■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
【SS】姉帯豊音について
-
私が姉帯豊音と出会ったのはいつだっただろうか
遠い昔のような気もするし、つい最近の事だったようにも思える
まず、姉帯豊音がいかなる女かを話しておかねばならないだろう
こういう時真っ先に取り上げられるのは彼女の目を惹くほどの身長だ。なんと驚きの百九十七センチと言うのだから無理もない
彼女自身、身長については同年代の女子どころか男子にも優に一、二頭身は差をつけるほどなので若干気にしてはいるようだ
次にその髪。特別セットがされている訳ではないが、身長に迫る程の長髪で烏の濡れ羽の如く艶やかな黒色が触れたくなるほどの魅力を放っている
これは彼女の数少ないご自慢の項目らしく、本人曰く「頑張って伸ばしたよー」との事だった
他にも夏場ですら肌を露出させない恰好や口調、普段の癖や麻雀をやっていることなど多々あるが、ここで一度に開示してしまうのも纏まりが悪い
ともかく、私は彼女と>>3関係である事は間違いなかった
-
糞遊び
-
肉体
-
無
-
レズ
-
監禁されそう(偏見)
-
ともかく、私は彼女と肉体関係である事は間違いなかった
というのも、元々彼女の地元は私の住む街の付近ではなく、大きく離れた地図にも載っていないような村にあったのだ
そんな彼女はあるきっかけで村から出て、私の地元にある宮守女子高等学校へと転校してきたのである
どうやら麻雀部のスカウトに引っかかったらしいのだが、村では同年の者も少なく閑散とした土地で腐るよりかは新天地で新しい生き方をしたいと願っていた彼女の思いと合致した結果らしい
その彼女と出会ったのは本当に偶然であった
ある日、私がいつものように仕事の打ち合わせを終えて帰宅していた時、バス停にぽつねんと佇んでいたのだ
最初は近づくにつれて大きく見えるその姿に目の錯覚かと疑ったが、間違いなく高身長である事を確信してついまじまじと凝視してしまっていた
見も知らぬ他人にじろじろと見られて感情がマイナスに振らない辺り、彼女のお人好しっぷりと純真無垢であるのがわかるだろう
「失礼」と謝りを入れた私に「いいえー」と想像以上の可愛らしい仕草と声で返して来た時の衝撃ときたら凄まじいものであった
それからは別段そちらを見る事も話しかける事もなかったが、目的のバスが到着した際に彼女が動こうとしないのを不審に思い、ついに振り返った
「乗らないのですか?」
「……乗れないんだー」
そう言われてバスを見送ったのが私たちの関係の始まりだった
どうしてか乗れないと宣った彼女に何故なのかか理由を尋ねるとお金が無いという
この辺の住まいかと言えばそうでもないという
まさか家出かと身を乗り出せば近しいものだという
これは警察機関に頼るかと思案しだした頃に彼女は俯きつつもぽつぽつと自分について私に語りだした
-
一人称が私ってことは結構ないい年かこじらせ系男子ですかね・・・
-
安価じゃなくて普通のSSで読みたいけどな〜俺もな〜
-
まあ肉体関係じゃなくて糞遊び関係ならそんな感想にならなかっただろうし
多少はね?
-
私くらい普通に使うでしょ(適当)
-
>>9
わかる
-
曰く、自身の生まれが閉鎖的な村であること
曰く、知り合った人の協力で地元の村から出奔に近い形で出てきたこと
曰く、転校して来たはいいものの理由が理由なので仕送りがないこと
曰く、それを知人であり彼女を村から出した人物に伝えていないこと
要するに彼女は文無しで借りる軒下も無い状況だという事だった
どうして自分をここまで連れて来た者にその事を隠しているのか聞くと、ただでさえ村を出る時にかなりの負担を強いてもらったからこれ以上頼るのは心苦しい、と泣きそうな表情で語ってくれた
そこまで善人であれば多少の居候くらい面倒を見てくれそうなものだが、と私は内心で彼女の悪手にしかめっ面をしてしまう
それはそうだ。いい歳をした少女が未知の場所で金無しなど食ってくれと言ってるようなものではないか
そこまで考えて私ははっとしてしまった
食ってくれ等と自身の内に眠る欲望を一般的な価値観と同一視してしまったことで、自分が彼女に対して無意識下でも劣情を抱いた事を恥じる
彼女は苦労してここまで出て来た身だ。新天地で希望を胸に秘める彼女にどうしてそんな卑劣な仕打ちができようか
心の内で起きた出来事に深く反省をした私は、「言った方がいい。このままでは飢え死にか何かで無縁仏になってしまう」と助言したのだが、彼女は頑なに首を縦に振ろうとはしなかった
打ち合わせが終わったのが午後の二時
気が付けば辺りは夕焼けに染められ、幾度となく不審な顔を向けて来たバスの運転手に頭を下げていた私はとうとう辛抱堪らなくなって最後のバスに彼女の手を引いて乗った
「駄目だよ〜……お金が……」
「私が出す」
無論、そんなことを出会って間もない男に言われれば反論したくもなる
だが、乗客が居る事を理由に彼女を強制的に黙らせた私は、どうか自身の行動が心からの善意であることを祈りつつ帰宅までの道程を辿ったのだった
-
無事に自宅へと到着した私は彼女に自身の考えを提示する為に家の中に促した
恐る恐る(男に無理やり連れてこられたのだから当然だが)といった様子で私の城である2LDKにあがった彼女は、私が茶を出すまでの間は緊張の面持ちでリビングで正座をしていた
「まず再確認したい。君は自分の恩人をこれ以上頼るつもりはないんだね?」
「うん……」
「そうか……今日はどうするつもりだったんだ?」
「適当に、野宿できそうな場所を探そうかなーって……村に居た頃に慣れててー……」
「……? まぁ、わかった。つまり君は一銭も無ければ帰る場所も無いという訳だ」
つくづく危うい子だな、と私は嘆息する
詳しく聞けば、彼女は自分をスカウトしてここまで連れて来た人物に知り合いがいるからそこを頼る等という下手くそな言い訳をしてきたようだった
どうせなら責任を持ってその人物に世話をしてもらえばいいのにとは思うが、彼女の性格ではそこまで厚かましくなれなかったようだ
いや、わざわざ村から彼女の事を出した人物もそこまで考えていたはずだ
しかし、先程自身も感じた事だが彼女はとても頑固だ。きっと恩人とやらも頑なに世話を拒まれたのだろう。渋々引き下がったに違いない
「じゃあな、私の家を使うといい」
「えっ?」
「幸いにも一人身でな。部屋も二部屋あるが、片方には布団が一つあるだけだ。そこを使っていい」
「ちょ、ちょっとよくわからないかなーって……」
「君はこれからどうやって生きていくつもりだ」
「それは……」
「心配せずとも手を出したりしない。少なくとも食住は保障する。見知らぬ男と一つ屋根の下が嫌と言うなら君を連れだした人を頼るんだ」
「…………」
私の採った行動は最善ではなかったが、考えうる限り最適なものだったと思う
普通は女の子なら男と二人で過ごすなど創造だけで耐えきれなくなり、結果として恩人を頼りに行くだろうと考えたのだ
もし彼女がこれを承諾しても、彼女から恩人とやらの素性を聞き出して連絡を取る事も出来る。本当はそんな状況だったと知れば、自身の下で保護してくれるはずだ
その場合はもしかすると未成年誘拐として疑われるかもしれないが、そこで(あくまでこの時点での印象ではあるが)お人好しのこの子がそれを見逃すとも思えない
本人持ち前の頑固さで否定されてしまえば最低でもお縄になることはないだろうことは明白だった
-
「……………………」
「……………………」
長い長い沈黙が両者の間に帳を下ろす
私にとっては少々残念な事に、彼女は真剣に天秤の傾きを計っているようだった
ここは即決か、あるいはすぐにここを去る決断をして欲しかったのだが、どうやら彼女の頑固具合ときたら本物らしい
ここまでくれば感動すら覚える
「……わかったよー」
そうして彼女が口を開く頃には日はすっかり沈んでしまっていて、そろそろ腹の虫が鳴りだそうかという頃合いだった
「どう、するんだ?」
「お世話になります」
ぺこり、という擬音が相応しい動作で頭を下げた彼女を前にして私の中では複雑な感情が入り混じっていたのは言うまでもない
自分で連れ込んでおいてなんだが、まさか本当に提示した案を呑むとは思っていなかったのだ
しかも冗談で済ませられればいいものの、運悪く私は本当に一部屋余らせている上に一人身であるし、使いどころに困った貯金は口座の中で埃を被っている
「わかった。あっちの布団は片しておく。予備の布団を出すから、これからはそちらを――」
ぐぅ、と言葉を遮って名乗りを上げた食欲に彼女はここへ来て初めて微笑んだ
赤面した私は誤魔化すように隣の部屋から布団を回収して新しい物を投げ込むと、テレビをつけてキッチンへと籠った
「好きに寛いでくれ。私は夕飯を作る」
「何か手伝ったりとか……」
「いい。客人に働かせる家主はいない」
そっかー、とシュンとした小動物じみた様子ですごすごとリビングへ退いていった彼女を尻目に私は手早く夕飯を作り始めたのだった
-
「美味しい! ちょーおいしいよこれー!」
彼女の口に合うかどうかは未知数であったが、どうやらお気に召してくれたらしい
要らないというのに毎度のこと食材を押し付けてくる編集も偶には役に立つな、と勝手に一人で感心していた
むぐむぐとこれまた食べる姿すら可愛らしい彼女を眺めていた私は、ふと彼女の名前をまだ訊いていなかったことに気が付いた
「そういえば君、名前はなんと言うんだ?」
「あ、自己紹介してなかったねー。姉帯豊音、十七歳だよー」
私も自身の名前を告げつつ、彼女の名前を脳内で反芻していた
姉帯豊音。どこかいい響きで、つい口に出してしまいたくなる
「では姉帯、さん」
「年上の人だから、さんはいらないんじゃないかなーって……あ、敬語……」
「いや、いい。話しやすい方で構わない。私はお言葉に甘えて姉帯にしよう」
「はーい」
つくづく無邪気だなと感じる
見た目はともかくクールフェイスに反する可憐さはギャップどうこうよりも、自身の保護欲というものを擽るのだ
もしかすると自分は無意識にそれを感じ取っていて、それで彼女を家に誘い入れたのかもしれないと強引に理由をでっち上げておくことにした
食事を終えて洗い物をする私に、彼女はまたしても手伝えることは無いかと労働を要求してきたが、私はそれを断るとただ無心に食器を洗った
洗い物も終え、風呂まで炊いた所でリビングのソファにどすんと座り込んだ私はいつの間にか意識を飛ばしかけていたのだが、気を遣って声を掛けてくれた彼女のお陰でなんとか睡魔に呑まれずに済んだ
眠気を飛ばすために先に入浴を貰う旨を話し、どっぷりと浴槽に肩まで使った所で大きなため息が漏れる
自身が招いた事態とはいえどうしてこんなことになってしまったのか
所詮、既に三十を迎えた身だ。伴侶も居ないし贅沢を向ける先もない
自身の性格から周り周って作家になったせいで、社会人らしい友人もいなかった
あるのは使いどころに困った金と仕事外の時間だけ
もはや心が枯れていると思われても仕方のないような身なのだから、それこそ自身の採った行動原理がよくわからなかった
確かに困っている人を助けるという意味では正しい行動の内の一つだったかもしれないが、冷静に考えずとも相手が未成年の少女で自身が三十路のしけた男であれば一転して危うい状況であることはわかる
つまらない苦悩と咽あがる湯気に埋没していると、人知れず風呂場の戸がからからと音を立てて開いた
ぎょっとしたが、それが豊音であることに気が付いて安堵し、改めてぎょっとした
-
いいゾ��これ
安価もまたノベルゲーみたいで面白いけど、変な安価がくると大変ですしね……
やるなら、選択肢方式のほうが良いかもしれないですが
作者さんの裁量にお任せします
-
面白い
-
「な、何をしてるんだ?」
「えっと、えっとー……」
まったくとんでもないことに彼女は素肌にバスタオルを巻いただけというあられもない格好で現れた
どうしてそうしたのかはともかく、そうさせてしまう事に問題があると判断した私は彼女を風呂場から出そうと思ったのだが、そうする前にするりと入り込まれてしまった
「なんでこんな事を……」
「わたし、あなたに助けてもらったのに何もお礼できてなくて……だから、ちょー恥ずかしいけど、出来る事を考えてたら……」
「それで、これか」
どうりでやたらと手伝いを要求していくわけだ、とようやく合点がいった
自身の食と住を保障してもらった返礼として、対価として、彼女は労働力を差し出そうとしていたのだ
ところがこれを私が拒否してしまうものだから彼女は焦ってしまったのだろう
食い扶持の稼げない居候というのはそれだけで印象が悪いのに、加えて家事や雑用を手に付けなければただの金食い虫だ
自分がそうなってしまえば今は保障されている食と住に関して私が約束を違えるかもしれないと勘違いしたのだろう
いや、そもそも簡易的に同意を済ませたものの細かい設定は一切していないのだ
時期すら曖昧で今後の展望が霞の彼方ともなれば、どんな人物であろうとも己の立場から逆算してこのような早まった行動を取るのも仕方ないように思えた
「心配しなくていい。年頃の子どもは家の手伝いなんか面倒で遊ぶことの方が楽しい、それが普通なんだ」
彼女の内心を察した私は即座にそう答えたが、言い方が不味かったのか更に彼女の行動に拍車を掛けてしまった
ふるふると横に首を振った彼女は浴場のタオルを手にするとそれに石鹸を塗りたくり始めた
「じゃあ、家のお手伝いをしない代わりに背中を流させて欲しいなー」
こうなっては彼女は頑固だ。原因は自分の言葉選びにあるのだから甘んじて受けるべきだろう
私は局部を手で隠して浴槽を出ると椅子に座り、彼女に背中を向けた
その時の私が隠すまでもなく顔を背けていた彼女の仕草にどうしようもなく湧き上がる感情があったのだが、どうにか腹の辺りで留めておいて沸騰寸前の思考をクールダウンさせる
というよりも、そうして無心で素早く座らなければ彼女の眩いばかりの肢体と均整の取れたスタイルが目に焼き付いてしまって堪らない
「洗うよー」
「頼む」
取り繕ってはいるがこの場を飛び出したくなるほど理性を吹き飛ばしそうになっている私は、背中に伝わる感触に瞬く間に気分を和らげる事になった
他人の手で背中を流されるという行為、想像以上に気持ちが良い
「ごしごし〜♪」
さっ、さっ、と滑らかな石鹸とタオルの感触が肌から染み出た疲れをごっそりと削っていくようだった
こんなに素晴らしいものがあるかと初体験の驚きにすっかり感動してしまっていた私には、自分の背中を年端もいかぬ少女に洗わせている後悔など消え失せていた
-
「流すね〜」
ざぁっ、と肌を包む泡を温水が拭い去っていく
この一連の感覚に対して余りにも隙を晒していた私は終わった頃にようやく我に返って、またしても素早く浴槽へと身を翻した
「あ」
そうして残されるのは豊音だ
彼女は背中を流すという宣言した行動を終えはしたが、その後についてはなんら触れられていなかった
一度脱いでしまっているというのに再び風呂場の外へ追いやるのも二度手間な気がして、何より彼女が不安そうな表情をしているのを見て、私は「入ったらどうだ」と力のない声で促す事しかできなかった
「えっ……と」
彼女は高身長だ。故に浴槽でも場所を取る
一人身で十二分に広い家であるとはいえ浴槽はそうはいかない
一般的な家庭用の風呂場に設置してある浴槽で彼女と二人で入るにはいささか狭すぎたのだ
そこで合理的な判断をとったのが私の運の尽きとも言えるだろう
私は一度浴槽から出た後に彼女を入れ、その後で彼女が背中に来るように入った
そのままでは彼女が窮屈になる。かといって向かい合わせでは両者が窮屈
では、先に長身の彼女を入れてその内側に収まるよう自分が入るしかない
どうしてその考えに至った時点で風呂場から出るなり出させるなりをしなかったのかは甚だ疑問ではあるが、ともかくそうなってしまったのである
別段抵抗も無く浴槽に収まっていた彼女は気持ちよさそうに時折鼻歌を歌っていたが、私はそれどころではなかった
不自然な前かがみを廃した結果、彼女の豊満な双丘が何度となく背中に触れるのだ
それはもういかに三十路で心も枯れ果てたのではないかと思っていても強烈な感触を残留させ、私自身をどうしようもない欲望の渦に叩きこむ
とにかく落ち着こうと心頭滅却を試みたのだが、それも無駄な抵抗であった
(これはもう、状況自体をなんとかしなければな……)
ジリ貧であるのは目に見えている。であればこの場から離れるか離すのが最善の策
「私は先に出る」
まるで逃げるかのようにそう言い残して浴槽を出た私を彼女は何か言いたそうな面持ちで見ていたが、結局は無言で見送ってくれた
この行動を彼女が勘違いして機嫌を損ねたと取らないかだけが心配である
-
入浴を終えた私は明日以降のスケジュールを確認しつつ二つのコップにコーヒーを注いでいた
月に一度の打ち合わせは本日付けで終了し、今月はどこかへ取材へ出る事も無い
原稿の手直しが残っているくらいで、特に用事という用事もなかった
なんとなくブラックのままのコーヒーを片手にその水面を揺らしていると、上がってきた豊音がリビングへ現れる
バスタオルで髪を結わえる彼女に片方のカップを差し出した私は、もし自分に娘がいたらどんな感じなんだろうなという想像を抱く
少なくとも高校生にもなる娘と風呂には入らないか、と一層罪悪感が湧いて来る
「わ〜、ありがと〜」
受け取って早速口に含んだ彼女は思い出したとばかりに小舌を出して「苦いよー」と涙目になる
「すまない、砂糖とミルクがいるのか」
「ブラックはちょー苦いから飲めないんだー」
事前に聞かずに差し出した私も私だが、確認せずに飲んでしまった彼女も彼女だ
しかし、その抜けているところも舌をちょこっと出した仕草も私の心を猛烈に打った
コーヒーを一気に飲み下した私は砂糖とミルクを出してやるとテレビを見るふりをしつつ、この気持ちを誤魔化す為に重要な話題を持ち出した
「ところで、服は大丈夫なのか」
「お洋服はー、学校の制服とトランクに入ってるのだけかなー」
「ふむ……」
彼女の唯一の持ち物であったトラベルケース
その中のものといえば二千何百円の入った財布と学校の制服に代えの私服が二着、下着が数枚とハンカチやらの多数の小物等といかにも数日だけの旅行者のようだった
やはりこの有様で放っておくべきではなかったなと思いつつも、どうしても先程も加えて罪悪感だけは拭えない
「これから過ごす上での決まり事だなんていう面倒なものはない。が、必要なものは揃えなくてはな」
ともかく先立って考えなくてはならないのが彼女の生活期限と、彼女が必要とする日用品の購入だ
人差し指を頬に添えて首を傾げる彼女に家の合鍵を手渡す
「まずは家の鍵だ。これが無くてはお話にならない」
「え、あの、えっと」
「今更受け取れませんは無しだ。行く当てが無いとわかった以上、放っておくつもりはない」
「は、はい」
「学校は宮守だったか。つまり、朝は普通に通学して……部活は、麻雀部は何時に終える?」
「いつもはー、暗くなる前かなー?」
-
「じゃあ夕方には帰ってくるわけだ。朝は起こした方が?」
「起きれるよー」
「よし。……姉帯、君は十七歳だったな。学年は二年か」
「もう三年だよ〜」
「三年……」
三年生となると今の時期からでは少なくとも一年以内に彼女は高校を卒業するということだ。そこが期限だろう
これはあくまで大雑把なものであり、万が一彼女が恩人を頼ることになったり地元へ戻るということになればこの限りではない
「必要なものは何がある? 化粧品だとか、不足してるものがあるだろう」
「大丈夫……かな?」
「本当か? 服も二、三着じゃ足りるまい。ともかく、月のお小遣いは出すから、もしそれで賄い切れない時は遠慮なく言ってくれ」
当面はこれだけで問題はないだろうと判断して早々に会話を切り上げた
箪笥貯金から切り出した万札を五枚分豊音へ差し出した私は、おかわりのコーヒーを注ぎに立つ
と、寝間着の裾が突っかかったように伸びた
振り返れば彼女がまたしても眉尻を下げているではないか
今度は何かと向き直れば、彼女の手にした万札を見て大方を察した
「こんなに受け取れないよ〜……」
「そこはこんなに要らないって言わないと返せる確率が下がる」
言葉の使い方を指摘して再度キッチンへ足を向けた私の後ろを申し訳なさそうにひたひたとつけてくる彼女は、結局項垂れたまま私がコーヒーを注いでリビングへ戻るまでそのままだった
仕方が無いので納得できるように説明を加える
「それは初期資金のようなものだ。今は殆ど何もない状態なんだから何かと入用だろう。ある程度揃ったら小遣いも下げる」
「でもー……」
「デモもテロも無い」
この判断が最終的には決定的な分れ目になったのだろう
半ば強制的にそれらを押し付けた私は就寝時間を理由に彼女を部屋に押し込めて電気を消した
こうして事実は小説より奇なりを地で往く一日を終える――――はずだった
-
普段より早い床入りになかなか寝付けずにいた私は寝苦しさを紛らわすように寝返りを打った
とにかく目を瞑っておけば眠れるだろうくらいには思っていたのだ。直前にカフェインを摂取していたことも忘れて
そうやって一時間は経っただろうか
ようやく彼方に消えていた眠気が頭を出し始めたその時、隣の部屋の扉がすっと開いた
便所か、と特に気に留めてもいなかったのだが、足音はこちらに近づく
そして、自分の傍で気配が止まった
「………………?」
何をしているのかと目を開こうとした次の瞬間、私の布団に何かが潜り込んで来た
慌てて上半身を起こして掛布団を剥ぐと、そこに居たのは豊音ではないか
この家には現在私と彼女しかいないので消去法的に彼女しかありえないのだが、この行動を起こす意味は全く持って理解できなかった
「わ、起きてたんだー」
「な、何をしてるんだ?」
腹部辺りに潜り込んでいた豊音は視線を伏せると、僅かな間だけ思案してぐいとこちらに迫る
「お礼、を……しようかなーって」
「お礼……? ――!!」
しまった、と思った
風呂場の件で彼女が対価無しに庇護を得る事を良しとしない性格であるのを理解したはずなのに、またしても同じ過ちを犯してしまったのだから
夕飯や家事については背中を流すことで手を打ってくれた
しかし、先程の小遣いについては対価となる条件は何ら存在していない
そうなれば彼女は対価を支払う為に行動を起こす事は必然であり、それを予見できなかった自分に情けないと罵倒を浴びせる他ない
「わかった、待て、何をするつもりだったんだ?」
「……さっき、お風呂から出る時に辛そうだったから」
台詞と同時に伸びた手
死角へ消えたそれがどこへ向かったかは神経への刺激がいち早く教えてくれた
「っ! そこは……!」
「あのねー、もしかしたら私のせいであんな風になっちゃったのかなと思ってー。だから私が責任とるよ?」
バレていた
風呂場で私が退散する時。背中に受けた感触で自身のソレを怒張させていた事を
角度的に見えないだろうとタカを括っていたが、どうやら彼女にはばっちりと見られていたようだった
-
「姉帯待て。アレは生理現象でな、男は自分でそれをコントロールできないことがあるんだ」
「へー、そうなんだー」
「そうだ、だから――」
「だったらお助けするよ〜」
もうこうなってしまった時点で私に逃げ場は存在していなかったようだ
反論むなしく下に手をかけた豊音はずり落ちた下着から現れたはちきれんばかりの代物に目を丸くしたが、すぐに両の手でソレを包む
「っ」
「ちょー熱いよー」
柔らかく、かつ大きな手のひらが自身のモノを包んでいる感覚と視覚の刺激に脳の回路が焼き切れそうになる
間を置いて上下に動き出し、一段階レベルの上がった刺激に欲望の柱はより一層硬さを増した
「えいっ、えいっ」
亀頭の間際とカリ首から包皮まで大きく交互に行き来する手のひらは、先から零れだした精子の先駆けを受け止めて徐々にヌルりとした感覚に変わってくる
拙いが丁寧な動作に最初から快楽を感じていた私は、その更なる上昇に辛抱堪らず腰を浮かせてしまう
「気持ちいーい?」
「くっ、ああ……っ」
「よかったー。もっと頑張るよ〜」
今度は手を止め、なんと陰茎を口に含んだではないか
より明確な水気と少々ざらついた舌の感覚にそれだけで絶頂を迎えるほどの衝撃が脳みそに直撃する
含んで全体を丹念に舐め回し、離しては先を舌でちょrちょろと刺激することを繰り返され、とうとう限界を感じた私は彼女が口に含んだのを見計らってその頭を鷲掴みにした
「んん! んー!!」
「っ、すまん……!!」
そのまま自ら腰を前後させて彼女の口内から喉奥にかけて蹂躙し尽した私は、彼女の奥の奥で最高潮に達した快楽を打ち付けた
どくどくと無制限に溢れ出てくるようにも思える精子が彼女の口に溜まっていくのが分かった
-
ち勃ハ
-
「っ!! えほっ、げほっ!」
「悪い、大丈夫か?」
「ちょっと苦しかったけど平気だよー」
呑み切れずに溢れた精液を拭う彼女の扇情的な姿に、ティッシュで口元を丁寧に拭ってやった私は堪らず唇を奪った
まだ自身のモノの味が残っているが、それ以上に彼女の蠱惑的な表情とそれを煽り立てる口元に我慢し切れなかったのだ
「ん、ちゅ……ふ、んんっ、はぁっ……ちゅる、ぢゅうっ♡」
啄み、貪り、掻き回す
ひたすらに彼女を腕に抱き、下唇を食み、舌を絡める
「ちゅ、じゅる……ぷはっ♡」
優に十分程度はそうしていただろうか
互いにふやけてしまった唇とそれより蕩けた脳の感覚に理性など一欠けらも残ってはいなかった
豊音の身体を下にして体勢を入れ替えると、彼女は今更ながらにはにかみながら自身の初体験を告げる
「えへへ……ファーストキス、しちゃった〜」
「姉帯お前……バージンなのか?」
「うん。だから、優しくしてほしいなー」
ここまで来て処女だからと引き下がるつもりはない
むしろ、尚の事彼女を想う感情は昂ぶり、私は彼女の秘部に手をやった
-
「ひゃ、あっ♡」
手を付けずとも既に濡れそぼっていたそこは、軽く表層を撫でてやるだけで豊音の身体を震わせる
焦らすように大事な場所へは直接触れず、周囲だけを嬲っていると彼女が私の手を掴んで自らの谷へ誘導した
「切なくて……我慢、できないよぉ♡」
こうおねだりされては聞かない訳にはいかない
彼女の奥に指を伸ばしつつ、上の寝間着を剥いでもう一つの隠された大事な部分を眼下に晒す
身長に見合った大きさの双丘はなだらかな丘陵からピンク色の蕾を咲かせる頭頂部まで露わになり、私は自身の欲の発端となったそれに飛びついた
「あっ、そんなっ?♡ 胸と一緒にひぃっ♡ ぁぁ、ああああっっ♡♡」
同時に迫りくる快楽に身を捩らせる彼女の身体を抑え、私は艶やかな膨らみの先端を攻めつつも最も快感を得やすい陰核に意識を集中させていた
「ひっ!?♡ だめ、だめだよぉっ♡ きちゃうっ、イっちゃう♡♡」
いやいやと首を振りながらも腰だけは自然と浮き上がり背筋も反りあがってきている彼女にトドメとばかりに挿入させた指で弱点を突く
強い刺激をもたらすGスポットの部分を急に責められた彼女は、陰核と乳房からの快楽に限界が来ていた事もあって呆気なく果てた
「あ、ああああああああああああああああああああああああっ♡♡♡」
完全に弓反りになった背筋と享受した快楽を口から垂れ流した彼女は、余韻に身体を震わせながらもくたりと布団に身を任せた
はー、はー、と乱れた呼吸が耳元をくすぐり、私は快楽を反芻する彼女の鎖骨に少々強めの接吻を施すと改めて彼女の身体を見下ろす
「っ、ふーっ……いいよー?」
彼女もこれから私が先に進まんとしていることが伝わったらしい
一度放出した癖に性懲りもなく先より一回り膨張した息子をあてがい、私はなるべくゆっくりと彼女の中へ自分のモノを挿れた
-
「あ!? っつぅ!!」
こればかりは避けようが無く、初めての痛みに力の限り私の腕を握って、肩を掴んで耐えようとする彼女の身体を密着する形で抱き締めてやった
「爪、立てても大丈夫だぞ。慣れるまで動かないから、な?」
「っ、っ、うんっ……!」
爪は立てられなかったが、代わりに腕に籠る力が増して大の男である私ですら根を上げそうになるほどの抱擁を受けた
ついぞゴムは使わず生のまま入れてしまったので、彼女が破瓜に伴う出血をしていることを直に感じ取ってしまう
男性の身にはわからぬが、やはりとてつもない苦痛であるのだろう
快楽に悦ぶ呼吸ではなく、苦しみに喘ぐ息遣いをしていた豊音だったが、次第にそれも薄れてゆき、少し顔を上げると目尻に涙を溜めながらも彼女は小さく頷いた
ずっ、と引かれた腰に連動して肉棒も引き抜かれていく
「ぅ、あっ」
秘部の入口付近まで戻ったところで、再びゆっくりと腰を落とす
最初よりかは幾分か楽に自身の半身が埋まっていくのが体感できた
「あ、い、ひっ」
それでも奥まで貫くと痛みと快感が同時に襲ってくるような状態のようで、歯を食い縛る彼女の口から一筋の涎が垂れる
身長差で正常位では気軽にキスができないものの、なんとか向こうの身体を軽く起こして引き寄せ、別の感覚で痛みを分散しようと唇に吸い付く
「んっ、んむ、ちゅっ」
自分が感じているのが陰部から来る痛みなのか子宮に渦巻く快楽なのか接吻から成る興奮なのか
全てがごちゃ混ぜになった豊音は考えることを投げた脳みそから次々と送られる感覚をただ受け取ってゆく
「ちゅ、んんっ♡ あーっ♡ あ――っ♡♡」
気が付けば普通の行為を行う際の平均的なストロークをしていた私は、だらしなく嬌声を上げる彼女の口から離れて腰の動きに集中し始めた
パン! パン! と肉どうしが打ち付けられて音を立て、その度にうねりを増す膣内がより深い快楽を求めて陰茎を締めあげる
「あ♡ もっ♡ もっと♡ もっとぉ♡ あ♡ あ♡♡」
-
彼女の求めに応じて打ち付ける速度を速める
自身も彼女の絞り上げるような、それでいて絡みついて離さないような中の具合に夢中で腰を振った
「ひっ♡ あっ♡ またぁ♡ またきちゃうぅぅっ♡♡」
そろそろ限界も近いといった所で彼女の足が私の腰に絡みついてきた
これでは射精前に膣内から出しようがないが、もはやそんなことは私の頭の中には無い
彼女の声、彼女の膣、彼女の性を求めて一心不乱に貪り尽す
「い、くぞ……っ」
「きてっ♡ きてぇっ♡♡」
「っ!!」
「ぅあああぁっ♡ ぁぁ、あ――――――――――っ♡♡♡」
パンッ! と奥の奥、最奥までに到達した肉棒から爆発せんばかりに溜まった快楽が放出され、なみなみと彼女の膣内を真っ白に染め上げていく
同時に達した豊音がびくんと跳ねて快楽の奔流を一身に受けた
がくがくと小刻みに痙攣する身体はやがて力が抜けきったのか、腕も足もだらんと垂れ下がる
豊音の横へ転がった私は彼女との行為を最高のものであったと感じつつも、自身が犯してしまった最大級の過ちに、凄まじい罪悪感に襲われつつあった
-
「はっ、はっ……ちょー気持ち良かったよー……♡」
そう言って横にいる私に寄り添って来た彼女はあどけなく微笑む一人の少女のそれに他ならず、それを見た私は一寸前まで感じていた罪悪感を飲み下して彼女に言葉を投げた
「なぁ、姉帯。君なぁ」
「なぁにー?」
「どうして私に初めてを? 対価にしては度が過ぎてると思わなかったのか?」
「…………」
「責めてる訳じゃない。ただ……」
「……私の中でもねー、もしかしたらやりすぎかなーとか、だめじゃないかなーって考えはあったんだー」
「…………」
「だから、上手に言えないけど、でも、でもね〜――好きじゃない人にはこんなことしない、よ?」
「はは……」
どうにか自身の内側にある感情を言葉に直そうとした彼女は、形にしきった想いのみを口にした
どちらにせよ、と言うべきか
彼女の答えがいかなものであれ、その笑顔に魅せられてしまった私は彼女に対して責任を取るつもりでいたし、こんな始まりになってしまったが自身の求める結末に至れるよう突っ走ろうと思ったのだ
「これが対価というんなら、うん、今はそれでいいだろう」
「? どういう意味〜?」
「さぁて。私にもわからん」
はぐらかすように笑って彼女を撫でた私は、目を細める彼女の姿に想いと決意を深めるたのだった
-
「なに書いてるのー?」
「日記……いや、回顧録かな」
「回顧録?」
「まぁ自分のこれまでの記録みたいなものだよ」
「へ〜! 見せて見せてー」
「おっと駄目だ。これには子供時代の恥ずかしい失敗や大学生時代の不毛な思想が詰まっているからな」
「ええ〜、ちょー気になるよー」
「駄目なもんは駄目」
「仕方ないねー。あ、はい、コーヒー」
「お、ありがとう。…………これは」
「うへ、ちょー苦いよ〜……」
「自分のと間違えたな……まったく、豊音がおっちょこちょいだと生まれてくる子どももそうかもしれんな」
「アナタみたいに偏屈かもよー?」
「言ったなこの」
「きゃー♪」
「はぁ……ほら、何もないなら大人しく座っておきなさい。夕飯作るから」
「はぁーい」
〈了〉
-
終わり!! 閉廷!! みんな解散!!
-
ようやった!それでこそ男や!
-
なんて神々しいんだ……
-
乙ゥ〜
-
あ、そうだ(唐突)
最初の方で安価じゃなく普通のSSで読みたいって言ってた人がいました。ほならね?
と、いうのは冗談で、姉帯さんで一つ書きたかったけどどれもピンと来んで安価に頼ったんや……情けない>>1を許して欲しい
あと、最初の安価で選択方式なり自由方式なりで安価指定くるかもしれないと思ってた人も申し訳ないゾ
-
はぇ^〜すっごい…
-
運が悪ければ今頃糞遊びをしていたかもしれないという事実
-
とりあえずアドレスを貼るのみで、当スレからは立ち去りますが、
もし興味ある方は読まれて下さい。
いずれ誰もが直面する「死の絶望」の唯一の緩和・解決方法として。
(万人にとってプラスになる知識)
《神・転生の存在の科学的証明》
http://message21.web.fc2.com/index.htm
-
発掘作業上げ
-
誕生日おめでとうございます
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■