■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
【SS】不知火の知らぬい世界
-
〜提督執務室〜
羽黒「〜♪」←お茶沸かしてる
ヒタ…ヒタ…
提督「ステンバーイ……ステンバーイ……」ソロー
提督「……GO!!!」サワッ
羽黒「きゃあっ!?」ビクッ
提督「ああ〜羽黒のお尻は柔らかいなあ」サワサワ
羽黒「しっ、司令官さん!?何するんですかあ!」
提督「そこに羽黒の尻があるから」モミモミ
羽黒「やめてくださいいいい!だっ、誰かああ!」チラッ
提督「フハハ!誰も来ないぞおおお!」チラッ
……シーン
-
提督「……あれ?ほんとに来ない……?」
羽黒「……だ、誰か助けてえええ!」チラチラッ
提督「……ど、どうだああ!ほらほらほらほら」
ガチャ
不知火「……」
提督「げぇっ!?不知火だー!」
羽黒「し、不知火ちゃん!助けてー!」
不知火「えー……球審の不知火です」ブツブツ
提督「……ん?」
不知火「ただいまの行為を……艦娘へのセクハラ行為と見なして……司令を退場処分に……」グスッ
羽黒「不知火……ちゃん?」
提督「え、どうしたんだお前……」
不知火「……アアァイ!(涙)」ダッ
提督「え、ちょっ、どこ行くんだ!不知火ーー!?」
羽黒「不知火ちゃーん!?」
……
…
-
〜数日後・再び提督執務室〜
す
提督「陽炎……突然呼び出してすまない。ちょっと折り入って相談が」
陽炎「あら奇遇ね。私からも司令に話があったのよ」
提督「そうか……実はな、」
陽炎・提督「「不知火の様子がおかしい」」
陽炎「……でしょ?」
提督「やっぱそれだよな……」
陽炎「ずっとあんな調子よ。おかげで今月の18駆のスコアもボロボロ」
提督「お前らがベストスリーに入ってないのは確かに珍しいな……」
陽炎「……司令のせいじゃないの?」ジトッ
-
提督「と言いますと」
陽炎「とぼけないで。あんな小学生みたいな気の惹き方して、恥ずかしくないの?というか羽黒さんに訴えられるんじゃないの?」
提督「羽黒は雇った。間宮羊羹一本で」
陽炎「うわぁ……わりと本気で引いたんですけど」
提督「仕方ないだろう!不知火は球審やってる時が一番可愛いんだよ!」
陽炎「……ちょっとだけわかるのがまたムカつく」
提督「だろ!?あの退場を宣告した後にほんの少し見せるドヤ顔がもうね」
陽炎「あの子ほんとに球審大好きだからね」
提督「だから俺がセクハラ事件を起こして張り切りこそすれ、落ち込むのはおかしい」
陽炎「うーん、アテが外れたか……」
提督「むしろ陽炎は何か見てないか?思い当たる節とか」
陽炎「テンションが低い以外はいつも通り……球審コール集も毎日欠かさず観てるし……あ、でも」
提督「ん?何か思い出したか?」
-
陽炎「そう言えば同じシーンを巻き戻したり再生したりして、何度も観てるような」
提督「ほうほう、なるほど」
陽炎「で、ちょっと真似して、でもすぐやめたり……あっ、分かったかも」
提督「何だ!?」
陽炎「スランプなのよ!自分の思い描くジャッジが出来なくて、きっと苦しんでるんだわ!」
提督「スランプ……だと?それならちょうどいい。今度の鎮守府祭に--」
コンコン
「失礼します。戦艦・陸奥よ」
-
提督「お、おう。入れ」
ガチャ
陸奥「水上打撃艦隊、カレー洋より帰還したわ。提督、戦果の確認を……」
提督「あー、後で判押しとくから報告書はそこ置いといて」
陸奥「あらあら、提督がすぐ決裁しないなんて珍し……あら、どうしたの陽炎ちゃん」
陽炎「お、お疲れ様ですっ!」ビシッ
陸奥「もう、そんなに緊張しなくていいのに」ケラケラ
陽炎「いえ、戦艦の先輩にそんな……」
提督「悪いな陸奥、今ちょっと立て込んでてな。中破以上の被害艦への高速修復材ならすぐに使用許可を--」
陸奥「……もしかして、不知火ちゃんのこと?」
-
提督「なっ……」
陽炎「……その通りです」
陸奥「昨日私のところに相談しに来たのよ」
提督「……陸奥に相談ってことは」
陽炎「……もしかして」
陸奥「あら、私としたことが口が滑っちゃったわ。これ以上はなーいしょ--」
提督「恋愛沙汰かあああ!!」ガタッ
陽炎「不知火に好きな人って、まさか!?」ガタッ
陸奥「うふふ。さーてどうかしらね?じゃあ提督、私はドックに--」
提督「陽炎!出口を塞げ!」
-
陽炎「ラジャー!」ガバッ
陸奥「……ちょっと、どういうつもり?いくら提督でも個人的な秘密は」
提督「残念だったな陸奥!ここに居るのは艦隊総司令官と18駆司令艦・陽炎だ。ちょうど不知火の不調のせいで艦隊活動に支障が出ているという話をしていた。……我々には不知火の悩みの原因を知る権利がある。一度口を滑らせたのが運の尽き、おとなしく喋れ」
陸奥「えー……絶対内緒よ?」
提督「ああ。俺と陽炎以外には絶対に知られないようにするとも」
陸奥「そういうことならまあ。仕方ないわね……察しの通り、恋愛相談だったわ」
-
陽炎「ええええ!!!」
提督「ふぉおおおおお!!やったぜえええ!」ガッツポ
陸奥「ちょっと提督、何でそんなに喜んで」
提督「何で喜んでるかって?バッカ野郎この鎮守府に男はただ一人!この俺だけだ!……あーそっかそっか二人は既に両想いだったのか……今すぐ式の準備を」ブツブツ
陸奥「ちょっと、ねぇ、聞いてる?……もう、誰が提督が好きな人だなんて言ったの?」
提督「……え?」
陽炎「違うの?」
陸奥「ほら、もう一人いるじゃない不知火ちゃんの身近な……いや、ある意味遠いけど、そういう男の人が」
提督「いや、誰だよ」
陽炎「元帥?」
陸奥「元帥はおじいちゃんじゃない……ほら、あの」
提督「だから誰なんだよ」
陸奥「えーっと……『ああぁぃっ!』って」
提督「……え?」
陽炎「……もしかして」
陸奥「そう。不知火ちゃんの想い人は……あの有名な白井球審よ」
-
ええ…(ドン引き)
-
えぇ…
-
ファッ!?
-
どういうことなの…
-
えぇ…
-
草生える
-
〜二十分後〜
提督「うぇ……えぐっ……ひぐっ……」シクシク
陽炎「もう、いつまで泣いてるの情けないわね……ほら、鼻かみなさいって」
提督「……うぅ」チーン
陽炎「今思えば納得だけど……不知火の好きな人が白井球審だったなんて」
提督「告る前にフラれた……こんな思いをするくらいなら花や草に生まれたかった」
陽炎「何バカな言ってるのよ……ほら、しゃんと立って」
提督「よりにもよってあの世界の白井が恋敵だなんて……」
陽炎「イケメンだからねー白井さん。世界球審ランキング不動の1位だし……そういえば、白井球審って」
提督「……そうだよ!俺が不知火に喜んでほしくて今度の鎮守祭に大枚はたいてゲストに呼んだのが白井球審だよ」
陽炎「まさかそれが不知火の不調の原因だったなんて」
-
提督「嫌だ!俺は認めんぞ!」
陽炎「憧れの白井球審に会えるとなって急に不安になったとか……あの子も可愛いとこあるのね」
提督「じゃあ白井球審を呼ぶのを中止に--」
陽炎「それじゃ根本的な解決にならないわよ」
提督「じゃあどうしろと」
陽炎「決まってるじゃない!手伝うのよ」
提督「手伝うの?」
陽炎「そうよ!不知火が何で落ち込んでるのか原因を直接聞き出して、その解決を手伝うの」
提督「ええー」
陽炎「あの子があんな状態じゃみんなが困るんだから司令も協力してよね」
提督「俺はいいわ……18駆で解決してくれ」
陽炎「そういえば、最近洗濯物から不知火のスパッツがよく無くなってるんだけど」
提督「……へ、へぇー」
陽炎「司令の一番下の引き出しって--」
提督「任せとけ!艦娘が困ってるならキューピッドにでも何でもなるのが提督ってもんだよな!おう!俺が一肌脱いでやんよ!!」
陽炎「それでこそ司令!……もしうまくいけば、黙ってあげるどころかスパッツもう1枚くらいくすねてあげてもいいわよ」
提督「さすが陽炎ァ!」
-
恋愛相談役と化した陸奥ほんとすき
-
〜駆逐艦寮・第18駆逐隊居室〜
ガチャ
陽炎「しーらーぬーいー、いるー?」
「ベッドに居ますよ」
ガバッ
陽炎「あー、こんな所に!あんたねぇ、折角の自由時間に布団かぶって何やってんのよらしくないわね」
不知火「陽炎には関係ないでしょう」
陽炎「関係無いですって?大アリよ」
提督「そうだぞ、不知火」ズイッ
不知火「あっ、スパッツ泥棒」
提督「普通にバレてるじゃねえかあああ!!」
不知火「もとい司令、いったいどうなさったのですか?ここは男子禁制の駆逐隊寮ですよ?どういう理由で誰の許可を取って入ってきてるんですかキモい死ね」
提督「」
陽炎「しらぬーい?至極もっともだけど今の司令にそれ以上言うと最悪自殺するわよ」
-
不知火「……大変失礼いたしました。それではスパッツ司令、今回はどのようなご用向きなのでしょうか」
提督「ニミッツ司令みたいに呼ぶのやめろ!まあいいや。お前が元気無いから任務に支障をきたしてるし、俺も羽黒のセクハラしがいがない。何があったか直接聞こうと思ってな」
不知火「……ちょっと体調が良くないだけです」
提督「それは女の子のhグハァッ!」ボコー
陽炎「今のはサイテーよ司令。……まあある程度の理由はもう知っちゃったんだけどね。不知火の口から確認しようと思って」
提督「……不知火、お前もしかして、白井球審のことが好きなのか?」
-
陽炎「直球!」
不知火「……ぁ」カァァ
陽炎「そしてわかりやすっ!」
提督「そうなのか……」
不知火「……ひどいです陸奥さん、あれだけ内緒と言ったのに」
提督「まあそこに関しては俺が提督権限で無理矢理聞き出したから許してやってくれ。で、そうなんだな?」
不知火「はい。不知火は、その……白井さんのことをお慕いしております」
提督「マジか……」
陽炎「そっかー、不知火にも好きな人が出来たんだー」ニヤニヤ
不知火「好き、とかっ……そんな浮わついたものではなく--」
陽炎「はいはい今さらごまかそうとしないの。で、何?今度の鎮守府祭のゲストに白井球審が来るのが元気が無い理由?」
不知火「白井さんとお会いできるのはとても嬉しいんですが…」
提督「何だ?」
-
不知火「不知火は艦娘です。やってきたことはといえば訓練と戦闘ばかり……白井さんに女性として見てもらえるかどうか不安で……それに球審にしたって、不知火の球審はモノマネに過ぎません。それをあの白井さんの前で--」
陽炎「要するに、自信が無いのね」
不知火「……恥ずかしながら」
陽炎「私がなんとかしてあげるわ!」
不知火「陽炎になんとかできるんですか?」
陽炎「私は陽炎型の一番艦よ。妹の悩みは絶対解決させるわ。どんなことでもね。……それに司令も」
提督「仕方ねえなあ……まあ俺たちに任せておけ」
不知火「陽炎……司令……恩に着ます」
陽炎「そうと決まったら司令!作戦会議するわよ!」ギュッ
提督「おう…っと待て待て!そんな手を引っ張るなって!」
-
本人の前で物真似なんて不知火じゃなくても誰でもキツイと思うんですけど(名推理)
-
〜数日後・鎮守府運動グラウンド〜
提督「おはよう諸君。この早朝からよく来てくれた」
不知火「おはようございます」
陽炎「ファァ……一体何なのよ、『俺に考えがある』って言ってたけど」
提督「ああ。あれから俺なりに考えた。最初は女子力に自信のある艦娘にオシャレでも教えさせるか、とも思ったが、うわべだけ取り繕っても不知火の魅力は白井氏には伝わらないと思い直した」
陽炎「じゃあどうするのよ」
提督「審判だ!これより球審の練習を行う!」
不知火「審判……」
陽炎「……ですって?」
提督「ああ。不知火本人も言った通り、現状の不知火の球審は可愛いが所詮モノマネに過ぎない。だから特訓して、白井氏の眼鏡にかなう本物の技術を身に付ける。そうすれば自信もつくし、下手にうわべを飾るよりお近づきになるチャンスも増えるはずだ」
陽炎「なるほど!」
不知火「それはいいですね……しかしどなたが教えるんですか?司令は教えられるんですか?」
提督「俺も素人だ!だから今回は特別出張講師をお呼びした--先生!どうぞ!」
-
敷田「ストラァイ!」シャキーン
不知火「あれは!」
陽炎「『卍ポーズ』でお馴染みの、世界球審ランキング第二位、敷田球審!」
http://i.imgur.com/dIFDxMp.gif
提督「今日はすごい大切な不知火の特訓なんで…奮発して敷田さんに来てもらったんで、是非、いい指導期待してます!」
敷田「はい」
陽炎「すごいじゃない司令!パンツをもう一枚増やしてもいいわよ!」
提督「フハハそうだろう……ん、パンツ?」
陽炎「あ、間違えたスパッツ--」
提督「今パンツって言ったなあ!?パンツって言ったよな!取り消そうたってもう遅いおうパンツ持ってこいよ俺絶対忘れないからなあ!」
不知火「……何の話ですか、司令」ギロッ
提督「……ゴホン。それでは敷田さん、よろしくお願いします」
敷田「それでは、まず実際に判定・コールをやってもらいましょうか」
-
〜〜
嵐「準備いいかー!」←ピッチャー役
不知火「……プレイ!」
嵐「じゃあ行くぜ……おりゃあ!」シュバッ
シュルルルル
萩風「……っ!」パァン ←キャッチャー役
不知火「アァァイ!」ビシッ
提督「……どうですか、敷田さん」
敷田「なるほど……だいたい分かりました。まあ当たり前と言えば当たり前ですが……これでは球審とは言えませんね」
不知火「そう、ですか……」シュン
陽炎「そうヘコむことはないわよ」
提督「それを直すために先生を呼んだんだからな」
敷田「では私が手本を見せます」
-
敷田「まず、不知火さんは腰が高いです。基本的なスタンスは足を肩幅より大きく広げて、手は膝を支えるように添える。そのまま自分の頭がちょうどキャッチャーの頭の上に来るように腰を落とす……これが球審の基本的な構え『スロットスタンス』です。私はこの構えを使ってます」
http://imgur.com/YFBx4kG.jpg
不知火「……こうですか?」
提督「何だこれ……足がプルプルして……うわぁ」ステン
陽炎「何やってんの……」
敷田「おお、すぐ出来るあたり足腰が強いですね。さすが艦娘。他にも、足を縦に開いて両手を前の膝に乗せる『シザーススタンス』もあります。白井球審はこの構えですね」
http://imgur.com/U1j73Ja.jpg
不知火「不知火はそっちがやりたいです」
敷田「他にもボックススタンスやニースタンスがありますが……まずは基本のスロットスタンスから。構えが出来たところで、次は立つ位置です」
提督「立つ位置?キャッチャーの後ろで見とけばいいんじゃないんですか?」
敷田「後ろといっても、真後ろではダメです。ボールの立体的な動きが見えなくなります。基本は自分の体の中心線を、打者側の縁に合わせるようにずらして、視点に角度をつけます」
不知火「……確かに、こっちの方がホームベースが見やすそうですね」
敷田「そして球を見るときは絶対に上半身から上、特に頭を動かさないことですね」
-
敷田「判定したらコールです。ストライク、ボール、アウト。コールと一緒にかなり大きな動作をつけますが、その理由はわかりますか?」
不知火「それは知ってます。外野手のような声が届かないプレーヤーにもわかるように大きなモーションをつけてるんですよね」
敷田「その通り。そしてプロの場合はさらに、観客に一目で判定を伝えるという役割もあります。そしてある程度経験を積んだ審判は、マニュアルとは違ったオリジナルのモーションでコールします。特に見逃し三振のコールは球審の華と言ってもいいでしょう」
陽炎「敷田さんのはこれですよね!」シャキーン
敷田「そうですね」シャキーン
提督「俺も好きです…これ」シャキーン
不知火「オリジナルのコールはベテランじゃないとやっちゃいけないんですか?」
敷田「うーん……特に決まりがあるわけではないですけど、やっぱり一軍に定着してからやる人が多いですね。認められてからじゃないと恥ずかしいですし」
陽炎「一軍?審判に一軍とか二軍があるんですか?」
敷田「ありますよ。ミスジャッジが続いたりすると二軍に落とされますし、最悪クビになります。プロ野球選手と同じですね。ただ審判の世界は経験が重要なので、実力があっても若手はすぐには一軍ではジャッジ出来ません。デビューに10年かかるなんてのもザラです」
提督「10年…」
敷田「そんな中19歳でプロ審判員に採用され、22歳で一軍デビューを果たした白井球審は例外的な超エリート審判と言っていいでしょう」
不知火「やっぱり白井さんはすごい」ガッツポ
-
敷田「判定に関しては経験を積まないといけませんが、スタンスが出来るだけでかなり球審らしくなります。……ではまず私が、実際に投げてもらって判定してみましょう」
陽炎「あーらしー!」
嵐「オッケー!嵐投手大きく振りかぶってぇ……トルネード!」ピラッ
敷田「ファッ!?」
嵐「そらよっ!」シュバッ
ヒューン
萩風「ワンバンっ!」バッ
敷田「ウーン…」
萩風「いたた……もう嵐!ノーサインでフォーク投げるのやめなさいよ!」
嵐「わりぃわりぃ」ヘラヘラ
萩風「あの……コールは?」
敷田「」
提督「……嵐、萩風」
萩風「どうしました?」
提督「その、前もって言わなかった俺も悪いが……」
陽炎「ジャージに着替えてきなさい。敷田さん、目を白黒させてるわよ」
萩風「ジャージ……きゃあっ!?」カァァ
嵐「あれま、忘れてた」
不知火「不知火たちはスパッツですから恥ずかしくないです」
-
一昨年は日本シリーズで球審やってたし実際評価高いんだろうね
-
>>30
去年に関して言えば声以外はほぼ完璧だったと思う
-
〜一時間後〜
敷田「……基本動作はかなりしっかりしてきましたね」
提督「そろそろ艦隊勤務の方が始業だな」
敷田「では今日は最後に私から球審の心得をひとつ」
不知火「是非ご教授ください」
敷田「審判は選手の為にある、ということを忘れないことですね」
提督「……と言うと?」
敷田「グラウンドの主役は選手たちです。審判は選手が心爽やかに、全力でプレーするための裏方に徹しなければなりません。審判は強力な権限がありますが、だからこそ謙虚に、技を磨かなければなりません。間違っても、『審判がゲームを作る』ということになってはいけません」
不知火「胸に刻んでおきます」
敷田「それではこれにて失礼します。吉報待ってますよ」
提督「教官に敬礼!」ビシッ
「「ありがとうございました!!」」
〜〜
提督「いや〜球審って面白いな」
陽炎「あのポーズクセになっちゃった。不知火ももういっそ敷田さん式にすればいいのに」
不知火「敷田さんはいい人だと思いますが……ここだけの話、不知火は敷田さんのジャッジは好きではないんです」
提督「えっ、何で?」
不知火「なんかわざとらしくないですか?」
陽炎「えぇ…」
-
その日から、不知火と提督は朝夕、任務の合間を縫って球審の猛特訓を始めた。
パァン
不知火「アァァイ!」
提督「不知火、今のはボールだ!ゾーンが外に広がってるぞ!」
不知火「アァァイ!」
提督「マニュアルと違う!こうだ!アァァイ!」
不知火「アァァイ!」
陽炎「アァァイ!」
提督「……何で陽炎もやってるんだ」
陽炎「あら、提督と不知火を二人っきりなんて危なくて仕方ないじゃない?」
提督「不知火の為にやってるんだ、今回に限って変なことをするわけないだろう」
陽炎「……司令ってほんと不知火が好きなのね」
提督「まあな。で、どうする?やるからには本気でやってもらうがいいのか?」
陽炎「……望むところよ!」
提督「その意気や良し!行くぞ!アァァイ!」
陽炎「アァァイ!」
不知火「アァァイ!!」
嵐(肩が壊れちゃう…)シロメ
-
そして時が流れ鎮守府祭当日…
〜鎮守府講堂〜
青葉『大変お待たせいたしました!本日のメインイベントのトークショウです!『抱かれたい審判員ランキング』『ジャッジマン・アワード』など様々な賞で1位を獲り続ける日本を代表するスーパー球審!白井球審がいらっしゃいました!どうぞ!』
白井「……アァァイ!!」
http://imgur.com/odx0dql.gif
\ワァァァアアア/
提督「うおおおお!本物だああ!」パチパチ
陽炎「すごーい!ほんとに来た!不知火!不知火見てる?」
不知火「……」ハナヂタラー
陽炎「しら……ぬい?」
提督「脳がショートしてるな」
-
敷田は2ストライクになると露骨にストライクゾーン広げるしそもそも可変ゾーンだし
-
〜〜
青葉『白井さん!素晴らしいお話ありがとうございました!皆さん盛大な拍手をお願いします』
\ワァァァアアア パチパチ/
提督「講演終わったぞ!不知火、行け!」
不知火「し、しら、不知火にはやっぱり無理--」グルグル
陽炎「なーに言ってんの!ほら!行きなさい!」ドン
提督「特訓の成果を信じろ!」
不知火「わああ」ヨロヨロ
青葉『……おっ!ここで我が鎮守府を代表する球審!駆逐艦不知火さんが出てきました!』
\ワァァァ シラヌーイ! ガンバレー/
不知火「あぅ、あわわわ」パクパク
白井「……アァァイ?」
不知火「……」ゴクリ
不知火「……アァァイイ!!」シャキーン
-
わざとらしさで言えば白井も大概だと思うんですがそれは…
-
シーン
提督「ど、どうだ…?」
陽炎「不知火……!」
白井「……アァァイ!?(賞賛)」
不知火「……アァァイ!(歓喜)」
陽炎「やった!」
提督「認められたぞ!」
白井「アァァイ!アァァアァイ?アァァイ!!」
不知火「アァァイ!アァァイ!アァァイ!!」
白井「……アァァァァイィ(満悦)」
不知火「アァァ…(法悦)」
白井「アァァイ!アァァイ!!アァァイ?(提案)」
不知火「アァァイ!アァァイ!(食い気味)」
白井「……アァァイ!(優しい目)」
不知火「……アァイ!(得意気)」
陽炎「すごい……!あの白井球審相手に全く音圧で引けを取ってない!」
提督「不知火のやつ……いつの間に遠くに行っちまって……」ウルウル
-
こうして、不知火はめでたく白井球審に弟子として認められたのだった。
〜1か月後・提督執務室〜
提督「おりゃおりゃおりゃおりゃ〜」サワサワ
羽黒「きゃああ!誰かああ!」
バタン
不知火「アァァイ!!」シャキーン
http://imgur.com/SygyeqB.png
http://imgur.com/OPaczg9.png
提督「げぇ!不知火!?」
不知火「えー、球審の不知火です(半ギレ)。ただいまの司令の行為を、艦娘へのセクハラ行為と見なし、司令を退場処分とします!」
羽黒「きゃー!不知火ちゃんカッコいいー!」
不知火「……」ドヤァ
提督「くっ、覚えとけよー!」ズルズル
-
〜〜
羽黒「……では失礼します。羊羮はいつもの口座に振り込んでおいてくださいね」
提督「了解だ」
羽黒「ふふ……不知火ちゃんが楽しそうで私も嬉しいです」
ガチャン
提督「やれやれ、俺は嬉しいような寂しいような……さて、では俺も報酬の品をば……あったあった」ガタガタ
提督「スゥ〜……ンアァ〜……このスパッツスッゴイ……スパッツ考え出した奴天才やな……」ガンギマリ
陽炎「……何やってんの」ジトッ
提督「うわああああ!?」ガタッ
-
そんな白井ですら700万しか貰えていない事実
審判にもう少しくれてやったら?
-
陽炎「……もうっ、せめて執務が終わってからにしなさいってば」
提督「というかお前いつから居たんだ」
陽炎「羽黒さんと交替で入ったのよ」
提督「羽黒と陽炎に訴えられたら俺終わるな……分かってるのか最近1回につき羊羮2本に値上げされたし」
陽炎「いい加減やめたらいいのに」
提督「スパッツと不知火のドヤ顔が俺の生き甲斐なんだ!……てあれ?スパッツといえば陽炎お前、何で今日スパッツ穿いて無いんだ?」
陽炎「き、今日はたまたま全部洗濯してたのよっ!」
-
提督「最近不知火はどうだ?」
陽炎「絶好調よ。白井さんとはしょっちゅう文通してる。『今は弟子ですがそのうち想いを伝えてみせます』って息巻いてる」
提督「それなんだけどさ、よく考えたら白井さんって奥さん居たような……」
陽炎「不知火は『大丈夫です陽炎。最近は卒論というものが流行って--」
提督「まずいですよ!」
陽炎「とまあ、球審も恋も順調みたいよ」
提督「球審といえば俺も……ほら、これ見てみろ」
陽炎「これ……免許?」
提督「野球協会公式審判員資格だ。こないだ合格した」
陽炎「うそ!いつの間に」
提督「フハハ!俺は頭だけはいいからな!」
陽炎「自分で言って悲しくないのかな……でもすごい」
提督「これでただ退場になるだけじゃない……あいつが落ち度やらかしたら今度は俺が退場処分にしてやる」
陽炎「……司令はほんと、不知火が好きなのね」
-
球審は選手のためにある 名言ですね
ということは不知火は提督のセクハラのためにある?
-
陽炎…
-
白井にNTRれたみたいでキツい
-
提督「ああ好きだ。だから白井球審には負けん!俺もいつか提督辞めてプロの球審に…って痛てて!痛たたたたた耳を引っ張るな陽炎!」ギュムー
陽炎「馬鹿なこと言わないでよね!」
提督「ごめん!ごめん提督は辞めません!」
陽炎「……もう」パッ
提督「ててて……陽炎たちも大事に思ってるから、これからもよろしく頼むぞ」
陽炎「……」
提督「陽炎……?」
陽炎「……なんかあったま来た!私もう今日は帰るから」
提督「え!?ちょっと待て書類が山積みなんだごめん陽炎謝るから--」
陽炎「私も球審やる!練習して資格取って私が提督を退場処分にしたげるから、覚悟しなさい!」
提督「待って、陽炎、かげろーう!」
陽炎「……不知火には、負けないんだからっ」
バタァン
…
-
提督「……行ってしまった」
書類の山「……」ドサー
提督「球審の前にこの書類の山を一人で決裁するのか……全く、女の子ってやつは何を考えているやら--」
バタァン
不知火「アァァイッ!!」
艦!
-
オツシャス!
でも白井はきらい(鋼の意志)
-
オツシャス!
陽炎と提督のイチャラブSSあくしろ
-
陽炎がんばれ
-
>>39
何故こんな画像があるのか
-
>>39
なんでこんな画像があるんですかね・・・
何はともあれオツシャス!
-
オツシャス!
不知火も陽炎もみんな可愛い
-
オツシャス!
それはそうとなんで奇声で会話してるんですかね・・・
-
>>39
おもち大きくないですかね?
乙乙
球審になれば艦娘にもてるようになる可能性が微レ存…?
-
自分のスパッツを男にあげるとかこいつすげえ変態だぜ?
-
ここ最近の白井は割りとましなジャッジしてたんだよなぁ
-
まさかの展開続きで草生えた
乙シャス!
このスレは白井球審の誕生日にまとめてほしい(わがまま)
-
最後のは愛、ってことか
オツシャス!陽炎編あくしろよ
-
乙アァァイッ!
-
今年の白井は判定自体は良かったけど、抗議時の態度とか見ると選手のために謙虚にやってるって感じとは真逆なんだよなぁ
-
陽炎可愛い
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■