■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
かんぱにのアプデでミンサガ思い出したから、SS書いた
-
注意
・このSSはロマンシング サガ ミンストレルソング(通称ミンサガ)の
登場キャラ「カール・アウグスト・ナイトハルト」がかんぱに☆ガールズの世界に
迷い込んだらというif設定で書かれております(社長は出ます)
・なるべく原作重視にしておりますが主観が入っていますゆえ、恐らく他の方から見て
「このキャラはこんな設定じゃない」と思う部分があるかもしれません。
もし、許せないと思われる方は戻るを押して頂ければ幸いです
・クロス作品が嫌いな方は止めたほうが良いでしょう
補足
前半の半角文字:ロマンシング サガ ミンストレルソング(通称ミンサガ)
の登場キャラ「ナイトハルト」の滑舌が悪く、このように聞こえるため
-
ここは「中立国アルカレイア」
魔法学で有名な「教国ユグドラシル」行きへの船があり、
「王国クオリア」から聖騎士団たちが市民保護のため時折、派遣にきている小さな国だ
そんな小さな国の道端に一人の黒き鎧と兜を身に纏った男が倒れていた
-
「ヌッ、ココハ・・・」
男は頭を押さえながら、ゆっくり思考を働かせる
「タシカワタシハ・・・アルベルトノカエリヲマツディアナヲオモイ、ヘヤニ・・・」
(「確か私は・・・アルベルトの帰りを待つディアナを思い、部屋に・・・」)
「おい、兄ちゃん」
「ん?」(以下、ヒョウジュンゴ)
「良いもの持ってるし、売れば金になりそうだな! 命が惜しければそれをよこしな!!」
ふっ、と鎧の男は鼻で笑うと
「その言葉は、人を選んで言うべきだ ところで、ここはどこなんだ?」
-
「けっ、ふざけやって!」
盗賊はナイフを構えて言った
「ヒョウジュンゴは分かるか? タラール語じゃないと理解できないか?」
「ほざきやがって!!」
盗賊が飛び掛ろうとした瞬間
ブオンッ!!
という重い音と、鋭い風が盗賊の頬を掠めた
盗賊はいきなりの衝撃に動きを止めた
「どうした奪うのではないのか?」
黒い鎧の男が、盗賊の頬を掠めた大きな両手槍を持ちながら言った
「次は一瞬で仕留めるぞ」
-
「あ、あぁあ・・・」
盗賊は尻餅をついたまま、後ずさり立ち上がるとどこかに逃げていった。
黒い鎧の男は構えを解くと、周りを見回した
(「恐らく・・・ここは私の知っている世界ではない。 もしくは私が無知なだけで
遠くの場所に来ただけかもしれないな」)
(「町に行けば何らかの情報が得られるであろう」)
一時的な目標を立てると、重い音を立てながら人気のある場所を目指して歩いていった
-
(「町に着いたか」)
途中変わった色の狼や兎に襲われたが、鎧の男の足止めにもならなかった
町は、小さなものでバファル帝国の鉱山や金庫を取っ払った「ゴールドマイン」を想像させられた
鎧の男は近くの果物屋に顔を出し言った
「すまない、ちょっと聞きたいことがある」
「え? あ! あぁ、いらっしゃいませ! どう致しました!?」
「ここはなんという国なんだ?」
「ここかい? ここは、中立国アルカレイアっていう・・・」
「ははぁ、お兄さん 転移者 だな」
「転移者?」
「あぁ、最近多くてなー 他の国や次元ってやつを越えて、この国に来ちまうらしいんだ」
「そこの広場の奥の空き家に、お仲間がいるからいってみたらどうだ?」
「わかった、そうさせていただこう」
というと、広場に向かっていった
「しっかし、びびったなー 聖騎士様のお偉いさまが話しかけてきたのかと思ったわー・・・」
「あんなに強そうなら、依頼でもしてみるかなー・・・転移者さんたちのところにでも」
-
広場の奥に行くと、こじんまりとした空き家が一軒建っていた
変わったことというと、ギャーギャー、キーキーとうるさい声が響いていたことである
鎧の男は戸惑いながらも、建物に一歩足を踏み入れた
「すまない、少し聞きたいことが・・・」
「「「「「い、いらっしゃいませ!!」」」」
中には、男1人と女2人、妖精が1人が声をそろえて、ペコリとお辞儀をしていた
「依頼ですね! ど、どうぞ! ここに!」
と眼鏡をかけた男におんぼろのソファーに案内され、
「モニク! お茶!! 早く!!」と小さな妖精が指示を出し
「ちょっと! お茶なんてどこにあるのよ!!」と小さな金髪の女の子がぷりぷり怒り、
少し背の高い女はおろおろとしていた
-
「えー、本日はどのようなご、ご依頼でしょう!」と少し緊張したスマイルで男が尋ねてきた
「すまない、依頼人ではない。 どうやら私は 転移者 というものらしく、
ここに来れば、何か情報がつかめると思ってやってきたのだ」と言った
皆の表情が一変し、
「じゃあ!! あなたも!!」と男は鎧の男の手を握りながら言った
他の3人は「信じられない」といった表情で固まっていた
「あ、あぁ・・・熱烈な歓迎はありがたいが、何か知っている情報があれば教えて頂けるかな?」
と言った
-
ふむ・・・さっぱり分からないな・・・」
「日本? 電車? どうやら私とは全く別の世界らしい」
「ええ・・・僕も王国とか、何とかストーン、さ・・・サル? なんて初めて聞きましたよ」
二人が頭を抱えて悩んでいると、小さな少女が
「だから、傭兵企業をするんでしょ!」と大声を出した
「おお、そうだった! いけないいけない!!」
「この世界で生きていくため、他の転移者や情報を集めるために傭兵会社を建てようと
思っているんですよ!」
「あなたもお強そうですし、一緒にやってませんか! えっと・・・」
「すまない、自己紹介を忘れていたな 私は、カール・アウグスト・ナイトハルト
ナイトハルトと呼ばれている」
「僕は、神山長助 長助とお呼びください」とさわやかな笑顔をしながら手を差し出してきた
二人は握手をした後
他の3人との自己紹介を行った
小さな剣士の「モニク・ワロキエ」
駆け出し暗殺者の「ロヴィーサ・キエシ」
モニクに付き添う妖精「ルカ」
の計5人で傭兵企業を立ち上げることになった
-
「ねぇねぇ、モニク 良いの? いつものあなただったら」
「一般人は巻き込めないし、武器だけ強くても中身が伴ってないんじゃないか〜」
「とか言って反対するくせに」
とルカは小さな声で聞いてきた
「確かに、転移者だしあまり危険なことはさせたくないわ・・・」
「でも、実力なら私よりもかなり上のはずよ、きっとローズ姉をもはるかに・・・」
「ううん、なんでもない」
「それより・・・これからどうやって客を集めるのー?」
と神山に聞いた
「幸い色々な種類の紙があるから、広告作りや近くの店などで困ったことはないか」
「聞いて回るしかないな」
「今は、地道にこつこつ信頼を作り上げていくことが先決だよ!」
「すまない、いきなりの依頼だが良いかい?」
「おや、あなたは?」
「おぉ、さっきの鎧の兄ちゃん! 実はよぉ、畑が狼みてーなやつに食い荒されているんだ」
「なんとかしてくれねぇかなー」
「はい! 私たちにお任せください!」と神山は張り切って言った
「いやー、助かるのー んじゃ、よろしく頼むよ!」
というと、老人は出て行った
-
「・・・どうやら、広告を作るよりナイトハルトさんに活躍してもらったほうが
手っ取り早いかもなー・・・」
「いや、そんなことはない! 長助がいなかったら私はいなかったわけだし・・・」
「ふふっ、ナイトハルトさんって意外と良い人なんですね」
とロヴィーサがお茶を淹れながら言った。
「先ほどの依頼は誰が行くの?」
「ここは、みんなで行って見ませんか? 盗まれて困るものはありませんし、
今後の仕事のためにも僕も行ってみて様子を見てみたいので」と神山が提案した
「いや、王の立場にある人間は自分の城にいたほうが良いだろう」
ナイトハルトは自分の境遇を思い出しながら言った
-
「そうでなければ、民や兵は混乱を招き内部反発が起こる」
「今回の記録や様子は私が取ろう」
「もし、外に出たくなったら私やモニクが守りに徹しよう」
「え、なんで私が」とモニクが反発した
「この中で恐らく腕に自信があるのは、モニクと私だけだ」
「ロヴィーサも磨けば光るだろうが、現時点で長助を守ることが出来るのは私たちだけだ」
と言い放った
「今回の依頼は、私たちで行こう。 何か異論はあるか?」
「いや、ないね」
「それじゃ、二人とも! 気をつけてきてね!」と長助は二人を見送った
-
ここは依頼者の農夫であるエリオットの畑
たくさんのウルファンが妖々跋扈しうごめいている
「せっかくの作物が・・・ひどいですね」
ロヴィーサは口を手に当てながら言った
「ふん、雑魚が 農民の宝であり努力の結晶を踏みにじるとは許せないな」
「まず、私が敵の中心に入り囮になる。そして集まったところを一気に潰す」
「そこで、君は取り逃がした敵をナイフで仕留めてくれ。もし自信があったら近づいて仕留めても良い」
作戦内容を簡潔に伝えた。
「もしくは、逆の立場でも良いがそのほうが良いか?」
「い、いえ! 全力でサポートさせていただきます」
「では、始めるぞ」
-
「うおぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!」
いきなり町中に響き渡るような声を上げながら槍を構え、突進していった
ウルフェンたちは驚きながら、ナイトハルトの周りを取り囲むと
背中側にいた一匹がナイトハルトの背中めがけて飛び掛った
「遅いっ!」と言う言葉とともに槍がウルフェンの体を貫いた
仲間をやられた悔しさか、「グルルル・・・」
と低い声をあげながらじりじりと、ナイトハルトににじり寄ってきた
「寄ってくるだけでは、私は倒せん!!」
という言葉とともにもう一閃
それを合図に赤い狼たちは黒い獲物向かって飛び掛った
「ふんっ!!」
という掛け声と共に赤いものは四方八方に吹き飛ばされ、そのまま動かなかったものが多数いた
「ク、クゥ〜ン」という情けない声をあげ、生き延びた少数のウルフェンが逃げようとした
-
「・・・逃がさない!」
という言葉とともにロヴィーサの短刀がウルフェンめがけて飛んでいった
不運なウルフェンは急所に当たり、その場で生命活動を停止し
他の多数のウルフェンは足や体に当たり、その場でうずくまると最後が訪れるのを待った
幸運な少数のウルフェンは森の中に逃げていき、姿を消した
「少し逃がしてしまったな しかし、これでしばらくはやつらも懲りるだろう」
「すみません・・・私の実力不足です・・・」
とうつむきながら言った
「何、ちゃんと仕留めているではないか」
「君の力がなかったらもっと多くのモンスターを逃がしていたに違いない」
「依頼者に報告し、報酬を得てこようではないか」
と肩を叩くと二人は農夫のもとに歩いていった
-
えー・・・とルカ! 午後のスケジュールはどうなっている!?」
「午後は、何でも屋のブックマンさんから手紙の配達の依頼にそれから・・・」
エリオットの畑の一件以来、ナイトハルトの叫び声が響き渡ったことがきっかけで
あの傭兵企業には恐ろしく強い、黒き魔物がいる。だの
ウルフェンをちぎっては投げを繰り返し、死体の山の上で高笑いをした。
実は怪物熊で、魔物の前になると変身すると風評被害がもたらされていた
最初は住民たちは恐れ、会社の目の前を通りたがらなかったが
ナイトハルトや社長である神山の人徳、社員たちの頑張り、依頼の達成率から
住民たちの信頼を勝ち取り、依頼が入り込むようになった
-
「それじゃ、いってくるわ」
とモニクとロヴィーサが美食家の依頼でひよこうもり狩りに出かけた
「ふぅー・・・一時はどうなるかと思ったけど・・・」
「すまなかった・・・」
「あ、いや責めているわけじゃないよ! 結果として依頼来るようになったし」
とナイトハルトを慰めた
「そうだ、神山社長 人を増やしてみてはどうだろう?」
「それなりに知名度は上がって来たが、そろそろ3人でまわしていくのはしんどくなる」
「そうだね、どうやら剣士のほかに攻撃魔法や癒しの魔法を使う人がいるみたいだし・・・」
「私としては槍使いが気になるな」
「お、槍使いとして腕がなるってやつ?」
「まぁな」
-
二人は、同じ転移者であり男といった共通点から
距離が一気に縮まっていた
「とりあえず、今日の仕事終わったら酒場にでも仲間の件を話しながら飯でも食いにいくかねー」
と神山は伸びをしながら言った
「そうだな ところで、広告のメインキャラクターは誰にするんだ?」
「ナイトハルトとかどうよ?」
「よしてくれ、むさくるしい鎧男が飾ってもおもしろくないぞ」
と冗談を言い合いながら、午後の仕事に取り組んだ
-
酒場にて
「というわけで、新しい人を迎え入れたいんだがどうだろう?」
「はい、良いと思います」 「うん、良いと思う」
ロヴィーサは野菜ジュースを、モニクは牛乳を飲みながら言った
「はい! 新鮮野菜とビーフ盛り一丁!!」
という豪快な声とともにテーブルの上に料理が置かれた
「ちょっと、待ってください 僕たち頼んで・・・」
「なーに! 有名な企業さんへのお近づきの証よ!! じゃんじゃん食ってくれ!」
「ところで・・・ちょいと依頼をお願いしたいのだが・・・」
と手をすり合わせていった
「それが狙いね・・・ どんな内容なの?」
「へへ・・・実はだなこの間飲みに来た客にツケといたんだが、前に来たときに
酔っていたのか突然暴れだしてな ツケを払うように説得してくれないか」
「分かりました 説得してみましょう」
-
「ありがてぇ! 名前はアザミノ・ハレン 鍛冶屋の店主をしている頼んだぜ!
先払いとして、今回の食い物代は無料にしおいてやるぁ!」
と依頼内容を伝えると上機嫌なまま厨房に戻っていった
「ほぉ、手ごわそうだな」
と余裕な表情のままナイトハルトはワインを飲んだ
「ええと・・・今回は・・・」
「私が説得してみるわ」とモニクが言った
「そうか・・・今回は僕も行こう」
「なので、ナイトハルトさんは・・・」
「いや、今回は私もご同行をお願いしたい」
「ええ! それじゃ会社はどうするの!」とルカが飛びながら尋ねた
「会社の守りはブックマンさんにお願いしてみよう」
「駄目だったら、数時間だけ誰かに見張ってもらえば良いだけだ」と神山が言った
-
「意外ですね 社長が自分から行くなんていうなんて・・・」
「ふふふ、社屋近くに鍛冶場みたいな施設があるし、勧誘できないか試したくてね」
きらりと眼鏡が光った
次の日
朝の時間帯に鍛冶屋に行くと、「ふぁい〜」という情けない声と共に
明るいピンク色のぼさぼさ髪をした高身長の女性が寝ぼけ眼をこすりながら出てきた
「すみません、酒場のグレッグさんからの依頼で集金に来ました」
「おー! そうだ! すまないねぇ、実は何度も行こうと思ったんだがほら・・・暴れちったし
バツが悪くてなー」と苦笑いをした
「ところで、この話とは別にあたしとやってみないか?」
とナイトハルトを見ていった
「聞いたよ黒い悪魔の話題 風評被害だって分かるがそのくらい強いっていうことだろ?」
「槍も珍しい・・・きっと世界を回っても見当たらないね」
「それに、あたしがツケ代を拒否したら実力行使に出ていただろ?」
「あぁ、そのつもりだった しかし、相手をするのはモニクだ」
とアザミノの眼を見ながらいった
-
「へぇ、確かにこの娘も強そうだ この娘に打ち勝たなければ、あんたに勝つなんて不可能だろうね」
「小さいからって油断すると痛い目みるわよ」
「いや、相当の手馴れた剣士だしな 全力で行くのに準備が必要だ。ちょっと待ってて」
と言い部屋の奥に戻っていった
「あの人、強いね 私でも分かるよ」とルカは興奮しながら言った
「モニク、気をつけてな」
「任せなさい」その言葉にやや緊張が混じっていた
-
「お待たせ」
髪を整え、出てくるなり モニクに木製の剣と盾を渡していった
「真剣勝負だと、あたしのわがままでせっかくの業物が台無しになっちゃうのは嫌だからね」
「勝敗の行方はどちらかが参ったというか、先に武器が壊れたほうが負け
味方からの援護や乱入は禁止、何らかの事件が起こった場合そちらを優先し、試合終了とする」
「まー細かいほうはセルフ・ジャッジで良いね」
とアザミノがルールを言うと木製の刀を構えた
モニクは、盾を自分の体の前に出し剣を握り締めアザミノを睨みつけていた
ナイトハルトが適当な石を拾い、適当な高さから石を落とした
石の落下が決戦の合図となった
-
石が地面に落ちた瞬間
「はぁぁぁぁあああああ!!!!!」
と叫びながらモニクは盾を突き出したままアザミノに突進した
「うおぉ!」
あまりの迫力に神山はすっとんきょんな声を出した
「ははは、白兵戦は初めてか」
「当たり前じゃんか、今まで平和な世界にいたんだから・・・」
「あのように隠れるものが何もない平らな場所では、彼女のような剣士や私のような
重戦士同士がぶつかり合うんだ」
「本来は重戦士のほうが有利だが、場合によっては剣士のほうが優れているときもある」
「例えば、相手の重戦士より気が強かったり、剣術や対術がはるかに勝っているときとかね」
解説をしている間モニクは小さい体を駆使し、叫びながらアザミノに猛攻撃を仕掛けていた
アザミノは猛攻撃を受け流すのがギリギリで攻撃する隙がなかった
「じゃあ・・・モニクのほうが有利ってことだね」
「確かに、モニクのほうが剣術に心得があり体や足の動かしたはとても上手い」
「相手は我流にしてはとても強いほうだが、体や足の動かし方がめちゃくちゃだ」
「だが、戦いにおいてもっと大事なところがある」
「へ?」
-
くぅ!」「やっと隙を見せたね」
アザミノの刀がモニクの盾を捕らえていた
「基礎体力と体格差だ」
「猛撃を打ち続けるのにも体力が必要になるし、体の大きさの違いで体力や腕力に差が出てしまう」
「恐らく彼女も勝気な性格なのだろうな、まだ弱気な性格なら勝機はあっただろう」
「モニクが負けるとでも!?」
「いや、これだけは私も分からない」
とにやけながらナイトハルトは言った
(「全く持って社長の言うとおりね 私が負ける? ありえないわこのくらい何度も・・・!」)
そう考えている間にアザミノは隙間を縫うように鋭い攻撃をしてきた
「ほらほら、だんだん隙が見えてきたよ!」
とモニクの剣を避け、受け流しながら大振りな胴や、面打ちを狙ってきた
「はぁあ!!」
と叫びながら、手当たりしだい腹や足など隙のある場所に剣を振るっていた
モニクだが疲れが溜まってきたのだろう
アザミノの脛や手の甲、みぞうちといった急所や、弱点を責めるようになっていった
モニクの攻撃が少し緩んだ瞬間
-
「隙あり!!」
というアザミノの声と共に、モニクの腹めがけて胴打ちが入った
とっさの判断で盾で腹をかばったものの、衝撃でモニクの体は吹き飛ばされた
モニクはぐったりと倒れたままの姿勢で微動だにしなかった
神山がおもわず駆け寄りそうになるが、ナイトハルトに制されてしまった
「なんで! 助けに行こうよ!」とルカが怒りながら言った
「駄目だ! この戦いはモニクとアザミノさんとの戦い僕らが入って良い場所じゃない」
「その通り! でも、これで終わりってわけじゃないでしょ」
「ね、モニク?」とアザミノは真剣な表情のまま言った
「ちぇ、ばれてたか せっかく奇襲かけようと思ったのに」
と盾と剣を握りなおし再びアザミノに対峙した
「そう来なくちゃね」と不気味に微笑んだ
「はぁああああ!!!」
と大声を上げながら、再びアザミノに打ち込んでいくが彼女の変化をアザミノ自身が分かった
(「剣の重みがあまりない・・・? 疲れているからなのか? もしや!!」)
異変に気がついたのも遅く、モニクは彼女の顔と同じくらいの高さまで飛んでいた
「でりゃぁあああああ!!!!!」
今まで以上に気合が入った雄たけびを上げつつ全力で剣の持ち手を鈍器代わりに振り下ろす
-
メキメキメキ・・・
アザミノの木製の刀が音を立てて、ひび割れながら刃の部分が真っ二つになった
「ははは! いやー、参った! 私の負けだな!!」と愉快そうに笑うと
「大丈夫? 歩けるかい?」とモニクに手を差し出した
「痛かったわよ あんたの一閃」とお互い握手をしたまま言った
「さてと、いやー楽しかったわー、あんたらの仕事の依頼なら1割り引きしてやるからよー」
「またいつでも遊びに来いよー」
と笑いながら手を振っていた
「ちょっと待った!!」
へ?と驚いた表情を無視したまま、アザミノの手を掴み神山社長が言った
-
「先ほどの戦い! すごかったです!!
もしよろしければ、わが社の刀鍛治をやっていただけませんか!!」
「それならいつでもモニクやナイトハルトと交えますし、あなたほどの力を持った人なら
百万馬力です!」
「それに、あなたが望むなら、寝床も確保しましょう! どうでしょう! わが社にぜひ!!」
「わかった、分かった! とりあえず落ち着け!!」
「社長さんは・・・酒飲める?」
「もちろん、あ、ナイトハルトさんも飲めますよ!」
「ふーん、ならOK! 雇ってもらおうかな」
「ありがとうございます!! いやー! 良かったなー! 社員が増えたぞー!!」
-
帰宅後
アザミノ・ハレンは正式に社員として活動することになり、
しばらくは家から会社に通うことになった。
社屋近くの鍛冶場は明日、命の炎が再び灯しだすようだ
「ふー・・・今日のモニクの仕事はお休みだな」
「ナイトハルトやロヴィーサに頑張ってもらわないとなー」
「ねぇ社長・・・」
「ん? モニクどうした?」
「ちょっとだけ・・・撫でて欲しい・・・なんて・・・(ゴニョゴニョ」
というと
「あ・・・///」
神山社長は無言で優しくモニクの頭を撫でた
その物陰でナイトハルトは微笑みながらその様子を見ていた
こちら側にルカとロヴィーサが歩いてきたため
「社長から先ほど、仕事を授かった。 依頼は、あの農家のお得意様だ」
「早く終わらせて、昼飯にイクゾー」
と2人をUターンさせ、3人は仕事に向かっていった
終わり
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■