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まーちゃんとまりあんLOVEりんのスーパー姉妹スレ@新狼

1 名無し募集中。。。 :2016/12/01(木) 00:45:02
。。8‘ ー‘)<避難所でもやっちゃいまりあ

川* ^_〉^)<ねえ、栗きんとんはいつ出てくるの?


。。8*‘ -‘)

。。8*‘ -‘)<…

138 まさきのマジェスティ :2017/05/21(日) 14:52:18
無線の通話装置を介して、雑音混じりの優樹の声が響いた。
「了解。こっちは任せて」

真莉愛は黒木たちと合流するために広い廊下の出口へ向かった。
出口の前に立ちドアノブを握ったまま、しばらく呼吸を落ち着けることに集中した。

優樹が問題を解決してくれれば、未知のセキュリティシステムに挑まずに莫大な“報酬”が手に入る。
それがあれば引退できるだろう。ささやかな希望だ。
真莉愛は口にペパーミントキャンディを放り込んだ。

そのとき背後から冷たいナイフが胸郭に突き刺される感触があった。
「う!」真莉愛は襲ってきた相手に振り返った。
フクサキが立っていた。

真莉愛はフクサキの体重がかかっている方の脚の膝の裏側を蹴りつけた。
バランスを崩しながらもフクサキは真莉愛から離れた。
真莉愛の背中から引き抜かれたナイフは薄い血に覆われていた。

防刃加工されていない部分にナイフを突き刺されていた。
正面に立っているフクサキはぜえぜえと息をしている。
目から出血し、歪めた口の両端に唾をこびりつかせているが“生きている”。
死んではいなかったのか。いや、ゾンビか?

フクサキと対峙しながら真莉愛は自分の状態を分析した。
傷は深い。まだしばらくは動けるがこのままでは肺に血が溜まって窒息する。

真莉愛はわずかに腰を屈めて両腕を垂らした。
どの方向にも動けるように重心を分散した。

真莉愛は左手でフェイントをかけてフクサキの性急な反撃を誘う。
その攻撃を身体をひねって避けながらフクサキのあご先に下から手加減なしの肘打ちを見舞った。
真莉愛はナイフを握るフクサキの手を力いっぱい捻る。
手首の腱が引きちぎれ、骨が外れた。

ナイフが床に落ちてくぐもった音を響かせた。
「うぐ!」「げふ!」
真莉愛とフクサキは同時に叫び声を発した。
真莉愛の胸腔に空気が流入してきていたのだ。
肺が押し潰されて気道が圧迫されている。気胸を起こしかけていた。

フクサキの異常に興奮した脳は、手首の痛みを無視して真莉愛にヘッドロックをかけた。
真莉愛は激しい咳の発作に襲われた。
死の恐怖が波になって全身に伝わった。

次の瞬間、銃声が真莉愛の耳に届いた。
フクサキが後頭部をコンクリートの壁にめり込ませてグシャッという胸が悪くなる音を響かせた。
壁にピンク色の血糊の筋を残して崩れ落ちる。

「まりあ!」「牧野さん!」
走ってくる楓と玲奈が見えた。
その向こうに目を見開いて拳銃を構えている黒木がいた。

139 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 15:51:47
川* ゚_〉゚)<まりあ!

140 まさきのマジェスティ :2017/05/21(日) 18:06:27
楓が真莉愛の脇の下に肩を入れ、玲奈がもう一方の脇の下へ肩を入れる。
ふたりは力を合わせて、できる限りの速さで真莉愛を引きずっていった。

黒木が無線で優樹を呼び出した。
「お姉ちゃん!さっさとここを離れるぞ!相棒が死にかけてる!」

激昂した頭脳が優樹に命令を下してくる。
尋問する対象は目の前にいてガタガタと震え、縮こまろうとしていた。
必要な情報はまだ得ていない。

五木は愚かにも、これでいくらか時間が稼げたと思い込んだ。
サディスティックに目が輝いた。

優樹は一瞬も躊躇わずに五木の眉間に2発の銃弾を撃ち込んだ。
そして廊下に飛び出した。

バンの後部座席に真莉愛を運び入れた。
身体の横を下にして真莉愛は喘いで息をしている。
血が筋を引いて垂れ、粗いシートに染みを残した。

車のハンドルは黒木が握った。
猛スピードで運転しながら携帯電話を耳に押し当てる。
「もしもし、翔子か!?緊急のオペを頼む!そっちへ向かってる」

冷たい水が顔にかけられ、包まれていた闇が消えていく。
うっすらとものが見えてきた。
「まりあ!」顔の前で誰かが叫んだ。「まりあ、聞こえる!?」

教会の鐘のような耳鳴りがしているが、その声ははっきりと聞き取れた。
佐藤さん…。ぼうっとした顔が見え、目の焦点が合ってきた。

「まりあ、聞こえる?聞いてちょうだい。よく聞いてよ。
答える必要はない。ただ、まーが言ってることを理解しようと努めてちょうだい。頭を働かせておくの。いい?」

真莉愛は口を開いたが気道が詰まっていて声が出せない。
「このままじゃ死んじゃう!」玲奈が泣き叫んだ。

真莉愛の顔が青ざめて、唇が腫れつつある。
「呼吸ができるようにバルブをつけなきゃ」優樹が言ってキャメルバックの水筒を引き抜いた。

「胸腔の排液をしなきゃいけない。かっちゃん、まりあをうつ伏せに寝かせて押さえて!」
「や、やり方、分かるんですか?」
楓が真莉愛の両肩を押さえ込む格好で身体をかぶせて震える声で問いかけた。

「教わったことはある」優樹が言った。
優樹がナイフで真莉愛の上着の後ろ側を切り裂いて肌を露出させた。
「しっかり押さえて!」ナイフの切っ先を真莉愛の腰に突き刺す。
上方、胸腔と思われる位置の下端へと徐々に潜り込ませる。

真莉愛は銛に刺された魚のようにもがいた。
喉に血が詰まって息をすることも叫ぶこともできない。
優樹がナイフを抜き、傷口に指を深く差し入れてから、硬い水筒のストローを潜り込ませた。

そして、胸腔の空間だろうと思われるところにストローを滑り込ませることができた。
5秒が過ぎた。真莉愛の身体から淡い赤の体液が流れ出てきた。

「やった!」優樹が息をついた。
30秒が経った頃、真莉愛はまた呼吸ができるようになってきた。

“相田医院”と看板を出している開業医のところへ真莉愛は運び入れられた。
手術用マスクを頭の後ろで結びながら医者が近づいてきた。
ストレッチャーに乗せられた真莉愛の怪我の程度を測るように目を走らせている。
見覚えがある顔だ。あのときの女医だ。

優樹の顔も見えた。
かすかに湧いていたアドレナリンが消え失せ、真莉愛は気絶した。

141 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 18:31:19
相田翔子?w

142 まさきのマジェスティ :2017/05/21(日) 21:21:12
【エピローグ】

真莉愛は病院用ベッドの端に腰かけていた。
廊下にいる楓と玲奈が手を振った。

黒木も含めた全員が“組織”によって身柄を確保された。

「ここに滞在することになるんですか?」真莉愛はぼそぼそと優樹に話しかけた。
優樹は背もたれに身体を預け、しばらく天井を見つめていた。
やがて両手を広げて膝に置いた。
「“拘禁”かな。正確に言うと」

優樹は深いため息をついた。
政府機関のエージェントである優樹たちは複雑な機密情報そのものだ。
組織自体に法的承認がない。
ありがたいことに刑務所暮らしをすることはないが、似たような暮らしをすることはある。

ここは壮大な煉瓦造りの屋敷だった。
立派なプラタナスの大木が並んで植えられている。
優樹はその環形の私道をじっと眺めた。

楓と玲奈は廊下の先にある部屋に向かった。
これから数週間、あるいはもっと長い期間ここで過ごす間、彼女たちの食堂であり共用スペースになる。

屋敷の中は自由に動き回ることができるが、外部との接触は一切できない。
政府の秘密機関――特別委員会と呼ばれている――が結論を出すまでは。

黒木がわびしげな風情で舗道を散歩していた。
(分別のあるところを見せてくれて嬉しいわ)
兵藤はそう言っていた。
五木の背信行為についての供述書はうわべを取り繕ったものだった。

“組織”にとってダメージが最小限で済むように責任を分散させた悪あがきだ。
自分が闇に葬られることなど気にもならないが、まだ若い女の子たちを矢面に立たせることは我慢できなかった。



ほどなくして屋敷を管理監督している男に命令が下った。
“全員を自由にするように”
電話が鳴った。男が対応する。電話の相手は兵藤だった。

この“組織”で無条件に命令に従うべきごく少数の幹部の中では、兵藤はリストのトップにくる。
「承知いたしました、兵藤“長官”」



おわり

143 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 22:38:56
自由……

144 名無し募集中。。。 :2017/05/22(月) 01:25:14
乙した
面白かった

145 名無し募集中。。。 :2017/05/22(月) 08:44:46
めちゃくちゃ面白かった
Dとよこやんが生き残っ…いや生き残れなかったのか?

146 名無し募集中。。。 :2017/05/22(月) 11:20:41
。。8*‘ -‘)<佐藤さん、ご飯を幾ら食べてもお腹いっぱいにならないんですけどどうしてでしょう……

川* ^_〉^)<あ、肺じゃなくて間違って胃にストロー刺しちゃってた
        んで抜くの忘れてた ごめーん

。。8*‘ -‘)

。。8*‘ -‘)

147 名無し募集中。。。 :2017/05/22(月) 11:32:58
川* ^_〉^)<拘禁されちゃったねー

。。8*‘ -‘)<まりあそんなに汚く無いですよ

川* ^_〉^)

川* ^_〉^)<抗菌じゃねーよ!

148 名無し募集中。。。 :2017/05/22(月) 12:19:52
分かりにくかったかな
エピローグの時点で5人とも生きてます
ただそのあと“自由”というのはいろんな解釈ができるようちょっとアンフェアな書き方しました
引退生活を満喫してるかもしれないし以前のようにエージェントとして働いてるかもしれない
あるいは…粛清されて…とかね

読んでくれたひと どうもありがとう
また書いたら付き合ってください

149 名無し募集中。。。 :2017/05/22(月) 12:38:27
拘禁とは保護されている事でもあって、それを解く=自由にする、で後はどうなろうと関知せず、か

作者さん有難う御座居ました
出来たらまたスピンオフも読みたいです(^-^)

150 名無し募集中。。。 :2017/05/22(月) 20:24:48
楽しかった
ここ最近一番楽しみにしてました
ありがとう

151 名無し募集中。。。 :2017/05/23(火) 00:08:00
ありがとう
面白かった

152 まりまーZERO :2017/06/01(木) 21:24:27
[だーさく編]

最初に2発の迫撃砲弾が地面を打った。
聞き違えようのないその炸裂音が空気を揺るがす。
「ちくしょう!」亜佑美が叫んで発砲を始めた。
ようやく敵の1名を射殺したところで、また激烈な連続射撃を受ける。

亜佑美とさくらはたまらず大地に腹這いにさせられた。
さくらは強行突破を考えている方角がよく見えるところへ匍匐していった。
敵の3名がすでにその方角を遮断している。
さくらの顔が見えた途端、敵は射撃を開始した。

跳弾が空に舞う。
さくらは手榴弾のピンを抜いて、その方角へ投げつけた。
投じた手榴弾が炸裂して爆発音をあげる。 
敵が数名、トランプのカードのようにバラバラに吹っ飛び宙に舞った。

さくらは膝射姿勢をとり、敵に銃撃を浴びせたが相手は強引に接近してくる。
腕に1発、胸を守っている炭化ホウ素防弾板に1発、弾を食らってしまった。
亜佑美のいるほうへ這いずり戻る。「包囲を狭めようとしてます」

亜佑美が、敵の頭を下げさせておこうと貧相な木立に数発の弾を撃ち込みながら問いかけた。
「あいつら、待ち構えてたような感じだけど、どう思う?」
さくらが負傷した腕にコットンを押しあてた。
「ええ、そうですね。どの方角に行っても待ち伏せのど真ん中です。罠ですよ」

周囲は完全に包囲され、身を隠せるものはまばらにある岩だけだ。
「あいつらが迫撃砲の着弾を修正したら終わりだね」と亜佑美。
「それはもう済ませてるんじゃないですか」さくらが続ける。「生け捕りにするつもりかも」

亜佑美が片膝をついて迫ってくる敵を撃つ。撃ちながら苦悶のうめきを漏らしていた。
「苦しそうですね」さくらが亜佑美の背中を守るように敵に発砲する。
「口を慎みなさい。腓骨が折れてるの」亜佑美が言った。
さくらが亜佑美をちらっと見た。
「どうして折れたことが分かるんです?」
「骨が突き出してるからよ、小田!」

苦悶しながら亜佑美が叫んだ。
「さっさとここを離れなさい!」続ける。「あたしが押し止めておくから!」
さくらがにやっと笑って敵に連射を浴びせた。「カッコいいこと言わないでください」

さくらが被弾して仰向けに倒れる。
亜佑美は手を貸しようがなく、身を低くして敵に銃口をめぐらして撃った。
血にかすんだ目を通して、さくらが最後の手榴弾をハーネスから取りだすのが見えた。

激烈な銃撃戦となる。
亜佑美とさくらは、どちらも何も考えず、なかば這い、なかば相手を引きずって浴びせられる銃弾から逃れようとした。
自分たちがどこに向かっているのかも分からないまま、ふたりは身を転がす。

抱きあったふたりのあいだには、緑色をした滑らかな楕円形の手榴弾があった。
「小田…」「石田さん…」

153 名無し募集中。。。 :2017/06/01(木) 21:39:57
急に壮絶なのがキター!!!……

154 名無し募集中。。。 :2017/06/02(金) 01:28:18
すげえなあ皆それっぽいんだよな

155 名無し募集中。。。 :2017/07/03(月) 12:48:31
新たな刺客が送り込まれたな…

156 名無し募集中。。。 :2017/07/29(土) 19:22:37
http://stat.ameba.jp/user_images/20170725/23/morningmusume-10ki/b4/2e/j/o0480064013990569119.jpg
まさきのミリタリールックに笑う画像

157 名無し募集中。。。 :2017/08/12(土) 07:56:46
まりまーZERO 道重部隊が壊滅させられたシーンのイメージ
https://youtu.be/A9a-1KCzxrs

158 名無し募集中。。。 :2017/08/13(日) 07:35:34
8/11(金/祝)佐藤優樹/牧野真莉愛生写真『“Hello! Project ひなフェス 2017”佐藤優樹/牧野真莉愛ライブバージョン』
http://www.helloshop.info/photo/20170808_107944.html
http://www.helloshop.info/wp-content/uploads/2017/08/2d28d2a02b583ffd6e4422f7046de70d.jpg

159 名無し募集中。。。 :2017/08/22(火) 19:32:31
>>158
買った買った

160 名無し募集中。。。 :2017/10/08(日) 02:41:43
小説読んでた頃楽しかったな
だーさく編も読みたいぜよ

161 名無し募集中。。。 :2017/10/11(水) 20:50:13
フリーランスの暗殺者になった鞘師のスピンオフでも練ろうかな

162 名無し募集中。。。 :2017/10/18(水) 19:22:31
どうぞどうぞ!!
フリーランスの暗殺者とはまた物騒なw

163 名無し募集中。。。 :2017/10/26(木) 14:28:25
スーパーマリオの新作が
まりあのオデッセイに空目した

164 名無し募集中。。。 :2017/10/28(土) 13:23:59
エログロ描写濃いめのスーパーまりあオデッセイ

165 名無し募集中。。。 :2017/11/05(日) 22:19:55
ガンスリンガーガールズというアニメがここの小説と近くて面白い

166 まりあのオデッセイ ACT Ⅱ :2017/12/24(日) 13:23:43
ドゥカティの後輪で砂利と赤土を飛び散らしながら、真莉愛は縁石を跳び越えた。
走りながら右のハンドルバーにあるボタンを押す。
呼び出し音が一度鳴ってすぐ黒木は応答した。
「黒木だ」
「先生」真莉愛は報告した。「ターゲットがいる場所へたどり着くため、ちょっと独創的なルートを選んでいます。
警察に邪魔立てしないよう伝えてくださると助かります」
「任せてくれ」黒木は答えた。

真莉愛はスロットルを全開にし、太い後輪でアスファルトを焦がしながら走った。
ドゥカティは直線道路では素晴らしい力を発揮する。
時速180キロ近いまずまずのスピードを軽く引き出し、逃げるターゲットとの距離を詰めつつあった。

真莉愛は耳にはめているブルートゥースのイヤホンのスイッチを入れた。
「佐藤さん?」
優樹は頭にデビッドクラークの緑色のヘッドセットを装着し、口の前の小型マイクに答える。
「望ましくない状況に思えるんだけど?」口を利く暇さえないと言いたげに不機嫌な声だ。

特大の青いダッフルバッグをヘリコプターの後部座席に放り投げる。
操縦席に乗り込み、無線を操作しながら言った。
「時間を節約しろとは言ったけど、派手にやり過ぎよ」

「おっしゃるとおり…」障害物を機敏に避けつつ、幹線道路と平行して延びる道を走りながら真莉愛は言った。
「まりあ、感じよくやろうとしたんですよ」と、ため息をついた。「すごく頑張っちゃいまりあ」

優樹は眉間にしわを寄せて、コレクティブレバーを引いて草地からヘリコプターを離陸させた。
機体はダウンウォッシュから脱するとすぐに飛び立ち、速度を上げる。
「追いかけていくから、ターゲットを見失わないようにしてよ」
優樹の声に心配そうな響きが交じった。「聞こえてる、まりあ?」

「はっきり聞こえてます!」強い風を顔に受けつつ、真莉愛はブルートゥースの通信機に叫んだ。
時速200キロ近くで突き進んでいるので、周りはぼやけた染みにしか見えない。
2車線の道路に車が並んでゆっくり走っていたが、真莉愛は難なく車の間を縫って進んでいた。
体重を左右に振り分け、ジグザグのダンスをするようにすり抜ける。

スロットルをひねって加速し、身体を傾けてターンを決めるたびに、膝のわずか数センチ下を道路がかすめる。
真莉愛に匹敵するライディング・スキルを持ち合わせている人間はほとんどいないだろう。

危険なターゲットを追っているという事実がなければ、走りを楽しめたかもしれない。
逃走するバイクにひたすら視線を向けていたため、背後からタイヤを軋らせて迫るSUVに轢かれそうになるまで気づかなかった。
「く!!」真莉愛はごくりと喉を動かし、トランジット・レザージャケットの下からグロックの床尾に触れる。

サイドミラーに映るSUVのぎらぎら光るラジエーターグリルがどんどん大きくなる。
助手席の窓からサブマシンガンの短い銃身が突き出ていた。
「あんまり気は進まないけど」真莉愛は激しく右に身体を傾けて、金属のフットレストでアスファルトを引っかきながら急カーブする。

グロックの銃弾全てを開かれている窓めがけて撃ち込んだ。
助手席側のフロントガラスが真っ白になる。マシンガンは窓から外へ転がり落ち、助手席の男の両腕がぐたりと風に揺られた。

167 まりあのオデッセイ ACT Ⅱ :2017/12/24(日) 15:31:42
優樹はぎりぎりまで機体を下げ、自然の地形の高低に合わせて飛ぶ匍匐飛行をしていた。
低く速く飛行する。このテクニックはヘリコプターが近づく音を木や地形で隠せるという利点もある。
優樹はテクニシャンというよりアーティストのようにヘリコプターから出せるだけのスピードを引き出した。

「尾行されてます!」通信機を介して真莉愛の叫び声が聞こえた。
優樹は歯を軋らせた。こうなることを予想していなかった自分を呪った。
長銃で――安全な距離を置いて――ターゲットを仕留めるはずだったのに。
どうやらターゲットは予想以上に狡猾で簡単には仕留められそうにない。
また上層部に叱られることになる、と優樹の直感は告げていた。

「何台か猛スピードであんたの800メートル後ろにいる」優樹は言った。
吹きつける風にかき消されないよう真莉愛は大声で応じる。「このままじゃ逃げられちゃいまりあ!」

「追手は任せなさい」優樹は続ける。「ターゲットを取っ捕まえて」
「了解!――」
「あ、まりあ」
「はい!?」
「バイクに乗っている時、事故に遭っても、死亡率は車に乗っている時より6倍高いだけだから」
「はい!?」
「張り切ってどうぞ!」
真莉愛は派手にクラクションを鳴らしながら地面を強く蹴ってドゥカティを旋回させた。
頑丈なブーツを履いていてよかったと思った。

真莉愛は広い芝生を猛然と突っ切る。最短距離で遅れを取り戻すためだ。
青信号が目に入り交差点に飛び込んだ。
南には絡まり合ったスパゲッティのような高速道路の複雑な迷路の入り口がある。
自分が逃亡者だったらそこへ逃げ込む。ターゲットも高速道路に逃げ込むはずだと賭けた。

何でもいいから情報が欲しくて、真莉愛は再び黒木に呼びかけた。
控え壁で支えられた陸橋と、弧を描くコンクリートの出入り道路が目の前に迫っていた。
「先生!衛星画像でどっちに行けばいいか教えてくだちゃいまりあ!」

「西だ!西!」イヤホンから黒木の緊迫した声が流れた。
「ターゲットの姿ははっきり見える。ここからじゃ手出しはできんが、呑気に飛ばしてやがるぜ、この野郎」

「そのまま見失わないで」真莉愛は続ける。「出入り口のチェックを!」
速度計に目をやると針が190キロを超えて揺れ動いていた。
ガタガタ揺れながら進んでいるトレーラーを内側車線から追い抜く。
大型トレーラーの風圧に押されてぬいぐるみのように飛ばされそうになったので時速220キロを出して急いだ。

突然、黒木の取り乱した声が真莉愛の耳に響いた。
「別動隊がターゲットに近づいてる…びびらせちまったようだ…引き返してくるぞ!繰り返す!お姉ちゃんのいる方向へ引き返してくる!」
「反対車線から?」
「同じ車線の真っ正面からだ、お姉ちゃん!」と黒木。
「対向車の流れに突っ込んでってる。勝手に正面衝突して問題をすっきり解決してくれるかもしれん」

「そんなラッキーあるわけないじゃん」黒木にというより自分に向かって、真莉愛は吐き出すように言った。
ほんの少し前までスムーズに動いていた流れが、あっという間に詰まり始めている。
想定される危険を頭から振り払うように真莉愛は風に向かって身体を倒し、さらに加速した。

168 まりあのオデッセイ ACT Ⅱ :2017/12/24(日) 16:56:47
不意に、前方にバイクが見えた。
地平線の小さな点に過ぎなかったバイクがみるみる大きくなってくる。
けたたましくクラクションが鳴り響いた。乗用車やトラックがモーゼの前の紅海のように両側に分かれる。

ターゲットのバイクと真莉愛のドゥカティはどちらもおよそ時速120キロで走行していた。
すぐにすれ違う瞬間が訪れるはずだ。
真莉愛は無意識に腿に力を入れてタンクを締めつけていた。
グロックの弾を撃ち尽くしたせいで選択肢はほとんどない。

車の流れが分かれて広い高速道路に空間が生じ、突進する2台のバイクは今まさに交わろうとしていた。
ターゲットはハンドルバーに身を乗り出すほど前傾姿勢になっている。
真莉愛の姿を見るなり、即座に敵と認識した。

強く吹きつける風に歪んだ男の顔には引きつった笑いが張りついていた。
向き合って走るバイクがどちらも時速120キロで走っていれば、100メートルの距離を埋めるのに2秒もかからない。

真莉愛は後頭部から特殊なワイヤーを抜き放った。
掴んでいる右のハンドルバーに体重を預けると同時に敵のバイクとすれ違った。
ふたりの膝と膝はわずか数センチしか離れていなかった。

目には見えない極細のワイヤーがターゲットの身体と交わった瞬間、真莉愛は震動を感じた。
だが、この速度で走行中に振り返れば転倒してしまう危険がある。
おのれの狙いの正確さを見届けることはできなかった。

何台もの車が急ブレーキをかける甲高い音が響き、高速道路の流れが完全に止まった。
真莉愛はさらに100メートルほど流してから中央分離帯でドゥカティのタイヤを横滑りさせて停まる。

事情を知らないパトカーが真莉愛の背後に滑り込んで停車した。
怒り狂った番犬さながらに警官が吠える。「そこを動くなよ!」
真莉愛はドゥカティにまたがったまま両手を上げた。

「説明させてください」真莉愛は両手を上げたまま振り返り、強い口調で告げた。
警官はがなった。「そこに倒れてる首なし死体が何者か、説明してくれるってのか!?」

ほどなくして“組織”の後始末があり、優樹と真莉愛はようやくのことで外部との接触を許された。
優樹が目をこすり、歯の治療痕を数えられるくらい口を大きく開けてあくびをした。
「言いたくはないけど」優樹は手の甲を口にあて、あくびを全身の伸びに変えた。「今回のミッションは穴だらけだったね」

真莉愛は迷彩柄のバックパックからプロテインバーを取り出し、袋を歯で噛み切った。
「久しぶりですもん。仕方ありません」プロテインバーを平らげながら真莉愛は優樹を見つめた。
ふたりとも、まだゴールまで何キロも残っているのに体力を使い果たしたランナーのようにため息をついた。

その時、殺風景な部屋の真ん中に置いてある黒電話が鳴る。
真莉愛がハンズフリー通話のボタンを押した。
「黒木だ」ふたりとも返事をしなかった。「聞こえるか、お姉ちゃんたち?」

「いつもどおり、もったりした、間抜けな声に聞こえます」優樹がわざとらしく大きくため息をついた。
暗号化されたレーザーバースト信号による声なので嘘ではなかった。

「よし、次のミッションだ」

169 名無し募集中。。。 :2017/12/24(日) 21:42:42
クリスマスプレゼントをありがとう

170 名無し募集中。。。 :2017/12/24(日) 23:06:56
久しぶりにキター!

171 名無し募集中。。。 :2017/12/25(月) 14:32:02
きみがこのスレに夢中になってしまっても
当局はいっさい関知しないからそのつもりで

172 名無し募集中。。。 :2017/12/27(水) 20:48:22
ちなみに書いてる最中に頭に浮かんでいるのはこんなメロディー
https://youtu.be/e-jhL4RbyWs

173 名無し募集中。。。 :2018/01/09(火) 07:12:25
よこやんは血にまみれた自分の手を洗い続ける…
新人アサシンの通過儀礼ですな…

174 名無し募集中。。。 :2018/01/12(金) 23:45:42
ドラクエ6にあったなそういうの

175 名無し募集中。。。 :2018/02/03(土) 07:40:09
まー「はいプレゼント」
まり「あ!これ欲しかったやつ!」
まー「ブレードはセラミックだし、カーボンファイバー製だから探知機にも引っかからないよ」
まり「ありがとうございます!」
という物騒なプレゼントでしたとさ

176 名無し募集中。。。 :2018/02/08(木) 22:54:45
こんなイメージで映像化してもらいたい
https://youtu.be/7SXucZp5J4w

177 名無し募集中。。。 :2018/02/18(日) 18:53:36
敵を倒したものの重傷を負ってしまったまりまー
そんなラストシーンを思い描いていたら泣けてきてしまった…



真莉愛は息を吸った。それを肺にとどめて全身に力をこめた。
家を焼く炎に煌々と照らされる。

家が燃え落ちる音と、優樹の喘鳴だけが続くなか、夜の空高く、灰と煙の黒い柱が伸びていく。
それは長い腕のようにも見える。優樹が真莉愛を、真莉愛が優樹を求めて伸ばす腕のように。

真莉愛は空を見上げた。視界の端に月がある。
まりあから離れていってしまう…。それとも、まりあを先導してくれようとしているの…?

真莉愛は優樹の傍らにひざまずいた。
柔らかい土の上でよかったと真莉愛は思う。
優樹の身体の下に広がる真っ赤な血もこれならそうとは分からない。
猛る炎に照らされれば、血ではない何かの滲みだと思えてしまう。

息はあった。しかし、かすかだ。
「佐藤さん」優樹の耳に触れるほど口を近づけて真莉愛はささやいた。
優樹のまぶたが開いた。「なあに、まりあ?」かすかな声だった。

「心配いりません」真莉愛は身を乗り出して優樹の頬にキスをすると、地面に寝そべり、その肩に頭をすり寄せた。
死につつある優樹ではなく、星空の下で居眠りをする優樹に寄り添うかのように。

優樹は微笑む。「心配いらないよね」
血と煤にまみれたひどい有り様のふたりはお互いの顔を見つめた。
優樹はまだ笑っている。

ほんのつかの間、時が立ち止まり、仲間たちの姿が見える。
抱き合い、笑い合った。

何よりも真莉愛は願った。
目を閉じる時を迎えても、一緒にいられますように。
ふたりでいられる時間の終わりが来ても、一緒にいられますように。

横たわる優樹に向かって真莉愛は言いかけたが、すでに優樹は息を引き取った。
その顔は安心しているように見て取れた。
だから、「愛しています」とだけ言った。
大事なのはそれだけだ。

すべてがぼやけた。真莉愛は優樹の手を固く握りしめて笑い声をたてた。
目を閉じると星が瞬きだした。
傷口を押さえていた手を離す。
すべての動きが止まった。




178 名無し募集中。。。 :2018/02/21(水) 14:27:52
まりまーサーガ終わってしまうのかい…

179 名無し募集中。。。 :2018/04/18(水) 20:11:31
組織に裏切られたまりまーの復讐劇「まりあのバリスティック」構想中

180 名無し募集中。。。 :2018/04/19(木) 18:23:03
マジか!

181 名無し募集中。。。 :2018/04/21(土) 22:14:36
秋ツアーDVDのone two threeでこのスレ住人的にうれしい場面があったね

182 まりあのバリスティック :2018/05/04(金) 20:48:22
【プロローグ】

金澤朋子は自分の車で煙草を吸っている。窓は上まで閉まり、紫煙が立ちこめている。
朋子は催涙ガスのことをふと思い出す。これが初めてではない。最後でもない。

催涙性薬品がまかれると、角膜の神経を過度に刺激する。目玉が釘で刺されたような痛みだ。
激痛、涙、くしゃみ、咳、そして真っ暗闇。

“組織”の訓練所。
朋子は同じチームの連中とともに、最初のチームがガスを浴びるのを見ていた。
ガスにさらすのは新米たちをタフにして一人前の暗殺者に育てるためのはずだった。
だが現実にはただ単に新米たちをくじけさせただけだ。

全員が悲鳴をあげ、自分の目玉をかき出そうとした。ミミズのようにのたくった。
朋子はそれを見て、バカな奴らだと思った。みな同じ説明を受けていた。
痛みはあるが、おさまるのを待てばいいだけだと。
30分後にはなんともなくなる。30分などあっという間だ。

やがて朋子がガスを浴びる番がまわってきた。
熱いガスに目を焼かれ、肺に針を刺されたような鋭い痛みがあった。
パニックを起こし、床に崩れ落ちた。さっきのミミズどもと同じようにのたうちまわった。

チームの何人かはガスの作用で死んだ。原因不明の喘息症状と、お偉方は言った。
信用できるだろうか?たぶん新しい成分の有害ガスを実戦で使う前に実験していたのだ。

そんなことは初めてではない。最後でもない。
あらゆる無意味な悲劇の裏には、そのデータを収集して記録する人間たちがいるのだ。

朋子もクリップボードを持っている。自分が記した日誌を見おろす。
そのとき、工作用粘土のように見えるソフトボールくらいのかたまりがフロントガラスに落下し、へばりついた。

タイマーと起爆装置が包みこまれた粘着爆薬だと朋子が判断した瞬間、目のくらむ白光を発した。
運転席に座ったまま、爆薬の圧力波がフロントガラスに蜘蛛の巣状のひび割れを生じさせるのを見た。

朋子は頭部を馬に蹴られたような衝撃を感じた。
コードネーム“ローズクォーツ”の意識と生命が完全に途絶した。

183 名無し募集中。。。 :2018/05/05(土) 02:12:24
新作来た!

184 まりあのバリスティック :2018/05/05(土) 14:41:16
【第1部】

夢も見ずに熟睡していた牧野真莉愛はびくりと目を覚ました。
佐藤優樹は胸を真莉愛の脇に押しつけてじっと横たわっている。
やがて目を真莉愛に向けて言った。「久しぶりだったね…」

真莉愛は微笑んだ。「まりあも満足しちゃいまりあ…」
真莉愛は自分がレズビアンであると思ったことはない。
異性愛者か同性愛者、はたまた両性愛者なのか、わざわざ時間を割いて考えたこともない。
そうしたレッテル貼りには興味がないのだ。優樹も同じ考えだった。

真莉愛にとっては、優樹の身体は温かく柔らかく、寄り添って横たわるのはなかなか気持ちがいい。
そして人間的にも、優樹となら同じベッドで目覚め、朝食をともにしてもいい、と思える。
それが大切なことだった。

ふたりは覚めきらない頭で起き上がり、朝の支度に取りかかる。
まずは家の周囲に取りつけた電池式防犯センサーのチェックだ。何者かが半径7メートル以内に侵入すると警報が鳴る。
同時に、家の前庭と裏庭にひとつずつ設置した高感度ビデオカメラが作動する。
さらに玄関上にも3つ目のカメラがあり、どれもカメラ本体はカモフラージュで覆われ、レンズだけが外に出ている。

毎秒1枚、低解像度の写真が撮影され、パソコンのハードディスクに保存される仕組みだ。
それからさらに玄関には重量センサー内蔵のマットが敷いてある。
センサーをかいくぐって侵入しようとしても、115デシベルの警報が鳴り響く。

優樹と真莉愛はそれぞれのセキュリティ装置を解除して、やっと朝食の準備に取りかかった。
用心深いなどというレベルではない。被害妄想だ。
ど田舎の隠れ家に1ミリの隙もない備えをしているのには理由があった。

「牛乳切らしてるから、まりあ売店まで行ってきます。あそこなら7時開店だし」
優樹の返事を待たずにくるりと向きを変えた。
ブーツをはき、バッグとヘルメットをつかんで玄関を出ていく。

真莉愛がバイクに乗り、アクセルグリップを握ったとき突如、早朝の寒風を轟音が包みこんだ。
F-15戦闘機が谷筋をなめるように低空で飛来する。
「え!?」隠れ家に投下された爆薬の猛烈な衝撃波に真莉愛はバイクとともに吹き飛ばされた。

185 まりあのバリスティック :2018/05/05(土) 16:56:07
少女はようやく自分の名前を思い出した。
森の奥に身を隠し、疲れ果てていたときには、名前は記憶の彼方に消えてしまった。
岩場から這い出して森に入ってからというもの、自分の名前も、どこから来たのかも分からずにいた。

弱った腕と脚を動かして、怯えた顔で何度も何度もうしろを振り返った。
名前――それを口にする気力もないが、少なくとも名前を思い出せた。
それだけで気分はいくらか高揚したが、それも束の間のこと。

自分がどう呼ばれていたのかが分かったら、今度はそれ以外の答えも見つけなければならない。
疑問だらけ。分からないことだらけだ。

木の洞のなかでうずくまり目を閉じた。これ以上ないほど身を縮めて、じっとしていた。
まりあ。何度か口に出して言ってみる。
口から出てくるその言葉は弱々しく、かすれていて不気味に響く。

ここに来てから、いまの自分の声を別にすれば、誰の声も耳にしていない。
木々のなかでさえずりあう鳥の声が聞こえるだけだ。
地面に落ちていた大小さまざまな枝で、それなりに身を隠せる場所をつくった。

身を守れる――そんなわけがないことは、ほんとうは分かっている。
木の枝で身を守れるなんて。襲ってくる動物がいたら一巻の終わりだ。

それでも、ひとりになれて、隠れられて、近くの小川の水も飲める。
4本足の動物に襲われるか、2本足の動物に襲われるか。安心はできないが他にできることもない。

目を閉じて眠ることにした。
身体を丸めて横向きに寝て、頬を地面にぴたりとつける。
近づいてくる足音は聞こえなかった。にわかづくりの小屋にあいた穴からなかを覗きこむ目にも気づかなかった。
小屋から離れていく男の手に携帯電話が握られていることにも気づかない。

186 まりあのバリスティック :2018/05/05(土) 17:43:24
まぶしい光と心電計の絶え間ない電子音に、目を覚ました。
腕には何本ものチューブが刺さっている。暴れて、叫びたい。
だが、その思いと、鏡に映る自分の姿はまるで違う。

身じろぎもせず静かにベッドに横たわる若い女。
なぜか棍棒で殴られて狩られたアザラシの赤ん坊を連想した。
折れた骨はつながり、運動機能は徐々に回復していたが、精神状態は限りなく不安定だった。

全身が冷たいが、手だけがやけに温かい。まるでさっきまで誰かに握られていたみたいに。
目の前に人影が浮かび上がり、明るくなったり暗くなったりした。

真莉愛は暗闇に落ちてはまた覚醒するということを繰り返していた。
清潔だが、冷たい。壁の白さ、光の白さと同じくらい冷たい。

目を動かすとカラフルなライトがついた機材が見える。
きょろきょろすると自分を見つめていた女の深く優しげな瞳と目が合った。
大きな目をした卵形の顔が黒髪に縁取られている。肌は磁器のようにつるりとしていた。

白衣を着ていて、赤い唇が優しい曲線を描いている。
真莉愛は信じられない思いで彼女の頬に手を伸ばし、確かめようとした。
そうする前に、そっと手をつかまれる。彼女の指は温かく、力強い。

「わたしは山木梨沙」と彼女は言う。心地よく、どこか浮世離れした声だった。が、まだ話は終わっていない。
「あなたを回収してから72時間経過している」

鼓動が激しくなる。逃げなければならない。
身体が思いどおりにならず、鈍かったが、無理やり動いて点滴をむしり取った。
リクライニング・チェアベッドから抜け出そうと、足をやみくもに動かし、揺らし、うめいた。

山木梨沙と名乗った女は真莉愛を止めようとはしなかった。むしろ心配そうに見ていた。
「おとなしくしていたほうがいい」言い含めるように話した。
真莉愛は視界をはっきりさせようとまばたきを繰り返した。

梨沙はかがみ、真莉愛に顔を近づけ、なだめるように言った。「まりあちゃん」
名前を呼ばれ、梨沙の顔を見た。
「力になりたいの、まりあちゃん」よく聞かされる台詞だ。

だが、梨沙は自分で言ったその言葉を本心から信じているようだった。
「あなたにもわたしの力になってもらいたい」

187 名無し募集中。。。 :2018/05/07(月) 12:46:11
山木さん…何者なのか…

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