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【ブレンド・S】ひでり「僕に良い考えがあります!」
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――開店前――
店長「今日は、皆さんに大事なお知らせがありマス」
天野美雨「どうしました、また恋の悩みですか?」
店長「違いマスよ!もしそうだったら皆さんを読んで話し合いなんかしマセン!」
店長「単刀直入に言うと、最近、アンケートを書いてくださるお客様が少ないんデス!」
桜ノ宮苺香「アンケートは多い方が、お客様の要望に応えやすくなりますからね」
店長「その通り!流石苺香サン、物分かりが早い!」
秋月紅葉「で?その解決策を皆で話し合いたいってことか」
店長「私の台詞がとられマシタね…ま、そういうことデス」
紅葉「桜ノ宮にだけ態度を変えるのはいつもと変わんねえな」
店長「誰か良い案はありマセンか?」
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日向夏帆「突然言われてもなー、思いつかないよー」
神崎ひでり「…そうだ!僕に良い考えがあります!」
ひでり「人気投票を、しませんか!」
店長「ほう、詳しくお願いシマス」
ひでり「アンケート用紙に好きな人を書く欄を設けて、一週間それを宣伝します、そうすればアンケートを書く人も増えるでしょう!」
星川麻冬「貴方に似合わず真面目な案ね」
ひでり「僕だって真面目な時はありますよ!いや、いつだって真面目ですよ!」
夏帆「他に案も出ないし、それでいいんじゃない?」
店長「そうデスね、採用デス!」
ひでり「やったぁ!」
ひでり(ふふーん、思惑通りですね)
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ひでり(スティーレで働く当初から僕はここの客人気ナンバーワンを目指してました)
ひでり(そして長くここで働いて、そろそろ皆が僕のカリスマ性に気づいているはず!)
ひでり(流石に最下位は…最下位ってことはないと思います!)
美雨「どうしましたか、ひでりちゃん、ぼーっとしちゃって?」
ひでり「へっ!?べ、別に、何でもないですよ!」
店長「それでは、皆さんで頑張りマショウ!」
ひでり「…な、何がですか?」
美雨「何って、これから人気投票付きのアンケート用紙を皆で作るんですよ」
ひでり「めんどくさァァアーーーーッ!!」
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…
夏帆「面倒くさいと言いつつ、ひでりちゃんが一番頑張ってたね」
ひでり「そりゃ、僕が言い出しっぺですからね…!」ハァハァ…
ひでり(僕がナンバーワンだと皆に見せつけられるなら…!こんな努力は朝飯前です!)
店長「皆さんのお陰で意外と早く話が進みマシタ!では、今日も頑張ってクダサイ!」
麻冬「よーし、切り替えていくわよ…待ってたよ〜お兄ちゃ〜ん♪」
ひでり(流石麻冬さん、僕もホールを頑張りますか…)
店長「あ、そうだ、神崎サンはアンケート用紙をそれぞれのテーブルに配置してクダサイ」
ひでり「まだあったんですかその仕事!」
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――開店後――
ひでり「やっほ〜!ひでりんだよ〜!今日もスティーレに来てくれて、ありがと〜!」
客A「いやぁ~、今日もひでりちゃんは可愛いね〜!」
客B「(俺がひでりくんに抱くこの気持ちは)恋すか?」
ひでり(今日も僕は大人気ですね〜!)
ひでり「ねぇねぇ、今日は何が食べたい〜?」
客A「そうだなー、山盛りパンケーキで」
客B「(俺にも同じ物が)来いすか?」
ひでり「オッケー!二人ともパンケーキだね☆」
ひでり(そうだ、ちゃんと人気投票の宣伝しないと)
ひでり「今ぁ、スティーレで人気投票をやってて、ぜひ僕に投票してほしいなーって♡」
客A「OK!勿論ひでりちゃんに投票するよ!」
客B「(ここはあえて選択肢にない)ミッキーマウス…」
ひでり「コラッ!ちゃんとスティーレのメンバーで記入しなきゃだめだぞ☆」
ひでり(はぁー、こうやって媚びておけば簡単に票が入るから、ちょろいもんだぜ…)
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ひでり「休憩もらいまーす」
店長「ドウゾー」
ひでり「あれ、美雨さんも休憩室にいたんですか」
美雨「ランチタイムも過ぎて、ちょっと疲れてしまいまして…どうしたんですか、そわそわして」
ひでり「えっ、別にっそわそわなんかしてませんよ!」ソワソワ
美雨「もしかして、人気投票の結果が気になって待ち遠しいんですか」
ひでり「そ、そんな訳ないじゃないですかーっ!」
美雨「隠してるつもりでも、心ではちょっぴりドキドキしてるんじゃないですか」
ひでり「まあ、その、もし一位になれなかったら…」
美雨「なんて、ひでりちゃんらしくないって、私は思いますよ」
ひでり「そうですね!絶対僕は人気!ですよ!」
美雨「その意気です!」
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――一週間後――
ひでり「はぁー、今日の仕事も終わったぁ〜」
美雨「そういえば、今日は人気投票最終日でしたね」
苺香「遂に、その日がやってきましたね!」
麻冬「一週間なんて、過ぎてしまえばあっという間だったわね」
夏帆「もぉ〜、私は緊張してしょうがなかったよ〜」
紅葉「閉店間際に俺と店長で必死で集計しといたぞ」
苺香「あの、ここにあるダンボールはなんですか?」
紅葉「それは全てのアンケート用紙だ、見たい奴は後で適当に見てくれ」
店長「そうデス!…では、結果を発表しマス!」
店長「デレレレレレレレレ…」
紅葉「いや、ドラムロールとか良いから、早く発表しろよ」
店長「発表しマス!一位は!」
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店長「神崎ひでりサンです!」
ひでり「えっ…!本当に、僕が一位ですか!」
美雨「おめでとうございます、ひでりちゃん!」
ひでり「ゆ、夢オチとかじゃないですよね!」
紅葉「神崎、ここは現実だぞ」ギュー
ひでり「可愛い僕の頬を引っ張らないでください!でも痛いってことは、現実ですね!」
麻冬「まあ言い出しっぺが最下位とかだったら、恥ずかしかったでしょうしね」
美雨「ひでりちゃん、最近では一番宣伝を頑張ってましたからねー」
店長「苺香サンが一位じゃないのは悔しいデスが…」
紅葉「まあ店長も神崎も、そんなランキングでマジになるなって」
店長「そうでしたね、これを機会にアンケートを書いてもらうのが目的デスからね」
紅葉「じゃ、第二位発表しようぜ」
ひでり「あ、僕ぅ、第二位から先興味ないんで、先に帰ってて良いですかぁ?」
店長「帰るのは勝手デスが、アンケートは読んでいかなくて良いんデスか?神崎さんへの感想が書かれてイマスよ?」
ひでり「そうですね、じゃあアンケートを読んでから帰ることにします!」
ひでり「……」
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――翌日――
ひでり「こんにちはー」
店長「神崎サン、こんにちは」
美雨「あらひでりちゃん、こんにちは」
ひでり(昨日の雰囲気とはまるで違う…)
ひでり(いや、これが日常だ。人気投票なんて次の日には忘れて、いつものスティーレに戻っている)
ひでり(だから僕も…)
―――
ひでり「いらっしゃいませー!」
客A「?…ひでりちゃん、今日もかわいいねぇ!」
ひでり「ふふ、ありがとー!」
客A「えっとじゃあ…この前と同じパンケーキで!」
ひでり「はい、パンケーキで…かしこまりました」
客A「…?」
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――数日後――
店長「確かにアンケートが増えてほしいとは言いマシタが…」
紅葉「人気投票以前より増えすぎだろ!もう投票は終わったはずだぞ!」
店長「まあ良いデス、空き時間を活用して読んでいきマショウ」
…
紅葉「なあ、天野」
美雨「はい、なんでしょうか」
紅葉「最近、神崎の様子がおかしかったりとかないか?」
美雨「どうして私に?」
紅葉「天野が一番神崎のこと知ってそうな気がして」
美雨「そうですねー…最近、ひでりちゃん特有の元気が、薄れたような…どこか普通な接客になってるんですよね」
紅葉「普通な接客?」
美雨「はい、何か、抑え込んでるような…少なくとも人気投票以前のひでりちゃんではない気がするんです」
紅葉「あいつ、一位を取ってあんなに喜んでたのに、何があったんだろうな…」
紅葉「今度、あいつと二人の時に、鎌をかけてみてくれないか?」
美雨「分かりました」
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あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
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――休憩室――
ひでり「……」ハァ…
美雨「バーンッ!」
ひでり「びっくりしたー!突然入ってこないでくださいよ!」
美雨「突然って、私はただ休憩を取りに来ただけですよ」
ひでり「そうですか……」
美雨「…何か、あったんですか?」
ひでり「何がですか」
美雨「ひでりちゃんのことですよ、秋月さんから聞いたんです」
ひでり「秋月さんから?何を?」
美雨「最近ひでりちゃんを心配するアンケートが多いって」
ひでり「ぼっ僕は心配されるようなこと、何もないですよ!」
美雨「もしかしてスティーレだと、話しにくい事ですか?」
ひでり「……」
美雨「だったら今夜、うちに来てください!なんでも相談、のりますよ」
ひでり「…はい」
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――天野家――
ひでり(結局、なりゆきで来てしまった)
ひでり「美雨さん家、温かいですね」
美雨「冬は温かくないと、風邪ひいちゃいますからね」
美雨「…ゆっくりしていってください、悩みは、話したい時に話してください」
ギューッ
美雨「どうしたんですか?突然抱きついて…」
美雨「私の体の方が、温かいですか?」
ひでり「…実は」
ひでり「アンケートに書いてあったんです、露骨に媚びるなとか、自信過剰なぶりっ子だとか…」
ひでり「批判されると自信がなくなって、媚びずに普通の接客の方が受けがいいのかなと思ったりします」
ひでり「勿論、一位になれたのは嬉しかったですし、応援メッセージもいっぱいありました」
ひでり「でも、やっぱり批判されると、ちょっと辛くって…」
ひでり「わかってるんです、僕が本当のアイドルになったら、今以上にアンチから叩かれることは」
ひでり「でも、今の僕じゃちょっとああいう言葉は、受け止めきれなくって…」
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美雨「…ひでりちゃんは、媚びてないですよ」
美雨「…若いうちからアイドルになる夢を追い求めて、一生懸命接客してる、それがひでりちゃんです」
美雨「むしろ、そんな自分を隠して、普通の接客をする方が私は余程、アンチに媚びてると思いますよ」
美雨「上を目指そうとすればアンチは増えます、でも、それ以上に応援してくれるファンも増える、それが人気になるってことだと思います」
グスッ…
美雨「私の胸の中で、泣いてるんですか?」
美雨「…良いですよ、今は気が済むまで泣いてください」
美雨「その分、明日からはいつも通りのひでりちゃんを、お客さんに見せてあげてください」
ひでり「…はい」
END
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(批判するやつはかかって)来いすか?
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Bさん最近ボキャブラリー増えたと思ったけどやっぱり語彙貧弱ですね…
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オチがないけどたまにはいいですね
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タイトルからいつスマブラが始まるのかと思ったけどええ話やこれは……
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最下位は最下位はないっての所で不穏な空気を感じましたがよかったですね
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(ひでりきゅんの得票数は)120くらいじゃないすか?
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――また翌日――
ひでり「おっはようございま〜す!いつも元気なひでりんですよ〜?」
紅葉「…おい、こいつ誰だ?」
店長「ちょっと存じ上げないデスー…」
麻冬「新入りの子じゃないかしら」
ひでり「なんですか皆!今日も可愛いひでりちゃんじゃないですか!」
美雨「あ、ひでりちゃんおはようございます」
ひでり「美雨さ〜ん、あの三人がぁ、僕のことをないがしろにしてくるんですぅ〜!」
美雨「ひでりちゃん、あまりに態度が大袈裟に変わると、それはそれで引かれますよ」
ひでり「どういうことですか!昨日は家で優しく慰めてくれたのに!」
美雨「何事も加減は大事ですからね…」
麻冬「あら、『家で優しく慰めてくれた』って、どういうことかしら?」
紅葉「店長〜、誰とは言いませんが、うちで働いてるHさんが昨日Mさんに不純なことしてたみたいっすよ〜」
店長「それは由々しき問題デスね〜?神崎サン」
ひでり「ふ、不純なことなんてしてませんよーっ!!」
美雨「ふふっ…これでこそ、いつものひでりちゃんですね♪」
本当にEND
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やっぱりひでりちゃんがナンバーワンですね
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