若葉「行事にはあまり馴染みがない」
提督「まぁハロウィンが一般に浸透して台頭し始めたのはここ数年の話だからな」
若葉「そうなのか？」
提督「ああ。ハロウィンという祭りの存在はともかく、ここまで認知されてなかったはずだ」
若葉「年の功だな。まるで知恵袋だ」
提督「素直に『物知り』とかに収めてくれない？ 俺まだピチピチだからね？ 充分若いからね？」
若葉「すまない」
提督「ウム。以後、気をつけるように」
若葉「了解した。ところで提督」
提督「なんだ？」
若葉「とりっくおあとりーと、だ」
提督「おう、しからばこれをやろう」ﾄﾞｻｯ
若葉「すごいな！ お菓子が机にいっぱいだ！」ｷﾗｷﾗ
提督「全部いいぞ！」
若葉「本当か！？」ｶﾞﾀｯ
提督「勿論だ、遠慮するな。飴、ガム、チョコ、ゼリー、スナック、パン、何でもあるからな」
若葉「贅沢を独り占めするのは後ろめたいな」
提督「お前は運が良かったってこった」ﾎﾟﾝﾎﾟﾝ
若葉「なるほど……ありがとう、提督」
提督「どういたしまして」
若葉「…………」
提督「ん？ どうした？」
若葉「提督は言わないのか？」
提督「トリックオアトリートって？」
若葉「うむ」
提督「こういうのは俺みたいな立場の人間が言うもんじゃないと思うんたがなぁ……」
若葉「だが、ハロウィンもお祭りのようなものなら提督も楽しむべきだ」
提督（お前の反応見て楽しめたんだが……くっくっ、まぁいいか）
提督「わかったわかった、じゃあ俺もみんなに倣うかな！」
若葉「ドンと来てくれ」
提督「トリック・オア・トリート！」
若葉「ん」
提督「…………？」
若葉「ん」
提督「えっ？」
若葉「？」
提督「い、いや、お菓子くれないと悪戯しちゃうことになるんだけど……」
若葉「うむ」
提督「そんな清々しい顔で頷くんじゃあないよ」
若葉「お菓子は無い。だから悪戯してくれ」
提督「なに言ってんのお前！！？」
若葉「ダメなのか……？」ｼｭﾝ
提督「ぐっ……！！」
若葉「仕方ない。無理を言ったのは私だ、ここは諦め――」
提督（いかん！ このままではせっかく喜んでいた若葉の気持ちに水を差してしまう！）
提督「――！！ 若葉ぁぁぁぁぁ！！」ｶﾞﾊﾞｯ
若葉「な、なんだ！？」
提督「こちょこちょこちょこちょこちょ」
若葉「ひゃぅ！？ て、ていと……んふっ、やめ、脇はダメだっ」
提督「なんだ若葉は脇を擽られるのが弱いのか！」ｺﾁｮｺﾁｮ
若葉「んふふふひっ、ひっ、あっ……ッ…………ふぁ、ぅ……」ﾋﾞｸﾝｯ
提督「ハッ！？ す、すまん若葉！ やり過ぎた、大丈夫か！？」
若葉「は、ふ…………♥」ﾋﾟｸｯ
提督「」
若葉「ぁ……提督……もう、いたずら……してくれないのか……？」ﾎﾟ-
提督 ﾌﾟｯﾂﾝ
提督「んんんんんんんんウオオォォォォォォォォォォッ！！！！」ｽﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ
若葉「！？ どこへ行くんだ提督！！」
提督「トリック！！ オア！！ トリィィィィィィィィィトッッ！！！！」
古鷹「て、提督がご乱心です！！」
伊勢「ハメ外しすぎじゃないの！？」
明石「これは治療名目で改造するチャンスですね！！」
若葉 ﾎﾟｶ-ﾝ
若葉「くっくっ……騒がしいハロウィンになってしまったな」
若葉「……これは美味しそうだ。食べてから私も止めに向かおう」
夕張「ちょっと若葉どこよー！？」
飛鷹「どうせ貴女絡みでしょう！？ 手伝いなさいなー！！」
初霜「若葉ー！！」
若葉「♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ
http://i.imgur.com/GADK2fM.png
つまりこういうことか
草