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群れ【SS】
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僕が生まれた時、周りにはたくさんの兄弟がいた。
誰もが同じ顔で誰もが同じ思考を持っている、たくさんの僕たちは一つになって立ち上がる。
「オラ!ボサっとしとらんでさっさと運ばんかい!」
一つになった僕たちを緑色の僕たち以外の何かが蹴飛ばす、何百何千の僕たちが衝撃に耐えられず死に。
生き残った僕たちは死んだ仲間の分を補おうと増殖する、そうしながらも緑色の奴に言われるように重い荷物を運ぶ。
何を運んでいるか何故運んでいるかもわからない、ただ逆らうな従え僕達は思った。
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やだなぁTくん……
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緑色の奴に言われるままに荷物を運び終えると僕たちはまたバラバラになる。
そして狭い入れ物の中に入って行き、呼び出されるまで待機する。
僕たちの入った入れ物は小さな小箱の中に保管され、必要に応じて緑色の奴が取り出して僕たちを出す。
僕たちはしばらくして気づいたが、緑色の奴は僕達のようにたくさんで一人じゃなく、最初から一人だ。
それなら立つのも歩くのも何から何まで一人でやっているのかと僕は驚き、周りのみんなも驚いた。
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「クソッ!これじゃ大赤字だ、また融資を受けなきゃいかん……チッ!」
緑色の奴が僕を蹴飛ばす、一度二度三度、僕達はたくさん死んだが、僕たち以外の僕達はもっとたくさん死んだ。
僕たちが荷物を運んでいると色んな色の人たちが僕たちに襲い掛かって来た。
僕達は分裂しそれぞれに集まって何十人もいたけど、たった五人にほとんど殺されてしまった。
手に持った変わった装置から出たキラキラした綺麗な物が僕たちを焼き、銀色の棒みたいな何かに僕達は切り裂かれた。
僕達はたまたま緑色の奴の大事な荷物を持っていて、緑色の奴の住んでいる箱に殺されつくされる前に逃げ込めた。
でも僕達のほとんどは抵抗らしきものは何もできずに殺されていった、なんて強くてなんて恐ろしいんだろう。
あいつらは緑色の奴よりもずーっと強い、しかもそれぞれ一人が一人でたったの五人で何万、何億といた僕達をやっつけたんだ。
僕たちの方がずっと多かったのに僕たちは負けた……そう考えると心がとても苦しくなった。
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最近、緑色の奴に呼び出されることが無い、こき使われたり殺されなくてすんでとても楽だ。
それに僕たちは箱の中に閉じ込められていない、緑色の奴の服についてる袋が今の僕たちの住かだ。
音も無く光も無い箱の中と違って、袋の中にいると色んな刺激がある。
一番はやはり光その次に音……無理やりに働かされている時に聞く音や感じる光とはまた違って感じる。
特に楽しいのはそう機会はないが、男が僕たちの入った入れ物をテーブルに置いて光る箱を見ている時だ。
オォン!アォン!
「アハハハ!よしっ大損して死にたくなってたけど、違法商売頑張るか!」
男が見ている茶色い何かが何なのかは分からなかった、でも僕達みたいにたくさんで集まって一つになっていることは分かった、僕達はそれに夢中になった。
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その茶色い何かは色んな事をしていた、みんなで集まって色を変えてみたり。
何十人かが目になって、もう何十人かは口に、ただ集まって人の形をとっているだけの僕たちはあんな方法があるのかととても驚いた。
そして茶色い奴等はただ集まっただけじゃない、色んな事をしていた。
戦車に乗ったり、戦ったり、踊ってみたり、僕達は彼らの活躍を見て喜び失敗すると落ち込み、でも次の動画ではまた違う姿になって新しい事をする
そんな何時だって前向きだ楽しい茶色い奴の事がすっかり好きになっていた。
そしてだんだんと僕達も茶色い奴らみたいにいろんなことをしようと話し合った。
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試してみる機会はすぐに訪れた、僕達は緑色の奴に連れられて少し広い場所に連れてこられた。
驚いたことにそこには僕達とは違う僕達がたくさんいた、みんな何千何万何億が一つの個体になっている僕たちと同じだ。
「へへ、今回は及び下さり感謝していますぜ、先生」
「フ、時には悪党同士助け合わねばな、ここで少しでも稼げるように頑張る事だね、私は期待しているよ」
緑色の奴は白い奴に必死に頭を下げ、媚びてへつらっていた、そして僕たちに言った、今から出てくる奴と闘えと。
緑色の奴が言うなら戦わなきゃいけない、僕たちは少し自信があった茶色いヤツみたいにみんなで協力して戦えばあの動画みたいに敵をやっつけられると。
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僕たちのほとんどは死んだ……僕たち以外の僕に似ている奴らも、何億も何兆もいた僕たちはたった一人に殺されつくした。
「ハッハー!こんな下等生物腕試しにもなりゃしねぇぜ!もっと暴れさせろや!」
「ハハ、君の実力はよくわかったよ、その力を私の元で存分に奮ってくれたまえ」
僕たちをたった一人で蹂躙した一人が白い奴についていく、緑色の奴が広間に入って来て一つになれと命じてきた。
僕たちは僕達意外とも一緒になってようやく一人に戻る、あれだけ僕たちはいたのに一人分にしかなれない、それだけ多くの仲間が死んだ……。
そして僕達はそれから毎日のように一人に痛めつけられた、炎を吐く奴雷を操る奴、単純に力が強い奴に目にも止まらぬ速さの奴、どれだけの僕たちが死んだのかはもう分からない。
ただただ殺され、生き残りと寄り集まって増えて、数が揃うと彼らの前に放り出された。
どれだけの数で攻めかかってもたった一人に手も足も出ない、僕達はそいつらの前に出されると怯み脅えあるいは怒り呪い、結局は殺されつくした。
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そんな日々がある日終わりを迎えた、僕達のいる場所にあのカラフルな五人組が乗り込んできた。
「くっそ!あれだけの戦力があったのにたった五人にあの様かよ!頼りにならねぇ組織だぜ!」
僕たちは緑色の奴に命じられて大きな機械を船の中に運び込んでいた。
「慇懃無礼で気に食わねぇ野郎だったぜ、この退職金だけは頂いていくぜ糞共!」
緑色の奴の乗っている箱で逃げ出したすぐあと、たくさんの本当にたくさんの僕たちが殺されていた大きな大きな箱は大爆発を起こした。
「くけけ、遺伝子改造装置……こいつは金になるぜ、うまく立ち回れば残りの一生遊んで暮らせるだけの金になる!」
何がおかしいのか大笑いする緑色の奴の言った『遺伝子改造装置』という言葉を僕たちは聞き逃さなかった。
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僕たちは初めて誰に命じられるでもなく、僕達だけの意思で一つに集まった。
「ん?おい、何集まってんだよ、待機してろ待機」
あの闘技場の広間で戦い、様々な僕達と繋がり殺され欠けた僕を増殖することで補ううちに
緑色の奴に絶対に従わなくてはいけないという気持ちは薄れ、今は言う事を聞いた方がいいかもしれない程度にしか感じなかった。
僕たちは緑色の奴の言う遺伝子改造装置に近づいていく。
「何無視してんだ、コラ!」
僕達は蹴られ、たくさんの僕たちが死んだ、でもあの闘技場の時ほどの死者は出なかった。
僕達が見てきた命はたった一つで僕達よりもはるかに圧倒的に強かった、この緑色だって僕達より強い
それでも緑色の奴は僕達を蹂躙し殺し尽した色んな奴よりはずっと、ずーっと弱い。
僕達は振り向き緑色の奴を殴りつけた、腕の部分の僕たちが死ぬが構わない、緑色の奴は怒って僕達を殴りつけた、僕達は何千人か死んだ。
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僕達は必死になって戦った、緑色の奴は弱いけど僕達はもっと弱い。
緑色の奴を殴ったり蹴ったりするだけでたくさんの僕達が死に、緑色の奴が抵抗して僕達を叩けばもっとたくさんが死ぬ。
「や、やめろ!この薄汚い下等生物が!俺様を舐めるなよ!」
僕達は緑色の奴に圧し掛かり、全力で首を絞める、わめき苦しみながら緑色の奴は懐から銃を取り出して撃ってきた。
僕達が死ぬ焼かれて死んでいく、それでも首を絞め続ける……死ね、死ね、しんで……。
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全てが終わった後、私は遺伝子改造装置の中に入りガイダンスに従って細胞を強化した、効果は覿面だった。
私達の一つ一つに力が満ち溢れるようだ、想像したこともないほどの力夢想することさえ許されなかったエネルギーが今の私達にはある……。
しかしまだ足りない、強く放ったがそれだけだ、私達は寄り集まらないと個になれず、どれだけの数で寄り集まった所であの闘技場にいた奴等
そして彼らを傘下に収めた男、そしてその男を倒して見せた五人組にはまるで敵わないだろう。
装置から出て緑色のゴミを蹴り飛ばす、それだけで私は何十何百と死ぬ、力を得た喜びはなかったただ怒りだけがあった。
どうしようもなく弱く、寄り集まらなければ最低限の力も出せない自分。
たった一つの個体で生命体として自立している者どもへの羨望と劣等感何よりも強い嫉妬……。
より強い力が欲しい、誰にも負けない何よりも強い最上最強の力が……。
私は今殺した奴の持ち物を起動し、私達が変わるきっかけとなった動画を見始めた。
今ならわかるが茶色い奴は私達と一緒ではない、切り裂かれて動きを抜き取られ合体させられているだけだ。
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イキスギィ!イクイクイク…ンアッー!
行き過ぎる、行く行く行く…ンアッー!か、その男は自分の力を極限まで高めようとしていた。
トカゲのような生命体を捕食しエネルギーを吸い取りながら、更なる次元に行く行く行くと叫び。
ンアッー!と叫んだ、ンからア、Z〜A、限界を超えて新たな力を得ようとする力強い雄叫び……。
頂点に挑み到達しその先へ行こうとする個、そのためには自分の一部をこするトカゲの手をも払いのけて見せた。
「その気持ち私はよく分かるよ、ヤジュウ」
自分が最も劣っていることは分かっていた、それで馬鹿にされるならまだいいより高みにいる存在から同情されることこそが最大の苦しみであり侮辱だ。
私はクズに殴られもしくは殴り、光線銃で撃たれもしくは首の骨をへし折るために死んでいった私だったものに語り掛ける。
「下等生物の諸君、ごきげんよう私の名はジニス」
いずれこの名が宇宙中の生き物に語られるであろう、下等で醜いメーバなどではなく最上最強の生き物の名前として……。
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ジニス様野獣先輩説
ジニス様はゲーム好き 野獣先輩も昏睡レイプの最中にパズドラするくらいに好き。
ジニス様はメタリック 野獣先輩もメタリックになったりする。
クソデカ台座 野獣先輩もデカいソファーに座ったりしている。
ジニス様の細胞で怪人がデカくなる 遠野も野獣先輩にしゃぶられでかくした、つまり唾液の細胞でデカくなった。
ジニス様は下等生物の集まり 野獣BBは最初こそかわいいだの何だのともてはやされるが野獣とバレた途端、もどしてだの汚いだの言われる。
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唐突なジュウオウジャーSSとか分かるわけないだろ!いい加減にしろ!
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>>15
カラフルなやたら強い五人組とか、悪の組織とか下等生物とかヒントもあるから多少はね?
しっかし、ナリア姉貴の純粋な愛情も同情された!とか言ってマジギレするとか(卑屈すぎて)笑っちゃうんすよ。
過去には下級戦闘員から成り上がって大ボスから伝説の武器まで渡された幹部すらいたのに聡かしくないの?
下等生物から損だけ強くなったんだからもっと自信もって、どうぞ!
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