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アクア「ねぇカズマ」桐生一馬「何だ?」

1 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:02:54 ccwa6uaU
アクア「どうすんのよコレ。私たちお金も食べ物も住むところも何もないのよ。いきなりこんな所に道連れで連れてこられて一体どうすりゃいいっての!?」

桐生「お前は仮にも女神なんだろ?金ぐらいその気になればすぐに出せるとか、ないのか?」

アクア「ないわよ!女神はマジシャンじゃないの。本当になんてことしてくれんのよこのヤクザ崩れが。よりにもよって女神を持っていくものに選ぶなんて……」

桐生「あー、その、すまなかったな。とりあえず、街を回ってみるか。何か役立つ情報が得られるかもしれない」

ーーーー情 報 を 集 め ろーーーー


2 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:04:04 WUM1gt2c
運が悪かったんだよ……お前等は


3 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:04:25 IlGMoEIg
ソーサリー並に治安悪い異界ファンタジーになりそう


4 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:06:05 IBrUlP2w
(ウィズの店で敵の頭を棚に突っ込んで)温めよろしくぅ!(爆発)


5 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:07:39 I/k18KIc
土方から堂島組を興して建設業界でビッグになりそう


6 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:08:26 tzrINPAA
飛び掛かってくる虎を素手で撃墜する人だしあの世界だともっとヤバくなりそう


7 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:09:01 ccwa6uaU
桐生「要は、この世界の裏社会を牛耳ってる魔王ってのを潰せばいいんだな」

アクア「そうよ、でも丸腰じゃたどり着くこともできないから、まずは冒険者ギルドで登録する必要があるわ」

桐生「そうか。あまりまどろっこしいのは苦手だが、この世界のルールに従うとするか。ギルドへ向かおう」


8 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:09:31 q5tgWTBg
真島の兄貴がどこからか参上しそう


9 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:25:12 ccwa6uaU
アクア「ギルドを追い出された……」

桐生「お前が大声で騒ぐからだろう」

アクア「だって……ッ、冒険者として登録するにもお金がいるなんておかしいじゃない!クエストの受注もできないのにどうやってお金を持ってこいっての!?」

桐生「金を稼ぐ手段はそれだけじゃない。何か他の方法を探すしかないな。アルバイトとか」

アクア「この世界のバイトって何するんだろ。何か知るのもおぞましいような……」

??「オイ兄ちゃんたちよぉ」

桐生・アクア「ん?」

チンピラ「何だか知らねえけどせっかく人が気持ちよく昼寝してんのにそう近くで騒がれちゃ耳障りだぜ」

桐生「そうか、すまなかった」

チンピラ「オイオイどこ行こうってんだ。こっちは中途半端に起こされて頭ギンギンしてんだよ。あーいってえなぁ」

アクア「うわぁ、こんな典型的なの久し振りにみたわぁ。もはや絶滅危惧種でしょ」

チンピラ「仕方ないから一発殴らせろや。心配すんな。お前がダウンしたらこっちの綺麗なねぇちゃんは俺が面倒みてやるよ」

桐生「おい、アクアっつったか」

アクア「なに?」

桐生「どうやら登録手数料はすぐに手に入りそうだぜ。アルバイトはまた今度だ」

チンピラ「いくぞおっさん。死ねやぁ!」

ーーーー襲いかかってくる敵を倒せーーーー


10 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:26:34 IlGMoEIg
ゲーム本編に比べれば理由があるだけ好感持てますね(麻痺)


11 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:28:04 /VS3iSHQ
桐生「ほら、チンピラから五万巻き上げたから松屋で何か食って来い」


12 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:36:57 W2w9fKho
なろう主人公より説得力のある無双をしそう


13 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:38:17 k2XGWs3.
6終了後ならどこにいてもおかしくないんだよな


14 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:43:31 ccwa6uaU
ーーーー3000エリスを手に入れたーーーー

受付嬢「登録料はお一人あたり1000エリスです」

桐生「これがこの世界のマイナンバーカードか」

受付嬢「マイナンバー?」

桐生「……なんでもない、とりあえずこのカードに触れればいいんだな」

受付嬢「はいお願いします、ってうわっっっ!えっと……、キリュウ、カズマさん?ですか?」

アクア「ん?なになにどうしたの?」

受付嬢「……筋力、生命力、敏捷性のステータスが凄いことになってます。始めてですよ!登録前からこんな高い数字を見たのは」

桐生「そ、そうか。で、俺はどんな職業になれるんだ?」

受付嬢「あ、でも幸運のステータスがすごく低い」


15 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:50:07 ccwa6uaU
桐生「……そんなものまで数値化されるのか。この世界じゃ運も運ではないってことか」

アクア「まぁその分ステータス上げりゃラッキーなことばから起こるってことだし、一長一短でしょ」

桐生「なるほどな。じゃあどの職業にするかだが……、」

受付嬢「剣士(ソードマスター)なんかはどうですか?これだけの基礎体力があれば、きっと活躍できますよ」

アクア「聖騎士(クルセイダー)なんかもいいわね」

桐生「職業によって同じスキルでも習得するのに必要なポイントが随分と違うんだな」


16 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:52:19 ZRvUlQLc
なんか続いてる!


17 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:55:11 11dVrfFA
職業に極道はあるんですかね…?


18 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 22:57:40 IBrUlP2w
魔王軍が極道みたいなもんやし…


19 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:06:58 6c9GoeM6
なんでもなれそうですね


20 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:08:28 ccwa6uaU
アクア「で、結局最弱職の冒険者ってわけ?」

桐生「最初からいろんなスキルを覚えてるってのが妙にむず痒くってな。満遍なく多種多様なスキルを習得するためにも、初めは何もないほうがいい」

アクア「偏ったジャンルのスキルばかり覚えて、弱点が出ないようにってこと?まぁアンタなら素の状態でも十分強そうだけど」

桐生「せっかく違う世界に来たんだ。できるなら全てのスキルを習得したい」

アクア「そういやアンタチンピラ倒したとき何かすごい技使ってたわね。ん?冒険者カードに何か書かれて……、虎落とし・極?なにこれ?」

桐生「俺が生前小牧のじいさんから教えてもらった技だ。使いこなすにはコツが必要だが、強力だぜ」


21 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:16:25 ccwa6uaU
桐生「お前のアークプリーストってのは何だ?」

アクア「ふっ、聞いて驚きなさい。アークプリーストはあらゆる回復魔法と支援魔法を使いこなし前衛に出ても無類の強さを誇る万能職よ」

桐生「ほぉ……、」

アクア「ラッキーだったわねカズマ。これで私たちに敵はないわ。好きなだけ崇め奉りなさい!」

桐生「それは頼もしいな、いざというときは頼りにさせてもらおう」


22 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:19:10 ZVqCTVSc
このカズマは死なないでしょ


23 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:21:15 UfOzspCQ
面白い。続けてほしい。


そのうち真島の兄さんが次元の壁をぶち破って現れそうだな。


24 : KMRカレーうどん :2017/03/22(水) 23:23:12 ???
なんか真島の兄ちゃんはなんの説明も無しでいそう


25 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:26:16 KIPJD5io
アクア様が回復やればムービー攻撃受けてもへーきへーき


26 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:26:22 ccwa6uaU
桐生「ふぅ、肉体労働も悪くないな」

アクア「ゼェ……ゼェ、ち、ちょっとカズマ。アンタどうなってんのよ。2時間土嚢を運び続けても息一つ切らさないなんて」

桐生「体力には自信があるんだ。今まで色んな仕事をしたことで、忍耐力も鍛えられた」

親方「ほぉ、一体どんな職歴なんだ。アンタほど根性と体力がある人は初めてだよ」

桐生「養護施設の管理人に不動産、タクシー運転手。他にはラーメン屋やアイスクリーム屋、ファーストフード店でバイトしたこともある」

アクア「一番重要なのが抜けてるじゃない」

桐生「余計なことは言うな」


27 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:35:35 c3gYxBfs
龍が如くやったことないけど面白いです(小声)


28 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:37:48 UFBiSuw.
>>26
小野ミチオくん役かな?(すっとぼけ)


29 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:38:00 ccwa6uaU
アクア「そろそろ単純労働にも飽きたわね」

桐生「そうだな。せっかく冒険者になったんだ。適当なクエストでも受けてみるか」

アクア「さぁ、女神アクア様の本領発揮よ。その活躍、しかと目に焼きつけなさい」

ーーーーギ ル ド へ 向 か えーーーー


30 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:39:14 WUM1gt2c
妙に淡々としたアクア様すき


31 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:42:34 8Jr5c682
真島の兄さんがエリス様と一緒に現れて、真島・エリス組と桐生・アクア組の抗争が起こりそう


32 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:47:44 UfOzspCQ
6で以前とは違って武器屋がなくなった、武器を買って持ち歩けなくなったのは、

桐生ちゃんが(一応)カタギになったからだと思ってる。
本気で真っ当にくらすならこれ以上銃刀法
なんかに引っかかるわけにはいかないし。


33 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/22(水) 23:58:10 ccwa6uaU
アクセルの街郊外の平原にて

桐生「今日のクエストはジャイアントトードーとかいうデカイカエルの討伐らしい」

アクア「どんなモンスターが来ようがこのアークプリースト様の敵じゃないわ」

桐生「頼もしいが、油断はするなよ」

桐生「(こうやって誰かと共闘するのも南雲以来か)」

アクア「おっ、現れたわ。さぁ!このアクア様が蹴散らしてくれるわよ」

三分後

アクア「ガズマァ!だずげでぇ!コイツぬるぬるするぅ」

桐生「何だったんださっきまでの威勢は。まだ南雲の方が役に立つぞ」

アクア「誰よソイツぅ!いいから早くなんとかして!」

桐生「仕方ないな」


34 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 00:04:23 .lMzsbEM
怒りゲージMAXのジングォン派の集団と1人でやりあう度胸のある南雲さんをバカにしてはいけない(戒め)

その後でソープに行ってたけど。


35 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 00:08:23 .1Fv39XY
カエルの攻撃をスウェイで避け、弾き打ちを放つ桐生。しかし……

桐生「うおっ!打撃が跳ね返されただと。思ったより皮と脂肪が厚いな」

アクア「カズマ!頭を狙いなさい。頭を揺さぶられりゃ、さすがに耐えられないはずよ」

桐生「なるほど……、」

だが、相手は牛をも上回ろうかという巨体、一発や二発当てたところで、反撃を喰らうだろう

桐生「ならば、ふんっ!」

桐生はラッシュスタイルにチェンジした!


36 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 00:21:42 .1Fv39XY
桐生「オラオラオラオラ」

並外れた速度でジャイアントトードの頭部に打撃を与えていく桐生

アクア(粘液まみれ)「うっわー何あれ。なんか紫のオーラみたいなのも出てるし」

桐生「終わりだぁ!」ラッシュの極み

ドスンという重低音と共に、巨大なカエルが裏返しになった

ギルドにて

アクア「仲間を募集しましょう」


37 : ウイイイイイイイイイイイイ↑ッス!どうも、名無しで〜す! :2017/03/23(木) 00:25:26 ???
馴染むな馴染むな


38 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 00:25:44 OYeFblnQ
https://www.girlsheaven-job.net/10/yubou_kuraya/


39 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 00:32:35 .1Fv39XY
桐生「何故だ?俺達だけでも十分やっていけそうだが……、」

アクア「アンタは返り討ちにできるけど、私は襲われまくってるの!カズマがモンスターを倒してる間、私を守ってくれる僕が必要なのよ」

桐生「全部任せておけって啖呵切ったのはどこのどいつだ。要するに囮か」

アクア「そうよ、もう一人の仲間が敵を引き付け、カズマが倒す。そして私は後方から回復魔法で援護する。これほど完璧な作戦はないわ」

桐生「だが、どうやって勧誘する?というかそんな役割だと知らされて引き受けてくれる奴なんているのか?」

アクア「強くなるためには持ってこいだとか。それっぽい理由並べればいけるでしょ。そうと決まれば張り紙よ!こういうのはインパクトが大事だから……、」


40 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 00:44:28 .1Fv39XY

パーティー名・桐生会 求める人物像・強くて逃げ出さない人 コメント・死にてえ奴だけ応募してこい!

桐生「……、」

アクア「どう?完璧でしょ?」

桐生「……いくつか聞きたいことがある」

アクア「ん、なに?」

桐生「桐生会ってのは?」

アクア「アンタが組織してたギャングチームの名前に決まってるでしょ。JUSTIS、だっけ?なんか神室町で幅効かせてたチーム取り込んで、随分と大所帯だったみたいじゃない」

桐生「この宣伝文は何だ?」

アクア「かっこいいでしょ?やっぱここぞって時は、人間迫力ある台詞が出ちゃうものなのねぇ」

桐生「……お前は、俺が便所に行った回数まで知りつくしてるのか?」

アクア「女の子相手にそんなこと言わないでよ。まあ調べようと思えば調べられるけど」


41 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 00:54:44 .1Fv39XY
アクア「例えば、あんたが永洲のキャバクラ嬢とのアフターで……、」

桐生「じゃあな。これからはお互いソロでやっていくとしよう」

アクア「ま、待って待って!分かったから!もう過去の事は言わないから!頼むから見捨てないでぇ」

桐生「ったく。女神ってのは他の奴もこんななのか?」

アクア「え、エリスとかは全然性格違うけど、っていうかこんなって……、酷すぎよ。仮にも女神なのに」

桐生「なら女神らしくもっと慈悲を振り撒いてくれ。……、それより張り紙だ。こんなのに応募してくる奴なんてーー」

??「あのー、すいませーん」


42 : あらたそ派 :2017/03/23(木) 00:57:45 ???
6もキッチリやってるんですね・・・


43 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 01:13:27 .1Fv39XY
??「冒険者募集の張り紙を見て来たのですが、ここであっていますか?」

アクア「その赤い瞳……、もしかして、あなた紅魔族?」

めぐみん「いかにも!我が名はめぐみん。アークウィザードを生業とし、最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者!」ドンドン

アークウィザード英才教育機関主席
ーーーーめ ぐ み んーーーー

めぐみん「我は紅魔族随一の魔法の使い手、めぐみん!我が必殺の魔法は山をも崩し、岩をも砕く。……という訳で、優秀な魔法使いはいりませんか?」

桐生(眼帯……、)

めぐみん「そして図々しいお願いなのですが、3日も何も食べてなくて倒れそうなのです。できれば、面接の前に何か食べさせてもらえませんか?……焼き肉弁当があれば嬉しいです」


44 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 01:16:36 Q6cmMltM
面白い


45 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 01:19:48 .1Fv39XY
桐生「ほんとに図々しいんだな」

アクア「まあまあせっかく来てくれたんだし、ちょっとはもてなしてあげましょうよ」

アクア「(カズマ、この子は紅魔族っていう優秀な魔法使いなの。ここで仲間にしておけば、間違いなく戦力アップになるわ)」

桐生「(そうなのか?なら仕方ないな)」

桐生「焼き肉弁当だったな。ちょっと待ってろ」

ーーーー焼き肉弁当を手に入れろーーーー

Mストアアクセル店

店員「ご、560エリスです」

桐生(よし、焼き肉弁当を手に入れたぞ。ギルドへ戻ろう)


46 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 01:35:32 SR9FgoBk
ソードマスター適性クッソ高そう
龍馬で斎藤一で武蔵だし


47 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 01:36:27 .1Fv39XY
店員「あ、あの……、」

桐生「ん?」

店員「もしかして、桐生さんですか?」

桐生「お前は……、もしかして上山か?」

上山練次「はいぃ!ま、まさかこんな場所で桐生さんに会えるなんて」

桐生「お前、何でこんなところで店員やってるんだ?」

上山「ワークス上山開業のための資金繰りですよ。ぼ、僕にはクエストなんてとても、できないので」

桐生「そうか……。それで、資金は貯まってるのか?」

上山「ええ、もうすぐこの街の北の大通り沿いにオープンさせるつもりですよ。そ、そうだ。せっかくなので試供品を差し上げます」

喧嘩サラシを手に入れた

上山「こ、この世界の素材で作ったので、少し効力は変わってますが」

桐生「いや、助かる。今俺はちょうど冒険者をしているところだからな。店がオープンしたら、是非行かせてくれ」

上山「は、はい!是非ともお待ちしてます」

Mストアなら出る桐生

桐生(ワークス上山か。北の大通りだと言っていたな。一度顔を出してみるか)

『ワークス上山』がMAPに追加されました


48 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 01:37:24 .1Fv39XY
明日残ってたらまた書きます


49 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 01:38:28 QWH6/3PE
乙ゥ〜
面白かったゾ〜コレ


50 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 02:12:05 o.UD03sE

続きが気になる。


51 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 02:14:32 BwulneA2
乙ゥ〜
いいゾ〜これ


52 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 02:26:08 Kf0WXdDM
テレクラで童貞失ったこともアクアは知ってるのか


53 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 03:20:09 FN.sQVIc
AILEくんここは残して


54 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 03:26:12 5CgjOyqw
何故か桐生さんこの歳まで童貞なんだなって勝手に思い込んでたけどそういややることはやってましたね...


55 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 03:41:40 2WZozp1U
龍が如く知らないけど面白い


56 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 04:37:29 kf3BvJ0k
剣豪モノやゾンビモノの外伝やったし、
ファンタジー世界の龍が如く外伝はいつかありそうなんだよなぁ…


57 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 05:53:55 CebTVVks
……どういうことだ?


58 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 07:45:01 m7KZIJbg
これはコラボの予告編ですね……間違いない


59 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 09:50:09 GQm2uDQQ
桐生ちゃんはキャバクラの店長だっけ?もやってたような


60 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 09:56:16 xL4k6mqA
キャバクラとキャバレーの店長やってたのは真島の兄さんで、桐生ちゃんは不動産王をやってたんだゾ


61 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 09:58:20 GQm2uDQQ
キャバクラ経営のミニゲームは間島の兄さんでしたっけ?
沖縄編で関わってませんでしたっけ(健忘症)


62 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 10:00:52 zhV3w/j.
2でキャバクラ経営してたはず
アクア様はキャバ嬢として才能がありそう


63 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 10:01:41 bI5UApqo
http://ux.nu/t1xtw


64 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 10:09:37 .1Fv39XY
桐生「ほら、買ってきたぞ」

焼き肉弁当を渡した

めぐみん「あ、ありがとうございます。早速いただきますね」ムシャムシャカブガブキュピーン

桐生「よほど腹がへっていたんだな」

アクア(あれ、でもおかしいわね。上級職のアークウィザードが何で食うのにも困ってるのかしら。普通どこのパーティからも引っ張りだこなはずなのに)

めぐみん「ふぅ、ごちそうさまでした。空腹は最高の調味料だと言いますが、本当にその通りですね」

桐生「それはよかった。そういや自己紹介がまだだったな。俺は桐生一馬だ、冒険者をやっている」

めぐみん「カズマ、でいいですか?何だか変な名前ですね」

桐生「……お前の名前の方がよほどだと思うが、まぁいい」

アクア「アクアよ。職業はアークプリースト。後方支援は任せなさい」

めぐみん「よろしくお願いしますねアクア」

桐生「なぁめぐみん、言いたくなければ別にいいんだが」

めぐみん「ん?」

桐生「その……、眼帯は」

めぐみん「ああこれですか。これはですね、私が紅魔の学校にいた頃近隣の村とちょっとしたことで抗争になりかけまして」

めぐみん「そうなる前になんとか交渉して戦争を阻止しようと、唯一無二の親友と共に相手の村へ向かおうとしたんです」

桐生「えらく勇敢だな」

めぐみん「ところが、実は内通者がいたんです。私はその内通者に嵌められ、手下に捕まってしまいました」

桐生「壮絶だな」

めぐみん「親友は結果一人で相手の村へ向かい、そこで大立回りを演じて18人潰しの伝説を作りました」

めぐみん「私も向かおうとしたのですが、その手下どもに捕まってしまっていたので身動きがとれず、また相手の要求に屈しなかったため結果として左目を失うことになりました」

アクア「……、」

桐生「……、そうか。すまなかったな嫌なこと話させちまって」

めぐみん「まぁ全部嘘なんですが。単におしゃれで着けているだけのただの眼帯です」

桐生「……、」


65 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 10:10:20 GQm2uDQQ
アクア様みたいな顔はいいものの性根は腐ってる女と酒を飲むのは楽しそう
客を完全に手玉に取りつつ実は騙されてて大けがしそう


66 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 10:15:13 .1Fv39XY
めぐみん「あの、それで結局私は桐生会に入れていただけるのでしょうか?」

アクア「もちろんよ、歓迎するわ。桐生会はこれからどんどん規模を拡張して、いずれはこの世界全てを傘下に収めるつもりだから」

桐生「……初めて聞いたぞ」

アクア「ひとまずのところ目指すは直系100団体よ。ちなみに会長がカズマ。若頭は私ね」

めぐみん「お、おぉ……、何だかよくわかりませんが、カッコいい!わ、私にも。私にも何か役職を下さい!」

アクア「そうねぇ、じゃああなた、カズマと乾杯しなさい」

めぐみん「ん、こうですか?」カチーン

アクア「これで親子の盃が交わされたわ。めぐみん。あなたは今日から桐生会若頭補佐よ!」

桐生「こんな無茶苦茶な盃があるか。ただのお冷やが入ったグラスじゃねぇか」

めぐみん「わかがしらほさ?ですか。……いいですね。これからどんどん桐生会を大きくして、私たちの名を轟かせましょう!」

めぐみん・アクア「オオォォーーーーー!‼!」

桐生(……早急にメンバーを補充する必要がありそうだな。マトモな奴を)

『めぐみん』が桐生会に加入しました(出撃コスト80、スキル爆裂魔法)


67 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 11:34:19 .1Fv39XY
桐生会、出撃だ!

桐生一馬(出撃コスト100、スキル堂島の龍)「またこの平原か」

アクア(出撃コスト60、スキル花鳥風月)「さぁちゃっちゃとあと4匹討伐してクエスト達成しちゃいましょう」

めぐみん「カズマ、アクア」

桐生「ん?」

めぐみん「爆裂魔法は放つまで少し準備があります。それまでの間、カエルの足止めをお願いします」

桐生「余程強力な呪文なんだな。分かった、俺とアクアが奴らを引き付け、一ヶ所に集めたところを一網打尽にしよう」

アクア「ちょっとカズマ!?昨日の話聞いてた?私は後方支援だって言ったでしょ」

桐生「だが、向こうはやる気みたいだぞ」

桐生の目線の先には明らかにアクアを狙って一直線に向かってくるジャイアントトード。

アクア「」

桐生「昨日の二の舞になりたくなけりゃ、しっかり役割を果たすしかないな」


68 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 11:39:09 SQDAA4MQ
めっちゃサクサク進んでますね…


69 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 12:19:48 .1Fv39XY
アクア「な、何で私がこんな目にあうのよ!アクシズ教の女神たる私が!」

めぐみん「女神……?」

桐生「……を自称している可哀想な奴だ。たまにこういったことを口走るんだが、そっとしておいてやって欲しい」

アクアがカエルから逃げるように走り出したのと同時に、桐生も動き出す。
速攻でカエルの口の中へ消えた女神を尻目に、桐生は遠方のカエルへと目線を移す

めぐみん「黒より黒く、闇より暗き漆黒に
わが真紅の混交に望み給もうーー」

桐生(詠唱が始まったか、少し急がなければ)

めぐみん「覚醒の時来たれリ、無謬の境界に堕ちし理、むぎょうの歪みと成りて現出せよ!踊れ、踊れ、踊れ、」

アクア(粘液まみれ)「うぐぅぅ……」

めぐみん「ーー我が力の奔流に望むは崩壊なり。ーー並ぶ者なき崩壊なり。万象等しく灰燼に帰し、深淵より来たれ!」

桐生(ラッシュスタイル)「オラァ!フッフッフッ、オラァ!」ドスドスドスドス

めぐみん「これが人類最大の威力の攻撃手段!!これこそが!究極の攻撃魔法ーー」

桐生「おいめぐみん、こっちはOKだ!いつでもいいぜ」

めぐみん「分かりました!カズマ、離れて下さい!ーーエクスプロォォージョンッ!!」ドゴオオォォォォォォォォォン‼!‼!‼!‼


70 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 12:40:02 gF.LBKHA
相変わらずのポンコツ女神


71 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 13:13:15 .1Fv39XY
桐生「うおっ、凄まじい威力だな。これが、魔法か……」

めぐみんの爆裂魔法により、4匹のカエルはあっけなく散った。

アクア(粘液まみれ)「うぅ、カズマぁ!めぐみーん!」

桐生「……あんまり近づかないでくれ。めぐみんはよくやった。桐生会の勝利だ」

と、ふいに近くの土がボコッと盛り上がった。数は3つ。魔法の音と衝撃で目覚めたのかそれぞれの穴から新たなカエルが這い出てくる。

桐生「……、なるほど。雨も降ってない中、コイツらはどこから来たのかと思ってたが、地中とは予想外だ」

桐生「めぐみん。一旦離れるぞ、距離を取ってから応戦をーー」

めぐみん「動けません」

桐生「なんだと?」

めぐみん「ふっ……、我が奥義である爆裂魔法は、その絶大な威力ゆえ、消費魔力もまた絶大。……要約すると、限界を超える魔力を使ったので身動きひとつ取れません」

桐生「……、」

めぐみん「ーーやばいです、食われます。すいませんちょっと助け……あっ……!?」


72 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 13:42:28 .1Fv39XY
アクア(粘液まみれ)「カズマ!こっちもヤバいわ!カエルの中に再入場は勘弁よ。……早く!早く助けてよ!」

桐生「そうは言っても爆裂魔法以外にこの数を一度に相手にできる技なんてな……」

アクア(粘液まみれ)「アンタ、生前もいろんなスキルを身につけたんでしょう!永洲の埠頭でヤクザ100人相手にしたのに比べりゃあ、こんなの屁でもないでしょうが!」

桐生「こいつらは衝撃を吸収してくる。何か打撃以外の攻撃方法があればーーん?」

桐生はアクアの側に何かが落ちているのを見つけた。銀色に光るそれはーー、

桐生「アクア、それはお前のか?」

アクア「知らないわよこんなドス!あらかたカエルが間違って飲み込んだのを私と一緒に吐き出したってとこでしょ!」

桐生「そうか……、閃いたぞッ!」

無銘の小太刀を手に入れた。

桐生(カエルの唾液でベタベタして気持ち悪いが、今は仕方がないだろう)

桐生はドスを持った右手を水平に構えると、3匹のカエルを見据えながらゆっくり歩いていく。

桐生とカエルたちが睨み合う。勝負は一瞬だった。

桐生「来いッッ!」

桐生の叫びと同時にカエルが一斉に飛びかかる。

桐生「フッ、ハッ、フンッ!」

桐生はカエルの間の僅かな隙間をくぐり抜けながら、その脇腹を素早く切り裂いた。

桐生「ーー、」スッ

糸が切れたように倒れるカエルたち。

桐生はヒートアクション、組小太刀 幻狼を覚えた。


73 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 14:52:10 1jqxbKUw
しつこい(粘液まみれ)で思わず草


74 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 16:31:59 .1Fv39XY
【ギルド】

受付嬢「はい、確かに。ジャイアントトードを3日以内に5匹討伐。クエストの完了を確認しました。ご苦労様でした」

報酬15万エリスを手に入れた。
経験値2000を獲得した。
桐生のレベルが4に上がった!

桐生(昨日と今日でカエルを4匹狩って、一気にレベル4か……、とうやら、低レベルな人間ほど成長が早いらしい)

桐生「しかし、本当にモンスターを倒すだけで強くなれるもんなんだなぁ……」

ポツリと桐生は呟く。ちなみに、アクアとめぐみんはカエルの粘液まみれの体を洗いに大衆浴場へ行っている。

桐生「他にはどんなクエストがあるんだ?」

受付嬢「そうですねぇ、今はこれくらいです」

『ーー森に悪影響を与えるエギルの木の伐採、報酬は出来高制ーー』
『ーー迷子になったペットのホワイトウルフを探して欲しいーー』
『ーー息子に剣術を教えて欲しいーー ※要、ルーンナイトかソードマスターの方に限る』
『ーー果たし状。我が宿敵、桐生一馬。時は来た。浮島にて待つーー 亜門丈』

桐生(……どれもこれも、ややこしそうなのばかりだな)


75 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 17:21:25 .1Fv39XY
??「すまない。ちょっといいだろうか?」

桐生「ん?」

ダクネス「私はダクネス。あなたは桐生会会長の桐生一馬さん、で間違いないか?」ドンドン

名家の聖騎士(クルセイダー)
ダスティネス・フォード・ララティーナ

桐生「……、間違っちゃいねぇが、会長って言っても構成員は俺を含めて3人だけだ」

ダクネス「知っている。張り紙を見たからな」

ダクネスの手には、アクアが作ったパーティメンバー募集の張り紙があった。
めぐみん加入後に少し手を加えたらしく、3人の名前の横には下手くそな似顔絵がそれぞれ添えられている。

ダクネス「聞いた話だと、なんでも囮役を欲しているそうじゃないか」

桐生「その通りだが、それがどうかしたか?」

するとダクネスはガバッと身を乗りだしーー

ダクネス「私を……、私を是非桐生会に入れてくれ!」


76 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 18:14:24 wkgzJe3c
桐生さんならどこ行ってもモテそう


77 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 18:16:16 zhV3w/j.
めぐみん真島兄貴みたいな過去語ってますね


78 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 18:21:00 1UYefy6Y
あのフォントでめぐみんとかダクネスとか書かれてるの想像すると草生える


79 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 18:54:36 .1Fv39XY
【馬小屋】

アクア「え?じゃあ結局断っちゃった訳」

桐生「ああ」

アクア「何でよ!?せっかく囮が手に入るところだったのに。しかも聖騎士(クルセイダー)っていやぁ上級職よ!それをわざわざーー」

桐生「あいにく、女を盾にするような気分の悪い趣味は持ち合わせてねぇ」

めぐみん「カズマ。男女よりも重要視すべきは職業とレベルです。カズマの里がどうだったのかは知りませんが、ここでは駆け出しの男性冒険者よりもベテランの女騎士の方がずっと強いんですよ」

桐生「……、言い方に棘があるな」

めぐみん「そりゃあ私だって頼りになる仲間は多い方がいいですし、正直がっかりです」

桐生「だが、向こうは諦めてないようだったぞ」

アクア「……なんだって?」

桐生「俺たちが全員揃ってる時に、また声かけに来るって言ってたぜ。自分の防御力を証明してみせるってさ」


80 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 18:54:37 brLaGtA2
龍が如くまったく知らないけどいいゾ〜


81 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 19:10:48 .1Fv39XY
【ギルド】

桐生「スキルの習得?」

めぐみん「ええ、カズマもこの前カエルを倒してスキルポイントが貯まったでしょう。自分のカードを見て下さい」

桐生「この、『現在習得可能なスキル』ってところを見りゃいいのか?」

めぐみん「ええ、カズマは初期職業の冒険者なので、誰かにスキルを教えてもらうのです」

桐生「車の運転なんかと同じように、目で見て、操作のやり方を教えてもらえばいいのか?」

めぐみん「馬車、のことですか?まあコツを掴むという意味では似たようなものかもしれません。カードに習得可能スキルという項目がでたら、ポイントを使ってそれを選べば完了です」


82 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 19:22:09 .1Fv39XY
桐生「つまりめぐみんに教えてもらえれば、俺でもあの爆裂魔法ってのが使えるようになる訳か」

めぐみん「その通りです!」

アクア「えらく食いついたわね」

めぐみん「その通りなんですよカズマ!習得に必要なポイントはアホほど食いますが、冒険者はアークウィザード以外で唯一爆裂魔法が使える職業です」

桐生「……ほう、だがあれほどの威力を持った魔法なら習得するまでに膨大な時間がかかりそうだな」

アクア「冒険者が爆裂魔法を覚えようと思ったら、1年や2年じゃきかないわよ」

めぐみん「確かにそうですが、それ以外に覚える価値のあるスキルなんてありますか?いや、ない!さあ!私と一緒に爆裂道を歩みましょう、カズマ!」

アクア「残念だけどめぐみん、その男はすでにとある道を極めたのよ。極道って道をね」

めぐみん「ゴクドー?うーん、なんだかよく分かりませんが、もしカズマが爆裂魔法を覚えたくなったらいつでも言って下さいね!」

桐生「……、ああ」


83 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 19:25:47 Os4j6QnI
天啓を得るのか


84 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 19:27:42 BwulneA2
ん?あれは…!(迫真)


85 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 20:57:22 .1Fv39XY
アクア「ちなみに私がおすすめするスキルはこれよ、花鳥風月!」ピューッ

桐生「……、大したバランス感覚だな」

めぐみん「そもそもそれはスキルなんでしょうか……、大道芸の間違いでは?」

アクア「あ、あれ?反応薄ッッ!もっと感動しなさいよほら!すごいでしょほらほら!」ピューピューピューッ

??「あっはっは!何だか楽しそうな人たちだね!君たちがダクネスが入りたがっているパーティの人?」

ふいに、横から声がかけられた。
桐生が目を移すと、そこには革の鎧を着た、軽装の女の子。そして横には、昨日入会希望をしてきたダクネスがいた。

クリス「僕はクリス。有用なスキルが欲しいなら、盗賊スキルなんてどうだい?」ドンドン

銀髪盗賊団頭領
ーーク リ スーー

桐生「盗賊スキル?なんだそれは?」

クリス「盗賊スキルを持っていると幅広く活躍できるよ。罠の解除に敵感知、潜伏に窃盗。習得ポイントも少ないし、キミみたいな初期職業の冒険者にはぴったりだよ」

桐生「教えてくれるのか?」

クリス「さすがにタダでは教えられないなぁ。んーでも特に欲しいものもないし……、飲み物でも奢ってくれればそれでいいよ」

桐生「これでいいか?」

スタミナンXを渡した。

クリス「よし!じゃあ早速教えるね。裏の広場まで来て」

ーーーークリスについていけーーーー


86 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 21:13:27 .1Fv39XY
クリス「この辺りでいいでしょ、じゃあ始めようか」

桐生「よろしく頼むぜ」

クリス「まずは窃盗スキルだ、これは対象の持ち物を1つランダムで奪い取るんだ。とりあえずキミに使ってみるね」

クリスは手を桐生に向かって突きだすと、

クリス「スティール!」

クリスは堂島宗兵の写真を手に入れた。

クリス「……、なにこれ」

桐生「さっきギルドの裏で拾ったんだ。拾った場所でシャッターを切ると心霊写真が撮れるって噂だ」

クリス「いらないよそんなの!返すから」

桐生「……そうか」

桐生は堂島宗兵の写真を手に入れた

クリス「じゃあ今度はキミがあたしに使って見てよ」

桐生「よし、やってみるか」

桐生は手をクリスに向け

桐生「スティーーール!」

賞味期限切れの弁当を手に入れた。

クリス「あ、それおととい買って食べるの忘れてたやつだ、キミにあげるよ」

桐生「……いらねぇなぁ」


87 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 21:30:52 .1Fv39XY
桐生は盗賊スキルを覚えた

【ギルド】

クリス「じゃああたしはクエストに行ってくるから」

ダクネス「あぁ、またな」

桐生「……お前は行かなくていいのか?」

ダクネス「私は前衛職だからな。……前衛職なんてどこのパーティも有り余ってるから、そう簡単には入れてもらえないんだ」

桐生「……そうか、すまなかった。職業によって優遇されたり相手にされなかったりがあるんだな」

ダクネス「でも盗賊はダンジョン探索に必須な上に、人数も少ない。だからクリスの需要はいくらでもあるんだ」

桐生「だがもう夕方だぞ。今からダンジョンへ向かうのか?」

めぐみん「ダンジョン探索は、できることなら朝一で突入するのが望ましいのです。なので、ああやって前の日に出発して、朝までダンジョン前でキャンプするのです」

桐生「キャンプか……、何だか楽しそうだな」


88 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 21:41:01 Os4j6QnI
ジャッジメントカズくんは見られますか?


89 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 21:42:31 .1Fv39XY
めぐみん「ところでカズマ」

桐生「ん?」

めぐみん「この人が昨日カズマが言っていた、例の桐生会に入りたがっている人ですか?」

ダクネス「その通りだ。私はダクネス!力と耐久力には自信がある。必ず立派に囮の役割を務めてみせよう!」

アクア「あなたクルセイダーでしょ。せっかくの上級職なんだから、囮なんて言わずに前線で敵を斬り倒しなさいよ」

ダクネス「う……、実は、そのことなんだが」

桐生「何だ?」 

ダクネス「私は、その……、スキルを防御系統に振りすぎたせいで、攻撃が全く当たらないのだ」

めぐみん「えぇ……、」

ダクネス「だ、だからそのぶん前に出て、敵をギリギリまで引き付ける!上級職だからって気を使う必要はないぞ。囮が必要なんだろ!?なら私はうってつけだ!存分に盾代わりにしてくれ」


90 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 21:53:24 bWb3Bub.
龍が如くサブストーリー特有のシュールなキャラのリアクション(動き)で一連の会話が進んでると想像すると草生える


91 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 21:55:56 .1Fv39XY
めぐみん「カズマ、本人がここまで言ってるんですし、入れてあげればいいじゃないですか」

アクア「まぁ攻撃が当たらなくとも、上級職なのは事実だしね。何かしら力にはなってくれるでしょ」

ダクネス「頼むカズマ!私をこのパーティの一員にしてくれ!是非とも囮になって、皆の役に立ちたいんだ!」

桐生「……、なぁダクネス。何でお前はそこまで『囮』という役にこだわるんだ。アクアの言う通り、攻撃が当たらなくても、他にできることがあるんじゃないのか?」

ダクネス「え?だってそれはーー」

その時だった。街中に突然大音量のアナウンスが鳴り響く

『緊急クエスト! 緊急クエスト! 街の中にいる冒険者の各員は至急冒険者ギルドに集まって下さい!』

桐生「なんだ突然。緊急クエストだと?」


92 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 22:15:43 .1Fv39XY
ダクネス「あー、多分キャベツの収穫だろう。ちょうど時期だしな」

桐生「なに?キャベツの収穫が緊急クエストなのか、いくらなんでも平和すぎないか?」

アクア「多分カズマの知らないんでしょうけど、この世界のキャベツはね……、『飛ぶ』の」

桐生「……なんだと?」

そうこうしている内に職員の説明が始まり、皆が一斉にギルドの外へ駆けていく。

アクア「この世界のキャベツは、収穫の時期が近づくと、食われてたまるかとばかりに飛んで逃げ回るの。捕まえた分だけ賞金になるから、気合い入れるのよカズマ!」

桐生「……信じられないな」


93 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 22:28:10 wkkut4bc
冬将軍相手に互角に戦えそうだ…


94 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 22:38:24 .1Fv39XY
キャベツ収穫祭終了後ーー

めぐみん「カズマカズマ!すごいですよダクネスは!あれだけの数のキャベツから猛攻を受けても、全く怯んでいませんでした!」

ダクネス「いやいや、私なんてただ硬いだけだ。めぐみんこそ凄いじゃないか。爆裂魔法であれだけたくさんのキャベツを一掃するなんて」

めぐみん「それもダクネスが囮になってキャベツを一ヶ所に集めてくれたからですよ。カズマ!やっぱりダクネスは必要です!桐生会に入ってもらいましょう!」

桐生「(……なあアクア)」

アクア「(なに?)」

桐生「(俺の見間違いならいいんだが、アイツ、キャベツに襲われてる時、嬉しそうにしていなかったか?)」

アクア「(うん、してたわね。確実に。つまりあの子はーー)」

桐生「(……なるほど、そういうことか。それで囮にーー)」

アクア「(でもめぐみんがあそこまで気に入ってる以上適当な理由で追い払うと亀裂ができるわ)」

桐生「(……そうだな、仕方がない)」

桐生「おい、ダクネス」

ダクネス「ん?」

桐生「これからよろしく頼む。だが、あまり危険な真似はするな。ーー約束できるか?」

ダクネス「そ、それは私を桐生会に迎えてくれるということか?もちろんだ。私は皆のため、カズマの指示に従うぞ」

めぐみん「よかったですねダクネス!これであなたも桐生会の一員です。桐生会の帝国計画、着々と進んでいますね……!」

桐生「…….はぁ」

桐生会にダクネス(出撃コスト60・スキルマッスルパーティー)が加入しました。


95 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/23(木) 22:40:13 mCke7DBw
桐生「え?」


96 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/24(金) 02:15:07 PIAX4qjE
この世界って死後の世界だし錦もいる可能性が…?


97 : リボルクラッシュ(峰打ち) :2017/03/24(金) 02:42:17 ???
堂島宗兵の写真で草


98 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/24(金) 03:04:17 ATTTXeOo
魔剣の人が真島ですねこれは


99 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/24(金) 23:18:17 GDZOWVsg
おう続き書くんだよあくしろよ


100 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 00:15:22 5O85bd1g
【共同墓地】

めぐみん「ゾンビメーカー狩りです!」

桐生「墓地でゾンビと格闘か……。そういや尾道仁涯町でも似たようなことがあったか」

新たにダクネスを加えた桐生会は受注したクエストを遂行するため、街の外れの丘にある共同墓地に来ていた。

アクア「キャンプよキャンプ! 肉♪肉♪にっくにくーっ!」

だがまだ陽が落ちきっていないため、4人は夜を待つ間キャンプをしていた。

アクア「ちょっとカズマ! それは私が育ててた肉よ! アンタはこっちのキャベツでも食べてなさい。ちょうどいい感じに焼けてるわ」

桐生「……これが前に街で暴れまわってたキャベツか。うーん、なんだか食うのが躊躇われるな」

めぐみん「お肉ウマウマーー。やっぱり外で食べると美味しさもひとしおですね」

桐生「お前ら、肉ばっかりじゃなくて野菜も食えよ。食い合わせってのは以外と重要なんだ。色んな食材を組み合わせることで、自分がまだ気づいてない能力を引き出してくれることもあるんだぞ」

ダクネス「ほぉ、そんなことがあるのか。随分と詳しいんだな」

桐生「ああ。タクシードライバーをやっていた頃に知り合った、タツヤって料理人が色々と教えてくれてな。おかげで永洲街の店はあらかた食いつくしたくらいだ」

めぐみん「食べ歩きですか? いいですねぇ。お金に余裕ができれば、世界各地のグルメを堪能して回りたいです」

桐生「そうか。ならこれをやろう」ゴソゴソ

ハラヘールハーフを渡した。

桐生「コイツで胃を空っぽにして、ひたすら食いまくって経験値を増やすんだ。すぐにレベルアップできる」

めぐみん「……いえ、レベルうんぬんではなくて私は単純に料理の味を楽しみたいだけなのですが……、まあもらっておきます」


101 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 00:22:50 qY38kivM
もうはじまってる!


102 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 00:30:54 MTwdzugk
>>100お前が来るのを待ってたんだよ!


103 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 00:38:34 5O85bd1g
バーベキュー終了後ーー

アクア「そろそろかしら。空気がピリピリしてきたわ」

桐生「敵感知を使ってみるか。せっかくクリスに教えてもらったんだしな」

桐生はスキル『敵感知』を使った。

桐生「……結構な数だぞ。2つや3つじゃない」

めぐみん「あれ? ゾンビメーカーって、取り巻きのゾンビはせいぜい数体のはずでは?」

ダクネス「まぁいいじゃないか。ゾンビの群れに囲まれて全身を蹂躙される……あぁ、考えただけでも体がうずうずしてくるーー!」

桐生「……、中央にいる、あの黒いローブがゾンビメーカーでいいのか?」

めぐみん「いや……あれはゾンビメーカー……ではない? 気がするのですが」

その時だった。

アクア「あーーーーーーーーッッ!!」

桐生「うおっ! いきなり何だ!?」


104 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 01:18:16 5O85bd1g

アクア「リッチー! あいつはリッチーよ! ゾンビメーカーなんかじゃないわ」

桐生「……リッチー?」

めぐみん「ヴァンパイアと並ぶアンデッドの最高峰モンスターです。魔道の禁述によって人の身体を捨て去った元アークウィザートです」

桐生「……ゾンビメーカーよりも強いのか?」

めぐみん「そんな雑魚とは比べ物になりません! しかし不味いですね。さっさと終わらせて帰るつもりだったのですが、まさかこんな大物に遭遇するとは」

桐生「……なら、ここは慎重にーー」

アクア「リッチーがノコノコこんな場所に現れるとは不届きな! 成敗してくれるわっっ!」

ドドドド! と叫びながらリッチーに向かって突進していくアクア。

ダクネス「な……、1人でリッチーと戦おうなんてずるいぞ! 私も! 私もなぶってくれーッ!」

続いてダクネスもキラキラと目を輝かせながら飛び出した。

めぐみん「カズマァァ! まずい! これはまずいです! 完全に見つかりましたよ!」

桐生「お前の爆裂魔法で何とかならないのか!?」

めぐみん「今日はもう昼間に撃ったから無理です! カズマこそ、何かないですか!? この状況を打開できそうなモノ」

桐生「さすがにそんな都合のいいものはーーん?」

めぐみん「どうしました!? 何ですかそれは?」

桐生「尾道で墓守のじいさんにもらった魔除けのお守りだ。もうこうなれば一か八かだ。あのモンスターに投げつけてみよう」

めぐみん「そんなおもちゃでリッチーにダメージを与えられるわけーーーーってええ!効いてる!?」


105 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 01:50:51 5O85bd1g
アクア「ナイスアシストよカズマ! さぁとどめよ! 『ターンアンデッド』!」

リッチー「ぎゃあああぁぁぁ!!! 身体がっ、魔方陣が消えていくぅ! や、やめて下さい! お願いですから!」

桐生「……、おい、本当にコイツは人間に害をなす、危険なモンスターなのか? 全然そんな風には見えないんだが」

アクア「甘いわカズマ。見なさいこの魔方陣を! どんな効果かは知らないけど、どうせろくでもない事企んでるに違いないわ!」

リッチー「こ、これは決して怪しいものじゃありません! この魔方陣は未だ成仏できない迷える魂たちを、天に還してあげるためのものです」

アクア「ふん! モンスターに身を堕としたアンタに一体何が救えるっての? そんなのは私がやってあげる! ついでにアンタも魂と一緒にあの世へ送ってあげるわ!」

アクアは再び両手を掲げると、

アクア「『ターンアンデッーー!』」

桐生「やめてやれ」アイアンクロー

アクア「うぐっ! な、何よカズマ。アンタモンスターの肩を持つ気?」

桐生「俺も攻撃しておいて人のことは言えないが、とりあえずは話を聞いてやれ。端からみりゃあ、今は完全にお前の方が悪いモンスターだ」

桐生はリッチーに駆け寄ると、

桐生「桐生だ。いきなり攻撃して悪かったな、大丈夫か?」


106 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 02:33:46 5O85bd1g
ウィズ「え、ええ、大丈夫です……。むしろ危ないところを助けていただき、ありがとうございました。えっと……私はリッチーのウィズと申します」ドンドン

元アークウィザートのリッチー
ーーーーウ ィ ズーーーー

桐生「これは詫びだ。とっといてくれ」

スタミナンロイヤルを渡した。

ウィズ「あ、ありがとうございます。いただきます」

桐生「それで、あんたはこんな時間にここで何をやっていたんだ」

ウィズ「それはーーーー」

桐生はウィズから話を聞いた。
ーーここに集まっている魂たちは、金がないため葬式すらあげてもらえず、成仏できずにさまよっていること。
ーーこの街のプリーストは、現金主義で金のない所には近づこうとさえしないこと。
ーーウィズは、そんなプリーストに代わり魂たちを定期的に天に還してやっていること。

桐生「……本当にすまなかった」

アクア「責任取ってカズマが指を詰めるから、それで許して」

桐生「バカなこと言ってないでお前も頭を下げろ」グッ

桐生はアクアの首根っこを掴んで無理矢理頭を下げさせる。

ウィズ「い、いえ。分かっていただければそれでいいんです」

桐生「それじゃケジメがつかねぇ。そういやアンタさっき店をやってるって言っていたな。差し支えなければ、また後日、詫びを入れに行かせてくれ」

ウィズ「……分かりました。でもケジメとかじゃなくて、普通にお客さんとして来てくれませんか? 私も、桐生さんの役に立ちそうなモノを揃えておきますから」

桐生「……ああ。必ず向かおう」

桐生(確かアイテム屋だったな。今度顔を出さなければーー)

『ウィズの店』がMAPに追加されました。


107 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 07:10:41 DdRAS2Zc
アニメで省略されたウィズ回があってウレシイ……ウレシイ……(ネチネチ


108 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 17:00:54 giodJ2J6
【ギルド】

松重「知ってるか? 何でも魔王軍の幹部の一人が、この街からちょっと登った丘にある、古い城を乗っ取ったらしいぜ」

桐生「そうなのか?」

桐生はギルドに併設されている酒場で、昼間から酒を飲んでいる男の話を聞いていた。

桐生「魔王軍の幹部か……、どんな奴かは分からんがきっと実力者なんだろうな」

松重「そりゃあ幹部ってからには、オーガロードやヴァンパイア、はたまたアークデーモンかドラゴンか。……いずれにせよ、俺たちが会ったら瞬殺されるような化け物に間違いねぇよ」

桐生「そうか、まぁ今の俺たちには、あまり関係ない話だろう」

松重「違えねぇ」

男はグイッと酒をあおると、

松重「まぁ命を無駄にしたくなけりゃあ、廃城近くでのクエストは避けた方が無難だな」


109 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 17:17:00 giodJ2J6

めぐみん「あ、おかえりなさい。結局何の話だったんですか?」

桐生「この街の郊外の廃城に、魔王軍の幹部が住み着いてるらしい。駆け出し冒険者がほとんどのこの街では、さして意味はないだろうが」

めぐみん「ふーん、一体何しに来たんでしょうか?」

桐生「さぁな。どちらにしても今のところ被害はないようだ。お前らも不用意に近づくなよ」

アクア・めぐみん「はーい」

ダクネス「……しかし魔王軍の幹部ともなれば、さぞかし強力な魔法を使ってくるんだろうな。そんなのを受けたら一体どうなってしまうんだろうーー」ウズウズ

桐生「……忠告はしたぞ」


110 : リボルクラッシュ(峰打ち) :2017/03/25(土) 17:20:32 ???
松重こんなとこで何してるんですかね…


111 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 19:03:53 YEHWFXWY
桐生さんのアイアンクロー、サトウカズマさんとは比べ物にならないくらい痛そう


112 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 20:21:23 giodJ2J6
【ギルド】

アクア「なぁんですってぇぇぇ! ちょっとアンタどういうことよ!」

受付嬢「ち、ちょっとやめて下さい!」

アクア「何で五万ぽっちなのよ! 私がどれだけキャベツ捕まえたと思ってんの!? 10や20じゃないはずよ!」

受付嬢「そそ、それが、申し上げ難いのですが……」

アクア「何よ!」

受付嬢「……アクアさんの捕まえてきたのは、殆どがレタスで」

アクア「……なんでレタスが交じってんのよー!」

受付嬢「わ、私に言われましてもっ!」

桐生「……一体何の騒ぎだ?」

受付でアクアが大声を張り上げているのを見つけた桐生は、近くにいたダクネスへ声をかける。

ダクネス「ああ。どうやらキャベツ狩りの報酬が思ってたより少なかったらしい」

アクア「ふざけんじゃないわよ! 私、クエスト報酬が相当な額になるって踏んで、この数日で、持ってたお金、全部使っちゃったんですけど!?」

受付嬢「そ、そんなの知りませんよぉ!」

桐生「……はぁ」

桐生はこめかみを抑えた。ひとまず、絡んでいるアクアを受付嬢から引き剥がす。

桐生「いい加減にしろ。ここで喚いてどうなるってんだ」

アクア「そんなこと言ったってカズマ! 私はここの酒場に10万近いツケまであるのよ! 今回の報酬じゃ足りないんですけど!?」

桐生「はぁ……、何でそんな計画性がないんだお前は」

めぐみん「そんなカズマは、今回の報酬はどのくらいだったのですか?」

桐生「確か……100万くらいだったような」

アクア・めぐみん・ダクネス「ひゃくまん!!!!?」

3人が一斉に驚きの声を上げる。

ダクネス「100万って……、何があったらそんなーー」

めぐみん「ちらっと見ただけですが。そういえばカズマ、何かものすごいスピードで動いていたような」

桐生(ラッシュスタイル)「ああ、これだろ」シュンシュン!

めぐみん「うわぁ! すごいです! こんなスウェイ初めて見ました」

ダクネス「確かに、これならキャベツにも遅れはとらないな」


113 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 20:35:22 WYk2V1iE
めぐみんと桐生さんが並ぶともはや親子ですね…


114 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 20:44:22 DUaP4kP2
桐生さん全く知らないけどかっこいいですね


115 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 20:52:41 giodJ2J6
アクア「……ねぇカズマ」

桐生「ん?」

アクア「前から思ってたんだけど、アンタって、その……何か貫禄があるというか。そこはかとなくいい感じよね」

桐生「誉めるところが無いなら無理をするな、かえって心証が悪くなるぞ」

アクア「じゃあ直球でいくわね。カズマ、お金貸して♥」

桐生「……断る」

アクア「何でー! お願いよカズマぁ! ツケ払うぶんだけでいいからぁ!」

桐生「報酬は出来高制でって言い出したのはお前だろう、アクア。いくらなんでも筋が通らねえと思わないか?」

アクア「うっ……、ならどうすりゃいいってのよ。このままじゃ私ツケ払えないんだけど!?」

桐生「クエストを受注すりゃいいだろう。レベルも上がるし一石二鳥じゃないか」

アクア「フッ……残念ね。私のステータスは既にカンストしてるから、レベルを上げても意味ないのよ」ドヤァ

桐生「ステータスMAXで……、それなのか……」

アクア「ちょっと!? なによその憐れみの目は! いいわ。今度こそ私の力を見せてあげる。前回のカエルはちょっと油断しただけなんだから!」

そう言うと、アクアはクエストを受注するべく掲示板を見に行く。


116 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 21:26:35 giodJ2J6
めぐみん「……あれ? 何ですかこれは、依頼が殆ど残っていません」

普段は所狭しと大量に貼られている依頼の紙。それが、今は数枚しか見当たらない。
しかも……。

ダクネス「カズマ! これだ、これにしようじゃないか! 山に出没するヤマオロシと呼ばれる巨大熊を……」

桐生「確実に誰か喰われるぞ……。というか、何でこんな高難易度のクエストしか残ってないんだ?」

と、そこにギルド職員が気まずそうな顔でやって来た。

職員「ええと……街の近くの廃城に住み着いた魔王の幹部の影響か、この近辺の弱いモンスターは隠れてしまい、仕事がめっきり減ってしまって……」

桐生「ああ、そういやそうだったな」

アクア「ええ!? な、なんでよおおおっ!?」

アクアは悲鳴を上げるが、状況は変わらない。

桐生「おとなしくアルバイトにでも励むしかなさそうだな、頑張れよ」

アクア「そんなぁ……」


117 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 22:42:53 giodJ2J6
ーーーー数日後

【アクセルの街中央広場】

桐生「ーーつまり、国の首都から腕利きの冒険者や騎士達がここにやってくる来月までは、まともな仕事が出来ないってことか」

めぐみん「そういうことです」

桐生はめぐみんと外に出ていた。
アクアは借金返済のためにアルバイトに向かい、ダクネスは筋トレしてくると言って実家に帰ってしまった。

めぐみん「と、いうわけでカズマ! 私のトレーニングに付き合って下さい」

桐生「トレーニング? ああいいぞ。ライザップにでもいくか?」

めぐみん「筋トレじゃありません! 爆裂魔法を打つのに、協力して欲しいんです」

桐生「……どういうことだ?」



ーーーー数時間後



【アクセルの街郊外】

めぐみん「この前散歩してた時に見つけたんです。どうです? うってつけでしょう」

桐生「あれは……」

めぐみんが指差す先にあったのは、丘の上にポツンと佇む、朽ち果てた古い城。

桐生「……なんだか気味が悪いな。幽霊でも出そうだ」

めぐみん「でも、あの廃城なら破壊してしまっても誰も文句は言わないでしょう」

桐生が止める間もなく、ウキウキで詠唱を始めるめぐみん。

めぐみん「エクスプロォォジョンッッ!」

盛大な爆音とともに、廃城に爆裂魔法が撃ち込まれた。

めぐみん「燃え尽きろ、紅蓮の炎とともにーー、あふぅ……」

一仕事終えたとばかりに、力尽きて地面に倒れるめぐみん。

めぐみん「さぁカズマ、私を街まで背負って帰って下さい」

桐生「……、なるほど。俺を連れてきたのはこのためか。ガキの世話には慣れてるつもりだが、ここまで振り回されんのは久しぶりだ」

文句を言いつつも、軽々とめぐみんをかつぐ桐生。
こうして、桐生とめぐみんの新たな日課が始まった。


118 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 23:01:26 giodJ2J6

めぐみん「『エクスプロージョン』ッッッ!」

あれから連日、廃城まで出かけては爆裂魔法を放つめぐみん。

めぐみん「カズマ、今日の魔法はどうでしたか?」

桐生(コメントを求められている。ここはどう返すべきかーー)

 「あの城が無事なことを考えると、まだまだだな」

→「衝撃波が骨身に浸透するようだ、ナイス爆裂だぜ」

 「オッケーイ!」

桐生「衝撃波が骨身に浸透するようだ、ナイス爆裂だぜ」

めぐみん「ナイス爆裂! ふふっ、カズマも爆裂道が段々分かってきましたね。今日の評価はなかなかに的を射ていて詩的でしたよ」

桐生(ーー気分を良くしてくれたようだ)

経験値900を獲得した。


119 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 23:06:19 0vMxKLc6
アクアさん度胸あるな。
エグい取り立てしたことのある桐生さんから借金するとか。


120 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 23:43:58 giodJ2J6

【馬小屋】

めぐみん「もっと詠唱に迫力が欲しいです」

桐生「唐突になんだ?」

めぐみん「最近カズマと爆裂魔法を打ち続けて、魔法自体の威力はかなり鍛えられたと思うんですよ」

桐生「……そうか」

めぐみん「でもどうせなら詠唱にもこだわりたいなと思うようになりまして。……何かありませんかね? スキル以外で詠唱を鍛える方法」

桐生「うーん……そうだなぁ」

桐生は考えた。

桐生(詠唱……声を出す、滑舌……)

めぐみん「もっとこう、リズムに乗るような感じてやりたいんですよねぇ」

桐生(リズム……? 音楽ーーーーはっ!?)

めぐみん「ん? どうしましたカズマ」

桐生(ーー閃いた!)



ーーーー数十分後



【カラオケ館】


めぐみん「カラオケですか。さすがに思いつきませんでした」

桐生「歌を歌うことは複式呼吸の練習にもなるし、リズムに乗る力や音感も鍛えられる。やって損はないだろうぜ」

めぐみん「……なるほど。この奇抜な発想、さすがはカズマです! でも、普通に歌うだけじゃ面白くないですね」

そう言うと、めぐみんはフードドリンクメニューから適当に選んで注文する。

めぐみん「どうでしょう、ここはカラオケで勝負をしようじゃありませんか? 負けた方が今日の代金を持つということでーー」

桐生「俺もナメられたものだな。ーーふっ、いいだろう。今までどれだけのキャバ嬢が俺の歌に惚れたか。俺に勝負を挑んだこと、後悔させてやるぜ」

めぐみん「交渉成立ですね。では行きますよカズマ! まずは私からです」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



めぐみん「頭お堅い〜誰かが決めた〜ルール♪」

桐生「L・O・V・E ! ラブリーめぐみん!」オイオイオイ!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



桐生「1億2億100億のキスを浴びせてやる オーイェイ!」

めぐみん「ヒューッ! カズマぁ! いいですよぉ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



桐生「俺の勝ちだな」

めぐみん「悔しいですけど、それ以上に予想外に盛り上がってしまった自分にびっくりしてます」

桐生「まぁ俺も少しはしゃぎすぎた。これだけ声を出せば少しは特訓の効果もあったんじゃないか? 多分な」

経験値600を獲得した。


121 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 23:49:36 giodJ2J6
明日残ってたら続き書きます


122 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 23:50:36 PgZqMrxs
いいぞ��これ
お待ちしてナス!


123 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/25(土) 23:52:41 gLNpBZ.I
毎日楽しみ


124 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 00:03:39 uOURnp8k
じゃあ俺、ニコニコのドラ田が如く淫夢実況もう一周して復習してくるから…


125 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 01:34:21 r.9OhaYc
ディ・モールト!


126 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 04:50:46 jib3rLkk
カラ館あるのか…


127 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 14:10:50 KkppyKk6
桐生ちゃんのノリノリ合いの手好き


128 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 15:57:35 lfZQ0Zgc
なんとなくだけど桐生さんは受付嬢のルナさんからすっごい好かれそう


129 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 17:14:24 rzfHhQ4A

ーーーー1週間後

『緊急! 緊急! 全冒険者の皆さんは、直ちに武装し、戦闘態勢で街の正門の前に集まってくださいっ!』

街中に、お馴染みの緊急アナウンスが響き渡った。
それを聞いて、桐生会の4人も現場へ向かう。

ダクネス「装備を整えてって言ってたのに、カズマは相変わらずいつものスーツなんだな」

桐生「これが俺の一張羅なんだ。けっこう動きやすいんだぜ」

正門の前に多くの冒険者が集まる中、悠然と立っていたのは漆黒の鎧を着た騎士だった。
彼は言う。

デュラハン「……俺はデュラハン。つい先日、この近くの城に越してきた魔王軍の幹部の者だが……」ドンドン

魔王軍幹部
ーーデュラハンーー

デュラハン「まままま、毎日毎日毎日ッッッ! 俺の城に爆裂魔法を撃ち込んでくる頭のおかしい大馬鹿は、どこのどいつだああぁぁぁ!!!!!!!」プルプル

魔王の幹部は大変お怒りだった。

だが、爆裂魔法を使える冒険者なんて数えるほどしかいない。
この街においてはーー

めぐみん「……、」

桐生「……おい」

自然と一人の魔法使いに群衆が注目する。
周囲からの視線に耐えられなくなっためぐみんは、ふいっと隣に目を移す。
他の冒険者たちも、つられるようにそちらを見ると、

松重「……………………、いや俺じゃねえよ」


130 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 17:47:53 rzfHhQ4A

デュラハン「……お前か小娘。毎日欠かさず陰湿な嫌がらせをしてくる馬鹿は」

めぐみん「いかにも」

デュラハン「何なんだお前は!? どうせこんな街、雑魚しかいないと思って放置してれば調子に乗ってポンポンポンポン撃ち込みにきおって……! 頭おかしいんじゃないか貴様ッ! 喧嘩を売るなら、堂々と城に攻めてこい!」

めぐみん「ーー我が名はめぐみん。紅魔族随一の天才にして爆裂魔法を操る者」

デュラハン「何だめぐみんって? ふざけたあだ名を名乗るな。バカにしてんのか?」

めぐみん「オイ。私の両親がつけてくれた名前に文句があるなら聞こうじゃないか」

要するに、めぐみんと桐生が爆裂魔法を撃ちに通っていた廃城はこの騎士の棲みからしく、いい加減に業を煮やして街まで出てきたということらしい。

デュラハン「いいか!? 俺はお前らみたいな雑魚にちょっかいかけにこの地に来たわけじゃない。とある調査のためだ。ーーしばらくはあの城に滞在することになるが、もう爆裂魔法は使うな、いいな?」

めぐみん「嫌です。実は紅魔族は日に一度爆裂魔法を撃たないと死ぬんです。あなたは私に死ねというのですか?」

デュラハン「おい、適当なことをいうな! 大体撃つにしても他の場所にすればいいだけだろう!」

めぐみん「街の近くだと守衛さんに怒られますし、離れた森や林の中にあんなものを放てば山火事がおきます。あの城は、爆裂魔法の練習をするのにベストスポットなんですよ」

デュラハン「人の城を爆発させるのがベストな訳あるか! ……貴様、いい加減にしないとーー」

めぐみん「あなたは人ではないですし、何より無事ならそれでいいじゃありませんか。誰にも迷惑かけてないんですし」

デュラハン「俺が迷惑してるって言っているだろうが!!!!!!」

怒り狂うデュラハンだが、めぐみんも引くつもりはないらしい。

デュラハン「ーーどうあっても止めるつもりはないと?」

彼はふぅと息を吐き、

デュラハン「なら仕方がない。魔に墜ちた身とはいえ、俺も元は騎士の端くれ。こんな手を使いたくはなかったんだがな」

すると、デュラハンは左手の人差し指をめぐみんへ突きだし叫んだ。

デュラハン「汝に死の宣告を! お前は一週間後に死ぬだろう‼」


131 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 19:04:09 rzfHhQ4A

と、

ダクネス「危ないめぐみん!」

急に飛び出したダクネスが、めぐみんの襟首を掴むと自分の後ろに隠した。

めぐみん「なっ!? ダ、ダクネス!」

桐生「おい! 大丈夫か!? 一体どうなった」

ダクネス「ーーーーあれ? なんともないようだ」

桐生「なに?」

デュラハン「フン……! 言ったはずだ『一週間後に死ぬ』と。その呪いは今は何ともない」

呪いをかけられたダクネスをアクアがペタペタと触る中、デュラハンは勝ち誇ったように宣言する。

デュラハン「若干予定が狂ったが、仲間同士の結束が固い貴様ら冒険者には、むしろこちらのほうが堪えるだろう」

めぐみん「そ、そんな……」

桐生「……なぁデュラハンとやら」

デュラハン「何だ? ていうか誰だお前?」

桐生「俺はコイツらのパーティの代表をやってる、桐生って者だ。めぐみんの爆裂魔法の練習には俺も付き合っていた」

デュラハン「だったら何だ。貴様も同罪だろう」

桐生「ああ、それについては本当にすまなかった。壊しちまったものがあるなら弁償する。俺もコイツも、城に誰かが住んでいるなんて思わなかったんだ」

桐生はそう言うと、深々と頭を下げた。

桐生「だがなーー」

桐生はダクネスを指差すと、

桐生「コイツは関係ない。この1週間、コイツは実家に帰っていたから俺たちが爆裂魔法の練習をしていたことすら知らない」

デュラハン「フッ、そんな事は俺には関係ない。仮にも同じパーティなんだろう? 連帯責任だ」

桐生「なら俺に呪文をかけろ。一緒にいた俺の方が責任は重い。その代わり、コイツは助けてやってくれないか?」

めぐみん「な、何でカズマが犠牲にならないといけないんですか!? やったのは私です! 私にして下さい!」

デュラハン「ーー素晴らしき仲間意識だな。だが、断る。呪いを解いて欲しくば、城の最上階にある俺の部屋まで来い」

桐生「……なぁデュラハン。どうしても、駄目か?」

デュラハン「そ、そんな風に凄んだって無駄だ。俺は元騎士だ。脅しになど屈しない」

デュラハンはバツが悪そうに言うと、背を向けてその場を去ろうとする。

桐生「ーーそうか、分かった。なら首洗って待ってろ。仲間の命がかかってんだ」

デュラハン「城には俺の配下のアンデットナイト達がひしめいている。お前たちが果たして俺のところまで辿り着けるかな?」

桐生「行ってやるよ。だが、こうなったからにはお前も覚悟を決めろよ。もし最上階まで辿り着いたその時はーー」

桐生は語気を強めて、しかし静かに、

桐生「容赦はしねぇ……!」


132 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 19:22:01 KkppyKk6
>桐生「……なぁデュラハン。どうしても、駄目か?」

かわいい


133 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 19:42:14 rzfHhQ4A

デュラハンが去った後、冒険者たちはあんまりな展開にしばし呆然と立ち尽くしていた。

桐生「……、」

めぐみん「……カズマ、一人で行くつもりですか?」

桐生「これは今までのクエストとは違う。相手がどんな魔法を使ってくるかも分からない。お前には危険すぎる」

めぐみん「では、その危険な目にカズマが合ってるかもしれない時に、私は指をくわえて待ってろと言うのですか!?」

めぐみんは小さな身体を精一杯に伸ばし、桐生に食って掛かる。

めぐみん「馬鹿にしないで下さい! 私は自分のケジメくらい自分でつけれます。カズマの足手まといになるどころか、むしろ私がカズマを助けてあげますよ!」

桐生「めぐみん……」

めぐみん「……アクアはダクネスに付いていてあげて下さい。デュラハンの呪いが、いつどんな症状を引き起こすか分かりませんので」

めぐみんは続いてダクネスに向き直ると、

めぐみん「こんなことになってしまってすいませんダクネス。あなたの呪いは、私とカズマで絶対に……」

アクア「『セイクリッド・ブレイクスペル』!」

突然呪文を唱えるアクア。
ダクネスの身体が淡く光った。

アクア「この私にかかれば、デュラハンの呪いの解除なんて楽勝よ! どう、どう? 私だってたまにはプリーストっぽいでしょ?」

桐生・めぐみん「……、」

梯子を外されて、何とも言えない表情をする2人。
そしてダクネスはというと、どことなく残念そうに、しょんぼりしていた。


134 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 20:06:35 oFnHBBL2
草生える


135 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 20:47:02 LGu6llx2
何やかんやアクア様は凄いですね…


136 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 20:49:48 rzfHhQ4A

ーーーー1週間後

アクア「クエストを受けましょう! 高難易度でもいいから」

桐生「どうしたんだ突然。そんなにモンスターが狩りたいのか?」

アクア「もうアルバイトをするのが嫌になったのよ! やっぱ冒険者たるもの、手っ取り早くクエストで稼ぐべきよね」

桐生「真面目に商売している人に謝れ」



【ギルド】



アクア「ちょっと!? これこれ! これにしましょう」

桐生「……どうした?」

『ーー湖の浄化ーー街の水源の一つの、水質が悪くなり、ブルータルアリゲーターが住みつき始めたので水の浄化をお願いしたいーー』

桐生「……お前水の浄化なんでできたのか?」

アクア「失礼ね! 大体外見や名前で、私が何を司る女神かくらいわかるでしょ」

桐生「宴会じゃないのか?」

アクア「そんな限定的なシチュエーションの神がいるか。水よ! この美しい水色の瞳と髪が見えないのっ!?」

桐生「なるほど」

せっかくなので、このクエストを受注することにした桐生会。
アクア曰く、身体のどこか一部が水に触れていればいいらしく、かかる時間は半日ほどとのこと。

桐生「問題は……、」

めぐみん「その間、どうやってブルータルアリゲーターからアクアを守り抜くか。ですか……」

ダクネス「私としては、アリゲーターから逃げ回り時間を稼ぐというのも興味深いのだが」

桐生(……さぁどうするかな)

桐生は考える。

桐生(それにしてもワニか。闘技場で熊とはやりあったがワニは…………ん? 闘技場? 闘技場……檻……………………ッ!!)

めぐみん「ん? どうしましたカズマ」

桐生「閃いた!」


137 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 21:11:35 jbAir6E6
あれ、桐生さんも熊とやりあってたっけ?


138 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 21:25:23 rzfHhQ4A

【湖畔】

アクア「……ねぇ、私捕まった猛獣の気分なんですけど」

クエスト受注から数時間後、アクアは希少モンスターを閉じこめておく鋼鉄の檻(ワークス上山製)の中で、体育座りをしていた。

めぐみん「じゃ、入れますね」

アクアの入った檻が、湖に沈められる。
さすがに水の女神というだけはあり、水中でも窒息したりすることはないらしい。

アクア「……何かダシを取られてる紅茶のティーパックになったみたい」

ーーーー二時間後

アクア「カ、カズマ! なんか来た! ねえ、なんかいっぱい来たわ!」

桐生「ほぉ、この世界のワニは、群れで行動するのか」

ーーーー四時間後

アクア「『ビュリフィケーション』! 『ビュリフィケーション』! 『ビュリフィケーション』ッッ!」

アクアが入っている鋼鉄製の檻を大量のワニが囲み、檻をガジガジとかじっている。

アクア「『ビュリフィケーション』! 『ビュリフィケーション』ッッ! ギシギシいってる! ミシミシいってる! 檻が、檻が変な音立ててるんですけど!」

めぐみん「アクアー、ギブアップなら言って下さいね。鎖引っ張って檻ごと引きずって逃げますからー!」

アクア「嫌よ! ここで諦めちゃ今までの時間が無駄になるし、何より報酬がもらえないじゃないのよおおぉぉ!」

わあわあと泣き叫びながらもビュリフィケーションを唱えるアクア。

ダクネス「そういやカズマはどこに行ったんだ?」

めぐみん「じっとしてるのが飽きたって言って、あそこでワニと闘ってます」

ダクネス(……ちょっと楽しそうだな……)


139 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 21:51:39 dcCq5rOo
>>めぐみん「じっとしてるのが飽きたって言って、あそこでワニと闘ってます」

えぇ…


140 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 22:03:59 H5lCyy5I
6では尾道でサメとかと戦ってたし、勝てるやろ


141 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 22:17:52 rzfHhQ4A

ーーーークエスト終了後

めぐみん「アクア。もう街に着きましたよ。そろそろ檻から出ては?」

アクア「嫌よ。この中こそが私の聖域よ。外の世界は怖いからしばらく出ないわ」

桐生(うーん……、すっかりトラウマになってしまったようだ)

と、

??「め、女神様っ!? 女神様じゃないですかっ! 何をしているのですか、そんな所で!」

ダクネス「おい、突然なんだ貴様は。知り合いにしては、アクアがお前に反応していないのだが?」

桐生「(……アクア、お前の知り合いか? 女神とか言ってるぞ)」

アクア「女神? ……ああ! そういや私女神だったわね! それで? 女神の私にこの状況をどうにかして欲しい訳ね? しょうがないわね!」

ようやく檻から出てきたアクア。
彼女は声をかけてきた青年を見ると言った。

アクア「……あんた誰?」

桐生(知り合いじゃないのか……)

アクアにそう言われた男は驚いたような表情で、

御剣響夜「何言ってるんですか女神様! 僕です、魔剣グラムを頂いた御剣響夜です!」ドンドン

魔剣を持つソードマスター
ーーーー御剣 響夜ーーーー

アクア「ああいたわねそんなの。いっぱい送ったから忘れちゃってたわ、ごめんごめん」

御剣「ええと、お久しぶりですアクア様。あなたに頂いた魔剣を使って、レベルも37まで上がりました。……ところでアクア様はなぜこんな所に?」

アクアは御剣にこれまでの経緯を説明した。

御剣「バカな……。ありえないそんな事! あなたは何を考えているんですか!? よりにもよって女神をワニの囮にするなんて!」

いきり立って、桐生に掴みかかる御剣。

桐生「おい落ち着けよ。第一今回のクエストを選んだのはアクア本人だぞ」

アクア「このやり方を思い付いたのはカズマだけどね」

桐生は御剣をなだめようとするが、興奮していて話を聞いている素振りはない。

御剣「……他にもクルセイダーにアークウィザード? 一体どんな手を使ってこんな優秀な仲間を集めたんだ。…………はっ! そうか、君たち皆このおっさんに脅されているんだな! よく見れば何とも人相の悪い顔だ」

桐生「ーー初対面の人間に対して、随分と失礼だな。何の根拠があってそんな事言われなくちゃならねぇんだ?」

めぐみん「本当ですよ。どこの誰だか知りませんが、いい加減にしないと爆裂魔法撃ちますよ」

御剣「無理をしなくていいさ。どうせそれもこの男に言わされているだけなんだろう? 大丈夫。今すぐ僕が君たちを解放してあげるから……!」

そう言うと、御剣は腰に差している魔剣を抜いた。

ダクネス「おいお前何をーーーー!」

桐生「……どうやら、何を言っても無駄なようだな」

桐生はめぐみんとダクネスに下がるように言うと、

桐生「お前がどう思おうが自由だが、俺にはお前に倒される理由がない。……それでもやるってんなら、悪いがこっちも手ださせてもらう」

御剣「ーーフッ、望むところだ。勝つのは正義だということ、思い知るがいいッッ!」


ーーーー御 剣 響 夜ーーーー


BGM→https://youtu.be/BBpJJAttpEo


142 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 22:49:45 4TSuuCLg
唐突なBGM
いいゾ〜これ


143 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 22:52:08 rzfHhQ4A

桐生「オゥラァ!‼」柱撃の極み
御剣「がああぁぁぁぁぁ!」


桐生「オラオラオラァ!」大根おろしの極み
御剣「うぐぅぅ……!」


桐生「終わらせてやるよぉ!‼!‼」アルティメットヒートモード
御剣「うぐッッ! あ、アクア様……助け、ーーーーーーギャアアァァァァァァァァァ!‼!‼!‼!‼!‼」


ーーーー数分後


御剣「も、もう許して下さい……!」ドゲザ

アクア「情けないわね。お詫びにアンタの魔剣貰っていくわよ」

桐生「ーー次からはもう少し、ちゃんと人の話を聞くんだな」

経験値1200を獲得した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーー数日後



【ギルド】

御剣「あのー、アクア様……」

アクア「あら? アンタこの前の……、ええと何だっけ?」

御剣「御剣です。あのぅ、たいへん申し上げにくいのですが、あの魔剣、返して頂けないでしょうか? あれがないと、クエストが……」

アクア「ああ、あれならカズマにあげたわよ。私にあんな剣必要ないし」

御剣「え?」

アクア「カズマー! あの剣ってどうしたの? 何か返して欲しいって訪ねてきてるけど」

桐生「……ああ。あの剣なら檻を返しに行ったついでに、上山に素材として提供したぞ。珍しいものだったらしく、結構喜んでたな」

御剣「な……! 素材にしたぁ!? あなたはあの剣がどれほどの価値があるのか分かってーー!」

桐生「もしかしたらまだ店にあるかもな。一度行ってみたらどうだ?」

御剣「く、クソオォォォォォォ!」

叫びながら、ギルドを飛び出していく御剣。

桐生「アイツワークス上山の場所知ってるのか……?」

アクア「さぁ?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


第一章『転生』をクリアしました。
データを上書きしますか?

→はい  いいえ


144 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 22:52:49 rzfHhQ4A
また残ってたら続き書きます


145 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 22:54:02 bc6bseD.
残すんだ(使命感)


146 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 22:58:23 ggJAWooM
いいゾ〜コレ〜


147 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 23:19:41 haQfsxRA
面白いから残れ


148 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/26(日) 23:57:39 KkppyKk6
長く続きそう(願望)だし、がんばってほしい


149 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/27(月) 00:07:12 iJeFQmsU
面白いし読みやすいから残ってほしい


150 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/28(火) 13:39:50 bfBZ/3Rs
いつ来るのかな


151 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/28(火) 19:11:46 LW65PXmk


第二章 『捨てた名声』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



【桐生会事務所】

桐生「いくつかクエストをこなした事で、この街に来た時を思うと少し余裕ができたな」

アクア「ワニの群れにも臆せず勇敢に立ち向かった私のおかげね。感謝していいわよ」

桐生「……トラウマ抱えて檻に閉じこもったのはどこのどいつだったか……」

しかし、アクアの活躍により懐事情が潤ったのは事実だった。
本人も借金を返済したことで安心したようで、今はソファに寝転んでネロイドなる謎のシャワシャワドリンクを飲んでいる。

アクア「カズマも飲んでみる?」

桐生「どれ……」

桐生(なるほど、確かにシャワシャワとしか表現できない)

経験値46を獲得した。

めぐみん「カズマー、アクアー」

桐生「どうした?」

めぐみん「ダクネスが個別のアイテムボックスを作ってくれました。これでクエスト途中で拾った装備や素材も整理できますよ」

ダクネス「しばらくはここが拠点になりそうだからな。環境を整えておくのにこしたことはないだろう」

今までは馬小屋で寝泊まりしていた4人だが、このたび小さな空き家を改築して新居としていた。
二階建て一軒家の一階にある応接間は事務所らしく、桐生会の代紋と『仁義』と書かれた行書の掛け軸が掲げられている。
恐らくはアクアの悪ふざけだろう。

めぐみん「そういえばカズマはまだこの国に来て日が浅いんでしたよね。せっかくですし、街を見て回ったらいかがですか?」

桐生「……確かに、今までクエスト続きでろくにここのことを知らないな。街をぶらついてみるか」

めぐみん「一通りしたら、また私に声をかけて下さい。クエストに向かいましょう」

桐生「わかった」

桐生(さて、適当に回るか) 


※『アジト』が使用可能になりました。『アジト』ではセーブ/ロードの他、持ち物の整理やこれまでの進捗状況の確認、過去のムービーを見ることができます。また『アジト』にいる間は体力が少しずつ回復します。

※『サブストーリー』が解禁されました。


152 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/28(火) 19:14:20 n8XPsicg
も!


153 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/28(火) 20:32:22 LW65PXmk

【アクセルの街中央広場】

桐生(この辺りが街の中心だな。それにしても整備された美しい街だ……)

アクセルの街は誰が見てもさっぱりとした印象を与える。
いくつかの主要な通りによって区画され、道は石畳、家はレンゲ造りとまるでどこぞのアミューズメントパークのようだ。

桐生(沖縄を思い出すな。……遥、太一、綾子、泉ーーーーそしてハルト。元気にしてるだろうか?)

??「桐生さん? あー! やっぱり桐生さんだ! まさかこんなところで会えるなんて!」

ふいに後ろから声をかけられる。振り向くとそこには見慣れたおにぎり頭。

桐生「お前はーー、曽田地……!?」



ーーSUB STORY No.01『強さの追求』



曽田地「ええ! その節はお世話になりました。ボク、桐生さんのおかげで強くなれたこと、感謝してるんですよぉ」ドンドン

曽田地道場師範代
ーー曽田地 康夫ーー

桐生「俺は何もしちゃいない。強くなれたのは、ひとえにお前の努力だ」

曽田地「そんなことありませんよぉ。ボクが強くなりたいと思ったきっかけは、桐生さんに負けたことなんですからーーーーあ、そうだ!」

桐生「ん?」

曽田地「ボク、神室町にいた頃よりもっともっと強くなれたと思うんですぉ! もしよろしければ、今から手合わせお願いできませーん?」

桐生(ううん……どうしようか)

→手合わせする  断る

桐生「ああ、いいぜ」

曽田地「やったあ! ありがとうございます。じゃあ遠慮なく……、死ねやああああああ桐生ううううう!‼!」



ーーーー曽 田 地 康 夫ーーーー


BGM→https://youtu.be/3xyKuwULMoI


154 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/28(火) 20:41:51 LW65PXmk


曽田地「ホイ!ソラッ!」シュッシュッ
桐生「オラァ!」虎落とし
曽田地「グハッ!」


桐生「ハッ! フッ! ハッーーーーウォラァ!」連続膝蹴りの極み
曽田地「ガハアアアアァァ!‼!」


ーーーー数分後


曽田地「痛たたた……。や、やっぱり桐生さんは強いですね。ここまでやっても……勝てないなんて」ハァハァ

桐生「いや、お前は確実に強くなってる。このまま努力すれば、その内俺を倒せるかもな」

曽田地「ほ、本当ですかぁ! よぉし、打倒桐生さん目指して頑張るぞぉ!」

桐生「……なぁ曽田地」

曽田地「はい、なんでしょう?」

桐生「桐生会を覚えているか?」

曽田地「もちろんですよぉ! 神室町では色んな強敵と闘いましたねぇ」

桐生「実はな、こっちでもその名前で新しくチームを結成してクエストをこなしてるんだ。もし良かったら、お前も入ってみないか?」

曽田地「おぉ! さすがは桐生さん! この世界でも相変わらずカリスマ性を発揮してますねぇ! いいですよ。ボクでよければ是非是非よろしくお願いします!」

桐生「いい返事だ。俺たちの目的は魔王を倒すことだ」

曽田地「じゃあ桐生さんたちと一緒にいれば、さらに強くなれますね! ボクの格闘理論、魔王に通用するのか……! 楽しみだなぁ」

桐生「フッ……よろしく頼むぜ」


桐生会に曽田地が加入しました(出撃コスト50 スキル『ダイビングヘッド・極』)

サブストーリー『強さの追求』をクリアしました。

経験値1400を獲得した。


155 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/29(水) 02:32:38 KGLa2mGY
残せ


156 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/29(水) 03:24:37 6VzzuzQI
このSSきっかけで、このすば見始めました…(告白)


157 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/29(水) 03:45:09 W23pShnw
相変わらずの面白さ


158 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 19:09:28 cReyjtTo

桐生(よし、一通り街を散策したな。……そういえば以前ウィズの店に行く約束をしていたな。せっかくだし様子を見てみるか)

桐生(しかし手ぶらで向かうのも失礼だろう。迷惑かけた詫びも兼ねて、何か手土産が欲しいところだ)

しかし桐生はこの街で何が人気なのかをよく知らない。

桐生(こういう時は人に聞いてみるのが一番だ)


ーーーー情報を集めろーーーー


松重「ん、皆に喜ばれるものだぁ? そうだなぁ、ネロイドなんかいいんじゃねぇか。お前の連れの姉ちゃんもよく飲んでるだろ」
桐生(ふむ、ネロイドか。甘くて人気のある不思議な飲料だ。嫌いな人はいないだろう)


千石「土産ぇ? そりゃあ551の豚まんに決まっとる! 大阪土産の定番や」
桐生(蓬莱の豚まん。あえてミンチではなく大きめにカットした豚肉が特徴の大阪名物だ。秋山からもらったのを食ったが、美味かったな)


品田「うーん……、ういろうとかどうですか? 名古屋では知らない人はいませんよ」
桐生(青柳ういろう。厳選されたうるち米を使った独特の食感が特徴の和菓子だ。お茶にも合うしウィズも喜んでくれるだろう)


【えびすや】


桐生(いくつか候補は集まったな。さて、どうするか)

→『ネロイド』
 『551の蓬莱 豚まん6個入り』
 『青柳総本家 青柳ういろう5本入』

桐生「これを貰おう」

『クリムゾンネロイド』を手に入れた。

桐生(よし、ウィズの店に向かおう)


ーーーーウィズの店へ向かえーーーー


159 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 19:49:03 hg0QCDs6
もう始まってる!


160 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 20:19:28 cReyjtTo

桐生「セェヤァ!」ドスの極み
チンピラ「グフッ! うぅぅ……」


桐生「フン! ハッ! ウォラァ!」壊し屋スタイル
ギャング「許してください! もうしませぇぇん!」2000エリスを手に入れた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



【ウィズの魔道具店】


桐生(ここか、……何だか怪しそうな店だ)ガチャ

アクア「さぁ覚悟なさいよリッチー! 女神の名にかけて、今度こそあの世に送ってあげるわ」

ウィズ「ちょっとやめてーーって、ああ桐生さん!? ちょうど良かった。助けてくださーい!」

桐生「……何やってるんだお前は」

アクア「あ、カズマ、聞いて! コイツ魔王軍の幹部なのよ! 仕留めれば大金が入ってくるわ、ここで殺るわよ。アンタも手伝いなさい!」

桐生「おい落ち着け。この状況だとお前の方が魔王軍に見えるぞ」

桐生は興奮するアクアをひとまずウィズから引き剥がす。

桐生「大丈夫かウィズ。何度も何度も俺の仲間が済まないな」

アクア「ちょっとカズマ! アンタ何やってるか分かってんの!? そいつの肩を持つってことは魔王軍に協力するってことなのよ!?」

ウィズ「違うんです桐生さん! 話を聞いて下さい!」


161 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 20:23:26 kEBe.o/s
チンピラたちはこっちにも普通にいるのか…まあ、当然だな!


162 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 20:50:06 cReyjtTo

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



桐生「つまりお前はただ魔王に頼まれて結界を維持しているだけで、別に魔王軍を率いて人里を襲ったりはしていないと」

ウィズ「そうなんです。他の幹部と違って賞金もかけられていませんし、そもそも結界の維持は私だけでしている訳ではないので、私を倒しても魔王攻略には繋がりません」

アクア「何乗せられてんのよカズマ! そいつは8人しかいない幹部の1人ーーつまりは直参団体の組長よ! 間違いなく私たちの敵!」

桐生「たとえ敵対組織の幹部だろうが、問答無用で襲いかかるのは俺のスタイルじゃねえんだ。ウィズと会うのは二度目だが、俺にはどうしてもコイツが悪い奴には見えない」

ウィズ「……お願いします。せめて、アクア様が結界を破れる程度に幹部が減るまで生かしておいて下さい……」

アクア「ダメよカズマ! あんたは腕っぷしはいいけど、人を見る目は壊滅的なんだから」

桐生「酷い言われようだな。これでも俺は今までいろんな境遇の奴らを見てきた。人間観察には自信があるつもりだ」

アクア「ふーん、さすがジングォン派の幹部を5代目に指名した人は言うことが違うわねぇ」

桐生「……また昔のことを持ち出しやがって」


163 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 21:16:12 SvGXUQAU
あくしろ〜
楽しみでもう待ちきれないよ


164 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 21:23:37 cReyjtTo

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



桐生「ならこうしよう。ウィズはこれまで通り結界の維持以外は魔王軍に協力しない。万が一これを破って人を襲ったりしたらその時は、俺がケジメをつけさせる。これで満足か?」

アクア「ま、まあカズマがそこまで言うなら、別にーー」

桐生「ウィズ、済まないな。勝手なこと言っちまったがよかったか?」

ウィズ「はい。私は確かに魔王軍の幹部ですが、心は人間のつもりです。街を襲おうなんて考えたこともありませんし、これからもそんなことはしません」

桐生「そうか、よかった。これはこの間の詫びも兼ねてだ。受け取ってくれ」

『クリムゾンネロイド』を渡した。

ウィズ「わぁ……こんな素敵なものを。ありがとうございます桐生さん。おいしく頂きますね」

アクア「カズマ、私には?」

桐生「ほらよ」

『期限切れ弁当』を渡した。

アクア「……女神にこんなものを渡すなんていい度胸ね」

桐生「お前なら食えるだろ」

と、そんな時だった。

立華「ごめんください、ウィズさんはいらっしゃいますか?」

店先の鐘をならして入ってきたのは、中年の男だった。


165 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 21:45:10 R2NRFFrc
桐生さん期限切れ弁当取っておいてたのか…


166 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 21:59:11 cReyjtTo

桐生「お前、もしかして立華かーー?」

立華「お久しぶりですね桐生さん。似たような人を見かけたと聞いていたので、まさかとは思ったのですがーー」ドンドン


立華不動産社長
ーー立華 鉄ーー


アクア「また随分と懐かしい人が来たわねー。心配しなくてもマキムラマコトちゃんは元気よ」

立華「え? なぜ妹のことを……、というよりこの女性はいったいーー」

桐生「ああ気にしないでくれ。それよりウィズに用があったんじゃないのか?」

立華「ええ、そのことなんですがーー」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



桐生・アクア・ウィズ「悪霊?」

立華「ええ、悪霊を祓っても祓ってもいくらでも新しいのが湧いて住み着いてしまうのですよ。それで、今は物件を売るどころではなく、除霊をするのに精一杯でして」

立華は疲れた表情で苦笑いした。
聞くと、ウィズは高名な魔法使いとして皆から頼られていたらしい。

立華「特にアンデッド絡みの問題に関してはウィズさんはエキスパートみたいなものでして。それで、こうして相談に来たんです」

桐生「そうなのか」

立華「ですがその……、今日のウィズさんは何だか具合が悪そうですね」

アクア「……、」

ウィズは先ほどアクアと揉み合ったことで、かなり体力を消耗していた。

ウィズ「だ、大丈夫です! とにかく、その屋敷の悪霊たちをどうにかすればいいのですね?」

立華「ええ、ですがウィズさん。具合が悪いなら結構です。無理しないで下さい!」

立華がウィズを支え、そんな光景を見ていられないようにアクアが目を逸らす。

桐生(ったく、しょうがねぇな)

桐生「なぁ立華」

立華「はい?」

桐生「その依頼、俺たちが受けてやる。アンタには昔世話になったからな。せめてもの恩返しだとでも思ってくれ」


167 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 22:38:37 cReyjtTo

【立華不動産所有の屋敷】


桐生「……ここか」

めぐみん「はぇ〜、すっごい大きいです」

アクア「悪くないわね! ええ、悪くないわ! この私が住むのに相応しいんじゃないかしら?」

ダクネス「しかし、本当に除霊ができるのか? 聞けば、今この街では祓っても祓ってもすぐにまた霊が来ると言っていたのだが」

めぐみん「でもこのお屋敷、長らく人が住んでいない感じなのですが、悪霊騒ぎがあったのはここ最近ですよ? もしかして、今回の街中の悪霊騒動が起きる前からある、訳有り物件だったりして……」

ダクネス「ま、まあたとえそんな問題物件だったとしても私たちにはアクアがいる。な? 大丈夫だよな、対アンデッドのエキスパート」

アクア「任せなさいな! ……ほうほう。見える、見えるわ! この私の霊視によると、この屋敷には貴族が遊び半分で手を出したメイドとの間にできた子供、その貴族との隠し子が幽閉ーーーーーーーーという訳でお供えはお酒を用意しておいてねカズマ!」

ダクネス「……なあ、どう思う? 何でそんな余計な設定や名前まで分かるんだってツッコミたいんだが。……本当に大丈夫なのか?」

桐生・めぐみん「……………………。」


168 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 22:49:39 kEBe.o/s
神室町と地続きになってるんじゃないかってくらい面子が揃って来ましたね


169 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 23:22:44 cReyjtTo

ーーーー夜半過ぎ


桐生(……ん、)

ふと目が覚めた桐生。

桐生(……便所にでも行くか)

と、

桐生(!? 身体が、動かないだと。金縛りというやつかーー!)

と、その時だった。

カタンッ、という音が突然響いた。桐生が眼球の動きだけで確認すると、

桐生(ん? こんな人形あったか?)

カタンッカタンッ

桐生(!?)

カタンカタンカタンッーー

桐生(なんだ? どこからともなく音がーー)

身体を動かせない為、音の出所は分からない。しかし、確実に近づいてくる。

カタンカタンカタンカタンーーーー

桐生(クソッ!)

どう考えても友好的な音ではない。桐生に焦りが募る。
と、そんな時だった。

桐生(!? ッッッ!)

金縛りが緩んだ。一瞬の隙をついて部屋の扉の前までスウェイする桐生。
見るとそこには桐生が寝ていたベッドを取り囲むような大量の西洋人形。

桐生「チッ!」

舌打ちして、桐生は部屋から飛び出る。
相手は幽霊だ。攻撃が通用するかどうかもわからない。

桐生「アクア! おいアクアはどこだ!」ダンッ

めぐみん「キャアアアアアアアア!!!! ってカズマですか。驚かさないで下さいよ」

桐生「めぐみんか……、アクアを見なかったか?」

めぐみん「あ、アクアは多分、ダクネスと共にこの屋敷内の除霊を行っているのではと思います」

桐生「アクアはともかく……ダクネスもか?」

めぐみん「本来クルセイダーは、神に仕える聖騎士にして、敬虔なる神の信徒。プリーストほどではなくとも、神聖な力を使えるはずなのです」

と、そんな中。バアアァァン!!!! という轟音と共に部屋の扉が震える。

桐生「ーー畜生、来やがったか」

めぐみん「ち、ちょっとカズマ!? なに悪霊を連れてきてくれてるんですか!?」

避難の声を上げるめぐみんだが、この部屋に逃げ場はない。
最後の砦である木製のドアはギシギシと軋み、長くは持たないことを告げている。

めぐみん「う、うわあああああぁん!!! カズマカズマ! 何とかしてくださいよぉ!」

桐生「もうやるしかねぇようだな。めぐみん。覚悟を決めろ。ーーーーーー行くぞォ!!!!」


ーーーーめぐみんと共に悪霊を殲滅しろーーーー


170 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/30(木) 23:58:25 cReyjtTo

ーーーー翌朝


アクア「ふぅ、これでよし、と。結構いたわねー。結局朝までかかっちゃったじゃないの」

ダクネス「ふむ、一応ギルドに報告した方がいいだろう。クエストを受けた訳ではないが、本来ならば冒険者がなんとかすべき仕事だ。臨時報酬くらいなら貰えるかもしれない」

ダクネスの言葉に全員が頷いた。
ダクネスとめぐみんは屋敷の片付け。桐生とアクアはギルドに報告しに行くことに。


【ギルド】


桐生「朝早くにすまないな。桐生会のモンだ」

ルナ「あ、桐生さん。はい何でしょう?」

桐生は昨晩の出来事を説明した。

ルナ「確かにこの案件では、悪霊が蔓延っているということで、様々な所から相談を受けております。街にいるモンスターを退治したということで、僅かですが臨時報酬が出ます」

アクアが無言でガッツポーズする。

ルナ「それで悪霊が増えた原因なんですが、街の共同墓場があるじゃないですか? あそこに、誰かがイタズラで神属性の巨大な結界を張ったんですよ。それで、行き場を失った霊があの屋敷に住み着いたようでーー」

アクア「…………、」

桐生「おいアクア」

どこかへ行こうとしたアクアの頭を、桐生の手が鷲掴みにする。

アクア「はい」

桐生「言え」

アクア「……あの墓場の霊を定期的に成仏させることをウィズに約束しちゃったんですけど、墓場まで一々行くのがめんどくさいなぁと思いまして。で、いっそ墓場に寄り付けなくしちゃえば適当に散ってどっか行くだろうとーー」

観念したように、洗いざらい話すアクア。

桐生「じゃあ結局、今回の件はお前の手抜きが原因ってことか」

アクア「はい」

桐生「……、ギルドからの臨時報酬は無しだ。いいな?」

アクア「はい」

桐生「立華にも詫びいれとけよ。これじゃ詐欺も同然だ」

アクア「はい」


171 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/31(金) 00:03:32 Wyyz2DZM
ちょこちょこ異世界感皆無なワードが出てきて草生えますよ


172 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/31(金) 00:16:52 qIM05OYY
場が場ならエンコ


173 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/31(金) 00:20:40 yI2GdpOs
この流れなら間違いなく真島の兄さんこっちにいますね…


174 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/31(金) 02:09:58 zMNAXjyA
そういや6で幽霊殴ってましたね…


175 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/03/31(金) 02:43:52 pco3jwbg
GS桐生一馬極楽大作戦!!


176 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 13:11:51 UDm.jeuE

幽霊退治の一件から数日後。


【桐生会事務所】


松重「オイお前らやべぇぞ!」ガチャ

突如松重が焦った様子で飛び込んできた。

桐生「どうした、何があった!?」

松重「前にそこの金髪の姉ちゃんに呪いかけてった首無しの騎士いただろ。アイツが今正門前に表れてお前らのこと探してる!」

ダクネス「デュラハンが?」

松重「ああ、えらく怒ってる様子だぜ。今ギルドも大慌てで冒険者を集めてる」

桐生「なぜだ? 俺達はあれ以降アイツには関わっちゃいないぞ」

松重「さあな。とにかく死にたくなけりゃあ身を隠してることだ。お前らがいないと分かればアイツも諦めて帰るかもしれねえ」

そう言い残して松重は出ていった。

桐生「何で今さらアイツが来るんだ」

ダクネス「怒ってると言ってたが、一体何が原因なのだろうか? 城に爆裂魔法を撃ち込むのはもうしていないのだろう?」

桐生「ああ。そもそもあのトレーニングはめぐみん1人ではできない。爆裂魔法を使った後動けなくなるからな。となると何が……」

めぐみん「……、」

アクア「……、」

ダクネス「……なあカズマ。さっきからこの2人が一言も喋っていないのだが」

桐生「……、おい」

桐生は2人の頭を掴むと首を自分の方に向けさせる。
しかし、それでも彼女達は桐生と目を合わせようとしない。

桐生「ーー今正直に話せば許してやる。猶予は5秒だ。後から分かった場合は承知しねぇ」

アクア「私がめぐみんの日課に付き合ってました!」

桐生「ーー、」塩の極み

めぐみん「イッタアアアアァァァァ! 目がアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」

アクア「ギャアアアアアアァァァァ、何で私もオオオオオ!!!?」

悶え苦しむ2人を見てダクネスは何故かウズウズしだす。

ダクネス(……ち、ちょっとやられてみたい)


177 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 13:16:20 UDm.jeuE

めぐみん「……あうう、こ、これがゴクドーのケジメというやつなのですね……」

アクア「う、うぅぅぅ……。や、約束と違う。話せば許してくれるって言ったのに……」

桐生「許してやっただろう? 俺のいた組織でヘマやらかしたらこの程度じゃ済まねえぞ」

ダクネス「それよりどうするんだ? 前回の一件があってのこれだぞ。間違いなく許してはもらえない。逃げるか?」

桐生「さっき松重は冒険者が集められてると言っていた。このままじゃ被害がでるかもしれない」

デュラハンは仮にも魔王軍の幹部。この街にいる駆け出しの冒険者が束になっても敵わないだろう。

桐生「ここで俺達が逃げれば、この街の住人が俺達を庇ってると思い込んだデュラハンが無差別に攻撃を始める恐れもある」

ダクネス「と、いうことはーー」

桐生「ああ、やるしかねぇ。遅かれ早かれどうせいつかは戦わなけりゃならないんだ。向こうがどうしてもって腹積もりなら受けて立とう」

桐生がそう言うと、ダクネスは静かに微笑んだ。

ダクネス「潔いな。カズマのそういうとこ、私は結構尊敬してるぞ。……それにデュラハンがどんな攻撃をするのか気になるしな」

桐生「……これから強敵と戦うときの参考に、という意味でだな」

桐生(恐らく厳しい戦いになるだろう。準備を整えて正門へ向かおう)


ーーーー街の正門前に向かえーーーー


178 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 14:22:11 UDm.jeuE

デュラハンは桐生たちの姿を見つけると、開口一番叫びを上げた。

デュラハン「なぜ城に来ないのだ、この人でなしどもがあああああっ‼」

桐生「爆裂魔法の件は申し訳ない。俺の管理不足だ。さっききっちりシメておいたから、もう二度と迷惑はかけない」

桐生はそう言うと、アクアとめぐみんに頭を下げるよう促す。

アクア・めぐみん「……申し訳ございませんでした。今回の件に関しては深く反省し、二度とこのようなことを起こさないことを誓います」

デュラハン「なんだその台本を読むかのような謝罪は。そもそも、俺が怒っているのは何も爆裂魔法の件だけではない!」

デュラハンは声のトーンを上げて、

デュラハン「貴様らには仲間を助けようという気はないのか? 俺はこれでもモンスター化する前は真っ当な騎士のつもりだった。その俺から言わせれば、身を呈して仲間を庇った、騎士の鑑のようなあのクルセイダーを見捨てるなど………………!」

ダクネス「すまない、遅くなった! 準備に時間がかかってしまってーー」

デュラハン「え……………………あ、あれぇーーーーーーーーーーーーっ!?」

ダクネスの姿を見たデュラハンが素っ頓狂な声を上げた。

アクア「なになに? アンタ、私達が呪いを解くために城に来るはずだと思って、ずっと待ち続けてたの? あの後すぐに呪いを解かれちゃってるとも知らずに? プークスクス! ちょーうけるんですけど!」

デュラハン「…………おい貴様。俺がその気になれば、この街の住人を皆殺しにするくらい造作もないのだぞ? いつまでも見逃してもらえると思うな」

アクア「見逃してあげる理由がないのはこっちの方よ! ここで決着つけてくれるわ。食らいなさい『ターンアンデッド』!」

デュラハン「ふん、残念だったな。俺様率いる、このアンデッドナイトの軍団は神聖魔法に対しては強いたいせーーーーギャアアアアアア!!」

アクア「ね、ねえカズマ! 変よ、効いてないわ!」

桐生「効いてないのか? 黒煙上がってるが……」

アクアの魔法を受けたデュラハンは、よろめきながらもなんとか立ち上がる。

デュラハン「お、おのれ……、低レベルな冒険者しかいないと聞いていたから放っておいたがーー」

デュラハンは震える両足を固定するようにガッと地面を踏みしめ、

デュラハン「もう許さん。予定変更だ。この街もろとも冒険者どもを1人残さず殲滅してくれるッッ!」

そう言うと、左手に自らの首を抱え、空いた右手を高く掲げた。

デュラハン「さあお前達! この俺をこけにしたこの連中に、地獄というものを見せてやるがーーーー」

めぐみん「『エクスプロージョン』ーーーーーーッ!」

デュラハン「ぐわああああああああああっっっ‼!!?」

デュラハンが戦闘の口火を切る前に、めぐみんの爆裂魔法が撃ち込まれた。
デュラハンの回りに蔓延っていたアンデッドナイト達は1体残らず消し飛ばされる。

アクア「カズマ! 変よ、効いてないわ!」

桐生「効いてない、のか? 悲鳴を上げていたがーー」

配下のアンデッドナイトは消えたが、さすがは魔王軍の幹部。デュラハンは爆裂魔法にも耐えた。
力を振り絞って、立ち上がりながら彼は言う。

デュラハン「お、おい……。まだ口上も終わっていないのに、反則だろう」

めぐみん「1人残らず殲滅するって言った時点で、もう宣戦してるんですよ。こういうのは先手を取った方が勝ちなのです」

めぐみんはそう言うと、爆裂魔法を使った反動でいつも通り倒れこむ。
そんなめぐみんに他の冒険者たちから歓声が浴びせられる。

「うおおおお! やるじゃねーか、頭のおかしい子」
「頭のおかしい紅魔の子がやりやがったぞ!」
「名前と頭がおかしいだけで、やる時はちゃんとやるじゃないか!」

めぐみん「カズマちょっとあの人達の近くまで連れて行って貰えませんか? もう一発爆裂魔法を撃ちたいので」

桐生「もう魔力は使い果たしただろう。大人しく寝てろ」


179 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 14:50:09 UDm.jeuE

めぐみんの爆裂魔法により、場の士気が上がった。

デュラハンは、そんな冒険者達を一瞥すると、ゆっくりと大剣を構える。

デュラハン「……いいだろう。まさかこの駆け出しの街で配下を全滅させられるとは思わなかったが。かくなる上は、俺直々に相手をしてやろう」

「たった1人で何凄んでんだ」
「2発の魔法でアイツはもう虫の息だぜ!」
「今ならやれるぞ! 懸賞金は俺のモンだ!」

周りから次々と強気な声が上がる。
冒険者達が飛び出していくのに時間はかからなかった。

デュラハン「フッ……」

デュラハンは馬鹿にしたように小さく笑うと、持っていた首を真上に投げる。

桐生(まずい……!)

「四方から取り囲め! 一度にかかれば死角ができる!」

桐生「おい、止めろ! 下がれ!」

桐生の叫びが冒険者達に届いたかどうかは分からない。



一瞬、白い閃光が走ったと同時。冒険者達が音もなく斬り捨てられた。



歓声が一瞬で悲鳴と沈黙に変わる。

ベルディア「そう言えば自己紹介ができていなかったな。俺はベルディア。魔王軍幹部が1人、デュラハンのベルディアだ」ドンドン


魔王軍幹部の元騎士
ーーベルディアーー


大剣を軽く振って彼は言う。
刀身には血の1滴すら付いていない。
落ちてきた首を手の平で受け止めながら彼は気楽な調子で聞いてくる。

ベルディア「次は誰だ?」


180 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 15:16:52 vDnfHlJA
強すぎィ!


181 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 15:57:57 UDm.jeuE

沈黙が場を支配する。
この状況で名乗りでる者などいるはずがない。誰もがそう思った。
しかし、

桐生「俺だ」

ダクネス「カズマ!?」

桐生「俺が、相手になってやる」

ベルディア「ほう」

ベルディアは興味深そうに首を持つ手をつき出す。
恐らくこれが、彼にとっての『見る』という行為なのだろう。

ベルディア「貴様の職業はなんだ?」

桐生「冒険者だ」

ベルディア「冒険者? それは狩人全般の総称ではなく、プリーストとかソードマスターのような職種としての冒険者ということか?」

桐生「……それが何だ」

ベルディア「……クク……ハハッ、クハハハハハハハハ‼!!!! 面白い! 実に面白いぞ! まさかこんな駆け出しの街の、しかもその中でも最弱職の冒険者が俺に挑んでくるとはな!」

ベルディアは可笑しくてたまらないという風に笑いだした。
ひとしきり笑い終えると、彼は吐き捨てるように言う。

ベルディア「ーー失せろ雑魚が。なぜこの俺が貴様なんぞに1対1で相手をせねばならん」

ダクネス「雑魚なんかじゃないッ!」

突然ダクネスが叫んだ。

ダクネス「カズマは雑魚なんかじゃないぞ! 私たちのパーティが、どれだけカズマに助けられているか何も知らない癖に、適当なことを言うなッ‼!」

桐生「おいダクネスーー」

ダクネス「カズマ、ここは私に任せてくれ。コイツは私の仲間を馬鹿にした。私は自分が罵られるのは大好きだが、仲間を馬鹿にされるのは許せない」

ベルディア「お前か。この前のことといい、本当にお前は仲間想いだな。感心したぞ、いいだろう。その闘志、俺に見せてみろ」

ダクネスは剣を携えると、ベルディアに突撃していく。


182 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 16:00:32 UDm.jeuE

ダクネス「うおおおお!」ガンッ

ダクネスが振り下ろした剣は、ベルディアの足先数センチ手前の地面に叩きつけられた。

ベルディア「……………………は?」

ベルディアは一歩も動いていない。

桐生(そうだ、コイツは確かとてつもなく不器用ーー)

ベルディア「……なんたる期待外れだ。さっさと死ね」

ダクネスに向けて連撃を放つベルディア。
鎧と防御スキルのおかげで、簡単には死なないダクネスだが、それでも少しずつ削られていく。

ベルディア「何なのだ貴様は!? なぜ斬れない。いくら何でもしぶとすぎるぞ」

ダクネス「か、カズマ。このデュラハンはやり手だぞっ! こやつ、先ほどから鎧を少しずつ切り裂いて、より私を扇情的な姿にーー」

ベルディア「おい! 変なことを言うな! ……面倒だ、次の一撃で決めてくれるーー!」

そう言うとベルディアは大剣を持つ手に力を込める。
恐らくは必殺の一撃。
さすがのダクネスもこれには耐えられないだろう。

ベルディア「死ね」

腰から肩へ。斬り上げるような軌道。
終わった。周りの冒険者達は惨劇を見たくないのか、思わず目をつむる。
しかしーー、

ベルディア「なーーーーっ!」

桐生「……、」

大剣の切っ先が、ダクネスの腰の手前で止まる。
辿っていくと、鎧に包まれたベルディアの腕を桐生が片手で押さえ込んでいた。


183 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 16:27:01 UDm.jeuE

ベルディア「……貴様、何者だ?」

素早く距離を取り、ベルディアは桐生に問いかける。

桐生「もう、いいだろう」

桐生は質問に答えない。

桐生「コイツはコイツなりの強さってのを証明したはずだ。もう十分だ」

ベルディア「何が強さだ。この変態クルセイダーは攻撃を受けて悦んでいただろう」

桐生「それだけだと思うか?」

ベルディア「なに?」

桐生「お前の最後の一撃は、今の状態で到底耐えられるものじゃなかった。それはコイツも分かっていたはずだ」

ベルディアはダクネスを見る。
連撃により鎧はボロボロになり露になった皮膚にも無数の切り傷がついている。

桐生「だがコイツは一切回避をしようとしなかった。それが何故だか分かるか?」

ハアハアと息を吐くダクネス。
体はボロボロだが、目はむしろ燦然と輝いている。

桐生「後ろに、守るべきモノがあるからだろう」

つまりはそれが彼女の騎士道。
背に誰かを庇っている状況で、下がる訳にはいかない。
例えそれが、死の直前であっても。

ベルディア「……なるほど、さすがだ」

ベルディアはダクネスを素直に称賛した。
その上で、

ベルディア「ならなおさら斬らせてもらおう。覚悟を決めた騎士に対して、情けをかけるのは礼節を欠くというものだ」

桐生「……誰かを守ろうと立ち上がる人間を容赦なく斬り捨てるのがお前の騎士道か」

ベルディア「勘違いするな。俺は魔王軍の幹部。今の俺にあっては、己の騎士道より魔王軍としての役割の方が上に来る。このような立派なクルセイダーを生かしておいては、いずれ我々の脅威になるのでな」

桐生「……そうか」

桐生は小さく呟くと、ダクネスに下がるよう命じる。

ダクネス「カズマ……済まない」

桐生「お前は俺に、誇るべき騎士道を見せてくれた。なら今度は俺がお前に見せてやる」

桐生はベルディアに向き直ると、少し右手を引いて構える。
堂島の龍。
彼がなぜそう言われるようになったのか、ベルディアは知っていただろうか。

ベルディア「ほう……、何を見せてくれるというのだ?」

桐生「ああ……、見せてやるよ。本物の『極道』って奴をなーーーーッッ‼!」


魔王軍幹部
ーーーーベ ル デ ィ アーーーー


184 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 16:29:52 UDm.jeuE

BGM→https://youtu.be/fB9wMy0pA6U


185 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 16:51:16 5KR.Rt06
も!


186 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 17:09:51 UDm.jeuE

ベルディア「フンッ!」ビュッ
桐生「ハッ、トォラァ!」古牧流・無刀転生
ベルディア「グウーーッ‼」


ベルディア「消えろ!」
桐生「トウッ!」逆転の極み
ベルディア「がハッ‼!」


桐生「オゥラアアアァァァ!!!!」王龍の極み
ベルディア「ガッーーーーグハッッッ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ベルディア「ま、まさかこの俺が……、冒険者なんぞに」

桐生「……、」ハアハア

ベルディア「アイツらだ。あの紅魔族の娘と、うるさいプリーストのせいだ。奴らがいなければ俺がこんな雑魚にーー」

桐生「……終わりだ。ベルディア」

ベルディア「……、」

桐生「もう2度とこの街には近寄るな。廃城からも出ていけ。いいな、次はねえぞ?」

そう言うと、桐生はベルディアに背を向けて歩き出す。

ベルディア「止めを刺さないのか?」

桐生「死にたきゃ自分でやれ」

桐生は目も向けず吐き捨てるように言う。

ベルディア「……そうか。それが貴様の生き様なのだな」

ベルディアは誰ともなく呟いた、

ベルディア「だがな、」

彼は、

ベルディア「言ったはずだぞ。騎士に情けをかけるのは失礼な行為だとーー!」

桐生「ッッーー!?」

気づけばベルディアは桐生のすぐ後ろまで来ていた。
その手に大剣はない。彼は両手で桐生の首を掴むとそのまま宙に持ち上げる。

桐生「が、がハッーー!」

ダクネス「カズマ‼!」


187 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 17:36:38 UDm.jeuE

ベルディア「来るなクルセイダー。それ以上近寄れば、コイツの命はない!」

ダクネス「くっーー!」

ベルディア「クハハ……、まさか俺ともあろう者がこんな事をするとはな。もう終わりだ、終わりなんだ! 冒険者なんぞに負けたとなれば、魔王軍に戻っても俺の居場所はない!」

桐生「……そうやって、あきら、めるのか……?」

ベルディア「諦める? 諦めてなんていない。貴様を殺し、この街を消すという目的を! 諦めてなんていないッッ!」

ダクネス「一体、どうすればーーッ!」

めぐみん「(……アクア、ダクネス)」

倒れてぐったりしためぐみんが、2人に話しかける。

めぐみん「(デュラハンは、水が弱点です)」

ダクネス「水?」

めぐみん「(昔読んだ本に書いてありました。しかし、この街の冒険者のクリエイト・ウォーターくらいではデュラハンに止めは刺せません)」

アクア「私ならもっと強力な水の魔法を使えるわよ」

めぐみん「(はい。しかし、今の状態でそれを使うとカズマも巻き添えを食らいます)」

アクア「じゃあどうするのよ!?」

めぐみん「(作戦があります。これは、この場の冒険者全員に協力して貰わなければ成功しない。アクア、ダクネス。耳を貸して下さい)」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



桐生「ぐ………グウゥゥゥ」

ベルディア「さて、それでは貴様から血祭りに上げるか。覚悟はいいな?」

桐生「ーーーー」

ベルディア「何だと? よく聞こえんな」

桐生「……覚悟するのは、お前だって……言ったんだ」

ベルディア「ーー何?」

ベルディアは後ろを振り向く。
すると、そこにはこちらに手を向けている大勢の冒険者達。3人や4人ではない。

ベルディア「奴ら、何を」


188 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 18:15:30 UDm.jeuE


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ダクネス「今だ!」

「「「「「「「「「クリエイト・ウォーター」」」」」」」」」

集まった冒険者達が、ベルディアに向けて一斉に水を放つ。
慌てたベルディアは、咄嗟に桐生を掴んでいた手を離し、器用に回避した。
同時にクリエイト・ウォーターを使えない冒険者は一目散に駆け出し、桐生を担いで帰ってくる。

ダクネス「アクア!」

アクア「任せなさい! 『セイクリッド・クリエイト・ウォーター』!」

ベルディア「なーーーーーーーーッッッ‼?」

ベルディアの頭上から、滝のような水が降り注いだ。
それはベルディアのみに止まらず、離れた所にいた冒険者やダクネス、めぐみん。桐生やさらにアクア自身も巻き込んで押し流す。

「ちょ……! 待っ…………!」

「ぎやあああ! 水、水があああ!」

パニックになる冒険者たち。

めぐみん「あぶ……! ちょ、おぼ、溺れま……!」

ダクネス「めぐみん、めぐみーん! 掴まってろ、流されるな!」

膨大な量の水は、正門を越え、街の中心部に流れ込んで行く。
やがて、水が引いた後には地面にぐったりと倒れ込む冒険者達と、

ベルディア「か…………、ちょ…………っ、何を考えているのだ貴様……」

同じくぐったりしていたベルディアが、ヨロヨロと立ち上がろうとする。
が、

アクア・ダクネス「ーー、」

ベルディア「な、何だ貴様ら」

ダクネス「なぁ。お前はさっき、止めを刺して欲しいと言っていたな」

ベルディア「ま、待てーー」

ダクネス「望み通りにしてやろう。大丈夫、一瞬だ。なぁアクア」

ベルディア「お、オイ! 分かった。もうーー」

返事は待たなかった。

アクア「『セイクリッド・ターンアンデッド』ー!」

ベルディア「ちょ、待っ……! ぎゃあああああー!」

アクアの魔法を受けたベルディアの身体が白く光り、そして消えていく。

ベルディア「き、消え、消えるっ、消える? 俺が、魔王軍の幹部が、こんな所でーーッ!?」

ダクネス「そういや、お前には『返し』が出来ていなかったな」

ダクネスはコキコキと拳を鳴らす。得物など使わない。

ベルディア「あ、あ……」

ダクネス「受け取れ。これが最後の餞別だッッ!」

ゴオオオオオオン‼ という轟音と共に拳が上から下へ振り下ろされた。
それはかろうじて形を保っていたベルディアの中心部を貫き、今度こそバラバラに砕いた。

こうして、魔王の幹部は欠片も残さず浄化された。


189 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 18:35:39 UDm.jeuE

ーーーー後日


【ギルド】


ルナ「えー、桐生会には魔王軍幹部ベルディアを見事討ち取った功績を称えて……。ここに、金3億エリスを与えます」

めぐみん・アクア「さ、3億!?」

松重「おいおい、3億ってすげぇな。今度何か奢ってくれよ」

品田「俺も俺も! 奢ってくださいよ桐生さーん!」

周りの冒険者達も一斉に盛り上がる。

ルナ「ただ、ですね……」

桐生「ん?」

ルナ「今回、桐生会の、その、アクアさんの召喚した大量の水により、街に洪水被害が出ておりまして……。全額とは言わないから、一部だけでも払ってくれ……と……」

そう言うと、ルナは気まずそうにゼロが沢山並んだ小切手を桐生に差し出す。
そこにはこう書かれていた。

桐生「……弁償金額、3億4000万か。明日から節約生活だな」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



第二章『捨てた名声』をクリアしました。
データを上書きしますか?

→はい  いいえ


190 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 19:53:55 UUpQX4jk
かずまきゅんすこ


191 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 20:15:04 CODJ6i7o
王道展開いいゾ〜


192 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 21:20:02 UDm.jeuE

第三章『紅魔一族』


秋山「ん……、今、何時だ?」

秋山駿は肌を突き刺すような寒さに思わず目を覚ました。
事務所ではエアコンを付けて寝たはずなのに。
彼はテーブルの上の目覚まし時計で時間を確認しようとして、

秋山「………………………………は?」

そして一気に目が覚めた。

秋山「え、何これ? 夢これ?」

時計やテーブルどころか、壁すらなかった。そもそもここはどう見ても事務所ではない。
森、としか言い表しようがない。
彼は森の中にいた。

秋山「ーーーーうん、痛いね」

両手で頬を叩く秋山。
しっかりとした感触が手と頬に伝わる。

秋山(夢じゃ、ないみたいだな。できれば夢であって欲しいんだけど)ドンドン


消費者金融スカイファイナンス社長
ーーーーーー秋山 駿ーーーーーー


秋山(何が何だか分からないけど、もう夕方みたいだし、ここにいるのはまずそうだ)

服についた砂をはらい、歩き出す秋山。
ここがどこだか分からないが、夜になるとさらに気温も下がるだろう。
できればそれまでに人里を見つけたいところだ。

秋山(誘拐? いや、独り身のおっさん誘拐して何になるんだ? 大体誘拐ならこんな森の中に置き去りはおかしい)

金を貸してたヤクザが支払いを免れるために樹海にでも連れてきて捨てたのだろうか、なんて恐ろしい考えが浮かびかけた時だった。

秋山「ん?」

突然10メートルほど前の木々が音を立てて揺れた。
原因はすぐに判明した。



木を掻き分けるようにして、一匹の黒いクマが表れたからだ。



秋山「…………冗談でしょ」

たまたま遭遇したのではなく、秋山の匂いを嗅ぎ付けてきたのだろうか。クマとはすぐに目があった。

秋山「ちょ……マジ? 夢じゃないの? 夢であって欲しいんだけど!?」


193 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 21:30:33 UDm.jeuE

一撃熊「グルル……」

思わず後ずさりする秋山との距離を測るように、クマはゆっくり近づいてくる。

秋山「確か、走って逃げちゃ駄目なんだよね? でもこれ、どうあっても見逃してくれる雰囲気じゃなさそうだね」

もはややるしかない。
秋山は覚悟を決める。

秋山「はは……。クマを倒した極道は知ってるけど、まさか俺も同じ目に合うとは」

ファイティングポーズを取る秋山。
クマもゆっくりと間合いを詰める。

秋山「じゃ、仕方ないから倒れて貰おうかなーー!」


ーーーー一撃熊を倒せーーーー


194 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 22:02:09 UDm.jeuE

秋山「オラァ!」ドン
一撃熊「ゴォ!」


秋山「ハア……ハア……タフだねえ。そろそろ倒れてくれよ」

一撃熊「グル、グルル……」

得意の足技で応戦する秋山だが、クマの分厚い皮下脂肪に阻まれてあまりダメージが通らない。

秋山「ハア、……ちょっとまずいね。俺も年だなぁ」

逆に秋山のスタミナはどんどん奪われる。
このままではジリ貧。
相手もそれを分かっているのか、攻撃しては離れてと、秋山を挑発するような動きを繰り返していた。

秋山(ま、まずい。もう体力が……)

思わず膝をつきそうになる秋山。
それを見たクマが、止めを刺さんとばかりに猛スピードで突っ込んでくる。

秋山(ここまでか……。花ちゃん、済まない)

と、そんな時だった。

「『ライト・オブ・セイバー』!」

秋山に遅いかかろうとしていたクマを貫くように、突然光の筋が通り抜けた。

??「だ、大丈夫ですかっ!?」

白目を向いて倒れたクマの奥にいたのは、13、4歳くらいの少女だった。

秋山「あ、ああおかげでね。ありがとう、助かったよ」

??「よかった……。あなた里の人、ではなさそうですね」

秋山「里? 多分違うと思うけど、俺は秋山って者だ。神室町で金貸しやってる。君は」

ゆんゆん「私は、その、そこの紅魔の里の族長の娘で、えーと……ゆんゆんって言います」ドンドン

紅魔族次期族長候補
ーーゆんゆんーー

秋山「えーと……、源氏名か何かかな?」

ゆんゆん「本名です! というか、私の名前を聞いて変だって思うってことは、やっぱり外の人なんですね」

秋山「変なんて思ってないよ!? ゆんゆんちゃん、うん! いい名前じゃない。エリーゼのキャストにつけてみようかなぁ」

ゆんゆん「?? よく分かりませんけど、秋山さんはどうしてこんな所に1人でいたんですか?」

秋山「俺が知りたいくらいなんだよねそれ。何か気づいたらこの森の中で寝ててさぁ、というかどこなのここ?」

ゆんゆん「……、」

秋山「いやマジなんだって本当!? ふざけてる訳じゃないからさぁ、その、不審者を見るような目、やめてくれない?」

ゆんゆん「……ここは紅魔の里の近くです」

秋山「紅魔の里? それってどこの都道府県になるの?」

ゆんゆん「トドーフケン? 何を言ってるんですか?」

秋山「……?」


195 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 22:04:02 5KR.Rt06
もニ章終!
も三章は!


196 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 22:19:45 UDm.jeuE

ーーーー数分後


秋山「……冗談だよね?」

ゆんゆん「それはこっちの台詞です! 本当に大丈夫ですか秋山さん。記憶喪失とか、じゃないですよね……」

ゆんゆんと言った少女曰く、ここは秋山のいた日本とは別の世界らしく、魔法が当たり前のように普及し、冒険者なる人たちがモンスターを狩って暮らしているらしい。

秋山「ははは……、何かもう笑うしかないよ。何だよこれ?」

ゆんゆん「あ、秋山さん?」

秋山「ああごめんね。それよりゆんゆんちゃん。キミ、この近くの里に住んでるんだよね」

ゆんゆん「は、はい。そうですが……」

秋山「悪いんだけどさ。俺もその里に連れていってくれない? ここにいるとまたさっきみたいなのに襲われそうだからさ」

ゆんゆん「う、うぅ……」

ゆんゆんは少し考えた。
話だけ聞くとこれ以上ないくらいに怪しいが、嘘をついているようには見えない。
それに紅魔の里の周囲は、強力なモンスターで溢れている。
ここで置いていけば、本当に秋山は死んでしまうかもしれない。

ゆんゆん「……わかりました。一度父に聞いてみます。私に着いてきてください」

秋山「ありがとう。話の分かる子でよかったよ」


ーーーーゆんゆんについていけーーーー


197 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 22:19:56 .2zisA5I
やったぜ。


198 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 22:50:21 UDm.jeuE

【紅魔の里族長宅前】


秋山「何か、怖いくらいスムーズに受け入れられちゃったよ」

ゆんゆん「あの……、言いにくいんですが、多分両親はあなたの話を」

秋山「うん、凄く壮大な創作だと思われてるね確実に。『面白い!』って言われちゃったしね。まあそのお陰で気に入られて寝床まで提供してもらえることになったけど」

ゆんゆん「すいません……。家の両親に限った話ではなく、この里の人たちは、なんて言うか……その」

秋山「言いたいことは分かるよ。ここに来る道中何人かと話したけど、ゆんゆんちゃんを除いて皆独特の感性を持ってるよね」

そう言うとゆんゆんは少し嬉しそうな顔をした。
秋山が自分と価値観を共有できることが嬉しいのかもしれない。

秋山「まぁとりあえず、これからよろしくねゆんゆんちゃん。俺、この世界のこと全然分かんないからさ、頼りにさせてもらうかもしれないけど」

ゆんゆん「い、いえ! こちらこそ、よろしくお願いします秋山さん」

その後、秋山はゆんゆんからこの里の簡単な地理と店なんかの情報を教えてもらった。

秋山(さて、なるべく早く元の世界に戻る方法を探さないとな。花ちゃんも心配してるだろうし……、してるよね?)


199 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 22:54:45 X7xCKiik
2章のオチがこち亀みたいで草


200 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/02(日) 23:11:38 BldL0vnw
4のメンバーすきだからうれしい


201 : ヒゲクマ調理師 :2017/04/03(月) 05:04:39 ???
え、ごめんなさい本編観てないからわかんないんですけど、このデュラハン何も悪くなくないですか…?アクアとかいうのと爆破魔法のやつが迷惑行為繰り返してただけのような…


202 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 08:44:14 teTnNvko
喧嘩の売り買いの果てなんてのはそんなもんだ


203 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 13:45:49 uhedXwcs
色々事情はあるけど
こいつウィズへのセクハラが趣味だからそれだけで万死に値するゾ


204 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 14:08:46 TMzX6aQ2
そもそも戦争中だし多少はね?


205 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 14:29:23 FIlUsLGk
>>203
騎士の矜持とは何だったのか…
この人「こっち来いよ☆(cv.安元さん)」のイメージしかなかったけどめっちゃ強かったのな


206 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 15:00:42 OrHpQv8s
アクア様いないと厳しいレベル


207 : 転生MUGEN者ロア :2017/04/03(月) 16:58:54 ???
>>201
魔王軍だし悪でしょ(適当)


208 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 17:02:57 r.GkKbdk
品田と秋山がいるなら確実にあの人いますね...


209 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 17:58:57 akl4A39o
本編見てきたけどベルディアさんクッソ不憫で草
ウィズにセクハラしたからしょうがないね


210 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 20:49:21 hNxwwxXI
ネタバレになるので詳しくは言いませんがベルディアさんはスピンオフのこの仮面の悪魔に相談をで
割りと魔王の幹部らしい活躍をしているのでどうぞ、なお


211 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 22:57:23 DwGw6U.6

ーーーー数日後


秋山(さて、しばらくはこの里から出られないみたいだしタダ飯食わせてもらうのも申し訳ない。何か俺でもできる仕事を探そう)


ーーーー情報を集めろーーーー


ぶっころりー「あ、シュンさん!」

秋山「おおぶっころりーちゃんじゃない。どしたの、外に出て? 今日もそけっとちゃんのストーカー?」

ぶっころりー「今日もって、そんな日課みたいに……。シュンさんは散歩か何かっスか?」

秋山「いや、俺もさすがにただお世話になってるだけなのはマズイと思ってさ。せめて仕事でも探そうかなと。そうだぶっころりーちゃん。何か心当たりない? 魔法が使えない俺でも出来そうな仕事」

この里で仕事というと、スキルアップのポーションや冒険者達の使う魔道具の作製が主となる。
紅魔族の特性である高い魔力を活かして作られる魔道具類は里の外で重宝されているらしいが、当然魔力を持たない秋山には出来ない。

ぶっころりー「無職の俺にその相談はどうかと思いますけど。そうだなぁ……。あ、あそこならぴったりかも。シュンさん器用そうだし」

秋山「お、なになに?」

ぶっころりー「まぁそんな危ない仕事じゃないんで、とりあえず見ていってください」


212 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 23:25:07 .Wgg/VaQ
も始!


213 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/03(月) 23:29:43 DwGw6U.6

ぶっころりーに連れられた先は、里で人気の定食屋だった。
昼間の時間帯ということもあり、確かにかなり混雑している。

ぶっころりー「ご覧の通り。ここ昼時になるといつも混むのに、従業員は店主のじいさん1人しかいないんですよ。秋山さん元気だし、きっと助けになれると思うんですけど」

秋山「ほお、そりゃ大変だねぇ。飲食店でのアルバイト経験は学生時代以来だけど、務まるかなあ」

と、そんな会話をしていた時だった。
ふいに店先のベンチから声をかけられた。

めぐみん「あれ? そこにいるのはシュンにぶっころりーではないですか? ニートが2人揃って散歩ですか? 随分と気楽そうですね」

ベンチにはゆんゆんと、その隣にもう一人少女が座っていた。
会うなり速攻毒を吐いてきた彼女の名はめぐみんという。
ゆんゆん曰く、いつも切磋琢磨しているライバルらしい。

秋山「手厳しいなぁ。でもその言葉、キミにとってもブーメランだと思うけど?」

ぶっころりー「そうだそうだ。今の俺達は同じ穴の狢なんだ。ニート同士仲良くしようぜめぐみん」

めぐみん「嫌です。そもそも私はニートなどではありません。働きたいのにこの高すぎる魔力を活かせる職場がないだけなのです。ただ怠けて働かない言い訳ばかり考えてるぶっころりーと一緒にしないでください」

ゆんゆん「ふーん、じゃあ何ていうの?」

めぐみん「……き、求職者?」

秋山・ぶっころりー・ゆんゆん「……、」

めぐみん「……すいません、ニートです」


214 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/04(火) 00:07:00 7JIPNn2A

ゆんゆん「え? じゃあ秋山さんもこのお店でアルバイトを?」

秋山「うん。いつまでも族長さんにお世話になってばかりじゃ申し訳ないからさ、せめて自分の食い扶持くらいは何とかしないとね」

ゆんゆん「そんな……。気にしなくていいのに」

めぐみん「甘いですよゆんゆん。こういう世間に甘えたニートは厳しくしないとすぐ堕落してしまうんです」

ゆんゆん「今のめぐみんが言えたことじゃないでしょ!」

秋山「はは、まあそういうことなんだ。そう言えばさっき『秋山さんも』って言ってたけどゆんゆんちゃんもここでバイトするの?」

ゆんゆん「い、いえ。ここで働くのは私ではなくめぐみんです」

秋山「え!? めぐみんちゃんが? 大丈夫なの?」

めぐみん「オイ、どういう意味だそれは。これでも私は両親に代わって妹の面倒を見ることが多いので、家事は一通りできるのですよ」

秋山「へぇー、じゃあ期待しちゃおうかな。でも飲食店なら接客も出来なきゃならないけど、そっちは大丈夫なの?」

めぐみん「……どうやらシュンは私の能力を見誤っているようですね。いいでしょう。後から私を頼ることになって後悔するがいいです」



ーーーー数時間後



秋山「確かに俺はめぐみんちゃんのことを見誤っていたようだ。まさか初日にクビになるとはね」

めぐみんはたまたま店に来た同級生の態度に腹を立て、暴力まがいの行為に及び一発退場となった。

ゆんゆん「いくらなんでも短気すぎるでしょ!? 確かにふにふらさんやどどんこさんも悪かったけど。まだバイトしてから1時間も経っていないのに!」

めぐみん「分かってます、分かってますよ。反省してますとも……」

ついでに、こんなことになるならもう人なんぞ雇わん! と店主のおじいさんが決意してしまったため、秋山も巻き添えを食らう形で職を失った。


215 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/04(火) 00:46:26 7JIPNn2A

ーーーーその日の晩


【族長宅】


秋山「働くってさ……、しんどいね」

ゆんゆん「すみません秋山さん。せっかく見つけた仕事だったのに……。私がめぐみんを紹介したばっかりに」

秋山「いやぁゆんゆんちゃんのせいじゃないよ。キミには助けて貰ってばかりなんだから、謝られちゃ俺の立つ瀬がない」

あの後、定食屋を解雇された秋山とめぐみんは、ゆんゆんからの紹介により農業区で野菜の収穫を手伝った。
まさかじゃがいもが体当たりしてくるとは思わなかった秋山は、予想以上に体力を消耗してしまった。

秋山「ただめぐみんちゃんのことは少し心配かな。あれだけ喧嘩っ早いと、これから苦労することも多いだろうし」

ゆんゆん「根は、根はいい子なんですよ! ただ、ちょっと人とは違いすぎるというか、危なっかしいというか」

秋山「ーーめぐみんちゃんは、確か冒険者になって近々里から出ていくんだよね?」

ゆんゆん「ええ、まずは転送屋に一番近くの街、アルカンレティアまで送ってもらって、そこから始まりの街、アクセルを目指すそうです。でも……」

秋山「でも?」

ゆんゆん「アルカンレティアまでは片道30万エリス必要です」

秋山「……30万か」

今日農業を手伝って稼いだ日当が1人4000エリス。
聞けばめぐみんの家は決して裕福とは言えないらしく、貯金などはあてにならないそうだ。

秋山「そりゃまた、遠い道のりになりそうだね」

ゆんゆん「はい、なのでめぐみんはしばらくはこの里で過ごすことになると思います」

秋山も同意見だった。
彼女がすぐにお金を貯めれるとは思えない。誘惑に負けて使ってしまうこともあるだろう。
だから、冒険者になるのはまだ先の話。
そう、ゆんゆんも思っていた。


216 : 北上くんのちんぽ魚雷 :2017/04/04(火) 19:10:02 ???
出会う前の物語かな?


217 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/06(木) 21:57:24 ZL7Xxuxo

ーーーー数日後


【めぐみんの家】


ゆんゆん「里を出ていくって!?」

めぐみん「はい、私は世界一の魔法使いになると決めているので。いつまでもここには居られません」

秋山「でもめぐみんちゃん。転送屋さんにアルカンレティアまで送ってもらうのには片道30万エリスもするんだよね? お金はどうするの? もしかして歩いていく気?」

めぐみん「いえ、実は昨日臨時収入がありまして。ほら、ここに30万エリスーーーー」

言い終わる前に、ゆんゆんがめぐみんに飛びかかった。

ゆんゆん「あなた、ついにやったのね!? ねえ! まさかあのめぐみんでもお金に関わる犯罪だけはしないと思ってたのに! さあ吐きなさい。どんな事をやったの!?」

めぐみんの胸ぐらを掴みグワングワンと揺らすゆんゆん。

めぐみん「ち、ちょっとゆんゆん。グフ……、オエッ。し、シュン、助けてください」

ゆんゆん「ねえめぐみん! ついに一線を越えたんでしょ! 族長の娘としてさすがに今回は見逃すことはできないわ、さぁ言うのよめぐみんッッ‼!!!!」

秋山「……ゆんゆんちゃん。一旦落ち着こう。このままじゃ彼女があの世へ行ってしまう。話を聞き出す前に迷宮入りになっちゃうよ」

秋山は興奮するゆんゆんを引き剥がし、なんとか宥める。

めぐみん「ゆ、ゆんゆん……。あなたは時々思い込みが激しすぎます。少しは人の話を聞きなさい」

ゆんゆん「だってめぐみんが犯罪以外でそんな大金用意できる訳がーーーーハッ!? まさか売春? あんた、自分の身体は大事にしなさいって言ったでしょおおお‼!」

めぐみん「ゆんゆん……、あなたの瞳に私がどう映ってるのかだんだん分かってきましたよ。関係を見直した方がよさそうですね」


218 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/06(木) 22:06:29 ZL7Xxuxo

秋山「確かにすぐそんな考えが出てくるのはめぐみんちゃんに失礼だよ。でもめぐみんちゃん、キミと数日前にバイトした時は近々お金が入る素振りなんて全くなかったよね?」

めぐみん「ええ、ですから臨時収入と言っているではないですか?」

秋山「臨時収入?」

秋山が訝しげに目を細めると、めぐみんは奥の部屋から一匹の黒い子猫を抱えてきた。
確か、ちょむすけなどと呼ばれていたはずだ。

めぐみん「実は昨日、この子を30万で引き取りたいという人がいましてね」

ゆんゆん「はあ? じゃあめぐみんはその子をお金で売ったって事!? 今まで大事に飼ってたその子を!?」

秋山「というかそのネコって」

めぐみん「ええ、ただのネコですよ。何の変哲もない普通のネコです」

めぐみんは両手に抱えた黒猫を秋山達に見せつけるように前に出す。
この世界に来て日が浅い秋山だが、他のネコと比べてそれほど特別なようには見えない。

めぐみん「それに考えてもみて下さい。これから私は冒険者となり様々な強敵と戦うこととなるでしょう。そんな時、この子が狙われない保証がどこにありますか? ただでさえこんな弱々しい子猫なのに」

秋山「別に連れていかなくても、実家に置いて行けばいいじゃない。めぐみんちゃんの家族に面倒見てもらってさ」

めぐみん「それはできません。私の妹のこめっこはこの子を非常食だと思っている節があります。こめっこに任せたが最期、この子はその日の内に食卓に上がる事になるでしょう」

ゆんゆん「そこはちゃんと教育しなさいよ! お姉ちゃんでしょ!? ……でも確かに」

と、ゆんゆんはちょむすけを優しく抱き上げると、

ゆんゆん「めぐみんの話を聞いてると、ちょむすけを大事にしてくれそうな人なら、その方がいいのかなって思えてきた」



??「ちょむすけではありません。ウォルバク様です」 



突然背後から聞こえた声に、秋山とゆんゆんが勢いよく振り向く。
そこに立っていたのは、魔法使いのようなフードを深く被った、髪の赤い女性だった。


219 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/06(木) 22:36:37 ZL7Xxuxo

秋山(気配すら感じなかった? おかしいな。俺は人の気配には結構敏感なんだけど)

めぐみん「おっと、来ましたか。こちらの方がアーネス。今言ったちょむすけの新しい里親です」

アーネス「ちょむすけではありません、ウォルバク様です。あと、里親でもありません。我が主が随分と懷かれておりますが……。そちらの方々は?」

ゆんゆんは、警戒するようにキッ! っとアーネスを睨み付け、

ゆんゆん「めぐみんと一緒にこの子を保護していた者です。あなたは、何でそこまでしてこの子を欲しがるんですか? それに主ってーー」

アーネス「ウォルバク様を保護してくださった事には感謝します。が、それ以上の事をあなた方に話す必要はありません」

事務的な声色。
何か裏があると言ってしまっているようなものだった。
しかし、

アーネス「さぁ、こちらに渡してください」

有無を言わせぬアーネスの口調に、ゆんゆんはおずおずとちょむすけを差し出してしまう。そもそも、ゆんゆんには拒否する権利などないのだ。

アーネス「ありがとうございます。ウォルバク様はこの私が大切に保護いたしますので、どうかご安心……あっ!? ウォルバク様何を……ああっっ!?」

突如ちょむすけがアーネスの腕の中で暴れだした。
アーネスは抑えつけようとしたが、ちょむすけはそんな彼女の腕をすり抜け肩から頭に向かってジャンプした。

アーネス「う、ウォルバク様、お戯れをーーーーッ!?」

そんな時だった。ちょむすけを捕まえようとしたアーネスの手が頭のフードに引っ掛かる。
露になったのは彼女の長い赤髪とーー、

ゆんゆん「ひーーーーッ!」

めぐみん「な、なぜ上位悪魔が……」

彼女の頭には2本の立派な角が生えていた。
小さくゆんゆんが悲鳴を上げる。

秋山「え、なに? 何かよく分かんないけど、マズイ状況だったりする?」


220 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/06(木) 23:06:36 ZL7Xxuxo

めぐみん「……彼女は悪魔族。それもグレムリンのような雑魚ではなく、かなり上位階級の悪魔です」

アーネス「あーあー……」

アーネスの口調が明確に変わる。

アーネス「どうしたものかしらね。黙っててくれるなら別に見逃してもいいんだけど、仮にも知能が高いことで有名な紅魔族だし。……やっぱここで口を封じとくか」

秋山「それは、どういう意味かな?」

アーネス「あなたは何? どうみても紅魔族には見えないけど」

秋山「その通り、俺は紅魔族じゃないよ。で、さっきの口を封じるってのはどういう意味? 何となく、金や物で買収するって感じには聞こえなかったからさ」

アーネス「ええ、その通りよ。皆まで言わなきゃ分かんない? あなた達を殺して、ウォルバク様を連れ帰す。……こう言えばその貧相な脳ミソでも理解できるかしら?」

秋山「うん分かり易い説明だ、ありがとう」

でもさ、と秋山は言ってゆんゆんを庇うように一歩前へ出る。

秋山「その一方的な宣言に、俺たちが従う必要はないよね?」

アーネス「何? やる気? 別にアンタはどうでもいいんだけど、やるってなら容赦しないよ」

ゆんゆん「あ、秋山さん無茶ですよ! 相手は上位悪魔です。魔法も使えない秋山さんが敵うわけありません!」

秋山「そんなのやってみなきゃ分かんないでしょ? それにキミは俺の命の恩人だしね。ここで見殺しにしたら、族長さんに会わす顔がない」

アーネス「はぁ……」

アーネスは馬鹿らしいというような表情で笑って、

アーネス「いいわ。さっさとアンタ殺して後ろの紅魔族2匹も始末する。この私に喧嘩売ったこと、あの世で後悔しろや」


邪神ウォルバクに仕える悪魔
ーーーーア ー ネ スーーーー


BGM→https://youtu.be/Qdbz1A2RKUw


221 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/06(木) 23:44:57 ZL7Xxuxo

ーーーー数分後


アーネス「くそ、痛ったい。さっきからちょこまかちょこまかとゴキブリみたいに動きやがって……!」

秋山「はは、どう? こんなおっさん相手でも、結構苦労するでしょ」

アーネス「何イキがってんのよ馬鹿が。息切れかけてるじゃない」

秋山「……ハアハァ」

悪魔相手に奮闘する秋山だが、やはり少しずつ押されていた。
そもそも人間と悪魔では元々の体力からして違う。秋山はよくやった方だろう。

秋山「……ゆんゆんちゃん」

秋山は小声でゆんゆんに向け言葉を放つ。

秋山「次、アイツが呪文を唱える素振りを見せたタイミングで、めぐみんちゃんを連れて逃げろ。俺が時間を稼ぐ」

ゆんゆん「で、でも秋山さんがーー!」

秋山「残念だけど、今の俺たちじゃアイツには勝てない。なら、俺がアイツを足止めしている間に助けを呼んできてくれ」

ゆんゆん「でーーーー」

秋山「いいね、めぐみんちゃん。ゆんゆんちゃん」

秋山は2人に視線を向ける。
いつも飄々としている秋山だが、その目には力がこもっていた。

めぐみん「……わかりました。シュン、絶対無茶しては駄目ですよ。必ず助けを呼んできます」

秋山「頼んだよ」

アーネス「何さっきからごちゃごちゃ言ってるのよ。スタミナ切れで動けないんならさっさと決着つけさせてもらうわよ」

詠唱を始めるアーネス。

秋山(今だ!)

秋山は目で2人に合図すると、アーネスに向かって一直線に走り出した。

秋山(ここで詠唱を止めれば、俺の攻撃を防げない。今ならあの子たちが逃げる時間を稼げる)

そう秋山が思った時だった。



ゆんゆん「『ファイアーボール』ッッッ!」



アーネス(!?)

突如現れた火球が、秋山の横を通り抜けアーネスに直撃した。


222 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/07(金) 00:13:21 3VFA95Sc

炸裂した火球はそのまま、巨大な煙幕を作り出す。
驚いたのはアーネスだけではない。

秋山「ちょ、ゆんゆんちゃん!? 一体何して……」

めぐみん「ゆんゆん! あなたシュンの話を聞いていなかったのですか!?」

ゆんゆん「……めぐみんは助けを呼んできて」

めぐみん「ゆんゆん!?」

ゆんゆん「やっぱり、秋山さんを1人には出来ない。私も一緒に戦います」

秋山「何言ってるのさ!? 危ないから早くーーーー!」

ゆんゆん「秋山さん!」

秋山「ゆ、ゆんゆんちゃん?」

突然のゆんゆんの強い口調に、秋山は思わずたじろぐ。

ゆんゆん「私は、将来紅魔族の長となるもの。仲間を置いて逃げるような者が、族長なんて名乗れるはずがありませんっ!」

めぐみん「ゆんゆん……」

ゆんゆん「私は中級魔法なら使えます。秋山さん1人より、稼げる時間は増えるはず。さあめぐみん! 早く行って! 助けを呼んできて!」

アーネス「そんなことさせると思う?」

秋山・ゆんゆん・めぐみん「!?」

煙幕が晴れ、中からアーネスがゆっくりと姿を表す。
ゆんゆんのファイアーボールを直に食らったにも関わらず、彼女の肌にほとんど変化はない。

秋山「クソっ! 中級魔法ぐらいじゃ効かないのか!? めぐみんちゃん! 早くーー」

アーネス「させるか! 『カースド・ライトニ』」

アーネスが魔法を唱えようとした時だった。
突然黄色い閃光が、彼女のほほを掠めた。

アーネス「っ! 今度は何だ!」

彼女は新たに現れた敵を迎撃しようとして、そして唖然とした。

「何事かと来てみれば。この紅魔の里に、悪魔が一体何の用だ?」

「その手に持っているのは、めぐみん家のネコだろう。何だお前、猫泥棒か?」

そこにいたのは、数人の紅魔族だった。
何を嗅ぎ付けたのか、他にも何人かが集まってくるのが見える。

ぶっころりー「シュンさーん! 大丈夫ですか何か爆発したみたいですけど?」

秋山「爆発?」

秋山は少し考えて、

秋山「ああゆんゆんちゃんが撃った魔法か。……そうか、みんなあれを見て駆けつけてくれたのか」


223 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/07(金) 00:27:53 3VFA95Sc

対してアーネスは、突然現れた紅魔族の集団を見て、精神的に追い詰められていた。

「おいこらお前、ここをどこだと思ってる」

「その手のネコを放せ。人質代わりとは、随分と姑息な手段を選びやがる」

アーネス(ま、マズイ……)

そう、アーネスほどの悪魔は、そんじょそこらの冒険者などにやられたりはしない。
だが、

めぐみん「ここは魔王軍すらも近づかない紅魔の里」

声のした方に目をやると、先ほどまでこの世の終わりみたいに怯えていた少女が、薄く薄く笑っていた。
その腕の中では、いつの間にかアーネスから抜け出した黒猫が幸せそうに丸くなっている。

ゆんゆん「そう……、ここは上級魔法を使えるのが当然の、紅魔族が集まる集落ーーーー」

ぶっころりー「悪魔がこんな所にホイホイやって来るとは、よほど自信があるのか馬鹿なのか……」

ぶわっ、とアーネスの額から脂汗が吹き出る。
一斉に詠唱を始めた紅魔族を見て、彼女が一目散に逃げ出すのに時間はかからなかった。


224 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/07(金) 01:01:50 3VFA95Sc

秋山「ふぅ、さすがに寿命が縮んだよ。慣れないことはするもんじゃないね」

ゆんゆん「秋山さん、ありがとうございました! 秋山さんがいなかったら、きっと私たち……」

秋山「何言ってるのさ? 俺たちが助かったのはキミの火球のおかげだよ。むしろ礼を言うのは俺のほうさ」

めぐみん「まぁとにかく、引き下がってくれて助かりました。まさかアーネスが悪魔だとは思いませんでしたが」

めぐみんはふぅ、と息を吐き、

めぐみん「ゆんゆん、ちょむすけをあなたの家で引き取ってはもらえませんか?」

ゆんゆん「え!? 突然、何で?」

めぐみん「先ほども言いましたが、冒険者稼業をやりながらだと、この子に危険が」

ゆんゆん「え、だってあの悪魔は逃げちゃったし、取引だってーーああっ!?」

秋山「あー、お金は置いて行っちゃったんだ」

めぐみん「どうやら忘れていたみたいです。せっかくですし、使わせてもらいましょう」

ゆんゆん「酷い! それって、ねえ? いいの!?」

秋山「まぁ良いんじゃない? 殺されかけたんだし、迷惑料として取っておいたら?」

めぐみん「さすがシュン! 物分かりがいいですね。という訳で2人供。私は、明日には旅に出ます」

秋山「そうか、じゃあ気をつけてね。キミは結構頑固なところがあるから。腹が立っても冷静になれるよう自分に言い聞かせるんだよ?」

ゆんゆん「ねぇ、何で2人とも何でそんなあっさりしてるの? というかクラスメイトにお別れくらいしていきなさいよ! 今から皆に声かけてくるから!」

そう言うと、ゆんゆんはどこかへ走り去って行った。

秋山「はぁ。義理堅いなあゆんゆんちゃんは。ま、そういうとこ嫌いじゃないけどさ」

めぐみん「ふふっ、そうですね」

めぐみんは可笑しそうに微笑むと、

めぐみん「シュン。ゆんゆんの事、よろしくお願いしますね。あの子はとても良い子なのですが、いかんせん他人とコミュニケーションを取るのが苦手で、変な人に騙されないか心配なのです」

秋山「俺はその変な人には含まれないの?」

めぐみん「シュンは名前と服装は変ですが、人となりは信用できます」

秋山「酷いなあ、これでも結構モテるんだけど。……まぁゆんゆんちゃんにはいつも助けられてるからさ、恩を仇で返すつもりはないよ」

めぐみん「その言葉本当ですね。ゆんゆんを悲しませたりしたら駄目ですよ?」

秋山「善処するよ」

そんな事を話していると、ゆんゆんが手を振りながら戻ってきた。
曰く、今から族長宅でお別れパーティーをするらしい。

秋山(友達か……)

信頼のおける友達。秋山にとっては誰になるだろう。
彼はいくつかの顔を思い浮かべようとして、やっぱり止めた。


225 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/07(金) 01:26:55 aN5nZCU2
相変わらず面白いゾ〜これ


226 : んにゃぴら犬ぐさァッー! :2017/04/07(金) 08:27:40 ???
毎日の楽しみの一つ


227 : 北上くんのちんぽ魚雷 :2017/04/07(金) 08:58:18 ???
秋山が信頼できるって大概いい人ではあるけどほとんどイカれた連中だからなぁ


228 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 06:20:36 hxgM0Adg
基本人格者で有能なのに結果が元のカズマと変わってないのが面白いですね
しかしこのスレきっかけで視聴者が増えるのもすごいですねこれ


229 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 20:28:55 xbEOjzlc

【族長宅】

ふにふら「でもまさかあのめぐみんが旅に出るなんてねー」

どどんこ「そもそも、パーティを組んでくれる仲間なんて見つかるの?」

あるえ「まあまあ、めぐみんならきっと上手くやるさ。何たってこの私が唯一勝てなかった相手だからね」

ゆんゆん「ち、ちょっと! 私もあるえに負けたことなんて……」

あるえ「何言ってんのさ。あんた達が卒業する前の最後のテストで、ゆんゆんは私より下だったじゃないか」

ゆんゆん「あっ!」

めぐみん(あぁ、私と卒業のタイミングを合わせるためにわざと手を抜いたアレの事ですね)モグモグ

秋山「ねえめぐみんちゃん。せっかくキミの門出を祝って開いてくれたパーティーなんだからさ、ちょっとは会話に参加したら?」

どどんこ「そうよ。一応めぐみんも女の子のカテゴリーに入るんでしょ? 食い気よりもおしゃれに気を配った方がいいんじゃない?」

めぐみん「ほうけんひゃたる者は、たへられる時にたへ、やふめる時にやふむのが……」

ゆんゆん「飲み込んでから喋りなさいよ……」


230 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 20:50:28 xbEOjzlc

あるえ「ところで、めぐみんはどこを拠点にする気なんだい? めぐみんなら最初からモンスターの強い地域でもやっていけそうだけど」

めぐみん「いえ、やはりここは基本に倣ってアクセルの街から始めようかと。私もまだ駆け出しですし」

ふにふら「へー、あんたもそんな謙虚な所あったんだ」

どどんこ「学校でもその謙虚さを発揮してれば、もう少し友達できただろうに」

めぐみん「…………、」モグモグ

秋山(なんか微妙にギスギスしてるなぁ)

ゆんゆん「じ、じゃあめぐみんはアルカンレティアからアクセルに渡るんだね」

めぐみん「ええ。アクセルの街までの馬車代のために、少しバイトをする必要がありそうですが」

秋山「今度はクビにならないように気をつけなよ」

めぐみん「ムッ、私だってその気になればどこでだって人並み以上に活躍できるのです」

めぐみん「大体、定食屋のバイトだってこの2人が来なければ何事もなく続いていたのですよ」

どどんこ「そ、その件についてはもう謝ったじゃんっ!」

ふにふら「というか、ちょっと煽られたくらいで客の顔に熱々のおでん押しつけてくる店員もどうかと思うけど!」

めぐみん「刺激的でしょうが」

ふにふら「ご飯食べに行くのにそんな刺激は求めてないわよ!」


231 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 20:53:40 pA9MMBJk
ダチョウ倶楽部かな?


232 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 21:26:26 xbEOjzlc

どどんこ「あ、そうだめぐみん。アルカンレティアに行くなら気をつけなよ」

めぐみん「ええ分かっています。あの街はアクシズ教の総本山ですしね。あまりいい噂は聞きませんし」

どどんこ「それが、そのアクシズ教に最近、過激な信徒が加わったらしいよ」

めぐみん「アクシズ教そのものが強引な勧誘で悪名高いのに、その中でもさらに……ですか?」

ゆんゆん「あ、私も聞いたわ。何でも強い奴と戦いたい、とか言って強力なモンスターや上級職相手にドス片手に暴れてるとか何とか……」

どどんこ「眼帯に派手な蛇柄のジャケット着て、街の荒くれ者達からも恐れられてるらしい」

秋山(……ん?)

ふにふら「何それ? 完全にヤバい奴じゃん。あるえじゃないの?」

あるえ「……なぁ、今の情報を聞いてどう考えたら私の名前が出てくるんだ。眼帯しか合ってないじゃないか」

ゆんゆん「めぐみんはアークウィザードだし、狙われる可能性は十分にあるわね。あるえには注意するのよ」

めぐみん「でもその、あるえは仮にもアクシズ教の信徒なのでしょう? 神を信ずる身でありながら、誰これ構わず喧嘩を売りにいくのですか?」

あるえ「オイ、いくら名前が分からないからってその代名詞は止めてくれ」

ふにふら「悩みがあるなら聞くよ、あるえ」

あるえ「だから私じゃないし、しつこい!」

どどんこ「わー! あるえがキレた!」ギャーギャー

秋山(…………、)

秋山(…………眼帯……蛇柄のジャケット、最近加入した)

秋山(まさか……)


233 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 21:52:48 xbEOjzlc

ーーーーパーティー終了後


ゆんゆん「ねぇめぐみん。その……ローブのお姉さんに会ったら里に帰ってくるんだよね?」

めぐみん「いえ、帰りませんよ。私は頼りがいのある仲間と共に超強くなって魔王を討伐し、そして今度は私が魔王として君臨するのです」

ゆんゆん「何でわざわざ悪の道に進む必要があるのよ!? めぐみんが魔王になったら私が退治するからね!」

めぐみん「まぁとにかく私は明日の朝出発します。見送り的な事がしたいのなら、早起きしてくださいね」

ゆんゆん「ど、どうして私がそんな事しなくちゃならないのよ!」

ゆんゆん「ね、ねぇ……本当に出ていくの? こめっこちゃんは…………あの子なら1人でも大丈夫か」

めぐみん「あの子なら私以上に1人で生きていけますよ」

めぐみん「それに両親だって常に留守にしている訳じゃありませんからね」

秋山(…………)

めぐみん「……シュン? さっきから難しい顔をして黙っていますがどうかしましたか?」

秋山「あ……ん!? 何でもないよ、ゴメンゴメン。で、どうかした?」

めぐみん「前にもお願いしたのですが、ちょむすけを預かっては貰えませんか?」

めぐみん「考えましたが、やはり旅に連れて行くのは危険なので」

秋山「でも、この子こんなにめぐみんちゃんに懐いてるよ?」

ゆんゆん「そうよ、紅魔の里以上に危険な所なんてそう無いと思うし、連れていってあげなさいよ」

めぐみん「……むぅ。もしもの時の囮や非常食など、まあ役に立たない事もないか」

ゆんゆん「止めて! どうしてそう考え方が野性的で悪辣なのよ!?」


234 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 22:29:19 xbEOjzlc

ーーーーその日の晩


【ゆんゆんの部屋】


秋山「ゆんゆんちゃん、ちょっといいかな?」

ゆんゆん「あ、はい! 秋山さん、どうしたんですか?」

秋山「ちょっと、話しておきたい事があってさ」

ゆんゆん「?」

秋山「単刀直入に言うと、俺は明日、ここを出ていくことになった」

ゆんゆん「え!?」

秋山「お世話になるだけなって、本当に申し訳ないと思う」

秋山「でも、俺にはどうしても確かめなきゃならない事があるんだ」

ゆんゆん「…………アルカンレティアの、変なアクシズ教徒の事ですか……?」

秋山「気づかれてたか。流石だね」

ゆんゆん「秋山さんのお知り合いなんですか?」

秋山「分からない。でもその可能性が高いんだ」

秋山「前にも言ったけど俺はこの世界の住人じゃない。帰らなきゃならない場所があるんだ」

ゆんゆん「その人に会えば、秋山さんが帰る手掛かりを掴めるかも知れないんですね」

秋山「そういうこと。族長さんやゆんゆんちゃんには悪いけど」

ゆんゆん「でもお金はどうするんですか? アルカンレティアまでは片道30万エリスもするんですよ」

秋山「……さっき族長さんに話したら貸してくれたよ」

ゆんゆん「お父さんが……」

秋山「勿論俺も金貸しの端くれだ。このお金と、今まで世話になった分は絶対に返す」

秋山「元の世界に戻る方法が分かった途端、挨拶もなしにトンズラするなんて事は絶対にしないから信じてくれ」

ゆんゆん「……そうですか」

秋山「本当にありがとうねゆんゆんちゃん。特にキミは命の恩人だからね。感謝してもし足りないよ」

秋山「俺が戻った後、力になれる事ならなんでもするから、それまでしばらくのお別れだ」

ゆんゆん「…………、」

ゆんゆん「ねえ秋山さん」

秋山「ん?」

ゆんゆん「私の力になってくれるなら、旅に出る前に1つだけお願いしてもいいですか?」

秋山「うん、全然OKだよ。何でも言って?」

ゆんゆん「じゃあーー」



ゆんゆん「私も、その旅に連れて行ってください」



秋山「え?」


235 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 22:33:28 xbEOjzlc

第三章『紅魔一族』をクリアしました。
データを上書きしますか?

→はい  いいえ


236 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 22:46:37 r7nvdAa6
相変わらずの面白さ


237 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/08(土) 22:48:26 hR/qKd0E
もう終わってる!


238 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/09(日) 06:03:12 Df.A4sBQ
今なんでもするって


239 : 北上くんのちんぽ魚雷 :2017/04/09(日) 14:17:17 ???
真島の兄貴が...


240 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/09(日) 23:58:20 zYAEE/UE


第四章『招かれざる客』



【アルカンレティア】


秋山「ゆんゆんちゃん、本当によかったの? めぐみんちゃんに挨拶していかないで」

秋山「ていうかどうせなら一緒に行けばよかったのに何であそこまで頑なに拒否したの?」

めぐみん「そ、それは……や、やっぱりめぐみんとはライバルでいたいからあの……その」

秋山「ああ。気恥ずかしさが邪魔して誘うに誘えなかったんだね、なるほどなるほど」

秋山「そうだね。そういや君たちは一応『ライバル』だったもんね」

めぐみん「あ、秋山さんっ! 違うんです! というか今回は秋山さんの人探しが目的ですから」

秋山「それはありだかいんだけどさ。何でゆんゆんちゃんまで冒険者になる必要性があるの?」

秋山「あまりにも突然すぎて族長さんびっくりしてたじゃん。というかあのタイミングで言われると、まるで俺がゆんゆんちゃんと駆け落ちでもするかのように聞こえるよ」

ゆんゆん「かっ……、駆け落ち!?」

秋山「そう。実際あの後ゆんゆんちゃんのお母さんに問い詰められたんだからね」

ゆんゆん「ち、違いますよ! 私が冒険者になろうと思ったのは…………、ほ、ほら! 私は将来族長になる身ですし、その為には色々と外の世界のことも知らなきゃいけないと思いまして決してめぐみんに感化されたとか秋山さんと離れるのが嫌だとかそんな事ではーーーー」

秋山「あー、はいはい分かった分かった。とりあえずこれからの宿でも探そうか。冒険者にしてもアジトは必要でしょ」


241 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 00:33:49 gOamvvyk

秋山「それにしてもここがアルカンレティアか。別名水と温泉の街!」

秋山「要するに観光客をメインにした温泉街ってことか。こういう所はぼったくりとかも多いんだよなぁ」

ゆんゆん「私たちこの街のことは何も知りませんし、地元の人に聞いた方が良さそうですね」

秋山「おっ! ゆんゆんちゃんからまさかそんな意見が出るとは」

秋山「てっきりフロント係に話しかけるのが恥ずかしいから野宿しようとか言い出すかと思ったよ」

ゆんゆん「酷い! いくら何でも馬鹿にし過ぎです!」

ゆんゆん「私だってそれくらい……。見ててくださいよ秋山さん!」

秋山「うん、いい心がけだ。いいかいゆんゆんちゃん。こういう時のコツはーーーーって聞いてないか」

秋山「ってあれ? ゆんゆんちゃんが意を決して話しかけようとしてる、あのベンチで寝てるおっちゃんどこかで……」

ゆんゆん「す、すすいませんっ! ちょっとお伺いしたいんですがっ!」

西郷大二郎「ん……んっ? な、何か私にようかね?」

秋山「…………、」

ゆんゆん「実はですね、えーと……その、私たちが泊まりたい……、泊まりたい? あ、そう! ぼったくりに合わない宿をですね! ……ん?」

西郷「???」

ゆんゆん「う……、えー、その……。あ、秋山さぁぁぁん!」ダダダダ

西郷「ん? 秋山?」

秋山「ちょ! こっち来ないで、見つかるからーーーーってうわっ。見られた! 完全に見つかった。だってガン見してるもの俺の顔」

秋山「というかなぜソイツに聞きに行った? どう見ても地元民じゃないだろ」

西郷「ぉ? オオオオ! そこにいるのはいつぞやの秋山クンではないか! まさかこんな所で会うとは、奇遇なものだ」

秋山「うわぁ、めんどくさい……」

西郷「久しぶりだな秋山クン。元気にしてたかね?」

秋山「ええ、おかげ様でね。アンタは相変わらずなようですね、西郷さん」

ゆんゆん「へ? 知り合い?」


242 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 01:11:45 gOamvvyk

ゆんゆん「へぇー、じゃあ秋山さんはこの人の弟子……?」

秋山「オイ、冗談でも止めてくれ……。何で俺が西郷さんの弟子にならなきゃならないんだよ」

西郷「ハハハ。恥ずかしがる事はないのだぞ秋山クンよ。遠慮せずに師匠と呼んでくれたまえ」

秋山「遠慮どころか金貰ったって嫌です」

秋山「ところで西郷さんは何故ここに?」

西郷「うむ。実はだな、それが私にもよく分からんのだ」

秋山「は?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



秋山「つまり、西郷さんも俺と同じように気づいたらこの世界にいたってこと?」

西郷「うむ。せっかくだから尾道で研究していた究極の護身術をこの世界でも広めようとしたのだが」

秋山「まあモンスターだらけなこの世界ならアンタの言う危機管理意識も説得力が増すかもね」

西郷「ところがだ。一生懸命人が技を伝授しようとしているのに、誰もろくに話すら聞こうとしない」

秋山「まあ言われてみれば護身術身に付けるより魔法スキル覚えた方が手っ取り早そうだしね」

西郷「そうこうしている内に手持ちが尽き、今は護身術を教えて貰いに来た人にお礼と称して飯をたかろうと、なるべく新陳代謝を抑えようとじっとしている次第だ」

ゆんゆん「それって……、ホームレーー」

西郷「ホームレスではない! サバイバルだ!」

秋山「いやホームレスでしょ、どう見ても」

秋山「てかそれよりさ。西郷さんがこっちに来る前の事、何か覚えてない? どこで何をやってたか、とか……」

西郷「う……すまない。さっきも言ったが、本当にふと気づいたらここにいたのだ」

西郷「広島の尾道仁涯町にいたことは分かっているが、何をしていたのかは全く覚えていない」

秋山「そうですか……。何か元の世界に帰る為のヒントになればと思ったんだけど、収穫なしか」

ゆんゆん「やっぱり、秋山さんの言うアクシズ教の人に聞いてみるしかないようですね」


243 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 01:42:01 gOamvvyk

秋山「そのようだね。じゃあね西郷さん、俺達はやる事があるからこの辺で失礼しますよ。危機管理もいいですけど西郷さんもほどほどにーーーーって、ん?」

西郷「…………、」

秋山「な、何で俺の服の裾を摘まんでいるんですか?」

西郷「秋山クン。私の話を聞いてその反応はおかしいだろう」

秋山「へ?」

西郷「私はついに究極の護身術を完成させたのだぞ。なぜ食いついてこない?」

秋山「いや、食いつくも何もおれば元から護身術に興味はないですし」

西郷「強がらなくてもいいのだぞ秋山クン。本当は知りたくて知りたくてたまらないのだろう」

秋山「いえ、別に知りたくないです」

西郷「遠慮するな。今なら特別サービスで、ランチ1食奢ってくれるだけで講義を受けさせてやるぞ」

秋山「結構です」

西郷「お嬢さん、キミはどうだ?」

ゆんゆん「わ、私も今はいい……かな?」

西郷「おい本気で言っているのか君達。たった1食奢るだけで究極の護身術が身に付くのだぞ?」

秋山「それならゆんゆんちゃんに魔法教えて貰った方がよほど護身に役立ちそうだし」

西郷「そう言うな、絶対に後悔はしないぞ」

秋山「嫌です」

西郷「キミの為を思って言っているのだぞ?」

秋山「ならほっといて貰えると助かります」

西郷「……お願いします、護身術を教えさせてください。もう3日も何も食べてないんです。このままだと餓死してしまいます」

秋山「結局それが目的かよ。ハァ……」

西郷「頼む。ちょっとだけでいいから……」

秋山「……はいはい分かりましたよ。それで? 俺はどんなトレーニングをするんですか?」

西郷「よくぞ聞いてくれた秋山クン!」

ゆんゆん「あ、テンションが戻った」

西郷「やはりまずは護身術を見て貰わなければ、どういったものなのかイメージが浮かばないだろう」

西郷「という訳で秋山クン。今からキミにはこの私と戦ってもらう。もちろん武器は無しだ。いいな?」

秋山「まぁ前みたいに機関銃ぶっ放されるよりまマシか」

秋山「いいですよ。いつでも来てください」

西郷「そうか……、なら遠慮なく…………死ねえええええええ秋山ああああああああ!‼‼‼‼‼‼」


ーーーー西 郷 大 二 郎ーーーー


244 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 02:48:42 rNP3r4hQ
龍が如く組の割と普通の会話から開戦すると急に死ねええええ!になるのほんと草


245 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 17:21:31 vUXt7ADg



秋山「ソラアッ! もういっちょう!」蹴り追討ちの極み
西郷「ゴホッ!?」



ゆんゆん「秋山さんっ!」短剣ポイッ
秋山「もらったあ! 食らえッ!」ドスの極み
西郷「ぐあああああ!‼‼」



ーーーー数分後



西郷「う、うむ流石だ秋山クン。足技のキレは相変わらずだな」

秋山「ハァハァ……、西郷さんこそ……前に蒼天堀で会った時とは比べ物にならないほど強くなってるじゃないですか」

ゆんゆん(ふ、2人とも凄い動きだった……。というか、あれだけ殴りあって何で普通に喋れてるの!?)

西郷「当たり前だ。何故なら私は究極の護身術を身に付けんとする者、この程度で満足はせん」

秋山「あれ、適当にその場で思いついた事言ってるだけかと思ったら、結構ガチだったのね」

西郷「失礼な。これでも私は危機管理のプロだぞ。世にはびこるリスクを減らすことについては真摯に取り組んでいる。寄り道はするが」

秋山「アンタの場合その寄り道が大回り過ぎるのが問題なんですけどね」

ゆんゆん「寄り道って?」

秋山「この人、以前俺が経営しているキャバクラのツケ払えなくなって、俺に近づいてきたのよ」

秋山「トレーニングに付き合ってやるからツケを無かったことにしてくれって」

西郷「オイ! 色々とはしょるでない。……まあツケをタダにして貰ったのは事実だが」

ゆんゆん「どうしよう……。ちょっとカッコいいと思ってしまったこの気持ちを地面に叩きつけたい」

ゆんゆん「というか秋山さんもそんないかがわしい商売してるんですね。少し幻滅しました」

秋山「うーん……、一定のラインさえ守ればキャバクラは別にいかがわしくなんてないんだけどなぁ」


246 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 17:32:16 x2hk/r36
もは!


247 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 18:42:59 vUXt7ADg

西郷「それより秋山クンよ」

秋山「ん?」

西郷「体術は以前と変わらず見事だったが、前に比べると、その……体力が幾分落ちたのではないか?」

西郷「以前のキミなら、これくらいの手合わせで息を切らせたりはしなかったと思うのだが」

秋山「まぁ俺も年だからねぇ。いつまでも無茶はできませんよ」

西郷「それはもったいないぞ秋山クン。キミの素質は私が今まで見た中でもトップクラスなのに」

西郷「脳と肉体は一心同体だ。自分で己の限界を決めて妥協してしまうと、身体もその通りにしか動いてくれないぞ」

秋山「お、西郷さんが珍しく良いこと言ってる」

ゆんゆん「……西郷さんは真面目なのかだらしない人なのか分からなくなってきました」

西郷「茶化すでない。いいか秋山クンよ、この世界は強力なモンスターが数え切れないほど生息している」

西郷「神室町と同じ感覚でいると、そのうち後悔することになるぞ」

秋山「あー、それについてはここに来た時に嫌と言うほど思い知ったよ」

秋山「このゆんゆんちゃんに助けてもらわなかったら、今ごろ俺はクマの腹の中だったでしょうね」

西郷「ならのんびりしている暇はないぞ秋山クン」

西郷「これから行動を始めるのだ。私ならキミを全盛期の強さに戻す事ができる」

秋山「それって、神室町や蒼天堀でのあのトレーニングの事? またやるんですかアレ」

ゆんゆん「どんなトレーニングなんですか?」

秋山「拳銃で撃ち合ったり、街中を猛ダッシュで駆け抜けたり」

ゆんゆん「えぇ……」 

西郷「ドン引きするでない。あのトレーニングはしっかりとした理論に基づいて行われているのだ」

西郷「だが、今回私が考えたのはそれとは比べ物にならないくらいの『超特訓』!」

西郷「これを修了した暁には、秋山クンは以前と同じ…………いや、全盛期を越える強さを手に入れることになるだろう」

ゆんゆん(何か怪しいなぁ)

秋山「へぇ……で、一体どんな内容なんです?」

西郷「まぁまぁ先走るな秋山クン。これは私が数多の血と汗を流しようやく辿り着いた最強理論。さすがにタダでは教えられない」

西郷「そうだな。1回ごとに授業料10000エリスでどうだ? 私の長年の努力の結晶がたった10000エリスだぞ?」

秋山「結局金取るのね。まぁ西郷さんとのトレーニングは実際為になったから、興味無いこともないけど」

西郷「それでこそ私の見込んだ男だ。私は大抵近くの公園で寝てるから、特訓をしたくなったら声をかけてくれ」

ゆんゆん「いや……少しは働きましょうよ」

秋山(さて、西郷さんの『超特訓』か、もしかしたら新たなスキルを得られるかもしれない)

秋山(気が向いたら行ってみよう)



※西郷の『超特訓』が受けられるようになりました。


248 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 19:03:36 vUXt7ADg

ゆんゆん「今探してるアクシズ教の人と言い、西郷さんと言い、秋山さんのお知り合いってその……個性的な人が多いですね」

ゆんゆん「秋山さんが紅魔の里の人と打ち解けられた理由が分かった気がします」

秋山「言われてみれば俺の周りって変な人ばっかりだなぁ。皆腹割って話せば良い人なんだけどね」

秋山「じゃあその中でゆんゆんちゃんは貴重な常識人枠だね」

ゆんゆん「わ、私が常識人!? 本当ですか秋山さん!?」

秋山「う、うん……、急にどうしたの」

秋山「ゆんゆんちゃんは、俺の知る限りでは良識のある良い子だと思うけど……」

ゆんゆん「……そっか、私は常識人。……やっぱり、私の価値観は間違ってなかったんだ…………フフッ」ブツブツ

秋山「?」


249 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 19:59:29 Cy8eApKc
本当おもしろい


250 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 21:00:28 vUXt7ADg


秋山「宿も大事だけどさ、俺の探してる人はそのアクシズ教とかいう宗教の信徒なんだよね?」

秋山「なら、俺達もいっそその宗教に入った方が見つけやすそうじゃない?」

ゆんゆん「えぇ? アクシズ教に、に、入信するんですか? 私はこれでもエリス教徒でーー」

秋山「ああ別にそこの教義を真に受ける必要はないと思うよ。俺もどんな所かよく分からないしね」

秋山「あくまで形だけだよ。俺達はここじゃ余所者だ」

秋山「そんな奴らがお宅の信者に会いたがっているって言っても、怪しまれるだけだろうし」

ゆんゆん「……あんまりお勧めはしませんが、秋山さんがそう言うのなら」

秋山「じゃあ決まりだ。アクシズ教は勧誘に強引な手段を用いるようだし、誰かそれっぽい人に声かけてーーーー」



「誰か! 誰か助けて下さい!」



秋山「ん?」

ゆんゆん「あっちの路地裏の方から悲鳴が、何でしょうか?」

秋山「分からない。けどかなり切羽詰まってた様子だった。とりあえず行ってみよう」ダッ

ゆんゆん「ちょっ、ま、待ってくださーい!」


251 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 21:32:30 vUXt7ADg


「この危なそうなおじさんが、私を無理矢理ーーッ!」

秋山「あれか! ん? あれって……」

めぐみん「ってゼスタ! 何をやっているのですか!? もう注目を集めてしまいましたよ! 早く出てきてください! このままだと私が意味もなく突然叫びだした狂人だとーーーーって、え?」

秋山・ゆんゆん「…………、」

めぐみん「…………、」

めぐみん「……マジですか?」

秋山「うん意味がよく分からないけど多分マジ。でめぐみんちゃん。さっきの悲鳴は君の?」

めぐみん「……何のことやら?」

ゆんゆん「いや、さすがに無理があるでしょこの状況で!? めぐみんアンタ何やってんのよ!」

めぐみん「ええと……いえ、そのぅ、これは……」

秋山「こっそり逃げようとしてるそこのおじさんがお仲間かな? はい、ちょっとこっちに来ましょうか?」

ゼスタ「…………、」

ゆんゆん「めぐみんこの髭のおじさんは?」

めぐみん「えー、この人はゼスタと言いまして、一応アクシズ教の次期最高司祭だとか」

ゆんゆん「ええっ!? てことはアクシズ教で一番偉い人ってこと?」

ゼスタ「ええ、私はゼスタと言います。まさかこんなタイミングでめぐみんさんのお知り合いに会うとは」ドンドン


アクシズ教最高責任者
ーーーーゼ ス ターーーー


秋山「で、そのアクシズ教のトップとめぐみんちゃんは何があってこんなところでたちの悪い演劇やってたの?」

めぐみん「え、演劇って……」

ゼスタ「演劇などではありません。これはめぐみんさん考案の立派な勧誘方法です」

ゼスタ「襲われているいたいけな少女を助けた正義感の強い男性が、傷ついた少女を慰めている内にいつの間にか心を動かされ入信してしまうというシナリオです」

ゼスタ「まぁ私にめぐみんさんを襲う度胸がなく失敗に終わりましたが」

ゆんゆん「最低!」

秋山「シナリオって言っちゃったよ。というかそんな下衆な作戦をよく胸張って話せるね」

ゼスタ「重要なのはプロセスじゃなく結果ですので」

ゆんゆん「何で開き直ってるんですかッ!」

秋山「というかそれでいいのかアクシズ教会」


252 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 22:09:02 vUXt7ADg


秋山「ふぅん、それでめぐみんちゃんはアクシズ教に世話になったお礼に信者勧誘を手伝ってるんだ」

めぐみん「ええ、寝床に食事まで提供して貰っていますからね。どこぞのニートと違って、私は受けた恩は必ず返すのです」

ゆんゆん「あ、秋山さんはニートなんかじゃないわよ!」
 
ゆんゆん「秋山さんが話し相手になってくれて、私始めて会話が楽しいって思えたんだから!」

秋山・めぐみん・ゼスタ「…………、」

ゆんゆん「あれ? 何故か皆が急に可哀想な子を見るような目に」

めぐみん「……まあゆんゆんの事は置いといて、シュンは何故ここにいるのですか?」

ゆんゆん「ち、ちょっとスルーしないで!」

秋山「人を探しに来たんだ」

めぐみん「人を?」

秋山「うん。めぐみんちゃんのお別れパーティーで君たちが話していた派手なアクシズ教徒」

秋山「その特徴が俺の知り合いに酷似しててね」

ゼスタ「お、アクシズ教団にご用でしたか」

ゼスタ「ならせっかくですし教会までお越しください。めぐみんさんのお友達だというならなおさらです。おもてなしさせて頂きたい」

秋山「良いんですか? どこの馬の骨とも分からない輩を招待して」

ゼスタ「問題ありません。ウチはどこの誰か分からない者だらけですから。1人や2人増えた所で誰も気に留めません」

秋山「それはそれで問題な気もしますがね」

ゼスタ「ただその代わり……」

秋山「その代わり?」

ゼスタ「このことは、どうか警察には内密にお願いします」

秋山「……そういう事ですか。はぁ、分かりましたよ。今回だけです」

めぐみん「じゃあ行きましょうか。お腹も空いてきましたし」

ゆんゆん「ちょっとぉ! 置いてかないでよぉ!?」


253 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 22:37:42 vUXt7ADg


【アクシズ教団本部 大教会】


ゼスタ「着きました。ここが我々の教会です。さぁお入りください」ガチャ

警察官A「お、帰ってきたぞ!」

警察官B「毎回毎回騒ぎばかり起こしやがって。今度は逃げられないぞ!」

ゼスタ「秋山さん! 話が違う! 警察には通報しないと約束したではないですか」

秋山「いや! 俺じゃないですよ!」

秋山「というか、俺はずっとアンタと一緒にいたじゃないですか!」

ゼスタ「あそっか。それもそうですね」

女騎士「何をごちゃごちゃ言ってるんだ」

秋山「あなたは?」

女騎士「この現場の責任者だ。アクシズ教団最高責任者ゼスタだな? 出頭命令が出ている。ご同行願おうか」

めぐみん「ち、ちょっと! いきなり罪状も言わずに逮捕なんて、いくら何でも横暴ではないですか!?」

ゼスタ「そうです。そもそも、逮捕は1日1回とあなた方と我々の間で決めたではありませんか」

ゼスタ「私は今日既に警察署で説教されて来たのですよ?」

女騎士「そんな取り決めはない! ……ゼスタ殿、今回の事は本当に冗談では済まされないのです」

ゼスタ「と、言いますと?」

女騎士「ええ、実はーーーー」


254 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/10(月) 22:56:28 vUXt7ADg


ゼスタ「つまり、我々が悪魔とつるんでこの街を窮地に陥れようとしてると?」

女騎士「高名な紅魔の占い師の手紙にはこう書いてあった。『温泉に異変が見られた時は湯の管理者に注意しろ。その者が魔王のスパイだ』と」

女騎士「そして今、この街の温泉宿では温泉の質に関して次々苦情が上がっている。そしてその管理者はあなた方アクシズ教団だ。これはつまりきゃああああああ!‼‼」

ゼスタ「この小娘は何を言うか! 教義に『悪魔殺すべし』『魔王しばくべし』がある我々が悪魔と通じているだと!?」

ゼスタ「そんな馬鹿なことを言うのはこの口か! ええい、お仕置きにチューしてくれる!」

女騎士「やめろォ! 公務執行妨害とわいせつ罪もつけられたいのか!?」

秋山「ちょっとゼスタさん何やってんの!? というか今の話って本当?」

女騎士「あ、ああ本当だ。紅魔族の占いは外れたことがない」

秋山「占い? それって、そけっとちゃんの事?」

女騎士「知っているならその精度については言わなくとも分かるでしょう」

女騎士「我々は、ひとまず責任者であるこの変態から話を聞く。場合によっては他の者にも話を聞く事になるかもしれないから準備はしておけ。いいな?」ガチャ

秋山「……行っちゃた」


255 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/11(火) 00:20:26 wDABHUmI
そねっこさんの話出てきたのどこだっけ?


256 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/12(水) 01:53:25 yc6CPtxo
そねっこじゃなくてそけっとだったゾ…


257 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/13(木) 22:57:06 SWSxQSZI

セシリー「……不思議ですね」

秋山「あなたは……、この教会のシスターさんですか?」

めぐみん「彼女はセシリー。私がアクシズ教団に関わるきっかけになった人で、ここのプリーストです」ドンドン


アクシズ教団プリースト
セ シ リ ー


セシリー「おかしいんですよね。ゼスタ様が連行されるのはいつもの事ですが、何故こんな疑惑が突然湧いてでたのか」

秋山「そけっとちゃんからの手紙に書いてあったらしいけど、そもそも何でこの街の警察はその手紙を持ってるんだろうね?」

秋山「そけっとちゃんって個人でここの政府と繋がってるの?」

めぐみん「いえ、それはないでしょう。彼女はただの占い師です」

めぐみん「それに、そんな事をしても彼女には何の得にもなりませんし」

秋山「じゃあ誰かが手紙を届けたってこと? 誰が一体何のために……」

セシリー「まさか、これは我々を陥れようとするエリス教徒の捏造……!?」

ゆんゆん「…………、」

めぐみん「……ゆんゆん。顔色が悪いですよ」

秋山「まさかゆんゆんちゃん……」

ゆんゆん「ち、違うわよ! 捏造なんかしてないわ!」

秋山「捏造なんか、していない?」

めぐみん「と、いう事は……」

ゆんゆん「うぅ……、実は、紅魔の里を出る前にそけっとさんからお使いを頼まれてて」

ゆんゆん「アルカンレティアが危機に陥る未来が見えたから、街に寄るなら予言を書いた手紙を届けてくれって……」


258 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/13(木) 23:08:42 SWSxQSZI

秋山「あぁ、それで警察に」

ゆんゆん「ご、ごめんなさい。まさかこんな事になるなんて思わなくてーー!」

セシリー「なあんだ。あの手紙は本物だったのね、じゃあ問題ないわ」

秋山「え? 組織のトップが逮捕されたのに問題ないの? 普通に考えてマズくない?」

セシリー「うーん……。よくよく考えてみるとゼスタ様が組織運営に関わってる事ってほとんどなかったし。次の責任者を決めちゃえばいいかなって」

秋山「……どれだけ人望ないんだあのおじさんは」

めぐみん「でも、アクシズ教徒は悪魔と結託などしないのでしょう? 冤罪ではないのですか?」

セシリー「まぁさすがのゼスタ様でも教義に背く事はしないだろうし、そうでしょうね」

めぐみん「なら、冤罪を晴らすために皆で一致団結するべきでは? 日頃の行いのせいとはいえ、さすがにこの仕打ちはーー」

めぐみん「ていうか。さっきから見てると他の信徒も全然ゼスタを心配してなさそうなんですが……」

セシリー「だってこのままゼスタ様が最高責任者の座を降りることになれば次の責任者を決める選挙が始まるもの」

セシリー「人の心配なんてしてられないわよ」

めぐみん「……うわぁ」

秋山「まぁこんな様子だしゆんゆんちゃんが責任を感じることはないよ多分」

セシリー「それに無実ならその内帰ってくるでしょ」

ゆんゆん「で、でももしあのおじさんが無実を晴らせずにそのまま収監……何て事になったら」

ゆんゆん「ど、どうしよう。私……」

秋山(ゆんゆんちゃんは自分のせいだと思ってしまってるようだ。これじゃ人探しどころじゃない)

秋山「……分かった。じゃあ俺達であのおじさんの容疑を晴らそう」

秋山「疑わしきは罰せずだ。確たる証拠もないのに、警察も簡単には有罪にできないさ」

めぐみん「でも悪名高いアクシズ教徒ですし……」

秋山・ゆんゆん「…………、」


259 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/13(木) 23:28:41 SWSxQSZI


ーーーー翌朝


【教会大聖堂】


秋山「おはようゆんゆんちゃん、めぐみんちゃん。……と、セシリーちゃんも」

セシリー「あら、おはようごさいます3人とも、昨日はよく眠れましたか?」

秋山「うん、ありがとうね部屋まで貸してもらって。あと言いにくいんだけど寝癖くらいは直したらどう?」

めぐみん「……、ところで他の人はどこに行ったのですか? セシリーだけ?」

セシリー「皆ならとっくに出かけたわよ。ゼスタ様の後の責任者を決める選挙活動の為にね」

ゆんゆん「は、薄情すぎる。まだ有罪だと決まった訳でもないのに」

秋山「組織の結束力の無さは東城会もびっくりだね。じゃ、早速初めますか。まずは聞き込みだ」

秋山「効率を良くする為に、俺とゆんゆんちゃん。めぐみんちゃんとセシリーちゃんの2組に別れよう」

セシリー「はぁ? 何で私が頭数に入れられてるの? 面倒臭いしやらないわよ」

秋山「(手伝ってくれたらめぐみんちゃんの極秘写真をあげよう)」ボソッ

セシリー「さぁ行くわよ! アクシズ教の為に何としてもゼスタ様の無実を証明しなきゃ!」

めぐみん「今の5秒の間に何が起こったのですか!? 何故か背筋が震えたのですが」


260 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/14(金) 00:14:10 A7u3vQz2
もは!


261 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/14(金) 00:15:34 he.W0Zwo


ゆんゆん「……あの2人、大丈夫でしょうか?」

秋山「あぁ仲良さそうだったし良いんじゃない? それよりどうしようかね。とりあえず適当に聞いて回るか」

ゆんゆん「どんな異変が起きているのか調べる必要がありますね」


ーーーー情報を集めろーーーー


来栖猛「湯質の異変? 申し訳ないが分かりかねますな」



林弘「知りまへんな。風呂なんて入れりゃどうでもええ」



亜門丈「……知らん」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



秋山「地元の人でもなかなか知らないもんだね」

ゆんゆん「今の人達ほんとにこの街の住人なんでしょうか。何か凄い違和感が」

秋山「ちょっと方向性を変えなきゃいけないかもね。一度休憩するか。ちょうどあそこに公園あるし」

ゆんゆん「まだ何の手掛かりも掴めていないのにそんなんじゃーーーーって」

秋山「……なんだろうアレ?」

ゆんゆん「何かの、集会? でしょうか」

白装束集団「シュレピッピ! シュレピッピ!」

秋山「ちょうどいいや、あの人たちにも聞いてみよう。あれだけいれば誰が1人くらいは情報持ってるでしょ」

ゆんゆん「ええ!? 本気ですか秋山さん? あきらかに危なそうなんですけど」

秋山「大丈夫だよゆんゆんちゃん。ちょっと話を聞くだけだからさ」


262 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/14(金) 00:40:16 he.W0Zwo


屈強な男「何か御用ですか?」ヌッ

ゆんゆん「うわっ!」

秋山「あ、え、えーと少し話を聞きたくて」

屈強な男「話?」

秋山「え、えぇ。皆さんに聞きたい事がありまして」

屈強な男「…………、」

秋山・ゆんゆん「…………、」ゴクッ

屈強な男「それはつまり我々の『フレンド』になりたいという事ですね?」

秋山・ゆんゆん「……え!?」

屈強な男「なんだ! 入信希望者なら早く言ってくれれば良かったのに。大歓迎ですよ。ささ、どうぞどうぞ」

ゆんゆん「え? ちょっ」

屈強な男「じゃあそこの公衆トイレでこれに着替えてくださいね。はいどうぞ!」

ゆんゆん「ま、待ってください私たちはーー」

秋山「(ゆんゆんちゃん。ひとまずここは従おう)」

ゆんゆん「秋山さん!?」

秋山「(警戒心解いてくれた方が突っ込んだ話をしてくれるでしょ? あくまでフリだから)」

ゆんゆん「(えええ、本気ですかあ)」

屈強な男「着替えが済んだら声かけてくださいね!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



秋山(……何か切腹前みたい)

ゆんゆん(…………、)

屈強な男「いいですね! 実に似合っていますよ2人とも! それではご説明をさせて頂きます」


263 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/14(金) 01:10:20 he.W0Zwo

屈強な男「当然ご存知でしょうが、我々はムナンチョヘペトナス教です。唯一神ムナンチョヘペトナス様が我々の御神体です」

ゆんゆん(……知らないわよ)

秋山「……あなたもここの教徒なんですか?」

幕田「ええ私は新しく入信したフレンドの教育係で、幕田と言います」

秋山(教育係、ね。用心棒にしか見えないけど)

秋山「初めまして秋山です。こっちの子はゆんゆん」

ゆんゆん「は、初めまして」

幕田「秋山さんにゆんゆんさんですね。教えてくれてヘペトナス」

秋山「え? 今、何て」

幕田「ああ、ヘペトナスというのは我々の間の挨拶です。ありがとう、という意味です」

ゆんゆん「(……秋山さん。やっぱりおかしいですこの人たち)」

秋山「(いやいや、こういう一見マトモじゃない集団の方が裏事情を知り尽くしてたりするんだよ)」

ゆんゆん「(本当ですか? 何か適当言ってません?)」

幕田「で、今彼らが行っているのがシュレピッピ。これによってク・リパースを貯めるのです」

秋山「……先生、意味がわかりません。単語の解説をお願いできますか?」

幕田「シュレピッピというのは修練の事、後からあなた方にもやって頂くので、しっかりと覚えてください」

ゆんゆん「(秋山さん! 嫌です! 私こんな変なポーズしたくありません!)」

秋山「(大丈夫ゆんゆんちゃん。俺からすればキミたち紅魔族の意味不明な名乗りの方がよほど恥ずかしいから!)」

幕田「ク・リパースというのは、言うなれば『徳』のようなものです」

幕田「ク・リパースを貯める事により、神であるムナンチョヘペトナスから幸福を授けてもらえるのです」


264 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/14(金) 01:39:15 he.W0Zwo

ゆんゆん「(紅魔の名乗りとこんなエセ宗教を一緒にしないでくださいっ! 確かにあれはあれで恥ずかしいけど)」

秋山「(恥ずかしがりながらでもできるんならこのポーズだっていけるでしょ?)」

ゆんゆん「(嫌です! 絶対やりませんからね!)」

幕田「秋山さんゆんゆんさん、聞いてますか?」

秋山・ゆんゆん「は、はいっ!」

幕田「あなた方は実に運がいい! 今日は日頃シュレピッピに精をだしてる教徒たちを労おうと、教祖様がいらっしゃっているのです」

ゆんゆん「教祖?」

幕田「ええ! あちらにいらっしゃるのが我々の教祖、ムナンチョ鈴木様です」

ムナンチョ鈴木「…………、」

秋山(うわぁ、あからさまに胡散臭そうなじいさんだ)

ムナンチョ鈴木「皆さん、ムナンチョ!」

信徒達「ムナンチョ!」

ゆんゆん「……、何ですかこれ?」

幕田「ムナンチョは我々の挨拶で、こんにちはという意味です。ちなみにさよならはムナンチョッチョ」

幕田「さぁお2人もお願いします!」

ゆんゆん「ええっ!? 私たちもやるんですか!?」

幕田「当然です。あなた方も教徒なのですから」

ゆんゆん「だからってそんな急に……。秋山さんだってーーーー」

秋山「ムナンチョ」

ゆんゆん「…………、」

幕田「いいですねぇ秋山さん! ナイスポーズです。さあゆんゆんさんも!」

ゆんゆん「…………、」

ムナンチョ鈴木「ムナンチョ」

信徒達「ムナンチョ!」

秋山・幕田「ムナンチョ!」

ゆんゆん「…………、む、ムナンチョ……」グスッ


265 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/14(金) 02:07:10 .KtfQeME
ムナンチョ鈴木6で改心したのにまた戻ったのか…(困惑)


266 : 北上くんのちんぽ魚雷 :2017/04/14(金) 07:53:38 ???
投稿ヘペトナス!


267 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/14(金) 11:53:12 eW7F7.FE
>>265
捕まる前の状態なんじゃないですかね?


268 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/15(土) 11:17:22 0MlXHD0c
ミヨさんに出会えず開祖として戻った悲しい世界なのかもしれない


269 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/15(土) 12:27:24 ncbZzDdY
ムナンチョwwww


270 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/16(日) 23:14:47 UnGZjijA

ムナンチョ鈴木「皆さん、いつもシュレピッピしてくれてヘペトナス」

秋山(ええと……シュレピッピが修練でヘペトナスがありがとうだっけか)

秋山(つまりいつもお疲れ様的な意味でいいのかな?)

ムナンチョ鈴木「ところで皆さん、フセリンチョの方はいかがですか?」

信者A「はい! 私は今までに5フセリンチョしました」

信者B「私は8フセリンチョです」

ゆんゆん「フセリンチョ?」

幕田「フセリンチョはお布施の金額です。1フセリンチョが10万エリスですね」

ゆんゆん「なっ!?」

秋山「じゃああの人たちはそれぞれ50万と80万もの大金を寄付してるって事?」

幕田「ええ、たくさんフセリンチョすると、それだけ早く神託を受けることができますよ」

秋山(……いやいやいや。どう考えてもこれはおかしいでしょ。そんなに金集めて何に使うんだよ)

ムナンチョ鈴木「ん? そこのお2人は見ない顔ですね。新入生ですか?」

幕田「はい! 今回新たにフレンドに加わった秋山さんとゆんゆんさんです」

ムナンチョ鈴木「それはめでたいですね。もう説明は聞きましたか?」

ムナンチョ鈴木「しっかりシュレピッピに励んで、神からの幸福を掴み取ってください」


271 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/16(日) 23:17:36 UnGZjijA

幕田「では、まずお2人には初回のフセリンチョをして貰いましょう」

秋山・ゆんゆん「…………は?」

信者A「そうだな。我々のフレンドになるというのならまず覚悟を見せてもらわないとな」

信者B「大丈夫ですよ。皆やってる事ですから」

秋山「ち、ちょっと! え? 今この場で金払えってこと?」

ムナンチョ鈴木「当然です。フセリンチョも立派なシュレピッピの一つですから」

秋山「い、いやー。俺たちちょっと今手持ちが無くて……」

幕田「それはいけませんね。このままだと幸福を授かれなくなってしまいますよ」

ムナンチョ鈴木「まあまあ幕田君。無いものは仕方がないだろう。だが、君の言う通りこのままでは彼らに幸福が訪れない。それは可哀想だ」

ムナンチョ鈴木「代わりに、お2人には特別なシュレピッピを行ってもらおう」

秋山・ゆんゆん「特別なシュレピッピ?」


272 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/16(日) 23:25:25 UnGZjijA

ムナンチョ鈴木「ええ。実は今この街にちょむすけなどと呼ばれている子猫がいるのですが、そのネコを連れてきて欲しいのです」

ゆんゆん「え? それって……」

ムナンチョ鈴木「今の保護者は帽子を被った紅魔族の少女。確か名前は……めぐみんだったかな」

ムナンチョ鈴木「その子猫は我々に取って教義と同じくらい大切なモノ。連れ戻してくれた暁にはきっとムナンチョヘペトナスから直々に幸福が授けられるだろう」

ゆんゆん「…………、」

秋山「(ゆんゆんちゃん、これって……)」

ゆんゆん「(ええ、お布施の辺りから違和感はありましたが。何でこの街に来たばかりのめぐみんの事を知ってるんでしょうか)」

秋山「(だよね。ちょむすけの下りといい俺の推測が正しければこの人たち多分)」

ゆんゆん「(操られていますね。犯人は想像がつきますが)」

秋山「(そっか。じゃあ解いてあげないとね)」

幕田「なるほど。じゃあ秋山さん、ゆんゆんさん。お願いできますかな」

秋山「いや、遠慮しとくよ」

信者達「!?」

ムナンチョ鈴木「……話を聞いていましたか? シュレピッピを行わないと、いつまでたっても幸せになれませんよ?」

秋山「話を聞いた上で判断してるんだ。こんなカルト教団を崇めた所で、一生幸せになんかなれませんよ皆さん!」

信者C「な、何を言い出すんだコイツらは!」

信者D「シュレピッピが眉唾物だというのか!? 我々を馬鹿にするのもいい加減にしろ!」

秋山「事実を言っているまでです。皆さんよく考えて下さい。なぜ幸せになるために教団に金を払わなくてはならないのですか?」

ムナンチョ鈴木「……変な言いがかりは止めて貰いましょうか? 日々シュレピッピに精を出す信者の皆さんに失礼ですよ」

秋山「皆さんはこのじいさんに利用されてるだけです。貢いだ金なんかどうせこの人の懐に消えてますよ」

ゆんゆん「皆さん目を覚ましてください!」

信者E「教祖様に対して何て事言うんだコイツは!?」

信者C「教祖様! コイツらは我々を侮辱しました! チョモゴメスが必要です!」

秋山「また聞いたことない言葉が出てきたな。今度は何?」

幕田「チョモゴメスは再教育という意味ですよ。残念ですが秋山さんゆんゆんさんあなた方は我々の教義をまだ理解されていないようですね」

ムナンチョ鈴木「その身を持って思い知っていただきましょう。真のフレンドになるためにね」

秋山「こっちから願い下げだよ。ただ訳あってこの場で引き下がる訳にはいかないんでね。ちょっと痛い目を見てもらうよ」

信者A「……覚悟はいいか?」

信者C「我々をこけにした代償は高くつくぞ」

信者D「みんなやってしまえ!」

秋山「行くよゆんゆんちゃん!」

ゆんゆん「は、はいっ!」



ムナンチョヘペトナス教団開祖
ーーーームナンチョ鈴木ーーーー


BGM→https://youtu.be/RsYK_bc4uyI


273 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/16(日) 23:29:07 UnGZjijA



ゆんゆん「『ライトニング』ッッ!」
幕田「あがががが!」


秋山「ほいっ、オラァッ!」ダブルジャグラー
信者A&B「ゴハァッ!」


ゆんゆん「秋山さん、今です!」
秋山「よし、もらったぁ!」連携落としの極み
ムナンチョ鈴木「ンガアアアアアァァァッッ!‼」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



信者A「……んっ、な、何だ?」

信者B「う、うわっ! 何だこの格好は」

幕田「わ、私は一体何を……」

ゆんゆん「あ、秋山さん……」ハアハア

秋山「あ、ああ。どうやら洗脳は解けたみたいだな。それにしてもこの人数相手はやっぱキツイね」ハアハア

ムナンチョ鈴木「これは一体……。ま、まさか私はまたやってしまったのか?」

秋山「あ、あなたも目を覚ましたみたいですね」

ムナンチョ鈴木「あ、あなた方が助けてくれたのですか?」

秋山「ええ、ここにいる皆操られてたみたいです。なので気にしなくて大丈夫ですよ」

ムナンチョ鈴木「し、しかし……」

秋山「やった奴に心当たりはあるんで後からキッチリ話はつけときますよ」

秋山「それで……納得して貰えますかね?」

ムナンチョ鈴木「とんでもない! むしろこちらが礼を申し上げる立場です」

ムナンチョ鈴木「何か、私に力になれる事はないですか?」

秋山「それなら1つ、聞きたい事があるんですがね」

ムナンチョ鈴木「はい……何でしょう?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



秋山・ゆんゆん「ところてんスライム?」

ムナンチョ鈴木「ええ、行きつけの宿の主人が嘆いておりました」

秋山「ゆんゆんちゃん、ところてんスライムってなに?」

ゆんゆん「スライムの寒天質を加工した食品です。冷やすと固まっておいしいんですよ」

秋山「……そんなものが蛇口から出てくるって?」

ムナンチョ鈴木「ええ、彼はそう言っておりました」

秋山「うーん。これは一度見に行く必要がありそうだなあ」

秋山「ありがとうございました鈴木さん。俺たちは今からその温泉宿に向かってみます」

ムナンチョ鈴木「そうですか。道中にはお気をつけ下さい。最近不審者が目撃されてるとも聞きますので」

秋山「はい、そちらもお気をつけて」

幕田「ゆんゆんさん! 是非アクシズにお越しの際はライザップにお立ち寄り下さい!」

幕田「今回のお詫びも兼ねてサービスしますよ! 一緒に理想の肉体を手に入れましょう!」

ゆんゆん「え、ええ……。時間があれば」


274 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/17(月) 02:05:14 UcxiHN6Y
筋肉モリモリなゆんゆんか…トスケベボディが更なるパーフェクトボディになってしまうな


275 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/17(月) 02:35:50 SerOpNYo
良かった、ちゃんと更生した鈴木だったんだな


276 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/19(水) 00:19:28 a2myhvm6
あくしろよ


277 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/21(金) 00:23:47 bT5DPsYs



セシリー「ところてんスライム?」

秋山「うん、蛇口を捻るとお湯の代わりにそれが出てくるらしい」

めぐみん「はあ? 何ですかそれは。何の目的があってそんなこと……」

ゆんゆん「でも温泉宿のご主人がそう言ってるらしいし本当なんだと思うけど」

セシリー「でも本当にそうなら由々しき事態だわ」

めぐみん「ですね。お風呂が使えないと旅館の営業ができませんから」

秋山「ゼスタさんのこともあるし、一度現地で話を聞いてみようか」

セシリー「ええ、ところてんスライムが飲み放題だなんてそんな夢のようなことはないわ! しっかり調査しないとね」

ゆんゆん「そうですね。……ってあれ?」


278 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/21(金) 00:26:29 bT5DPsYs



温泉宿


セシリー「酷いですよめぐみんさんも秋山さんも! どうして調査させてくれないんですか!?」

めぐみん「蛇口から出てくる謎の飲み物なんて口にするものではありませんよ。毒でも入っていたらどうするのですか」

秋山「というか目的変わってない? ゼスタさんの無実を証明するための調査だよね」

秋山「それがどうなったら蛇口の下で大口開けてところてんスライムがぶ飲みする事になるのか、ご説明願いたいね」

セシリー「こう見えても私はところてんスライムに関しては一家言あります。味見をすれば、何が原因なのか分かるかもしれませんよ?」

秋山「そんなんいいから」

ゆんゆん(……こう見えてもってどう見られてると思ってるんだろう)

めぐみん「ご主人、ここ最近のゼスタの行動について、何か知りませんか?」

宿の主人「先ほど警察の方が話していたのですが、ゼスタさんが大きな袋をいくつも温泉施設に持ち込むところを目撃されているそうです」

めぐみん「まさかその袋の中身が、ところてんスライムの粉……?」

ゆんゆん「え……、てことはあのおじさん本当に悪魔とつるんで……」

めぐみん「いえ、まだ決まった訳ではありません。もしかしたからクリスマスに子供達に配るプレゼントかもしれません」

ゆんゆん「何その発想? 何で急にサンタクロースなのよ」

めぐみん「何か見た目がサンタっぽいじゃないですか。髭だし」

ゆんゆん「そんな理由!? あんな色欲まみれたサンタがいるか! そもそも持ち込む場所がおかしいでしょうが」

セシリー「ねえねえご主人。その袋って今どこにあるの?」

宿の主人「え、ええっと……。確か警察の方が回収していたはずですが」

秋山「何でそんなに目をキラキラさせてるのかなセシリーちゃん。明らかに調査目的じゃないよね?」


279 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/21(金) 00:28:43 bT5DPsYs



温泉供給施設


警察A「む、遅かったなアクシズ教徒。既に証拠は回収されたぞ」

めぐみん「その袋が件の……。ということは本当にゼスタがこんな馬鹿な事を?」

警察B「ああ、ゼスタ殿がこの袋を持ち込む所を見たって目撃者までいるんだ。言い逃れは出来ん」

ゆんゆん「そ、それじゃ本当に」

秋山「でも何のために? 毒でも流し入れるならまだしも、よりにもよって加工食品垂れ流しにするってもはや理解不能だよ」

警察B「ああ、俺達にもなぜこんな事をしたのか、見当もつかん」

警察B「だがアクシズ教徒がやったとなると、途端に納得できてしまうのだ」

めぐみん「ああ……、確かに何となく分かる気はします」

ゆんゆん「そんな……。変な人だったけど、悪い人には見えなかったのに」

警察A「我々としても、些細なトラブルはまだしも、本格的な犯罪をする方だとは思っていなかったから残念だ」

警察B「…………、」

セシリー「ねぇ、誰かコップ持ってない? 後冷やして固めたいからフリーズ使える人いない?」

秋山「セシリーちゃん。空気読んで」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



めぐみん「結局何もできませんでしたね」

めぐみん「ですが……本当にゼスタさんがこんな事をやらかすとは」

ゆんゆん「うん、あのおじさん……、本当に悪魔の関係者なのかな? そうは思えなかったんだけど」

めぐみん「ですが済んでしまった事は仕方ありません。まあ、あの人なら罪を償って舞い戻ってきますよ」

ゆんゆん「……外患誘致罪は、確か死刑だったと思うんだけど」

めぐみん「…………、」

ゆんゆん「…………、」

セシリー「証拠品だから飲んじゃダメなんて……、あんなに沢山あるのに……」

秋山「……セシリーちゃん。馬鹿なの?」



と、その時だった。



ゼスタ「あら、皆さんお揃いでどうされたのですか」

秋山・めぐみん・ゆんゆん・セシリー「えっっ!‼?」

ゼスタ「何ですか、まるで幽霊でも見たみたいに」

秋山「いやいや、だってアンタ悪魔と共謀した罪で逮捕されてーー」

ゼスタ「あんなの無実に決まってるでしょう。今あの生意気な女騎士に説教してきた所です」

ゆんゆん「え? じゃあ結局ゼスタさんは、無罪で釈放……?」

ゼスタ「当然です。敬虔なるアクシズ教徒の私が、まかり間違っても悪魔なんぞに下る訳がありません」

セシリー「ゼスタ様! 私は最初から疑ってなどいませんでしたよ! でもどうしてもこの3人が信じられないようなので、今こうしてお連れしたんです」

めぐみん「は?」

ゼスタ「おぉ! さすがはセシリーさんです。その姿勢は他の教徒達にも見習って欲しいものですな」

ゆんゆん「…………、」

秋山「セシリーちゃん。蹴り入れていいかな?」


280 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/21(金) 01:11:06 bT5DPsYs



秋山「でもそうなら、結局この事件の犯人は誰なんでしょう?」

めぐみん「そけっとの占いでは、確か魔王の手の者が関係しているとか何とか」

ゼスタ「魔王の配下……。ううむ、実を言うと、先ほどから微かに臭いは感じていたのですが……」

セシリー「奇遇ですねゼスタ様。実は私も何です」

ゆんゆん「?」

ゼスタ「そろそろ出てきてはもらえませんか? 私はストーカーをするのは好きですが自分がされるのは嫌なのですよ」

アーネス「……、」

秋山「あっ、アンタは!」

めぐみん「わざわざ紅魔の里から付けてきたのですか? 暇なんですね」

アーネス「久しぶりだね。こないだは随分とやってくれたじゃないか」

めぐみん「目的はやはりちょむすけですか?」

アーネス「ちょむすけではない。ウォルバク様だ」

秋山「なるほどね。あのおかしなカルト教団はやっぱりあんたの仕業か」

ゆんゆん「何の関係もない人たちを操って、何考えてるんですか!」

アーネス「金だけ奪って約束を果たさなかったアンタらが悪い」

ゼスタ「……めぐみんさん。この破廉恥なお嬢さんはお知り合いですか? もしそうなら是非ともご紹介を」

めぐみん「彼女は悪魔ですよゼスタ。戒律はいいのですか?」

ゼスタ「何だ悪魔っ娘か。それは残念だ」

アーネス「何をごちゃごちゃ言ってるんだ。ウォルバク様を返さないというなら、無理矢理にでも取り戻させてもらうぞ!」

めぐみん「ゼスタ、セシリー。離れて下さい。ここは私たちが」

ゼスタ「残念ながらそれはできませんね」

めぐみん「は? 何を言ってーーーー」

ゼスタ「『セイクリッド・ハイネス・エクソシズム』!」

アーネス「ッッ!‼?」

突然ゼスタが魔法を解き放つ。
魔法はアーネスに直撃せず、当たった路面に巨大な魔方陣を浮かび上がらせた。

アーネス「なっーー! 何だお前は! こんなレベルの魔法をなぜこんな寂れた親父がーー」

ゼスタ「申し遅れました。私、アクシズ教団の最高責任者で、アークプリーストのゼスタと申します」

秋山「…………え? 何これ」

セシリー「同じく。アクシズ教団の美人プリースト、セシリーと申します」

ゼスタ「どうやら、今回の騒動の元凶はこの悪魔っ娘のようですな」

セシリー「ゼスタ様にあのような容疑がかけられたのも、この悪魔のせいという訳ですね」

アーネス「……は? 一体何を言ってる!?」

セシリー「この期に及んでとぼけても無駄ですよ。……ところてんスライムをあんな風に使うなんて。愛好家として許せません! 教育してあげます」ダッ

アーネス「な、何だこいつ頭イカれてるのか!? クソッ! こんな奴ら相手してられるか!」

ゼスタ「逃げましたよセシリーさん! 追うのです! 我々アクシズ教の教義はーー」ダダダッ

セシリー「『悪魔殺すべし』! 『魔王しばくべし』!」ドドドド

めぐみん「…………、」

ゆんゆん「……、あのおじさん。実は凄い人だったんだね」

秋山「結局何だったんだろう本当に」


281 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/23(日) 23:30:34 6B8vW9NQ
ゼスタ様の強さって上の方なんですかね


282 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/26(水) 17:35:57 o83.BONI
のんびり続き待ってるゾ


283 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/29(土) 00:10:55 0M122tEg

秋山「とりあえず、ゼスタさんは解放されたみたいだし、一件落着ってとこか」

めぐみん「シュンとゆんゆんはこれからどうするのですか?」

ゆんゆん「そうだね、まずは秋山さんの用件を済ませなきゃ」

めぐみん「ああ、確か知り合いがアクシズ教団の中にいるんでしたね。ええと……確か蛇柄のジャケットに眼帯をしててーー」

ゆんゆん「ドス片手に身軽に動き回ってーー」

秋山「あと笑い方にも特徴があるよ。『ヒャーヒャッヒャッヒャ!』みたいな感じ」

めぐみん「気持ち悪! そんな危険人物ホントにいるんですか?」

ゆんゆん「特徴だけ聞くと、既に警察のお世話になっててもおかしくなさそうだけど」

真島「せやなぁ。確かにポリには今まで数えきれんくらい捕まったわ」

ゆんゆん「やっぱりそうなんだ。じゃあ教団にいなかったら警察署に行って……………………ん?」

真島「ん?」

めぐみん「って、きゃあああ!‼ な、何ですかアナタは!?」

真島「何って、お前ら俺の事探しとったんちゃうんか?」

ゆんゆん「……素肌に蛇柄のジャケット、左目の眼帯ーーーー。ほ、本当だ! 本当にいたんだ……!」

秋山「…………お久しぶりです。真島さん」

真島「おう金貸しか。まさかこないな所で合うとはのう」ドンドン


東城会舎弟頭直系真島組組長
ーーーー真島 吾朗ーーーー


真島「それにしても自分ら散々に言うてくれるやないか。俺からしたら嬢ちゃんらの格好もどうかと思うで。何やそのダサいマントは?」

ゆんゆん「なっ……! だ、ダサい!?」

めぐみん「……言ってくれますね。紅魔の伝統装束を馬鹿にするとは、いくらシュンの知り合いでも捨て置けませんよ?」

真島「おっなんやヤル気か? ええでええでぇ! そっちがその気なら遠慮はせえへんで」

秋山「ち、ちょっと待ってよ! 何で出会って早々険悪な雰囲気になってるのさ。真島さんも子供相手に張り合うのは勘弁して下さい」

めぐみん「こっ……! 子供だとぉ!? シュン! 今私たちの事を子供だと言いましたか!?」

ゆんゆん「秋山さん酷いです! 私たちは来年にはもう結婚できる年なのに!」

秋山「は? 何言ってんのさ。キミたちはまだ13歳……」

真島「この世界では14歳から結婚できるんや。16〜20歳くらいが結婚適齢期らしいわ」

めぐみん「私たちが子供かどうか、その身を持って教えてあげますよ、シュン」

ゆんゆん「覚悟して下さい、秋山さん」

秋山「」


284 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/29(土) 00:13:06 0M122tEg



真島「ほお……嬢ちゃんらなかなかやるやないか。秋山、お前えらい弱なったのお」

秋山「いや……見てるだけじゃなくて助けて下さいよ真島さん」ゼェゼェ

めぐみん「ふっ、これに懲りたらもう二度と子供扱いしない事ですね」

真島「それはそうと、自分らは秋山のなんなんや? まさか同伴中のホストガールって訳でもないんやろ」

めぐみん「流石はシュンのお友達。発想が最低ですね」

ゆんゆん「私たちは紅魔族で、秋山さんは前に里の郊外で一撃熊に襲われていた所を私が保護したんです」

真島「何や情けないのお。冴島の兄弟は通常の倍くらいあるヒグマを素手で倒したっちゅうのに」

秋山「真島さん。路上の配電盤力ずくで引き剥がす人を基準にしてはいけません」

真島「そうか? まあええわ。ところで俺を探しとったっちゅうのは何でや。俺に何の用や」

秋山「真島さんは、ここが俺たちが暮らしていた世界とは違う事、気づいていますよね?」

真島「そりゃあな。流石に神室町でも魔法を使う奴はおらんかったからのお」

秋山「真島さんも、気づいたらこの世界に?」

真島「おう、せや。この街のゼスタとかいうおっさんが親切にしてくれてな。お礼にモンスターを狩ってやってるんや」


285 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/29(土) 00:15:23 0M122tEg

めぐみん「あなたもそうなんですか。ですが、その……失礼ですけどアクシズ教徒には……」

真島「あ? 別に俺はアクシズ教徒なんかやないで。ただ世話になった分を返しとるだけや。受けた恩は返す男やで、俺は」

真島「にしてもたまらんなここは! 桐生ちゃんがおらんなって退屈しとったんやが、ここなら身体が鈍らんわ。喧嘩相手が仰山おる」

秋山「……真島さんは、ここの生活を満喫してらっしゃるんですね」

真島「おう楽しんどるで。俺は強いやつと喧嘩すんのが好きや。この世界には強力なモンスターが山ほどおるんやしなあ」

秋山「東城会は、いいんですか?」

真島「別に俺がおらんでもやっていけるやろ。そもそも裏方仕事は俺の性に合わん。身体が鈍ってしゃあないんや」

秋山「……不思議ですね」

真島「は? 何がや」

秋山「いえ、俺の知ってる真島さんならそんな事は言わないはずだと思いまして」

真島「なんやて?」


286 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/29(土) 00:19:27 0M122tEg

秋山「真島さんは桐生さんと約束されたとお聞きしました『六代目政権下を支える』という約束を」

秋山「それに、真島組の事もあります。俺の知ってる真島吾朗という人は、自分の欲望を優先して役割を蔑ろにする人ではありませんでした」

真島「はあ……、一体何が言いたいんやお前」

秋山「もしかして、東城会に何かあったんですか?」

真島「別に何もないわ。仮に何かあったとしてもカタギのお前には関係ない話やろ」

秋山「関係ないかどうかはまだ分かりません。そもそも俺と真島さんが同時期にこんな訳の分からない世界に飛ばされた時点であり得ない事が起こっている訳ですから」

ゆんゆん「確かに。最初は異世界うんぬんの話も半信半疑でしたけど、まさか2人もいるとなると偶然では済まされないですよ」

めぐみん「もしかしたら、他にもいるかもしれませんね」

秋山「真島さん。俺はスカイファイナンスや花ちゃんの事もありますし、元の神室町に帰らなければなりません」

秋山「俺が真島さんを探していたのは、あなたならその為の情報を何か知っているかもしれないと思ったからです」

真島「せやったら残念やったな。俺は何も知らん」

真島「まあ気長に待っとったら、いつか帰れるかもしれんで?」

秋山「…………、」

秋山「本当の事を教えて貰えませんかね? それで隠してるつもりですか?」

真島「あ? 何やその言い方。喧嘩売っとんのか?」

秋山「俺は真剣に聞いてるんですけど、あくまでとぼけるつもりなら、そういう手段もありですね」

真島「誰がとぼけてるやって? 何でお前に俺の考えてる事が分かるんや」

秋山「あなたの態度が不自然すぎるからですよ真島さん。何か理由があって話したくないのは分かりました」

秋山「ですが俺も引く訳にはいかない。本当はこんな事したくはないんですけど、無理矢理にでも話してもらいますよ」

真島「…………、」

真島「そうか、ええやろ。そこまで言うんやったら来いや金貸し」

真島「お前がもし俺に勝てたら考えたるわ」

秋山「そうですか。では行きますよ。真島さんッッ!」



東城会直系真島組組長
ーーーー真 島 吾 朗ーーーー


BGM→https://youtu.be/LkFA3J5EYBA


287 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/29(土) 00:33:40 0M122tEg



ーーーー数分後


秋山「ま、真島さん……。何で、その歳でそんなに動けるんですか……」ゼェゼェ

秋山「ちょっとは……加減して下さいよ……」ゼェゼェ

真島「あ、アホか……お前だって……本気やったやないか……」ヒューヒュー

秋山「で、でもこれは俺の勝ちですよね……?」

真島「アホ。え、ええとこ引き分けじゃ。まあ……でも特別サービスや。話したるわ……」



ゆんゆん「…………ねえめぐみん。私の見間違いだよね? 何かあの真島さんって人が5人に分身したように見えたんだけど」

めぐみん「そうですね…………、シュンが空中に浮遊したまま連続で高速蹴りを叩き込んだのもきっと見間違いです」


288 : んにゃぴら犬ぐさァッー! :2017/04/29(土) 08:12:28 ???
魔法じゃなくて技術だからセーフのガバガバ理論


289 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/04/29(土) 12:20:16 9dWZFRFk
龍が如くの主要メンバーも大概人外だから…


290 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/05/02(火) 01:05:32 zxzvj6js
空飛ぶ金貸し


291 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/05/05(金) 21:04:46 8cmVoOD2
続く…続かない?


292 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/05/08(月) 21:10:03 1CJlCEUc
続きはまーだ時間かかりそうですかね?


293 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/05/23(火) 16:24:04 1n4ERNgw
続きまだかゾ〜?


294 : 転生MUGEN者ロア :2017/06/11(日) 19:04:45 ???
すいませーん木下ですけどまーだ時間かかりそうですかねー?


295 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/06/11(日) 19:49:02 TZM7vEtQ
続きまだ時間かかりそうですかね〜?(便乗)
気長に待ってるゾ


296 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/08/18(金) 20:51:39 x5T2/Cfk
続く…続かない?
このすば3期が始まるまで待ってるゾ〜


297 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/08/18(金) 22:45:52 PV5IAxL.
ワクテカ


298 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2017/11/24(金) 19:37:40 MInU.mjg
とりあえずアドレスを貼るのみで、当スレからは立ち去りますが、
もし興味ある方は読まれて下さい。

いずれ誰もが直面する「死の絶望」の唯一の緩和・解決方法として。

(万人にとってプラスになる知識)
《神・転生の存在の科学的証明》
http://message21.web.fc2.com/index.htm


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