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【咲SS】告白するのダルい……

1 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/18(水) 23:48:12 57L3J30o
私って塞の事好きなのかなぁ……
塞の家で勉強という名目でこたつで暖まりながら思う、
……ダルい
「シロ、何してるのよ…こたつで暖まる為に家に来てる訳じゃないんでしょ?」
「………」
苦笑しながら私の背中に手を乗せて塞が揺らす、心地良い揺らぎ
「まったく……まぁ確かに結構したね…休憩しようか」
こたつから塞が出る、私はそれを眼で追う
「シロ、お茶でいいよね?」
「うん」
袢纏を着た塞が台所に向かう、目で追い続ける、見ていると少しだけ落ち着く気がする
「うー…寒い……」
熱い茶が注がれた湯呑みをお盆に乗せて塞が持ってくる、
「うぅ寒い寒い……」
こたつにお茶を置くと塞がこたつに潜り背筋を曲げ吐息を漏らす、私は不意に
「………塞って…奥さんみたいだよね」
「はァ…!?」
私が思った事を言うと塞は素っ頓狂な声を挙げてこちらを見る
「だって立ち振舞いがそう見えたから……」
「……何それ、私がおばさんぽく見えるってわけ?」
溜息混じりに塞が笑う、私は小さく頷く、塞は私の頭を軽く叩く


2 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/18(水) 23:49:38 /bZi1YPs
もう始まってる!


3 : 耳たぶ :2015/02/18(水) 23:51:30 ???
もは


4 : 名前なんか必要ねぇんだよミックス! :2015/02/19(木) 00:00:03 9a0DXdbE
も始


5 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 00:34:47 Lc.FUMM6
も待!早出!


6 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 00:36:47 XJ2htKMg
全国大会も終わり、あと大きなイベントと言えば大学受験
秋は過ぎてもう12月、岩手はもう雪が降り始めている
身を凍らせる寒さ、でも
「おはようシロ、本当に寒いね」
家の前までいつも迎えに来てくれる塞が手に息を吹きかける
「おはよう塞…こんなに寒いと…歩くのもダルい…」
塞がいると体は暖かくならなくても心が温かくなる
「ははは…熱くてもダルいって言うでしょ?」
笑みを浮かべる塞、他愛も無い登校
「おはよー」
胡桃がやってくる、こんな事を思う私は本当に最低だと思うけど
少しだけ残念に思ってしまう、もっと2人きりでいたかったと
……なんでこんな事を思うんだろう……
…胸の奥深くが熱くなる
…やっぱり私は塞の事が………
「シロ、急がないと遅刻するよ」
「早くしないと遅刻しちゃうよー」
……ダルい…また今度考えよう


7 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 00:50:12 Lc.FUMM6
会話とシロの心情描写の両方で楽しめていいゾ〜これ


8 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 01:16:03 XJ2htKMg
教室の席に座って背凭れに体重を預ける、楽な格好
「お腹すいた……」
時計を見るともう12時を過ぎている、お昼の時間だ
小さく呟く、チラリと塞を見るとノートをまとめていた
…早くまとめないかな、早くこっちに来てくれないと私は何も食べられない
「あれ?シロまだ食べてなかったの?」
眼を閉じていたらやっと塞がお弁当片手にやってきた
「……ダルかったから」
半分の嘘、確かにダルいけど本当は塞を待ってた
「まったく…冗談言わないでよ」
塞が前の椅子に座りこちらを向く、
「さァ食べようか」
塞と食べる昼食、家でごはんを食べるよりも美味しい
「それでね豊音がね……」
楽しそうに笑う塞、塞の笑顔を見続ける事はダルくない
「シロ聞いてる?」
「聞いてるよ……」
聞いてないはずがない、塞の言葉だから聞き逃さない
「まったく……」
困った顔の塞……微笑んでしまう
「なに笑ってるのよシロっ」
「なんでもない」


9 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 20:26:58 XJ2htKMg

「シロ、手紙だよ」
お小水を終えて教室に戻ってくると塞が手紙を渡してきた
「本当にシロはモテるね」
からかうように塞が笑う、これで何回目だろうか
席に着いて手紙を眺める
……小瀬川さん、放課後に……
予想は付く、卒業が近づくにつれて増えている気がする
「シロ?ダルいからって帰ったらダメよ?ちゃんと返事しないとね」
いつもの事だから気にしてないという表情をする塞、なぜか心が寂しくなる
「ダル……」
「ダルいって言ったらダメでしょ……相手の人はシロが好きだからわざわざ
 手紙出してるんだから」
分かってる、分かってるから余計にダルい、私はこの手紙の主の事をあまり知らない
私が「うん」なんて言う事はありえないのは相手も分かってるくせに……
「ねぇ……塞はどう思う?私が告白される事を」
「どうって……いつもの事でしょ?」
塞が微笑んでこちらを見ると私は歯を食いしばる、たまに湧き上がるこの感情、ダルい


10 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 21:12:31 XJ2htKMg
「小瀬川先輩っ私……ずっと前から好きでした……」
黒い髪の女の子、確か2年生……塞ぐらいの背丈
「ごめん付き合えない……ダ……」
ダルいと言うのは禁句……前にダルいと言ったら告白してきた子が大泣きして
しばらく学校で騒動になったから
「そ、そうですか……」
ダルい空気が流れる、さっさと帰りたい
「……帰っていい?」
相手の反応は無い、どうしようもないから私は歩き出した
「……ダルい」
女の子が見えなくなってから聞こえないように呟く
教室に戻ろうと廊下を曲がると不意に視界が暗くなった、
「あっシロ、今から帰るのー?」
見上げると豊音が笑っている
「うん……豊音も?」
「そうだよー」
「……塞は?」
「塞はもう帰ったよ?」
「……そう」
残念な気持ちに少しだけなる、あと少し溜息が出てしまう
なんで待っててくれなかったんだろうって


11 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 22:45:00 XJ2htKMg
家に帰るとうつ伏せに布団の上に倒れる
「ダル……」
このまま寝たいけど晩御飯も食べず、風呂にも入らず、歯も磨かないのは不味い
「……塞」
仰向けになり塞の事を想う、最近どうにも塞の事ばかり考えている
なんで考えるんだろう……やっぱり私って塞の事好きなのかなぁ……
いや……無いはず、私なんかが恋愛なんていうダルい事を……
……考える時は紙に書くと良いって聞いた事あるな……紙に書いてみようかな
気だるく椅子に座り机に向かい紙とペンと取り出す
「私は塞を……」
……ダル……お風呂に入ろう
私はペンを投げて風呂場に向かった
お風呂では塞の事を考えなかった、流石に疲れるから……
部屋に戻るとそのままにしていた紙を丸めてゴミ箱に投げた
……ダル……ご飯も食べたし歯も磨いたしもう寝ようかな……
……寝よう


12 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 22:46:47 kpm.hkzU
続きを待ってたんだよ!


13 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 23:09:34 XJ2htKMg
今日はシロの家に勉強の為に行く
みんなに声を掛けたけど皆用事があって断られてしまった
シロの家に着くと私は勝手に扉を開けて家にあがる
「ダルいから勝手にあがって……」
シロらしい言葉だ……私はシロの部屋に向かう
「シロー来たよ」
「……ようこそ」
勉強するというのにシロは寝間着のまま布団に包まっている、10時だと言うのに…
「まだ寝てたのシロ……勉強するんでしょ?」
「……ちょいタンマ……」
「それは打ってる時だけにして」
私はとりあえず机に荷物を置いた
「……ん?」
ゴミ箱に目を遣ると紙屑が箱の傍に落ちていた、私は捨てようとそれを拾った
「……塞……」
不意にシロから声を掛けられる、私が振り向くとシロが布団に包まれたまま何か言っている
「なにシロ?」
「……お腹すいた、何か持ってきて」
「……起きなさい」
「ダルい……」
「……じゃあおにぎり作って来るからそれ食べたら起きるんだよ?」
「……うん」
仕方ないなと呟いて部屋を出た
「あっ……」
私は紙屑を持ったまま部屋から出てしまった
「んー……台所で捨てたらいいか」
紙屑をポケットに押し込んで台所に歩き出す、ごはんはあるかな


14 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 23:29:20 XJ2htKMg
……シロとの勉強を終え、家に帰ってから気付いた
「……紙屑持って帰ってしまった……」
脱衣所で服を脱いでる時に気づいた、しまったな……
「……なにか書いてるのかな」
単純な好奇心、私は紙屑を開いてみた
「…………なにこれ……」
シロの文字で小さく「私は塞を……」と書いてある
顎に手をやり思考を巡らせる、シロが私を……どうなんだろう
……もしかして……憎んでるとか……?
いやいや……それはない、それは無いはず……
凄い気になるこの言葉の続き、私はとりあえず戸棚に紙を置いた
「ふー……」
お湯に浸かりながらあの紙の意味を探る
「……悪い意味じゃなかったらいいけど……」
顔の半分まで沈む、何も浮かばない
「……のぼせる」
私は風呂から出て、部屋に戻る事にした


15 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/19(木) 23:59:56 XJ2htKMg
「ダルい……」
今日は家に独りだから私の家で勉強しようって……
塞の家まで歩くのは本当にダルい……けど塞に会えると思うと少しだけ歩ける
「……シロ」
塞の家に着いたと思えば神妙な顔つきでこちらを見つめてきた
「……なに?」
「……取りあえず入って」
ダルい雰囲気……嫌だなぁ……
こたつに早速潜ろうとしたけど案内されたのはこたつの無い塞の部屋
「適当に座ってシロ」
「ん……」
私が座ると対面に塞が座った、少し緊張する
「……ねぇシロ、ちょっと聞いて良い?」
「何を聞くのさ?」
「これ……」
塞がクシャクシャになった紙を見せる、なんだろう……
目を凝らしてみると塞が持ってるのはあの紙だ、心臓が跳ねた感触が一瞬する
「なんで……塞がそれを?」
「シロの家でたまたま見つけた……」
塞が視線を逸らしながら呟く、私は頭を掻いて塞を見つめる
「……言わないと駄目?」
「駄目……」
塞が私に寄る、塞の甘い香りが私の鼻腔を刺激する
「……」
私が沈黙すると塞は不安そうな顔をして見つめる
「……もしかして……私の事嫌いなの?」


16 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/20(金) 00:35:51 CqDWqEGU
「そんな事ない…っ!」
塞が目を丸くする、私も少しビックリしてる、こんな声出せたっけ……
「……久しぶりに今みたいなシロをみたかな……じゃあ何?」
塞が私の目を覗きこむ……逃げられないように服の裾を掴む
「ダル……」
「逃げない、言い訳しないで」
――そうか……私は言い訳してたんだ、ダルいって言い訳……
本当の想いを塞に伝えたら関係が壊れるかもしれない、そう心の底では思って
それで好意を押さえる事がダルくて、悩む事もダルいって……
……でも。どうしても愛情が抑えきれなくなって……
「シロ……?」
……言わないと、ダルくても……これだけは
「……言葉の続きは……?」
生唾を飲み込んで想いを伝える
「私は塞を……愛してる」
言った……だけど何も壊れなかった、ただの思い過ごしだったようだ……
「……ありがとうシロ、私も……愛してる」
塞が唇を近づける、塞って……こんなに積極的だったかな……
そう考えてる間に塞は唇を重ねた、始めての口付け……
「(暖かい……っ……!?)」
完全な不意打ち、塞が舌を私の口に滑り込ませてきた、私は身を強張らせ
塞を強く抱きしめる、塞の舌が私の口内を犯し脳髄まで塞に満たされる感覚がする
「っ……はぁはぁ……ごめん、いきなりキスして」
しばらくして塞が唇を離してくれた、塞の顔は赤くほんのりと染まり、
口元は唾液で少しばかり照っていた
「ど、どうしたの……シロ?……嫌だった……?」
私が少しばかり驚いていると慌てて塞が聞いてきた、私は溜息をして
「そうじゃなくて……塞ってキスしたことあるの?」
「え?……これが初めて……」
「……普通ファーストキスで舌を入れるかなぁ……」
「え…!?」
話を聞くと塞はキスというものは舌を絡め合う物だと勘違いしてたみたいだ…
耳年増というか……
「ご、ごめん」
「いいけど……」
塞の顔が真っ赤になっている、私はその赤くなった頬に手を遣る
「……次は優しく……」
「うん……」
今度は優しく唇を重ねるだけ……私達は時間を忘れて接吻を繰り返した


17 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/20(金) 00:36:02 CqDWqEGU
カン!


18 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/20(金) 00:39:29 GEU4iYzY
あぁ^〜いいっすね〜


19 : 耳たぶ :2015/02/20(金) 01:22:26 ???
素敵だわ〜


20 : 明日はもっと楽しくなるよね、ハム太郎? :2015/02/20(金) 01:53:37 ???
乙ゥ〜!


21 : 名前なんか必要ねぇんだよ! :2015/02/21(土) 13:50:47 yQq83O/Y
あら^〜


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