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魔法使いえりぽん避難所Part2

1 名無し募集中。。。 :2015/07/29(水) 23:59:12
狼で進行中の魔法使いえりぽんの避難所です

666 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:30:07

「稲場さん、間もなく着きます!」
「じゃあ隠れてる人たちからお願いしてもいい?」
「了解です!」

見渡すと、茂みの中から銃口が2つ出ている。
結は気づかれないよう、そっと後ろに回り込む

「ぅグッ」「うわっ」

奇襲成功。この手の作戦は結の得意とするところだった

よし、今度こそ忘れずに無線を…

そう思ってかがみこんだ時だった
突如、木の上で魔力が解放される

やばい!


『振り向く前に防御と回避。もしできるならカウンターもね。
これが不意を突かれた時の鉄則。』

訓練中、これだけは、と何度も言われて
そして何度も抜き打ちテストを仕掛けてきた桃子の教え。

「ももち先輩に感謝だなホント…」

服がよごれた程度で済んだのはラッキーだった。
すかさず魔力で短剣を取り出し
相手との間合いを詰める

反撃はないだろうと油断していた相手の対応が遅れるが
そこは相手も手練れ、咄嗟に炎で幕を張る

「ソイヤッ!」

炎幕を突き破って飛んできた短剣が刺さると
相手からみるみる魔力が抜けていった

「あ、血とかは出ないので安心してください。
あと、無線もらっていきますね。おつかれんこんです」

そう言い残すと、結は愛香のもとへと走り去っていった。

667 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:31:18


建物内、B班――


「ここから先は、一本道だね。」

先程の部屋を無事に突破したB班は
建物中心部へとつながる広い通路までたどり着いていた。

「舞ちゃんとちぃ、どうかな?」

一本道ということは
隠れながらは進めない。
だが魔力の探知が得意な知沙希と音の感知が得意な舞、
この2人がいれば随分と楽に進んでいける。
特に、今回のように音を遮るものがない状況では
舞の感知能力が存分に発揮される。

「ん〜、通路は400mくらい続いて、
その先は広場みたいな感じかな。たぶんそこが目的地。
で、そこにいる相手の数は6人だね」

舞が冷静に分析する隣で
集中していた知沙希が「あっ」と顔を上げる

668 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:31:57

「どうしたの?ちぃ」

「梨沙ちゃん、この先にいるよ」

知沙希の緊張が高まっているのが分かる。
何が…
と聞きかけたところで梨沙はハッとした

「キソラが…、
つばきファクトリーがいるのね?」

「うん。どうしよう、愛香ちゃん呼んだほうがいいかなぁ?」

たしかに4対6では人数的に不利だ。
そして戦闘向きの愛香が居ないことも大きい。

だが、かといって結を1人にするわけにもいかないし、
全員が建物内に入ってしまうと
何かあったときに対処できない。
それにももち先輩から言われてることもあるし…

「ちぃがまなかんと代わるよ。外から魔力探ってたら
他の敵が来てもすぐわかるし。」

こういった判断をちゃんとシェアできるようになったのは
知沙希の大きな成長の1つと言えるだろう。
梨沙にはそれがちょっとうれしかった。

669 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:32:34


知沙希と愛香が動いている間、
B班は梨沙を中心にこれからの動きを確認していた。

まずはフォーメーション、そして相手の戦力分析。援護は…

「梨沙ちゃん!」

舞が”足音”を捉えた。こちらの動きに気付かれたようだ。
同時に結から無線が入る

「船木です。敵無線からの情報です。
防衛部隊が正面入り口と裏口に向かっています。
ばらばらになっているところを叩くつもりみたいです。」

続けて裏口付近の森戸からも連絡が入る
「魔力感知した!裏口と正面に魔導士がそれぞれ3人ずつ向かってる。
 魔力のない人はわかんないけど、たぶん何人かいると思う!」

甘かった。B班は動きが伝わっていないと思っていたが、
どうやら監視システムか何かが仕掛けられていたようだ。

670 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:33:09

現状、裏口付近に知沙希と愛香、そして正面に結がいるわけだが、
つばきとの交戦を考えるともう1人こちらに加わってほしい。
だが外に残る2人で魔導士6人とその他の警備兵を相手にするのは分が悪すぎる。
そうなると、もう愛香たちに任せるしかない。

「結は裏口へ。
3人とも、裏口の部隊をできるだけ早く倒してほしい。
終わり次第愛香ちゃんはこっちに合流して。
連携も技も全部使っていい。本気でお願い」

「なかなか大胆な作戦だね。
でも了解。がんばるね。」


「梨沙ちゃん、あと200m。そろそろ来るよ。

 って、梨沙ちゃんなんか嬉しそう。」


当たり前だ。

だって、キソラと戦えるんだから。

671 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:33:44


「みんな、人数的にはこっちが不利。でも、
 大切なのは数じゃない。全力でいこう。」

一度言葉を切り、友の顔を思い浮かべてからもう一度、
今度は力強く激励する

「絶対勝つよ!!」

両チームほぼ同時に魔力を開放する。

そしてお互いに走り出したまさにその時であった

突如、建物を突き破るドカァンという音と共に
前方に何かが出現する

「は〜い、そこまで。ちょっと急用できたから、
みんな任務に向かうよ〜」

そこには涼しい顔をした桃子がいた。

「え〜っ、ももち先輩、いまめちゃめちゃいいところじゃないですかぁ。

 梨沙ちゃんだってせっかく楽しみにしてたのに」

「ごめんね梨沙ちゃん。でもこの任務、うちが一番近いから。
 ほら、おとももちのみんなが困ってるのに見過ごせないでしょ?」

672 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:34:28

「ん〜、わかりました。
ちょっと残念ですけど、次の楽しみに取っておきます。」
キソラを横目に見ながら梨沙が答える。

「うん。それじゃあみんな、出るよ〜」



目を開けると、ちょうどカプセルが開くところだった。

ここは執行局の本部から少し離れた研究施設。

「どうでしたか、みなさん。」

白衣を着た技術者が優しく語りかける

「なんか、すっごくリアルで、舞もほんとにそこにいるみたいでした」
「わたしも、先輩方の戦いを間近で見られたり、
自分が魔法を使うときも
現実の世界と同じような感覚で使えたので
すごい技術力だなって驚きました」
「このカプセルもモフモフで肌触りいいし!」

673 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:35:06

興奮気味に話すメンバーにスタッフ達は満足そうだ。
「それはよかったです。
これは脳波をそのままバーチャルに投影してますからね、
加工のないオリジナルの信号をそのまま送ることで
より違和感を軽減して、いつも通りに近い感覚や動きを体感できるんです。」

「もしこれがパソコンの画面越しとかでこっち側から見れるようになれば
強い人の戦い方を見学できるし、
自分たちでも復習できるようになりますね」

「その通りです。今はまだ中の人にしか状況はわからないですが、
 ゆくゆくはこちら側からも見れるようにして、

さらには最大接続人数を増やすことで
模擬戦や合同演習へと幅を広げようと考えています。

また、今はまだ一部の方しかお試しいただけていませんが、
これからどんどん普及してデータが増えていけば
相手のバリエーションも増えますし、なにより戦術の勉強にもなりますよ。」

「はーい、感想も大事だけど、次の任務があるんだからね〜?」
桃子がハイハイとみんなを急かす

そして同行していた協会の技術局員にも別れを告げ、
メンバーの準備が整ったことを確認する。

674 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:35:41

「では本日はありがとうございました。

そして次回は是非、嗣永さんにもご参加いただけたらと思います。
 
やはり非常に強い魔導士のデータは
私どもをはじめ他の方々にとっても勉強になりますでしょうから。」

「またそんな〜、
ももちがかわいいからって持ち上げすぎですよ〜」
「一言もおっしゃってないです、ももち先輩」

梨沙の鋭いツッコミで和んだカントリーガールズは
笑顔で挨拶を済ませ、次の任務地へと向かって行った。

675 名無し募集中。。。 :2017/05/19(金) 22:36:24


ちょっと長くなっちゃいました。。

676 名無し募集中。。。 :2017/05/20(土) 19:58:22
新スレ
娘。小説書く!『魔法使いえりぽん』 67
http://matsuri.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1495277592/

677 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 13:03:23


「いやぁ、執行局の方々は引っ張りだこですな。」
「えぇ、最後までデータが取れず申し訳ないです」


協会の技術局員がここに残ったのは
研究所の職員とのこれからの打ち合わせを進めるためであった。

研究所からの売り込みを受けて始まったこのプロジェクトは
もともと研究所側の技術レベルに定評があったことや
装置自体が既に試験運用段階まで進んでいたことに加えて、
協会とその傘下外の研究所が組むという注目度の高さからも
通常よりもかなり速いスピードで進められてきた。

執行局協力のもと行われている実践演習試験も、ここまで
こぶしファクトリー、つばきファクトリー、
そして今日のカントリーガールズと
既に3つのチームが実験に参加している。

678 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 13:03:56

「いやぁ、協会の皆さんのご協力には本当に感謝しています。」

そう笑顔で頭を下げるのはここの研究所長。
彼が協会にこのプロジェクトを売り込んできた張本人だ。

「今回もたくさんの貴重なデータが取れました。
それと前回ご指摘いただいていたポイントも
今回の試験できちんと改善が確認できました。」
そう言いながらまた頭を下げる

「それでですね、これまでチームでのデータを取らせていただいてきたんですが、

実は今度は単独任務のデータを取らせていただきたいと考えています。

執行局の中でもお強いかたの、その方の本気の魔力で性能実験ができればと…」

「う〜ん、そうですねぇ。たしかに大きな魔力と
少々荒々しい魔法なんかを使ってもらって
それがきちんとバーチャルに反映されるかとか、
またリアルの方に影響がないかとか、
そのあたりはテェックしたいですね。」

「ええ。まぁ私個人的には
鞘師里保さんが適任じゃないかと思うんですがね。

聞くところによると執行局局長さんの娘さんで、
単独任務の経験もかなりのものだと。」

「鞘師さんですか。いいですねぇ。
彼女なら実力も申し分ない。

わかりました、協会の方で調整してみます。」

「ありがとうございます。いやぁ、
同じ技術職の人だと本当に話が早い。
おっと、すぐにコーヒーを入れますので、
さあさあこちらへお座りください。

あ、お砂糖などは、どうしましょう?」

「おぉ、ありがとうございます。
では、砂糖増し増しでお願いします」

679 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 13:04:46



「ももち先輩、なんでさっきあんな指示出されたんですか?」

任地へ向かう道中、梨沙は気になっていたことを質問してみた。

――「みんな、この訓練では
できるだけ基本戦術で対応すること。
   特にコンビネーションや魔法のバリエーションは極力控えて。
   使うのは本当に必要な時だけ。」――

ゆくゆくは協会本部での訓練装置に、
という技術局からの推薦があって行われているこの試験運転

性能実験や戦闘データ・パターンの蓄積が目的ならば、
これからのことを考えてもできるだけ多くの形を使った方が
協会や自分たちのためにもなるはずなのに。

「え〜?だって嫌じゃーん、いろいろ見られちゃうのってさ、
覗かれるみたいでー。」

キャーっとおどけて見せる桃子。

「やっぱりちょっと謎めいてるぐらいが魅力的なのよ。」
「子供ですか」

「なんだかんだ言ってもね、
やっぱり年下の子と馴染むためにはいろいろな努力が必要なの。
いくらみんなのアイドルももちと言えども、……」

こうなったらもう敵わない。
それが本音なのか、はたまた何か隠された意図があるのか、
それすらあやふやになってくる。

だが、おそらく何か思うところがあったのだろう。
梨沙はそれ以上考えることをやめた。

680 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 13:05:31


「あ、梨沙ちゃん、
昨日グループトークで言ってた紅茶って何味だっけ?
ほら、ずっと飲みたかったって言ってたやつ」

知沙希たちとおしゃべりを楽しんでいた舞が
ふいに梨沙に話しかける。

だが梨沙が口を開くよりも先に声を上げたのは桃子であった

「え、舞ちゃんどういうこと?」

「梨沙ちゃんが昨日、グループトークで急に
『ずっと飲みたかった紅茶をキソラが探してきてくれた!』って
写真付きで送ってきたんです。」

「ううん。そこじゃなくて」

何かを確認する様子で桃子が続ける

681 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 13:06:24

「“グループトークで”、送ってきたんだよね?」

梨沙はその開きかけた口のまま目を見開き、
他のメンバーも一瞬にして空気が変わる

「私そのトーク来てないんだけど。
 え、なに、そういうグループがあるの?」

全員が一斉にそっぽを向いてしらばっくれる中、
梨沙は止まらぬ汗にその脳をフル回転させていた

「い、いや、ももち先輩はお忙しいでしょうし、
そもそも私たちほんとくだらないことばっかり話してますから、
そんなしょうもない内容の話を送るのも遠慮があって…」

「そう!それに、舞たちほんとにずーっとしゃべってるからうるさいんですよ」

咄嗟にフォローした舞だったが、残念ながらそれは仇となった。

「え、じゃあなんで?
私が入ってる方ぜんぜん動いてないんだけど」

これには皆たまらず吹き出してしまう

682 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 13:06:57

「もー、ほんっとやだぁー。

もうももち次の任務 魔力全っ開でいくから!」

「えっ、ももち先輩、次って言っても任務内容は情報収集ですよ?」

「そんなの締め上げて全部しゃべらせればいいのよ!
  ほら!みんなさっさと行くよ!」


その相手の姿を想像すると
梨沙は任務中に初めて相手に申し訳ない気持ちになった。

683 名無し募集中。。。 :2017/05/21(日) 13:07:44


ようやく、次からモーニングのメンツが出てきます

684 名無し募集中。。。 :2017/05/25(木) 23:25:59




もうこれで何度目だろうか

けたたましい目覚まし時計の音が部屋に鳴り響く。


眠い…

モゾモゾと動く布団から伸びた手は

目覚まし時計を止めると
再びぬくぬくとした楽園へ戻っていく

やっぱり布団が1番だな

ふかふかのベッドで至福の表情を浮かべる。

しかしながら
そんな幸せなひとときは
協会の端末アラートによって見事に吹き飛ばされた

685 名無し募集中。。。 :2017/05/25(木) 23:26:46

「里保、朝早くからすまんな」

「いえ、大丈夫です。

何かあったんですか?」

決して朝早いとは言えない時間だが、流石は父親。

敢えてこの時間まで待っていたのだろう。

… どうせ休日の朝早くには起きてないから


「いや、緊急というわけではないんだが、
技術局から里保宛に協力依頼が入ってな。」

協力依頼…、随分と久しぶりに聞いた気がした。
まぁ、今は本部ではなくM13地区にいるのだから
協力依頼なんてそうそう来るはずもないのだが。

「詳しいことはデータとして送っておくが、
内容は現在民間と共同開発中の
バーチャルトレーニングシステム、通称B.T.Sの性能実験だ。

既にうちからもいくつかのチームが協力しているが、
今度は単独任務を想定した試験運転をしたいらしい。

686 名無し募集中。。。 :2017/05/25(木) 23:27:20

まぁただの単独任務なら誰でもいいんだが、

なんでも実力のある魔導士で試したいらしくてな。
おそらく規模のでかい攻撃や反応スピードに
機械がついていけるかとかそこら辺を試すんだろう。」

実力のある魔導士。

指名理由に内心嬉しくなるのを隠しながら承諾する。

また、協会に顔を見せてほしいという要望にも快諾した。

そして例のごとく衣梨奈が元気であることを報告した後、
通話を終了させた。


トレーニングとはいえ、久しぶりの単独任務。
期待通りの働きをしなければ。

そんな想像を膨らませながら
里保は元気に布団を飛び出していった。

687 名無し募集中。。。 :2017/05/29(月) 13:46:25



「技術局からの協力要請ですか。
鞘師さんすごいですね!」

ここは衣梨奈の家。
みんなの横で 私もいつか…!と1人燃える亜佑美に
そんなことないよと里保が手を振る

「みなさん充実した夏を過ごされているみたいですね。

 実は私もこの夏に少し成長しようと思いまして、
これ、クッキー作ったんですけど、

みなさん味見してアドバイスしていただけませんか?」

「キャー!はるみー!」
「はるなんやるじゃん!」

一気に歓声がわき起こる。

688 名無し募集中。。。 :2017/05/29(月) 13:47:02

「はるなんは気づいてないだけで、実は女子力高いと思う」
生田も感心の声を上げる

「え〜、どこら辺がですか〜?具体的に教えてください」


「 …ん〜〜、」
「悩むなら言わなくていいですから!」
すかさず春菜がツッコミを入れる。

「…はるなんその答え、明日でもいいかな?」

そんな憎めない苦笑いを浮かべる衣梨奈

ここでは皆
いつもと変わらないにぎやかな毎日を過ごしていた。

689 名無し募集中。。。 :2017/05/29(月) 13:47:35

「そんなわけだから亜佑美ちゃん、
 うちがいないときはよろしくね。」

任せてください!
胸を張り目を輝かせる亜佑美に
「空回りしないようにね〜」

と周りが茶々を入れる

そうやって今日も平和に…
「あーーっ!! まずい!!!」

叫び声をあげたのは優樹だった。」
「ちょ、まーちゃん失礼でしょ! ハルに貸してみ」
「ぐあッ、これは…」

遥も口をおさえる

690 名無し募集中。。。 :2017/05/29(月) 13:48:13

「は、はるなん、これ何入れたの?」

「えー、何入れたかな…。おうちの台所にあったもので
 こんな感じかな〜って味を足したりしてみたんだけど…。」

「なんで料理できないのに感覚でつくるんだよ」
すかさず入る総ツッコミを
春菜はただただ受け入れることしかできなかった。

691 名無し募集中。。。 :2017/05/29(月) 13:48:45


「香音ちゃん、
 聖、今から古本屋さん行こうと思うんだ〜」

夕方、二人の帰り道。  

「相変わらず熱心だねぇ。
いいよ、あたしも行くよ。読みたい本あるし。」


魔法のことを勉強したい。

聖は突然そう言いだした。
魔法について詳しくなれば
何かしらみんなの手伝いができると思うから、とのことだった。

突然のことに里保たちは驚いていたけれど、
香音、春菜、そして衣梨奈の3人はそんなそぶりも見せず
いいんじゃない?と賛成した。

692 名無し募集中。。。 :2017/05/29(月) 13:49:18

もともとそういう性格の衣梨奈はともかく、
聖をずっと横で見てきた香音にとって
それは自然な流れだったし、
春菜に至ってはバイト先の店長という先例があるものだから
なにも特別なことではなかったようだ。

普段は衣梨奈の家でみんなに教えてもらったり
手伝ってもらったりしながら勉強を進めている聖だが、
最近は春菜の紹介もあって
時間があれば春菜のアルバイト先の古本屋で魔法書を読むようになっていた。

毎日みんなを付き合わせるのも悪いからと、
自分でできる部分は自分でやろうとしているようだ。

693 名無し募集中。。。 :2017/05/29(月) 13:49:54


「ねえ香音ちゃん」

香音が優しい笑顔を向ける

「聖、いつかえりぽん達の役に立てるかな。


 魔法が使えなくても、

里保ちゃんや亜佑美ちゃんのお仕事を手伝えるくらいになれるかな。」


「はるなんは努力次第って言ってたから、なれるんじゃないかな。

 聖ちゃんもこんなに頑張ってるわけだし。」

「うん、ありがとう。がんばるね。」


「応援してる。


ふ〜ぅ、あたしも頑張らなきゃだな〜。」

やる気に満ちた今の聖には
そう言って少し上を向く香音の表情に気付くことはできなかった。


真っ赤に燃える夕日は
そんな二人の上空を今日も美しく色付けていた

694 名無し募集中。。。 :2017/05/31(水) 21:09:42
板の仕様が変わったからかエラー表示が出てスレ立てできませんでした
もし立てられる人がいたらスレ立てお願いします

>ERROR: Sorry このホストでは、しばらくスレッドが立てられません。またの機会にどうぞ。

695 名無し募集中。。。 :2017/06/01(木) 21:25:54
一日空けて改めて挑戦してみたらなぜか立てられました

新スレ
娘。小説書く!『魔法使いえりぽん』 68
http://matsuri.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1496319620/

696 名無し募集中。。。 :2017/06/04(日) 07:56:24


「どうだ、みんな元気にやってるか?」

「相変わらずにぎやかですよ。えりぽんも楽しそうだし」

やはり直接会うと話も弾む。

友達の話をする里保の顔も眩しいくらいに楽しそうだ。


だが楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。

「じゃあ、そろそろ。」

そういって里保が立ち上がる

「気をつけてな。

…あぁ、そういえば里保に渡そうと思ってたものがあるんだ」

697 名無し募集中。。。 :2017/06/04(日) 07:56:56

そういって生田が渡してきたのは一冊の本だった。

「懐かしいだろう、これ」

それは、里保と衣梨奈が小さいころよく読んでもらった
思い出の読み物だった。

幼い頃の記憶に思いを馳せながらページをめくっていると、
最後のページに詩のような、見覚えのない文を見つけた。

どうやらペンで書き足されているようだが、これは…

「俺の字だと思うんだが、あんまり覚えていないんだ。

もしかしたら酔っぱらった勢いで書いたのかもしれんな。

それかどこかで聞いたのを気に入って二人に覚えさせようとしたか、
もしくは二人が言ってたのを親ばかで書き留めたか。

…それにしては深すぎるか。

まぁなんにせよ、

…俺、ボケ始めたかな?」

そう言って苦笑いを浮かべる生田の顔には
やはり衣梨奈の面影がある。

「えへへ。でもうちも覚えとらんけん、たぶん後から書き足したんだと思う。

 でも、ボケたら局長降ろされちゃいますよ?」

それは困ったと生田が笑う。

698 名無し募集中。。。 :2017/06/04(日) 07:57:30


「じゃあ、
…行ってきます!」

「あぁ、気を付けてな。」

見送る生田を背に、

里保はしっかりとした足取りで局長室を後にした。



―――夕方、魔導士協会執行局


「今の出動状況は?」

「はい、現在岡井千聖が単独任務へ、
グループではこぶしとつばきがそれぞれ調査任務に出ています。
また、鈴木愛理が明日からの警護任務のため
前泊するとの報告が入っています。

この後も数名が単独任務に向かいますが、
本日はどれも危険度の低い任務となっています。」

「そうか。まぁ油断は禁物だからな。
気を抜かんように。」

「伝えておきます。あぁ、それと、

 先程嗣永さんが先日のB.T.S協力任務報告書をお持ちになった時、

局長に何かお伝えしたいことがあるとおっしゃっていましたよ。
後ほどいらっしゃるそうです。」

何だろうか、誕生日はもう終わったはずだが…

699 名無し募集中。。。 :2017/06/04(日) 07:58:02



「いや違いますよ、フッツーに任務にかかわる真剣な話ですよ!

 いくらももちがかわいいからって
仕事中にプレゼントのことばっかり考えてたら支障出ますよー?」

そんないつものももち節に
スマンスマンと頭をかきながら本題に入る



「・・・・・・たしかにな。」

 これは技術局と先方には?」

「まだ伝えてません。この報告書で初めて伝わります。

 ただ、向こうもいくつかの項目については
いろいろと策を考案中みたいです。」


B.T.S使用のリスク。嗣永の指摘は的確だった。

そして生田は静かに内線を…
「その必要はありませんよー。

もう手配済みです。」

顔を上げた生田に
どや顔の桃子が腕組みをしてみせる。

700 名無し募集中。。。 :2017/06/04(日) 07:58:40

「局長〜、今、急〜に愛娘の鞘師ちゃんが心配になったんでしょ~?

『B.T.Sはトレーニング中に無防備になるから
いくらセキュリティが頑丈なラボと言えども
自分では攻撃を察知できず、
しかもカプセルに閉じ込められちゃってる鞘師ちゃん。

そんな時にスパイでも潜入してたら大変だ』って。

今の局長、
娘さん想いのい〜いお父さんの顔になってましたよ〜」

ニヤニヤしながら桃子が続ける

「そ、こ、で !
このももちは、局長の大事な娘さんをお守りするため
 内密に、鞘師里保の警護特殊部隊を派遣いたしました!」

桃子がピンと背を伸ばして敬礼をする。

「おぉ、そうか!

 さすがは嗣永だ、対応が早いな。」

でしょ〜?と桃子が胸を張る。

「で、それは一体どんなメンバー構成なんだ?」

その質問に
桃子は不敵な笑みを浮かべながら生田の方へと寄ってきた

701 名無し募集中。。。 :2017/06/04(日) 07:59:23

「もう誰もが認める適任中の適任ですよ。

たとえスパイがいたとしても、
きっとやる気なくしちゃうんじゃないですかねぇ〜。

ま、ももちのかわいさに見とれるよりは効果は低いですけど〜…」

「だから、それは一体誰なんだ」

生田は白い目で促す

「1人はあいりんで、明日合流する2人はヒ・ミ・ツです。

まぁ、久しぶりに入ったおしごとですから、
はりきっちゃってんじゃないですかぁ〜?」


桃子の意地悪な説明を終始白い目で聞いていた生田だったが、
その目は徐々に驚きへと変わっていった

「ま、まさか」

702 名無し募集中。。。 :2017/06/04(日) 08:00:13

「あの2人に行かせたのか?!」


そんな生田の反応にご満悦の桃子が
何か言いかけた生田を遮り声を上げる

「あ〜っ! そういえば〜!

 じつは〜、折り入って相談したいことがございまして〜…」


…わざとらしい。


「なんだ、言ってみろ」
諦め顔で生田が促すと、
桃子の表情は確信と勝利のそれへと変わった。

「実は~、最近近くにできたカフェのアイスセットが
すごぉ〜くおいしいらしくて~、
ももちも食べたいな~って、思ってたんですぅ〜。

なんでも〜、
さくらんぼの香りの上品な紅茶とアイスがベストマッチなんだとか!」

「…仕方ない。今度トレーニング終わりにでも差し入れしておく。」

やったぁ!と飛び跳ねる桃子に

やっぱりこうなった、と諦めモードの生田であった。

703 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:30:35



「……と、これが今回の概要です。」

「わかりました。この段取り通りにやればいいんですね。」

「よろしくお願いします。

事前の耐久テストでも安全性は実証されてますので、
思う存分、暴れてやってくださいね。

もし何か異常を感じた時でも、

ここで活動する意識を現実の世界に向けることで簡単に出ることができます。

まぁその分、集中が途切れると
バーチャルとの接続が切れてしまう可能性があるんですが…」

「わかりました、集中して取り組みます。」

里保はしっかりと頷き、カプセルを閉じた。

704 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:31:57

 目を開ける。ここがフィールドか。

緩い坂、小さな山の連なり。
草木が元気に生い茂る田舎の風景。
なんだか、M13地区に続くトンネルが見えてきそうだ。


一通り体を動かし
感覚に問題がないことを確かめると、
まずは魔力を放出してみる。

うん、感覚はさほど変わらない。

意識を集中し続けるというのも
慣れてくればそこまで気にならないだろう。

次に風の魔法を発動してみる

辺りの草木が風になびく音までしっかりと聞こえる。

705 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:32:35


…いける!

次の瞬間、里保は一気に青空へと飛び上がっていった

ぐんぐん速度を上げる。そして急旋回、急降下
誰にも邪魔されない大空をびゅんびゅん飛び回る


「ひゃっほ〜〜い!!!」

なんて開放的なんだろう。


その速度のまま地面すれすれまで降下し、刀を一振り。
そこに高く生い茂っていた雑草を一瞬で刈り取った。


次は炎の魔法。
練り上げた魔力を刀に込め、
空へ全力で振り払う

「とんでけ〜〜っ!!!」

巨大な炎球のその灼熱の炎で
上空に漂っていたわずかな雲はきれいに姿を消し、
空は文句なしの快晴へと表情を変えた

706 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:33:09

ふぅ、気持ちいい。


まぁ、ちょっと暑すぎるけれど。

そう額の汗をぬぐう里保だったが、

その顔はすぐにキリっと引き締まった。


魔力の気配。第三段階だ。

707 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:33:58

高速で突進してくる敵の手には刀。
こちらも刀を抜き、真正面から受ける。

相手は突進したその勢いのまま刀を押しのけようとしてくるが、
里保も巧みにそれらを流す

相手は一旦下がると、深く踏み込んで今度は激しく打ち込んできた

斜めに切り下してくるのを受け止め、突き飛ばしを踏ん張る
さらに全力で振り下ろしてきた刀を受け止めたところで膠着状態となった

両者押し合い、隙を伺う

708 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:35:28

と、里保が背後に気配を捉えた

咄嗟に暴風を巻き起こし、距離をとらせる

そして前方の敵が慌てて下がる一瞬の隙を逃さず
炎をまとった刀を横一文字に振りぬいた

意識はすぐさま背後の敵へ。

飛んでくる短刀にかがみこみながらグッと踏み込み、
一気に相手と間合いを詰める

709 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:36:17
――――――

「どうだ鈴木、里保は順調か?」

「はい、順調です。不審な動きもありません。

 鞘師ちゃん頑張ってますよ〜。」

「そうか、引き続き頼む。くれぐれも内密にな。
 
里保にも気づかれないように。」

「らじゃーです!」

710 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:37:01




「愛する娘さんは順調そうですねぇ〜。」

「うるさい。

 ったく、それにしてもこういうことは重なるもんだな。」

「警戒はしといたほうがいいんじゃないですか?」

「あぁ、そのつもりだ。俺の方でも手は回しておいたよ」

深く息を吐きながら椅子に腰かけ、天を仰ぐ。


「まったく、やなことが起きなければいいがな…」

711 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:37:31


一方こちらは衣梨奈の家。

親の苦労など知る由もなく、
生田は一同と仲良く食卓を囲んでいた。


「鞘師さんは順調ですかね~」

「やすしさんなら大丈夫でしょ。
しゅんしゅんっ!ってこなしてぱーーっって帰ってくるよ」

「相変わらず常人には絶対使いこなせない表現だね、まーちゃん」

「ま、優樹ちゃんの言う通り
里保ちゃんならささっと終わらせて帰ってくるだろうね。

まぁ、心配なのはお仕事よりもプライベートの方だけどね。」

一同から呆れ顔とともに同意の声が上がる。

712 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:38:07

「休憩中に仮眠したらそのまま起きなくなって
周りの人困らせてそうなイメージがあります。」

「やりそ〜〜。それで寝癖つけたまま再開しようとしたり」

「攻撃は華麗にかわすのに何にもない所でつまづいたり」

「絶対やってますよそれ。
あ、忘れ物してどこに忘れたかも忘れてそう!」
「寝過ごしてここまで帰ってきそう」

突如始まった大喜利大会が思いのほか盛り上がる

713 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:38:40

「いや〜、その場にいないのに
こんなに食卓を盛り上げてくださるなんて、
さすがは鞘師さんですね〜。

今日はひときわ白米が美味しく感じます。」

「うん、そうやね。」

「え、生田さん。

生田さん白米食べてないじゃないですか」

「みずきも思った。えりぽんまだ白米に一口も手つけてないよね?」

周囲の鋭いツッコミに思わず生田も笑い出す

「適当ばっかりじゃないですか生田さぁん!」


今日もこの家はにぎやかだ。

714 名無し募集中。。。 :2017/06/12(月) 03:43:56

明日までにもう少し進めたかったんですが…。


ちなみに月末まで消えます。
あと、タイトルをmessageってことにしようかと。

7月、暇潰しにでも使ってください。  message作者

715 名無し募集中。。。 :2017/06/15(木) 21:30:03
新スレ
娘。小説書く!『魔法使いえりぽん』 69
http://matsuri.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1497529515/


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