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【淫夢系SS】呼んでる

1 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:48:27 IeWUB1Tg
えー今日は、素敵な怖い話をしてくれる。田所くんでーす
24歳、学生です。 身長が170cm、体重が・・・
そんな話しなくて良いから(良心)
今日は、怖い話をするんダルルォ
まま、そう焦んないでよ 冗談ですよ冗談! んじゃ、俺が話してやるかしょうがねぇなぁ(悟空)


2 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:49:31 IeWUB1Tg
これは、後輩のKMRくんとその友達STUくんのお話です
二人は中学生からの友人で、KMRくんは高校を卒業したあと東京に上京し大学に入学しました
STUくんは高校卒業後は沖縄で実家の手伝いをしていたそうです
KMRくんは大学の夏休みを利用してSTUくんに会いにいったそうです
久しぶりの綺麗な空気に暑い太陽、久しぶりに見たデカイ虫と中学のときから変わらない
大柄な体、もとい友人くんとの再開に乾杯しながら
虫のけたたましい声をBGMに楽しいひと時を過ごしたそうです


3 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:49:44 IeWUB1Tg
「いやー、KMR久しぶりだなー! 見ないうちに肌も白くなって軟弱になったんじゃねーのかー」
「えー、そんなことないよーSTUこそ無駄に筋肉つけすぎて、頭も筋肉になったんじゃない?」
「なにおー!」
と馬鹿話をしていると、唐突に
「KMR、このへんに出る廃病院があるんだけど行ってみないか?」
「えぇ、暑いし嫌だよ」
「かー・・・KMRくんは東京の空気に毒されちまったかー・・・ STUくんは悲しいですー!」
とわざとらしく、大声で言うと
「分かったようるさいな〜 子供のときから変わってないな〜」
「だろ?」とドヤ顔で言いました。


4 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:50:00 IeWUB1Tg
KMRくんがクルルァ出し、途中、STUくんの酒とつまみ、懐中電灯に虫除けスプレーと軍手を買うと
目的地まで、車を進めていきました  KMRくんもテンションが上がっていたのでしょう、
掲示板で有名な廃病院の矢印に従って進むと、恐ろしいことが起こる・・・あの話をしたんです
「うぉー! こえー!」と大げさに言うと、「じゃあ、自分も怖いのを一つ・・・」
一瞬だけ眼をうつろにしたあと話しを続けました
「病院内のハブや珍走族、マムシはな・・・怖いぞ」
「はぁ、それだけ!?」
「当たり前じゃねぇか!! 噛まれたらいてーし、囲まれたら終わりだぞ!」
と半笑いのまま続けるので、さすがのKMRも「怖がった僕が馬鹿だったよ・・・」と呆れました


5 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:50:20 IeWUB1Tg
そんなやり取りをしながら、道を進めていくと病院というには少し小柄な建物に着きました
「うぉー・・・雰囲気出てるー」
「うん、怖いね」
「それじゃ、行きますか」というと準備を済ませると二人は懐中電灯を片手に建物の中に入っていきました


6 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:50:45 IeWUB1Tg
「中は・・・やっぱ荒れてるよなー・・・」
珍走族の落書きや、食べ残し、散らばるガラスの破片、腐りかけの備品と鈍く光る鉄パイプが落ちており
蒸し暑さとホームレスのような臭い、嫌な静けさが二人を出迎えてくれました。
「まずは適当に徘徊するか」と二人で、病室や受付、トイレにシャワー室、浴室と
足場を安全を確かめつつ階段を上り、下りをしながら探索し尽くすと
「次は・・・霊安室だな」とSTUくんがいうと誰が鳴らしたか、ゴクリと生唾を飲み込む音が聞こえました


7 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:51:03 IeWUB1Tg
足場を確認しながらまだ歩いたことのない廊下の奥の奥、霊安室と書かれた部屋が見つかりました
軍手をつけているとはいえ、扉に触るのを躊躇しながら開けると
中は荒れ放題で、二人は霊安室に入るとしばらくして、KMRは聞きました
「ここで、何か起こったりしたの・・・」
STUくんは「実は・・・」
「どうしたの! やっぱり何かあったの!?」とKMRが聞くと
「実は・・・この部屋には何も起きてないんだ」と頬をかきながら言いました
KMRは大きなため息をつきながら「帰ろう」と不機嫌交じりに言いました


8 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:51:16 IeWUB1Tg
「わりぃ、わりぃ! 実はな、霊安室にはないんだ」
「見回ったけど何もなかったじゃん 居てもしょうがないし、帰ろうよ」
「お前、二階の奥・・・ちゃんと見たか?」
「え、まさか」
「そう、小さい建物ながら三階があるんだよ」
というと、二階の奥を目指して歩きました


9 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:51:56 IeWUB1Tg
歩いている途中、「この病院はな、割と最近に出来たらしいんだがすぐに取り壊されちまったんだったよ」
「何でも、医療ミスらしいんだがそれがおかしいんだ」
「当時の病院に患者を見回る班長ってのがいたんだが、患者思いで優しい人だったんだ」
「患者の様子とかの記録を書いている途中、呼んでる。とポツリとつぶやいたんだ」
「え? と周りの看護師が班長を見ると呼んでる、呼んでるとつぶやくような声から」
「次第に声が大きくなって、呼んでる! 呼んでる!!と直立不動で叫んでいるんだ」
「おろおろしながら、警察? 暴れてないし、救急車? なんて話をしている間も」
「ずっと大声で、呼んでる!! 呼んでる!!! 感染しろ!!!! って叫びつつけているんだ」


10 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:52:23 IeWUB1Tg
「結局、暴れてないし口を塞ぐと救急車呼んだんだってな 病院なのに
そうそう、塞いでいる間ももごもご口を動かしていたらしいぜ」
「一人の看護師が班長が書いていた、記録を見ると名前から症状にいたるまで全て呼んでる
で埋め尽くされているんだ」
「もしかしたら、戦争の因果か何かあるのかもしれないな」と言ったそうです
そんな話をしている間にいつの間にか三階に着いていたみたいで「さて、行くか 呼んでるしな」
というと、KMRは怖がりながらついていきました


11 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:53:44 IeWUB1Tg
三階は他の階と違い、珍走族たちは気がつかなかったのでしょう全く荒れていなかったのです
STUは足場の確認もせず、すいすい歩いていきます
「ちょ、待って早いよ」とKMRが言うと
「もうすぐ、もうすぐだから」と声が返ってきました
途中の個室を無視して奥に歩いていき、躊躇なく奥の部屋を開けるとSTUはさっさと入っていきました
怖くなってきて、全てを放ってこの場から逃げたい。


12 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:54:01 IeWUB1Tg
KMRは異常さに怯えながら、中に入るとSTUは部屋の真ん中に棒立ちで立っていました
「もう、帰ろうぜ」というも微動だにしない
「おい、YUSK!」と声を荒げると「どうして?」と振り返りながら言ってきました
眼は完全にうつろで、黒いもやが顔を覆っていました
「おかしいだろ! お前は初めての場所だってのにさっさと歩く、三階にきたらあれだけ荒れていた
部屋は全く荒れていない。それどころか、埃や塵一つない」
「この病院の近くにきてからそうだ! あれだけうるさかった虫が静かだ!!」
と怒りを爆発させながら大声で怒鳴りました


13 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:54:20 IeWUB1Tg
「だってさ・・・呼んでいるんだもん」
「誰が?」 「呼んでいるんだって」とSTUは面倒くさそうに言うと、
「呼んでるんだって・・・呼んでる、呼んでる、呼んでる!」と連呼し始めました。
ゾッとして、大声で叫びながらその部屋から逃げ出しました
無我夢中で外に出て車を出すと、車の中から「呼んでる」という声が聞こえ、
最後に聴いた言葉は「感染しろ」でした


14 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:54:48 IeWUB1Tg
気がつくと、コンビ二で本を逆さにして立ち読みしていました
心臓もバクバクしていたので、しばらくコンビニの中にいました
家に帰ると、STUは見つかりました 水死体でした
先輩は見たことあります? 体が風船みたいにふくらんで・・・思わず吐いちゃいましたよ
その後、何事もなく過ごしています これで僕の話は終わりです


15 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:55:21 IeWUB1Tg
おれは田所の部屋から逃げ、近くのコンビ二に逃げ込んだ
最初はわざとらしく神妙な顔つきで話していたが途中、
気のせいだと思ったが、眼がうつろになったり真顔のまま敬語で話していたりと・・・
一種の話術と思ったが、目つきは本気だったしなんでSTUくんの名前が分かるんだよ
そして、終盤の話になるに様子がおかしかった
顔にもやが掛かり、眼が完全にうつろになっていた。


16 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:55:40 IeWUB1Tg
そうだ、きっとあいつのことだ「どっきり大・成・功」とか言って物置に隠れていたKMRと
おかしなポーズしながら待っているに違いない
名前は話す前に教えてもらえれば良いし、あとは演技力で補えるそれなら説明がつく!
話のネタの評価として酒とつまみでも買っていってやるか


17 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/06/07(日) 14:56:37 IeWUB1Tg
それにしても、夜中に心霊話しなんてするもんじゃないな
しかも、ビデオカメラで撮るなんて馬鹿馬鹿しい さっさと戻るか(ブーブー)
ん? メールか? 「呼んでいるので、一緒に行きませんか」
ふん、どうせこれもネタだネタ!

ガチャココン!
おい、田所! KMR! MURだ、戻ってき「お前も感染しろ」



終わり


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