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鈴谷「田舎に暮らそう!」
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〜サハリン・ススヤ河畔〜
提督「ただいまー!」
鈴谷「おかえり提督」
提督「だからもう提督じゃないって…ハクシュン!」
鈴谷「大丈夫?」
提督「うー、寒い寒い…車から荷物下ろすの手伝ってくれ」
鈴谷「おっけい、にしてもずいぶん遅かったじゃん、何かあったの?」
提督「色々買い込んだからな…それに、ほれ」
仔犬「ワン」
鈴谷「きゃーっ可愛い!どうしたのこのワンちゃん?」
提督「ライカ犬の仔犬だ。安く譲ってもらった」
鈴谷「へー!……提督がいない時寂しかったけどこれで大丈夫だね!ね、名前つけようよ」
提督「名前はつけるが…言っとくがペットじゃないぞ?」
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鈴谷「どゆこと?」
提督「猟犬だよ。今は小さいがそのうちガッチリしてデカくなるぞ。バリバリ仕事してもらわんとな」
鈴谷「えー、鈴谷にプレゼントじゃないんだー」
提督「代わりと言っちゃなんだが、これはお前にだ」
鈴谷「あー!これロシアのモフモフした帽子じゃん!」
提督「『シャプカ』な。キツネの毛皮のやつ。すまん、あんま洒落たのが無くてな…」
鈴谷「そんなことないって…ほら、似合う?」
提督「おー似合う似合う」
鈴谷「ム、ほめ方がなんかテキトーだし」プクー
提督「……雪が本格的に積もる前に、またピクニック行きたいな、それ被ってさ」
鈴谷「えへへ……そだね」
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〜〜
ススヤ川(Susuya)は、ロシア・サハリン(樺太)南部を流れる河川。
サハリンが日本統治下にあった頃、「鈴谷」の名があてられました。
奈良県にも鈴谷川がありますが、こちらは「すだにがわ」
重巡洋艦鈴谷の命名元になったのは、このススヤ川です。
http://imgur.com/QyZdhIz.png
http://imgur.com/aDpqfrt.png
この通り河口付近は辺り一面原野が広がってますが、東に少し行けばダーチノエという町があり、さらに上流に行けばサハリン州都ユジノサハリンスク(豊原)があります。
モンスーン気候で、対馬海流上空を通る暖かい空気が流れるため意外に寒くないそうです。
夏は17℃、冬は-3℃が平均気温。
それでも寒いといえばやはり寒い。
また霧が多く、宮沢賢治は樺太旅行で見た霧の海を「銀河鉄道の夜」のモチーフとしています。
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鈴谷川については資料があまりなかったのでサハリンの話。
サハリンは廃墟マニアの間ではちょっとした聖地として知られているそうです。
日本統治時代の官公庁、工場や軍事施設の多くがそのまま朽ちるに任せて放置してあります。
http://imgur.com/lGqVhJ2.png
↑王子製紙・真岡工場跡
またソ連崩壊の煽りで数多くの鉄道が廃線、そのまま放棄されています。
緑の原野に呑まれゆく線路やホームが寂寥感あふれ、こちらも人気だとか
http://imgur.com/t7C12Db.png
今現在、天然資源開発でサハリンはちょっとしたゴールドラッシュ状態ですが、それがまた更なる廃墟を産みそうな気も。
軍艦鈴谷の顕彰碑もあるらしいですが、落書き等でひどい状態だそうです
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サハリンの生活ですが、最大の都市ユジノサハリンスクでも人口10万程度と少なく、都市を一歩出ればそこは原野。舗装された車道も多少ありますが、わだちを利用した道なき道が点在する集落を繋いでいます。
インフラも無いところが多く、生活で使う電気は石油式の家庭発電機で賄われてます。
http://imgur.com/qyRQRWi.png
http://imgur.com/hOJlZWc.png
工業従事者の他には昔ながらの漁師、猟師を生業にしている人が多く、海は世界屈指の漁場オホーツクの豊かな海産物、陸ではアザラシや毛皮用のキツネ、そしてヒグマが獲れます
ヒグマは3000頭を越えるといわれ、年に二回大規模な狩りが行われています。
昔は樺太犬が猟犬として有名でしたが、最近はめっきり数を減らし、北方のポピュラーな猟犬ライカ犬に取って代わられています。
http://imgur.com/g2CWqcq.png
http://imgur.com/ThHu1VV.png
↑世界で初めて宇宙に行った生き物はライカ犬
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サハリンの食べ物は土地柄、保存食が発達しており、干した魚に薬草を浸したウォッカを供するのがサハリンハンター・スタイル。
http://imgur.com/m0IXNIL.png
韓国系移民が多く、キムチも盛んに食べられている。一説には明太子の元になったのはサハリンのタラの辛子漬けだとか
また、残留日本人の子孫も暮らしており、スーパーでは日本食も買える。(ただしかなり割高らしい)
もちろんボルシチやピロシキも普通に食べる。
普通の観光地としては難しいところですが、このようにコアな魅力がある場所みたいなので、惹かれた方は行ってみてもいいかもしれないです。
稚内から直行フェリーがあるほか、たまに札幌からも飛行機が飛ぶらしい。
ちなみにもう聖地巡礼した猛者がいるみたいです
http://imgur.com/EiijdMj.png
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提督「ごちそうさまでした」
鈴谷「おそまつでしたー、どう?鈴谷のボルシチ」
提督「旨い。腕が上がったんじゃないか?」
鈴谷「……ねえ提督」
提督「なんだ?」
鈴谷「ほんとにさ、鈴谷でよかったのかなって」
提督「何だ今さら」
鈴谷「『土地の縛り』で鈴谷はずっとここで生きていかないといけないんだよ?こんなに暗くて寒い樺太に……提督は日本に帰りたくないの?」
提督「愚問だ。寒かろうが異国だろうが、俺は鈴谷と生きていくと決めたんだ」ギュッ
鈴谷「提督…」
提督「それにほら、手を握ればちゃんと暖かい」
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鈴谷「……ありがとう」
提督「春になる頃には、バリバリ狩りが出来るようにしないとな。いつまでも貯金暮らしは出来ないし」
鈴谷「そういえば提督、手荒れひどいよ?どうしたのこれ」
提督「ああ、外で手作業することが多かったからな…」
鈴谷「手袋編んだげるよ。毛糸買ってきてね」
提督「サンキュー。そうだ、犬は外に連れてくが、お前が寂しくないよう今度は猫でも貰ってくるよ」
鈴谷「いいねーそれ!でもさ、私達、いつまでも二人きりじゃないかもよ?」
提督「どういうことだ?」
鈴谷「どういうことだと思う?」
提督「……お前まさか」
鈴谷「ふっふっふ…どうでしょう?」
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いいゾ〜これ
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提督「すぐに病院に行って--」ガタッ
鈴谷「ごめんウソウソ、ウソでーす!まだ何も無いよ何も!」
提督「ウソって、びっくりさせるなよ全く…」
鈴谷「でも、もし出来たとして学校とかどうしよう?」
提督「俺が町まで送っていくさ」
鈴谷「えーそれじゃ鈴谷結局一人じゃん!」
提督「心配するとこそこかよ…まああれだ、仕事が無いときは俺がずっと居るから安心しろ--っ!?」ガバッ
鈴谷「……」ギュウウ
提督「なあ、鈴谷」
鈴谷「……」ギュウウ
提督「ちょ、強く抱きすぎだって…」
鈴谷「……ねえ、あなた」
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提督「……」
鈴谷「今更逃げようったって、遅いかんね」
提督「……ああ」
鈴谷「このススヤのほとりで、死ぬまで、世界が終わるまで、鈴谷と居てくれる?」
提督「……ああ」
鈴谷「そっか………えい!」フーッ
提督「ぬわっ!?」
鈴谷「へっへー隙あり!提督ってば相変わらず耳弱いよねー、それ、もういっちょ!」カプッ
提督「お前やめっ、耳は、耳は勘弁……!」
鈴谷「おまけに脇腹〜」
提督「あひゃひゃ、やめ、やめろって鈴谷、あああっ!!」
鈴谷「おりゃおりゃ〜」
鈴谷「……えへへっ」
艦!
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あれガバガバグーグルマップくんのせいだと思ってたけど本当にススヤだったのか
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いいゾ 〜これ
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http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/internet/20196/1444190759/
昨日このスレ建てたあとサハリンってどんなとこなんだ?と気になって色々調べたので形にしました
土地と艦娘をからめて妄想するのもきなか楽しいと思った
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艦内神社とかも見てると面白いっすよね
https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=zdzfkk1MKGSM.kyrTIoyRmC0Q&ie=UTF8&oe=UTF8&msa=0
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ああ^〜
結構いい文章してるけど、何かスポーツはやってるの?
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こういう情緒あるスレだいすきな
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ネタスレを昇華する姿勢ほんと尊敬する
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鈴谷すこ
スッズレ復活しませんかね……
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ロシアのモフモフした帽子かぶった鈴谷の画像呉錦
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ネタスレからここまでのものが生まれるとはたまげたなあ…
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便さん!
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昔北海道の幾春別までドライブしたけど北国の美しくも寂しい風景ほんとすき
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素晴らしいスレをありがとうちょっと鈴谷で抜いてくる
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樺太のオナホこと鈴谷
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あっ……(感涙)
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わたしも北上さんと結婚するスイッチを押して岩手県でくらしたい
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こういう妄想をサクッと具象化できる文才ほんと羨ましい
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サハリンは海ぶどうやイカを入れたキムチが美味しかったですね
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えっなにこれは(感嘆)
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他の艦娘と違って鈴谷の名を継ぐ後継艦の建造が絶望的と思うと切なくなる
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>>27
おは大井っち
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