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まーちゃんとまりあんLOVEりんのスーパー姉妹スレ@新狼

111まさきのマジェスティ:2017/04/29(土) 21:05:58
黒木はオフィスに入ってドアを閉じた。電話が入っているという。
コードレスの子機を見つけて応答した。「黒木だ」

「先生、まりあです。重大な事態です。
衛生電話でかけ直してくれますか?」

黒木は電話を切って、傍受不能衛生電話で真莉愛に電話をかけた。
「何があった?」

真莉愛は楓が拉致される寸前に実行した作戦行動の件を説明した。
おそらくは正式に認可された作戦ではなく“帳簿外”の可能性がある。

「内部の人間が全て仕組んでるって言いたいのか?」黒木が訊いた。
「かえでぃーのような特殊工作員を動かせるのは機密情報にアクセスできる幹部だけです」真莉愛は断言した。
黒木はその場に立ったまま、どうしたものかと頭を絞った。

「いいだろう」黒木は考えながら答えた。
「だがな、大胆かつ独創的な隠密作戦だぞ。まずいことが起これば吊し上げどころではすまねえ」

通話を終えて真莉愛は楓に顔を向けた。
真莉愛を無作法に凝視していた楓は、そのことに気がついて目をそらした。

少し躊躇ったが、楓は正直に打ち明けた。
「なんだか…昔のまりあとは違うね」
懐かしい思い出が頭をよぎった。
訓練施設での日々を思い返した。いい思い出を探す。
何度も死にかけたが、涙が出るほど笑ったこともあったっけ。

らちもないことをしゃべって真莉愛と楓は笑った。
「あんなに小さかったまりあに助けられるなんて」
「そんなに危険じゃなかったよ」
真莉愛の言い方からすると、本当に少しも危険などなかったように聞こえる。
虚勢は全く感じられなかった。

楓は気持ちを現在に戻した。
ふたりの仮説が正しければ、自分は追われる獲物だ。
真莉愛の落ち着きは頼もしいが、よけい不安になりもした。

マットブラックに塗ったジープのハンドルを握りながら、真莉愛は楓にローストビーフ・サンドイッチを差し出した。
マヨネーズまみれではなかったので楓は受け取ってかじった。

しばらくは誰にも知らされない作戦に従事することになる。
幹部連中は脇に置いて、このショーは自分たちだけで演じるしかない。
そうであれば、優樹が必要なことは考えるまでもない。

幾多の戦場の試練をくぐり抜けて任務を完遂してきた。
きっと立ち直ってくれるはずだ。

優樹も生きているという事実に楓は驚いた。高度の機密事項だ。
「非公式だけど」真莉愛は肩をすくめる。「道重さんと鞘師さんもどこかで生きてる」

楓は首を振ってサンドイッチを食べ終えた。
唇をなめて、笑みを押し隠した。
「もし会うチャンスがあれば…事前通知してくれる?」


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