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( )ミタメナシのようです

1名無しさん:2017/07/09(日) 20:28:34 ID:Gy3b8nIQ0





ーーーこれはとある、「見た目」を奪われた人間の話。

2名無しさん:2017/07/09(日) 20:29:53 ID:Gy3b8nIQ0
感覚質<クオリア>という言葉を知っているだろうか。

端的に言ってしまえば、「我々の中にだけあるあの感じ」だ。
例えば、いちごを食べたことのない人にいちごの味を完璧に説明出来る人がいるだろうか。

実践した人ならわかるだろう。この世には、我々の体験、内観を形容するための言葉が少なすぎるということに。
甘酸っぱい、爽やか、みずみずしい…他に何があるだろうか。とりあえず僕の頭ではこれくらいがいちごの味表現の限界だ。

結局、誰しもいちごの味は「いちごの味だ」としか言いようがなくなる。
その、他人に伝えられない感覚の事を感覚質<クオリア>という。

何故こんな話をしたのかというと、それは僕が感覚質<クオリア>を受信させない存在であるらしい、ということだからだ。

僕は、中身も見た目も、空っぽだ。

3名無しさん:2017/07/09(日) 20:30:58 ID:Gy3b8nIQ0
初めに、僕がここで起きた時の話をしよう。
といっても、ほんの1時間くらい前の話だ。

まず最初に起きた時、僕は混乱した。

周りを見るに、そこは病室か研究室か何かの一角。
その中の一室の、やけにかたいベッドの上で僕は目を覚ました。

(…?)

そして、違和感。

(…ここ、どこだ?そして…)

(…僕は誰だ?)

自分についての事が、何一つわからないのだ。
というよりも、自分に関する情報が何一つ思い出せない。
当然、ここでこうして寝てる理由も。

性別。年齢。生育歴。性格。趣味。身分。職業。

自分がなんなのか、まったくわからなくなっていたのだ。

4名無しさん:2017/07/09(日) 20:32:12 ID:Gy3b8nIQ0
(……)

人間っていうのは、「連続性」の生き物だ。
朝起きると急に化物になっていたりはしない。
昨日楽しく遊んだ親友が翌日、急に赤の他人になったりはしない。
すべては連続。人生ってのは、存在の連続性で成り立ってる。

連続性を失うと、人は簡単に正気を失う。

とある国の拷問に、昼も夜も感じられない白い部屋にずっと閉じ込めておく、というものがあったほどだ。

それほど人は、周りとの関係、自分という存在の連続性を頼りにしている。

何が言いたいか。それは、僕がそれを失くした、という事実だ。
起きた時、初めて「僕」になったというような、形容しがたい感覚。

(…わからない。なにもわからない。なんだ、これは)

(なんだ、これは…)

自分がわからない、というのは本当に、精神にくるものだ。誰かにこの感覚をわかって欲しい。

5名無しさん:2017/07/09(日) 20:32:48 ID:Gy3b8nIQ0
僕は「自分」を探した。
自分の手を見たが、そして胸元を、見たが、見覚えがない。
顔を触ったが、実感がない。
自分が手を動かして、自分の顔を触っている筈なのに、どこか俯瞰視点のような気分。
まるで自分のもののように感じない。

辺りを見回すが、当然のように見覚えがない。
牢屋のような作りをしている四畳半ほどの個室。
パッと見て確認出来るのは自分が寝ていたベッド、便器、埃かぶった机、空っぽの棚、洗面台、その上に小さな鏡。

(……鏡、か)

ふと、思い立って。
僕は鏡の前に立ち、自分の容姿を確認した。
そこには

6名無しさん:2017/07/09(日) 20:33:30 ID:Gy3b8nIQ0





( )「……」

( )「…えっ………?」



見た目のない、透明な自分がいた。



ーーー

7名無しさん:2017/07/09(日) 20:34:33 ID:Gy3b8nIQ0
( )「…」

鏡に映る自分の姿は、自分の視界に映る自分とはまるで違う何かだった。
透明。そうだ。透明というのが相応しいかもしれない。

( )(……『透明人間』というには、不十分だな)

顔を触る。鏡には、透明な手の形が透明の顔を触る動きが映る。
透明ではあるが、輪郭はあり、それが辛うじて自分の存在を表している。

なんと言えばいいだろう。例えるなら、ガラスやペットボトルのような「透明」
だ。
透明ではあるが、それが何かの存在であるとは認識できる。
ガラスでできた人間を、透明人間とは、恐らく呼ばないだろう。

( )(……これが、『僕』)

少しパニックであった僕も、自分の姿を確認するにあたり少しずつ落ち着いては来た。とは言え、困惑はまだしていたが。
例えそれが中身がなく、見た目もない存在だとしても、自分が自分であると言う確証は、かくも人を落ち着かせるのか。

8名無しさん:2017/07/09(日) 20:37:38 ID:Gy3b8nIQ0

( )「……」

ひとしきり透明な自分を確認したあと、周囲を見渡した。

( )(…研究所か、何かの一室かな。または、刑務所の独居。もしくは病院だ)

簡素な作りの部屋だった。それくらいの感想しか抱かないのは、「僕」にとって特別な光景ではなかったから、なのかもしれない。

隣にある、埃かぶった机を見る。
よくよく見ると、そこには1枚のA4サイズほどの紙が一枚置いてあった。

( )「……ん?」

見るに、レポート用紙か報告書か。
これは、なんだろう。自分に関する手がかりでもあれば、幾分か楽なのだけれど。

9名無しさん:2017/07/09(日) 20:39:06 ID:Gy3b8nIQ0
『ーーーについて』

『ーーーー、ーーー現在も解明がなされていないーーーは、研究ーーーであり感覚質<クオリア>による伝導を許さない存在であり物質的なーーーー』

『認知科学ーーーあーーーーして』

『もしそんな存在がいたらーーーーかもしれない。』

( )「……」

残念ながら、自分の存在に関する事は何も書いてはいなかった。

10名無しさん:2017/07/09(日) 20:40:58 ID:Gy3b8nIQ0

( )「……クオリア、か」

汚れた用紙ではあったが、こうしてところどころは読み取れた。

クオリア。
感覚質。存在や外界に関する内観的心の動き。
誰にも説明出来ない「あの感じ」。
科学的に言うと、「脳に伝わる電気信号」。

自分の存在と照らし合わせ、合点がいくところが多々ある。
見た目のない人間であること。何も思い出せないこと。

( )(僕には、今までの感覚がない。そしてーーー見た目も、他人に伝わる感覚もない)

僕は、世界からのクオリアをーーー「お前はこういうもの」というクオリアを、まるっきり消失している。
今の僕を他人が見たら、その人にはどう映るのだろう。
どんな「感じ」に映るのだろう。

11名無しさん:2017/07/09(日) 20:42:10 ID:Gy3b8nIQ0

次に頭に浮かんだのは、明解だった。

( )(ここを、でよう)

失くした自分を探しに行こう。
無理矢理落ち着かせた自分に、意味を持たせるため僕はそう思ったんだ。

( )「…ん?」

ふと、その紙の裏を確認した時、鉛筆か何かで殴り書かれたものが目に映った。
ひどく汚れた紙の上で、また汚い文字であったが、新しく上から書かれたものであったのか、それははっきりと読み取れた。

12名無しさん:2017/07/09(日) 20:42:47 ID:Gy3b8nIQ0
ーーーーー


「13001/1」



ーーーーー

13名無しさん:2017/07/09(日) 20:43:36 ID:Gy3b8nIQ0


( )「いち、さん、ぜろ、ぜろ、いち……スラッシュ、いち
1分の13001?」

13001/1。

意味不明ではある、が、分数では無さそうだ。なんの番号だろう。
しかし、何故か僕には、この数字がやけに懐かしく感じた。

この数字というよりは、数字列。

( )(…数字列、か)

そうだ。僕は、数字列が好きだったんだ。
そしてこの懐かしい、好きだったという「感覚」は、僕が「無」からいきなり生まれた訳では無いことも示した。
「数字列が好きだという風に作られた」というのなら、今のこの「感覚」は説明がつかない。
この感覚は誰にも伝わらないだろうけれど、僕は作られた存在ではないってことだ。それだけは、確証がもてた。

14名無しさん:2017/07/09(日) 20:47:13 ID:Gy3b8nIQ0

この施設は、刑務所のような、研究所のような作りをしていた。

薄暗いフロアの中には独居房に似た部屋がいくつも点在している。
しかし、鍵が開かない。

( )(…思えば、なんで僕の部屋だけは空いていたんだろう?)

考えても分かるわけのない疑問だけは、いくらでも頭に浮かんだ。

そして部屋が点在する場所を抜けると、また大きな部屋がある。
机が並んでいる。そのうえには何かを引きずった後、また配線の跡が残っていた。
パソコンか何かを置いていたのだろうか。しばらく使われた様子はないから、かなり昔の事となるのだろう。

( )「…」

ただ、人らしき気配はおろか、生物の気配すらなかった。痕跡はあるのに、まるでここを誰かが使っていた、という気がしない。

( )(…あ)

そのうち、光が見えた。
比喩ではない、本当に、光だ。

それが外への出口だとはすぐに気がついた。

( )「…でよう」

そのまままっすぐに、光の射す方へ向かった。

15名無しさん:2017/07/09(日) 20:49:04 ID:Gy3b8nIQ0

(;^ω^)「ふぅ…暇だお……そろそろ飯にするかお」

(;^ω^)「なんだって、毎日毎日こんな何も無い場所を見守り続けなきゃならんのだお…僕にももう少し重要なポストを任せてくれてもいいだろうに…ギコ隊長のやつ、いけずだお」

( ^ω^)「あーあ。ここにバケモノでも出て、僕が勇猛果敢に倒せたなら、幾分か昇進への道も華やかだろうになあ…そんなことないってわかってるんだけど」

( ^ω^)「おっおっおwwwさて、飯にするか……お…」

( )

( ^ω^)「お……」

( )

( ^ω^)

( ^ω^)「…」

(;゚ω゚)「うわぁああああああ!!!!!!!バケモノ出たぁあああああああ!!!!!」

(; )「えっ…ええ!?」

びっくりするほどわかりやすく、驚かれた。

16名無しさん:2017/07/09(日) 20:52:49 ID:Gy3b8nIQ0
(;゚ω゚)「ごめんなさいさっきの冗談です許してくださいお調子乗りましたおだからやめてくださいお私めはこの仕事で満足ですおおおおおおおおお!!!」

(; )「えっ、ちょっ、なに!?落ち着いて!?」

(;゚ω゚)「食べないでぇえええ!!!食べないでほしいおおおお!!!僕は美味しくないし栄養もないおおお!!!そこらへんの居酒屋のきゅうり以下のヘルシーさを誇ってる自信があるおおおお!!!」

(; )「話聞けよ!!!なんだ君は!!!」

(;゚ω゚)「きゃあああああ透明な何かが僕を襲ってくるぅ!!!美味しくないお美味しくないお美味しくないお美味しくないお美味しくないお美味しくないお僕は美味しくないおおおおおおお!!!」

(; )「落ち着けって!!あとなんでさっきから食べられる前提なの君!?」

17名無しさん:2017/07/09(日) 20:53:59 ID:Gy3b8nIQ0

施設から出て一番に見たのは、パニックになってる「人ではない」生物だった。

( ^ω^)「ふぅ…とりあえず君は、バケモノではないんだおね?」

( )「ああ。落ち着いてくれたかい」

ひとしきり「死にたくないお」と叫ぶ彼をなんとか説得し、落ち着かせることに成功した僕は、施設の前で腰掛けた。
施設の外は森になっており、当たりには1面木々が並び自然を感じさせる。
施設からは1本の舗装された道路がまっすぐにあり、その先は森に邪魔されて伺い知ることは出来ない。
まずは彼との話を先決とした。どうやら、敵対するものではないらしい。

( ^ω^)「びっくりしたお。一瞬本気で、仕事サボり気味の僕を懲らしめるために現れた悪魔か何かかと思ったお…
まったく、君も人がサボり中に現れるなんてめちゃくちゃタイミング悪いお」

(; )「いや、それはサボってる気味が悪いのでは…」

( ^ω^)「まぁそれは置いといて」

置いとかれた。なんともマイペースな生物だった。

( ^ω^)「君は、一体なんだお?僕、君みたいな透明な生き物みたことないお」

( )「……」

18名無しさん:2017/07/09(日) 20:54:47 ID:Gy3b8nIQ0


とりあえず、僕の姿は他のものから見ても見慣れない何からしい。まぁ、目の前の生物に「みたことない」などといわれても、それはこちらのセリフなのだが。

( )「わからない。僕だって、何も知らないんだ。さっきこの施設の中で起きたが、何一つ思い出せないままだった」

( ^ω^)「ふむ…記憶喪失というやつかお?」

( )「そうかもしれないね。ところで、僕の方からも聞きたい」

目の前の男はブーンという名前だそうだ。
この施設を監視する仕事を仰せつかっているらしい。
しかし、僕が気になるのはその見た目だ。
真っ白い肌。輪郭のあやふやな、まんじゅうのような顔。人間の配列とはまったく別のそれの目、鼻、口。

人間では、ないのだ。

( )「君は、いったいどういう生物なんだい?」

( ^ω^)「おっ、僕かお?」

( ^ω^)「僕はブーンだお!ここを見守る仕事をしてるお!」

(; )「…」

それはさっき聞いたよ。とは言わずに続ける事にした。

19名無しさん:2017/07/09(日) 20:55:27 ID:Gy3b8nIQ0

( )「君は、人間じゃないよね?」

( ^ω^)「おっ?ニンゲン?」

( ^ω^)「ニンゲン?って…なんだお?」

( )「…えっ?」

( ^ω^)「そんなAA、聞いたことないお。君がその『ニンゲン』なのかお?」

( )「A…A?」

もうひとつ分かったこと。ここは人が支配する、僕が知っている世界とは何かが異なっているようだ。

( ^ω^)「なるほど。君の知る世界では、僕達のようなAAはいなかったんだおね。そのうえ、君のような、『ニンゲン』が世界を支配してたと」

( )「そういうことになるね」

( ^ω^)「ほほぉー…」

( ^ω^)「いや、君についてはよくわからないけれど、とりあえずこの世界はそんな種族のAAは、少なくとも僕は見たことも聞いたこともないお」

( )「そうか…」

一つ、違和感を覚えた。人間のいない世界。
なら、背後のこの施設は誰が作ったのだろう?

20名無しさん:2017/07/09(日) 20:56:35 ID:Gy3b8nIQ0


( )「じゃあ、この研究所のような施設も、君らが作ったのかい?」

( ^ω^)「お?『遺跡』のことかお?」

( )「い、遺跡…?」

( ^ω^)「遺跡だお。僕らはそう呼んでいるんだお」

( )「……」

( ^ω^)「そして僕は!王の勅命によりここを見守る仕事を授かっているんだお!」

(; )「何回も聞いたよそれは…」

遺跡。意味が同じとは限らないかもしれないが、それは、僕らの世界では古代建造物を指す言葉だ。
遺跡と聞いて一つ浮かんだのは、人間が既に滅んだ後の世界であるという説。
でも僕だけが目を覚まし、存在しているのはどういう理屈だろう。
もしかして僕は、そんなに偉い存在だったりしたのだろうか。
まぁ、憶測だけで自惚れるのはやめにしておこう。

( )「ちなみに今は、何年かわかるかい?」

( ^ω^)「お?今日が、かお?」

( )「うん。僕の世界では時間と日にちを表すのに西暦とか、平成って言葉を使ってたんだけど」

( ^ω^)「おっ。ちょっと違うおね。今日はスカルチノフ歴48年の133日だお」

( )「スカルチノフ…?それに、133日って?」

( ^ω^)「お?僕らの王様が王になった日がスカルチノフ歴1年だお。それが365日すると、2年になるんだお!」

( ^ω^)「…ん?でも、1年って言わなかった気が?1年目って、何か別の呼び方した気がするお。なんだっけ…スクールで習ったんだけど、なんだったっけお」

( )「元年、かい?」

(*^ω^)「お!それだお!君、頭いいおね?スッキリしたお!」

( )「ふふ。ありがとう」

21名無しさん:2017/07/09(日) 20:57:53 ID:Gy3b8nIQ0


とりあえず、今が僕のいた世界から数えて何年なのかもわからないことだけはわかった。
自分を探す手がかりには、もっと様々なアプローチが必要なようだ。

( ^ω^)「あ、でも!それなら!」

( )「ん、」

( ^ω^)「王様なら何か知ってるかもしれないお!」

( )「王様?」

( ^ω^)「そうだお!王様はすっごく偉いて賢いAAなんだお!王様ならたぶん、その『ニンゲン』についてもきっと知ってるはずだお!」

( )「そ、そうなのか?なら…」

( ^ω^)「お!王様に会いに行こうお!」

いきなり立ち上がり、ブーンは僕に向かって言った。

( )「お、おう。そうなのか……ちなみに、王はどこに?」

( ^ω^)「王はVIPという地にいるお!さっそく、行って王に聞くんだお!そしたら君がどんな生物なのか、分かるかもしれないお!僕が道案内するお!」

( )「そうか…ありがとうね」

( ^ω^)「なんのなんの!僕に任せておけだお!……あ」

( )「ん?」

( ^ω^)「そう言えば、聞くの忘れてたお」

( ^ω^)「君、名前はなんて言うんだお?」

( )「名前?」

( ^ω^)「そうだお。それとも、名前も忘れてしまっているかお?」

( )「……」

当然。そうだ。僕には名前を思い出せない。ただ、そこで頭に浮かんだものが、一つだけあった。

22名無しさん:2017/07/09(日) 20:58:39 ID:Gy3b8nIQ0
ーーー13001/1

( )「…いち」

( ^ω^)「お?」

( )「13001/1。それがきっと、僕の名前だよ、ブーン」

(;^ω^)「お?…お?やけに長い名前だおね…?いちぶんのいちまんさんぜんいち…?」

( )「うん。それがきっと名前だ」

( ^ω^)「うーん…長いお」

(; )「…確かにね」

( ^ω^)「じゃあ、こうするお!」

( )「ん?」

( ^ω^)「君は、『イチ』!人間のイチだお!」

( )「それは、えらく略したね」

( ^ω^)「うっ、だって呼びにくすぎるもん!これくらいの方が呼びやすいお!」

( )「まぁ、それもそうか。じゃあ、改めてよろしくねブーン」

( ^ω^)「おっ。改めてよろしくだお!イチ!」

23名無しさん:2017/07/09(日) 21:02:23 ID:Gy3b8nIQ0


こうして僕は、知らない世界で、何もわからない「自分」を探しに行くことに決めた。
この世界が何なのかもわからないのに、ましてや「人間」がいないかもしれない世界で自分という人間を探すのは、不可能かもしれない。

でも、人には目的が必要だ。生きるためには目的が必要だ。
僕の今の目的はこれでいい。後々知ることになれば、それでいい。
それ自体がきっと、この透明な僕の目的だ。

( ^ω^)「さ、そうとわかれば、行くお!」

( ^ω^)「大丈夫だお、きっと『君』が見つかるお!」

( ^ω^)「そうして、君みたいな透明な生き物が支配してた世界にきっと帰れるお!」

( )「あ…いや、違うんだよブーン。普通の人間は僕みたいに透明ではないんだよ」

(;^ω^)「えっ?透明なのはイチだけなのかお?…じゃあ、ニンゲンってなんなんだお?」

( )「ああ、そこから話そうか。人間っていうのはね…」

僕はこうして、ブーンと共にこの世界を歩いていく事にした。

まずは王の城へ。

24名無しさん:2017/07/09(日) 21:05:41 ID:Gy3b8nIQ0



( )ミタメナシのようです

『事実というものは存在しない。存在するのは、解釈だけである』

ーーーーフリードリヒ・ニーチェ


第1話、了。

25名無しさん:2017/07/09(日) 21:25:00 ID:ih4Ht1yo0
おつ

サボってる気味が悪いって誤字に和んだ
これからどういう話になるのか楽しみ

26名無しさん:2017/07/09(日) 21:41:55 ID:VJcebWWQ0

この先が非常に楽しみである

27名無しさん:2017/07/09(日) 22:17:28 ID:.gAkVJDc0
+   +
  ∧_∧ +
 (0゜・∀・) ワクワク
 (0゚ つと) +テカテカ
 と__)__)  +

28名無しさん:2017/07/09(日) 23:02:31 ID:mi5dYads0

なんとなく懐かしい感じがする

29名無しさん:2017/07/09(日) 23:23:42 ID:GF1Y8iHE0

続きが気になる


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