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まーちゃんとまりあんLOVEりんのスーパー姉妹スレ@新狼

166まりあのオデッセイ ACT Ⅱ:2017/12/24(日) 13:23:43
ドゥカティの後輪で砂利と赤土を飛び散らしながら、真莉愛は縁石を跳び越えた。
走りながら右のハンドルバーにあるボタンを押す。
呼び出し音が一度鳴ってすぐ黒木は応答した。
「黒木だ」
「先生」真莉愛は報告した。「ターゲットがいる場所へたどり着くため、ちょっと独創的なルートを選んでいます。
警察に邪魔立てしないよう伝えてくださると助かります」
「任せてくれ」黒木は答えた。

真莉愛はスロットルを全開にし、太い後輪でアスファルトを焦がしながら走った。
ドゥカティは直線道路では素晴らしい力を発揮する。
時速180キロ近いまずまずのスピードを軽く引き出し、逃げるターゲットとの距離を詰めつつあった。

真莉愛は耳にはめているブルートゥースのイヤホンのスイッチを入れた。
「佐藤さん?」
優樹は頭にデビッドクラークの緑色のヘッドセットを装着し、口の前の小型マイクに答える。
「望ましくない状況に思えるんだけど?」口を利く暇さえないと言いたげに不機嫌な声だ。

特大の青いダッフルバッグをヘリコプターの後部座席に放り投げる。
操縦席に乗り込み、無線を操作しながら言った。
「時間を節約しろとは言ったけど、派手にやり過ぎよ」

「おっしゃるとおり…」障害物を機敏に避けつつ、幹線道路と平行して延びる道を走りながら真莉愛は言った。
「まりあ、感じよくやろうとしたんですよ」と、ため息をついた。「すごく頑張っちゃいまりあ」

優樹は眉間にしわを寄せて、コレクティブレバーを引いて草地からヘリコプターを離陸させた。
機体はダウンウォッシュから脱するとすぐに飛び立ち、速度を上げる。
「追いかけていくから、ターゲットを見失わないようにしてよ」
優樹の声に心配そうな響きが交じった。「聞こえてる、まりあ?」

「はっきり聞こえてます!」強い風を顔に受けつつ、真莉愛はブルートゥースの通信機に叫んだ。
時速200キロ近くで突き進んでいるので、周りはぼやけた染みにしか見えない。
2車線の道路に車が並んでゆっくり走っていたが、真莉愛は難なく車の間を縫って進んでいた。
体重を左右に振り分け、ジグザグのダンスをするようにすり抜ける。

スロットルをひねって加速し、身体を傾けてターンを決めるたびに、膝のわずか数センチ下を道路がかすめる。
真莉愛に匹敵するライディング・スキルを持ち合わせている人間はほとんどいないだろう。

危険なターゲットを追っているという事実がなければ、走りを楽しめたかもしれない。
逃走するバイクにひたすら視線を向けていたため、背後からタイヤを軋らせて迫るSUVに轢かれそうになるまで気づかなかった。
「く!!」真莉愛はごくりと喉を動かし、トランジット・レザージャケットの下からグロックの床尾に触れる。

サイドミラーに映るSUVのぎらぎら光るラジエーターグリルがどんどん大きくなる。
助手席の窓からサブマシンガンの短い銃身が突き出ていた。
「あんまり気は進まないけど」真莉愛は激しく右に身体を傾けて、金属のフットレストでアスファルトを引っかきながら急カーブする。

グロックの銃弾全てを開かれている窓めがけて撃ち込んだ。
助手席側のフロントガラスが真っ白になる。マシンガンは窓から外へ転がり落ち、助手席の男の両腕がぐたりと風に揺られた。


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