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('、`*川必ずしも出来る保証なし。
1
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:12:17 ID:WCvlBmk.0
('、`*川<文章力が拙い主が衝動的にはじめてみたよ〜。
生温かい目で見てやってくれると嬉しいな。
('、`*川<なお、百合表現が色濃くあるので苦手な方はバックバック!
('、`*川それでははじまり
2
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:15:45 ID:WCvlBmk.0
此処は"したらば都市"と呼ばれる地域。
都市と言っても別に特別なものは無いし、此処に住んでる私は普通に街感覚なんだけど。
都会を意識してるんだろうけど…本物のソレとはちょっと違う、ちょっとチープ感溢れてる町並み。
私は都会嫌いだから、都会意識したこの都市はあんま好きじゃない。
そんな都市の一角にある、それほど大きくない事務所で私は働いてる。
('、`*川「あ"ーー…疲れたぁもう」
―――あ、挨拶遅れたわ。私は伊藤ペニサス、年は確か…24歳くらい?
この仕事に就いてまだ2年…というか、この仕事がまだ始まって2年くらいしか経ってないんだけど。
今日はとにかく退屈で暇で仕方無いったらありゃしない!ほとんどデスクワーク、退屈じゃないときもあるんだけど…。
( ^ω^)「おっおっ、今日は暇だから書類の整理ばかりで逆に疲れるお」
ξ゚⊿゚)ξ「しょうがないでしょ、うちは依頼がないと動けないんだから」
私が座るデスクよりちょっと離れた位置にあるデスクに座るこの男は内藤ブーン。中・高と同級生だったから多分同い年くらい、知らんけど。
私がこいつを採用してやったからこいつは今普通に家に住めてご飯が食えるのよ。
そんでそんなブサイク面した男の斜め左前に座ってる可愛い子ちゃんがツンちゃん!きゃーツンちゃーん!
可愛いし華があるしお嬢様だし気が利くしお茶淹れてくれるしもう完璧、クソ天使。
そんなクソ豚ロリコンの近くになんか座らないで私の隣…いや膝の上座っていいのに〜!……っつーのは置いといて、
ツンちゃんの言ってる"依頼"っていうのは…私たちは、まぁ分かりやすく言えば「何でも屋」ってとこ!
割と些細なことでも受け付けるし、警察みたいなことをするときもあって結構楽しいときは楽しい。
だから依頼を受け付けるまでは私たちは基本何もしないか、こうやって溜まった書類の整理やらをやってるってわけ。
3
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:19:51 ID:WCvlBmk.0
('、`*川「あー腰いて…座り過ぎ。ちょっと煙草吸ってくるわ、イライラしてきた」
( ^ω^)「念の為に聞いとくけどそのままバックれて帰ったりしないかお?」
('、`*川「はあー?何馬鹿にしてくれちゃってんの、私がそんなクズみたいな真似するんだなぁーこれが!」
(#^ω^)「てめえコラ!この野郎!!」
('、`#川「何がコラじゃこの野郎!ナニコラタココラ!」
('、`*川「つーことで、あとよろしく〜。お疲れツンちゃん♪」
ξ゚⊿゚)ξ「お疲れ様でーす」
バタン
( ^ω^)「…………」
ξ゚⊿゚)ξ「……よーし」
( ^ω^)「ツン」
ξ゚⊿゚)ξ「黙れ、口を閉じろブタ」
( ^ω^)「っ……」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、コレよろしく。出来るわよね?薄汚いブタさん」
( ^ω^)「………はい」
ξ゚⊿゚)ξ「あっはは!きもーい!じゃあ先帰るから、お疲れ様〜」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
4
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:21:14 ID:WCvlBmk.0
( ^ω^)「…………ん」
(*゚ω゚)「んほおおおおおおおおおおおおおおwwwwwwwキモチイイイイイイイイイイイwwwwwww」
(*゚ω゚)「ツンのあの…フヒヒッ、冷たい目線と言い方…ンッ…サイコオオオオオオオwwwwww」
(*゚ω゚)「ヒエエエエエエエエエエエエエエエwwwwこんな書類整理なんかあっという間に終わるお!!!」
あー……そうそう、今のツンちゃんによるイジメだと思ったでしょ?
確かにこいつは元々いじめられっ子だったけど、これ違うのよ。
こいつ、めっっちゃクソドMでロリコンなんだけど、年下の女に罵倒されたりいたぶられたりすると、こーなんの。
その異常性癖をツンちゃんは利用してるってわけ、やだーツンちゃんかしこーい!すてきー!
5
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:22:31 ID:WCvlBmk.0
('、`*川「んんー…っ、はぁ!疲れた。このままBAR行って飲んで帰ろ」
大きく背筋を伸ばし深く溜息をつく。
事務所の玄関を出て、これから夜を迎えようとしている空を眺めながら、仕事の後の日課をぽつりと一言呟く。
(,,゚Д゚)「上がりか?ペニサス」
('、`*川「ん、上がりでーす。今日のお仕事完了しました〜」
(,,゚Д゚)「嘘つけゴルァ、どうせまたブーンの野郎に押し付けてバックれたんだろ」
('、`*川「ちょいちょい、その言い方!私はリーダーとして平に仕事を覚えさせる為に教育をだな〜…ってか、警備しながら筋トレすんのやめて?警備して?」
(,,゚Д゚)「まったく、減らず口め。早い時間に帰るからって遊びほうけるなよ」
('、`*川「はーい、お疲れっす〜!」
この人は猫野ギコ。頼れるみんなの兄貴分ってとこかな?
イケメンなんだけどそんなことよりこの人身体めっちゃヤバいよ、もう腹筋とか綺麗な8パックだしとにかくスゲー身体してんの!
警備員的な事をしてもらってるんだけど、いろんな格闘技を学んでるらしくて腕前も相当強いし。
多分警備員の中じゃ相当な逸材だと思うな〜。
6
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:23:46 ID:WCvlBmk.0
会社から歩いて大体10分くらいのところにあるBAR「バーボンハウス」。
普段から仕事帰りや友達と飲みに行こうって話になったら毎回来るのがココ。
ココはいいよ〜、まずショボンっていう店主さんが良い人だし、BARなんだけどなんだか家みたいな安心感のある場所でお気に入り。
(´・ω・`)「やあ、ようこそバーボンハウスへ」
('、`*川「どーも」
(´・ω・`)「おや、こんばんは伊藤ちゃん。今日は早いね?」
('、`*川「今日はねー、早く上がっちゃったから来ちゃった。テキーラプリーズ」
(´・ω・`)「はいよ」
スーツのジャケットを脱ぎ、いつものカウンター席に座って煙草をふかす。
ああ、やっと落ち着いた……そう思ったのも束の間、
('、`*川「ん…?」
ふと視線を横にやると、少し離れた席で一人酒を嗜む姿が見える。
私はその姿に、煙草を吸うことも、吸っている煙草の灰を落とすことも忘れ思わず見惚れてしまった。
('、`*川「…………」
(´・ω・`)「どうぞ。…あの子が気になるかい?」
('、`*川「え…あ、ああ、うん。最近の人なの?」
(´・ω・`)「いや、今日が初めてだよ。ここら辺に引っ越してきたばかりのようだよ」
('、`*川「へえー……」
('、`*川(……やばい、めっっっちゃ美人)
気づいたときにはまだ半分も吸ってない煙草を灰皿に押し付けていて、私は差し出されたグラスを持ちその人の隣へ吸い込まれるように歩み寄っていた。
ああ、これがまた悪い癖だ…。
7
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:24:50 ID:WCvlBmk.0
('、`*川「こんばんは、お姉さん」
川 ゚ -゚)「ん…?」
長くて綺麗な黒髪を靡かせ(実際は全然靡いてないのにそう見えちゃう)、白く透き通るような肌を覗かせる。
そして、表情こそ堅いが真珠のように輝いて美しい瞳が、ゆっくりと私に向けられる。
まさに蛇に睨まれた蛙になりそうな感覚、息を飲んでしまう。声かけなきゃよかった何て思ってしまうほど。こんな感覚は初めてだ…。
('、`*川「…えと、おひとりですか?」
川 ゚ -゚)「ああ、そうだが」
('、`*川「じゃあ、よければご一緒しても?」
川 ゚ -゚)「うん、構わない。どうぞ」
('、`*川「へへ、どーも。失礼……」
('、`; 川(やべー!!超調子狂うんですけど、いつもこんな感じじゃないのに!ひいー助けてー!自分から行ったんだけど助けてくれ〜!)
('、`; 川「……あっ、あの」
川 ゚ -゚)「ん、何かな?」
('、`; 川「おっ…お、おお名前はなんというお名前をされていらっしゃるのでしょうか?」
川 ゚ -゚)「ん…名前か?」
('、`; 川「はいっ!(何やってんのおおおお!!滅茶苦茶カッコ悪ィじゃん私…っ!)」
川 ゚ -゚)「私はクー、下の名前だけでいいかな?」
('、`; 川「十分ですよ!クーさんですかっ、いやぁ素敵な名前だなぁ〜お似合いです!」
川 ゚ -゚)「そうか…?そんなことを言ってくれるのは貴女が初めてだ」
('、`; 川「そう、なんですか?いやーだってすごく素敵じゃないですか、ぴったりですもん」
川 ゚ -゚)「ふ…、そうか。嬉しいよ」
ありがとう、という言葉と同時に堅い表情が若干緩んだように見えた。
いや、もしかしたら気のせいなのかもしれないけれど…気のせいでも、その表情にまた簡単にやられてしまう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
8
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:25:56 ID:WCvlBmk.0
('、`*川「私、よくこのお店来るけどクーさん見るのは初めてだな。何処から来たの?」
川 ゚ -゚)「何処から…か、その質問は敢えて答えないでおこう」
('、`*川「あ…ごめんなさい、ちょっと馴れ馴れしかったかしら」
川 ゚ -゚)「いや、そんなことはないさ。ただちょっとな…。
言えることは、私はこの辺に来たばかりの新参者だ。だから、友達と呼べるような人がいなくてな」
('、`*川「そうだよね、引っ越してきたばかりじゃ馴染みもないし…私でよければ、したらばで出来た最初の友達になりたいなぁなんて」
川 ゚ -゚)「君がか?…そうだな、一人で静かに飲んでいる私に声をかけてくれるのは
君くらいしかいないだろうしな。是非よろしく頼むよ」
('、`*川「やったー!めっちゃ嬉しい!ありがとクーさん!」
川 ゚ -゚)「クーで良いぞ。そういえば君の名をまだ聞いていなかった、名はなんというんだ?」
('、`*川「私はペニサス、伊藤ペニサスっていいます。よろしく!」
川 ゚ -゚)「……ペニサスか、よろしくな」
突如、私の腰に手が回され軽く引き寄せられる。
次の瞬間、耳元で囁かれる甘い声に私は―――
川 ゚ -゚)「――ありがと、ペニサス」
('、`*川「ッッッ……!」
(゚、゚*川(えええええええええええええ!?!?!?!?)
9
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:26:59 ID:WCvlBmk.0
一瞬、頭の中で何が起きたか理解できなかった。
急に腰に手を回されたと思ったらクーさんの方に引き寄せられて……耳元で、……っえ??
('、`*川「…ちょ、ちょっとクーさん、近…」
川 ゚ -゚)「最初からこれが望みだったんじゃないのか?君の考えてることなんて全部お見通しだよ」
('、`*川(ばっ……ばれてる……なんで??)
('、`*川(はっ!もしかして、もしかしてだけど……この人も……!?)
('、`*川(……ちょっと、勝負にでるか)
('、`*川「はは、バレてたかぁ。…そうだよ、さっきクーさんを横目で見たとき一発で見惚れちゃったもん。
すごい綺麗な人だな、って…だから近づいたの。……引いた?」
互いの身体が密着し距離が縮まったまま、向かい合うようにして視線をクーさんに向ける。
腹をくくって餌を釣り下げてみると―――、
川 ゚ -゚)「…私は君が店に入ってきた時から、狙っていたけどね」
('、`*川「!!!……ッき……」
('、`*川(キタアアアアアアアア!!!!極上の獲物じゃああああ!!!)
心の中で、天井が突き破れるような大声で勝利の雄叫びを上げた。
10
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:28:56 ID:WCvlBmk.0
('、`*川「なぁんだ、そうだったのかー…こりゃ一本取られた」
川 ゚ -゚)「ふっ、何を取ったというんだ?さ、気を取り直して…今日は酒がもっと美味しくなりそうだ」
('、`*川「へへ、そうね。じゃあ今日は飲んじゃおっかなー?あ、言っとくけど私お酒は強いよ」
川 ゚ -゚)「ほう、そうか。ならどちらが先に潰れるか勝負だな」
('、`*川「お、言ったね?今確実に聞いたからね?勝負ってことなら負けたほうは罰ゲーム受けることにしよう」
川 ゚ -゚)「罰ゲームか…面白い、いいぞ」
('、`*川「よしっ!(こいつはちょっと卑怯だけど、泥酔したクーさんをあわよくば家に持ち帰れる…!フヒヒww)」
('、`*川「ショボン!とにかくワインボトルめっちゃ持ってきて!今日は久しぶりに本気出しちゃうぜ〜」
(´・ω・`)「はいはい、仕方ないな…あまり調子に乗ると痛い目見るよ」
('、`*川「大丈夫だって私が強いの知ってんでしょ?いつも通りよいつも通り」
―――――――――――――――――
――――――――――――
――――――――
11
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 19:30:23 ID:WCvlBmk.0
('、`*川「ん………」
カーテンのようなものの隙間から覗く光が眩しい…。
朝…?鳥のさえずりが心地良く聞こえてきて、眠気がまた私を誘う。まだ起きたくない…。
このベッドもふかふかですごく寝心地が良い、これ人をダメにするやつだわ……でもうち、お布団なんだけど、何でベッド…?
('、`*川「………あれ?」
寝起き直後の朦朧とした意識の中で、何かハッキリと違和感を感じる。
昨日、バーボンハウスでクーさんと出会って、その後どっちが先に酔い潰れるか勝負しようってなって……。
たくさん飲んだのは覚えてるけど、その後の記憶がない。そもそも今身を包んでいるこの人をダメにするベッドとこの部屋、どこ…?
今気付いたけど、私裸だし……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
あ、これ確実に
('、`; 川「……ヤってるわ」
12
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 20:15:07 ID:WCvlBmk.0
('、`; 川「マジか……待て待て、服とか下着どこやねん…」
('、`*川「く、クーさぁん…?」
呼んでも返事は無い、というか居る気配すらしない。
今まで酒では負けなしだった自他共に認める酒豪なのに、初めて負けた…のか?
自分の身体からはボディソープの良い香りがする、泥酔しながらもシャワーは浴びれたのか?
そして私の下着やら服やらは何処へ行った?クーさんは何処!?ああもう全部分からない!!
ふと、テーブルの上に置かれているメモ用紙が目に入る。
本能的に私へのメッセージだと察知し、そのメモ紙を手に取った。
('、`*川「ペニサスへ…服は窓際のハンガーに掛けてあります。…あ、本当だ」
慌て過ぎて部屋の上の方まで視線が行かなかったようだ。
('、`*川「下着は目の前にあるのを着けてください、新品だから安心して…って
これか、……わぁお…」
('、`*川「私は出勤するので先に家を出ます、鍵はカードなので勝手に閉まるので大丈夫です。
家の設備はご自由にお使いください。では、また会いましょう。………会いましょうって、連絡先も結局聞いてないんだけど」
('、`*川「そういえば今日から新入りの出社日じゃん、やっば…!」
渋々用意された下着を身に着け、服を着る。
冷蔵庫にウイダーinゼリーがあったので、設備はご自由にとのことなのでこいつを勝手にいただき身支度をしてクーさんの家を出た。
方向音痴ではないけれど、一度見ただけで場所を覚えられない私は此処が何処なのかも分からないし覚えられない。
友達にとは言ったけど、酒飲んだせいで連絡先も交換してないし…またBARに行けば会えんのかな?
ああ…昨日の酒のせいでとにかく頭が痛い、きっと今私はひどい顔してるんだろうな。
13
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 20:19:36 ID:WCvlBmk.0
いろいろ疑問もあるしパッとしないけど、今日も仕事だ。…よし、今日もがんばらないで適当にこなそう。
そんなことを考えながら歩いていたら、どうやら事務所に着いたようだ。
_
( ゚∀゚)「おはようございます、姉貴!」
('、`*川「んあ…ふあーぁ…、おはよ」
こいつは長岡ジョルジュ。ギコさんと同じく警備員役してもらってる。
とにかく男くさい、悪い意味で。昔は相当なワルだったみたいで喧嘩なんか負けなしだったらしい。らしいよ?
こいつも私が目をつけたんだけど、最初はもうクソ生意気っつーかクソガキっつーか、めちゃくちゃ反抗的で正直ぶっ殺そうかと思ったこと多々ある。
ただ、突っかかったギコにボッコボコにされてから、俺はまだまだ弱ェ…とか言い出して急に大人しくなって今はこんな感じ。
_
( ゚∀゚)「眠そうっすね、顔色すげぇ悪いっすよ。酒の飲み過ぎっすか?」
('、`*川「そうっす」
_
( ゚∀゚)「新入りもう来てますよ。あと渋沢さんも来てます、ギコさんも休みだけど集められたみたいっす」
('、`*川「は?何、急に…今日来るって連絡なくね?クソジジイ…」
ガチャ
('、`*川「おーっす」
( ^ω^)「おいすー」
ξ゚⊿゚)ξ「おはようございまーす」
(,,゚Д゚)「おう、おはよう」
事務所に入るなり、いつものように挨拶を交わす。
見慣れた面子と景色の中に、見知らぬ若造が一人混じっていた。
14
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 20:22:01 ID:WCvlBmk.0
('A`)「あっ…お、おはようございます!今日からこちらで働かせていただきます、鬱篠ドクオと申します!その…よろしくお願いします!」
ピシッと姿勢をまっすぐに正し、慣れてない感のある大声でたどたどしく初対面の挨拶をしてくるこの男。
パッと見は何の変哲もない、ありふれた普通の青年って感じね…ふーんこの子がドクオか。
書面で写真見た記憶はあるけどもう全然覚えてないから本当に初めて見る感覚。
('、`*川「おおー君がドクオか!はじめまして、私はここの絶対的リーダーやってる伊藤ペニサスだよ。
君も今日から私の奴隷だ!よろしくねっ!」
('A`)「えっ…」
( ^ω^)「ドクオ君、はっきり言ってこんなとこ来たのが運の尽きだお。君には僕以上に苦痛を味わってもらうお!」
ξ゚⊿゚)ξ「まぁ気楽にやりなさいよ、あんたの扱いはあんた次第でどうとでも変わるんだから」
(;'A`)「えっ…え?あの…えっ…」
(,,゚Д゚)「…」
(;'A`)「あ…あの、ギコさん」
(,,゚Д゚)「お前なんだそのひょろい身体は?なめてんのかゴルァ!お前を早速俺のGO TO HELL鍛錬法で鍛えてやる!」
('A`)「すみません、辞めます」
実に愉快な新入社員が入ってきて満足!
そしていつものようにこのまま自分のデスクに向かうんだけど…さっきジョルジュが言ってたヤツが来ると、大体勝手に座ってやがる。
しかもなんかでかい布被せた何かを持ってきてやがる…ジジイ盆栽が趣味だから、まさか盆栽か?
15
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 20:43:37 ID:WCvlBmk.0
_、_
( ,_ノ` )y━・~「よう、ペニサス。久方振りだな」
そう…このジジイが渋沢。
一応この会社の責任者であり、何でも屋の創設者でもあり…私の仮の親でもある。
本当にごく稀にこうやって様子見に来ちゃ人の邪魔をして行く厄介者。
('、`*川「おいコラジジイ、そこどけ。つか室内禁煙って何回言えば分かるわけ?」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「まったくご無沙汰だと言うのに随分な口だな。最近どうだ、いい男は見つけたか?お前もいい年なん('、`#川「うっせえ!どけコラ!!男なんざいらねえんじゃ!!」
_、_
(; ,_ノ` )y━・~「どぅわっ!?」
背凭れに身体を預けきりで座っている椅子を蹴飛ばし無理矢理転落させてやった。
みんなの前で余計な話までしやがって、だから来るの嫌なんだっつうの…。
( ^ω^)「またはじまったお…」コソコソ
ξ゚⊿゚)ξ「娘としてはみんなの前で話されたくないこともあるのよ」コソコソ
(,,゚Д゚)「さて、俺はそろそろジョルジュを呼んで来るぞ」
('、`#川「室内は禁煙ですのでお煙草が吸いたければお外へどうぞつーか出てけもう入って来なくていい」
_、_
( ,_ノ` )「わかったわかった、すまなかったな。つい親気取りの癖が出てしまってな」
16
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 20:44:51 ID:WCvlBmk.0
('、`# 川「……」
_
( ゚∀゚)「おわっ、またやってんすか?ww仲良いっすねぇ〜マジで」
('、`#川「はい、君減給ね〜」
_
( ;゚∀゚)そ 「えっ!?いやいや何で!?」
( ^ω^)「機嫌悪いときに刺激するようなこと言うから…」
_
( ;゚∀゚)「んだよそれ…冗談だろ?」
ξ゚⊿゚)ξ「そっとしておけばコロッと忘れるから大丈夫よ、多分」
(,,゚Д゚)「ああ、多分な」
( ^ω^)「うーん、そうだお…多分」
_
( ゚∀゚)「いやそれ忘れない奴だろ」
('A`)「すみません、辞めさせてください」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
17
:
名無しさん
:2017/05/09(火) 20:45:43 ID:WCvlBmk.0
('、`*川「――んで、今日は何?」
取り戻した自分のデスクに座って、待合用のソファに座る憎たらしい男を見ながら用件を聞く。
この男が来るときは大体前もって連絡があるんだけど、今回連絡もなく来たってことは急ぎの件だと思って。
_、_
( ,_ノ` )「ああ、今日はお前達に新しいメンバーを紹介したくてな。
まぁ、既に仲睦まじい新しいメンバーはもう増えてはいるんだが…私は私で用意させてもらったよ。最高な人材をね」
('A`)「いや、メンバーにしないで…」
('、`*川「ちょっと、そういうの何で連絡しないの?これ以上男増やされたらマジで息出来なくなるんだけど」
(*^ω^)「誰だろう…どんな子かお?やっぱり年下のSっ気のあるツンみたいな子がいいおwww」
(*゚ω゚)「僕のマゾヒストハーツが燃え滾るお!イエエエエエエエエエエ!」
_
(#゚∀゚)「うっせえなてめぇ!ちんこ潰しちまうぞ!」
(#^ω^)「やれるもんならやってみろお!僕のおちんぽりんは鋼鉄の如く硬くなるお!」
ξ゚⊿゚)ξ「もともとパチンコ玉程度のサイズしかないでしょ」
(*^ω^)「あっ…!そんなこと言われるとおちんぽが融解されちゃううぅぅ!!!」
(,,゚Д゚)「ゴルァ!その程度で融解されるとは甘い!俺がオススメのプロテインを紹介してやるからそいつを毎日飲めば筋肉が作れるぞ!」
('、`*川「そのプロテイン飲めば私もおちんぽ生えてくるかな?女の子もっと喜ばせられる!?」
_、_
( ,_ノ` )「おいっ!お前等人の話を聞かずにそのような話を…ギコ君、一体いくらで買えるんだね?それは」
(;'A`)「ああああああもうやだああああああ」
18
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 03:14:12 ID:0PL1wEL.0
_、_
( ,_ノ` )「まぁ、そんな話は置いといてだな」
('A`)「あんたが乗っちゃだめなとこで乗ったんだよ!」
_、_
( ,_ノ` )「早速、新しいメンバーを紹介しよう。おい、入りたまえ!」
ジジイが事務所のドアを開け外の廊下にいるであろうその新メンバーとやらを呼び出す。
さてさて、どんな人が来るのか…みんなの期待が入口に釘付けの視線となって表れている。
その途端、でかい布がもぞもぞと動き出し、その姿を露にした――。
「はい、失礼いたします」
_
('、`*川( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ( ゚∀゚)('A`)「いやそっちかーい!!」
(゚、゚*川「っって―――――、…ええええええっ!?」
でかい布が床に落ち、露見されたその新メンバーの姿を見て…驚愕した。目ェひんむいた。
なんで?なんでこの人が???ただただ驚き叫ぶしかなかった。
その正体とは……。
川 ゚ -゚)「初めまして、今日から此方で世話になる。砂尾クーだ」
クーさんだ…。昨日の夜BARで知り合って、そのまま私が多分お持ち帰りされてしまった…クーさんだ!
19
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 03:15:29 ID:0PL1wEL.0
_
(*゚∀゚)「おおおお!!超絶美人来たぜええ!!しかも巨乳!K・Y・O・N・Y・U!」
ξ゚⊿゚)ξ「わあ…カッコイイ…」
('A`)「この人はまともそうだ…!」
(,,゚Д゚)「ほう、中々良い身体つきをしてるじゃないか。鍛えているのか?」
( ^ω^)「何だ、年下じゃないお…パッと見で分かるお、年増に興味無――」
(^ω^ )、 *川
グギギィィッ
( ゚ω゚)
('、`*川「バックブリーカーって奴よ、少し黙れ」
_、_
( ,_ノ` )「改めて私から紹介しよう。彼女は砂尾クー、頭脳は大人だが見た目は大人なんだ」
('A`)「あたかも違うみたいに言ってるけどそれ普通ですよ」
('、`*川「な、何で?何でクーさんが…」
川 ゚ -゚)「何でと言われても、渋沢さんに抜擢されたからさ。私が此処へ引っ越してきたのはこの為だ」
('、`*川「え…ウソ、そんなことってある?」
川 ゚ -゚)「そういえば、今朝はあのようなメモ書きだけ残してすまなかったな」
('、`; 川「えっ、…あっ!あはは、ああうんいいのいいの!気にしないで」
ξ゚⊿゚)ξ「今朝?メモ書き?二人は顔見知りなんですか?」
('、`; 川「んっ、んーん!いやいや、どうだったかな?今日初めてな気がするな〜?」
_
( ゚∀゚)「いやいやいや…怪しいぜ、なんか隠してんな?」
('、`; 川「隠してなっ…何、君また減給されたいの?されたいんだね?OKイエッサー」
_
( ;゚∀゚)「あっ、やべ」
20
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 03:16:06 ID:0PL1wEL.0
('A`)「それだけの動揺は何かあると言っている様なものじゃ…」ポソッ
('、`*川「はい君も、いや君はもうクビかな?入って早々クビがいいかな?」
('A`)「はい!クビがいいです辞めさせてください!」
川 ゚ -゚)「まぁまぁ、落ち着け。そう部下に八つ当たりをするな、上司として問題ありだぞ」
('、`*川「んぐぐ…」
たじろぐ私にクーさんがすっ、と近付いて来た。
昨日と同じように腰に手を回され、耳元に唇を寄せられる。そして昨日と同じように吐息混じりに囁かれる―。
川 ゚ -゚)「…昨夜のペニサス、凄く可愛かった」
('、`*川「―――っ!!!」
もうぶっちゃけ腰砕けるレベルだわこれ…。本当に腰抜けた。
同時に顔がかあっ、と一気に熱くなるのが分かる、きっと今私の顔はよく言う茹蛸状態だ。
(,,゚Д゚)「おい、顔真っ赤だぞ。どうした?風邪でも引いているのか?」
('、`*川「…違うけど、これはある意味薬が必要かもしれない」
くらくらする頭を片手で抑えつつクーさんの方をちらっと見る。
川 ゚ -゚)
うん、分かる。この人表情に出てないだけで内心笑ってる。
くっそ…こんな調子で仕事なんかやれるかい。
21
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 03:17:00 ID:0PL1wEL.0
_、_
( ,_ノ` )「何だ、どうやら思った以上にとけ込めているではないか。
これなら問題無くお前達とやっていけそうだな、私も含めこれからよろしく頼むよ」
('、`*川(問題なくやっていけるわけないだろこのジジイ!)
_、_
( ,_ノ` )「ああそうだ、言うのを忘れていたが…クー君は、副リーダーとして頑張ってもらうことにする」
('、`*川「副リーダー…?」
私はは副リーダーという新しい位に馴染みない違和感を覚えた。
別にその程度で済んだけど…他の人はそうは行かないみたい。
バァンッ!
_
( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ(,,゚Д゚)( ゚∀゚)「副リーダーだとぉ!?」
('A`)「内藤さんいつの間に復帰したんですか?」
( ^ω^)「ちょっと待ってくださいお!副リーダーって、今日入ったばっかでしょ!?
僕は創立当初からいるんですお!」
ξ゚⊿゚)ξ「それを言うなら私だってそうよ!それにブーンなんかよりは上に立つ資格はあると思ってます!」
(,,゚Д゚)「何勝手なこと言ってんだゴルァ!お前等にリーダー格が務まると思うのか?
俺が副リーダーになってお前等全員バッキバキの身体にしてやるはずなのに!」
('A`)「それは断固反対します」
_
( ゚∀゚)「おいおい…俺は創立当初の人間じゃねぇが、昔は何帯もの高校を纏め上げてた人間だぜ?」
(,,゚Д゚)「今度は昔の記憶を失う程食らわせてやろうか?」
_
( ゚∀゚)「すいやせんっした、兄貴!!」
('A`)「えっ、超素直…」
22
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 03:17:40 ID:0PL1wEL.0
_、_
( ,_ノ` )「ああ、ちょっと落ち着きたまえよ。これは責任者としての私の義務でもある。
クー君は実に優秀でね、容姿端麗頭脳明晰、リーダーシップも取れる優良な人材だ」
_、_
( ,_ノ` )「私だって見ていればわかる。はっきり言って…君たちはある意味はぐれ者の集まりだ。
まとまりがあるようで無い、これでは困るのだよ。ペニサスは名ばかりのリーダーで、実質君たちを纏め上げてはいない」
('、`#川「はあ?」
_、_
( ,_ノ` )「そこでだ、副リーダーという形でクー君にはペニサスを支えてほしいんだ。
クー君なら皆を纏めることが出来る上に、ペニサスのサポートも出来るはずだ」
川 ゚ -゚)「大変恐縮な話だが、そういうことだ。反発もあろうがそれは今後の働きで示そう」
('、`*川「…なんかムカつく話ではあるけど、まぁ…いいや。クーさんだし…」
ξ゚⊿゚)ξ「確かに…初めて会ったばかりだからまだ分からないけど、クーさんならいいかも」
(,,゚Д゚)「そうだな、俺は上に立つより自分の身体をもっと立たせたい」
_
( ゚∀゚)「ったく、しゃーねぇな。たまには下のモンの気持ちになってやるか」
( ^ω^)「僕は認めないお」
('A`)「わかった、この人が一番厄介なんだ」
_、_
( ,_ノ` )y━・~「ま、そういう訳で私はそろそろ帰るとするぞ。では元気でやれよ!」
('A`)「ええっ、絶対飽きてるよこの人」
23
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 03:18:52 ID:0PL1wEL.0
川 ゚ -゚)「…さぁ、皆そろそろ仕事に戻ろう。早速だがブーン君、基本的な一日の流れを教えてくれないか?」
( ^ω^)「いいお、この副リーダーの僕が教えてやるお」
川 ゚ -゚)「はは、ありがとう。助かるよ」
(,,゚Д゚)「俺は休日なのでな、帰るぞ。この後帰ったらスクワット・腹筋・腕立てを500回ずつやらねば…」
_
( ゚∀゚)「お疲れ様でした、兄貴!玄関まで送ります!」
ξ゚⊿゚)ξ「クーさん、お茶とコーヒーなら何が好きですか?」
川 ゚ -゚)「そうだな…私はカルピスが好きだ」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい」
('A`)「あの…僕は何をすれば?」
('A`)「…あれ?辞めるって言ってるのに何かしようとしちゃってる、俺」
('、`*川「私はちょっと屋上行って煙草吸ってくるわ…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
('、`*川「ふゥー…あーーー」
正直どっっと疲れた。
朝からいろいろ考えちゃってそれだけでも落ち着きなかったのに、まさかこんなことになるとは…、
これからどうなるんだろうか…。
('、`*川「ま、なるようになるか…なるようにしかならないな」
('、`*川「必ずしも出来るって保証はないけどね」
広々とした青空を見上げ、煙草の紫煙をふかしながら呟き、笑みが零れる。
今までも何とかなってきたし、何とかしてきた。これからもそのスタイルは変わらないし、変えない。
さぁ、こっから何でも屋としての新しい日が始まる―――。
24
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 03:21:52 ID:0PL1wEL.0
第1話 終
25
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 08:27:27 ID:wx53BBLs0
乙
どうなるか期待
26
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 09:13:37 ID:6JmYcCu2O
セリフがところどころ、唐突だったり上手く繋がってなかったりして苦しい所があるな。
やっぱりギャグって書くの難しいと実感する。
でも全体的に好きな雰囲気だ。
期待支援
27
:
名無しさん
:2017/05/10(水) 17:40:14 ID:1BHOhGVw0
乙
28
:
名無しさん
:2017/05/11(木) 13:31:38 ID:9fj3h6Mo0
面白い
乙
29
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:31:21 ID:BHSJ5.Ck0
―――翌日。
ただいまの時刻、大体AM7:30くらい。
昨日は大した事してないのにどっと疲れて、BARにも寄らず家に帰った後にすぐ寝ちゃったみたいで今朝起きるのが相当早かった。
やることも無いし、朝ご飯は食べない派だし、いつもの出勤時間までに結構時間あったので早めに出勤してみようと思い、出勤中。
通勤路を歩きながら、この時間帯特有の静けさや気候、眩しい太陽が気持ち良くてたまには朝の散歩なんていいかもな〜…なんてふと思う。
思うだけできっとやらないけど。
('、`*川「今日は何か依頼あるといいな〜…ていうか後で下着返さないと。…いや返すものなのか?」
そんなこんなで事務所前に着いた。
うちはAM8:30から仕事開始だからまだ皆は来てない、一人きりの事務所ってのも中々新鮮。
私は大体仕事開始してから1時間後くらいに出勤してるから、何でかって?朝起きれないからに決まってんでしょ。
当然玄関は閉まっている。けど事務所の鍵は私とブーン、ツンちゃん、ギコが持っているから、一応私も此処の玄関を開けられるようになってる。
念の為、鍵がちゃんと閉められているかどうかを確認するために玄関の引き戸を開けようとしてみ………開いた。
('、`*川「……え、開いてる。なんで?」
('、`*川「誰か来てる?閉め忘れ?……空き巣?」
最後の言葉を自分で口にした瞬間、恐怖感が沸々と湧き上がってきた。
('、`; 川「いやいやいやいや、そんな訳ない…違う違う。
昨日最後に出た奴誰だ?まったくもう後でお仕置きが必要だなーハハハ…」
少しでも恐怖心を誤魔化そうとぶつぶつと独り言が自然に漏れてしまう。
30
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:32:08 ID:BHSJ5.Ck0
('、`; 川「…大丈夫大丈夫、誰かいるだけだって。さーて今日も仕事しますかーふふーん」
強気を装ってるけどさりげなく玄関に置いてあるホウキを片手に持ってる私。
事務所の中にギコの所持品の木刀ならあるんだけど…
('、`; 川「これを機にあいつの木刀ココに置かせるか…」
静まり返った廊下をゆっくりと歩く。足取りは非常に重くてこの静けさがかえって不気味で恐怖心を煽られる。
事務所の部屋に近付く度、心臓の鼓動が早くなる。額に冷や汗が伝い始めてきた。ホウキを握る手にも力が加わっていく。
('、`; 川「ふぅ……よし、行くぞ」
部屋のドア前に着いた。荒くなる呼吸を落ち着かせ、ふかーーーく深呼吸をする。静かに。
意を決してドアノブに手を掛け、いつでもぶん殴れるようにホウキを構える。
そして、ドアノブを回し思い切りドアを蹴飛ばしぶち開けた!
バァンッ!
('、`#川「おっ、おいコラ!!人の事務所荒らそうたぁっい、いい良い度胸してんなぁ!!」
川 ゚ -゚)「ああ、おはようペニサス」
('、`*川「おはよう!」
31
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:33:30 ID:BHSJ5.Ck0
中にいたのはクーさんだった……。
こっちがこんな剣幕で入ってきたのに爽やかな顔してやがる。
('、`*川「もおおおおおほんっっっとに怖かった……」
川 ゚ -゚)「朝から元気なことだな、そのホウキで掃除でもするのか?」
('、`*川「まぁ…ある意味掃除しようとしてたよ。
てかなんで入れてるの?鍵持ってないはずでしょ?」
川 ゚ -゚)っ\ 「コレのことか?」
('、`*川「そうそれ…ってなんで持ってんのよ」
川 ゚ -゚)「渋沢さんからいただいたものだよ、そういえば昨日言ってなかったな」
('、`*川「………はぁあ、なんだよもー折角偶には朝早く来てやるぞって気合入れて来たのにさぁ」
川 ゚ -゚)「何だか悪いことをしたようだな、すまん」
('、`*川「別に謝らなくていい…ていうか来るの早いね。始業時間8時30分からだよ?」
川 ゚ -゚)「入社したばかりで且副リーダーが始業時間に間に合うように等という時間に顔出せる訳ないだろう」
('、`*川「さっすがクーさん、うちのアホ社員にも言ってやってよ〜」
川 ゚ -゚)「いや、多分君にしか言えんな」
('、`*川「あはは…よいしょ、ちょっと一服してくるね」
川 ゚ -゚)「了解」
持っていたホウキをブーンのデスクに投げ捨て、バッグを自分のデスクに置き、
煙草と財布を取り出しデスクへ視線を向け続けるクーさんに一言だけ残して部屋を後にした。
廊下にある自販機で缶コーヒーを買って、一人屋上へと向かう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
32
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:35:18 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「ふうー…」
('、`*川(ああー、マジで恥ずかしい。赤っ恥だわ)
スマホで今日の占いやニュースを見ながらコーヒーを飲み、煙草をふかす。
朝っぱらから勝手に取り乱してクーさんの前で無様な所を晒してしまった…振り返りたくないのに勝手に何度も何度も脳内再生されては顔が熱くなる。
しかもクーさんの落ち着きっぷりが余計に恥ずかしさを倍増させる、あのやりとりの間こっちに一度も顔を向けることがなかった。
初めて会ったときからクール具合がすごいとは思ってたけど、あそこまでクールだとは…
('、`*川(クーさんって何でこんなとこ来たんだろ)
ふと、クーさんがうちに来た理由が何か気になった。
あのジジイがあれだけ持ち上げて…まぁそもそもうちの社会的レベルが相当低いから、こんなとこでリーダーとか言っても正直大したもんじゃないんだけど。
でもなんか、パッと見の印象というか、本能が察しているというか、もっと他に良いとこあるのにって思うくらいの人だと感じてる。
まだみんなは来る気配ないし、時間はあるし…一服終えたら聞いてみようかな。
なんて思ってたら、
川 ゚ -゚)「ご一緒してもいいかな、リーダー」
('、`*川「ん?」
まさかの向こうからやってきた。左手には赤いレザーのシガレットケースが握られている。
取り敢えず自分の隣の席をぽん、と叩きクーさんを座らせる。
('、`*川「いいけど、クーさんも吸うの?」
川 ゚ -゚)「まぁ、一日に何本かはな」
('、`*川「へー…あ、ちょうどいいや」
川 ゚ -゚)「ん?」
33
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:36:43 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「クーさんってさ――」
川 ゚ -゚)「クーでいいよ、さん付けはいらない」
('、`*川「ん、じゃあ…クーってなんでうちに来たの?」
川 ゚ -゚)「なんだ、今更面接でもするのか?」
('、`*川「違う違う。クーって、私の勝手な見方だけどもっと良いとこ行けんじゃないかなーって思ってさ」
川 ゚ -゚)「ああ、そんなに買ってくれているのか。ありがたい話だな」
('、`*川「買ってるっていうかさー」
川 ゚ -゚)「まぁ、正直に言うと以前はココよりもっと良い給料をもらえるような所にはいたがな」
('、`*川「でしょ?やっぱりそうだ。ジジイの誘いなんか断ってそこに居たらよかったのに」
川 ゚ -゚)「はは、金だけの為に働いていると人生つまらんものだぞ。それに――」
('、`*川「それに?」
川 ゚ -゚)「……いや、この話はココまでにしておこうか」
('、`*川「えー?そこで濁されたら気になりすぎて今日仕事できない」
川 ゚ -゚)「バカなことを言うな、今度は私が質問する番だ」
('、`*川「え…なになに、変なこと聞かないでよ」
川 ゚ -゚)「君は何故この何でも屋とやらを始めようと思ったんだ?
金の話になるが、正直君だってこの稼業は儲かりはしないだろう」
34
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:37:26 ID:BHSJ5.Ck0
私がこの何でも屋を始めようと思った理由…ちょっと重たくなるけど、一応理由はあるっちゃある。
('、`*川「あー…それね、確かにあんま儲からないね」
('、`*川「ちょっと長くて真面目な話になるけど…私ね、両親をちっちゃい頃に亡くしてんだよね」
川 ゚ -゚)「……」
そう。私は昔、このしたらば都市がまだエセ都会のような街並みになる前の、私がまだ5、6歳の頃の話。
別にこの町はエセ都会になる前から特別何もないわけじゃなかった、普通に生活する分には何不自由ない町だった。
たとえるなら田舎のちょっと栄えた場所くらいの規模かなぁ。
その町で私は、両親と3人で暮らしてた。そんな両親は"V.I.P."という警察のような組織の一員で、このV.I.P.ってのが昔から町の安全を管理してる。
私はその間保育園に預けられていて、母親がいつも送り迎えをしてくれていた。
ただ、父親は家に帰れないことが多くてほとんど家にいなかった…寂しかったけど、町の安全を守るなんてすごいって、私は自分の両親を誇らしく思ってた。
ある日、珍しく父親が週末休みを取れるとのことで、週末は久しぶりに家族で旅行をしようって話になった。
それはもう本当に嬉しくて、何より家族の時間を過ごせることがとにかく嬉しくて、嬉しすぎて大はしゃぎしていた覚えがある。
楽しみにしていた旅行、楽しみにしていた家族との時間。
('、`*川「――けど、ある事件が全部奪ってったの。幸せも家族も何もかも」
旅行を控えた前日、私はいつものように保育園に預けられ両親はいつものように働きに行った。
この時、したらば都市は急速な経済発展をしようとしていて、環境を守ろうとする人達と町の対立が激しくて、度々騒動が起こるような事態にまでなってた。
幼かった私には大人が何で争っているかが分からないでいたけど、父親はその騒動の鎮圧に度々向かわされていたみたいで、心配だった。
…その日、母親が迎えに来る夕方の時間になっても全然来なかった。結局、待ち続けて夜になってしまった。
流石に保育園の先生達も心配になって、両親に連絡をしてみても全然連絡が繋がらない。
お母さん、どうしたんだろうなんて不安になってた時…保育園の先生から、より一層不安になる言葉を告げられる。
「お父さんとお母さんが病院に運ばれてるから、一緒に行こう」
35
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:37:55 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「――それでさ、病院に連れてってもらったんだけど…意識不明の重体で、もう助からないって言われたみたいで」
川 ゚ -゚)「……何があったんだ?」
('、`*川「暴動だよ、さっき話した件の対立。相当有名になった事件」
川 ゚ -゚)「もしかして、あのたくさんの死人を出した『したらば暴動事件』か…?」
('、`*川「そう、それ。うちの両親も暴動を鎮める為に向かわされてさ……それで」
川 ゚ -゚)「……そうだったのか、そんなことが…」
('、`*川「いやー長くなっちゃったね、ごめんごめん」
川 ゚ -゚)「いや…こちらこそ、辛い過去だろうに。思い出させるような真似をしてすまない」
('、`*川「いいっていいって、もう20年前くらいの話だしさ。それなりに前見てるつもりだよ」
('、`*川「まぁ…そんなことがあって、それで私は――」
この仕事を始めたきっかけを話し始めようとした時、下の部屋から聞き慣れた声が、開けっ放しの窓を通して屋上にまで響き渡ってきた。
「ちょっと、誰だお!僕のデスクにホウキなんか置いたやつは!」
('、`*川「あ、来たか」
川 ゚ -゚)「そのようだな、そろそろ時間だ…よければまた後で聞かせてくれないか」
('、`*川「ん、いいよ。気が向いたらね」
灰も落とさず指で持ったままの短くなった煙草を喫煙スペースに設置してある灰皿に捨て、私達は事務所へと戻った。
36
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:37:56 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「――それでさ、病院に連れてってもらったんだけど…意識不明の重体で、もう助からないって言われたみたいで」
川 ゚ -゚)「……何があったんだ?」
('、`*川「暴動だよ、さっき話した件の対立。相当有名になった事件」
川 ゚ -゚)「もしかして、あのたくさんの死人を出した『したらば暴動事件』か…?」
('、`*川「そう、それ。うちの両親も暴動を鎮める為に向かわされてさ……それで」
川 ゚ -゚)「……そうだったのか、そんなことが…」
('、`*川「いやー長くなっちゃったね、ごめんごめん」
川 ゚ -゚)「いや…こちらこそ、辛い過去だろうに。思い出させるような真似をしてすまない」
('、`*川「いいっていいって、もう20年前くらいの話だしさ。それなりに前見てるつもりだよ」
('、`*川「まぁ…そんなことがあって、それで私は――」
この仕事を始めたきっかけを話し始めようとした時、下の部屋から聞き慣れた声が、開けっ放しの窓を通して屋上にまで響き渡ってきた。
「ちょっと、誰だお!僕のデスクにホウキなんか置いたやつは!」
('、`*川「あ、来たか」
川 ゚ -゚)「そのようだな、そろそろ時間だ…よければまた後で聞かせてくれないか」
('、`*川「ん、いいよ。気が向いたらね」
灰も落とさず指で持ったままの短くなった煙草を喫煙スペースに設置してある灰皿に捨て、私達は事務所へと戻った。
37
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:39:21 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「おはよー諸君」
川 ゚ -゚)「おはようみんな」
('A`)「おはようございます」
_
( ゚∀゚)「おざーっす」
ξ゚⊿゚)ξ「おはようございまーす。ペニサスさん今日早いですね、何かありました?」
('、`*川「あった、心が痛くてもう死ぬかも…リスカするかも…」
(,,゚Д゚)「リスカする刃が折れるような鋼の肉体にしてやろうか?」
('、`*川「なりたーい!後50年後くらいにお願いしてもいい?」
('A`)「絶対なりたいと思ってない…」
(,,゚Д゚)「おお、いいぞ!お前も随分わかるようになったなゴルァ」
(;'A`)「いや、体よく断られてるだけじゃ…」
_
( ゚∀゚)「ほんじゃ朝番行ってきやす」
('、`*川「あ、ちょっと待て!ギコの木刀玄関のとこに持ってって置いとけ」
(,,゚Д゚)「なに?どういうつもりだゴルァ、ていうか俺の持ち物だぞ!」
('、`*川「いや…アレだよ、空き巣に遭遇した場合にだよ、武器がないと私みたいなか弱い女は立ち向かえないでしょうが」
川 ゚ -゚)「っぷ」
('、`#川「クォラ!笑うな!」
38
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:39:53 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「とっ、とにかく木刀置いといて!悪いけどそんなホウキじゃ何の役にも立てないから」
(#^ω^)「…ペニサスお前かお!!」
('、`*川「は?何……あ、やべ」
(#^ω^)「お前は一度ホウキで叩かれなきゃわからんお!」
('、`; 川「うわっ!何すんのこいつ!ちょっ誰かこの強姦男止めて!」
(#^ω^)「強姦なんかしてないお!このっ!」
('A`)「ちょ、ちょっと内藤さん…!」
川 ゚ -゚)「よし、ツン。よければカルピスをいただけないか?」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい、ギコさんは?」
(,,゚Д゚)「俺はパルムのチョコアイス味プロテインで」
ξ゚⊿゚)ξ「了解」
(;'A`)「えっ、止めないんですか…?」
ξ゚⊿゚)ξ「えっ、止めたほうがいいの?」
(;'A`)「そんな当たり前な感じで言わないでくださいよ!」
('、`*川「ごめんなさい内藤さんっ!あなたがツンちゃんのリップ盗んで舐めてたとこ見てごめんなさいっ!」
(; ^ω^)「はっ?そ、そんなことしてないお!さっきから嘘ばかり――」
ξ゚⊿゚)ξ「だから無くなってたわけね…やっぱ豚は豚小屋がお似合いみたいね、このクソ変態野郎」
(*^ω^)「あぁっ!そ、そんなことしてな…おっ!ちょちょっと僕のポンチが暴れて走れないお、フッフヒヒww」
(;'A`)(やっぱ俺辞めるべきじゃないか?)
「あ、あの〜……」
('、`*川「あ?」
( ^ω^)「お?」
ξ゚⊿゚)ξ「あっ」
39
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:40:59 ID:BHSJ5.Ck0
騒ぎすぎてまったく気がつかなかった…。
開けっ放しになっている事務所のドアから、若干引き気味に顔を覗かせている人物がいた。
(*゚ー゚)「す、すみません…」
('、`; 川「あっ、ごめんなさい!全く気付かなくて…えっと、ウチのご利用を希望される方ですか?」
(*゚ー゚)「あの、はい…」
どうやら利用者の人みたい、やっちまった…。
そろそろちゃんと仕事をしないと儲からないので、この人を逃がすわけにはいかない。
ξ゚⊿゚)ξ「すみません、受付空けてて…入り口に男の社員を立たせてあるんですけどいませんでしたか?」
(*゚ー゚)「男の方ですか?いえ、見ませんでした…」
(,,゚Д゚)「なに!?ちょっと見てくるぞ」
('、`*川「すみません、お見苦しいところを…取り敢えず中へどうぞ。
ほらどけ!いつまで遊んでんだロリコン野郎」
(; ^ω^)「いでっ!」
川 ゚ -゚)「ペニサス、私とドクオは何をすれば?」
('、`*川「んー、じゃあ私の隣について話の内容をメモして、ドクオは其処のソファの席にお客様案内して。
それと、一応メモ取る必要あると思ったとこは取ってね。」
川 ゚ -゚)「了解した」
('A`)「わ、わかりました。あの…こちらへどうぞ。(急に真面目になった…)」
(*゚ー゚)「はい、失礼します…」
40
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:41:28 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「いやぁ本当ごめんなさいね、いろいろ失礼を致しまして。
私、この何でも屋のリーダー兼社長の…伊藤ペニサスと申します」
川 ゚ -゚)「砂尾クーと申します、本日はよろしくお願い致します」
急いでバッグから名刺入れを取り出し、ソファに座る相手の横に立ちお辞儀をして名刺を一枚抜き、相手に手渡す。
テーブルを挟んで対面に座って、ここからがお話を聞く感じ。
この人はぱっと見若そうな…20代前半の人かな、20代前半なら私とあまり変わらないけれど。
雰囲気は落ち着きのある、いかにも清純派って感じの女性。
こんな感じの人の相談事と言えば、大体男関連かストーカー系統の相談が多い。
(*゚ー゚)「ご丁寧にありがとうございます…」
('、`*川「では、まずお名前とご年齢と、ご職業をお願い致します」
('A`)(うん、まずは名前と年齢と職業…)
('、`*川「あと好きなタイプをお願いします」
(;'A`)(好きなタイプ、と…ん?好きなタイプ?)
(*゚ー゚)「はい、名前は羽庭しぃと申します。年は20で、大学に通いながら飲食店でバイトをしています」
(*^ω^)「20!?」
ξ゚⊿゚)ξ「黙れゴミ」
(*゚ー゚)「好きなタイプは…普段年下の彼女にはなるべく強い自分を見せてたいけど甘やかされるとつい甘えてしまう系の年上女性です」
(;'A`)(長いし何故今のでそっちの趣を理解できた!?)
('、`*川「はい、合格です」
(;'A`)(もう既にメモを取るのが馬鹿らしいんだけど…)
41
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:42:18 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「今日はどのようなご相談で?」
(*゚ー゚)「はい…あの、ここ数ヶ月ストーカーに付きまとわれてて…」
('、`*川ァ 「ほう、因みにそのストーカーってのはそこの豚男ではないですか?」 ピシッ
(; ^ω^)「こら!ストーカー…してみたいけどそんなことしたことないお!」
(; ゚ー゚)「違います…多分」
(; ^ω^)「多分じゃなくてやってないお!!」
(*゚ー゚)「もうずっと…一日中見張られている気がするんです。朝起きてカーテンを開けると、いつもアパートの前にいるんです。
カーテンも開けられなくて…だから、家を出る時もなるべく友達に迎えに来てもらった上で出るんです、人がいると寄ってこないみたいで」
川 ゚ -゚)「ふむふむ…」
(*゚ー゚)「家の前だけじゃありません。学校にいるときも窓の外から歩道を見たりすると、電柱の陰に居たり…バイト中も客として来てて…」
ξ゚⊿゚)ξ「お茶です、どうぞ」 コト
(*゚ー゚)「あ、すみません…。家に帰る道も後ろから着いて来てるの分かるんです、夜もずっと家の外にいて…
私の名前を叫んできたときもありました、その時の声が男性の声だったので…多分男性の仕業だと思います」
( ^ω^)「なんて奴だお…いくらなんでも僕はそんなことできんお」 コソコソ
('A`)「本当ですね…このしぃって人可哀想ですよ」 コソコソ
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの場合できないじゃなくて、できるけどやらないだけでしょ」 コソコソ
( ^ω^)「まぁね、ってコラ!」
('、`*川「うっせえぞ内藤!」
(; ^ω^)「す、すみませんお」
(;'A`)(ええ、こわっ!?今までと全然違う気がするんだけど…)
ξ゚⊿゚)ξ「フッ、ばーか」 ボソ
('、`*川「ごめんなさいね。ところで、V.I.P.への相談等はしましたか?」
(*゚ー゚)「何度もしてます…けど、まともに取り合ってくれません。男性の方は他にもっと重要な事件があるからとか、
対応してくれた女性の方も、今思えばメモも何も取らず流す感じで聞いていたのでちゃんと聞いていなかったんだと思います」
段々、話している彼女の表情が不安で曇ってきているのが見てわかる。
本当に、これだからV.I.P.ってのは困る…。
42
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:42:19 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「今日はどのようなご相談で?」
(*゚ー゚)「はい…あの、ここ数ヶ月ストーカーに付きまとわれてて…」
('、`*川ァ 「ほう、因みにそのストーカーってのはそこの豚男ではないですか?」 ピシッ
(; ^ω^)「こら!ストーカー…してみたいけどそんなことしたことないお!」
(; ゚ー゚)「違います…多分」
(; ^ω^)「多分じゃなくてやってないお!!」
(*゚ー゚)「もうずっと…一日中見張られている気がするんです。朝起きてカーテンを開けると、いつもアパートの前にいるんです。
カーテンも開けられなくて…だから、家を出る時もなるべく友達に迎えに来てもらった上で出るんです、人がいると寄ってこないみたいで」
川 ゚ -゚)「ふむふむ…」
(*゚ー゚)「家の前だけじゃありません。学校にいるときも窓の外から歩道を見たりすると、電柱の陰に居たり…バイト中も客として来てて…」
ξ゚⊿゚)ξ「お茶です、どうぞ」 コト
(*゚ー゚)「あ、すみません…。家に帰る道も後ろから着いて来てるの分かるんです、夜もずっと家の外にいて…
私の名前を叫んできたときもありました、その時の声が男性の声だったので…多分男性の仕業だと思います」
( ^ω^)「なんて奴だお…いくらなんでも僕はそんなことできんお」 コソコソ
('A`)「本当ですね…このしぃって人可哀想ですよ」 コソコソ
ξ゚⊿゚)ξ「あんたの場合できないじゃなくて、できるけどやらないだけでしょ」 コソコソ
( ^ω^)「まぁね、ってコラ!」
('、`*川「うっせえぞ内藤!」
(; ^ω^)「す、すみませんお」
(;'A`)(ええ、こわっ!?今までと全然違う気がするんだけど…)
ξ゚⊿゚)ξ「フッ、ばーか」 ボソ
('、`*川「ごめんなさいね。ところで、V.I.P.への相談等はしましたか?」
(*゚ー゚)「何度もしてます…けど、まともに取り合ってくれません。男性の方は他にもっと重要な事件があるからとか、
対応してくれた女性の方も、今思えばメモも何も取らず流す感じで聞いていたのでちゃんと聞いていなかったんだと思います」
段々、話している彼女の表情が不安で曇ってきているのが見てわかる。
本当に、これだからV.I.P.ってのは困る…。
43
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:43:08 ID:BHSJ5.Ck0
間違えて二回投稿しちゃいました
44
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:44:09 ID:BHSJ5.Ck0
(*゚ー゚)「夜中に名前を叫ばれていたときは流石に対応してくれて、それ以来叫ばれることはなくなったのですが…
もう、本当に辛いんです。怖くてどうすることもできないし、誰なのかわからないし、何で私なのかわからないし…っ」
(*; ;)「本当に本当に辛くて怖いんです…っ、毎日毎日、私はただ普通に過ごしたいだけなのに…うぐっ」
( ;ω;)「うう…なんて可哀想なんだお、ぐうう…っこんな可愛い子泣かせるなんて許せないお、グスッ」
('A`)「なんで内藤さんが泣くんですか…」
ξ゚⊿゚)ξ「こいつ人の気持ちになりきるの上手過ぎるヤツなのよ」
('A`)「そうなんですか…」
('、`*川「…うん、それは辛いよね。毎日不安で仕方無いよね」
蓄積された恐怖や不安からか…泣きじゃくる彼女の隣へ移動し、私はそっと彼女の頭を撫でる。
(*; ;)「はい…毎日怖いです…」
('、`*川「うんうん、大丈夫だよ。おいで?」
撫でる頭をゆっくりとこちらに引き寄せ、優しく抱きしめる。
きっと周りが思ってる以上に辛くて怖い毎日を過ごしてきたんだろうな…可哀想に、私が慰めてあげよう…ふ、ふふふふ。
(*; ;)「うっ…はい、…はぁ、すみません、つい…」
('、`*川「いいのいいの、気にしなくて。よしよし…」
(;'A`)「…心なしかペニサスさんの顔がにやけてるの気のせいですか?」
ξ゚⊿゚)ξ「ううん、正しいよ」
(;'A`)「ですよね」
45
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:45:11 ID:BHSJ5.Ck0
川 ゚ -゚)「…お話は大体分かりました。羽庭さんは、我々にどのようなことをお望みでしょうか?」
(*゚ー゚)「あ、はい…あの、大変恐縮なんですが…こちらに、そのストーカーの正体を暴いてほしいのと、
私に対するストーカー行為を止めるよう説得していただきたいんです」
('、`*川「オーケー!任せて!」
(;゚ー゚)('A`)「え…?」
('、`*川「こんな可愛い子が何ヶ月もの間、どこぞの誰かも分からん変態に毎日朝昼晩怖い思いさせられてんのよ?
こんな可愛い子が!!誰かを助けるのに理由がいるかい?」
(;'A`)「ものすごく理由がいりそうなこと2回くらい言ってますよ」
('、`*川「ええいやかましい!しぃちゃん安心して、私達がソイツとっ捕まえて
ボッコボコの半殺しにして正体突き詰めてやるから!」
(;゚ー゚)「いっいえ、そこまでは…」
46
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:45:12 ID:BHSJ5.Ck0
川 ゚ -゚)「…お話は大体分かりました。羽庭さんは、我々にどのようなことをお望みでしょうか?」
(*゚ー゚)「あ、はい…あの、大変恐縮なんですが…こちらに、そのストーカーの正体を暴いてほしいのと、
私に対するストーカー行為を止めるよう説得していただきたいんです」
('、`*川「オーケー!任せて!」
(;゚ー゚)('A`)「え…?」
('、`*川「こんな可愛い子が何ヶ月もの間、どこぞの誰かも分からん変態に毎日朝昼晩怖い思いさせられてんのよ?
こんな可愛い子が!!誰かを助けるのに理由がいるかい?」
(;'A`)「ものすごく理由がいりそうなこと2回くらい言ってますよ」
('、`*川「ええいやかましい!しぃちゃん安心して、私達がソイツとっ捕まえて
ボッコボコの半殺しにして正体突き詰めてやるから!」
(;゚ー゚)「いっいえ、そこまでは…」
47
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:46:12 ID:BHSJ5.Ck0
マウスが寿命きてるんでワンクリックが2回押してることになってるっぽいです
すみません
48
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:47:27 ID:BHSJ5.Ck0
('、`*川「よろしいな?お前ら」
ソファから立ち上がり、事務所にいる面々に投げかける。
ξ゚⊿゚)ξ「仕方無いですねー、まぁやりますか」
ツンちゃんはいつもの調子で首をまわして、
( ^ω^)「おっしゃ来た!しぃさん、僕がソイツ一発ぶん殴って分からせてやるお!」
この豚は出来もしないことを吠えて、
(,,゚Д゚)「おう、話は大体聞いたぞ。力仕事は俺等に任せろゴルァ。なぁジョルジュよ」
いつの間にか居る頼れるギコは自慢の二の腕を見せ付け、
_
(#)∀゚)「おう、あにひ!」
ジョルジュはギコに顔面食らわされて回らぬ呂律ながら気合のある声を発し、
川 ゚ -゚)「…どうやら話はまとまったようだな」
クーはどうやらこの空気を察してくれたみたい。
49
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:48:00 ID:BHSJ5.Ck0
('A`)(なんだこの団結力は…)
(*;ー゚)「みなさん…っ、ありがとうございます…」
('、`*川「…しぃさん、最後にひとつ言わせていただきますが」
(*゚ー゚)「?はい…」
('、`*川「――あなたのご依頼、必ずしも出来るとは保証出来ませんが、それでも我々を信用していただけますか?」
(*゚ー゚)「……はい!お願いします!」
こうして、この何でも屋にひとつの仕事が舞い込んできた。
それは、ひとりの可憐な女性の、誰にも助けてもらえない悩みだった。
('、`*川「よーし、そうと決まれば…やるぞ野郎共!」
「おー!」
( ^ω^)「…あ、ちょっとトイレ行ってくるお」
50
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 18:48:24 ID:BHSJ5.Ck0
第2話 おわり
51
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 19:32:25 ID:dvpKL.Fg0
ブーンいい奴だなって一瞬思った
乙
52
:
名無しさん
:2017/05/12(金) 19:33:07 ID:OZTSpZMI0
乙
今後に期待
53
:
名無しさん
:2017/05/14(日) 14:18:58 ID:vTMt9Hmo0
話が脱線しないギリギリのラインまでぶっ込まれるギャグが好き
54
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 00:59:54 ID:dB01GltI0
羽庭しぃさんからストーカーによる被害の相談を受け、ストーカーの排除を依頼された私達は、しぃさんから早速詳しい情報を聞き出すことにした。
('、`*川「ではしぃさん、今からストーカーのことについて私達から質問が飛びます。
答えられることは答えてくださいね」
(*゚ー゚)「あ、はい」
まずストーカーが一体いつ、どこで、何時くらいに現れるかの情報を知る必要がある。
その情報を元に、私達が実際そのタイミングの時に赴いてそれらしき人物の確認と、一体何をしてるかの動向を探らなきゃならないから。
ただそれっぽい人を見つけて「あなたストーカーでしょ!」なんて言っても証拠は何もないわけだし、下手したら私達がまずい立場になる。
まぁ、ちょっと警察っぽいことやってるけどこれが正しい方法なのかは分からないけどね。私達なりのやり方でやってるだけだから。
('、`*川「まず、再確認したいんだけどストーカーは一体いつ現れるの?
分かる範囲と、もしかしたらこの時に!っていう予測できる範囲で教えてね」
(*゚ー゚)「はい、分かる範囲では…いつも朝6時00分くらいに起きるんで、そのときにカーテンの隙間を覗くと…大体います。
8時くらいに家を出るときにも居て、大学で講義受けてるときは分かりません」
('、`*川「ふむ…あとは?」
(*゚ー゚)「その後は、バイトで店に入った後…多分夜の7時くらいだと思うんですけど、その時間帯にお店に客として入ってきて私が退勤するまでずっと居ます」
(*゚ー゚)「帰り道にはいないんですけど、家に帰ってからカーテンを覗くと、家の前にいます」
ξ゚⊿゚)ξ「んー結構付きっ切りよねぇ、見た目の特徴は?」
(*゚ー゚)「特徴…体型は、多分太ってもなく痩せてもなく、って感じだと思います。
服装は毎回変えてるみたいですけど、どれも帽子を深々と被って、冬じゃないのに冬用のロングコートを着てて…」
( ^ω^)「ストーカーしてるくせに身元はバレたくないみたいだお」
川 ゚ -゚)「大声を出してV.I.P.から注意を受けたなら身元は割れるのではないか?」
('、`*川「どうだか…本当に注意しただけで、そういうのやってないかもよ
そもそもあいつ等がウチらに何か教えてくれる訳無いし、こんなことやってるってバレたらうるさいし」
(*゚ー゚)「…すみません、ご迷惑お掛けして」
('、`*川「ああいいのいいの、お高くとまってるあいつ等のことなんか気にしてないから」
55
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:00:44 ID:dB01GltI0
( ^ω^)「後をつけられてる時に何をされてるかとかわかるかお?」
(*゚ー゚)「そこまではわかりません、ただ後をつけられて…それも、迫ってくるんじゃなくて、本当にただついて来るだけで」
(,,゚Д゚)「そこまでして何で何もしないんだろうな?かえって疑問だが」
('、`*川「何か盗聴されてるんじゃないかって思えるような行動の先読みをされたこととかは?」
(*゚ー゚)「それは…多分ないです、私の行動パターンを把握してるだけだと思います」
('、`*川「んー…あと、このことを誰か友達に話したりした?」
(*゚ー゚)「はい、信用できる何人かには話しました」
徐々にストーカーの情報がそれぞれのノートやPCに記されていく。
川 ゚ -゚)「ストーカーされるようになった原因や人物に心当たりは?」
(*゚ー゚)「ないです、本当にわかりません…」
_
( ゚∀゚)「わかんねーぞ?お前みたいな、いかにも清楚系みたいな女は無意識に男を弄んでるかもしんねぇしな」
(*゚ー゚)「………」
(#^ω^)「お前、何言ってんだお!」
('A`)「長岡さん、それはちょっと――」
56
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:02:06 ID:dB01GltI0
('、`*川「捕まえろ」
( ^ω^)(,,゚Д゚)「イエッサー」
('A`)「!?」
_
(; ゚∀゚)「ぬおっ!?」
私の指示と同時にすかさず二人がジョルジュを抑え付ける。
私はソファ席を立ち上がり押さえられたジョルジュの元へと歩く。
('、`*川「ツンちゃん、ドライバー」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい、どうぞ」
_
(; ゚∀゚)「ちょちょちょちょ待て待て!本っ当すいやせんした!!」
取り押さえられて床に膝立ちにさせられたジョルジュの片目を無理矢理こじ開けて、ドライバーの先端を眼球に向ける。
こいつは私の本当に触れたらキレる逆鱗に触れちゃったねぇー。
_
(; ゚∀゚)「ひっ…!」
(; ゚ー゚)「ちょ、ちょっと待ってください!」
(;'A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫大丈夫、やらないから」
('、`*川「んふふー、ジョルジュ君…どうやら目の奥のネジが大分緩んでるようね?だからそんな見方しちゃうんだ。
今すぐそのネジきちんとしめてやるからさぁ…二度とそんなこと口走ることないようにてめぇの視界を矯正してやるよ」
_
(; ゚∀゚)「おっ!しぃさんマジそんな男俺がシメてやるから!しぃさんはそんな女じゃねぇし!」
('、`*川「……放していいよ」
(; ゚ー゚)「………」
(;'A`)(なんだよこれ…こんなことまですんのかよ)
_
(; ゚∀゚)「っくは、今のはマジで…やばかったぜ」
( ^ω^)「お前、僕以上に馬鹿な奴だお」
(,,゚Д゚)「弟子が師匠に恥をかかせるとは、罰としてお前は後でドクオと一緒に腹筋300回だ!」
(;'A`)「僕を巻き込むのやめてください、ガチで」
57
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:03:14 ID:dB01GltI0
しぃさんにふざけたことを抜かす輩を成敗してやった。まったく無神経にも程がある…。
ただ、私の恐怖政治のようなやり方に初めて異を唱える人物が出てきた。
川 ゚ -゚)「――ペニサス、少し度が過ぎるぞ。客人の前でなんてことをしているんだ」
('、`*川「あ……ごめんちゃい、つい怒りが…」
('、`#川 キッ
_
(; ゚∀゚)「……うぃっす」
川 ゚ -゚)「すまなかったな、しぃさん。あの馬鹿がひどい言い方をしてしまって」
(*゚ー゚)「いえ、いいんです…」
川 ゚ -゚)「あれも悪気があって言ったわけじゃないんだ。心当たりが無い中でも本当にちょっとしたことでもいいから、
思い出して欲しいという意味があるのは確かだ」
川 ゚ -゚)「ペニサスの行動も、こいつなりにしぃさんが傷つけられたと思ってそれに対する抗議みたいなものだ。
みんな悪気は無い、どうか私に免じて許してくれ」
(*゚ー゚)「そんな、やめてください!頭を上げてください、大丈夫ですから…!」
私たちの非常識(自覚あり)な行動の良心の部分だけを良いように弁明してくれたクー。
ソファに腰を掛けたまましぃさんに向けて頭を下げる。
その姿勢、対応に思わず――。
('、`*川「……お」
_
('、`*川( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ(,,゚Д゚)( ゚∀゚)「おおおおおお……」
声をあげる私……と愉快な仲間たち。
58
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:04:00 ID:dB01GltI0
(;'A`)(ええ?この程度でこんな関心するってどんだけ無責任なんだこの人)
('、`*川「スゲー、今のめっちゃ責任者っぽい!」
(;'A`)(いやあんたがそうしなきゃダメだって)
( ^ω^)「この会社に勤めて初めてリーダーシップというものを見たお」
ξ゚⊿゚)ξ「渋沢さんの言うことも偶には的を射てることあるのね」
('A`)(この人達がちょっと哀れに見えてきた…)
何はともあれ、ある程度ストーカーの情報は集まった。
あとはしぃさん本人との打ち合わせ。
('、`*川「まぁ、取り敢えずこんなもんかな。あとはしぃさんに私たちの電話番号教えておくから、ちゃんと登録よろしくね」
(*゚ー゚)「わかりました」
('、`*川「早速今日から取り掛かりたいと思うんだけど、今日は大学は?」
(*゚ー゚)「今日はココに来るために大学は行かないつもりだったので、あるのはバイトだけです」
川 ゚ -゚)「ココに来るまでに着けられた気配は感じたか?」
(*゚ー゚)「一応、今日はわざと遅れて朝出てきたので…アパート前にもいませんでしたし、着けられてもないと思います」
川 ゚ -゚)「昼間はいないかもという話はあったが、念を押して周辺を見回らせよう。ドクオ、お前が見回りをしてこい」
('A`)「えっ、ぼ…僕がですか?猫野さんや長岡さんのほうがいいと思うのですが…」
川 ゚ -゚)「こいつらでは見てくれがいかにも、という感じでかえって警戒されやすい。お前なら多分警戒されない」
('、`*川「おー、それ良いアイディア」
('A`)「は…はぁ、わかりました…」
(,,゚Д゚)「うまくやれよドクオ、今度こういった事にも臨める様に俺がきっちり特訓してやる」
_
( ゚∀゚)「おいおい、お前人殴ったことあんのかよ?あ?」
川 ゚ -゚)「ほらな」
59
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:04:45 ID:dB01GltI0
('、`*川「あ、じゃあついでにドクオさぁコンビニ行ってレーズンバターとクラッカー買ってきてくんない?」
('、`*川っ|1000| 「お金渡すから、ほれ」
('A`)「わかりました…行ってきます」
('、`*川「よろしく〜、…ツンちゃん設置よろしく」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい」
('、`*川「あとしぃさん、今回あなたを助ける為に手を貸しますが、しぃさんにも手伝ってもらいますよ。ストーカーの行動を誘引するような役割になりますが」
(*゚ー゚)「えっ…何をしたらいいんですか?」
('、`*川「いや、別に特別なことは何も。ただ普段通りの動きをしてもらって、ストーカーの動きを探るだけです」
('、`*川「朝起きたときとか、部屋の中では基本的にSMSで今から何をするかとか教えてくれればOKです。電話は緊急の時にだけってことで」
(*゚ー゚)「分かりました…がんばります」
('、`*川「っはは、そう強張らないで?基本的にギコかジョルジュのどちらかを着けるようにするから」
(,,゚Д゚)「何かあればすぐに駆け付けるぞゴルァ」
_
( ゚∀゚)「おう、任せとけや」
(*゚ー゚)「ありがとうございます…」
('、`*川「…まぁ、簡単にこんなもんかなぁ。じゃあ早速だけど、今日は夜全員でしぃさんの店で飯行くぞー」
( ^ω^)「ええっ!?今日の夜は僕の好きな声優さんの生放送が…」
ξ゚⊿゚)ξ「空気読みなさいよ、どうせその声優は生放送のあと隠して付き合ってる男の肉棒を自分の股間で生包装するんだから」
( ^ω^)「やめてええええええええええ」
60
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:05:27 ID:dB01GltI0
〜〜数十分後〜〜
('A`)「ただいま戻りました」
川 ゚ -゚)「おかえり、どうだった?」
('A`)「特にそれらしき人物はいませんでした、この時期に冬用の格好していれば相当浮くと思うんで。あ、ペニサスさん頼まれたもの買ってきました」
('、`*川「おーありがと!お釣りいらないからそれでジュース買いなよ」
('A`)「えっ?あ、ありがとうございます…」
('、`*川「しぃちゃんにね」
('A`)「あっ…」
一通り打ち合わせも終えた。
依頼をしに来た当初とは少し表情が、どことなく明るくなっているように見える…ちょっとは不安和らいだかな?
私たちは玄関までは行かずここでお見送り、帰り道は一応クーに付き添ってもらうことにした。
(*゚ー゚)「はい、お手数お掛けします…ではみなさん、失礼します」
( ^ω^)「気をつけて〜」
クーは賢いだろうから後から説明で問題ないとして、クーがいない間私たちで要点をまとめて…あと、チェックする必要のあるものがある。
('、`*川「さて、じゃあしぃさんの件のまとめに入るけど…その前に、ツンちゃんどう?」
ξ゚⊿゚)ξ「……ばっちり映ってますねぇ」
('、`*川「やっぱいたかぁ」
('A`)「…?」
61
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:06:03 ID:dB01GltI0
皆がツンが座るデスクに集まりディスプレイに釘付けになってる間、ドクオは不思議そうにこちらを見ていた。
恐る恐るドクオが近付いてきて、こっそりディスプレイに映ってるものを確認してきた。
('A`)「…!これって、もしかして…」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、そのもしかして」
( ^ω^)「ストーカーだお」
そう、ツンちゃんのデスクのディスプレイに映ってる映像には、さっきしぃちゃんがストーカーの特徴にあげてた格好そのものの人物が映ってる。
その男はしぃちゃんとクーの後ろを、間を空けてゆっくり着いて行ってる。
ドクオはびっくりしてるみたい、まぁ見回ってきていないと確認したはずの人物がいればびっくりもするだろうねぇ。
('A`)「なんでですか?さっき見てきたとき、いなかったのに…」
('、`*川「いや、いいのいいの。むしろあんたが行って都合よかった。こいつら手馴れが行ったらここら辺くまなく探しちゃうからね」
(,,゚Д゚)「ゴルァ」
('A`)「ていうか、カメラなんかいつの間に…」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたが見回り行ったあとよ。ほらあそこ、ちょー小型カメラ」
('A`)「え…どこですか?わからない」
('、`*川「そこらへんにいるんじゃないかとは思ってたから、ドクオが外に出れば隠れようとするでしょ。隠れてるであろう間にちゃちゃっと着けてもらったのよ」
('、`*川「で、私たちがしぃちゃん送った後、通るんじゃないかなーと思って」
('A`)「…そんなことまで考えてたんですか」
_
( ゚∀゚)「にしてもこいつ相当頭悪くねぇっすか?こんな格好したら速攻バレるよな」
('、`*川「多分、それじゃないかな」
_
( ゚∀゚)「それって?」
('、`*川「ストーカーだったら何らかのアクションを起こすと思うんだよね。
V.I.P.に注意されたから名前を叫ぶのをやめただけで、ただ後をつけるって…なんか変じゃない?」
('、`*川「少なくともウチらが担当してきたストーカーのパターンは、必ず何かしら手を出してるのばっかだったし」
62
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:06:44 ID:dB01GltI0
( ^ω^)「あと、盗聴されてることも視野に入れておいたほうがいいと思うお」
('A`)「でも、しぃさんはされてないって…」
( ^ω^)「なら何で平日のこの時間にいるんだお?」
ξ゚⊿゚)ξ「もしくは、盗聴なんてしなくても自然としぃさんから情報を聞くことができる人物かもね」
('、`*川「どっちも大いにありえますねぇ、盗聴に関してはもしかしたらしぃちゃんの家に仕掛けられてるかも」
('A`)「そんな…しぃさんに近しい人物の犯行ってことですか?」
(,,゚Д゚)「まぁ、無い話ではないな」
_
( ゚∀゚)「……あー、めんどくせぇ。俺はやれって言われたことだけやるわ!当番戻りますわ」
('、`*川「とりあえず、今日はみんなで行くとは言ったけどあれは嘘、ナシ。
明日から取り掛かるから、みんな明日からはしばらく朝6時前には出勤するように」
('A`)「はい」
( ^ω^)「えー…普段ならまだ寝てる時間だお」
ξ゚⊿゚)ξ「起きれないならいっそそのまま天国に召されたほうがよくってよ、キモオタさん」
(*^ω^)「グッフwwwその言葉を是非めざましにさせてほしいお」
('、`*川「まぁとにかく、そんな感じでよろしく!ツンちゃんはその男の着てる服どこのものか調べれたら調べといて。あと、SMSでしぃちゃんに諸々送っといて」
ξ゚⊿゚)ξ「了解でーす」
('、`*川「ブーン、あんたパソコンでみんながノートに書いた要点全部まとめといて」
( ^ω^)「はいお」
('、`*川「ギコはドクオのしつけよろしく」
(;'A`)「ええっ!?そ、そんな…」
(,,゚Д゚)「任せておけ。おいドクオ、お前のスポーツウェアは用意してあるぞ。これに早く着替えてまずはランニング行くぞゴルァ!」
(;'A`)「やめて…俺本当体育会系の精神嫌いなんだよ…」
(,,゚Д゚)「何ぶつぶつ言ってんだゴルァ!情けない男め!」
('、`*川「じゃあ私は一服して来ちゃおっかな〜」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
63
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:07:57 ID:dB01GltI0
しぃちゃんからの相談を受けた次の日。
今日からストーカーの動向を探る調査をはじめる訳だけど、朝6時前出勤はやっぱり相当きつい……現在朝の5時50分くらい。化粧をするのもクソだるかった。
依頼内容や人よって時間帯や開始日は異なるから、同じストーカーの依頼でもその人の都合によってはこんな時間に出勤する必要もない。
うん、正直だるい。やる気とその時直面するだるさは比例しないから…。
('、`*川「おーっす…」
川 ゚ -゚)「おはよう、ペニサス」
('A`)「おはようございます」
ξ゚⊿゚)ξ「おはようございまーす」
(,,゚Д゚)「おう、ちゃんと来れたみたいで何よりだ」
('、`*川「まぁ一応言い出しっぺだし、しぃちゃん助けるために…ふわああぁあ…っはぁ、やらなきゃならないし」
( ^ω^)「………」
('、`*川「………」
( ^ω^)「………」
('、`*川「ギコ、牛乳でもぶっかけといて」
(,,゚Д゚)「そうだな」
川 ゚ -゚)「さて、流れは昨日ツンから一通り伺ったぞ。ジョルジュを先に家に向かわせてある。ツン、ジョルジュに無線を繋いでくれ」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい」
64
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:08:24 ID:dB01GltI0
うちのメンバーには全員無線機を持たせてある、電話じゃ指示が追いつかないから。
んで、ツンちゃんは基本的に事務所からみんなに通信する役割をしてもらってる。しかもツンちゃん専用部屋で。
なかなか本格的でしょ?まぁこれはジジイのコネを使って無線扱えるようにしてもらってんだけどね。
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ、サボってる?」
『サボってねぇよ!』
川 ゚ -゚)「もうすぐ6時になるが、今はそれらしき人物はいるか?」
『多分いねぇっすね、新聞配達が通ったくらいでこんな時間に歩いてる奴は…』
('、`*川「んーまだ来てないのかな…あ、しぃちゃんからメール来た。今起きたって」
『ったく本当にいんのかよ、朝は寒ぃし冷え込むs……お?』
('、`*川「なに?」
『来たか…?あれ、あいつか?あいつだ!来た、来たぜ!』
どうやら、しぃちゃんの証言通り朝の起床時間前に現れたみたい。
('、`*川「声がでけえっつうの!お前が興奮してどーすんだよ!」
『おい、今日の特徴言うぜ。黒いフード付きのロングジャケットに…黒い帽子かぶってんな。
白い運動靴みたいな靴と、あー…あれだ、カーキ色のチノパン』
('、`*川「…ふーん、なるほど」
『アパートのほう見上げてやがるな…でも見てるだけだ、何もしちゃいねぇ』
('、`*川「メール来たね、カーテン開けて見てみたけどやっぱいるって」
川 ゚ -゚)「そのままソイツを見てろ、何かあったらその都度報告をしてくれ。あと、ソイツの写真を撮っておくように」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃーねー」
(;;;^ω^;;)「おっおっ、始めてるお」
('、`*川「やっと起きたかミルク豚野郎。あんたはしぃちゃんの大学まで行ってもらうから」
(;;;^ω^;;)「任せるお」
65
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:09:35 ID:dB01GltI0
〜〜〜〜AM8:00〜〜〜〜
みんな出勤時間が早く朝食も取れてないと思って、ドクオを近所のコンビニに朝ご飯を買いに行かせた。
本当この奴隷は頼りになる奴隷だ。
('A`)「頼まれてた朝ご飯と飲み物買ってきました」
川 ゚ -゚)「ああ、すまないな」
('、`*川「8時になったな…お、メール来た。今から出るって」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジュ、どう?」
『友達みてぇな女が2人くらい家の前にいるけどよ、あの野郎こいつらが来た途端どっか行きやがった。多分そこらへんに隠れてるんじゃねぇかと思うけど』
('、`*川「うんうん、しぃちゃんの後追い始めたらバレないように尾行して。後つけてるとこも写真撮っておくように」
『ういーっす』
『こちら内藤、今大学ついたお。ムシャムシャ』
('、`*川「あんたはしばらくそこで待機ね」
『はいお、クチャクチャ』
ξ゚⊿゚)ξ「朝ご飯食べんのはいいけど咀嚼音まで汚いって救い様ないわよ」
『ブフウウッ!!wwす、救ってもらえない上にそんな褒め言葉までいただけるなんて…思わず吹き出ちゃったおww』
('、`*川「やめとけ不審者」
66
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:09:59 ID:dB01GltI0
〜〜〜〜AM8:40〜〜〜〜
ふふふ、可愛いね…大丈夫。怖がらなくていいって……。
…あ、なーんだ。怖がってる割にはずいぶんココ…ん?
えっ、なになに…私のこと叩いてみたいって?えー私そんな痛いの好きとかじゃないんだけど……。
…仕方ないなぁ、じゃあ……特別、だよ…?っしょ、と…はい。優しくしてくれないと、感じ―――。
(‐、‐*川「……ひ、ひひ…」
バシンッ!
('、‐*川「んあっ…あ?感じちゃうかも…」
川 ゚ -゚)「起きろ」
('、`*川「…うっす」
『聞こえるかお?今しぃさん達が大学着いたお』
ξ゚⊿゚)ξ「ストーカーは?」
『こちら長岡、まだしぃさんの後着けて……ん?』
ξ゚⊿゚)ξ「どうかしたの?」
『おいアイツ、後着けんのやめて足早にどっか行きやがったぞ』
『こっちからもしぃさん達が確認できたお、確かにどこかに消えたお。まさか気付かれたかお?』
『追うか?』
川 ゚ -゚)「いや、追わなくていい。しばらく様子を見ろ」
('、`*川「ん…メール来た、今大学着きましたって」
『しかし人通り少ねぇな、あんまり人が通るとこじゃないのか?』
『あんな格好して人通りのあるとこ歩いてたら大体怪しまれるお』
('A`)「身元がバレたくないから、多少怪しまれても後をつけたいとか…?」
『大学生がちょろちょろ入ってくだけだな…おい、内藤みてぇな大学生もいるぜww』
『どこが僕みたいなんだお!僕はもうちょっと凛々しいお』
67
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:10:37 ID:dB01GltI0
〜〜〜〜AM11:50〜〜〜〜
『あー……そろそろスマホの電池切れるお、全然この面クリアできないお』
『おい、あれから全然姿見せねぇけど。昼間は見ないってんだから来ないんじゃねぇの?』
川 ゚ -゚)「うむ…一旦引き上げていいぞ、今度はギコとドクオが代わろう」
(,,゚Д゚)「やっと出番かゴルァ、もう身体のウォーミングアップはバッチリだぞ」
('A`)「ぼっ、僕ですか?いきなりそんな…」
('、`*川「だーいじょうぶよ、じゃあうまくやるためのコツを教えたげる。隠れる、潜む、探る。以上!」
(;'A`)「全然コツになってません」
('、`*川「もードッくん心配性だなぁ、ぶっつけ本番だよこういうのは。やらないと身に付かないんだから!」
『まさかドクオ、こんなことが怖いのかお???情けないおww僕ですらこんなことできるっていうのにww』
ξ゚⊿゚)ξ「あーあ、こいつに見下されるようじゃ…」
('A`)「やっ…やりますよ!やってみせます!(こんな変態より下に見られるなんて流石にたまったもんじゃない!)」
68
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:11:12 ID:dB01GltI0
〜〜〜〜PM17:00〜〜〜〜
大学に向かわせたギコとドクオはこの時間までストーカーらしき男の影も見てないそう。
戻ってきたブーンとジョルジュが撮った写真を現像して、ホワイトボードに貼り付けとく。
('、`*川「しぃちゃん今から一旦家に戻るってさ。ギコとドクオ、どう?」
『さっきから怪しい奴はいないぞゴルァ』
『そうですね…冬の格好した人はいないです』
('、`*川「そうかぁ…しぃちゃんが出てきたら家まで尾行してね。それが終わったら戻ってきていいよ。
今日の業務はもうおしまい、あとの時間帯は私とクーで見るから」
『あっ!』
('、`*川「どうした!?」
『あいつ………ジョルジュが言ってた内藤に似てるやつじゃないか?なんだあのおどおどした感じ』
『本当だ、内藤さんに似てますね…ん?何かあの人落としましたよ、何だろう…行っちゃった』
(#^ω^)「だから似てないってんだお!!僕のほうが3ミリくらいイケメンだお!!」
('、`*川「っせえ!どうでもいいわ。はいはい帰った帰った、みんなお疲れ様。明日ジョルジュとブーンは昼過ぎに出勤してきて」
ξ゚⊿゚)ξ「お疲れ様でーす…んあー、疲れた」
_
( ゚∀゚)「おつかれーっす」
取り敢えず、今日は一旦これで仕事は終わり。
終わる時間は大体決めてない、今日はこれくらいかなーっていうさじ加減で決めてる。
今日はみんな朝早いし明日も早いし、よく動いてくれたから早めに帰して、この後の時間帯は私…いや、今はクーがいるから、クーと2人でやることに。
まぁ、残業って奴かな。部下を早く帰してちゃんと休んでもらうんだからめっちゃホワイトじゃない????
69
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:30:28 ID:dB01GltI0
現在夕方の6時30分くらい…みんなが帰ったあと、一応今日の結果だけを軽くまとめて二人でしぃちゃんのバイト先調査を兼ねて夕ご飯を食べに行くことに。
ここは普通のファミレスみたい、喫煙席に案内してもらってからお互い適当に注文を済ます。
私は今日もBARに行けないから、憂さ晴らしと言わんばかりにビールと適当なつまみを注文した。
正直、朝早く起きた反動がでかすぎてもう眠くて眠くて仕方無い…。
('、`*川「あー…くっそねむい」
川 ゚ -゚)「君が自分で時間指定した上に残りの業務を引き受けたんだろう」
('、`*川「そりゃ一応リーダーですから…ここだけの話、クーが来る前は私一人でやってた」
川 ゚ -゚)「ふっ、普段おちゃらけてても真面目な時は真面目じゃないか」
('、`*川「こらこら、まだ私をおふざけキャラで見るには早いよ」
ホールスタッフの客出迎えの台詞が度々聞こえてくるようになってきた。そろそろ人が入り込んでくる時間帯だ。
その都度入り口の方に視線を向けるようにしている、一応調査をしに来ていることを忘れてはない…忘れそうだけど。
川 ゚ -゚)「そうか。…さて、時間も時間だしそれなりに人が入ってきたが…」
『いらっしゃいませー、お客様何名様でしょうか?』
また客が来たか…これからの時間帯が本番だから仕方ないなぁ。等と思いながら同じように入り口に視線を向ける。
そこには………待ちわびた客なのだけれど、本質的には招かれざる客が現れたようだ。しいちゃんが証言した時間帯に。
スタッフが尋ねているにも関わらず声を発していないのか、片手でのジェスチャーや首動作での返答を繰り返している。
('、`*川「来ましたねぇ、この写真の奴だ」
川 ゚ -゚)「ああ、間違いない。…こいつだ」
現像した写真に写る人物と、今其処にいる人物を照らし合わせる。
ジョルジュが確認した服装と写真の服装、目の前にいる人物の服装。一致している。
禁煙席に案内されるソイツを目で追っていると、しぃちゃんが注文した品物を運びにやってきた。
70
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:30:57 ID:dB01GltI0
(*゚ー゚)「お待たせいたしました、こちらフライドポテトとビールお2つになります。…こんばんは」
('、`*川「やっほー」
川 ゚ -゚)「あいつだな」
(*゚ー゚)「…はい。一応お店側が事情を理解してくれて、あの人の接客はしなくていいって言われてます」
('、`*川「良いじゃーんそれ」
川 ゚ -゚)「今日、羽庭さんが起床時から大学の帰路までの間をつけさせてもらった。この写真の奴で間違いないな?」
(*゚ー゚)「はい、間違いありません」
川 ゚ -゚)「…わかった、何気なくあいつの動向を見ているから戻っていいぞ。多分あいつが君を見てる」
(*゚ー゚)「ありがとうございます…。ごゆっくりどうぞ」
('、`*川「んー、やっぱ若干顔強張ってんね」
川 ゚ -゚)「まぁな、仕方無いだろう…取り敢えず乾杯といくか」
('、`*川「そうしましょそうしましょ。まだ終わってないけどお疲れっす!」
川 ゚ -゚)「お疲れさん」
このまま酒に身を委ねたい気持ちを抑えつつ、この後もストーカーの動向をトイレに行ったりしながら見たりしながら
なんとかしぃちゃんの勤務時間が終わるまで居座ったけど…特になし。
強いて言えば、ホールにしぃちゃんが現れる度に注視していたように見えたのと、貧乏ゆすりが激しいなぁとか…右手の親指の爪を噛んでいるようにも見えた。
明日、ブーンとジョルジュには昼過ぎに出勤するように言ってあるから、バイト終わりを2人につけさせるつもり。
今日はもうこのまま帰ることにする…酒も入ってそろそろ限界、死ぬ。
71
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 01:32:23 ID:dB01GltI0
第3話 1/2
つづく
72
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 02:07:05 ID:/mPJYkNM0
おつ
いい感じに進んできたな
73
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 09:03:30 ID:el9gLaGQ0
乙
どんどん面白くなっていくな
続き期待
74
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 19:12:25 ID:rDAFHXdQ0
乙
話の中の小ネタがいい感じ
75
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 21:19:44 ID:SJUCeTJM0
ミルク豚野郎ツボった
乙
76
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:08:28 ID:dB01GltI0
翌日―――。
昨日と同じように6時前に出勤、ギコをしぃちゃん宅に、ドクオを大学に配備させてある。
『こちら猫野だ、昨日とまったく同じ格好で現れたぞ』
('、`*川「何かやってる様子は?」
『無い、ただ見てるだけだ』
('、`*川「そうですか…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『鬱篠です、しぃさん達来ました。ストーカーも…あっ!いなくなりました』
('、`*川「やっぱいなくなるんだ…わかった、昼過ぎにブーン達来るから、そしたら戻ってきていいよ」
『わかりました』
同じ時間帯、同じ格好で現れて、また同じようにしぃちゃんの後をつけてた。大学に着いたらそそくさと姿を消す。ここまで昨日とまったく一緒。
これが逆に不自然に感じてしまう、まるで私達と同じで張り込みしてるみたい。
お昼過ぎ、出勤してきたブーンとジョルジュを向かわせ、ギコとドクオを交代させる。
( ^ω^)「おっ、お疲れだお。後は先輩に任せるお」
('A`)「お疲れ様です。じゃあ戻ります、お願いします」
77
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:09:02 ID:dB01GltI0
ドンッ
('A`)「おわっ!?」
「!!」
( ^ω^)「おいおい、何やってんだお」
('A`)「すみません!大丈夫ですか!?」
( ^^ω)「……っ!…」
('A`)「あ、あのっ!行っちゃった……なんだよ、無視はないだろ」
_
( ゚∀゚)「おい、今のやつ内藤似の大学生じゃね?」
(,,゚Д゚)「ぶつかっておいて謝りもしないとは、性根まで内藤に似てるじゃないか」
( ^ω^)「どこが僕に……僕はちゃんと謝る礼儀正しい人間だお!(…正直似てるなんて言えない)」
〜〜〜〜〜〜〜〜
78
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:09:48 ID:dB01GltI0
(,,゚Д゚)「戻ったぞゴルァ」
ξ゚⊿゚)ξ「お疲れ。はい、プロテイン」
(,,゚Д゚)「おっ、さすがツンよ。気が利くな」
('A`)「ペニサスさん、レーズンバターとクラッカーまた買ってきました」
('、`*川「お、ありがとー。お釣りいらんよ、今回は自分の飲み物でも買いな」
('A`)「いえ、そういう訳には。今ポケットから出しますね……あ、これ」
('、`*川「ん、なに?」
('A`)「いや、大したことじゃ…昨日大学の調査から戻ろうとしたとき、内藤さんに似た大学生も出てきたんですけど、その人が落としてったものなんですよ」
('、`*川「…なにこれ、服の値札とタグ?店の名前書いてあるよ、ただのゴミでしょこれ」
('A`)「多分そうだと思うんですけど、一応拾っといたほうがいいと思って…今日も遭遇したんですけど、渡すの忘れてました」
('、`*川「捨てちゃえば?いらないでしょ別に―――」
――ふと、閃いた。
('A`)「…そうですね、じゃあ捨てときます」
('、`*川「……いや!ちょっと待て」
79
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:10:32 ID:dB01GltI0
('A`)「?はい」
('、`*川「なになに、その内藤似の大学生ってのは、昨日は調査から戻るタイミング…つまりしぃちゃんが大学出るタイミングにってことよね?」
('A`)「そうです、今日は昼頃でしたけど…」
ξ゚⊿゚)ξ「昨日、ブーン達はしぃさん達が大学に入った後に見てましたよ」
('A`)「……まさか!」
川 ゚ -゚)「調べてみる価値はありそうだな」
(,,゚Д゚)「ドクオ、そんな大事なこと何で昨日言わなかったんだゴルァ」
('A`)「いやいや、まさかそんなことになるとは思いもしなくて…」
('、`*川「いいよ、まだ決まったわけじゃないでしょ。ツンちゃん、これ調べといて」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい」
('、`*川「ブーン、ジョルジュ、あんた達ブーン似の大学生の名前を他の子に怪しまれない程度に聞いといて!」
『ブーン似の奴の名前っすか?あいつ内藤ブーンって名前じゃねぇの?ww』
『お前もしつこい奴だお、しつこいのは女に嫌われるお』
('、`*川「はいはい、いいから聞いて来いバカども!ふざけてると減給すんぞ!
あと軽くソイツのことも何か聞けたら聞いといて」
『はっ、はいっす』
『わかったちゃんと聞くお!…まったく、お前がふざけるから僕まで巻き添え食らったじゃないかお!』
川 ゚ -゚)「一応、羽庭さんにもメールでソイツの名前を聞いておこう」
('、`*川「そうね、よろしく」
ξ゚⊿゚)ξ「ペニサスさん、今お店調べて電話して聞いてみました。
冬物の売れ残りとして2ヶ月前に安く売ってたロングジャケットって言ってましたよ」
('、`*川「待って、タグ見せて。…ブラックって書いてあるね」
川 ゚ -゚)「ほう、偶然とは思えない偶然だな」
('A`)「やっぱり、あの人が…?」
('、`*川「いやいや、まだ分からんよ。その店の監視カメラが見たいけど……ジジイに電話すっか」
80
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:11:35 ID:dB01GltI0
ちょっとだけ核心に近付いた気がしてきた、できればそこの服屋の購入時のカメラとか見たいなぁなんて思うけど当然無理。
そんな時に…そんな時だけに頼りになるのが、渋沢のジジイ。
何故頼りになるかって…そう、言い忘れてたけど、ジジイの本職はあの使えないV.I.P.の幹部。一応V.I.P.の中でもそれなりのお偉いさん。
要するに、私達はV.I.P.に関係はしてないけどこのジジイのコネを使って、手の届かないところをたまーに助けてもらうことがある。
極力控えてはいるけど、どうしても手を貸して欲しいときだけ。
オヨビダシチュウデス……オオオオレトノアイヲマモルタメェ、オオオマエハタァビダチイィィィッ
『誰だね、私の番号に電話をかける君は』
('、`*川「相変わらず待ちうたの曲うるさいんだけど、やめてくんない?」
『おお、ペニサスではないか。今日はどうした?』
('、`*川「コネを利用させていただきたく」
『もう少し包み隠して言えぬものかね、…で、今回は何だね』
('、`*川「一緒にある服屋に行って、その店の監視カメラ見させてほしいんだけど」
『ああ、では部下の兄者と弟者を向かわせよう。事務所に直接向かわせる形でいいかい?』
('、`*川「えー…弟者だけでいいよ、兄者面倒くさいし」
『まぁそう言わないでやってくれ、そうと決まれば早速連絡しておこう。少々待ちたまえ』
('、`*川「うっす」
ジジイは話が早くて融通が効くから使いやすい。そんで今からジジイの部下が来るわけだけど…
まぁ、取り敢えず昼飯でも食べながら待つことにしよう。
81
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:12:58 ID:dB01GltI0
〜〜〜〜1時間後。〜〜〜〜
ξ゚⊿゚)ξ「ペニサスさん、来ました」
「やぁ諸君、お待たせ!」
('、`*川「……はぁ、来たか」
( ´_ゝ`)「みんな、元気そうだな!俺が来たからにはもう安心してくれ」
(´<_` )「兄者、話は聞いただろ。ただカメラの映像を拝借するだけだ」
この二人がジジイの部下、兄者と弟者。
一応、あのジジイの部下だけあってそれなりに有能ならしい。弟はいいんだけど…この兄が若干ウザイ。
('、`*川「ご足労いただきましてありがとうございます」
(´<_` )「気にするな、元より大して気にもしてないだろう」
('、`*川「っへへ、まぁね」
( ´_ゝ`)「なんだか見慣れぬ顔ぶれがいるな、新しい社員か?」
川 ゚ -゚)「砂尾クーと申す、よろしく」
(´<_` )「俺は佐須賀弟者だ、よろしく頼む」
('A`)「はっ、初めまして。鬱篠ドクオといいます」
( ´_ゝ`)「……」
('A`)「…あの、何か気に障ることを言ってしまいましたか…?」
( ´_ゝ`)「君には勝てるよ」
('A`)「え?」
(´<_` )「気にするな、基本的に第一印象が勝てそうか勝てないかで見る人なんだ。こいつは佐須賀兄者という」
('A`)「は、はぁ…よろしくお願いします(もしかしてまた変人枠か?)」
82
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:14:24 ID:dB01GltI0
('、`*川「じゃあ早速一緒に服屋に行ってもらいたいんだけど」
( ´_ゝ`)「ああ、いいぞ。たかが服屋ごときこの俺が成敗してやる。悪が栄えた試し無しだ」
(´<_` )「兄者、むしろその服屋は被害者だぞ。やめておけ」
('、`*川(ほんと絡むのが面倒くせぇ……)
早速兄者のだるいノリに付き合わされそうになるけど、弟者が居ると大体ツッコんでくれるので助かる。
この弟なんだかんだで実はめちゃくちゃ優しい説。
なるべく早く用事を済ませたいので、ブーン似の大学生を見たことのあるギコとドクオを引き連れてその服屋へと向かった。
この服屋は全国的に有名なチェーン店だから、監視カメラもしっかり設置してある。
「いらっしゃいませー」
('、`*川「こんにちは」
(´<_` )「ちょっといいですか?」
「はい?」
(´<_` )「失礼、私こういう者ですが…」
「え、V.I.P.の方ですか…?」
( ´_ゝ`)「そうだ、貴様らの悪事を裁きにやってきた!神妙にせよ!」
「えっ…?」
('、`*川「バカっ、マジで頭おかしいんじゃないの!?」
(´<_` )「兄者、それは自分のキャリアにトドメを刺しかねないぞ」
( ´_ゝ`)「はっはっはっ、すまない、言ってみたかっただけだ。店長さんはいるかな?」
('、`*川「マジで勘弁して…」
こいつ、本当に後でぶっ飛ばす…。
店員の人が困惑した様子を隠せないまま店長を呼んで来てくれて、私達は店長に事情を話しバックヤードの事務所に案内してもらった。
83
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:14:24 ID:dB01GltI0
('、`*川「じゃあ早速一緒に服屋に行ってもらいたいんだけど」
( ´_ゝ`)「ああ、いいぞ。たかが服屋ごときこの俺が成敗してやる。悪が栄えた試し無しだ」
(´<_` )「兄者、むしろその服屋は被害者だぞ。やめておけ」
('、`*川(ほんと絡むのが面倒くせぇ……)
早速兄者のだるいノリに付き合わされそうになるけど、弟者が居ると大体ツッコんでくれるので助かる。
この弟なんだかんだで実はめちゃくちゃ優しい説。
なるべく早く用事を済ませたいので、ブーン似の大学生を見たことのあるギコとドクオを引き連れてその服屋へと向かった。
この服屋は全国的に有名なチェーン店だから、監視カメラもしっかり設置してある。
「いらっしゃいませー」
('、`*川「こんにちは」
(´<_` )「ちょっといいですか?」
「はい?」
(´<_` )「失礼、私こういう者ですが…」
「え、V.I.P.の方ですか…?」
( ´_ゝ`)「そうだ、貴様らの悪事を裁きにやってきた!神妙にせよ!」
「えっ…?」
('、`*川「バカっ、マジで頭おかしいんじゃないの!?」
(´<_` )「兄者、それは自分のキャリアにトドメを刺しかねないぞ」
( ´_ゝ`)「はっはっはっ、すまない、言ってみたかっただけだ。店長さんはいるかな?」
('、`*川「マジで勘弁して…」
こいつ、本当に後でぶっ飛ばす…。
店員の人が困惑した様子を隠せないまま店長を呼んで来てくれて、私達は店長に事情を話しバックヤードの事務所に案内してもらった。
84
:
名無しさん
:2017/05/17(水) 23:15:04 ID:dB01GltI0
('、`*川「こちらで2ヶ月前くらいに、このタグの商品を買った人物がいるはずなんですが…」
「あー、あのロングジャケットですか…そうですね、記憶にあります。中々売れないし売れるとも思ってなかった商品ですよ。
冬の時期も過ぎたんで、値引きして冬物売れ残りのコーナーに陳列してたんですがね。その時偶々私がレジに入ってまして…買ったのは若い子だったかなぁ」
(´<_` )「出来れば監視カメラの映像を拝見させていただきたいのですが」
「構いませんが、いつでしたかねぇ…録画記録は残ってると思いますけど購入された日までは覚えてませんね。売上の履歴もないですし」
( ´_ゝ`)「なに、記録が残っているのなら…探せば見つかるということだ。俺は諦めない!最後まで戦うぜ」
('、`*川「……まぁ、そういうことです」
「は、はぁ…じゃあお時間かかると思いますが、ちょっとずつ探しましょう」
店長さんが監視カメラで記録された過去の映像を少しずつ遡ってくれている。
絶対にいる、間違いない…ギコとドクオに、映像が映るディスプレイにゼロ距離で食い入るように見させている。
遡り始めて大体2ヶ月程度に差し掛かってきた。その時――。
「そろそろ2ヶ月は遡ってますねぇ」
(,,゚Д゚)('A`)「……あ!」
('、`*川「ん!?いた??」
('A`)「ちょっと巻き戻してください!」
「あ、はい…」
('A`)「ストップ!…いた!」
(,,゚Д゚)「こいつだ、間違いないぞゴルァ」
85
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:23:41 ID:L3W9azd60
その映像に買い物客として映っていた人物は……。
( ^^ω)
('、`*川「……ぶっwwwえ、待ってごめん笑うわこんなんwwめっちゃブーンに似てるじゃん!」
(,,゚Д゚)「だろ?本当に似てるんだよコイツ」
('、`*川「こいつかぁ…」
(,,゚Д゚)「このジャケット、確かにあのストーカーが着てたものだ。フード付きで黒い、形もまったく一緒だ」
('、`*川「待って、他にも何か買ってない…?」
「んー…これはカーキのチノパンと黒のキャップですね、これは今でも取り扱いあります」
('、`*川「……ははーん」
(´<_` )「店長、この映像をいただきたい」
「はい、わかりました」
(,,゚Д゚)「さて、そろそろ灸を据える時だな」
('A`)「この人で確定ってことですか…?」
('、`*川「んー?まぁ見てなよ、新入りくん」
( ´_ゝ`)「いいぞ、悪には正義の鉄槌を叩きこんでやらねばならない。ココからが俺の本領発揮だ」
('、`*川「いや、もうあんた用無し。弟者ありがとね、助かったわ」
(´<_` )「気にするな」
ブーン似の大学生が映っている映像を貰い、服屋を後にする。
此処で佐須賀兄弟とは別れて事務所に戻って、色々おさらいしなきゃならない。
弟者にはこういうときいつもお世話になる、弟者には本当感謝。弟者にはマジでリスペクトしてる。
86
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:24:55 ID:L3W9azd60
('、`*川「たっだいまー。凄く良いの持ってきたよ」
川 ゚ -゚)「お帰り、こちらもそれなりに手応えはあるぞ」
('、`*川「んじゃちょっとまとめよっか」
川 ゚ -゚)「先程内藤達から報告があってな…まず内藤似の大学生だが、こいつの名前は『は瀬川』。羽庭さんと同じ学部であることがわかった」
川 ゚ -゚)「このは瀬川という大学生だが、普段から人と話さない…というより、話し掛けても返事をされないらしい」
ξ゚⊿゚)ξ「よほどの人見知りか、他者との関わりを断ち切ってるか、ね」
川 ゚ -゚)「私から羽庭さんに、は瀬川との接点を聞いてみたが…声を掛けたりしたことはあるらしい。
ブーン達の報告によれば…は瀬川が、羽庭さんを目で追っているような感じは見てて分かるとのことだ」
('、`*川「なるほどねぇ……あ、じゃあ今度は私ね。ドクオ、ツンちゃんにディスク渡して」
('A`)「あ、はい」
ドクオが例の映像をコピーしたディスクを渡す。
全員を一旦ツンちゃんのデスク前に集め、先程服屋で確認した映像を見てもらった。
ξ゚⊿゚)ξ「うっわ、めっちゃブーンに似てる…これ、もうほぼ確定じゃない?」
川 ゚ -゚)「確かに似ているな…」
('、`*川「やっぱそれ最初つい言っちゃうよね?私もくだらないと思ったけど見たとき吹き出しちゃったもん」
('、`*川「ブーン、ジョルジュ、そのは瀬川って奴が出てきたら追跡して」
『ういーっす』
『そろそろチェックメイトかお?』
('、`*川「んー、まぁ…近いかな」
この後、2人には瀬川の追跡とファミレスでの張り込み、しぃちゃんが帰宅してからのアパートの前に張り込んでもらった。
この日の結果は明日の朝まとめて、それからしぃちゃんに報告をする予定。
さて…もうしぃちゃんには気持ち晴れやかに過ごしてもらいたい。そろそろ、終わらせなきゃ。
87
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:25:59 ID:L3W9azd60
翌日の早朝…昨日の結果をまとめて、しぃちゃんにはは瀬川を事務所まで連れて来て欲しいと連絡をした。
いよいよ対面だ、個人的にはブーンに似てる顔を直接見れる楽しみもあるけど流石に今はそんな時じゃあない。
私達はもうある程度慣れてはいるから気持ちは落ち着いてるけど、ドクオは相当緊張してるみたい。鼻息荒いもん。
そして、夕方…ついにその時は来た。
ξ゚⊿゚)ξ「しぃさん達、来ました」
(*゚ー゚)「こんにちは、皆さん」
('、`*川「どもー」
ツンちゃんに連れられて、しぃちゃんが軽く頭を下げて入ってきた。
その後ろには…。
( ^^ω)「……」
今回の件の元凶、しぃちゃんを苦しめているであろう人物が居た。
クーの報告で人物像を聞いてからなんとなく察しはしていたけど、挨拶等はされない。こっちをろくに見てもいない。
これはいささか…大学生ともあろう年齢の人間が、問題があるんじゃないか?まぁいきなりこんなとこ連れて来られて怖いのかもしれないけどね。
('、`*川「はじめまして、は瀬川さん…ですね?私、こちらで何でも屋ってのをやらせてもらってます。ペニサスと申します」
川 ゚ -゚)「砂尾クーと申します、取り敢えずこちらへお座りください」
( ^^ω)「……」
ソファ席へ案内するも、反応なし。渋々と座ってはいるけれど。
しぃちゃんはコイツの隣に座らせたくないから私の隣に座らせた。
88
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:26:45 ID:L3W9azd60
('、`*川「は瀬川さん…今日はですね、とある件でしぃさんに呼んでいただきました」
( ^^ω)「……」
('、`*川「此処に来るの、初めてじゃないですよね?一度来てますよね。…しぃさんの後をつけて」
(*゚ー゚)「えっ…?」
( ^^ω)「……」
('、`*川「いやぁ実はですね、私達しぃさんからご依頼を受けまして。その内容なんですけど…どうやら、毎日毎日ストーカーの被害を受けてるらしいんですよ」
('、`*川「毎朝毎晩、自宅の前から見られてて、朝学校へ行くときもずっと後をつけられて。
バイト先でもずっと客として監視されて、帰った後もしばらく家の外でずっと見られてるっていう相談を受けたんですよ」
('、`*川「毎日毎日すごく辛いそうです。そりゃ辛いですよねぇ、誰かも分からない人に一日中見られてたら気が狂いますよ。
なので、ストーカー行為を止めさせてほしいってのと…そのストーカーが誰なのかを調べて欲しい。って依頼です」
( ^^ω)「……」
('、`*川「ブーン、よろしく」
( ^ω^)「はいお。…よろしくそっくりさん」
( ^^ω)「……」
_
( ゚∀゚)「……ブフッww」
('、`#川「……」
_
( ゚∀゚)「…っす」
89
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:27:22 ID:L3W9azd60
ブーンが今まで撮影した現像写真を持って、は瀬川の目の前のテーブルに並べていく。
( ^ω^)「まずこの1枚目の写真なんですが、朝6時くらいの写真ですお。しぃさんの家の前の写真です。
この格好をした男が常にこの場所からしぃさんの部屋を見上げてると、しぃさん本人から教えてもらいました」
( ^ω^)「その情報に基づいて実際に此処に出向いて撮った写真ですお、これ。黒のフード付きロングジャケットに、深々と被った黒い帽子。
カーキ色のチノパンに白い運動靴。顔はバレないようにマスクもしてあるお」
(,,゚Д゚)「ちなみに、今朝も試しに行ってみたら居たぞ」
( ^ω^)「それでこの2枚目の写真が、友達と大学へ向かうしぃさんを後ろから着いて歩いてる写真です。
この写真に関してもしぃさんから教えてもらった情報、且今朝もこの姿を確認済みですお」
( ^ω^)「3枚目の写真が、しぃさんが大学へ着いた後の写真ですお。この時、この男は見て分かるように…どこかに急ぎ足でいなくなってるんだお」
( ^ω^)「4枚目の写真、これはしぃさんのバイト先での写真です。大体夜の7時から10時までずっといますお」
( ^ω^)「そして5枚目の写真が、しぃさんが家に帰ってからの深夜の写真です。これもしぃさんの部屋を見上げてますお」
( ^ω^)「この写真、全部共通して同じ格好をしてます。しぃさんの情報では違う服を着てたこともあるみたいですが、この時は全部同じ格好ですお」
( ^^ω)「……」
無言を貫いているは瀬川の挙動に変化が表れ始めた。
この間クーとバイト先に調査しに行ったときに見た、ストーカーの挙動…貧乏ゆすりと、右手の親指の爪をかじる。
貧乏ゆすりはそれほどだが、右手の親指を口元に運び、爪を噛み始めた。
90
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:28:31 ID:L3W9azd60
( ^ω^)「それと、最後にこの4枚の写真ですが…これ、駅のコインロッカーでの写真ですお。
大学に着くなり足早に消えた3枚目の写真、この写真の行き先が駅のコインロッカーです」
( ^ω^)「このコインロッカーからバッグを出して、どこに行くのかと思えばこのトイレに行ってるんですお」
最後にブーンがは瀬川に見せている写真…大学近くにある駅のコインロッカーからバッグを取り出している姿が写っていた。
そのあと、取り出したバッグを持って男子トイレに入っていく写真…。
( ^ω^)「そして…このトイレから出てくるところの写真が……これですお」
( ^^ω)「……!」
ブーンが見せたその写真には………。
先程ロッカーから取り出した、中身を詰めたであろうバッグを肩に下げた、は瀬川が写っていた。
(*゚ー゚)「……」
( ^ω^)「もちろんこの逆バージョンもありますお、この人がロッカーからバッグを取り出してトイレに向かい、
そのバッグを肩に下げたストーカーがトイレから出てきた時の写真ですお」
('、`*川「……は瀬川さん。これ、貴方でしょ?」
( ^^ω)「……」
段々貧乏ゆすりが激しくなってきた…こんな露骨な心境を表した動作は、いくら黙っていても自白しているようなもんだ。
そもそもこの写真が、どれだけの言葉を並べても覆すことのできない証拠だし。
('、`*川「じゃあついでに、映像も見てもらいましょうか。ツンちゃん」
ξ゚⊿゚)ξ「はーい、ただいま」
ツンちゃんがタブレットを持って、目の前のテーブルに見やすいように設置する。
ξ゚⊿゚)ξ「今から見てもらう映像ですけど、これはとある服屋で貴方が服を購入する場面の映像になります。
一応、購入した日と時間も把握済みですよ」
テーブルに設置されたタブレットに、服屋でもらった映像が流れる。
間違いなくこいつが映っているし、間違いなくこいつが買っている。ストーカーが着用していたジャケット、パンツ、帽子を。
91
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:29:05 ID:L3W9azd60
('、`*川「ドクオ、値札もってきて」
('A`)「はっ……はい」
緊張からか全く出てない声で返事をするドクオ。
ドクオが拾った値札とタグをテーブルの上に並べる。
('、`*川「この人見たことありますよね?大学前で貴方とぶつかった人ですよ。この人が、貴方が落としたこの値札を拾ったんです。
それで服屋を特定できました。この服屋の店長も貴方が購入したこと覚えてたようですよ」
( ^^ω)「……」
最初だけちらっと見たけど、そのあと俯きだした。もう見てすらいない。聞いているのかも分からない。
貧乏ゆすりと爪かじりはしたままだ…私はずっと、ずっとこいつを見つめている。
未だに何も言葉を発さず無言を貫き、目の前に逃れ様のない証拠を見せられているにも関わらずそれからも目を逸らし、何も言わない。
しぃちゃんも、戸惑ってるのか怒ってるのか怖いのか、いろんな感情が入り混じった表情をしているように見える。
―――段々、腹が立ってきた。
('、`*川「…しぃさんね、毎日毎日訳も分からず何されるでもなく監視されて、本当に辛い、普通に過ごしたいって泣きながら相談しに来たんだよね。
まだ若いし女の子だし、見て分かるでしょ?こんなか弱そうな子。さっきも言ったけど、本当気が狂うよ、頭おかしくなるよ」
('、`*川「こんな子を、自分のエゴで怖い目や辛い目に合わせたらダメでしょ。V.I.P.にまで相談してるんだよ。
でもあいつらじゃまともに取り合ってくれないからってウチに来たのよ」
('、`*川「…それとね、貴方のその貧乏ゆすりと爪を噛む癖。私がしぃさんのバイト先で張ってた時に見たストーカーの挙動とまったく一緒。
もうこれだけの証拠あるんだし、いい加減観念しなよ。ねぇ、同じ学部のは瀬川丸太さん」
(*゚ー゚)「……は瀬川くん、何とか言って?」
そう言い放った瞬間、は瀬川の挙動が停止する。話は一応聞いてるみたい。
すると、俯かせたままの顔を重たく上げ始めた。
やっと何か言う気になったか……?
92
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:29:44 ID:L3W9azd60
( ^^ω)「……だって、僕の恋人だから」
(*゚ー゚)「え……」
('、`*川「……」
口を開いたと思ったら…何を言い出すんだこいつ。
( ^^ω)「し…しぃさんは、大学で僕が分からなかったことを、お、教えてくれたんだホマ。
僕は人と話すのが得意じゃないから…でも、しぃさんはそんな僕に声をかけてくれたんだホマ」
( ^^ω)「僕はすごく嬉しかったし…その時、好きになってしまったんだホマ。こんな僕に声をかけてくれるなんて…って」
( ^ω^)(その気持ちすごいわかるお…)
( ^^ω)「でも、僕は思った…僕のことを好きな人じゃないと…僕に話しかけるわけないホマ!
だから、きっとしぃさんは僕を好きなんだホマ!僕もしぃさんが好きで、両思いホマ!」
ξ゚⊿゚)ξ「…はい?」
_
( ゚∀゚)「待て待て、こいつ何言ってやがんだ…?」
( ^^ω)「ある日僕はしぃさんがストーカーに悩まされてることを知ったホマ、夜中に名前を叫ばれたりするって。
僕はすごく、怒りを覚えたホマ…僕のしぃさんを傷つけるような奴は許さないって」
( ^^ω)「だから僕は…そいつを殺したホマ」
('、`*川「…!!」
(*゚ー゚)「えっ…??」
(,,゚Д゚)「……」
93
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:32:15 ID:L3W9azd60
嘘でしょ…?殺した??
ていうか、ちょっと待って…夜中に叫んで注意を受けたストーカーと、こいつは別人…ってこと?
何だこの展開…めちゃくちゃ戸惑ってるしびっくりしてる、ここまでは想定外だった。
は瀬川の殺した発言を聞いてからか、ギコが臨戦態勢に入ってるのが横目で見て分かる。
( ^^ω)「V.I.P.に注意されたからってやめるわけないホマ!そいつは絶対また同じことを繰り返す…絶対に。
だから殺したホマ、しぃさんの苦しみを骨の髄まで味合わせるように…ゆっくりといたぶって殺したホマ!!」
('A`)「ウソだろ……」
( ^ω^)(なんて奴だお…こんな奴、全然僕と似てないお)
( ^^ω)「…それから僕は考えついたホマ、しぃさんをストーカーする奴はまた必ず現れるホマ。
僕がしぃさんを守らなきゃ…でも、僕がそんなことをしていると知ったらきっと幻滅されるホマ」
( ^^ω)「だから僕は自分の正体を隠して、影からしぃさんをストーカー…いや、しぃさんを苦しめようとするこの世の全てから守ろうと思ったホマ」
( ^^ω)「僕は毎朝しぃさんの家の前で、学校で、バイト先で、毎晩家の前でしぃさんを見守ってたホマ。
そのおかげでしぃさんを苦しめる輩は現れてないホマ。ほほほ、僕のしぃさんを傷つける奴は許さないんだホマ!」
( ^^ω)「僕等はいずれ2人きりの世界で生きるホマ、誰にも邪魔されない2人だけの世界で、幸せに暮らすんだホマ。
そのためには…大学はちゃんと出てしっかり働かないとダメなんだホマ」
川 ゚ -゚)「…殺人の件は流石に手に負えんぞ、V.I.P.に連絡するか?」
(*゚ー゚)「……待ってよ、私は瀬川くんのこと嫌ってなんかないよ。同じ学部の人だから、仲良くしようって思ったの。
けど…いくらなんでもそんな勝手な話はないよ!それに、いくら私を助けようとしたからって人殺しなんかしちゃだめだよ!」
('、`*川「しぃちゃんの言う通りね」
…しぃちゃんの言葉を聞いた途端、は瀬川の様子が変わり始める。
こういう手合いはちょっと、危ないかもしれない。
94
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 08:33:33 ID:L3W9azd60
( ^^ω)「…何言ってるんだホマ?僕としぃさんは恋人だ、将来僕が安定した暮らしを与えるし、結婚もするホマ」
(* ー )「……は瀬川くん、ちょっとおかしいよ」
( ^^ω)「おかしいのはしぃさんの方ホマ…どうしたんだホマ?僕と君はお互いを想ってる仲じゃないかホマ。
なのに何でそんなこと言うんだホマ?」
(* ー )「違う…やめて」
( ^^ω)「…ああ、わかったホマ。こいつらホマか?君が友達と何でも屋に相談しに行くなんて言ってたから正直不安だったんだホマ。
君の後をつけて外から此処に入った君を見てたけど、やっぱりこいつらに毒されてしまったんだホマ。ああそうだ…そうに違いないホマ」
(* ー )「違うってば!もうやめて!」
( ^^ω)「お前等のせいホマ…お前等がしぃさんを毒に犯したからこうなってしまったんだホマ。僕等の邪魔をしたホマ。
僕等の邪魔をしたな?僕等の邪魔をする奴は許さないホマ…みんな消してやるホマ、みんなみんなみんな殺してやるホマ!!」
既に理性を消失した様子で、狂気に溢れた表情をしている。
は瀬川はソファから立ち上がり…バッグの中にあった包丁を取り出した。
('A`)「ちょっ…!」
( ^ω^)「マジかお…!待て、待てお!落ち着くんだお!」
_
(#゚∀゚)「このクソ野郎…何んなもん見せびらかしてんだ?ぶっ殺すぞてめぇ!」
ξ゚⊿゚)ξ「バカ!変に刺激してどーすんのよ…!」
私は、しぃちゃんの隣に座ったままは瀬川を、動じることなくただ見つめる。
95
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 14:39:39 ID:L3W9azd60
川 ゚ -゚)「君、そんなことをしたら一体どうなるかは分かっているのか?」
( ^^ω)「分かってるホマ、邪魔な奴らが奴等が消えてまたしぃさんと2人きりの幸せな世界が戻ってくるホマ!!」
('、`*川「……」
( ^^ω)「お前から消してやるホマアアァァァァ!!!!」
(* ー )「やめて!!!」
隣でしぃちゃんがひどく泣きじゃくっている。
もはや狂人と化したこの男は、私に向けられた包丁を持つ腕を大きく振り上げ、ひどく叫びながら振り下ろす―――。
――その瞬間、包丁を持つ男の手にギコの蹴りが入れられる。
包丁は音を立てながら床に転がり落ち、私に刺さることはなかった。
(,,゚Д゚)「ゴルァ!」
( ^^ω)「ぐふっ!」
戸惑うは瀬川の顔面に、裏拳が命中する。
ギコは、怯むは瀬川の服と髪の毛を掴み広い場所へ引き連れると、腹部へ膝を数回ぶち込み、顔面に肘を鈍い音を響かせながら叩き込んだ。
すかさずジョルジュも加勢し、ギコの攻撃で完全に弱ったは瀬川を床に押し付け動きを封じる。
ドクオも何故か加わり、は瀬川の両足を押さえつけている。
(,,゚Д゚)「おとなしくしろゴルァ!」
_
(#゚∀゚)「おいてめぇコラ、ケジメつけてもらおうじゃねぇか。ええ!?」
完全に怒りモード入ったジョルジュが、身動きの取れないは瀬川の顔面を拳で殴ろうとしたけど、すかさずそれを止めた。
96
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 14:40:49 ID:L3W9azd60
('、`*川「ジョルジュ、やめとけ」
_
(#゚∀゚)「ああ!?こんなことやられて黙ってられねぇっすよ!おい、あの世に行くのはてめぇだこの野郎!」
('、`*川「ジョルジュ!」
_
(#゚∀゚)「……ちっ」
( ^^ω)「ごほっ!…うぐ……」
川 ゚ -゚)「V.I.P.には連絡しておくぞ」
('、`*川「お願い」
隣で泣きじゃくるしぃちゃんの頭を撫で、取り押さえられたは瀬川のもとへ歩み寄る。
('、`*川「……ねぇ、これで満足?」
( ^^ω)「くっ…」
('、`*川「僕としぃさんの2人きりの幸せな世界ねぇ。しぃちゃん見てごらん、すごい泣いてるよ」
( ^^ω)「お前等が…っ変なことを吹き込んだから――」
('、`#川「いい加減にしろよクソガキ!!」
97
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 14:42:27 ID:L3W9azd60
( ^^ω)「…!」
( ^ω^)「説教タイム入るお」
('、`*川「何が幸せな世界だ、どの口がほざいてんだ?おい、この口か。仮にもあんたが好きな人をあんな風にしておいて、何の幸せがあるんだ?言ってみろ」
('、`*川「あんたを敬遠して、仲間にも入れないような奴等の中で話しかけてくれたのが誰だって?しぃちゃんだって?
この事実に感謝しろなんて次元の低い話はしないよ、周りに流されないで自分の意思であんたと向き合ったのは誰なの?」
( ^^ω)「……」
('、`*川「好きになった気持ちは本当だろうし、それは悪いことじゃない。でも、その気持ちの向け方が違うと思わないの?
あんたはしぃちゃんを好きだ好きだって言ってるけど、あんたが本当に好きなのは、しぃちゃんを好きでいる自分だよ。自分しか見てないんだよ」
('、`*川「そんな事も分からずに好きな人に自分の理想を押し付けて、案の定このザマって…あんた、救えないバカだよ。ヘドが出る、クソ野郎だお前は!」
('、`*川「そんなに殺したいなら…ほら、やれよ。包丁返すから」
('A`)「ペニサスさん、何言ってるんですか!」
床に転げ落ちた包丁を広い、は瀬川の目の前に投げ捨てる。
('、`*川「ほら、どうした?2人きりの世界を作りたいから、自分にとって不都合なものは消したいんでしょ?
それが正しいと自分で分かってても、都合が悪いから最もらしいこと言って正当化して消したいんだろ?」
('、`*川「悪いけど、あんたなんかこれっぽっちも怖くないんだよ。自分に自信を持たない、持とうとせずにただ逃げ回って周りのせいにして。
自分が変わろうとしないあんたみたいな弱い人間がいくらこんなもん振り回したって、何の恐怖も抱かない!あまりナメてんじゃねぇぞ、クソガキ」
98
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 14:43:46 ID:L3W9azd60
( ;;ω)「ぐっ…ううううぅ……」
……はぁ、全部言ってやった。スッキリした。正しいことを言ってるつもりはないけど、とにかくスッキリした。
は瀬川は目の前でめちゃくちゃ泣いてる、床に鼻水やら何やら垂らしやがって…どこまでふざけてんだコイツ。
そこに、しぃちゃんがゆっくりと近付いてきて、は瀬川の目の前で腰を下ろす。
('、`*川「…大丈夫?」
(*゚ー゚)「はい、…は瀬川くん」
( ;;ω)「ぐすっ…」
(*゚ー゚)「…私を助けようとしてくれたんだよね、ありがと。でも…は瀬川くんには罪をちゃんと償って欲しい」
( ;;ω)「……」
(*゚ー゚)「私、は瀬川くんのことちゃんと待ってるよ。一度友達になろうと思ったんだもん、それは変わらないから。
だから、その時また改めて友達になれたら嬉しいな」
( ;;ω)「っぐぐ…うおおおおぉお…ごめんホマ、ごめんなさいホマァァ」
('、`*川「……ふう」
( ;ω;)「うおおおお…っなんていい子なんだお、こんないい子このご時世滅多にいないお」
ξ゚⊿゚)ξ「あんたまで泣くとどっちがどっちだか分からなくなるからやめて」
_
( ゚∀゚)「…へっ、手間取らせやがって」
(;'A`)「こ…こわかった……」
(,,゚Д゚)「なんとか、一件落着って感じか?」
川 ゚ -゚)「まったく、こんな事態になろうとは…中々肝が冷える仕事だな、この何でも屋とやらは」
('、`*川「へへ、何でも屋っすから」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
99
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 14:45:32 ID:L3W9azd60
この後、クーの通報で来たV.I.P.が、は瀬川を逮捕して行った。
同時に、過去には瀬川が殺したストーカーの件も浮き彫りになり、またV.I.Pから後ほどしぃちゃんに謝罪があったみたい。
バカみたい、謝罪するくらいなら最初からちゃんとやれって話。これだからV.I.P.は…本当、両親は尊敬してるけど、この組織は尊敬できないししたくない。
は瀬川の一件から2日後。
しぃちゃんが手土産のようなものを持ってきて事務所にやってきた。
(*゚ー゚)「みなさん、今回は本当にありがとうございました。本当に感謝してもし切れません」
('、`*川「いやいやいいんだって、可愛い子を守るのが我々の役目ですから」
( ^ω^)「そうだお、僕らは年下の可愛い子ちゃんの為なら命を張って助けるお!」
('A`)「いつからそんな美女専門の何でも屋に…」
ξ゚⊿゚)ξ「年下の可愛い子ちゃん達の安全のために死んでくれない?」
(*^ω^)「はいっ!よろこんで!ブヒーーッwww」
('、`*川「っもう、うるさいんだけど!あっち行けよ!」
(*゚ー゚)「あはは…」
('、`*川「ごめんねー騒がしくて」
川 ゚ -゚)「まだ2日ほどしか経ってないが、その後どうだ。身体的にも気持ち的にも、疲れていないか?」
(*゚ー゚)「はい、大丈夫です。…正直まだ感覚が抜けないところがありますけど、ギコさんにいつも着いてもらってるので…」
(,,゚Д゚)「ゴルァ」
('、`*川「おっ、ギコいいじゃん。付き合っちゃえば?」
(,,゚Д゚)「なっ!何を言い出すんだゴルァ!」
(*゚ー゚)「ええ、そんな…まだ早いですよ。ちゃんと段階踏まないと…」
_
( ゚∀゚)「段階踏まないとってことはそのつもりがあるってことだろ?」
(*゚ー゚)「ええっ!あの、その…」
(,,゚Д゚)「ジョルジュ、人をからかうのは寄せ!またぶっ飛ばされたいのかゴルァ」
_
( ゚∀゚)「ひい〜怖い怖いwwそろそろ番戻んねぇとな〜ww」
(,,゚Д゚)「こいつ…っ!」
100
:
名無しさん
:2017/05/18(木) 14:47:02 ID:L3W9azd60
('、`*川「あっはっはー、愉快愉快」
(*゚ー゚)「…あっ、あの。これみなさんで食べてください。それで…これ、きちんと助けていただいたので、お金です」
川 ゚ -゚)「すまないな、私が受け取るとしよう」
('、`*川「ありがとね、しぃちゃんのおかげでまた私達は首の皮が繋がったよ…」
(*゚ー゚)「そんな、私の方こそ本当に感謝してます。皆さんがいなければ私、ずっと悩んでました…。
何の面識もなかった私に此処まで真剣に向き合ってくれた皆さんは、私にとってこの町の誇りです!」
('、`*川「…へへ、やだなぁもう。照れる〜」
川 ゚ -゚)「ありがとう、やる気がみなぎってくるよ」
ξ*゚⊿゚)ξ「…そんなことで照れなくても」
( ^ω^)「ツンが一番照れてるくせに、顔真っ赤だお」
ξ*゚⊿゚)ξ「っ…!うるさい、ブサイク!死ね!」
('A`)(誇り…か。そんなこと言われたことないや……気分良いかも)
誇りかぁ…こんなにド直球に褒められたのは初めてだから、非常に照れくさい。
でも、こういう言葉があると私は素直に「やっててよかったな」って思う。褒められて喜ばない人はいないし。
同時に、これからも続けていこうっていう活気に繋がる。世の中金だけど、金が全てじゃないんだよねぇ。
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