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零月
:2016/02/21(日) 17:24:30 HOST:210-138-0-226.lan-do.ne.jp
過去・参巻「覚悟」
世界戦争が始まるまで後4日になる。
大規模な戦争に向けて日本の能力者達や忌華家は、着々と準備を進めていた。
忌華邸〜大広間〜
大広間には、対能力者用の武器が何億と置かれ、能力者達によって運び込まれていく。
鐡「全国各地へと配送しろ、遅れは許さん。」
皇「頑張っている様だね、鐡。」
配送の指揮をしている鐡に、「最高支配者」の皇が何億と運び込まれている武器を見ながら立ち寄る。
鐡「皇さんか…どうした?」
皇「鐡。君は戦争をどう思う?」
皇が目を見ながら問う。
鐡「...俺は、戦争は必ず起こる物と思っている。犠牲は付き物…。
戦争は勝つ者は上へ、負け者は死へと辿り着く…それが戦争の真理じゃないのか?」
鐡が答えると、皇は一瞬間を置いた。
皇「その通り、君には覚悟があるのか?」
皇の言葉に、鐡が口を閉ざす。
皇「まだ慌てなくとも良い、だがいずれ悲劇は起こる。それまでに覚悟を決めてると良いさ。」
そういうと、大広間から皇が立ち去る。
鐡「覚悟は…出来ている。この命が尽きようとも…」
皇の立ち去り際の背中を見て言った。
忌華邸〜屋上〜
零月「…世界戦争。」
ただ一人、零月は屋上へと立っていた。
戦争の恐ろしさは嫌という程思い知らされている、そんな悲劇の再来を受け止める準備をしていた。
そこに、もう一人屋上へと足を踏み入れた。
聯華「零、貴方はまた此処に居たのね。」
母親の聯華が、ゆっくりと零月に近づいていく。
その不安を全て吹き飛ばしてくれる優しさその物が、近づいてくる。
零月「母上…」
零月は沈む夕陽を見ながら、母親に抱かれていた。
その温もりは、昔からずっと変わっていない。
聯華「…零は強い。その力が貴方を守ってくれる。」
零月「母上…俺は…」
夕陽はやがて、消え去った。
夜が訪れ、「世界戦争」が勃発する時間は刻々と進んでいる。
「世界戦争」が起こるまで…後3日。
To be continued…
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