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【四部マスSS】交通ルールを守ろう
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ー道
康一「うわっ!あの車、すごいスピードだよ!危ないなぁ…」
裕子「全く、よくあんな運転で免許もらえましたね…」
康一「あれじゃそのうち大事故起こすね…」
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…ガッシャアアアアアアン!
康一「言わんこっちゃないィ〜〜〜!」
裕子「これはまた盛大にやらかし…じゃなかった!警察に通報しないと!」
康一「…待てよ?…この自動車、一体『何』にぶつかったんだ?」
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久々の四部マスSSやったぜ。
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お前のSSを待ってたんだよ!
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裕子「へ?『何に』、とは?」
康一「この車がぶつかった物がわからないんだよ。生き物にぶつかったなら血が残るだろうし…」
裕子「はて…言われてみればそうですね。ぶつかるような物はありませんし、どこかに吹き飛んだようにも…。不思議ですねぇ!」
康一「…とにかく、誰も巻き込まれなかったみたいでよかったね。あんな危険運転に巻き込まれたらたまったもんじゃないよ…!」
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ー数日後、バスで
康一「…『原因不明の交通事故多発 安全運転を心掛けよう』、かぁ…」
仗助「ん、交通事故?なんだよ急に」
康一「このごろ『何にぶつかったのかわからない衝突事故』が起きてるんだ。数件起きてるけど、どれも暴走運転をしてた運転手が軽傷らしいけど…」
仗助「…へぇ、変なこともあるもんだな…。ま、暴走運転で巻き添え食うよりマシだろ?」
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康一「確かにそれはそうなんだけど…」
仗助「ま、俺も『ハイウェイ・スター』に追っかけられた時にはムチャやったからあんまり人のことは言えねーけどな…」
康一「…『ハイウェイ・スター』…。『何かにぶつかる』…!…もしかしたら、これは『スタンド』の仕業だッ!」
仗助「何ィ!?…つまり、暴走運転してた連中はスタンド攻撃を受けてたのか!」
康一「…でも、何が目的だ?…小林玉美みたいに金を取るわけでもないし、音石明みたいに人を殺すわけでもない…」
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仗助「…これから殺すってことも考えられねーか?スタンドを使った殺し方を練習してるのかも知れねぇ…!」
康一「大変だ!承太郎さんに知らせなきゃ!」
仗助「…だがどうする?承太郎さんに暴走運転でもさせるか?そもそも車持ってんのかあの人?」
康一「うーん…やっぱり誘き出すしかないよね。…あっ!いるよ!確実に車を持ってるスタンド使いが!」
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ー翌日
仗助「…で、なんでこうなるんだよォ〜ッ…!」
露伴「僕だって康一くんに頼まれなきゃ断ってたさ。なんでこの岸辺露伴が仗助なんかとドライブなんてしなくちゃあいけないんだ」
仗助「こんなことなら一人でバイク乗り回してる方がよっぽど気が楽だぜ全く…」
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お、いいゾ〜
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露伴「…僕が車を運転する。スタンドが現れたら『クレイジー・ダイヤモンド』で捕まえる。万が一事故っても直せば走れる。そういうことさ」
仗助「一番『合理的な組み合わせ』ってのはわかるんだがよぉ〜…それにしたってよぉ〜…」
露伴「いつまでもゴチャゴチャ言ってないでさっさと乗れよ。こっちだって早く終わらせたいんだ」
仗助「…ったくしょうがねー…やるか…」
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ーしばらくして
露伴「時速60km…一般道の最高速度だな。まだ加速するぞ」
仗助「もういくつか赤信号突っ切ったな…こんなんでほんとに現れるのかよ?」
『…freeze…』
仗助「…今、何か言ったか?」
露伴「何も?…変だな。速度が落ちてる…」
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『…rock』
…カツンッ
露伴「…石でも跳ねたか?別に傷がついたって構わないけどな…」
仗助「それより、またなんか聞こえねーか?呟き声みたいなのがよー…」
露伴「いや?気のせいだろ…」
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『freeze』
露伴「…?またスピードが落ちている…何だ…?」
仗助「…今、確かに『フリーズ』とか聞こえたんだが…」
露伴「隣の車のカーステレオかなんかだろ、それより静かにしててくれないか」
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『rock!』
…コンッ
露伴「また石?…この速度で見えないだけか…」
仗助「また聞こえた!『ロック』ってはっきりと聞こえたッ!」
露伴「…?僕にはデカイ石が当たった音しか聞こえなかったがな…」
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運転手には聞こえないのかな?
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『freeze!!』
露伴「また減速だ…故障か?」
仗助「今ぜってー聞こえたぜ!人の声じゃあねー!スタンドの声だ!」
『Rock!!』
ガンッ!
露伴「…僕には聞こえないが…どうやらマジみたいだな…!路上にこんな音立てる岩が転がってる訳がない!」
仗助「もう敵スタンドは攻撃を仕掛けてきてやがる!どこだ…!?」
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『Freeze!!』
露伴「見えた!…この車の後ろにぴったりついている!『タイヤ跡』から身体を出してるぞ!」
仗助「いくぜ!ドラァッ!」
露伴「…やったか!?」
仗助「ダメだ!地面に沈みこんで逃げられた…!」
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露伴「この車に追い付いてる車はいない…自動操縦タイプなのかも知れん!」
仗助「そいつぁ面倒…っておい前見やがれ!赤信号にヤツがいる!」
『Rock!!…put'em up, put'em up, put'em up!』
露伴「停止線を『掴んで』『引き上げた』だと!?…まずい、止まりきれん…!」
仗助「壁があったら『ブチ壊し抜ける』ッ!ドラララララララァ!」
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…ガシィ!
仗助「捕まえたぜ!露伴、こいつの情報を!」
露伴「ああ!『ヘブンズ・ドアー』ッ!」ドシュッ
露伴「…このスタンドは自動車や人に取り付いて『交通ルール』を守らせる能力!…やはり『自動操縦』だ!」
仗助「クソッ!どうやって本体を探す…?」
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露伴「僕の能力を忘れたか?ただ読むだけが本じゃあないさ!」
『本体の場所へ時速60kmで車道を通って引き返す』
露伴「ずっと持ってるのも危険そうだしな。くれぐれも見逃すなよ」
仗助「言われるまでもねえ!そっちこそ運転ミスるんじゃねーぞ!?」
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…
仗助「あそこだ!『原田モータース』に入ってった!」
露伴「自動車の整備工場か…。修理の仕事でも欲しかったのか?」
…
露伴「よし、あとはこの店にいる人間全員読むだけか…逃げる奴がいないか用心しとけ」
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作業員「い、いらっしゃいませ〜…」
仗助「おいおい大丈夫か?なんかふらついてるぜ?」
作業員「す、すみません…暑さでやられたのか、変な幻が見えて…。混乱中なんです…」
露伴「…幻?」
作業員「突然腕が本みたいになったり、黒いオバケみたいなのが飛び込んできたり…今はちょっと休憩中です…」
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露伴「(…間違いない、本体はこの女だ!だが、スタンドを初めて見たらしい…)」
作業員「ああすみません!それで、今回はどういったご用件で?」
露伴「…今回は車のことじゃあないんだ。君に話がある…」
作業員「へ?あたし…ですか?」
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美世「あたしは原田美世ですけど…漫画家さんが何の用ですか?」
…
美世「えええええ!?あのオバケの『本体』が『あたし』!?…待って、理解が追い付かない!」
仗助「言った通りだ。あの『スタンド』は暴走運転してる車相手に交通事故を起こしてる。そして本体はあんただ」
美世「…。…『車に誰かを傷付けて欲しくない』って、いつも事故の話の度に思うんです。その為にも『皆にルールを守って欲しい』とは思ってたんですが…」
露伴「…なるほど、それが『ルールを守らせる』能力になった訳か…」
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仗助「ともかく、これで制御できるようになったみたいだし解決だな。承太郎さんに連絡しとかなきゃな…」
…キキィーッ!
露伴「!車道に子供が…!」
仗助「まずい!ここからじゃ間に合わねぇ!」
美世「行って!あたしの『スタンド』ッ!」
仗助「…やった!引き戻した!歩道を飛び出した子供に取り付かせたのか!」
美代「…ちゃんと横断歩道で渡らないと危ないよー!気を付けてねー!」
子供「は、はーい…!」
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美世「よし決めた!このオバケの名前は『ホワイト・ラインズ』!丁度白黒で道路みたいだし!」
露伴「…しかし、自動車整備工場か…。試しに修理でも頼んでみるか…」
仗助「なっ!わざわざ目の前に直せる人間がいるじゃねーかよ!」
露伴「だが断る。仗助なんかに頼むんだったら金払ってプロにまかせた方が何百倍もマシだ」
仗助「てめーそれどういう意味だコラァ!」
終
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『ホワイト・ラインズ』
【破壊力-E スピード-A 射程距離-A 持続力-C 精密動作性-B 成長性-E】
・車や人に取りつき『交通ルールを守らせる』能力を持つスタンド。
・その声は車の運転手には聞こえないという特徴がある。
元ネタはデュラン・デュランの「White Lines」
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久々のSSだったけど読みたい人いるらしくてよかった…
あと載せてる途中で結構書き換えたので時間かかったのは正直すまんかった
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乙でした
仗助と露伴のコンビが気持ち良かった(小並感)
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乙ゥ~
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乙ゥ
面白い能力だった
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乙
四部マスまとめスレってまだありましたっけ?
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>>33
ここやね
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20196/1462283386/l50
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