(´･ω･`)ぼくらの「８２５」のようです - 1503594613

1： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/25(金) 02:10:13 ID:SqT1CRpo0: 紅白作品です
212： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:30:58 ID:OaVkALts0: ｺﾞｳｺﾞｳ

('A`)「ショボン、熱いか？」

(´･ω･`)「ううん。フシギだね、こんなに燃えてるのに」

('A`)「オレたちはこの世界からすっごく遠いところにいるからな」

(´･ω･`)「すっごく遠いのかぁ。まださわれるのにね」

「～♪」

(´･ω･`)「！」

('A`)「姉者の歌だ……」

(´･ω･`)「あのね、ドクオ」

('A`)「うん？」

(´･ω･`)「ボク、ボクね。みんなに一生分の大スキを言ったんだよ」

('A`)「うん」

(´･ω･`)「あとから『もっと大スキって言いたかった』って思わないように」

('A`)「うん」

(´･ω･`)「でもね、でも。なんでかなぁ？」

.
213： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:31:49 ID:OaVkALts0: (´ ω `)「シンゾウがね、痛いんだ。きゅってして、苦しいんだよ。泣けないくらいに」

('A`)「うん」

(´ ω `)「こんなのはじめてなんだよ。どうしたらいいか、わからないんだよ」

('A`)「うん」

(´ ω `)「園のだれかさんがいなくなったって、こんなのなかったのに。
　　　　　　どうしたってとまらないんだよ」

(´ ω `)「ボク、ガイコツになっちゃうのかな？」

('A`)「みんなオマエの大切なトモダチだった、ってことだよ」

('A`)「渡せない大スキがあふれて苦しいんだよ」

(´ ω `)「そっかぁ……この気持ちは大スキなんだね……」

(´ ω `)「よかった……よかったぁ……」

ﾎﾞ-ﾝ

('A`)「６時だ……」

ﾎﾞｰﾝ

.
214： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:32:44 ID:OaVkALts0: 「～♪」

ﾎﾞｰﾝ

（　ФωФ）

(´ぅω･`)「！」

('A`)「杉浦ロマネスク……！」

ﾎﾞｰﾝ

（　ФωФ）「　　　　　」

（　ФωФ）「　　」

ﾎﾞｰﾝ

(´･ω･`)「えっ？なに？」

(´･ω･`)「なんて言ったの？聞こえないよ……」

(´･ω･`)「聞こえない……」

ﾎﾞｰﾝ

.
215： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:33:54 ID:OaVkALts0: l从•∀•;;#ﾘ人　ｷｭｷｭｯ

∬#;;´_ゝ`）「妹者」

l从•∀•;;#ﾘ人「なぁに？」

∬#;;´_ゝ`）「すごいわ。字が書けるのね」

l从*•∀•;;#ﾘ人「えへへっ。うん！たったいま、書けるようになったのじゃ！」

∬#;;´_ゝ`）「なんて書いてあるの？」

l从•∀•;;#ﾘ人「　　　　　なのじゃ！」

∬#;;´_ゝ`）「妹者」

l从•∀•;;#ﾘ人「なぁに？」

∬#;;´_ゝ`）「よかったね」

l从•∀•;;#ﾘ人「うん。よかったのじゃ」

∬#;;´_ゝ`）「ワタシ、兄弟に『またいつか』は言わないわ」

l从•∀•;;#ﾘ人「うん。ずっといっしょなのじゃ」

.
216： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:35:39 ID:OaVkALts0: （´<_｀;;#）「兄者」

（　´_ゝ）「なんだ」

（´<_｀;;#）「ごめん」

（；´_ゝ）「どうしたヤブからボウに？どこかわるいのか？
　　　　　　その『ごめんなさい』は、ほんとにオレ宛で合っているのか？」

（´<_｀;;#）「やっぱりいまのはなしだ」

（　´_ゝ）「えっ」

（´<_｀;;#）「いまさらオマエに言いたい言葉なんか、なにひとつないさ」

（　´_ゝ）「……ごめんな」

（´<_｀;;#）「きもちわるい」

（　´_ゝ）「ははは、そうか！」

（´<_｀;;#）「ふふふ」

.
217： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:37:06 ID:OaVkALts0: 「おっきい兄さん、ちっこい兄さん、みーつけたのじゃ！」

「おや？見つかってしまったか！」

「オレらの妹はかくれんぼの天才だな」

「こっちにおいで。みんないっしょよ」

「みんないっしょにおどるのじゃ！」

「むかしやったパーティーを思い出すな」

「ずんちゃっちゃーずんちゃっちゃー♪」

「ほら見て見て！ワタシたち、ひとつになってるのじゃ！

「あら。ほんとね」

「もうさみしくないな

「これで、もう

.
218： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:37:56 ID:OaVkALts0: ８月２５日　〆￥〒

了└|ヵ：｜-ゥ

.
219： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:38:53 ID:OaVkALts0: ｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅ...

(´･ω･`)

('A`)

(´･ω･`)「戻ってきたの、かな？」

('A`)「みたいだな」

（；；；；）

('A`)

(´･ω･`)「どうしたの？」

('A`)「このガイコツさ、杉浦ロマネスクだったんだな」

(´･ω･`)「泣いてるよ」

(；A；)「へっ？」

(；A；)「なんでだろ。わかんねーや」

(；A；)「わかんねーけど」

(；A；)「やっと会えた気がする、って言ったら笑うか？」

(´･ω･`)「笑っちゃうね」

(´･ω･`)「だってボクだって、おんなじこと考えてた」

.
220： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:40:09 ID:OaVkALts0: ｶﾅｶﾅｶﾅｶﾅ...

('A`)「……なあショボン。どうすれば救世主になれるか、って聞いたな？」

('A`)「いかしたこと思いついたぞ。
　　　　ガイコツ病をなくしたあと、オマエがいい先生になればいいんだよ」

(´･ω･`)「いい先生」

('A`)「ここに、オレたちの新しい園をたてよう。
　　　　未来のブーンがくるまで、ここを守ってやらなくっちゃな」

(*´･ω･`)「いずれここにブーンが来るんだね。
　　　　　　　ドクオ、それってとってもステキなおはなしだよ！」

('A`)「オレたちみたいな子供たちを７人集めて、
　　　　オレたちの名前をつけて、『またいつか』の日をつくるんだ」

.
221： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:41:00 ID:OaVkALts0: (´･ω･`)「楽しみだね」

('A`)「ああ。楽しくなる」

(´･ω･`)「そうと決まったら、さっそく新しい園の名前をつけなくっちゃだ！」

('A`)「気のはやいヤツめ。まだまだ未来のはなしだぞ」

('A`)「どんな名前がいい？」

(´･ω･`)「えっとね、えっと、ボクらのほんとの名前なんてどう？」

('A`)「いいんじゃないか？タイチョウはオレだけどな」

(´･ω･`)「ねぇドクオ、教えてよ。キミのほんとの名前は？」

('∀`)「モララーだよ。毛利モララー」

.
222： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:41:39 ID:OaVkALts0: ８月２６日　
きっとこの日記をよんでいるキミたちへ。
またいつか会える日を楽しみに

.
223： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:43:21 ID:OaVkALts0: （　＾ω＾）「ま、っ、て、る」ｶﾘｶﾘ

（　＾ω＾）「お」ｶﾘ

（　＾ω＾）「でも」

（　＾ω＾）「いつかっていつだお？」

『いつかは未来よ』

（　＾ω＾）「ほんとにくるのかお？」

『ふふふ。ブーン次第ね』

（　＾ω＾）「ボク次第？」

『ワタシね、ブーンには自分の見たいものを見て、
　自分の聞きたいものを聞いて、自分の生きたいように生きて欲しいな』

（　＾ω＾）「うん。わかったお」

.
224： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:44:04 ID:OaVkALts0: 『キミがほんとにやりたいことって、なにかしら？』

（　＾ω＾）「ボクがほんとにやりたいこと」

（　＾ω＾）「ボクがほんとにやりたいことってなんだお？
　　　　　　　わかんないお。わかんない。みんながいないから」

（　＾ω＾）「ボクがやりたいこと。ボクの一生に一度のお願い。
　　　　　　　ボクが好きなもの。ボクが見て、聞いて、幸せなもの」

（＊＾ω＾）「……なーんだ！カンタンなことじゃないか！」

『ほんとに、いい？』

（＊＾ω＾）「うん。ボク、これがいいお」

（＊＾ω＾）　ｹｼｹｼ

（＊＾ω＾）　ｶﾘｶﾘ

.
225： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:44:41 ID:OaVkALts0: ｺﾝｺﾝ

ｶﾞﾁｬｯ

（　・∀・）「おはよう、内藤くん。おや？日記をつけるほどいいことが、もうあったかい？」

（＊＾ω＾）「パパ！」

（　・∀・）「先生さ」

（　・∀・）「うん？なにを隠してるんだい？」

（＊＾ω＾）「隠してるんじゃないお！守ってるんだお！」

（　・∀・）「これは……指？」

（＊＾ω＾）「紹介するお、姉者だお。ボクのトモダチ！」

（　・∀・）（お人形さんの指か）

.
226： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:45:23 ID:OaVkALts0: （　・∀・）「よろしくね、姉者くん。ボクは毛利モララー先生さ。
　　　　　　　ちょっとおトモダチの内藤くんをお借りするよ」

（　・∀・）「喜びたまえ。キミの新しい里親……いや、パパとママが迎えに来たよ」

（　・∀・）「とってもお金持ちなんだ。きっとどんな夢だってたちまち叶うよ」

（　・∀・）「ああでも、我が子のように思っていた内藤くんが、
　　　　　　　この病院からいなくなるのは寂しいよ。とてもとてもね」

（　・∀・）（しかし、いずれここもゾンビ病が広まってしまうだろうね……）

（＊＾ω＾）「先生！」

（＊＾ω＾）「このカケラをゾンビ病の人に飲ませてあげてお！」

（　・∀・）「これは、なんの粉だい？」

.
227： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:46:40 ID:OaVkALts0: （＊＾ω＾）「人形病の指のカケラだお！」

（　・∀・）「人形病だって？ははっ……ゾンビ病よりはずっと可愛らしい名前だね。
　　　　　　　ありがたくもらっておくよ」

（＊＾ω＾）「おっ？机の上におくんじゃなくって、箱の中にいれといて欲しいお！」

（＊＾ω＾）「もしも風に飛ばされて、だれかさんが飲みこじゃったら、お人形さんになっちゃうんだお！」

（　・∀・）「わかったわかった。あとでそうしておくよ」

（＊＾ω＾）「絶対、絶対だお！」

ﾎﾞ-ﾝ

（　・∀・）「時計が鳴ってしまったね、もう約束の時間のようだ」

（　・∀・）「さあ新しいパパとママのところにいこうじゃないか、お部屋にさようならは？」

ﾎﾞ-ﾝ

（　＾ω＾）「またいつか、だお」

.
228： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:47:33 ID:OaVkALts0: モララー先生には、きっと見えてないんだお。
時計の音が鳴るたんびに、ボクのお部屋がごうごうと燃えている。
姉者の歌が、聞こえてくる。

ﾎﾞ-ﾝ

目を開けたまんま、ユメを見てるのかな？そんなことってあるのかな？
きのうのことがまるで、きょうのことみたいに見えるお。
モララー先生のうしろに、きのうのボクたちがいるんだ。

幸せだって笑いながらひとつになっていく姉者たちと、
手をふりながら消えていくドクオとショボンと、
それをただじっと見つめていた知らないオトナの人。
左手の小指がない。

ﾎﾞ-ﾝ

ない小指の代わりに、ふるいお人形さんの小指を縫いつけていた人。
ヒミツの中のヒミツの場所に立って、ボクを見てうれしそうに笑った人。

（　ФωФ）

.
229： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:48:17 ID:OaVkALts0: ﾎﾞ-ﾝ

（　・∀・）「退院おめでとう、内藤……」

（　・∀・）「違うね、新しいパパとママが来たから、キミはもう、
　　　　　　　『内藤ロマネスクくん』じゃなくなるんだよね」

ﾎﾞ-ﾝ...

（　＾ω＾）

ねぇ。聞こえなくてもわかるんだお。
あの人はたしかに、ボクにこう言ったんだ。

.
230： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:49:13 ID:OaVkALts0: （　ФωФ）『またいつか』

（　ФωФ）『だお』

.
231： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:49:59 ID:OaVkALts0: 「おめでとう」

「杉浦ロマネスクくん」

.
232： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:53:23 ID:OaVkALts0: ８月２６日　杉浦ロマネスク
ごきげんよう、きっとこの日記を読んでいないキミたちへ。
またいつか、だお。

ボク、もう一度みんなに会えるなら、どんなことだってするお。
どんなカタチになったっていい。もしもイッシュンだったって、それでもいい。
「杉浦ロマネスク」は救世主の名前だから。
ぜったいに、ぜったいに、助けにいくから。

だから、８月２５日で待っていて。

（　　ω　）ぼくの「８２５」のようです　了
233： ◆zfMiV6C5M2：2017/08/26(土) 05:54:23 ID:OaVkALts0: みんながしあわせになるおはなし
読んでくれて了└|ヵ：｜-ゥございました
234：名無しさん：2017/08/26(土) 05:56:40 ID:pHVOHB4A0: つまり
ブーン世界→兄者世界→ドクショボ世界ってことで良いのかな？
ブーンが知らなかったのはそもそも病気が発生してなかったからで
幻影で出てくるロマは成長したブーンということか
235：名無しさん：2017/08/26(土) 06:04:33 ID:WQKo9LJc0: お疲れさま、またいつか
236：名無しさん：2017/08/26(土) 09:14:36 ID:bM4dAoFY0: 乙乙

なんだろう
すごく鳥肌と感動が。
久しぶりに自然に涙が。

分岐していた物語が最後に回帰するのがすごい。
いいものをありがとう。
237：名無しさん：2017/08/26(土) 14:01:28 ID:u2iqcn9Y0: あーなんか、うまく言葉にできない
とにかくすごい好き。悲しいのかもよくわからなあのに涙でてきた
とにかく乙。ほんとにいい話だった！
238： ◆TflJu3mvXc：2017/08/27(日) 01:24:28 ID:Tdo1UGAw0: 【業務連絡】

主催より業務連絡です。
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239：名無しさん：2017/08/27(日) 23:19:55 ID:C3k0uurU0: 乙
240：名無しさん：2017/08/29(火) 11:47:00 ID:PWTepN2.0: すげぇ面白かった
燃えていくところでちょっと泣いた、乙
241：名無しさん：2017/08/30(水) 05:27:01 ID:3gKcmP060: おつ
最初はホラーか？って思ったが、人物が増えていくごとに世界観が分かり、皆が出会えて此方も嬉しくなった。
皆それぞれの道を選んで、それを叶えたり叶えようとしているのがとても素敵だった。
242：名無しさん：2017/08/30(水) 11:34:49 ID:nO9rbQMc0: とてもよい以外の感想が浮かばない素晴らしい作品だ。

というか、読み終えて気づいたのがこれ地の文無しなんだな。なのに情景が脳裏に浮かぶんだよ
243：名無しさん：2017/08/30(水) 15:39:53 ID:./TGiORk0: 読み終わった
余韻がすごく残る作品だった…
切なくて希望のある終わりでよかった
今回ほのぼのに見せかけたホラーが多かったから安心したよ
244：名無しさん：2017/09/03(日) 00:45:57 ID:sZVmMYjs0: 凄く面白かったぞ
245：名無しさん：2017/09/16(土) 22:50:13 ID:QuBuxoiU0: 「おーいおーい！はやくこいよー！」

「ちょっとは手伝ってよー！リンゴ７つって重いんだよー？知らないでしょー！」

「っとと。だれだコイツ？」

「だれだろう？知らない子だ。もしかして、わるい子？」

「バカだなぁ、オレらの園の中にわるい子がはいれるわけ……」

「どうしたの？」

「コイツ、左手の中指にリボンつけてる」

「うっそだぁ、ほんと？」

「ウソなもんか。ほらここ、赤いリボン。オレらとおんなじの、色ちがいの」

「ほんとだ！だから今日はリンゴの日なんだね」

「ああ。オレらの新しいみんなだ」

（　　　　）　ﾊﾟﾁｯ

爪'ー`)「起きたのか？おはよう、アッちがう、おかえり」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「おかえり！今日からこの園がキミのおうちだよ！」

.
246：名無しさん：2017/09/16(土) 22:51:06 ID:QuBuxoiU0: （　　　　）「？」

爪'ー`)「オレは１３人目のドクオ。こっちは４人目のショボン」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「よろしくね！これでみんなそろったね！」

（　　　　）「！」

爪'ー`)「それは園の外での名前だろ。ここではオマエも７人のみんなから名前をもらうんだよ」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「キミの名前はね、■■！赤いリボンの子は■■なんだよ！」

爪'ー`)「バカ。まだちがうだろ。リンゴ食べてないんだから」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「も、もうすぐだよ！だってほら、もうお空が真っ赤だもん！」

（　　　　）「？」

爪'ー`)「それよりオマエ、なんだってこんなとこで倒れてたんだ？」

爪'ー`)「新しいみんなは先生が箱に入れてつれてくるもんだぞ」

（　　　　）「！」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「箱の中からにげてきちゃったってこと？
　　　　　それってすっごくいけないことだよ！わるい子になっちゃう！」

爪'ー`)「はやくもどるぞ。いまならまだ、先生も笑ってくれるだろ」

.
247：名無しさん：2017/09/16(土) 22:52:33 ID:QuBuxoiU0: 爪'ー`)「おいおい、どこにいくつもりだ？箱の部屋はこっち」

爪'ー`)「オレらの園はすっごくおっきいんだ。
　　　　もしもはぐれちゃったなら、きっとオマエだって泣いちゃうだろうよ」

（　　　　）「…」

(#ﾟ;;-ﾟ)「さあ、ついておいでよ。ボクらがつれてってあげるからね」

(#ﾟ;;-ﾟ)「ひとりになっちゃダメだよ。ここ、夜になるとオバケがでるから」

（　　　　）「？」

(#ﾟ;;-ﾟ)「オバケっていうのはね、この世界のなによりもこわーいもの、ってこと！」

（；　　　）「！」

爪'∀`)「けけけ。きょうの読み聞かせにはオバケのはなしをしてやろうか？」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「やめてよ！」

爪'ー`)「ショボンはいっとうこわがりだからなぁ。じゃあオマエが好きなエイユウのはなしにしてやろう」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「いまの聞いた？エイユウのおはなしだってさ！まっくらい夜だって楽しみになっちゃうよ！」

（＊　　　）「！」

爪'ー`)「たくさんのゾンビ病をなおした毛利モララーと、ゾンビ病をなくして人形病をひろめた杉浦ロマネスク。
　　　　自分の体とひきかえにたくさんの人形病をなおした流石兄者、弟者、姉者、妹者。
　　　　ガイコツ病をなくした２人目の毛利モララーと２人目の杉浦ロマネスクのはなし」

.
248：名無しさん：2017/09/16(土) 22:53:30 ID:QuBuxoiU0: (*#ﾟ;;-ﾟ)「いいこと聞きたくない？まだヒミツなんだけどね、
　　　　　じつはね、２人目のモララーと２人目のロマネスクはね、ぼくらの先生なんだ！」

（　　　　）「？」

爪'ー`)「パパとママの代わり、ってことだよ」

（　　　　）「？」

爪'ー`)「なんだよ、パパとママもしらないのか？パパとママっていうのは……」

爪'ー`)「パパとママっていうのは……」

(#ﾟ;;-ﾟ)「ドクオ」

爪'ー`)「パパと……ママは……」

(#ﾟ;;-ﾟ)「ドクオ。なにを言おうとしてるの。ダメだよ」

爪'ー`)

(#ﾟ;;-ﾟ)「ドクオはそんなこと言わない」

爪'ー`)

爪'ー`)「パパとママっていうのは、子供がオトナになるまで守ってくれる人、ってことだよ」

.
249：名無しさん：2017/09/16(土) 22:54:10 ID:QuBuxoiU0: ｶﾞﾁｬｯ

爪'ー`)「よしよし。まだ先生にバレてないぞ」

(#ﾟ;;-ﾟ)「じゃじゃーん！ここが箱のお部屋だよ！」

爪'ー`)「はやくその箱に入った入った。先生がくる前に」

（　　　　）「？」

爪'ー`)「オレらもはじめはこの箱でここにきたんだよ」

(#ﾟ;;-ﾟ)「先生がくるまで、ここでいい子にしてるんだよ。
　　　　わるい子になってしまわないように。いいね？」

（　　　　）「！」

爪'ー`)「まっくらでひとりぼっちはいやだって？バカ言っちゃいけない、フタしめなくっちゃ箱にならないだろ」

（；　　　）「！」

爪ﾉー`)「わかったわかった、ちゃんとここにいるよ。おはなししてやる。だからいまは眠っておしまいよ」

（＊　　　）「！」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「おはなししてくれるって！よかったね！」

爪'ー`)「ちょこっとだけだからな？それと、箱のフタは閉めること！」

.
250：名無しさん：2017/09/16(土) 22:55:20 ID:QuBuxoiU0: 爪'ー`)「これはとある園のおはなし。そこには２人の先生と、７人の子供たちがなかよく暮らしてる」

(#ﾟ;;-ﾟ)「それってもしかして、ボクらのこと？」

爪'ー`)「さてね？」

爪'ー`)「先生の名前はモララー先生と、ロマネスク先生」

(#ﾟ;;-ﾟ)「ロマネスクっていうのは、救世主であり殺人鬼でもある名前なんだってさ」

(#ﾟ;;-ﾟ)「でもとてもいい先生だよ、とてもとてもね」

爪'ー`)「子供たちの名前はドクオ、ショボン、姉者、兄者、弟者、妹者、そしてブーン」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「ボクらの名前だ」

（　　　　）「！」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「そうだね、妹者たちはエイユウの名前だね」

「爪'ー`)」

爪'ー`)「紫のリボンの子はドクオ。このオレ」

(#ﾟ;;-ﾟ)「いっつもすぐどっかいっちゃうんだ。わるい子になったドクオは、みーんないなくなっちゃったんだよ」

「(#ﾟ;;-ﾟ)」

爪'ー`)「そんでもって、コイツ。黄のリボンの子、ショボン。
　　　　いつもショボンってかんじのショボンだ」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「そんなんじゃないやい！」

.
251：名無しさん：2017/09/16(土) 22:56:09 ID:QuBuxoiU0: 「('、`*川」

爪'ー`)「桃のリボンの子は姉者」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「姉者のお歌はピカイチさ！のんびり屋さんだけど、いっちばーんつよいんだよ」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「キミのお姉ちゃんになる子だよ！」

（＊　　　）「！」

「ﾉﾊﾟ⊿ﾟ)人(ﾟ- ﾟ川」

爪'ー`)「青いリボンの子は兄者、緑のリボンの子は弟者」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「すっごくイタズラ好きなんだ。ふたりがふざけてるの見すぎたらいけないよ、おもしろすぎるから」

（　　　　）「？」

爪'ー`)「なに？女の子なのにおかしい？そんなちっちゃいこと気にしてると、おデコにシワがよっちゃうぞ」

爪'ー`)「赤いリボンの子は妹者」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「キミのことだよ！」

（＊　　　）「！」

爪'ー`)「おしまい」

.
252：名無しさん：2017/09/16(土) 22:56:50 ID:QuBuxoiU0: （　　　　）「？」

爪'ー`)「ひとり足りないって？そのとおり。でも、いないヤツの話してどうする？」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「あっ！いまのはイジワルな言い方だぞ！」

(#ﾟ;;-ﾟ)「ドクオったら、さみしいんだ。なんでかな、これまでブーンがいたことなんて、一回もないからね」

(#ﾟ;;-ﾟ)「それにね、ブーンが来たら……この園とは『またいつか』って、しなくっちゃいけないんだって。
　　　　先生が言ってた。そのための園なんだって」

（　　　　）「？」

(#ﾟ;;-ﾟ)「そんなこと、わかんないや」

爪'ー`)「ここにいる子供たちはさ、箱に入れられて、どこからともなく連れてこられるんだよ」

爪'ー`)「とってもひどくされた子供たちだ。どこにも居場所がない子供たちだ」

（　　　　）「…」ｶﾀﾝｯ

(#ﾟ;;-ﾟ)ﾉ「よしよし。大丈夫だよ」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

爪'ー`)「子供達は７人じゃなくっちゃいけない。ブーンは別として。
　　　　これはぜったい。なんでかは、オレにだってわからないけど」

爪'ー`)「だから、ひとりいなくなってしまったら、新しい子を探さないといけないんだ」

爪'ー`)「いなくなってしまった子に、そっくりな子をね」

（　　　　）「！」

.
253：名無しさん：2017/09/16(土) 22:57:33 ID:QuBuxoiU0: 爪'ー`)「ここは夢に見てたような場所だよ」

爪'ー`)「毎日みんなでおいしいもの食べて、キレイなようふくをきて、あったかいふとんでねむって」

爪'ー`)「かくれんぼしたり、コウカン日記したり、
　　　　パーティーしたりするんだ。まっくろいお洋服を着てさ」

（＊　　　）「！」

(*#ﾟ;;-ﾟ)「うん！楽しみだね！あーあ、はやく夜にならないかなー」

（　　　　）「！」ｷｭﾙﾙﾙ

(#ﾟ;;-ﾟ)「お腹がすいたって？ごめんね、このリンゴはだめなんだよ」

（　　　　）「…」

(#ﾟ;;-ﾟ)「お腹がすきすぎてねむれないって？……これは困ったぞ、ボクたちなんにも持ってないよ」

爪'ー`)「ちょっとフタ開けるぜ。ほら。ひとくちだけな」

（　　　　）「！」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「あー！ドクオいけないんだー！あのリンゴは夜にみんなの前で紹介されて、
　　　　　正しく■■になるときにかじる、トクベツなものなんだよ！？」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「ボクとドクオも、みんなみんな、ここにきたときやったんだから！」

爪'∀`)「けけけ。ドクオはいい子だけど、わるい子だから」

.
254：名無しさん：2017/09/16(土) 22:58:17 ID:5ruspN7M0: つづき！？
255：名無しさん：2017/09/16(土) 22:58:29 ID:QuBuxoiU0: （　　　　）　ｼｬﾘ

爪'ー`)　ｼｬﾘ

(；#ﾟ;;-ﾟ)「あー！ちょっと！ふたりともリンゴかじっ、むぐっ」ｼｬﾘ

爪'ー`)「ほれ、ショボンも食べな。仲間はずれはよくないもんな」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「っ！食べちゃった！食べちゃったよ！どうしよう、どうしてくれよう！」

爪'∀`)「けけけ。これでオレらはキョウハンシャ、ウンメーキョードータイってやつだぜ」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「こ、このヤロっ」

爪'∀`)「ショボンはそんなこと言いませーん」

(；#ﾟ;;-ﾟ)「こ、コイツめ！」

爪'ー`)ｂ「しーっ。おはなしを続けるぞ。大切なところなんだよ」

爪'ー`)「とってもステキなところだけど、ずっとここにはいられないんだ」

爪'ー`)「わるい子も、オトナも、この園にはいられないんだよ」

爪'ー`)「だってオトナになったら、『７人の子供達』じゃないだろう？」

（　　　　）　ｽ-ｽ-

(#ぅ;;-ﾟ)「ねちゃったみたい」

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256：名無しさん：2017/09/16(土) 22:59:13 ID:QuBuxoiU0: 爪'ー`)「オマエもねむそうだ」

(#ぅ;;-ﾟ)「起きてるよ、起きてる、起きてる……」

爪'ー`)「おいここで寝るなよ？いつ先生がくるかわからないし、
　　　　夜ごはんになる前に席につかないと、弟者にうるさく言われちまうぜ」

爪'ー`)「そしたらきっと、兄者が弟者を茶化してケンカになるぞ」

爪'ー`)「それをショボンが止めてさ、笑って見てるオレを怒って、
　　　　そうこうしてるうちに、姉者がごはんの準備を持ってくるんだ」

(#-;;-ﾟ)「そして、妹者がみんなになるんだね……」

爪ぅー`)「ああ、楽しみだ」

(#-;; -)「楽しみだね……」

「なぁ、オマエもそう思うだろう？」

(*-∀-)　ｽ-ｽ-

「６人目の妹者」

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257：名無しさん：2017/09/16(土) 23:00:19 ID:QuBuxoiU0: ｶﾞﾁｬｯ

（　ФωФ）「おや？ふふっ、モララー、ご覧これを」

（　・∀・）「あーあこれはまるで、幼い頃のオレたちを見てるようだねぇ、ロマネスク？」

（　ФωФ）「ドクオとショボンは妹者を見つけるのが得意であるからな」

（；ФωФ）「しかし、困った子らよ。勝手に箱部屋に入って６人目の妹者に会って、
　　　　　　　挙げ句の果てにうたた寝して……ああっリンゴまでかじってしまうとは！」

（　・∀・）「けけけっ。仕方がないことさ、なんたってドクオが一緒にいるんだからな」

（　ФωФ）「キミの悪い顔は変わらないであるな。なにをそんな嬉しそうにしてるんだか」

（　・∀・）「いやあ、まんま『いつか』のオレらだな、と思ってね。
　　　　　　　あと、はやくブーンにも見せてやりたいな、と」

（　・∀・）「やい『ショボン』。いつかブーンがやってきたら、どんな顔すると思う？」

（　ФωФ）「いきなりなにを言うんだい？『ドクオ』ったら」

（＊ФωФ）「そんなの！とびっきりあかるくって、太陽みたいに笑ってくれるにきまってるじゃないか！」

（＊・∀・）「……ふひっ」

（＊・∀・）「ｗｗｗｗｗｗ」（ФωФ＊）

(*'A`)「ｗｗｗｗｗｗ」(´･ω･`*)

(#ﾟ;;-ﾟ)ぼくらの「９１６」のようです　了

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258：名無しさん：2017/09/16(土) 23:01:21 ID:QuBuxoiU0: おまけでした。
読んでくださった方、支援絵をくださった方、投票してくださった方、感想をくださった方、
みなさん本当にありがとうございました。大切にしますね。
それでは、またいつか。
259：名無しさん：2017/09/16(土) 23:02:05 ID:ZjXLopCY0: 最高かよ～！
凄く好きな作品なのでその後が見られて嬉しい。投票もしたよ
乙でした
260：名無しさん：2017/09/16(土) 23:07:16 ID:N6O8ux.60: 乙乙！楽園はつづくんだなって
261：名無しさん：2018/08/14(火) 00:51:29 ID:QPult5xQ0: 結局わるい子とドクショボの最初の先生がわからなかった…
でも面白かった！おつ！