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SS・ソロールスレッド

14”探偵” ◆NYzTZnBoCI:2016/05/08(日) 15:35:08 ID:vfULsUNc



「大丈夫だからねぇ…お嬢ちゃん、ちょーっとだけ利用するだけだからねぇ……?
 ……おいてめぇら!!ガキの親とはまだ連絡がつかねぇのか!」
「そ、それが……誰かと通話中らしくて……」
「通話中だぁ!?…っち、5分後にまたかけろ!」

リーダー格の不良が撒き散らす怒号が辺りに響き渡り、部下の一人がおどおどしくも「へい」と返事をする。
その傍らではもう一人のガラの悪い部下が、椅子に縛り付けた女児の首元にナイフの鋒を突きつけていた。

「んーっ!!んんっ!!」
「うるせぇ!黙ってろ!!」

猿轡越しに悲鳴を上げる少女、小早川エミの表情は悲痛に歪み瞳に涙を溜めている。
彼女の周りを取り囲むように佇んでいる人数は2人、リーダー格を含めれば3人となる。
その集団はどうやら少女の親に脅迫を送り、少女の安否と引き換えに金銭を要求する魂胆らしい。
だが所詮は不良少年の集まり。先程から上手くいかず、苛立ちを募らせているのが目に見えてわかる。
広場には人気がないと言え時間が経過しては厄介事になるかもしれないというのは、流石に彼らも理解していた。
だからこそこうして少女の親に連絡を入れているのだが、このザマだ。

「おいおい、女の子にそんな乱暴なこと言うなよ……?
 こいつは俺らの大事なお客様だ、金を運んできてくれる幸運の招き猫ってやつだよ……」

少女の顎を乱暴につかみ、怪しげに微笑むリーダー。
相変わらず少女の表情は恐怖に囚われており、泣き声もあげられない状況だ。
そしてそんな中遂に、電話のコールが全員の鼓膜を揺らす。

「!……ボス、繋がりました!」
「ようやくか!……おい、金の要求を――――」





「――させませんよ」




その瞬間、全員の動きが凍りついた。


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