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[ガルパンSS]しほ「みほをうちのチームに入れろと…?」
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スポンサー「はい、是非みほさんを我がチームに迎え入れ、伝説の姉妹タッグを復活させたい…!」
プロリーグ発足からすでに数年経った。
高校生のドラマチックな活躍や世界大会等を経て熱狂的な戦車道ブームが起きる中でのリーグ発足であったため、
当初は予想以上の人気を博した。
しほ「陰りの見えてきた人気のテコ入れのためにみほを利用したい、ということですね。」
しかし、ブームは過ぎ去るもの。当初と比べ徐々に人気に陰りが見えてきている。
それは西住流が主導となって立ち上げた九州のチームとて例外ではない。
スポンサー「そういった側面も否定しませんが、みほさんは選手としてもとても優秀です。必ず優秀な戦力になるでしょう。」
みほは大洗女子学園を卒業後は大学に進学し、そこで戦車道を続けた。
今年で卒業であるが、すでに様々なチームが接触を図っているとの噂だ。
スポンサー「高校時代の例の試合でまほさんとのコンビネーションの素晴らしさも実証済み。デメリットは何も無いと思います。」
彼の言うとおり、チームとしては何も悪いことは無い。恐らくみほが入れば日本一のチームになることができるだろう。
スポンサー「是非、家元のお力添えを頂きたい。」
しかし…
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しほ「…それはお断りさせて頂きます。」
スポンサー「何故ですか!? まさか、西住から逃げた彼女をまだ許してないとでも言うのですか!?」
しほ「そうではありません。」
少しお茶を啜ってから、私は理由を述べた。
しほ「戦車道はただのスポーツではありません。戦車道は、人生そのものです。」
西住流家元がこんなこと言ってはいけないだろうけど…
しほ「彼女は西住流とは全く違う戦い方をします。それは即ち、西住流とは全く違う生き方をするということ。」
そして、親としてこんな悔しいことは無いけど…
しほ「かつて私は彼女を西住の名の下に縛り付けようとし、彼女の可能性を潰しかけた。」
私はまた…
しほ「私から離れた結果、彼女は才能を開花させた。」
あの時と同じように…
しほ「つまり、私の下に彼女を置くべきではない。」
あの子の歩みを止めさせるようなことをしたくない。
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スポンサーの戦車道担当が帰った後、部屋にまほが入ってきた。
まほ「いいのですか? スポンサーの方は大層不満そうに帰っていきましたが。」
しほ「聞いてたのね、まほ。」
まほ「申し訳ありません。ただ…私はみほを招き入れることに反対ではありません。」
しほ「…理由を教えて頂戴。」
予想だにしなかったまほの言葉に、私は冷静を装いながら、理由を問うた。
まほ「みほはいつだって、私達の予想を超えていきますから。」
まほは少し笑みを浮かべながら、そう言った。
そうか、今のあの子が、西住流の下で成長できないなど、私に断言する資格があるのだろうか。
しほ「…また私はあの子を縛ろうとしてしまったわね。」
今の私がすべきことは、みほの意思を尊重することだけ。
私から口出すことは何も無い。可能性は、無限に有るのだから。
おわり
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おかぁはん・・・
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ちょっと悲しい
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短くて読みやすかったです(小並感)
やっぱり短編を…最高やな!
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切ないなぁ...
しほさんにはいつかちゃんと和解して欲しいですね
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すばらし菓子…(恍惚)
西住流とか関係なく娘の成長に期待するしほさんは母親の鑑
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