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リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第159話

1 名無し募集中。。。 :2017/10/16(月) 20:06:02
明日もよろしく。その次の日も。そのまた次の日も。

星が散って、落ちていく。
辿り着いた先でもまた、多くの光に囲まれるだろう。
自分の手と足で集まれ光よ、胸の高鳴る方へ。


第158話 「保全作(愛ガキ・ぽんぽん)」 より


前回のお話はこちら
【小説】リゾナントブルーのMVからストーリーを想像するスレ 第158話
http://matsuri.5ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1506948051/


【用語】@wiki
http://www39.atwiki.jp/resonant/

【過去】第1話〜第20話のログまとめ
http://resonant.web.fc2.com/

【保管1】まとめサイト(仮)※第1話〜第24話の小説は収録完了
http://www45.atwiki.jp/papayaga0226/

【保管2】まとめサイト Ver.2 第25話〜第43話
http://resonanter.blog47.fc2.com/ ※IEで閲覧できない場合は火狐かChromeの導入を推奨
http://www61.atwiki.jp/i914/ IEの方はこちら

【保管3】暫定保管庫(まとめサイト3) 第44話〜第104話
http://www35.atwiki.jp/marcher/

【保管4】まとめサイト Ver.4 過去ログ保管・編集中 第105話以降
http://resonant4.cloud-line.com

【スレのテンプレ・感想・作品のあとがき 他】したらば掲示板
http://jbbs.shitaraba.net/music/22534/

27 名無し募集中。。。 :2017/10/18(水) 13:35:13
ノハ*゚ ゥ ゚)<うーん…久し振りに新狼に来ましたが色々な制約からの解放のおかげかもしれませんね

ノノ*・_l ・)<まずは慣れる間新狼の他スレも見て来ないとあかんやつや

28 名無し募集中。。。 :2017/10/18(水) 21:42:06
今日はりさこ結婚であっちは大荒れだな

29 名無し募集中。。。 :2017/10/18(水) 22:14:37
あのりーちゃんが結婚かぁ…ベリヲタ界隈は大騒ぎしてるんだろうな
思った程ショックではないけれど幸せになって欲しいね

30 名無し募集中。。。 :2017/10/18(水) 22:59:31
キッズの時からあまり印象が変わらないだけにあのりしゃこが…!って思ってしまうw

31 名無し募集中。。。 :2017/10/19(木) 01:04:09
今日は人が少ない?

32 名無し募集中。。。 :2017/10/19(木) 01:42:18
まあ平日だしなー
一言保全が自然と無くなってるせいかもしれないけど
自分はここでののんびり感にまだ慣れないw

33 名無し募集中。。。 :2017/10/19(木) 06:39:20
自分は逆にこのまったり感が心地いいw

34 名無し募集中。。。 :2017/10/19(木) 14:32:52
気付いたら真野ちゃんがこんな事してた
https://twitter.com/twitter/statuses/920458705002315776

35 名無し募集中。。。 :2017/10/19(木) 20:46:57
引っ越してきたんだね
自分はバトルもの好きで書いてるけど超能力に関する知識がないんでここには書けないかなあ
ハードコアな血まみれバトル期待してますよ

36 名無し募集中。。。 :2017/10/20(金) 01:05:22
バトルものの書き手さんがいらっしゃった…!
こんばんわ。超能力と言ってもwikiの方で出てきた設定は全部
載せてくれてるので参考するのもアリです。
中には肉弾戦の話もあるのでぜひ参加してみてください。

37 名無し募集中。。。 :2017/10/20(金) 07:45:28
まりまースレの作者さんかな

38 名無し募集中。。。 :2017/10/20(金) 09:29:17
リゾスレにおいて『超能力』は一つのキーワードであってないとダメって訳じゃないと思けどねぇ
実際に過去作品読むと超能力を使わない作品もいくつかあるしね

39 名無し募集中。。。 :2017/10/20(金) 18:27:13
喫茶リゾナントでのハートフルな話も

40 名無し募集中。。。 :2017/10/20(金) 21:46:37
リゾスレでハードコアというと…

『黒い羊』
https://www61.atwiki.jp/i914/sp/pages/37.html

とかかな?ちょっと違うか?

41 名無し募集中。。。 :2017/10/21(土) 08:43:29
いきなり昔のものがブクマやいいねされてたからスレを久しぶりに見に来たんだけど
リゾスレ10周年なんですね
おめやよー

42 名無し募集中。。。 :2017/10/21(土) 13:57:30
もしや元リゾスレ作者さん?こうやってまた足を運んで貰えるなんて ありがたいねー

43 名無し募集中。。。 :2017/10/21(土) 22:53:06
そうです元書き手です
あと間取りとか動画とか画像で遊んだりもしたよ
去年までは狼にスレがあったことを知ってたんだけど今はこっちに移行したんだね

44 名無し募集中。。。 :2017/10/22(日) 03:08:22
昔の住人さんも見てくれると思うとやる気がでてきた笑

45 名無し募集中。。。 :2017/10/22(日) 09:47:12
>>43
おお!あの『喫茶リゾナント間取図』の制作者さんだったとは!初めてwikiで見たとき「魅惑の水さんルーム」の意味が分からなかった思い出w

46 名無し募集中。。。 :2017/10/22(日) 11:50:28
2ch→5chの仕様変更関連で暫くこちらでお世話になる事にしました
書き手さんや住人さん達が既にいらっしゃったとは…ある意味移動してきて良かったかもしれないね
規制関係での肩の荷が少し軽くなった事だし色々頑張って書こうと思うw

47 名無し募集中。。。 :2017/10/23(月) 00:31:09
魅惑の水さんルームにれいな城…なつかしいなw

48 名無し募集中。。。 :2017/10/23(月) 12:37:40
>>44
>>46
新作・続編楽しみにしてますw

49 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 12:19:46
え!?まさか深夜の保全が無いのに落ちてない?

50 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 12:20:36
むしろ丸一日経ったのに落ちてない…これが新狼か…。

51 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 12:50:06
ここで落ちるのって1000完走でDAT落ちしか見たことないw

2年間レスなくても残ってるスレもあるしね

現在時刻: 2017/10/24(火) 12:46:03

立った日: 2015/03/02(月) 01:35:18
立ってから: 967日11時間10分45秒経過

最新レス: 2015/05/10(日) 23:46:44
最新レスまで: 69日22時間11分26秒

勢い: 0.772レス/日

52 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 14:09:03
从*・ 。.・)<お待たせしましたなの

変形少女 #5(ありさ編)-Henkei Shoujo (Transforming Girls) #05 Arisa
https://www.youtube.com/watch?v=EZiaPFgokqA

53 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 14:43:18
やっぱり変態少女と空見してしまうw
リンク感謝帰ったら見てみよう

54 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 22:18:19
すごくまっとうな小説スレもあれば
ちょいと怖い病気っぽい小説スレもあるんだね
新狼っていったい…

55 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 22:40:12
病気っぽい小説スレ気になる…w

56 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 23:16:06
https://youtu.be/m54_FpTm-nk
「20周年だからね」
って時にはこうなってるかもしれないよなって10周年迎える前に思いました

57 名無し募集中。。。 :2017/10/24(火) 23:52:07
病気っぽい小説スレか分からないけど・・・いくつも作品書いてるのに誰も読んでる人いないんじゃないか?ってスレもあるよね。。。

もう少し改行句読点あると読みやすくなるのにもったいない

58 名無し募集中。。。 :2017/10/25(水) 07:05:52
スレタイに「小説」と入ってるスレが怖いね
内容はわからんけど同じ人が延々とやっててリアクションなしのやつ

59 名無し募集中。。。 :2017/10/25(水) 07:50:54
リゾスレ住人的に気になってるスレがあれば知りたい

60 名無し募集中。。。 :2017/10/25(水) 10:35:36
新狼内だとスレが落ちないから延々と同じ人ってのがあるのかもしれないね
自分がザーッと見てきて面白いなと思ったのは

やはりベリヲタなのもあるけど王道系
SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1452342496/

えりぽんえりぽん
仮面ライダーイクタ 外伝『仮面ライダー鎧娘。'14』
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1401702259/

くっころ
もしも加賀楓と横山玲奈がふたり旅をしたらありがちなこと
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1503189554/

まりまースレと言うと
まーちゃんとまりあんLOVEりんのスーパー姉妹スレ@新狼
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1480520702/

从*・ 。.・)<ここからは個人的に期待しているピンクゾーンなの
さゆえり「れいなはココが感じるの?w」5@新狼  (本スレはおーぷん)
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1400943744/

ノリ*´ー´リ<帰って来てからが本番じゃけぇ
鞘師って本当に道重のこと超超超大好きなんだな!新狼避難所
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1425237233/

61 名無し募集中。。。 :2017/10/25(水) 12:19:39
続くのか続かないのか悩むスレもあるねw

62 名無し募集中。。。 :2017/10/25(水) 12:27:20
ありゃ?自分と大体被ってるw追加するなら…

絶好調!(密かにまりまー・れなでぃースレと世界観共有してるんじゃないかと思ってる)
『もしもだーさくこと石田亜佑美と小田さくらが賞金稼ぎコンビだったら』
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1457233205/

珍しい はがおが姉妹
『お芋さんから始まる小説スレ』
http://!jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1447072855/


『島島 Part2』
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20619/1507818720/

更新が止まってる作品が多いのが残念

63 名無し募集中。。。 :2017/10/25(水) 20:22:03
たくさんあるねー
しばらく読みあさって過ごせそう

64 名無し募集中。。。 :2017/10/26(木) 10:32:52
ここも期待してますよ

65 名無し募集中。。。 :2017/10/26(木) 12:43:48
そうだねぇ…せっかく引っ越して来たのに作品まだ来ないんだよねぇ〜早く来ないかなぁ?(チラッ チラッ)

66 名無し募集中。。。 :2017/10/26(木) 23:39:44
なんだか思った以上にハーレムな掲示板に移動してきたんだな…。
ありがたいやら嬉しいやら。

67 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 03:19:43
 「はー…疲れたっと」

頭を下げた宇宙人のような街灯が、夜道に白い光を落としている。
街灯に羽虫が群がっていた。
蛍光灯にぶつかる音が夜に響く。
駅前ならともかく、アパートや個人住宅が並ぶ地区に人通りは少ない。
言い訳のように街灯が光を放つ夜道が延々と続いている。
噎せ返るような湿気を含む夜と、汗で肌に張り付くTシャツがただでさえ
暑い八月の夜をさらに不快にしている。
日本はそろそろ亜熱帯になってるんじゃないかとさえ思えた。

若者にありがちな、この現実は何か違うという自己逃避と切って捨ててしまいたい。
学生時代から今まで、全てに違和感がある。
なにかの遊びに思えて、世界がふわふわしていた。
なぜみんなは真剣に現実を受け入れているのだろう。
この焼かれて溺れてしまいそうな現実は理解できない。

 「理解できても、きっと私はすぐに見捨てるだろうけどね」

一人呟いて、足でアルファルトを強く踏む。
そうえば今、あの店には誰が居るのだろう。
喫茶『リゾナント』はこの地一帯ではもう十年の節目を迎えた。
そこでは彼女、飯窪春菜は成人しているという事もあって責任者を任されている。
マスター代理は譜久村が担っているが問題はない。
最初の頃は不安がなかったわけではないが、今ではしっかりと責務をこなしている。
張り合いのある仕事は楽しい。未来は明るい。

このまま生活を送るのなら、それはそれで幸せな事なのだろう。

 「きゃっ、何?」

68 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 03:20:39
靴の裏で何かが潰れる感触で、思わず飛び退く。
薄紙の塊を潰したような感触だった。
街灯の楕円が作る円の外れ、アスファルトの上には、虫の死骸があった。
羽はちぎれ、体液がスファルトに染みを作っている。
夏につきものの蝉だった。

 「いいい……うそ、でしょー…」

路上に蝉が留まっているわけがない、元々ここで死んでいたのだろう。
ついていないというか、気持ちの悪さが勝る。
可哀想という気持ちが芽生えたのは、死骸の上を越えた後だった。

手を合わせて顔を上げると、半分の月が夜空に捧げられている。
まるで満月だったのに誰かが噛みついてしまったみたいだ。
喫茶店に辿り着く。
「Clause」のプレートが揺れて、微かに鳴り響く鐘の音。
だが本当に微かな音だった為に、店内からの反応はない。
そもそも、もしかしたら誰も居ないのかもしれない。

 「まあ、明日には帰ってくるよね」

依頼の数も増加したり減少したりとバランスが悪い。
向かう人数もその時による上に、帰宅時間も一致しない。
ここ一週間のリゾナンターは多忙の毎日を過ごしていた。
飯窪も今しがた依頼を終えて帰宅したのだ。
喫茶店の風景も少し寂しそうに見える。

 「明日からお店も開かなきゃいけないし、忙しいなあ」

以前は居住区として利用していた二階には空き部屋が三つある。
一つは空き部屋というよりロフトだが、そこは荷物置き場と化していた。
休憩室としてのリビングを抜けて、飯窪は違和感を覚える。

 「あれ?」

69 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 03:21:36
テーブルの上に、鞄が乗せてある。
それはポシェットに近いサイズで、メーカーのマークが縫われている。
誰のかは判別できないが、触れて持ち上げてみるとそれとなく重量を感じた。
何かが入っている。
良心が痛むが、名前すら書いていないとすると中身を確認しなければ
このまま放置も出来ない。

チャックを引き、飯窪は覗き見をするように真上から見下ろす。
予想していたものと遥かに違っていて、一瞬怪訝な顔を浮かべた。
手を入れて、それを持つ。

 「なにこれ」

その数は十四、弾丸だった。
個人が所持しているゴム弾とは違って先端が尖った銀製の小口径。
初めて見るものだったが、どうしてこんなものが放置されているのだろう。

飯窪の体が固まる。
背後の扉の奥から物音が聞こえ、息を止め、耳を澄ます。
立ち上がって、扉の前へと足を運び、耳を押し当てる。
空き部屋の筈だ。
鍵は一階の厨房にあるが、その場所を知っているのはこの店の関係者のみ。
どんな用事があろうとも滅多に開かれることは無い。

音は一種類だけではなかった。
ねちゃねちゃとした音と、途切れ途切れに熱を帯びた声。
心がざわざわと騒ぐ。
扉の前に静かに寄り、声を聴きとろうとする。

 「ねえ、今どんな気持ち?当ててやろうか?」

70 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 03:23:19
部屋に踏み込みたくなる衝動を堪え、さらに聞き耳を立てる。
快楽に咽ぶ声の主に気付いて驚愕の色を隠せない。

 「もしかして照れてんの?こんなにドキドキしてさ…。
  この一瞬だけはハルも、緊張するよ…………はあぁ。
  やっぱり、ハルの孤独を埋められるのは君だけだ…!」

瞬間、頭の内部で何かが切れた。
数百種類の恋愛漫画による妄想空想の嵐の中で、理性を保つ。
興奮と好奇心が今までの思い出を脳裏で真っ赤に染め上げる。

 「どぅー!」

リビングに通じる扉を細身の腕でぶち破ろうと勢いをつけるが
外側に開くタイプだった為に一瞬態勢を崩す。

 「っ、もうっ。どぅー!皆がいないと思って、誰と、なに、やって…」

再び内側に勢いよく足を踏み入れたが、飯窪を責める声は続かなかった。
ここでラブコメなら、彼女は実はテレビの猫だかドラマだかの映像でも
見て騒いでいて、少し卑猥に聞こえたみたいな展開が待っていただろう。
現実は予想の斜め上を行く。

手に持っていた弾丸が落ちた。床を転がっていく。
転がっていくフローリングの床の先には、一面に青いビールシートが
敷かれており、視界がカメラのように一部分ずつ切り取っていく。
分厚いシートの上には赤い水溜りが大量に出来ていた。
赤い水に弾丸が浸かる。
青いシートの中央にだらりと投げ出されているのは、長い肉片。

青白い肌の先に五本の指。指の先には爪があると、当たり前のように確認。
何をどう見ても、人間の腕だった。
肩の下から切断された右手がビニールシートの上に転がっている。
断面には白い骨と赤い肉、皮膚の下の黄色いイクラのような脂肪の層が見えた。

71 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 03:24:41
腕の先、部屋の奥へと視線が動いていく。
糸鋸に鉈、柳刃包丁に肉切り包丁、ハンマーにナイフという凶器が
青いビニールシートの上に几帳面に並べられている。
先には、また切断された白い足が転がっている。
愛するものの死体を想像して、飯窪の目は終点の窓際に向けられる。

しまわれていた筈のテーブルの上には、人間の胴体が横たわっていた。
首から上が無く、小さな胸が二つ、女性だ。
鎖骨に水平の線が描かれ、胸から腹部へと垂直に切り開かれている。
肋骨が折られ、赤黒い洞窟のような胸郭が見えた。
赤い穴の上には、光沢のある長い髪。
手先は血に染まり、赤い滴を垂らしている。飯窪の口は開いたままだった。

工藤遥がゆっくりと顔を上げ、飯窪の存在たった今気付いたようにこちらを見た。
濡れた様な目には暖色の鋭さの輝きに陶酔。
口から顎、そして前掛けをかけた胸が真っ赤に染まっている。

遥が正座をし、テーブルの上の女の胴体にフォークとナイフを当てて、硬直していた。
工藤の斜め左前には、皿があった。
皿の上に丸みを帯びる痙攣した物体、心臓が載っている。

 食べていた。

72 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 03:25:25
それは関係の比喩ではなく、単純に、本当に、食事として食べていた。
生で食べる訳でもなく、ある程度は料理されている事を頭の後ろで理解する。

頭に上っていた血が急速に下がっていく。
手や足の先が冷えて、痺れる。
心臓がドキドキと鼓動を鳴らす。
恐怖なのか驚きなのか分からない、緊張していた。
ようやく飯窪の脳は冷静に現実を解釈し始めていた。

 「は、あ?」

口が開き、開いたなら眼前の光景に感情が動き始める。

 「なにこれ?ねえ、くどぅー?なに、やってんの?」

ビニールシートの前で、工藤の前で、飯窪は動けない。

 「食べ、いや、くどぅーはお肉好きだし、でも、こ、殺し…」
 「…あーあ、とうとう見つかった」

いたずらを見つかった子供のように、工藤は首を傾げる。
肩にかかる黒髪、滑らかく幼い頬。暖色の獣のような眼光以外は工藤遥だった。
その目に見覚えがある、異能発動時の、彼女の目だ。

 「誰なの?あなた、本当にくどぅーなの?」

73 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 03:26:14
>>67-72
『銀の弾丸Ⅱ -I wish-』

お待たせしました。オープニングから少し間が空きました。
書き始めたのが夏場だったので季節は夏から冬へと入っていきます。
お食事中の人すみません。

74 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 07:46:20
ええモーニング中でしたね
食べながら読むのも行儀悪いですがね
お互い様ってことで読むから続きくれおいs面白いですしね

75 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 07:50:18
リゾスレ初心者なんですが
こういう怖い話もあるんですね…
奥が深いなあ…

76 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 11:01:45
続きキタ━(゚∀゚)━!
…ハルちゃんめっちゃお食事してるうううぅぅってこれ心臓に向かって語り掛けてたのか
途中まで読者の皆の気持ちは飯窪さんと同じだったはずだけど続き待ってます

うーんリゾスレは明るいのもアフォなのもいくつかあるけどガチバトル系やグロい話の方が多いかもしれませんね…
ちなみに作者様がオープニングとおっしゃってたお話はこちら
(157)162  『銀の弾丸Ⅱ -I wish-』
http://resonant4.cloud-line.com/logmap/157/157-162/

読んでおくと良いかもしれない前作
『銀の弾丸 -Night of clown-』
http://www35.atwiki.jp/marcher/sp/pages/1055.html

77 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 20:24:47
おお銀の弾丸が来るとは! 継続お待ちしますよ

78 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 23:05:38
>>75
ご、ごめんなさい…。
工藤さんの卒業記念としてどうしようか迷ったんですが
自分の処女作で〆たい気持ちがあったので投下しました。
他の書き手さんはもっと楽しいお話をたくさん持ってると思うので楽しみにしててください(チラチラ)

79 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 23:48:32
こ、これは…久しぶりに背筋が凍った
ちょうどリリウム動画見てたから

>「もしかして照れてんの?こんなにドキドキしてさ…。

のセリフがファルスで再生されてたのにまさかのサイコパスorz

ところでこのバラバラにされてる女性って…まさか。。。想像したら寒気が

80 名無し募集中。。。 :2017/10/27(金) 23:58:01
即死回避必要ないけど次の作品更新されるまでひさしぶりにこれやっとく?

【季節はずれの「怖い話」読んでみたいんだけどおすすめ教えて!】

81 名無し募集中。。。 :2017/10/28(土) 00:24:05
>>76
これも忘れずに

『銀の弾丸 -Night of clown-』
http://nico.ms/sm29026416

久しぶりに見たけど再生回数500超えてるんだね〜

82 名無し募集中。。。 :2017/10/28(土) 11:28:45
悲しいとか切ないお話はあったけど
怖い話と考えると意外とないような気がする。

83 名無し募集中。。。 :2017/10/28(土) 14:11:08
あれリゾスレじゃなかったっけタイトル忘れたけど
道重さんの怖い物って一体何ですか?って9期10期達が聞いてって最後は…ってお話

84 名無し募集中。。。 :2017/10/28(土) 17:42:26
そうかリゾスレの作法がよく分からなかったんだけど
グロテスクな描写や残酷なストーリーも大丈夫なんだね
いやあ誤解してたかも自分

85 名無し募集中。。。 :2017/10/28(土) 18:35:28
恐ろしいなら赤目の鞘師?

86 名無し募集中。。。 :2017/10/28(土) 23:28:34
从*・ 。.・)<娘。やハロプロメンバーだとか能力設定とかにリゾナント(共鳴)してれば大抵の事は大丈夫なの
ノハ*゚ ゥ ゚)<過去作品の続きや設定を借りて他の誰かが書いたとしても勿論大歓迎です

他の皆さんみたいにまだそんなに長く居ないけどリゾスレってこんなイメージだw
>>81 ギャアァァァァ500再生?…もし初見の人居たら作品のイメージと違ってても許してにゃん
もうすぐ前回の動画投稿から1年経ってしまうからそっとしておいたのに(なんとかしないと)

お題としてはやはり自分はコールド・ブラッドが派生作品含めて二重の意味で怖くてゾクゾクするかなー
コールド・ブラッド<Ⅰ>
https://www35.atwiki.jp/marcher/pages/78.html

87 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 01:01:56
>>83
それなんて「りほりほこわい」?w
http://resonant4.cloud-line.com/_m/logmap/115/115-230/

88 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 01:04:12
初期の頃の作品で凄い怖い話があったと思うんだけどタイトルが思い出せない…

ただいま検索中。。。

89 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 03:13:46
>>73 続きです。

悪夢の光景に世界が回る。落ち着きを取り戻そうと息をすると
生焼けのレバーを食べた時のような味が喉に来る。
ようやく部屋に溢れる血の匂いに気付いた。
嗅覚は眼前の光景が嘘ではないと全力で主張している。
口角が上がっていて、工藤は微笑んでいるように見えた。

 「やだ、やだこんなの、こんな」
 「落ち着いてはるなん。とにかく聞いて、ちゃんと説明するから」
 「ひっ」

工藤が腰を浮かせると、飯窪の足は後ろに一歩下がる。
少し寂しい笑顔で、工藤が腰を下ろす。
後方に引けていた飯窪の腰はその場で停止している。

 「ハルはハルだよ」

工藤が淡々と告げる。

 「でも、こうしないとハルは生きられないんだ」

工藤の口から出た言葉がよく分からない。
それでも頭の中で単語を分解して理解しようとする。
工藤遥。17歳。口が悪い。ショート。中二病。トリプルエー。
病弱でヘタレ。能力は。

 「……あ」

出来てしまった。唐突に、いや既に答えは出ていた。
理解できたできないしないといけないできないでもできてしまった。
小柄な彼女の巨大な影に寒気を感じなかった訳がない。
だが、彼女の場合は肉体変異させる『獣化』ではない。
では彼女の異常性は一体どこから生まれているのか。

 人を食べる、その本能がどうして彼女に芽生えたのか。

90 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 03:15:54
考えるが、この現状で冷静な答えが出てくる訳もない。
飯窪には他に考える事がある。

残念ながら日本では死体が道に落ちている事はないし、たまたま食卓に
出てくることもない、ましてや土葬の習慣もない。
なおかつ人間の死体を食べる習慣も、ない。
眼前の食卓や床のビニールシートの上にある死体は新鮮なものだ。
飯窪は唾を飲む。
血の臭いが喉に再び広がっていく

 「どぅーが、殺した、の?」

工藤が口を開くが、言葉が出る前に予測できた。

 「私も、食べるの?」

言葉にした瞬間、頭の中でサイレンが鳴る。飯窪は反射的に屈んで
ビニールシートに落ちている一番近い武器、ナイフを手に取った。
サバイバルナイフの柄についた血で手が滑る。
ホラー映画だと、主人公はパニックになって叫び声を上げて逃げる
シチュエーションだが、飯窪はナイフを握った。

リゾナンターとしての責務が、彼女にはある。
裏切り、その言葉に、だがナイフの刃先が迷う。

これまでにも先代のリゾナンター同士で争いが起こった事がある。
裏切り、意志の違い、分かれる未来、将来性。
まさか工藤とその立場になるなど、飯窪は考えた事がなかった。
だから悲しい。
工藤が人を襲ってしまった、その事実が既に目の前に置かれている。
飯窪の目が濡れて光りが籠る。

ナイフを握ったまま立つ飯窪に、座ったままの工藤が部屋で向かい合う。
工藤は白い手を床に伸ばす。
指先が血で赤く染まっており、現実だとさらに主張する。
飯窪のナイフが僅かに反応して、刃先が跳ねた。
切っ先は血に濡れた工藤の顔へ向けられていた。

91 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 03:17:55
 「そんな事ある訳ないだろ?」

手が戻り、握った濡れタオルで口から喉、胸元を拭う。
一回では取れないので、顔の血をさらに拭っていく。

 「はるなんを食べるなんて事、絶対にないよ」

血の赤が消えて、白い工藤の顔が現れた。飯窪のナイフは、動かない。

 「だって、くどぅーは食べなきゃいけないんでしょ?」
 「うん。でも、メンバーは食べない。はるなんを食べる訳がない」
 「本当に?」
 「言っても信じてくれないだろうけど、本当」

工藤の目に感情が渦巻く。

 「多分皆にどんな目に遭わされても、ハルは皆を殺せない」

それでも飯窪はナイフを下ろさない。
部屋に横たわる死体、血液、内臓。鼻をつく血の臭いという現実が
工藤の言葉を信じる事を拒否させようとする。
真実であろうと頭が理解しても、体が拒否する。

 「じゃ、ハルは出てくね」

遥が立ち上がり、飯窪のナイフがまた跳ね上がる。
自分の心に連動するようにナイフが動く。
向けてはいけないのに、弱い心が命令する。

 「ずっと隠してたけど、バレたらもう一緒にいられない」

遥は寂しそうに微笑む。
両手を首の後ろに回し、前掛けを解く。
飯窪の手のナイフは遥が動くたびに刃先で追ってしまう。

 「どこに行くっていうの?」
 「言わない。必要な荷物は持っていくけど良いよね」

床に転がる弾丸を拾う。
指の中で遊ぶように回した後、静かにポケットに入れる。

92 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 03:20:04
 「えっと、片付けできなくてごめん」

黒い髪が尾を引くように、遥が頭を下げた。戻った顔には微笑み、頬を掻く。

 「片付けと掃除の方法は、流しの下の裏に封筒で貼り付けてあるから
  それをやってみる方が良いと思う。臭いの取り方はコツがあるし。
  あ、流しの下っていってもシンクの下じゃなくて横の方だから」

憂い顔のような笑顔。初めて見る表情だ。
何故こんなにも普通に会話をしているのだろう。
背後には食べかけの料理が残される。それなのに彼女はいつもの調子で話す。

 「この店に来るのも最後かあ……好きだったなあ…」

血臭に囲まれる空間で呟いた工藤が飯窪の横をすれ違う。

 「じゃ」
 「待って」

思わず言ってしまった。ナイフを握っていない手が前に出る。
飯窪の手と工藤の間には、女性の胴体だけの死体や血だまりが広がっている。
二人の間には、血塗れの現実が横たわる。

すべきことは分かっている。
理解している。人間として、サブリーダーとしてするべき事を知っている。

其れよりも優先されたのはナイフを床に捨てて、両手で工藤を抱きしめる事だった。
工藤の熱い体が怯える様に震えた。

93 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 03:21:31

 「はるなん?」
 「私に押し付けないでよ。一緒に片付けるから、それから考えよう?」
 「何、を」
 「説明してくれるんでしょ。この有様を」
 「……うん」
 「なら、出ていくって言うなら、全部話してから出て行って」
 「…分かった」

血が流れている肉の体。人間の体を飯窪は抱きしめている。
裏切る心は誰にでもある。
だからきっと、この感情は元々飯窪の中にもあったものだ。
だから認めるしかない。認めるしかないのだ。
彼女を信じるしかない事に。
工藤はただずっと困惑し、それでも笑顔のままだった。

94 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 03:22:59
>>89-93
『銀の弾丸Ⅱ -I wish-』

工藤さんのセーラー服姿は女優さんになっても見れるのかな…。

>>86
おめでとうございます。素敵な動画をありがとうございました^^

>>79
そうです。ファルスの台詞を貰いました。
興奮状態を表すために異常性を高めたかったので…w

95 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 10:42:37
続き乙です!…成長してきたどぅーの中の衝動を抑え込むためなのか…
皆は襲わないって決めてるみたいだけど限界が近くてわざと飯窪さんに見つけさせたのかなとも感じたし
優しい工藤だけどなんだか前作の同族さんの最後を思い出しちゃいまりあ
でも飯窪さんならきっと工藤の事も何とかしてくれると信じてる

96 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 11:33:42
こんな惨劇を目のあたりにしても動揺しない飯窪さんにも成長というかリゾナンターの覚悟のようなものを感じる


>「はるなんを食べるなんて事、絶対にないよ」

「はるなんの食べるとこなんて、全然ないよ」と読み間違ったのは内緒w

97 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 18:58:17
>>96
一気にコント化

98 名無し募集中。。。 :2017/10/29(日) 23:29:14
>>96
飯窪さんも混ざってのお食事会が書けれたら良かったのですが…w

99 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 01:16:54
失礼な事言うな
魚だって骨と骨の間に挟まってる中落ちとかうまいだろ

100 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 01:23:02
ん?どういう事?w

101 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 01:34:56
森戸ちぃの能力ってもう出た?

102 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 06:22:50
ドアバーン

103 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 06:54:14
>>98

ハo´ 。`ル <ねぇ…知ってた?人の乳房には、巨乳を作るために必要な栄養素が多く含まれているんだよね。

ノハ*゚ ゥ ゚)<!?

ハo´ 。`ル <はるはもう右胸を食べたがら、左ははるなんにあげるよ。

104 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 07:47:44
ちぃちゃんはスレで色々検討したけど…まだ作品には出てないね

105 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 13:06:35
ちぃの能力候補知りたいわ

106 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 15:12:17
ちぃだけに血を操る能力か
耳も赤くなるし

107 名無し募集中。。。 :2017/10/30(月) 16:17:45
ちぃちゃんの能力は151話の222スレ辺りから話してるね
まとめようかとも思ったけど仕事中だw

http://resonant4.cloud-line.com/_m/logmap/152/

108 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 00:01:58
>>107
リンク先が152話だったorz

http://resonant4.cloud-line.com/_m/logmap/151/

読み返してみると『ドアバァーンッ!! 』 が衝撃波なのか扉限定転移(ドコでもドア?)分からないけど人気で他に『強運』『運命操作』って案もあったって感じか
作者さんのお好みで好きなように書いて良いと思うけどね

109 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 01:53:03
衝撃波もでてきて盾にもできて移転もできて凄い万能…!

110 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 01:58:17
【ご報告】
初代スレ主様に移転の件で陰ながら応援しております、とお言葉を頂戴しました。

111 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 06:43:11
スレを離れても気にかけてくれてる…ありがたいねぇ
これからも続けられるだけ続けて行きたいね

112 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 12:21:40
14日ルールに振り回されないリゾスレライフって素敵w


現在時刻: 2017/10/31(火) 12:20:36

立った日: 2017/10/16(月) 20:06:02
立ってから: 14日16時間14分34秒経過

最新レス: 2017/10/31(火) 06:43:11
最新レスまで: 14日10時間37分9秒

勢い: 7.686レス/日

113 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 13:56:23
なんだか座間の事件が…

114 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 14:00:51
狼に居た時と大して変わらないテンションだしむしろ住人が増員してるような?10周年以降も問題なさそうかも
ココなら1000きっちり完走できるはずってのもでかいかも?久し振りに2〜3ヶ月位?で完走したいねw
スレ落ち気にせずじっくり推敲して書けるってのも良い気がするなー

115 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 14:05:08
座間の事件か…小田ちゃんとかショック受けてそうだな
ドアバァーンッ!!のノリというかあの時のちぃちゃんの表情と勢いが良かったばっかりに人気に
ちぃちゃんもだけどカントリー近辺のをどうするかってのは誰もまだ手を付けれてないですねぇ…

116 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 14:18:32
座間の事件って何だろう?って思ったら朝2人だったのが9人に増えたのか…確かにまるで某作が現実に起こったかのようだ。。。

ちょうど10周年&160話が一緒くらいになりそうかな?

117 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 21:14:53
新狼移転一ヶ月後くらいにチャットはどうでしょう?
変わってみて実際どうなのかなと
まだ早ければ武どぅー館後とかでも

118 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 22:08:07
チャット良いのでは?前回参加出来ない人も多かったし

119 名無し募集中。。。 :2017/10/31(火) 23:20:55
座間の事件に似てる作品ってあったかな?

120 名無し募集中。。。 :2017/11/01(水) 04:00:56
>>94 続きです。

飯窪から見て、工藤はまだ幼い。
大人の道に片足を突っ込んではいても、まだ17歳といえば子供だ。
リゾナンターは年相応に見えないメンバーも歴代を含めて多い。
彼女もその一人だが、生い立ちを考えると無理もないとは思う。
だが飯窪は、そんな大人びるだけの彼女があまり好きじゃなかった。
幼い子供が鉄の匂いを纏って死体に跨る姿などあってはいけない。
けれどそんな飯窪の想いを知る筈もなく、工藤は部屋の片づけを開始した。

慣れているとでも言いたげに既に首、手、足と切断されていたので
それぞれを市が指定するゴミ袋を二重にして入れて、口を縛る。
飯窪は言われるがままに解体に使った糸鋸や鉈、包丁やナイフに向かう。

指示通りに新聞紙に包んで同様にゴミ袋に入れる。
床の青いビニールシートは端から畳み、これもゴミ袋に入れる。
工藤がこちらを見つめていた。

 「壁の下の方まで広がる大きめのを使うと汚れなくて便利なんだよ」
 「…それ、あんまり役に立つ知恵とは思えないんだけど」
 「まあね。時と場合と人による、考えるとけっこー範囲狭いなこれ」

笑い声。普段通りに会話している事に気付き、ぞっとした。
十二個のゴミ袋が出来たが、下の方に血が溜まって重くなっている。
道具と敷物で数十キロを十二個に分割したものの、それでも一個に
対する重量が大きいのは確かだ。
硬直していた体は時間が経つと慣れてきたのか落ち着いていた。

 「ふう…で、これをどうするの?」
 「ハルが決めてある場所に埋める、はるなんは待っててよ」
 「どこに行くの?」
 「一回で行けるよ、今までもそうしてきた」
 「下、下まで手伝うよ」

飯窪は小さい袋を四つ持てた。工藤は一度に大きな八つの袋をまとめて持つ。
階段を軽やかに駆け下りていく工藤の背中を見る。
飯窪も続いて下りていく。
暑い夜のため、一階まで下りただけで汗が噴き出た。

121 名無し募集中。。。 :2017/11/01(水) 04:02:44
 「工藤さん、こちらです」
 「すみません、また頼めますか」

車のエンジン音が聞こえたかと思うと、そこには見覚えのある
スーツを着た二人の男女がドアから現れる。
後方支援部隊、事前に応援を呼んでいたらしい。
つまりは、工藤の行動を以前から知っていた事になる。
それが少しだけ、悔しかった。

 「一緒に、来る?」


二人は無言のまま、車は夜の街に出る。
コンビニや二十四時間チェーンの店からの灯りを抜けていく。
車は郊外に向かい、当たり前のことだが、そこでようやく死体が
夜の山かどこかに捨てるのだと気付いた。

工藤の横顔に、飯窪は口を開き、悩みながらも聞いてみる事にする。

 「どぅーって本当は力持ちだったんだね」
 「え?」
 「ほら、さっきの私の二倍を運んだのに、この暑さなのに
  汗も出てないし、息も切れてない……いつもなら前髪が引っ付くぐらい
  もっと汗かいてるのに、もしかして隠してた?」
 「あー……うん。隠してた」

考えて、工藤が肯定する。

 「養成所に居た頃によく分からずにチカラを使いまくってたら
  周りの子達に怖がられてさ、それから手を抜くようにした。
  汗はチカラの分泌物でどうとでも見せられたし。
  目立つ事をしてると監視もキツくなるし、自由が少なくなるし。
  その頃から何度も抜け出してたしね」

122 名無し募集中。。。 :2017/11/01(水) 04:04:04
車内にはまた沈黙。気まずい。
一時間ほどで、車は山中に入る。
国道は通っておらず、黎明技研の研究所と公務員の保養施設があるが
別ルートの山道を行けば、誰かに会う事もない。
山道を進み、中腹で停車する。
周囲に人がいない事を確認して、助手席の女はライトを脇に抱えた。
運転席の男は積んであったシャベルを担いで、ゴミ袋を持って外に出る。
工藤もゴミ袋を掴み、ガードレールをまたいでジャンプで越える。
重い荷物を持って飛び越えるなんて、どんな筋力だ。
飯窪はガードレールを跨いでようやく越えていく事がやっとだった。
ライトで照らしながら夜の山中を下っていく。
木々の梢の間から月光が降り注ぐが、森の闇は深い。
ライトで照らしても暗い下生えの雑草が足にまとわりつく坂を下っていく。
土の植物の匂い。
手に触れた枝が折れて、青臭さが鼻に突き刺さる。
飯窪は木の根で転ばない様に慎重に進むが、工藤は闇が見えているかのように
軽快に坂を下っていく。
飯窪は常に彼女の背中を見ながら降りていく。
月光がほとんど差しこまない夜の森を進むなど普通は怖いが、平気だった。

目の前に工藤が居るからだろう。
夜の闇の怪物だの、死者の霊だの、工藤の前では怖くともなんともない。

恐怖が目の前にあるのだから。

木々の間の開けた場所に出ると、雑草が茂る間に進み、工藤達が足を止める。
ゴミ袋を置いて、シャベルを握る。
垂直に下ろして、刃先を地面に深く突き立てた。

 「ここ?」
 「うん。はるなんは周りを見てて、大丈夫だろうけど念のために」
 「う、うん」

刃先で掘り返した土を脇に捨てる。シャベルを突き立て、繰り返す。
機械であるかのように一定のリズムでさくさくと土を掘っていく。
まるでケーキのスポンジでも掘っているかのような速度だ。

123 名無し募集中。。。 :2017/11/01(水) 04:05:25
 「あのさ、穴ってどれぐらい掘るの?」
 「2メートルぐらいかな。浅いと野犬が掘り返して見つかる」
 「……焼いたりは出来ないの?」
 「場所が確保できないし、人をまるまる燃やすのに時間がかかる。
  あとは匂いですぐにバレるんだよ。だから埋めた方が簡単なんだ」
「それも経験から?」
「うん、経験から」

工藤が土を捨て、また地面にシャベルを突き立てる。
大人二人がようやく一回目の土を横に捨てる間に、工藤は三回も往復している。
まるで掘削機だ。
腰の深さまでになった穴に入り、工藤は男と共に本格的に掘っていく。
月光の下で数分ほど、無言で工藤は掘っていた。
男女二人も無言のまま言葉もなく手伝っていく。

胸辺りまで掘って、穴を広げる作業になる。

 「聞いても、いい?」
 「いいよ、なんでも」

工藤の手が止まった。動揺は一切浮かべない。

 「なんでも答えるよ。もう隠す理由もないし」
 「ええっと、工藤遥って名前は本名?」
 「あーていうか、ハルはもう死んだ事になってるから。
  でもこの名前で生きてきたから、この名前で呼んでくれると分かりやすい」

工藤の目は静かだったが必死さが籠る。冗談の表情では、ない。

 「分かったよ、どぅー」

二人の上に不愛想な月光が降り注ぐ。

傍らには土の山。
そして地面に置いたライトと分割された女の死体が詰まったゴミ箱。

124 名無し募集中。。。 :2017/11/01(水) 04:06:54
 「この人は、どんな人間だった?」
 「能力者だよ。だから名前も分からない、分かるのは、今回の依頼を
  してきた人をつけ狙ってたから、返り討ちにした」
 「まさか持って帰ってきたの…?」
 「そのまま放置も出来なくて、せっかくだし」
 「…食べるようになったのって、そのチカラのせい?」
 「人の食べ物が食べられないって訳じゃないよ。
  でも全然食べた気がしないんだ。食べても食べてもすぐに消化する。
  牛肉や豚肉も好きだけど、気持ち的にも満たされるのはこっちなんだよね」

工藤はいつも肉類を美味しいと言って食べていた。
牛肉、豚肉、鶏肉、挽き肉。
彼女が食べて喜んでいる姿に微笑ましく感じていた。
だが人間の抱える飢えは限界を超えると相当、辛い。
意識が朦朧として正気を保てなくなる。それ以上の飢えを飯窪は知らない。
だが彼女はそれ以上なのだろう。
通常の食事では摂取できないほどの飢えを知ってるのだと遠回しに言っている。
彼女の気遣いを思うとかつての自らの愚かさを責めそうになる。
そんな飯窪に工藤は笑ってみせた。

 「普通の人を殺すのは抵抗があるけど、能力者ならまだマシかなって」

飯窪は返答できない。
彼女を妹のように愛しているし、勢いで許容はしたが人を殺すという事を
当たり前の様にしてはいけない。
家族から切り離された天涯孤独でも、ホームレスやカフェ難民でも日雇い派遣労働者でも。
異能者だとしても立場は変わらない。
自分に跳ね返る現実に、飯窪は顔を俯かせる。

 「ごめん」
 「それは、何の謝罪?」
 「黙ってた事、でもいくら皆でもこういうのって気味悪いでしょ、実際。
  この人達はハルと行動するって聞かないから手伝ってもらってるんだけど
  正直言って申し訳ないっていうか、やってほしくないんだよ。
  もうハルのわがままに誰も巻き込みたくない」

125 名無し募集中。。。 :2017/11/01(水) 04:08:02
それでも工藤はリゾナンターとして活動を辞める事はしなかった。
都合が良かったのかもしれない。
だが、工藤遥はそれを容易な事態だと受け入れる事はしない。
どれほどの葛藤があっただろう。
別の意志とは裏腹に、仲間と共に過ごしていた時、彼女の中でどんな思いだったのか。
それでも真っ先に謝罪したのは工藤だった。

 「こんなヤツでも感情があって、普通に人間みたいに振舞うのって
  まともな人間からしたら凄く異常なことだしさ」
 「どぅーは怪物じゃないよ」

飯窪は反射的に言っていた。
本当は目の前の工藤が「悲しい」と言っている事に奇妙な違和感を覚えていた。
昨日までの工藤にだったらこんな感情は抱かなかった。
それでも好きだからと、納得させる。

 「工藤さん、これで良いですか」
 「あ、はい。これぐらいで大丈夫です」

既に穴は見下ろすほどに深く大きくなっている。
深さはすでに2メートル、幅は4メートルぐらいだろうか。
掘った土は小型トラックの荷台分ぐらいありそうだが、雑談をしながら
三人で十分の作業と思えば優秀過ぎるほど早い。
横に置いていた死体入りのビニール袋を運ぶ。重い。
振って投げようとして、工藤が声を上げた。

 「中身出して入れてほしいんだけど」
 「え?そんな事したら…」
 「入れたままだと土と同化するのに時間がかかる。だから出してあげて」

工藤にしてみれば、土に同化していつか証拠が消える方が安心できるのだ。
飯窪の手は迷う。工藤が心配顔になっていた。

 「きついならするよ。後ろ向いてゆっくりしてな」
 「うん……ごめん」

126 名無し募集中。。。 :2017/11/01(水) 04:09:20
結び目を解いた途端、鼻につく血の臭い。
口で呼吸しても血の味が喉に来るようで思わず手で口を塞ぐ。
袋の下を持って、穴に向けて逆さにする。
右か左か分からないが、血に塗れた腕が穴の底へと落下していく。

穴の反対側では男達が同じように袋を逆さにして、女の太腿を落としていく。
三人で黙々と袋の結び目を解いては、手や足や太腿、分割された
胴体を落としていった。動物の肉とは違う、生々しい。

分解に使った道具すらも捨てるらしく、少し気になった。

 「道具も捨てるの?」
 「うん。一回使うと酸でも使わない限り証拠として残る」
 「ああ、ルミノール反応、ね」
 「中古ならそれなりの場所で安く買えるしね。ネット様様だよ」

穴の縁で、工藤が両手を合わせた。睫毛を伏せ、目まで閉じる。

 「ごめんなさい」

死者への礼儀と謝罪で自分の罪を誤魔化すための、偽善。
それでも工藤は手を合わせて、黙祷する。
する必要もないけど、それでもするのが工藤遥なのだ。
飯窪も手を合わせて黙祷する。男達も便乗する。

薄目を開けて前を見ると、工藤はまだ黙祷していた。
彼女は好きこのんで人を殺して、食べてる訳ではない。
もうすぐ死ぬ人に死んだら食べても良いですか、と聞くわけにもいかない。
生きにくい設定を二重に背負う彼女の心はまだ幼い。
どちらかがなければ普通とはいえないまでも、もっと楽に生きられただろう。

 「じゃ、埋めよっか」

工藤の顔はいつもの表情に戻っていた。
目には罪悪感が見えたが、触れない方が良い。
今度は四人で穴に土を被せていく。
工藤は相変わらずとんでもない腕力でシャベルを動かす。
ほんの三分で土が埋まっていき、草原に小さな山が出来る。
土の小山に乗って、工藤は足で固めていく。飯窪も足で踏む。

 「これでいいよ」

>

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