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ブーンの楽しい○○

1名無しさん:2016/06/04(土) 23:56:38 ID:vPSzzjtE0
( ^ω^)

2名無しさん:2016/06/04(土) 23:58:02 ID:vPSzzjtE0

                                                        https://www.youtube.com/watch?v=_gn0bozZVyU











            大航海時代。それは、海にまだ見ぬ夢を見た希望の時代である。
















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3名無しさん:2016/06/04(土) 23:58:54 ID:vPSzzjtE0

高い空。どこまでも続く海。遠くには入道雲が見える。潮風の香り。鳥の声。顔を上げれば頬に風が当たり、髪が優しく舞う。
海の向こうには何が待っているのだろうか。きっと何かが待っている。人々は海の向こうを想うのだ。

憧れは果てない。いつの時代でも、人間は憧れをもって生きている。

海の人は想った。この海の向こうには黄金がある。
海の人は想った。この海の向こうには仲間がいる。
海の人は想った。この海の向こうには憧れていた何かがある。

大航海時代。それは憧れの時代。誰もが希望を持っていた時代。
そんな楽しい時代を生きる、一人の男がいた。その名はブーン。彼もまた、時代の夜明けに大きな夢を抱いていた。

遠い海を見つめ、彼は冒険を想う。まだ見ぬ仲間、絆を想う。


夢と希望があふれるこの時代。今回はモニターの前の皆さまと一緒に青い世界へ出港してみたいと思う。
もちろん、このブーンも一緒に。


( ^ω^)


さあ、夢と希望の大海原へ。

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4名無しさん:2016/06/05(日) 00:00:15 ID:EcTaGEX20









                                https://www.youtube.com/watch?v=pUJdHQqsEFM



  /⌒\
 ( ^ω^)      n
 ̄     \    ( E)  ブーンと一緒に出港だお!
フ     /ヽ ヽ_//



行こう! 運命は君を待っている! 数々の驚き、喜び! それは君だけの物語だ!
ポケットのコイン! ユワナビーマイフレンド!

ロマンあふれる大航海時代。君は大切な”何か”を見つけることが出来るだろうか?
答えはすでに決まっている。きっと君は見つけることが出来る。なぜなら、君の心には希望の二文字が輝いているのだから!











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5名無しさん:2016/06/05(日) 00:01:03 ID:EcTaGEX20
































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6名無しさん:2016/06/05(日) 00:01:53 ID:EcTaGEX20



                                    https://www.youtube.com/watch?v=FWiyKgeGWx0








         _人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
         > だが、実際の大航海時代はそんな生易しいものではないのだ<
          ̄Y^Y^Y^ Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^YY^YY^Y^Y^ ̄












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7名無しさん:2016/06/05(日) 00:03:04 ID:EcTaGEX20
夢や希望などあったものではない。あったとしても金と名声、果ては支配欲にまみれた夢や希望である。
そして海に待っているのは孤独と絶望。まさに狂気の世界。
人は海などに出なくてよかったのだ。人は海に出て、世界を乱した。

さあ、地獄の時代が幕開ける。今日はモニターの前の皆さんに大航海時代は如何なるものかというのを知ってもらいたい。
もちろん、ブーンも一緒だ。
だが時代が時代の為か、どうせ海に出ればすぐ死ぬのでブーン一人ではなく、一族に登場してもらおう。




  「僕はブーンだお!」 「僕はブーンだお!」 「僕はブーンだお!」「僕はブーンだお!」 「僕はブーンだお!」

      ( ^ω^)       ( ^ω^)       ( ^ω^)       ( ^ω^)        ( ^ω^)

         ブーン       ブーン2世      ブーン3世       ブーン4世        ブーン5世
    (1401 - 1434)    (1432 - 1487)     (1460 - 1500)    (1480 - 1497)     (1498 - 1521)




ここに5世代に渡って時代に振り回された哀れなブーンを用意した。それぞれが気のいい奴で、憎めない、絶妙な具合になっている。
彼が身をもって大航海時代がどんな時代だったかを紹介してくれるハズだ。

長い前書きもこのくらいにして、時代とともに無様に死んでいくブーン達を実際に見てみよう。
さあ、ブーンの楽しい大航海時代の始まりだ。


.

8名無しさん:2016/06/05(日) 00:03:55 ID:EcTaGEX20
















                                ( ^ω^)

                          1. ブーンの楽しい大航海時代













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9名無しさん:2016/06/05(日) 00:05:45 ID:EcTaGEX20

§ ブーン(1401 - 1434)                                 https://www.youtube.com/watch?v=Qe4yTxbOTi4


さて、前置きもそのくらいにして、と言っておきながら背景を少しは押さえておかなくてはゴリラのココでも中々理解がしづらい。
そもそも大航海時代とは、ポルトガル、スペインを中心とする国が活発に海外進出が盛んだった15世紀あたりのことを言うのであるが、
どうしてそんな時代になったのかということを知っておくと、ふりかけ位にはウマ味が増すだろう。


大航海時代になるキッカケとしては、以下の3つを押さえておけば良い。


         _人人人人人人人人人人_
         > イスラムマジ強すぎィ!<
          ̄Y^Y^^Y^Y^Y^YY^Y^Y^Y^ ̄

         _人人人人人人人人人人人_
         >  プレスタージョンッ!!  <
          ̄Y^Y^^Y^Y^Y^YY^Y^YY^Y^Y^ ̄

         _人人人人人人人人人人人_
         > コショー便利すぎひん!?<
          ̄Y^Y^^Y^Y^Y^YY^YY^YY^Y^Y^


これだけ押さえておけば、小学生相手に大航海時代を知っている風を吹かせることが出来る。
詳細は順を追って短めに説明していきたい。特にコショーの話に関してはもう少し後、さしあたって一匹くらいのブーンがくたばった後くらいの話になるだろう。

.

10名無しさん:2016/06/05(日) 00:06:34 ID:EcTaGEX20
物語に入る前、ブーンの先祖の住むヨーロッパのすぐ隣にモンゴルさんというキチガイ虐殺おじさんが住んでいた。
が、実家で喧嘩があったとか何とかでずっと東の方まで帰って行ってしまう。
人の親を目の前でみじん切りにしていたモンゴルおじさん。そんな彼に恐れおののいていたイスラム国家はラッキーとばかりに元気になった。

そんな中、ヨーロッパではモンゴルおじさんにビビりながらもキリスト教ブームが巻き起こっていた。
だいたい1990年代の安室奈美恵や浜崎あゆみ程度には盛り上がっていて、それなりの人たちがキリスト教いいよね〜と口を揃えていた。

当時のヨーロッパはブーン系ツイッター民ぐらいに排他的なお国柄。のそのそやってきたイスラム野郎どもをぶっ殺そう!と騒ぎ立て始める。
が、このイスラムはちゃめちゃに強い。ホントつよい。強さには理由があった。
イスラムに人間にとってアッラーの敵との闘いは聖戦である。聖戦の中で死んだ肉体は魂となって天国みたいなハッピーなところに行くのである。

つまり、イスラムの人間は戦争で死ぬことがまったく怖くないのだ。これには、遊びとばかりに王をも殺すヨーロッパ人もビビりまくり。

           |      丶
           |       )
    -  ⌒  ` ↓   ⌒  ⌒へ
 /~                   \
∠ _ 、       イ  イ       丶    「オッス! オラ、イスラム戦士! いっちょジハードやってみっか!」
      丶    / |  /     イ    L_
  -〜 -  - - (  | /  | / | ヘ     ⌒ ー _
 `〜-_ _   \く ⌒ヽ レ /⌒丶   _- - ⌒
      へ(⌒∨(⌒ヽ  /⌒)∠    ̄ー__
    〜 ̄_ヘ℃| |_  0  0  _/ / ヘ  __丶
      ̄ ̄ヾ  |   ⌒ 、 ⌒   /p 丿\
          ̄- l  ⊂  フ  ノ〜  ̄
             ヽ  _  /

            イメージ画

兵器に物言わせてオラオラやってるヨーロッパもこれにはタジタジアンドタジ。とはいえイエス様が見ているので引くに引けない。
一進一退の泥沼試合が続いていくのである。

11名無しさん:2016/06/05(日) 00:07:12 ID:EcTaGEX20
強いイスラムにコテンパンにされてもめげないヨーロッパ戦士。彼らが頑張るのにもちょっとした理由があった。
それは、




            殺 伐 と し た 中 世 に プ レ ス タ ー ジ ョ ン が !
             \                    /
               \  丶       i.   |      /     ./       /
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               \
                                              -‐
              ー                  「プレスタージョン!」
             __               。。               --
                 二           ∧∧         = 二
               ̄              (・∀ ・)               ̄
                -‐             <(  )>             ‐-
                             <  >
                /
                        /               ヽ      \
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         ◎                                    ∥∥
. ./ ̄ ̄ ̄ / . /''7    / ̄ ̄ ̄/  / ̄ ̄ ̄ /         . /__7 , /''7       / ̄/ ./''7
   ̄ ̄/ /  / / ___   ̄ .フ ./.  / ./二/ / .         /__7 ./ / / ̄ ̄. ̄/  ̄  / / 
  ___ノ / .. / /_ ノ /  .__/  (_.. /__,--,  /   / ̄ ̄. ̄/.   ___ノ / ./ ̄ ̄ /  ___ノ /  .
/____,./   ./_____.ノ  /____ノゝ_/   /___ノ   .   ̄ ̄    /____,./ ,.二二/ / /____,./  .
                                                 ̄


プレスタージョンの存在である。

12名無しさん:2016/06/05(日) 00:08:47 ID:EcTaGEX20
プレスタージョンって何だろう、プレデターみたいで強そう。みたいな人も多いだろう。
簡単に言えばプレスタージョンとは、東方にあるキリスト教国家の王様である。
しかもその国はハチャメチャに強い。グレートコナンみたいな筋肉隆々としたゴリラみたいな人間がアホみたいにいて、クッソ強い。そんな国だ。

だが、この国は本当にあるのかどうか確認されたことがないまま今日まで来ている。ネタをバラしてしまえば、いわば当時の都市伝説である。

が、この (・∀ ・) 「プレスタージョン!」 なる男。たびたびイスラムとの戦いに現れているので、侮れない。
なんたって「ペルシャよりもずーっと東方からプレスタージョンとかいうカッコイイキリスト教君主がムキムキ野郎を引き連れてペルシャをぶっ飛ばした」
という報告がガチンコでされているのだ。

ペルシャより東方といえば、キタイやインドなど。そしてインドといえばキリスト12使徒随一のおもしろ男”聖トマス”が営業しに行った場所。
たしかに、あの聖トマスが笑いを取った場所なら、そこに”おもしろキリスト軍勢”がいてもおかしくない。

時代が過ぎるにつれ、プレスタージョンなるすんごい強いキリスト教マンはマジで存在するという気になって来たヨーロッパ人。
そんな中、十字軍が「プレスタージョンが助けてくれたおかげで勝った!! ヴィクトリーーー!」なんて報告をしてきた。
連日負けっぱなしで泥水を飲むにふさわしい有様の十字軍が勝ったなんて言うからヨーロッパ人はビックリ。

      rfニ、ヽ
      l。 。 f9i  プレスタージョン!
      t≦_ノゝ、            ,,....,,,,__
      `ブ´,,:: -- ::、       ,r''"''''''ヽ:::`ヽ.
      ,rニュf::r-‐t::::::::ヽ     f´,,..、 r"::::::::::i   プレスタージョン!
     /,,, Y.. -‐ ヾ::::::::l      ノ゙ f・=  7:::::::::::l.
      ム゚゙゙' く、'゚`  ゙'"):::l    ヽ''    ゙'⌒リ:ノ  ,:rニテ三ミゝ、
     l=,,;;:. l=、  ..::" ,)ヽ、   j⌒    ト'"fノ ,r"彡彡三ミミ`ヽ、
    /`ゝ-''^ヽ''"  ,/: : : :\  ヽ、: : : '" ノ^i,  ゙ゞ''"´   ゙ifrミソヘ,
    /rf´ i′  ,f^ヽノ:,. - - 、 ヽ,,. -テ) ,/  `ヽ:,i ,,.,...、  ヾミく::::::l
   ゙'゙  l   l: : j :f´: : : : : ヽ,/   '''"´  ,,.: -  lヲ ェ。、   〉:,r-、::リ
      !   /: :ノ l: : : : : : : ノ,      ,:'"   / ,, 、   '"fっ)ノ::l
      /-‐-/: :/: l: : : : : : ,/ /     /       `i- 、ヽ  ,.:゙''" )'^`''ー- :、
. _,,..::-,テ   /`7: :(: : : : : //'´ミ)ゝ^) 〃      i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙
`_,:ィ''"  _,r''" f: : :ト---ヲ ト、つノ,ノ fノ       ノ゙i  ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
-‐-‐'''フ"  ,.ノ,:::::」、,:r'"  i _,,.:イ  /      ,r''";;;;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
、..、く´_,,∠"ィ''"´ /    ,ヽ  ゙:、 /\、   /;;;;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
´  ,ヘr:、-、=---/    ,:イ ヽ  \  `ヽ〃_;;;;;;;;;;;;f´'     ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
ーフ´ > ヽ`ー、/    /く _,,..ヽ   ヽ ,/  `゙''ーハ.     l;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
/ / ,,ゝヽ, )  ,./ ィ'"   ゙t    `'     /^t;\  ,,.ゝ;;;;;;;;;;;;;;;i;;;;;;;;;;;;

やがて、民衆は声を揃えてプレスタージョンを称えるようになった。

13名無しさん:2016/06/05(日) 00:09:32 ID:EcTaGEX20
しかし、所詮は都市伝説。大衆は騙せても知識人は騙せない。
知識人たちはプレスタージョンに半信半疑であった。

「本当にそんな話があるのか?」 「いや、信じがたいな」 「しかし、あの十字軍が……」 などと偉そうなハゲ頭をぶつけあって議論する始末。
知識人たちはものすごく頭を悩ませた。悩んだ。悩んだ。

そして存分に悩んだ末に、「東方に存在するプレスタージョンの帝国は広大であり、土は越えている。黄金があらゆる場所から出土するため、川は
金に染まり、蜜の味がする。また、宝石が良く転がり落ちていて誰でも好きにとれる。故に最強であり、出陣の時には筋肉隆々の軍団の象徴として
14本の黄金の十字架が並ぶのである。すごい国だ」 という、知識人全員が大納得の優しい結論に落ち着いた。

そんなすごい人と国があるのなら、俺たちもがんばろ〜!お〜! といった具合にヨーロッパ戦士たちは立ち上がった。

            殺 伐 と し た 中 世 に プ レ ス タ ー ジ ョ ン が !
             \                    /
               \  丶       i.   |      /     ./       /
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                                              -‐
              ー                  「プレスタージョン!」
             __               。。               --
                 二           ∧∧         = 二
               ̄              (・∀ ・)               ̄
                -‐             <(  )>             ‐-
                             <  >
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  ___ノ / .. / /_ ノ /  .__/  (_.. /__,--,  /   / ̄ ̄. ̄/.   ___ノ / ./ ̄ ̄ /  ___ノ /  .
/____,./   ./_____.ノ  /____ノゝ_/   /___ノ   .   ̄ ̄    /____,./ ,.二二/ / /____,./  .
                                                 ̄

プレスタージョンはヨーロッパ人の心なのである。
なお、その後十字軍がプレスタージョンの援軍頼りに最強イスラム軍団のいるエジプトに特攻しているが、そんなものが来る訳なく、大敗。
そのままヨーロッパのおギャグ担当を欲しいままにした事は喜ばしいニュースである。

14名無しさん:2016/06/05(日) 00:10:36 ID:EcTaGEX20
はてさて、こんな話をいつまでも続けてもしょうがない。
そろそろブーンを登場させようと思う。


( ^ω^)「ブーンだお!」


彼はブーン。出来立てほやほやの赤ちゃん国家、ポルトガルで生まれた。
ブーンのお父さんは国に仕える人。いわゆる公務員みたいなもので、ブーンはあんまり不自由することなく育ってきた。
とはいえ、キリスト教ブームのさなか、近くのイスラム国家に喧嘩を売ることはしばしば。決して生活が安定していたわけではない。

そしてブーンは大人になってお父さんと同じように国に仕えることになった。

当時、ポルトガルにはエンリケ王子という、いかにも王子っぽい名前の王子がいた。

                 ,イ  ,ィ    ,  '"                \
            / ト、 l \_/                      \ノ
            l   `ー―'       /               \
            ゝ            /                      ',
            ト、_,>、  l      /        、   、             ',
                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',   「私はイスラムが嫌いだ!
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |    イスラムが滅びるならアッラーを崇めたって良い!」
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |
              ヽl l , ハ´ ̄≧x ゝ | l/ 才f升幵手、   >     \
                 ヽ| ト、{ l 乏込式l 乂    ´込r少'´ |         \
                     ヽ __≧=‐'     | l        ,ィ   |          \
                /    ',      | |      { t_ノ              ',
                  /       '     j j       ,仆、_,イ  /     ,      l
                   /       ',     ヽr'     { `ー'  /     /        l
               l       ' ,   ,ニニ,__    \_____/    /       l
               |          >,  ー--      ,イ       ,ハ       l 
               |      ,  '"∧         / |      /  ',         l
               |  , -‐'"       l>、   , r<⌒ヽl       l   ',        |
                j/            |  ` ´ |     ム     |    ',       |

                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

彼はブームに乗りまくってイスラムが大っ嫌い。暇さえあればイスラムをぶっ潰すことばっかり考えていた。

15名無しさん:2016/06/05(日) 00:13:30 ID:EcTaGEX20
しかし、エンリケ王子のいるイベリア半島にはイスラム勢力が結構な感じで蔓延っていた。
蔓延っていた所か、グラナダとかいう一国まで出来てしまっている始末。これにはイスラムアレルギーのエンリケ王子もたまらない。

エンリケ王子も頑張ってイスラムを叩くが、前述のとおりイスラムは強い。エンリケ王子もくじけそうになる。
アフリカ北部はイスラム一色。いつイベリア半島にイスラムの皆さまが大手を振って駆けてくるかわからない。エンリケ王子は恐怖に震えた。
しかし、エンリケ王子。ある日ひょんな事を思いつく。

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                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「イスラムを背後から刺せば
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |    良いんじゃないだろうか……」
              ヽl l , ハ´ ̄≧x ゝ | l/ 才f升幵手、   >     \
                 ヽ| ト、{ l 乏込式l 乂    ´込r少'´ |         \
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                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です


正面からやっても歯が立たない。ならば背後から、と”引いてだめなら押してみな”理論を思いつくのである。

16名無しさん:2016/06/05(日) 00:14:20 ID:EcTaGEX20
エンリケ王子の考えは、こうだ。
               
      ,へ〜~~ ̄ ̄フ,           フ
     /´         `〜、_ |`〜、_,、__/   
   ,/                    ヽレ、
  /        イスラム         ヽヽ     ← このへんのイスラム勢力を
 |                         ヽ ヽ
 `|                         ヽ ヽ
 (                          ヽ |  _、-
  |                           \`´,-フ
  \                            ̄  /
    `\,,〜〜〜´`L_、                  /        ※アフリカ北部です
               ↑
              この辺から攻めていきたい

うーん、実に見事な考え。これにはカルタゴのハンニバルも脱帽。
これは最高! と、エンリケ王子は即行動に移した。国の大きなバックアップを受けて”アフリカ背後からグサり作戦”を決行するのだ!

モニターの前の皆さんはそろそろ疑問に思うかもしれない。「こんなふんわりとした考えで国が動くのか……?」と。
それが、動いた。理由は

            殺 伐 と し た 中 世 に プ レ ス タ ー ジ ョ ン が !
             \                    /
               \  丶       i.   |      /     ./       /
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              ー                  「プレスタージョン!」
             __               。。               --
                 二           ∧∧         = 二
               ̄              (・∀ ・)               ̄
                -‐             <(  )>             ‐-
                             <  >
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こいつだ。

17名無しさん:2016/06/05(日) 00:16:05 ID:EcTaGEX20
この頃、東方のプレスタージョンはなぜかアフリカ中部(現在のエチオピアあたり)に国を作っていた。もう完全に設定ブレブレ。
偉い人たちは考えた。エンリケ王子が一生懸命アフリカを背後から突くのであれば、あの憧れのプレスタージョンに会えるのではないか?
となると、すでに乗り気だったエンリケ王子も100倍乗り気になる。

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                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「もしかしたら、プレスタージョンと
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |    軍事同盟なんかも結べるかも……」
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                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

エンリケ王子は思った。これを機に国をあげてプレスタージョンと友達になろう!
こうしてはいられない。早いところアフリカの南の方まで行かなくては!

18名無しさん:2016/06/05(日) 00:16:55 ID:EcTaGEX20
エンリケ王子は早速海洋事業に乗り出した。
アフリカの西側の海を南下して、ある程度のところで拠点を築き、イスラム勢力を攻撃しようとしたのである。
しかし、当時の船乗り達にとって、アフリカの西側の海はまったくもって未知の世界だ。

ひとまずエンリケ王子の命令を受けて、ポルトガル中の船乗りはアフリカに向けて出港した。
が、ちょっとも経たないうちにホイホイと戻ってきてしまう。大半の船はアフリカの西の先っちょだけを航海して戻ってきてしまうのである。

ここでエンリケ王子、ムキになる。

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            ト、_,>、  l      /        、   、             ',
                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「我が親友を海に捧げる!!」
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                /    ',      | |      { t_ノ              ',
                  /       '     j j       ,仆、_,イ  /     ,      l
                   /       ',     ヽr'     { `ー'  /     /        l
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                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

ついにエンリケ王子はリーザルウェポンを導入した。ジル・エアネスという人物である。

19名無しさん:2016/06/05(日) 00:17:19 ID:mDf9i8S.0
ギャグかと思いきや意外と為になる

20名無しさん:2016/06/05(日) 00:18:15 ID:EcTaGEX20
                 (/( <: : : : : : : : : : :>- ノ(/(
                ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/(
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               }: : : : :/芹苧ミ.  \: : : : : : : : }
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              : : : : : : : ー=ニア   ' ー=: : : イ(.}
             ( : : : : : : : : :ア¨ --― - ア: :r=彡′
            }ト-=彡: : : : :ハ    こ  . : : |
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              }八(⌒V  ∧〕=- .ィ⌒ー=彡
                /     / V`¨¨¨7∧ム
.              人   /  ∨___,/ ,∧L
             <   \_,/    ∨,/   ∧ >---

            ジル・エアネス (生年没年不詳) 

エンリケ王子の素敵な友達、ジル・エアネス。普段は馬のお世話をしている生き物係だ。
エンリケ王子は命令した。「アフリカ西部を本気で探検してこい」と。
今まで完璧に馬のお世話をしてきた、ジル・エアネス。エンリケ王子は彼なら完璧に仕事をしてくれると考えた。

ジル・エアネスは二つ返事で承諾。すぐさまジル・エアネスを司令とした西アフリカ探検プロジェクトが始動した。


( ^ω^)
   φ....


国に仕えていたブーンもこのプロジェクトの一員だ。上司の命令に従って、長期の航海に必要な物資を集めた。
乗船はしたことがないものの、何回か航海プロジェクトに参加しているブーン。ノウハウは大体わかっている。
水は腐るからワインをたくさん積んで……。干し肉やビスケット、チーズにバター……。

それなりに出来る男のブーン。人だって集める。ポルトガル中のベテラン船乗りたちをたくさん引き抜いた。


( ^ω^)「完璧!」
  p q

そうこうしている内に、いい感じに準備が整った。ブーンも上司に褒められてうれしい。
がんばった! というような顔をしてジル・エアネスが出帆するのを港から見送った。

21名無しさん:2016/06/05(日) 00:20:03 ID:EcTaGEX20
                 (/( <: : : : : : : : : : :>- ノ(/(
                ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/(
               ¨ア : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ノ
               /: : : : : /⌒V(\ : : : : : : : ーく
               }: : : : :/芹苧ミ.  \: : : : : : : : }
.               ノ: : : :八_ `¨¨^  __{ノ : : : : : : ノ
               {: : : : : : : :ー=彡  ┼=彡: : : : し  「馬が恋しくて……」
              : : : : : : : ー=ニア   ' ー=: : : イ(.}
             ( : : : : : : : : :ア¨ --― - ア: :r=彡′
            }ト-=彡: : : : :ハ    こ  . : : |
            ゝ-=彡: : /刈込     /: : : { }i
              }八(⌒V  ∧〕=- .ィ⌒ー=彡
                /     / V`¨¨¨7∧ム
.              人   /  ∨___,/ ,∧L
             <   \_,/    ∨,/   ∧ >---

            ジル・エアネス (生年没年不詳) 


が、しばらくしてジル・エアネスは戻ってきてしまう。もちろん、アフリカ西部はほとんど探検出来ないままだ。
何の成果もあげられずに帰ってきてしまったこの男。当然エンリケ王子に怒られた。

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                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「もう絶交だ!!!!!」
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |    
              ヽl l , ハ´ ̄≧x ゝ | l/ 才f升幵手、   >     \
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                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

エンリケ王子は”もうお前なんか知らない!”とばかりに彼を冷遇してしまった。
プンプンのエンリケ王子、ジル・エアネスに”お前はいれてやんねー!”と、実力ある他の人間を司令に、どんどこアフリカへと送り出す。

22名無しさん:2016/06/05(日) 00:23:27 ID:EcTaGEX20
こうして白羽の矢が当たったのがブーンの上司だ。

               ,. -‐ 、
            , '  ,ハ 、 ` 、
           /   .,'  `゙ヽ、、`ヽ
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            l ,' ゙!| ``’`  {ェテ}
           |.! !}      i. !    「ワシは有能だ」
               },゙r1  , _`_′'     
           ´}!_ \.   -  ,'
           /: : :`: ‐= _ ...,./
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ブーンの上司は非常に有能な男だった。詳しいことは書かないが、非常に有能だった。
このブーンの上司は何度か航海に出たことがあり、少し前のセウタ攻略では結構頑張ってイスラムをぶっ叩いた。これがエンリケ王子にウケたのだ。

ブーンの上司がアフリカに征くというので、ブーンもプロジェクトを動かした。


( ^ω^)
   φ....


今回は自分がプロジェクトリーダー。乗船はしないものの、それに必要なものを集めて回った。
それだけじゃないぞ、今回のブーンはちょっと違う。出帆の許可を港にとったり、手配書を回したり、自分の足で商業会に赴いたり、
いつものブーンじゃないくらい働いた。

よーし、いい感じに準備がすすんできたぞ〜と思った矢先、衝撃的な事件が起きてしまう。

.

23名無しさん:2016/06/05(日) 00:24:36 ID:EcTaGEX20
なんと、ブーンの上司がポックリ死んでしまったのだ。

               ,. -‐ 、
            , '  ,ハ 、 ` 、
           /   .,'  `゙ヽ、、`ヽ
            !  ィ'._ニ .._ ,  `ヽノ
            l ,' ゙!| ``’`  {ェテ}
           |.! !}      i. !    「ワシは死んだ」
               },゙r1  , _`_′'     
           ´}!_ \.   -  ,'
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( ; ゚ω゚)「えええええええええええええええええええええええええええ」


死因は当時良くある”食あたり”だった。
謝肉祭で食べきれなかったお肉を食べてしまったのだ。ちょっと糸引くなぁ、と思ったが食べてしまったのだ。
これにはブーンも参った。香典なんかも集めたり上司の奥さんを慰めたりしたけど、プロジェクトのことが気がかりで仕方がない。

果たしてブーンの上司亡き今、誰がアフリカに向けて出帆すると言うのだろうか。


( ;´ω`)「……?」


ある日、ブーンの元に一通の手紙が届いた。恐ろしい事にエンリケ王子からだ。

24名無しさん:2016/06/05(日) 00:26:13 ID:EcTaGEX20

      ある日がんばるブーンに
       手紙が届きますた・・・
          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                    https://www.youtube.com/watch?v=wEQ0-ZzEacQ


       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /                   /ヽ__//
     /    お前が行け     /  /   /
     /              /  /   /
    /   ____      /  /   /
   /             /  /   /
 /             /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /
                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


( ; ゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

ブーンは知っていた。アフリカの西にちょっと行っただけなのに結構な数の船員が死んでいることを。
ブーンは知っていた。3分の1は船長が亡きまま帰ってくることを。
ブーンは知っていた。自分に白羽の矢が当たってしまうことを。

25名無しさん:2016/06/05(日) 00:28:23 ID:EcTaGEX20
ああ、哀れブーン。こんなことになろうとは。
王子から直々にお前が行け、と言われたのであれば上野のトイレでさえ尻を磨いて裸で行かねばなるまい。
その上ブーンはまだ船に乗ったことがない。初航海が司令でアフリカ探検なのだ。こども店長がゴールドマンサックスを買収しようとするものだ。

ブーンの用意した食料だって、ハチャメチャに節約をしなくては生きて帰ってこれない。食いしん坊のブーンにはこれがつらい。
これ以上積もうものなら海の藻屑だ。ただでさえクラゲみたいな体が本当のぶよぶよぷくぷくクラゲとなって海に打ち上げられる。
誰よりも航海の厳しさを知っていたブーン、絶対に海には出たくない!


( ;´ω`)


しかし、もう決まりである。ブーンは出帆しなくてはならない。海の荒くれ達を連れて。
かわいそうなブーンはとぼとぼと帰路につく。妻のツンと息子のブーンにそのことを告げねばなるまい。

もちろん、海に出ることというのは世間的に考えれば非常に誇らしいことである。
希望と野心に燃える冒険家! 川口浩みたいで非常に聞こえが良い。

しかしブーンにそんなものは一切ない。
上司が死んで、仕方がなく生死を賭けるのだ。仕方がなく死ぬ思いをして海に出るのだ。
出てしまえば二度と帰ってこれないかもしれない。あのムカツク顔したエンリケ王子に無理やりに海に追いやられるのだ。

少しでも名声を手に入れたい、とか、見たことないものを自分の目で……、とか打倒イスラム!とかそういった気持があればよいのだが、
ブーンにとっての幸せとはツンと息子のブーンと仲良く三人で幸せに暮らすことなのである。
誰がブーンをこんな運命にさせたろう。時代がそうさせたのだ。プレスタージョンは悪くない。

26名無しさん:2016/06/05(日) 00:30:00 ID:EcTaGEX20
                                                  https://www.youtube.com/watch?v=hvDBWw2C3Hg

帰宅して早速、妻のツンに航海に出ねばならないことを告げた。
この話を聞くと妻のツンはわあわあわあわあと泣き出してしまった。


。・゚゚・ξ>⊿<)ξ・゚゚・。 ビエーン


無理もない。夫が死にに行くようなものなのである。その上小さな息子までいる。この殺伐とした中世を女で、かつ一人で育てて行かなくては
ならなくなるかも知れないのだ。当時、女一人で育てるなんて言ったら体を売らねばならない。
泣きすがってでもエンリケ王子にブーンのアフリカ行を止めたい所なのである。


( ´ω`)


そんなツンを見ていたら、なんだか不憫でかわいそうで。ブーンは非常に申し訳なくなった。
そう考えていたら、なんで自分は海に行かなくてはならないのだろう、自分が何をしたというんだろう、と考え始めた。


。・゚゚・( ´ω`)・゚゚・。 オーン


今度は自分がとてもかわいそうになって来て、ブーンまでわあわあわあわあ泣き始めてしまった。


(;^ω^)


大の大人二人が子供みたいに泣いているのを見ていた息子のブーン。
お父さん、お母さんがこんなに泣きわめくのなんか生まれてこの方一度も見たことがない。

27名無しさん:2016/06/05(日) 00:30:46 ID:px2Dg7O60
これは悲しい

28名無しさん:2016/06/05(日) 00:31:42 ID:EcTaGEX20
そんなの見ていたら、全く意味の分かっていない息子のブーンもなんだかだんだん悲しくなって来て、結局息子のブーンまで
わあわあわあわあと泣いてしまった。


。・゚゚・( ´ω`)・゚゚・。 オーン  。・゚゚・ξ>⊿<)ξ・゚゚・。 ビエーン  。・゚゚・( >ω<)・゚゚・。 エーン


悲しいことにこれが中世。一家三人が涙での結束を果たした所で運命は変わりはしない。
ブーンは海に行き、ツンは一人で小さなブーンを育てなくてはならなくなるのだ。



( ´ω`)(´ω`)ξ´⊿`)ξ



その日、三人は肌を寄せ合って眠った。
泣きはらしたところで運命を変えることは出来なかったが、三人の間にはちょびっとだけの家族愛みたいなのが生まれた
ような気がした。




さて、しばらく時が過ぎて出港の日となった。
今日と言うXデーが来るまでブーンはまったく眠れなかったが、どうにかして妻のツンと息子のブーンには笑顔でサヨナラをいう事が
出来た。やれやれ、かわいそうなブーン。こうなったのは決してプレスタージョンのせいでは無いぞ。

29名無しさん:2016/06/05(日) 00:33:29 ID:EcTaGEX20
ブーンの船は当時にしては大きめのキャラック船一隻とキャラベル船だ。どちらも最新鋭の船だった。
キャラック船の方にたくさんの積み荷を詰め、キャラベル船の方には人員を多く配備した。
もちろん、ブーンは司令官であるため、大きいキャラック船の方に乗り込んだ。


( ´ω`)ノシ


さて、出港の時である。アルガルヴェの先端から、アフリカ西部へと旅立つ。
地元民の歓声に手を振ってはみるが、まっっっっっったく気乗りしない。吐き気さえ催すブーン。なんとかわいそうだろうか。


ブーンの航路は、こうだ。


                 この辺を
                / 
             / 
          /   ,へ〜~~ ̄ ̄フ,           フ
        ◎    /´         `〜、_ |`〜、_,、__/
 こう進んでいく!,/                    ヽレ、
          /                      ヽヽ
         |                         ヽ ヽ
         `|                         ヽ ヽ
         (                          ヽ |  _、-
          |                           \`´,-フ
          \                            ̄  /
            `\,,〜〜〜´`L_、                  /
                      )                /


単純にして完璧! 古くからプロジェクトに関わってきたブーンに狂いはない!! これでアフリカ攻略だ!

30名無しさん:2016/06/05(日) 00:35:26 ID:EcTaGEX20
さて、出港してからしばらくたち、ついにアフリカの大地が見えた。
これもブーンの計画通り。あとは陸から目を離さないで南下すれば良いだけなのである。航海は順調。幸先が良い。

当時は近海航法が主流であった。
陸の近くをのんのんとのんびり進んでいく、と言ったもので当時ビビり野郎の多かった船乗りたちの間ではそれが普通だったのだ。
だって、陸が見えなくなったら怖いじゃん。という理由ただ一つである。

少し頭の回転の速い人なら、ある一つの疑問が浮かぶであろう。
”座礁するんじゃね?”と。

ご名答である。

    .ソ三三ニ|      ─               ヘ                        https://www.youtube.com/watch?v=FBQr6ryEorg
   〈三三三.ヽ,,,   / ̄ ̄ ̄ヽ、       ─  ヘ
   〈三三三三/    /ニニニヽヾ.ヽ、    /⌒ヽ .リj
  .  (/⌒ヘミ三/    /     .\ゝ   /ニニニゝ /ミl.
   /人 |三|   =、`─‐o─-  /__ソ.     | | |彡〉
  .|/ ソ>.|三|    ヽ、` ̄ ̄´ ノ     \to─、レ゙ lr‐i   「キャラベル船が座礁……、しました……」
   | ゝ .|三|   u  ̄ ̄ ̄´       ヽ ̄¨´  |6 }
   ヽ、 .{三|          _r'`    ,__、} ̄^  / /゛
     ゞレ|三〉        /   .、 ̄   ヽ、   / /
      .|ヽ        l───ッヽ、    )  ト/
      .| \\             ヾ____ノ  /f′
     /\    \   i ッ--―ー──、 /  /
    ィ////.ヽ、         ` ̄ ̄ ̄ ̄''´/  /


( ; ゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


思い出していただきたい。エンリケ王子が海洋事業に乗り出したとき、多くの船がアフリカの西をちょっと行っただけで逃げ帰ってきた事を。
その半数が仲間の船が座礁したのを見て、逃げ帰って来たのである。

そして今、ブーンはその危機に直面した!どうする、ブーン!

31名無しさん:2016/06/05(日) 00:35:38 ID:nNvfxHsEO
1401 - 1434……(察し)

32名無しさん:2016/06/05(日) 00:36:43 ID:EcTaGEX20

( ; ゚ω゚)「あわわあわわ」


これは困った。しかもキャラベル船には多くの人員が乗っている。アフリカの海に詳しい人間や海図に詳しい人間もいるのだ。
慌てふためくブーンに船員から”とにかく、向こうの船長に連絡しましょう”との神の声。
早速ブーンは連絡船を出して、座礁した船へと向かわせた。

と、同時に陸から何隻かの船がこちらへ向かってきた。一体何者だ!


           |      丶                                https://www.youtube.com/watch?v=rjdJHEQ-85g
           |       )
    -  ⌒  ` ↓   ⌒  ⌒へ
 /~                   \
∠ _ 、       イ  イ       丶    「おめぇらやっぱドジだなぁ〜。オラ、おどれぇたぞ!」
      丶    / |  /     イ    L_
  -〜 -  - - (  | /  | / | ヘ     ⌒ ー _
 `〜-_ _   \く ⌒ヽ レ /⌒丶   _- - ⌒
      へ(⌒∨(⌒ヽ  /⌒)∠    ̄ー__
    〜 ̄_ヘ℃| |_  0  0  _/ / ヘ  __丶
      ̄ ̄ヾ  |   ⌒ 、 ⌒   /p 丿\
          ̄- l  ⊂  フ  ノ〜  ̄
             ヽ  _  /

            イメージ画


イスラム戦士だ!! 忘れてはならない、この土地はイスラムの支配下だ。
地元のイスラム戦士は知っていたのだ。この辺を通れば座礁するかも、という事を。

.

33名無しさん:2016/06/05(日) 00:38:22 ID:EcTaGEX20
万事休す、ブーン。すでに座礁した船はイスラム戦士に取り囲まれている。連絡船員もイスラム戦士に切り付けられて海に捨てられた。
そして、ついにイスラム戦士たちはブーンのいる船にまで近寄って来た! これはまずい、ブーン逃げろ!


( ; ゚ω゚)「逃げるお! 逃げるお!」


ケツまくって逃げるブーン。幸い天候が味方して簡単に振り切ることが出来た。が、多くの人員と少しの貨物を紛失。
これは大きな痛手だ。もう、すぐにでも帰りたいブーン。早く帰りたい。が、慌てて逃げたのでもっと南下を始めてしまった。
戻ればイスラム戦士がいる。ここで戻ってしまうのは自殺行為。しかし、陸から離れて大回りするのもあり得ないくらい怖い。

長らく考えた後、ブーンは孤独と絶望の中、南下することを決めた。


( ;´ω`)


もうこの時点でブーンのメンタルぼろぼろ。涙さえ出てこない。なんだか手足もむくんでくるし、最悪。
戻りたくても戻れず、知らない土地に行くだけのブーン。そんな哀れなブーンに船員たちもなんだか可哀想になってきて、


    .ソ三三ニ|      ─               ヘ   
   〈三三三.ヽ,,,   / ̄ ̄ ̄ヽ、       ─  ヘ
   〈三三三三/    /ニニニヽヾ.ヽ、    /⌒ヽ .リj
  .  (/⌒ヘミ三/    /     .\ゝ   /ニニニゝ /ミl.
   /人 |三|   =、`─‐o─-  /__ソ.     | | |彡〉
  .|/ ソ>.|三|    ヽ、` ̄ ̄´ ノ     \to─、レ゙ lr‐i   「歌いましょうか……?」
   | ゝ .|三|   u  ̄ ̄ ̄´       ヽ ̄¨´  |6 }
   ヽ、 .{三|          _r'`    ,__、} ̄^  / /゛
     ゞレ|三〉        /   .、 ̄   ヽ、   / /
      .|ヽ        l───ッヽ、    )  ト/
      .| \\             ヾ____ノ  /f′
     /\    \   i ッ--―ー──、 /  /
    ィ////.ヽ、         ` ̄ ̄ ̄ ̄''´/  /


なんて聞いてくる始末。

34名無しさん:2016/06/05(日) 00:40:36 ID:px2Dg7O60
悟空怖すぎ

35名無しさん:2016/06/05(日) 00:40:42 ID:EcTaGEX20
さて、一隻失った後も南下をしていたわけであるが、ついにカナリア諸島へ到達する。

 
              ,へ〜~~ ̄ ̄フ,           フ
             /´         `〜、_ |`〜、_,、__/
        ◎ ,/                    ヽレ、
         カナリア諸島                ヽヽ
         |                         ヽ ヽ
         `|                         ヽ ヽ
         (                          ヽ |  _、-


ひとまず、ブーンの他にもメンタルぼろぼろの船員が多くいたので、立ち寄って、地に足を付けることにより元気になろうとした。
あわよくば、新鮮な水を少し積み込みたかった。
が、カナリア諸島の人間はブーン達にマジギレ。全くブーンの船を島に入れてくれない。

理由はコイツである。

                 (/( <: : : : : : : : : : :>- ノ(/(
                ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/(
               ¨ア : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ノ
               /: : : : : /⌒V(\ : : : : : : : ーく
               }: : : : :/芹苧ミ.  \: : : : : : : : }
.               ノ: : : :八_ `¨¨^  __{ノ : : : : : : ノ
               {: : : : : : : :ー=彡  ┼=彡: : : : し  「馬、好きかい?」
              : : : : : : : ー=ニア   ' ー=: : : イ(.}
             ( : : : : : : : : :ア¨ --― - ア: :r=彡′
            }ト-=彡: : : : :ハ    こ  . : : |
            ゝ-=彡: : /刈込     /: : : { }i
              }八(⌒V  ∧〕=- .ィ⌒ー=彡
                /     / V`¨¨¨7∧ム
.              人   /  ∨___,/ ,∧L
             <   \_,/    ∨,/   ∧ >---

            ジル・エアネス (生年没年不詳) 

この男、ジル・エアネス。アフリカから逃げ帰る時、何も持たないで帰るとエンリケ王子が怒ると思って、あろうことかカナリア諸島の人間を
さらってしまったのだ。何を考えているんだジル・エアネス。これは人間の所業ではないぞ!

36名無しさん:2016/06/05(日) 00:42:58 ID:EcTaGEX20
怒るのも無理もないカナリア諸島の人々。ブーン達も戦う気力なんてこれっぽっちもない。脳裏にはあのイスラム戦士のニヤケ顔
が張り付いている。ブーン達は流されるように追い返されてしまった。


(ヽ´ω`)


メンタル面で本格的にピンチのブーン一行。ちょんぼししか残っていない精神ゲージを切り詰めて南下していく。
ブーンにとっては穏やかな海も、高い空もただの地獄の光景にしか見えなくなる。

しかも船内で病気が流行り始め、毎日2、3人の死体を海に投げ捨てている。冗談ではなく、地獄の光景になり始めた。

カナリア諸島を越えて、ブーンの船はある岬に差し掛かった。


              ,へ〜~~ ̄ ̄フ,           フ
             /´         `〜、_ |`〜、_,、__/
          ,/                    ヽレ、
         ◎ ボハドル岬               ヽヽ
         |                         ヽ ヽ
         `|                         ヽ ヽ
         (                          ヽ |  _、-


ボハドル岬だ。ブーンはあの岬にたどり着いて、早いところ地に足を付けたいと考えていた。
が、岬が見え始めてから船員たちがざわざわとし始めている。
メンタルがすでに死んでいるブーンもこれには何事かと思い始める。

37名無しさん:2016/06/05(日) 00:43:56 ID:EcTaGEX20
    .ソ三三ニ|      ─               ヘ   
   〈三三三.ヽ,,,   / ̄ ̄ ̄ヽ、       ─  ヘ
   〈三三三三/    /ニニニヽヾ.ヽ、    /⌒ヽ .リj
  .  (/⌒ヘミ三/    /     .\ゝ   /ニニニゝ /ミl.
   /人 |三|   =、`─‐o─-  /__ソ.     | | |彡〉
  .|/ ソ>.|三|    ヽ、` ̄ ̄´ ノ     \to─、レ゙ lr‐i   「こ、これ以上は危険です」
   | ゝ .|三|   u  ̄ ̄ ̄´       ヽ ̄¨´  |6 }
   ヽ、 .{三|          _r'`    ,__、} ̄^  / /゛
     ゞレ|三〉        /   .、 ̄   ヽ、   / /
      .|ヽ        l───ッヽ、    )  ト/
      .| \\             ヾ____ノ  /f′
     /\    \   i ッ--―ー──、 /  /
    ィ////.ヽ、         ` ̄ ̄ ̄ ̄''´/  /

ベテラン船乗りの話を聞くブーン。すると、こんな訳の分からない事を言い始めた。

    .ソ三三ニ|      ─               ヘ   
   〈三三三.ヽ,,,   / ̄ ̄ ̄ヽ、       ─  ヘ
   〈三三三三/    /ニニニヽヾ.ヽ、    /⌒ヽ .リj
  .  (/⌒ヘミ三/    /     .\ゝ   /ニニニゝ /ミl.
   /人 |三|   =、`─‐o─-  /__ソ.     | | |彡〉
  .|/ ソ>.|三|    ヽ、` ̄ ̄´ ノ     \to─、レ゙ lr‐i   「あれはボハドル岬。あれより南に海はありません」
   | ゝ .|三|   u  ̄ ̄ ̄´       ヽ ̄¨´  |6 }
   ヽ、 .{三|          _r'`    ,__、} ̄^  / /゛
     ゞレ|三〉        /   .、 ̄   ヽ、   / /
      .|ヽ        l───ッヽ、    )  ト/
      .| \\             ヾ____ノ  /f′
     /\    \   i ッ--―ー──、 /  /
    ィ////.ヽ、         ` ̄ ̄ ̄ ̄''´/  /

(ヽ´ω`)「……?」

ブーンにとっては意味不明である。

38名無しさん:2016/06/05(日) 00:44:45 ID:EcTaGEX20
当時の船乗りたちの常識としては、こうだ。
ボハドル岬を越えると巨大な滝があり、奈落の底へ落ちる。これ以上、海はないのだ。
冗談ではなく、船乗りたちは大マジでこの話を信じていたのである。


(ヽ ゚'ω゚)「!?!?」


この話を聞いたブーンはひっくり返ってしまう。正常な思考能力であれば、分かるであろう迷信もマジに信じてしまうブーン。
さらに頭の良いベテラン船員は続ける。

    .ソ三三ニ|      ─               ヘ   
   〈三三三.ヽ,,,   / ̄ ̄ ̄ヽ、       ─  ヘ
   〈三三三三/    /ニニニヽヾ.ヽ、    /⌒ヽ .リj
  .  (/⌒ヘミ三/    /     .\ゝ   /ニニニゝ /ミl.
   /人 |三|   =、`─‐o─-  /__ソ.     | | |彡〉
  .|/ ソ>.|三|    ヽ、` ̄ ̄´ ノ     \to─、レ゙ lr‐i   「その上、このまま南下すると赤道が近いです。
   | ゝ .|三|   u  ̄ ̄ ̄´       ヽ ̄¨´  |6 }   赤道の海は燃え盛っていて、この船ではとても……」
   ヽ、 .{三|          _r'`    ,__、} ̄^  / /゛
     ゞレ|三〉        /   .、 ̄   ヽ、   / /
      .|ヽ        l───ッヽ、    )  ト/
      .| \\             ヾ____ノ  /f′
     /\    \   i ッ--―ー──、 /  /
    ィ////.ヽ、         ` ̄ ̄ ̄ ̄''´/  /


確かに。確かに、この話はブーンにもしっくり来るところがある。
つい先日、外に出ていたら皮膚が赤くなって、夜にはペリペリと皮が剥けたのだ!しかも昨日はヒリヒリと痛かった!
流石は頭の良いベテラン船員。ブーンをうならせる。

39名無しさん:2016/06/05(日) 00:45:29 ID:EcTaGEX20
このまま南下すれば海は沸騰する。そして燃え盛る。これはマズい。南下しても燃えて死に、北上してもイスラムおばけに殺される。
ブーンは終わりだった。いわゆる、詰みの状態である!
                        , -― '" ̄ ̄ ̄ ̄ > 、
                 ,イ  ,ィ    ,  '"                \
            / ト、 l \_/                      \ノ
            l   `ー―'       /               \
            ゝ            /                      ',
            ト、_,>、  l      /        、   、             ',
                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「海が燃え盛るとか笑止千万」
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |    
              ヽl l , ハ´ ̄≧x ゝ | l/ 才f升幵手、   >     \
                 ヽ| ト、{ l 乏込式l 乂    ´込r少'´ |         \
                     ヽ __≧=‐'     | l        ,ィ   |          \
                /    ',      | |      { t_ノ              ',
                  /       '     j j       ,仆、_,イ  /     ,      l
                   /       ',     ヽr'     { `ー'  /     /        l
               l       ' ,   ,ニニ,__    \_____/    /       l
               |          >,  ー--      ,イ       ,ハ       l
               |      ,  '"∧         / |      /  ',         l
               |  , -‐'"       l>、   , r<⌒ヽl       l   ',        |
                j/            |  ` ´ |     ム     |    ',       |

                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

なお、あのエンリケ王子は天文学やら地理学やら結構勉強していて、周りの人間には”迷信やで”とか、”自信もって進んで良いで”
とか喋っていたのだが、下々の船員までには伝わってはいなかった。
      っ
     っ
(ヽ ゚'ω゚)

ともかく、一大事となった。早く引き返さなくては海が燃えてしまう。奈落の底に落ちてしまう!

40名無しさん:2016/06/05(日) 00:46:39 ID:EcTaGEX20

(ヽ ゚'ω゚)「い、今この場より北上するお!」


これは英断だ、ブーン。このまま進んでは全滅必至。船員の命を守るために北上するのだ。
あーあー、哀れ大司令官ブーン、迷信を真に受け北上開始。ブーンのアフリカ探検は今この時より幕を閉じる。

南下しないのだから海が燃え盛ることはない。だが、ブーンは相当パニクっており、何故か”炎が迫ってくる”と設定変更。
全速力で北上していくのである。

早く帰ろう。優しいツンが待っている。かわいい息子のブーンが待っている。
船員にだって家族がいる。早く帰してあげたい。
逸る気持ちを押さえて北上するブーン。その速さはまさに韋駄天。が、ブーンは肝心なことを忘れていた。


           |      丶                            https://www.youtube.com/watch?v=_B0CyOAO8y0
           |       )
    -  ⌒  ` ↓   ⌒  ⌒へ
 /~                   \
∠ _ 、       イ  イ       丶    「おめぇら忘れ物かぁ〜? やっぱドジだなぁ〜!」
      丶    / |  /     イ    L_
  -〜 -  - - (  | /  | / | ヘ     ⌒ ー _
 `〜-_ _   \く ⌒ヽ レ /⌒丶   _- - ⌒
      へ(⌒∨(⌒ヽ  /⌒)∠    ̄ー__
    〜 ̄_ヘ℃| |_  0  0  _/ / ヘ  __丶
      ̄ ̄ヾ  |   ⌒ 、 ⌒   /p 丿\
          ̄- l  ⊂  フ  ノ〜  ̄
             ヽ  _  /

            イメージ画

イスラム戦士の存在を。

41名無しさん:2016/06/05(日) 00:47:32 ID:EcTaGEX20
ブーンの船は陸に近づきすぎたのだ。ガゴッと言う大きな音とともにあっけなく座礁。
遠くからイスラム戦士が近づいてくる。何やらヘンテコな剣やら縄やらを持っているぞ。これでブーン達をどうするつもりだ!!
ニヤニヤしやがって何を考えている!

       っ
      っ
(ヽ ゚'ω゚)


ブーン焦る! これは本当の終わりに近づいているぞ!
船員たちは武器をもってイスラム戦士と戦おうとするが、下から水が溢れてきて思うように動けない!

イスラム戦士はテキパキとブーン達の積み荷を運び出す。手慣れた仕事っぷりにブーンもなんだか”もう良いや、僕たちもテキパキと
殺されるんだろうな”、と思った。
まさにその通り、何の躊躇もなくサクサク殺されていく船員たち。若い男は縛られて連れていかれたが、25を超えたような男は
サックサック首を斬られていった。

いよいよブーンの目の前にイスラム戦士が立つ。

           |      丶
           |       )
    -  ⌒  ` ↓   ⌒  ⌒へ
 /~                   \
∠ _ 、       イ  イ       丶    「おめぇ偉ぇヤツなのになんで戦わねぇんだ? オラわかんねぇぞ」
      丶    / |  /     イ    L_
  -〜 -  - - (  | /  | / | ヘ     ⌒ ー _
 `〜-_ _   \く ⌒ヽ レ /⌒丶   _- - ⌒
      へ(⌒∨(⌒ヽ  /⌒)∠    ̄ー__
    〜 ̄_ヘ℃| |_  0  0  _/ / ヘ  __丶
      ̄ ̄ヾ  |   ⌒ 、 ⌒   /p 丿\
          ̄- l  ⊂  フ  ノ〜  ̄
             ヽ  _  /

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.

42名無しさん:2016/06/05(日) 00:48:17 ID:EcTaGEX20

(ヽ´ω`)「はい」



みんなが殺されていく様子をボーッと眺めていたブーン。あーあ、死ぬ前にひどい事まで言われてしまった。
こうなっては仕方がない、無様に死ぬのだブーン。


           |      丶
           |       )
    -  ⌒  ` ↓   ⌒  ⌒へ
 /~                   \
∠ _ 、       イ  イ       丶    「ま、次はうまくやれよ! じゃあな!」
      丶    / |  /     イ    L_
  -〜 -  - - (  | /  | / | ヘ     ⌒ ー _
 `〜-_ _   \く ⌒ヽ レ /⌒丶   _- - ⌒
      へ(⌒∨(⌒ヽ  /⌒)∠    ̄ー__
    〜 ̄_ヘ℃| |_  0  0  _/ / ヘ  __丶
      ̄ ̄ヾ  |   ⌒ 、 ⌒   /p 丿\
          ̄- l  ⊂  フ  ノ〜  ̄
             ヽ  _  /

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哀れブーン、屈強なイスラム戦士に首をチョンっと斬られてコロリンコ。妻ツンを残して死んでしまった。合掌。
船は解体されて、イスラム戦士たちの家々や日用家具になった。ありがとう、ありがとう!



.

43名無しさん:2016/06/05(日) 00:48:46 ID:XIBDDmgo0
おい死んだぞ

44名無しさん:2016/06/05(日) 00:48:50 ID:EcTaGEX20
( ^ω^)

45名無しさん:2016/06/05(日) 00:54:36 ID:nNvfxHsEO
子供2歳か…

46名無しさん:2016/06/05(日) 01:00:45 ID:px2Dg7O60

>>35の人さらいの理由が軽くて笑う
時代だよなあ

47名無しさん:2016/06/05(日) 01:45:58 ID:Uy97Cxpc0
淡々と進むなあ

48名無しさん:2016/06/05(日) 08:08:36 ID:xEYt4D2w0
面白い
続き期待

49名無しさん:2016/06/05(日) 12:57:04 ID:nNvfxHsEO
4世が早世かつ3世より先に死んでる上に没年1年後に5世が生まれてて嫌な予感しかしないんだが

50名無しさん:2016/06/05(日) 13:01:08 ID:ubLhac7s0
マジかよ失望しました
ワンピース売ってDB買ってきます

51名無しさん:2016/06/05(日) 20:27:18 ID:HfWvWGJM0
面白いなぁ……

52名無しさん:2016/06/08(水) 20:02:13 ID:SzL2U0n.0
( ^ω^)

53名無しさん:2016/06/08(水) 20:06:13 ID:SzL2U0n.0
§ ブーン2世(1432 - 1487)                                  https://www.youtube.com/watch?v=Qe4yTxbOTi4


さて、臆病者のブーンはあっさり死んでしまったわけだが、その後すぐに航海史に残る大きな事件が起きた。

                 (/( <: : : : : : : : : : :>- ノ(/(
                ノ: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : :/(
               ¨ア : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : ノ
               /: : : : : /⌒V(\ : : : : : : : ーく
               }: : : : :/芹苧ミ.  \: : : : : : : : }
.               ノ: : : :八_ `¨¨^  __{ノ : : : : : : ノ
               {: : : : : : : :ー=彡  ┼=彡: : : : し  「三馬身差で勝利のエアネス、サンバ踊る、なんつって。
              : : : : : : : ー=ニア   ' ー=: : : イ(.}   これが本当のお馬ギャグ。うまい。馬だけに」
             ( : : : : : : : : :ア¨ --― - ア: :r=彡′
            }ト-=彡: : : : :ハ    こ  . : : |
            ゝ-=彡: : /刈込     /: : : { }i
              }八(⌒V  ∧〕=- .ィ⌒ー=彡
                /     / V`¨¨¨7∧ム
.              人   /  ∨___,/ ,∧L
             <   \_,/    ∨,/   ∧ >---

            ジル・エアネス (生年没年不詳) 


エンリケ王子に許さて再び航海に出たジル・エアネスがなんと、あのボハドル岬を越えてしまったのだ。
ボハドル岬と言えば、あの世とこの世の境界線。そこを過ぎると海は燃え、奈落の底に落ちるといわれる、あのボハドル岬である。
それをジル・エアネスは超えて見せたのだ。当時の船乗りたちの常識を覆す出来事である。

「少し怖かったけど、得意の馬の世界に入って事なきを得たヒヒーン」と、馬の世界が抜けきらない様子のジル・エアネスにエンリケ王子もご満悦。
しかもボハドル岬より先に自生する植物まで持って帰って来た。地元ポルトガルではヒーローである。

54名無しさん:2016/06/08(水) 20:08:42 ID:SzL2U0n.0

                        , -― '" ̄ ̄ ̄ ̄ > 、
                 ,イ  ,ィ    ,  '"                \
            / ト、 l \_/                      \ノ
            l   `ー―'       /               \
            ゝ            /                      ',
            ト、_,>、  l      /        、   、             ',
                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「信じていたぞ、心の友よ!!」
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |    
              ヽl l , ハ´ ̄≧x ゝ | l/ 才f升幵手、   >     \
                 ヽ| ト、{ l 乏込式l 乂    ´込r少'´ |         \
                     ヽ __≧=‐'     | l        ,ィ   |          \
                /    ',      | |      { t_ノ              ',
                  /       '     j j       ,仆、_,イ  /     ,      l
                   /       ',     ヽr'     { `ー'  /     /        l
               l       ' ,   ,ニニ,__    \_____/    /       l
               |          >,  ー--      ,イ       ,ハ       l
               |      ,  '"∧         / |      /  ',         l
               |  , -‐'"       l>、   , r<⌒ヽl       l   ',        |
                j/            |  ` ´ |     ム     |    ',       |

                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

エンリケ王子が考えていたように、ボハドル岬の先は普通の海だった。良く知るアフリカ西部の気候ともあまり変わらず、太陽は今まで通りに輝く。
気温は少し上がったが、陸は続き、人のいる痕跡もあった。燃え盛る海も大いなる滝も、一切ウソっぱちだったのだ。

これを知った地元の船乗りたちは「俺が俺が!」と、ここぞとばかりに”僕もっと南に行けますアピール”をしまくる。
エンリケ王子は「征け! 海の王者たちよ!」と、ただでさえ乗りまくってる船乗りたちを乗らせる乗らせる。これが本当のノリノリ、なんつって。
こうして大航海時代はついに本格的に幕を開けるのであった。

55名無しさん:2016/06/08(水) 20:11:28 ID:SzL2U0n.0
そろそろ皆様はお気づきであろうと思うが、エンリケ王子は決して自分から海に出ようとしなかった。
なぜなら船酔いが激しかったからである。こんなでも王子、船乗りたちの前で「オロロロロロ」とするわけにもいかない。王子なりのメンツがある。
しかし、海に出ないとなると、それなりには暇になる。暇すぎて迷路を描いて自分で辿ってみたりもした。

そんなある日、エンリケ王子のイスラム嫌いがついに爆発した。

                        , -― '" ̄ ̄ ̄ ̄ > 、
                 ,イ  ,ィ    ,  '"                \
            / ト、 l \_/                      \ノ
            l   `ー―'       /               \
            ゝ            /                      ',
            ト、_,>、  l      /        、   、             ',
                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「今こそ勝利の時! 掲げよ、豚の首を!」
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |    
              ヽl l , ハ´ ̄≧x ゝ | l/ 才f升幵手、   >     \
                 ヽ| ト、{ l 乏込式l 乂    ´込r少'´ |         \
                     ヽ __≧=‐'     | l        ,ィ   |          \
                /    ',      | |      { t_ノ              ',
                  /       '     j j       ,仆、_,イ  /     ,      l
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                j/            |  ` ´ |     ム     |    ',       |

                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

周囲の大反対を押し切って、当時イスラム戦士の拠点の一つ、モロッコはタンジェに進軍したのである。
心のどこかであのプレスタージョンが助けてくれると思っていたのだろう。哀れにもそれは二番煎じ。おギャグ担当はすでに十字軍の手の中。

56名無しさん:2016/06/08(水) 20:13:22 ID:SzL2U0n.0
エンリケ王子、あっけなく敗北。敗北しただけならまだ良い。
愛する弟が人質に取られる始末。これには身内からも大バッシング。今までそんな怒られたことなかったエンリケ王子はヘコたれた。

そのまま、”軍事怖い病”に陥った挙句、身内からも「あのバカ王子には戦争は任せられんぞ」と陰でコソコソ言われ始めた。
まさに悲劇の王子である。

                        , -― '" ̄ ̄ ̄ ̄ > 、
                 ,イ  ,ィ    ,  '"                \
            / ト、 l \_/                      \ノ
            l   `ー―'       /               \
            ゝ            /                      ',
            ト、_,>、  l      /        、   、             ',
                \__,才  \_  l     ,  l   ト、            ',
              /   \___人   ,イ /!  /l ム   |         |   「私には海しかない。なぜなら、海も私しかないからである」
                { , ,  <   ノム / | / ノ/_ノ 人ム  乂       |    
              ヽl l , ハ´ ̄≧x ゝ | l/ 才f升幵手、   >     \
                 ヽ| ト、{ l 乏込式l 乂    ´込r少'´ |         \
                     ヽ __≧=‐'     | l        ,ィ   |          \
                /    ',      | |      { t_ノ              ',
                  /       '     j j       ,仆、_,イ  /     ,      l
                   /       ',     ヽr'     { `ー'  /     /        l
               l       ' ,   ,ニニ,__    \_____/    /       l
               |          >,  ー--      ,イ       ,ハ       l
               |      ,  '"∧         / |      /  ',         l
               |  , -‐'"       l>、   , r<⌒ヽl       l   ',        |
                j/            |  ` ´ |     ム     |    ',       |

                    エンリケ王子 (1394 - 1460) ※男です

軍事に関しての評価がボハドル岬の奈落の底にまで落ち込んでしまったので、エンリケ王子は開き直った様にすべてを海に捧げた。
こうして、エンリケ王子は1460年に”王子の村”とかいう自分で作ったクッソウケる名前の村で死ぬのであった。享年66歳。なお、借金まみれだった模様。

57名無しさん:2016/06/08(水) 20:15:33 ID:SzL2U0n.0

はてさて、茶化しはしたがエンリケ王子の功績はシャレにならないくらいデカいものであった。
エンリケ王子が死ぬまでにヨーロッパ人がたどり着いたのはシエラレオネ。

          ,へ〜~~ ̄ ̄フ,           フ
         /´         `〜、_ |`〜、_,、__/
       ,/                    ヽレ、
      /                      ヽヽ
     |                         ヽ ヽ
     `|                         ヽ ヽ
     (                          ヽ |  _、-
      |                           \`´,-フ
      ◎ ここ!                       ̄  /
        `\,,〜〜〜´`L_、                  /
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                 く               /
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                   ヽ            |
                    )            |    

アフリカの西側をちょこっと行っただけでビビりまくってた当時を考えたら本当に大したものである。

エンリケ王子亡くなったとて、この大航海時代を終わらせるわけには行くまい。エンリケ王子が開拓したアフリカとのやり取りでそれなりに
儲かってもいるし、もったいない。
そう考えて立ち上がったのがジョアン2世という男であった。なんと、彼はポルトガル国王である。国王が本気で航海事業に乗り出したのだ。

そして、このジョアン2世というお人、若くして国王になったせいもあってか、とんでもなく熱い男であった。

58名無しさん:2016/06/08(水) 20:19:24 ID:SzL2U0n.0
                    _,.ィ≦圭圭≧x .. _              https://www.youtube.com/watch?v=S86ppy4jdxg
                    .ィ為圭圭圭圭圭圭圭≧x
                 /圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭会:
                ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圦
                  |圭圭才⌒ー=≠寺圭圭圭圭圭|
                 ⅧiⅣ          ̄ ̄Ⅷ圭圭|
                   ⅧIi  、        _   ⅧIli:圭!
                     Ⅷ| `ー=≠'.  ,.ィ=彳`  Ⅵ圭7       「もっと熱くなれよ!!! 海の男だろ!?!?
                 Ⅵ <てハ :::i : rt_j ァ  }才' /        熱い血燃やしてけよ!!!人間熱くなった時が本当の
                       }|    ...::::ノ 、   ̄    iレ /           自分に出会えるんだよッ!!!!」
                  ト、   ,.ィ   .     /.イ
                  ヘ  / ー-=彳ヽ  //_
                     ヘ : r=ニ ニ=ォ,   /圭≧x 、
                .ィ≦Ii圦 、 レ⌒⌒レ’ ,.イ|圭圭圭会:
                   /圭圭圭ハ `ー==イ  /  |圭圭圭圭L.. _
           _,ィ≦圦:寺圭圭∧ゝ... _ ,イ  ,イ圭圭圭圭圭圭圦
        ,.ィ≦圭圭圭圭≧ュ...`寺∧ ー=≠≡彳圭圭圭圭圭圭圭圭≧x
       /圭圭圭圭圭圭圭圭会ュ. Ⅶ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ハ

                ジョアン2世 (1455 - 1495) ※この時代にもテニスはあった
                                  

熱いどころか、暑苦しすぎる王様であった。今でこそ名君として名を馳せている男であるが、どうにも熱すぎた。しかし、これくらいでなくては後世に名は残らない。
とにかく、この王様は手抜きや諦めというのを許さなかった。本当の本当に許さなかった。
すこしの手抜きであれば”情熱”で対処するのだが、ちょっと度が過ぎる手抜きになると法的処置に出た。この王様はそれくらい本気なのであった。

さて、このジョアン2世。なぜそこまで本気になっていたかと言うと、ちょっとした理由があった。
もちろんエンリケ王子の熱い意思を熱い心で受け止めたのもあるのだが、これ以上に抑えきれない熱い気持があったのだ。

59名無しさん:2016/06/08(水) 20:20:41 ID:SzL2U0n.0
もう、皆さまならお分かりであろう。あのお方への熱い思いなのである。


            殺 伐 と し た 中 世 に プ レ ス タ ー ジ ョ ン が !
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               \  丶       i.   |      /     ./       /
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                                              -‐
              ー                  「プレスタージョン!」
             __               。。               --
                 二           ∧∧         = 二
               ̄              (・∀ ・)               ̄
                -‐             <(  )>             ‐-
                             <  >
                /
                        /               ヽ      \
                /                    丶     \
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             /    /    /       |    i,      丶     \
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   ̄ ̄/ /  / / ___   ̄ .フ ./.  / ./二/ / .         /__7 ./ / / ̄ ̄. ̄/  ̄  / / 
  ___ノ / .. / /_ ノ /  .__/  (_.. /__,--,  /   / ̄ ̄. ̄/.   ___ノ / ./ ̄ ̄ /  ___ノ /  .
/____,./   ./_____.ノ  /____ノゝ_/   /___ノ   .   ̄ ̄    /____,./ ,.二二/ / /____,./  .
                                                 ̄


そう、こいつだ。

60名無しさん:2016/06/08(水) 20:22:26 ID:SzL2U0n.0
このジョアン2世という熱血漢、本気でプレスタージョンを信じていた。

                    _,.ィ≦圭圭≧x .. _
                    .ィ為圭圭圭圭圭圭圭≧x
                 /圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭会:
                ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圦
                  |圭圭才⌒ー=≠寺圭圭圭圭圭|
                 ⅧiⅣ          ̄ ̄Ⅷ圭圭|
                   ⅧIi  、        _   ⅧIli:圭!
                     Ⅷ| `ー=≠'.  ,.ィ=彳`  Ⅵ圭7       「プレスタージョンは史上最高の味方だ!!
                 Ⅵ <てハ :::i : rt_j ァ  }才' /        心の底から好きなことに本気で取り組めるなら、
                       }|    ...::::ノ 、   ̄    iレ /           それは本当の幸せッ!!」
                  ト、   ,.ィ   .     /.イ
                  ヘ  / ー-=彳ヽ  //_
                     ヘ : r=ニ ニ=ォ,   /圭≧x 、
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                   /圭圭圭ハ `ー==イ  /  |圭圭圭圭L.. _
           _,ィ≦圦:寺圭圭∧ゝ... _ ,イ  ,イ圭圭圭圭圭圭圦
        ,.ィ≦圭圭圭圭≧ュ...`寺∧ ー=≠≡彳圭圭圭圭圭圭圭圭≧x
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                ジョアン2世 (1455 - 1495) ※この時代にもテニスはあった


ジョアン2世は考えていた。アフリカ探索を進める事によって、いつか絶対にプレスタージョンに出会うことが出来る!
シンパシーが共鳴しあって、軍事同盟を結ぶことが出来る! 情けないイスラム戦士に強烈な熱血をおみまいする事が出来る!

少し前までエチオピアあたりにあるとされていたプレスタージョンの国は、度重なる設定の変更を経て今はナイジェリアあたりにあると
考えられていた。もちろん、ナイジェリアには黒人たちのほんわかした国があるだけで、プレスタージョンなどはいない。

61名無しさん:2016/06/08(水) 20:25:06 ID:SzL2U0n.0
ジョアン2世のプレスタージョンへの熱い気持ちもさることながら、ポルトガル王国幹部の連中も熱い可能性に燃えていた。

国の”頭いいマンズ”はアジアやアラブの商人たちから仕入れた情報により「アフリカから東に回って、インドいけるんじゃね?」という
可能性を抱いていたのだ。

その頭いいマンズの中に、あのブーンの息子、ブーンはいた。
父の功績をたたえられ、国に仕えることが出来たのである。実際にブーンパパは何にもしていないに等しいのだから、これはラッキーとしか言いようがない。


( ^ω^)


このブーン、もし船でポルトガル人がインドに行けるのなら行っちゃったほうがいいんじゃないの? と考えていた。
なぜなら、インドには香辛料が山ほどあると考えられていたからである。しかも、安価で買うことが出来る。アンカーテイクではないぞ。

当時のヨーロッパ人にとって香辛料、もとい”胡椒”はハチャメチャに大切なものだった。
この時代のヨーロッパ人の主食は肉。春、夏に豚や牛を育る。その間は穀物も取る。秋になったら頭カチ割ってぶっ殺す。そのお肉で冬を越すわけだ。
が、当然冷蔵技術なんて一切ない当時のヨーロッパ。冬とはいえ、しばらく保存していたらそりゃ腐る。春先になればもう臭くて臭くて食べれたものじゃない。

それでも悲しいかなヨーロッパ人は腐った肉を食べなくてはならなかった。エンリケ王子などはある程度新鮮な肉を食えたろうが、ブーン達くらいの
身分の人間だとやっぱり腐った肉を食べた。

しかしどうだろう。胡椒をパッと振りかけてみると、アラ不思議。肉の臭いのが消える消える。
ヨーロッパ人たちはものすごい勢いで胡椒を買いたがった。ブーンだって、あのブーンパパだっていっぱい買っておきたかった。
冬だろうと春先だろうと、おいしいものをたっくさん食べたい。有史が始まる前からブーンは食いしん坊と設定がされているのである。

62名無しさん:2016/06/08(水) 20:26:44 ID:SzL2U0n.0
とはいえ、このコショーなる品物。ハチャメチャに高い。
胡椒は東南アジアあたりで取れるのであるが、

東南アジアから中国へ→モンゴル被害者の会の友達アラブへ→アラブと仲良しイタリアへ→ポルトガル()スペイン()

というルートを踏むもんだから、ポルトガルやらスペインやらにたどり着くころにはアホみたいに値段が釣り上がっていた。
だから、ブーン達はインドと直接やり取りをして、コショーをた〜〜んと使ったお肉料理が食べれたらいいんじゃないのかな。みたいに考えていたのだ。

                    _,.ィ≦圭圭≧x .. _
                    .ィ為圭圭圭圭圭圭圭≧x
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                ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圦
                  |圭圭才⌒ー=≠寺圭圭圭圭圭|
                 ⅧiⅣ          ̄ ̄Ⅷ圭圭|
                   ⅧIi  、        _   ⅧIli:圭!
                     Ⅷ| `ー=≠'.  ,.ィ=彳`  Ⅵ圭7       「腐ったって食べれるんじゃないのか!?
                 Ⅵ <てハ :::i : rt_j ァ  }才' /        感謝しろよ!! お前、感謝しろよ!!
                       }|    ...::::ノ 、   ̄    iレ /           なんでそこでやめるんだよ!! ダメダメ!!」
                  ト、   ,.ィ   .     /.イ           
                  ヘ  / ー-=彳ヽ  //_
                     ヘ : r=ニ ニ=ォ,   /圭≧x 、
                .ィ≦Ii圦 、 レ⌒⌒レ’ ,.イ|圭圭圭会:
                   /圭圭圭ハ `ー==イ  /  |圭圭圭圭L.. _
           _,ィ≦圦:寺圭圭∧ゝ... _ ,イ  ,イ圭圭圭圭圭圭圦
        ,.ィ≦圭圭圭圭≧ュ...`寺∧ ー=≠≡彳圭圭圭圭圭圭圭圭≧x
       /圭圭圭圭圭圭圭圭会ュ. Ⅶ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ハ

                ジョアン2世 (1455 - 1495) ※この時代にもテニスはあった

中にはこういう風に考える熱血野郎もいただろうが、当時の庶民たちは喉から手が出るくらい胡椒が欲しかったのであった。

63名無しさん:2016/06/08(水) 20:28:59 ID:SzL2U0n.0
しかし、”アフリカ西海岸から東に回ってインドに行ける説”というのは、常識で考えたらムリムリムリムリカタツムリな理論なのである。

なぜならば、アフリカ大陸と南極大陸(南極大陸があるとは思ってない)は陸で繋がっていると考えられていたからだ。
ふーむ、確かにそれなら無理だろう。が、そういう話をするとアジアの商人たちに何言ってんだコイツみたいな顔をされてしまう。
ここで先ほどの疑問に戻る。”アフリカから東に回って、インドいけるんじゃね?”。もし本当に行けたのであればそれはとってもハッピーなのだ。


ここで、ポルトガルのブレイン達がジョアン2世に”アフリカ西海岸から東に回ってインドに行ける説”を説いてみると

                    _,.ィ≦圭圭≧x .. _                       https://www.youtube.com/watch?v=YqHJrRBu1uA
                    .ィ為圭圭圭圭圭圭圭≧x
                 /圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭会:
                ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圦
                  |圭圭才⌒ー=≠寺圭圭圭圭圭|
                 ⅧiⅣ          ̄ ̄Ⅷ圭圭|
                   ⅧIi  、        _   ⅧIli:圭!
                     Ⅷ| `ー=≠'.  ,.ィ=彳`  Ⅵ圭7       「良いじゃんそれ。食いしん坊、万歳!」
                 Ⅵ <てハ :::i : rt_j ァ  }才' /        
                       }|    ...::::ノ 、   ̄    iレ /          
                  ト、   ,.ィ   .     /.イ           
                  ヘ  / ー-=彳ヽ  //_
                     ヘ : r=ニ ニ=ォ,   /圭≧x 、
                .ィ≦Ii圦 、 レ⌒⌒レ’ ,.イ|圭圭圭会:
                   /圭圭圭ハ `ー==イ  /  |圭圭圭圭L.. _
           _,ィ≦圦:寺圭圭∧ゝ... _ ,イ  ,イ圭圭圭圭圭圭圦
        ,.ィ≦圭圭圭圭≧ュ...`寺∧ ー=≠≡彳圭圭圭圭圭圭圭圭≧x
       /圭圭圭圭圭圭圭圭会ュ. Ⅶ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ハ

                ジョアン2世 (1455 - 1495) ※この時代にもテニスはあった

と、結構乗り気になった。

64名無しさん:2016/06/08(水) 20:32:37 ID:SzL2U0n.0
王様が乗り気になったところで、ブーン達は本格的に”アフリカ西海岸から東に回ってインドに行ける説”証明する探索隊を作ることになった。
もちろん、プレスタージョンとコンタクトをとる目的の方が上である。絶対に笑ってはいけない大航海時代。


( ^ω^)
   φ...


ブーンは人材を集める担当を受け持った。立候補だった。ブーンパパからのパイプもあったので、適任であると自分で思ったのだ。
もう今は死んでしまっていないが、ツンのパイプだってある。女手一つで自分を育ててくれたツンは王立の病院で働いていたのだ。
ツンがマジメに働いてくれたおかげで、今こうしてブーンは王国のために働いているのだ。これほどありがたい話はない。

流石は父の代から卓上の仕事は得意なブーン、そうこうしている内に人材は集まった。今回も海には出ないが、探検隊の大きな力となった。
さて、肝心の司令であるが、これにはあの熱血漢ジョアン2世から直々に任命された”お気に入り”がいた。

                                             https://www.youtube.com/watch?v=c2i2LhWSv-A
                  ./            ;; ;;    :  l
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                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

この男、バーソロミュー・ディアスである。

65名無しさん:2016/06/08(水) 20:33:43 ID:SzL2U0n.0
冷静であり、大胆。頭は常にさえており、判断は適格。仲間思いで、勇敢。そう、この人こそバーソロミュー・ディアス!
父も同じく海に体をささげた男。エンリケ王子に直々に仕えていたのであった。うーん、これは信用できる。
さらに彼自身も王の僕。騎士であり勇猛。仕事も出来、貯蔵庫の管理だって任されていた。

それがスペシャリスト。これこそがスペシャリスト。バーソロミュー・ディアスなのである!

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                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「いいか、よく聞け。注意しろ。この航海は危険だ」
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {                              ドドンッ!
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                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

バーソロミュー・ディアス探検隊の発足にポルトガル王室中が沸いた。あのバーソロミュー・ディアスが海に出るのである。


( ^ω^)「これは凄いことになったお」


たまらずブーンも家に帰ってから妻や息子のブーンに自慢話。あのバーソロミュー・ディアスの目力の凄い事。あの声の優しく響くこと。
バーソロミュー・ディアスのおおよそ全てのことについて自慢したといっては過言ではない。
それほど、スペシャリスト。そう、彼はスペシャリストなのであった。誰もを虜にするスペシャリストなのだ。

66名無しさん:2016/06/08(水) 20:34:51 ID:SzL2U0n.0
いよいよ航海の日が近づいた。
ブーンは人材の確保が終わったので、あんまり進んでなかった船や積み荷の確保に急いだ。
流石は父の代から裏方だけは得意なブーン。ひょいひょいひょいひょいと集めて行った。すごいぞ、ブーン!

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                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「上出来じゃないか、ブーン。ハッハッハ」
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {                              ドドンッ!
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                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

( ^ω^)「こ、光栄ですお!」


仕事のできる男、ブーン。直々にあのスペシャリストから声をかけられた。これにはブーンも有頂天。家に帰ってから早速自慢をした。

今回はこのバーソロミュー・ディアスの考えもあって、キャラベル船2隻に武装を施した。
この人はスペシャリスト。敵には武力をもって対抗する。来るなら来てみろ、野菜野郎! こっちにはスペシャリストがいるんだぞ!
ブーンは誇らしかった。この偉大なる男がプレスタージョンと会おうと言うのだ。インドへの道を見つけようと言うのだ。

ブーンは家族や同僚にこう言いふらしていた。「航海の日はかならず港でお〜〜い!ってするお!」と。

が、その晴れやかな気持も一気に不安となる出来事が起きる。

67名無しさん:2016/06/08(水) 20:36:58 ID:SzL2U0n.0
なんと、何の前触れもなくあの熱血漢ジョアン2世から手紙が届いたのだった。

      ある日がんばるブーンに
       手紙が届きますた・・・
          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
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                                    https://www.youtube.com/watch?v=wEQ0-ZzEacQ

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     /  もっと熱くなれよ!  /  /   /
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( ; ゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

ブーンはあの熱血漢に「海にも出ずに仕事をした気になってるムカツくヤツ」と思われていたのだ。

そして、ブーンは知っていた。海に出る事の過酷さを。亡き父が身を持て証明してくれた。海に出れば、命は無いという事を!
哀れブーン、ブーンパパに続きまたしても海と藻屑になる運命なのである。

68名無しさん:2016/06/08(水) 20:39:10 ID:yqKeQZCw0
しんだな

69名無しさん:2016/06/08(水) 20:41:44 ID:SzL2U0n.0
                                        https://www.youtube.com/watch?v=hvDBWw2C3Hg

無念、ブーン。ブーンは無念。こうなってしまっては仕方がない。命令を無視すれば”情熱”で対処されてしまう。
あの王様は諦めや躊躇などの類が世界一嫌いなのだ。スマッシュ!アンドスマッシュ!

家に帰ってブーンは妻と息子のブーンと孫のブーンに海に出なくてはならない事を伝えた。
妻はそれなりに悲しんだのだが、息子のブーン達は違った。


(*^ω^)「父ちゃん、すげぇお! カッコイイお!」

(*^ω^)「おじいちゃんゴイスー!」


などと孫にだって言われてしまう始末。若者にとって海は夢と希望であふれる大海原なのだ。息子のブーンの息子のブーンに至っては大学1年生の
ごとくハシャギまくりで、友達に自慢しまくる。おじいちゃんは海の男なんだぞ! ウェーーーーーーーーイ!
貴重な紙を消費して海の男ブーンシリーズのマンガまで描いてしまった。かわいいかわいい。

しかし、現実を知ってしまったつまらない大人代表のブーンはそういう目で大海原を見ることが出来ない。

一攫千金を夢見たり、自分で地の果てを見てみたい、歴史に残ることをしてみたい! と思っている人間なら別だ。
だが、コイツはブーン。相も変わらず王国に仕え、それなりに安定した生活をしている。こないだも”お仕事頑張ったから”という理由で
胡椒をすこ〜しだけ頂戴した。今の生活で大満足なのである。海になど出たくはない。


( ´ω`)「じーちゃん、がんばるお」


優しい男ブーン。キラキラした目を向けてくる我が子や孫に情けない事は言えまい。大きくなったとは言え、まだまだブーンにとっては永遠の子供。ブーンにだって
プライドがある。それに、こんなに慕われたのもいつぶりだろう。子供は成長すると人の子になってしまうのだ。
しかしブーン、ここは最後までヒーローに徹した。俺は大海原を征く海の戦士なのだぞ!ゴーゴー、トリトン!

悲しいかな、大人の務めはしっかり果たしたブーン。あとは海に死にに行くだけだ、頑張れ!
え? 死ぬとは限らない? いや、死ぬんだ。作者の俺が言うからには間違いない。死ぬ。このブーンも息子のブーンもみんな死ぬ。孫も死ぬぞ!

70名無しさん:2016/06/08(水) 20:45:06 ID:SzL2U0n.0
さて、ついに出港の日となった。
リスボンの港には大勢の人が集まっている。あのスペシャリストが海に出ようと言うのだ。旗まで振ってお祭り騒ぎである。
大勢の人の中にはブーンの息子ブーンと、孫のブーンもいる。肩車なぞをして、孫はけなげに手なんか振っちゃったりしているわけだ。


( ´ω`)


あーあ、ブーン。ホントはそっち側の人間だったのに、運命は逃がしてくれないのだ。こうなったら諦めて頑張れ、ブーン!

                  ./            ;; ;;    :  l 
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                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「よし、出港だ! アフリカを捜索する。いいな!」
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                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

大歓声の中、リスボンの港から飛び立ったバーソロミュー・ディアス探検隊。
タイトルはこうだ。”15世紀の奇跡を見た!!人跡未踏の海洋にインドへの道は実在した!!”。高視聴率は間違いない。

武装キャラベル船を二隻、それに補給船を1隻といったパーティ。バーソロミュー・ディアスは先頭を行くキャラベル船に乗船。
不運の男、ブーンもバーソロミュー・ディアスとおんなじ船に乗り込んだ。

71名無しさん:2016/06/08(水) 20:46:56 ID:SzL2U0n.0

                  ./            ;; ;;    :  l 
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                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「いいか、気が付いたことがあったら俺に言え!」
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {                              ドドンッ!
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                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)

海を出てからもスペシャリスト、バーソロミュー・ディアスのお陰で船員の士気は高かった。
何とも頼もしいその声と、的確な指示によって順調な航海を続けていた。
陸から攻撃してこよう野菜野郎がいれば、大砲を容赦なくブチかますバーソロミュー隊長。船員も「これヌルゲーだろ」とか思っちゃうレベル。

      っ
     っ
( ´ω`)

卓上の仕事は得意なブーンも、それなりに力仕事をこなした。あーだこーだグチグチ言う暇もなく、あっさりとボハドル岬を越えてしまった。
ブーンの父親が越えられなかったボハドル岬をあっけらかんと超えてしまった探検隊。これにはブーンも唖然。
哀れブーン、航海ってこんな簡単でいいのか? ともはや半信半疑の様子。

流石はあの熱血漢からも熱い信頼を寄せられている男。これがスペシャリスト、これこそがスペシャリストなのである。

72名無しさん:2016/06/08(水) 20:48:38 ID:SzL2U0n.0
快進撃のバーソロミュー・ディアス探検隊。その勢いは収まることを知らず、ギャンギャンと南下していく。
天候が味方したこともあって、ボハドル岬どころか、赤道なんて遊びに行くみたいに越えてしまい、果てはディオゴ・カン
というオヤジが超絶苦労してたどり着いた、当時の最南端であるナミビアはクロス岬までなんのトラブルもなく到達。


      ,へ〜~~ ̄ ̄フ,           フ                        https://www.youtube.com/watch?v=c2i2LhWSv-A
     /´         `〜、_ |`〜、_,、__/
   ,/                    ヽレ、
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             く               /
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                )            |    、
               ◎´この辺!      _) ,,ノ´ |
               (,,          、〜´  )  |´
               ヽ          ヽ   (  |´
                |,        、ノ    し-´
                 ヽ       ノ
                 ゝ     ノ
                 `-〜〜~´

しかし、スペシャリスト、一切の油断をしない。
「いいか、気を付けろよ。航海はなにがあるかわからないからな……」などと渋みを利かせたトークで船員たちを盛り上げた。
ヒュー。かっこいいぜスペシャリスト。

73名無しさん:2016/06/08(水) 20:50:36 ID:SzL2U0n.0
しかし、リスボンを出てから相当の時間がたっている為、船員も疲れてくる。
特に臆病で情けのない、座ってしか仕事のできないブーンみたいなやつはここまで到達すると急に不安になって来るのだった。


(; ´ω`)「ま、まだ先に行くんですか……?」


先に行くこと在り気で出発した船なのに関わらず、ぶっ飛ばされそうな質問までしてしまう有様。
当然バーソロミュー・ディアス隊長はその先まで行く気マンマン。そもそもの目的はプレスタージョンの国を見つけ、いや違う。
アフリカ西海岸から東に回ってインドへの道を見つけるという目的。

ここで諦めたらおいしいお肉が食べれなくなってしまうぞ!という言葉だけを胸にブーンは自分と戦った。


(; ´ω`)「がんばるお!」
   p q


バーソロミュー隊長は、少なくなった補給船の荷物のほとんどを他の船に積み込んで、武装船2隻で南を目指すことにした。
ブーンは意外に少ない荷物を運びながら思った。

「あれ? 物資ギリギリなんじゃないの?」 と。
でも、ブーンは大人! そんな小さな疑問なんて吹き飛ばしたぞ! 偉い!

そして、再びバーソロミュー隊長率いるスペシャリスト探検隊は出発することになるのだが、ここまで来て予期せぬ事態に直面すること
になるのだった。

74名無しさん:2016/06/08(水) 20:51:59 ID:SzL2U0n.0
                                                 https://www.youtube.com/watch?v=Opwq0C0hjOg
なんと、大嵐に巻き込まれたのだった。


( ; ゚'ω゚)「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


これがとんでもない規模の大嵐。ベテラン船員たちもこんな大嵐体験した事無いくらい。
何人かは風に巻き込まれて海に放り出されてしまうほどであった。あいにくブーンは有史以前に決まっていたデブという設定により風に
飛ばされることはなかったのだが、それでも普通に立ってはいられないくらいの風。
ペチペチあたる雨水にくじけそうになるが、ここはスペシャリスト。船員の士気をギャンギャン上げる。

                  ./            ;; ;;    :  l  
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「最悪の時にこそ本質がよく見えるものだ。逆境こそ大いなるチャンス。
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {   大時化の時こそ  大物を釣り上げるチャンスだ」
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll                            ドドンッ!
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

雨水と共に最高の名言を浴びせるバーソロミュー隊長。これを聞いて船員たちも死ぬまい死ぬまいと頑張って船を守った。

75名無しさん:2016/06/08(水) 20:54:54 ID:SzL2U0n.0

      っ
     っ
( ; ゚'ω゚)


ブーンも一生懸命頑張った。入ってくる水をオケで一生懸命外に捨てた。ディズニー映画みたいになりながらもバッシャバッシャ捨てた。
デブという設定を生かしつつ、飛ばされちゃいそうになる船員を支えたりもした。ここぞとばかりに頑張るブーン! 意地でもポルトガルに
帰るんだ! かわいい孫が待っているぞ!

全員が死ぬ物狂いで船を守っている内に嵐は過ぎ去った。これもすべてバーソロミュー・ディアス隊長のおかげだ!
全員が声を揃えて讃えた。ありがとう、隊長。ありがとう! と。
嵐にまみれて死ぬ直前だった船員たち。もうほんとマジで早いとこ家に帰りたい。

しかし、嵐が過ぎ去って新たな問題が発生したのであった。

                                        https://www.youtube.com/watch?v=FBQr6ryEorg
( ; ゚'ω゚)「ここ……。どこだお……?」


そう。自分の今居る位置が全く持ってわからなくなってしまったのだ。
もうほんとわかんない。ここどこ? 状態。周りを見ても海しかない。知っている海ならまだいい。
が、ここは未開の海。ヨーロッパ人がたどり着いたことの無い、未知の領域なのである。

船員全員が大パニックになってしまった。哀れブーン、この男も大パニックに陥った一人。

      っ
     っ
( ; ゚'ω゚)「早く! 早くリスボンに帰りましょうお!!」


率先して帰る事を提案する、情けなき男ブーン。こんなものジョアン2世が聞いたら、湿疹が出るくらいの”情熱”をおみまいされるに違いない。

76名無しさん:2016/06/08(水) 20:56:03 ID:SzL2U0n.0
慌てふためく船員たち。だが、その船員たちを見て、あのスペシャリストは口を開いた!

                                                https://www.youtube.com/watch?v=c2i2LhWSv-A
                  ./            ;; ;;    :  l 
                  {           ミ゛ ミ     : l
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                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「落ち着け! 東に舵を取れ!」
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {                    ドドンッ!
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

冷静であり、大胆。頭は常にさえており、判断は適格。仲間思いで、勇敢。そう、この人こそバーソロミュー・ディアス!
バーソロミュー・ディアスは船を東に進ませた。理由は単純。東に進めば嫌でもアフリカ大陸が見えてくるのである。
もう当然の理論。アフリカの西を行っているんだもの。が、パニクった船員たちはそんな単純なことさえ忘れていたのだ!

流石は隊長! この男についていけば何の間違いもないのだ! これで早くポルトガルに帰れるぞ! やったね、ブーン!

77名無しさん:2016/06/08(水) 20:59:48 ID:SzL2U0n.0
が、行けども行けども陸地が見えない。船員たちは理屈は知っているので、それでも諦めずに東を目指した。
しかし、やっぱりどうにも陸地が見えない。これはおかしい。

      っ
     っ
( ;´ω`)


もう2週間は東に向かっている状態。これには相変わらず冷静沈着なブーンもパニック。
自分たちの知らない世界の海を進んでいるのではないのか、と本気で心配するようになった。


( ^ω^)


やがて、段々と士気は下がっていき、ついにはブーンは考えることを止めた。

この状況にはスペシャリストも不思議に思った。どう考えても東に進めば陸地は見えてくる。これはおかしい。
が、ここで冷静な頭脳を持ち合わせたこの男に、とある閃きが舞い降りた。


「これ、大陸最南端通過しちゃってるんじゃないかな」


バーソロミュー・ディアスは「北に舵を取るんだ!」と命令。この推測が当たっていれば、北に舵を取ることで陸地が見えてくるからである。
が、早く帰りたい病に陥ってしまったブーンはようやく帰れると哀れにも早合点。ブーンより下の身分の人間にカッコイイ息子とかわいい孫の話を
始めてしまうので、これはもう始末に負えない。普段歌わない歌まで歌った。ブーンはウザい上司ナンバーワンだ。

78名無しさん:2016/06/08(水) 21:02:30 ID:SzL2U0n.0
                                                      https://www.youtube.com/watch?v=wsztV6HFGuA
すると、ほんのちょっと進んだだけなのに陸地が見えてきたではないか。
間違いない。バーソロミュー・ディアスは確信した。あれこそが、アフリカ最南端だ!

                  ./            ;; ;;    :  l 
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                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「見ろ……!あれを見るんだ……!
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {   我々はついに成し遂げたのだ……!」
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll                    ドドンッ!
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)

さらに東には海岸が続いているではないか。これでアフリカを越えてインド洋に出られるという可能性が現実味を帯びてきたのである。
ポルトガルが直接インドとやりとりが出来るかも知れないのである! ジョアン2世がマグマを噴出させる出来事だ! スマッシュ! アンドスマッシュ!


( ; ゚'ω゚)「そ、そんな……」


一方、アフリカ最南端とかいう歴史に残る発見でさえ、どうでも良いと考えているブーン。
早く帰れるとばかり思ったのに新発見をしてしまって、膝が砕けるほどにショック。まさに歴史の足枷状態である。

79名無しさん:2016/06/08(水) 21:02:57 ID:ZEzJIxBw0
孫いるのか・・・

80名無しさん:2016/06/08(水) 21:04:04 ID:SzL2U0n.0
このまま東に進めると分かれば、答えは決まっている。ついに我らが隊長は口を開いた!

                                                https://www.youtube.com/watch?v=c2i2LhWSv-A
                  ./            ;; ;;    :  l 
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「さあ征くぞ。モタモタはしていられない。
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {   いざ、インドへ出港だ!」
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll                    ドドンッ!
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

冷静であり、大胆。頭は常にさえており、判断は適格。仲間思いで、勇敢。そう、この人こそバーソロミュー・ディアス!
俄然やる気満々のバーソロミュー・ディアス隊長だが、疲れ果ててしまったブーン含む船員は”いやいやいやいや!”と全員で首を振った。
これは冗談じゃない。これ以上東にいったら本気で帰れなくなってしまう!

ほぼ船員全員で猛抗議。これ以上はスペシャリストについていけないぞ!

ブーンに至ってはものすごい勢いでもう抗議をした。ありとあらゆる理由をつかった! 補給船が遠くなってしまう! ポルトガルには小さな孫が!
妻が悲しんでしまう! 果ては、父が危篤なんです! うんこがもれそうだ!! とあからさまなウソまで並べる始末。というかウンコは漏らした。
最終的にはバーソロミュー・ディアス隊長の足に縋り付いて泣きわめいた。なんと意気地のない。設定上隊長は年下だぞ!

81名無しさん:2016/06/08(水) 21:05:50 ID:SzL2U0n.0

。・゚゚・( ´ω`)・゚゚・。「帰りたいんですぅ〜〜〜〜〜」 オーン


ここまでされたら仲間思いのバーソロミュー・ディアス。考えざるを得ない。無様に泣きついたブーンの様に負けたのだ。

                  ./            ;; ;;    :  l 
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「よし。多数決を取ろう。二つに一つだ。
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {   先に進むか、戻るか。良いか!」
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll                    ドドンッ!
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)

                                                        https://www.youtube.com/watch?v=mmCnQDUSO4I
結果は先に進みたいバーソロミュー・ディアス1人に対し、他全員が帰りたい票という有様。
これにはバーソロミュー・ディアスもずっこけた。多数決ならしかたがあるまい。仲間思いのバーソロミュー・ディアスは逃げ帰る
事に決めてアフリカ最南端を後にしたのである。


( ´ω`) Zzz...


プライドの欠片もないブーンはホッと胸をなでおろした。この日はいつもより多くのかたーいお肉を食べて、ぐっすりとおねんねした。殺せ!

.

82名無しさん:2016/06/08(水) 21:07:05 ID:SzL2U0n.0
なお、嵐の後で一番最初にたどり着いた場所は最南端ではなかった。最南端を通り越して、ほんのすこし東の場所だったのだ。
ポルトガルの帰り道にちょこーんとした岬を発見したのだが、それこそがアフリカ最南端。その岬には「嵐の岬」という実にシンプルで男らしい名前を付けた。

                  ./            ;; ;;    :  l 
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「男! 嵐!!」
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {           ドドンッ!
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

はてさて、ようやく帰れる事になったブーン。だがしかし、哀れブーンにとっての悲劇はこれからなのであった。
ポルトガルへの帰路について早1週間をすぎた所。やはり持つべきものはスペシャリスト。気候に恵まれて全速力で北上中。
途中で置いてきた補給船も動かして、早く帰るぞと船員全員の士気が上がっていたところ。


( ;´ω`)  ポタ…
    ・


ブーンの歯ぐきから血が出た。

83名無しさん:2016/06/08(水) 21:08:41 ID:SzL2U0n.0
これはどうしたことだろうか。放置していた虫歯が悪化したのか? それとも知らないうちに歯ぐきを切ってしまっていたのだろうか。


( ;´ω`)「……?」


ひとまず、その日は大して気にはしなかった。
その日も手帳に自分の息子と孫への思いと、孫には”決して大人になっても海になんか出るなよ〜”という事を記して寝たのである。

翌日は歯ぐきから血が出ていなかったので、やっぱり知らないうちに歯ぐきを切っていたのだなぁ、と思った。
のだが、2日くらい経つと歯が痛い。グラグラしてきた。


( ;´ω`)「あうあう」


さらには指やら肘やらに痣が出来ている。あんまり寝相が悪かったのだろうか。
いや、そうではない。ベテラン船乗り達はこの症状を知っていた!

             ,,,、、、、、,,,,
          ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.、
         ,f;:;:;ミミヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
        ,;:;:;;;;ミミヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^リN;;                            https://www.youtube.com/watch?v=_B0CyOAO8y0
       ,;:;;;;;;;;;;;;ヲヲ'''ィイハ、  ノi;;;;;!
       ',;:;;;;;;;;;ィイ ,,、、、、   ,r- 、;;;;!
       V;:;;:;;;ル'゙゙,rモテ.:;' ノッャ''';;シ 
         Nいiij       ~` リ         「壊血病ですね、これ」
        Nいii!':,    、;::′ ,j!       
        ル:;;;;{,    ,, --、  1 
        ルハシヽ   ´ 二`` ,′ 
        `フリハ `丶、.    / 
       ,/ i ',     ``ーイ     
  _,.. -‐''ニ7.  ヽ ヽ     i ヽ   
 ̄ `ー─'"7_ _ \\    ハ  \_   
  ',        _>\     /7⌒゙```ヽ、  
   i        <_   \  / \      ト、
 .  l        ``ヽ,  ', ! /      l '

84名無しさん:2016/06/08(水) 21:09:55 ID:4/z1YyoM0
あちゃー

85名無しさん:2016/06/08(水) 21:09:57 ID:SzL2U0n.0

( ; ゚'ω゚)「か、壊血病……?」


壊血病! それはバランスよくお野菜や果物を取らないとかかってしまう欠乏症である!
かかってしまうのも当然、長らく海に出ていればお野菜や果物なんて取れるはずもない。
大航海時代の船乗りたちは何万人とこの壊血病に倒れてきたのであった。ノービタミンC、ノーライフ。

哀れブーン、遠いアフリカの海で壊血病にかかってしまった! ああ、なんということだ、ポルトガルまではまだまだかかる。

やがてブーンの体はだるくなって動かなくなってきた。足も手も痛いし、歯ぐきからは血が出るし、とてもじゃないが生きた心地がしない。
咳をするたびに血が出てきて、これは見ていられない有様。こうなってしまっては残念だが死ぬしかない!

                  ./            ;; ;;    :  l 
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}  「クッ……、大切な仲間をここで失くすとは……」
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {                            ドドンッ!
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

心配になって見に来てくれたバーソロミュー・ディアスも、ダラダラと徳光のごとく涙を流してもはや諦めムード。
必至になって生きてるブーンを目の前に、死んだ人間扱い。かわいそうに、ブーン!

86名無しさん:2016/06/08(水) 21:11:06 ID:SzL2U0n.0

( ;´'ω`)


時間がたってボロ衣のようになってしまっても、なんとか生きていた。
頑張って生きて帰って、息子と妻に会うんだと、静かな情熱を燃やしていたのであるが、
             ,,,、、、、、,,,,
          ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.、
         ,f;:;:;ミミヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
        ,;:;:;;;;ミミヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^リN;;      
       ,;:;;;;;;;;;;;;ヲヲ'''ィイハ、  ノi;;;;;!
       ',;:;;;;;;;;;ィイ ,,、、、、   ,r- 、;;;;!
       V;:;;:;;;ル'゙゙,rモテ.:;' ノッャ''';;シ 
         Nいiij       ~` リ         「死んじゃいましたね……」
        Nいii!':,    、;::′ ,j!       
        ル:;;;;{,    ,, --、  1 
        ルハシヽ   ´ 二`` ,′ 
        `フリハ `丶、.    / 
       ,/ i ',     ``ーイ     
  _,.. -‐''ニ7.  ヽ ヽ     i ヽ   
 ̄ `ー─'"7_ _ \\    ハ  \_   
  ',        _>\     /7⌒゙```ヽ、  
   i        <_   \  / \      ト、
 .  l        ``ヽ,  ', ! /      l '

完全に死んでしまったと勘違いされてしまった模様。
死体は船には積んではならない! なぜなら、腐ってしまって他の病気を呼んでしまうからである!
船員たちは「よし、海に捨てよう」「遺品は取ったか?」「誰が奥さんに告げる?」などと生きている本人の目の前で死後の処理を相談中。


( ;´'ω`)


生きているぞ! ブーンは生きているぞ!

87名無しさん:2016/06/08(水) 21:12:33 ID:SzL2U0n.0
しかし、喋れないし動けないブーンはたくましい船員たちにいっせーのーせっ! で持ち上げられて、ぽーいと海に捨てられてしまった。
ブーンは必死に心の中で叫んだ。生きているぞー生きているぞー! と。


( ´'ω`)。0 ○


しかし悲しいかな、ブーン2世ここアフリカ西海岸にて溺死!ぶくぶくと溺れて海の藻屑となってしまった。無念! 合掌!

             ,,,、、、、、,,,,
          ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.、
         ,f;:;:;ミミヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
        ,;:;:;;;;ミミヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^リN;;      
       ,;:;;;;;;;;;;;;ヲヲ'''ィイハ、  ノi;;;;;!
       ',;:;;;;;;;;;ィイ ,,、、、、   ,r- 、;;;;!
       V;:;;:;;;ル'゙゙,rモテ.:;' ノッャ''';;シ 
         Nいiij       ~` リ         「ただいま〜」
        Nいii!':,    、;::′ ,j!       
        ル:;;;;{,    ,, --、  1 
        ルハシヽ   ´ 二`` ,′ 
        `フリハ `丶、.    / 
       ,/ i ',     ``ーイ     
  _,.. -‐''ニ7.  ヽ ヽ     i ヽ   
 ̄ `ー─'"7_ _ \\    ハ  \_   
  ',        _>\     /7⌒゙```ヽ、  
   i        <_   \  / \      ト、
 .  l        ``ヽ,  ', ! /      l '

その後、バーソロミュー・ディアス探検隊は無事にポルトガルに到着! 生き残った船員は家族との再会を喜んだ! おめでとう、おめでとう!


.

88名無しさん:2016/06/08(水) 21:13:07 ID:SzL2U0n.0
( ^ω^)

89名無しさん:2016/06/08(水) 21:19:52 ID:zMgsp1h2O
容赦なく死んでいくな

90名無しさん:2016/06/08(水) 21:20:21 ID:ZEzJIxBw0

死ぬために生まれてきた

91名無しさん:2016/06/09(木) 01:02:49 ID:P7DDXV1g0
>>56
クッソウケる名前の村wwwwww

92名無しさん:2016/06/09(木) 01:51:19 ID:KwQGysVo0
ナレーションがちょっと昔のディズニーアニメとかカートゥーンとかの吹き替えのナレーションみたいな淡々とした感じに脳内再生される

93名無しさん:2016/06/09(木) 03:51:59 ID:M0s9tH0g0
この白々しいまでにあっけらかんとしたナレーションが癖になる

94名無しさん:2016/06/09(木) 21:18:19 ID:ZtWttxpA0
この儚いブーン達噛み締めながらネオアトラスやりたくなってくる

95名無しさん:2016/06/09(木) 21:44:12 ID:jwp8DEcc0
凄い面白い

96名無しさん:2016/06/10(金) 15:02:47 ID:LsyzIrUI0
クッソ面白いうえにBGMも秀逸過ぎて

97名無しさん:2016/06/10(金) 17:00:49 ID:jybB9CQc0
復帰早いなー

98名無しさん:2016/06/12(日) 17:52:17 ID:XbdkK0I.0
もっと熱くなれよwwwwww

99名無しさん:2016/06/14(火) 08:47:41 ID:kXBi2xPU0
センスが爆発してるなこれ
クッソ面白い

100名無しさん:2016/06/16(木) 00:35:21 ID:03A0jm9I0
§ ブーン3世(1460 - 1500)                                  https://www.youtube.com/watch?v=Qe4yTxbOTi4

ブーンがポックリ死んで、ポルトガルに無事帰還を果たしたバーソロミュー・ディアス。
アフリカ最南端を見つけてきた! なんて報告をするんだから、プレスタージョンの事は忘れてジョアン2世は大喜び。
そして、その岬を「嵐の岬」を名付けました、なんて言うと

                    _,.ィ≦圭圭≧x .. _
                    .ィ為圭圭圭圭圭圭圭≧x
                 /圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭会:
                ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圦
                  |圭圭才⌒ー=≠寺圭圭圭圭圭|
                 ⅧiⅣ          ̄ ̄Ⅷ圭圭|
                   ⅧIi  、        _   ⅧIli:圭!
                     Ⅷ| `ー=≠'.  ,.ィ=彳`  Ⅵ圭7       「ダメダメ!!! なんでそんなマイナスな名前つけるんだよ!!
                 Ⅵ <てハ :::i : rt_j ァ  }才' /        もっと熱くなれよ!! もっと思い込めろよ!!!
                       }|    ...::::ノ 、   ̄    iレ /           この岬は我々にとって希望だ! そうだ! 喜望峰だ!」
                  ト、   ,.ィ   .     /.イ           
                  ヘ  / ー-=彳ヽ  //_
                     ヘ : r=ニ ニ=ォ,   /圭≧x 、
                .ィ≦Ii圦 、 レ⌒⌒レ’ ,.イ|圭圭圭会:
                   /圭圭圭ハ `ー==イ  /  |圭圭圭圭L.. _
           _,ィ≦圦:寺圭圭∧ゝ... _ ,イ  ,イ圭圭圭圭圭圭圦
        ,.ィ≦圭圭圭圭≧ュ...`寺∧ ー=≠≡彳圭圭圭圭圭圭圭圭≧x
       /圭圭圭圭圭圭圭圭会ュ. Ⅶ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ハ

                ジョアン2世 (1455 - 1495) ※この時代にもテニスはあった

情熱方程式に基づいて勝手に「喜望峰」という名前に変えられてしまったのであった。
そのおめでたいネーミングセンスは置いておくとして、喜望峰の発見によりプトレマイオス先生が作った地図が嘘っぱちだったという事が
公になったのである。これは人類にとって大きなターニングポイントとなるだろう。

101名無しさん:2016/06/16(木) 00:37:10 ID:WGzdNDb.0
よっしゃ!

102名無しさん:2016/06/16(木) 00:38:04 ID:qq.XcEAo0
出だしから面白い

103名無しさん:2016/06/16(木) 00:38:41 ID:03A0jm9I0
こうしてポルトガルは、アフリカ西を通って東に進む! するとインドにたどり着ける! わあい! という可能性を独占することになるのであった。
アフリカ西海岸を多国籍船が通るものなら撃つわ沈めるわの大騒ぎ。ジョックのパーティーと同じくらいの乱痴気っぷりだ。
さらにさらにジョアン2世は既に本気だった海洋事業に対してもっと本気になった。もはやむさ苦しい火だるまとなってポルトガルを突き動かすはた迷惑な存在になってしまったのだ。

調子に乗りまくってポルトガルがインドへの道をあれこれ考察している中、とある破天荒な考えをした人物が現れる。


              .ィ                                 https://www.youtube.com/watch?v=vHs2pp2eiNk
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「ポルトガルから西に進むだけでインドに行ける……ッ
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ    絶対に……ッ」
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない


それは誰もが知っているこの偉人。クリストファー・コロンブスその人である。

この男、ジョアン2世に負けず劣らずの超熱血漢。この頃誰もが思いつかなかった”西に進めばインドにつく”という、たわけな事を考えていたのだ。
しかも、しばらく進めば、とかいうレベルじゃない。”ほんのちょっと進めば”インドにつけるとか言っちゃったもんだから街では大騒ぎ。

104名無しさん:2016/06/16(木) 00:40:45 ID:03A0jm9I0
そして何を隠そう、このクリストファー・コロンブス、”西進めばインド説”を持った原因がマルコポーロ先生の書いた「とーほーけんぶんろく!」とかいうラノベと
ピエール・ダイイ先生の書いた「せかいのすがた!」というラノベであった。
この本にこう書いてあったから! と周りの人間に必死になって説明するが面白いギャグだと思われて大爆笑。
今では教科書でデカい顔している人物だが、当時はただのキチガイであり、お前らと同類なのであった。
                   _,,,,,,,,,、
           ,..、  _..-'''"゛    ::`゙''- ,,,
         . / /,..-'"       :::::::::::::::::::::゙ヽ,
       ./  '"           ,i、  ::.::.:::::::::::::::\
        ',            │:.l, r'',::::::::::::::::::::::\
    .、、   ヽ       .i..i   :::/'''' .!.|:::.l,::::::::::::::::::::::::\
    \`'''―ー'"    iヘ.| ::', ::.::.‐\ .,,二、ヽ;::::::::::__;::::::::::ヽ
     `'ーッ     .,i{.l゛.リ:: .| ,i"'"   ,,_;::::::::::`i:::./ :::゙'i,:::::::::ヽ,
       /  、 .:;:〃l′:!  !,'      .:~';:::::::',/:^'‐::::.!:::::::::::,'    「インドーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
       ! /,! ::::::゙l !  ゙         ::::::::::::::::::,;::::: !:::::::::::.!
       ! .! .| :::、::}   .,..-ー'''''''ii、   : :::::::::::::::',、 / :::::::::::レi
       .l,! ',::/.!:.!  ,'..,..-''''゙´;::::.l.   ::.::.::::::::::./:::::::::::::::;:::l゙
       ゛  !,' .゙' l,  ...l,:::::::::::,, 一',   ::::::::::,,:::|:::::::::::::::::::::./
             ヽ  l:::::./    !  ::.::.::::./ ::ヽ::::::::::::::./
              ヽ  l'"|   ./   : ::::::./ :::::::::ゝ:,..-','
                  ヽ ゙'―ー'"   : :: / ::::::::.,..r'":::::::',,_
                 / .ヽ       .,./ ::::,..r'":::::::::::::::  `゙゙"'''‐

          クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない


バカには何を言っても通じない。こうなればジョアン2世に直接説きに行かねば!
インドへの愛の叫びも高らかに、熱血野郎クリストファー・コロンブスはジョアン2世に熱血対決を申し込みに行くことになるのである。
俺が海に出る!! 西に進んでインドにたどり着く! 援護を頼む! インドーーーーーー!! といった具合である。

105名無しさん:2016/06/16(木) 00:42:02 ID:03A0jm9I0
しかし、ジョアン2世はというと
                    _,.ィ≦圭圭≧x .. _
                    .ィ為圭圭圭圭圭圭圭≧x
                 /圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭会:
                ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圦
                  |圭圭才⌒ー=≠寺圭圭圭圭圭|
                 ⅧiⅣ          ̄ ̄Ⅷ圭圭|
                   ⅧIi  、        _   ⅧIli:圭!
                     Ⅷ| `ー=≠'.  ,.ィ=彳`  Ⅵ圭7       「なんでアフリカからのインド行を諦めるんだよ!!
                 Ⅵ <てハ :::i : rt_j ァ  }才' /        どうしてそこで諦めるんだよ!! ダメダメ!!
                       }|    ...::::ノ 、   ̄    iレ /           ベストを尽くせよ!! もっと熱くなれよ!!」
                  ト、   ,.ィ   .     /.イ           
                  ヘ  / ー-=彳ヽ  //_
                     ヘ : r=ニ ニ=ォ,   /圭≧x 、
                .ィ≦Ii圦 、 レ⌒⌒レ’ ,.イ|圭圭圭会:
                   /圭圭圭ハ `ー==イ  /  |圭圭圭圭L.. _
           _,ィ≦圦:寺圭圭∧ゝ... _ ,イ  ,イ圭圭圭圭圭圭圦
        ,.ィ≦圭圭圭圭≧ュ...`寺∧ ー=≠≡彳圭圭圭圭圭圭圭圭≧x
       /圭圭圭圭圭圭圭圭会ュ. Ⅶ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ハ

                ジョアン2世 (1455 - 1495) ※この時代にもテニスはあった

と、クリストファー・コロンブスの考えをナイスボレー。熱血でも一枚上手である。
それも当然、ポルトガルの海洋事業はノリノリの状態で、コロンブスの考えなんか参考にしなくても全然平気。
というか、そんなリスクを冒さなくたってインド行けちゃうもんね〜、と超余裕な様子。当たり前と言えば当たり前である。リスクを負う必要なんてないのだ。
                   _,,,,,,,,,、
           ,..、  _..-'''"゛    ::`゙''- ,,,
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    .、、   ヽ       .i..i   :::/'''' .!.|:::.l,::::::::::::::::::::::::\
    \`'''―ー'"    iヘ.| ::', ::.::.‐\ .,,二、ヽ;::::::::::__;::::::::::ヽ
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       /  、 .:;:〃l′:!  !,'      .:~';:::::::',/:^'‐::::.!:::::::::::,'    「インドーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
       ! /,! ::::::゙l !  ゙         ::::::::::::::::::,;::::: !:::::::::::.!
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             ヽ  l:::::./    !  ::.::.::::./ ::ヽ::::::::::::::./
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                  ヽ ゙'―ー'"   : :: / ::::::::.,..r'":::::::',,_
                 / .ヽ       .,./ ::::,..r'":::::::::::::::  `゙゙"'''‐

          クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

そして、今日も彼はインドへの熱い思いを叫ぶのである。

106名無しさん:2016/06/16(木) 00:43:56 ID:03A0jm9I0
ポルトガルに断られてしまったとはいえ、何も行動に移さないわけにもいくまい。
このままいじけていてもラノベに影響されてちょっとだけ動いた痛いヤツという烙印が押されてしまう。けいおん!を見てギターを買ったお前ら
と同類なのだ。これはいけない。
と言うわけなので、他の国にも”西に行けばインド行けちゃうよ!”とプレゼンテーション。しかし、フランスもイギリスも見向きもしない。
当然である。ラノベに影響された人間なのだから。それは現代でもさして変わりはない。就職面接で愛読書を「魔法化高校の劣等生」と売り込む人間は
社会人をあきらめた方がいい。

はてさて話は戻すが、クリストファー・コロンブスはポルトガルの隣国”スペイン”にもアタックをかける。

              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「俺は生きて帰って証明する!! 西をまっすぐ行くだけでインドに
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ    たどり着けるという事を……!!」
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈
                   _,,,,,,,,,、
           ,..、  _..-'''"゛    ::`゙''- ,,,
         . / /,..-'"       :::::::::::::::::::::゙ヽ,
       ./  '"           ,i、  ::.::.:::::::::::::::\
        ',            │:.l, r'',::::::::::::::::::::::\
    .、、   ヽ       .i..i   :::/'''' .!.|:::.l,::::::::::::::::::::::::\
    \`'''―ー'"    iヘ.| ::', ::.::.‐\ .,,二、ヽ;::::::::::__;::::::::::ヽ
     `'ーッ     .,i{.l゛.リ:: .| ,i"'"   ,,_;::::::::::`i:::./ :::゙'i,:::::::::ヽ,
       /  、 .:;:〃l′:!  !,'      .:~';:::::::',/:^'‐::::.!:::::::::::,'    「インドーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
       ! /,! ::::::゙l !  ゙         ::::::::::::::::::,;::::: !:::::::::::.!
       ! .! .| :::、::}   .,..-ー'''''''ii、   : :::::::::::::::',、 / :::::::::::レi
       .l,! ',::/.!:.!  ,'..,..-''''゙´;::::.l.   ::.::.::::::::::./:::::::::::::::;:::l゙
       ゛  !,' .゙' l,  ...l,:::::::::::,, 一',   ::::::::::,,:::|:::::::::::::::::::::./
             ヽ  l:::::./    !  ::.::.::::./ ::ヽ::::::::::::::./
              ヽ  l'"|   ./   : ::::::./ :::::::::ゝ:,..-','
                  ヽ ゙'―ー'"   : :: / ::::::::.,..r'":::::::',,_
                 / .ヽ       .,./ ::::,..r'":::::::::::::::  `゙゙"'''‐

          クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

.

107名無しさん:2016/06/16(木) 00:46:59 ID:03A0jm9I0
彼の不屈の精神の甲斐あって、熱いシャウトにビビっと来た人間がいた。奇跡も良いとこであるのだが、史実だから仕方がない。

     _,,.. '´_,..〃  ,'            ヽ        ヽi                   
    ` ̄ ̄ /  /               ヽヽ  ヽ     リ
        〃 ,'/   /  /!   iト  ヽ       ',     !
         リ,  !   〃 /i !   !ハ  ト 、  、  ヽ     i
          / イ !  /_//__i_/!!  |iヽ',ヽ !\  !   }ハ   人
         ノ'´||  ! .ハ´レ=ナ=-、ト  i -==!i=弋、 }  .! !  ノ   「クリストファー……。コロンブス……」
          !! ! i!'! !i フ ゞ='` ヽ |  '´tナ=ミ` ヽ!ヽ ト、 ! ソ
         ヾi   ', !       ヽ,  `ゝ'イ-ヽ ノ ゝ| }ヽ{
         丿\ 从      ノ        .〃´ ヽ':::从
           ノ::::ハ    く         イ__, '´::::::::!ヽ
        -=´'´::::::::ヽ    、-.....,      /´::::::::::::::::、 i
          /,:イ::::::::::::::\    ̄     , 'ノ/::::::::::::::::::::::::i !
         ,'//::::::ノ::::::::::::i\    , ィ  ノ〃:::i::::::::::::::、:::ト !
         ! 人i:/レi:::::::::ハ `=´     イ::::::ノ::::::::丿!ハ::i
      , '"´´ ̄`丶、ヽ::ノ   ヽ       .!:::/:::::::::/!/リ !::!
     /        `'´ 、   ',       ト/_ノ! ノ /  リ
   /             `丶、 ヽ     {  ` ´  ̄ ̄ ⌒` 、
   /                `'-.,_       ,. '´      ',

         イザベル1世 (1451 - 1504) ※兄はいない

それが、イザベル1世。何を隠そうスペイン王国の女王様なのである。

彼女はその計画とコロンブスのカッコイイお顔とシャウトにビビッと来たのもあるのだが、とある考えがあってコロンブスの計画に興味を示したのだ。
当時、スペインは様々なところで雑魚雑魚アンド雑魚という立場(いまでもそう変わりないのだが)。
海洋進出にしたってポルトガルに後れを取って、表立って何かをしようにもうまく出来ないという状況。

俺たちだってインドに行きたいんだ! と言ってアフリカの西を進もうものなら、あの熱血漢の手の者が大砲を打ち付けてくるのである。ナイスボレー!

.

108名無しさん:2016/06/16(木) 00:48:51 ID:03A0jm9I0
「なんで自分たちの道を見つけようと思わないんだよ!」 「どうしてそこで諦めるんだよ! ダメダメ!!」 とばかりにポルトガルの航路は一切使わせてくれない。
スペインの肉だって腐る。香辛料が欲しい。普通のルートで手に入れようものなら、イタリア人が足元見て値段を釣り上げてくるのだ。

何としても自分たちで勝手に使える航路が欲しい。じゃないと国際的にも弱者必至! スペインは結構焦っていたのである。

                      ,,,,,,,,,,,,,,,,,-‐''゙ヽ、.、_
                   _,r'_,,............     ゙''゙'=iヽ、
                   _r'"            |:| ゙,i゙i
                _r‐''"        :、      ゙i | ゙t  
               | ,r    ,      ゙i,r'゙i     | "  ゙ヽ 
               ノr'  ,,r,r'r",r    ,rj:|,ri ゙i         | 
            r;;:ニ,,r::::::...:::i"r'::    i ,!;;゙y',r、 i    、    /| ,!| 
           ,,;‐'":::::::::::::::|/i::::   /| | ゙"~`ー、゙    ヽ   ,k",!    「これが完成したカスティーリャ王の力だ!」
           "''ニ=:::::::::::::|!:|::: / i、、| !、  ,  ゙i  |::  |   " ヽ
            '" `ヽ,:::::::::|:::!:::l::.. it:ッ|!、i i"_,.:ュ ! ! /ri    ,r
               ゙j_:::::::::::ヽ_゙i::.| ~!, |  `ヾ'┤/  / i'ノ..::::::/
                ヽ___,r  ヽ. !  ,.!、    ,!ノ,!::,r'ノ:::::''''~/
                -='___,rj ,r゙i゙ ヽ-  ,.r',r',:,r':::::、tー‐"
                    ,,r'"~゙j、 ゙こ''' ,,r''/',r、i~i,~
             __,--,r'",;;;;;;;;| |.':、  _,,r'"  ,r',!;;;: ゙i,
          ̄''''"~ -''''"/ ;;;;;;;;/r'"~~゙''''"ヽ, r'" "'"  ゙i

            フェルナンド2世(1452 - 1516) ※兄ではない


なお、これは余談なのだが、イザベル1世の夫であるフェルナンド2世なる人類史上類を見ないクレイジーな人物がいる。
これに纏わる話も中々に面白いので、”ブーンの楽しいキリスト教(仮)”で登場させられたらと思う。

なお、この王様。コロンブスの”たのしいえんそく”には全くの無関心である。ちょっと笑える。
.

109名無しさん:2016/06/16(木) 00:51:54 ID:03A0jm9I0


( ^ω^)


さてさて、スペインがコロンブスの計画にう〜んう〜んと言わされている間にブーンの話をしよう。

あの年下隊長に泣きすがったブーンの息子、ブーンはなんとスペインにいた。父親が死んでから他船員に「お前のオヤジ、ダサかったで(笑)」なんて
言われてしまい、やがては噂が広まり「ブーンがビビったせいで引き返した」という事になってしまったのである。
哀れブーン、こうなってしまってはポルトガルにはいられない。定職にも就いていたが、陰口が絶えないのであっさりやめてしまった。根性なしは遺伝である。
という事で隣の国、スペインに移住していたのだ。

ブーンはそういう噂の人間なので、このスペインでもあんまりいい仕事にはつけない。
なので悲しいことに、このブーンは傭兵としてイベリア半島の南で戦う羽目になっていた。見ているかブーンパパ! お前のせいで息子が苦労しているぞ!

       っ
     っ
( `ω´)


当時のイベリア半島の南は、対イスラム勢力との最前線。何とかしてグラナダを野菜野郎から取り返そうとしていた。
それはもう血を血で洗う決戦である。ブーンは根性なしだったが、心を鬼にしてイスラム戦士たちをバシーンバシーンとぶっ叩いた。

110名無しさん:2016/06/16(木) 00:54:11 ID:03A0jm9I0
           |      丶                                    https://www.youtube.com/watch?v=BttJ2qTdynY
           |       )
    -  ⌒  ` ↓   ⌒  ⌒へ
 /~                   \
∠ _ 、       イ  イ       丶    「ひゃ〜! おめえら強ええな〜! オラ、参ぇったぞ!」
      丶    / |  /     イ    L_
  -〜 -  - - (  | /  | / | ヘ     ⌒ ー _
 `〜-_ _   \く ⌒ヽ レ /⌒丶   _- - ⌒
      へ(⌒∨(⌒ヽ  /⌒)∠    ̄ー__
    〜 ̄_ヘ℃| |_  0  0  _/ / ヘ  __丶
      ̄ ̄ヾ  |   ⌒ 、 ⌒   /p 丿\
          ̄- l  ⊂  フ  ノ〜  ̄
             ヽ  _  /

            イメージ画

ヨーロッパ諸国の苦労もあって、スペインは何とかグラナダを取り返すことに成功した。あのエンリケ王子も草葉の陰で喜んでいることだろう。
もちろん、ブーンもたくさんイスラム人を殺したぞ!親の目の前で子供の首を切ったりもした! 人質の腕だって切り落とした! 今回のブーンは一味ちがう!


( ;;;;ω´)「ククク……」


完全にダークサイドに堕ちたブーン。グラナダ陥落により、ブーンは職にあぶれたがスリや強盗などを繰り返してなんとか生活をしていた。
そんな悪いブーン。やはり徳がない。妻はグラナダでの戦いによって死に、息子のブーンは父親のようになるまいとして家を出て行ってしまった。
今ではどうしているかもわからない。生きているのか、死んでいるのか。このブーンは息子の安否を心配しながら、犯罪に手を染めていた。

       っ
     っ
( ;;;;ω´)「オラッ! オラッ!!」


今日もいつものようにユダヤ人の子供をさらって回し車をノンノンと押させていたブーン。ユダヤの子供は「これ意味あるのかなぁ」と考えたが、ブーンが
太っていて怖かったのでその感情を押し殺していた。
そんなさなか、正義に目を付けられていたブーンは乗り込んできた軍人にあっさりつかまってしまった。悪いことを繰り返していたのだから仕方がない。観念しろ!

111名無しさん:2016/06/16(木) 00:55:55 ID:fTTr2YHY0
奴隷がぐるぐる回させられるやつ

112名無しさん:2016/06/16(木) 00:57:32 ID:03A0jm9I0


( ´ω`)


牢獄に入れられてしまい、完全に反省したブーン。このブーン、偉いもので牢屋に入ってから2秒で反省した。
いち早く反省したので早く牢屋の外に出たいのだが、司法がそうさせてはくれない。ブーンはこんなに反省しているのに……、と思った。

牢屋に入れられてしばらく経った日に、とあるチャンスが降って降りる。
それは、”コロンブスの航海の仲間になろう! 今なら航海中に牢屋から出れるチャンス!”という、いかにも怪しいものである。
インターネッツ世代の皆さまなら釣り乙とでも思うのだろうが、時代が時代の為大マジも大マジの情報。
              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ                             https://www.youtube.com/watch?v=usfiAsWR4qU
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「君たちの人生に、倍返しだっ!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

ブーンが牢屋にぶち込まれている間に国からの援助が受けられることが決まったクリストファー・コロンブス。グラナダが陥落した為、
調子に乗って援助することにしたのである。
かくして、是が非でも人員が欲しいクリストファー・コロンブスはどんぐりを拾う子供がごとく手当たり次第に人を集めていたのであった。

113名無しさん:2016/06/16(木) 01:01:16 ID:03A0jm9I0
今すぐ牢屋から飛び出したいブーンは速攻でコロンブス小隊(規模は小隊レベルではない)に入隊することを申し出た。


( ´ω`)∩「はいは〜い、僕も乗りま〜す」


流石はDNAから海の男のブーン! 海に出なくてはブーンじゃない!
かくしてブーンの地獄行は決定した。運命の歯車は狂うことなく、女神の嫉妬に左右されることなく、悪魔に微笑みに振り回されることなく死んでしまうのだ。

なお、これをみてわかる通り、クリストファー・コロンブスの集めた人員は休日の女子大生の下着のように一切の統一性がなかった。
まずはブーンのようなろくでなし。これがまた、結構な数である。そして、マルコポーロ先生の書いた「とーほーけんぶんろく!」に影響を受けて”黄金の国
ジパング”がマジであると思っちゃってるハッピーピーポー。いわばクリストファー・コロンブスの同志である。
そして、海が好きだけどまったく知識のない人たち。しかもそれがお金持ち。現代でいうと、軽装で山を登るようなウェイ系大学生がそれにあたる。

並んだだけでサイコーにイカれたメンバーという事が一目で分かるくらいに”ヤバさ”にあふれているチームなのだが、このコロンブスという男、バカなのか
天才なのか、インドにたどり着けることに絶対の自信を持っていた。


(; ´ω`)


なお、ブーンはこのメンツを見て超絶不安になった。そして、遺伝子的に海に出てはいけない事をフッと思い出してしまった。
だがもう遅い! お前は海に行くのだ! 頑張れ、ブーン! 死ね!

114名無しさん:2016/06/16(木) 01:03:54 ID:03A0jm9I0
1492年8月3日。出港の日となった。港はパロス。ポルトガルにかなり近い、海の街だ。
港には冷やかしと期待の声が入り混じるカオスな世界。そしてそれ以上にカオスなのは、どうみたって寄せ集めの船員たち。
スペインたっての希望の船隊、残念ながら不穏な空気しかしない。


今回出港するのは三つの船である。
一つはニーニャ号。キャラベル船である。ビセンテ・ヤーニェス・ピンソンとかいう非常に覚えにくい名前の人間が船長である。

                     ,、-ー-- 、、
                   / ,、-、    ヽ、
              _,,...、/ /  ヽ   ,へ、゙'、
              /_//ィ/ / ,、‐ 、,_ `ー-′ ゙! i
             , イ「 」, 7-__......_`ー -‐''^ヽl |_
              l lレ'゙fr^V 'ー’-ヘ ,r'',、 ソ ベ!   「俺は死神なんだ……」
             `゙ ,イ! イ    i|_ i `ー' !,、jl゙i,
              r'l ll人゙l   、_ ゙ー'    i゙ハヽノ
              l_,ン| i^!   `二'''ー  /イハ
               ,r"ZL_\        /トメハ
             /   `'ー 、\     /,|ノ_ヽノ
         ,.、、-‐''"`ー:、_    ```'ー<ニL>゙!
       <、       `''-、_     | | | ト 、_
         ヽ         `ー-、_  | | | ,,!  `'ー

     ビセンテ・ヤーニェス・ピンソン (1460 - 没年不明)  ※不穏な配役ではない


後に南アメリカに初上陸する歴史に残る偉大な男であるが、キャラと知名度の関係上別人が初上陸したことになっている。無念!

115名無しさん:2016/06/16(木) 01:07:03 ID:03A0jm9I0
二つ目はピンタ号。こちらもキャラベル船であるが、前述のニーニャ号とは少し違っている。
マルティン・アロンソ・ピンソンとかいう、ビセンテ・ヤーニェス・ピンソンの兄弟が船長である。書いてる本人もそろそろカタカナ恐怖症になるころだ。

                  /゛  ./      .:、 .l . /    `'、 .\
              ./    /      :./ :', ." , ‐i     l  \
             ./    :::::./     : ,./ ::::::.l:/::::/     /   ヽ
            〈.  ::.::.::::/     ,i":::゙''ー---ー/      / 'ー ,,、 l
             .`''-、::::./    : /:       .',,     .!    `''-、
                  ゙V゛    : .,'...,,,      ._,,,\、   . l      `'、
                / .::   ::/ -t‐ヽ  .‐ニ---...l \   ヽ:::     ./
               l :   :::;:l:', ._,゙      ゙'''゙  .l::::::::ヽ  !::::::::.::. /  「クリストファー・コロンブス!
               ! ._  : ::゙'" |.、     .i'"゛:::::::,i'、.l |::::::::./    アンタは私が今まで会った最低の司令だよ!」
               `゛ `''、    . l       l;:::::/'-',ノ:::.! l:::::/_
                   l゙   /、  ._   .,i'';:::::レ゙|:::::::::',":::::  ."、
                   `''-、 / ヽ      !:::::::::',::',:::::::::::::::::::::  |
                       ! .',、 .\   : .,r.l:,' ̄、:',::::::::::::::   ./
               -ーー''''''i. : ,>''"ゞ ,'゙'''''''":::::|;!:::/::::::.l;:::::::::::i.、  !
               .ヽ,,. ..__ `゛    ./   ::.::.::::::;:./ :::::::::ヽ:::::: ! `ー゙
              .,..-''" ̄ ,i  ,..'"゙ノ´     :::::./ ::::::::::::::::`'-_"/、
            /    ./ . / .,iゝ.._      "::::::::::::::::::::: ノ./   `゙゙゙゙゙゙゙゛
           .,i"     /  l | ./   ゛'   ,,.... --ー''''"  .,,'./   ,./ .`゙''‐

              マルティン・アロンソ・ピンソン (1441 - 1493)  ※不穏な配役ではない

このマルティン・アロンソ・ピンソンという人物、相当のハネッ返りで平気でクリストファー・コロンブスの命令を無視して自分の手柄をガンガン増やそうと
するお人。いわゆるゲスに分類される人間である。なお、ブーン含む個性豊かな楽しいメンバーを集めてくれたのはこの人である。

116名無しさん:2016/06/16(木) 01:08:31 ID:03A0jm9I0
そして最後はサンタマリア号。キャラック船である。もちろんクリストファー・コロンブスが乗船している。ちなみにブーンもだ。

さて、他二隻の船に乗る人員も寄せ集め感満載な上、ピンタ号の船長に至ってはかなりのクセ者と来た。
どんな素人が見ても負けフラグしか見えないような状態である。しかもブーンまで乗っているのだ。世も末とはまさにこの事。

しかし、バカか天才かクリストファー・コロンブスという男は、たった一つの、それもずば抜けた天性の才能がある。
それが

              .ィ                                https://www.youtube.com/watch?v=4wBI_Ua3Xos
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「みんなよく聞いてくれ……ッ
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ    この航海はスペインの為じゃない……。
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉    己の為の航海だ……ッ!」
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない


この男、異様に盛り上げ方が上手なのであった。

117名無しさん:2016/06/16(木) 01:10:30 ID:03A0jm9I0
              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「そして生きて帰って証明をするんだ……、インドにたどり着いたという事を!
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ    いや、たどり着けなくたって良い。絶対に死ぬな……ッ! 絶対に……ッ!」
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない


絶妙なタイミングで燃えるセリフを本気で言ってくるこの男。たとえ寄せ集めの船員だとしても、かなり乗り気になってくるのだ。
言葉一つで”インド無理くね?”とか”牢屋から出られればいいんです”って人も”やるぞ〜〜”ぐらいにはやる気が出てくるものなのである。
クリストファー・コロンブスという人が現代に生きていたらきっと良い宴会幹事になったに違いがない。

はてさて、出港前のクリストファー・コロンブスの演説により全員の士気が面白いくらいに上がり始めた。これはマツコ並みのおしゃべり能力であるから
もちろん、我らがブーンも乗り気になった。


p( `ω´)q”


”やるぞ〜〜”と言った風な表情を浮かべるブーン。今までのブーンとは違い、悪いことをやってきた分メンタルはそれなりにある!
失くした徳の分はメンタルでカバー!

118名無しさん:2016/06/16(木) 01:14:01 ID:03A0jm9I0
                                                  https://www.youtube.com/watch?v=3nQSviKTNdg
                            ウオーーーーーーーーーーーー!
          「インドーーーーーーーー!」

      ,r=ヽ、            r';;;:;:;;:::;;;;;;;;;;;;ヽ、      おっしゃーー!
     j。 。゙L゙i     rニ二`ヽ.   Y",,..、ーt;;;;;;;;;;;)
 r-=、 l≦ ノ6)_   l_,.、ヾ;r、゙t   lヲ '・=  )rテ-┴- 、     「「「「「「ウオーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」
 `゙ゝヽ、`ー! ノ::::::`ヽ、 L、゚゙ tノ`ゾ`ー ゙iー'  ,r"彡彡三ミミ`ヽ.
  にー `ヾヽ'":::::::::::: ィ"^゙iフ  _,,ノ ,  ゙tフ ゙ゞ''"´   ゙ifrミソヘ,               「インドーーーーーーーーーー!」
 ,.、 `~iヽ、. `~`''"´ ゙t (,, ̄, frノ   ゝ-‐,i ,,.,...、  ヾミく::::::l
 ゝヽ、__l::::ヽ`iー- '''"´゙i, ヽ ヽ,/   /  lヲ ェ。、   〉:,r-、::リ
 W..,,」:::::::::,->ヽi''"´::::ノ-ゝ ヽ、_ノー‐テ-/ i / ,, 、   '"fっ)ノ::l  やるぞ〜〜〜
   ̄r==ミ__ィ'{-‐ニ二...,-ゝ、'″ /,/`ヽl : :`i- 、ヽ  ,.:゙''" )'^`''ー- :、
    lミ、  / f´  r''/'´ミ)ゝ^),ノ>''"  ,:イ`i /i、ヺi .:" ,,. /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`゙            アイナー
    ! ヾ .il  l  l;;;ト、つノ,ノ /   /:ト-"ノ゙i  ,,.:ィ'" /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
.    l   ハ. l  l;;;;i _,,.:イ /   /  ,レ''";;;;`゙゙" ヽ_,,ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
   人 ヾニ゙i ヽ.l  yt,;ヽ  ゙v'′ ,:ィ"  /;;;;;;;;;;;;;;r-'"´`i,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;  やったるでーーーーーーーーーー!!!
  r'"::::ゝ、_ノ  ゙i_,/  l ヽ  ゙':く´ _,,.〃_;;;;;;;;;;;;f´'     ll;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;

クリストファー・コロンブスの熱いセリフの前に盛り上がる船員たち。絶対に生きて帰るんだ! インドを見つけるんだと意気込みまくり。
あのジョアン2世とは違うベクトルのむさ苦しさが直撃したのだ。

コロンブスの計画は非常に単純である。
                             、-、 ,,-ノ
                         |~~~~`ツ
                         `ヽ,
                           ~ヽ
                            )
                ,,、,,-、          |
                |   `‐- 、,     ノ                  ,--,
                /      ~`〜〜´             __     )  ヽ
               /                  ,〜、__  _〜´ `丶   ヽ  `ヽ
              /                  |   `-´   _、 `|   `|,  \
             /                ,__,-´        ( !  \   \  ~~~`ヽ,,_
             `/              /           、二,   `ヽ_,,   ̄く    |
             /,             (  _ 、‐、 ο     ´i  |      `-、   ,~_\ i
             ~ `´ヽ,  パロス   /´  ~  `´       ) ,,_|        `i ヽ, `´ ヽ
   ◎  ←←←←←← ◎,,-‐‐-、,, ,,-‐`              `´          ) ,-!     )
                ,,-‐、    ~                       i~~`-‐フi_/
             _,,/   ` ‐-´i_ - ‐ ´ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄`‐ ´`‐`―´~ヽ,っ  `\_  )

とにかく全力で西に帆を進める!! ただそれだけ!!守りや迷いなど全て捨て一本道を征き続けるのである!!
行け行け! コロンブス! どんと行け!

119名無しさん:2016/06/16(木) 01:15:31 ID:03A0jm9I0
一面のブルーの中、3隻の船は進み続ける。

              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「4000㎞まで昼も夜もなく進むぞ……ッ!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない


4000kmを越えてからは陸があるかも知れないと睨んだコロンブスは、4000kmを越えたあたりから昼だけ帆を進めることに決めていた。
夜だと視界が悪く、陸を見つけられないかもしれない。これは英断である。

       っ
     っ
( `ω´)


ブーンはあくせくと働きながら陸を見つけようと目を凝らした。ただ単純に遠くを見つめてみたり、一度目をつむってもう一度目を開けると
陸が見えた! みたいな演出にしようとしたり、お〜〜い陸〜〜〜! と叫んでみたり色んなパターンを試したみた。
が、どうにも陸は見えない。うーん、これはどうしたことか。

そうこうしている内に4000kmを越えてしまうどころか、あっけなく2か月が過ぎてしまった。


.

120名無しさん:2016/06/16(木) 01:16:54 ID:03A0jm9I0
二か月間も陸を見ていないどころか、何にも発見できていないクリストファー・コロンブス一行。
士気モリモリの中出港はすれど、ここまで何の出来事もないと船員は不安になるものである。

       っ                                     https://www.youtube.com/watch?v=mmCnQDUSO4I
     っ
( ´ω`)


もれなくブーンも不安になった。”本当はインドにたどり着けないんじゃないのかな”、とか、”奈落の底におちるんじゃないかな”とか
迷信を信じ始めるまでにメンタルをすり減らしてしまっている有様。ここまではいつものブーンなのだが、不安に駆り立てられているのは
ブーンだけではない。
             ,,,、、、、、,,,,
          ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.、
         ,f;:;:;ミミヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
        ,;:;:;;;;ミミヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^リN;;      
       ,;:;;;;;;;;;;;;ヲヲ'''ィイハ、  ノi;;;;;!
       ',;:;;;;;;;;;ィイ ,,、、、、   ,r- 、;;;;!
       V;:;;:;;;ル'゙゙,rモテ.:;' ノッャ''';;シ 
         Nいiij       ~` リ         「これ、ヤバいんじゃないですかね……。帰りましょうよ……」
        Nいii!':,    、;::′ ,j!       
        ル:;;;;{,    ,, --、  1 
        ルハシヽ   ´ 二`` ,′ 
        `フリハ `丶、.    / 
       ,/ i ',     ``ーイ     
  _,.. -‐''ニ7.  ヽ ヽ     i ヽ   
 ̄ `ー─'"7_ _ \\    ハ  \_   
  ',        _>\     /7⌒゙```ヽ、  
   i        <_   \  / \      ト、
 .  l        ``ヽ,  ', ! /      l '

サンタマリア号では不満がふつふつと沸き始め、ついにはちょっとした喧嘩まで起きてしまう。

121名無しさん:2016/06/16(木) 01:19:18 ID:03A0jm9I0


( ´ω`)「帰りましょう! インドはないですお!」


哀れ根性なしブーンは他船員たちとクリストファー・コロンブスを追い詰めた!
しかし縦に首を振らないクリストファー・コロンブス。もう少し行けばインドに行ける! インドーーーーーーーーー!! とそれしか言わないもんだから、
ブーンは、いやだいやだ、帰るんだい! と膝に抱き着き泣きわめいた。この光景はどこかで見たことがあるぞ!


。・゚゚・( ´ω`)・゚゚・。 オーン


こうまで子供のように泣きわめかれると、不屈の男クリストファー・コロンブスも何かモノを申さなければならない。

              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「分かった……!3日以内に陸が見つからなかったら、スペインに帰る!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

と、条件付きの航海に予定変更。
あーあー、根性なしブーンのせいで国の威信をかけて飛び出した船団がケツまくって逃げることになってしまった。
しかし、これでこそブーン! これだからブーン! そこがお前のチャーミーなところだ!

122名無しさん:2016/06/16(木) 01:20:22 ID:03A0jm9I0


( ´ω`)


あ〜〜これで帰れる、とブーンはホッとした。早く帰って、お昼までごろごろして、お昼過ぎたらおさんぽして……などと考えていたのだが、
なんとなんと、前方を進んでいたピンタ号が陸地を発見してしまう。

                  /゛  ./      .:、 .l . /    `'、 .\       https://www.youtube.com/watch?v=wsztV6HFGuA
              ./    /      :./ :', ." , ‐i     l  \
             ./    :::::./     : ,./ ::::::.l:/::::/     /   ヽ
            〈.  ::.::.::::/     ,i":::゙''ー---ー/      / 'ー ,,、 l
             .`''-、::::./    : /:       .',,     .!    `''-、
                  ゙V゛    : .,'...,,,      ._,,,\、   . l      `'、
                / .::   ::/ -t‐ヽ  .‐ニ---...l \   ヽ:::     ./
               l :   :::;:l:', ._,゙      ゙'''゙  .l::::::::ヽ  !::::::::.::. /  「陸地だッ! 全員上陸準備急げーーーーーーーーー!!」
               ! ._  : ::゙'" |.、     .i'"゛:::::::,i'、.l |::::::::./   
               `゛ `''、    . l       l;:::::/'-',ノ:::.! l:::::/_
                   l゙   /、  ._   .,i'';:::::レ゙|:::::::::',":::::  ."、
                   `''-、 / ヽ      !:::::::::',::',:::::::::::::::::::::  |
                       ! .',、 .\   : .,r.l:,' ̄、:',::::::::::::::   ./
               -ーー''''''i. : ,>''"ゞ ,'゙'''''''":::::|;!:::/::::::.l;:::::::::::i.、  !
               .ヽ,,. ..__ `゛    ./   ::.::.::::::;:./ :::::::::ヽ:::::: ! `ー゙
              .,..-''" ̄ ,i  ,..'"゙ノ´     :::::./ ::::::::::::::::`'-_"/、
            /    ./ . / .,iゝ.._      "::::::::::::::::::::: ノ./   `゙゙゙゙゙゙゙゛
           .,i"     /  l | ./   ゛'   ,,.... --ー''''"  .,,'./   ,./ .`゙''‐

              マルティン・アロンソ・ピンソン (1441 - 1493)  ※不穏な配役ではない


せっかく帰れると思ったのに、あっけなく陸地を見つけられてしまい肩を落とすブーン。その眼には涙さえ浮かんでいた。
お前は人を殺しすぎたのだ。その分徳がないのだ、ブーン! がんばれ、がんばれブーン! なお徳はメンタルでもカバー出来ていない模様。

123名無しさん:2016/06/16(木) 01:22:09 ID:03A0jm9I0
次の日の朝を迎えて早速上陸するコロンブス一行。もちろんブーンも一緒だ!

すると現地民の薄汚い土民共がワイワイワイワイと押し寄せてきた。何だよ、群がりやがって〜! とブーンは棒でバシーン! と叩いて追い返した!
負けないぞ、ブーン! ブーンは負けない!

       っ
     っ
( `ω´)「来るなら来いお!」


食われる前に食っちまえ! とブーンは棒を構えるのだが、船に乗っていた頭の良いほうの人間は現地民の装飾品が気になっていた。
どの現地民も、なにやらキラキラと光るものを身に着けているではないか。これは金ではなかろうか!?

              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「ここが……、黄金の国ジパング……!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

「とーほーけんぶんろく!」が手垢まみれになるほどまで読み込んだこの男はすぐにピンと来た。
ここは東アジア。黄金の国ジパングに違いない! よーし、この土地を探検だ!!

124名無しさん:2016/06/16(木) 01:23:40 ID:03A0jm9I0
意気揚々と現地民をとっつかまえ奴隷にし、この地を探検することになったクリストファー・コロンブス小隊。
うっそうと茂るグリーンの中をギャンギャンと進んでいく。もちろん、あのブーンも一緒だ!


p( `ω´)q


さっきまで現地人にビビりまくっていたブーンも今や元気いっぱい! 何故ならここは黄金の国ジパング! 金銀財宝にあふれる
伝説の土地! 周囲の目を盗んで転がり落ちている金銀を広い集めるぞ〜! と意気込みまくり! まくりまくり!

が、クリストファー・コロンブス小隊は「とーほーけんぶんろく!」にあった”黄金の宮殿”も”黄金の畑”もまったくと言っていいほど
見当たらない。これはどうしたことか、ここが本当に黄金の国ジパングなのか?

                 ____
               ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,
              /;;;;;;;;/`――----、
              |;;;;;;;r'::__:::::::::::::__ |
              /⌒|i:::::::━`ヽ f.━r'
              |i´)`|:::::::- / | |::_:::::)       「ホカニ、シマ アルヨ 。 ソッチ イッテミテ」
              ヽ _|::ヽ::/ t__tァ ::::/
             r-| |::::::::::::`==='::::|
            _/ /|. 、\:::::::: ̄ ̄:::/
           / | |ヽ __ \:::::::::::ノ|ヽ
      ___/l  l |\_ `ヽ、 ∧ノ、\_
   ィ^  ̄  、   |  l ハ   >---v----、 ヽ)_____
  /      ヽ  |  lハ   |   r-、  ノヘ |      / ヽ
 /        、 | l ヽ  ヽ_/ | V | | ハ    /   \


現地民が海岸線をウロウロしていたので、とっ捕まえてブーンが剣を突きつけるとビビりまくった現地民が口を割ったぞ!
よーし、次はその島を冒険だ! ちなみに現地民は殺しておいた。良いことしたね!

125名無しさん:2016/06/16(木) 01:27:03 ID:03A0jm9I0
普通の教養がある人ならわかっているとは思うが、この地は黄金の国ジパングでもインドでもなく、アメリカ大陸である。
ヨーロッパは東、大西洋を東へと東へと突き進めて行けば見えてくるのは当然、アメリカ大陸なのだ。わからない人はママにグーグルで検索してもらおう。
とにもかくにも夢を見すぎたクリストファー・コロンブスは哀れにもここを黄金の国ジパング、もしくはアジアであると信じて疑わなかった。


                  /゛  ./      .:、 .l . /    `'、 .\            https://www.youtube.com/watch?v=mOqeWFmDQFQ
              ./    /      :./ :', ." , ‐i     l  \
             ./    :::::./     : ,./ ::::::.l:/::::/     /   ヽ
            〈.  ::.::.::::/     ,i":::゙''ー---ー/      / 'ー ,,、 l
             .`''-、::::./    : /:       .',,     .!    `''-、
                  ゙V゛    : .,'...,,,      ._,,,\、   . l      `'、
                / .::   ::/ -t‐ヽ  .‐ニ---...l \   ヽ:::     ./
               l :   :::;:l:', ._,゙      ゙'''゙  .l::::::::ヽ  !::::::::.::. /  「私は私の島を見つける。アンタらは勝手に冒険ごっこでもしてな」
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                   `''-、 / ヽ      !:::::::::',::',:::::::::::::::::::::  |
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              マルティン・アロンソ・ピンソン (1441 - 1493)  ※不穏な配役ではない

次の島へ準備を進めている途中、なんとあのピンタ号が勝手に出港してしまった。黄金も見つからないし、仲間にはフラつかれてしまう始末。
島についてからはグダグダのクリストファー・コロンブス小隊であるが、それに拍車をかける出来事が起きてしまう。

なんと、サンタマリア号が座礁してしまったのである。


( ´ω`)”


ブーンは船に入ってくる水を一生懸命捨てていたが、意味なく船は横倒し。あーあー、ブーン。これは絶体絶命である。

126名無しさん:2016/06/16(木) 01:28:44 ID:03A0jm9I0
ボロボロになりながら陸にたどり着いたサンタマリア号の船員たちであったが、もう完全に士気を失って全員放心状態。
ぼーっと空を見上げていたところに、香辛料を探していた分隊が来て合流。収穫はゼロ。アメリカには胡椒なんて自生していないのである。なんて大陸だ!
              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「やむを得ない……。ここに入植地を作るッ!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

これ以上探検は難しいと判断したクリストファー・コロンブスはこの地に要塞を作って、動けるニーニャ号でスペインに帰還しようと考えた。
座礁したサンタマリア号を解体し、要塞を作り上げるのだ。あれだけの大きな船から要塞を作れば、それなりに強力なものが出来上がるハズ。
この未開の地にて究極の突貫工事を決行! ここをキャンプ地とする!


( ´ω`)


そのメンバーにブーンが選ばれた。がんばれ。

127名無しさん:2016/06/16(木) 01:30:06 ID:03A0jm9I0

       っ
     っ
( `ω´)”


ブーンは一生懸命がんばった! トンカチとんとん! ノコギリぎこぎこ! このブーン、グラナダで戦った時もこれほど頑張ったことはない!
人の二倍三倍頑張ったブーンの活躍により、なんと要塞が完成。それはそれは見事な突貫工事であり、だれがどう見ても掘っ立て小屋なのであった。

こうして出来上がった要塞に約40名の船員を残す事が決まったのだが、なんとなんとそれにもブーンが選ばれた。


( ^ω^)「えっ」


人の二倍三倍頑張ったブーン! そんなあなたにこの要塞の管理を任せたい!

              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「ここを頼んだぞ……ッ! 俺は誰一人も死なせない……ッ!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

こうして約40名を残し、クリストファー・コロンブスはスペインへと帰って行ったのであった。
ピンタ号も合流し、二隻仲良く帰路についたこともここに記しておこう!

128名無しさん:2016/06/16(木) 01:31:22 ID:03A0jm9I0
                                            https://www.youtube.com/watch?v=hvDBWw2C3Hg

( ^ω^)


人一倍頑張った挙句取り残されてしまった徳のないブーン。もう何も考えられない。
クリストファー・コロンブスは「俺たちはもう一度この地に乗り込む」とか「インドーーーーーーー!!」とか叫んでいたけど、次に彼らが来るのが
いつになるかわからない。それまで、この掘っ立て小屋にブーンはいなくてはならないのだ。たったの40人でいなくてはならないのだ。

もちろん、食料は自給自足だ。

             ,,,、、、、、,,,,
          ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.、
         ,f;:;:;ミミヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
        ,;:;:;;;;ミミヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^リN;;      
       ,;:;;;;;;;;;;;;ヲヲ'''ィイハ、  ノi;;;;;!
       ',;:;;;;;;;;;ィイ ,,、、、、   ,r- 、;;;;!
       V;:;;:;;;ル'゙゙,rモテ.:;' ノッャ''';;シ 
         Nいiij       ~` リ         「魚の獲り方、わからないですね……」
        Nいii!':,    、;::′ ,j!       
        ル:;;;;{,    ,, --、  1 
        ルハシヽ   ´ 二`` ,′ 
        `フリハ `丶、.    / 
       ,/ i ',     ``ーイ     
  _,.. -‐''ニ7.  ヽ ヽ     i ヽ   
 ̄ `ー─'"7_ _ \\    ハ  \_   
  ',        _>\     /7⌒゙```ヽ、  
   i        <_   \  / \      ト、
 .  l        ``ヽ,  ', ! /      l '

しかも残ってしまったのは生活力のないスペインのボンボンたち。魚の獲り方もわからなければ食べられる植物もわからない。
すでに食べてはいけないものを口に入れて2、3人死んだ。ザ・サバイバル・イン・アメリカ。猿の惑星よりも絶体絶命の状況である。

129名無しさん:2016/06/16(木) 01:32:58 ID:03A0jm9I0
そして、ブーンは忘れてはいなかった。
クリストファー・コロンブスは原住民を何人か攫っていってしまった事を!! ブーン自身も何人か原住民をとっ捕まえたことを!!
原住民に剣を突きつけたことを!! 従わない原住民を切り付けたことを!! 黄金の装飾品をかたっぱしから奪っていった事を!!

バカな船員が遊び半分で原住民を殺したことを!! そしてブーン、お前も楽しく殺人を犯していたことを!!


                 ____                          https://www.youtube.com/watch?v=_B0CyOAO8y0
               ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,
              /;;;;;;;;/`――----、
              |;;;;;;;r'::__:::::::::::::__ |
              /⌒|i:::::::━`ヽ f.━r'
              |i´)`|:::::::- / | |::_:::::)       「モシモシ ダレカ イマスカ。コロシニ キマシタ」
              ヽ _|::ヽ::/ t__tァ ::::/
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            _/ /|. 、\:::::::: ̄ ̄:::/
           / | |ヽ __ \:::::::::::ノ|ヽ
      ___/l  l |\_ `ヽ、 ∧ノ、\_
   ィ^  ̄  、   |  l ハ   >---v----、 ヽ)_____
  /      ヽ  |  lハ   |   r-、  ノヘ |      / ヽ
 /        、 | l ヽ  ヽ_/ | V | | ハ    /   \


ついに断罪の時が来た!! ブーン諦めろ!!

       っ
     っ
(  ゚'ω゚)


既に掘っ立て小屋は200人ほどの原住民に取り囲まれており、掘っ立て小屋の中には栄養失調のヨーロッパ人が30人強。
スパルタの戦士でもない限り、この状況は覆せない。控えめに言って、この状況は詰みである!!

130名無しさん:2016/06/16(木) 01:34:24 ID:03A0jm9I0
慌てふためくブーン達をよそに、四方八方から掘っ立て小屋に向かって槍を投げてくる原住民。
ストン! トトン! と気持ちのいい音が掘っ立て小屋の中に鳴り響く!

       っ
     っ
:(∩ ゚'ω゚):


やがて掘っ立て小屋は崩れていき、原住民に取り囲まれた仲間は急所など関係なしにグッサグッサと刺されていった。
あっという間に30人が20人に減り、命乞いする仲間も関係なくブッスブッス槍で串刺しにされていく。まるでモズのはやにえのようである。
ああ、ブーン。逃げろ逃げろ! うずくまっている場合ではないぞ!

                 ____   
               ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,
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              |i´)`|:::::::- / | |::_:::::)       「ワタシ オマエタチ キライ。ミンナ イナクナッタ!」
              ヽ _|::ヽ::/ t__tァ ::::/
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            _/ /|. 、\:::::::: ̄ ̄:::/
           / | |ヽ __ \:::::::::::ノ|ヽ
      ___/l  l |\_ `ヽ、 ∧ノ、\_
   ィ^  ̄  、   |  l ハ   >---v----、 ヽ)_____
  /      ヽ  |  lハ   |   r-、  ノヘ |      / ヽ
 /        、 | l ヽ  ヽ_/ | V | | ハ    /   \


ついにブーンの前に立ちふさがる現地民! ヤメロ! ブーンをこんな目で見るな!

131名無しさん:2016/06/16(木) 01:36:10 ID:03A0jm9I0


:(∩´'ω`):


ちょっと命乞いをしよてみようかな……、と考えているうちにほっぺを横からグサり。
後ろからほかの現地民もやって来て背中から脇腹から串刺しにされてしまった! やがて頭も足も槍をぶち込まれ見るも無残な
釘のでく。ここにブーンの命尽きる! 無念!


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              /⌒|i:::::::━`ヽ f.━r'
              |i´)`|:::::::- / | |::_:::::)       「ワタシ ドウブツ スキ。チキュウ ミンナノ モノ」
              ヽ _|::ヽ::/ t__tァ ::::/
             r-| |::::::::::::`==='::::|
            _/ /|. 、\:::::::: ̄ ̄:::/
           / | |ヽ __ \:::::::::::ノ|ヽ
      ___/l  l |\_ `ヽ、 ∧ノ、\_
   ィ^  ̄  、   |  l ハ   >---v----、 ヽ)_____
  /      ヽ  |  lハ   |   r-、  ノヘ |      / ヽ
 /        、 | l ヽ  ヽ_/ | V | | ハ    /   \


ブーン達の死体は海や森に捨てられ、そこに住む動物たちの餌となった! ピースオブライブ! おめでとう、おめでとう!



.

132名無しさん:2016/06/16(木) 01:36:48 ID:03A0jm9I0
( ^ω^)

133名無しさん:2016/06/16(木) 01:38:17 ID:5Y/OXIyc0
乙乙
おめでとう

134名無しさん:2016/06/16(木) 01:40:03 ID:kwROD8MQ0
残念ながら当然
畜生らしい最後と言える

135名無しさん:2016/06/16(木) 03:45:06 ID:WGzdNDb.0
ヘタレブーン

136名無しさん:2016/06/16(木) 05:16:07 ID:7mjKopE60
おつおつ

137名無しさん:2016/06/16(木) 11:58:36 ID:tfG2quxI0
3世出たと思った側から!だが仕方ないな!!

138名無しさん:2016/06/16(木) 15:50:09 ID:Uj.w21NE0
乙乙
辛辣な比喩と罵倒が冴え渡る。
ブーンの楽しいキリスト教も今から楽しみだ。ボニファティウス8世憤死のくだりとか。

139名無しさん:2016/06/24(金) 18:04:23 ID:ztvVyt.c0
この小気味良い地の文がクセになる
割とエグいシーンとかあるはずなのに終始楽しく読める

140名無しさん:2016/07/01(金) 21:05:31 ID:oBEnnrlI0
( ^ω^)

141名無しさん:2016/07/01(金) 21:07:09 ID:YFJnd9.k0
( ^ω^)おっ!

142名無しさん:2016/07/01(金) 21:07:22 ID:oBEnnrlI0
§ ブーン4世(1480 - 1497)                                 https://www.youtube.com/watch?v=Qe4yTxbOTi4

あのブーンが神の裁きを受けているその頃、なんとあのクリストファー・コロンブス小隊も神の裁きを受けていたのである。
              .ィ                                
             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「俺は誰一人として死なせはしない……ッ!!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない


スペインへと急ぐ途中、大嵐に巻き込まれたのだ。これにより船に乗り込んでいた人殺しの豚悪魔共は何人か命を落としたのだが、
親玉のクリストファー・コロンブスは何とか生きていた。
が、大嵐の影響で今自分がどこにいるかわからなくなってしまったのだ。最初は「ここはどこだーーーーーーーー!!」、とか
「インドーーーーーーーーーーー!!」とか叫んでいたのだが、やがて疲れてしまったのでゆらゆらと力なく海を漂っていると
遠くから一隻の船が近づいてきた。

よーく目を凝らして見てみると、なんだなんだポルトガルの船ではないか。イスラムの野菜野郎の船でなくてよかったのだが、これはこれで不穏な限り。
コロンブス小隊は知らないうちにポルトガル領まで迷い込んでしまったのである。

143名無しさん:2016/07/01(金) 21:08:37 ID:oBEnnrlI0
近寄って来た船に乗っていたのはなんと、あのスペシャリストであった。

                                             https://www.youtube.com/watch?v=c2i2LhWSv-A
                  ./            ;; ;;    :  l
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {   「待て! ここはポルトガル領だ!」
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll                          ドドンッ!
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

冷静であり、大胆。頭は常にさえており、判断は適格。仲間思いで、勇敢。そう、この人こそバーソロミュー・ディアス!
あのスペシャリストが、みんな大好きスペシャリストが、国の為に悪い不審船を取り締まっているのである!
「気を付けろ、この不審船は何か臭い……」などと渋みのトークで船員たちを盛り上げるのも相変わらずに、コロンブス小隊を追い詰めたの
であった!
         . / /,..-'"       :::::::::::::::::::::゙ヽ,
       ./  '"           ,i、  ::.::.:::::::::::::::\
        ',            │:.l, r'',::::::::::::::::::::::\
    .、、   ヽ       .i..i   :::/'''' .!.|:::.l,::::::::::::::::::::::::\
    \`'''―ー'"    iヘ.| ::', ::.::.‐\ .,,二、ヽ;::::::::::__;::::::::::ヽ
     `'ーッ     .,i{.l゛.リ:: .| ,i"'"   ,,_;::::::::::`i:::./ :::゙'i,:::::::::ヽ,
       /  、 .:;:〃l′:!  !,'      .:~';:::::::',/:^'‐::::.!:::::::::::,'    「やめろーーーーー!!! 放せーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
       ! /,! ::::::゙l !  ゙         ::::::::::::::::::,;::::: !:::::::::::.!
       ! .! .| :::、::}   .,..-ー'''''''ii、   : :::::::::::::::',、 / :::::::::::レi
       .l,! ',::/.!:.!  ,'..,..-''''゙´;::::.l.   ::.::.::::::::::./:::::::::::::::;:::l゙
       ゛  !,' .゙' l,  ...l,:::::::::::,, 一',   ::::::::::,,:::|:::::::::::::::::::::./
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              ヽ  l'"|   ./   : ::::::./ :::::::::ゝ:,..-','
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          クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

クリストファー・コロンブスの抵抗むなしく、彼は”熱血指導”を受けにポルトガルまで連行されてしまうのである。

144名無しさん:2016/07/01(金) 21:10:26 ID:oBEnnrlI0
さて、ポルトガルまで連行されたのであるが、ポルトガル調べによりコロンブス小隊は正規のスペイン船だという事が発覚。
しかも西へと進んでインドを見つける旅に出た船だと言うではないか。

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             //. -''" ̄ ̄ ̄`゙''ー-、
           .へ}  ′          ヽ
          /  `              ヽ
          ノ                   .i
        / // / .イ .l|  ト、   、  、    l
       ノッ′/. /./ |/ .|  | ヽ、 ヽ  l    l    「俺はインドを見つけた……ッ! ジパングだって見つけた!!」
        | ./| /lイフ=、| |_,.=キ、 ト、 :|:::....  ヽ   
        |イ | /::::} l {゚j`ヽ | '´{゚jヽ| Y::yヘ::::::. 〉
 .        レ|/:::::::|  ̄   ヽ{   ̄  }:/^i |::::::::/
           `ヽ::::l,  〈         レ‐'ノ::::/
            `'ーヽ  ー ―    イT":::;∠-ッ'
            `'ミミヽ,   _,.. イ  |:::::::::;∠
         _. -―''''^'ーl「  ̄   l   .|ソ ̄`">
         \、 、 jilil||リ     /.l __,.イ∠-z'〈

      クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない


ジョアン2世の前でもいつもの調子で武勇伝を話すクリストファー・コロンブス。
これにはジョアン2世もびっくり。しかも、以前に面接しに来た男。ラノベが趣味だと言うから追い返したのに、世紀の大発見
をして帰って来たではないか。これはどういうことだ。己の熱血が足らなかったのだろうか……?

だが、この熱血漢ジョアン2世はまったくうらやましいとは思わなかった。これっぽっちも思いやしなかった。
ほーんのちょっぴし羨ましいと思ったかもしれないけど、やっぱり羨ましいとは思わなかった。
何故なら、とある”プロジェクト”が立ち上がる事になっていたからである。
……と、言いながらもあの熱血漢は、こっそーりと西周りに船を何隻も送り込んだのは内緒だ。スマッシュ! アンドスマッシュ!

145名無しさん:2016/07/01(金) 21:11:43 ID:oBEnnrlI0

                                                       https://www.youtube.com/watch?v=h94BdxnheeM
はてさて、サクサク進んでいかなくては読者も飽きてしまう。話を進めよう。

ポルトガルでジョアン2世と熱血大相撲大一番の後、クリストファー・コロンブスはスペインに凱旋帰国を果たした。
町中が飲めや歌えやの大騒ぎ。街中には「I love india!」のTシャツが叩き売られ、コロンブスの顔ティーなるものまで販売される始末。
スペイン中がコロンブスのインド発見と帰国を喜んだ。その光景は時は2000年のペヨンジュンに群がるババアを彷彿とさせるのである。

     _,,.. '´_,..〃  ,'            ヽ        ヽi                   
    ` ̄ ̄ /  /               ヽヽ  ヽ     リ
        〃 ,'/   /  /!   iト  ヽ       ',     !
         リ,  !   〃 /i !   !ハ  ト 、  、  ヽ     i
          / イ !  /_//__i_/!!  |iヽ',ヽ !\  !   }ハ   人
         ノ'´||  ! .ハ´レ=ナ=-、ト  i -==!i=弋、 }  .! !  ノ   「私はあなたを信じていました……」
          !! ! i!'! !i フ ゞ='` ヽ |  '´tナ=ミ` ヽ!ヽ ト、 ! ソ
         ヾi   ', !       ヽ,  `ゝ'イ-ヽ ノ ゝ| }ヽ{
         丿\ 从      ノ        .〃´ ヽ':::从
           ノ::::ハ    く         イ__, '´::::::::!ヽ
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          /,:イ::::::::::::::\    ̄     , 'ノ/::::::::::::::::::::::::i !
         ,'//::::::ノ::::::::::::i\    , ィ  ノ〃:::i::::::::::::::、:::ト !
         ! 人i:/レi:::::::::ハ `=´     イ::::::ノ::::::::丿!ハ::i
      , '"´´ ̄`丶、ヽ::ノ   ヽ       .!:::/:::::::::/!/リ !::!
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         イザベル1世 (1451 - 1504) ※兄はいない

イザベル1世からもすんげー褒められて完全に調子に乗ったコロンブスは再び西へと進んで”黄金の国ジパング”や”インド”の探索を遂行した。

一度行った海だから、なーんのトラブルもなくスイスイ〜と”インド”まで到着。が、インドを出る前に建てた掘っ立て小屋がないではないか。
不審に思ったコロンブス一行は周囲を探索。すると、スペイン製の物であろう小物と白骨した死体が出てきたぞ!
これはどういう事だ! まさか、あの野蛮な土人どもに殺されたのか!? 嘘だろ!? ゆるせん!!

なお、ブーンの遺骨は見つからなかった模様。忘れに忘れられて、死の報告がなされたのがしばらく先の1500年であった。無念!

146名無しさん:2016/07/01(金) 21:12:43 ID:oBEnnrlI0
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       /  、 .:;:〃l′:!  !,'      .:~';:::::::',/:^'‐::::.!:::::::::::,'    「倍返しだーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
       ! /,! ::::::゙l !  ゙         ::::::::::::::::::,;::::: !:::::::::::.!
       ! .! .| :::、::}   .,..-ー'''''''ii、   : :::::::::::::::',、 / :::::::::::レi
       .l,! ',::/.!:.!  ,'..,..-''''゙´;::::.l.   ::.::.::::::::::./:::::::::::::::;:::l゙
       ゛  !,' .゙' l,  ...l,:::::::::::,, 一',   ::::::::::,,:::|:::::::::::::::::::::./
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          クリストファー・コロンブス (1451 - 1506)  ※MS乗りではない

半沢直樹とばかりに倍返しをすることにしたコロンブスは、現地民に対して大虐殺を慣行することになる。
この大破壊はノストラダムスも裸足で逃げだすような悪魔の所業であった。まず何か見つけたら壊す! 人がいたら殺す! 焼く!
女がいたら犯す! そのあと殺す!! 巷でいう、ガンジーが見たら助走つけてぶん殴るレベルである。

とにかくコロンブス一行は破壊の限りを尽くした。たまに思いついたように現地民をひっとらえ、黄金のありかを聞き出そうとした。
もちろん、黄金なんてアメリカ大陸は豊富にあるわけなく、何も知らない現地民は見るも無残に二隻の船につながれて引きちぎられたのであった。こいつ早く殺せ!

     _,,.. '´_,..〃  ,'            ヽ        ヽi                   
    ` ̄ ̄ /  /               ヽヽ  ヽ     リ
        〃 ,'/   /  /!   iト  ヽ       ',     !
         リ,  !   〃 /i !   !ハ  ト 、  、  ヽ     i
          / イ !  /_//__i_/!!  |iヽ',ヽ !\  !   }ハ   人
         ノ'´||  ! .ハ´レ=ナ=-、ト  i -==!i=弋、 }  .! !  ノ   
          !! ! i!'! !i フ ゞ='` ヽ |  '´tナ=ミ` ヽ!ヽ ト、 ! ソ
         ヾi   ', !       ヽ,  `ゝ'イ-ヽ ノ ゝ| }ヽ{
         丿\ 从      ノ        .〃´ ヽ':::从     「何と下劣な……」
           ノ::::ハ    く         イ__, '´::::::::!ヽ
        -=´'´::::::::ヽ    、-.....,      /´::::::::::::::::、 i
          /,:イ::::::::::::::\    ̄     , 'ノ/::::::::::::::::::::::::i !
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      , '"´´ ̄`丶、ヽ::ノ   ヽ       .!:::/:::::::::/!/リ !::!
     /        `'´ 、   ',       ト/_ノ! ノ /  リ
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         イザベル1世 (1451 - 1504) ※兄はいない

なお、本国のイザベル1世に”殺す用の奴隷”を送り付けてドン引きされている模様。

147名無しさん:2016/07/01(金) 21:15:01 ID:oBEnnrlI0
                                                             https://www.youtube.com/watch?v=hvDBWw2C3Hg
胸糞の悪くなるようなクリストファー・コロンブスの話は一旦おいておき、我らがブーンの話をしよう。


( ^ω^)


このブーンはあの悪いブーンパパの息子である。そして、あのヘタレなブーンジジの孫である。ブーンの息子のブーンとシンプルに言った方が良いだろうか。
傭兵に身をやつし悪の限りを尽くしていたブーンパパの姿を見てこうはなるまいと家出をしたのは良いものの、どこに行ったらよいのかわからず、
可哀想にも当てもなくさまよっていた。
やがて、食べるものも調達出来なくなり、乞食として街中をはいずり廻っていたのであった。ああ、なんてかわいそうなブーン。親の分まで徳がないのだ。


(;;;...´ω`)


完全にストリートチルドレンとなってしまったブーン。ストリート生まれのヒップホップ育ちだYO!ということならカッコがつくのだが、ブーンはただの
貧乏少年。雨風に打たれ、今日のご飯の心配をしなくてはならない。胡椒の心配をしていたブーンジジとは大違いだ。
ご飯さがして彷徨っているうちに、スペインからポルトガルに移動。EUなのでパスポートがなくても通れる。


(;;;...´ω`)「お〜♪お〜♪」


小さい声を絞り出して歌などを歌ってお金をもらおうと思ったが、どうも人がいない。とーんと人が通らない。これにはブーンも不審に思った。

勿体ぶることなくワケを話してしまえば、ブーンがポルトガルに到着した頃、ポルトガルは喪に服していたのだ。
なんと、世界一死にそうにない男、あの熱血漢ジョアン2世がぽっくり死んでしまったのである。
あっという間にウィンブルトンの梅雨も終わってしまったのだ。錦織3回戦進出、次もがんばれ!(2016 7/1 現在)

148名無しさん:2016/07/01(金) 21:16:09 ID:oBEnnrlI0
                    _,.ィ≦圭圭≧x .. _
                    .ィ為圭圭圭圭圭圭圭≧x
                 /圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭会:
                ,イ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圦
                  |圭圭才⌒ー=≠寺圭圭圭圭圭|
                 ⅧiⅣ          ̄ ̄Ⅷ圭圭|
                   ⅧIi  、        _   ⅧIli:圭!
                     Ⅷ| `ー=≠'.  ,.ィ=彳`  Ⅵ圭7       「行ける行ける!! まだ俺は生きることが出来る!
                 Ⅵ <てハ :::i : rt_j ァ  }才' /        絶対出来る!! 病なんかに負けちゃいけないんだよ!!
                       }|    ...::::ノ 、   ̄    iレ /           ダメダメ!! もっと熱くならなきゃダメなんだよ!!」
                  ト、   ,.ィ   .     /.イ           
                  ヘ  / ー-=彳ヽ  //_
                     ヘ : r=ニ ニ=ォ,   /圭≧x 、
                .ィ≦Ii圦 、 レ⌒⌒レ’ ,.イ|圭圭圭会:
                   /圭圭圭ハ `ー==イ  /  |圭圭圭圭L.. _
           _,ィ≦圦:寺圭圭∧ゝ... _ ,イ  ,イ圭圭圭圭圭圭圦
        ,.ィ≦圭圭圭圭≧ュ...`寺∧ ー=≠≡彳圭圭圭圭圭圭圭圭≧x
       /圭圭圭圭圭圭圭圭会ュ. Ⅶ圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭圭ハ

                ジョアン2世 (1455 - 1495) ※この時代にもテニスはあった

彼は41歳という若さであったが、得意の熱血荒治療もむなしく熱の上がりすぎでぽっくりお陀仏してしまった。

いつだかもちょろっと書いたが、ジョアン2世という熱血漢はいわゆる”名君”である。とにかく覇気に溢れていて、行動力があった。歴史的評価も高い。
少し話は逸れるが行動力と言うのは大事である。この現代においても行動力がないまま社会に出てもお荷物扱いされてしまうから、学生諸君も今のうちに行動力を
身に着けよう。正直個人的な能力がなくても行動力さえあれば割と何とかなる。人間に必要なものは行動力なのだ。
何を隠そう、ブーン系のニート率の多さは界隈における闇である。周りのみんながニートだからって、お前が働かなくていい理由にはならないぞ。

さて、そんな名君を失ったポルトガルであるが、海洋事業も中途半端。イスラムの根城グラナダの処理も中途半端。
さらに隣国スペインの”キリスト大好き運動”の煽りを受けて難民まで押し寄せてくる始末。あの熱血漢がいなくなったとて、いつまでも喪に服しては
いられない。

こうして立ち上がったのが、チート級の運を持ち合わせている男、マヌエル1世である。

149名無しさん:2016/07/01(金) 21:17:59 ID:oBEnnrlI0
                                        https://www.youtube.com/watch?v=QcyZ_VnLEgw
                    )、ノレ/|//
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                 / /  ̄\\\ ヽ
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                     Yヘ = = ヘヽ ミ
                     《 <・> <・> 》ソ)  「ポルトガル、あか〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
                    ヒ|  ̄ (_)  ̄  ノ
                  |  ノ――ヽ |
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                   \__// ̄\
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                   / | // /  |

            マヌエル1世(1469 - 1521) ※アカンくない

彼こそがマヌエル1世。新たなるポルトガル王である。歴史的な名称は”幸運王”。
普通、この乱世であるから魁男塾のような暗殺謀殺巡り巡る血沸き肉躍る地獄の王位継承合戦を勝ち進めなければ王様になれないのであるが、
この男は完全無血によって王の身分に伸し上がったのであった。なんと、驚くことにライバルが全員死んだ。
最強の運を手に、ポルトガル絶対王政を確立させたとんでもないラッキーな坊やなのであるが、この話は航海にあまり関係してこないので置いておこう。

さて、ジョアン2世が元気に爆発していたころからとある”プロジェクト”が緩やかに進められていた。
その名も”喜望峰からぐるっとインドへ行こうプロジェクト”である。あのスペシャリスト、バーソロミュー・ディアスが発見した喜望峰を越えて、北上し、インドへ
たどり着くというものである。もうこの頃は、海がなくなって奈落の底に堕ちるだとか、赤道直下の海は燃え盛るとかそういったことはまったくと言っていいほど
信じられていなかった。その上、アラブの商人などの情報からほぼほぼインドへたどり着けることは確実。もうほとんど勝ち確の状況である。

マヌエル1世はラッキー坊やであるのだが、実はそれなりに頭もキレる男である。
この海洋事業を手放せば、ポルトガルの国力はガクっと下がってしまう。ここで海洋事業に手を抜くわけにはいかない。割と冒険しないタイプの人間だったが、
海洋事業についてはガンガン行こうぜのスタンスで推し進めたのだ。「ここが違うねん! ここがーーー!」と臣下にも頭がキレる様子をアピール。

かくして、マヌエル1世の「インドいけますやん! いったれ!」という声と共にこの”プロジェクト”がようやく進められることになったのである。

150名無しさん:2016/07/01(金) 21:19:18 ID:oBEnnrlI0
インドに行けると分かっているのなら、司令にするとなると屈強な冒険家というよりは、インドとうまくお話が出来る慎重な男が欲しいところである。
間違えても「インドーーーー!」と叫び続けるだけの変な奴にしてしまってはいけない。これは運試しでもなければ、冒険でもないのだ。
勝ちにいく。それがこのマヌエル1世のやり方である。お祭り男は勝ちにいかなくてはならないのである。さあ世界の果てまでイッテQ!

                   )、ノレ/|//
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                     Yヘ = = ヘヽ ミ
                     《 <・> <・> 》ソ)  「よっしゃ、インドに行くのはお前やーーーーーーー!」
                    ヒ|  ̄ (_)  ̄  ノ
                  |  ノ――ヽ |
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            マヌエル1世(1469 - 1521) ※アカンくない

お前が行くんじゃないんか〜い! という突っ込みは引っ込めておくとして、司令官に選ばれたのはこの男であった。

        /:::/::iィ':ハ/:::v'`:..、,/::::::;:::i/::/、_/〃i/i,':::/    ヽ::}}::::::ヽ,.、_,ヘ:::',               https://www.youtube.com/watch?v=XPqqjkap9hU
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        i:::}::,'::::::::::::,'::::::::::::/::;イ l!:::::::::::;'::::i:::::::::;'        }:::i::::::::::::::::::::::::::
        {:i!::i:::::::::::::il::::::::::/::/i:l  l:、:::::::;:::::ハ::::;:ii       ,ノ::ハ::::::::::::::::::::::::i
        リハl::::::::::::::i マ:::::'_;;' .,リ  ',ヾ::ハ::::{ ',サリ__,..‐=-イツ:.._リハ:::::::::::::::::,'
         マ:::::::::::ハ ヾl!~リ¨,二ミ≧ゞヾ:i! ヾ'、¨,..≦ミx、   }::::::::::::::/
          ヽ::::ハ::∧  ヾ´ { ,ィチ::}゙`   `   ´ { ,ィチ::} ,`゙ゝ ,ノ!::ィ'i::::/
              `{ ir,'ヾ   `~¨¨¨~´        ~¨¨¨~´   /ィ i :l;:'
            ヽヾ:rヤ                     / }}/./   「え……。僕が……、インドへ……?」
             \ゞミ         .::..::..          ィ'  /
              `ーゝ         `´         ゝ='"                   ず〜ん……
                 :.、       '~ ´`¨゙       /
                  iゝ       ¨´      ,イ
                   ,.ィ| ヽ           / |ミz、
               ,ィ彡' ::|   >:.、     ,..:イ / ,i>,ィ'
              ゞミ==、ヾ.、 _    `¨¨¨´ ,.. -== '” i´

               ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※中学生ではない

ヴァスコ・ダ・ガマである。この男、ひどく慎重であった。

151名無しさん:2016/07/01(金) 21:20:57 ID:oBEnnrlI0
マヌエル1世の「マジで頼むで!」、「お前しかあらへんねん!」という期待の全てを背負う男。これがヴァスコ・ダ・ガマである。

マヌエル1世の考えはこうだ。

                   )、ノレ/|//
                  /      \
                 / /  ̄\\\ ヽ
                |/     ヽ_ ヽミ
                     Yヘ = = ヘヽ ミ
                     《 <・> <・> 》ソ)  「海に出るくらいなら誰でも出来ますやん!」
                    ヒ|  ̄ (_)  ̄  ノ
                  |  ノ――ヽ |
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            マヌエル1世(1469 - 1521) ※アカンくない

エンリケ王子が頑張っていたころの技術ならともかく、海洋技術は進化し、ある程度安全に航海できる時代。
屈強な冒険家たちがこぞって立候補したのであるが、マヌエル1世は「大切なのは頭やねん!」「ここが違うねん、ここがーーーーーーー!」と頭の良さが大事だ
という事を騒ぎ立て、後輩芸人よろしくシバき倒すのであった。マヌエル1世は到着した街での実務の成功率を重視したのである。

このヴァスコ・ダ・ガマ、若いころから宮廷で働いており、礼節やふるまい方は今までの冒険家とは比べ物にならないくらいである。特にコロンブスなんかとは雲泥の差
なのだ。生まれた町が港町であったために航海についてもそこそこ詳しい。宮廷での仕事もそつなくこなし、周りからも信頼されている。
確かにマヌエル1世が「行けますやん!」と太鼓判を押す理由も分かる。バランスの良い山本選手も裸足で逃げだす安定感なのである。

152名無しさん:2016/07/01(金) 21:23:05 ID:oBEnnrlI0

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              `{ ir,'ヾ   `~¨¨¨~´        ~¨¨¨~´   /ィ i :l;:'
            ヽヾ:rヤ                     / }}/./   「わかりました……。行きます……、インドへ……!」
             \ゞミ         .::..::..          ィ'  /
              `ーゝ         `´         ゝ='"                                ず〜ん……
                 :.、       '~ ´`¨゙       /
                  iゝ       ¨´      ,イ
                   ,.ィ| ヽ           / |ミz、
               ,ィ彡' ::|   >:.、     ,..:イ / ,i>,ィ'
              ゞミ==、ヾ.、 _    `¨¨¨´ ,.. -== '” i´

               ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※中学生ではない

かくして、ずっしりと重い面持でインド行を心に決めたヴァスコ・ダ・ガマとポルトガル王は着々と準備を進めることになるのである。

責任感の強いヴァスコ・ダ・ガマはコロンブスのインディアス到着(実際にはアメリカ大陸)にかなり焦っていた。
スペインがインディアスとマブダチになってしまえば我が国ポルトガルの利益が薄まってしまうかもしれない。歴史が証明しているが、ゆうじょうぱわーは侮れない
のである。しかし、卑劣スペインが無様にも教皇に泣きついて線引きしてもらった”教皇子午線”とかいうクソゲー並みのアンドヴァンテージのせいでアフリカ沿岸
から攻めるしかない。行けるものなら西ルートでインドまでたどり着きたかった。そして、一回で関係を結ばなくてはならないと考えた。


(;;;...´ω`)


ちなみにヴァスコ・ダ・ガマがあれこれ考えている間にブーンは餓死しそうになっていた。

153名無しさん:2016/07/01(金) 21:24:16 ID:oBEnnrlI0
                                                            https://www.youtube.com/watch?v=mmCnQDUSO4I

もう何日もロクなものを食べていない。平成の世とは違うのだ。こんなご時世に家出なんてしたって尾崎豊みたいにはなれないのである。
しかしどうにも生き抜かなくてはなるまい。ブーンは死に物狂いで食にありつこうと街を這いずり回った。
するとどうだろう。掲示板に船員募集の広告が張り出されているではないか。


                   )、ノレ/|//
                  /      \
                 / /  ̄\\\ ヽ
                |/     ヽ_ ヽミ
                     Yヘ = = ヘヽ ミ
                     《 <・> <・> 》ソ)  「お前の人生アカーーーーーン! ここで変えなアカーーーーン!」
                    ヒ|  ̄ (_)  ̄  ノ
                  |  ノ――ヽ |
                  ヽ      /|
                   \__// ̄\
                   /|__//⌒ヽ)
                   / | // /  |

            マヌエル1世(1469 - 1521) ※アカンくない

(;;;...´'ω`)


「国のバックアップがついてるで!」がうたい文句のインド派遣船団が近々ポルトガルから出るというのだ。
しかもご飯や飲み物、さらに言えばお給金までもらえてしまう。経歴問わず、必要なのはやる気だけでアットホームな職場だという。
面接も一回だし、ネットで検索しても悪い噂は流れていない。これは飛びつかないわけにはいかない。


(;;;...´'ω`)「僕も……。乗りますお……」


かくしてブーンのインド行は決まったのである。合掌。

154名無しさん:2016/07/01(金) 21:25:36 ID:oBEnnrlI0
マヌエル1世が準備した船は超最新鋭のナヴィオ船3隻と、キャラック船1隻である。中でも指揮官船のナヴィオ船”サン・ガブリエル”、
そして同型船の”サン・ラファエル”は当時ポルトガルの技術をギュウッギュウに詰め込んだドリームシップだ。

それもそのはず、額に汗してこの二隻をプロデュースしたのは、かの有名なスペシャリストなのである。

                                             https://www.youtube.com/watch?v=c2i2LhWSv-A
                  ./            ;; ;;    :  l
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {   「新造船とはいえ、油断は禁物だ!」
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll                          ドドンッ!
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない

冷静であり、大胆。頭は常にさえており、判断は適格。仲間思いで、勇敢。そう、この人こそバーソロミュー・ディアス!
そう、あの彼もこのプロジェクトに参加していたのである!! これは負けない。負ける道理がない。しかも、新造船の様子を確認する
為に、途中までとはいえ航海に参加するというではないか。なんと頼もしい、なんと頼もしい!

155名無しさん:2016/07/01(金) 21:26:31 ID:oBEnnrlI0
さて、ついに出港の日となり船員は170人近く集まった。
もちろん、コロンブスの時とよろしく船員はごった煮。何人かの死刑囚を含み、どこの馬の骨かも知らない黒人やら明らかに頭のおかしい
水先案内人(自称)などイカれたメンバーが集まった。当然である。行くのはあのインディアス。通るのは未開の海。やたらインドに興味のある
女子学生やいとも簡単にインドに世界観を変えられてしまった女子学生でもなければ命を懸けて行くような事はしないだろう。

もちろん、その中にあのブーンの息子のブーンもいた。いや、あのブーンの孫のブーンの方が馴染みがあるだろうか。


(;;;...´ω`)


多少のご飯を食べることが出来て何とか生きながらえていたのだが、航海が不安でしょうがない。
周りを見渡せば意味の分からないメンバー。その中にいる海のことなど何にも知らないブーン。これほど絶望的な状況はあるだろうか。
この大航海黙示録に生まれてしまった己を恨むしかないのだ。あきらめて死ね! ブーン!

        /:::/::iィ':ハ/:::v'`:..、,/::::::;:::i/::/、_/〃i/i,':::/    ヽ::}}::::::ヽ,.、_,ヘ:::',     
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        {:i!::i:::::::::::::il::::::::::/::/i:l  l:、:::::::;:::::ハ::::;:ii       ,ノ::ハ::::::::::::::::::::::::i
        リハl::::::::::::::i マ:::::'_;;' .,リ  ',ヾ::ハ::::{ ',サリ__,..‐=-イツ:.._リハ:::::::::::::::::,'
         マ:::::::::::ハ ヾl!~リ¨,二ミ≧ゞヾ:i! ヾ'、¨,..≦ミx、   }::::::::::::::/
          ヽ::::ハ::∧  ヾ´ { ,ィチ::}゙`   `   ´ { ,ィチ::} ,`゙ゝ ,ノ!::ィ'i::::/
              `{ ir,'ヾ   `~¨¨¨~´        ~¨¨¨~´   /ィ i :l;:'
            ヽヾ:rヤ                     / }}/./   「死ぬかも知れない……、だけど僕たちはやるしかないんだ……」
             \ゞミ         .::..::..          ィ'  /                                       ず〜ん……
              `ーゝ         `´         ゝ='"
                 :.、       '~ ´`¨゙       /
                  iゝ       ¨´      ,イ
                   ,.ィ| ヽ           / |ミz、
               ,ィ彡' ::|   >:.、     ,..:イ / ,i>,ィ'
              ゞミ==、ヾ.、 _    `¨¨¨´ ,.. -== '” i´

               ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※中学生ではない

しかも、もうすぐ出港だというのに辛気臭い言葉しか発しないヴァスコ・ダ・ガマ。これでは船員も不安になる。
あのコロンブスを見習ってほしいものだ。アイナーーーーーーーー!

156名無しさん:2016/07/01(金) 21:28:22 ID:oBEnnrlI0
出港に対してノリノリの言葉をかけないのには彼自身の性格もあったのだが、大きな不安要素があったのだ。

季節は7月。実はこの季節、とってもとってもアフリカ周りの航海には超不向きなのである。何故なら貿易風という東よりの風が吹かないのである。
いわば、インド航海のオフシーズンなのである。オフシーズンに旅行に行きたがるアホな学生もいるにはいるのだが、バランスの良い山本選手並みに
バランスの良いヴァスコ・ダ・ガマはそうではない。

ヴァスコ・ダ・ガマもこの事を非常に心配していて、試験前の高校生のように寝付けなかったのだが、「いけますやん!」との王の声には
従わなくてはならないのである。

とにもかくにも、頼もしさもありながら頼もしさもふんだんに詰まったヴァスコ・ダ・ガマ率いるインド派遣船団は群衆の歓喜溢れるリスボンを出発した。
なお、出港の前にミサが行われたが、ブーンはぽけ〜っとしていたため修道士に嫌味を言われてしまった。出港を前にしてテンション消滅である。

 |                         ヽ ヽ               https://www.youtube.com/watch?v=XPqqjkap9hU
 `|                         ヽ ヽ
 ◎ ヴェルデ岬                  ヽ |  _、-
  |                           \`´,-フ
  \                            ̄  /
    `\,,〜〜〜´`L_、                  /
              )                /
             く               /
              \            (
               ヽ            |
                )            |    、
                /            _) ,,ノ´ |
               (,,          、〜´  )  |´
               ヽ          ヽ   (  |´
                |,        、ノ    し-´
                 ヽ       ノ
                 ゝ     ノ
                 `-◎〜~´喜望峰

ヴァスコ・ダ・ガマ船団はまず、セネガルはヴェルデ岬に向かうことにした。また、それを中継地として定めた。貿易風が吹かないため、濃霧の危険性が
高かったからである。さらに、ヴェルデ岬でスペシャリストと別れを告げた後、赤道の無風地帯を避けるために大きく迂回して喜望峰を目指すことにした。

157名無しさん:2016/07/01(金) 21:29:10 ID:oBEnnrlI0
                                         https://www.youtube.com/watch?v=mmCnQDUSO4I
       っ
      っ
(;;;.´ω`)

ヴァスコ・ダ・ガマの慎重な読みと同じく、出港してしばらくすると濃霧が出てきた。各船長たちは打ち合わせ通りにヴェルデ岬へと向かうのであるが、
哀れブーンは他船員たちと一緒にパニックとなってしまった。う〜ん、キュートだ!

あれこれパニックになっていると、あっという間にヴェルデ岬に到着。ようやくほっと胸を撫で下ろすのだが、なんとあのスペシャリスト、バーソロミュー・
ディアス隊長(隊長ではない)がポルトガルへ帰ってしまうというのである! こんなの聞いてないぞ! ブーンはそんなの聞いてないぞ!


。・゚゚・( ´ω`)・゚゚・。 「帰るなんて酷いですお〜」 オーン 


あのスペシャリストにだって他の仕事がある。冒険の旅に出るだけの身分ではなくなってしまったのだ。

                  ./            ;; ;;    :  l
                  {           ミ゛ ミ     : l
                 l            ./| ' \    : }
                 l        ._,, . '/丿  .ヽ     {
                 {     _,,,-''/ /. / ,,.   {     |
                 ヽ  { .r'~  .i' i″   ,,,,--、`i   { .}
                  `、  !rニニコ、{,,, i !、,;;ニ三 ̄ , {  .{l  {   「男は泣くな! ここぞというときに涙を堪えるものだ!」
                    i  i  r..uュ .,  、 ..'┴'' `  リ`i.j'  ll                          ドドンッ!
                    .l ト,l   ''' ';   `゛゛   , ,. }   l
                    {.{ .l    , '   ヽ、  : . ''|  ..{{
                    `'. !   ./ 、,,_, ''゛ .\  ; ./;; .!川
                       、  !  __,,,_,,,,..-、', ,' / l /ヽ_`
                      ,.  ヽ.  '`''-二-'   /./   l ; ヽ ""'''-=,,,
                  _,,=-''''''" / ,'.ヽ、      ,,ン'.   /l ;  .i
               ,,=-''″    / ,' i::::.` ー一'''" ..   //;  ,' .!
              ''"       / ;  〈:::: ヽ ""      // .; ,'  l

                 バーソロミュー・ディアス (1450 - 1500)  ※ 、 はつかない


バーソロミュー・ディアス隊長(隊長ではない)に激励され、その場ではちょっとのやる気は出てきたものの、あとに残ったのはイカれたメンバーばっかり。
ブーンはますます不安になって、悲しくなって、お母さんとお父さんが恋しくなってしまった。

158名無しさん:2016/07/01(金) 21:30:30 ID:oBEnnrlI0
他の船員たちに励まされながら、ブーンは一生懸命働いた。
重〜い樽をエイコラエイコラ運んだりもしたし、皆のご飯を正確に分けたりもした。そうこうしているうちにイカれたメンバーたちとも仲良くなって
ブーンは以前ほど苦痛ではなくなってきたのである。サンキュー、マイベストフレンド。カモメに餌もあげる余裕も出来た。


( ^ω^)「かわいいお」


貴重な食糧を無駄にして!

さて、ヴァスコ・ダ・ガマ率いるインド派遣船団はヴェルデ岬を過ぎてから、長い長い海の道を進んでいた。
先にも書いたが、赤道付近の無風地帯を避ける為と、あわよくば未知の島を見つけるためなのであるが、特になんの発見もなくただただ海を進んでいた。
日にちにして約3か月進んだところでようやく喜望峰に到達することが出来た。


( ^ω^)


初めて目にする最果ての世界に、ブーンはなんとなく胸が熱くなった。地平線に沈んでいくお日様が、ブーンの目から涙を誘ったのだ。
「僕はこんな景色みたことないお!」と船員たちとハシャギ廻る様子を、この地で無様にもクソを漏らして泣きついたブーンジジイにみせてやりたいものだ。

ここは最果ての地、喜望峰。ここから東は世界を7日で創造したと勘違いしているヨーロッパ人にとって未知の世界だ!

159名無しさん:2016/07/01(金) 21:32:19 ID:vznKOILU0
ブーンがんばれ

160名無しさん:2016/07/01(金) 21:32:27 ID:oBEnnrlI0
        /:::/::iィ':ハ/:::v'`:..、,/::::::;:::i/::/、_/〃i/i,':::/    ヽ::}}::::::ヽ,.、_,ヘ:::',     
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        リハl::::::::::::::i マ:::::'_;;' .,リ  ',ヾ::ハ::::{ ',サリ__,..‐=-イツ:.._リハ:::::::::::::::::,'
         マ:::::::::::ハ ヾl!~リ¨,二ミ≧ゞヾ:i! ヾ'、¨,..≦ミx、   }::::::::::::::/
          ヽ::::ハ::∧  ヾ´ { ,ィチ::}゙`   `   ´ { ,ィチ::} ,`゙ゝ ,ノ!::ィ'i::::/
              `{ ir,'ヾ   `~¨¨¨~´        ~¨¨¨~´   /ィ i :l;:'
            ヽヾ:rヤ                     / }}/./   「現地の人間とは友好的にいこう。僕たちは侵略をしに行くんじゃないんだ」
             \ゞミ         .::..::..          ィ'  /                                       ず〜ん……
              `ーゝ         `´         ゝ='"
                 :.、       '~ ´`¨゙       /
                  iゝ       ¨´      ,イ
                   ,.ィ| ヽ           / |ミz、
               ,ィ彡' ::|   >:.、     ,..:イ / ,i>,ィ'
              ゞミ==、ヾ.、 _    `¨¨¨´ ,.. -== '” i´

               ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※中学生ではない


しかし、世界を7日で創造したと勘違いしていない、全うなヴァスコ・ダ・ガマの考えはこうである。
ここから東の国々は、いくら惨めな黒人の国とは言え、アジア諸国と1000年も前から交流を続けてきたということが交易品から容易に想像できる。
文化だっておそらくヨーロッパ諸国、少なくともポルトガルよりは格段に熟成されているに違いない。武力だってそうだ。

そんな未知の世界に、ちょっとの武力しか持たない船四隻が刃向かってどうなる。ここは全てを穏便に済ませよう。
ヴァスコ・ダ・ガマはそう心に決めていた。船員たちにも、「怒っちゃ嫌よ、仲良くね」と言って回ったのである。
その効果はてきめん。様々な国々と接触したが、大きな問題もなく順調に航海を進めることが出来た。


( ^ω^)「凄いお、カルチャーショックだお」


あの野菜戦士共の国が近くにあったせいでヨーロッパに閉じ込められていたヨーロッパ人にとって、アフリカ諸国との交流は衝撃の連続であった。
ブーンも漏れなく、初めて夜遅くまで起きてつけたチャンネルがトゥナイト2だった小学生の男の子のように目を輝かせたのだった。カントクは元気
しているだろうか。

161名無しさん:2016/07/01(金) 21:34:02 ID:oBEnnrlI0
はてさて、順調な航海をしてきたヴァスコ・ダ・ガマ一行であるが、モザンビークを近くすると、壊血病に悩まされる船員も多く出てきており
何人もの死者が出始めていた。

       っ
     っ
( ´ω`)


運よくブーンは発症しなかったものの、死体を海にぽいぽい捨てる毎日。精神的にも弱ってくる。
果たしてインドにつくまでに自分たちは生き延びることが出来るのだろうか。そう考えると、ブーンは爪を噛むのを止められなくなった。
遺伝性の悲観病のブーンはその症状に悩まされていたのだが、さらにその症状ステージが上がってしまう事態に陥ってしまう。

それはモザンビークに達した時であった。

                                          https://www.youtube.com/watch?v=xrIYT-MrVaI

 `|                         ヽ ヽ
 │                         ヽ |  _、-
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  \                            ̄  /
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              )                /
             く               /
              \            (
               ヽ            |
                )            ◎ このへん!  
                /            _) 



上陸してみたら、なんかやたらイスラム臭がするのである。

162名無しさん:2016/07/01(金) 21:36:57 ID:oBEnnrlI0
        /:::/::iィ':ハ/:::v'`:..、,/::::::;:::i/::/、_/〃i/i,':::/    ヽ::}}::::::ヽ,.、_,ヘ:::',     
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        i:::}::,'::::::::::::,'::::::::::::/::;イ l!:::::::::::;'::::i:::::::::;'        }:::i::::::::::::::::::::::::::
        {:i!::i:::::::::::::il::::::::::/::/i:l  l:、:::::::;:::::ハ::::;:ii       ,ノ::ハ::::::::::::::::::::::::i
        リハl::::::::::::::i マ:::::'_;;' .,リ  ',ヾ::ハ::::{ ',サリ__,..‐=-イツ:.._リハ:::::::::::::::::,'
         マ:::::::::::ハ ヾl!~リ¨,二ミ≧ゞヾ:i! ヾ'、¨,..≦ミx、   }::::::::::::::/
          ヽ::::ハ::∧  ヾ´ { ,ィチ::}゙`   `   ´ { ,ィチ::} ,`゙ゝ ,ノ!::ィ'i::::/
              `{ ir,'ヾ   `~¨¨¨~´        ~¨¨¨~´   /ィ i :l;:'
            ヽヾ:rヤ                     / }}/./   「ここは……、イスラム諸国なのか……?」
             \ゞミ         .::..::..          ィ'  /                          ず〜ん……
              `ーゝ         `´         ゝ='"
                 :.、       '~ ´`¨゙       /
                  iゝ       ¨´      ,イ
                   ,.ィ| ヽ           / |ミz、
               ,ィ彡' ::|   >:.、     ,..:イ / ,i>,ィ'
              ゞミ==、ヾ.、 _    `¨¨¨´ ,.. -== '” i´

               ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※中学生ではない


アラベスク文様が彫刻されたドア。港に流れるエキゾチック感ある音楽。”いやいや、どう考えてもここイスラムじゃね?” とイカれたメンバーたちもビビり倒す有様。
それも当然である。ここはもうスワヒリ文明圏。イスラム諸国と4世紀ごろから仲良くしている地域なのだ! お前らが内輪でローマぶっ潰している間に
文化を高めあっていたのだ! これが人間力の違いだ!!

イスラムと分かってスゴスゴと帰っていくわけにもいかない。ヴァスコ・ダ・ガマもこの地の調査を始めるが、明らかに現地の黒人にアラビア語
を喋る人間がいたり、モスクもあったりするなど、どう考えてもイスラムと仲良くすくすく育ってきた様子がうかがえる。

       っ
     っ
( ´ω`)


悲観病のブーンはこのままここで殺されちゃうんじゃないかな、ととても不安になった。
が、慎重なヴァスコ・ダ・ガマはすぐに手を打った。領主に貢物をたんまり送ったのである。今も昔も変わらない、全ては政治資金で解決だ!

163名無しさん:2016/07/01(金) 21:37:41 ID:zWAVxT1A0
ガマ有能

164名無しさん:2016/07/01(金) 21:38:45 ID:oBEnnrlI0
とは言え、この地では金で解決を果たしたものの、ヴァスコ・ダ・ガマの財布だって人並みである。知らない人にいっぱい奢っていれば簡単にすっからかん
になってしまう。早いところスワヒリ圏を抜けなくてはならない! うかうかはしていられないのだ! ここは敵地である!

焦る気持ちとイスラム色の人間に警戒する気持ちから、現地の人間からは海賊と勘違いされ始めたヴァスコ・ダ・ガマ一行。
もうこうなってはあれこれ言ってはいられない、と現地の人間を拉致し水先案内人をさせたり、刃向かってくる黒人共を銃で一掃したりし始める。
ここで討たれてしまってはインドに行くという目的も果たせないし、「アカーーーン!」という声が遠いこの地まで聞こえてくる気がするのである。

       っ
     っ
( `ω´)


ブーンも船員たちと一緒にバンバンと鉄砲を撃った。銃に振り回されて何度も尻もちをついて、おできが潰れたが、なんとか黒人たちを追い払うことが出来た。
相打ち覚悟の突破戦もあったのだが、勝利を重ねて行くヴァスコ・ダ・ガマ達。敵はもっと強大な力を持っていると想定していたのだけれど、
どうも槍や剣で対応してくる軍団しかいない模様。ここで溜まっては大砲で全滅される! と、思って全員でワアワアあたふた叫んだこともあったが、
スワヒリ戦士たちは岸でやいのやいの言って来るだけであった。


( ´ω`)「……?」


ブーンもこれには疑問に思った。ナメプなの? なんなの? と船員たちともプープー相談した。

この頃からヴァスコ・ダ・ガマはアフリカって弱いのでは……?と思い始めるのである。それもそのはず。ヨーロッパは日ごろから戦闘に身を置いてきた、
いわば地球軍最強戦士なのである。モンゴルとだって、イスラムとだって限界ギリギリバトルをしてきたのだ。戦いのプロフェッショナルと言って良いだろう。

165名無しさん:2016/07/01(金) 21:40:32 ID:oBEnnrlI0
             ,,,、、、、、,,,,                                https://www.youtube.com/watch?v=tmDEuFaoSC0
          ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.、
         ,f;:;:;ミミヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
        ,;:;:;;;;ミミヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^リN;;      
       ,;:;;;;;;;;;;;;ヲヲ'''ィイハ、  ノi;;;;;!
       ',;:;;;;;;;;;ィイ ,,、、、、   ,r- 、;;;;!
       V;:;;:;;;ル'゙゙,rモテ.:;' ノッャ''';;シ 
         Nいiij       ~` リ         「地獄に堕ちてでもインドに行くしかありませんね……」
        Nいii!':,    、;::′ ,j!       
        ル:;;;;{,    ,, --、  1 
        ルハシヽ   ´ 二`` ,′ 
        `フリハ `丶、.    / 
       ,/ i ',     ``ーイ     
  _,.. -‐''ニ7.  ヽ ヽ     i ヽ   
 ̄ `ー─'"7_ _ \\    ハ  \_   
  ',        _>\     /7⌒゙```ヽ、  
   i        <_   \  / \      ト、
 .  l        ``ヽ,  ', ! /      l '

やがて船員たちもアフリカ人がただの雑魚だと察し、あの手この手を尽くしてインドに帆を進めることになった。
人妻やお嬢様を人質にとっては港を開けさせたり、水先案内人として人を拉致したり、その拉致した人間を見知らぬ土地にポイ捨てしたり、
もはや勘違いなどではなく”海賊”になり果てたヴァスコ・ダ・ガマ一行は悪魔の水兵としてアフリカ東海岸を突き進んでいったのである。

        /:::/::iィ':ハ/:::v'`:..、,/::::::;:::i/::/、_/〃i/i,':::/    ヽ::}}::::::ヽ,.、_,ヘ:::',     
        .::::/:::/::::::::::/:::::::::::::::::::/i:::::::::::::::ハ{:::::::::::/     i::::::::::::::::::::::::::::::
        i:::}::,'::::::::::::,'::::::::::::/::;イ l!:::::::::::;'::::i:::::::::;'        }:::i::::::::::::::::::::::::::
        {:i!::i:::::::::::::il::::::::::/::/i:l  l:、:::::::;:::::ハ::::;:ii       ,ノ::ハ::::::::::::::::::::::::i
        リハl::::::::::::::i マ:::::'_;;' .,リ  ',ヾ::ハ::::{ ',サリ__,..‐=-イツ:.._リハ:::::::::::::::::,'
         マ:::::::::::ハ ヾl!~リ¨,二ミ≧ゞヾ:i! ヾ'、¨,..≦ミx、   }::::::::::::::/
          ヽ::::ハ::∧  ヾ´ { ,ィチ::}゙`   `   ´ { ,ィチ::} ,`゙ゝ ,ノ!::ィ'i::::/
              `{ ir,'ヾ   `~¨¨¨~´        ~¨¨¨~´   /ィ i :l;:'
            ヽヾ:rヤ                     / }}/./   「僕たちのしていることは……」
             \ゞミ         .::..::..          ィ'  /                          ず〜ん……
              `ーゝ         `´         ゝ='"
                 :.、       '~ ´`¨゙       /
                  iゝ       ¨´      ,イ
                   ,.ィ| ヽ           / |ミz、
               ,ィ彡' ::|   >:.、     ,..:イ / ,i>,ィ'
              ゞミ==、ヾ.、 _    `¨¨¨´ ,.. -== '” i´

               ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※中学生ではない

そしてこの頃からヴァスコ・ダ・ガマはなんだかおかしくなっていった。

166名無しさん:2016/07/01(金) 21:41:42 ID:oBEnnrlI0

( ´ω`)


この悪行にブーンの心も疲弊していったが、インドに近づいているという確信だけがブーンの心を支えていた。
そしてついに、ヴァスコ・ダ・ガマ一行はインド到達を果たすのである。

ー-、
    \__,-、
       )
        (_
          ヽ__           インド
        ,-、-、ヽ
       ,、`--' /                         ,、   /ヽ
       ヽ ̄ ̄                          / `'`ー'   \
         \   i~ゝ                        (           j
          `ー‐' |                      /
              |                   「`'
              |                      /
                 〉                /
              |                  _,-'
.                |             /`'
                  ◎ このへん!   /
                 |         、-'`'
                |         /
               ヽ       (   ,-、
               \    /⌒` /   ヽ
                 `ー―'     {    |

到達したのはインドはカリカット。当時はこの辺に王国が出来上がっており(カレクト王国)、長野県くらいにはそこそこの力を所持していたのだ。
そこで仕事の速いヴァスコ・ダ・ガマは国王に謁見を申し入れ、あれよこれよと国王との初謁見を果たすのである。やはり仕事のできる男は違う。
正直、他船員たちは体が重くてインドどころではなかったが、これが最後の仕事だー! とばかりに躍起になって謁見に臨んだ。

167名無しさん:2016/07/01(金) 21:44:04 ID:oBEnnrlI0
ヴァスコ・ダ・ガマは国王のご機嫌を取って、インドと良い関係を結ばなくてはならなかった。これがヴァスコ・ダ・ガマがインドまで来た目的である。
なにも冒険しに来たわけでも、プレスター・ジョンとかいう面白筋肉王国を探しに来たわけでもない。インドが握る香辛料や黄金が欲しかったのである。
祖国ポルトガルに大きな利益をもたらしたかったのである。
ヴァスコ・ダ・ガマはポルトガルから持ってきたお宝をいっぱい船から出して、意気揚々と宮殿に乗り込むことにした。頑張れ!

なお、船での働きが認められ、ブーンも謁見に同行できることになった。これは鼻が高い。


( ^ω^)「僕、がんばるお!」


ブーンは国王のご機嫌を取らなくてはならないことを良く良く理解していた。お腹に顔を書いてきたし、一発芸だって何個も用意してきた。
お尻で歩くことだって出来るし、歌だって歌うことが出来る。踊りはちょっと自信ないけれど、一生懸命やるんだ! という気概は見せることには自信があった。

             ポーン
(  ω )               ^ ^


ブーン達がたどり着いた宮殿は豪華絢爛。金銀財宝が飾られており、雅な音楽まで流れている。ブーンは歩いていて極楽に達してしまったのではと思った。
もちろん、ヨーロッパのそれとは一風変わった豪華っぷりにブーン以外の一行も驚いた。香辛料や黄金はこれほどまでの富を与えてくれるのか!
これは手に入れなくてはならない! 意地でも! 悪魔に心を売ってでも! だって俺たちはキリスト教徒だから!

168名無しさん:2016/07/01(金) 21:46:03 ID:zWAVxT1A0
この地の文が良いねえ

169名無しさん:2016/07/01(金) 21:46:29 ID:oBEnnrlI0
           /   ,、_,-─/ヽ──/ヽ    \                           https://www.youtube.com/watch?v=7AlEvy0fJto
           { ,、/| |二ニ{ ノ二ニ{  }二ヽ,.、 ヽ
           \||/`'´   ,イ ̄ ̄ ̄\ ヾ{ }  |
           /_____//        ト、. `'´ヽ |       「フフフフ……」
         / ̄ /   |二|      /ヽ\   \
         {    |    /  \    ,イl| |l \   \
         ``> |   //    `` 一' }|}>l    }     \
             //l ``-'´´、     ,-、 }|}:>|   /      ハ
         //' |  | {{ _, ヽ.    ヽ二井ニ|=- /       }
           //  |  ヽ/> ──一'   ソ /  /        |
        //   \/,.イ丶 一       /  /           /
       {{   -=X´ ヽ          / /        /
        ヽヽ      \  〉       / /          _/
         \`ヽ、   \\,.-、_/ /           ̄\_____


宮殿の豪華さもそれはもう大変だったが、国王の豪華さもそれはもう大変なことになっていた。
体には金銀が纏わりつき、すんげ〜やわらかそうな椅子に座って、両隣にはすんげ〜かわいい女がすんげ〜でっけ〜葉っぱの団扇で風を仰ぎ、
なんかおいしそ〜〜な赤い果物をもにょもにょ食べて、ぺっぺっぺと金の器に種を捨てているではないか。なんだコイツは!! なんだコイツは!!

いい匂いのする煙に包まれる中、ヴァスコ・ダ・ガマはついに口を開いた。頑張れ!負けるな!仲良くなって香辛料を手に入れて「やりますやん!」の
一言を手に入れるんだ! ブーンはいつでも脱げるような準備を始めた! 失敗は許されないぞ、ブーン!

        /:::/::iィ':ハ/:::v'`:..、,/::::::;:::i/::/、_/〃i/i,':::/    ヽ::}}::::::ヽ,.、_,ヘ:::',     
        .::::/:::/::::::::::/:::::::::::::::::::/i:::::::::::::::ハ{:::::::::::/     i::::::::::::::::::::::::::::::
        i:::}::,'::::::::::::,'::::::::::::/::;イ l!:::::::::::;'::::i:::::::::;'        }:::i::::::::::::::::::::::::::
        {:i!::i:::::::::::::il::::::::::/::/i:l  l:、:::::::;:::::ハ::::;:ii       ,ノ::ハ::::::::::::::::::::::::i
        リハl::::::::::::::i マ:::::'_;;' .,リ  ',ヾ::ハ::::{ ',サリ__,..‐=-イツ:.._リハ:::::::::::::::::,'
         マ:::::::::::ハ ヾl!~リ¨,二ミ≧ゞヾ:i! ヾ'、¨,..≦ミx、   }::::::::::::::/
          ヽ::::ハ::∧  ヾ´ { ,ィチ::}゙`   `   ´ { ,ィチ::} ,`゙ゝ ,ノ!::ィ'i::::/
              `{ ir,'ヾ   `~¨¨¨~´        ~¨¨¨~´   /ィ i :l;:'
            ヽヾ:rヤ                     / }}/./   「僕たちの……、宝物を持ってきました……」
             \ゞミ         .::..::..          ィ'  /                          ず〜ん……
              `ーゝ         `´         ゝ='"
                 :.、       '~ ´`¨゙       /
                  iゝ       ¨´      ,イ
                   ,.ィ| ヽ           / |ミz、
               ,ィ彡' ::|   >:.、     ,..:イ / ,i>,ィ'
              ゞミ==、ヾ.、 _    `¨¨¨´ ,.. -== '” i´

               ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※中学生ではない

ヴァスコ・ダ・ガマ一行がポルトガルから持ってきたのは、腰につける帯、お帽子、おしゃれ頭巾、サンゴの玉(これはオススメ!)
地元の職人が一生懸命つくった首飾りや腕輪、あとは油や砂糖やハチミツなどの調味料を樽にて。以上!

170名無しさん:2016/07/01(金) 21:48:19 ID:oBEnnrlI0
インド人の偉い人たちは、気の遠くなるようなデカい部屋の隅から、「どうだ!」とばかりにニコニコと滑車に乗せて運んできた船員たちを真顔で見つめた。
ヴァスコ・ダ・ガマもこの貢物には自信がいっぱい。あの国王が一生懸命に集めてくれた宝物なのだ! この中にはいくつかポルトガル宮殿ご用達のスペシャル
アイテムも入っている。これで靡かぬインドではないはずだ!


           /   ,、_,-─/ヽ──/ヽ    \                https://www.youtube.com/watch?v=mOqeWFmDQFQ
           { ,、/| |二ニ{ ノ二ニ{  }二ヽ,.、 ヽ
           \||/`'´   ,イ ̄ ̄ ̄\ ヾ{ }  |
           /_____//        ト、. `'´ヽ |       「こんなの、田舎の平民が持ってくるようなアイテムだよ……」
         / ̄ /   |二|      /ヽ\   \
         {    |    /  \    ,イl| |l \   \
         ``> |   //    `` 一' }|}>l    }     \
             //l ``-'´´、     ,-、 }|}:>|   /      ハ
         //' |  | {{ _, ヽ.    ヽ二井ニ|=- /       }
           //  |  ヽ/> ──一'   ソ /  /        |
        //   \/,.イ丶 一       /  /           /
       {{   -=X´ ヽ          / /        /
        ヽヽ      \  〉       / /          _/
         \`ヽ、   \\,.-、_/ /           ̄\_____


( ^ω^)「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」


が、結果は惨敗。カレクト国王にはパシっとはねられ、明らかな国力の違いに屈服するしかなかったのである。
ブーンの腹踊りが火を噴く前に、周りのインド人共から指をさされ笑われてしまったしまったヴァスコ・ダ・ガマ一行。国王の隣にいる美女にさえ、
しずかちゃんのように「うふふ」な〜んて遠慮気味に笑われてしまった。ブーンはとっても恥ずかしくなって腹踊りなんて出来なかった。


( ´ω`)


ブーンはせっかく一生懸命用意したネタを披露できず、バカにされて、とってもとっても悲しくなった。

171名無しさん:2016/07/01(金) 21:50:08 ID:oBEnnrlI0
さて、ヴァスコ・ダ・ガマが渡したマヌエル1世の書いた「ええやん親書」によってなんとかなんとかちょっとの貿易が許されたのだが、
それでもこんなしょーもなアイテムでは都合のいい香辛料なんて買えやしない。しかも親書を渡した際にカレクト国王の「あーはいはい」みたいな
態度にポルトガルのいなかっぺ達はひどく傷ついていて、もう貿易とかどうでもいいだろ……、早く帰りたい……、と完全負け犬状態になってしまった。

       っ
     っ
( ´ω`)


しかし、手ぶらでは帰れまい。不幸自慢をしにポルトガルに帰るのでないのだ。香辛料や黄金を手に入れ、インドに行けたんだぞ! インドには
やっぱり香辛料が溢れていて、おいしいお肉が食べれて、そんな人たちと仲良くなれたんだぞ! とリア充自慢をしに帰らなくてはならないのだ。

ブーン達は街を駆けた。なんとか自国から持ってきたしょ〜もない品物を売りさばかなくてはならない。
まるで平成のコピー機セールスマンのごとくノルマに死にそうになりながら、商店を渡り歩いた。時には詐欺まがいのセールストークで、
時には相手のゴネに負けながら、ブーン達は一生懸命一生懸命自国の品物を売ろうと頑張った。


( ´ω`)「なんとか集まったお」


結果、ノルマに達することはなかったが、それでもポルトガルでは考えられないくらいの香辛料を仕入れることに成功したのだ。
もちろん、香辛料の中には明らかに雑草を乾燥させただけのゴミなんかも混ざっていたのだが、ブーン達には関係なかった。
見てくれの結果が全てなのだ。それは中世も平成の世も変わらない。

172名無しさん:2016/07/01(金) 21:50:17 ID:vD8Aw6NU0
これは悲しい

173名無しさん:2016/07/01(金) 21:51:16 ID:oBEnnrlI0
さて、自国からの品物を全て売りさばいたのだからインドに滞在する意味もない。船員たちはこんなつらい思い出だらけのインドなんかおさらば
して、早いとこお家でゴロゴロしたかったし、テレビでバラエティも見たかった。

が、船を出そうとした矢先とんでもないことが起こる。

          ,.: .:;;:;:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:;:.、                           https://www.youtube.com/watch?v=D5e4LzyvTEc
         ,f;:;:;ミミヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;:',.
        ,;:;:;;;;ミミヽ:;:;;;;;;;f⌒'^^リN;;      
       ,;:;;;;;;;;;;;;ヲヲ'''ィイハ、  ノi;;;;;!
       ',;:;;;;;;;;;ィイ ,,、、、、   ,r- 、;;;;!
       V;:;;:;;;ル'゙゙,rモテ.:;' ノッャ''';;シ 
         Nいiij       ~` リ         「僕たち、つかまっちゃいました……」
        Nいii!':,    、;::′ ,j!       
        ル:;;;;{,    ,, --、  1 
        ルハシヽ   ´ 二`` ,′ 
        `フリハ `丶、.    / 
       ,/ i ',     ``ーイ     
  _,.. -‐''ニ7.  ヽ ヽ     i ヽ   
 ̄ `ー─'"7_ _ \\    ハ  \_   
  ',        _>\     /7⌒゙```ヽ、  
   i        <_   \  / \      ト、
 .  l        ``ヽ,  ', ! /      l '


なんと、出港のあいさつに行った使者がインド側に捕らえられてしまったのだ! これはどういう事だ!

       っ
     っ
( ´ω`)

なお、ついていったブーンも捕らえられた模様。

174名無しさん:2016/07/01(金) 21:54:54 ID:oBEnnrlI0
理由としては、無理やりなセールス他、ヴァスコ・ダ・ガマが本当は海賊の一味だという噂が流れていたという事、後者は街の人たちに
広く信じられており、ブーン達の知らない間にヴァスコ・ダ・ガマ達は完全に海賊という扱いを受けていたのだった。哀れ、ブーン。ここまでか!

       っ
     っ
( ´ω`) 「たすけて〜〜」


しかし、ブーンの助けてという声が届いたのか、あのヴァスコ・ダ・ガマはすぐに一策講じた。
なんと、なんとなんと、捕らえられた人間以上の数の市民を人質に取ったのである!!

                  /ィ                     `ヽ、
                 //./                       ヽ              https://www.youtube.com/watch?v=1yankOTQVxQ
                '/ /                      ヽヽ
               / //              ri-,      ヽヽl
                l ! , //    / l      /  !        l l
                 l i! ! !  イ〃l|l1 l  / //   !|   ヽ   !l
                 ',l ! l ! !l〃 l l、ト ///   !l    !  リ
                 ヽ、  !T 7ー、-LヽV l | _ ,...__l !  l | , j'    「ククク……、そうか……、そう来るか……」
                  ヽi、 l`ヽーr。テ-ヽヽ!´_= 二二ヾ、 l //
                    l >!  ^ =='    、、ゞ='ノ´ .lヽレ/′
                   ヽヽl          "   /イィ'
                    `-l      _       /' /
                      ヽ   _ー'_,    /ノ
                       l\   -    /
                     〃l l ヽ       / ト、
                     iヽ ! 、  ` ー '  ,.レ,イ

             ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※ロンリネス

インド航海の責任と、不遇によるストレスでなんか既に顔がやばいことになってしまったヴァスコ・ダ・ガマは、こっちの使者を返さなければ、
この人質の首をこの場で切り落とす!! 茶番は終わりだ!! とバイオレンス発言を喚き散らし、ブーン達を見事解放した。
解放したまではよかったが、なんと捕らえた人質をそのまま本国に持って帰るという鬼畜の所業を何の躊躇もなく執行したのである!!

あの、理性溢れて優しかったバランスの良いヴァスコ・ダ・ガマは死んでしまったのだ。

175名無しさん:2016/07/01(金) 21:56:21 ID:oBEnnrlI0
もちろん、インド側も黙ってはいない。約70隻の武装戦艦をヴァスコ・ダ・ガマに向けたのである。もはやこれは全面戦争だ。

       っ
     っ
( ´ω`) 「ど、どうしたら……」


こちらの船は3隻(補給船は積み荷がなくなった時点で解体されていた)。相手は70隻。これはどう考えても勝ち目がない。
しかし、勝ち目がないのは正々堂々と戦った時である。

                  /ィ                     `ヽ、
                 //./                       ヽ 
                '/ /                      ヽヽ
               / //              ri-,      ヽヽl
                l ! , //    / l      /  !        l l
                 l i! ! !  イ〃l|l1 l  / //   !|   ヽ   !l
                 ',l ! l ! !l〃 l l、ト ///   !l    !  リ
                 ヽ、  !T 7ー、-LヽV l | _ ,...__l !  l | , j'    「人質を船に括り付けろ。良く見えるようにな」
                  ヽi、 l`ヽーr。テ-ヽヽ!´_= 二二ヾ、 l //
                    l >!  ^ =='    、、ゞ='ノ´ .lヽレ/′
                   ヽヽl          "   /イィ'
                    `-l      _       /' /
                      ヽ   _ー'_,    /ノ
                       l\   -    /
                     〃l l ヽ       / ト、
                     iヽ ! 、  ` ー '  ,.レ,イ

             ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※ロンリネス

ヴァスコ・ダ・ガマは人質をチラつかせ、相手が怯んだうちにありったけの大砲をぶちかましたのだ。これにはインド側もたまらず敗走。
ブーン含む船員達はこの所業に呆然。人質たちは泣いている。小さな子供や、若い女もいる。追いかけてきた船の中には家族もいただろう。
逃げきれたものの、心にぽっかりと穴が開いたような気持ちになった。が、当のヴァスコ・ダ・ガマは「ククク……」、「ハハハハハハハハ!!」などと
四天王1番手のような高笑いでこの状況を楽しんでいた。ここは中世、血も涙もない!! 彼をそうさせたのは誰だ!! 時代だ!!

176名無しさん:2016/07/01(金) 21:58:29 ID:oBEnnrlI0
さて、ヴァスコ・ダ・ガマが悪魔に成り代わったとしてもポルトガルまでの帰路は壮絶であった。壊血病が猛威を振るったのである。


( ´ω`)”


運よくブーンは発症して居なかったが、仲良くなった船員たちが衰弱していく様をみて、ブーンは悲しい気持ちになった。
泣き出したくもなったけど、頑張ってポルトガルに帰るんだ! という気持ちを胸に一生懸命皆を看病したのである。偉いぞ! これでこそブーンだ!
なお、貿易風が吹かず船はノロノロ運転。日ばかりが過ぎて行き、壊血病により一行はほぼ壊滅状態。ジリ貧の状態が長く続いた。

途中海賊にも襲われたが、悪魔と契約したヴァスコ・ダ・ガマが極悪非道の戦法でそれを退け、ついにはポルトガルに帰還した。


(ヽ´ω`)


なんと、ブーンは生きていた。生きて再びポルトガルの地を踏んだのである。

                   )、ノレ/|//
                  /      \
                 / /  ̄\\\ ヽ
                |/     ヽ_ ヽミ
                     Yヘ = = ヘヽ ミ
                     《 <・> <・> 》ソ)  「すごいですやん! ホンマにインドいけたんやーーーーーー!!! やったーーーー!!」
                    ヒ|  ̄ (_)  ̄  ノ
                  |  ノ――ヽ |
                  ヽ      /|
                   \__// ̄\
                   /|__//⌒ヽ)
                   / | // /  |

            マヌエル1世(1469 - 1521) ※アカンくない

ヴァスコ・ダ・ガマ一行の活躍は瞬く間にポルトガル中、いやヨーロッパ中に響き渡った。マヌエル1世も大喜びで、ヴァスコ・ダ・ガマに
とんでもねぇほどの報酬をあたえたのであった。めでたしめでたし。

177名無しさん:2016/07/01(金) 22:01:04 ID:oBEnnrlI0

( ´ω`)


なお、ブーンもヴァスコ・ダ・ガマ一行として活躍したのもあり、多くの報酬を与えられ、何不自由ない生活が約束されたのだ。
十分なお肉が食べられ、飲み物だって自由に飲めるようになった。贅沢しなければ一生暮らしていけるくらいには報酬が出た。

もちろん、ありがたかったのは報酬だけではない。副産物として名声も手に入れた。
貴族のパーティにはもれなく呼ばれ、おいしいお料理をた〜んといただけるような身分になったのだ。もちろん、貴族にはなれなかったが
それと同じくらいの待遇を受けることが出来た。

                                             https://www.youtube.com/watch?v=bD0_bSEi0V8

ξ゚⊿゚)ξ


そして、ブーンはとある女の子と恋に落ちた。
その女の子はツンちゃんと言って、貴族の娘であった。ブーンはツンちゃんの貴族らしい振る舞いとコロンのいい匂いとお人形さんみたいな
顔立ちにゾッコンになったし、ツンちゃんは苦労人らしいブーンの猫背と、白いもちもちとしたそのフォルム、もにゅっとしたその口にゾッコンになった。
歩くときにピコピコなるのもたまらなく好きだった。

やがて二人は内緒で会うようになったのだ。


( *´ω`)ξ*゚⊿゚)ξ


結婚したいね、とか、身分が違うよ、とか悲しい事を言いながらも二人だけの時間は永遠に続くものと思っていた。

178名無しさん:2016/07/01(金) 22:02:45 ID:zWAVxT1A0
生きてる……だと!?

179名無しさん:2016/07/01(金) 22:03:31 ID:oBEnnrlI0
しかし、とある日、ブーンの元に一通の手紙が届いた。恐ろしい事にマヌエル1世の署名がある。


      ある日しあわせブーンに
       手紙が届きますた・・・
          _____
         / ヽ____//
         /   /   /
        /   /   /
        /   /   /
       /   /   /
       /   /   /
      /   /   /
       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                                    https://www.youtube.com/watch?v=wEQ0-ZzEacQ

       | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
       |                    |
       |                    |
       /    ̄ ̄ ̄ ̄      /_____
       /                   /ヽ__//
     /    インドいくで     /  /   /
     /              /  /   /
    /   ____      /  /   /
   /             /  /   /
 /             /    /   /
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/   /   /
                      ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

( ; ゚ω゚)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


そう、偉そうなポルトガル首脳陣は偉そうに考えたのだ。あのカレクト王国とやらはポルトガルに確かな利益を与えると、偉そうに考えたのだ。
奴らはブーンに再びインドへ行けと言うのだ! あの壮絶な航海を生き抜いた頼もしいブーンに白羽の矢が当たったのである!

180名無しさん:2016/07/01(金) 22:06:04 ID:oBEnnrlI0
もちろん司令官は、

                  /ィ                     `ヽ、             https://www.youtube.com/watch?v=1yankOTQVxQ
                 //./                       ヽ 
                '/ /                      ヽヽ
               / //              ri-,      ヽヽl
                l ! , //    / l      /  !        l l
                 l i! ! !  イ〃l|l1 l  / //   !|   ヽ   !l
                 ',l ! l ! !l〃 l l、ト ///   !l    !  リ
                 ヽ、  !T 7ー、-LヽV l | _ ,...__l !  l | , j'    「さて、茶番を終わらせに行こうか」
                  ヽi、 l`ヽーr。テ-ヽヽ!´_= 二二ヾ、 l //
                    l >!  ^ =='    、、ゞ='ノ´ .lヽレ/′
                   ヽヽl          "   /イィ'
                    `-l      _       /' /
                      ヽ   _ー'_,    /ノ
                       l\   -    /
                     〃l l ヽ       / ト、
                     iヽ ! 、  ` ー '  ,.レ,イ

             ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※ロンリネス


あの悪魔に心を売ったヴァスコ・ダ・ガマである。
しかも、彼らが出る前にペドロ・アルヴァレス・カブラルという、”弱きを殺戮する方法で征服する手段”に定評のある人間がインドに向かっているという
ではないか。なんだこれは、どういうことだ、キナ臭さが止まらないぞ。
しかも、今回の船はなんだか物々しい雰囲気が漂っている。航海に必要のない拷問器具があったり、必要のない兵器があったりするなど、どうにも
おかしい。


( ; ゚ω゚)


ちょっと頭の弱いかわいいブーンでも、この状況には戦慄した。何かがおかしい、何かがおかしい!! ブーンに何をさせるつもりだ!!
そう、ついに真のプロジェクトは発動したのである!!

181名無しさん:2016/07/01(金) 22:09:28 ID:oBEnnrlI0
ヴァスコ・ダ・ガマ一行はほぼほぼ前回と同じ航路を使いインドに向かった。
途中であった海賊などはクリーンアップし、道行く先々の街や王国などは力で屈服させた。特にバテイカラという王国には全力で殺戮を執行し、
完全服従させるという鬼の所業を行ったのである。

:( ; ゚ω゚):

ブーンも命令に従い、銃を手に取ったが自分が何をやっているのかわからない模様。
なんだか頭もだんだん麻痺してきて、やがては敵を見るだけで”殺される!”と思い、銃をブチかましたりした。ああ、ブーン! 哀れなブーン!

様々な問題はあったが、比較的スムーズな航海でインドに到着。前回のキラキラもあり、苦労もあった素敵な航海とは別物である。

インド沖について早々にヴァスコ・ダ・ガマは海域を封鎖。流石にヤバイ!と思った”カブラルにすでにボコされているカレクト王国”側が和平交渉を行う
も、ヴァスコ・ダ・ガマは全力拒否。さらに、カレクトに向かっていたポルトガルとインドにまったく関係のないエジプト船を捕まえて財宝を奪い、油をかけて燃やした。
もちろん、中の婦女子たちは燃やして殺し、抵抗する人間も全員ハチの巣にしたのである。これが人間のやることかな?

:( ; ゚ω゚):「ハァハァ……、ハァハァ……」

ブーンはもう頭真っ白。ポルトガルのツンちゃんのことなんて考えられもしない。悪魔に心を売ったヴァスコ・ダ・ガマの高笑いだけが響く
船内で、哀れブーンは敵も味方も分からず銃を振り回すのである!

                   )、ノレ/|//
                  /      \
                 / /  ̄\\\ ヽ
                |/     ヽ_ ヽミ
                     Yヘ = = ヘヽ ミ
                     《 <・> <・> 》ソ)  「いてまえーーーーーーー!!」
                    ヒ|  ̄ (_)  ̄  ノ
                  |  ノ――ヽ |
                  ヽ      /|
                   \__// ̄\
                   /|__//⌒ヽ)
                   / | // /  |

            マヌエル1世(1469 - 1521) ※アカンくない

誰が彼らをそうさせた!! お前かーーーーーーーーーー!!

182名無しさん:2016/07/01(金) 22:11:13 ID:oBEnnrlI0
カレクト側が呆然としていると、ついにあのヴァスコ・ダ・ガマが口を開いた。


                 //./                       ヽ 
                '/ /                      ヽヽ
               / //              ri-,      ヽヽl
                l ! , //    / l      /  !        l l
                 l i! ! !  イ〃l|l1 l  / //   !|   ヽ   !l
                 ',l ! l ! !l〃 l l、ト ///   !l    !  リ
                 ヽ、  !T 7ー、-LヽV l | _ ,...__l !  l | , j'    「香辛料を売ってくれないか?」
                  ヽi、 l`ヽーr。テ-ヽヽ!´_= 二二ヾ、 l //
                    l >!  ^ =='    、、ゞ='ノ´ .lヽレ/′
                   ヽヽl          "   /イィ'
                    `-l      _       /' /
                      ヽ   _ー'_,    /ノ
                       l\   -    /
                     〃l l ヽ       / ト、
                     iヽ ! 、  ` ー '  ,.レ,イ

             ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※ロンリネスである


鬼でも思いつかないセリフにカレクト王国はビビった。香辛料を売るだけならまだいい。イスラム教徒をその場で殺せ、とかあの宮殿で
恥をかいたから賠償金を寄越せとか言って来て始末に負えない。
手を拱いてはこのまま奴らが攻め込んでくるんじゃないか? 許可を出してはいけない! と国王は防護柵を港に張り巡らせたのだが、これを見て
ヴァスコ・ダ・ガマは待ってましたとばかりに高笑い。早く逃げて〜! インド人早く逃げて〜〜!

183名無しさん:2016/07/01(金) 22:13:13 ID:vD8Aw6NU0
お前ら人間じゃねえ!

184名無しさん:2016/07/01(金) 22:13:26 ID:oBEnnrlI0

                 //./                       ヽ           https://www.youtube.com/watch?v=NOmMRBHxU0w
                '/ /                      ヽヽ
               / //              ri-,      ヽヽl
                l ! , //    / l      /  !        l l
                 l i! ! !  イ〃l|l1 l  / //   !|   ヽ   !l
                 ',l ! l ! !l〃 l l、ト ///   !l    !  リ
                 ヽ、  !T 7ー、-LヽV l | _ ,...__l !  l | , j'    「砲撃を始めろ」
                  ヽi、 l`ヽーr。テ-ヽヽ!´_= 二二ヾ、 l //
                    l >!  ^ =='    、、ゞ='ノ´ .lヽレ/′
                   ヽヽl          "   /イィ'
                    `-l      _       /' /
                      ヽ   _ー'_,    /ノ
                       l\   -    /
                     〃l l ヽ       / ト、
                     iヽ ! 、  ` ー '  ,.レ,イ

             ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※ロンリネスである


ついにポルトガル軍艦の大砲が火を噴いた! カレクト市街地に向けてありったけの砲弾をブチこみ、船員たちをたーんと市街地に送り込んだ。
何の罪のない人間を捕まえては殺し、国王の宮殿には市民の足と手を送り付けるという、誰がこんなことを思いつくの?と思わざるを得ない悪いこと
を始めてしまったのである! さらに、手と足を送り付けるのでは飽き足らず、だるまにして口を焼いた女の子や、目と口を縫い付けたおばあちゃんなんか
もアマゾンプライム即日配達よろしくバンバン送り付けた!! 人妻の首もあるよ!!

       っ
     っ
:( ; ゚ω゚):


もちろんブーン達も街を駆けた。か弱そうな女の子を捕まえては船の船首に逆さまにして括り付けて、港の周りをグルっとまわったりなどした。
他の船員たちが女の子を犯すのを見て、自分はこうはなるまいと思い、殺戮するふりをして走り回ったり「ヒャッハー!」と叫んでみたりするのだが、
混乱していて何が何だかわからない。哀れブーン、どうしてこんなことになってしまったのだろう。もう愛しいツンちゃんの顔も忘れてしまった。

185名無しさん:2016/07/01(金) 22:17:52 ID:oBEnnrlI0

                 //./                       ヽ        
                '/ /                      ヽヽ
               / //              ri-,      ヽヽl
                l ! , //    / l      /  !        l l
                 l i! ! !  イ〃l|l1 l  / //   !|   ヽ   !l
                 ',l ! l ! !l〃 l l、ト ///   !l    !  リ
                 ヽ、  !T 7ー、-LヽV l | _ ,...__l !  l | , j'    「もう一度聞く。香辛料を売ってくれないか?」
                  ヽi、 l`ヽーr。テ-ヽヽ!´_= 二二ヾ、 l //
                    l >!  ^ =='    、、ゞ='ノ´ .lヽレ/′
                   ヽヽl          "   /イィ'
                    `-l      _       /' /
                      ヽ   _ー'_,    /ノ
                       l\   -    /
                     〃l l ヽ       / ト、
                     iヽ ! 、  ` ー '  ,.レ,イ

             ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※ロンリネスである


ここまでやってこの質問を繰り返すヴァスコ・ダ・ガマにカレクト側も白旗を上げ、香辛料の売買を解禁、というかもはや売買という形になっていない
”商売っぽい何か”という取引きらしからぬ取引きを認めざるを得なくなった。

しかし、それでも一度暴れだした街の船員たちの狂気は収まらない。家々に火をつけて回り、おじいちゃんおばあちゃんを引きずり回すなど、
中世でも類を見ないサバトが執り行われていたのである。
が、インド人たちも指を噛んでただ見ているだけではない。ついに勇敢なインド戦士たちが目を覚ました!


       っ                  https://www.youtube.com/watch?v=_B0CyOAO8y0
     っ
:( ; ゚ω゚):


殺戮するふりをして走り回ってヒャッハー!と言っているだけだったブーンが捕まってしまった。

186名無しさん:2016/07/01(金) 22:19:12 ID:oBEnnrlI0

               __ _
             , ィ::|三三|: :,'≧-、
            /≦i.:|三三|: :,三三,i
           ,'=三i:.i三三|: :,三彡':i
           |:ヾニi: ヾニソ: : :'ー´: :i
           _|::(::''''':.、: : :,.:-'''': :{. : :{_    「オマエ ヤリスギタ ゼッタイ ユルサナイ」
          i:.:i: ヾ二シ'i: :≧二彡.: .:i.::i
          ',.:',三}: : : |: : : : : {三彡i:/
           ゝ!: : : : ::ヾ /: : : : : : ,'/
          ,'.ハ彡} :_:_:ニ.:_:_: : {ミ∧,
          ii .,∧.:´ヾ:.―-:`: :./i、_}}
          ヾ.ノ .ヘ、:_:_:__:_:_:イ.: |¨´
              }: :ヽ:::::::::::::::|: : !ヽ.._
           __/y: ::`{::::::::::/.: : ハ: : :.ヽ__
          ,'r::i ¨`Y ̄ ̄\/  ̄ ヽ: : : : : :--':.,
       /: : iriュ, ri{コ r-, _i (_ユ,、い{,''´: : : : : : :丶
      /: : : :,' {ニニノ: }^,ィz¨ r´'i imziti|: {: :ヽ: : : : : : ',
      -'´: : i: :: : : : : :にニ/: : :ヾにマ: : :-: : ゝ、: : : : :}

ブーンは必死に言い訳をした! 「ヒャッハー!」って言ってただけなんですぅ〜と必死に必死に言い訳をしたのだが、言葉が通じていないのか、
聞く耳を持ってくれない。これはどうしたことだ、ひょっとして死ぬんじゃないのか!?

誰か助けて〜〜と周りに助けを求めるが、みんな街を壊すのに夢中になってブーンの声なんか聞いてもくれない。
他のインド人も周りに集まって来て、ブーンを取り囲んだ! 既に集まって来たインド人の手にはヨーロッパ人の首を持っている人もいる!
これは絶対絶命だ、ブーン! どうする! どうする!?


。・゚゚・( ´ω`)・゚゚・。 オーン


おーん、と泣いて見せて、相手の顔色を窺ってみたがインド戦士に石で頭を割られて脳みそドロリンコ。
ブーン、インドの地にてあっけなく死す! 合掌!

187名無しさん:2016/07/01(金) 22:21:10 ID:oBEnnrlI0

                 //./                       ヽ        
                '/ /                      ヽヽ
               / //              ri-,      ヽヽl
                l ! , //    / l      /  !        l l
                 l i! ! !  イ〃l|l1 l  / //   !|   ヽ   !l
                 ',l ! l ! !l〃 l l、ト ///   !l    !  リ
                 ヽ、  !T 7ー、-LヽV l | _ ,...__l !  l | , j'    「クククク……」
                  ヽi、 l`ヽーr。テ-ヽヽ!´_= 二二ヾ、 l //
                    l >!  ^ =='    、、ゞ='ノ´ .lヽレ/′
                   ヽヽl          "   /イィ'
                    `-l      _       /' /
                      ヽ   _ー'_,    /ノ
                       l\   -    /
                     〃l l ヽ       / ト、
                     iヽ ! 、  ` ー '  ,.レ,イ

             ヴァスコ・ダ・ガマ(1460 - 1524) ※ロンリネスである


そして、多大な香辛料と他インド諸国を朝貢国に組み込むことに成功したヴァスコ・ダ・ガマは歴史に名を残す偉大な人物となった!
ポルトガルはインドとの貿易を支配して、スペインと格差をつけたぞ! こんなに嬉しい事ってない! おめでとう、おめでとう!

188名無しさん:2016/07/01(金) 22:21:35 ID:oBEnnrlI0
( ^ω^)

189名無しさん:2016/07/01(金) 22:24:49 ID:nHqqC4cg0
途中までガマが有能だった分残虐さが弾けてヤバイ

190名無しさん:2016/07/01(金) 22:28:34 ID:4ig7kL2Y0
ああ、可哀想なブーン!!
今までの中で一番悲惨だ

191名無しさん:2016/07/01(金) 22:29:24 ID:zWAVxT1A0

生きて返して一瞬期待させてのこれ

192名無しさん:2016/07/01(金) 22:31:22 ID:vznKOILU0
今までで一番幸せなブーンかと思った瞬間が僕にもありました

193名無しさん:2016/07/01(金) 23:37:09 ID:zGxEFFn.0
おつ
>>7みたら次17年年しか生きてねえ…

194名無しさん:2016/07/01(金) 23:39:58 ID:n7mDTJbE0
盗作者ですら頑張ってるのにお前らときたら

195名無しさん:2016/07/02(土) 15:53:04 ID:OCTm4KBA0
アカンやろ

196名無しさん:2016/07/03(日) 00:52:23 ID:zdGKiU9M0
ブーンんんん

197名無しさん:2016/07/06(水) 02:19:57 ID:EyhtbDKk0
今までで一番可哀想な気がするんだ

198名無しさん:2016/08/16(火) 13:51:49 ID:Ht6puaZs0
まーだかっなまーだかっな〜

199名無しさん:2016/08/30(火) 20:36:46 ID:InUE9lRg0
いつまでもまっとるで

200名無しさん:2016/11/25(金) 19:56:18 ID:/G1bvqjY0
何気なく逃亡か

201名無しさん:2016/12/22(木) 23:21:48 ID:vfTFAsog0
年内には来るんだよな?

202名無しさん:2016/12/23(金) 13:10:16 ID:XYBmVuFA0
年内(あと一週間)

203名無しさん:2017/03/11(土) 00:31:48 ID:iJu/lRNU0
うふふふまだ待ってるわよ

204名無しさん:2018/12/24(月) 12:47:17 ID:JSnh92b20
わたしまーつーわ
いつまでもまーつーわ・・・

205名無しさん:2019/01/18(金) 12:07:25 ID:AZ6OPo0A0
久々に読み返したらやっぱ面白い
続きマダカナー

206名無しさん:2020/04/01(水) 12:42:13 ID:ZMLPCSd.0
めっちゃ面白い


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