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ヴィクトリア朝の家事使用人について解説します
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なお主なソースは森薫のエマな模様
まずは上級使用人から
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ダウントン・アビーいいゾ〜
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・家令
よく執事と混同されますが物の本に「古くは貴族の長男が務めた」とあるように本来の役割は「主人の代理人」だと思われます
戦前の華族の家にもこういう人がいてお金のことはなんにもわからない旦那様や奥様の代わりに家の経済の一切を取り仕切っていたそうです
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よし、じゃあぶち込んでやるぜ(第一次世界大戦)
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あいついつもメイド書いてんな
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>>5
今は描いてないから・・・
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・執事
家令のいない家では家令の役割を兼ねる上に従者のいない家では従者の役割をも兼ねるので
「お屋敷の管理から主人のお世話までなんでもこなせるスーパー使用人」
のイメージがありますが本来の役割は料理の給仕や食器、酒類の管理だと思われます
というか、食事をメインに客人の歓待など「外向きの仕事」を取り仕切る立場であると考えるとわかりやすいかもしれません
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・従者
多分ホモのみなさんが考える「執事」まんまの役割です
男性の主人に個人秘書として仕え身の回りのほとんどありとあらゆるお世話をしました
以下は、執事に昇格した従者の言葉で、両者の役割の違いを物語っています
「出来ることなら、旦那様のことだけ考えていればよかった従者の頃に戻りたい
執事になったら屋敷の隅々まで目を光らせていなければならないし、他の使用人からも嫌われる…辛い…」
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・家政婦
執事が家の「外向きの仕事」を取り仕切るのに対し、家政婦は掃除や洗濯など「内向きの仕事」を取り仕切りました
ただ「少し裕福になったら『執事』と『メイド』を雇いたいなあ」という当時の認識からすると
執事と違っていないならいないでメイド頭あたりが近い役割を担っていたのでは?という気もします
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・侍女
女版の従者であり、わかりやすく言うと「お付きのメイド」です
オルフェンズのフミタンなんかのポジションですね
フィクションではお嬢様に専属執事(というか、従者)が付くことがありますが
実際は女には女の使用人が付いていたはずです
普通のメイド(日本語では女中)と違ってメイド服を着たりはせず主人のお下がりで着飾っていたそうです
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思いつきで始めたけどこれ需要ある…?(不安)
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ここにいるぞ
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・シェフ/コック
先ほど掃除や洗濯は家政婦が取り仕切ると説明しましたが
こと料理のみは専属のシェフやコックが奥様の直属として取り仕切りました
今からすると結構意外かもしれませんが料理人はほとんど女のコックだったそうです
理由はよく知りません(浅学)
男が料理することに抵抗があったとかそんな理由でしょ(適当)
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止めるんじゃねえぞ……
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コイン飛ばしはいつ習うの?
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続けたまへ
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面白い
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Amazonプライムに入会すれば
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全部無料で視聴できます
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>>10
ハイジのロッテンマイヤーさん(だっけ?)もコレですかね?
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>>13
これマジ?知らなかった…そんなの…
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・家庭教師
住み込みで働くお坊ちゃまの教育係ですがフィクションと違って不細工なおばさんが好まれました
理由は美人だと教育に悪いからです(本当)
どうも執事や家政婦などの命令系統から独立していたり供給過多だったりで
どのお屋敷でも待遇はあんまりよくなかったみたいです
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これは良スレ
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家庭教師の説明で市原悦子が頭に浮かんできた
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筆下ろしは!?
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主人のおさがりを着る侍女…昂ってきた
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・乳母
子供の世話係です
貴族の子供は子育てのほとんど大部分を乳母任せにしていた(子育てって大変!)ので自然と子供は乳母に懐くことになりました
職業上、子供に嫌われたらクビになってしまうのでどうしても甘やかしてしまうというのも理由の一つだったそうです
みんな優しい乳母が大好きなので年を取ったらお屋敷にお部屋を貰ってお坊ちゃまから面倒を見てもらえる乳母なども結構いたとかいう話もあったりします
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主な上級使用人は以上です
他にも上級使用人はいるっぽいけどマイナーなので割愛
次は下級使用人です
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黒執事ではコックは男でしたけどあれは珍しいんですね
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>>24
実際筆下ろしはあったのだろうか…?
博識のホモがいたら教えてくれ!
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当時フランス辺りで修行した経験のある料理人はクッソ高給で雇われたそうですね
料理に定評がないイギリスだから納得できる
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・フットマン
雑用係です
上記した「小金持ちになったら執事とメイドが欲しい」という言葉の通り必須の存在ではなく
見た目のいいイケメンを揃えて他人に自慢するために雇われました
なお、時代がくだるとイケメンはもっと安く雇える美女に代わりました
それがパーラーメイドです
パーラーメイドは家事や洗濯をしないおもてなし専用のメイドで見目麗しい美女が選ばれました
侍女と合わせて気の利いたフランス人美女が優遇されたとかなんとか
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・メイド
少し長くなります(無類のメイド好き並感)
言うまでもなく19世紀のロンドンには掃除機も洗濯機もないわけで
家事炊事はすべて人力で行われていました
一口にメイドといっても役割は細分化されており
掃除や部屋の片付けなどをするハウスメイド
コックの下で働くキッチンメイド
洗濯(家が広いのでもの凄い数の洗濯をやるんです)専門のランドリーメイドなどがいました
最下級は台所でひたすら皿を洗い続けるスカラリーメイドで手があかぎれで血だらけになったとか
フィクションでは入り口にズラリと並んで「いらっしゃいませ」と主人や客人を出迎えるメイドさんですが
実際には「メイドは妖精と同じで見えない方がいい」という考えもあり
使用人専用廊下を設けられるなどしてほとんどお屋敷の主人と顔を合わせることがないというところもありました
あと名前を覚えるのが面倒なので「ハウスメイドは全員メアリー」ということもあったとか
エマではエマは「エマ」と呼ばれていますが、エマというのは結構響きのよい名前なので
お屋敷によっては「貴族みたいだから別の名前に変えてちょうだい」されても文句は言えなかったと思います
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実際に使用人やってた人の書いた自伝では
メイドのヘアカーラーを巻いている髪の毛が大好きで
時々こっそりメイドを呼び出しては巻いた髪の毛を触らせてもらってお駄賃を上げる(それ以上のことはしない)っていう
貴族の人がいたとか・・・
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>>13 南北戦争以前のアメリカ南部でもコックは黒人奴隷のおばさんがやっていたって話を聞きますね
だから今でもアメリカ南部で「お袋の味」を想起させる為に
黒人のおばさんが好んで商品イメージに使われるとか
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メイド・オブ・オールワーク
最後はエマやシャーリーでおなじみのメイド・オブ・オールワークです
掃除機も洗濯機もない時代にたった一人で料理を含む家事をこなし
朝から晩まで働き詰めた挙句、家族からは「お金は払っているんだから」とこき使われる辛い職業でした
メイドを一人雇うので精一杯の貧乏で心まで貧しい雇い主から奴隷同然に扱われ
家族の輪からは仲間はずれにされるなど非常に可哀想な存在だったようです
シャーリーも前の家ではそんな感じに扱われていたのかもしれません
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主な家事使用人の説明は以上です
あと庭師とかもいますね
映画やアニメでオーバーオールのつなぎを着た老人がバラの咲き乱れる庭を案内……という光景を見たことのある方も多いのでは
花を育てる専門技能に加え客人の案内をするのでそれなりの教養が求められました
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何か質問などあればどうぞ
なお答えられるかどうかは
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えっちはないんですか!
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爵位持ちの家の使用人の人数とかどれぐらいなんですかね?
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メイドが夜の相手もしてたってのは風説らしいですね
主人に劣情を抱かせないため、露出の少ない地味なユニフォームやロングスカートを着用していたと聞いたことがあります
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>>38
麻袋に女を詰めて穴を開けてセックスしてた話する?(適当)
>>39
100人以上いるお屋敷もあったそうですが複雑な組織があったというよりは
上で説明したうちフットマンとメイドが増えただけという感じですね
いるところには副執事とかもいましたけれど
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はーつっかえ!
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>>41
いちゃラブ麻袋プレイすき
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なんか落ちないし引き続き貴族のお屋敷の間取り解説でもしようかと思うんですが
使用人以上に需要ない…?なくない…?(不安)
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ダイニングルームとキッチンが可能な限り離されていたってのは聞いたことありますが
それ以外になんかあるんですかね?
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挙げられてない使用人だと狩場の管理人とか結構地位が高かったとか聞いたことがありますね
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>>45
個人的に面白いのはロングギャラリーですね
100m続く真っ直ぐな廊下に美術品や本棚(本棚の方があと)がぎっしり並んで雨の日は
貴族が運動のために廊下を往復して散歩しました
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>>44
需要ありますよー
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今メイドものエロかいてるのでありますあります
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>>44
ええぞ!ええぞ!(賞賛)
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・大広間
今手元に資料がないのでうろ覚えになりますがルネッサンスなど中世の時代には
家には大広間があるだけで主人も使用人もみんな一つの部屋で雑魚寝していました
部屋がいろいろな形に分かれるのはもっとあとの時代になります
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エマ・ヴィクトリアンガイドでは屋敷の構成まではフォローしてなかったと思うので興味ありますあります
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・広間
大広間に集約されていた機能が各部屋に分散し、大広間自体は「玄関広間」に姿を変えると
玄関広間の奥には舞踏会などを開くための広間が改めて作られるようになりました
結構知識がガバガバでこれを晩餐室として使うような資料もあれば食事をする必要のない部屋だから
高価な壁紙や調度品などで飾り立てられた特別な部屋として扱う資料などもあるようです
大きなお屋敷には「晩餐室」と「舞踏室」が別々に存在することもあった、ということなんじゃない?(適当)
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>>51
ベッドだらけの部屋になるなあ
向こうに布団床に敷いて寝る文化は無いんだろうし
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・談話室
言うまでもなく部屋の役割はお屋敷ごとに様々でした
談話室は家族団らんの部屋ですが図書室を兼ねている場合が多かったようです
暖炉が燃え、壁際には本棚に詰まった本がたくさん、というのが談話室の一つのイメージですね
ちなみに図書室と似た部屋には主人の私室としての書斎もあります
こちらにも本棚に本がぎっしり詰められていましたが
「客を驚かせるためのものだ。私は一冊たりと読んだこともないよ」
という貴族もいたようです
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>>54
天蓋カーテン付きのベットはその時代の名残
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>>54
なんか藁とか敷いてたんじゃなかったかな?(うろ覚え)
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勉強になる良いスレだぁ…(恍惚)
やっぱり解説スレはこうでなくちゃ!(UDK姉貴)
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・晩餐室(正餐室)
先ほど大広間の機能が各種部屋に分散したと説明しましたが、食事の機能を移されたのが晩餐室です
ただし、これはやっぱりお屋敷ごとに違いがあって
客人が来た時は広間で盛大な晩餐を開くから晩餐室は家族で食事を取る場所、という家もあったそうです
なので実際資料を見るとみなさんが考えているよりは結構小じんまりした部屋だと感じるかもしれませんね
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・朝食室
なんと貴族の家には食事のための部屋が二つ(ないしそれ以上)あります(驚愕)
朝食室は東や南向きの日当たりのよい場所に置かれ
ガラス張りの温室などとも通じていました
まあ朝食は自分の部屋で取る人とかもいたんですけどね
場合によって(独り身の貴族など)は夕食も小さな部屋でひっそりと取っていたそうです
だだっぴろい食堂が嫌いな貴族もいました
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・応接室
日本でいえば「お座敷」にあたるような部屋で晩餐室での食事のあとに客人をもてなすなどした場所でした
この場合は、お屋敷で一番よい部屋で高価な調度品が並べられていたので子供が入ることを禁じられたりもしました
が、朝食室のないお屋敷では朝食室として使われて女主人が編み物をするくつろぎスペースになっていたりもします
個人的には「朝食室(=居間)」「応接室(=お座敷)」で二つが兼用のお屋敷は居間で客人をもてなしていたのだと理解するのがいいと思います
誰か博学のホモがいたら説明してくれ!
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・ビリヤード室
女性が応接室でお茶を楽しむ間、男はこの部屋で酒と煙草を楽しみながら歓談しました
なので、応接室は女性向け、ビリヤード室は男性向けの内装となっています
ビリヤードを楽しむ部屋というよりは男性版応接室ということでいいんじゃない?(適当)
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NaNじぇいとは思えない良いスレだ
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・上級使用人食堂&使用人食堂
先ほど貴族の家には食事のための部屋が二つ以上ある、と説明しましたが
家族と使用人の食堂は当然分かれていましたし
なんなら上級使用人と下級使用人の食堂も別れていました
使用人食堂は半地下や地下などにありじめじめとして日当たりが悪かったそうです
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このスレ読んでると、今日の夢にメイドと執事が出てきちゃいそう!(期待)
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・使用人部屋
使用人の部屋は半地下(高い場所にある窓から一応日差しが入る)や地下や屋根裏部屋や個別の棟にありました
男女は使う階段なども明確に区別され行き来することはできませんでした
多分執事や家政婦が目を光らせてたんじゃないかな?
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・台所
臭いや煙の問題から半地下や地下あるいは本館から遠く離れた場所にありました
言うまでもなく薪で火を起こしているわけで客人があるとなんというかもはや戦場でした
クリーム泡立て専門メイドみたいなのがいて泡だて作業のし過ぎで腕がめっちゃ太くなったそうです
台所は完全にコックの統制下にあり誰も口出しできませんでした
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小林さんが立てたスレ
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・洗濯室
100人以上使用人がいれば100人分の洗濯物が出るわけで
洗濯には専門の部屋どころか専門の建物すらありました
そういうわけでどうも洗濯メイドは本館に寄り付かないので他と違った連帯感がある気がします
いや、そんなこと言ったらハウスメイドやキッチンエイドも各々の職場から離れることはないんですけど
でも洗濯棟が位置的に実際本館から遠いのでそう思えるのかもしれません
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・寝室
主人の寝室がもっともよい位置にあります
内装は個人の好みに合わせて様々ですね
手紙を書く小さな机があったり
建築様式によっては「廊下」「次の間」「寝室」という具合に使用人が待つ次の間があったりもするようです
次の間がある場合はそこで朝食などを取っていたんじゃないかな(個人の感想)
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他、音楽室や温室、衣装室などのあるお屋敷もありますね
日本との違いでいえばお風呂がある家は珍しいんじゃないかな
図面にバスルームがある部屋ってどうも見たことがない気がします
最後に建築様式の違いをざっと追おうかと思います
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本棚から資料が見つからない(ガバ)
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建築様式なんかお屋敷の本質とは無関係だし…(震え声)
解説は以上で終わりです
博識のホモがいたら補足説明オナシャス!
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玉も竿もでけぇなお前(賞賛)
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お貴族の旦那様/奥様って本当に使用人の一人や二人殺して犬の餌にしてもバレへんの?
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>>75
バレるバレない以前にバレたところで裁判所の判事は全員貴族なので有罪は出ないんじゃないかな?
当時の貴族は働かないことがステイタスでしたが政治家や判事や医者(内科医)なんかは紳士の仕事として認められていたそうです
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鬼畜眼鏡執事がお嬢様に手をつけたりすることってあったの?
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>>76
マジっすか…?
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あっ、そうだ(唐突)
英国貴族といえばハリー・ポッターで有名なパブリック・スクールに興味もある人も多いのでは?(願望)
と思いましたがさすがに時間おそすぎますね…
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>>77
うーん、確かに執事は長身でイケメンな人間が選ばれるんですが
貴族からすると爵位も持ってない金持ちでもない人間はそもそも「同じ人間」ではないわけで
執事と恋愛関係になるのはどうなんでしょうね
と思いましたが女王と執事の恋愛ゴシップとかあるんで普通にありえるのかもしれません
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>>80
はえ^〜ガチガチの身分制度でもイケメンチンポには勝てないんすね〜
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ヤプーみたいな使用人になりたかった
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ちょっと読み返すと「メイド長」と「副執事」の解説がなかったので簡潔に
メイド長は「ハウスメイド長」「キッチンメイド長」「ランドリーメイド長」という具合に
家政婦の下で専門部署を統括する中間管理職だと思うとわかりやすいと思います
有名な十六夜咲夜さんはメイド長よりどっちかというと家政婦な気もしますね
副執事もあんまり資料がありませんがメイド長と同じ感じだと思います
家によっては高齢の執事に代わって実質的な現場指揮官になったりもしていたのでは?(曖昧)
他には上級フットマンとか上級メイドとかもいますが新人社員と主任くらいの違いだと思います
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こういうためになるスレすき
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旦那様が可愛いメイドに手を出す事は実際あったんでしょうか
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