初日はろくな仕事もないし、かと言って話すこともないしで、りーさんと二人押し黙ったまま図書室のカウンターに気まずく座ってたい
そのうち沈黙に耐えきれなくなって返却コーナーから適当に手に取った本を読み始めたら、りーさんから「なに読んでるの？」って優しく話し掛けられたい
突然声掛けられたことにビビって「え、あ、なんか目についた本」みたいなクソつまんない返しをしちゃうけど、「ああ、これね。ちょっと文体古いけど結構面白いのよ」と難なく切り返されてそこから読書トークで大盛り上がりたい
何度も図書委員の担当日を繰り返すうちにお互いの本の趣味が近いこととか意外と家が近所なこととか色々わかりはじめて、だんだんりーさんに淡い思いを持ち始めてた先にとうとう話の流れで2日後の学校帰りに一緒に古本市に寄ることになりたい
そんな次の日、前の席のあまり話したことないチャラ目の男子生徒から突然「お前若狭と仲良い？」とか聞かれて内心二重にどぎまぎしつつも「いや、普通に話すくらい」って返したい
そしたらチャラ目の男子生徒がその場でスマホをポチポチしはじめて「すごくね？」と何の悪気もなさそうに見せ付けてきたその画面に表示されてたのはそいつとりーさんのハメ撮り写真で頭のなか真っ白になって脊髄に液体窒素を流し込まれたみたいにサッと全身が冷たくなってそんな中でなんとか作り笑いで「すげーね(笑)」と情けない返事を返したい
ひとたびひびが入れば二度とは二度とは…