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【SS】綾「起きるのがつらい・・・」【鬱】
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文字通りうつ病になったあややです
苦手な人は回避オナシャス
ちゃんとハッピーエンドにするつもり
下手ですけどそれでもよければどうぞ
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きらきらときんいろの朝日が差し込む
それを浴びると人は体内時計が整うという
でもわたしは違うみたい
綾「ウゥーン、起きたくない・・・」
私は最近あまり眠れてない。といっても勉強したり本を読んだりしているのではない。寝たくても眠れない。
綾ママ「綾、起きなさい。遅いから陽子ちゃん迎えに来てるわよ」
綾「陽子が!?今起きるから」
わたしは重い体を動かし登校の準備をするのだった
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陽子「おはよう綾。珍しいな、普段は私が綾のこと待たせてるのに」
綾「ちょっと!遅くなるのが当たり前なのはダメよ」
わたしは何を言ってるんだろう。自分は今日遅れて、それで陽子が待っていてくれたのに。自分の言霊が返ってくる。それは重石となり体を鈍くする
陽子「いーじゃん今日は綾の方が遅いんだし。なになに、恋愛小説でも読んでたの?」
陽子は昔から元気で引っ込み思案の私をリードしてくれた。普段はそれがうれしいのに、今は鬱陶しい
綾「陽子には関係ないでしょ。私も高校生なんだし色々考えるの」
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まただ、わたしはまた陽子を傷つけることを言ってしまった。自分でも何がそうさせているのかわからない。得体のしれない物が私を怒らせていた
陽子「...綾、また何か悩んでるのか」
綾「またって何よ!陽子の馬鹿!」
わたしは自分を見失いつつ学校に走り去ろうとした。だが鉛をつけて走ったらどうなるだろうか?わたしはそのまま息を切らし歩くしかなかった
陽子「悪かったよ。ま、私でよければ相談に乗るからさ」
相談といっても何を話せばいいのかわからない。漠然とした不安感、絶望が毎日夜になると襲うのだ
陽子「おっはよー!」
陽子はいつも通りハイテンションでクラスメイトに挨拶する。その声がやけに喧しくきこえた
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忍「陽子ちゃん綾ちゃんおはようございます。今日は少し遅いですがイギリスの石でもみつけたのですか?」
陽子「それはシノだけだろ!?」
ふふふ、どうせ私は石ころ以下の存在よ
忍「綾ちゃんからものすごい負のオーラが漂ってます」
アリス「ヨーコ、また鈍感発揮してアヤを怒らせたの?」
カレン「ヨーコには乙女心がわかんないデース」
陽子「ゲッ、私散々言われてるよー」
綾「よ、陽子は悪くないの。全部私が悪いの...」
アリス「アヤ、今日ほんとに大丈夫?」
綾「だ、大丈夫よ。少し疲れてるだけ」
カレン「ドンマイデース!」
カレンみたいに明るくなれたら、どんなに世の中は輝いて見えるだろうか
忍みたいに焦りを忘れられたら、少し休めるかな
アリスみたいに優しくなれたら、もっと友達が多かったのかな
無い物ねだりが頭の中を支配する。励ましてくれてるはずの友人ですら疲れる。もう話を変えるしかない
綾「わたしは大丈夫よ。ところで宿題はやったの?」
カレン「Oh no!やってないです\(^o^)/」
忍「そんなもの知りませんよ」真っ白
陽子「半分も解けなかったー。綾、お願い!」
綾「自分でやるの。教えてあげるから今からでも...ってアレ?ノートがない!」
忘れ物には気をつけている。しっかり者であることも自負している。それなのにどうして
アリス「アヤも忘れるなんて珍しいね。今日は雪が降るかも、なんてね」
忍「もーアリスったら。まだ秋ですよ」
アリス「いやこれ例えだからね!?」
こんな日常会話。いつもと変わらないはずなのに。重い、休みたい。黒いものは上にあがり、やがて本当に地に降ってきた。固形ではなく液体だったが
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綾(頭が痛い...)
雨の日は誰でも憂鬱になる。その中でも綾は格別だった。じめじめとした心と泣いてる空。黒い水が溜まる。何も考えられない
烏丸先生「・・・さん、小路さん!」
綾「あ、はい!」
烏丸先生「ボーッとしちゃだめよ。先生傷ついちゃう〜」
ドッと笑いが起きる。私も笑ってはみた
人の何気ない言葉、自分の言葉、全てが刺さる
烏丸先生「小路さん、泣いてるの?」
わたしは笑いすぎたということにした
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カレン「アヤ、帰りどこか遊びにいくデース!」
陽子「おー!駅前のケーキ屋さん行きたい!」
忍「陽子ちゃんは食べ物と結婚できますね」
陽子「最近あたりが強いよ忍」
綾「え、今日は雨も降ってるし帰らない?」
アリス「屋内にするよ〜。今日アヤ元気ないからたまには遊ぼう?」
帰りたい...。でもみんなが私なんかのために気を遣ってくれてるんだし...
綾「じゃあ私も今日は遊んじゃうわね」
ズルズルと足をひきずりながら駅方面へ向かった
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あく
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アリス「私抹茶ケーキにするよ!」
忍「私はニューヨークチーズケーキで。イギリスっぽいですし」
アリス「シノ!ニューヨークはアメリカだよ!?」
...決められない
元々こういうのは迷うタイプだったけど、何故かどれも似たものに見えてしまう
陽子「私ショートケーキ!」
綾「じゃ、じゃあチョコレートケーキで」
席に付き、話をする。私はそれの半分も聞けずに、ケーキに口をつけた
陽子「うめー!」
忍「はい、アリスあーん」
アリス「あーん。幸せだよー」
カレン「このモンブランもデリシャスデス」
綾「え、ええ...美味しいわね」
掃除用具のスポンジを食べているようだ。味がしない。食感も気持ち悪い。
それでも、私の為にしてくれたことだし、頑張って食べた。
あれ、私休みに来たんだよね?
カレン「じゃ、さよならデース!」
忍「では、また明日お会いしましょう」
陽子と2人で歩く、少し気分が落ち着いてきたかも
陽子「なあ綾」
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陽子「私、馬鹿だけど必ず力になるから。何かあったらすぐよんでね。またな」
陽子と別れ、1人歩く。ズルズルズルズル、1歩が重い
綾ママ「おかえりなさい。陽子ちゃんたちと遊んでたんでしょ。楽しかった?」
綾「まあね」
普段考えられない様な冷めた返事をして私はベッドに横たわった
このままヤドリギが生えてきて、わたしを吸収してしまえばいいのに
なんとなく目をつぶってみた
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毎日がつらい、苦しい、やめたい、消えたい
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい
綾「嫌っ!」
寝汗をびっしょりかき深夜起きる。こうなればもうその日は眠れない
綾「なんで毎日辛いんだろう...。死にたいよ...」
ポツポツと涙がおちる。霞む目ではっきりと救いの手を見つけてしまった
綾「カッター...」
ーーーーー
黒い水はあふれでて全身を覆う。真紅の水滴がそこに垂れる。一瞬だが黒を忘れられる
綾「私、なんてことをしちゃったの?」
大きな裂け目が出来た左腕からは綾が生きてる証拠が流れ出てきた
綾「もう、みんなに顔向けできない...」
少女は黒い湖に身体を沈め、自分を見失った
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昨日の雨がウソのようにきんいろの光が差し込む
ただ今日の光は少し違った
綾ママ「綾?遅れるわよー」
少女は答えない
綾ママ「入るわね・・・ってきゃあ!」
少女は久しぶりに眠ることが出来た。紅と金が彼女をつつみこむ
陽子は騒然とした。綾邸に救急車がいる。運ばれてるのは他でもない綾
陽子「あやーーー!!!」
意識はあるようだ。だが彼女は応えない。目は虚ろで何も見ていない
綾の母が陽子に自殺未遂をしたことを伝えたのはその数分後だった
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陽子「綾、なんでこんなこと...」
思えば自分の軽率な言動に原因があると思うようになった
...死んで詫びるのは私の方だ
私は学校を休みがちになった
陽子「おばさん、これほんとに見ていいんですか?」
綾ママ「私も悩んだわ、でもこれが綾の答え。間違ってるところもあるから陽子ちゃんが教えてあげて」
きれいに三つ折りにされているそれは紛れもない遺書だった。私に重石が乗る。綾の恨みが込められている気がしてならない。
それでも、わたしは逃げずにみた
なぜなら、私は今日御見舞にいって、一緒に遊びに行くつもりだから。まえみたいに無理させないで、綾が一番行きたい場所に
その前になら辛いことも耐えられるだろう
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遺書
拝啓
突然の旅立ちをお許しください。私はこの世を去ります。
私は常に自分本位でした。友人に頼りっぱなし、することは妬みばかり。そんな私にも優しくしてくれた忍、アリス、カレン、そして陽子、ありがとう。
私は常に素直になれず、不快にさせてしまってたからここでできる限りの感謝の気持ちを伝えたいです。
お母さん、私を産み育ててくれてありがとう。でもわたしは悪い子になってしまいました。いろんな人を傷つけても平気な人に。私は、みんなのために死にます。
みなさん、さようなら。ありがとう
追記
陽子、あなたは本当に好きだった。女性として
敬具 小路綾
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私は綾のいる病院に走った
間違ってるところを教えるため、そして返事に答えるため
陽子「あやーーー!」
焦燥感が走ることの息切れと重なり過呼吸を起こす、こんな思いで走るのは初めてだ。それでも、わたしは走る
病院に近づくにつれてポツポツと雨が降ってきた。私はビショビショになりながら、彼女が感じていたであろう世の冷たさを身をもって知った
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私は出来損ないだ
死ぬことすらまともにできないダメ人間だ
部屋からは出れるけど外には出れない、窓から飛び降りることもできない。
医師からはしばらく休むよう言われた。ベッドで横になり、薬を飲むと少しは楽になったかもしれない
今日はすきだった恋愛小説を読もうとした。
文字が踊る、滑る、外国語の文章を読んでいるみたいに理解に時間がかかった。本を読むのまでできない。私はこのままね。自嘲していると、聞き覚えのある声が聞こえた
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http://www.girlsheaven-job.net/10/slow_hand/movie/
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ナース「小路さん、面会したいという方が」
陽子「綾、久しぶり」
私が一番憧れ、一番傷つけ、そして想いを寄せた人がそこにいた。この人に私は会う資格はない
綾「帰って」
陽子「なら、ここで一言いうから」
陽子「私もあなたが大好きです。付き合ってください」
黒い世界にきんいろの光がさした。私は今までとは違う涙を流してた
綾「どうして?私はこんなに悪い子なのに」
陽子「これを見たからちがうってわかったよ」
陽子「綾、人は誰でも傷つけるし、妬むし頼り合うぞ。その上で、それでもこの人といたいっていうのがいればいいんじゃないかな。綾にはいるみたいだし、私にも、いるんだよね///」
綾「陽子ぉ」
透明な涙が黒い水を薄めていく。心が動き出す
綾「私、でもこんな状態なのよ?学校にこれてもまた体調が崩れるかも」
陽子「綾、お姫様はか弱くていいんだよ。白馬に乗った王子様に迎えにきてもらうんだろ」
綾「あ、あれはなぜか陽子が///」
陽子「へへーん。ロバでもいいけどさ」
陽子「その代わり一つ条件。どんなにやすんでも、止まってもいいから。生きてね」
綾「はい、お願いします」ギュー
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キラキラと朝日が差し込む
退院してから医師は体内時計を戻すために浴びろというがまだだるい
陽子「あやー!遅刻するぞー」
綾「いや、今日体調悪いからやすませて」
陽子「そうか、残念だな。元気な日には放課後デートしような」
綾「陽子のセンスなんてあてにしてないわよw」
綾「あ、陽子なんで上がってきてるのよ!」
陽子「行ってきます」チュ
綾「はわあああ////」
私は今までよりやれることは少なくなりました。それでも、大切な人がそばにいれば、人生はきんいろになれる、そう思います
終わり
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うつ病の描写は難しいですねこれ
あっ、そうだ(唐突)
きんいろモザイクPretty Daysが絶賛公開中です。劇場に是非足を運んでみてはいかがでしょうか?
http://www.kinmosa.com/
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ホッとしたぞ…
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なかなか面白かったで
治るの早すぎる気もするけど
体が鉛のようになる下りとか、病気の描写は実体験かな?
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鬱の表現力がものすごく引き込まれた。
ラストの下りの治りが駆け足だったけど原作もしっかり把握してるっぽいし原作の雰囲気もそっくりでしたね…
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ラストが駆け足になって申し訳ナス!
近々続編書きますのでss総合スレのチェックオナシャス
AILEくんしばらく残して...(届かぬ思い)
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【きんモザSS】陽子「ゼラニウムと共に」【鬱】
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/20196/1479123015/
続編的な何かです
これから書きます
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