ζ(゚ー゚*ζ「…信じられませんよね。でも、信じてください。確かに私は多くの人を殺してきました。…でもあなたのお兄さんは自殺したんです」

(#^ν^)「…違う!!俺の兄も組織の人間だった!兄はお前を殺しに行ったんだ!だからお前は兄を殺したんだ!!死にたくないからって嘘吐いてんじゃねえ!」

ζ(゚-゚ ζ「…………ょ」

(#^ν^)「あぁ!?」

ζ(゚Д゚#ζ「そりゃ私だって死にたくないですよ!!!」

(;^ν^)ビクッ

ζ(゚Д゚#ζ「なんで!好きでこんな体になったわけじゃないのに殺されなくちゃいけないんですか!全部!全部あいつのせいなのに!!私だって努力してるんですよ!山奥の屋敷に住んで人から離れて!!でも、それでも人が来ちゃうんですよ!」

ζ( Д #ζ「殺さないようにしても、気が付いたら殺しちゃってるんですよ!私はいっつもそれを見て後悔して、でも血を飲まないと、私は、きっと死んじゃうから、私は!私だって、私だって……!!」





ζ(;Д;#ζ「──普通に、暮らしたかった!!」

29名無しさん:2018/04/08(日) 21:58:14 ID:FkGACCw60
デレも被害者なんだな

30名無しさん:2018/04/08(日) 22:05:32 ID:VLMCGfa20

(;^ν^)「…………」

ζ(;Д;#ζゼーゼー

 ニュッは無言でリュックの中からもう一丁の銃を取り出した。

ζ(;-; ζ「…肉を食べたとき、本当に苦しかった。全身が裂けるように痛かった。あの時はすぐに吐き出したから助かったんです」

ζ(;-; ζ「でも、今度は助からないんですね。私は苦しみながら死ぬんですね」

(;^ν^)「………」

ζ(;-; ζ「…やだ、死にたくない…。まだ、生きていたい……」

(;^ν^)「…目を瞑ってろ」

ζ(;-; ζ「………」

ζ(ー ー。ζパチ…



 ───森の中に、銃声が響いた。

31名無しさん:2018/04/08(日) 22:28:58 ID:VLMCGfa20

 ──声が、聞こえる。

  「デレ、デレ」

 ……お母さんの、声?

(゚、゚トソン「デレ、お母さんよ。わかる?」

 うん。わかるよ。そっか。私、お母さんの所に来れたんだ…。

(゚、゚トソン「違うの。あなたはまだこっちに来ちゃいけないのよ」

 …どうして?もしかして、人をいっぱい殺したから?だからお母さんの所に行けないの?

(゚、゚トソン「…そうだね。あなたはたくさんの人を殺してしまった。でもね、それはあなたのせいじゃないのよ」

 でも、きっと私の殺した人には家族もいた…。だから私、苦しくて、何度も死のうと思ったけど怖くて…。

(゚、゚トソン「ねえデレ、それは違うの。あなたは充分苦しんだわ。そうでしょう?私は見ていたわ。あなたがいつも泣いてるのを」

 でも、人を殺した私は、もう…。

(゚、゚トソン「…生きなさい。死んでしまった人たちの分まで。死んで逃げちゃ駄目。ちゃんと向き合って生きて」

 …お母さん。でもね、私もう死んでるんだよ。だから、もう生きれないよ…。

(゚、゚トソン「大丈夫よ。あなたは生きているわ。」

 ……え?

(゚、゚トソン「…ごめんね。お母さんは遠くから見ていることしかできない。生きていれば、あなたを助けられたかもしれないのに…」

(゚、゚トソン「どうか…い…て、しあ…せにな…て…」

 あれ?あ母さんの声が遠くなっていく…。待って、お母さん、私、どうやって生きていけばいいの?ねぇ、待って…お願い…。


ζ(;、;*ζ「…お母さん!!」

32名無しさん:2018/04/08(日) 22:32:17 ID:FkGACCw60
がんばれ

33名無しさん:2018/04/08(日) 22:50:51 ID:VLMCGfa20

ζ(;、;*ζ「……あれ?」

 気が付くとそこには白い景色が広がっていた。自分はベッドに寝てるようだった。
 …ここは、病院?

(;^ν^)「………」

 ふと見渡すと、隣にニュッが座っていた。

ζ(;、;*ζ「………」

ζ(;、⊂ζグイッ

ζ(゚、゚*ζ「あの、ここは…」

( ^ν^)「病院」

ζ(゚、゚*ζ「いや、それはわかるんですけど…。どうして私はここにいるんでしょう?」

( ^ν^)「…俺が連れてきた」

ζ(゚、゚;ζ「…どうして?だって私は死ぬはずじゃ…」

( ^ν^)「…組織の連中に聞いてみた。どうやら、兄がお前の家に行ったあと、連絡があったらしい。『すまない。僕にはあの娘は殺せない。せめて責任は持つ』と言っていたらしい。…どうやら俺は利用されただけみたいだな」

ζ(゚、゚*ζ「…そういうこと、だったんですか…」

( ^ν^)「悪かったな、疑って…」

ζ(゚、゚*ζ「いえ、そんな。あの場で信じる方がおかしいですよ」

( ^ν^)「お前の話を聞いて、…少し考えたかった。だからとりあえずお前には麻酔を撃っといた。で、その結果、お前を引き取ることになった」

ζ(゚、゚*ζ「へ?引き取るって…誰が?」

( ^ν^)「俺が」

ζ(゚、゚*ζ

34名無しさん:2018/04/08(日) 23:20:46 ID:VLMCGfa20

ζ(゚Д゚;ζ「えええええええええ!!?」

( ^"ν^)「うるさい」

ζ(゚Д゚;ζ「す、すいません。でも、え?何で?」

( ^ν^)「…組織の奴等を説得した。お前ら俺を騙したんだから条件をのめって」

ζ(゚、゚;ζ「説得って言うんですかそれ…」

( ^ν^)「で、だ。まず、お前には毎日俺の血をやる。少しずつな」

ζ(゚、゚;ζ「え…」

( ^ν^)「そしたら急に意識なくなることもないだろ」

ζ(゚、゚;ζ「ま、まあ、それは、多分…」

( ^ν^)「それでついでに俺はお前を見張る。渋々だが無理やりのんでもらった。その代わり、お前が誰か一人でも人を殺したらその時は絶対にお前を殺す、だってさ」

ζ(゚、゚*ζ「…………」

( ^"ν^)「なんだ、不満か?」

ζ(゚、゚*ζ「い、いえ。ただ、どうして私にそこまでしてくれるのかな、と…。だって、私はあなたのお兄さんが死んでしまった原因でもあるのに…」

( ^ν^)「…いや、兄が死んだ原因は都村アサピーだ。でもそいつはもう捕まってる。だから…もういい」

ζ(゚、゚*ζ「………そう、ですか」

( ^ν^)「兄は、重度のお人好しだった。お前が人の血を飲む化け物だと聞いて兄はお前の所に行った。でも、お前は…普通の明るい女の子だった。だから兄はきっと苦しんだんだと思う。『殺せない。でも、殺さなければこの娘は人を殺してしまう』って」

( ^ν^)「…兄は、自分が犠牲になることを選んだ。馬鹿だと思うけど、きっと兄はそうまでしてお前を助けたかったんだ。だから俺は、兄の遺志を継ぐことにした」

ζ(゚、゚*ζ「…どうしてそこまでわかるんです?」

( ^ν^)「兄弟だからな。…あと、もしかしたらお前の体質も治るかもしれないし」

ζ(゚Д゚;ζ「…え!?」

( ^ν^)「一応、そっちの研究もしてたらしい。まあまだわからないが…」

ζ(゚Д゚;ζ「……」

35名無しさん:2018/04/08(日) 23:29:43 ID:FkGACCw60
突然の同棲いいよいいよーー

36名無しさん:2018/04/08(日) 23:34:49 ID:VLMCGfa20

ζ(゚-゚;ζ「……あの、すいません、ずっと我慢してたんですけど」

( ^ν^)「あ?」

ζ(゚-゚;ζ「泣いても、いいですか…」

(;^ν^)「……べ、別に、いいけど」

ζ(゚-゚。ζ「………う」

ζ(;Д;*ζ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

ζ(;Д;*ζ「怖かったよぉぉぉぉぉ!苦しかったよぉぉぉぉぉぉ!!」

(;^ν^)「…………」

ζ(;Д;*ζ「ニュッ、さん、本当に、ありがとうございます!私、生きますから!一生懸命生きますから!!」

( ^ν^)「……うん」

ζ(;Д;*ζ「あなたのお兄さんの分も!死んでいった人たちの分も!私、どんなに辛くても、苦しくても、もう、逃げませんから!!絶対にもう誰も殺しませんから!!!」

( ^ν^)「……うん」

37名無しさん:2018/04/09(月) 00:03:58 ID:5fyOpRxo0

 数日後……

ζ(゚、゚*ζ「……あのーニュッさん」

( ^ν^)「ん」ムシャムシャ

ζ(゚、゚*ζ「前に、野菜は好きじゃないとかいってませんでした?なんか普通にむしゃむしゃ食べてますけど…」

( ^ν^)「……別に今でも好きじゃないけど………デレの作ったのは結構好き、かもしれない」

ζ(゚、゚*ζ「………」

ζ(^ー^*ζ「…ありがとうございます!」

( ^ν^)「………」ムシャムシャ



                 終わり

38名無しさん:2018/04/09(月) 00:08:32 ID:5fyOpRxo0
 最後まで付き合ってくれた方、ありがとうございました!もしかしたら何か忘れてるかもしれないので、もし質問等あったらお気軽にどうぞ!
 あと結構ブーン系初心者なので、「こうした方がいいよ」とか「ここがわかりづらい」とかもあったら教えてください!

39名無しさん:2018/04/09(月) 00:11:01 ID:2AWA9ToU0

全然初心者感なかった
AA使いも会話文の運びも自然でスムーズに読めるよ
細かいこと言うなら三点リーダーの使い方かな
文体も好きだから自信もって
次も楽しみにしてる

40名無しさん:2018/04/09(月) 00:21:04 ID:cr52bAJs0
乙乙
不穏な感じもあったけどハッピーエンドでよかった

41名無しさん:2018/04/09(月) 00:48:53 ID:5fyOpRxo0
>>39
ありがとうございます!三点リーダーは使いすぎでしたかね?以後気をつけます!

42名無しさん:2018/04/09(月) 00:50:35 ID:5fyOpRxo0
>>40
ありがとうございます!本当はバッドエンドで終わらそうかなーとも思ったんですが、それは流石に二人が可哀想だったのでやめました!私もハッピーエンド好きです!

43名無しさん:2018/04/09(月) 02:05:35 ID:Y5sPBk0U0
おっつおっつ!
また一人新作者が増えたようで嬉しい

44名無しさん:2018/04/09(月) 12:26:36 ID:6Zl3lkH20
>>43
ありがとうございます!これからも暇なときに書いていきたいと思います!

45名無しさん:2018/04/09(月) 18:10:04 ID:.7eqneug0
乙です

46名無しさん:2018/04/09(月) 18:17:23 ID:6Zl3lkH20
>>45
ありがとうございます!嬉しいです!

47名無しさん:2018/04/09(月) 22:38:07 ID:AFS0wjys0
もうちょっとデレの家族やホライゾンの部分見たかったな
でも読みやすくてよかったよ、乙

48名無しさん:2018/04/10(火) 12:02:25 ID:dX1vwBLQ0
>>47
ありがとうございます!
確かにもう少し掘り下げても良かったかもしれないですね。参考にします!

49名無しさん:2018/04/10(火) 16:20:03 ID:IMLnxzI.0

いいニュッデレだ

50名無しさん:2018/04/10(火) 23:29:46 ID:0p/uBsNg0
>>49
ありがとうございます!ニュッデレ大好き!

51名無しさん:2018/04/14(土) 23:37:10 ID:Yr6UQEO.0
良い作者かよ
読者なんて自分勝手だから好きなようにこういう面白い作品書いてクソして幸せに死ね

52名無しさん:2018/04/15(日) 04:13:18 ID:0OJtssBA0
>>51
ニュッくん乙


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